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は じ め に 近年、我が国では、少子・高齢化、グローバル化、高度情報化が急速に進行し、人々の ライフスタイルや価値観が多様化することなどにより、教育環境において様々な課題が生 じています。国の第2期「教育振興基本計画」の前文では、今まさに求められるものとし て「自立・協働・創造に向けた一人一人の主体的な学び」が掲げられています。兵庫県の 第2期「ひょうご教育創造プラン(兵庫県教育基本計画)」においても、基本理念に「自立」 が加えられています。一人一人が生涯にわたって能動的に学び続け、その成果を社会に生 かしていくことが求められています。 このような中、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、首長と教育委員会 の連携強化を図るため、平成 27 年4月より、 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」 の一部改正に基づき、新教育委員会制度がスタートしました。本町においても総合教育会 議が設置・開催され、この会議において、播磨町の「教育大綱」が策定されました。その 「教育大綱」をもとに、この度、第2期「教育振興基本計画」(平成 28 〜 32 年度)を策定 することにいたしました。 本計画においては、第1期「教育振興基本計画」の基本理念「古代から未来へ いきい き きらめく人づくり」を引き継ぐとともに、「自立」 「連携」「ふるさと愛」をキーワー ドにした3つの基本方針、「キャリア教育の推進」「学校力の向上」「ふるさとを愛する心 の醸成」を加えた9つの領域、「『自立』をめざす教育の充実」「ICT 教育の推進」「グロー バル化への対応」など8つの項目を加えた 21 の重点項目を設定しました。 本町では、昭和 50 年前後、一斉に学校等の施設が建設され、現在、その改築改修の時 期を迎えています。順次、改築改修に取り組んでいますが、そのために多くの予算が投入 されています。このような状況下、限られた予算の中で、本計画に示された事業を効果的 に実施していきたいと考えています。 また、本計画に基づき、「確かな学力と体力を身につけ、思いやりの心と高い志を持ち、 変化の激しいこれからの世の中を生き抜いていくたくましさを備えた」人づくり、「生涯 にわたって自ら学び続け、故郷を愛し、故郷を誇りに思える」人づくりをめざしていきた いと考えています。 最後になりましたが、この第2期「教育振興基本計画」の策定にあたり、大変ご尽力を いただきました兵庫大学短期大学部教授の笹田哲男先生をはじめ検討委員の皆様に心より 感謝申し上げます。 平成 28 年1月 播磨町教育長 横 田 一 目 次 はじめに Ⅰ . 計画の趣旨と特長… ……………………………………………………………………………… 1 Ⅱ . 播磨町の教育を取り巻く環境の変化… ………………………………………………………… 1 1. 人口の減少、少子化・高齢化の進展…………………………………………………………… 1 2. 個人の価値観の変化……………………………………………………………………………… 3 3. 経済・雇用状況の変化…………………………………………………………………………… 4 4. グローバル化の進展……………………………………………………………………………… 4 5. 高度情報化の進展………………………………………………………………………………… 4 6. 環境問題の深刻化………………………………………………………………………………… 4 Ⅲ . 播磨町がめざす教育の姿… ……………………………………………………………………… 5 1. 自立して社会で生きていく力の育成…………………………………………………………… 5 (1)きめ細やかな幼児教育の推進… ……………………………………………………………… 5 (2)「生きる力」を育む教育の推進……………………………………………………………… 5 (3)キャリア教育の推進… ………………………………………………………………………… 6 2. 家庭・学校園・地域社会連携の構築…………………………………………………………… 6 (1)「サポートチーム播磨」の構築……………………………………………………………… 6 (2)教育環境の整備・充実… ……………………………………………………………………… 6 (3)教職員研修の充実… …………………………………………………………………………… 6 3. ふるさとへの愛を育む生涯学習社会の形成…………………………………………………… 6 (1)「ふるさと」づくりの基盤となる生涯学習体制の構築…………………………………… 6 (2)生涯にわたる学習活動への支援… …………………………………………………………… 7 (3)地域コミュニティの活性化を促す生涯学習体制の確立… ………………………………… 7 Ⅳ . 基本理念と基本方針… …………………………………………………………………………… 8 Ⅴ . 基本計画… ………………………………………………………………………………………… 9 1-(1)きめ細やかな幼児教育の推進………………………………………………………… 10 1-(2)「生きる力」を育む教育の推進… ……………………………………………………… 10 1-(3)キャリア教育の推進…………………………………………………………………… 15 2-(1)家庭・学校園・地域社会の連携……………………………………………………… 16 2-(2)信頼される教育環境の構築…………………………………………………………… 16 2-(3)学校力の向上…………………………………………………………………………… 17 3-(1)ふるさとを愛する心の醸成…………………………………………………………… 18 3-(2)生涯学習の推進………………………………………………………………………… 19 3-(3)人権尊重の地域づくり………………………………………………………………… 20 資料 播磨町人権教育基本方針(平成 21 年)……………………………………………………………… 23 人権尊重「共に生きよう ふれあいのまち」宣言文(平成元年)………………………………… 28 播磨町教育振興基本計画検討委員会設置要綱……………………………………………………… 29 第2期播磨町教育振興基本計画検討委員…………………………………………………………… 30 第2期 播磨町教育振興基本計画 Ⅰ . 