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CFO CFO CFO CFO
アジア/ 太平洋
調査結果
2016 年の財務計画・分析:
急速に変化するデジタルエコノミーで
高い価値を創出する
今、FP&A システムに大幅な改善が求められる 3 つの理由
SAP と CFO Research が
共同で実施した調査レポート
CFO
CFO
research research
2 n 2016年の財務計画・分析
デジタルエコノミーは今、まさにこの瞬間も急速な変化を続けています。ビジネスモデルのデジ
タル化に伴い、企業のバリューチェーン全体がリアルタイムで接続されるコネクテッドワールドとなった現在、
ビジネ
スリーダーには増加の一途をたどる新しい情報に対するより多くの意思決定を、より迅速に行うための能力が求め
られています。つまり、
「今この瞬間」のデータを極めて詳細なレベルで活用しながら、絶え間なく変化するビジネス
状況に瞬時に適応し、柔軟に将来の計画を策定できる能力が不可欠になっているということです。
アジア/ 太平洋地域に拠点を置く企業が自社の財務計画・分析(FP&A)
今回、CFO Research が行った調査では、
で利用している現在のシステムやプロセスが、情報のスピードに遅れを取ることなく事業を運営しなければならな
い経営陣のニーズをどの程度満たせているかを明らかにしました。2016 年 5 月、CFO Research はさまざまな業
に勤務する財務担当幹部を対象に調査を行いました。
種の大規模企業(年間売上高 5 億ドル超)
ここで収集された 76 の回答から、将来の財務計画・分析のあるべき姿を示す 3 つの重要な知見を以下に示します。
1
財務責任者は「今この瞬間」に即した FP&A の提供についてのプレッシャーを
ますます強く感じている
アジア/ 太平洋地域のほぼすべての財務担当幹部は、財務計画・分析機能を瞬時に利用できる環境を整備すること
の重要性がますます高まっていることを認識しています。回答者の 97% は、急速に変化するビジネス環境に対応し
ていくためには、
「今この瞬間」の状況に即して柔軟かつ動的に計画を策定できる能力の獲得が、今後 2 年間でさら
(40%)
が、
この主張に強く同意しています
(図 1 参照)
。
に重要な課題になるだろうと考えています。そして、
10人に 4 人
図 1. 財務担当幹部は「今この瞬間」のビジネス状況に即した FP&A の提供が、
近い将来さらに強く要求されると予測
今後 2 年間で ……
急速に変化するビジネス環境に自社が対応していくためには
「今この瞬間」に即した計画を柔軟かつ動的に策定できることが、
これまで以上に重要になる
組織の他部門のマネージャーが瞬時に
財務情報にアクセスできる環境を求める
プレッシャーが強まっている
97%
90%
アジア/ 太平洋地域の回答者が「同意する」を選んだ割合(%)
3 n 2016年の財務計画・分析
この図からも分かるように、アジア/ 太平洋地域の圧倒的大多数の回答者(90%)
は、こうした環境の中で他部門の
マネージャーが瞬時に財務情報を利用できる環境を整備することへのプレッシャーを、財務部門はますます強く感
じるようになるはずだと考えています。
「今この瞬間」の状況に即した動的な計画策定においては、組織の意思決定
者が財務分析をいつでも簡単に利用できる環境が不可欠です。
デジタル化されたビジネス環境において、アジア/ 太平洋地域の財務担当幹部は自らが統括する部門や財務システ
ムに対する期待と役割について十分認識しています。成功を目指す多くの企業にとって、組織の他の部門のマネー
ジャーへのタイムリーかつ的確な財務分析の提供は極めて重要な課題となっており、調査対象者の 87% が信頼性
の高い最新の情報に基づくリアルタイムのコラボレーション体制を確立することへのプレッシャーが、今後も意思
決定者の間で強まるだろうと予測しています。
コラボレーションの改善には、財務部門が価値ある洞察を他部門と共有するためのツールが不可欠です。これに対
は、組織が求める優れた洞察を提供するためには、訴求効果が高
してアジア/ 太平洋地域の大部分の回答者(88%)
く、インタラクティブなビジュアライゼーションを駆使した財務情報の共有が必要になるだろうと考えています。
