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9月 - 和歌山県ホームページ
普及活動現地情報 「農業現場では、今」 平成 25 年9月号 【日高振興局】 9/24 みなべ町農業振興協議会が農村⼥性講座『ブラッシュアップみなべ』を開講 和歌⼭県農林⽔産部経営⽀援課 (農業革新⽀援センター) は じ め に 普及活動現地情報は、各振興局に配属された普及業務に携わる職員が 行う技術普及、担い手育成、調査研究、地域づくり等の多岐に渡る現場 普及活動や運営支援を行っている関係団体の活動、産地の動向等、その 時々の旬な現場の情報をとりまとめたものです。 それぞれの地域毎の実情に応じて、特徴ある普及活動を展開していま すので、是非、御一読頂き、本情報を通じて、普及活動に対する御理解 を深めて頂くと共に、関係者の皆様にとって、今後の参考になれば幸い です。 また、本情報については、カラー版(PDF ファイル)を和歌山県ホー ムページ内(農林水産部経営支援課:アドレスは下記を御参照下さい。 ) に掲載しており、過去の情報も閲覧出来ますので、併せて御活用下さい。 和歌山県農林水産部経営支援課ホームページ 普及現地情報アドレス http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070900/hukyu/ 検索サイトより、以下のキーワードで御検索下さい。 < 目 次 > Ⅰ 海草振興局 頁数 1-2 1.下津町農業士会が現地研修会を開催 2.農家経営研修会を開催 Ⅱ 那賀振興局 3-5 1.地場農産物を使った加工と地域ぐるみ活動について研修会を開催 2.高野山で紀の川梅干しのPRと試食販売を実施 3.郷土の味を伝える『金山寺味噌伝承塾』を開催 4.いちごの花芽検鏡を実施 Ⅲ 伊都振興局 6-9 1.トルコギキョウ園地の定植後巡回を実施 2.農業技術講習会(果樹コース) 3.柿農家の負担軽減に向けて 4.世界遺産高野山で柿のPR 5.柿をもっと食べよう講習会を開催 Ⅳ 有田振興局 10―12 1.有田地方農業士協議会と有田地方4Hクラブ連絡協議会が合同研修会を開催 2.平成25年度有田地方農村青年交流会を開催 3.環境保全型農業栽培技術現地講習会を開催 4.糸我小学校『田んぼの学校』稲刈りを実施 Ⅴ 日高振興局 13-16 13-16 1.みなべ町農業振興協議会が農村女性講座『ブラッシュアップみなべ』を開講 2.稲原小学校で稲刈り体験を農業士が指導 3.みなべ梅郷クラブが耕作放棄地でサツマイモを栽培 4.ウメ「露茜」の接ぎ木・せん定講習会を開催 Ⅵ 西牟婁振興局 1.第22回SUN・燦 17-18 -18 紀南農業者の集いを開催 2.極早生みかん『YN26』栽培実証園で緑肥作物を播種 Ⅶ 東牟婁振興局 1.元気にナスを収穫 2.さつまいも『なんたん蜜姫』調査・目揃え会 19-20 Ⅷ 経営支援課(農業革新支援センター) 経営支援課(農業革新支援センター) 1.普及指導員新技術習得研修(花き・ストック)を開催 21 普及活動現地情報 Ⅰ 平成 25 年 9 月 海草振興局 1.下津町農業士会が現地研修会を開催 9 月 17 日、県内加工業者の製造や経営等の実情を学ぶため、下津町農業士会は現地研修会を 開催、会員 11 名が参加し、ミカンやモモ等の県内産果実の加工を行っている紀州食品株式会社 (かつらぎ町:武井建登取締役会長)を視察、併せて日本最大級の売り場面積を持つ販売所「ま ほろばキッチン」(奈良県橿原市)を見学した。 紀州食品株式会社は、オレンジピールやチェリー等の製菓材料、果実やジャム、ジュースの缶 詰等の製造を行う県内の果実加工メーカーで農商連携の先駆け的な存在である。 武井会長は、 『農産物加工品の小売用製品は価格競争が激しく、小さな企業では利益が出せ ないと判断し、ニッチな市場である業務用製品に特化することで自社のポジションを確保し ている』と事業戦略について講話後、同社が行う搾汁技術「チョッパー・パルパー方式」に ついて説明した。この方式はミカンを湯に潜らせた後、機械と人の手で皮を剥いてから裏ご しするように搾る。手間はかかるが一般的な方法と異なり、皮の油分が入らずにコクのある まろやかな仕上がりになるとのことだった。 最後に会長から「農家の方々にも加工に興味を持ってもらい、できれば 6 次産業化なども 視野に経営を考えて欲しい」と呼びかけたところ、会員も興味深く話に聞き入っていた。 説明に聞き入る会員達 2.農家経営研修会を開催 9 月 6 日、 紀美野町総合福祉センターにおいて県と和海地方農業生活連絡協議会が共催で、 管内農業者の農業経営力の向上を図るため、農家経営研修会を開催、会員や新規就農者ら約 80 名が出席した。 -1- 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 研修会では、宮崎県で「葡萄園スギヤマ」を経営する杉山経昌さんを講師に迎え『外資系 サラリーマンからみた農業とその極意』と題し、農業の良さや有利性、成功するためのポイ ントについて講演頂いた。 