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Vol.297 Vol.297 今週のTOPIC HEADLINES 中国 中国 ベトナム

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Vol.297 Vol.297 今週のTOPIC HEADLINES 中国 中国 ベトナム
2012.10.26
Vol.297
Vol.297
HEADLINES
■ベトナム:ニャチャン
観光客を狙った強盗事件の犯人を逮捕
■カンボジア:故シアヌーク前国王の肖像写真を破り国外追放
■ミャンマー:ラカイン州
■イタリア:地震予知に失敗
■レバノン:爆弾テロ
イスラム教徒住民と仏教徒住民が衝突
地震学者らに実刑判決
反シリアの治安機関トップらが死亡
今週のTOPIC
ベトナム:ニャチャン
観光客を狙った強盗事件の犯人を逮捕
リゾート地として知られる南部カインホア省の省
都ニャチャン市警察は23日、同市内で今月17日に
発生した強盗事件の容疑者として、地元在住の外
国人観光客を狙った男2人(21歳と32歳)を逮捕し
たと発表した。
この事件は、17日未明、フランス人の女性観光
客が知人のオランダ人男性と海岸で談笑していた
ところ、バイク1台に相乗りした2人組の男に襲撃さ
れ、所持していた現金200万ドン(約7,600円)や携
帯電話、デジタルカメラなどを強奪されたというもの。
また、襲撃された際、一緒にいたオランダ人の男性
が犯人の乗ったバイクを追いかけようとして道路脇
の木立に激突し、頭部や顔面に重傷を負った。被
害女性にけがはなかった。
ニャチャン市では、昨年12月以降、外国人を狙っ
た強盗事件が今回の事件を含めて16件発生して
おり、同市警が大規模な犯罪取り締まり作戦を計
画していたところだった。
ASIA
中国
中国
公安省 合同捜査により詐欺グループを摘発
中国公安省は19日、電話を使用した詐欺事件に関す
る一斉捜査を実施し、200件以上を摘発、86人の容疑
者を逮捕したことを明らかにした。
当局は9月27日、福建、陝西および安徽の各省にお
ける詐欺グループの拠点17ヶ所を摘発し、計2,000万
元(約2億5,000万円)を騙し取っていたとみられる組織
の主犯格を逮捕した。
この容疑者は台湾当局に指名手配されており、2003
年に中国本土に渡って電話詐欺グループを立ち上げ
ていたとみられている。
近年、中国公安省は電話詐欺をめぐる取り締まりで1
万件以上を摘発、350ヶ所の拠点を閉鎖し、3,800人を
逮捕している。
広東省 石炭火力発電所建設に住民が抗議
広東省汕頭市で20日朝、石炭火力発電所の建設
により環境が汚染される恐れがあるとして、住民数
千人が発電所の建設中止を訴える抗議行動を起こ
した。
住民らは、地元政府の建物を包囲し、高速道路を
6時間にわたって封鎖した。地元政府は、1,000人
の警察機動隊を動員して催涙弾を発射するなど暴
動の鎮圧に当たった。住民は、石やレンガを投げる
などして抵抗し、男性1人が死亡した。一部では、ほ
かに学生2人が死亡したとの報道もある。
住民らは、発電所の建設を行わないよう地元政府
に嘆願書を提出したが回答がなかったため、今回の
抗議行動に及んだという。地元政府は同発電所の
建設計画を延期し、政府上層部に指示を仰ぐとした
ため、今回の抗議行動はいったん収束した。
浙江省 石油化学工場の拡張計画に抗議
浙江省寧波市で22日から24日にかけて、住民200人
が国営石油化学工場の大規模拡張計画に反対する抗
議デモを行い、道路を封鎖するなどした。
この工場は、原油を精製し、パラキシレンを生産する
国営の工場で、55億8,000万元(約700億円)を投じて
拡張工事を行う計画が立てられている。
住民は、毒性の強いパラキシレンを生産することに
よって健康被害を受ける可能性があるとして強く抗議し
