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ドル円は名目金利より実質金利 - しんきんアセットマネジメント投信
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp 投資環境 2016 年 7 月 22 日 ドル円は名目金利より実質金利 ▣ ドル円と日米金利差の当てはまりが悪くなっている ドル円を説明する要因として、日米の金利差がこれまでよく用いられてきましたが、アベノミクス以降、ド ル円と日米金利差の当てはまりが悪くなっています(図表 1) 。 2012 年 11 月の衆院解散で、安倍政権の経済政策、大胆な金融政策への期待が高まり、一気に円安・ドル 高に振れました。一方、2013 年 4 月上旬にかけて国内の金利が低下しましたが、日米金利差の拡大はドル円 の動きに比べ小幅にとどまりました。5 月には当時のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米国 債などを購入する量的緩和政策の縮小を示唆したことから米金利が跳ね上がり、日米の金利差が拡大しました が、既に大きく上昇していたドル円への影響は限定的でした。 以降、日米金利差(5 年債、米-日)が、1.1%~1.8%のレンジで推移する中、ドル円は 2015 年 6 月に 125 円を上回った後、今年 6 月 24 日には 99 円程度まで下落するなど、大きく上下動しています。名目の日 米金利差だけでは、ドル円の動きを説明できなくなっています。 図表1. ドル円と日米金利差 (円) 130 (%) 日銀の追加緩和を受けドル円が上昇 120 4.5 4.0 3.5 大胆な金融緩和への期待からドル円が上昇 110 3.0 2.5 100 2.0 90 1.5 1.0 80 0.5 0.0 16/7 16/1 15/7 15/1 14/7 14/1 13/1 12/7 12/1 11/7 11/1 10/7 10/1 09/7 09/1 08/7 08/1 07/7 07/1 13/7 バーナンキショックから米金利が急上昇 70 (年/月、日次) ドル円(左目盛) 日米金利差(5年債、右目盛) (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成 ▣ 名目金利ではなく実質金利や、期待インフレ率でみる必要 インフレは、物価が上昇しお金の価値(通貨価値)が下がる現象です。為替レートにおいても経済状況によ りますが、対象となる通貨の国でインフレが自国より進んでいれば、対象通貨が安く、自国通貨が高くなる可 能性があります。 仮に、米国の物価が今後 1 年間で 5%上昇することが見込まれる場合(期待インフレ率 5%) 、ドルの価値 (購買力)はその分だけ低下することが見込まれます。一方、日本の期待インフレ率が 2%の場合、円も減価 しますが、ドルよりは減価が小幅。日米の期待インフレ率の差分だけ、ドル安・円高圧力がかかることになり ます。 ただ、米国の 1 年物金利が 7%であれば、1 年後には 1 ドルは 1.07 ドルになりますから、実質的にドルは 2%増えます(金利 7%-期待インフレ率 5%、実質金利 2%) 。一方、日本の 1 年物金利が 3%であれば、円 は実質的に 1%増える(金利 3%-期待インフレ率 2%、実質金利 1%)ことになります。この場合、ドル円 については、実質金利が高いドルに買い圧力が、低い円には売り圧力がかかります。 実質金利が高い通貨に上昇圧力がかかりますが、両国の名目金利があまり変わらなければ、期待インフレ率 の上昇は通貨の減価に、期待インフレ率の低下は通貨の増価につながりやすいと言えます。 ※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。 Shinkin Asset Management Co., Ltd 1 投資環境 2016 年 7 月 22 日 しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp 昨年夏場から、ドル円の下落局面では、日米の 5 年債利回りなどの金利はともに低下傾向にあり、名目の日 米金利差は一進一退の動きが続いています(図表 2、3)。一方、米国の期待インフレ率はやや持ち直している のに対し、日本の期待インフレ率は大きく低下しています。実質金利は、米国は期待インフレ率の持ち直しか ら低下しているのに対し、日本は横ばいで推移していることから、日米の実質金利差(米国-日本)が縮小し たため、ドル安・円高が進行したとみられます(図表 4、5) 。 これまで日銀は、異次元の金融緩和によって、名目金利を引き下げ、期待インフレ率を引き上げることで、 デフレから脱却することを目指してきましたが、日本の期待インフレ率は低迷し、物価目標 2%の達成時期の 先送りが繰り返されて、目標達成は見通せない状況です(4 月時点の物価目標の達成時期は、2017 年度中)。 7 月 28、29 日に日銀金融政策決定会合が予定されています。“ヘリコプターマネー”までは踏み込まないま でも、政府の大型経済対策に合わせ、指数連動型上場投資信託(ETF)や不動産投資法人(J-REIT)を含む量 的緩和の拡大(資産買入れの増額)などでの、期待インフレ率の押し上げが期待されます。 ①期待インフレ率 実質金利(②-①) 0.0 (%) 図表3. 日本の金利、期待インフレ率 ①期待インフレ率 実質金利(②-①) ②5年債利回り (注)期待インフレ率はインフレ・スワップ金利 (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成 (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成 図表4. 期待インフレ率差とドル円 (円) 130 120 -0.5 110 -1.0 100 -1.5 90 -2.0 2.0 16/7 16/1 15/7 15/1 ②5年債利回り (注)期待インフレ率はインフレ・スワップ金利 (%) 14/7 14/1 13/7 13/1 12/7 12/1 11/7 11/1 10/7 (年/月、日次) 10/1 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 -0.5 -1.0 -1.5 -2.0 16/7 16/1 15/7 15/1 14/7 14/1 13/7 13/1 12/7 12/1 11/7 11/1 10/7 (年/月、日次) 10/1 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 -0.5 -1.0 -1.5 -2.0 図表2. 米国の金利、期待インフレ率 (%) 図表5. 