杉山さんは、1990 年に外資系通信機器の会社を退職後、宮崎県綾町に就農。現在、施設 ブドウで直接販売主体の経営をし、サラリーマン時代のスキルを活かして、低コストで労働 生産性の高い超効率的農業を実践している。 講演では、これまでの体験を通して、経営のポイントを次のとおり紹介した。 ・ 農業専業でなるべく小規模な経営を行う。 (規模の不足分は手取り単価の高価格化と劇的な経費圧縮で収益を確保する。) ・ 所得ではなく幸せを最大化する。 (ゆとり・自然との調和・人とのネットワークを大事に。) ・ 今日の私は昨日の私ではない。 (日々改善を怠らず、現状に留まらず。) 短い時間に内容盛り沢山の講演となったが、ゼロから農業を始め、先進的な事例にまでな った杉山さんの取り組みは参加した新規就農者らにとって、今後の経営方針の参考となった と思われる。 杉山講師による講演 講演に聴き入る会員達 -2- 普及活動現地情報 Ⅱ 平成 25 年 9 月 那賀振興局 1.地場農産物を使った加工と地域ぐるみ活動について研修会を開催 9 月 12 日、紀の川市生活研究グループ連絡協議会(坂口富子会長 会員 143 名)はグループ リーダー38 名を対象に、地場農産物を使った加工と地域ぐるみ活動についての県外先進地研修 会を開催した。 最初に大阪府茨木市の農事組合法人「見山の郷交流施設組合」が運営する農産物の直売と加工 を行う施設「de 愛・ほっこり見山」を視察。代表理事の原田忠節氏と理事兼事業部長の岡初美 氏から説明を受けた。 両氏は、平成 13 年に生活研究グループ等の発案で市内中山間部の農業振興と地域の活性化、 人づくりを目的に設立された同施設が、着実に売上げを伸ばし、現在、組合員 220 名で年間売上 高が約 1 億 4 千万円に達し、加工品や飲食が売上の 50%を占めると、経営概況を説明。 さらに味噌、餅、豆腐、米粉パン、ジェラート等の加工は、組合員が各部門に分かれて行って いる。農産物は見山地区内で作られたものを限定して販売し、生産面では、有機質肥料を主体に 低農薬栽培を推進し、エコ米や特産の赤じそ、大甘青とう、大豆の他に新規作物としてぶどう等 も導入している。見山地区は茨城市内から車で 30 分の距離にあり、集客を目的にイベントの開 催なども積極的に行い、消費者との交流を図っているなど、生産から販売、加工、交流に至る様々 な取り組みを紹介した。 大阪府中央卸売市場で『市場の概況と果実の動向』について、指導・業務担当の上田昌弘課長 と大果大阪青果(株)北部支社の酒井孝博取締役部長の説明を受けた。 地域の特色を活かした産地づくりや加工品開発、本物志向で自分が食べておいしい物を作ると 言うことの重要性を再認識した。 原田組合長から説明を受ける 加工施設(ドア内)と販売所(右) -3- 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 2.高野山で紀の川梅干の PR と試食販売を実施 那賀振興局と紀の川梅干振興協議会(事務局:JA 紀の里)は那賀ブランドとして開発した紀 の川梅干の PR を行うため、高野町観光事業推進協議会と連携し、9 月 21 日、「第 5 回報恩高野 市」で梅料理の試食と紀の川梅干、梅ドレッシングの販売を行った。 毎月 21 日はお大師様の縁日で、さらに 9 月は彼岸と重なっていることから、多くの観光客で高 野山内が賑わい、この催しも大盛況であった。 季節の野菜(かぼちゃ、大根、きゅうり)の梅ドレッシング和えは万人に好評で、1 本 300 円 というお手頃価格のため、瞬く間に完売した。このドレッシングは同協議会が研究開発し、ハグ ルマ株式会社(紀の川市)へレシピを提供し、商品化したもので、会員の梅干が使われている。 梅干の 200g 入りパックも好評であったが、消費者は簡便なドレッシングを買い求めることが わかった。 現在、JA 紀の里農産物直売所「めっけもん広場」での売上げが大半を占め、紀の川梅干の認 知度は低く、『名前』と『木熟梅を塩と砂糖で漬けた昔ながらのしょっぱさと酸っぱさを持ちな がらまろやかに仕上げた』という特色をもっと普及する必要を感じた。 紀の川梅干の試食 PR と販売 野菜の梅ドレッシング和え 3.郷土の味を伝える「⾦山寺味噌伝承塾」を開催 紀の川市桃山町の桃りゃんせ夢工房(日浦成美会長 28 人)は、毎年恒例の金山寺味噌の加 工体験指導を 9 月 19~21 日に開催した。 参加者の募集は紀の川市報で行い、24 人が参加(内男性 3 名)。ほとんどの参加者は紀の川 市民で、金山寺味噌加工は初めてという人が半数以上であった。 また、今年は「桃りゃんせ夢工房」が近畿地域農山漁村女性のつどいで、近畿農政局男女共同 参画優良事例表彰を受賞して事例紹介を行ったことがきっかけで、その時大阪から参加していた 大阪府ファームレディーネットワークの 3 名が加わった。 -4- 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 加工体験では、味噌グループのリーダー及びグループ員の 5 名が講師となり、米麹づくり、麦 豆づくり、野菜の処理を 3 日間かけて行って仕込み、経験者も桃りゃんせ夢工房の方法が参考に なったと好評で、各自、仕込んだ味噌 3kg を持ち帰り熟成を心待ちにしている。 桃りゃんせ夢工房では県観光課のおもてなしキャンペーン「ぽかぽかキャンペーン」に登録し、 平成 25 年 9 月 14 日~平成 26 年 3 月 31 日の間、特典をつけて各種体験者を受け入れている。 金山時味噌加工についての講義 近畿農政局男女共同参画優良事例表彰を受賞 4.いちごの花芽検鏡を実施 那賀地方いちご生産組合連合会(会長:植村明彦、会員 133 名)は、8 月 30 日、9 月 6 日、13 日、18 日の 4 日間、JA、農業革新支援専門員と連携し、定植苗 258 検体の花芽検鏡を行っ た。これは、花芽の発育状況を把握し、頂果房の収穫、生育を斉一化させることや定植時期 を判断するために行っている。その結果、短日夜冷育苗「さちのか」では、花芽の発育は順 調で、9 月上旬には定植期となっていた。 また、花芽分化を促進させるために、遮光処理や窒素中断を行った会員の普通育苗「さち のか」では、9 月 6 日時点で定植時期を迎えていた。管内主力品種「まりひめ」、「さちの か」の普通育苗では、本年度育苗期が高温で推移したため、分化遅延が予想されたが、診断 の結果、定植時期は、「まりひめ」では 9 月 20 日前後、「さちのか」では 9 月 25 日前後と 予測された。 花芽検鏡の様子 検鏡後定植の様子 -5- 普及活動現地情報 Ⅲ 平成 25 年 9 月 伊都振興局 1.トルコギキョウ園地の定植後巡回を実施 9 月 5 日、トルコギキョウの定植後の生育状況を確認するため、トルコギキョウの種苗を取り 扱う株式会社ミヨシの担当者や JA 紀北かわかみ営農指導員と 4 園地を巡回した。いずれの農家 もミヨシ園芸の品種(ボレロシリーズ等)を中心に導入している。 伊都地域は 8 月中・下旬定植、10 月下旬から収穫を始める 2 度切りの作型で、4 戸とも無事、 定植が終了していた。今年は猛暑で、定植後の高温による生育不良が懸念されたが、生育は良好 だった。低コスト栽培や高品質生産につながるよう、品種特性や栽培管理方法(施肥、病害虫、 かん水、電照処理方法等)について参加者相互に情報交換をし、生産者からは、順調な生育状況 を受けて高値での取引を期待する声が出ていた。 園地巡回の様子 生育は良好(8 月下旬定植) 2.農業技術講習会(果樹コース第4回)を開催 農業技術講習会(果樹コース第 4 回)を、9 月 4 日に伊都振興局で開催、15 名の受講生が 出席した。振興局農業振興課担当者が講師となり、柿の「品種」と「樹上脱渋」をテ-マに 講義を行った。 最初に、①栽培の来歴、②主産地、③甘渋に よる分類、④望まれる品種、⑤品種育成の動き、 ⑥最近発表された品種、⑦珍しい柿について説 明し、次に,樹上脱渋の①処理時期、②処理準 備、③固形アルコール、④処理時間等について 説明した。 受講生からは、柿の「品種の見わけ方」、「日 持ち性」、「土づくり」等について、多くの質問 がでた。 熱心に講義に耳を傾ける受講生 -6- 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 3.柿農家の負担軽減に向けて 9 月 27 日に県果樹試験場かき・もも研究所で伊都地域担い手育成・補完システム研究会(市 町、JA、伊都振興局で構成)の第 2 回会議が開催され、関係機関の担当職員らが参加した。 最初に、かき・もも研究所で開発された柿の樹形改造法「『すぱっと』主枝再生法」による低 樹高仕立ての概要と樹体及び生育について、担当研究員が説明を行った。 本方法は、冬季に既存樹の地上高約 50 センチの位置で切断し、春以降に出た長い不定芽(徒 長枝)を主枝候補枝として伸長させることで、既存樹の樹形を問わずに低樹高化が図れるもの。 現場では樹高を徐々に切り下げる「カットバック剪定」法が主流だが、低樹高化には年数を要し、 予め主枝候補枝を設定が必要等の課題があり、この方法はその解決になると関係者の注目を集め ている。 見学した試験樹(処理後 5 年目。2 本主枝仕立て)の樹冠は既に拡大し、着果しており、樹高 を 1.8m程度に抑え、主枝を左右に 1 本ずつ伸長させているため、従来の栽培管理と比べ省力化 が期待できるとのことで、参加者からは、果実収穫量が今後どの程度増えていくか等の質問が出 ていた。 次に、6 月に開催した摘果作業講習会とアンケート調査の結果を事務局から報告。回答者のう ち半数超が受講後に柿農家のパート等で作業を行っており、講習が役に立ったとのこと。今回の 講習会は、管内のシルバー人材センターの登録者にも参加を呼びかけた結果、受講者は昨年より 増え、好評を得ていたため、来年度も継続していく方向となった。 