ている。また、一部の住民は、拡張工事に伴う移転計
画があることを知らされていなかったという。
一方、地方政府は、予定どおり拡張工事を進めること
を明らかにした。地元政府は、住民の移転費用として
64億元(約810億円)をすでに支出し、また、環境保護
対策費として34億元(約430億円)を支出する予定だと
している。
この工場の拡張計画は、中央政府による化学産業活
性化政策の一環として進められている。
トラック運転手の死亡をめぐり住民が警察に抗議
四川省瀘州市で17日、トラック運転手と警察官がも
み合いになり、運転手が死亡する事件が発生した。
運転手が突然死亡したことを受けて、警察に抗議す
る住民ら1万人以上がデモを行い、デモ参加者の一部
が暴徒化して警察の車両数台に放火した。当局は20
人を逮捕し、デモは18日早朝には収束した。
事件当時、このトラック運転手は市場に魚を運んでい
るところだった。駐車禁止区域にトラックを停めたため、
警察官に車を移動させるよう注意されたという。その後、
警察官ともみ合いになり、運転手は死亡した。
当局は、運転手には外傷もなく、死因は心臓発作と
の見方を示しているが、警察の暴行を受けて運転手が
死亡したという噂が住民の間で広まり、抗議デモに発
展した。
ミャンマー
ミャンマー
ラカイン州 イスラム教徒住民と仏教徒住民が衝突
ミャンマー内務省は23日、西部ラカイン州で今月
21日夜に発生した仏教徒住民とイスラム教徒ロヒン
ギャ族の衝突が現在も続いており、仏教徒の男性1
人とイスラム教徒の女性2人が死亡したことを明ら
かにした。
また、民家やモスク(イスラム教礼拝所)など約
1,000棟が放火により焼失した。当局は、衝突の拡
大を受けて、周辺の2地域に午後4時から翌朝6時
までの夜間外出禁止令を発令した。
同州では、今年5月にイスラム教徒の男3人が仏
教徒の女性を強姦し、殺害した事件を契機に、イス
ラム教徒住民が仏教徒住民に襲撃される事件が発
生するなど、双方の対立が激化している。これまで
に、計90人が死亡、民家など約3,000棟が破壊され
た。
8月にも同様の衝突が起きており、民主化を目指
すテインセイン政権にとって、民族間の緊張緩和が
喫緊の課題となっている。
江蘇省 銃5,000丁以上を押収 7人逮捕
江蘇省淮安市公安当局は23日、銃の密造・販売に
関与した7人を逮捕し、5,000丁以上の銃を押収したこ
とを明らかにした。
当局は今年3月19日、本物の銃がインターネットで
売られているとの情報を入手し、遼寧省瀋陽市で容疑
者を逮捕した。
その後の調べで、これらの銃は山東省汕頭市在住
の男から仕入れていたことが判明し、当局は4月にこ
の男の自宅から23丁、保管場所にしていた工場から
5,400丁の銃を押収した。
これらの銃を製造していたのは犯罪組織で、同組織
は2011年8月から2012年4月の間に2万丁の銃を密
造し、170万元(約2,100万円)の利益を得ていたとみ
られている。
カンボジア
カンボジア
故シアヌーク前国王の肖像写真を破り国外追放
プノンペンにある縫製工場で22日、中国人の女
性工場長が故シアヌーク前国王の肖像写真を破っ
た疑いで警察に逮捕された。
裁判所は翌23日、この女性を国外追放する決定
を下した。同国では、国王を侮辱した罪を規定した
法律は制定されておらず、今回は異例の決定と
なった。
女性の行動に激怒した工場の従業員1,000人以
上が市内の王宮前で抗議デモを実施し、この女性
の処罰を求めたことを受け、裁判所が国外追放処
分を決定したとみられる。女性は同日、解雇された。
この女性は、今月15日に死去した前国王の追悼
のため、従業員がたびたび作業を中断することに
腹を立て写真を破ったと供述し、国王を敬う文化に
ついて熟知していなかったと反省しているという。
インドネシア
インドネシア
ポソ 警察官詰所が爆破され3人負傷
