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平成 27 年度国立市青少年海外短期派遣事業 〔シンガポール派遣〕報告書

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平成 27 年度国立市青少年海外短期派遣事業 〔シンガポール派遣〕報告書
平成 27 年度国立市青少年海外短期派遣事業
〔シンガポール派遣〕報告書
Kunitachi City Global Youth Ambassador Program
国立市
目 次
事業概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
派遣生名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
事前・事後研修日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
海外派遣日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
シンガポール共和国および現地プログラムについて・・・・・・・・・・・・・・・・5
シンガポール派遣日記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
私たちが学んだこと。得たこと。私たちはこうなりたい!・・・・・・・・・13
シンガポール派遣で、気づいたこと、感じたこと、考えたこと・・・・・15
シンガポールで活躍する日本人に会いに行く!インタビュー記録・・・19
派遣生感想文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
平成 27 年度国立市青少年海外短期派遣事業概要
1. 目的
国立市 RH グローバル人材育成基金は、市ゆかりの方より1億円のご寄附をうけ設置さ
れたものである。国立市青少年海外短期派遣事業は、国立市青少年育英基金及び国立市 RH
グローバル人材育成基金活用検討委員会において、国立市 RH グローバル人材育成基金活
用事業(短期留学プロジェクト)として提案された。
本事業は、青少年が将来、海外で活躍する人材となるきっかけを創出する事業として、
国立市在住・在学の中高生を、多民族・多言語国家であり現在ではアジアのビジネス拠点
であるシンガポール共和国に派遣し、現地日系企業の訪問や現地青少年との交流、歴史・
文化に触れる等多面的な体験を通じ、青少年の学習意欲や進路意識を高め、世界へ視野を
広げ国際性豊かな青少年を育成することを目的とするものである。
2. 日程
平成27年7月26日(日)~7月31日(金) 5泊6日
3. 派遣先
シンガポール共和国
4. 派遣生
市内在住・在学の中学生・高校生 10名 (随行者 2名)
5. 旅行手配
㈱JTBコーポレートセールス
6. 研修日程
説明会
6 月 14 日(日)14:00~16:00
第 1 回事前研修
6 月 21 日(日)10:00~17:00
第 2 回事前研修
6 月 28 日(日)10:00~17;00
第 3 回事前研修
7月
壮行会
7 月 19 日(日)14:00~
〔シンガポール共和国派遣
7 月 26 日(日)~7 月 31 日(金)
〕
第 1 回事後研修
8 月 13 日(木)10:00~17:00
第 2 回事後研修
8 月 20 日(木)10:00~17:00
報告会
8 月 30 日(日)14:00~
5 日(日)10:00~15:00
1
平成27年度派遣生名簿
氏名
学校名・学年
稲葉
創汰
国立第三中学校
1年
加藤
彩乃
武蔵高等学校附属中学校
2年
德田
直樹
国立第二中学校
2年
仲西
真子
国立第二中学校
2年
長野
吉宏
国立第一中学校
2年
庸
国立第一中学校
3年
武蔵中学校
3年
光塩女子学院高等科
2年
小川
松本
佐藤
萌弥
和歌子
福田
ゆり
玉川聖学院高等部
2年
綠川
壹丸
早稲田実業学校高等部
2年
引率者
氏名
清水
山田
所属
周
国立市役所子ども家庭部児童青少年課
寛子
国立市役所子ども家庭部児童青少年課
2
事前・事後研修日程
日
6月14日(日)
14時〜16時
6月21日(日)
10時〜17時
場所
実施内容
講師
旅程・手続きの説明
JTB コーポレートセールス
シンガポールってどんなところ
江東区職員(h25 シンガポールへ派遣)
周囲の多様性を知る
グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)
くにたちを知ろう
くにたち郷土文化館職員・英語講師
市役所
市役所
6月28日(日)
くにたち郷土文
10時〜17時
化館・市役所
シンガポールを知ろう
一橋大学留学生
市役所
学びの意欲の言語化
グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)
市役所
壮行会
7月 5日(日)
10時〜15時
7月19日(日)
14時~
7月26日(日)〜31日(金)
8月13日(木)
10時〜17時
8月20日(木)
10時〜17時
市役所
シンガポール派遣
派遣の学びの振り返り・共有・言語化
グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)
報告会にむけて
市役所
グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)
自分たちで作る報告会
8月30日(日)
くにたち市民総
14時〜
合体育館会議室
報告会
3
海外派遣日程
日目
1
日にち
7/26
地名
国立
(日)
羽田発
内容
06:00
国立市役所集合
06:30
専用車にて国立市役所から羽田空港へ
09:20
空路、シンガポールへ(シンガポール航空)
(所要時間:約7時間)
2
7/27
シンガポール着
15:20
着後、現地ガイドの出迎えを受け市内へ
シンガポール
17:00
シンガポールの基本情報について受講
19:00
ホテル着
終日
現地学生交流(現地青少年 5 名)
シンガポール
多彩な民族が暮らすシンガポールの街を
(月)
歩きながら、現地学生と交流
3
7/28
シンガポール
17:00
終了後、ホテルへ
午前
日本企業訪問① JTBシンガポール
午後
日本企業訪問② シンガポールヤクルト
18:00
終了後、ホテルへ
午前
日本企業訪問③
(火)
4
7/29
シンガポール
富士ゼロックスシンガ
ポール
(水)
午後
市内視察① アジア文明博物館
市内視察② ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
5
7/30
シンガポール
19:00
ホテル着
終日
リゾートワールドセントーサ視察
(木)
S.E.A アクアリウム、イメージオブシンガポール
マーライオンタワー
6
7/31
シンガポール発
(金)
ナイトサファリ等
21:30
ホテル着
05:30
専用車にてチャンギ空港へ
08:45
空路、羽田へ(シンガポール航空)
(所要時間:約 7 時間)
羽田着
16:45
着後、国立へ
国立
19:30
国立市役所着
4
シンガポール共和国
面積
716k㎡ 東京 23 区とほぼ同じ大きさ
気候
熱帯モンスーン気候
人口
約 547 万人(2013 年)
宗教
仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教
言語
国語はマレー語、公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語
シンガポール派遣3つのプログラム
シンガポールの大学生と街歩き★
•英会話実践
•アラブストリート、リトルインディア、チャイナタウン
シンガポールで活躍する日本人に会いに行く!
•海外体験エピソード
•未来へのアクション
シンガポールの最新スポットに行く!
•ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、シーアクアリウム、ナイ
トサファリなど、最新の技術をとりいれた施設を見学
5
シンガポール派遣日記
6月14日 説明会
70名を超える応募者の中から派遣生に決定した10名が初めて顔を合わせた説明会。
緊張の面持ちで、シンガポール派遣事業が、グローバル人材育成基金から誕生したことや、
旅程、手続きなどの説明を聞きました。説明会後は、自治体国際化協会(CLAIR)よ
りシンガポールに派遣されていた鈴木さんの講演。
「シンガポールってどんなところ?」と
いうテーマで、シンガポールの小学校では、それぞれの民族の母語とともに英語を習って
いること、シンガポールは、東南アジアの中心に位置している立地を生かして世界の物流
拠点として発展してきたこと等、産業や気候、風土についてお話しいただきました。シン
ガポールの情報とともに、
「積極的に伝えようとする気持ちが大事」という鈴木さんからの
メッセージが派遣生の心に深く届きました。
6月21日 事前研修①
説明会から一週間後。再び、緊張の面持ちで集まった派遣生たち。今日からシンガポー
ル派遣を、みんなでつくっていきます。