最後に、かつらぎ町の担当職員が 8 月末に産業振興課内に開設した農業版「無料職業紹介所」 を紹介した(*注)。これは、町内の農業者や農業法人等で働き手が欲しい「求人希望者」と、町 内外の農業で働きたい「求職希望者」を募集し、両者のマッチングを目的に、本担当者が講習会 を受講し、「職業紹介責任者」の資格を得て設置したもの。開設してまだ日が浅く、求人・求職 とも登録者は少ないが、今後周知を図って活用してもらいたいと支援を呼びかけていた。 *注:詳細は、(かつらぎ町ホームページ「広報かつらぎ9月号」の2ページ目の記事参照。 HP アドレス http://www.town.katsuragi.wakayama.jp/top/kouhou/pdf/H25-9.pdf) 徒長枝が多数発生しており、ここから主 枝の候補枝を選抜していく 樹形改造翌年の状況 5 年目の状態 -7- 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 4.世界遺産高野山で柿のPR 和歌山県の柿の生産量は全国 1 位であり、伊都地方はその 65%を占める。その特産の柿 の消費拡大を推進するため、9 月 21 日、伊都地方農業振興協議会が高野町観光事業推進協 議会主催の報恩高野市で柿の PR を行った。 当日は、高野山を訪れた観光客に対して早生たねなし柿や柿の粕漬けの試食販売と柿ミル クの試飲を行った。試食しながらの販売は好評で、午後 2 時には、段ボール箱 5 箱分(190 個)の柿が完売し、柿の粕漬けは 25 袋を販売できた。 柿ミルクは、413 名の方に試飲して頂くことができ、ほとんどの人が「おいしい。」と喜 んでいた。また、その PR のぼりも作成し本日お披露目となった。 今後も、やっちょん柿まつり、食育フェア、かつらぎ町産業まつり、大収穫祭 IN 九度山、 まっせはしもとで試飲活動を継続し、広く柿の PR を行う予定である。 柿ミルクを観光客に勧め、柿の PR 柿・柿のかす漬け試食販売 柿ミルクの作り方 【材料】 柿(正味)100g、ミルク 200cc 【作り方】 ①柿は洗って皮を剥き、適当な大きさに切る。 ②牛乳とあわせて、ミキサーにかける。 *好みでヨーグルトを入れても良い。 -8- 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 5.柿をもっと食べよう講習会を開催 九度山町農業推進婦人グループは、9 月 12 日、九度山町立九度山小学校 3 年生 25 名を 対象に『柿をもっと食べよう講習会』を開催した。「九度山町は耕地面積の 68%を占める 柿の町であること。また、柿は生食が最もおいしいが、それ以外の食べ方もあること」を 子どもたちに知ってもらいたいと平成 20 年から始めたこの催しは今年で 6 回目を迎え、 延べ 170 人を対象に柿料理の伝承が行われた。 当日は、柿カレー・柿と海草サラダ・柿のヨーグルト和えをみんなで実習、試食した。 今年は、柿カレーと普通のカレーの食べ比べをし、子ども達は「柿を入れると味が濃くな りおいしくなった。柿が嫌いであったがカレーに入れると食べられるようになった。」と 感想が出るなど、メニュー3 品は大変好評で、参加頂いている学校栄養士の先生も、柿料 理を給食メニューに取り入れる時の参考にしたいと感想を述べてくれた。 振興局農業振興課は、柿を栽培している女性たちが消費拡大に繋げる活動に積極的に取 り組むことが大切だと考えており、今後も指導や情報提供を行い、活動を支援していく予 定である。 料理についてグループ員より説明 柿カレーを一生懸命作る子ども達 グループ員が子ども達に指導 出来上がった柿を使った料理 カレー、海草のサラダ、 ヨーグルトあえ -9- 普及活動現地情報 Ⅳ 平成 25 年 9 月 有田振興局 1.有田地方農業士協議会と有田地方 4H クラブ連絡協議会が合同現地 研修会を開催 9月9日、有田地方農業士協議会(会長:藤田哲弘氏)と有田地方4Hクラブ連絡協議会(会長: 蜂谷泰史氏)が合同で、有田川町金屋管内で現地研修会を実施し、64名が参加。この研修会 は、毎年各市町持ち回りで実施され、優良事例を学ぶとともに、会員相互の交流の場となっ ている。 今回は、温州ミカン SS(スピードスプレーヤ)防除圃場、ブドウとナシ等落葉果樹の複 合経営、温州ミカンの園地改造、スプレーギク栽培圃場の 4 事例を見学研修した。 SS 導入は有田管内では数少ないが、今回の園地では SS 作業道を軽トラックも入れる道幅 とすることで、防除作業に加えて施肥・収穫作業の軽労化を実現していた。スプレーギク栽 培圃場では、ハウス内の自動防除機の導入に加え、出荷調整段階でも重量選別機やフラワー バインダーを導入し、省力化が図られていた。 落葉果樹の複合経営では、観光ブドウ・ナシ狩りに加え、インターネットや直売所などの 販路開拓の取り組みについて話を聞いた。園地改造では、段々畑 50a をフラット化し、同時 に植栽品種の統一を図り、年を取っても楽に作業のできる園地づくりを実践されていた。 