スラウェシ島の中部スラウェシ州ポソで22日早朝、
市街地にある交通警察官詰所の裏側に仕掛けられた
手製爆弾(IED)2個が連続して爆発した。
この爆発で、詰所で勤務していた警察官2人と隣接
する銀行の警備員1人が負傷し、市内の病院に収容
された。3人とも爆弾の破片により全身に裂傷を負っ
ているが命に別状はないとみられる。詰所は今回の
爆発でほぼ倒壊した。
ポソでは今月8日、山岳地帯にイスラム過激派の「テ
ロ訓練基地」があるという情報を入手し、捜査を行って
いた警察官2人が刃物で首を切られて殺害される事
件が発生している。
今回の事件について、同州警察当局は22日午後、
「犯人像や犯行動機については捜査中であり、断定的
なことはコメントできない」と発表した。
一方、ティムール国家警察長官は、「(2つの事件
が)関係している可能性は否定できない」との見方を
示している。
タイ
タイ
ロシア人観光客が強盗にナイフで刺される
チョンブリー県バーンラムン郡の主要都市パタヤの
Soi Chaiyaprukで22日、ロシア人女性観光客が2人
組の強盗に襲われる事件が発生した。
警察によると、バイクに乗った2人組がジョムティエ
ンビーチからホテルに向かっていた被害者を尾行し、
ホテルに着く直前に金のネックレスを強奪しようとし
たところ、被害者に抵抗されたためナイフで5回刺し
たという。
2人は現金3,000バーツ(約7,800円)や携帯電話、
デジタルカメラを奪って逃走した。警察は、現場付近
の監視カメラに残されている映像を分析し、2人の行
方を追っている。
EUROPE
イタリア
イタリア
地震予知に失敗 地震学者らに実刑判決
イタリアのラクイラ地方裁判所は22日、2009年に
中部ラクイラで発生し300人以上の犠牲者を出した
大地震をめぐって過失致死傷罪に問われていた地
震学者6人と政府担当者1人の計7人に対し、禁錮6
年の有罪判決を言い渡した。
イタリア防災庁附属委員会のメンバーだった7人は、
大地震の兆候はみられないとして地震発生の直前
に「安全宣言」を出したため、周辺住民の避難が遅
れるなど被害の拡大を招いたとして、検察当局に起
訴されていた。科学的に極めて困難とされる地震予
知をめぐって刑事責任が争われた異例の裁判に国
内外から注目が集まっていた。
「米国地球物理学連合(AGU)」などの研究機関は
今回の判決を受けて、法的に制裁されるリスクがあ
るなら科学者たちは政府への協力を拒み、地震リス
クの評価を志す研究者はいなくなるだろうと警告した。
フランス
フランス
イスラム教団体が極右団体の非合法化を要請
「フランス・ムスリム評議会(CFCM)」は22日、フラ
ンス政府に対し、20日に西部ポワチエでモスクを一
時占拠した極右団体の非合法化とともに、モスクや
イスラム教徒の墓地に対する警備の強化を要請した。
この極右グループは「フランスのイスラム化に対し
て宣戦布告する」との声明をウェブサイトに掲載した
ほか、欧州圏外からのイスラム教徒移民の受け入
れ反対と、新たなモスク建設を阻止するための国民
投票の実施を呼びかけている。
イスラム関連施設に対する攻撃やイスラム教徒に
対する暴力事件、脅迫事件の発生件数は2011年に
急増し、今年も増加傾向にある。2011年は、前年比
で34%上昇した。CFCMは、同極右団体の言動は、
フランスにおける異宗教コミュ二ティの融合を傷つけ
るとしている。一方、ポワチエ検察局は、人種差別を
広めた容疑で同極右団体の4人に対する捜査を開
始した。
AMERICA
米国
米国
ミルウォーキーとロサンゼルス 発砲事件相次ぐ
ウィス コンシ ン州ミルウォーキー郊外のブルック
フィールドにあるエステサロンで21日午前、男(45)が
発砲し、3人が死亡、4人が負傷した。男は、自分に
向けて銃を撃った際に負傷し、その後死亡した。
事件直後、警察は、男が逃走したとみて6時間にわ
たって付近を捜索していた。また、警察の爆発物処理
