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メンバー入れ替え後の米利上げペースは

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メンバー入れ替え後の米利上げペースは
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2017 年 1 月 13 日
メンバー入れ替え後の米利上げペースは
▣ 今年のFOMCはタカ派色が後退
2017 年 1 月の米公開市場委員会(FOMC、1/31-2/1)から、投票権を持つメンバーが 4 名入れ替わり
ます。
FOMCは、米連邦準備制度理事会(FRB)が開催し金融政策を決定する委員会。投票権を持つFOMC
メンバーは、常任がFRBの執行部(理事)7 名(現在は 2 名欠員で 5 名)とニューヨーク連銀総裁、残り 4
枠がニューヨーク連銀を除く 11 地区の連銀総裁の輪番制となります。他の連銀総裁はFOMCには参加でき
ますが、投票権はありません。
2016 年のメンバーである、利上げに積極的なタカ派もしくはタカ派寄りとされるボストン連銀のローゼン
グレン総裁、カンザスシティ連銀のジョージ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、また 2019 年までの
利上げ見通しを 1 回としているセントルイス連銀のブラード総裁に替わり、2017 年は利上げに慎重なハト派
とされるシカゴ連銀のエバンス総裁、中道派のダラス連銀のカプラン総裁、フィラデルフィア連銀のハーカー
総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が投票権を持ちます(図表 1)
。
ハーカー総裁はややタカ派寄りと見られていますが、昨年の 9 月に利上げを主張した、ローゼングレン総
裁、ジョージ総裁、メスター総裁と比べると中道派に近いとみられ、2017 年のFOMCは、タカ派色が薄ま
った格好です。
図表1. 2016年、2017年のFOMCメンバ-(投票権あり)
2016年
2017年
イエレン議長
ハト派
フィッシャー副議長
中道派
ブレイナード理事
ハト派
替わらず
パウエル理事
中道派
(常任)
タルーロ理事
ハト派
ダドリー・ニューヨーク連銀総裁
ハト派/中道派
ローゼングレン・ボストン連銀総裁
タカ派
エバンス ・シカゴ連銀総裁
ハト派
ブラード・セントルイス連銀総裁
ハト派
カプラン ・ダラス連銀総裁
中道派
ジョージ・カンザスシティ連銀総裁
タカ派
ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
メスター・クリーブランド連銀総裁
タカ派
カシュカリ ・ミネアポリス連銀総裁
中道派/タカ派
中道派
(出所)各種報道を基に、しんきん投信作成
▣ 今年の利上げ回数は
今年の利上げ回数は、昨年 12 月の政策金利見通し(17 名のメンバー全体)では 1 回~6 回で、中央値は 3
回。このうち、常任のイエレン議長、フィッシャー副議長、3 名の理事、ニューヨーク連銀のダドリー総裁の
6 名では、1 回の利上げが 1 名、2 回が 2 名、3 回が 3 名程度とみられ、2.5 回の利上げが中央値。
他の 4 名の投票権を持つメンバーの政策金利見通しは、ハト派のエバンス総裁は 2 回、中道派のカプラン
総裁は 3 回と発言、カシュカリ総裁は 3 回もしくは 4 回程度とみられます。タカ派寄りとされるハーカー総
裁も「3 回の利上げを予測している」と述べており、4 名の中央値は 3 回の利上げとみられます。
したがって、10 名の投票権を持つメンバーの利上げ見通しは 2 回~3 回となり、今年のFOMCの利上げ
見通しは市場の織り込みと大きなかい離はなさそうです。
1 月 20 日にトランプ氏が米大統領に就任します。昨年 12 月にFRBは利上げを決定するとともに、トラ
ンプ氏の財政政策を若干考慮して政策金利見通しを引き上げました。同氏は、11 日の記者会見では景気刺激
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
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投資環境
