...

田原市公共施設等総合管理計画 田原市

by user

on
Category: Documents
57

views

Report

Comments

Transcript

田原市公共施設等総合管理計画 田原市
田原市公共施設等総合管理計画
平成28年2月
田原市
はじめに
本市では、教育、文化、福祉などの目的やニーズに応じて整備した公共施設(建築物)や生活
基盤を支える道路、橋梁、河川などのインフラ資産といった公共施設等の多くを維持管理してき
ました。また、平成 15 年度及び平成 17 年度の 2 度の合併により、さらに多くの施設を維持管理
していくことになりました。しかし、これらの公共施設等の多くは老朽化が進行しており、今後、
一斉に大規模改修や更新などの時期を迎えます。
本市では、こうした公共施設等を維持管理していくために、莫大なコストがかかることが予想
されており、厳しい財政状況の中、他の行政サービスにも影響を及ぼすことが考えられます。
一方、国では、厳しい財政状況や人口減少などの状況を踏まえ、地方公共団体が公共施設等の
全体の状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うこと
により、財政負担の軽減・平準化や公共施設等の最適な配置などの実現を推進しています。
こうした中、本計画は平成 26 年 4 月 22 日付総務大臣通知による要請事項である「公共施設等
総合管理計画」として定め、今後の公共施設等のあり方に寄与するための計画とします。
今後は、本計画を踏まえ、公共施設等の適切な維持管理、運営などを推進していくこととしま
す。
平成 28 年 2 月
田原市公共施設等総合管理計画
目
次
第1章
1
公共施設等の現況及び将来の見通し ·················································· 1
公共施設等の状況 ······························································································ 1
(1) 公共施設(建築物)の状況 ·········································································· 1
(2) インフラの状況 ························································································· 3
2
総人口や年代別人口の見通し及び財政状況 ····························································· 6
(1) 人口見通し ······························································································· 6
(2) 財政状況 ·································································································· 7
3
公共施設等の維持管理・修繕・更新等に係る中長期的な経費の見込み························· 8
第2章
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針 ················· 9
1
計画期間 ·········································································································· 9
2
全庁的な取組体制の構築及び情報管理・共有方策 ···················································· 9
3
現状や課題に関する基本認識 ··············································································· 9
4
公共施設等の管理に関する基本的な考え方 ····························································· 9