班が現場を捜索したところ、簡易爆弾を発見し、回収
したという。付近の病院やショッピングモールは一時
閉鎖された。
警察は、男の家庭内トラブルが犯行の動機だったと
みており、このエステサロンに勤務していた妻を狙っ
た可能性も示唆している。
また、ロサンゼルス市中心街で21日早朝、男(55)
が自宅に火を放ったあと隣家に侵入し、室内にいた6
人に相次いで発砲する事件が発生した。
この事件で、父親と4歳の息子が死亡、母親と7歳
の娘、6歳の息子が負傷した。8歳の息子は現場から
逃げて無事だった。警察は男の行方を捜索している。
同日夜には男の自宅から焼死体が発見されたが、現
時点で身元は確認されていない。
犯行の動機は明らかにされていないが、男は殺害さ
れた隣家の男性とたびたび口論していたという。また、
男は16日に、賃家未払いによる立ち退き命令を言い
渡されていた。男はカリフォルニア州の警備員の資格
を持っていたが、銃の携行許可は得ていなかったとさ
れる。
ハロウィーン仮装の少女に発砲
ペンシルベニア州ビーバー郡ニュー・スウィックリー
で20日夜、ハロウィーンのパーティーに参加していた
9歳の少女がスカンクと間違われて銃で撃たれる事
件が発生した。少女は肩や背中を撃たれており、22
日現在、病院の集中治療室で治療を受けている。
発砲したのは少女の親戚に当たる20代の男で、自
分の母親からスカンクの駆除を頼まれ、黒の衣装で
仮装した少女をスカンクと見誤って撃ったとみられる。
警察は、この男を起訴するかについて早々に判断を
下すとしている。
コロンビア
コロンビア
FARCが爆弾攻撃 和平協議開始以降初めて
コロンビア軍当局が明らかにしたところによると、19
日、左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」がコロン
ビア軍に対して爆弾攻撃を行った。
その前日には、コロンビア政府とFARCの代表によ
る 和 平 協 議 が ノ ルウェ ーで開始された ば かりで、
FARCによる攻撃は和平協議開始以降初めて。
FARCは、拠点を置く南西部プトゥマヨ県でコロンビ
ア軍部隊に対し爆弾攻撃を行い、兵士5人が死亡、
約10人が負傷したという。
コ ロ ン ビ ア 政 府 と FARC の 和平に向け た 対 話は
1999年以降断続的に行われてきたが、2002年に中
断されていた。
ギリシャ
ギリシャ
ドイツ
ドイツ
アテネで4万人規模のデモ 緊縮財政策に抗議
アテネ中心部シンタグマ広場で18日、政府の緊縮財政策
に反対する市民ら4万人が集結し、抗議デモを行った。配
備されていた警官隊と衝突し、男性1人が心臓発作で死亡
したほか、3人が負傷、約50人が逮捕された。デモ隊の一
部が警官隊に火炎瓶や石を投げるなど暴徒化したため、警
官隊がガス弾などを使用して強制排除に踏み切った。
同日からベルギーのブリュッセルで始まる欧州連合(EU)
首脳会議にあわせて、ギリシャでは2大労組の呼びかけに
よるゼネストが行われていた。EUサミットでは、ギリシャへ
の追加支援の条件としてさらなる緊縮財政策が求められる
とみられており、国民の間では強い反発の声が上がってい
る。
スカーフ着用 イスラム教徒の女性が勝訴
ベルリンの裁判所は18日、勤務中にスカーフを
取ることを拒否したために歯科助手に採用されな
かったのは不当だとするイスラム教徒の女性の訴
えを認める判決を下した。
被告の医師は、損害賠償として1,500ユーロ(約
15万円)を支払うよう命じられた。この医師は、女
性は助手の資格を有していたが、宗教的立場から
採用を拒否したと述べたが、裁判所は、女性は宗
教的信条のために就職を拒否されるべきではない
とした。
ドイツには、380∼430万人のイスラム教徒が居
住しているとみられている。
英国
英国
イスラム教徒による大規模テロ計画が裁判で明らかに
