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クライストロン送信機デジタル波形成型技術及び固体素子等を用いた

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クライストロン送信機デジタル波形成型技術及び固体素子等を用いた
クライストロン送信機デジタル波形成型技術及び固体
デ
素子等を用いたレーダー技術の研究開発
(株)東芝
本研究の目標と成果

目標
標


ア)クライストロン管に入力する種信号を成型し、クライスト
ロン送信機の非線形特性を補償する狭帯域波形成型技
術を実現する。到達目標は、パルス幅1.2μs以下におい
て、5MHz離調で60dB以上の離調減衰量を実現する。
結果


クライストロンの入力信号波形成型で狭帯域化を図ること
クライ
ト ンの入力信号波形成型で狭帯域化を図る と
ができた。
5MHz離調で60.2dBの減衰量を達成した。
(パルス幅1.0μs)
1
本研究の目標と成果

目標
標


イ)5GHz帯固体化気象レーダーシステムの設計・試作を行い、
実際の気象データを取得して
実際の気象デ
タを取得して、現行の気象レ
現行の気象レーダーシステムと
ダ システムと
同等の性能が得られることを確認する。
結果




長パルス、長・短パルス混合スペクトルにおいて、2.5MHz離調で
-62.2dBの減衰量を達成した。
気象エコーの実観測評価を行った結果 特殊な条件下で一部課題
気象エコーの実観測評価を行った結果、特殊な条件下で一部課題
が残るものの、従来と同様の観測結果が得られた。
2.5MHz間隔の周波数配置を想定した狭帯域受信フィルターを試
作した。
作した
超電導ハイブリッドフィルターを設計・試作し、固体化気象レーダー
用フィルターとして評価し、3.5kW気象レーダー用としての実現性
を確認した。
2
クライストロン波形成型(例)
ITU-Rマスク
クライストロン波形成型 結果一覧
結果 覧
実測値
シミュレーショ
シミ
レ シ
ン
実測値(送信機出力)
送信スペクトル
1
電圧
圧(規格化)
0.8
ション
2.5MHz 離調減衰量
38.0dB
79.0dB
5.0MHz 離調減衰量
60.2dB
83.0dB
20dB/3dB
3.1
2.3
40dB/3dB
8.2
4.1
ファクター 60dB/3dB
18.1
4.9
シェイプ
理想波形
フィードバック0
フィードバック1
フィードバック2
フィードバック3
フィードバック4
1.2
シミュレー
80dB/3dB
----
10.1
0.6
0.4
0.2
0
0
シミュレーション
シミュレ
ション
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4 1.6
時間(μs)
1.8
2
2.2
2.4
2.6
2.8
実測値(送信機出力)
クライストロン送信機出力において、
5.0MHz離調で60.2dB
60.2dBの
減衰量を達成した。
時間波形
3
固体化気象レーダー装置外観
送信電力3.5kW
3.5kWを達成した。
4
長パルス波形成型(例)
長パルス送信スペクトル 結果一覧
送信機
出力
シミュレーション
実測値(送信機出力)
送信スペクトル