(1) 点検・診断等の実施方針 ············································································· 9
(2) 維持管理・修繕・更新等の実施方針 ····························································· 10
(3) 安全確保の実施方針 ·················································································· 10
(4) 耐震化の実施方針 ····················································································· 10
(5) 長寿命化の実施方針 ·················································································· 10
(6) 統合や廃止の推進方針 ··············································································· 10
(7) 総合的かつ計画的な管理を実現するための体制の構築方針 ······························· 10
第3章
施設類型ごとの管理に関する基本的な方針 ········································ 11
1
公共施設(建築物)管理の基本的な考え方 ···························································· 12
2
インフラ施設管理の基本的な考え方 ····································································· 13
(1) インフラ施設(各分野共通) ······································································ 13
(2) インフラ施設(各分野固有) ······································································ 14
第4章
フォローアップの実施方針 ·····························································17
第1章
1
公共施設等の現況及び将来の見通し
公共施設等の状況
(1) 公共施設(建築物)の状況
① 公共施設(建築物)の保有状況
本市の保有する施設は平成 26 年度末で 367 施設、延床面積で 400,902 ㎡です。建物種別
で最も保有面積の多いのは学校教育施設であり、小中学校、専門学校、給食センター等が約
132,710 ㎡と約 3 分の 1 を占めています。次に公営住宅等が多く、63,826 ㎡となっています。
築年別の建物の保有状況では、人口の増加とともに多くの施設は昭和 50 年代に整備されて
います。これらの施設は建築後 30 年以上が経過しており、老朽化による大規模修繕や更新
などによる、多くのコストを必要とすることが予想されます。
表 1 公共施設の一覧
№
区分
延床面積(㎡)
箇所
備考
庁舎等施設
25,690
2
市民館等施設
16,292
25 市民館、集会所等
3
生涯学習施設
11,748
7 博物館、資料館等
4
文化施設
16,708
7 文化会館、文化広場等
5
体育施設
15,038
13 総合体育館、運動公園等
6
児童福祉施設
22,730
21 保育園、児童センター等
7
衛生施設
27,133
67 斎場、清掃施設、環境施設、下水道施設等
8
保健・福祉施設
15,272
9
産業振興施設
6,251
10
観光施設
5,926
11
公営住宅等施設
12
消防施設
13
学校教育施設
14
その他施設
計
63,826
6,413
132,710
35,165
400,902
5
庁舎、分庁舎、支所、市民センター(赤羽根車庫含
む)
1
6 福祉センター、デイサービスセンター等
1 農業公園
41 展望台、道の駅、園地東屋、便所等
14 公営住宅等
25 消防署、分署、消防団施設等
31 小中学校、専門学校、給食センター等
104 公共駐車場、防災備蓄倉庫、便所、普通財産等
367
(平成 26 年度末現在)
1
庁舎等施設25,690㎡
その他施設35,165㎡
