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財務諸表の解説
財 務 諸 表 の 解 説 連結貸借対照表・連結損益計算書とセグメント情報 います。なお、不動産販売収入という営業収益は、連結貸借対 オリックスは、1964年の設立以来、米国において一般に公正 照表の棚卸資産(営業資産の区分には含まれていません)から 妥当と認められる会計処理基準(米国会計基準)を採用してい 生じており、有価証券仲介手数料などの手数料収入は直接的に ます。1998年にニューヨーク証券取引所に上場してからは、よ は営業資産との関わりはありません。連結損益計算書の勘定科 り詳細な米国証券取引法に基づいた連結財務諸表を米国証券 目については、P.39以降の「2005年3月期 業績概要」をご参照 取引委員会およびニューヨーク証券取引所に提出しています。 ください。 セグメント情報は、経営陣による業績の評価および経営資源 社内での経営管理や投資家の方々への情報としては、米国会計 基準に基づいたものにより行われています。 の配分の決定に定期的に使用されているものです。国内事業に 米国会計基準の連結財務諸表では、連結貸借対照表、連結損 ついては主に事業の種類によって、海外事業については地域に 益計算書により、営業収益や営業資産といった取引をベースに よって区分されています。国内事業については、経営管理上は した勘定科目により開示が行われています。一方、財務諸表の 地域の所在および取り扱いの物件などによってさらにいくつか 脚注情報として、マネジメントの評価をベースにしたセグメント のセグメントに分割されていますが、取引の性質や顧客のタイ 情報が開示されています。 プおよび経済環境が類似しているため、 1つのセグメントとして 連結損益計算書は、オリックスの営業取引の種類ごとに以下 合算しているものもあります。セグメント情報は、取引の種類ご の表に示されるような営業資産をもとに、ファイナンス・リース とではなく、経営陣が業績評価をしている事業体ごとの区分に 収益、オペレーティング・リース収益、貸付金および有価証券利 基づいています。 息、生命保険料収入および運用益などの営業収益が計上されて セグメント 法人金融 サービス事業 自動車リース、 レンタカー 主な事業内容 一般機器のリース、 不動産関連以外の ローン、 金融商品販売などの 手数料ビジネス ファイナンス・リース 収益、貸付金および 有価証券利息 オペレーティング・ リース収益、 ファイナンス・リース 収益 単位:十億円 単位:十億円 主な営業収益 自動車事業 営業収益および営業資産(2005年3月期) 単位:十億円 営業収益 % 114 100% 53 47% 36 32% 20% オペレーティング・リース収益 182 100% 4 2% 48 26% 15% 貸付金および有価証券利息 136 100% 25 18% — — 34 100% 2 6% — — 15% 生命保険料収入および運用益 137 100% — — — — 13% 不動産販売収入 123 100% — — — — 2 100% — — — — 55 100% — — — — 135 100% 4 3% 5 4% 0% 賃貸不動産売却益 6% 運送料収入 15% その他の営業収入 単位:十億円 営業資産 28% ファイナンス・リース投資 12% オペレーティング・リース投資 47% 営業貸付金 11% 投資有価証券 2% その他営業資産 注:十億円単位で四捨五入しているため、連結財務諸表と若干の誤差が生じる可能性があります。 ORIX Corporation % 12% ファイナンス・リース収益 4% 有価証券仲介手数料および売却益 24 % % 1,452 100% 単位:十億円 676 % 単位:十億円 % 47% 343 24% 619 100% 18 3% 107 17% 2,387 100% 770 32% — — 589 100% 39 7% 2 0% 83 100% — — — — 各セグメントでは、お客様のニーズに応じて様々な取引を行っ 例えば、貸付金利息は、利息収益という点では会計上、すべ ています。例えば、法人金融サービス事業では、中堅・中小企 て貸付金利息として計上されますが、貸付金の形態、相手先な 業のお客様に対してファイナンス・リースだけではなく、融資や どは様々です。したがって、それぞれの取引は会計処理が1つで 生命保険、運用商品など様々な金融サービスを提供することを あっても、別のセグメントに区分して開示されています。 事業戦略としており、連結損益計算書での営業収益としては、 連結貸借対照表の営業資産と連結損益計算書の営業収益を 各セグメントに分割して示したものがP.24∼25の表です。 ファイナンス・リース収益、貸付金利息、その他の営業収入など セグメント情報については、P.28以降の「地域別・部門別の概 に該当する取引を行っています。