(一社)グローバル教育推進プロジェクト(GiF
T)
(以下、GiFTと略)の木村さんを講師に迎え、様々なアクティビティに取り組みま
した。理想の世界ってどんな世界?自分を20の言葉で表すとしたら?これまでの人生の
上り坂、下り坂を図で書いてみよう、などなど。これらをお互いに伝え合うことで、メン
バーの中にある多様性を知ることができました。学年も学校もバラバラの派遣生、いろい
ろなアクティビティを通じて少しずつ「チームくにたち」になっていきます。
6
6月28日 事前研修②
研修のテーマは「くにたちを知ろう、シンガポールを知ろう」
。午前中はくにたち郷土文
化館の佐山さんから国立市の成り立ちや特色についてのレクチャーを受けてから、グルー
プに分かれて「自分たちが魅力的に思うくにたち」を探しにいき、写真に収めるというグ
ループワークを行いました。
午後は、一橋大学に留学しているシンガポール人留学生へ写真を見せながら、くにたち
の魅力を英語で紹介!谷保天満宮や一橋大学、ヤクルト研究所、ハケの緑…。伝えたいこ
とはたくさんあるのに英語がでてこないもどかしさ。その後、留学生からシンガポールは
資源がない分、人に投資していること、日本の歌手に人気があること、大学の勉強がとて
も大変なことなど、シンガポールについてご紹介いただきました。それぞれの紹介のあと
はグループに分かれて、描いている将来や日本やシンガポールの食べ物など、いろいろな
ことを話し、交流しました。
7月5日 事前研修③
GiFTの木村さんを講師に、シンガポール派遣中、ただ一緒に行動するだけでなく自
分の目標を明確にしてチャレンジしていくため、自分の興味のあるもの、やってみたいこ
と、知りたいこと、派遣が終わったらどのようになっていたいかをじっくり時間をかけて
探しだすアクティビティに取り組みました。
「自信をもって自分の意見を言えるようになり
たい」
「家や学校など居心地のいい場所(コンフォートゾーン)から脱出して未知の世界に
行けるようになりたい」など様々な思いを共有しました。
7
7月19日
壮行会
いよいよシンガポール出発一週間前になりました。壮行会では派遣生それぞれが、
「現地
の学生に日本語を一つ以上教える」
「建国50周年を祝う」など派遣期間中の目標を発表し
ました。また、団長、副団長から、事前研修では自分自身、自分の街、自分の国を理解す
ること、互いに伝え合うことで自分の周りのある多様性に気付くこと、自分以外の人々の
考え方や、ほかの国の社会や文化を理解することの大切さを学び、シンガポールでは、生
活する人々の様子や国のあり方に触れて、さらに理解を深めたいと決意を表明しました。
そしてチームくにたちとして団結し、パワーアップして国立に戻ってくることを約束しま
した。
また、6月28日に交流した一橋
大学の留学生のティンイーさんから、
「たくさんの民族が共に暮らし、そ
れぞれの文化が生かされているとこ
ろが、シンガポールのよいところ。
実感してきてください。
」とエールを
もらいました。
7月26日 シンガポールへ出発
朝6時。谷保第四公園に集合しました。期待と不安が入り混じるなかバスで羽田空港に
向かい、羽田空港から約7時間かけてシンガポール、チャンギ空港へ。空港には、さまざ
まな民族の人々が行き交い、案内は英語。日本をでた!ということを改めて実感しました。
ワクワクするあまり(⁉)トランクを置いて歩き出す派遣生も。
ホテルに荷物を置いてから夕食会場へ。夕食前に、JTBシンガポールの岡崎さんから
シンガポールの成り立ちや国の体制等についてレクチャーを受けました。
岡崎さんのオフィスで働く人々の出身国は
シンガポール、日本、マレーシア、インドネ
シア、韓国、中国、インドと7か国におよび、
オフィスには中国語、マレー語、英語…と様
々な言語が飛び交っているそうです。日本人
の考え方を押し付けず、相手の話を聞き、一
致点を見出すことが仕事をするうえで大事だ
とおっしゃっていました。
8
7月27日 現地学生と街歩き
朝9時。ホテルのロビーに5人のシンガポーリアンの大学生が来てくれました。街歩き
に出かける前に、ホテルのプールサイドで、英語でゲームや自己紹介をしました。少し緊
張がほぐれてきたところでシンガポールの街へ。現地学生さんの案内で、アラブストリー
ト、チャイナタウン、リトルインディアに行きました。イスラム教のモスクや、中華の飾
り、サリーを着た女性が行き交うアーケード。バスや地下鉄を降りるたびに違う景色がひ
ろがり、多民族・多文化を実感しました。
でも、一番驚いたのは現地学生のみなさんが英語だけでなく、日本語もとても上手であ
ったこと。派遣生は、一緒に動画を見て笑い転げたり、勧められたドリアンを食べて衝撃
を受けたり。一日の終わりには、すっかり打ち解け、仲良くなりました。
9
7月28日 シンガポールで活躍する日本人に会いに行く!①
前日に、インタビュー係、記録係、撮影係を決め、
オフィス街へ。まずはJTBシンガポールを訪問
しました。修学旅行の企画等を担当している部谷
さんに、学生時代の海外体験や、今の仕事、将来
についてインタビュー。
(詳細は 28 頁参照)イン
タビュー後は、オフィスを見学しました。
午後はバスで北部へ向かい、シンガポー
ルヤクルトへ。ヤクルトレディさんの教育
を担当している大橋さん、宅配営業部門で
業務改善等を担当している市来さんにイン
タビュー。
(詳細は 22~27 頁参照)
ほかにも会社の成り立ちや、シンガポー
ルには青りんご味のヤクルトがあることを
教えていただいたり、工場を見学したり、
と盛りだくさんの内容でした。国立市に
研究所があるヤクルトは、派遣生にとって、とても身近な企業。派遣生は興味津々の様子
でした。
7月29日
シンガポールで活躍する日本人に会いに行く!②
シンガポールの最新スポットに行く!①
再びシンガポールのオフィス街へ。富士ゼロッ
クスシンガポールを訪問しました。マーケティン
グプランニングをする部署で会議の運営や、市場
調査、市場開拓等の調査業務を担当している山本
さんにインタビュー。(詳細は31頁参照)ほかに
も社会貢献活動等のお話や最新機器の見学等、実
り多い時間を過ごしました。
午後は、シンガポールの最新スポットへ!
アジア文明博物館を見学後、マリーナ・エ
リアで最新技術を取り入れた植物園(ガー
デンズ・バイ・ザ・ベイ)を見学しました。
10
7月30日 シンガポールの最新スポットに行く!②
朝食後セントーサ島に向かい、水族館(シー
・アクアリウム)やマーライオンタワー、ナイ
トサファリなどを巡りました。明日は帰国の日。
派遣生は、
「もっとシンガポールにいたい。」と
口々に言っていました。
ナイトサファリ トラムに乗って
7月31日 帰国
朝4時15分に起床し、チャンギ空港へ向かい、羽田行きの飛行機に乗り日本へ。午後
7時30分、国立市に到着しました。6日間、体調をくずすこともなく、全員無事国立市
に戻ってくることができて、一安心です。8月13日の事後研修で会うことを楽しみに、
解散しました。
8月13日 事後研修①
実地研修以来、2週間ぶりに顔を合わせた派遣生。事後研修では、GiFTの辰野さん、
木村さんを講師に派遣事業を振り返り、自分が見たこと、聞いたこと、経験したこと、驚
いたことを言葉にし、将来こうなりたいという目標を共有しました。応募をきっかけにシ
ンガポールや国立について新たに知ることとなり、新しい仲間も増えました。「現地で英語
が通じたことで、英語をもっとやってみようと思った」等、派遣事業での経験が学びの場
となり、帰国後の新たな目標につながっています。
11
8月20日 事後研修
研修最終日は、8月30日の報告会にむけて準備をする一日です。午前中は、派遣生だ
けで準備にとりかかりました。自分たちで報告会を作らないといけないという不安と焦り
がありましたが、研修時に作成した振り返り材料を元に、事業での経験や気づきを、
「学ん
だこと」
「得たこと」
「こうなりたい」のテーマにまとめることができました。
午後は、GiFTの辰野さんを講師に、どんな報告会にしたいか、意見を出し合いまし
た。
「R.H さんが喜ぶようなものにしたい。」「自分たちが学んだことをすべて伝えたい。」
何を伝えたいか派遣生一人ひとりが考え、自分の言葉で発信するために、一生懸命練習を
重ねました。
8月30日 報告会
いよいよ派遣事業の集大成である報告会。派遣生は午後の本番にむけ、朝から練習に励
みました。報告会では、現地プログラムを中心に派遣事業を紹介するとともに、この派遣
事業で派遣生が「学んだこと」「得たこと」、将来「こうなりたい」という思いを発表しま
した。思いを新たにした派遣生。世界へ羽ばたいていきます。
12
国立市青少海外短期派遣事業第1期派遣生
私たちが学んだこと。得たこと。私たちはこうなりたい!
★私たちが学んだこと★
★私たちが得たこと★
★私たちはこうなりたい!★
13
13
14
シンガポール派遣で、気づいたこと、感じたこと、考えたこと…
シンがポールから国立市に帰ってきて2週間後の事後研修。派遣生は、シンガポール派
遣を振り返り、自分が見たこと、聞いたこと、経験したこと、驚いたこと、学んだこと等
を言葉にしました。派遣生からの言葉を抜粋して紹介します。
新しく感じた(見た、聞いた、嗅いだ、味わった)こと