市民館等施設16,292㎡
生涯学習施設11,748㎡
文化施設16,708㎡
体育施設15,038㎡
児童福祉施設22,730㎡
学校教育施設132,710㎡
衛生施設27,133㎡
保健・福祉施設15,272㎡
産業振興施設6,251㎡
消防施設
6,413㎡
観光施設
5,926㎡
公営住宅等施設63,826㎡
図 1 施設用途別にみた公共施設保有状況(財産台帳から)
(㎡)
40,000
庁舎等施設
市民館等施設
35,000
生涯学習施設
文化施設
体育施設
30,000
児童福祉施設
衛生施設
保健・福祉施設
25,000
産業振興施設
観光施設
公営住宅等施設
20,000
消防施設
学校教育施設
その他施設
15,000
10,000
5,000
0
S
31
S
33
S
35
S
37
S
39
S
41
S
43
S
45
S
47
S
49
S
51
S
53
S
55
S
57
S
59
S
61
S
63
H
2
H
4
H
6
H
8
H
10
H
12
H
14
H
16
H
18
図 2 公共施設の築年別整備状況
表 2 築年数別床面積
区分
床面積(割合:%)
53,457 ㎡ (13.3%)
109,624 ㎡ (27.3%)
65,238 ㎡ (16.3%)
120,173 ㎡ (30.0%)
33,759 ㎡ ( 8.4%)
18,651 ㎡ ( 4.7%)
築 10 年未満のもの
築 10 年以上 20 年未満のもの
築 20 年以上 30 年未満のもの
築 30 年以上 40 年未満のもの
築 40 年以上 50 年未満のもの
築 50 年以上年のもの
(平成 26 年度末現在)
2
H
20
H
22
H
24
H
26
(2) インフラの状況
① インフラの保有状況
本市が保有・管理するインフラは、7 施設分野で合計 30 施設種類と多岐にわたっています。
表 3 インフラの保有一覧(1/3)
施設分野
公園
対象施設
・都市公園:25 施設
・その他公園・広場等:165 施設
下水道
・公共下水道
田原地区:
総延長 170,303m
赤羽根地区:
総延長
30,600m
渥美地区:
総延長
61,257m
雨水管:
総延長
8,756m
・農業集落排水施設
田原地区:
総延長 175,953m
赤羽根地区:
総延長
渥美地区:
総延長 104,646m
34,153m
・建物
公共下水道処理施設:
農業集落排水施設:
3 箇所
24 箇所
コミュニティプラント:1 箇所
雨水ポンプ場:
4 箇所
その他:
5 箇所
・排水処理センター
・田原中継ポンプ場
・赤石汚水ポンプ場
・光崎汚水ポンプ場
・田原市衛生センター
・農業用排水機場:15 箇所
道路
・橋梁:641 橋
PC 橋:244 橋、 RC 橋:349 橋
鋼橋: 31 橋、混合橋: 16 橋
木橋:
1橋
・舗装
コンクリート舗装:総面積
233,830 ㎡
アスファルト舗装:総面積 7,049,351 ㎡
・トンネル:2 本
・歩道橋:3 橋
3
表 4 インフラの保有一覧(2/3)
施設分野
河川
対象施設
・準用河川
56 河川(総延長 48,880m)
海岸
・堤防
伊川津漁港:総延長 537m
・護岸
宇津江漁港:総延長 918m
・防砂堤
宇津江漁港:総延長 72m
港湾
(航路、泊地施設は
対象外)
・臨港道路
泉港:
総延長 556m
・防波堤
泉港:
総延長 764m
馬草港:総延長 178m
・護岸
泉港:
総延長 248m
・防潮堤
泉港:
総延長 230m
・防砂堤
馬草港:総延長 99m
・物揚場
泉港:
8 施設(総延長 530m)
馬草港:1 施設(総延長 142m)
・船揚場
泉港:
3 施設(総延長 85m)
・橋梁
泉港:
1橋
4
表 5 インフラの保有一覧(3/3)
施設分野
漁港
対象施設
・道路
(航路、泊地施設は
伊川津漁港:総延長 1139m
対象外)
宇津江漁港:総延長 333m
姫島漁港:
総延長 461m
・防波堤
伊川津漁港:総延長 288m
宇津江漁港:総延長 364m
姫島漁港:
総延長 542m
・護岸
伊川津漁港:総延長 890m
・導流堤
伊川津漁港:総延長 145m
・物揚場
伊川津漁港:4 施設(総延長 333m)
宇津江漁港:2 施設(総延長 100m)
姫島漁港:
1 施設(総延長 779m)
・船揚場
伊川津漁港:1 施設(総延長 21m)
宇津江漁港:1 施設(総延長 22m)
姫島漁港:
1 施設(総延長 100m)
・浮桟橋
宇津江漁港:1 基(総延長 20m)
姫島漁港:
5 基(総延長 185m)
・橋梁
伊川津漁港:1 橋