計画の趣旨と特長 教育基本法第 17 条に基づき、平成 25 年6月、国においては、第2期「教育振興基本計画」 (平成 25 ~ 29 年度)が策定され、また兵庫県においては、平成 26 年3月、第2期「ひょうご 教育創造プラン(兵庫県教育基本計画)」 (平成 26 ~ 30 年度)が策定された。本町においても、 国・県の教育振興基本計画を参酌しつつ、第2期「教育振興基本計画」(以下、「本計画」と表 記。)を策定するものである。 本町は、平成 23 年1月、国・県の教育振興基本計画及び第 4 次「播磨町総合計画」(平成 23 ~ 32 年度)を踏まえた、第 1 期「教育振興基本計画」(平成 23 ~ 27 年度)を策定した。本 計画では、この第 1 期計画に示した施策を継続して打ち出すとともに、新たに浮上した教育課 題に対応する施策を、これに追加する方式をとることにした。同時に、「播磨町総合計画」教 育関係分野との整合を図りながら諸施策を打ち出すことにも留意した。 また、本町は、平成 27 年度発足の新教育委員会制度のもと、総合教育会議を開催し、 「教育 大綱」を策定したが、その理念・方針は、本計画の骨格を成すものである。 本計画は、平成 28 年度から平成 32 年度の5年間で実施するものとする。毎年度、本計画の 重点項目に対する点検・評価を行い、その結果を次年度の教育施策に反映させるものとする。 Ⅱ . 播磨町の教育を取り巻く環境の変化 国・県の教育振興基本計画が指摘する「社会情勢の変化」、その変化は播磨町の教育にも種々 の課題を投げかけている。 1.人口の減少、少子化・高齢化の進展 本町においては、当面、一時的に園児・児童・生徒が増加するため、施設を増設する など、教育条件の整備に努める必要があるものの、基本的には人口減少、少子化・高齢 化の進展を想定し、地域の活力を維持・向上させるための教育を構築しなければならな い。幅広い年齢の人々が子どもたちに経験や知恵・技能を伝える教育活動を展開するな ど、地域の将来の担い手を育成するべく、地域の教育力を高めていくことが課題となっ ている。 播磨町立小中学校における推計入学児童生徒数 児童生徒数(人) 250 200 播磨小学校 150 蓮池小学校 播磨西小学校 100 播磨南小学校 50 播磨中学校 播磨南中学校 0 度 年 27 成 平 度 年 28 成 平 度 年 29 成 平 度 年 30 成 平 度 年 31 成 平 −1− 度 年 32 成 平 度 年 33 成 平 第2期 播磨町教育振興基本計画 播磨町の推計人口 人口 (人) 40,000 パターン① (社人研推計) パターン② (出生率上昇を仮定) 33,180 30000 30,071 33,180 20,000 19.810 10,000 0 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 平成72年 *パターン①・・・合計特殊出生率を 1.30 と仮定し、社会移動を縮小と仮定した推計 (国立社会保障・人口問題研究所の推計に準拠) *パターン②・・・合計特殊出生率を 2.40 と仮定し、社会移動を 0 と仮定した推計 播磨町の推計人口割合(パターン①の場合) 年少人口 人口割合 100% 90% 21% 80% 生産年齢人 老年人口 26% 28% 29% 30% 31% 51% 59% 59% 59% 58% 13% 12% 11% 11% 10% 34% 35% 36% 37% 37% 56% 55% 54% 54% 54% 10% 10% 10% 9% 9% 70% 60% 50% 65% 40% 30% 20% 10% 0 14% 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 平成72年 播磨町の推計人口割合(パターン②の場合) 年少人口 人口割合 100% 90% 21% 80% 生産年齢人 老年人口 26% 28% 28% 28% 29% 31% 31% 30% 30% 28% 61% 59% 57% 57% 55% 53% 52% 52% 53% 54% 14% 14% 14% 15% 15% 17% 17% 17% 17% 18% 70% 60% 50% 40% 65% 30% 20% 10% 0 14% 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年 平成57年 平成62年 平成67年 平成72年 −2− 第2期 播磨町教育振興基本計画 2.個人の価値観の変化 社会の成熟化、ライフスタイルの多様化を背景にして、地域社会では「つながり」が 希薄化し、個人の価値観においても「集団よりも個を重視する」傾向がみられることが 指摘されている。子どもたちに、規範意識や自尊感情、他人への思いやり、家族を大切 に思う心、人間関係を築く力、社会性などの道徳性を育成していくことが課題となって いる。 また、子どもたちの生活・学習習慣の確立に向けた家庭の役割の明確化と、子育て施 策と一体となった家庭教育への支援が課題となっている。 地域や社会をよくするために何をすべきか考えたことがある(中学生) 全国 8.8% (公立) 24.1% 41.5 播磨町 4.1% 11.5% 0% 10% 25.5% 38.5% 20% 30% 45.9% 40% 50% 当てはまる どちらかといえば 当てはまらない 60% 70% 80% 90% 100% どちらかといえば 当てはまる 当てはまらない 1日(平日)当たりのテレビやビデオ・DVDの視聴時間(小学生) 全国 (公立) 播磨町 0% 19.2% 16.9% 21.4% 10% 23.1% 22.1% 20% 30% 4時間以上 1時間以上2時間より少ない 25.4% 23.1% 40% 50% 60% 3時間以上4時間より少ない 1時間より少ない 13.5% 24.6% 70% 80% 1.9% 6.5% 2.3% 90% 100% 2時間以上3時間より少ない 全く見たり、聞いたりしない 1日(平日)当たりのテレビやビデオ・DVDの視聴時間(中学生) 全国 (公立) 播磨町 0% 15.0% 15.5% 21.3% 10% 25.2% 17.8% 20% 30% 4時間以上 1時間以上2時間より少ない 27.6% 21.7% 40% 50% 14.6% 25.8% 60% 3時間以上4時間より少ない 1時間より少ない 70% 11.8% 80% 90% 2.0% 1.6% 100% 2時間以上3時間より少ない 全く見たり、聞いたりしない ※「平成 27 年度全国学力・学習状況調査」児童生徒質問紙調査より −3− 第2期 播磨町教育振興基本計画 3.