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Part2 インプラントの視座
インプラントの最適応症とは
西原英志
(西原デ、ンタルオフィス)
臨床におけるインプラントの位置
西 堀 雅一 ・ 武 内 謙 典
(西堀歯科医院)
インプラント埋入時の考慮点
赤野弘明
(赤野歯科医院)
欠損補綴における MIとしてのインプラント修復
日高
豊彦
(日高歯科クリニック)
補綴臨床別冊
診断と治療方針のコンセンサス
2 0 05年 5月 25 日発行
園~¥温)
インフラントの視座
-プランナー
西原英志
.ゲスト
赤野弘明・西堀雅一・日高豊彦
現在,高い予知性をもっインプラントは ,システム化も進み ,広く臨床に定着 し
つつあるが ,コストパフ ォーマンス ,外科的リスク等々を考えた時,本当に最善
の方法なのか? 最適応症を確認するとともに ,審美修復
, 即時埋入などの最近
の潮流についても検証する.
.ゲスト
赤野弘明
AkanoHi
roal
くl
赤野歯科医院
〒 590
・0
103 大阪府堺市深阪商 1
14
Phone:
072-234-8241 Fa
x
:072-234-8241
E
-m
a
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:akano@ wi
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.ne.
j
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1964
年 大阪府生まれ
1990年 大阪大学歯学部卒業
1994年 ペンシルハ ニア大学歯周補綴科にで研修
1
995年 PI
D畠山歯科勤務
1997年 赤 野 歯 科 医 院 開 設
西堀雅一
Ni
s
hi
bor
iMasakazu
西堀歯科医院
干1
51
0
0
51 東京都渋谷区千駄 ヶ 谷 13
0
-8 第 7大京ビ ル4F
Phone:03-3403-8885 Fa
x
:03-3403-8776
E-mail
:masa
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ishi
b
o
ri
@ab.wakwak.co
1957年 東 京 都 生 ま れ
1984年 昭和大学歯学部卒業
1
991年 ペンシ ルパニ 7大学歯周科修了
1993年 同大学歯周補綴科修了
屈歯科医院勤務
同 年 西i
1999年 東京医科歯科大学高齢者歯科学講座非常勤諮師
2004年 昭和大学歯科矯正学教室非常勤講師
日高豊彦
HidakaToyohiko
日高歯科 7リニ ック
〒2
12-0027 神奈川県川崎市幸区新塚越 201 ルリエ新川崎 3F
Phone:0445221580 Fa
x
:044549-4894
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956年 宮 崎 県 生 ま れ
1
982年 鶴見大学歯学部卒業
1986年 日高歯科クリニ y ク開設
阿古11¥温)インフラントの視座
臨床におけるインフラン卜の位置
西堀雅一
武内謙典
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iMasakazu
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iKensuke
西堀歯科医院
現在,インプラントは│
臨床の場において欠くこと
のできない治療法の一 つになっている.インプラン
また,健康な歯周組織であっても,付着-の量が大
きく減じている症例では,動掃が増す可能性もある .
ト を 使 用 す る に あ た り , 出 入 す る た め の 官 の 評価 や
動揺そのものは一定の動指度で落ち着くかぎりは病
今l
床する必要が
イ ン プ ラ ン ト の サ イ ズ , 本 数 を 十 分H
的な状態とは いえないが,動揺するがゆえに患者が
あるが,同時に,患者固有の│
皮合に対する配慮と歯
J
問 機 能 に 不 満 を 訴 え る場合は,タj合 歯 に 対 し て な
│
出I
周 炎 の コ ン ト ロー ル も な さ れ な け れ ば な ら な い .
ん ら か の 処 置 が 必 要 に な っ て く る .対 合 歯 に 根 管 治
療 が な さ れ て い て , 特 に 不 適 切 な ポ ス トが装 着 さ れ
多数歯欠損
ているときには,
1.臼歯部遊離端欠損におけるインプラント
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n根 破 折 の 危 険 性 も 常 に 考 え て お
かなければならない.
従 来 ま で は , 片1
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二あるいは両側性遊Iil
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端欠如に
以 上 の剖!由から,対 合箇I
が 失 わ れ た 場 合 牛1長 則
対 し て は 部 分 床 義 歯 が 用 い ら れ て き た . もちろん義
的に さ ら な る 治 療 が必 攻:とされ. こ の よ う なリスク
歯はいまでも臨床において数多く使用されている
については,インプラント埋入前に十分患者に説明
が , 本 質 的 に 義 歯 の 沈 下 の 問 題 は避けることのでき
がなされる必要がある.さらに,忠者にブラキシズ
な い 問 題 で あ る . 一 般的にはレストなどを用し、て支
ムやクレンチングなどの習癖がある場合は,特にリ
持 域 を 増 す こ と で 対 応 さ れ る が, 支 台 歯 の トラブル
スクが増すだろう .
を経!放することも多々生ずる.
方 , イ ン プ ラ ン トを
J
F
J
い る こ と に よ って義歯の
2. 前 歯 部 遊 離 端 欠 損 に お け る イ ン プ ラ ン ト
沈 下 の 問 題 を 解 決 す る こ と が で き る . また,同 一 歯
般 的 に , 犬 歯 を 含 ん だ 5本 な い し 6本 以 上 の 前
切l
内 の 残 存I
逝に対しでも余分なストレスを加えるこ
$
欠損,時に小臼歯者│
地!度までの欠損を含んだも
歯音 1
とがない . し た が っ て , 片 側 性 あ る い は 両 側 性 遊 蹴
のを「上野i前歯部遊 VJH~~;fd 欠損」と H乎ぶようである .
端欠損症例においてインプラントは品も適切な治療
このような欠損に,可撒性の部分床義歯を使用し
法 と 考 え ら れ る が , 同 時 に , イ ン プ ラ ン トに よ る 弊
た 場 合 は , 安 定 し た 前 歯 音1
$
1
皮合誘導を与えることが
害 も考慮{されなくてはならないであろう .
a
wし く . さ ら に 下 顎 前 1!lfiによる突き上げで義歯の回
E
ま ず , イ ン プ ラ ン トの 対 合l
a
i
に対する配慮が必要
転 沈 下 が 起 こ り や す い . そ の 結 果 , 前 歯 部 の1
渇肉が
密が健全な歯周組織をもち,根管治療
である . 対 合 I
痛んだり,義歯の;i.lJ[:脱が起こりやすくなる . こ の 状
や大がかりな補綴処置がなされていない場合は特に
)
に欠損が生じ,いわゆるすれ速いl
皮合
況は,臼歯音1
問題を起こすことはないと考えているが,歯周組織
に近づくほど顕著となると考えられている .
の 炎 症 が コントロ ー ル さ れ て い な け れ ば , イ ン プ ラ
'
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・1
指音 1
$
遊離端欠損は,上下顎の│皮合関係を考える
ン トは対 合 歯 に 対 し て 外 傷 的 に 作 用 し ,さらなるイτ
l
うえで,特にJ
二顎で、問題となることが多く,下顎で
新の喪失を招くおそれがある.
は 川題 と さ れ る こ と が 少 な い "
36 補綴臨床別問/診断と治療方針のコ ンセンサス
恒三孟孟亘 インプラントの視座
症例 1 臼歯部避難端欠損
図 1 上顎臼歯部における重度歯周炎の急性
発作で来院
図 2,3 抜歯後のオーパ ージ工
図 4 抜歯後のパノラマ写真
y
卜とオ ーバーバイト .骨格的な問題が存在した
図 5 前歯部校合誘導の確立を目的として 上顎骨切り術を行 った
図 6 臼歯部にインプラントを埋入
インプラン卜による日交合高径の確立
図 7 最終補綴物装着時.臼歯部による校合支持と前歯部日交合誘
導が再現できた
本 症例 は . 臼 l
羽部 l
皮 合l
1
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唆への対 応 くその1). 日本的手1
1
玄印
;
1会
雑誌, 57(
3) 25- 32, 2004 に発表したものである
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y 37
また,固定性のブリッジを用いて修復するには,
その欠損部の距離が長く,セメントのウオッシュア
ウ ト, 歯 牙 の 動 揺 , 鍛 着 部 の 破 折 な と 長 期 的 な 予
後に不安を覚えることが多々ある .
機 能 而 に お け る 問 題 点 は ほ ぼ 解 決 さ れ た と い っ てよ
い の で は な い だ ろ う か.
