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日本の広告業界
日本 の 広 告 業 界 日 本 および 主 要 各 国 の 広 告 マーケット規 模 4.0% 6 .7 % 8. 6 % 10 . 4 % 米国 44.5% 3 3 0 , 4 4 2百万米ドル 2. 8% 4. 8 % 日本 1 2 . 7 % 5 .4 % ( 約 4 . 5兆円)( 4 2 0億米ドル) ●ドイツ ● 英国 ● フランス ● その他 欧 州 注: 上 記の広 告費には、2 0 0 0 年におけるテレビ、出版 物、ラジオ、映画および屋外広告が含まれます。 『 世界の広告費予測 』 ( 2001 年 7 月ゼニス・メディア) 換 算レート : 1 米ドル = 1 0 7 . 8 円 出典 : ● アジア ● 中南米 ● その他 47 48 概況 動し、 メディアの発注・購入を行います。また、広告会社のマーケティング・ サービスに対して報 酬を支 払うのは媒 体 社ではなく、合 意した条 件によ 2 0 01 年 7月のゼニス・メディアによる『 世 界の広 告 費 予 測 』によれば、2 0 0 0 り広 告 主が支 払います。これに対し、日本 の主 要 広 告 会 社は単なる広 年 のテレビ、出 版 物、ラジオ、映 画および 屋 外 広 告における世 界 の 広 告 告 主 の 代 理 人ではなく、伝 統 的に 広 告 主と媒 体 社を仲 介する役 割を 費 3 , 3 0 4 億 4 千 2 百万 米ドルのうち、日本は 1 2 . 7 %を占め、世 界 第 2 位の 果たしてきました。広 告 会 社は広 告 枠を媒 体 社から購 入し、広 告 主に 広 告 市 場となっています。 販 売します。また、広 告 主から支 払いを受ける前に媒 体 社に広 告 料 金 日本では、従 来、ほとんどの産 業における消 費 財メーカーは多 段 階の複 雑 を支 払うケースもあります。これに対して、媒 体 社は広 告 会 社に対する な流 通システムも一 因となって、マーケティング費 用 のかなりの 部 分を販 報 酬として、交 渉により決 定した広 告 料 金に対する一 定の料 率の手 数 売 促 進 費に割り当ててきました。近 年、情 報 技 術 の 進 歩や外 国 企 業 の 料を支 払うのが原 則となっています。 参 入によって、流 通システムは全 体として合 理 化 が進んでいます。また、日 日本以外では、手数料による報酬制度から他の報酬制度へ移行しつつ ● 本 企 業はマーケティング戦 略 全 体のなかで、ブランド構 築 に重 点を置くよ あります。報 酬は各クライアントとの同 意のもと、手 数 料、作 業 時 間によ うになってきています。このため、これらのマーケティング費 用の一 部は広 る報 酬、成 功 報 酬、あるいは、その組み合わせにより決 定される場 合が 告およびブランド構 築 に再 分 配されるであろうと思われます。 あります。日本においては、マスメディア広告サービスに対する報酬として、 近 年、他の先 進 国 同 様、日本における主 要な広 告 会 社は、単なる広 告 制 現在も手数料形式が一般的です。 作や広告枠の購入のみならず、セールスプロモーション、交通広告、ニュー 欧 米では、クリエーティブ・サービスとメディア・バイイングを切り離す傾 ● メディア、イベント・マーケティング等までサービス領 域を拡 大しています。 向が高まっています。その結果、広告主はクリエーティブ・サービス、 メディ また、その他 のサービスとして、パブリック・リレーションズや、市 場 調 査、コ ア・バイイングを異なる広 告 会 社に依 頼し、クリエーティブ・サービスを ンテンツの制 作・管 理なども行っています。 行う会 社に報 酬 総 額 の 多くを分 配する傾 向が 見られます。このような 日本の主 要 広 告 会 社および日本の広 告 市 場における商 慣 行は、次の点 慣行は日本ではまだ一般的ではありません。 