経済・雇用状況の変化 サービス産業の拡大、雇用の多様化等が進行する中にあって、子どもたちのキャリア 形成(自分の生き方を主体的に選択し、その実現に向けて努力していく意欲・態度等を 身につけること)への支援が課題となっている。 また、社会的・経済的格差の進行が指摘されており、日本の子どもの6人に1人が貧 困であるといわれている。教育やその後の就業状況によって、格差が再生産・固定化し ないように、子どもたちのキャリア形成を支援することが課題となっている。 4.グローバル化の進展 グローバル化(世界経済の多極化、企業の海外進出等)の急速な進展に伴い、子ども たちに、チャレンジ精神や創造性、外国語(特に英語)によるコミュニケーション能力 を育成するとともに、自他の文化・習慣・価値観を認め合う心、日本人としてのアイデ ンティティを育成することなどが課題となっている。 5.高度情報化の進展 児童・生徒の携帯電話・スマートフォン所持率が高まる中で、インターネットの不適 切な利用に関わる問題(電子メールや S N S 上での誹謗中傷から生じるいじめや暴力行 為等)も増加している。子どもたちに対して、情報モラルの向上を図り、高度情報化社 会に主体的に対応できる力を育成することが課題となっている。 播磨町の子どもたちの携帯電話等の所持率 100% 所持率 ①携帯電話 ②スマートフォン ③DS等ゲーム機 ④キッズ携帯 (小学生)タブレット (中学生)⑤持っていない 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% ① ② ③ ④ ⑤ 小学 小学 小学 小学 小学 小学 小学 小学 中学 中学 中学 中学 中学 中学 3年男 3年女 4年男 4年女 5年男 5年女 6年男 6年女 1年男 1年女 2年男 2年女 3年男 3年女 ※ H26 播磨町教育員会調べ 6.環境問題の深刻化 地球環境問題(地球温暖化問題、食料・エネルギー問題など)が深刻化する状況の中、 子どもたちに、環境についての理解を深めさせ、自然に対する畏敬の念や命を大切にす る心を育成することが課題となっている。物質的な豊かさのみを追求するのではなく、 持続可能な社会の構築に向けて取り組んでいく主体的な行動力の育成が課題となってい る。 −4− 第2期 播磨町教育振興基本計画 Ⅲ . 播磨町がめざす教育の姿 国の第2期「教育振興基本計画」は、 「今後の社会の方向性」として、 「自立」「協働」「創造」 の3理念を実現する「生涯学習社会の構築」を掲げている。「自立(各人が多様な個性・能力 を伸ばし、充実した人生を主体的に切り開いていくこと)」「協働(各人がそれぞれの強みを生 かして、ともに支え合い、高め合い、社会に参画すること)」を通じて、新たな価値を「創造」 していくこと―この点に、当面の教育課題を克服する途があることを示唆している。 また、本町の「教育大綱」を策定した総合教育会議では、従前以上に教育の重要性、とりわ け幼児教育の重要性が指摘されるとともに、「グローバルな視点を持ちながら、大人になって も『ふるさと播磨町』を愛する人を育てる」ことの大切さが強調された。 本計画を策定するにあたっては、①「自立」「協働」を通じて新たな「価値」を創造してい くことのできる生涯学習社会の構築、②「グローバルな視点」と「ふるさと愛」を持った人の 育成、以上2点を念頭に置いて、今後の基本的方向性を打ち出すこととする。 なお、第4次「播磨町総合計画」 (平成 23 ~ 32 年度)は、基本目標「豊かな心と人を育むまち」 の下に、「学校教育の充実」 「学べる環境の充実」の2政策を掲げている。(「学校教育の充実」 政策の下では「幼児教育の充実」「学校教育の充実」「青少年の健全育成」の3施策が示され、 「学べる環境の充実」政策の下では、「生涯学習の充実」「スポーツ活動の推進」「芸術・文化活 動の推進」「歴史的・文化的資源の保存と活用」の4施策が示されている。)「播磨町総合計画」 が掲げる教育政策・施策との整合も図りながら、本計画における基本的方向性を定めることに する。 播磨町教育の諸課題に対応して、本町がめざす「教育の姿(教育、教育体制)」は、以下の とおりとする。 1.自立して社会で生きていく力の育成 (1)きめ細やかな幼児教育の推進 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成及び義務教育の基礎を培うものであることを認 識し、家庭教育支援も含めた幼児教育の質的向上に取り組む。 (2)「生きる力」を育む教育の推進 「確かな学力」 「豊かな心」 「健やかな体」をバランス良く育成することを通して、子ど もたちの「生きる力」を育む学校教育を推進する。 ①「確かな学力」の育成においては、基礎的な知識・技能と、それを活用して課題を解決 するための思考力・判断力・表現力を身に付けさせること、また、主体的に学習に取り 組む態度を身に付けさせることに重点を置く。 ②「豊かな心」の育成においては、道徳教育、人権教育、環境教育、防災教育等に取り組 むことを通して、他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、 「関 わり」「つながり」を尊重できる個人を育むことに重点を置く。 ③「健やかな体」の育成においては、生涯を通じ継続して運動ができる資質・能力を養う など、たくましく生きるための健康・体力を身に付けさせることに重点を置く。 −5− 第2期 播磨町教育振興基本計画 (3)キャリア教育の推進 子どもたちの発達の段階に応じたキャリア教育(社会的・職業的自立に向けて必要な基 盤となる能力・態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育)の充実に取り組む。 社会・職業への円滑な移行のために必要な能力(「人間関係形成・社会形成能力〈コミュ ニケーション能力〉」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」 「キャリアプランニング 能力〈目標を持ち計画を立て、それに向かって進んでいく力〉」)の育成を図る。 2.家庭・学校園・地域社会連携の構築 (1)「サポートチーム播磨」の構築 子どもの状況の変化、学校に対する社会からの要請の多様化・高度化に対応して、子ど もたちの学びを支える「地域ぐるみの教育」体制を整備する。家庭・地域社会との連携な どを通して、多方面からボランティアを募ることにより、地域全体で子どもを育てる体制 づくりを進めるため、「サポートチーム播磨」を構築する。