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発表資料 - UNISEC 大学宇宙工学コンソーシアム

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発表資料 - UNISEC 大学宇宙工学コンソーシアム
東北大学の活動報告
~SPRITE-SATとARLISS2008~
東北大学 工学研究科 航空宇宙工学専攻
吉田・永谷研究室
池田 紗和子・遊佐 淳也
YOSHIDA-NAGATANI Lab
東北大学 大学院工学研究科
航空宇宙工学専攻
スペーステクノロジー講座
宇宙探査工学分野
吉田・永谷研究室
軌道上宇宙ロボット
宇宙ステーション搭載ロボット
The SPACE
ROBOTICS
Lab.
月惑星探査ロボット
小惑星探査機
UNISEC関連活動
SPRITE-SAT
ARLISS2008
YOSHIDA-NAGATANI Lab
東北大学スプライト/地球ガンマ線観測衛星
SPRITE-SAT
YOSHIDA-NAGATANI Lab
発表内容
<SPRITE-SATとは>
1,概要
2,ミッション概要
3,設計仕様
<内部システム>
4,ミッション機器
5,姿勢制御系
<衛星開発の現状>
6,環境試験
7,まとめ
YOSHIDA-NAGATANI Lab
1.概要
SPRITE-SATは東北大学の理学研究科と工学研究科が
共同で開発中の小型人工衛星
いまだ謎が多い「スプライト発光現象」を宇宙から観測
温室効果ガス衛星GOSATのピギーバック衛星として、
2009年1月打上予定
(C)JAXA
YOSHIDA-NAGATANI Lab
2,ミッション概要(1/2)
雷放電により誘起される現象のメカニズム解明
スプライト
•雷放電に伴う中層・超高層大気 過渡発
光現象(TLE)Transient Luminous Event
の一つ
•地上からは横方向からの観測のみ
•未解明な部分
-落雷位置からのズレ
-落雷からsprite発生までの時間差
•宇宙空間から現象を見下ろせる
•GPS受信機で時刻を高精度に記録
YOSHIDA-NAGATANI Lab
2,ミッション概要(2/2)
雷放電により誘起される現象(ガンマ線)のメカニズム解明
ガンマ線
TGF(Terrestrial Gamma-ray Flashes)
•雷放電に伴うガンマ線の放出の可能性
•雷とスプライトとガンマ線の関係性は未解明
スプライトとガンマ線の同時観測を行うこと
により、両者の関係性を明らかにする
YOSHIDA-NAGATANI Lab
3.設計仕様
• 寸法 500 x 500 x 500 mm以内
重量 約50 kg以下
•
• ミッション機器
– CMOSカメラ 2台 (雷・スプライト撮像)
– CCDカメラ 2台 (雷・恒星撮像)
– ガンマ線カウンタ、VLFアンテナ
– SHU (Science Handling Unit)
• 姿勢・位置
– 重力傾斜安定方式
(1mブーム, 3kg先端質量)
– センサ:地磁気センサ, 太陽センサ,
GPS
– アクチュエータ:磁気トルカ (2軸),
伸展ブーム
• 電力
– 太陽電池セル NiMHバッテリ
– 消費電力:最大 16.91W,
最小 10.81W
•
通信(通信局:東北大学)
– Uplink:UHF, 1200bps
– Downlink:S, 0.1W, 1200bps or 9600bps
想定軌道
– 太陽同期起動, 高度660km, 周期98min
– 傾斜角98deg , 地方時13時
YOSHIDA-NAGATANI Lab
4,ミッション機器
sprite観測 (常時)
CMOSカメラ (雷撮像)
CMOSカメラ (sprite撮像)
TGF観測 (夜側緯度±20deg)
CCDカメラ (雷撮像)
ガンマ線カウンター
その他
現象検出時のみ観測
データ保存
sprite
頻度0.5~1回/日
240kB/回
TGF
頻度1~3回/月
160kB/回
*伸展マスト兼用
VLFアンテナ
CCDカメラ (スターセンサ)
YOSHIDA-NAGATANI Lab
5. SPRITE-SAT姿勢制御系(1/3)
Sprite を観測するためには,ミッション機器を搭載するボトムパネルを,
常に地球側に向ける必要がある
• Sprite-SAT は長さ 86 cm,先端マス 3.68 kg のマストを伸ばすことで,