で欧 米の広 告 会 社と異なっています。 米国および欧州において、広告会社は一般に広告主の代理人として活 ● 欧米に本拠を置く大手の多国籍広告会社グループは、通常、傘下に大 ● 手ブランド・エージェンシーおよび専門サービス子会社を多 数擁し、これ 国 内 年 間 広 告 費 推 計 および 国 内 総 生 産 に占 める広 告 費 比 率 (%) 暦 年 ベ ース 1 .5 (十億円) 1.13 1.15 1.19 1.12 8, 000 1.11 1 .0 国内総 生 産に占める 5,772 広告費比率 5,996 6,110 5,771 6, 000 5,700 0 .5 日本の広 告 費 4, 000 0 2, 000 注 : 広 告 費には、テレビ、新 聞、雑 誌、 ラジオによる広 告、折 込 広 告、展 示・映 像 、ダイレクトメール、屋 外 広 告、交 通 広 告、電 話 帳 広 告、 P O P 広 告、ニューメディアおよびインターネットに関する広 告が 含 まれます。 出典:『 平成 1 2 年日本の広 告 費 』 (当社発行) 0 1996 1997 1998 1999 2000 49 らを通してあらゆるマーケティング・サービスを提 供しています。多くの場 合、多 国 籍 広 告 会 社グループは、既 存の 広 告 会 社やマーケティング会 社の買収によって形 成されます。これに対し、日本における主 要 広 告 会 社グループは、単 一のブランド・エージェンシーが基 本 的な広 告サービ スを提 供し、買収ではなく内 部 成 長を通じてサービスの範 囲を拡 大して きました。その結 果、日本の広 告 会 社は、広 告 主の幅 広いマーケティン グ・ニーズ にもワンストップでサービスを提供できます。 50 メディアの動向 既存マスメディア 2 0 0 0 年におけるテレビ、新 聞、雑 誌、ラジオの 4 大マスメディアは、国 内 総 広 告 費の 6 5 . 0 %を占めました。テレビと新 聞が主 要 2 大 広 告 媒 体となっ ていますが、テレビは広 告 費 全 体 に占める比 率を徐々に 拡 大し、一 方で 新 聞が 広 告 費 全 体に占める比 率は徐々に減 少しています。1 9 9 1 年から 2000 年の間、テレビ広告費は1999 年を除いて毎年着実に増加し、そのシェ アは 2 9 . 3 % から3 4 . 0 % へと上 昇しましたが、新 聞 広 告 費は 2 3 . 5 % から 2 0 . 4 % に減 少しました。雑 誌 広 告 費は、1 9 9 1 年の 6 . 8 % から2 0 0 0 年に は7 . 2 %と、1 0 年 間でわずかながら上 昇しました。ラジオ広 告 費は1 9 9 2 年 を除いて、1991 年の 4 . 2 %から2000 年の 3. 4% へと、年々減少しています。 地上波テレビ 日本 国 内のテレビ放 送には、地 上 波、衛 星およびケーブル放 送があり、依 然として地 上 波 放 送 が中 核 的な役 割を果たしています。政 府の統 計によ ると、日本の地 上 波 放 送は、約 4 , 7 0 0 万 世 帯の延べ 約 1 億 9 0 0 万 台のテ レビに受 信されており、世 帯 普 及 率は 9 9 % にのぼっています。2 0 0 1 年 3 月 3 1 日現 在、国 内には民 間 放 送 局 1 2 7 社と公 共 放 送 局 1 社があります。