小中学校へは、「学校生活サポ ーター」を常時配置し、児童生徒の学習内容の確実な定着を図るとともに、子ども一人一 人の個性や能力の伸長を図る。学級担任等との十分な連携のもと、きめ細やかな教育活動 を展開する。 (2)教育環境の整備・充実 老朽化した校舎施設等については、大規模改修を計画的に行い、安全で快適な教育環境 を整備する。また平成 27 年度、教育委員会をデータセンターとする町内小中学校コンピ ュータネットワークを構築し、同時に、校務支援システムを導入したが、これらを効果的 に利用することを通して、授業の改善、学校業務の改善を図る。電子黒板やデジタル教科 書の更なる活用、その他の ICT 機器やデジタルコンテンツの更なる活用を促すことにより、 子どもの意欲・好奇心を引き出す授業の実践を推進する。ICT を活用した校務の効率化に より、教職員が児童生徒と触れ合う時間を十分に確保できるような体制を整備する。 (3)教職員研修の充実 「サポートチーム播磨」を構築する一方で、「学校力の向上」施策を推進する。教職員研 修の充実を図り、「わかる授業」の実現に向けて、「教えるプロ」としての専門性をさらに 高めていく。グローバル化に対応した英語教育の充実、「主体的・協働的に学ぶ課題解決 型授業(アクティブ・ラーニング)」の導入、ICT 活用指導能力の向上など、教職員には 多くの教育課題が投げかけられている。また、いじめの未然防止、早期発見、早期対応な どに取り組む力をつけることも、教職員にとっての重要な教育課題である。こうした課題 を克服するための研修体制を整備する。 3.ふるさとへの愛を育む生涯学習社会の形成 (1)「ふるさと」づくりの基盤となる生涯学習体制の構築 本町は、古代にさかのぼる古い歴史と文化を有する町である。歴史と文化が息づく地に 学ぶ子どもたちが、「ふるさと」としての本町に愛着と誇りを持てるような学校園教育、 生涯学習体制の構築を図る。 −6− 第2期 播磨町教育振興基本計画 (2)生涯にわたる学習活動への支援 町民の生涯学習を支援し、町民に様々な学習機会を提供することは、即ち、生きる喜び の提供であり、人が心豊かに生活する地域コミュニティの形成に結びつくことになる。 本町の有する豊富な郷土文化財の活用(文化財の調査研究と適正保存、文化財等をテーマ にしたイベントの実施)などを通して、特色ある生涯学習体制を整備し、町民の「学び」と、 その「学び」を生かした「地域づくり」を支援する。 (3)地域コミュニティの活性化を促す生涯学習体制の確立 学校や公民館等において、人権学習やその他様々な学習(地域の抱える課題についての 学習、現代的・社会的課題についての学習等)が行われることにより、世代や立場などが 異なる様々な人々のつながりや支え合いが形成されるような、生涯学習体制の確立をめざ す。個人や社会の多様性を尊重するとともに、協働して地域の課題解決に取り組んでいく 「地域づくりの担い手」が育成されるような、生涯学習体制の確立をめざす。 −7− 第2期 播磨町教育振興基本計画 Ⅳ . 基本理念と基本方針 本計画では、第 1 期計画に示した施策の多くを継続して打ち出すとともに、これに新施策を 追加する方式をとることにした。 本町は「教育大綱」を策定したが、この大綱では、第1期「教育振興基本計画」が掲げた基 本理念・基本方針を、継続し発展させることを、その趣旨としている。 本計画における「基本理念と基本方針」は、播磨町「教育大綱」に準拠するものとする。 〈基本理念〉 古代から未来へ いきいき きらめく人づくり 〈基本方針〉 1 園児・児童・生徒が自立して社会で生きていく力を育成する (1) 子どもの発達・学びの連続性を考慮したきめ細かい幼児教育を推進する (2) 生涯をたくましく生きるための健康教育を推進するとともに、「生きる力」を 育み、知・徳・体のバランスのとれた児童生徒を育成する (3) 幼児教育と一貫性のある義務教育を展開し、充実した人生を送る基盤を形成す るためのキャリア教育を推進する 2 家庭・学校園・地域社会との連携を密にし、総合的な教育を推進する (1) 家庭・学校園・地域社会、それぞれの教育力を高め、子どもを育てるネットワ ークづくりを推進する (2) 新しい時代にふさわしい ICT 教育の充実を図り、主体的・協働的学習を積極 的に推進する (3) 教職員のさらなる資質向上を図り、学校力を高める体制づくりを推進する 3 ふるさと播磨町に誇りを持ち、生涯にわたって、いきいきと学び続けること ができる教育を推進する (1) グローバルな感覚で社会に貢献できる資質を養うとともに、 「ふるさと」を愛し、 「ふるさと」に生きる人づくりを推進する (2) 幼児期から高齢期までの生涯にわたる学習活動を支援するための機会と場を提 供する体制を構築する (3) 共生社会の実現に向け、幼児から高齢者までの体系的な人権教育を推進する −8− 第2期 播磨町教育振興基本計画 Ⅴ . 基本計画 基 本 方 針 領 域 重 点 項 目 (1)きめ細やかな幼児教 育の推進 ①「生きる力」の基礎を育む幼児教 育の充実 ①確かな学力の育成 1 園児・児童・生徒が (2)「生きる力」を育む 教育の推進 自立して社会で生きて いく力を育成する ②豊かな心の育成 ③健やかな体の育成 ④防災教育・安全教育の徹底 (3)キャリア教育の推進 (1)家庭・学校園・地域 社会の連携 2 家庭・学校園・地域 社 会 と の 連 携 を 密 に (2)信頼される教育環境 の構築 し、総合的な教育を推 進する (3)学校力の向上 ①体験的なキャリア教育の充実 ②「自立」をめざす教育の充実 ①地域ぐるみでの子どもの育成 ②家庭や地域社会の教育力の向上 ①教育環境の整備 ② ICT 教育の推進 ①特別支援教育の充実 ②教職員の資質向上 ①グローバル化への対応 (1)ふるさとを愛する心 の醸成 ②郷土文化への理解の促進 ③郷土文化財の活用 3 ふるさと播磨町に誇 り を 持 ち、 生 涯 に わ ①生涯学習の機会の提供 たって、いきいきと学 び続けることができる (2)生涯学習の推進 教育を推進する ②生涯学習関係団体の活動支援 ③スポーツの振興 (3)人権尊重の地域づく り −9− ①人権教育の推進 ②人権学習の充実 第2期 播磨町教育振興基本計画 1-(1)きめ細やかな幼児教育の推進 ①「生きる力」の基礎を育む幼児教育の充実 (ⅰ)人格形成の基礎を育む幼児教育の充実 a.幼児教育と義務教育の連携を強め、育ちの一貫性を見極めた教育を展開する。 b.家庭の教育力を高めるため、幼児教育学級の充実や家庭への啓発等を図りながら、 基本的生活習慣や学習態度の育成に努める。 (ⅱ)社会的自立の基礎を培う体験活動の充実 a.