宇津江漁港:1 橋
5
2
総人口や年代別人口の見通し及び財政状況
(1) 人口見通し
改訂版第 1 次田原市総合計画では、人口増加に寄与する諸施策に取り組むことで、総人口の維
持を図ることとしています。しかし、第 3 次田原市行政改革大綱において、政策人口を加味しな
い人口推計の場合、平成 52 年には 50,886 人まで減少すると予測されています。
年齢構成別で見ると、年少人口の割合は、平成 22 年の 13.7%から、平成 52 年には 11.2%に、
老年人口割合は、平成 22 年の 22.2%から、平成 52 年には 35.2%になると見込まれており、高
齢化が一層進むと予測されています。
出典:第 3 次田原市行政改革大綱
図 3 総人口・年齢構成の推移・予測
6
(2) 財政状況
歳入決算額は、世界同時不況が発生した平成 19 年度をピークに減少の傾向にあり、平成 19
年度から平成 24 年度にかけて減少しましたが、その後は平成 26 年度まで増加しています。
本市の歳入は、法人市民税の変化に大きく影響を受ける歳入構造となっていますが、平成 26
年度から法人市民税の約半分が国税化する税制改正が進められており、今後、歳入の大幅な減少
が見込まれます。また、市町村合併による地方交付税の特例措置についても平成 32 年度をもっ
て終了し、平成 25 年度と比較して約 30 億円の減少が見込まれるとともに、経済情勢や少子高
齢化による社会構造の変化などを踏まえると、今後も大きな回復を見込むことは難しいと考えら
れます。
400
350
379
353
351
328
319
295
300
250
183
224
200
292
323
288
市税
地方交付税
129
国庫支出金
139
139
143
190
138
繰入金
200
32
150
100
29
30
25
20
19
1
19
12
20
1
20
23
52
50
39
37
H18
H19
H20
H21
21
17
8
14
26
50
繰越金
38
24
12
21
28
県支出金
23
21
14
20
15
18
56
地方債
その他
38
40
39
38
21
13
14
13
14
20
13
14
16
17
34
34
32
33
21
15
5
16
4
33
H22
H23
H24
H25
H26
28
14
9
17
31
0
図 4 一般会計等(歳入)決算額の推移
(億円)
400
350
350
325
321
62
300
250
63
20
150
100
50
23
35
35
46
8
14
3
29
28
1
27
273
58
21
46
6
15
43
6
15
24
1
27
43
6
1
92
51
0
0
H18
0
H19
0
H20
0
H21
4
23
12
56
56
34
305
56
扶助費
公債費
物件費
38
維持補修費
補助費等
32
66
263
58
32
41
7
21
109
266
58
24
34
0
108
295
59
30
200
人件費
308
1
26
39
0
H22
34
33
33
34
32
34
43
49
投資出資金貸付金
45
5
42
5
6
14
繰出金
31
0
27
27
0
29
5
20
15
29
33
0
H23
35
0
H24
1
1
70
0
H25
30
1
27
50
0
H26
図 5 一般会計等(歳出)決算額の推移
7
積立金
普通建設
災害復旧
3
公共施設等の維持管理・修繕・更新等に係る中長期的な経費の見込み
本市の公共施設(建築物)を既存のまま維持する場合に必要となる将来の修繕・改修・更新費
用を試算します。耐用年数を標準的な 60 年と設定した場合に、将来 50 年間の平均費用は年間
約 42 億円、総額では約 2,120 億円※1 が必要となります。
また、インフラ施設に対して適切な長寿命化対策を実施せずに、耐用年数経過後に更新すると
仮定した場合の将来費用を試算します。施設種類毎に耐用年数を設定し、更新費用を推計した結
果、将来 50 年間の平均費用は年間約 43 億円、総額では約 2,161 億円※2 が必要となります。
公共施設(建築物)及びインフラ施設の費用を合わせて、年間平均約 85 億円が必要となり、
直近 5 年間の投資的経費※3 の平均である約 51 億円の約 1.7 倍となります。そのため、本市の財
政規模で既存の施設を現状のまま維持していくことは困難であり、費用縮減に向けた取組を行っ
ていくことが不可欠な状況にあります。
200
工事費(億円)
160
120
80
