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庁議資料 報告 平成27年4月1日 政策部秘書広報課

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庁議資料 報告 平成27年4月1日 政策部秘書広報課
庁議資料
報告
平 成27年4月1日
政策部秘書広報課
平成26年度定住促進プロジェクトチーム報告書について
1.基本的な考え方
本市への流入人口の増加,また人口流出の抑止により,地域の活性化と住民生活の向
上を推進するため,定住促進施策について検討を行う。
2.内容(詳細は別紙参照)
(1)平成25年度の人口の動き
(2)平成26年度の検討について
(3)ヒアリングおよび調査
(4)平成26年度定住施策の振り返り
(5)具体的施策の実施状況等
(6)おわりに
・更なる定住促進に向けての課題については,今後も引き続き,必要に応じて,定住
促進プロジェクトチームにおいて検討を進める。
3.プロジェクトチームについて
平成 24 年 10 月発足。主に係長級のメンバー9 人で構成。
(メンバー)
部名
課名
職名
名前
政策部
総合政策課
室長
山平智宏
財政部
財政課
主任
藤原雅彦
財政部
税務課
係長
榊原智生
市民生活部
市民課
課長補佐
藤原記子
社会福祉部
子育て支援課
主幹
琵琶学
産業振興部
商工観光課
主査
甫喜山昇平
産業振興部
農林水産課
係長
津田岳史
建設部
都市計画課
係長
藤原孝明
政策部
秘書広報課
室長
森野博
平成 26年度 定住促進プロジェクトチーム 報告書
平成27年3月31日作成
目
次
始めに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1 平成 25 年度の人口の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2 平成 26 年度の検討について・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
3 ヒアリングおよび調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
(1)ふるさと回帰支援センター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
(2)笠岡市定住推進センター・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
(3)新築住宅調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
4 平成 26年度定住施策の振り返り・・・・・・・・・・・・・
10
(1)空き家改修費補助・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
(2)新築向け太陽光発電補助・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
5 具体的施策の実施状況等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
6 おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
1
始めに
定住促進プロジェクトチームについて
玉野市の人口は、昭和 51 年に 8 万人を超えピークを迎えたのち、現在に至るまで減少の
一途をたどっている。国立社会保障人口問題研究所の推計によれば、今後も減少を続け、
平成 42 年には人口が 5 万人を切ることが予想されている。
人口減少は、一般に以下のような影響を及ぼすと言われている。
・空き家の発生
・消費者の減少による、商業販売額の低下
・人通りの減少による、街の活力の低下
・市民税・法人税など、税収の減少
・人口密度の低下による、行政の非効率化
・社会活力の維持や労働力の確保の困難化
・今までの形のコミュニティ維持の困難化
結果として、人口減少がさらなる人口減少を生む、負のスパイラルが生まれかねない。
人口減少は地方自治体の存在意義を左右する、極めて重要な問題である。
懸念されるこれらの影響を抑止するため、平成 24 年 10 月 31 日に、定住促進施策につ
いて検討を行うプロジェクト・チームを立ち上げ、平成 24 年 12 月 3 日に中間報告書、平
成 26 年 2 月 27 日に報告書を作成したところである。
2
1 平成 25 年度の人口の動き
平成 26 年 3 月 31 日現在の玉野市の人口は 63,246 人であり、前年度に比べて 854 人の
減少(▲1.33%)であった。