民 間放送局は、規制により特定地域以外に放送することは認められておらず、 ほとんどの民 間 放 送 局は、全 国 放 映される番 組 多 数を配 信する 5 つの全 日本の媒 体別広告費および 総 広 告費に占める割 合 暦 年ベース 単位:十億円 1998 媒体名 ¥1 ,9 5 0 .5 テレビ( 1 ) 1999 33.8% ¥1,912.1 2 0 00 33.6% ¥2,079.3 34.0 % 新聞 (1) 1 ,1 7 8 .7 20.4 1,153.5 20.2 1,247.4 20.4 雑誌 (1) 4 2 5 .8 7.4 418.3 7.3 436.9 7.2 2 1 5 .3 3.7 204.3 3.6 207.1 3.4 4 0 8 .2 7.1 424.1 7.5 454.6 7.4 ラジオ ( 1 ) 折込 3 3 1 .2 5.7 331.0 5.8 353.5 5.8 ダイレクトメール 3 1 5 .5 5.5 324.2 5.7 345.5 5.6 屋外 3 1 9 .6 5.5 314.8 5.5 311.0 5.1 展示/映像 (1) 衛 星 放 送、ケーブルテレビ/ インターネット( 2) その他 ( 3) 3 3 .0 0.6 46.6 0.8 85.6 1.4 5 9 3 .3 10.3 570.7 10.0 589.3 9.7 ¥ 5 ,7 7 1 .1 合計 100.0% ¥5,699.6 100.0% ¥6,110.2 100.0 % 注: ( 1 )クリエーティブ制 作 費を含みます。 (2) インターネットにおけるバナー広告の制 作 費を含みます。ただし、衛 星 放 送およびケーブルテレビ広 告に関する制 作 費は含まれません。 (3) 交通広告、電 話 帳 広 告、PO P広 告を含みます。 出典:『 平成 12 年日本の広 告 費 』 (当社発行) 51 国ネットワークに参 加しています。 新聞 地 上 波民放テレビで放 送されるコマーシャルは、交 渉で決 定した本 数を一 日本 新 聞 協 会に会員登 録している新 聞 社は 1 1 1 社を数えますが、国 内の 定の期 間、番 組と番 組の 間に放 送するスポット広 告と、特 定の番 組 中に 新 聞 広 告 費 の 半 分 以 上が、朝日新 聞、毎日新 聞、読 売 新 聞、日本 経 済 放 送されるタイム広 告の 2 種 類 に大別されます。 新聞、産経新聞の主要日刊 5 紙で占められていると推 定されています。 スポット広告は、通常、 さまざまな時間帯を組み合わせて販売されます。そ 2 0 0 0 年 1 2 月現 在の日本における新 聞の総 発 行 部 数 約 5 , 3 7 0 万 部に対 の取引対象期間は数日から数週間と、比較的短期間で設定されるため、 し、米 国では 5 , 5 8 0 万 部が発 行されています。ただし、上 記 主 要日刊 5 紙 スポット広 告 の広 告 料 金は、タイム広 告 に比べ、諸 要 因や 需 要によっ の 1 9 9 9 年 7月から1 2 月まで 6 カ月間の 朝 刊 発 行 部 数は合 計 約 2 , 7 5 0 万 て大きく変 動する傾 向にあります。 『 USAトゥ 部であり、米国の『ウォールストリートジャーナル(海外版を除く)』 タイム 広 告においては、番 組の最 初と最 後に、スポンサーとして広 告 主 『 ニューヨークタイムズ 』の 1 9 9 8 年 1 0 月から1 9 9 9 年 3 月まで 6 カ月 デイ』 の社 名が表 示されます。一 般に、タイム広 告 の契 約 期 間は 6 カ月であり、 間の総 発 行 部 数 4 7 0 万 部をはるかに超える読 者 数を有しています。主 要 スポンサーは契 約を更 新することが可 能です。提 供 番 組の制 作 費は通 日刊 5 紙は全 国 紙であり、消 費 者に幅 広くアプローチしようとする広 告 主 常 広 告 費に含まれ、広 告 主に請 求されます。 にとっては魅力的なメディアとなっています。このため、国 内の新 聞 広 告 費 ● ● なお、スポット広 告 の 最 短 時 間 単 位は 1 5 秒、タイム広 告は 3 0 秒とされて のうち、全国紙への出稿が約 65%を占めています。 います。放 送 業 界の自主 規 制により、コマーシャルの放 送 時 間は 1 週 間の 日本の主 要 新 聞 の 広 告スペースは、米 国に比べ、ページ数が 少なくレイ 総 放 送 時 間の 1 8 % 以 内と定められ、また、番 組の長さに応じても時 間 制 アウトの変更余地が少ない傾向にあります。