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140318_電気の歴史(250年間程前のこと)
電気の発見 から 驚異的な情報 ・通信の発展 1.電気の発見 原理の解明 ・古代ギリシャ人: 静電気(謎の現象)の効果を知っていた 琥珀:エレクトラ、慈石召鉄 ~ ・250年前:電気の謎解き? ベンジャミン・フランクリンは、雷雨に凧上げ ・200年前:電池を発明 人為的に電気の作成に成功 電磁誘導 ・150年前:電気の科学的解明 電荷/磁気/電磁界(電波)の理論 ・100年前:電気を応用製品 エジソンの発明 各種の電気製品が実用化 ・ 50年前:半導体、コンピュータ、無線機器 ( 情報革命の幕開け ) 原子力発電の黎明期でもある デジタル化技術による情報システムの飛躍的発展 ◆ 古代電気の 古代電気の謎: 紀元前600年頃:ターレスは琥珀を絹布でこすると羽毛や軽い物を引き付けることを知っていた。 これが静電気の起源で、『琥珀』(ギリシャ語:エレクトラ)からエレクトロンという言葉が生まれた。 紀元前240年頃: 中国の自然科学本「呂氏春秋」に『慈石召鉄』の記述がある。 日本では、713年「続日本紀」に『近江国より慈石を献ず』の記述が最も古い記録になる。 マグネット(磁石)の起源は、羊飼少年『マグネス』が不思議な石を発見した伝説と、トルコ南端の海に近い地名 『マグネシア』が磁石の産地だった とするもがある。 ◆ 電気原理の 電気原理の発見: 発見:200年前 200年前 ベンジャミン・フランクリン(1752年)は、雷雨の中で凧を揚げる実験で、糸を伝わる稲妻の電荷を捉えた。 電気のことは昔から知られていたが、電気の存在を初めて証明した画期的な実験だった。 クーロンは、絹糸のねじれを利用した高精度の秤から、電気に働く力から『クーロンの法則』を発見した。 ガルバニーの蛙脚の電気痙攣から、ボルタは異種の金属間に発生する電気を発見し、電池を発明した。 エルステッドは、電池を使い針金に電流を流すと、近くに置いた位磁針が反応することを偶然に発見した。 アンペールは、針金2本を平行に並べ、電流の向きにより、針金に引き合い/反発の力が働くことを発見した。 ファラデーは、コイルの中で磁石を動かし、磁気の変化で電流が流れる(電磁誘導)現象を発見した。 ◆ 電気理論の 電気理論の体系化: 体系化:150年前 150年前 マクスウェルは、電気と磁気に関する方程式を作り電気理論を確立した。その方程式から電磁波の存在を予測 した。電磁波の速度が光の速度に等しいことを知って、光が電磁波であることを解明した。 ヘルツは、電磁波を発生させる実験で電波の存在を実証し、無線通信の基礎を築いた。 ◆ 電気の 電気の実用化の 実用化の時代: 時代:100年前 100年前 19世紀の後半から20世紀の初めにかけ、モールスの電信、ベルの電話、エジソンの白熱電球・蓄音機・映画、 ウエスチングハウスの電気機関車、スタインメッツの交流、テスラの多相交流・誘導電動機、マルコニーの無線通信、ラジオ・テレビ など電気工学上の偉大な発明が次々と出てきた。 半導体が発明され集積回路技術の発展は電子計算機、インターネットや携帯電話に応用され現代人に不可欠な ものになっている。 1 2.エジソンの発明 Thomas Alva Edison:1847~1931 電気の話 エジソンがいなければ、人類史は100年以上 遅れていただろう ~ 「天才は1%のひらめきと99%の汗(努力の否定?)」 ・1877年、母親も手伝い蓄音機の実用化に成功。メンロパーク研究室(ニュージャージ)を設立 人材を集め「天才の集団」のマネジメントに辣腕を振るい、数多くの発明を成した。 電話 、蓄音機 、レコード レコード 、電気 鉄道、 鉄道、鉱 石分離 符、 符、電灯 照明 な ど ・・・ 特に白熱電球(当時10時 間程の寿命 )に、“竹”を使い1200時間以上にしたのが有名。 エジソンは電球の改良と、「電灯の事業化」に注力。程なく竹は、タングステンに代わる。 白熱電灯の売込みに合せ、直流電力供給事業(110V送 電:電圧低 下を考 慮)に注力した。 ・研究室に入社した『テスラ』は、自身の回転磁界の研究から交流の発送電システムを考案し商業化 にウエスティングハウスと契約を結んだ。 