英検察当局は22日、2011年9月にバーミンガムで逮
捕された英国籍のイスラム教徒3人が、2010年12月
から2011年11月にかけてロンドンで大規模なテロを計
画していたことを裁判で明らかにした。
計画されていたテロは、2005年7月のロンドン同時
多 発 テ ロ よ り 大 規 模 な も の で 、 3 人 は「もう 一つの
9.11」と呼んでいたという。3人は2011年9月に殺害さ
れたイエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ
(AQAP)」の米国人指導者の思想に傾倒し、英国内で
テログループを結成した。
検察当局によると、3人のうち2人がテロを計画し、
MIDDLE EAST
レバノン
レバノン
爆弾テロ 反シリアの治安機関トップらが死亡
ベイルート東郊のキリスト教徒居住区アシュラ
フィエで19日、車両爆弾が爆発し、8人が死亡、
86人が負傷した。
死者のなかには、反シリアの治安機関トップ、
ウィサム・ハッサン氏が含まれていた。レバノン
の反シリア勢力は、事件はハッサン氏の暗殺を
狙ったテロであり、背後にシリアのアサド大統領
がいると主張している。
20日には、全土でハッサン氏の死に対する抗
議行動が広がり、一部でタイヤが燃やされるな
どしたという。
また、21日にはベイルートでハッサン氏の葬
儀が行われ、数千人が参列した。一部の参列
者が政府の建物に押しかけ、親シリア路線のミ
カティ首相の辞任を求めるなど抗議を行い、治
安部隊と衝突した。治安部隊は威嚇射撃と催涙
ガスで鎮圧に当たったが、多数の負傷者が出た
模様。
パキスタンにあるアルカイダの軍事訓練施設で爆弾や
化学兵器の製造方法を学んでいた。
具体的には、リュックサックに爆弾を詰め込んで自爆
するテロや人混みの中で時限爆弾を爆発させるテロな
どを計画していたという。
しかし、テロ資金を調達しようと株取引に手を出した
ところ多額の損失を被ったため、テロの実行が困難に
なったとされる。
今回の裁判が行われるまで、テロの標的などは明ら
かにされていなかった。3人は容疑を否認しており、裁
判は今後数週間にわたって続く見込み。
AFRICA
リビア
リビア
旧政権の主要拠点を暫定政府側が制圧
リビア暫定政府は24日、政府が支援する民兵団が、故カ
ダフィ大佐の主要拠点の一つだったバニワリドを戦闘の結
果、制圧したことを明らかにした。バニワリドは、トリポリ南東
約140キロに位置している。
米国に拠点を置く人権監視団体は、民兵団による攻撃は
故カダフィ派による報復の可能性を高めると非難したうえで、
暫定政府に対し、報復攻撃が発生した際に住民が巻き込ま
れないための対策を講じるよう要請した。
南アフリカ
南アフリカ
ヨハネスブルク 護送車内で爆発 2人死亡
ヨハネスブルクにある刑務所前で22日、受刑者36人が
乗った護送車内で爆発があり、少なくとも2人が死亡、15人
が負傷した。南アフリカ警察が明らかにした。
警察によると、2人の受刑者が逃走を図ろうとして爆発物
を起爆させた。その際、1人が逃走したが、警察の銃撃で負
傷して拘束されたため、逃亡者は出なかった。
警察は、護送車が裁判所から刑務所へ移動するときを
狙った脱走計画があったとみて捜査を進めている。
今週のコメント:恐ろしい脱法ドラッグ
米国で麻薬に似た幻覚症状や興奮作用があり、合法ハーブなど
と呼ばれて販売されている脱法ドラッグを服用した若者が、事件、
事故を起こすケースが相次いでいる。服用した若者が自殺するケー
スもあり、大きな社会問題になっている。「危険な薬物が、近所のコ
ンビニやガソリンスタンドで売られているなんて」、「子供達はハーブ
は安全だと思っている」と脱法ドラッグの被害により子供を失った親
たちが、全米各地で抗議の声を上げている。日本でも一段の規制
強化が叫ばれている脱法ドラッグについて、日米の最近の状況を取
り上げる。