平日の主要日刊紙の朝刊は、 限が設けられています。近 年は、放 送 局と広 告 会 社の双 方とも、投 入でき おおむね 4 0 ページ以 下であり、広 告にあてられるスペースは、需 要にかか る広 告の 量と価 格に柔 軟 性があるため、スポット広 告の 需 要が拡 大して わらず規格化されています。このため、広告スペースの確保は米国に 比べ、 います。 かなり難しいといえます。 日本の主 要 地 上 波 放 送 局 5 社は、すべてデジタル衛 星 放 送を行う関 係 会 社を保 有しており、2 0 0 3 年より、アナログ放 送からデジタル放 送への移 行 を予 定しています。 52 雑誌 告では、広 告 主はより正 確に、性 別や年 代 別など人口 統 計 的 特 性に基づ 日本の雑 誌は全 国で販 売されているものがほとんどを占めますが、一 定の いた聴 取者のターゲッティングができ、かつ比 較 的 安 価で広 告 展 開するこ 地 域や地 方でのみ流 通している雑 誌も出 版されています。販 売 方 法は、 とができます。 米国と比べて、売店や書店における販売の割合が定期購読をかなり上回っ ラジオのタイム広 告は、番 組 中に 放 送されるほか、テレビと同じく、長 時 間 ています。 番 組をセクションに区 切り、それぞれを別の広 告 主が提 供することもありま 雑 誌 広 告は、一 般に広 告 主や広 告 会 社が用 意した標 準 的な形 式で掲 載 す。同 様に、スポット広 告も番 組と番 組の間だけでなく、番 組のセクション されますが、出 版 社が広 告 主やマーケティング会 社と協力して記 事やイン 間で放 送される場 合もあります。 タビュー形 式で広 告を制 作する「 記 事 広 告 」や、広 告 対 象 製 品 のサンプ タイム広 告 の放 送 時 間は通 常 2 0 秒 以 上です。スポット広 告も通 常は 2 0 ルの 添 付、マルチプル 広 告、観 音 開き広 告、ブック・イン・ブック広 告など 秒ですが、5 秒のケースもあります。また、タイム広 告においては、広 告 主と もあります。 6カ月間の契 約を結びます。 ラジオ 1 9 9 9 年における米 国のラジオ局 数 1 万 5 4 2 局 に対し、2 0 01 年 3月3 1日現 在の日本のラジオ局 数は、地 域コミュニティ放 送 局 1 3 9 局も含めて 2 3 9 局 です。ラジオ局は高い地 域 密 着 性を有していますが、ラジオ局のネットワー クによって全 国 放 送も可 能です。 テレビと同 様に、ラジオにもスポット広 告とタイム広 告の 2 種 類の広 告があ ります。しかしテレビのスポット広 告と異なり、ラジオのスポット広 告は異な る時 間 帯をまとめて販 売することはありません。このため、広 告 主はコマー シャル の放 送 期 間や放 送 局の選 択がより自由にでき、特 定の期 間・地 域 で集 中してマーケティングを行うことが 可 能です。これに対して、タイム広 国 内 のインターネット広 告 費 および 総 広 告 費 に占 める 割 合 暦 年 ベ ース 0.97 (%) 1 .0 0 0 .7 5 ( 十 億円) 59.0 総 広告費に占める 60 インターネット広告費の割合 0.42 0 .5 0 0.20 0 .2 5 インターネット広 告 費 40 0.10 0.03 0 24.1 20 11.4 6.0 1.6 出典 :『 平 成 1 2 年日本の広 告 費 』 (当社発行) 0 1996 1997 1998 1999 2000 53 ニューメディア また、広 告メディアとしてのインターネットの魅力が増 大している背 景には、 デジタル衛 星 放 送やケーブル放 送、インターネットの利 用 者が拡 大・普 及 空き回 線を使ってインターネットへのアクセスを供 給するケーブルテレビ したことによって、新たな広 告 機 会がもたらされています。