40
0
H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H
28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70 72 74 76
公共施設(建築物)
施設
公共施設(建築物)
インフラ施設
期間
将来 50 年間
将来 50 年間
インフラ
年度あたり平均費用
約 42.4 億円
約 43.3 億円
合計費用
約 2,120 億円
約 2,161 億円
図 6 公共施設(建築物)・インフラのライフサイクルコスト
※1
公共施設(建築物)の修繕、改修及び建替の周期はそれぞれ 15 年、30 年、60 年と設定し、将来 50 年間の費用を算出。
※2
インフラ施設は耐用年数を施設種別毎に設定し、施設の更新費用のみ将来 50 年間の費用を算出。
※3
投資的経費とは、維持補修費及び普通建設事業費の合計として算出。
8
第2章
1
公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針
計画期間
本計画は、平成 28 年度から平成 47 年度までの 20 年間を計画期間とします。また、当初の平
成 28 年度から平成 32 年度までの 5 年間を第 1 期と定め、その後 5 年間を第 2 期、さらにその
後 10 年間を第 3 期として、その都度見直しを実施します。また、第 1 期が終了する平成 32 年
度までをインフラ施設の分野ごとの長寿命化計画等の策定期間とします。
なお、歳入減や社会保障費の増加に伴う歳出増、法制度変更など、試算の前提条件に変更が生
じた場合にも、適宜見直しを行うこととします。
2
全庁的な取組体制の構築及び情報管理・共有方策
本市では、
「改定版第1次田原市総合計画」における将来都市像を実現化するために、
「市有財
産のあり方及び利活用に関する基本方針」を定め、市有財産のあり方及び利活用に関する検討を
進めてきました。また、
「公共施設白書」を作成し、公共施設の情報を整理してきていますが、
インフラ施設も含めた全庁的な情報管理は実施できていないのが現状です。
そのため、本計画策定を契機とし、公共施設等の情報を一元的に管理するとともに、本計画の
進捗状況を管理する体制を定め、関連部署と情報共有を図りながら、全庁的に本計画を進めてい
きます。
3
現状や課題に関する基本認識
本市の公共施設(建築物)の多くは昭和 50 年代に整備されていることから、今後老朽化によ
る大規模修繕や更新が想定され、財政負担が増大することが予想されます。また、本市は 2 度の
合併により、ほぼ同一の機能を持った施設が地域毎に複数立地していることから、機能の適正化
を検討することが求められています。
本市の人口は、平成 22 年の 64,119 人から平成 52 年には、50,886 人まで減少すると見込まれ
ているとともに少子高齢化の進展が予測されます。また、本市の財政状況は、法人市民税に寄る
ところが大きく景気動向に左右されやすい特徴があります。そのため、今後は将来人口や財政規
模に見合った公共サービスのあり方や施設数・規模とすることが必要となります。
また、インフラ施設についても、施設の適切な管理と安心・安全の確保のため、計画的な点検、
修繕などを実施し、施設の長寿命化による財政負担の軽減が必要となります。
4
公共施設等の管理に関する基本的な考え方
現状や課題に対する認識を踏まえ、公共施設等の管理に関する基本的な考え方を示します。
(1) 点検・診断等の実施方針
継続的な利用が見込まれている公共施設等については、予防保全型維持管理の視点に立って、
劣化が進む前に計画的に点検や劣化診断を行います。
なお、点検・診断等のデータは集約・蓄積し、全庁で情報を共有し、老朽化対策等に活用して
いきます。
9
(2) 維持管理・修繕・更新等の実施方針
施設類型ごとの長寿命化計画等を策定し、計画的に維持管理・修繕・更新等を行うことを基本
とし、ライフサイクルコストの軽減・平準化を図ります。公共施設等の維持管理・修繕について
は、予防保全の実施により性能・機能の保持・回復に努めます。公共施設等の更新などについて
は、今後の複合化・機能転換・用途変更・集約化・廃止などの方向性を踏まえ必要な公共施設等
のみを対象とします。また、公共施設等の改修・更新に当たっては、積極的に民間資金等を活用
(PPP/PFI)するなど効果的、効率的な手法を検討します。
なお、維持管理・修繕・更新等のデータは集約・蓄積し、全庁で情報を共有し、老朽化対策な
どに活用していきます。