長 期 間 に わ た っ て 機能 し た 場 合 , 歯 牙 と イ ン プ ラ
ントの挙動の違いから皮合になんらかの不都合が
以上の内容を踏まえ,前歯部遊離端欠損,特に上
生ずる 可 能 性 は 否定で、きないが,基本的に,歯牙を
額における場合の特有の問題点を以下に列挙する.
皮 合 を イ ン プ ラ ン トの み
喪失したとしても,全体のl
①
下顎前歯部の突き上げによる,上顎可撒性義
歯の回転沈下.
②
そ の 結 果 , 長 期 的 に は 特 に ク ラ ス フ。
義l
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にお
いて,維持力が低下し,義歯がはずごれやすくなる傾
向がある .
③
可t
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&性有J
I
綴 物 に な る と , そ の 結 果 , 前 歯 部│
皮
合 誘 導 が 不 安 定 になりやすい.
④
多くの場合, ロ ン グ ス パ ン の 欠 損 形 態 で あ る
ため,固定性補緩物の適応、となりにくい .
で支持できるような設計が事前に考慮されていれ
ば,大きな問題にはならないだろう .
ロ
単独歯欠損
1.臼 歯 部 に お け る 単 独 歯 欠 損
単独歯欠損におけるインプ ラントの最大の意義
は,いままで行われてきたブリッジによる治:療に比
べ,両│
務在歯を削合しない点にあると考えている.
もちろん,適切に設計されたブリッジは長期間にわ
t
J
l
日出欠損
以 上 の 理 由 か ら , 過 去 に お い て は 前 方 遊l
たり機能することが知られているが,削合によるエ
l綴 を す る う え で い く つ か の 問 題 点 を 抱 え た 鄭
は,ネi
ナメル質の喪失,歯髄 へ の 影 響 な ど を 考 え れば,イン
症 例 の ー っと して 考 え ら れ て い た が , イ ン プ ラ ン ト
プラン トのf
変 位 性 は 明 ら か で あ ろ う .特に臼歯音 1
5で
が臨床に多用されるようになり,これらの問題点が
は 皮 合 力 に 耐 え う る で あ ろ う サ イズのインプラン
解消されるようになってきた.
トを盟入できれば,治療法の第一 選択と考えている .
そ こ で , イ ン プ ラ ン トを 用 い て 前 方 遊 離 端 欠 損 を
上 顎 臼 歯 部 に お い て は , 上 顎j
同の存在がときに十
治療した場合,どのような利点と欠点があるかを考
分 な サ イ ス の イ ン プ ラ ン トの J
l[入を阻むことがある
え て み た い . ま ず 利 点 を 列 挙 してみる .
が,現在ではさまざまなテクニックによる上顎洞挙
①
固 定 性 で あ る か ら , 可1
放性義歯で‘みられた回
転沈下は起こらず,患者にとって快適である .
②
固定性であるから,安定した前歯部岐合誘導
を付与することができる .
上手│
庁が普 及し,このような'骨量 の 問 題 点 を ほ ぼ 解 決
している . しか し, -,ご顎臼歯部では様 ~;13 が異なり ,
下 顎 管 の 存 在 は い ま だ に 解 決 さ れ ず に い る .抜歯後,
I
剖骨骨の吸収が大きく,また,下顎管が高位に存在
欠点と思われる点は以下のとおりである.
す る 場 合 は , 比 較 的 短 い イ ン プ ラ ン トで対応するか,
①
あるいは骨の垂直的増加が望まれる .
イ ン プ ラ ン ト に よ る 治 療 は 一 般 的 に 部 分 床義
歯を mい た 治 療 に 比 べ 治 療 期 間 が 長 く な る .
多 く の 長期経過をみた論文では, 短 い イ ン プ ラ ン
l
f
f
J槽'高の量一がインプラン ト;
埋入のために不十
トは 標 準 的 な サ イ ズ の イ ン プ ラ ン トあ る い は そ れ よ
分 で あ れ ば な ん ら か の 骨 造 成 法 が必 要 と な り , そ の
りも長いものに比べて予後が悪いとされている .近
結 果 , 治 療 期 間 が さ ら に 長 期化 する .
年,表面が粗な性状なものによる短いインプラン ト
②
③
1
・
E槽 骨 の 欠 損 量 に よ っ て は 審 美 的 な 補 綴 物 を
作製することが困難な場合がある.
@
インプラントと歯牙のl
皮合力に対する挙動の
違い.
こ の よ う な 予想さ れ る 問 題点に閲して,主桜美的な
面で患者の満足,あるいは理解が得られるかぎり,
38 補綴臨床別冊/診断と治療方針のコンセンサス
国え,これらの報告では通常のサイズに比
の 報 告 がi
して変わ らない成功 率 を 示 し て い る も の も あ る . し
かし,臼歯部における単独歯欠損において短いイン
プラン トの 報 告 は 現 状 で は ほ と ん ど 存 在 せ ず , こ の
よ う な 部 位 に 対 す る 短 い イ ン プ ラ ン トの適応の成否
に│
刻しては不明である .
直孟孟正亘 インプラントの視座
垂直的骨造成に関しては
造成を手段 fき もあるが,
1
1
寺に 1
0m mを超える
位 の 骨 量 , 特 に そ の 骨 闘 が重 要 視 さ れ て き て い る .
一 般的に下 !Jjl~ 臼 lllij' 部における
適応症であれば,
燐在歯の
リー ズ ナ ブ ル な 審 美 性 と l
骨の増量は技術的に困難なことが多く,また成功 し
削 合 を 避 け る と い う イ ン プ ラ ン トの 最 大 の 利 点 を 活
た場合でも数 1
1
1
m程 度 の 増加l
に終わることも多い.
かすことができる.
以 上 か ら , 下 部i
臼歯部における単独歯インプラン
機 能 町 で は , 犬l
i
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i
における単独歯欠損に対するイ
トの 困1
1
1
1;
さが 理 併 さ れ る だ ろ う . 下 顎 臼 l
通部におしミ
ンプラン トの適応がし、まだ不明である . 犬 歯 は 当 然
て は そ の 骨 量 が限定される場合, CT撮 影 が 必 須 で
!
l
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l
方力を負担する状況にあることが多
│
皮合における 1
あ り , 場合 に よ っ て は ブ リ ッ ジ の 適 応 が 優 先 さ れ な
く , 単 独 の イ ン プ ラ ン トで そ の側 方 力 を 長 期 に わ た
生l
の削合 を 了 承 し な い
け れ ば な ら な い . 患 者 が 隣 在I
り 保 持 で き る か ど う か , そ の 適 応 に 関 して は 慎 重 で
場 合 に か ぎ り , そ の 長 期 的 予 後 に お け る リス ク を 説
な け れ ば な ら な い . 現状,骨'との接触 査 を 増 や す た
明
, :
E
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I
解のうえで単独歯欠損における短いインプラ
めに,荷重に耐 えうるであろう十分なサイズのイン
ン 卜の 使 用 が 許 さ れ る も の と 考 え て い る .
プラン トが 使 え る 場 合 に 使 用 さ れ る べ き で あ ろ う .
口
2. 前 歯 部 に お け る 単 独 歯 欠 損
歯周病とインフラン卜
一般 │
臨床で最も多く遭遇する歯周炎は,慢性歯周
前I
密部における単独歯欠損では,若手美性の雌立が
最 も 大 き な 課 題 で あ る . 近 年多 くの論文により,市I
f
'
炎に分類され,プラ ー ク喫;型,糖尿病などのリスク
前 診 査が 雌立さ れ , そ の 適 応 が よ り 明 確 に な っ てき
ファクタ ー をコン トロー ル す る こ と に よ り 卜分 反 応
ている . I燐在協の付着の状 況 ,歯肉の ~I~ 状,担入部
す る と さ れ て い る .一 方 ,以 前 ,広汎型若年性歯周炎,
症例 2 前歯部単独欠損
図8
J
J歯根‘上L歯冠破折にて来院
図 9 抜歯と 同時にイ ンプラン 卜を埋入
図1
1 術 後正 面観
図 10 術 後 X線写 真
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症例 3 侵襲性歯肉炎とインプラント
図 12~ 14 28歳,女性.前歯部における見た 目を気にして来院
図 15 術前 X線写真.重度の骨吸収が認められる
図 16 術前ポケ ッ トチャート
図 17 大きなオ ーパー ジェ ッ トを示す
40 補綴臨床別冊/診断と治療方針のコ ンセンサス
E 重 量 インプラントの視鹿
図 18 矯正治療により,審美性の改善と,骨形態の修正 を行 った
9 術前の右側臼歯部
図1
図2
0 ~は 口 蓋根、~は近心頬側根と遠心根を残した
図2
1 術 前 の 司 .近心 l
こ深い骨縁下 欠損がある
図2
2 矯正による近心への歯体移動.その結果見かけの骨欠損
は消失している
図 23 司遠心にインプラン 卜を埋入
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1
図 25 矯正的挺出により,骨形態を修正
図 24 r
子 全周にわたる骨縁下 欠損
図 26 術後正面観
図 27 術後 X線写真
図 28 術後ポケ ッ トチャー ト
本 症 例 は , 臼 曲 部l
皮合 j
針域への対応 〈
その 2). '
1
1
本l
Y
'i科医師会雑誌. 5
7(
5
)
42 補綴臨床別冊/診断 と治療方針のコ ンセンサス
25- 31, 2004. に発表したものである .