1 人ひとりの目的のために利用しやすい形式で財務分析を提供することは、もはや明確な優先課題だということです。
が、部門横断で計画プロセスをより効果的に統合することが求められるようになる
また、ほぼ同数の回答者(84%)
だろうと予測しています。
しかし、残念ながら現在のツールはその役割を果たせていないようです。実際、多くの回答者が現在の財務計画シ
は、財務
ステムでは高まるニーズを十分に満たすことはできないと考えています。回答者の 10人中 8 人以上(83%)
で現在利用しているプロセスおよびシステムで「今この瞬間」の状況に即して動的に計画を策
計画・分析(FP&A)
定するニーズに対応するためには、大幅な改善が必要だと考えています。財務機能に対するプレッシャーの増大から、
財務部門はより優れた FP&A 機能を必要としています。
2
高度なデータ共有とコラボレーションには
緊密に統合されたシステムが必要
財務部門が直面している最大の障壁の 1 つは、現行システムで発生する人手に依存した多くの作業です。異なる情
報システムで生成されるデータの整合性や信頼性を確保する作業に多くの時間を費やせば費やすほど、他部門の
マネージャーとの連携を通じて利用価値の高い財務分析を提供できる時間は自ずと少なくなります。
調査回答者は、社内の異なる部門 / 部署間における統合性の欠如こそが、
この問題の根本原因であるとの見方を示
しています。アジア/ 太平洋地域において、個別の財務計画システム間で最高水準の統合性を実現し、人手に依存し
にとどまっ
た業務を最小限に抑えて、組織全体でデータを共有できていると回答したのは、全体の約 4 分の 1(27%)
ています。
は自社の財務計画システムは企業全体としての統合性は十分かもしれないが、
逆に、
その 2 倍を超える回答者(60%)
各事業単位、子会社、部門レベルでは、人手に依存したプロセスによって個別のシステムに対処していると回答して
います。また、
システム間の統合が全くと言っていいほど実現されていないとする回答は 12% となっています。
4 n 2016年の財務計画・分析
今回の調査に参加した財務担当幹部によると、多くの人手を必要とする現在の状況は、アジア/ 太平洋地域の企業
の財務計画システムと ERP システム間のデータ共有を妨げる要因にもなっているようです。回答者の 20% はこれ
ら 2 つのシステムは極めて緊密に統合され、データ移行の必要性は最小限にとどまっているとする一方で、その 3 倍
が自社の財務システムは ERP システムと比較的よく統合されてはいるものの、依然として一定のデー
以上(64%)
タ移行が必要だと回答しています。さらに別の 12% は、財務計画システムと ERP システムは全くと言っていいほど
統合されていないと回答しています。
また、人手に依存した業務プロセスと並んで問題になっているのが、財務部門のリソースの多くをトランザクション
やコンプライアンス関連の活動に投じなければならない現在の状況です。アジア/ 太平洋地域の財務担当幹部の多
くが、
このことが財務計画・分析機能を通じて組織に高い価値を提供する上での、もう 1 つの大きな障壁になってい
レポート/ コンプ
ると考えています。組織に対する財務部門の戦略的な貢献を妨げている最大の要因のトップ 2 は、
、および日常的なトランザクション業務(33%)
となっています
(図 2
ライアンス要件の複雑さと作業の増大(34%)
参照)
。
しかし、同じ割合の回答者(33%)
は、最も深刻な障壁は財務データへのアクセスおよび操作をリアルタイムで行え
よりも上位に来ています。また、
プロセスとシ
ないことだとしており、
この回答は変化に対する組織の抵抗感(30%)
ステムの統合における現時点のレベルも大きな課題となっています。付加価値の高い貢献を妨げている障壁として、
図 2. 財務部門が FP&A を通じて高い価値を提供する上で障壁となっているのは、
日常的なビジネス要件とテクノロジー上の制約
「人材や資源などのリソース不足とは別に、
自社の財務部門が財務計画・分析を通じて
高い価値を提供することを妨げている最大の障壁」
25%
30%
30%
統合的な
財務計画
システムの
欠如
変化に対する
組織の抵抗感
33%
33%
34%
財務データへの
リアルタイム
アクセス、
操作が不可能
日常的な
財務