限られた時間内での現地研修だったが、温州ミカン専作地域の参加者からは『多岐にわた る品目についての研修で良かった』との声や、『地域内でも生産現場だけではなく、関連産 業の現地を見たい』などの意見が聞かれた。 温州ミカン SS 防除ほ場 ブドウとナシ等落葉果樹の複合経営 2.平成 25 年度有田地方農村⻘年交流会を開催 9 月 29 日、有田地方4H クラブ連絡協議会(会長:蜂谷泰史氏)が主催し、有田地方農村 青年交流会を開催した。この交流会は、クラブ員と女性との出会いと交流の場を設けること で、相互の交流を促進し、より良い人間関係を育成することを目的に毎年開催しており、今 - 10 - 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 年度はクラブ員 7 名、女性 6 名の参加があった。 当日は、初めに、株式会社中野酒造(海南市)で、梅酒を仕込んでいる酒蔵や長久邸の庭 園等を見学した。販売されている梅酒などを無料で試飲できることもあり、参加者は思い思 いの梅酒などを飲んで楽しんでいた。 その後、のかみふれあい公園(紀美野町)で、男女混合4グループに分かれてパークゴル フに挑戦。始めは「えっ、18 ホールまわるの!?」という声が出ていたが、スタートすると和気 あいあいと楽しくまわっていた。 最後に、クラブ員の農業に対する取り組みなどの意見交換を含めた懇親会を行い、相互の 交流を深めた。 今後も、様々な活動を通して、クラブ員の資質向上のための支援を行っていく予定である。 中野酒造の長久邸 パークゴルフ 3.環境保全型農業栽培技術現地研修会を開催 9 月 18 日、有田地域農業振興協議会と和歌山県環境保全型農業推進協議会の共催により、 環境保全型農業栽培技術現地研修会(オープンセミナーin 有田)を開催した。本研修会は環 境保全型農業の推進を図るため、県内各地域で開催しており、本年度第 1 回目として広川町 井関の長谷光浩氏の温州ミカン園で現地研修会と JA ありだ広川支所の会議室において情報 交換会を実施し、有田地域内外の農業者及び県関係者併せて 43 名が出席した。 現地研修会では、園主の長谷氏から経営概要、ジャバラ栽培の取り組み、温州ミカンの特 別栽培に準じた管理のポイント等について、園地で説明を受けた。また、情報交換会では柑 橘類の加工品への取り組みについて紹介いただいた。 参加者からは、果実の個人販売や柑橘類の加工品への取り組みについて質問があり、個人 で販売をするにあたり、農産物に付加価値を付けるため環境保全型農業への取り組みが小売 り側から求められている点や、個人農家では加工品製造にあたって衛生管理や製造記録、機 器等設備対応に限度があるため、加工は信頼できる業者に委託しているなど、積極的な情報 交換が行われた。 - 11 - 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 情報交換会の様子 温州ミカン園にて 4.糸我小学校’田んぼの学校ʻ稲刈りを実施 有田市立糸我小学校では、9 月 24 日に稲刈りを実施した。今回稲刈りをした水田では、 地元の方々で構成される糸我地区青少年育成会の協力を得て、全校児童で田植えを行い、5 年生が自分たちで孵化させたアイガモを放鳥し、春から管理してきた。 稲刈り当日は糸我地区青少年育成会や農業振興課の指導のもと、5 年生が黒米の収穫と、 20 日に刈って乾燥させていたキヌヒカリの脱穀を行った。 収穫した米は、児童が試食する他、キヌヒカリと黒米を合わせた赤飯セット“鴨・米・美 (カモンベイビー)”として一般の方への販売を予定している。 稲刈り 脱 穀 - 12 - 普及活動現地情報 Ⅴ 平成 25 年 9 月 日高振興局 1.みなべ町農業振興協議会が農村⼥性講座「ブラッシュアップみなべ」 を開講 みなべ町農業振興協議会(会長:月向雅彦)では、農村女性講座「ブラッシュアップみなべ」 を平成 22 年度から実施。3 年目となる今年度は「女性起業化」をテーマに、9 月 24 日、一 般社団法人農山漁村女性・生活活動支援協会の安倍澄子調査研究課長を講師に迎え、 「女性起 業のブラッシュアップに向けて」と題し、第 1 回のセミナーを開講した。 開講に当たり、月向会長が農業振興協議会の全体の活動と 6 名の女性委員の活動を紹介し た後、来賓として、振興局農業振興課の玉置課長が、農業振興協議会は女性の力を伸ばすこ とに対して『育む意識がある』とこれまでの活動を評価し、『地域が動くには女性の力が必 要であり、今がそのチャンス』と挨拶した。 講師の安倍先生は、フードビジネスを巡る変化や食生活の外部化進展、これまでの支援活 動経過などについて説明した後、『現在のアグリビジネスは、地域内発型の活動が進み、直 接販売によるローカルフードシステムが形成されつつある』と指摘し、増加している直売所 がさらに機能集積を行い、川下(販売・流通)から川上(生産)への新たなバリューチェー ン構築が進んでいることについて、事例を交えながら、優しい語り口で紹介した。