集団生活の中で、善悪の判断などの基本的な倫理観、社会的マナーなどの規範意識、 自制心や自立心など、道徳性の芽生えを培う。 b.幼稚園や保育園の生活の中での社会体験 や自然体験で感じたことや考えたことを 豊かに表現する意欲や態度を育てる。 c.友だちや教職員、地域の人々とふれあう 活動を通して、人を思いやる心や人の痛 みを感じる心などを育み、豊かな人間関 係の基礎を築く。 地域の人々とのふれあい (ⅲ)多様な形態での保育の推進 a . 多様化する保護者の生活形態からのニーズに応じた保育体制を構築していく。 b . 幼稚園・保育園の連携を小学校と関連付けながら推進する。 1-(2)「生きる力」を育む教育の推進 ① 確かな学力の育成 (ⅰ)基礎的・基本的な学力の定着 a.学習指導要領に示された各教科、道徳、 特別活動、総合的な学習の時間などの授 業時数や指導内容、改善内容等を十分理 解し、年間を見通した教育課程を編成す る。 b.子ども一人一人の個性を尊重した視点で、 共通する指導とそれぞれの個性を生かす 国語の授業 指導の両方から学習システムを考えることが必要である。そのための研修を深め、 確かな学力を身につけさせる指導を推進する。 c.評価規準 *1 を明確にし、指導と評価の一体化*2を図るとともに、学習の達成状況 を適切に評価し、本人及び保護者に知らせるとともに、きめ細かな指導に生かす。 * 1 設定した到達目標(観点・内容)を評価規準といい、到達目標に対してどの程度到達できたかを判断す る指標(目安)を評価基準という。どちらも評価きじゅんと読むが意味は明確に違う。規準を「のりじゅん」 基準を「もとじゅん」と読むことがある。 * 2 授業の様々な段階で、もしくは学習の様々な局面を対象にして、授業や学習の方法や学習者の学習の実 態と学習成果をとらえ、そこから得た情報を授業や学習に効果的にフィードバックしていくことを指し ている。 − 10 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 d.学習意欲の向上のための授業改善に取り組み、ICT 関連機器やデジタルコンテンツ 等の積極的活用を図り、多様な指導法の開発に努める。 (ⅱ)自ら学ぶ意欲・態度・能力の育成 a.宿題・家庭学習の意義を再検討し、家庭への啓発を進めるとともに、家庭と連携し ながら、小学校低学年からの系統的な学習態度の育成を図る。 b . 児童生徒が自ら課題を見つけ、考え、判断して解決していくことを促す学習指導を 工夫する。 c.年間計画に基づき、課題について自分なりに解決していく教科の横断的・総合的な 学習を推進する。 d.一人一人のよさや、可能性を指導に生かす評価を工夫し、自己肯定感を育てる。 e.グループ・ディスカッションやディベート等、児童生徒の能動的な学習を促すアク ティブ・ラーニング*3 の手法を、ICT 等を利用した学習の中にも取り入れ、情報 教育機器を利用した多様な活動を促す。 (ⅲ)特色ある総合的な学習の推進 a.趣旨やねらいを明確にして校内推進体制 を整えるとともに、年間計画に基づき、 教科の横断的・総合的な学習を実施する。 b . 地域や児童生徒等の実態に応じて、創意 工夫を生かした教育活動を推進する。 c.専門的な知識・技能を有する個人や団体 など、外部人材を活用する。 d.国際化社会に対応するため、幼児期から 田植え体験 外国語に触れる機会を設けるとともに、小学校における英語活動を推進する。 ②豊かな心の育成 (ⅰ)道徳的実践力の育成 a.学習指導要領に沿った全体計画及び年間指導計画を作成し、道徳教育推進教員*4 を中心とした推進体制を確立する。 b . 道徳教育の充実を図り、発達段階に応じた道徳的実践力*5を高める。 * 3 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授学 習法の総称。学習者に能動的に学習させることによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、 経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、 教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラー ニングの方法である。 * 4 小・中学校における道徳教育の推進に関する機能的な協力体制を確立することを目的として、校長 の方針の下に、学校内で道徳教育推進の中心的役割を担う教員のことをいう。 * 5 人間としてよりよく生きていく力であり、一人一人の児童生徒が道徳的価値の自覚及び自己の生き方に ついて考えを深め、将来出会うであろう様々な場面、状況においても、道徳的価値を実現するための適 切な行為を主体的に選択し、実践することができるような内面的資質を意味している。主として道徳的 心情、道徳的判断力、道徳的実践意欲と態度を包括するものである。 − 11 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 c.いのちの大切さを実感させ、自ら自分の いのちを守る力をつけさせるとともに、 自分以外のいのちも大切に思う気持ちを 培う。 d.家庭や地域社会と連携を密にし、道徳的 実践の充実・向上を図る。 (ⅱ)児童生徒の自己実現への支援 a.児童生徒が将来への夢を持って自己実現 命の教育 を図れるよう、小学校の自然学校、環境体験事業*6や中学校のトライやる・ウィ ーク、わくわくオーケストラなど、発達段階に即した体験活動の学習機会を増やす とともに、進路についての豊富な情報の 提供と適切な指導に努める。 b.特別な支援を必要とする児童生徒に対し、 小学校・中学校間の連携を深めるととも に、家庭訪問や教育相談によって個人の 生活実態や教育上の課題を明らかにし、 個別の支援計画に基づき適切な支援や指 トライやる・ウィーク 導を行う。 c.学級担任だけでなく、学校生活サポーター*7、ふれあいルーム等との連携を強め、 支援を必要とする児童生徒に全教職員が迅速に対応できる体制を整える。 d.児童生徒の学力の課題を的確にとらえ、指導の在り方や評価の方法を工夫し、自尊 感情や自ら学ぶ力を培う。 (ⅲ)豊かな人権感覚を持った児童生徒の育成 a.人権についての正しい理解を深め、同和問題をはじめ、障がいのある人、高齢者、 子ども、女性、性的マイノリティー(LGBT)*8 、DV、デート DV *9 、外国人、 HIV 感染者などにかかわる人権問題について、課題解決の意欲や態度を育成しスキ ルの向上を図る。 b.児童生徒が様々な体験活動や人とのかかわりの中で、自分の義務や責任を自覚し、 人権を相互に尊重するとともに、いじめを許さない毅然とした態度を身につけるよ う指導する。 * 6 学習の場を教室から豊かな自然の中へ移し、児童が人や自然、地域社会とふれあい、理解を深める など、 自分で考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する力や、生命に対する畏敬の念、感動する心、 共に生きる心を育むなど、「生きる力」を育成することを目的とする。小学校 5 年生の「自然学校」小学 校3年生の「環境体験学習」として行っている。 * 7 「サポートチーム播磨」の構成員であり、児童生徒の基礎的基本的な学習内容の確実な定着と一人一人の 個性や能力の伸長を図る人。学級担任等との十分な連携のもと、きめ細かな行き届いた教育活動を展開し、 学校・学級運営の支援に努める人。 * 8 性的少数者、セクシュアル・マイノリティとも言う。一般的に同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー(性 同一性障害を含む)などが含まれると考えられている。 * 9 男女交際において、親密な相手に対して行なわれるあらゆる暴力のこと。身体的暴力、性的暴力の他、 相手を思い通りに支配(コントロール)しようとする言動や態度も含まれる。10 代、20 代で経験する人 が多く、近年、社会的に関心が高まってきている。 − 12 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 c.学校という集団生活の中で、自己責任や社会生活のルールを身につけさせる。とり わけインターネット上の人権侵害を防止するための教育を、発達段階に応じながら 推進する。 d.道徳教育等において、差別や偏見に気付かせるとともに、それらを解消するための 実践力を培う。 e.特別活動や総合的な学習の時間等で、人権にかかわる身近な問題を自分で考え判断 し、解決しようとする態度を育てる。 (ⅳ)人間的なふれあいに基づく生徒指導の推進 a.系統的、全校的な生徒指導体制をさらに充実させ、全教職員の共通理解を図る。一 人一人の心を深く理解し、いじめ、不登校、問題行動等の未然防止とその解消に向 け、積極的に取り組む体制を整備する。 b.幼児や児童生徒の心の居場所を確保し、自主・自律の精神を育む。 c.学校生活サポーター、ふれあいルーム等と連携を図り、教育相談体制を充実する。 d.家庭・地域社会・関係機関・学校園の連携や信頼関係の強化を図る。 (ⅴ)共に生きる社会を目指す福祉教育の推進 a.福祉教育のねらいを明確にし、指導計画 を作成する。 b.福祉体験活動の充実を図るとともに、福 祉の心を育て理解を深めさせる。 c.家庭と学校をつなぎ、児童生徒の家庭へ のきめ細やかな支援を行うため、学校へ のスクールソーシャルワーカー *10 の配 福祉体験 置を進める。 (ⅵ)多文化理解を深める国際理解教育の推進 a.国際理解教育のねらいを明確にし、指導 計画を作成する。 b.外国人と交流したり外国語に親しませた りするとともに、小学校からの英語活動 を推進し、偏見を持たない共生の心を育 成する。 c.多文化理解と日本の伝統・文化を尊重す る態度を育成する。 d.帰国児童生徒や編入外国人児童生徒等に 国際理解教育 かかわる支援を充実する。 10 子ども本人と向き合うだけでなく、家庭や行政、福祉関係施設など、外部機関と連携しながら、子ども * を取り巻く環境を調整する人。社会福祉士や精神保健福祉士など福祉のプロが担うことが多い。近年は、 虐待やいじめへの対応で注目されている。 − 13 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 (ⅶ)望ましい集団活動としての特別活動の充実 a.自主的・実践的な活動の活性化を図る。 b.学級活動の内容を充実させ、人間として の在り方・生き方指導の充実に努める。 c.学級会活動や委員会活動などを通し、子 どもの居場所づくりに努めるとともに、 学校園の一員としての存在を自覚させ、 責任を持たせる。 d.教育目標、教育課程、教育計画の整合性 学級会 を図り、それに基づき学校園行事の精選 と内容の充実に努める。 (ⅷ)人と自然との調和を目指す環境教育の推進 a.環境教育のねらいを明確にし、総合的な 視点に立った指導計画を作成する。 b.環境問題・環境保全への関心・理解を深 める。 c.よりよい環境の創造に向けた、実践的な 態度や能力を培う。 d.各学校に設置されている「太陽光発電*11」 を有効に活用し、環境教育を推進する。 喜瀬川探検 ③ 健やかな体の育成 (ⅰ)体力・運動能力の向上 a.コーディネーショントレーニング*12を幼児期から取り入れ、小学校における体育授 業にも普及させる。 b.小学校及び中学校において、体育の授業 時数が増加した意図を踏まえ、バランス のとれた運動能力や柔軟性を培うととも に、基礎体力の向上を図る。 c.運動部活動おいては、個性の伸長や好ま しい人間関係を育成するとともに、行き 過ぎた活動に陥ることのないよう配慮し ながら、一人一人の能力に応じた体力の 体力テスト 向上、運動能力の向上を目指す。 11 太陽光発電により生み出される再生可能エネルギーは、消費電力に活用され、CO2 の削減に寄与する。 * 今回の設置で、学校1校あたり CO2 の削減量は、東京ドーム 1 個分の面積の森林による CO2 吸収効果 に相当する。 12 五感で察知した情報を脳で処理し、筋肉の動きに変換するという一連の感覚情報処理がコーディネーシ * ョン(協調性、適応性)能力である。この能力を高めようとするのが、「コーディネーショントレーニン グ」である。 − 14 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 (ⅱ)生涯にわたる健康の基礎を培う学校保健の充実 a.幼児児童生徒一人一人の心身の健康状態について、家庭や学校医、また地域社会と の連携を深めるとともに、学校保健委員会の活性化を図る。 b.各学校園の食育年間計画に従い、家庭、学校園、地域が役割と責任を分担するとと もに、発達段階に応じた食育の推進を図る。 c.薬物乱用、喫煙・飲酒などにかかわる健康問題について、関係機関とも連携し、発 達段階に応じて、正しい知識と予防の習慣を身につけさせる。 d.性教育副読本等を活用し、発達段階に応じた性に関する正しい理解を深めさせる。 ④ 防災教育・安全教育の徹底 a.防災・減災教育を推進し、危険予知・安全 保持・危険対処能力の育成を図る。 b.学校園の危機管理マニュアルを作成し、緊 急時の対策や体制を整備する。特に心肺蘇 生法や AED(自動体外式除細動器)の使 用については、講習を重ね誰でも対応でき る体制を整える。 