トランザクション
業務
法規制の
複雑化と
要件の急速な
変化
26%
17%
経営幹部の
無関心
統合的な
財務計画
プロセスの欠如
財務計画と
ERP の
システム間
統合の欠如
アジア/ 太平洋地域の回答者の割合
最大 3 項目までの複数回答
5 n 2016年の財務計画・分析
財務担当幹部の 30% が統合的な財務計画システムの欠如を挙げ、26% が財務計画と ERP のシステム間統合の欠
如を指摘しています。25% は統合的な財務計画プロセスの欠如を挙げています。現在、そして今後も、組織から求
められる戦略的な貢献を実現するためには、人手に依存した業務プロセスが財務機能の制約となる状況を解消し
なければなりません。
3
データフローを合理化することで、財務担当幹部や組織は変化のスピードに
効果的に適応できるようになる
自社の各部門のマネージャーが財務計画・分析機能を効果的かつタイムリーに活用する上での最大のリスクに関す
データが少なすぎる
(38%)
、
データが多すぎる
(26%)
、信頼性の高いデー
る質問へのアジア/ 太平洋地域の回答は、
の 3 つに大きく分かれ、データのタイムリー性の欠如(9%)
、
「唯一の正確な情報源」の確立が困難
タがない
(24%)
であることを理由に挙げる回答者はほとんどいませんでした。
(3%)
データが多すぎる場合には、それを扱えるように設計されていない財務計画システムでは処理しきれなくなる可能
性がある一方で、データが少なすぎると財務計画の有効性に疑問が生じます。いずれの場合も財務データの品質と
信頼性が損なわれ、結果的にユーザーはこれらのデータに確信が持てなくなり、意思決定にも活用できなくなると
いうことです。
残念ながら、こうした懸念は財務部門がデータ提供に関する強いプレッシャーにさらされるようになって、初めて顕
在化します。実際、今回の調査に回答した財務担当幹部の大多数は、財務分析を経営陣や業務部門のマネージャー
と迅速に共有するためには、データの品質をある程度まで犠牲にする場合もあると認めています。アジア/ 太平洋
が、財務分析を少しでも早く経営陣に届ける必要がある状況においては、データの正
地域では 10 人に 7 人(70%)
確性や信頼性が本来あるべきレベルに達していないこともあると回答しています。この 70% の中で最も多かった
でしたが、21% は実際のところ、本来あるべき正確性に達していることはほとん
のは、
そうした状況が時々ある
(49%)
どないと認めています。
これに対し、逆の経験をしている財務担当幹部もいます。財務データの品質と正確性を確保するには多大な時間を
要するため、経営陣や業務部門のマネージャーが期待するスピードに応えられないと 25% が回答しています。
正確なデータをタイムリーに提供する財務部門の能力を低下させる要因の 1 つに、
データの移行プロセスがあります。
データ品質の改善につながることを回答者は認識しています。
システム間で財務データを移行する必要性が減れば、
が、
データを ERP システムと財務計画システム間でシームレスに共有す
アジア/ 太平洋地域ではその過半数(61%)
。
る機能が改善されたら、実績データに対する計画データの信頼性も向上するだろうと回答しています
(図 3 参照)
システムの統合性が向上すれば、財務部門が人手に依存した作業やデータの検証に費やす時間は減り、明確な根拠
に基づくデータ分析の時間が増えることで、成長につながる洞察を提供できるようになります。
システムをより緊密に統合することで、財務部門はもとより組織全体にとっても有益なメリットが得られる可能性が
(TCO)
高まります。アジア/ 太平洋地域の回答者はシステム間の統合と高度な連携に関して、これを総所有コスト
、ユーザー間のコラボレーションを強化する手段(67%)
、財務分析の柔軟性・カスタマイズ
を削減する手段(67%)
として見ています。また、計画データの信頼性の向上
性の向上による財務データの使い勝手を改善する手段(64%)
、
「唯一の正確な情報源」を確立するための体制の改善(59%)
、急速に変化するビジネス条件に対する即応
(61%)
も、
システム間の緊密な連携のメリットだと考えています。
性の強化(60%)
6 n 2016年の財務計画・分析
以上のような結果により、急速に変化する環境で広範な財務データを効果的に活用することが、ますます多くの財
