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式辞 「朝凪(なぎ)の 波立って 風光るころ」(碧梧桐) 今年は、桜の開花が
式辞 「朝凪(なぎ)の 波立って 風光るころ」(碧梧桐) 今年は、桜の開花がいくぶん早かったので、本日の入学の日には葉桜の時節の始まりとなりま した。冒頭の俳句のように、その梢を渡る風の光る季節となった、今日のよき日に、市議会議員の 河井美久様をはじめ、たくさんのご来賓の皆様のご臨席たまわり、また、たくさんの新入生保護者 の皆様ご出席を頂戴し、春日部市立大増中学校第30回入学式を挙行できますことを、心から御 礼申し上げます。 ただいま、呼名をもって確認させていただきました110名の新入生の皆さん、立野小と大増中と いう小中一貫教育の本校への入学おめでとうございます。本校教職員一同、皆さんの入学を心よ り歓迎いたします。また、本日の入学をお喜びの保護者の皆さまに、心よりお祝いを申し上げま す。 さて、新入生の皆さん。皆さんは今日から中学生です。そこで、私からお祝いの言葉として、小 中一貫の9か年、後半ともいうべき中学校三年間でがんばってほしいことをお話ししたいと思いま す。 それは、立野小学校の卒業式で、皆さんが島村校長先生やご来賓の皆様から頂戴した言葉を 出発点としたいと思います。 卒業式で島村校長先生から皆さんは「自分の夢に向かってがんばる人になってください」という 餞(はなむけ)の言葉をいただきました。また、PTA会長の大串さんからは「夢は、努力と才能とあ きらめない気持ち」という励ましの言葉をいただきました。この「夢」に向かって歩むみなさんに、私 からは、その「夢」に向かう基本的な姿勢として、次のことを中学生の課題として示したいと思いま す。それは、「夢」に向かうには、自分自身の今日一日の生活が大切です、ということです。大きく 伸びていくためには今日の足元の一歩を大切にしてください。「大事の前の小事」、大きな夢に届 くためには、足元を見つめ直し、登校してから下校までの学校生活、そして、家に帰ってからの生 活を、規則正しく、行うべきことを確実に行い、毎日毎日、同じことを繰り返してできる習慣を大切 にしてください。そうすれば、必ず「夢」はかないます。むしろ「夢だけがかなう」、「夢しか現実にな らない」と思います。日々の生活を大切にすること、同じことを繰り返せること、これが一番の強みで あり、自分への「自信」につながります。その「自信」は、やがて自分や自分のクラス・学年、大増中 学校、そして、故郷春日部を「誇れる」気持ちになっていきます。そして、「自信と誇り」は、やがて 確実に「学力」をつけていってくれます。その力が「夢」を実現させてくれるのです。これを信じて、 日々がんばってください。「夢」の第一歩は毎日の生活です。そして、その中から「自信と誇りと学 力」をつけて、大きく成長していってください。これを中学生としての課題と考え、3年間、がんばっ てください。お願いします。 さて、保護者の皆さま、本日の入学の喜びはひとしおであろうと想像します。お子様のご誕生か ら幼稚園・保育園への入園・卒園、小学校入学、そして、卒業。今また、中学校への入学と、日に 日に成長するわが子の姿は親としての喜びであり、楽しみでもあろうと思います。今日からは中学 生、手をかける前に、じっと様子を見守っていってください。手を貸したい気持ちをぐっと抑えるこ とも必要な時期であると思います。また、大人を客観的に見られる年齢でもあります。その矛盾を 指摘してくる年代でもあります。大人の姿勢、親の真摯に生きる姿がこの年代の子どもの最も大切 なモデルとなっていきます。親として、そして、先に歩む人生の先輩として、人生をどう生きている のかを、言葉ではなく、その姿で示すことが最も重要な教育になろうと考えます。どうか、この難し い時期を、学校とともに共同で子育てをしていきましょう。そして、保護者の皆様、地域の皆様、本 校教職員と一致団結して、みなさんで立野小・大増中校区の子どもたちを将来の宝として育てて いきましょう。そのために、いつでも本校の職員にご相談ください。また、立野小学校の先生がたと も連携・協力してまいります。そうして、地域の子どもたちの成長の支援ができればと考えています。 どうかよろしくお願いします。 結びにあたり、本日ご多用の中、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様に、衷心より感謝と御礼を申 し上げます。また今年度本校は30周年を迎える記念の年となります。30年目にしてやっと市内の 伝統校の仲間入りができるものと、恥ずかしながら自負しております。今後とも大増中学校を地域 の学校としてご支援賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。 平成25年4月8日 春日部市立大増中学校 校長 舩田年男