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平成 24 年度愛知県国民健康保険団体連合会事業報告

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平成 24 年度愛知県国民健康保険団体連合会事業報告
平成 24 年度愛知県国民健康保険団体連合会事業報告
国民皆保険の基盤となる国民健康保険制度(以下国保制度という)は、その維持・強
化が順次図られるとともに、近年は健康増進・疾病予防や健康寿命延伸の側面において
も大きな役割を果たしているところです。
しかし、国保制度は非自発的失業者や高齢者の国保加入率が高いなど構造的な問題を
抱えるとともに、少子高齢化の進展による医療費の伸びや、経済状況の長引く低迷など
により、事業運営及び財政運営については、依然として大変厳しい状況となっておりま
す。
(医療制度改革等)
平成 24 年 4 月に財政運営の都道府県単位化の推進、都道府県調整交付金の引上げ、市
町村国保の財政基盤強化策(高額医療費共同事業・保険財政安定化事業)を恒久化する
ことなどが盛り込まれた国保法の一部改正が成立しました。その後同年 8 月に成立した
社会保障・税一体改革法案では、消費税 5%の引き上げの増収分を社会保障の充実・安
定化に充てることとしており、医療分野においては、低所得者対策として市町村国保に
2,200 億円の財源を確保し、保険者支援制度に 1,700 億円、保険基盤安定制度に 500 億
円が充てられることになっております。
さらに同年 11 月に設置された政府の社会保障制度改革国民会議においては、医療・介
護・年金の改革、少子化対策の検討が開始され、医療保険制度の財政基盤の安定化等に
ついての議論がなされるとともに、今後の後期高齢者医療制度についても必要に応じ同
会議で検討し、一定の結論を得ることとなっております。
一方、審査支払機関の在り方については、平成 24 年 9 月 7 日の衆議院決算行政監視委
員会において「行政監視に基づく事業の見直しに関する決議」のフォローアップに基づ
く決議が行われ、レセプト審査事務の質の向上とコスト削減について、競争原理が働か
ない障壁を取り除く努力を真剣に行なうことを求めるとされ、同決議に対し、官房長官
が、審査事務の質の向上とコスト削減、医療費請求の適正化について、決議の趣旨を踏
まえ、今後とも一層努力していく旨を発言されました。
これらを受けて、支払基金、国保中央会、厚生労働省で審査・支払事務に関する両機
関共通の課題について意見交換・調整する「審査支払機関業務連携打合わせ会」が設置
されました。
本会といたしましては、これらの動向を注視するとともに本会中期経営計画に明記し
た役割や責務を十分認識し、保険者及び関係機関と連携を取りながら適確に事業運営を
努めてまいりました。
(第一期中期経営計画について及び第二期中期経営計画の策定)
平成 20 年度から平成 24 年度の 5 年間を計画期間とした第一期中期経営計画は、
「協
働」
「改革」
「高付加価値」という 3 つのキーワードを基本姿勢とし本会が国保、介護保
険、後期高齢者医療制度の安定運営に寄与し、保険者に信頼と安心を提供することを目
標とし、
「財政基盤の確立と健全な財政運営」
「組織及び人事管理体制の整備」
「審査支払
事務の効率かつ適正化」
「保険者及び市町村サービスの充実・強化」及び「安全管理体制
の確立」の 5 つの具体的施策により計画を実行してきました。毎年「国保事務等改革会
議」において、保険者の皆様からご意見を頂きながら計画を遂行してきたところであり
ますが、事務のIT化推進による経費の節減(適正な人員体制)
、国保診療報酬等審査支
払手数料の適正化、高点数レセプト等の重点審査の充実・強化等各計画において概ね目
標を達成いたしました。
平成 24 年度は、急速に変化する社会情勢を見据え、保険者サービスの更なる充実と改
革を推進するため、第一期計画の 5 つの具体的施策に「情報を活用した業務の拡大とセ
キュリティ対策」の項目を加え、平成 25 年度から平成 27 年度までの 3 年を期間とする
第二期中期経営計画を策定いたしました。
(国保総合システム導入に伴う対応)
平成 23 年度からのレセプトの原則電子請求化を念頭に、保険者支援機能の拡充・強化
などを図るため、平成 23 年 10 月から国保総合システムを導入しました。
これにより、レセプト管理システムの活用で紙レセプトでの運用を電子データ化する
ともに、電子レセプト請求に対する診療報酬の支払早期化(24 年 4 月支払分から)を実
施するなどの業務の効率化に努めてまいりました。
しかしながら、国保共同電算処理を中心にシステムの不具合が多数発生するなど、シ
ステムには未だ不安定な要素もあるため、国保中央会へ不具合対策と品質強化を働きか
けるとともに、本会独自で外付けシステムの追加、改修や運用の見直し改善を行うなど、
安定稼働に向け努力してまいりました。
(診療報酬審査支払事業の充実・強化)
国保及び後期高齢者医療にかかる審査業務につきましては、審査担当職員による事務
共助の充実強化のための審査専門スキルアップ研修の実施、高点数レセプトを重点的に
点検する体制の整備、電子請求の特性を生かした二画面審査及び機械チェックによる点
検の拡充を行うことにより、診療報酬の適正化に向け審査を行ってまいりました。
また、審査支払機関における審査の判断基準の統一化を図るための中央連絡協議会の
動向や全国国保診療報酬審査委員会会長連絡協議会での「審査の充実に向けて」の協議
を踏まえ、本会においても支払基金支部の査定率を念頭においた査定率の数値目標を新
たに作成した「第二期中期経営計画」の中で設定いたしました。
支払業務につきましても、高額療養費の現物給付が外来診療にも拡大されるなど、複