雇立正副 インプラントの視座
急速進行 'I~Iー 歯周炎,あるいは雌治性 ü1fi 周炎といわれ
本を主1入し,これらの忠者を, Gr
oupA (
慢性的周炎
ていたものは,現在侵製性歯周炎として分類されて
により歯牙を喪失し, 21本 の イ ン プ ラ ン ト を 担 入
いる . これらの歯周炎では, 一 般 的 な 機 械 的 清 掃 に
された 8人)と, GroupB(
歯 周 炎 の 既 往 の な い , 91
対 す る 反 応 が 怒 く , い ま だ 治 療 法 が 雌立さ れ て い な
本 の イ ン プ ラ ン トを担!
入 さ れ た 45人 ) と に 分 瀕 し
い.現状,機械的消掃とともに,利│
菌検査に基づく抗
た へ 10年 間 の 飢 察 W
J間 後 , Group A の 生 存 率 は
生 剤 の 全 身 投 与 が 模 索 さ れ て い る . 非 常 に毒 性 の 強
90.5% , Group B の 生 存 率 は 96.
5% で あ っ た .
い紺│
閣の│
共j
与と,キI
U
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¥
Tに 対 す る 強 い 感受 性 を も っ 個
GroupA は B よ り も 有 意 にインプラン ト周 囲 炎 が多
体とが相互にかかわることで,このように治療に反
か った (
28.6% v
s
.5
.
8%).以 上 か ら , 慢 性 歯 周 炎 に
応しづらい状況が成立していると考えられている .
より歯牙を失 っ た忠者のインプラン ト は,歯Ji~'J 炎以
Ii周炎,1
11¥忠者に,イン
慢 性 歯 周 炎 あ る い は 侵 襲 性l
外 のJ
l
!
l
由で歯牙ーを 失っ た 忠 者 の イ ン プ ラ ン ト よ り も
プラン トを用いた場合 , 歯 周 炎 の な い 場 合 に 比 較 し
生 存率 が 低 く , 生 物学 的合 併 症 が多 い と 報 告 し た .
てその予後に差が出るのであろうか?
Nevins,
Nevi
nsらカ湾民告 し た よ う に 的 周 治 j
J
iカ
{
j
j
!
!
i
切
に
Lang e r らは,主H~ 治性歯周疾 忠患 者におけるインプ
行 わ れ た4
1
、 者におけるインプラン 卜の 使 用 は 多 く の
ラント治療で,良好な結果が得られたと述べた 2
¥間
場 合 成 功 を 収 め て い る が , Mengelら に よ る 侵 裂 性
交対象には部分欠損, ,1!lfil羽 !~JI }ili~ 老?ともに含まれてお
歯周炎におけるインプラント治療の長期予後への疑
り
, 二 人の世簡1
周 病専
専i
.
1
'
門
吋
1
可
l
i
医 に より 1
岨
山
埋
立
盟
盟
1
.
入 された合計計占 3
0
ω
9
問
, Karoussisらによ る 似 性 歯 周 炎 に 関 す る リ ス ク
本のインフプ。ラント カ
7
が
うf言刊
;
1
の呈 示 は.今 後 注7
2
i
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A
Eく仰│
究 さ れ る必 要 が あ る だ ろ
で
で
、
は9
郎8%σ
の〉成功を示した .こ れ ら の 結 果 か ら .歯 周
う. い ず れ に し て も イ ン プ ラ ン ト 担 入 に 先立 ち , 適
Jす る 感 受 性 の 非 常 に 高 い 患 者 に お い て も ,
疾患にy.
切 な 炎 症 の コ ン ト ロ ー ル は 必須で、あろう .
インプラン ト治療 で 良 好 な 結 果 が 得 ら れ る と し た .
イン プ ラ ン ト は │
二I
J空内のあらゆる菌汚ニの欠損 に対
一方
, Mengelらは広汎型侵襲性歯Ji'i
J
炎 (GAgP)で
I
川 、られるようにな っ て き た . ま た , 骨 移 植 や
してJ'
治療を 受 けた患者・ 5 人よ沙L ~ 似性的周炎
( GCP )
i
GBRi
去 を 併 用 す る こ と で , 従来 困 i
o
Hと 考 え ら れ て
で 治 療 を 受 け た 患 者 5人 に そ れ ぞ れ 36本
, 12本 の
きた部位に対しでも,その適応が拡大されている .
インプラン トを埋入し, GAgPは 5il
三I
I
J
J
,GCPは 3年
欠 煩 形 態 , 残 存 骨)
d
:
,I
皮合関係に対する十分な配信
間 そ れ ぞ れ 3カ 月 ご と に リ コ ー ル を 行し入 │
臨床桁標
と l~'i 周炎に関する炎症のコントロールがイン プ ラン
と歯肉 縁 下車I
U薗叢を評価l
iした 川.その結果,インプラ
トの 長 J
U
JI
'
J
'
J
-成 功 の 上 で、
重要 と 考 え て い る .
ン ト の 成 功 率 は G CP グル ー プ 100% , GAgPグル
ー プ 88.8% だ っ た . GAgPグル ー プ で成 功 率 が 低 か
参考文献
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U侵 裂 性 歯 周 炎 と 広 汎 型 慢 性 的
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記者におけるイ ンプラン ト治療
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は,良好な結裂が得られる 可 能 性 があると報告した .
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しかし, GAgPグループでは, 3 ヵ 月 ご と の メ ン テ
ナンスにもかかわらず, 3il
三を 超 え て か ら 歯 牙 周 囲
でさらなる付着の喪失を示した.疾忠の進行を十分
に排除できなかったことから, GAgPグル ー プ の 長
則 的予 後 に つ い て い ま だ に 疑 問 が 残 る と し て い る .
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53人の忠者ーに I
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総体として, EBMは 大事 だ と 思 い ま す . しかし ,
インフラントの
EBMの 考 え 方 と し て 「 目 前 の 事 実 」 す な わ ち 患 者
そ れ ぞ れ の 倒 別 性 も 無 視 で き ま せ ん . その意味で,
適応症をめぐって
経過から導かれる事実もふまえて討論できればあり
がたいと思し、ます .
口
西原
最適応症とは
西原
まず,最適応症と思われる症例とは?
日高
最 適 応 症 と い う 点 で・
は , 若 年 者 を 除き, 全
近未来に超高齢社会となるこの国で,患者
身状態が安定していれば,すべての欠損修復はイン
さんのためになって,なおかつ自分のためにもなる
プ ラ ン ト の 適 応 症 だ と 思 っ て い ま す . コ ス ト, 治 療
日本型歯科医療とは何か?
少し大きすぎるテーマ
期 I'M~ , 外 科 的 侵 袈 と い っ た 欠 点 は あ り ま す か ら , リ
日本の歯科医療の向上のために臥米か
ム ーパフソレ,フィックスのデンチャ ー の利点,欠点と
らの EBMの 流 れ の プ ラ ス 聞 を 評 価 し つ つ , 日 本 で
比較して,患者さんが選択するものだと思います.
椛 わ れてきた歯科 医 療 の 土 壌 の よ さ を 融合させる こ
欠損ネrIi綴という点では,インプラン卜が最もミニ
なのですが,
とで,実り多い未来を指向したいと思います.
きょうの座談会は,
r
インプラン
マムインタベーションな治療法だととらえています.