当 社では、これら 事 業 者が増 加していることがあります。ケーブルテレビ・ネットワークは、イ の新しいメディアは広告の本質を根本的に変える可能性を持っていますが、 ンターネットへの 高 速 常 時 接 続を、電 話 回 線より低い料 金で提 供していま それにより従来のメディアへの広告支出が減少することはないと見ています。 す。総 務 省 郵 政 事 業 庁によると、2 0 0 0 年 9 月 3 0 日現 在、1 5 2 社のケーブ ル 事 業 者を通じたインターネット利 用 者は 約 4 6 万 3 , 0 0 0 人にのぼってい インターネット ます。当 社では、ケーブルネットワークこそが日本におけるブロードバンド・ 日本は他 の 先 進 諸 国に比べ、インターネットの 普 及が 比 較 的 遅れていま インターネット・コミュニケーションの普 及を加 速し、その結 果として、広 帯 したが、近 年、着 実に浸 透しつつあります。総 務 省 郵 政 事 業 庁は、日本に 域を十 分に活 用したインタラクティブ広 告のような新しい広 告 需 要が生ま おけるインターネット利 用 者 数が、2 0 0 5 年 末には 8 , 7 0 0 万人に達すると れると考えています。また、非 対 称デジタル 加 入 者 線( A D S L )の 加入者 予 想しています。 が増 加していることからも、インターネットは今 後、より魅力的な広 告メディ 日本の 総 広 告 費 に占めるインターネット広 告 費 の割 合はまだ少ないもの アに成 長していくことが予 想されます。 の、近 年 急 激に増 加しています。 このような急 激な増 加は、広 告 会 社および広 告 主が、消 費 者とのコミュニ モバイル・インターネット ケーション手 段としてインターネットに寄せている大きな期 待 感 の 表れと パソコンを経 由したインターネットの利 用では、欧 米 諸 国が日本 に先 行し 考えられます。 ていますが、携 帯 電 話を経由したインターネットについては、日本が世 界を 広 告 主は、インターネット広 告により特 定の 関 心および人口 統 計 的 特 性 リードしています。1999 年末までに、日本の携帯電話サービスプロバイダー を持つ 消 費 者をターゲットにすることができ、従 来 の媒 体よりはるかに容 3 社すべてが、携 帯 電 話によるインターネットサービスを開 始し、携 帯 電 話 易に広 告 効 果を測 定することが可 能となります。また、インターネットの双 から専 用のインターネットサイトにアクセスすることができるようになりまし 方 向 的な性 質により、潜 在 的な消 費 者の反 応を直 接 得られるため、結 果 た。以 来、携 帯 電 話によるインターネット利 用 者 数は劇 的に増 加しており、 に従って広 告 方 法を適 応させていくことができます。 2 0 0 1 年 9 月 3 0 日現 在、インターネットサービスへの 加 入者は 約 4 , 5 0 0 万 54 人にのぼっています。さらに、最 近、従 来 機をはるかに超える高 速 送 信が 日本におけるB Sデジタル 放 送は、2 0 0 0 年 1 2 月に開 始されました。現 在、 可 能な第 3 世 代( 3 G )携 帯 電 話が開 発されたことにより、ビデオクリップ 国 内の主 要 地 上 波民 放 5 社 の関 連 会 社を含む 8 社および N H K、その 他 など、大 容 量データの送 受 信が 可 能 になると予 想されます。 民 放 2 社が B Sデジタル 放 送を行っており、それぞれ広 告 収 入または受 信 携 帯 電 話による広 告 市 場は、まだ初 期の段 階にあります。携 帯 電 話によ 料 収 入によって運 営されています。