Comments
Description
Transcript
広告配信の新プラットフォームに BIG-IPを使いファイアウォールをADCに
Case Study | 株式会社アドウェイズ 「新しい BIG-IP を選んだ理由は、 ADC にファイアウォールの機能を統合できるということでした。 統合することで管理ポイントが減り、 保守費用や運用負荷を削減できると期待しました」 株式会社アドウェイズ 開発グループ 情報システムユニット チーフシステムエンジニア 伊藤 正之 氏 Overview 広告配信の新プラットフォームに BIG-IP を使いファイアウォールを ADC に統合 パフォーマンスと可用性を高め、コストは削減 スマートフォン向けの Web サイトやアプリに広告を表示するアフィリエイトプラット フォームには、高いパフォーマンスと可用性が求められる。こうしたプラットフォームを 提供するアドウェイズではこれまでもレスポンス、可用性にこだわったシステムを構築 業種 インターネット広告代理業 課題 ・デ ー タセンタ 集 約 のため の 新ネット ワーク構築 ・シンプルで耐障害性が高いネットワー クの実現 ・ネットワーク機能の集約による運用性 向上とコスト削減 ソリューション してサービス運営に利用してきた。2014 年のデータセンタ統合では保守や運用に関わ ・BIG-IP Local Traffic Manager るコストの削減にもこだわり、ファイアウォールとロードバランサなどのネットワーク ・BIG-IP Application Security 機器をひとつに集約する構成を採用した。機能が集約されより重要度が増す ADC に選 ばれたのは、F5 ネットワークスの BIG-IP だ。 Manager ・BIG-IP Advanced Firewall Manger ・BIG-IP Virtual Edition メリット ビジネス上の課題 株 式会社アドウェイズは、インターネット広告の 市場の変化や拡大に プラットフォームやスマートフォン向けアプリを開 いち早く追随できる柔 発、提供している。事業の柱となっているのは、ス 軟性にもこだわり、数 マートフォンアプリ等に広告を掲載するアフィリエ 年前からサーバを仮想 イトプラットフォームのビジネスだ。これらの広告 化、稼 働して い る VM 表示には高いレスポンスが求められると、株式会 の数は年々倍加してい 社アドウェイズ るという。それに応じ HRM&PR グル ープの 遠 藤 由 貴 「広告表示が Web サイトやアプリの足かせとなっ てはなりません。また 荷も増大の 一 途をた どっていたが、稼 働中 のネットワークの増強 株式会社アドウェイズ 開発グループ 情報システムユニット 金谷 直樹 氏 Customer Profile 株式会社アドウェイズ け で は なく 障 害 時 の 「これまで 2 カ所のデータセンタを使ってきました 切り替えに要する時間 が、どちらもスペースの余裕が残り少なく、拡張が に ま で 気 を 配 って い 困難な状況にありました。そこでデータセンタを 統合するプロジェクトが始動したことをきっかけ 東京都新宿区西新宿八丁目 17 番 1 号 正確に計数したうえで 広告主のサイトに誘導 するために、常に正常 稼働していることも重 要です。冗長化するだ 氏 ・ADC だけでトラフィックの可視化、セ キュリティ機能の実装が可能 インターネット広告配信サービスを中心 に国内外でオンラインサービスを展開す る株式会社アドウェイズ。2001 年 4 月に イ ン タ ー ネ ット 広 告 配 信 サ ー ビ ス 「Adways Network」を、そのわずか 4 カ月後には同サービスのモバイル版をス タートさせ、モバイル広告市場の拡大を 牽引してきた。現在ではスマートフォン向 けアプリへの広告配信や動画広告配信 など、幅広いサービスを手がけている。 クリックされた回数を 遠藤 由貴 ・設置機器が少なく保守、運用コストの 低いネットワークの実現 てネットワークへの負 氏は教えてくれた。 株式会社アドウェイズ HRM&PR グループ 広報 PR ユニット ユニットマネージャ ・ファイアウォール機 能を持つ BIG-IP を ADC として採用 ます」 は容易ではない。今回 ネットワークも再構築 されることになったのはいくつかの好機が重なっ たからだと、株式会社アドウェイズ 開発グループ の金谷 直樹氏はきっかけを語った。 に、リプレース時期にある機器の入れ替えを含めた ネットワークの再構築に着手した訳です」 住友不動産新宿グランドタワー 38 階 URL:http://www.adways.net/ CASE STUDY 株式会社アドウェイズ ソリューション 運用コスト半減を BIG-IP が後押し ネットワークの要と 「表面的な運 用負荷とコストを抑 えながら、WAF を導入してセキュ リティを強化するなど、機能面で はプラスになっていますから、実 際の効果はもっと大きいでしょう」 な る ADC に は、従 来 のシステムでも使用実 績 の あ る BIG-IP が 選 ばれた。他ベンダの製 品ももちろん検討され たが、これまでの経験 に基づく理 由と、新し い BIG-IP だ か ら こそ 持っている理由が選定 の背景にはあった。 