これにより人口のピークであった昭和 51 年から、37 年連続の減少となった。
※平成 24 年 7 月 1 日から外国人住民が住民基本台帳の対象に加わっている。
※平成 25 年度報告書までは岡山県住民基本台帳人口を使用していたが、平成 26 年から
岡山県住民基本台帳人口は基準日を 1 月 1 日と定めていることから、平成 26 年度報告
書においては基準日が 3 月 31 日である、玉野市住民基本台帳人口を使用することとし
たため、前年人口統計と単純な比較はできない。
平成 25 年度の人口動態については、出生 362 人、死亡 847 人、転入 1447 人、転出 1771
人であり、自然減 485 人、社会減 324 人と、近年の傾向と同じく自然減が社会減を上回っ
た。
棒グラフ
折線棒グラフ
住民基本台帳 各年度末現在
※職権消除等の要因は無視している
※年度ごとの動態を表しているため、外国人を台帳に加えた影響は本グラフには
ほとんど見られない
3
また、去る平成 26 年 5 月 8 日に民間の政策提言組織である、日本創成会議・人口減少問
題検討分科会がまとめた、
「ストップ少子化・地方元気戦略」において、市区町村別将来推
計人口の報告があり、人口移動が収束しない場合、2010 年~2040 年の 30 年間で、全国
の自治体の約 5 割が 20 歳~39歳の女性人口が半減するとの試算を発表し、玉野市は
55.4%減少すると推計され、
「消滅可能性都市」との位置づけをされている。
4
2 平成 26 年度の検討について
平成 25 年度の報告書において、施策の検討に際しては、
① これから家を建てる可能性がある会社勤めの若い人
② 手に職を持って移住を考えている若い人
③ リタイア後の選択肢として移住を考えている人
などの「ターゲットを分けて検討を進めるべき」とまとめたところであるが、上記のと
おり、日本創生会議において、20 代~30 代の女性が減少すると推計されていることから、
今後は 20 代~30 代の若い女性もターゲットに含めて検討を進めることにした。
④20 代~30 代の若い女性
平成 26 年度の報告書をまとめるにあたり、
・類型①②③④について総合的な知見を得るため、東京・大阪で移住を支援する NPO
の担当者へのヒアリング
・県内でも定住施策を多く実施している笠岡市定住センターへのヒアリング
・新しい施策検討のため、平成 25 年中に玉野市内へ新築の家を建てた人の調査を実施
・具体的施策の実施状況の検証
などを行った。
5
3 ヒアリングおよび調査
(1)移住を支援する NPO(ふるさと回帰支援センター)
対
象:NPO 法人ふるさと回帰支援センター
窓口相談員、おかやま晴れの国ぐらし IJU アドバイザー
ふるさと回帰支援センター:
地方で暮らし生活することを希望する都市生活者や定年退職者などの
ために、受け入れ体制や技術指導などの基盤整備を目的に設立された
NPO 法人。東京と大阪に事務所を構える。
センター内には回帰センターが雇用する IJU アドバイザーが常駐する。
東京に専任相談員がいるのは福島、山梨、岡山、青森、秋田(土曜日の
み)
、広島(県職員)の6県。
大阪に専任相談員が駐在しているのは岡山県のみ。
岡山県主催等のフェア・相談会
・岡山県は人気がある。東京で相談会をすれば 200~300 人前後の人が来場し、大
盛況である。このことからも移住先として現在も岡山県は注目されている。
・来場者はリタイヤ層よりも、子育て世代が多く、相談会では託児スペースを設け
るなどの対応を図っている。
・岡山市では行政、岡山県宅地建物取引業協会、民間の人材派遣団体、ハローワー
クと連携して相談会を開催している。住む環境、家、職探しなどがセットになっ
ていてとても人気がある。また、岡山市の支援団体も相談会に参加しているため、
相談者は移住先の繋がりもでき、非常に心強い。
受入体制について
・岡山県内 27 市町村あるが、移住・定住の看板を掲げているところは、約半数程度。
移住希望者は看板をかかげているところには、自分たちのために時間をとっても
らえるという印象を受ける。
・移住相談窓口の対応でその土地に移住を決意した人もいる。窓口は大変重要。
・移住・定住パンフレットに関しては、作っていない自治体の方が少ない。パンフ
レットがない自治体は、移住希望者を受け入れる気がないと思われる。
・久米南町、里庄町などのパンフレットは温かい印象を受け、来て欲しいのが伝わ
る。
・移住希望者からは、どこの自治体が一番支援してくれるか、子育てしやすいです
かとの質問が多いが、目先の支援よりもコミュニティや働く場所、その町が気に
入って、その先に支援があるのが大事。支援だけではリスクが高い。本人の求め
6
ているライフスタイルが思っているものと違っていると定住には結びつきにくい