会計上は、それぞれ固有の取 況、業績および戦略」をご参照ください。 引ですが、経営上ではいずれもお客様が求めるニーズを満たす ための一手段であり、セグメントを評価する上では取引形態に よる差はなく、お客様のニーズを満たす同一のものと考えてい ます。すべてのセグメントでは複数の取引を行っており、取引 ごとの区分である連結損益計算書の勘定科目とはそもそも一 致するものではありません。 レンタル事業 不動産関連 ファイナンス事業 不動産事業 生命保険事業 その他の事業 米州 アジア・大洋州・ 欧州 測定機器・パソコン等の レンタル、 情報関連機器のリース 不動産関連ファイナンス、 マンション分譲、 不動産の開発・販売・ 住宅ローン、 賃貸・運営、建物総合 サービサー 管理および関連サー ビス 生命保険 カードローン、 ベンチャーキャピタル、 証券業、 プリンシパル・インベ ストメント リース、法人向け ローン、債券投資、 サービサー、 不動産開発 リース、自動車・船舶・ 航空機などのオペレー ティング・リース、 法人向けローン オペレーティング・ リース収益 貸付金および 有価証券利息、 不動産販売収入、 その他の営業収入 不動産販売収入、 その他の営業収入、 オペレーティング・ リース収益 生命保険料収入および 運用益 運送料収入、 その他の営業収入、 貸付金および 有価証券利息 貸付金および有価証券利息、 有価証券仲介手数料 および売却益、 ファイナンス・リース収益、 その他の営業収入 オペレーティング・ リース収益、ファイナ ンス・リース収益、 貸付金および 有価証券利息 単位:十億円 単位:十億円 単位:十億円 単位:十億円 単位:十億円 単位:十億円 単位:十億円 % % % % % % % 1 1% — — — — — — — — 9 8% 14 12% 63 35% 8 4% 12 7% — — — — 3 2% 44 24% — — 47 35% — — — — 37 27% 18 13% 8 6% 1 3% 3 9% — — — — 12 35% 13 38% — — — — — — — — 137 100% — — — — — — — — 21 17% 102 83% — — — — — — — — — — — — 2 100% — — — — — — — — — — — — — — — — 55 100% — — — — 3 2% 17 13% 52 39% — — 40 30% 5 4% 7 5% 単位:十億円 単位:十億円 % % 単位:十億円 % 単位:十億円 8 1% 4 0% 12% 93 15% 152 — 909 38% 6 3 1% 61 10% — — 29 35% 40 3% 75 — % 単位:十億円 1 % 単位:十億円 111 8% 0% 25% 20 3% — — 0% 150 6% 315 13% — — 274 47% 49 8% 41 49% 3 4% 4 5% 98 % 単位:十億円 % 7% 171 12% 34 6% 120 19% 124 5% 113 5% 114 19% 8 1% 5 6% 1 1% ORIX Corporation 25 連結損益計算書について オリックスの連結損益計算書に記載されている営業収益は、米国会計基準に基づく会計処理によって区分されています。多角的に事 業展開を行っているため、当期の営業収益は9つの勘定科目に分かれており、連結損益計算書全体では26の勘定科目を含め31の項目が あります。 (個別の項目については、P.39以降の 「2005年3月期 業績概要」 やP.75以降の 「連結財務諸表の注記」 をご参照ください。 ) オリックスは、米国会計基準により要求されている詳細な連結損益計算書を投資家の皆様にご提供していますが、勘定科目が細 かく分かれているために連結損益計算書の分析が複雑化するという側面があります。そこで、まず連結損益計算書を3つの構成要素 で見た上で、さらに10の科目について把握するという方法が考えられます。 当資料はオリックスの営業収益の構造の理解と分析にお役立ていただくために作成したものであり、米国会計基準での連結損益 計算書を代替するものではありません。 3つの構成要素 1)営業収益や持分法投資利益など収益に貢献しているもの(黄色部分) 2)営業費用、法人税など収益から控除されるもの(青色部分) 3)営業利益、税引前当期純利益、当期純利益(緑色部分) 下記の表1では、 2005年3月期の連結損益計算書(左側) と、P.27の表3のステップにより分解した連結損益計算書の要約版(右側) を比較しています。 P.27の表2は、連結損益計算書の要約版による5年間の業績推移を示しています。 