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米国の化学プラント建設、立上げ、合併状況等(2007年11月現在)

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米国の化学プラント建設、立上げ、合併状況等(2007年11月現在)
情報報告 シカゴ
●米国の化学プラント建設、立上げ、合併状況等(2007年11月現在)
1.プラント立上げ
BASF テキサスに2工場を開設(2007年10月8日)
BASFは、同社のテキサス州フリーポート用地に新しい2工場を開設した。ノースカロライナ
州エンカにあった工場の代替となるポリアミド生産ラインの生産能力は120,000m.t./年である。
新しい超吸収性ポリマー(SAP)の生産工場の生産能力は、180,000m.t./年で、ミシシッピー
州アバーディーン及びバージニア州ポーツマウスの既存工場に代わるものとなる。この2工場の
原料であるカプロラクタム及びアクリル酸は、フリーポートにある同社の工場から供給されるこ
とになる。
バセルの技術 ポリプロピレン工場にライセンス供与(2007年10月8日)
カタール石油は、カタール石油化学コンビナートプロジェクトの一環としてカタールのメサイ
ードに建設予定の700,000トン/年のポリプロピレン工場のため、バセルのSpheripol技術を選択
した。このユニットは、カタール石油及び韓国のホナム石油化学の共同運営となる。2011年稼動
予定となっている。
メトソ グラディアに鉱物処理工場を納入(2007年10月2日)
メトソ(Metso)ミネラルは、鉛と亜鉛の濃縮物のサプライヤーであるグラデイア(Gradir)モン
テネグロのモンテネグロ鉱山にある工場に鉱物処理工場を供給する。納入は2008年第2四半期に
終了する予定である。約7百万ユーロに及ぶ注文には、破砕、スクリーニング、粉砕、重選、フ
ローテーション、フィルタレーション及び選鉱くず処理用器機が含まれる。この拡張が完了する
と、鉱山の生産量は、現在の170,000m.t./年から500,000m.t./年になると予測されている。
エヴォニック アルコキシド生産を増加(2007年10月2日)
エヴォニック(Evonik)工業は、同社のアラバマ州モービルの用地にアルコキシド生産施設を建
設する予定である。同工場は60,000m.t./年の生産能力の設計になっておリ、2009年初に生産が始
まる予定である。ブラジルの2つ目の施設は翌年の稼動計画となっている。
バイオ燃料及び発電所に105百万ドルの投資計画(2007年10月1日)
ダイナモーティブ・エナジー・システム社及びその子会社であるダイナモーティブ・ラテンア
メリカナ社は、アルゼンチンのコリエンテスにバイオ燃料を使う自己完結型の発電所を2ヶ所開
発するため、105百万ドル程度を投資する詳細計画を提出したと発表した。各施設は、周辺の森林
から出る木材の廃材、その他のバイオマスの残留物を原料とする200トン/日のモジュール・プラ
ント2基で生産される燃料を使う15.7MWの発電所を持つことになる。来年末にフル稼働が予想さ
れている施設の開発と建設は、ダイナモーテイブとアルゼンチンの大手建設会社であるテクナ
(Tecna)が共同であたる。
ケムプロ・グループ モジュール・タイプのエタノール工場を設計及び建設(2007年9月29日)
ケムプロ(ChemPro)グループはミズリー州クレイグのゴールデン・トライアングル・エナジーと、
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情報報告 シカゴ
トウモロコシを使った醗酵飼料から高品質のエタノールを生産するモジュール・タイプの蒸留、
脱水工場を設計、建設する契約を交わしたと発表した。この施設は、複数の独立の蒸留コラム、
プロセス・モジュール7基及びそれを接続する階段式モジュールを持つものになる。工場の建設
は2007年に開始し、2008年第1四半期に稼動開始が計画されている。
SAFC 高力価のAPI醗酵能力を拡張(2008年9月26日)
シグマ・アルデリッチ・グループのメンバーであるSAFCは、エルサレム工場において高力
価生物製剤系原料の生産能力を大幅に拡大するために29百万ドルの投資を行うと発表した。この
拡張により、SAFC製薬は、大量の高力価、毒性又は危険な製薬剤を要求する顧客用に工程開
発及びcGMP(米国医薬品適正製造基準)による製造が出来るようになる。この拡張は2009年
第1四半期の完了が予定されており、同社のウィスコンシン州マディソンにあるマルチ・ステッ
プ、有機合成の最重要工場の補完となり、能力を拡大することが期待されている。
2.合併、買収及び取引
イネオス・シリカとPQ社が合併(2007年10月11日)
イネオスとカーライル・グループは、カーライル・グループが2007年7月に買収した特殊化学
剤を扱うPQ社とイネオス・シリカを合併させる合意をした。提案されている合意条件では、カー
ライル・グループが約60%の株式を持ち、イネオスが約40%を持つことになる。財務的条件の詳細
は開示されていない。この合弁により、この会社は特殊無機化学剤、触媒、加工ガラス商品にお
いて年商10億ドルの世界的規模の生産者となる。
ランクセス 2つのポートフォリオ調整を完了(2007年10月2日)
ランクセス(Lanxess)社のラストラン・ポリマー事業部門は、英国の化学品グループであるイネ
オスとの新しい合弁会社であるイネオスABSの一部となった。ランクセスは、その合弁会社の
49%を当面所有し、イネオスが経営をすることになっている。ランクセスの持つ少数持分に関し
ては、イネオスが2年間で買い取ることが合意されている。その一方で、ランクセスは、100%子
会社であり、コーティングの添加剤、エマルジョン塗料、印刷用インキに特化しているボーチャ
ース(Borchers)社を米国のOMグループ(OMG)に売却した。
ハルドア・トプセ、サイペムのハルドア・トプセA/S株式を買収(2007年9月27日)
現金340百万ユーロでサイペム(Saipem)の50%の株式を買収したことで、ハルドア・トプセ
(Haldor TopsØe)博士は、ハルドア・トプセの全株式を所有することになった。サイペムは、1972
年にハルドア・トプセA/Sにハルドア・トプセ博士と一緒に投資をしたシャンプロゲッティの
オーナーである。ハルドア・トプセA/Sは、コペンハーゲンに本社を置きグローバルなオペレ
ーションをしながら、触媒及び関連プロセス技術の革新的な研究をベースとしてソルーションの
提供する現在の事業を継続していく。
(出所:ケミカル・エンジニアリング)
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