のではないか。
お試し住宅について
・お試し住宅はお願いしたい。その土地の持つ雰囲気や住民の気質を知ってもらう
ことが重要だが、安価で試せるのも大きい。ただし、実施している他市町村から
お試し住宅のトラブルは特に聞いていないが、使用料が安いため、ホテル代わり
に使われているとも聞いている。見極めが難しいが、一つの方法としてお試し住
宅活用期間中に空き家を見てもらうなど、半強制的に行政側で時間を拘束するメ
ニューを盛り込むことなどは有効な手段ではないか。
移住体験ツアーについて
・移住体験ツアーを実施している自治体は多い。岡山市は今年度、実施したところ
募集人数の倍の参加者が集まった。津山市も単独でツアーを実施している。また、
岡山県でも平成 27 年度に移住体験ツアーを予定している。県南と県北を一度に回
ることができるのは、移住希望者にとっては非常に魅力的である。
・大きい自治体であれば、知名度もあり、単独での実施が可能であるが、小さい自
治体となれば、知名度も低く、募集に際しても苦労することから、近隣自治体等
と連携して実施することが、自治体にとっても移住希望者にとってもメリットが
あるのではないか。
・移住体験ツアーを実施するのであれば、まずは対象をどこに絞るか。シニアなの
か子育て世代なのか。シニア世代であれば空き家めぐり、魚釣り、道の駅、農園、
海岸沿岸部など、子育て世代であれば、保育園、幼稚園、小学校などの教育環境、
子育て環境など、必ず入れて欲しいのは民間支援団体、先輩移住者との交流はも
ちろんであるが、コミュニティの役員の方や地元の人たちとの交流が大事である。
(2)笠岡市定住促進センターへのヒアリング
笠岡市は定住促進事業の実施、各部署との連携・協力及び各課定住促進施策の提案、
情報の集約・提供などの業務を遂行するため、笠岡市定住促進センターを平成21年
から開設しており、移住・定住に向けた施策を県内で率先して実施しているため、今
後、玉野市の施策事業の参考とするために主な事業のヒアリングを行った。
笠岡市実施事業
【新築助成金交付事業】
平成 25 年度 98 件 建築費用の 1/10(限度額 100 万円)を助成
全体
98 世帯 357 人
3.6 人/世帯
7
市内→市内 63 世帯 242 人
3.8 人/世帯
市外→市内 35 世帯 115 人
3.28 人/世帯
平成 26 年度 予算 70,000 千円(当初 50,000 千円+9 月補正 10,000 千円+12 月
補正 10,000 千円)
1月末現在 受付(交付申請)件数 58 件 支払件数 55 件
※申請された時期に関わらず要件を満たしていれば助成金を支給するため、予算不足に
なれば補正予算で対応
【新婚世帯家賃助成金交付事業】
平成 26 年度開始事業
平成 26 年 4 月 1 日以降に婚姻された新婚世帯に対する家賃助成制度
助成額 最高月額 1 万円を 24 カ月分
年度ごとに笠岡市内共通商品券で助成
予算 1,440 千円 1 月末現在申請受付 11 件
【固定資産税相当額一部助成事業交付事業】
笠岡市内に新たに住宅を取得(新築・購入)された個人を対象に固定資産税の2分の1
に相当する額を助成
・平成 25 年度実績
・平成 26 年 1 月末現在
182 件
72 件
【空き家調査委託】
1.委託先
特定非営利活動法人 みんなの集落研究所(岡山市)
2.委託期間 平成 25 年 10 月 21 日~平成 26 年 3 月 31 日
3.委託料
3,126 千円
4.財源
委託料のうち備中県民局地方振興事業調整費補助金 1,500 千円、
残りは笠岡市一般財源
5.調査方法 調査員の外観目視による調査で、敷地内への立入は禁止
調査物件について、2方向からの写真撮影を行う。
1回/月から1回/2~3月帰省 → 空き家ではない
1回/年 帰省 → 空き家とする(町内の人に聞き取り)
6.調査結果 空き家物件総数 1,833 件、うち利活用可能 1,081 件
7.委託方法 随意契約
随意契約理由として、緊急性が高い、事業実績があることを考慮して随
契とした。
8
【空き家バンク】
平成 21 年度開始事業
平成 27 年 1 月末現在
1. 総登録件数
82 件
2. 契約件数
47 件(うち平成 26 年度 9 件契約)
3. 取り下げ件数
11 件
4. 現在提供件数
24 件(平成 27 年 1 月末現在)
※陸地部は市、島嶼部は NPO(島嶼部は先行して空き家バンクを実施していたため)
(3)平成 25 年新築住宅調査
県内の 6 自治体が住宅を新築された方を対象に助成金を支給しており、玉野市とし
ても、どの程度の方が玉野市内へ住宅を新築されているのかを調査することにより、
移住・定住者の動向を図ることを目的とし、今後の定住促進施策の基礎データの1つ
とするもの。