少し難し い内容ではあったが、出席者らは熱心にメモをとりながら聞いていた。 引き続いて行われた、安倍先生を囲んでの懇談会では、農業振興協議会の女性委員らが作 ったキンカンジャムのパンやクッキー、梅餅などを試食し、和やかな雰囲気の中、女性委員 の活動報告や食の安全・安心、梅干の消費拡大などの話題について、意見交換した。 なお、みなべ町農業振興協議会では、今後、女性起業のきっかけとなるような農村女性講 座を 10 月 25 日、12 月 10 日の 2 回開催する。 振興局では、協議会が実施するセミナーを開催支援し、受講者の起業化促進を図るととも に、受講後のフォローアップについても町と共に取り組んでいく予定である。 開講式 会長あいさつ 講演「女性起業のブラッシュアップ」 - 13 - 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 安倍先生を交えた懇談会 2.稲原小学校で稲刈り体験を農業士が指導 印南町農業士会稲原支部では、食育活動の一環として稲原小学校と連携し、2a の水田でも ち米栽培に取り組んでいる。6 月 13 日に児童らが植えた苗は順調に育ち、9 月 24 日、楽し い収穫の時を迎えた。 稲原小学校の 3 年生から 6 年生までの児童 45 人が 2 班に分かれ、それぞれ稲刈り、結束、 なるがけの作業体験を行った。作業前には地域農業士の尾曽紀文氏が作業の流れと注意事項 を説明し、その後作業を始めた。作業中は、先生と一緒に同支部の 3 名の農業士が指導にあ たり、事故のないよう注意を払った。 3 年生は、初めて体験する子も多く、はじめは恐る恐る稲を刈っていたが、慣れてくると ペースも上がってきた。6 年生ともなると慣れたもので、着々と作業を進めていた。当日は、 晴天に恵まれたものの暑い日となり、児童達は汗を流しながらも楽しそうに稲刈りを行って いた。 今回の栽培では、育苗時に 1 粒播きと 3 粒播きの苗を作り、比較できるようにしていた。 収穫してみると、どちらも同等の株張りで、分げつ数もほぼ同等であった。これを見た児童 からは「なんで?なんで?」と質問が相次ぎ、説明すると「不思議~」と興味を持ってくれ たようであった。 結束は、昔ながらのわらを使う方法と麻ひもを使う方法の 2 通りでおこなったが、なかな か強く縛れず、なるがけの際も結束が緩く穂が抜け落ちてくるなど悪戦苦闘となったが、皆 楽しそうに作業に取り組んでいた。 収穫した米は、この後脱穀作業を行った後、1 月には地域のお年寄りをまねいた収穫祭で 餅つきを行う予定になっている。 - 14 - 普及活動現地情報 農業士からの説明 平成 25 年 9 月 稲刈り作業 3.みなべ梅郷クラブが耕作放棄地でサツマイモを栽培 みなべ梅郷クラブ(会長:柏木研哉)では、会員 21 名が、今年度のプロジェクト活動として、 耕作放棄地(16a)を活用したサツマイモなどの野菜栽培に取り組んでいる。 今回は、昨年度のウメせん定枝チップ堆肥化を調査研究したプロジェクトの流れを引きつ ぎ、栽培にその堆肥を活用、会員らは、地域の未利用資源活用と耕作放棄地解消が上手くリ ンクできればと考えている。 これまで、5 月 5 日、6 日の 2 日間、みなべ町西本庄の耕作放棄地 16a の除草を実施し、 トラクターで耕耘、畝立て後、マルチを敷設した。同時にウメせん定枝を持ち寄り、粉砕機 でチップ処理し、発酵鶏ふんと混合して堆肥づくりを行い、5 月 15 日は、サツマイモ苗 1,500 本を定植。その後も 2 回除草作業を行うなど、クラブ員で管理を行ってきた。 今回、9 月 26 日、みなべ町上南部保育所の園児 89 名も参加し、収穫作業を行った。園児達はツルを引っ 張ったり、スコップで掘ったりして収穫を楽しんだ。 今後は、来年 2 月の発表に向けた準備を進めるとと もに、他の農地も含め地域の耕作放棄地解消につなげ ていく予定である。 作業前の耕作放棄地(約 16a) サツマイモ苗を定植 草刈、耕耘、畝立てした後の状況 - 15 - 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 4.ウメ「露茜」の接ぎ⽊・せん定講習会を開催 日高振興局では、「梅の安定生産と優良品種導入による産地の活性化」を最重点課題の一 つとして取り組んでおり、優良品種として、紅色色素が豊富で新たな加工用途が期待される 「露茜」の導入推進に取り組んでいる。 これまで、苗木導入園、高接ぎ導入園の展示ほを設置し、その初期収量や生育などを調査、 比較している。 9 月 26 日、みなべ町の清川出荷会員ら約 30 名に対して、うめ研究所とともに接ぎ木・せ ん定講習会を開催した。 講習会に先立ち、箱木出荷会会長から「露茜」の販売状況や、出荷先酒造メーカーからの評 価や今後の展望について説明があった後、振興局担当者からは、簡易接ぎ木器具である 【接 木鋏】を使った高接ぎや農作業事故防止などについて情報提供した。 