ドリアンを食べた。

ドリアンくさいけど…くさいけど嫌いじゃない。

国全体で建国50周年を祝っているなあ。

住宅などに国旗がいっぱい。

室内は(冷房がきいていて)とても寒い。

バスがとても速い。

地下鉄のいすがかたい。

様々な民族が仲良く暮らしている。

色々な意見を交換して、大きなものに近づいていく。
驚かされたこと

街歩きで交流したシンガポールの大学生…英語で学生同士話しながら、私たちと
日本語で話して、中華料理屋さんでは店員さんと中国語で話してる!

宗教が違うというのは、そんなに大きいことなのか?と思っていたが、宗教が違
うだけで、食生活などが違うことに驚いた。また、食生活が違うことでハラルマ
ークの導入があったり、言語ごとに通う学校が異なっ
ていたりするということも聞いてびっくりした。

市街地の道路を有料にして渋滞を防いでいる。

電柱がない。

普通の家でもメイドさんを雇う。
ハラルマークがついているヤクルト
15
自分自身について気づいたこと・発見したこと

今までは他人と違う意見を持っていると、それは自分がおかしいのかと少し疑っ
てみたりしたが、今回の研修で、みんな違う意見を持っていることはあたりまえ
なのだと気づいた。

自分のキャラをだした方が仲良くなれることもある。

自分って意外と英語聞き取れる!⇒でもいざ話そうとすると言葉(単語)がでて
こなくて話せない⇒でも身振り手振りで知っ
ている単語で話せばどうにかなった。

頑張れば伝えたいことは伝わる可能性が高い。

思いのほか行動力があった。
一番思い出深い受け取った言葉
〜企業訪問インタビュー 若手職員の方の言葉から〜

10 代のうちに様々なことに挑戦することが大事。

何事も挑戦する。

やらずに後悔するより、やって後悔するほうがいい。

新しい展開〔
「展開」は今までの自分の積み重ねから生まれるものだと思うので、
積み重ねることの大切さも同時に学んだ。
〕
〜地元のスーパーの店員さん、バスの中でシンガポール在住のガイドさんの言葉から〜

Nice!(スーパーの店員さん)

シンガポールは多民族国家なのに全くと言っていい程宗教の対立がない。
(ガイドさん)

相手の意見を尊重して、自分の意見も尊重する。
(ガイドさん)
16
忘れたくないこと

互いの違いを理解し合う意識。

純粋に海外の人と友達になりたいという気持ち。

今回体験したこと全部!!…と言いたいところだけど、シンガポールの人々の相
手の文化を理解して尊重しあう心。
派遣事業で学んだこと

英語のコミュニケーション能力は、海外に行くだけではなく、実際にそこで使い、
たくさん失敗することで身についていくものである。

「英語を話せる、話せない」ではなく、
「英語で話そうとするか」
「相手とコミュ
ニケーションをとろうとするか」の気持ちによって行動が変わると思った。

簡単な英語でもいいからとにかく話す

身振り手振りの有効性。

積極的に話しかけようとすれば、最後までしっかり聞いてくれる人がいる。

日本についてたくさん興味をもってくれている人がシンガポールにはいる。

実際に物事を見ることの大切さ。

「百聞は一見にしかず」は本当だと思った。コンフォート
ゾーンから出てみることで、自分の中のなにかが変わるし、
またコンフォートゾーンから出てみたくなる。

人は一人ひとりが違うから、やりたいこと、できないこと
が様々ある。そういう長所や短所を一つ一つつなげていく
ことで、もっとよりよい社会が生まれるのではないかと思う。

文化や価値観、言語の違い。尊重することの大切さ。
建国50周年記念の旗
17
派遣事業を通じて見つけた、または得た強み・スキル

海外に行く時に、その国のことをほぼ知らない状態で行くことになっても、その
ことを逆手に取り、自分は何も知らないのだから失敗しても何もこわくないと考
えると周りの目を気にせず、色々なことに挑戦することができる。

何でも挑戦しようと思えるようになった。

異文化理解の大切さとともに、自分の考えている想いは、異文化であっても伝え
ることでつながることができるということを見つけた。

自分と世界のつながりを意識していくこと。

“Yes please.”
“No Thank you.”があれば、意外とどうにかなる。あとは、相手が
何と言っているかわかれば。

外国人と話す勇気。

人が話をしている時に出る好奇心。
未来への想い、今後してみたいこと、やってみたいこと

「多文化共生」
「異文化理解」とは、受動的に唱えているだけでは意味がないと感
じた。自分が経験したことを話して、周囲の人にもそういう体験をすすめる。

自分の想いを表現して他人を頼らないようにしていきたい。

少しでもいいから自分にできることを探し、
将来の子孫たちのためになるよう努力したい。

ホームステイをしてみたい。

もっと様々な国に行きたい!

海外の人々と話したい。

海外に行くとき、また海外から来た人と関わる
ときには積極的に話しかけるようにして、頑張って伝えたい!