【エジソンとの確執、電流戦争が勃発】 交流の利点が評価され直流システムは廃退。エジソンの功績は類希であるが、改良発明、 盗作疑惑 もあり、誹謗中傷を受けたものも多い。 ・エジソンの晩年は恵まれず、"死者との交信についての研究"を行っていた。 ※交流の 交流の利点: 利点:変圧器で電圧変換が容易。電線の抵抗で電流減衰はやむを得ないが、 電圧を高くすれば減衰は抑えられ、効率が良い。 送電は高電圧で行い、家庭で使用する 直前に100Vにする。 直流の電気器具を使用する場合、交流から直流の変換は容易、 逆に直流から交流への変換は難しかった。 (現在は電力半導体で比較的に容易) ◆ 先ずエジソンありき エジソンありき エジソンの エジソンの発明が 発明が「電気文明の 電気文明の 20 世紀」 世紀」をもたらした をもたらした 1868:エジソン(21 歳)の発明1号は、電気投票記録装置だった。 日本の明治元年に重なる。 1876:研究所(メンローパーク)設立、電話機など 1300 以上を発明した。ベルの電話はエジソンの送話機が使われた。 1878:電灯照明会社を設立、電球の発明に取組む。翌年40時間の照明に成功。日本の竹炭を使用。 1881:エジソン電灯会社(ニューヨーク5番町)を設立。翌年、発電所を完成、世界初の電力供給システムを完成。 1887:発電所(121カ所)を建設し電力供給事業を独占。一方、研究所では扇風機、トースター、ヒーター、アイロンなど 電化製品を次々に発明。新たな研究所で、映写機や蓄音機の発明にも取り組んだ。 1900:アルカリ蓄電池を発明。のち改良「A型蓄電池」を搭載した電気自動車を実用化する。 エジソンが最も注力した電力供給事業は、激しい競争の末、発明家テスラと起業家ウェスティング・ハウスの交流発電に 置き換えられた。遠距離を送電する電力システムは、変圧が容易な交流方式が優利で、直流方式が廃れた。 エジソンの発明は、戦時中の停滞期を経て、猛烈な勢いで「電気文明の20世紀」を形成するにことになった。 ◆ 文明開化 エジソンが エジソンが電力供給システム 電力供給システムを システムを完成した 完成した翌年 した翌年、 翌年、東京電燈会社が 東京電燈会社が設立 1883:(M16)日本初の電気事業『東京電燈』が始まる。エジソンが世界初の電力システムを完成した翌年だった! 以降、神戸・大阪・京都・名古屋で設立。1892:3万5千の電燈が灯った。明治文明開化の勢いは想像を絶す。 電力利用も積極的で、1890:日本発の電動エレベーター設置は、米オーチス社が実用化後の翌年だった。 1895:電気鉄道(京都市電)が開業、1898:名古屋、1903:東京,大阪にも電気鉄道が続いて開業した。 かくして、文明開化の勢いに乗り、欧米とほとんど同時進行して日本の『電化』が始まった。 ◆ 三種の神器 国策で 国策で電力消費キャンヘ 電力消費キャンペ キャンペーン 1915年(T4):猪苗代水力から長距離送電(230km)が成功。電力による新産業を目指し、国策で電力消費拡大 キャンペーンが進められた。この流れに乗り、欧米で開発された電化製品は大正・昭和にかけ国産化された。 1894:扇風機、1915:アイロン、1924:ラジオ、1930:洗濯機,冷蔵庫、1931:掃除機、国産の電化製品が次々に登場。 1929:昭和恐慌から 1944年:敗戦まで電化品の普及は停滞した。 復興エネルギーが電化製品を生んだ。1947:トースター流行、1953:テレビ本放送、1955:トランジスタラジオ、電気釜など。 神武景気で『三種の神器』に憧れ。1958:テレビ普及率 15.9%、皇太子御成婚 33.5%、1964:東京オリンピック 90% 。 ◆ 快適・ 快適・便利の 便利の追求 と 電力需要を 電力需要を支えた原子力発電 えた原子力発電 高度成長の 高度成長の一躍を 一躍を担う電化製品 快適・便利な電化製品が経済成長を継続牽引した。1960:カラーテレビ放送を開始、民放局が次々に開局、放送 内容は娯楽性を強め、放映時間は深夜に及び、社会・文化に与える影響度を増していた。 2 1975:家庭用VTR、1961:電子レンジ、大型冷蔵庫で冷凍食品が普及。