うめ研究所担当者からは、通常の接ぎ木ナイフを使った接ぎ木方法について、説明及び実 地講習がおこなわれた。また、園内の「露茜」幼木を用いてせん定方法についても説明され、 参加者らは「南高」とは異なるせん定方法に戸惑いながらも、相互に意見交換していた。 今後、振興局としては、清川出荷会としての生産目標の設定も含めて、地域、町、JA 及 びうめ研究所などの関係機関と検討し、地域一体となって産地化を進めていく。 高接ぎ講習 高接ぎ講習 幼木のせん定講習 - 16 - 普及活動現地情報 Ⅵ 平成 25 年 9 月 ⻄牟婁振興局 1.第 22 回 SUN・燦紀南農業者の集いを開催 9 月 2 日に紀伊田辺シティプラザホテルにおいて、「がんばろう!次代へつなぐ農業振興」 をテーマに SUN・燦紀南農業者の集いが開催され、生産者や関係者約 100 名が出席した。 この集いは西牟婁地方の農業士会、生活研究グループ、4H クラブ主催により年 1 回開催 され、今年で 22 回目となる。 講師には時事通信社経済部長の境克彦氏をお迎えし、「TPP をどう考えるか~日本農業再 生の行方~」と題して講演が行われた。 講演では、「TPP とは何か?」、交渉の背景と経緯について、現時点での農業交渉や課題 について分かりやすく説明していただいた。 境氏は、今後資源の少ない日本にとって国内農業の発展を目指すべき方向として、海外 での日本食ブームによる追い風に乗り、TPP を活用し海外に販路を求めていくことが不可欠 であり、典型的な成功事例としてオランダ農業が世界的な輸出先進国として発展していると 述べた。 また、県果樹試験場の法眼主査研究員が「和歌山県の獣害と対策について」と題し、県内の 鳥獣害の被害状況や害獣の習性、被害の防止方法などについて説明。 獣害が一向に減少しないのは、農産物を畑に廃棄することで害獣の餌場となっているから であり、当たり前だが生産者がこれを行わないことが被害防止にとって極めて重要であると 指摘した。また、行政に何でも頼るのではなく、地域住民が一体となって被害防止活動を展 開している成功事例を紹介し、参加者の取り組みへの奮起を促した。 時事通信社経済部長 境克彦 氏 県果樹試験場 法眼主査研究員 - 17 - 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 2.極早生みかん「YN26」栽培実証園で緑肥作物を播種 農業振興課では、紀南の産地強化のため、「ゆら早生」の珠心胚実生として県が育成した 新品種「YN26」の普及に取り組んでいる。平成 25 年 3 月には JA、町、農業生産団体と連 携し、「YN26」の苗木を定植。以後栽培実証園として公開している。 この実証園において、9 月 26 日に土づくりと除草作業の省力化を図るため、緑肥作物「ヘ アリーベッチ」を 5 kg/10a を目安に播種した。 ヘアリーベッチはカラスノエンドウに似たマメ科の一年草で、茎の長さが 2 m にもなり、 被覆力が強くアレロパシー作用も持っていることから果樹園などの雑草抑制や土づくりに 利用されている植物である。 翌春には園一面がヘアリーベッチで覆われる予定である。 今後も引き続き実証園を活用して「YN26」の当地域における品種特性の把握と栽培 技術の確立、併せて栽培管理作業の省力化のモデルとして、ヘアリーベッチや、点滴 かん水設備等を展示することで農家への導入意欲をかき立てていく。 【9 月 26 日ヘアリーベッチ播種風景】 【翌年の 4 月頃の生育予定風景】 - 18 - 普及活動現地情報 Ⅶ 平成 25 年 9 月 東牟婁振興局 1.小学生が元気にナスを収穫! 9 月 5 日、新宮周辺地場産青果物対策協議会は、 那智勝浦町南大居のナス栽培農家ほ場で、 食育および消費拡大推進の一環として宇久井小学校 3 年生 26 名を対象に、ナスの収穫体験 を行った。 協議会の担当者が、ナスの特徴等について説明した後、児童たちは各班に別れ「太田のナ ス組合員(5 名)」から収穫する大きさ、ハサミの使い方などを聞き、各自 6 個ずつの収穫 作業を行った。小雨が降る中、児童達はきれいで大きなナスを取ろうとほ場内を何度も行っ たり来たりしてお気に入りのナスを探していた。 収穫したナスは、新宮公設市場でセリにかけるため、児童の名前が入ったラベルを袋に貼 り、3 個ずつ袋詰めする作業を体験。袋詰めの方法や袋に封をする機械に興味津々の様子で 楽しみながら作業をしていた。 最後に、太田ナス組合員から流通の説明があり、児童達は今回収穫されたナスが市場を通 じて、なじみのある地元の商店やスーパーで販売されることを知って驚くとともに、「これ までで失敗した経験はありますか?」 「1 日でどれくらいとれるのですか?」 「一番おいしい 食べ方は?」などの質問を積極的に行っていた。 児童達は、「ナスがこんなにたくさん作られていることは知らなかったので、知ることが できてよかった。 」 「見たことがないくらい大きいナスを獲ることができて楽しかった。」 