英語の勉強

いろいろな国に留学して、もっとグローバルな人材になりたい。
18
シンガポールで活躍する
日本人に会いに行く!
インタビュー記録
19
20
お話を伺った方々

シンガポールヤクルト
大橋
亮さん・・・・・22頁

シンガポールヤクルト
市来
廣佑さん・・・・25頁

JTB シンガポール
部谷
多賀子さん・・・28頁

富士ゼロックス
山本
也寸子さん・・・31頁
アジアパシフィック
※訪問企業ごとにインタビュー担当、記録担当、撮影担当で班をつくり、インタビューに臨みました。
まずインタビュー担当から、現在の仕事と海外体験、海外体験を踏まえた未来へのアクションについて
伺い、2、3個質問したあと、担当以外の派遣生からも質問する形ですすめました。
21
変化をおそれずに行動してヤクルトを世界に広める
シンガポールヤクルト
大橋
亮さん
―現在のお仕事について教えてください。
宅配営業部という部署で、ヤクルトレディさんの教育をする仕事をしています。
日本でもヤクルトレディさんと一緒に仕事をしていましたが、日本のやり方とシンガポ
ールのやり方は少し違っています。日本でやってきた方法で、シンガポールでもヤクルト
レディさんを教育してみようというプロジェクトに携わっています。
18歳の時、初海外でなぜか一人でサイパンへ
私にとっての最初の海外体験は、大学1年生の時に行ったサイパンへの一人旅です。大
学に入って、1回海外に行ってみたいなと思っていて、初めての海外旅行でした。行先は
どこでも良かったのですが、旅行代理店のパンフレットを見て、安かったのでサイパンに
しました。
サイパンでは、レンタルバイクで島を一周し、色々な人と仲良くなって家に招かれたり
しました。島の人と仲良くなるなんて、海外旅行に来る前には予想もしていませんでした。
島のみんなと仲良くなれたことを通して、自分
から行動を起こしてみることで予想もしなかった
新しいことが起こり得ること、このような体験が
できるのは、住み慣れた日本より海外だ、と思っ
て、海外で働いてみたいという気持ちがでてきま
した。
22
変化をおそれずに行動してヤクルトを世界に広める
【海外体験から生まれた未来へのアクション】
変わることを恐れない、つまり自分の予想しなかったことが起こることを恐れないで積
極的に行動して、ヤクルトを世界に広めたい。特に今ヤクルトが無い国に、ヤクルトを広
めたいと思っています。
自分の行動で、いろんなことが起こせる方が人生おもしろそうだ、と思っています。い
ろんな変化を楽しみながら、自分が働くことで、今までヤクルトがなかった国にヤクルト
が定着するかもしれない、という状況を楽しんでいきたい。その過程で予測不可能なこと
が起こると思いますが、それらも楽しみつつ、ヤクルトの普及に努めていきたいと考えて
います。
―将来海外で働きたいと思っている人は学生時代、何をしておけばいいと思いますか。
3つあります。
1つ目は「何でもやってみる」といいと思います。生きていくなかで、人生の決定的な
転機になる出来事、雷に打たれたような体験ってそんなになくて、いろんな小さなことが
積み重なって自分の方向性が形作られていくと思います。
「自分はこういうことに興味があ
って、やりたいことはこういうことだ」とだんだん定まっていくと思います。自分が後悔
しない選択をするためにも、若いうちには何でもやってみた方がいいと思います。
2つ目は、
「1個なにかを頑張ってみる」といいと思います。海外で働くと、周りに日本
人が少ない状況のなか、孤独なこともあります。また、我々のように日本から派遣されて
くると、現地では日本にいた時よりも責任が重いポジションにつき、ストレスがかかった
りします。そういう時に自分を頑張らせてくれるものは、昔自分が頑張った経験です。あ
の時しんどかったけど頑張って乗り越えた、という経験があると頑張れると思います。な
にか1個、部活でも趣味でも勉強でもいいから頑張ると自分を支える糧になってくれます。
3つ目は、英語か中国語を勉強しておいた方がいいと思います。言葉なんて外国に住め
ば自然と話せるようになると思っていませんか?私はシンガポールに来て3年になります
が、実は英語に苦労しています。勉強しないと
語学は身につかない、自然とできるようにはな
らないな、とシンガポールに来て感じています。
ここで働く上で、シンガポールの人とコミュニ
ケーションをとることは必要不可欠。語学を勉
強していて損はない、中高生のみなさんが今英
語を一生懸命勉強することは将来きっと役にた
つ、と思います。
23
―学生時代にこうすればよかった、こうしなければよかったという後悔はありますか。
「こうすればよかった」は、英語をちゃんと勉強しておけばよかった、ということ。
「こうしなければよかった」はありません。しとけばよかったことはあっても、しなけ
ればよかったということはあまりないです。やりたいと思うことをして、失敗したことが
あってもあまり後悔をしたことはないです。
-シンガポールと日本の共通点は?
仕事において、自分の「こうしたい」という熱い思いを、ちゃんと説明すればわかって
くれる、というのは日本も海外も同じ。考え方が異なっていても思いを伝え合うことで、
お互いを分かり合える瞬間というのがあります。
―シンガポールと日本の相違点は?
2つあります。1つ目の違いは、個人的な思いですが、シンガポールの人々は、
「明日の
百より今日の五十」といいますか、結果を早く求めるように思います。仕事においても短
いスパンで結果をだそう、という意識が強いと感じます。2つ目は、シンガポールのみな
さんは、めちゃくちゃ冷房に強いです。日本の冷房の設定温度よりも10度程度低いです。
―シンガポールに来て気付いた日本の良さは?
日本の接客業のレベルの高さです。相手を喜ばせよう、相手の役に立とうと思って働い
ている方が、日本に多くいるからだと私は感じています。それは日本の素晴らしいところ
だし、ビジネス上の強みだと思います。

福田 ゆり(インタビュー担当)
今回のシンガポール派遣では、積極的に英語を使うことができませんでした。しかし、
大橋さんのお話の中にもあったように、自ら行動をおこすことで自分の人生が開けていく
と思うので、これからは失敗を恐れずに様々な所で様々ことを挑戦することができればと
思いました。

松本 萌弥(撮影担当)
僕はカメラで大橋さんのインタビューの様子を撮影する係だったので部分的にしか聞い
ていなかったのだが、大橋さんの「やらずに後悔したことはあってもやって後悔したこと
はない」という言葉には勇気をもらった。僕もこれからは積極的に行動していこうと思う。
24
海外事業所の社員と協力して、世界の人々の健康に
貢献する
シンガポールヤクルト
市来
廣佑さん
―現在のお仕事について教えてください。
私は、2015年6月にシンガポールに赴任してきました。
宅配営業部門に所属している現地社員に同行するなどして業務内容を把握し、業務の改
善を図っています。
19歳の時、アメリカ合衆国に留学
私は大学2年生の8月から12月にかけての4ヶ月間、アメリカ合衆国のミシガン州立
大で、様々な国から来た学生と一緒に英語の勉強する、というプログラムに参加しました。
中国人や韓国人、クウェート人、サウジアラビア人などのクラスメイトがいて、十数名の
クラスの中で日本人は私一人でした。
4ヶ月間一緒に勉強をして、私が日本に帰る時にクラスメイトが空港まで見送りにきてく
れました。話す言葉や文化が違っても友達ができたこと、その友達が空港まで見送りにき
てくれたことが、とても印象に残りました。違う国籍の人と信頼できる友人関係を築けた
ことが、私の人生の価値観を変えました。
この経験から、仕事を通じて、色々な国籍の人々と出会い一緒に仕事をし、信頼関係を世
界中に築きたい、と思って日々取り組んでいます。
25
海外事業所の社員と協力して、世界の人々の健康に貢献する
【海外体験から生まれた未来へのアクション】
海外事業所の社員と協力し
て世界の人々の健康に貢献し
ていきたいです。ヤクルトは
世界33の国と地域で販売し
ています。これからもいろい
ろな国と地域で販売をしてい
く予定です。海外にある事業
所の人々と一緒に仕事をして
大変なことを乗り越えながら、地域社会に貢献していくという使命感をもって仕事をして
いきたいと思います。
―海外の人と仲良くする時に、どういうことを考えましたか。
とにかく自分から積極的に話してみること、そしてその時を楽しむことを考えていまし
た。ミシガン州立大での研修プログラムでは、各国から来た生徒の話す英語のスピードに
圧倒され、授業中も彼らは自信満々にディスカッションやディベートをしていたので、私
は最初積極的に会話ができませんでした。しかし、研修期間の4ヶ月のうちに徐々に努力
して自分から話しかけるようにしたところ、ゆっくり話しても彼らは、耳をかたむけてく
れて理解しようとしてくれたので、とても助かりました。
―学生時代にやっていてよかったことは?
ひとつは、海外に留学したこと。自分の世界が広がりました。世界って広いんだ、と実
感するとともに、各国の英語を流暢に話す人たちに接し、とても刺激になりました。留学
先で友達ができたことも大きな収穫でした。大学で英語のスピーチ活動に没頭して、英語
の表現力をみがいたこともよかったです
もうひとつは、大学生の時に、外国人の方がよく宿泊するホテルで受付のアルバイトを
したことです。外国の方へオススメのお店を紹介し、その方が「おいしかったよ」と言っ
てくれたことがとてもうれしかったのですが、アルバイトを通じて外国の方と触れ合う機
会があったことは今の仕事に役立っています。
―留学をする前に将来のビジョンはありましたか。
ありませんでした。ただ単に自分の世界を広げたい、海外ってどうなっているんだろう
26
と思って留学に挑戦しました。英語を勉強することは好きで、英語力を試してみたいとい
う気持ちもありました。実際に将来どういう仕事がしたいかと考え始めたのは大学生の後
半です。留学した経験が自分の将来の選択に大きな影響を与えたのは確かです。
―ヤクルトに入社を志望した理由は?
就職活動をしていた時に軸として持っていたのが、将来海外で仕事ができる企業に就職
したい、というものでした。ヤクルトは、商品がとても身近で、子どもの頃から親しみが
あり、健康というテーマで社会に貢献していて、かつ海外に事業を拡大しています。こう
した点をとても魅力に感じヤクルトへの入社を志しました。
―日本人の社員とシンガポールの社員で、仕事をするうえで異なる点はありますか。
就業時間の考え方が違うなと感じています。シンガポールで働いている人々は終業時刻
17時30分きっかりに退社し、その後はプライベートな時間を過ごすことが通常です。
―日本から離れて感じる日本のよいところは?
季節がある、ということはいいことだなと感じました。シンガポールは1年中暑いです
が、日本は寒さが和らいだ時の温かい風がすごくうれしかったり、暑かった日の夜に少し
涼しい風が吹くとうれしかったりします。そういったことがいいな、と感じます。