冷凍・インスタント食品は食文化を変えた。 ビル建設ラッシュでエアコンが普及、1970 年代になり家庭にも普及、1990:1.5台、2000:2.5台と増加した。 1969:FMが開局、良音質オーディオが普及。1981:ウォークマン、1982:CD発売。映像と結合したDVDへと進化する。 電化の拡大で電力消費が増大(1/3)。家庭用電力は、1972:500億 kWh、1999:1909 億 kWh、27年間で4倍。 1970:以降、電力が慢性的に逼迫状況に陥り、米国から導入した原子力発電所を相次いで稼動。 1986:チェルノブイリ原発事故を危惧しながらも、52基の新設が続いた。 ◆ マイコン登場 マイコン登場 マイコンが マイコンが電化製品を 電化製品を自動化 TVゲーム TVゲーム、 ゲーム、パソコンを パソコンを生み出す 1964:電卓(1辺 42cm、50 万円)を発売。電卓メーカー(シャープ)の要請で、1971:米インテルが 4 ビットマイコンを開発、続いて 1972:8ビット、1977:16 ビットを開発。1981:インテルとHP社が 32 ビットマイコンを共同開発、現在は 64 ビットが主力。 マイコンを搭載したパーソナル・コンピュータ(PC)が登場、5 年後の年間生産(182 万台:20 社)に急成長を遂げた。 マイコンの大衆化はTVゲーム機で先行、1979:インベーダが大流行。1983:ファミコン(任天堂)で本格普及が始まった。 産業分野はマイコンで製造ラインの自動化を果した。家電品はテレビリモコンを皮切りに、全自動洗濯機、エアコン、オーディオ、 カメラに、自動車では数10台超マイコンが組込まれる。更に、トイレ給水,駅改札,飲料・タバコ販売機にも導入された。 ◆ 「オール電化」へ 掃除ロホ オール電化 掃除ロボ ロボット登場 ット登場 オール電化にまい 電化にまい進 にまい進していた・・・ していた・・・が ・・・が、 1970:温度制御する電子ジャーが発売され「押すだけ」が大ヒットした。 快適・便利は、『オール電化』に向い、 電磁調理器、掃除ロボット、電波時計、自動調理器、自動カーテン、介護ロボットも実用化された。 「だれでも、どこでも、いつでも、なんにでも」という「ユビキタス」や「情報家電」の象徴が「オール電化」と思われて いたが、震災・原発事故のあと疑問を感じ、誰もが戸惑っている。 3 電気の話 3.驚異的な情報 ・通信技術の発展 1970年代 年代 2010年 年 性能向上 型メインフレ ーム(IBM370) ーム(IBM370) 構成 集中大 型メインフレ 分散ネットワーク 分散ネットワーク リアルタイ ム、 ム、エン ド ドユーザ ユーザ 、グリット、 リット、クラ ウド ウド、組 込、 込、ユビ ユヒ ゙キタス 処理 ◆専用から 専用から汎用利用 から汎用利用へ 汎用利用へ 誰でも 何処 でも何 でも何 時でも 時でも グ演算 IC 論理回路 演算 アナロ グ ットマイコンチップ( i4004) 処理 4ヒ ゙ットマイコンチップ ULSI SoC :システム :システムon システムonチッフ on チッフ ゚ 64ヒ 64 ヒ ゙ットx ットx 5マルチチッフ 5マルチチップ マルチチップ(Corei (Core i7) 16万 16 万MIPS/チッフ MIPS/チップ チップ モバ モハ ゙ イルPC イルPC ~ スーパ スーハ ゚コンピ コンヒ ゚ュータ 汎用OS(Windows 汎用OS(Windows Mac) Linux 【 ムーアの ムーア の法 則: 則: 18ヵ 18ヵ 月で 2倍】 オフライン・ オフライン・ ハ ゙ッチ処理 ッチ 処理 電算室 部門、 部門、専 任オヘ 任オペ オヘ ゚レータ 1MIPS/チッフ 1MIPS/チップ チップ マイ コン 、オフコン、 オフコン、ミニコン、 ミニコン、制 御用 専用OS 専用OS RTOS Unix MS -DOS 記憶 1970 1970: : 磁気 テープ テープ,カ セットテープ セットテープ B、 1.44MB) ロッヒ ゚ー 8,5,3.5in (125K B、 容量 フ ロッピ 2000: 2000: HDD 3.5in (50GB) ブ ルーレイDVD ルーレイDVD( DVD( 50G B) 