① 件数
123 件
②県内から玉野市へ建設件数
22 件(18%)
③県外から玉野市へ建設件数
6 件( 5%)
(数字は件数)
・定住先(地名)
田井
17 日比
2 八浜町八浜
3
築港
4 用吉
5 八浜町波知
2
宇野
12 東高崎
7 南七区
1
6 北方
1
13 胸上
1
玉
3 槌ヶ原
玉原
2 迫間
和田
8 木目
1 西田井地
3
御崎
1 小島地
3 山田
5
明神町
2 長尾
19 後閑
2
・家族構成
①市内→市内へ転居
95 世帯 314 人
3.31 人/世帯
②県内→市内へ転居
22 世帯 63 人
2.86 人/世帯
③県外→市内へ転居
6 世帯 17 人
2.83 人/世帯
9
新築傾向考察
平成25年の動向ではあるが、県内外からというよりも市内の方が市内に家を建てる
傾向が高いことがわかった。また、30歳代までに建てられた方が約7割となっている。
また、分譲地など、家を建てることのできる土地があるという環境も大きな要因とな
っているが、田井、宇野、迫間、長尾地区が人気となっている。
10
4 平成 26 年度定住施策事業の振り返り
平成 25 年度に引き続き、
「空き家改修費補助」、「新築向け太陽光発電補助」の2つの事
業を実施した。
事業の内容と実績、課題については以下のとおりである。
(1)空き家改修費補助
(内容)玉野市空き家情報提供制度(空き家バンク)を通じて、購入または賃貸する空
き家について、居住に必要な改修を行う際に、対象経費の 1/2(限度額 50 万円)
を補助する制度。
(実績)4 件(平成 27 年 1 月末)
(課題)
・空き家に住みたい人が選ぶことができるほどは物件が確保できておらず、マッ
チングがうまくいっていない。
・自分で空き家に手を加えたい人も多く、市内業者を使わなければならないこと
がネックとなり、制度を活用しない例がある。
・何年も先は見通せない中で、改修物件に 5 年住まなければならないという条件
がハードルとなり、制度の使用を難しくしている。
・初期投資に必要な費用を捻出できないケースも見られる。
(参考)空き家バンクへの登録件数は、前年度の 17 件から 12 件に減少。空き家はある
が、他人に貸すことに抵抗があることや、荷物が多く残っていて貸すことがで
きる状況ではないなどの理由から、空き家バンクの登録数はなかなか増えず、
現在も移住者が選べるだけの絶対数は確保できていない。
反面、現在の空き家バンク利用登録者数は 96 人(延べ 174 人)
、今年度だけで
38 人の登録があるなど、空き家への関心の高さが伺える。
(2)新築向け太陽光発電補助
(内容)新築物件に住宅用太陽光発電システムを設置する際、既存物件に比べて 1 万円
/kw 増額の、3万円/kw(最高 4kw)を補助する制度。
(実績)新築 20 件、既存 48 件(平成 27 年 1 月末)
(参考:利用者アンケートから)
・制度を知ったきっかけ:
住宅メーカーの紹介 56%、広報たまの 22%、市 HP 22%
・システムの導入動機:
光熱費節減 33%、売電収入 22%、環境にやさしい 22%
・住宅購入前の居住地:
市内 87%、市外 13%
11
・本制度の存在による住宅新築の決断への影響:
影響した 13%、影響しなかった 37%、どちらでもない 50%
・定住人口増加を図る上で必要なことは:
子育て応援の充実、公共交通の充実、インフラ整備、宇野地区に宅地、
街灯を増やす、若者の遊び場の確保、大型ショッピングセンターの整備 各 14%
12
5 具体的施策の実施状況等
平成 25 年度の報告書で以下の6つの施策の検討を提言したが、実施状況等は以下のとお
りである。
① PR 方法の改善
・パンフレットの作成
・ポータルサイトの開設
・定住イベントへの参加
(実施状況)
・移住・定住パンフレットを作成し、移住・定住希望者に玉野市の魅力を発信し、移
住・定住の促進を図った。
・ポータルサイトの開設であるが、閲覧件数の多い岡山県ホームページ「おかやま晴
れの国ぐらし」において玉野市情報を充実させることで、
「おかやま晴れの国ぐらし」
に訪れた移住・定住希望者に玉野市の魅力を知ってもらい、玉野市の PR を実施し、
移住・定住の促進を図った。
・7 月に「おかやま交流・定住フェア in 東京 2014」
、1 月に「おかやま晴れの国ぐら
しセミナー&相談会」東京会場、2 月に大阪会場へ参加し、移住希望者の生の声を直
接伺うことにより、移住希望者が真に求められているニーズを正確に捉えた。今後
も定住促進施策を推進し、玉野市への移住・定住の推進を図る。
② 気軽に農業を始められる環境の整備
・市民農園の整備や小規模農地の確保
(実施状況)
移住希望者には、家庭菜園規模で安全な野菜を作りたいという声が存在する。こ