加藤 彩乃(インタビュー担当)
工場見学前に伺ったお話のなかで、ヤクルトの製品をシンガポールでは、シンガポール
人用に大きなサイズに変えているということが印象に残りました。その場所、地域に応じ
て変化していく必要があるのだと思いました。
市来さんから伺ったお話は、海外の人と仲良くする秘訣が印象に残り、実践してみたい
と思いました。

仲西 真子(記録担当)
工場見学をして驚いたことは、ヤクルト
の容器が風圧によって吸い上げられていた
ことです。容器がとても軽いことが分かり
ました。
インタビューでは、世界の人々の健康に
貢献したい、という市来さんの熱い思いが
伝わってきました。世界にまで目をむけて
いる市来さんが、まぶしく見えました。
市来さん、大橋さんとともに
27
シンガポールに日本の良さを、
日本にシンガポールの良さを、
自らの言葉と行動で、伝え、人と人との交流を深めたい
JTBシンガポール
部谷
多賀子さん
―現在のお仕事について教えてください。
日本からシンガポールに来るお客様の受入れを担当していて、会社の社員旅行や学校の
修学旅行の企画等をしています。
高校2年生でオーストラリアに1年間留学
高校2年生の時、オーストラリアに交換留学制度を利用し、1年間海外留学をしました。
行きたいと思った理由は、
「きれいな海で泳ぎたい」というものでした。もちろん、海外の
友達がほしい、英語がうまくなりたいという気持ちもありましたが、1番の魅力は、オー
ストラリアという日本と四季が全く違う国に行って、日本では冬の季節に、海で泳いでみ
たい、という単純な理由でした。
シドニーから電車で40分ほどのパラマタというまちに住んでいました。当時、そのま
ちには日本人もおらず、クラスメイトや、まちの人たちにとっては私が初めて会う日本人
というような状況でした。
日本人のイメージ、というものがあって、当時、日本は女子バレーが強くて、私自身は
テニスが得意だったのですが、バレー部に入部することになりました。日本人だから着物
を着て踊れるはず、と思われていましたが、私ができるのは浴衣を着せてあげることくら
い。また日本人だから数学が得意だと思われましたが、オーストラリアの数学の授業は電
28
卓を使って問題を解く授業で…。オーストラリア人が思っている日本人を私自身がアピー
ルしていかないとだめなんだな、という経験をしました。
自分のつくった巻き寿司がマズイ!と不評
留学当時オーストラリアでも日本食に対する関心が高まっていて、私が授業の合間にク
ラスメイトの前でお好み焼きを作ることになりました。フライパンを熱さずに、油をひい
ただけの状態で焼き始めたせいか、ドロドロになってしまい食べられる状態ではありませ
んでした。
「日本食ってどんなのかわからないな」と友達に言われました。再度友人に「巻
き寿司」が食べたいと言われ、つくったところ、友人に「まずい」と口ぐちに言われ、こ
れは大変だと思いました。私は日本から一高校生として、オーストラリアに来ているけれ
ど、私が、彼らが初めて食べる日本食を作り、日本食イコールまずい、となってしまう。
自分が日本の文化をきちんと伝えていかないといけないという危機感というか責任感を感
じました。自分自身が、オーストラリアのこのまちの人にしてみれば、日本を象徴するよ
うな人になってしまうのだな、日本を好きになってもらうのも、興味がもてないと思われ
るのも自分次第なのだということを感じました。
それからは、日本の四季・伝統・和食を伝えるようにしました。一番うれしかったのは
仲のよい友人が1年後に日本への留学を決めてくれたことです。
日本への興味をもってくれる海外の人たちに非常に感謝すると同時に、日本のことを自
分自身で伝えていこうと思っています。
シンガポールに日本の良さを、日本にシンガポールの良さを、
自らの言葉と行動で、伝え、人と人との交流を深めたい
【海外体験から生まれた未来へのアクション】
まず、海外の方に日本の良さを伝えたいと思います。同時に、日本からシンガポールに
来られる方が、シンガポールで快適に過ごしていただきたいという思いで現在仕事をして
いますが、シンガポールの良さを、日本から来られる方に自分の言葉と行動で伝えたいと
思います。シンガポールと日本だけではなく、色々な国の人たちの人と人との交流を深め
たいと思っています。
29
―10代のうちに、こうしたらいい、というおすすめの過ごし方はありますか。
10代のうちは、みなさん忙しいかもしれませんが、やりたいことは何でもできる、経
済的な問題や年齢等の制約はあるかもしれないけれど、やろうと思えばなんでもできるん
だと思ってやってほしい。スポーツでも勉強でも海外でも思い切って挑戦してみる、思っ
たことは全てやってみる、1回やって失敗してもあきらめず3回くらいは失敗するまでや
ってみようという気持ちで過ごしてほしいと思います。
―日本とシンガポールで働くうえで、異なる点は何ですか。
シンガポールの女性は、結婚出産後もほとんどの方が働いているという印象です。小さ
な国なので、車で1時間程度のところに住んでいる親に子どもを預けたり、フィリピン等
近隣諸国から来ているメイドさんを雇って、家事や子どもの面倒をみてもらうことが一般
的です。また、外食率が高く、私の同僚の家族も夜ごはんは母親の家に行くか、屋台に食
べに行くことが多いです。
私は母が専業主婦で家にいて、という所で育ったので自分の母親の味や、作ってもらっ
たものについて思い出がありますが、シンガポールの知り合いの中には自分の小さなころ
の味=メイドさんの作ってくれたタイ料理という人もいます。

小川庸(記録担当)
日本とシンガポールの会社で違うところは、女性社員が多いところです。実際にオフィ
スで働いているところを見ると、本当に女性社員が多くて驚きました。また、支店長の方
も女性で、様々なお話を聞けました。日本とシンガポールの違いも学べてとても有意義な
インタビューでした。

德田直樹(撮影担当)
部谷さんのお話で心に残った言葉は、「やろうと思えばできる」です。この言葉を胸に、
先日僕は、生徒会副会長に立候補しました。今しかできないことを、失敗を恐れずに挑戦
したいと思ったからです。