1.脱法ドラックとは何か
これは、法律に基づく取り締まりの対象になっていない薬物で、麻
薬と同様の効果を持つ物質を指す。米国では、「HERB」と書いた大
きな看板やのぼりを掲げた場所で販売されている。しかし、ここで
売っているのは料理に使うハーブ(香草)とはまったく別物で、見た
目はポプリみたいに乾燥させた植物の花や葉に、合成カンナビノイ
ド(化学成分)を添加したものである。合成薬物のほとんどは、その
構造の一部を組み替えて、類似薬物(アナログ)を容易に生みだす
ことができる。ある薬物が当局により規制されても、それに代わるも
のをいくらでも製造できるため、取り締まりがイタチごっこになってい
るケースがみられる。
2.米国の取組み
全米中毒管理センター(AAPCC)に寄せられた脱法ドラッグにつ
いての相談件数は、2010年に約3,200件だったものが、2011年に
は約1万3,000件と4倍以上になった。脱法ドラッグが急速に若者に
広がった大きな理由は、大麻や覚せい剤に比べて1回数十ドルと価
格が安いためである。今年7月、オバマ大統領は、多くの脱法ドラッ
グに含まれる31種類の化学物質を違法薬物に指定するとともに、
化学構造が少し違っても類似した物質であれば取り締まりの対象と
する包括規制の連邦法に署名した。これにより全米各地で薬物の
一斉摘発が行われ、製造に関わる90人以上が逮捕され、1,900万
袋分の薬物が押収された。コンビニやガソリンスタンド、たばこ屋な
どで売られていた合法ハーブも姿を消した。しかし、違法とされてい
ない化学物質を含んだ新たな脱法ドラッグが早くも市場に出回り始
めたとの報道がある。これらの化学物資は、肥料や衣料品の原料
などの名目で、中国やインドなどから輸入されている。
3.日本の現状
日本で脱法ドラッグが広く知られるようになったのは、1990年代末
の「マジックマッシュルーム」の出現である。米国でLSD(幻覚剤)が
規制されたあと、それに代わるドラッグとしてマジックマッシュルーム
(キノコが幻覚成分のサイロシンなどを含有)が登場し、多数の事件、
【外務省発出渡航情報】
「渡航情報」は、渡航、滞在にあたっ
て特に注意が必要な場合に発出され
る情報で、治安情勢や安全対策の目
安を示す「危険情報」、限定された期
間、場所、事項について速報的に発
出される「スポット情報」、複数の国や
地域にまたがる範囲に発出される「広
域情報」があります。各情報の詳細は
以下のとおりです。
・外務省海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/
(各国機関リンク)
・米国国務省:
http://travel.state.gov/travel/cis_pa
_tw/tw/tw_1764.html
・英国外務省:
http://www.fco.gov.uk/
事故が起きた。例えば、●マジックマッシュルームを取り扱っていた
アルバイト女性が薬物中毒死(1998年7月)、●大学生がマジック
マッシュルームを学内で食べて、錯乱状態(1999年9月)、●俳優
がマジックマッシュルームを食べて救急車で緊急搬送(2001年4
月)、●マジックマッシュルームを食べたあと、車を運転中に幻覚症
状から他の車に追突してケガをさせた(2001年8月)。こうしたことか
ら、厚労省は2002年5月、マジックマッシュルームを麻薬植物に指
定したことで、問題は一応終息に向かった。しかし、代わって新たに
登場したのが、「ケミカルドラッグ」、「スマートドラッグ」などと呼ばれ
るさまざまな合成薬物である。なかでも、「ゴメス」はサイロシンに似
た化学構造をもつ薬物で、2005年に麻薬に指定されるまでの間、
国内に広く出回った。このため政府は2006年に、脱法ドラッグ対策
として「指定薬物制度」を設けて、厚労省が有害性があると認めた
物質は、直ちに麻薬などに指定することができるようにした。ところ