トの 最 適 応 症 と
西堀
固定性補綴におけるインプラントの利用は
思われる{象をクリアーにし,そう判断した根拠,治
多くの│臨床例と論文が示すとおり,有用であること
療方針の根拠を 呈示」していただけたらと考えてい
は ま ち が い あ り ま せ ん . 可t
放性音1
¥
分 床 義l
liIiにおける
ま寸 .そ し て , イ ン プ ラ ン ト の 適 用 が オ ー パ ー ト リ ー
利 用 に ついては, 一 部 の 適 応 を 除 き 今 後 の 謀 題 だ と
トメントなのかア ンダ ー トリート メン トなのか,ま
思 っています¥
手│
イ1
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た , イ ン プ ラ ン ト の コ ス トノTフォ ー マンス,タn十
赤野
イン プラン トが 最 適 応 と 考 え ら れ る 場 合 と
な リ ス ク , 処 置 後 の リスクなと に つ い て も う か が い
は,
たいと思っています.
長期 的に見て]J券 っ て い る と と も に , 患 者 の 満 足 が 得
ε
イ也の t台双引去と上 ~jll交して,
インフ。
ラント σ
コほう 7う
f
もう 一 つ,インプラントは, 1歯 あ る い は 1根 に
られるような場合であり,これはほぼ多数歯欠損あ
1本 と さ れ て き た の で す が, 多 様 な イ ン プラン 卜の
るいは遊端欠損の補級,あるいは両│
燐在歯がヴァー
ある現在,長さ,直径,表面性状などが本数に及ぼ
ジンティ ー ス の 場 合 と 考 え ら れ ま す .今 回 選 ん だ 症
す影響についても,討
例 3は,保存 不 可 能 と判断した歯牙を抜歯した場合,
j
様
隊
信
│
策
j長
式 をとど
さらに, インフプ。
ラント治療において│
岐
皮合右
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i欠 損 に い た る と と も に , 臼 I
岩部での安定した
多 数i
う与与 え る ベ き か , そ れ を 実 現 す る た め に ど う 間 接 法
l
皮合 支 持 と と も に ア ン テリア ・ポ ス テ リ ア ガ イ ダ ン
でつくりあげていくかもお聞き したいと思います.
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]に与えることが因襲Iiとなる症例です .
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また, 5年
, 1
0年と い う 月 日 の な か で 天 然 歯 は 動
いていくのに対し,インプラントは動かない.それ
口
審美性について
を同じ 一 口 肢 の な か に 共 存 さ せ っ つ い か に │
皮合再構
西原
審美 についてはどのようにお考えですか.
成をしていくのか,メンテナンスの中でどうチェッ
日高
若手美 的 要素 と し て は
1簡 の 修 復 か ら 総義
クをしていくのかなどたくさんの疑問があります.
歯 ま で , 到 達 目 標 は 同 じ だ と と ら え て い ま す .ただリ
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J
[1奇埋入,
最 後 に , イ ン プ ラ ン トにおける 審美, J
ム ー パ ル デ ン チ ャ ー と遠い 天 然 歯 の 修 復 で は 歯 周 組
即 時 荷重 な ど に つ い て , 欧 米 に お い て は 果 敢 に な さ
織との構造イ木を理解していなくてはいけないし,歯
れていますが,先生方のお考えはいかがでしょう .
それぞれのカントゥアにも配慮しなくてはいけない.
60 補綴臨床別冊/診断と治療方針のコンセンサス
直 孟 孟 通)インプラントの視座
図 1 歯周組織と調和した審美修復 〈日高〉
イ ン プ ラ ン トの 場 合 に は お と は 生 物 学 的 に 構 造
あ っ た り す る と 思 い ま す . そ の 点 , イ ン プ ラ ン トで
が全 く速いますから,同じ手作美 的結果:を出すために
は廃用性萎縮が生じて,頬側のI
主i肉 や 骨 レ ベ ル が 下
は, い ろ い ろ と 悪 戦 苦 闘 し な け れ ば い け な い と こ ろ
がるような気もするのですが・・・・
が 出 て く る .患 者 さ ん の 希望 ど お り に 行 う に は , ま
日高 雌か に , 前 歯 部 は 臼
mに 比 べ る と フ ァ ン ク
ず 位 置 の 問 題 が あ り , 上 音I
)
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:
l
j
:i主についても難しい点
ションはあまり与えないので,そうした傾向がある
が多く生ずるので,いかに術前に条件を詰めておく
かもしれません. ただ,インプラントが出入されて
かがいっそう 重 要 で す .
い た 期 間 が 長 い ほ ど 骨 と イ ン プ ラ ン トの 接 触 率 は 高
前歯部では特に歯問乳頭について議論され
かったとする論文もありますから・・・・・・.インプラン卜
ることカ f多 い と 思 い ま す .イ ンプラン ト聞にはで き
庄リモデリングを繰り返しています.
周 囲 の 骨 も 生j
西原
な い が 1本 で は 条 件 に よ る と い う こ と で す が , そ の
あたりの基準というのはいかがでしょう
西堀
基 本 的 に は , 近遠 心 的 な 高 さ に 関 しては,
口
即時埋入 ・即時荷重
日高
「即時性 Jに 閲 し て は ,イ ミデイエ ート プ
i
lの ア タ ッ チ メ ン 卜レ ベ ル が し っ か り し て い
両 隣 在l
レー スメン ト, イ ミ デ イ エ ー ト ロ ー ド , イ ミデイエ
ればそこのレベルまでは回復します.
ー卜 フ ァ ン ク シ ョ ン と い う ふ う に わ け で 考 え る べ き
そうですね. しかし,乳頭部の骨はインプ
でしょう . 私 は プ レ ー ス メ ン 卜 は し ま す が , 現 在 の
ラントが保っているのではなく, I
燐りの 1
主i
に 保 って
ところロードはほとんどかけません. イミデイエ ー
もら って い る わ け で す か ら . 問題 は 頬側 で す
トロードとい わ れ る も の で も , ま ず レジ ン に よ る プ
日高
西原
頗 側 の レベ ル を コ ン トロール するために,
紺│
いものを埋めるか,それとも涼めに入れるか・・・・・¥
日高
大 切 な の は ,頬 側 の 骨 の 厚 み が ど れ く ら い
ロビジョナルレストレーションでロードをかけて,
そ れ か ら 最 終 修 復 物 を 装着 す る の か , 当 初 か ら イ ミ
デイエー卜に最終修復物でロードをかけるのかで,
残 って い る か で す よ ね. インプラントの頬側に 2
違 っ て き ま す .イ ミデイエ ート フ ァ ン ク シ ョ ン と い
mmくらい残っていれば, リセ ッ シ ョ ン し な い だ ろ
手美性,発音, I
国
/
1 などのファンクションを
うのは,手1
うと思える . そ れ だ け の シ チ ュ エ ー シ ョ ン が と れ な
イ ミ デ ィ エ ー ト に と い う, 究極 の チ ャ レ ン ジ で す .
葉 側 よ り に 入 れ れ ば一 応 患 者 の j
j
l
i
¥
j
足
いとなると,仁l
現在,私にとってイミデイエートロードを行う基
は得られる . も ち ろ ん オ ク ル ー ジ ョ ン の 問 題 も あ り
準 は , ク ロ スア ー チ ス プ リ ン トができる,または,
ま す し , 逃 げ の 手 で す が. あ と は 骨 を 作 る か ど う か
す で に オ ッ セオイ ンテグレ ー シ ョ ン の 得 ら れ た イ ン
ですね. 1本 の イ ン プ ラ ン ト の 場 合 は │
燐在歯との距
プラントと連結する場合だけです.
)
jif'と唇側の厚みをいかに時保するかだと思います .
m
イミデイ エート プ レ ー ス メ ン ト の 利 点 は , 治 療 期
歯 は 機 能 し て い る こ と に よ っ て,また歯根
間が短縮できるということと,周囲組織の保全がで
J
I
莫の力によって,骨が保たれたり,支持のレベルが
きること,欠点は,難しいということと,感染と抜
西原
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図 2 抜歯即時埋入を行い、同日にプロビジョナルクラウンを装着 〈
日高〉
i
4Ii即時であればギャップの問題をクリアーにしなけ
西原
ればいけないことです.
赤野
くよりは,骨の l
吸 収 が 少 な く な る と 思 う の で す が.
E
I
一 つ疑問点があるのですが,若手美的な理 E
た と え ば 頬側 の骨盤が, 0
.