緑川壹丸(インタビュー担当)
部谷さんのお話は、これからの自分に必
要なことばかりでした。中でも、海外に行
くと自分が日本の象徴のような存在になる
という言葉はとても印象的でした。また、
社内見学もさせていただき、大変有意義な
企業訪問となりました。
30
好奇心を持ったら…
●挑戦してみる
●調べてみる
富士ゼロックス
山本
アジアパシフィック
也寸子さん
―現在のお仕事について教えてください。
6月末にシンガポールに来ました。マーケティングプランニングをする部署で、会議の
運営や、市場調査、市場開拓等の調査業務をしています。
海外体験のきっかけは、1本の電話
私は、神奈川県の横須賀市で生まれて、高校生まで横須賀市で育ちました。横須賀市に
は米軍基地があり、身近にアメリカ人の方が多く住んでいました。海外の方は基地の中に
住むことが主ですが、一方で私たちが住んでいる一般的な住宅街に住んでいる方もたくさ
んいました。小学校にもアメリカ人の同級生がいて、街の中でも円でもドルでも買い物が
できました。こうした環境のなかで、海外に興味をもつようになりました。
中学1年生の時に、地元のスーパーの掲示版に、
「アメリカ人の主婦が英会話を教えます」
という張り紙をみつけました。私は地元の人に習いたいと思い、張り紙の連絡先に電話を
して、アメリカ人の先生から英語を習い始めました。その英語の先生に大学卒業まで週に
1回のペースで英語を習いました。これが私にとって最初の日本に居ながらにして起こっ
た海外体験です。
その後、大学1年生の時に、先生のいとこが住んでいるアトランタまで一人で行き、2
週間ホームステイをしました。私にとって初めての海外でした。
社会人になっても、先生のご家族とは交流が続いていて、軍人を退役された先生の旦那
さんのお仕事の赴任先であった、ソウル、ワシントンD.Cのお宅を訪問しました。
31
アメリカ人の先生との出会いが進路や、仕事に影響
先生のお子さんが私と年齢が同じくらいだったこともあり、3人のお子さんと同様に、
そのご家族の子どものように、普通の生活を体験させてもらいました。食事、買い物とい
った生活上のことから、地域社会とのつながりや、ハロウィンだけではない地元のおまつ
り、教会に行く等宗教活動まで、社会や英語の教科書に載っていない身近なことをたくさ
ん教えてもらったと思います。
また、先生の旦那さんの職業が軍人だった関係で、日本の米軍基地にいらっしゃる方の
お仕事について知ることもできました。日本と外国の関係や、世界には紛争があることも
学びました。このことは、私にとって大学の学部を選択するきっかけになりました。私は
紛争解決や日本と外国の関係等に興味を持つようになり、大学は法学部で国際関係に強い
ところを受験しました。
昨年夏にも、ワシントン D.C に先生を訪ねたのですが、その時改めて、異文化交流は楽
しいと思うと同時に、海外の市場について知見を広げたいと思い、富士ゼロックスの海外
業務研修制度に応募し、選考を受けシンガポールで現在の仕事に就くことになりました。
好奇心を持ったら…挑戦してみる
調べてみる
【海外体験から生まれた未来へのアクション】
好奇心をもったことは何でもやってみるということです。私は、アメリカ人の英語の先
生のご家族とずっと仲良くさせてもらっていますが、中学1年生の時にスーパーの張り紙
を見て、先生にかけた一本の電話から始まりました。先生のご家族とのさまざまな海外体
験が、見聞を広めることとなりました。好奇心をもったら調べてみる、興味をもったこと
はやってみる、というのが重要だと思っていて、今でも続けています。
―英語以外のコミュニケーションの方法は?
趣味を通じてコミュニケーションができます。私は(中高生時代にしていた)テニスを
することで色んな人と友達になることができました。
最新のコピー機をご紹介いただきました。
32
―日本と海外で生活していて違うと思う点は?
(同席してくださった、富士ゼロックスシンガポール後藤さんから↓)
シンガポールには、英語と中国語とマレー語、タミール語の言語があります。仕事や生
活において基本的な言語は英語ですが、中華系シンガポーリアン同士は中国語で話をした
り、インド系シンガポーリアンはタミール語等で話をする等、日々いろいろな国の言語を
耳にしながら仕事や生活をしています。これは日本にいるのと大きな違いです。
―日本が恋しい時はありますか。
18歳の時にアメリカに行った時、ホームシックになりました。特に食事面で。アトラ
ンタからフロリダのタンパへアメリカンフットボールの試合を見に行くことになり、車で
10時間以上の移動をしたのですが、ファストフード系の食事が多く、「出汁の味がするも
のが食べたい」と思いました。シンガポールは日本食が豊富にあり困ってはいません。

稲葉 創汰(撮影担当)
僕は、撮影係で、山本さんやインタビューしているみんなの様子を撮りました。
山本さんのお話ですごいと思ったところは、先生のいとこの家にホームステイをしたこ
とです。先生もすごいと思うし、行った山本さんも腹のすわった人だなと感じました。

佐藤 和歌子(記録担当)
山本さんのお話で印象に残ったのは、好奇心を持ったら挑戦してみる、調べてみる、と
いうことです。実際、富士ゼロックス本社で情報塾に参加し、ゼロックスの歩みやコピー
技術の発展を学んでいたため、私は今回見学させていただいた製品の素晴らしさを感じる
ことができました。興味をもって実行に移す積極性を忘れずにいようと思いました。