2010: 2010: HDD 3.5in (1.5TB) USBメモリステック USB メモリステック (4 ~64GB) SDメモリカート (2~ SDメモリカード メモリカード (2 ~64GB) SSD :高 :高 速メモリ 速メモリ (120GB) グ64k bps通 bps通 信 交 換機 通信 アナロ グ 速度 ダイアルアッフ ゚ デ ジタル 通信 IPフ IPフ ゚ロトコル TCP/IP 常時接 続 ADSL : 1.5Mbps インサーネット LAN規 LAN規 格: 格: 1G bps 携帯電 話: 話: 384kbps ~ 光ファイバ ファイバ ー 通信網: 通信網: 19.2Gbps 1980: 1980: HDD 3.5in (50MB) CD、 CD、MO (650MB) 1990: 1990: HDD 2.5in (130MB) DVD ( 4.7GB) ISDN : 2.4kbps 個別仕 様LAN 様LAN: LAN :30Mbps 無線ト 無線ト ランシーバ ランシーバ マイ クロ波無 クロ波無 線網: 線網: 208Mbps ◆10万 10万 倍超の 倍超の 性 能向上 価格 は1/1000 *日の丸OS (TRON ) は、iphone、 スマートホンの普及で廃れる ◆100万 100万 倍の 倍の 密度 向上 革新 技術で 技術で 飛躍向 上中 小型 化、 化、低価 格化、 格化、 高速化 【キ ゙ルダ ルタ ゙ー の 法 則: 則: 6ヶ月 で2倍】 ◆3.5万 3.5万 倍の 倍の 高速 化 光テ ゙シ ゙タルで タルで飛 躍的 な高速 化 IP網 網による地球 による 地球 規模網 *回線 利用価 格は暫 減 ◆電子技術4 電子技術40年の軌跡 = 1970~2010年代 = エジソン白熱電灯発明から130年後の現在、1980年代の情報革命が30年経過し進化を継続している。 ・構成( 構成(アーキテクチャ) アーキテクチャ)の変遷: 超大小型、集中分散、ネットワーク Web、汎用専用、組込み、グリッド、ウェアラブル、ユビキタスなど、あらゆる形態の計算機 システムが生まれた。情報システムを動かすソフトウェアと膨大データの構築方法がより重要になる。 ・CPUの (ムーアの法則:18ヵ月で2倍) CPUの性能10 性能10万倍 10万倍: 万倍: マイクロプロセッサは、処理単位(4>8>16>32>64bit)の拡張と半導体集積度の向上 で高速化する。1970 年代のミニコンピュータ(DEC:1MIPS)の商品化以降、マイコン、 LSI、マルチcpuなど幾多の革新技術で急激な性能向上が継続する。製造ライン IC チップ、デジタル家電、自動車など用途も拡大し今や生活に不可欠な存在。 ・磁気テ 磁気ディスクの ィスクの記憶容量100 記憶容量100万倍 100万倍: 万倍: 1980年、パソコン用 HDD(5.25in:5MB)が実用化。回転速度の高速化、記憶 の高密度化・多層化など革新技術で性能が飛躍的に向上。家庭ビデオレコーダ の用途拡大で低価格化が劇的に進み、2.5in:3TB が商用化される。 ・光伝送速度 3.5 万倍 : (ギルダーの法則:6ヵ月で2倍 CPU 改善を上回る) アナログ通信からデジタル通信へ,有線ケーブル,無線,光通信,TDM(時分割) WDM(周波数分割)通信方式の変遷を経て,通信速度は M・G・T(1012Bit/sec) 時代を迎えている。ユビキタス通信で地球規模通信も可能になろうとしている。 一方、デジタル化と符号化技術で、専用線を使う広帯域映像は、 信号圧縮技術の進展で、既存の回線でも高精細映像配信が 可能になった。標準・規格化の進展が最大課題になっている。 ◆量的変化から 量的変化から質的変化 から質的変化へ 質的変化へ 30~40年前:大型計算センターで情報処理を行った。 1980年代 :小型コンピュータで情報処理を現場で行う。 2000年代 :机上は無論、手に乗せポケットに入れ一家に1台、研究室に1台を遥かに超え普及した。 情報革命は、ムーア・ギルダーの法則を超える勢いで進展した。 最初は量的な変化で、ある時点から質的に大 変革する。 量的変化は 1/千,1/百万 となると、革命的な質的変化に発展する。 4