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ともに科学的な見方や考え方に高め合う理科学習

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ともに科学的な見方や考え方に高め合う理科学習
理科
研究テーマについて
理科学習は,自然の事物・現象に対する素朴な見方や
◆研究テーマ
考え方を科学的な見方や考え方に高めていく学習であ
ともに科学的な見方や
考え方に高め合う理科
学習
る。子どもは,生活経験や学習経験を基にした素朴な見
方や考え方をもっている。この素朴な見方や考え方を自
覚して追究に臨むとき,明確な見通しのもと意欲的に学
習に臨む姿が期待できる。
「ともに科学的な見方や考え方に高め合う」とは,実
◆めざす子どもの姿
証性,再現性,客観性という科学的価値を基盤とした観
察,実験などを行い,見いだした結果や結論について他
他者とかかわりながら科学的な見方や考
え方に高め合う子ども
者と検討し合い,科学的な見方や考え方に高め合うこと
である。このような問題解決の過程の中で他者を説得し,
互いに納得しながらより妥当性のある見方や考え方に高
田代 見二
徳永 悟
小石 紀博
め合い,自分の考えを再構成する姿を理科における自信
をもって学び合う姿と捉えた。
そこで,本年度は,子どもが自分の考えの根拠を示し
ながら,考えを高め合う学習指導の在り方を追究するこ
とで,めざす子どもの姿に迫ることにした。
研究内容
自信をもって学び合う子どもを育むための学習指導の在り方
1 自分の考えをもたせるための学習指導の在り方
⑴ 自分の考えを明確にもたせる事象提示の工夫
2 他とのかかわりの中で考えを高めさせるための学習指導の在り方
⑴ 他者を説得する話合い方の工夫
理科研究部における「考えが高まる」の捉え
すでに子どもがもっている自然の事物・現象についての素朴な見方や考え方を問題解決の過程をとおして,新しい意味
付け・関係付けを行い,科学的な見方や考え方に再構成していくこと。
(1) 他者を説得するための話合い方の工夫
高まった考え
「なるほど,そういうことか!」
「学習したことを使うと説明でき
るぞ。
」
観察,実験
するための話合い方
の工夫
比較,関係付け,数値化などに
よる結果の整理
明確な見通しをもとにした
観察,実験
実証性
追究の見通し
観察,実験の結果に
基づいた,他者を説得
再現性
考えが高まる
結果の検討
客観性
結論付け
知 の 再 構 成
科学的な概念を
使用した説明活動
新たな事象の提示やものづくりに
おける科学的な概念を使用した説明
活動の設定
(1) 自分の考えを明確にもたせるための事象提示の工夫
生活経験や既習の学習内容などを拠り
所としながら,確かめる前の考えを話し
合う場の設定
学習問題の設定
自分の考え
「どうしてそうなるの?」
「こうすれば,きっとこうなるはず
だ。
」
理科研究部における「考えが高まる」の捉え
自分の考えを明確に
もたせるための事象提
示の工夫
実感を深める
自信をもって学び合う子どもを育むための学習指導の在り方
1 自分の考えをもたせるための学習指導の在り方
⑴ 自分の考えを明確にもたせる事象提示の工夫
子どもが問題意識をもって学習に臨むことができるような事象を提示する。その事象に対する気付きや疑問から学習問
題を設定し,自分の考えについて他とかかわらせることで,自分の考えを明確にもつことができると考える。
事象提示
◆ 子どもがもっている知識との
ずれを生じさせるような事象を
提示する。
◆ 本時の学習内容につながる気
付きや疑問を子どもがはっきり
ともてる事象を提示する。
◆ 事象に対する気付きや疑問を
喚起する言葉かけをする。
◆ それぞれの気付きや疑問を共
有させる場を設定する。
・ 進んだ距離が違う!
・ 速さも違ったような?
・ ゴムを引っぱる長さが
違うから?!
・ 2台の車の動き方の
違いは何ですか。
・ 動き方に違いがある
のは,ゴムの何が違っ
たからですか。
学習問題の設定
自分の考えの明確化
◆ 学習問題に対して,
学習経験や
生活経験を基に予想させ,
ノート
に記述させる。
◆ 予想についてグループや全体
で話し合わせながら自他の考え
を比較させる。
◆ 学習問題に対する考えを黒板
に整理し,価値付ける。
長く引っぱったゴムが手に当たった
とき,とても痛かった。だから,ゴム
を引っぱるほど,ものを動かすはたら
きが大きくなると思います。
私は,風を強くするほど車の進む距離が
伸びたから,ゴムも引っぱるほど,ものを
動かすはたらきが大きくなると思う。
2 他とのかかわりの中で考えを高めさせるための学習指導の在り方
⑴ 他者を説得する話合い方の工夫
他者を説得するという相手意識をもって結果の検討を行うことで,科学的価値を基盤とした観察,実験の結果をより重
視することにつながり,科学的な見方や考え方に高めることができると考える。
結果の検討
自分の結果を基に
◆ ノートに記録された自分の結
果を基に説明させる。
確かに二酸化炭素が増えている。
さらに,酸素は前と後では減っている。
ものが燃える前と燃えた後の空気中
の二酸化炭素の割合を比べると,燃えた
後の方が増えていますよね。だから,前
後では空気の成分が変わっていると言
えます。
全体の結果を基に
◆ 黒板に整理された全体の結果
を基に説明させる。
どの班の観察結果を見ても,葉が増え
たり,花が咲いたりしていますよね。だ
から,ホウセンカは前のときと比べて変
わっていると言えます。
ものを示して
◆ 実験器具等を操作させたり,観
察した事象を提示させたりしな
がら説明させる。
このように支点と力点の距離が短く
なるほど手ごたえが大きくなりますよ
ね。だから,てこの力点の位置を変える
と,手ごたえが変わると言えます。
結論付け
◆ 結論は,学習問題に対する科学的な答えとして位置付ける。
科学的な概念を使用した説明活動
◆ 学習した事象と同様の原理・原則に基づく新たな事象を
提示し,科学的な概念を使用した説明活動を設定する。
成果と課題
⑴ 成果
○ 解決すべき問題に対して,結果を基に相手を説得しながら結論付けを行う姿が見られるようになってきた。
⑵ 課題
○ 説得する必然性が生じる学習問題の設定の在り方について検討していく必要がある。
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