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エッジ音の音圧を用いた気体流量測定法
平成 21 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会 講演番号:32 エッジ音の音圧を用いた気体流量測定法 A-11 Measurement Method of Gas Flow Rate Using Sound Pressure of Edge Sound 高橋 太郎† 谷澤 茂 Taro TAKAHASHI† Shigeru TANISAWA † 日本工業大学大学院 工学研究科 † Graduate School of Engineering,Nippon Institute of Technology ために、受信電圧の変動幅が大きくなり、線形性が悪 1. はじめに 通常の超音波流量計は位相データから流量を測定し くなったものと考えられる。 差圧値の違いによる特 ているために、時間的に高精度な装置が必要となる。 性変化は僅かであった。 しかし、本研究では音圧データから流量を測定してい 4.まとめ るので、その必要性はない。 この新しい測定法を検討 平均管内流速は受信電圧にほぼ比例した。 また、一定 した。 圧力値のバイアス気流の供給のためには、供給装置に 2. 測定原理 ある程度の応答時間が必要であった。 その方が、平均 測定管は主管路と副管路で構成されている。 具体的 管内流速と受信電圧の良好な直線性が期待できる。 バ には、被測定気流を副管路内の発音器のエッジにあて イアス気流供給装置を AC 方式から DC サーボ方式に て、超音波信号を発生させた。 その受信電圧(音圧) 変更した結果、電源電圧の変動による圧力への影響は から流量を得ている。 本測定法は、被測定気流の圧力 無視できるようになった。 より一定値だけ高いバイアス気流を予め発音器へ流し 参考文献 ておくことによって、発音器を高感度にしている。 し [1] Kenji Tsuchiya, Shigeru Tanisawa, and Haruo Hirose かし、測定精度は、バイアス気流の圧力安定度に大き "Air Flow Rate Measurement Using a Set of Sound く影響される。 そのため、バイアス気流の圧力値をフ Radiator and Sound Detector in a Sub-Pipe" The 31st ィートバック制御して、 安定度を高めた(図 1)。また、 Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics このバイアス気流供給装置の電源電圧を安定化しやす Society, SA-P1, pp.2129-2132 いように、交流方式から DC サーボ方式に変更した。 Nov. 2005. 測定管 温度センサ 更に、応答性をかなり速めたバイアス気流供給装置も 主管路の気流 微差圧測定装置 開発し、その諸性能を検討することにした。 DMM SETRA社 バイアス気流 Model 239 3. 実験結果 使用した発音器の特性を図 2 に示す。 供給した気流 誤差 検 出増 幅 回路 の圧力が、 約 0.2kPa 以上でないと超音波信号は検出で 設定差圧 ドラ イ バ きなかった。 その特性を改善するために、一定圧力の 小型タンク バイアス気流を供給した。 結果として、低圧力の流体 ◎シロッコファン ◎DCサーボモータ オリエンタルモーター製 圧力制御器 でも測定可能になった。 一方、測定データの種類・量 BLF46A-A-1 は多く、測定間隔も短いため、パソコンを用いて各種 図 1 バイアス気流供給装置 データを測定・処理するシステムを構築した。 被測定 1.0 イアス気流の圧力値から主管路の気流の圧力値を差引 いた値である。 図 3 では、平均管内流速に比例した特 性は得られたが、線形性は多少悪くなった。 これは、 バイアス気流供給装置の応答性を速めた結果、流速変 動に対する応答特性はかなり良くなったが、バイアス 気流の瞬時圧力の変動はかなり増大した。 その影響の -32- 平均受信電 圧 [V] 特性を図 3 に示す。 ここで、パラメータの差圧値はバ 平 均 受 信電 圧 [V] 気流の流速(平均管内流速)を変化させた時の受信電圧 10 10 55 0.5 ○ 差圧0.41kPa □ 差圧0.45kPa △ 差圧0.51kPa 00 0 0.0 0 0.2 0.2 0.4 0.4 気 流 の 平 均 圧 力 [kPa] 図 2 発音器の特性 0.6 0.6 0 1.0 2.0 3.0 平均管内流 速 [m/s] 図 3 平均管内流速に 対する受信電圧特性 Copyright © 2010 IEICE