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1
1
1
1
1あ っ た 場
合 , イ ン プ ラ ン トを 入 れ る こ と で な く な っ て し ま う
で フ ラ ッ プ レ ス に す る と か , 抜 歯 即 時J
.ill.入するとい
と , 口 叢 の 骨 盤 ま で一 気 に 減 る 懸 念 は あ り ま せ ん
う 話 が あ っ て , そ う す る と , あ た か も 頬側 の 骨 が 技
か?
るようにいわれるのですが,基本的に骨の治癒に │
期
・
・・
・
るのか, そ う で は な い の か ・
・
しては同じだと思うのです.部い骨盤であろうが厚
日高
イ ン プ ラ ン トを 埋 め た ほ う が , 条 件 が よ く な
すき間に l
飢f
!
)
j
が入っていわゆる骨伝導する
い骨盤であろうが,抜歯してフラップを閉じた段階
かもしれませんが, 一 方
, J
U
l流 の 阻害 条件 に も な る か
で , 頬側 の 骨 レ ベ ル と 厚 み が 減 少 す る . そ の 時 に ,
もしれない .ただ,前 I
弱音1
¥
の場合は,抜歯即時でやっ
たまたま残っている骨壁が非常に薄い場合には,な
劫合 に は
, 当然, 歯 の 方 向 に イ ン プ ラ ン トを 入 れ れ
たj
くなってしまう .だから,より リセ ッ シ ョ ン を す る .
ば1
t
l
i側 に 傾 い て い き 修 復 の 問 題 が 起 き て く る . イン
そ れ に 追 随 し て 軟 組 織 が 変化 す る と い う の は , こ
プラン トと抜 i
l
i
l託部のギャップカf出 る の だ っ た ら ,}
i
質
れ は も う い た し方 な い 生 体 の 流 れ だ と 思 う の で す .
側 にギャ ップを集 め て き て 増 骨 を 則j
待するというの
したがって,骨監ーが部い場合は変化 を予 想 し に く い
さい、ます . ソ フ ト テ ィ ッ シ ュ の
も一 つ の 考 え 方 だ と j
ので、抜 I
詣 と 同 時 に 骨 移 植 を 行 い ( ソ ケ ッ トプ リザー
部分は,フレ ッシ ュ ・オベイ ト ・ポンティ ックの よう
ブ), デ イ レ ー ドを選択 します .
な 形 で サ ポ ート すると, l
.21
1
1
1
1
1ぐ ら い の リ セ ッ シ
西掘
抜いて,待っていれば,それは予想がつき
ヨンですむと Koi
sが 述 べ て い ま す の で , そ れ と 同
ま す よ ね , 治 っ た 段 階 で 埋 め る か ら . しかしその時
じ こ と が い え る と 思 い ま す . Kanら の 一 連 の 報 告 で
には,
も 抜 歯 即 時 に イ ン プ ラ ン トを 埋 入 し , プ ロ ビジョナ
もうイ可もなくなっているということもあるの
で は な い か. パ ッ カ ル プ レ ー トが残せるか,残せな
ルを装着 したものは,
いかというのは大きい違いです.
し
、.
た と え ば イ ン プ ラ ン トを 埋 め る と い う の は , ボ ー
ングラフトを して い る の と 同 じ で は な い で す か . 何
か を 埋 め て , そ こ の ギ ャ ッ プ を 小 さくする
.
L
Lの
場合,ただ抜いて閉じれば,多分しばらくすると頬
側 壁がず、っ と引 っ こんでくる .
西原
I
I
次組織の吸収が明らかに少な
イ ミ デ イ エ ート プ レー ス メ ン トで す が , 実
感 と し て 普 通 の デ イ レ ー ドとかステ ー ジドアプロ ー
チでやった場合と, 比 較 し て ど う な の で す か .
西堀
自分自身,なぜ赤野先生のようにデイレー
口茶側の骨盤から 9~i
ド で は な く て , イ ミ デ イエ ート で や る の か な と 考 え
1f!1J までの骨壁:の距 VJH~ よりも,インプラントを埋めた
てみると,フラップは,どんなフラップでも,聞け
ら,頬側 壁 ま で の 距 離 を ず っ と 短 く で き る の で は な
れば必ず骨吸収が起こるし,必ずアタッチメントロ
い で す か. イ ン プ ラ ン トを 補 頃 材 と 考 え れ ば ギ ャ ッ
スが起こる . だ か ら , 両 │
燐在歯のアタッチメントが
プ が小 さ く な る か ら , そ の 分何 も し な い で、
放ってお
しっかりしていれ』ましているほど,フラップを聞い
62 補綴臨床別冊/診断と治療方針のコンセンサス
ー孟孟孟量 インプラントの視座
た瞬間に片側は下がる . だから,フラップはいじら
うし,そこまで、待ってインプラントというのが一 番
ずに切開を入れて,抜歯して,治るのを待つ.
組屈的には正しいとは思うのですが,そこまで待っ
抜 い て 埋 め よ う と 思 っ た 1守に,その段階でフラッ
プを し て い る の は 怖 い で す が , パ ピ ラ は い じ り た く
てやらなければいけない治療なのかは疑問です.
西原
経1
1
寺的変化で皆さんにうかがいたいのは,
ないから,パピラをはずした切開組を入れることに
アノ〈ットメントとフイクスチャーとのギャップ,そ
な る . 軟 組 織 の 面 か ら 見 た と き に , イ ミ デ イ エ ート
れから何
はよいのかなと思います.
.5111111 は 吸 収 す
え ば ギ ャ ッ プ か ら 少 な く と も 1~ 1
日高
1
1
1
1
1
1吸 収 す る の か と い う こ と で す .
たと
即時埋入のデー タをみても,やはり軟組織
るだろうという こ と に な る と , 探 く 埋 め れ ば 埋 め る
は若干は下がっていますから,即時:J:
A入 で 全 く 下 が
ほど,両隣在歯からすると,そこに清掃ができない
ら な い と い う の で は な い . 成 功 す る た め に は 1111111
領 域 を つ く っ て い る わ け で す.審 美的には少し深め
ぐらいは下がる覚悟で即日寺埋入するべきだと思うの
に埋めたほうがよいのだろうけれども,そこにどん
です.だから,理想的位置に軟組織があったとした
どんポケットができてくるとどうなのでしょう.
ら , 抜 歯 す る 前 に 矯 正 で 1111111程 度 挺 出 さ せ , 歯 周
日高
審美的にはコントロールしやすいというこ
組織がついてきたところで処置をしないと,審美的
とだけで,それ以外のメリットは何もないと思いま
に失敗する雌率は高いだろうと患い、ます.
す.それを 主
主体が許してくれるだろうと思う人はそ
西原
では,秋組織をいじらないこと以外は,イ
0年 以 上 経 過 の 論 文 という
こ と で す ね . そこは, 1
ミデイエ ー トの 意 味 は な い ?
赤野
うするし,そう思わない人はしないだろうしという
若い先生で,イミデイエートは骨がなくな
らないからよいのだと勘違いされていることが結構
のを私は知らないので,それなりの長期の話がまだ
ないと こ ろ に 不 安 は 感 じ ま す .
あるのです.イメージ的に,骨が吸収しないのでイ
私にも先ほどの西堀先生のリセッションの話と同
ミデイエ ー トが よ い と い う ふ う に 誤 解 さ れ て い る .
様 な ケ ー ス が あ り ま す . セ ッ ト し て 2年 7カ 月 目 に
自分でも困っているケースですが,抜歯し
急 にリセッションしたのです.それまでうまくいっ
てすぐにあまり多くフラップを開かずにインプラン
て い る な と 安心 し て い る と ,急、に リセ ッションする
卜を 埋めま し た , 頬 側 の 骨 は 相 当 薄 か っ た の で , 頬
ことがある.こういう経験をすると , 1
0年 以 上 経 過
西掘
側のほうにスペースを聞けて,深めに埋めたので
す . 2回 法 で 治 療 し ま し た . そ う し て , 補 綴 し た の
ですが, 2年 後 に 碩側 の 骨 が な く な り リ セ ッション
したというケースがあります. それで大あわてで軟
口
機能か審美か
西原
日高先生は,すべてが適応症であるという
お話をされていたのですが,
組織のグラフトをしたのですが・ ・
・・
.