デジタル衛 星 放 送における広 告は、視 るインターネット広 告は現 在、広 告 主のウェブページにリンクしているテキ 聴 者 数の拡 大に伴って増 加するものと見られます。放 送 開 始 以 後、B Sデ スト広告により行われていますが、広告会社および広告主は、例えば、 “割 ジタル 放 送は、当 初 予 想されたほど急 速 には普 及していません。受 信 機 引クーポン ”などの販 売 促 進 手 法を携 帯 電 話にも取り入れるべく開 発に 器およびアンテナの購 入 費 用がかかること、地 上 波 放 送に比べて魅力的 取り組んでいます。今 後は 3 G 携 帯 電 話の高い送 信 能力によって、大きな なコンテンツが不足していることが大きな障害になっています。 マーケティング機会が生じるものと見 込まれます。 一 方、1 9 9 6 年に開 始されたC Sデジタル放 送は、多くのチャンネルを有し、 各々のチャンネルを放映する帯域を制限しています。現在は、スカイパーフェ 衛星放送 クTVがCSデジタル放送唯一のプラットホームとなっています。CS 放送は、 日本には放 送 衛 星を通じた B S 放 送と通 信 衛 星を通じたC S 放 送 の 2 種 主に受 信 料を収 入 源としており、2 0 0 2 年には、新たな衛 星を利 用した C S 類の衛 星 放 送があります。 放 送が開 始される予 定です。この新しい衛 星は、現 在 B Sデジタル放 送に 従 来はいずれもアナログ放 送でしたが、現 在は基 本 的にデジタル 放 送に 使われている衛 星と同じ経 度( 東 経 1 1 0 ˚)に置かれる予 定であり、視 聴 者 移 行しています。デジタル衛 星 放 送は、放 送と通 信が融 合した、新しい広 はB S、C S 共 通の衛 星アンテナとセットトップボックスで、双 方の衛 星から 告メディアとして有 望です。また、テレビが持つ幅 広い視 聴 者 層とインター 放送を受信することができます。これにより、B SおよびC Sデジタル 放 送の ネットの双 方 向 性を結 合する潜 在力を持っており、将 来 的には、例えばテ 視 聴 者が増 加し、衛 星 放 送 に対する広 告 主の関 心が高まることが期 待さ レビ番 組で紹 介された商 品やサービスの 追 加 情 報をリモコン装 置でダウ れます。 ンロードできるようになるかもしれません。しかし、現 在のところ、B Sおよび BSおよびCSデジタル放送の広告市場は依然として成長途上にあり、広告 C S 放 送の広告費は、地 上 波テレビに比べて微 少であり、テレビ広告費 全 の販 売は、地 上 波テレビとは異なった方 法によって行われています。B Sデ 体に占める割合は、1999 年が約 0.6% 、2000 年が約 0.8% にすぎません。 ジタル放送では、通常、1 時間または 3 0 分番組につき 1 広告 主のみで番 組 55 提供を行い、広告料金は番組制作費に比例しています。また、スポット広告 大 M S Oである株 式 会 社ジュピターテレコムと株 式 会 社タイタス・コミュニ も特定の時間帯に対する需要の状況に応じて一部販売されています。逆に、 ケーションズが合 併しました。なお、合 併 前の加 入 者 数は合わせて 7 5 万人 CSデジタル放送における広告は、主にスポット広告となっていますが、地上 を数えます。 波テレビ放送と異なり、パッケージではなく個々に販売されます。 現在、ケーブルテレビの広告主は、中堅企業または地方企業が中心となっ ていますが、マルチチャネル・サービスを提 供するケーブル 事 業 者が増え、 ケーブルテレビ放 送 M S O が対 象 地 域を拡 大するにつれて、ケーブルテレビは魅力的な広 告メ 総務省郵政事業庁によると、2001 年 3月31日現在、約 1,030 万世帯がケー ディアに成 長していく可 能 性があります。当 社 の推 計によれば、ケーブル ブルテレビに加 入していますが、これには地 上 波テレビ番 組 の 再 放 送が テレビの広 告 費はこの 5 年 間で 5 7 . 