伊藤 正之 「新しい BIG-IP を選ん 用や運用負荷を削減できると期待しました」 株式会社アドウェイズ 開発グループの伊藤 正 近年搭載した高速なファイアウォールだ。個別の 製品を配する従 来 の 構成に比べて、設 置機 器が 少なくネットワークもシンプルになることで得ら れる効果に期待したのだった。 もっと大きいでしょう」 2 カ所のデータセンタに分散していたシステムを 集約する新しいインフラは、本社の移転と歩調を合 わせるように 2014 年 5 月に構築された。検証を経て、 7 月からは順次システム移行の作業が行われている。 日々の運用から緊急時にまで及ぶ統合の効果 ファイアウォールが ADC に 統 合さ れ、ネット トはいくつもあると、伊藤氏は言う。 のは、iRules の存 在ですね。必要に応じて、バッ 「日々の管理ポイントが減るだけではなく、障害 時の対応がシンプルになるのも嬉しいですね。集 http ヘッ ダ を 書 き 換 える 処 理 を、こ れ ま で も iRules で行なっていたのです」 約 する 機 能 が 多い ほどメリットが大きくなるの ときには該当するトラフィックを iRules で振り 今後使いたい機能として伊藤氏は、GTM(Global 分け、ゼロデイアタックへの対処にも活用したと で、他の機能の活用も考えていきます」 Traffic Manager)を挙げた。これから数年のうち 金谷氏は語る。システム側の負荷を下げるだけで に進むであろうハイブリッドクラウド化を見据えて はなく、セキュリティを高めるためにも活用して のことだという。機能ごとに新しいベンダの製品を きたこの機能は、システムを運用する立場から見 導入する場合とは違い、問い合わせ先窓口も増えな れば欠かせない機能のひとつとなっていた。 いので、新機能追加の負担増も小さく抑えられる。 スイッチ 体系を選択したことも、ランニングコストの抑制 に一役買っている。より高い帯域処理能力が必要 なくライセンスの追加購入のみでパフォーマンス を高められるので将来性も高い。 テスト環境 BIG-IP VE 新しい BIG-IP で は 管 理 用 GUI の 使 い 勝 手が 以前に増して良くなっていると語る伊藤氏。 「操作への反応がよくなり、ネットワークの状況も さらにわかりやすく可視化されるようになったの で、サービス部門の担 当者にも管理 用 GUI を見 てもらうことにしました」 管 理 用 GUI へリード オンリーで アク セ スし、 ネットワークの状況をリアルタイムに確認しても らう。サービスの利用実 態を把 握しやすくなり、 アクセス分析の幅も広がったという。 実 態 がより可視 化されました。必 要な 現 状を把 握するためのしっかりとした基盤を得て、次のス テップであるセキュリティ強化へ進むことができ 仮想スイッチ BIG-IP LTM/AFM/ASM 可視化やセキュリティの機能も活用 により、これまでは見えなかったネットワークの 本番環境 BIG-IP VE ます」 こう語る伊藤 氏は今、社内にセキュリティチー IPS ムを 作 るプ ロジェクトを 進 めてい る最 中とのこ スイッチ AP P OS 4000S を選びつつ、パフォーマンスを抑えたライセンス 「サービ ス 部 門 へ の GUI の 開 放や WAF の 導入 スイッチ Internet AP P OS ハードウェアとしては余裕のある BIG-IP になった際には、ハードウェアを入れ替えること クエンドシステムに受け 渡 す前の段 階で URL や wa re て、運用コストは約半分に抑えられる見込みだが、 ワークを構成する機器が減ったことによるメリッ 「これまでの経 験に基づくポイントで大きかった VM る。今回のデータセンタ統合の総合的な効果とし ではプラスになっていますから、実 際 の 効 果 は メリット 之 氏がそう語るように、着目したのは BIG-IP が AP P OS ペースなど、各種のランニングコストが削減され を導入してセキュリティを強化するなど、機能面 た。統 合することで管理ポイントが減り、保守費 AP P OS 減ることで、保守費用やデータセンタでの設置ス 「表面的な運用負荷とコストを抑えながら、WAF イアウォールの機能を統合できるということでし AP P OS 減 効果も生まれている。運 用する機 器 の 台 数 が と金谷氏は考えている。 氏 だ理由は、ADC にファ BIG-IP LTM/AFM/ASM ではない。導入機器が減ることで様々なコスト削 BIG-IP への機能集約が果たす役割は少なくない 株式会社アドウェイズ 開発グループ 情報システムユニット 金谷 直樹 氏 株式会社アドウェイズ 開発グループ 情報システムユニット チーフシステムエンジニア 統合により恩恵を受けるのは、運用担当者だけ AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS VM wa re AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS VM wa re AP P OS AP P OS AP P OS AP P OS と。セキュリティ強 化 の施 策を模 索 する上でも、 AP P OS BIG-IP の 機 能 や F5 ネットワ ー クスと のパート ナーシップに期待したいと、伊藤氏は信頼を込め たまなざしで語ってくれた。 2014 年 12 月 A