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4.3 スイッチを使用したクロック作成回路
順序回路の設計と動作解析 2 4.3 スイッチを使用したクロック作成回路 一般に、順序回路のクロックは、水晶振動子などを使用して作成されるが、手動入力が必要 な場合や回路をチェックするために手動のスイッチを使用したクロック信号発生回路が使用され る。 クロックは、論理 0 と論理 1 の繰り返しでよいので、下記のような回路が考えられる。 論理'1' (+5V) R 順序回路のClockへ スイッチ スイッチによるクロック信号生成回路 1 上図の回路では、スイッチが OFF の時論理 1 を、ON の時論理 0 を出力することが可能であ る。しかし、スイッチの接点の振動現象により起こるチャッタリング現象により、スイッチの ON、OFF に同期した Clock を作成することができない。 チャッタリングによるノイズ 論理1 論理0 スイッチON スイッチOFF スイッチON →1 個のパルスを入力しようとしてもチャッタリング現象により複数個入力される。 スイッチによるクロック信号生成回路 1 の出力信号 - 79 - 順序回路の設計と動作解析 2 一般に、このような現象を解決するために RS-フリップフロップを用いたチャッタリング防止 回路を使用する。 論理1 S Q 論理1 Q R チャッタリング防止回路 ・チャッタリング防止回路は、下記のタイムチャートのように動作し、チャッタリングによ るノイズを取り除くことができる。 チャッタリング チャッタリング S R Q Q ① ② ④ ⑤ ⑥ ③ ⑧ ⑨ ⑦ チャッタリング防止回路のタイムチャート RS-フリップフロップの動作表 S R S R 0 0 1 1 0 1 0 1 1 1 0 0 1 0 1 0 Q(t 1) Q (t 1) Q(t ) Q (t ) 0 1 x 1 0 x ここで、x は、禁止入力 RS-フリップフロップの動作表とスイッチのタイミングを考慮すると、チャッタリング防止回 路の動作は、下記のように説明することができる。 ①:スイッチが S に付いているので、 S 従って、動作表から Q 1 、 Q 1 0 ②:スイッチが S から離れた瞬間で、 S 従って、動作表から Q 1 、 Q 0、R 0 または、1、 R 0 - 80 - 1 順序回路の設計と動作解析 2 ③:スイッチが S 、 R どちらにも付いていない状態で、 S R 1 従って、動作表から前の状態を維持するので Q 1 、 Q 0 ④:スイッチが R に付いた瞬間で、 S 従って、動作表から Q 1、 R 0、Q 1 ⑤:スイッチが R に付いているので、 S 従って、動作表から Q 1、 R 0 1、 R 0 または、1 0、Q 1 ⑥:スイッチが R から離れた瞬間で、 S 従って、動作表から Q 0 または、1 0、Q 1 ⑦: スイッチが S 、 R どちらにも付いていない状態で、 S R 1 0 、Q 1 従って、動作表から前の状態を維持するので Q ⑧: スイッチが S に付いた瞬間瞬間で、 S 従って、動作表から Q 1 、 Q 1 0 ⑨: スイッチが S に付いているので、 S 従って、動作表から Q 1 、 Q 0 または、1、 R 0、R 1 0 以上のような動作を行うので、スイッチでチャッタリング現象が生じても取り除くことが可能で ある。 - 81 -