7 % 増 加していますが、1 9 9 9 年および 含まれており、マルチチャネル・ケーブルテレビの加 入 者は約 3 0 0 万 世 帯 2 0 0 0 年における日本の総 広 告 費に占める割 合は、いずれも約 0 . 1 4 % で となっています。当 初、ケーブルテレビの放 送 内 容は、主 に地 上 波テレビ あり、地 上 波テレビ 広 告 費に比べて依 然として低い水 準にとどまっていま 番 組 の再 放 送であったため、ケーブルテレビにおける広 告 展 開は 限られ す。これは、主に、地 上 波テレビ 広 告がケーブルテレビで再 放 送されても、 たものとなっていましたが、1 9 9 3 年 以 降 の規 制 緩 和によって、衛 星 放 送 広 告 主には追 加 料 金が請 求されないためです。また、C S 放 送と同 様 に、 の内 容もケーブルテレビで再 送 信できることとなりました。ケーブルテレビ 多くのケーブルテレビ・ネットワークが、広 告 収 入よりも加 入 者から受 信 料 放 送では、衛 星 放 送と同 様に、その伝 送 容 量の多さを活かして、専 門 的な を得る事 業 構 造になっていることも、ケーブルテレビの広 告 費を抑えてい テーマに特化した番組を供給することができます。このため、広告主はター る要因です。 ゲットの視 聴 者に対して、より正 確かつダイレクトに広 告を発 信することが できます。また、ケーブルテレビ事 業 者は、デジタル放 送への転 換を開 始し 始めています。 ケーブルテレビ業 界では、マルチシステム・オペレーター( M S O )が以 前よ り広 範な地 域 に放 送を供 給することを可 能とする規 制 緩 和が実 施された ことを受けて、大きな統 合が進 行しつつあります。2 0 0 0 年 9 月には、日本の 2 56 イベント・マーケティング その他のマーケティング・サービス 日本の主 要な広 告 会 社は、公 共または企 業によるイベント、展 示 会、コン 日本の広 告 会 社が手 掛けるその他のマーケティング・サービスには、交 通 ベンションの宣 伝および 企 画 立 案を行っています。対 象イベントには、販 広告、電話帳広告、PO P広告等があります。 売 促 進のための見 本 市や地 場 産 業 促 進のための地 方自治 体によるイベ ントなどがあります。広 告 会 社の役 割は、イベントの 企 画 立 案、会 場の 設 営など、期 待されるマーケティング効 果と環 境をクライアントと協力してつ くり出すことにあります。広 告 会 社は、実 際 のイベントの 運 営にも携わり、 イベントの 実 施に関 連したコストの 管 理も行います。これらのサービスに 対する広 告 会 社への報 酬は、交 渉によって定められた企 画 立 案 に 対する 報 酬と、外注費用に利益を加えた金額をベースとして決定されます。 57 58 業 種 別に見た広 告 費 ヘルスケア・サービスや薬 品 業 界においては、これら業 界に関する広 告を 規 制する法 律が緩 和されつつあります。製 薬 会 社および 医 療サービス提 1 9 9 8 年から2 0 0 0 年におけるテレビ、新 聞、雑 誌、ラジオのクリエーティブ 供 企 業は、広 告によって自社 の製 品・サービスを差 別 化しようとしており、 費を含む業 種 別 広 告 費の内訳は右 表のとおりです。 広 告 需 要が増 大するものと予 想されます。当 社では、今 後、このようにさま 自動 車・同 関 連 品の広 告 支 出は、かつて上位 5 位に入っていましたが、近 ざまな業 種でビジネスチャンスが生まれる一 方で、各 業 界における競 争 激 年減 少しています。対 照 的 に、情 報・通 信、金 融・保 険では、規 制 緩 和や 化に伴う差 別 化 戦 略が進むことにより、国内総 生 産に占める広 告 費の割 競争激化によって新しいビジネスとサービスが 数多く誕生し、広告支出は、 合が増加すると見ています。 