務担当幹部の関心事となっています。即応性と信頼性の基準はいずれも高まり続けており、それを乗り越えていく
ためには、もはやこれまでのソリューションでは十分ではないことを財務担当幹部は認識しているのです。
図 3. ERP システムと財務計画システムの統合性を改善することにより、TCO の削減、コラボレーション、
財務分析のカスタマイズ性の強化につながる
「ERP システムと財務計画システム間でデータをシームレスに共有する機能が
改善された場合に見込まれる効果」
情報システムの
TCO 削減
財務分析の
柔軟性・カスタマイズ性の向上
システムユーザー間の
コラボレーションの強化
67%
64%
67%
急速に変化するビジネス条件に対する
即応性の強化
60%
実績データに対する
計画データの信頼性の向上
「唯一の正確な情報源」
を
確立する態勢の改善
59%
アジア/ 太平洋地域の回答者の割合
61%
人手を介することによって
発生するミスの削減
45%
7 n 2016年の財務計画・分析
スポンサーの見解
組織が新たなビジネスモデルを評価してそれを導入し、顧客に提供するサービスを向上させな
がら最先端のデジタルエコノミーで競っていく上で、財務担当幹部はデジタル戦略の推進役、
また部門 / 部署間の橋渡し役としての重要な役割を期待されています。デジタルエコノミーで
成功を収めるためには、業務部門の頼れるパートナーとして彼らとの連携性を高めて業績につ
なげることや、明確な事実に基づいて「今この瞬間」に即した意思決定をサポートする洞察の
発信源となること、
また業務を最大限にシンプル化・効率化するために財務プロセスを最適化・
自動化する必要があります。
今回の調査で得られた知見は、企業にとって財務計画・分析
(FP&A)機能の重要性が高まって
いる現状を明らかにし、FP&A 機能に対してどのような期待が高まりつつあるかを示しています。
その役割とは、財務部門が業務部門にとっての信頼できるアドバイザーであると同時に、会社
がデジタルエコノミーで成長できるように、組織全体に有益な情報と洞察を提供する俊敏なス
チュワード
(管理責任者)
になることです。
SAP は企業パフォーマンス管理(EPM)分野のリーダーとして、SAP S/4HANA Finance
向けに最適化された SAP BusinessObjects Planning and Consolidation ソリュー
ションの提供を通じて CFO が担う幅広い業務を支援しています。SAP が提供する全社規模
の統合的な財務計画・分析ソリューションを活用すれば、財務に関するリアルタイムの洞察を
獲得できると同時に、複雑さや人手に依存した作業を軽減させることが可能となります。
詳細については、以下の Web サイトをご覧ください:
SAP.com/finance
「2016 年の財務計画・分析: 急速に変化するデジタルエコノミーで高い価値を創出する」は、CFO Publishing(295
が発行する調査レポートです。本レポートに関するご
Devonshire Street, Suite 310, Boston, MA 02210)
質問は、リンダ・クロックナー
(Linda Klockner)電話:(617) 790 3248、電子メール:lindakockner@cfo.
com まで直接お問い合わせください。
CFO Reserch と SAP は共同で本調査に関する仮説を立て、調査・発行の資金は SAP が出資しました。今回の
(Celina Rogers)
、メアリー・べス・フィンドレイ
(Mary
CFO Research の調査チームは、セリーナ・ロジャース
、
デヴィッド・W・オーウェンズ
(David W. Owens)
、
クリス・シュミット
(Chris Schmidt)
、
リン
Beth Findlay)
で構成されています。
ダ・クロックナー(Linda Klockner)
CFO Research は、CFO 関連の雑誌や Argyle Executive Forum の一部である CFO.com の製作・管理を
行う CFO Publishing に所属するスポンサー付きの調査グループです。
2016 年 5 月
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