「今 日収穫した残り 3 個お母さんに料理してもらう。」などの感想を口にし、楽しみながら地場 農産物の生産・流通を深めていた。 「どれがおいしいかな?」 「できたっ!」 2.さつまいも『なんたん蜜姫』調査・目揃え会 5 月 17 日の定植以降、8 月から始まった収穫適期調査を 9 月 2~25 日にかけて 3 回行った。 今回の調査は定植後 100、120、140 日での収穫となり、当初さつまいも会会員の中では定植後 - 19 - 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 120 日くらいが収穫適期と言われていたが、定植後の少雨が影響したためか肥大が遅れてい るようであった。 9 月 20 日は JA 紀南潮岬支所の集出荷場で串本さつまいも会の目揃え会が開かれ、さつま いも会会員 17 名、JA 紀南 3 名が出席し、出荷規格・要領の検討が行われた。 会員からは「規格をもう少し細かくしては?」などの意見や、今年のイモの状況について 報告があり出荷規格の一部が変更されることとなった。 振興局担当者からは本年度試験を実施した雑草対策に関する現地試験結果について報告 した。一部のさつまいも会会員からは除草剤使用に対し難色を示す声があった。その後、引 き続き班長会が開催され、10 月 5 日に開催予定の「いもっ子クラブ」収穫祭に向けての準 備や料理講習会等今後のイベントについての打合せが行われた。 目揃え会の様子 収量調査の様子 - 20 - 普及活動現地情報 Ⅷ 平成 25 年 9 月 経営支援課(農業革新支援センター) 1.新技術習得研修(花き・ストック)を開催 近年、燃油価格が高騰する中、無加温で栽培可能なストック栽培に興味を持つ生産者が増 えている。そこで、当該品目についての知識や技術の向上を図ろうと、経営支援課は農業試 験場や県農業協同組合連合会と連携し、9 月 3 日に普及指導員や JA 営農指導員を対象とし た研修会を農業試験場で開催し、指導員ら 20 名が参加した。 研修では、試験場の担当研究員が、重要技術である八重鑑別技術について、市販のストッ ク種子には商品価値の低い一重咲きが約 45%混在することから、栽培者には育苗段階で八重 を選別する技術が必要なことや鑑別のポイントを写真等で示しながら説明した。 さらに、最近の研究成果として、出荷時期の分散を図るための植物生長調節剤(ビビフル フロアブル)を活用した開花促進技術を紹介。8 月中旬など播種時期の早いものほど効果が 高く、年内出荷が可能になるが、花のボリュームが減少し、薬剤散布コストもかかる点に留 意する必要があると報告した。 説明を受けた後、参加者らは、育苗箱に用意された苗の八重鑑別に挑戦。一見しただけで は、分かりにくい違いに、『これは一重?』など研究員らに確認しつつ、熱心に選別作業を 行った。研修終了後も、今後の現場指導に向け、再度、八重鑑別のポイントを確認するなど、 技術を自分のモノにしようと励んでいた。 【参考】八重鑑別技術のポイント ①発芽を揃えること(一番重要なポイント) 。 育苗箱に用土(EC0.5 以下)を入れ、十分に湿らせる。 必要量の 3 倍の種子を播種。覆土後、灌水。新聞紙をかけ、濡らしておく。 発芽するまで、1日 3 回程度新聞紙の上から灌水し、乾かさないようにする。 ②1回目の間引き(播種後1週間) 主に生育の遅いものを間引く、葉の形(楕円:八重、丸:一重)で判別できれば、それも間引く。 この時点では、迷ったら残しておく。 ③2 回目の間引き(播種後 2 週間) 葉色が濃く、子葉が丸く、葉が小さいものを間引く。この時点では、迷ったら間引く。 ④間引く時には一定の範囲内を見て間引く(全体を見ない。 ) ⑤子葉がひとつにつながっている葉も、2つに切れた形を想定して、判別する。 - 21 - 普及活動現地情報 平成 25 年 9 月 普及活動現地情報 発⾏・編集 和歌⼭県農林⽔産部経営⽀援課 TEL073-441-2890 FAX073-424-0470 海草振興局地域振興部農業振興課 TEL073-441-3377 FAX073-441-3476 那賀振興局地域振興部農業振興課 TEL0736-61-0025 FAX0736-61-1514 伊都振興局地域振興部農業振興課 TEL0736-33-4930 FAX0736-33-4931 有田振興局地域振興部農業振興課 TEL0737-64-1273 FAX0736-64-1217 日高振興局地域振興部農業振興課 TEL0738-24-2930 FAX0738-24-2901 ⻄牟婁振興局地域振興部農業振興課 TEL0739-26-7941 FAX0739-26-7945 東牟婁振興局地域振興部農業振興課 TEL0735-21-9632 FAX0735-21-9642 和歌⼭県農業大学校 TEL0736-22-2203 FAX0736-22-7402 和歌⼭県農業大学校就農⽀援センターTEL0738-23-3488 FAX0738-23-3489 - 22 -