表1 連結損益計算書 (百万円) 営業収益: ファイナンス・リース収益 連結損益計算書の要約版 (百万円) 営業収益に直接対応する費用の控除 ¥113,514 ¥113,514 ― オペレーティング・リース収益 181,808 オペレーティング・リース原価控除後 貸付金および有価証券利息 136,035 ― 136,035 57,150 33,906 ― 33,906 生命保険料収入および運用益 137,004 生命保険費用控除後 14,108 不動産販売収入 123,162 不動産販売原価控除後 9,332 ― 1,554 有価証券仲介手数料および売却益 賃貸不動産売却益 運送料収入 1,554 55,339 運送原価控除後 その他の営業収入 134,628 その他の営業費用控除後 営業収益合計 916,950 1 対応する費用控除後の営業収益 8,745 51,795 426,139 営業費用: 支払利息 56,562 2 支払利息 オペレーティング・リース原価 124,658 1 で控除済 生命保険費用 122,896 1 で控除済 不動産販売原価 113,830 1 で控除済 運送原価 46,594 1 で控除済 その他の営業費用 82,833 販売費および一般管理費 181,620 1 で控除済 3 販売費および一般管理費 4 貸倒引当金繰入額、評価損等 貸倒引当金繰入額 39,574 長期性資産評価損 11,713 4 に含む 4,930 4 に含む 有価証券評価損 為替差損 営業費用合計 営業利益 持分法投資利益 関連会社株式売却損益 税引前当期純利益 783 該当なし 130,957 5 営業利益 3,347 154,347 6 関連会社投資損益 7 税引前当期純利益 68,826 8 法人税等 継続事業からの利益 85,521 該当なし 異常損益項目および会計基準の変更による累積影響額前利益 5,975 91,496 異常損益項目 (税効果控除後) −関連会社取得時利益− — 会計基準の変更による累積影響額(税効果控除後) — 当期純利益 91,496 57,000 130,957 23,390 6 に含む 法人税等 非継続的取引(税効果控除後) 181,620 4 に含む 785,993 20,043 56,562 9 非継続的取引・異常損益項目・会計基準の変更による累積影響額 154,347 68,826 5,975 該当なし 9 に含む 9 に含む 0 当期純利益 91,496 注:賃貸不動産売却益には、非継続的取引に係る売却損益は含んでいません。ただし、会社はこの取引が経常的に発生することから、通常のビジネスと考えており、セグメント情報では通 常のセグメント利益として取り扱っています。 26 ORIX Corporation (百万円) 表2 連結損益計算書(要約版)による5年間の業績推移 1 対応する費用控除後の営業収益 2001 2002 2003 2004 2005 ¥330,544 ¥361,696 ¥373,756 ¥375,221 ¥426,139 2 支払利息 109,289 90,279 71,380 60,060 56,562 3 販売費および一般管理費 101,156 126,316 144,271 161,835 181,620 4 貸倒引当金繰入額、評価損等 62,951 72,465 120,924 68,754 57,000 5 営業利益 57,148 72,636 37,181 84,572 130,957 6 関連会社投資損益 2,088 (330) 8,205 17,382 23,390 7 税引前当期純利益 59,236 72,306 45,386 101,954 154,347 8 法人税等 25,079 32,600 20,808 51,444 68,826 — 563 5,665 3,510 5,975 34,157 40,269 30,243 54,020 91,496 9 非継続的取引・異常損益項目・会計基準の変更による累積影響額 0 当期純利益 表3 4つのステップで、10の主要科目に簡略化するプロセス Step 1 + “対応する費用控除後の営業収益”からスタートします。 営業収益の各科目から、それに対応する費用を控除します。詳しくは P.26をご参照ください。 Step 2 – “支払利息”を控除 連結損益計算書より直接求めます。 – “販売費および一般管理費”を控除 連結損益計算書より直接求めます。 – “貸倒引当金繰入額、評価損等”を控除 「貸倒引当金繰入額」 「長期性資産評価損」 「有価証券評価損」 「為替差損」の合計です。 = 営業利益 連結損益計算書の数値に一致。 Step 3 + = “関連会社投資損益”を加減 税引前当期純利益 「持分法投資利益」と 「関連会社株式売却損益」の合計です。 連結損益計算書の数値に一致。 Step 4 – 法人税等を控除 + “非継続的取引・異常損益項目・会計基準の変更による累積影響額”を加減 = 当期純利益 連結損益計算書より直接求めます。 「非継続的取引」 「異常損益項目」 「会計基準の変更による累積影響額」の 合計です。 連結損益計算書の数値に一致。 ORIX Corporation 27