長野 吉宏(インタビュー担当)
山本さんのお話から、趣味をもつこと
もコミュニケーション方法の一つだと教
わりました。このことは世界で共通のこ
とであり、様々な民族と仲良くできる手
段だと思います。
富士ゼロックスの岩瀬さん、山本さん、後藤さんとともに
33
34
派遣生感想文
35
36
派遣活動が終わって
国立第三中学校 1年生 稲葉 創汰
ぼくが、派遣活動があることを見つけたきっかけは、国立市の市報です。母
が見つけ、勧めてくれました。
「ねぇねぇ。そういえば市報にこんなのが載って
いたよ。」そう言われて初めて気付きました。行ってみたいと思いましたが、去
年の広島派遣にも参加していたので不利だなぁと感じました。書類選考と面接
があり、もちろん難しいと思ったのは面接です。面接の日になり、思っている
ことをありのままに話そうと決めていました。しかし、隣の男の子が自信にあ
ふれているような顔だったので、自信がなくなり、緊張で考えていることを言
えずに焦り、不合格だと思いました。でも、合格して、
「えー!嘘だろー!」と
いう喜びと驚きが混ざった愉快な気持ちを抱きました。事前研修などをしてつ
いにシンガポール派遣の前日になりました。ドキドキして眠れず、明日からど
んなことがあるんだろうという期待と、あちらで危ない目に遭ったりしないか
なという不安がありました。翌日になってシンガポールに着いてもフワフワし
た気持ちは止まらず、夕食までの記憶がありません。
シンガポールに行って驚いたことが4つあります。1つ目は、男性は79歳、
女性は84歳が平均寿命というところです。最初シンガポールの人は長生きだ
と思いましたが、調べてみたら日本はもっと長生きでした。2つ目は、シンガ
ポールの人口の約38%が外国人だということです。
(ちなみに日本人の割合は
6%です。)たくさんの国の人々が集まっているんだなと思いました。3つ目は、
チャイナタウンの市場にあったドリアンです。ドリアンは果物の王様と言われ
ていて、日本ではあまり手に入らない果物です。行く前に友達に、においが強
烈と言われていたのですが、実際ににおいをかぐと、
「うっ」となり、これが果
物なのかと衝撃を受けました。
4つ目は、やはり現地学生の英語力です。ぼくは最初、長い文で話そうと思
ったけれど出てこなかったので、難しい言葉よりも単語だけでも話そうとしま
した。でも、途中で現地学生のみなさんが日本語を話すことができるとわかり、
少しだけ頼ってしまいました。いっしょにチャイナタウンやリトルインディア
に行き、いろんなことを教えてもらいました。例えば、シンガポールの人にと
っても、日本のゲームやアニメが面白く、日本に観光に来る人が多いことです。
電車にも乗って、切符の買い方を優しく教えてもらいました。それが深く印象
に残り、一番嬉しかったです。
37
きっかけをくれた派遣事業
武蔵高等学校附属中学校 2年生 加藤
彩乃
私にとって、今回のシンガポール派遣への参加は、外国とそこに住む人々を、
以前よりも身近に感じるとともに、新たな目標に向けた努力を始める上で、貴
重な機会となりました。
新たな目標とは、外国の人々と、より高度な水準でコミュニケーションをと
ることができるようになるというものです。
そのように考えるようになったきっかけは、今回のシンガポール派遣での
様々な経験です。
その中でも、最も印象に残っているのが、4日目に訪ねた現地でのスーパー
マーケットでの経験です。私はそこで自分の好きな味のポテトチップスを買お
うとしたのですが、間違えて、別の味のポテトチップスをレジに持っていって
しまいました。そこで、身振りも交えて簡単な英語を使って、自分は買いたい
ものを間違って持ってきたことを伝えようとしました。途中からは店員さんが
話している言葉も聞き取ることができました。何度かやりとりをして、最終的
には、店員さんに私の意図をわかってもらえて、最後に”Nice!”と言っ
てもらえました。このようなやりとりは、日本語で話せば簡単に済むことなの
でしょうが、最後に褒めてもらえたことで、私はとても嬉しく、少しだけ英語
に自信がつき、またこのような機会を持ってみたいと感じました。
このような英語でコミュニケーションをとることによる喜びを、今後も様々
な形で経験していきたいと、強く思っています。そのためには、これから多く
の努力を積んで、複雑で抽象的なことを英語で表現し、理解できるようになり
たいと思います。
最後になりましたが、このような貴重な機会を提供していただいた国立市な
らびに関係者の方々に、この場を借りて御礼を申し上げます。
38
充実の3ヶ月 ~青少年海外短期派遣事業
in シンガポール~
国立第二中学校 2年生 德田 直樹
僕にとってこの3ヶ月は、今までの人生で最も充実していたと思います。
この海外短期派遣事業で、僕は、いろいろなことを学び、体験し、感じ、気
づきました。
学んだことは、伝えようとする気持ちの大切さです。僕は、あまり英語が得
意ではありません。なので、現地では結構困りました、一番困ったのは、売店
でのことです。最終日に、現地のスーパーで買ったカップラーメンを食べるこ
とになったのですが、スーパーで箸をもらっていなかったので、食べられませ
ん。ということで、売店にフォークをもらいに行きました。しかし、いざ売店
のおばちゃんを前にすると、緊張しました。しかも、なぜか自分の英語が通じ
ません。もう諦めようかとも思いましたが、どうしても食べたかったので、ジ
ェスチャーでチャレンジしました。すると、4つほどジェスチャーをやってみ
ると、相手もわかったようで、店の奥からフォークをとってきてくれました。
とても嬉しかったのを、今でも覚えています。このような出来事を通して、何
かを伝えようとすることの大切さを知りました。
また、現地で感じたのは、本当に様々な人がいるということです。宗教や人
種、肌の色、目の色など、街を見ていると、いろいろな人がいるのを実感しま
す。決して日本では見られないものだと思いました。しかし、シンガポールで
は、お互いを理解し、尊重しあっているので、宗教や人種を巡る争いは起きな
いそうです。それは、とても素晴らしいことであり、シンガポールが世界に誇
れることの一つではないかと思います。
最後に、この事業に協力してくださった皆様に、心からお礼を言いたいです。
本当にありがとうございました。この体験で、僕は様々なことを学び、感じ、
気づきました。これらの事を、まずは友達などの身近な人から、やがては学校
全体に伝えていきたいと思います。
39
自分
国立第二中学校 2年生 仲西真子
私は、人見知りで、恥ずかしがりやだった。よく泣いていたし、迷惑もたく
さんかけてきた。
そんな私が、平成27年度国立市青少年海外短期派遣事業を通してとくに気
づいたことは、「自分」についてだった。
第2回目の研修のときに、GiFTの木村さんから、この10人は75人か
ら選ばれてきた10人なんだよ、というお話を聞いた。その時、私は、自分の
意志でここまで来ることができたのだな、と感じた。
さらに、この10人はほとんどの人が面識がなく、その中には自分もいるこ
とがとても不思議な感覚だった。しかし、今では、この10人で当たり前のよ
うな気がしている。それがなおさら不思議だ。
他にも、実際にシンガポールへ行き、現地の方々との交流をできるだけ英語
で行った。現地の方々は、日本語を話せるため、ほとんど日本語になってしま
ったが、積極的に英語を話そうとしたことは、前の私だったら、できなかった
と思う。
これらの体験は、派遣事業から生まれた。人見知りで恥ずかしがりやだった
私が、この事業に申し込んだ行動力に驚いた。この経験のおかげで、
「自分」の
ことについてだいぶ理解したと思う。また、自信もついたと思う。だから、こ
れからも、もっともっと「自分」を理解していくために、様々なことにチャレ
ンジし、経験を積み重ねていきたい。今回の事業がそう思うきっかけとなった。
40
シンガポールで学んだこと
国立第一中学校 2年生 長野 吉宏
近頃、日本を訪れる外国人が多くなり、これからは今よりも、より接するこ
とが増えると思います。外国人と日本人が仲良く暮らしていくためには、色々
な考え方を身に付けることが欠かせません。そのため、この機会に多民族国家
のシンガポールに行き、テレビやネットなどではわからない現地の様子や現地
の人の生の声を聞き、グローバルな社会で大切なことを探したいと思い、この
派遣事業に応募しました。僕自身、海外に行くのは初めてで最初は慣れない生
活に苦労しましたが、徐々に慣れていき多くのことを学べました。その中で学
んだことを2つ紹介します。
まず、1つ目は現実を実際に見るということの重要性です。シンガポールは
ポイ捨てがなく、とてもきれいと言われていますが、実際は違いました。現地
の中心部や観光名所の周辺などはゴミもなくきれいでしたが、市街地に行くと
ゴミが道端に落ちており、ポイ捨てをしている人も見かけられました。このこ
とから、聞いていたテレビやネットだけの情報にとらわれず、実際に現実を自
分の目で確かめることが大切だと学びました。
続いて、2つ目は相手の意見を尊重し、自分の意見も尊重することの大切さ
です。シンガポールは色々な民族がとても仲良く生活しています。例えば、お
店の中を見渡した時に、様々な民族の人々が違和感もなく食事やおしゃべりを
していて和やかな雰囲気が感じられました。違う民族の仲がこんなにも良い理
由を現地のガイドさんに聞いてみると、
「相手の意見も自分の意見も尊重するか
ら。」と言っていました。この考えは、日常の生活でも大事なことであり、これ
からの日本のグローバルな社会でも必要だと思います。
この派遣事業で学んだことをこれからの日常生活に生かしていきたいです。
また、この事業を支えてくれたR.Hさんをはじめ、多くの皆様への感謝の気持
ちを忘れずに、世界に羽ばたき、様々な民族の人と仲良くつながっていけるよ
うになりたいです。
41
宗教の違い
国立第一中学校 3年生 小川 庸
私が国立市青少年海外派遣事業に参加して一番印象に残ったことは宗教につ
いてのことです。二日目に私達は現地学生との交流として、シンガポールの街
歩きをしました。現地学生が日本語が上手であるということは聞いていました
が、思っていた以上に流暢な日本語。しかし「せっかく海外でこんなチャンス
があるのだから英語で話そう」と、私は思い、つたない英語ではありながらも
頑張って話しました。私とずっと話してくれていた現地学生のクレーラも英語
で話すようにしてくれていました。そして私はクレーラに「あなたは何の宗教
に入っているの?」と質問されました。そこで私は「何も入っていない」と答
えました。するとクレーラはとても驚いていました。シンガポールは多民族国
家であり、様々な宗教があります。日本人は宗教に入っていない人が多いです