広 告 費 全 体が減 少した 1 9 9 8 年および 1 9 9 9 年も含めてここ数 年 間 安 定 的に増 加しています。これらの 業 種で広 告 支 出 が増 加したことは、2 0 0 0 年の国 内 総 生 産に占める総 広 告 費の割 合がやや増 加した一 因となって います。 当 社は、近い将 来、他 の業 種と比べて情 報・通 信および金 融・保 険の広 告 費が引き続き増 加し、ヘルスケア・サービスや 薬 品 関 係 の 広 告 費も増 加し始めると考えています。情 報・通 信 業 界においては、2 0 0 1 年 秋スター お トの 第 3 世 代 携 帯 電 話サービスや 非 対 称デジタル 加 入 者 線( A D S L ) よびその 他 の高 速ブロードバンド・サービス等 の 技 術 の 登 場が、広 告 需 要を牽引していくものと思われます。金 融・保 険 業 界においては、外 国 企 業の日本 市 場への参 入が進むにつれて、広 告 費も増 加することが予 想さ れます。消 費 者 金 融および 保 険 会 社はマーケティング活 動を活 発 化させ ており、また、金 融 界の統 合 再 編の動きに伴って、新たに 誕 生した企 業の ブランド構 築 活 動が活 発 化するものと思われます。 主 要 マスメディア に おける 業種別広告費 暦 年 ベ ース 単位:十億円 19 9 8 業種 化 粧 品・トイレタリー 食品 ¥ 1999 3 4 6 .8 9.2% 3 7 4 .4 9.9 ¥ 346.4 369.6 2 0 00 9.4% 10.0 ¥ 374.1 9.4 % 362.2 9.1 情 報・通 信 2 2 7 .8 6.0 247.9 6.7 331.2 8.3 飲 料・嗜 好 品 3 3 0 .8 8.8 314.1 8.5 326.2 8.2 交 通・レジャー 2 8 8 .1 7.6 277.8 7.5 286.1 7.2 流 通・小 売 業 2 6 3 .2 7.0 259.5 7.0 272.6 6.9 金 融・保 険 1 8 9 .8 5.0 207.6 5.6 266.2 6.7 自動 車・同 関 連 品 2 9 5 .9 7.9 253.7 6.9 252.5 6.4 薬 品・医 療 用 品 1 9 2 .2 5.1 192.9 5.2 200.9 5.1 出版 1 7 1 .3 4.6 167.5 4.6 179.0 4.5 不 動 産・住 宅 設 備 1 5 4 .1 4.1 145.0 3.9 160.0 4.0 趣 味・スポーツ用 品 1 6 8 .5 4.5 165.5 4.5 157.6 4.0 外 食・各 種サービス 1 2 5 .0 3.3 126.2 3.4 137.9 3.5 教 育・医 療サービス・宗 教 1 1 8 .3 3.1 120.3 3.3 134.2 3.4 案内・その他 1 0 2 .0 2.7 97.8 2.7 110.4 2.8 ファッション・アクセサリー 9 9 .1 2.6 95.3 2.6 100.9 2.5 家 電・A V 機 器 8 5 .8 2.3 81.2 2.2 88.3 2.2 家庭用品 7 7 .8 2.1 80.9 2.2 82.4 2.1 官 公 庁・団 体 5 6 .4 1.5 50.2 1.4 57.8 1.5 エネルギー・素 材・機 械 5 1 .4 1.4 46.0 1.3 48.3 1.2 精 密 機 器・事 務 用 品 5 0 .6 1.3 41.6 1.1 41.2 1.0 合計 ¥3 ,7 7 0 .3 100.0% ¥3,688.2 100.0% ¥3,970.7 注:広告費には、地上 波テレビ、新 聞、雑 誌、 ラジオ広 告およびこれらに関 連するクリエーティブの費用を含みます。 出典 :『 平成 12 年日本の広 告 費 』 (当社発行) 100.0 % 59