ボトムパネルが常に地球方向を指向するようにする (重力傾斜安定方式)
• 伸展前のスピン減衰,および伸展後のライブレーション減衰のために,
2 つの 1 軸磁気トルカを搭載
磁気トルカで
振動を抑制
ロケットから放出後
磁器トルカで
回転運動を止める
マスト伸展
反転制御で
逆転させる
地
Control Sequence 球
伸展後30時間以内に
振幅を約6.1度まで減衰
(シミューレーション結果)
YOSHIDA-NAGATANI Lab
5.SPRITE-SAT姿勢制御系(2/3)
長さ 86 cm の伸展マストと,重さ 3.68 kg の
先端マスで構成
・マストの伸展力には BeCu (ベリリウムカッパー)
素材のリボン状スプリングを使用
・拘束を外すと 5 cm →100 cm 程度まで,0.5 秒未満
で伸びる
BeCu自体は構造剛性が強くない
16 層のアルミ製スリーブで補強
BeCu ribbon spring
YOSHIDA-NAGATANI Lab
5.SPRITE-SAT姿勢制御系(3/3)
Flight model of
the deployable mast
YOSHIDA-NAGATANI Lab
5.SPRITE-SAT姿勢制御系(動画)
水平展開試験(空気浮上)
垂直展開試験(カウンターウエイト)
YOSHIDA-NAGATANI Lab
衛星開発の現状
YOSHIDA-NAGATANI Lab
YOSHIDA-NAGATANI Lab
6, FM (Flight Model) 環境試験(1/2)
2008 年 9 月~11月に,H-IIA ロケットの受入試験として,
FM 振動試験,分離衝撃試験,フィットチェック計測,質量特性計測,アウトガス計測
を実施
振動試験の結果,H-IIA からの要求値
(機軸方向で 100Hz以上,機軸直交方向で 50Hz 以上) を満足することを確認
YOSHIDA-NAGATANI
Lab
Vibration test
フィットチェック計測@筑波
YOSHIDA-NAGATANI Lab
6, FM (Flight Model) 環境試験(2/2)
アウトガス計測
•JAXA (クリエイションコア東大阪)で実施
•真空状態で各パネルの温度を 37℃ にして,
衛星から発生するガスを計測
SPRITE-SATから生じるアウトガス
は,主衛星 (GOSAT) に悪影響を
与えない量であることを確認
YOSHIDA-NAGATANI Lab
SPRITE-SAT に関する修士論文/卒業論文
•
伸展ブームを搭載する小型人工衛星の構造設計・製作およびその評価
(堀内 貴史,平成18年度修士)
•
伸展ブームと磁気トルカを用いた小型人工衛星の姿勢決定および制御に関す
る研究
(木村 一貴,平成18年度修士)
•
スプライト観測衛星の構体システム設計と構造評価
(氏家 恵理子,平成19年度修士)
Sprite観測衛星における伸展マストの構造解析および評価
(澤上 友貴,平成19年度学士)
•
•
スプライト観測衛星の構造モデル解析と地上試験評価
(滝内 圭,平成20年度修士)
•
スプライト観測衛星の熱モデル解析と地上試験評価
(中里 泰裕,平成20年度修士)
小型衛星における熱モデルパラメータの同定(仮)
(石川 晴香,平成20年度学士)
•
YOSHIDA-NAGATANI Lab
7.まとめ
• トップサイエンスの実現




スプライト発生メカニズムの解明
スプライト初の水平構造観測
雷放電発光とスプライトの初の同時観測
地球ガンマ線と雷放電発光の初の同時観測
• 新規開発した伸展マスト機構による姿勢制御
 多くのミッション機器を搭載するが常に地球方向を指向する形態
• 開発体制
 本格的な学内理工学研究科連携プロジェクト
 初期設計開始から開発完了まで約 3 年間の短期間開発を実現
 他国で進行中のプロジェクトに先駆けて打ち上げを実施
YOSHIDA-NAGATANI Lab
ARLISS2008
YOSHIDA-NAGATANI Lab
チームメンバー紹介
・遊佐淳也
・前田敏博
・須藤真琢
・大西智也
・Simon Desfarges
YOSHIDA-NAGATANI Lab
ローバーの紹介
スール
名前は
SAOUL
フランス語で酔っ払いの意味
スポンジタイヤでの走行が不
安定で,よろよろしていること
から,留学生のSimonが名づ
けた.