が、他国の人はほとんどの人が宗教に入っています。だからクレーラに日本人
の多くは宗教に入っていないことを説明すると、彼女は「そんな国もあるんだ」
と本当に驚いていました。私は「宗教」というと少しマイナスなイメージがあ
ります。例えば、宗教の対立から起こる戦争です。シンガポールには主に6つ
もの宗教があります。しかし、シンガポールでは宗教の対立によって戦争が起
こったことはありません。私はこのようなことから、今まで私に関係ないと思
っていた宗教についてとても興味をもちました。
私は、将来「海外留学をしたい。働きたい。」と思っています。今回この事業
に参加して、自分の英語力と積極性の無さに気付くことができました。また、
シンガポールにある日本の会社で働いている日本人を見ることができて、とて
も刺激を受けました。私はこの経験を生かしてこれからの大切なグローバル人
材になっていきたいです。
42
派遣事業を終えて
武蔵中学校
3年生
松本 萌弥
気まずいなあ、というのが最初の研修の感想だった。昼食の時には数人の男子
達は隣の部屋へ消え、女子達は早くも仲良くなり会話を楽しんでいたのを覚え
ている。慌てて僕も隣の部屋に行ったのだが、そこでの静けさはかなりのもの
だった。部屋内全員の咀嚼音が聞こえる程である。なんなら人生初とも言える
程気まずい空間から逃げるように元の部屋に戻った。そこでは女子達が話して
いたので静かすぎることはなかったし、大人達がいたのでまだ会話する相手が
いるからだ。そんな始まりで正直不安は最高潮だった。そもそも僕は単純にシ
ンガポールに行きたかっただけで学ぼうという気がほとんど無かったので、仲
良く話せる人のいない事前研修はなかなか辛かった。しかし段々と周りの皆と
仲良くなれたので、最後の方には楽しくなっていった。
実際にシンガポールに行ってからは、様々な体験をすることができた。特に
大きな影響を与えてもらったのは二日目だ。その日は現地学生との交流をする
日で、五人の現地学生と一緒に街歩きをしたのだが、あちらは英語どころか日
本語も上手く、最初僕は英語で話そうとしていたのだが、最終的にはあちらの
日本語に頼ってしまっていた。そこでまず自分の英語力の低さを実感した。ま
た、最後に現地学生の一人と連絡先を交換し、日本に帰ってからのんびりと交
流しているのだが、時々シンガポールでは気付かなかった文化の違いを実感し
たりと、今でも刺激を与えてもらっている。これによって、今度は始めから学
ぼうという意志をもって海外へ行き、海外の人々と積極的に関わっていきたい
という気持ちが生まれた。
このように僕に大きな影響を与えるきっかけをつくってくれたR.Hさんや市
役所の方々、また手助けをしてくれたその他の多くの人々には感謝してもし切
れない。
43
グローバリゼーションと私
光塩女子学院高等科
2年生
佐藤 和歌子
私が派遣生に応募したのは、まず単純に行ったことのない国に行ってみたい
と思ったからです。また、観光旅行では体験できない現地学生との交流には、
新しい出会いに対する期待と、英語が通じるのだろうかという不安がありまし
た。しかし、事前研修で一橋大学の留学生たちと交流する機会をいただき、く
にたちの魅力を紹介したり、自分たちのことを話たりするうちに、交流への期
待がふくらんでいきました。自分の思っていることが伝わる感覚を味わったか
らです。出発前にして英語力が足りないことを痛感しましたが、同時に交流を
通じて少しでも英語で自分の想いを伝えられるようになった自分を想像してい
ました。
ところが、実際に現地の学生と接してみると、日本語を流暢に話していらっ
しゃいました。それだけでなく、中華料理のレストランでは、店員さんに中国
語で話しかけていたのです。年齢の近い学生が、1人で3ヵ国語を話している
のを見て、私たちよりもはるかにグローバルだと感じました。学生さんたちは
グローバル人材を目指す私の目標となりました。
日本企業への訪問では、どの企業の方も若いうちに経験した海外留学や外国
人との関わりをきっかけに、今のお仕事をしていらっしゃいました。その中で、
みなさんが口をそろえて言っていたことは、何事にも挑戦してみることが大切
だということです。
私も今回の派遣をきっかけに、周囲の人から受けた刺激や出会いを次の挑戦
へのエネルギーに変え、周囲の人に良い刺激を与えられる存在になりたいです。
44
シンガポール派遣を終えて
玉川聖学院高等部 2年生 福田 ゆり
シンガポールの整った環境は、日本と比べて似ている部分も多いのですが、
やはり異なったもののように感じました。その違いは国の違いや政治形態の違
いによるものです。
例えば、ごみのポイ捨て禁止やボウフラ対策として各家庭の水の使われ方を
調査することにはとても驚きました。日本であれば個々人の事情を配慮するた
め、ここまで徹底した政策は行われることはありません。これはシンガポール
が建国50周年ということと、ほとんど国会内に第一与党しか存在しないこと
に深く関係しているように思います。リー・クアンユー氏が建国してから50
年しかたっていないため、与党内に建国の精神が保たれているので政策が良い
方向に進んでいっているのです。これから国家が成熟していくのにあたってど
のような政権運営がなされていくのか興味深く思います。また、多民族国家故
の絶妙なバランス感覚でうまく国を発展させていくように思えます。日本も時
には大胆な政策転換を行えれば、国が良い方向に向かっていくこともあるので
はないかとも考えられます。また、シンガポールヤクルトの大橋さんに伺った
お話の中にシンガポール人は結果を早く求める傾向にあるとおっしゃっていま
した。これも短期間に発達した国であるからかもしれません。
私が今回この派遣に応募した理由を改めて思い起こすと半年前に横浜 DeNA
ベイスターズ球団オーナーの南場智子さんの講演を聞いたことがきっかけです。
「日本が本当に困ったときに助けられるような人材になるためには国際社会に
でていくのが必要」だとおっしゃっていました。日本を知り、海外を知ること
が自分のかけがえのない経験になると思い今回応募させていただきました。
今回の研修では大きく分けて三つのことを学びました。1つ目は適任であっ
たかはわかりませんが、今回団長にならせていただいたことです。団長になり
たいと考えた理由は、受け身ではなく、能動的に動くことで、研修を通してよ
り多くのことを学べると思ったからです。今回の研修を通して自分自身だけで
はなく、みんなもどのように成長していくのか楽しみです。2つ目は世界は広
くて未知だけれども、実際に行ってみると不思議と自分の居場所が必ずあるよ
うに感じました。自分、日本、世界のために様々なことに挑戦していきたいと
思いました。3つ目は自分の親以外にも私たちの成長を楽しみに期待してくれ
る大人がいるということです。これはとても感謝すべきことであるし、私も頑
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張らねばと思いました。また、日本、国立市で育ったことに感謝しています。
シンガポールは日本とともにアジアを引っ張ってきた国ではありますが、国
の個性として日本は和を大切にし、シンガポールは様々なものの良いところを
融合させるのが得意であることがわかりました。私は、今回の研修を通し、改
めて日本のことを誇りに思いました。また、同時にシンガポールの人々もシン
ガポールのことを誇りに思っているのではないかと思いました。
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シンガポール派遣に行って
早稲田実業学校高等部
2年生 緑川
壹丸
今回シンガポール派遣に記念すべき第1期生として参加した。このプログラム
は、今回が初の試みということで、レールが何も敷かれていない状態だった。
そのため、形式にとらわれることなく、むしろ自由に研修を進めることができ
た。
事前研修では、初対面であり、さらに学年も違う他の派遣生と仲良くなれる
かという不安があったけれど、結局、5回の事前研修ではあまり状況は変わら
なかった。しかし、いざシンガポールに行ってみると、そこは景観も人々の話
す言語も違うほとんど未知の世界だった。そのため、性別も学年も「ばらばら」
だった僕たちは、今度は日本人という広い視野での共通項を見つけ、チーム国
立として団結することができた。また、シンガポールでの現地学生との交流で
は、現地学生が英語だけでなく、中国語、日本語を上手に使い、コミュニケー
ションをとっているのを見て、多民族国家というものを間近に感じることがで
きた。こうして、今まで自分たちがいかに小さな世界で生きていたかに気づか
された。企業訪問では、海外に出ると自分が日本の象徴のような存在になると
いう言葉がとても印象に残った。
今回の研修を通じて、まず、人それぞれ違う考えを持っていて、1つとして
全く同じものはなく、さらにその考えに正解はない、むしろ全てが正解である
ということに気づかされた。また、それゆえに自己主張することが大切である
ということもわかった。そして、自分の英語力のなさを痛感すると同時に、英
語でもっとコミュニケーションをとりたいと思った。そのために、まず自国を
よく知り、その良さを伝えられるようになる必要があることを学んだ。今回の
反省を生かし、大学生になったら留学をしてみたい。
最後に、今回の研修のために寄付してくださったR.Hさんや、この事業に関
わってくださった全ての人に深く感謝をしたい。
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参考資料

地球の歩き方 シンガポール 2015~2016 年版

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/singapore/

(一社)グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)
「平成 27 年度国立市青少年海外短期派遣事業 事前・事後研修 報告」
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私たちは世界へ羽ばたきます
派遣生それぞれが記入した「未来へのアクション」シートを持って
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平成27年度国立市青少年海外短期派遣事業
〔シンガポール派遣〕報告書
2016年(平成28年)1月
国立市子ども家庭部児童青少年課
〒186-8501 東京都国立市富士見台2-47-1
電話 042-576-2111
FAX 042-576-0264
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