雑多様化する医療費算定に対応した請求支払システムにより医療費支払業務を適正に行
なってまいりました。
平成 24 年度の国保の取扱件数は、前年度に比べ 0.5%減の約 3,229 万件、医療費支払
額は、前年度に比べ 0.4%減の約 4,783 億円となっており、後期高齢者の取扱件数は前
年度に比べ 5.8%増の約 2,165 万件、医療費支払額は、前年度に比べ 4.8%増の約 6,274
億円となっております。
(介護福祉事業)
介護保険制度は、高齢者を支える制度として地域住民に広く浸透し、欠くことのでき
ない制度となっていますが、介護サービス利用者の増大により介護給付費の増加が大き
な課題となっております。
平成 24 年度につきましても、介護給付費の審査支払事務の円滑な業務遂行に努めてお
り、介護給付費の取扱件数は前年度に比べ 7.2%増の約 615 万件、介護給付費支払額は
前年度に比べ 7.6%増の約 3,649 億円となっております。
また、平成 22 年 4 月から保険者支援の一環として、本会が受託している介護給付費に
おける縦覧審査につきましても、引き続き適確に行なってまいりました。
苦情・相談業務につきましては、平成 24 年度における苦情申立、相談等の総件数は前
年度に比べ 1.6%増の 713 件となっております。介護サービス利用者の増加により、サ
ービスに対する質などの相談の件数は増加し内容も複雑化しておりますが、県、保険者
と連携を取りながら、適切な業務遂行に努めてまいりました。
障害者自立支援につきましても、事業者への支払等について円滑な業務遂行に努めて
まいりました。平成 24 年度における障害介護給付費の取扱件数は前年度に比べ 5.3%増
の約 47 万件となっており、障害介護給付費支払額は前年度に比べ 13.8%増の約 685 億
円となっております。
平成 24 年 4 月より「障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法
律」の施行に伴い、児童福祉法を基本とした障害児通所給付費等の支払事務が開始され、
平成 24 年度につきましては、取扱件数は約 8 万 8 千件、支払額は約 64 億円となってお
り、事業者への支払等について円滑な業務遂行に努めてまいりしました。
(保健事業及び特定健康診査・特定保健指導事業)
市町村の保健活動を推進するため、健康体操普及事業・健康相談事業等への講師派遣
などの技術的支援を行なうとともに、生活習慣予防事業・健康づくりリーダー育成事業
などの協働的支援も幅広く実施してまいりました。
また、啓発事業といたしまして、健康づくりポスターコンクールの実施、各種健康イ
ベントへの参画などを行うとともに、各事業ごとに、アンケートや聴き取り調査を実施
するなど、保険者ニーズの把握に努め、保健事業のより効果的な実施に向けた改善に努
めてまいりました。
特定健診・特定保健指導につきましては、健診等に係る費用決済及びデータ管理を含
む共同処理、受診率向上対策キャンペーン事業、保健師・栄養師等を対象にしたスキル
アップ研修を実施するなど、保険者の円滑な事業運営を積極的に支援するとともに、医
療費や特定健診結果データを活用し、地域の特性や住民の健康課題に沿った保健事業を
支援してまいりました。
また、本会が保有する「健診・保健指導」
「医療」「介護」等の各種データを活用し、
市町村へ予防対策に効果的な情報提供を行うための国保データベース(KDB)システムに
つきましても平成 25 年 10 月の導入に向け準備を進めておりますが、本会としても医療
分析データの提供やデータの活用について、保健師等を対象とした研修を行なうなど周
知に努めてまいりました。
(保険者事務共同事業等)
保険者事務について、本会において共同処理を実施することにより、事務処理の効率
化及び事業の円滑な運営を行ってまいりました。
保険者事務共同電算処理事業では、国保保険者共通の事務であるレセプトの資格点検、
レセプト管理システムの運用管理及び各種統計資料等の作成を行い、保険者の要望に応
じ、後発医薬品差額通知及び医療費通知の作成、高額医療費・高額介護合算の支給額計
算処理及び退職適用適正化処理等についての共同処理を行うなど、保険者業務の効率化
に努めてまいりました。
高額医療費共同事業及び保険財政共同安定化事業につきましては、市町村国保間の保
険料の平準化、財政の安定化を図ることを目的として実施されており、平成 27 年度以降
恒久化され、事業対象もすべての医療費に拡大されることになりました。
平成 24 年度の保険財政共同安定化事業交付金の総額は約 505 億円、高額医療費共同事
業交付金の総額は約 127 億円となっており、保険者の国保会計に占める割合が高く影響
も大きいため、正確な推計と適切な処理に努めてまいりました。
また、第三者行為(交通事故)損害賠償求償事務共同処理事業につきましては、保険
者事務の軽減と医療費等の適正化を図るため、国民健康保険、後期高齢者医療及び介護
保険に係る求償事務に努めてまいりました。
平成 24 年度における取扱件数の総計は 2,720 件、
求償金額は約 15 億円となっており、
国保加入者が交通事故により医療機関へ受診する際、国保窓口への届け出を行っていた
だくためにリーフレット及びポスターを作成配布するとともに、保険者の求償事務担当
者を対象とした研修会を開催するなど、保険者支援業務についても積極的に努めてまい
りました。
さらに、後期高齢者医療広域連合の業務につきましても、レセプトの資格点検・二次
点検業務、レセプト管理システムの運用管理、過誤・再審査処理業務等を受託し実施す
るなど、後期高齢者医療広域連合の事務負担軽減に貢献してまいりました。
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