だ か ら イ ミ デ イ エ ー ト で や っ たから必ず骨がなく
ならないというのは正しくない,それは赤野先生の
おっしゃるとおりだと思うのですが,でも,そのよ
ということと,
i
す べ て に 適応 で き る 」
i
すべてが適応症である」というこ
ととは,少しニュアンスが違うと思うのですが.
日高
イ ン プ ラ ン ト 以 上 に ク ラ ウ ン ブ リ ッジや リ
t
友い
ムーバブルにメリットがあることは何かと考えてい
1
t
:
xっ て お い た ら , 骨 J
I
及I
1
又してインプラン
くと,あまり思いつかない.長い経過でみれば,ク
う な 状 態 に な る よ う な イ ン プ ラ ン トだったら,
てし l
まらく
し た デ ー タ を 渇望 したくなります.
ト 埋 入 す ら で き な か っ た の か な とも思います.
ラウン・ブリッジやリムーバブルのデンチャ ーのほ
抜1
忠商に骨補填材を入れてその後インプラ
うが対合歯にやさしいかなと思いますし,ペリオの
ン トを 入 れ て い っ た 場 合 に ど う か ? 厚 み は 得 ら れ
進んだケ ースにインプラントを使うのは対合歯を痛
るかもしれないですけれど,やはりそれが完全に骨
め つ け て し ま う の で こ わ い 最 初J
のころは,そこ
に 置 換 さ れ る に は 5年
, 6i
l
三という 1
1
寺聞が必要だろ
までダメージを与えるとは思わなかったので,
日高
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3
図3
ネ
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I
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綴
ケ ースなどにも適用していたのですが,そうし
えるという こと で す ね . 成 人 の 場 合 で , ど ん な 欠 損
た場合には対合歯の寿命が短くなることを経験して
があっても,まず第一 の 選 択 は イ ン プ ラ ン 卜にする.
います .
ブ リ ッジの生存 率 に つ い て は , 宮 地 先 生 ら の 統 計 で
a
患者さんが治療に何を望んでい る の か ? 確定的
なもののほうがよいのか,先々再治療があってもな
は 8年 程 度 だ と 思 い ま したが・・
西堀
それは術者のテク ニ ックと患者のプラ ー ク
おを残すことを望むのかということを
るべく自分のl
コン トロール に左右されると思し、ますので, 一 概 に
患 者 さ ん が 選 ぶ べ き だ と 思 い ま す .先 ほ ど の 歯 周 補
生存率の データでは比較できないと思いますが,正
織 の よ う な ケ ー ス で は , イ ン プ ラ ン トの 対 合 歯 も 予
時に治療されたクラウン・ブリッジは捨てたもので
知l
性 は な い の で , 抜 歯 して い ま の う ち に 上 下 と も イ
はないと思います.文 献 上 で イ ン プ ラ ン ト の 成 功 率
ンプラン トにするのか,歯を長く残したいのか-
0% だ か ら イ ン プ ラ ン ト の ほ う が よ い と い う の
が9
西原
赤 野 先 生 の イン プラン トを 使 う 最 大 の 目 的
皮 合 崩 壊 症例 を食いとめるということでしたね.
は
, I
赤野
│
皮合崩壊症例だから使うというわけではな
は,どうかなと思います.
西原
その意味では,長期になってくると,今度
はペ リイ ン プ ラ ン タ イ テ イ ス の 問 題 も あ る し
皮合
い で す が 皮 合 崩 壊 症例 に お い て の リス ク を 承 知 し
の問題もあることを考えると,まだいまの論文では
理解したうえで使っていきたいと思っています.
予 測 の 範 囲 で し か な い 部 分 も 結 構多 い で す よね.
西原
とマコ時点で、インプラン トを適用 して 踏 み 込
むのか?
日高
ペ リイ ン プ ラ ン タ イ テ ィ ス の 細 菌 も 歯 周 病
たとえばすでにI
皮合崩壊症例である場合
の剥I
1
菌と非常に似ているということですから,ベリ
と,その過程にある症例 がありますよね.たとえば,
イ ン プ ラ ン タ イ テ ィ ス の 問 題 で イ ン プ ラ ン トの 予 知
ペ リオ が そ こ そ こ進 ん で , 司 が 欠 損 , ま た 両 │
燐在
性 を 語 る 場 合 は ,結 局 そ の 患 者 さ ん そ の も の が , ペ
的 は も う 修 復 さ れ て い る と い う 時 点 で , ブ リ ッジを
リオ の フ ァ ク タ ーカ汗良いで、しようヵ、ら , クラウン ・
選 択 す る の か , イ ン プ ラ ン トを選択するのか......
ブ リ ッ ジ で も デ ン チ ャ ー でも イ ンプラン トで も , 同
赤野
司 欠 損 のj
揚合は,ブ リ ッジの生存率を考
じようにリスクがあるわけです.
慮 す る と , イ ン プ ラ ン トの ほ う が ブ リ ッ ジ の 生 存 索
た と え ば , 顎 関 節 疾 患 者 は イ ン プ ラ ン トが だ め に
より高い . さ ら に 両 隣 在 歯 へ の 負 担 も 少 な く な る と
な る 確 率 が 高 い と さ れ 禁 忌 症 か も しれ ないですが,
と も に , そ の 歯 牙 に 問 題 が 生 じ た 場 合 , 単独 で の 処
で、は顎関節症の人はパ ー シ ャ ル デ ン チ ャ ー の ほ う が
置 が 可 能 な 場合があるので, イン プラン 卜を第一 選
よ い の か と い う と , そ う い う わ け で は な い .す べ て の
Iiを切 削 す る か も 考
択に考えます.もちろん両隣在i
歯 科 治 療 に 対 す る リス ク フ ァ ク タ ー な の で す か ら .
慮します.
西原
ということは,患者さんが望めばではなく
て , 承 諾 す れ ば , す べ て の 欠 損 を イ ン プ ラ ン トに か
64 補綴臨床別冊/診断と治療方針のコンセンサス
このようにインプラントだけのリスクはあるのか
と考えていくと,全部が適応症だという話になって
しまうー・・ ・
¥
直孟立正重量 インプラントの視底
図 4 アクレッシブなペリオに対してインプラン 卜を用いた症例 (
西堀〉
イ ン プ ラ ン 卜はそこまでいっていなくて,
!
l
f
i
l
塩
害
!
l
'
l
で-あ
は 全 然 違 っ て く る で し ょ う し,上下と も1
コ ン ト ロ ー ル されたク ロニ ックペ リオド ンタイテイ
皮合力が回復
れ ば , 本 数 が 少 な く て も こ の 程 度 ま でl
ス トに 閲 し て は , 少 し 前 ま で は 山 間 病 で な い j
記者
1
'
,
ていますから,ネiIi*援物もしく
するというデータは 1
に埋入したイ ンプラン トの 成 功 率 と 差 が な く , ア グ
はインプラン トを必 裂 と す る 対 合 の様式などによって
レ ッ シ ブ の ペ リ オ に 関 し て は , い か に コ ン トロール
必 袈 本 数 が 決 ま ってくるのかなと足川、ます .
西堀
しでも,イ ンプラン 卜の喪失率が市し、かもしれない
基本原則は主!の本数があってまずいという問題
とされていた.それが最近は,もしかすると長期の
は多分ないだろうから,そこから 今 度はどれを間引
ク ロ ニ ッ ク の ペ リ オ に お い て も , イ ン プ ラ ン トの サ
くかというのは,いわゆる通常のフィックスドブリ
バイパルレートが低くなるかもしれないという程度
ッジをやる場合と全く 同 じ考 え で よ い の で は な い か
だ か ら , イ ン プ ラ ン ト を ペ リオ の 忠 者 さ ん に 埋 め た
ぷって います.
なと 個 人 的 に は j
か ら と い っ て , 本 当 に サ パ イ パ ル レ ー トが 低 い か ど
西原
どちらかというと,インプラントの設計と
うかはまだ、わからない . ペ リオ の 人 に イ ン プ ラ ン 卜
いうのは,ともすると上部構造物優先で,何をつく
を使ってはいけないという言i
1Tで、はなくて,そこさえ
る か , だ か ら , そこに主i!.める.こうすれば きれいに
もまだ十分にはわかっていない状態であるというの
いくだろうということを考えがちですけれども,欠
が現状かなということです.
損 l~'ì列からすると,
西原
訴 さ れ れ ば , イ ン プ ラ ン トを適 j
,
i
:
.
;
し
た
い.