c.学校園が安全な居場所であるよう、学校園 心肺蘇生法講習会 安全計画に従い、学校園生活における安全 指導や毎月の定期点検及び日常点検を徹底 する。 d.発達段階に応じた交通安全教育を推進し、 交通事故防止を図る。 1-(3)キャリア教育の推進 交通安全教室 ① 体験的なキャリア教育の充実 a.幼児期から葛藤や挫折を乗り越えたりするなど、達成感を得るための体験をさせ、 社会性を身につけさせる。 b.係活動や委員会活動、「トライやる・ウィーク」など、発達段階に応じて適切に役 割を持たせることで、子ども自身に有用感・達成感を感じさせるとともに、自分の 行動に責任をもたせる指導を行う。 c.校園外行事や各学習活動の中に、社会体験 活動や社会見学等を盛り込み、継続的な教 育課程として位置付ける。 d.外部人材を活用し、効果的な社会体験活動 を実施する。 ②「自立」をめざす教育の充実 a.幼児・児童・生徒に活動の目的を持たせ、 達成感を味わわせるようにし、自尊感情を 浄水場見学 持たせるとともに、自立への自信を持たせる。 b.自発的な活動を推進し、発達段階に応じて、家庭・学校園・社会の中で、自分の役 割意識を持たせる。 − 15 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 c.計画的に学校園の読書環境を整備し、豊かな心の発達を促すとともに自己の生き方 についての意識の高揚を図る。 d.職業についての基礎的な知識と技能,勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の 進路を選択する能力を養う 2-(1)家庭・学校園・地域社会の連携 ① 地域ぐるみでの子どもの育成 (ⅰ)家庭や地域社会に開かれた学校園づくり a.保護者や地域の人材を学校園教育に活用するとともに「兵庫の教育推進月間」やオ ープンスクール等により、開かれた学校園づくりを推進する。 b.具体的な学校園の目標や取組方法を広く地域に知らせ、学校園評議員など学校園関 係者による評価を推進するとともに、評価結果を公表し学校園運営の改善に努める。 c.教職員は、積極的に地域活動に参加することにより、地域との連携を深める。 d.主体的に子どもたちを育てる PTA 活動を支援し、地域ぐるみで子どもたちを見守 る体制づくりに努める。 e.地域との連携を強化し、子どもたちが安心して地域で過ごせるように努める。 f.地域で子どもたちを育てる「サポートチーム播磨」を視野に入れ、各組織・団体を コーディネートしていく。 ② 家庭や地域社会の教育力の向上 a.PTA や地域団体との連携を図り、地域ぐるみの教育支援活動の拡充を図る。 b.家庭教育の充実を図るため、幼児・家庭教育学級を開設するとともに、家庭教育啓 発資料を発行する。 c.地域社会の中で、放課後に子どもたちの安全で健やかな居場所づくりを提供するた め、小学校の体育館やグランドなどを利用した子どもの健全育成を支援する。 2-(2)信頼される教育環境の構築 ① 教育環境の整備 (ⅰ)安全 ・ 安心で快適な学校園の環境整備 a.学校園全体が心やすらぐ環境となるよう美化や緑化に努める。 b.学校園が安心の場となるよう防犯・防災体制の整備に努める。 c.安全で安心な場となるよう学校園施設の改修整備計画を立て、整備を進める。 d.快適な学習環境を作るため、各教室等の空調設備を検討する。 e.放送、掲示等において人権に配慮した環境を整える。 f.学校園が幼児や児童生徒にとっての居場所となるよう、物的・人的環境づくりに努 める。 − 16 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 (ⅱ)活力に満ちた魅力ある学校園づくり a.小中学校学習指導要領や幼稚園教育要領を踏まえ、幼児、児童生徒をよりよく理解 する視点や教育課題について話し合うなど、具体的な取組を行う。 b.体験的・総合的な学習を取り入れた教育活動を展開する。 c.一人一人のよさや可能性を見い出し、自己肯定感を育み、その能力を伸ばす。 ② ICT 教育の推進 a.学校園に導入されたパソコン、電子黒板、 デジタルコンテンツ等を児童生徒が有効 に活用できるようにする。 b.ICT 機器等を積極的に活用し、その利便 性を生かすとともに、新たな情報教育機 器等に対応できる能力を培う。 c.小中学校で設置されている電子黒板等の 情報教育機器に加え、タブレット端末な 情報教育 ど、新たな情報教育機器の導入を検討する。 2-(3)学校力の向上 ① 特別支援教育の充実 a.障がいのある子どものライフサイクルを見通し、一人一人の課題を明確にして、自 立をめざした教育活動の充実を図る。 b.関係機関や保護者と連携しながら、幼児期からの適切な就学指導に努める。 c.特別支援教育コーディネーターを中心として、児童生徒個々の特性やニーズに応じ た適切な指導や支援を図るため、「サポートチーム播磨」の推進や教職員の専門性 の向上に努める。また、東はりま特別支援学校をはじめ関係機関との連携を強化す る。 d.スクールカウンセラーや「サポートチーム播磨」の活用、関係機関との連携を通じ、 日々の幼児児童生徒理解に努める。 ②教職員の資質向上 (ⅰ)「サポートチーム播磨」の構築 a.多様化・複雑化する学校へのニーズに対 応し、教師は授業を中心とした教師本来 の業務に専念できるようにし、生徒指導 上の課題や、情報化に対応できるスタッ フ、また、小学校において低学年化して いく英語教育や小中学校の体育指導や部 活動などを専門的に担うスタッフを臨時 的に学校へ導入することを検討する。地 外部人材の活用 域社会との連携、近隣大学との提携などを通して、多方面から人材を集めることを 検討する。 b.国・県の動向に合わせながら、学校の構造的な転換を行い、学校力の向上を図り、 子ども一人一人のニーズに対応できる教育をめざす。 − 17 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 (ⅱ)教師の指導力の向上 a.世代別、テーマ別など、教職員の研修の場を充実し、相互に切磋琢磨して高めあう 教師集団をめざした取組を進める。 b.これまでの教育活動の中で中堅・ベテラン教師が長年積み上げてきた「わかる授業」 の技術を若手教師に伝える研修を推進し、教職員の教育技術と指導力の向上を図る。 c.すべての教職員が ICT を活用することにより、「わかる授業」を創造する。 d.校務支援システム*13を活用することによって、校務の効率化を図る。 3-(1)ふるさとを愛する心の醸成 ①グローバル化への対応 (ⅰ)心やすらぐ安全 ・ 安心かつ快適な学校園の環境整備 a.