2.5MHz離調減衰量[dB]
5MHz離調減衰量[dB]
20dB/3dB
シェイプ
ファクター
40dB/3dB
60dB/3dB
80dB/3dB
68.9
70.3
1.3
1.6
2.9
-----
シミュレー
ション値
107.6
127.3
1.2
1.5
1.8
2.6
長パルス送信波において、2.5MHz離調で
68.9dBの減衰量を達成した。
シミ レ シ ン
シミュレーション
実測値(送信機出力)
時間波形
5
短パルス波形成型(例)
48dB
短パルス送信スペクトル 結果一覧
送信機
出力
2.5MHz離調減衰量[dB]
シミ レ ション
シミュレーション
実測値(送信機出力)
5MHz離調減衰量[dB]
20dB/3dB
送信スペクトル
シェイプ
ファクター
ファクタ
40dB/3dB
60dB/3dB
80dB/3dB
48.2
58 5
58.5
2.1
5.1
16 1
16.1
-----
シミ レ
シミュレー
ション値
79.0
83 0
83.0
2.3
4.1
49
4.9
10.1
●短パルスにおいて、 2.5MHz離調で48.2dB
●短パルスにおいて
2 5MHz離調で48 2dB
の減衰量を達成した。
●超電導フィルターとの組合せで、2.5MHz離調
減衰量で60.0dBを達成できることを確認した。
シミュレーション
実測値(送信機出力)
時間波形
6
長・短パルス混合のスペクトル
送信機
出力
2.5MHz離調減衰量[dB]
62.2
5MHz離調減衰量[dB]
68.7
20dB/3dB
1.2
40dB/3dB
16
1.6
60dB/3dB
5.5
シェイプ
ファクター
80dB/3dB
-----
長・短パルス混合において 2.5MHz離調で62.2dB
長・短パルス混合において、
2 5MHz離調で62
62.2dBの減衰量を達成した。
62 2dB
2dBの減衰量を達成した
7
タイムサイドローブ 評価結果
評価対象範囲
-51.24dB
-52.5dB
52 5dB
シミュレーション
実測値(送信機出力)
実測値においても、シミュレーション同様、
気象観測に影響ないレベルまで落とすことができた。
気象観測
影響
落 す
。
8
固体化気象レーダ観測結果(強度)
筑波山の遮蔽
受信電力(dBm)
反射因子(dBZ)
長・短パルスの境目無く
観測することができる
降水強度(mm/h)
長・短パルスの境目は無く、従来と同様問題なく観測することができる。
9
固体化気象レーダ観測結果(速度)
折り返し補正前
折り返し補正後
台風通過時の強風においても、速度折り返し補正が正しく機能している。
10
特殊条件下での課題 ~2次エコーの漏れ込み~
長パルスの二次エコー(観測範囲外
のエコー)が近距離の短パルス領域
に混入
長パルスの反射波が短パルスに比べ
て大きいこと、気象レーダの反射波は
距離の4乗ではなく2乗に反比例する
(距離減衰が少ない)ことが原因。
受信電力[dBm]
高PRFにおいて、近距離に雨が降っておらず、
高PRFにおいて
近距離に雨が降っておらず
観測対象範囲外の遠方に強い雨などが降っているときに問題となる
<対策案>
●長・短の周波数分離
●処理上の工夫で影響を軽減
●運用で回避
11
定量的評価1 ~長・短パルス重複域での比較
長 短パルス重複域での比較
~