2017 年 1 月 13 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
策などへの具体的な言及はなく、市場にはやや失望感が広がりました。今後は、就任以降の政策運営を確認し
ながらとなりますが、経済成長やインフレへの影響が顕在化するのは年の半ば以降となり、3 月には利上げに
踏み切れない可能性が高いとみられます。2018 年も 3 回の利上げ見通しであり、今年 6 月以降で政策金利を
3 回引き上げると、2018 年より利上げペースを速めることになります。トランプ次期政権の政策次第ですが、
今年は 2 回の利上げがメインシナリオになりそうです。
因みに、イエレン議長の任期は 2018 年 2 月 3 日まで。ブルームバーグによると、次期FRB議長の有力
候補に挙がっている米コロンビア大学のグレン・ハバード経営大学院学長とスタンフォード大学のジョン・テ
ーラー教授、同大学経営大学院講師を務めるケビン・ウォーシュ氏らは、金融政策をさらに引き締める考えを
示しています。今年の後半には、2018 年の利上げのペースに関心が移ることになりそうです。
▣ 資産規模縮小の議論も要注意
また、FRBは現在、保有する政府機関債と住宅ローン担保証券(MBS)の償還元本をMBSに再投資し、
米国債の償還金を新発債に再投資して、資産規模(保有債券の残高)を維持しています。
カプラン総裁は 12 日、保有資産の規模縮小について、少なくともわれわれの行動計画がどうあるべきかの
討議や議論を今年始めることは合理的と述べました。今年中に資産規模の縮小に至ることはないだろうとの見
方も示しましたが、債券の償還金(元本)の再投資を取りやめる、もしくは保有債券を売却することで、リス
ク資産を支える緩和マネーが縮小することや、債券売却で米金利が上昇することへの警戒感が広がることにも
注意する必要がありそうです。
(参考) 2017年のFOMCメンバ-(投票権あり) の最近の発言
最近の発言
•高圧経済をしばらく維持することでグレートリセッションで打撃を受けた成長トレンドの一部を修復できる
イエレン議長
•短期で見て、米経済は極めて好調。所得格差の拡大や労働生産性の低い伸びなど、より長期の問題を懸念し
ている
•失業率が完全雇用水準より0.2-0.3ポイント低い水準まで下がってもリスクはないと思う。しかしわれわれ
フィッシャー副議長
の誤りがインフレ率によってはっきりするまで続けるべきだと主張すれば、変更は手遅れになろう
•低金利は金融政策を一段と困難にする
ブレイナード理事
•利上げは用心深く進めるべき
•世界経済の減速が米経済に悪影響を与える
•経済は堅調、今後も緩やかに改善するだろう
パウエル理事
•極めて低い名目金利が現在まで長期にわたり続いており、金融システムの安定に対するリスク醸成に高度の
警戒が必要になっている
タルーロ理事
ダ ド リ ー ・ニ ュー
ヨーク連銀総裁
エバンス ・シカゴ連
銀総裁
•緩やかな成長軌道を維持するためには、必要以上にブレーキを踏むべきではない
•われわれはインフレの問題を抱えておらず、金融政策を積極的に引き締める多くの緊急性はない
•2回の利上げは理不尽な予想ではないとなお考えているが、3回の利上げが信じ難いともいえない
•財政出動で今後1~2年は4%の成長を遂げられるかもしれないが、生産性を上げるような構造上の変化な
しに持続させるのは難しい
•強いドルはいくらか不安定要因になり得る
カプラン ・ダラス連 •過度に緩和的な金融政策を長期間維持することはリスク
銀総裁
•FRBの保有資産の規模縮小について、少なくともわれわれの行動計画がどうあるべきかの討議や議論を
2017年のどこかですることは合理的
ハーカー・フィラデ •私は3回の利上げを予測している
ルフィア連銀総裁
•ドルは「当然」注視が必要な要素
カシュカリ ・ミネア •われわれはインフレ目標に届いていない。4年間下回っている。緊急性はないと思う
ポリス連銀総裁
•現時点では、次期大統領が何を提案し、新議会が何を可決して何を否決するか、極めて不透明だ
(出所)各種報道等を基に、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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2017 年 1 月 13 日
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