(3) 安全確保の実施方針
点検・診断等の結果、施設の危険度が高いと判断された場合は、原則として危険の除去により
安全確保に努めます。また、同種の施設についても早急に点検を実施することで事故の未然防止
に努めます。
なお、利用見込みのない(必要性が認められない)施設において危険度が高いと判断された場
合は、取り壊しなどを推進し、安全確保に努めます。
(4) 耐震化の実施方針
本市では平成 20 年 3 月に「田原市耐震改修促進計画」を策定し、平成 27 年度までに市有建
築物の耐震化率を 100%にすることを目標に取組を進めてきています。また、愛知県が平成 26
年 3 月に策定した「愛知県建築物耐震改修促進計画」を踏まえ、平成 27 年 3 月には「田原市耐
震改修促進計画(改定版)」を策定し、更なる耐震化を進めているところであり、引き続き耐震
化を推進していきます。
(5) 長寿命化の実施方針
既に策定済みの橋梁等の個別の長寿命化計画については、本計画に準じて継続的に見直しを行
いながら施設の長寿命化を図ります。その他の施設については本計画に準じたうえで、必要に応
じて個別に長寿命化計画等を策定します。
(6) 統合や廃止の推進方針
公共施設(建築物)については、平成 26 年 12 月に策定された「田原市公共施設適正化計画」
を基本的な方針として、民間施設等の利用や複合化による機能維持を図ることを検討し、施設総
量の縮減を目指します。また、用途廃止や統廃合・集約化による空き施設は、売却や貸付けを行
うなど財源確保の手段として有効に活用します。
(7) 総合的かつ計画的な管理を実現するための体制の構築方針
公共施設等の管理を総合的かつ計画的に実施するため、技術部門、財政部門等の各部署間で情
報共有を図りながら全庁体制で本計画に取り組みます。また、必要に応じて職員研修を実施し、
本計画への理解を深めていきます。
10
第3章
施設類型ごとの管理に関する基本的な方針
本計画では、公共施設等管理の必要性を踏まえ、各施設管理の基本的な方針を定めます。なお、
各施設は、本計画との整合性を図りながら、施設毎で策定される各種個別施設計画に基づき管理
を行っていくことになります。
インフラ⻑寿命化基本計画
(基本計画)【国】
(行動計画)【国】
⽥原市公共施設等総合管理計画
各省庁が策定
(個別施設計画)
(個別施設計画)
策定済
図 7 公共施設等総合管理計画の位置づけ
11
田原市公 共施設適正化 計画
田原市橋梁長寿命化修繕計画
平成 32 年度までに
策定予定
田原市下水道長寿命化計画
公園
道路
河川
学校
河川
道路
平成 32 年度頃までの
策定を目標
1
公共施設(建築物)管理の基本的な考え方
公共施設(建築物)の管理は、平成 26 年 12 月に策定した「田原市公共施設適正化計画」を
踏まえ、公共施設適正化の推進と適切な進捗管理を図ります。
公共施設(建築物)
対象施設
公共施設(367 施設、400,902 ㎡)
○建築後 20 年以上経過した施設が約 6 割となっており、今後、更新や改修、
設備更新などの時期が重なってくることが予測されます。
施設概要
課題認識
○台帳整備は行われていますが、修繕や改修などの履歴や情報共有の充実が必
要です。
○事後保全型の管理から予防保全型の管理に移行していくために、計画的な修
繕や改修、設備更新を実施する必要があります。
○「田原市公共施設適正化計画」に基づき公共施設の適正化の推進と進捗管理
を適切に実施します。
○現在実施している法定点検(12 条点検、電気保安点検、消防設備点検等)
方針
を引き続き確実に実施するとともに、自主点検などの点検についても定期的
に実施します。
○「田原市建物維持管理マニュアル」により点検・修繕など履歴の管理・蓄積
を行い、蓄積したデータを施設の保全に活用します。
○施設保有総量を圧縮しながら施設にかかる費用を今後 10 年間で 20%、次の
目標
10 年間で 10%を縮減するよう目標を定めます。
○ただし、適正化の進捗状況や人口構成、社会情勢等を考慮し、10 年後には
目標値の見直しを行います。
コラム①
⽥原市公共施設適正化計画における縮減費⽤の試算結果です。
⽥原市公共施設適正化計画では、修繕費⽤、更新費⽤だけではなく、運営費も加えた
費⽤で試算しています。
<試算結果>
50 年間における総額(運営費を含む)
約 3,450 億円
約 1,250 億円
⻑寿命化及び適正化による縮減を図った場合 約 2,200 億円
※「⽥原市公共施設適正化計画」P8 参照
12
2
インフラ施設管理の基本的な考え方