加 圧因 子 ,受圧条件,要するに
そのあたりのノ〈ランスをとりたい 7うfた め に イ ン プ ラ
そ の ほ う が 患 者・
さんも幸福でしょうし,方程式がで
ントを使いたいという方向もあると思うのですけれ
きるし,機能的 にもパー シャルデンチャーより使え
ども・・・
るだろうという ニ
別別で す ね . しかし,欠損が大きく
西堀
言 い 方 を 変 え れ ば ¥ た と え ば力u
J
.:F因子を減
0な リ ス ク の
なってくると,本数の問題とか,外科1
'
玉条件を高め
ら す た め に 抜 歯 を す る ぐ ら い な ら , 受j
問 題 が生 じ て き ま す . Pa
r
t
lで 触 れ た 1
4i
!
B前 後 の 残
るためにインプラン トをイ史う . 手l't~極的に 1~ っ ていく
存症例というケースにインプラントを使うというのは,
ということでなくて,やはり設計からしでもフルマ
かなり厳しいところもあるかなという気もします.
ウスで考えるわけです.
赤野
口
多数歯欠損に対する設計
欠 損 が あ る か ら イ ン プ ラ ン トを 入 れ る の で
1
句なフォ ー ス ハ ラ ン ス を よ く 検 討 し
,
は な く , 全 体'
1
日高
それは残存状態によりますね.たとえば極
プランニングをしっかり行い,必要な本数のインプ
端な話,
ヒ顎では自分の歯がなんとか機能する程度
ラ ン ト を 組 入 す る . 多 す ぎ る イ ン プ ラ ン トはそれを
に 残 っ て い て 下 顎 は 全 部 な い と い っ た 1寺に何本必弘t
支 え る 骨 に と っ て 栄 養供給が不利と なるだけでな
かという話と,上下とも前方部だけが残 って,後方
く,ベリインプランタイティスになるリスクもその
部 が全 く な い と い う 場 合 に は , 必 嬰 な 本 数 と い う の
本数分増加します.
P
R
A
C
T
I
C
EI
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H
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y 65
図 5 多数歯欠損に対するインプラン 卜〈
西堀〉
インプラントに付与する股合
アップされていなくて,この状態のままでよいと し
ているのであれば,
I
キ
rIi綴を変えたからとい って ,
次に多数歯になってくると,誤差の r
:
JJ
芭
,
顎│
刻 節 症 が 治 る わ け で は な い 」 と い う 説 明ののち,
間接法の限界の問題皮合をどう与えるかといった
それでもよいからやってくれといわれた場合に,は
点 も 問 題 に な る か と 思 い ま す . イ ン プ ラ ン 卜に与え
じめて 手 を つ け る こ と に な り ま す .
西原
皮合についてはどのようにお考えですか?
るl
赤野
西原
そうで、すね . 顎 関 節 症 に │
刻 して は , い つ 発
歯の大きさ,ガイドについては天然歯と同
症するかという問題と,それが発症していないから
皮合接触 の 程 度 は 歯
じ よ う に 作 っ て い ま す .しかし, 1
大丈夫かという問題も含めて,すごく難しい問題が
根J
)
英のないインプラン トの ほ う を 弱 め に 調 節 しよ う
あ り ま す が, そ れ と は別 に , た と え ば全 顎的 な 処 置
としていますが,現実には理想どおりになっている
が 必 要 だ と い う 判 断 は ど の よ う に さ れ ま す か.
かどうかわかりません.ただ,パラファンクション
のケースなどでは,グループファンクションにした
り│
皮頭傾斜角をゆるく した りはしていますが・ ・
・
・.
日高
赤野
まずは と
l
三迎!的な │
皮合の状態なのか,病的な
l
皮合の状態なのかを分ける必要があります.
つまり皮合性の問題で'同・吸収を起 こし て い る な
私は基本的に従来の修復物と同じです.大
とか,歯牙がこわれたり喪失しているとか考えたり
カfか り な ク ラ ウ ン ・ブ リ ッ ジ に よ る 1多f
夏であれ』ま,
する .診 断 を し て l
皮合を変えなければいけない場合
皮合 を 与 え , 総 義 歯 で あ れ ば , パ イ ラ
犬歯ガイドのl
も,どれがこの.1,記者さんにマッチする │
皮合かわから
世, 欠 損 形
テ ラ ル な 状 態 で 補 綴 物 を つ く る .歯 の 位 i
・・
・
・
.
ない・・
態によっては,グループファンクションも含め状況
に よ っ て この 三 者 を 使 い 分 け し ま す.
日高
まず下顎の水平的な位世は総義歯と同じよ
うに決めていきます. ゴシックア ー チを有歯顎でも
西堀
夜、も基本的に日高先生と同じ考えです .
使 い ま す . そ の 場合 に , ア ベ ックス か タ ッ ピ ン グ ポ
西原
顎関節症状のある場合は?
イン卜かという点で‘は,基本 1~19 には,タッピングポ
日高
基 本的に,まず最初は顎│調節症状があ って
イン トを 採 用 し ま す . ガ イ ダ ン ス は , 最 初 に わ り と
なおかっそれが患者さんが不快で、あると思っている
チョッパー ぎみにします.宅
i
手美 的 に 歯 が あ ってと い
かどうかで分けます.顎関節症状があれば,まず,
I
Jに勝 手 な ガ イ ダ ン ス を つ け る の
う と こ ろ か ら , 主刊[
M
定を治すために専門医を紹介します. そ れ が
顎関全1
ですけれど,それはなるべくチョッパーのもの. グ
い や だ と い う 方 で も , 必 ず M R1を 揃 っ て , 基 質 的
ラインドタイプのほうが顎関節症の確率は高いです
問 題 を 何 ヰ 決 し た ほ う が よ い と い う 判 断 を し た 場合
,
から,ただ,それだけの理由です.
歯 科 治 掠 が 危 険 で あ る こ と を理解しても らう .
1月題
ク リ ック音がある, 開口孟 も 少 し少ないなと'
は椛かにあるけれども,患者さんのなかでクローズ
66 補綴臨床別冊/診断と治療方針のコンセンサス
そ れ と も う 一 つは,
Iこ れ はカ、イ
ドが 足 り な い か
な」と思った時に強くするのはすごく大変ですが,
削 っていく 作 業 は 簡 単 な の で , 角 度 が 合 わ な そ う だ
画主主亘量 インプラントの視座
なと思えば.そこから少しずつゆるめていく.
守りたいなという考えと,寺住美 的,バランス的に,
ゆるめた結栄, 3,4,5に 当 た っ てきた場合には,
解 剖 学 的 に よ い 位i
泣だろうと忠われる位置に復元し
グル ー プフ ァ ン ク シ ョ ン に す る な ど, プロ ビ ジョナ
てあげるという考えと , 来たしてどちらを選択すべ
ルを煮詰めていくという 71~ で単 純に前方 ・ 倶IJ 方で臼
きか?
1
的
背¥
1を i
l
j
l
f
'
l
刻す る よ う ガ イ ダ ン ス を 決 め て い き ま す .
西原
日高
よい位ili:に復元するという考え方ではやら
な い で す ね . 先ほどいったように,ネl
r綴 が で き な い
第一顎 位 の 決 め 方 な の で す が , た と え ば ゴ
シ ック ア ー チ を と ら れ て 雌 認 さ れ る と い う こ と は ,
か ら と か , 患 者 さ ん が平
年義 的 に 前 歯 を 長 く し た い と
有歯加で歯牙があると,そこで干渉しますよね.
か , そ う い う 理 由 が あ る か ら や る だ け で す .磨 耗 し
挙 上 し て と っ て 皮合 出上で、インサイザル
W
i耗 し た 状 態 で , そ れ で
た 状 態 で よ い の で あ れ ば ,J
i
三位世にくるまで下げていきます.途中でど
ピンがま
有
I
i綴がなんとかでき, 手
作美 的 に 忠者 さ ん が 気 に し な
こかの l~j があたれば,それが税当!!J二 で、の !l!JVJ 接 f仙 と
いのであれば,その状態でやります.
日高
判 断 し ます .
西原
川本 人 の デ ー タ で は 半 分 ぐ ら い が グ ルー プ
挙 上中
日が結柿一大きいと皮顕│配合位と上げ
フ ァ ン ク シ ョ ン で す ね . そ れ を チ ョ ッ パ ー タイプに
たH
寺の誤差 が 大 き い の で は ? 皮 合 挙 上 す る と l
皮合
筒すと, j
心者 さ ん が す ご く 前 回 で 皮 み づ ら い と い
力 が 上 が っ てという , j
]
J
I
i
共l
節とは別の問題が指摘さ
い ま せ ん か.