が、ここでもある物質を規制対象に加えると、たちまちアナログが現
れてしまうイタチごっこが続いている。事件、事故は、今年になって
からでも、●京都の高校生が脱法ハーブを吸ったあと、車を運転し
て前方の車に追突して3人を負傷させた。●放送局職員2人が、脱
法ハーブを吸引したあとに意識がもうろうとして救急搬送された、な
どがある。現在、日本でも米国が採用した包括規制の導入が検討さ
れているが、すでに米国で起きているように、新しいタイプの薬物が
続々と登場しており、万全ではないという現実がある。警察庁が公
表した薬物関連事件の検挙件数をみても、2012年上半期(1∼6
月)に9,220件あったが、うち脱法ドラッグ関係は、わずか6件だった。
4.「ダメ。ゼッタイ。」
国際化、情報化が進んだ今日、日本では3度目の薬物乱用期に
ある(第1次は昭和20年代後半、第2次は昭和50年代後半)。今回
の特徴として、インターネットの通信販売などを通じて、脱法ハーブ
が海外から日本に大量に入っていることが指摘される。「脱法」や
「合法」という言葉に加え、麻薬などに比べて「恐ろしい」というイメー
ジが希薄なこともあって、若者らの間で薬物の浸透が止む気配がな
い。では、なぜ「ダメ。ゼッタイ。」なのか。理由は、(1)薬用乱用が脳
の中枢神経を侵し、脳を破壊する。(2)1度始めると止められなくな
る、からである。国連麻薬犯罪事務所(UNDOC)の2008年版によ
ると、薬物乱用者は世界に2億人以上いて、米国には1,950万人、
日本には300万人いる。国内外で、社員が麻薬関連リスクに晒らさ
れる機会が増えている。ストレスの高い仕事で薬物の利用者が増
大するとの報道もある。海外では単に麻薬を所持しただけで懲役刑
に処せられる国も少なくない。企業・団体は、状況把握に努めるとと
もに「ダメ。ゼッタイ。」の普及に積極的に取り組むことが求められる。
◆日本外務省:10月26日発出渡航情報(最新情報7日分)◆
■危険情報:なし
■スポット情報:ベネズエラ(カラカス首都区における誘拐事件の多発に関する注意喚起)、クウェート(大規
模デモの発生に伴う注意喚起)、ウガンダ(マールブルグ病(出血熱)の発生)、パナマ(コロン市における暴
動の発生に関する注意喚起)、ホンジュラス(予備選挙期間中における注意喚起)、シリア(ダマスカスにお
ける爆発事件の発生に伴う注意喚起)、レバノン(ベイルート市内における爆発事件の発生に伴う注意喚
起)、タイ(タイ南部におけるテロの脅威に対する注意喚起)、タンザニア(ザンジバルでの暴動発生にかかる
注意喚起)
◆米国国務省、英・豪・加国外務省:10月26日発出渡航情報(7日分) ◆
■ジャマイカ:「渡航の是非を検討」(加)■イラン:「渡航の延期をお勧め」(加)■エジプト、コンゴ民主共和
国:「渡航の是非を検討」及び地域により「渡航の延期をお勧め」(加)
■キューバ、バハマ:地域により「渡航の是非を検討」(加)■アフガニスタン:「渡航の延期をお勧め」(豪)■
バングラデシュ、パナマ:地域により「渡航の延期をお勧め」(加)■レバノン:「渡航の是非を検討」及び地域
により「渡航の延期をお勧め」(英)(加)■ベネズエラ、スーダン、ナイジェリア、パキスタン、ロシア:地域に
より「渡航の延期をお勧め」及び「渡航の是非を検討」(英)■イスラエル、イエメン、エリトリア、ジブチ、ウガ
ンダ、ソマリア:「渡航の延期をお勧め」(英)■エリトリア、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、レ
バノン、モーリタニア:「渡航の是非を検討」及び地域により「渡航の延期をお勧め」(豪)■アンゴラ:地域に
より「渡航の是非を検討」(豪)■ルワンダ、ケニア:地域により「渡航の是非を検討」(英)
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