本計画に基づき、第 1 期が終了する平成 32 年度までに、インフラ施設における個別施設計画
(長寿命化計画等)の策定を完了し、適切に維持管理を実施していきます。
(1) インフラ施設(各分野共通)
対象分野
①公園、②下水道、③道路、④河川、⑤海岸、⑥港湾、⑦漁港
○今後急速に増大する老朽化した施設の維持管理に対応するため、施設の長寿
命化や施設の修繕・更新にかかるコストの縮減が必要です。
施設概要
課題認識
○各施設の台帳整備は行われていますが、修繕や更新などの履歴や情報共有の
充実が必要です。
○事後保全型の管理から予防保全型の管理に移行していくために、計画的な修
繕や更新を実施する必要があります。
○各施設において「長寿命化修繕計画」を策定し、適切に維持管理を実施して
いきます。
○各施設において、定期点検を確実に実施するとともに、日常パトロールなど
方針
についても定期的に実施します。
○各施設において、点検・修繕など履歴の管理・蓄積を行い、蓄積したデータ
を施設の保全に活用します。
○長寿命化を図るための新たな技術なども導入し、コスト低減に努めます。
○最新の点検結果に基づき、適切な時期に適切な修繕を実施することで、各施
設の長寿命化を図ります。
目標
〇更新サイクルを伸ばすことにより維持管理のトータルコストを縮減します。
〇各施設の特性に応じた長寿命化対策により、中長期的な経費の見込みにおい
て想定している耐用年数(財務省令等に基づく法定耐用年数)を 1.5~2.0 倍
に延ばすことを目指します。
コラム②
インフラ施設の耐⽤年数を延ばしたと仮定した場合の縮減される費⽤を計算してみ
ました。
<試算条件>
期間:平成 28 年度〜平成 77 年度の 50 年間
条件:各施設の耐⽤年数終了時に更新すると仮定
更新費⽤のみを計上(修繕費⽤等は含まず)
<試算結果>
耐⽤年数終了時に更新した場合の総額 約 2,161 億円
約 951 億円
耐⽤年数を 1.5 倍にした場合の総額
約 1,210 億円
約 1,289 億円
耐⽤年数を 2.0 倍とした場合の総額
約 872 億円
13
(2) インフラ施設(各分野固有)
① 公園
対象施設
都市公園(25 施設)、その他公園・広場等(165 施設)
○最も古い都市公園は昭和 56 年度から供用されており、老朽化が進んでいる
施設概要
課題認識
恐れがあります。
○公園内の建築物や遊具に対する法定点検は実施していますが、公園内のイン
フラ施設(擁壁、舗装等)に対する定期点検は実施していません。
○現在実施している遊具の定期点検を引き続き確実に実施するとともに、それ
以外の点検についても定期的に実施します。
〇損傷が見つかった場合、安全を確保するため速やかに対策を行います。
方針
○長寿命化計画を策定し、計画的な修繕や更新を行い、施設の安全確保と長寿
命化を図ります。
○公園内の建築物について、将来の社会情勢等を考慮し、施設保有総量の圧縮
を目指します。
② 下水道
公共下水道(田原地区:170,303m、赤羽根地区:30,600m、渥美地区:61,257m、
雨水管:8,756m)、農業集落排水施設(田原地区:175,953m、赤羽根地区:
対象施設
34,153m、渥美地区:104,646m)、建物(公共下水道処理施設:3 箇所、農業
集落排水施設:24 箇所、コミュニティプラント:1 箇所、雨水ポンプ場:4 箇
所、その他:5 箇所)、農業用排水機場(15 箇所)
○下水道施設は、管路(下水道、農業集落排水、雨水管)、排水施設、ポンプ
施設概要
課題認識
場、処理センター等の建築物、ポンプ機など多岐にわたります。
○供用年が古い管路より適宜点検を実施しています。
○供用年が古い施設(浄化センター・ポンプ場)より長寿命化計画の策定を行
っています。
○計画未策定の処理場・ポンプ施設の長寿命化計画を策定し、予防保全型の維
持管理を実施します。
方針
〇点検が終了した管路より、適宜長寿命化修繕計画を策定していきます。
○重要な施設から順次耐震補強工事を行っていきます。
○将来的な人口減少等の環境変化に対応して、民間の活用や施設の統廃合を検
討していきます。
14
③ 道路
対象施設
舗装(コンクリート舗装(総面積:233,830 ㎡)、アスファルト舗装(総面積:
7,049,351 ㎡))、橋梁(641 橋)、トンネル(2 本)、歩道橋(3 橋)
○管理橋梁の中で重要度の高い 240 橋について長寿命化修繕計画の策定が終
了しています(残り約 400 橋については、計画未策定)。
施設概要
課題認識
○橋梁以外の道路施設に対して長寿命化修繕計画の策定が必要です。