実質金利差とドル円 (%) (円) 1.5 140 130 1.0 120 0.5 0.0 110 -0.5 100 -1.0 90 期待インフレ率差(日-米、左目盛) (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成 ドル円(右目盛) 日米実質金利差(米-日、左目盛) 16/7 16/1 15/7 15/1 14/7 14/1 13/7 13/1 12/7 12/1 11/7 11/1 10/7 (年/月、日次) 80 10/1 16/7 16/1 15/7 15/1 14/7 14/1 13/7 60 13/1 -3.0 12/7 60 -2.5 70 -3.0 12/1 -2.0 11/7 70 11/1 -2.5 10/7 -1.5 10/1 80 (年/月、日次) ドル円(右目盛) (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成 ※名目金利:預金金利や住宅ローン金利等の通常目にする金利。ここでは 5 年債利回り等の市場金利 実質金利:名目金利から期待インフレ率を控除した金利 (シニアストラテジスト ※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。 鈴木和仁) Shinkin Asset Management Co., Ltd 2 投資環境 2016 年 7 月 22 日 しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp <本資料に関してご留意していただきたい事項> ※本資料は、ご投資家の皆様に投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント 投信株式会社が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。 ※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するも のではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではあ りません。 ※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。 記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。 ※投資信託は、預金や保険契約とは異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の補償の対象ではありません。 また、金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。 ※投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります)に投資しますので、基準価額 は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されているものではありません。運用による損益は すべて投資者の皆様に帰属します。 ※特定ファンドの取得のお申込みに当たっては、販売会社より当該ファンドの投資信託説明書(交付目論見書) をあらかじめ又は同時にお渡しいたしますので、必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。また、請 求目論見書については、販売会社にご請求いただければ、当該販売会社を通じて交付いたします。 【お申込みに際しての留意事項】 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、株式や債券等の値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります) に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されてい るものではありません。運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。 また、投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対 象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては交付目論 見書や契約締結前交付書面をよくご覧ください。 投資信託に係る費用について (お客様に直接ご負担いただく費用) ご購入時の費用・・・購入時手数料 上限 3.24%(税抜 3.0%) ご換金時の費用・・・信託財産留保額 上限 0.3% (保有期間中に間接的にご負担いただく費用) 運用管理費用(信託報酬) ・・・純資産総額に対して、上限年率 1.5984%(税抜年率 1.48%) その他の費用・・・監査費用、信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、有 価証券売買時の売買手数料等及び外貨建資産の保管等に要する費用は、ファンドより実費と して間接的にご負担いただきます。また、運用状況等により変動するものであり、事前に料 率、上限額等を示すことができません。 投資信託に係る上記費用(手数料等)の合計額については、ご投資家の皆様がファンドを保有 される期間等に応じて異なりますので、表示することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費 用の料率につきましては、しんきんアセットマネジメント投信が運用する全ての投資信託のう ち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に係るリ スクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、事前に交付目 論見書や契約締結前書面をよくお読みください。 ※「日経平均株価」 (日経平均)に関する著作権、知的所有権その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。 日本経済新聞社は日経平均株価を継続的に公表する義務を負うものではなく、その誤謬、遅延又は中断に関 して責任を負いません。 ※東証株価指数(TOPIX)は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など株 価指数に関するすべての権利は東京証券取引所が有しています。東京証券取引所は、TOPIX の算出若しくは 公表の方法の変更、TOPIX の算出若しくは公表の停止又は TOPIX の商標の変更若しくは使用の停止を行う 権利を有しています。 ※東証 REIT 指数は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など、東証 REIT 指数に関するすべての権利は、東京証券取引所が有しています。 Shinkin Asset Management Co., Ltd 3