YOSHIDA-NAGATANI Lab
システムダイアグラム
Motor
Command Line
Motor
RE-max24 GP22C
Data Line
RE-max24 GP22C
Supply
14.8V
Motor Driver
1Axis DC Power Module
1Axis DC Power Module
GPS
MPU
Garmin GPS18
14.8V
Motor Driver
Light Sensor
H8/3048F-ONE
5V
5V
7.4V
PhotoMosRelay
Nichrome Wire
AQZ202
7.4V
Battery
D-LI50-C 7.4V
Battery
D-LI50-C 7.4V
14.8V
DC/DC Converter
PSS1R5-12-5
5V
YOSHIDA-NAGATANI Lab
ARLISSにおけるローバーの問題点
1.
2.
3.
4.
走行速度が遅い
踏破性能が低い
パラシュート分離が不安定である
直径146mmの筒に収納するため,車輪径
が大きくできない
YOSHIDA-NAGATANI Lab
問題点1 走行速度が遅い
東北大の過去のローバーの走行速度
2006年
2 km/h
2007年
9 km/h
YOSHIDA-NAGATANI Lab
SAOULの走行速度
大幅な速度UPに成功
高出力に変更
Max 17km/h
2007: Lithium Ion 7.4V×1
2008: Lithium Ion 7.4V×2
ギヤ比の変更
2007: 24:1
2008: 14:1
車輪径の拡大
2006: 15cm
2007: 17cm expandable
2008: 18cm expandable
YOSHIDA-NAGATANI Lab
問題点2 踏破性能が低い
SAOULは・・・
高い踏破性能の実現!!
YOSHIDA-NAGATANI Lab
問題点3 パラシュート分離が不安定
昨年の東北大の分離機構
分離動作中にパラシュートの紐が絡まり,分離失敗
YOSHIDA-NAGATANI Lab
問題点4 車輪径が大きくできない
今年は車輪径を大きくしたが,このままでは筒に収納する
ことが出来ない...
146mm
180mm
YOSHIDA-NAGATANI Lab
パラシュート分離機構への要求
新たなパラシュート分離機構
PASTES(PArachute Separating and
Tire Expanding System)を開発!!
YOSHIDA-NAGATANI Lab
PASTESの特徴
この部分によりタイヤを締め
つけ,径を縮小する
ローバーからパラシュートを離
すことで,紐が絡まったり,パラ
シュートが被さるのを防ぐ
YOSHIDA-NAGATANI Lab
PASTES(筒収納時)
PASTESによりタイヤを締めつける
PASTESが展開しないように,テグスで固定
直径146mmの筒への収納が可能に(縮小率19%)
YOSHIDA-NAGATANI Lab
PASTES(展開・分離時)
機構展開を繋ぎとめているテ
グスをニクロム線で焼き切る
機構展開&タイヤ拡大
(拡大率23%)
ローバーがPASTESから脱出
分離完了
YOSHIDA-NAGATANI Lab
ARLISS2008トライアル結果
YOSHIDA-NAGATANI Lab
1stトライアル結果
落下地点から1km離れた場所
でスタックし,リタイア...
2ndトライアルに向けて,スタッ
クした場合,どのように対処
するかという問題点が浮上
Landing Point
Stack
Point
Goal
YOSHIDA-NAGATANI Lab
スタックからの脱出モード導入
15秒間位置情報が変化しない
(スタックした場合)
Escape Mode !!
Escape Modeの動作内容
1) フルパワーでバックスピン
2) 旋回動作
3) フルパワーで前進
4) ナビゲーションモードに戻る
YOSHIDA-NAGATANI Lab
2ndトライアルの結果
パラシュート分離,高速走行と
もに順調に動作し,見事ゴール
にぶつかる形でゴール!!
優勝!!
(記録0m)
直線距離: 1.65km
実際の走行距離: 2.08km
YOSHIDA-NAGATANI Lab
ARLISS2008のまとめ
• Max17km/hという高速走行が可能となった
• 直径18cmという大径スポンジタイヤと高速走行を組み合わせ
た結果,高い踏破性能を得ることができた
• 新たなパラシュート分離機構PASTESを開発した
• スタックから脱出するEscape Modeを導入した
• 結果,記録0mで優勝することができた
YOSHIDA-NAGATANI Lab
YOSHIDA-NAGATANI Lab
YOSHIDA-NAGATANI Lab
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