〇道路法施行規則の一部改正(施行 H26.7.1)を受けて、道路を構成する施設・
工作物・附属物のうち、異常が生じた場合に道路の構造または交通に大きな
支障をおよぼす恐れのあるもの(橋梁、トンネル等)に対して5年に1回、
近接目視による点検が義務化されました。
○国が策定した基準等に基づき、各道路施設に対して健全性の診断を実施(5
年に1回実施)します。
方針
○全ての道路施設を対象に長寿命化計画を策定し、計画的かつ効率的に道路施
設を修繕・更新します。
○地震発生時においても地震動による損傷が限定的なものに留まり、道路構造
物(橋梁など)の機能回復が速やかに行えるように耐震補強を推進します。
④ 河川
対象施設
準用河川(56 河川)
○近年多くなっているゲリラ豪雨や異常気象に対して氾濫や決壊等が起こら
施設概要
課題認識
ないように、計画的に維持管理・修繕を行う必要があります。
○総延長が膨大であることから、河川の状況を適切に把握するため、効率的か
つ効果的な点検が必要となります(現在は日常巡視のみ実施)。
○異常箇所の発見が遅れないように、定期点検、耐震点検、パトロールなどを
方針
確実に実施します。
○定期点検結果に基づき長寿命化計画を策定し、計画に基づく維持管理・修繕
を行います。
⑤ 海岸
対象施設
堤防(総延長:537m)、護岸(総延長:918m)、防砂堤(総延長:72m)
施設概要
○定期点検を実施し、損傷状況等の把握を行っています。
課題認識
〇長寿命化修繕計画については未策定の状況です。
○国の基準(海岸保全施設維持管理マニュアル
方針
H26.3)等に基づき、適切に
点検を実施し、長寿命化修繕計画を策定します。
〇南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるため、海岸堤防などの整備促進
や耐震化の促進もあわせて実施します。
15
⑥ 港湾
臨港道路(総延長:556m)、防波堤(総延長 942m)、護岸(総延長:248m)、
対象施設
防潮堤(総延長:230m)、防砂堤(総延長:99m)、物揚場(9 施設、総延長:
672m)、船揚場(3 施設、総延長:85m)、橋梁(1 橋)
施設概要
課題認識
○一部施設(防波堤、護岸、物揚場等)については維持管理計画を策定済みで
すが、それ以外の施設についても定期点検を実施し、維持管理計画を策定す
る必要があります。
○国の基準(港湾の施設の維持管理計画策定ガイドライン
方針
H27.4)等に基づ
き、適切に点検を実施し、長寿命化修繕計画を策定します。
〇南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるため、外郭施設の整備や耐震化
の促進もあわせて実施します。
⑦ 漁港
道路(総延長 1,933m)、防波堤(総延長:1,194m)、護岸(総延長:890m)、
対象施設
導流堤(総延長:145m)、物揚場(7 施設、総延長:1,212m)、船揚場(3 施
設、総延長:143m)浮桟橋(6 基、総延長:205m)、橋梁(2 橋)
施設概要
○定期的な点検は未実施の状況です。
課題認識
〇機能保全計画については未策定の状況です。
○国の基準(水産基盤施設機能保全計画策定の手引き
方針
H27.5)等に基づき、
適切に点検を実施し、機能保全計画を策定します。
〇南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるため、外郭施設の整備や耐震化
の促進もあわせて実施します。
16
第4章
フォローアップの実施方針
公共施設等は施設類型ごとに維持管理や更新に関する対応が異なることから、個別の施設類型
ごとに作成する長寿命化計画等に基づいてフォローアップを実施することを基本とし、公共施設
等のニーズ変化や各種関連計画の見直しを踏まえ、必要に応じて計画の更新を行っていきます。
本計画は、統合や長寿命化などによる事業費や施設数の縮減を目指していますが、統合や廃止
の実施ありきではなく、公共施設等における公共サービスの維持、向上を目指しつつ、効率的な
維持管理等を実施していくことを基本とします。
また、本計画の着実な推進に向けて、公共施設等の情報を管理・集約する部署が中心となり、
関係部署と連携しながら進行管理を行い、議会や市民への情報提供を行います。
17
田原市公共施設等総合管理計画
平成 28 年 2 月発行
田原市役所政策推進部経営企画課
〒441-3492 愛知県田原市田原町南番場 30 番地 1
TEL:0531-27-8603
FAX:0531-23-0180
E-mail:[email protected]
Fly UP