れらの需要に対応するとともに、耕作放棄地問題の解消を図ることを目的に、平成
27年 8 月頃の開設を目指し、山田地内において約2千㎡(1 区画 20~40 ㎡を 50
区画程度)の市民農園を確保し、移住・定住の推進を図る。
③ 空き家改修費補助制度の改善
(実施状況)
空き家の損傷個所は、実際に居住してみなければ判明しない部分が多い。現在の
制度は、補助対象となる改修を 1 度に限定していることから、補助は入居のための
改修に対して受ける例が通常であり、結果として、入居後の追加改修については、
補助が適用されなくなっている。
そこで、これらのケースに対応し、制度をより使いやすいものとするため、平成
27年度から入居の契約日から1年までの間で、補助限度額(50万円)までなら
13
複数回の改修を補助できるようにすることで、入居後でも利用者が実情に合った追
加改修を行うことができるようになり、より制度の活用をしやすくなることで、移
住・定住の推進を図る。
④ 定住担当部署の創設
(実施状況)
これまでにもプロジェクト・チームでも検討してきたが、多様化するニーズに的
確に対応し、有効な施策を実施していくために、平成27年度に総合政策課に定住
促進に関する専門部署として、定住推進室を設置。
⑤ 空き家バンクの充実
(実施状況)
移住に際して、空き家物件の確保は重要な課題である。
平成 27 年 1 月末現在、空き家バンクへの登録件数は、前年度の 17 件から 12 件
に減少しており、空き家バンクの登録数はなかなか増えず、現在も移住者が選べる
だけの絶対数は確保できていない。
しかしながら、現在の空き家バンク利用登録者数は 96 人(延べ 174 人)
、今年度
だけで 38 人の登録があるなど、空き家への関心の高さが伺える。
空き家物件の有無や、物件の持ち主については、地域の方々が一番良く知ってい
ることから、地域と連携した、地域を巻き込んだ空き家情報が集約できる仕組みづ
くりの検討が必要である。
また、空き家バンクの充実を図るために、NPO などへの運営委託等を含め、より
良い運営方法の検討が今後も必要である。
⑥ おためし住宅の提供
(実施状況)
土地の持つ雰囲気や住民の気質などは、実際に住んでみなければ把握できない部
分があり、移住希望者は実際に短期間滞在したいという声がある。
移住者からは、
「玉野市は住んでみれば意外と便利でいいところ」という声もあり、
本市の魅力を PR するうえでも、おためし住宅は有力なツールとなり得る。また、移
住体験ツアーなどにより、本市に対して関心を持たれた方に対して、より有効な移
住への後押しになるものと考えられる。
しかしながら、おためし住宅を実施するにあたっては、旅館業法、消防法、建築
基準法などの法律面をクリアする必要があることや、物件の所在地、物件の提供か
家賃補助かなど、制度面でも検討すべき課題も多いことから、先進地への視察や他
自治体の事例を参考にしながら、今後も研究・検討を進めていく。
14
6 おわりに
国が進める「地方創生」においては、地域に住む人々が、自らの地域の未来に希望を持
ち、個性豊かで潤いのある生活を送ることができる地域社会の形成を目指しており、各自
治体は、自らが地域資源を掘り起こし、活用する取組が必要とされている。本市として活
用できる地域資源は何か、移住・定住に向けて真に求められているものは何か、対象を絞
り込むことで、明確にしたターゲットマーケティング等を行うことにより、効率的・効果
的な施策等の立案に繋げる。
岡山県内他自治体でも、新年度から4、5歳の幼稚園・保育園児の保育料を無償化、妊
産婦の医療費無料化、出産祝金の増額など、子育て世代を対象とした様々な支援策を展開
し、移住者・定住者の増加・獲得を目指している。
本市においては平成 27 年度に、定住に関する相互の連携並びに関係各所との調整及び玉
野市への移住・定住に関する総合的な相談窓口として、総合政策課内に定住推進室を新設
する。さらに、シティセールスと併せた様々な支援策の PR に努め、本市への関心を深めて
もらうことで、移住・定住に向けて具体的に検討していただくことを目的に、移住体験ツ
アーの実施を予定しており、実際に本市を訪れ、自然環境、交通手段、教育施設、市街地
の利便性、地域住民の人柄など、生活環境に関する実態を肌で感じていただけるものと考
えている。
なお、県内外の他自治体の動向や市の財政状況等を考慮しながら、玉野市として取組が
可能な施策を展開していくが、都市部からの移住に際して重要なのは、人と人のつながり
である。引き続き、行政、議会、地域コミュニティ、民間団体等が一体となり、移住者を
迎え、受け入れる体制の確保とともに、空気の醸成に努めていく。
15
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