西原
日高
れることがよくあるのですけれども-
受 け入れられる人とそうでない人がいま
日高 船 型上で、診断したことを,患者の 口 腔 内 で
す . 1w~ 端な話,入れて , 3-411寺間後に飛び込んで
1
さの範囲でしょう .そ れ に
行うとしても,誤差 は 微 調 3
くるプjも い ら っ し ゃ い ま す . その場合, "
[少 し ゆる
│
皮令挙上して有I
i綴 物 を 作 る わ け で は な く , あ く ま で
め る か ら , こ れ で 使 ってみて」 と調整して,それを
峠 初 の 診 断で・
はそこから始めていくということです .
繰り返していくこともあるし,どうしても無理だと
,
)
!
jJ
i
i
'
i
にと って l
皮合 挙 上 は よ い こ と で は な い と 思 う
いわれたら,グループフ ァンクションで修復するし
ので,基本的に │
皮合挙上することは目標とはしない.
かない.
したくはないけれども,宇flì~~J 物のクリアランスがな
グル ー プフ ァ ン ク シ ョ ン し か受 け 入 れ ら れ な い よ
いという迎 1
1
:
1
で、岐令挙上することはあります . 上 げ
うな 忠 者 さ ん と い う の は . 限界Jlli動ということを型
るおの f少 し 多 い 場 合 は 皮 合而 だ け の ス プ リ ントを
f
J
f
i
o
(して 動 か しても らっ て も , い ろ い ろ な 方 向 に 動 か
作 っ て , そ れ を 接 着 しま す . 経 過 観察 して, OKと
1
臨床 笑 感ですけれど,
してしまう方が多いようです.
な っ たら , 最 終 的 に は オ ク ル ー ザ ル ラ イ ン が そ ろう
そ れ が 特 徴 的 か な と い う 気 がします.
犬I
主l
の角度とグルー プファンクションとい
西原
ように補綴をしていきます.
先生のイメージとして, 1臨床経過のなかで,
う の は 分 け て 考 え た ほ う が よ い と 思 う の で す .結局,
副長岐折が多いとか,有1綴
│
皮合挙上 した症例 が 特 に I
犬 歯 の 角 度 が ゆ る く て も ,I
皮頭傾斜をゆるくすれば,
物 の 破 損 が 多 い と い っ た 実 感 は あ り ま す か.
それはプロテクテイ ッ ドオクルージョンになる . け
西原
日高
れども 1え 顕 傾 斜 が 少 々 あ っ て も グ ル ー プ フ ァ ン ク シ
特 に は な い で す . た だ│
皮耗で訟│
冠長が短く
ョンにする場合もある . そ の 振 り 分 け の 仕 方 は ?
な っ たケースは悲習癖が原因である;場合が多いです
日高
か ら , プ ロ テ ク シ ョ ン ガ ー ド ま た は ナ イ トガー ドを
に修彼物が最もこわれにくい│皮合が犬歯誘導なのだ
装 着 し て も ら っています.
西原
い や , そ こ で は 振 り 分 け な い で す.力 学 的
例は変わらないと
上 げ た 症 例 と 上 げ な い がt
と思 っ て い ま す か ら .
西原
いうことですね.問題があるものは,極力いじりた
考 え 方 に よ っ ては, 立 て な い と 逆 に グ ラ イ
ンデイングの運動にな って , 外 傷 が か か り や す い の
くないなというのは,どなたも同じだと思います.
位 に しろ , い ま あ っ た も の を
│
皮合挙上に しろ, なi
で は な い か と い う よ う な 立 見 も あ り ま す よね .
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西原
口]
J
空内には問題は起きていないけれども,
インプラントのところだけ抜;けカf強 い と い う よ う な
場合は,どうされますか.
日高
本当にタッピングっぽくやってくれている
のかクレンチングに近い状態で、抜けが強いのかを雌
認します.カチカチl
皮んでくださいといってもグツ
と│
皮む人には, 言 葉を変え,タッ ピ ン グ を す る よ う に
誘 導 し た 状 態 を も う 1巨l
見 ま す.それでも当たりが
強ければ,わず、かに落としたりすることはあります .
図 6 理想的な校合の与え方とは・・・〈赤野〉
赤野
入れた時に,どこか強い当たりがあれば当
然調整します. それで経過を見ていて,非常に強い
ロ
股合調整
当た り が 出 て い る と し た ら , そ れ は 調 推 す る の で す
けれど,ただ,それによ っ て 顎 位 を 戻 そ う とか,変え
すべての天然歯を含めて,われわれが作る
よ う と か い う の は 無 理 だ な と 思 い ま す . 調整という
補 綴 物 も い わ ゆ る ク ロ ー ジャ ー ス ト ッ プ や イ コ ラ イ
のは,歯が割れたりとか,あるいはポーセレンが欠
ザ ー , も し く は プ ロ キ シ マ ル コ ン タ ク トな ど , す べ
けたりするのを避けたいと思っているのですよね.
日高
てが理想的にコントロールされているわけではな
日高
イン プ ラ ン トの 対 合 歯 が や ら れ る 場 合
1
い.つ ま り , ペ リ オ や カ リ エ ス の メ イ ン テ ナ ン ス と
- 2年でそうなるので, 長 期 の 経 過 後 に そ れ が 起 こ
同様に l
皮合のメインテナンスを続けていかなければ
る と す れ ば , ペ リ オ や 悪 習 癖 な ど他 の 問 題 だ と 思 い
ならない.
ます.けれども,ポ ーセレンが破折するのも,私は
イ ン プ ラ ン トの 場 合 に は , 移 動 し な い 分 多 少 繊 細
惑 い こ と だ と 思 っ て い な い の で , 1~2 年で割れた
な調整が必要で、しょうが,フィックスのブリッジで
ら術 者 の ミ ス の 可 能 性 が高 u、ですが, 長 J
期切の経過仁
も当然移動 しづらいですから,やはり │
皮合調整は必
にチツフプ。し て く る の は , む し ろ 当たり 前 の こ と だ と
I
交合面をメタル
要 だ ろ う し , デ ン チ ャ ー であれば, !
思っています.天然歯でも,エナメル質には無数のクラ
に置換しでも,リベ ース の 問 題 等 を 含 め て , 位 置 の
フクが入っているわ けですし , 欠 け た り し ま す . 欠
ずれは当然生じてくるだろうから,調整の必要性が
けたからといって必ずしも修復するわけではなく,
生じてきます.それが顕著なのはやはり前歯で,は
形態修正で対応することも多いわけですから
ずれてきた患者さんを見ると,入れて│
皮ませるとや
患 者 は 常 に 一 定 で は な く , 突 如 ブ ラ ク サ ー になっ
たらそれだけ強く当たる . けれども,セット時から
た り し ま す . わすの、なチップであれば,丸めであけ、
そうだったわけではなく,やはりそれだけ動いてい
るだけで十分だと思いますし,割れ方が大きければ
るのだと思います.
再 生 しますが.歯医者がつく った 修 復 物 だ け が 永 遠
西原
l
皮合調整すべきなのか,アダブテーション
に任せたほうがよいのか・・・
・・
・.
西堀
'
=
1
"切 歯 が 強 く 当 た って不 都 合 が 出 て き た と
にもたなければいけないという必要は私はないだろ
うなと思います.
西原
自分が入れたものは守りたいのですけれ
いうのなら,下顎の前歯を削るとか矯正するとか, 一
│
二
ど,やはり 一 番 守 り た い の は , そ の 患 者 さ ん の 固 有
顎 の 前 歯 を 削 る と い う 話 は あ る と 思 う の で す け れ ど.
*1だと思うので
の│
皮合機能であり,その患者さんの1
日高
い ろ い ろ な 変化 が 起 き る 患 者 さ ん の 口 の 中
す.有効に用いることで,患者さん全体の口腔内の
に,たまたまインプラン トがあるというだけなので,
機能と君子美 を 長 期 的 守 っ て い く た め に イ ン プ ラ ン ト
特別なl
皮合調整をするわけではない .
を使うというふうに明!解することができま した.
68 補綴臨床別冊/診断と治療方針の コンセンサス
Fly UP