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一級河川五ヶ瀬川水系家田・川坂川
様式第1号 事 業 再 評 価 シ 事 業 名 河川事業(総合流域防災事業(五ヶ瀬川圏域)) 箇 所 名 一級河川五ヶ瀬川水系家田・川坂川 実 施 方 法 □補助 ■交付金 ー ト 市町村名 □県単 採択年度 再評価年度 完了予定年度 H15 H24 H30 全体事業費 (百万円) 既投資額 (百万円) 事業費 用地 918 244 26.6% 44.5% 対象選定理由 事業効果(B/C) 対応方針原案 事業採択後10年経過 4.46 継続 事 業 期 間 進捗率(%) 事 業 進 捗 再評価の概要 延岡市 全 体 計 画 家田・川坂川では、地域の発展等を目指して、家田地区においては、工場用地の造成計画が、川坂地区 においては、農地整備がそれぞれ計画され、一部の工事着手によって、湿地環境が改変されつつあった。 これに対し、多くの学識者の方々の提言を受け、現地調査を実施した結果、希少植物が多数あることが確 認されたため、関係機関と協議を行い、貴重な湿地環境の保全・再生を図る自然再生事業に着手した。 ※ 五ヶ瀬川水系河川整備基本方針:平成16年1月26日 五ヶ瀬川水系北川圏域河川整備計画:平成17年3月7日 事 業 概 要 家田川・川坂川の貴重な湿地環境を保全・再生するために、用地の買収、掘削による湿地の再生を行う とともに、環境学習の拠点として活用するために、遊歩道の整備、案内看板の設置等を行う。 改修延長:L=2,080m(家田川 L=1,480m、川坂川 L=600m) 総事業費:918百万円 事業内容 ・貴重な湿地環境を保全するための対象用地の買収 ・掘削(盤下げ)による湿地の再生 ・環境学習の場として活用できる遊歩道、案内看板、橋梁等の整備 事 業 目 的 ・対象事業の目的、必要性 家田・川坂川は、貴重な植物が多く確認されており、その中には、この地区で新発見された植物(キタ ガワヒルムシロ等)があるなど、日本でも有数の群落等が含まれている。 本事業においては、地域住民と一体となり、家田川、川坂川の貴重な湿地環境を保全・再生することを 目指すものである。 ・他事業との関連性・事業による効果 家田・川坂川の貴重な湿地環境を保全・再生することにより、地域住民の関心も高まり、住民との協働 による維持管理活動や各地域の取り組みに繋がる。 ・事業を継続する必要性 家田・川坂川自然再生事業による整備を進めることにより、貴重な湿地環境を保全・再生することがで きる。また、家田・川坂地区がもつ豊かな自然環境を保つことによって、湿地を生かした観光や環境学習 の拠点として活用が図られる。 事業の進捗状況 ・現在の事業進捗、整備効果の発現状況 平成24年度末時点で事業費ベース約27%、用地取得率約45%である。 川坂地区では、掘削地において、モニタリングを行ったところ、6種の特定種を含む107種の植物が確認 されるなど、湿地環境が再生されつつあり、再生と保全を図っている整備区域全域で特有の貴重植物の生 育が継続的に確認されている。 ・今後の事業進捗の見込み 今後は、引き続き、用地買収を行い、学識者の意見を聞きながら掘削による湿地環境の保全・再生を進 めていくと共に、観察路等の整備を推進し、地元団体とも連携しつつ、湿地を生かした観光や環境学習の 拠点としての活用を目指す。 社会情勢等の変化 ・事業を取り巻く社会情勢等の変化 H18年10月に地元協議会を設立し、家田川、川坂川の自然環境の保全・再生・活用の推進に必要な協議 を実施してきたが、H20年以降は、各地区毎に「北川町温故知新の会」(H20)、「川坂川を守る会」 (H22)、「家田の自然を守る会」(H23)を結成し、藻刈りや除草・外来植物の駆除、伝統的護岸基礎工 法「なんば引き」の実践等、住民による活動が積極的に行われている。 家田・川坂湿原は、平成21年3月に県の重要生息地に指定された。 また、同年に「ウェットランド北川」地域振興モデル事業が、国土交通省の「建設業と地域の元気回復 助成事業」に採択され、山の遊歩道整備や案内看板の設置を実施した。 平成24年の東九州自動車道の開通に伴い、家田・川坂湿原の観光資源・産業振興の拠点としての活用を 目指す等、地元でも湿地環境やその保全・再生に対する住民の意識・関心が高い。 ・環境保全に対する取り組み 本事業は、自然再生事業であり、全ての対策が環境保全のための取組みである。 事業効果の分析 ・費用対効果 費用対効果は、B/C=4.46であり、事業効果は高い。 ・事業を継続することの事業効果分析 用地買収により保全を図った箇所や掘削を実施した箇所において、その後のモニタリングでも湿地性植 物の生育が確認される等事業による効果が見られ、さらに地域の関心も高まり地元団体との連携も図られ つつある。 今後も、事業継続により湿地環境の保全・再生を図ると共に、本事業箇所を拠点とした地域振興に寄与 することができる。 コスト縮減 地域住民の関心が高いため、住民参加活動をとおして、地域住民と協働で、維持管理コストの縮減に努 めていく。 代替案の可能性 新発見の植物(キタガワヒルムシロ、ハタベカンガレイ)が生育する他、日本一の群落(家田川のヒメ コウホネ群落、川坂川のオグラコウホネ群落)が形成されるなど、この地区における固有の環境資源であ り、植物の移設等による対策は考え難いため、現況案が最も適した案である。 対応方針 継続 様式第3号 位置図(管内図)