概念図
短パルス観測領域を拡張し、
長パルスと重複した領域で両者のデータを比較する
短パルス観測領域
長パルス観測領域
長・短パルス重複領域
長パルス観測
長・短パルス重複域
短パルス観測
12
定量的評価1 ~長・短パルス重複域での比較~
dBZ
 散布図
長パルス観測・短パルス観測は、
良い一致を示している
相関係数:0.98
RMSE :1.04[dB]
dBZ
長パルス観測においても、
長パルス観測においても
従来の短パルスレーダーと同様の結果であることが確認できた。
13
定量的評価2 ~クライストロンレーダーとの比較~
国プロ気象レーダ 仰角2.1度
比較的良い一致を示している
比較的良い
致を示している。
観測時刻は完全に一致しておらず、また、
仰角も異なるため多少のずれは生じている。
クライストロンレーダー 仰角2.2度
14
定量的評価2 ~クライストロンレーダーとの比較~

相関係数
相関係数 0.84
RMSE 4.05[dB]
対象エリア(高度差100m以内)
相関図
クライストロンレーダーと比較しても、遜色ない結果が得られた。
15
フィルタ の高性能化
フィルターの高性能化
~狭帯域フィルター化~
現行フィルター方式
送信機
本研究開発のフィルター方式
送受兼用
フィルタ ー
受信機
送信機
スプリアス
スプリアス低減
低減用送信
用送信フィルタ
フィルター
ー
受信機
隣接チャネル
隣接CH低減
低減用受信
受
用受信フィルタ
フィルタ
フィルター
ー
受信フィルター
通過特性
0dB
周波数
送信フィルター
隣接チャネル低減用
受信
受信フィルター
タ
通過特性
減衰特性
スプリアス低減用
送信フィルター
0dB
希望波
現行
フィルター
フィルタ
現行
フィルタ ー
送信機
出力
中心周波数
隣接チャネル干渉波
他システム
中心周波数f0
周波数
16
隣接チャネル干渉低減用受信フィルター
IN
設計したマスクパターン
通過特性、反射特性(d
dB)
OUT
0
-10
30dB
-20
従来
技術
例
30dB
-30
-40
-50
-60
+1.9MHz
-1.9MHz
-70
70
5.3625
5.365
5.3675
5.37
5.3725
5.375
5.377
隣接送信波 希望波 隣接送信波
周波数(GHz)
評価結果(評価用冷凍機に実装し評価)
1cm
試作したフィルター外観写真
2.5MHz離調減衰量30dB以上のフィルター特性を確認した。
17
スプリアス低減用送信ハイブリッドフィルター
超電導共振器の耐電力性確認:
超電導共振器の耐電力性確認
評価結果
~47dBm(50W) << 65.4dBm(3.5kW)
従来のフィルター方式では3
従来のフィルタ
方式では3.5kWは困難である。
5kWは困難である
耐電力が実現可能なフィルター方式の検討
急峻性が必要な
部分には高Q共
振器を利用
耐電力性が必要な
部分には
空洞共振器を利用
従来
フィ
ルタ
ノッチ
超伝導共振器
超伝導共振器
超伝導共振器
フィルタ 超電導共振器
f1
入力
スプリアス
超電導体を使える範囲
レーダー信号の
電力密度
原理
マジック-T
マシ
ック T
ノッチ
フィルタ
f1
マジック-T
マシ
ック T
バイパ 線路
バイパス線路
信
号
f1
f1
ノッチ
フィルタ
出力
超伝導共振器
超伝導共振器
超伝導共振器
超電導共振器
ノッチ
フィルタ
ブロック図
送信ハイブリッドフィルター方式を採用した。
18
ハイブリッドフィルターサブシステムの試作、評価
0
従来技術(例)
(狭帯域フィルター)
通過特
特性(dB)
-10
-20
2.5MHz離調減衰量12dBを達成した。
衰
(従来技術では2dB程度)
-30
今回試作
(超電導送信ハイブリッドフィルター)
-40
-50
-10
-8
-6
-4
-2
0
2
4
6
8
10
規格化周波数(MHz)
外観写真(ラックマウント時)
測定結果
超電導部
導波管部
サブシステム諸元
空洞
共振器
超電導
回路
入出力
導波管(WRJ 5)
フランジタイプ :入力側(UG-148B/U)
:出力側(UG-149A/U)
:出力側(UG
149A/U)
外形寸法
幅 440mm x 高さ 665mm x 奥行き 645 mm
(19インチラックマウントタイプ)
重量
45Kg 以下
所要電源
AC100V ±5% (50Hz 専用)
消費電力
400W 以下
入出力
冷凍機
空洞
共振器
同軸導波管変換器
サブシステム・ブロック図
19
耐電力試験結果のまとめ
0
0
-10
規格化電力 (dB)
-10
-15
-20
-25
-30
30
導波管部
-20
-3
-2
-1
0
1
規格化周波数 (MHz)
2
3
超電導回路に入る電力の測定結果
60
超電導部
-30
-40
-50
-60
-70
70
導波管部の通過電力
超電導部への入力電力
-80
-90
5360
5365
5370
5375
周波数 (MHz)
5380
超電導部への入力電力(計算)
50
出力電力 (dBm)
性 (dB)
通過特性
-5
超電導部
40
超電導回路に入る電力値から計算すると
10kW相当の耐電力性が確認された。
30
20
CW信号入力時
パルス信号入力時
受信フィルター
受信フィルタ
10
0
0
10
20
30
40
入力電力 (dBm)
耐電力特性
50
60
3.5kW固体化気象レ ダ 用の
3.5kW固体化気象レーダー用の
実現性を確認した。
20
Fly UP