基礎的・基本的な知識・技能の習得とそれらを活用していく力をつけ、問題を解決 できる思考力・判断力・表現力を育てる。 b.急速なグローバル化に対応した知識・技術を、適切・迅速に身につける教育体制を 構築する。 c.様々な教育の場を通じて、異文化を背景に持つ人との共生、自然との共生などを志 向する寛容な心を涵養する。 d.我が国や地域、ふるさとの伝統・文化についての理解を深め、尊重する態度を身に 付けるようにする。 e.学校教育では、グローバル化に適切に対応する資質・能力・態度が生涯にわたって 必要であるという視点に立って、その基盤づくりを行う。 ②郷土文化への理解の促進 (ⅰ)郷土学習の推進 a.学校園では、道徳教育と関連させなが ら、自分たちの暮らす地域を「ふるさ と」として、愛着を持ち、大切にでき る心を育てる。 b.生涯学習の視点から、幼児から高齢者 までが参加できる、地域の伝統や文化 に触れる機会を提供する。 伝統文化に学ぶ (ⅱ)郷土資料の情報発信 a.郷土資料館や県立考古博物館との連携を深め、積極的な情報発信を行う。 13 校務分掌に関する業務、教職員間の情報共有、家庭や地域への情報発信、服務管理上の事務、施設管理 * 等を行うことを目的とし、教職員が一律に利用するシステム。教職員等学校関係者が必要な情報を共有 することによりきめ細やかな指導を可能とするとともに、校務の負担軽減を図り、教員が子どもたちと 向き合う時間や教員同士が相互に授業展開等を吟味し合う時間を増加させ、ひいては、教育の質の向上 と学校経営の改善に資するものである。 − 18 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 ③郷土文化財の活用 (ⅰ)文化財の調査研究と適正保存 a.文化財の調査研究を進め、適正保存を図る。 b.文化財保護の意識高揚のため、地域住民との協働による保存活動を行う。 (ⅱ)文化財を活用したイベントの実施 a.大中遺跡、郷土の先覚者などをテーマとしたイベント、講演会・講座などを実施する。 b.体験活動を充実し、「ふるさと」への誇りと愛着を高める活動を推進する。 3-(2)生涯学習の推進 ①生涯学習の機会の提供 (ⅰ)学習環境の整備 a.社会教育施設の改修を計画的に行い、施設設備の充実と安全管理に努める。 b.生涯学習情報の提供を進めるとともに、住民ニーズに合った教育施設の活用と拠点 整備を進める。 c.専門的知識や技能を持つ地域の人材や指導者の発掘と養成に努めるとともに自主的、 主体的なボランティア活動を支援する。 (ⅱ)指定管理者との連携 a.社会教育施設が適正に維持管理されるよう、指定管理者との連絡調整を密にする。 b.指定管理者が主体的な取組を展開できるよう、情報交換や必要に応じた支援を行う。 (ⅲ)芸術文化活動の推進 a.芸術文化活動を教育活動全体の中に位置づけて、豊かな情操を養う。 b.図書館との連携により、子どもの読書活動の推 進や図書館ボランティアの養成など、図書に親 しむ習慣づくりを進める。 c.文化活動団体と協働で文化行事を開催し、文化 への興味や理解を広げる。 ②生涯学習関係団体の活動支援 a.生涯学習関係団体の自主活動を促進できるよ う、必要な支援を行う。 b.指導者が必要な知識や技能を身につけられるよ う、研修や交流を進める。 町立図書館 ③スポーツの振興 (ⅰ)スポーツの習慣化 a.年齢層やレベルに応じたスポーツ活動の場を提供するとともに、「観るスポーツ」 「支えるスポーツ」等を含む多様なニーズに応じたスポーツ・レクリエーション活 動の場を提供する。 b.スポーツに関する情報を積極的に収集し発信する。 c.スポーツが持つ「健康づくり」や「コミュニケーション形成」という機能を活用し、 健康・福祉分野と連携した事業を推進する。 − 19 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 (ⅱ)NPO 法人「スポーツクラブ 21 はりま」との連携 a.スポーツ振興の協働パートナーとして、NPO 法人「スポーツクラブ 21 はりま」との連携 を強化する。 b.NPO 法人「スポーツクラブ 21 はりま」の自 発的・主体的なスポーツ活動を支援する。 (ⅲ)スポーツ振興を行う人材の育成 a.スポーツ推進委員など指導者を養成するとと ロードレース大会 もに、体育協会やスポーツ団体による指導者 養成を支援する。 b.スポーツボランティアを育成し、活動を支援する。 3-(3)人権尊重の地域づくり ①人権教育の推進 (ⅰ)人権にかかわる課題と展望の明確化 a.同和問題をはじめ、障がいのある人、高齢者、子ども、女性、性的マイノリティー (LGBT)、DV・デート DV、外国人、HIV 感染者などにかかわる人権問題の課題 を明確化するとともに、地域の実情や住民の意識を把握し、人権課題解決への展望 を開く。 b.人権問題にかかわる情報提供、課題解決の ための手だてなどについて、社会情勢や地 域の実態を考慮しながら、啓発活動を推進 する。 (ⅱ)諸団体との連携 a.播磨町人権・同和教育研究協議会をはじめ 諸団体と連携しながら、家庭・学校園・地 域・職場等あらゆる場で、人権尊重「共に こころふれあう町民のつどい 生きよう ふれあいのまち」宣言*14 の実現に努める。 ②人権学習の充実 (ⅰ)人権学習の機会の提供 a.人権尊重の精神を生涯学習の基盤に位置づけ、あらゆる人権問題について、課題解 決にかかわる学習の機会を設ける。 14 一人一人がお互いの人権を尊重し、思いやりのあるあたたかい心を持って共に支えあう地域を実現させ * るため、播磨町が平成元年4月に制定。あらゆる差別の解消、人権にかかわる学びの推進、あたたかい 人間関係の構築を柱としている。 − 20 − 第2期 播磨町教育振興基本計画 (ⅱ)地域の指導者の育成と支援 a.地域が主体的に、住民の人権意識を高めるための事業を企画・運営できるよう、リ ーダー養成研修を実施する。 b.地域リーダー養成や地域ボランティア養成を実施する自治会への支援を行う。 (ⅲ)地域活動の活性化 a.地域の課題を地域で解決できるよう、住民の参画と協働による活動を支援する。 b.人権教育及び啓発にかかわるネットワークづくりに努める。 − 21 − 資 料 播磨町人権教育基本方針(平成 21 年) 人権尊重「共に生きよう ふれあいのまち」宣言文 (平成元年) 播磨町教育振興基本計画検討委員会設置要綱 播磨町教育振興基本計画検討委員 − 22 − 播磨町人権教育基本方針 2009(平成 21)年 10 月 播磨町教育委員会 − 23 − 播磨町人権教育基本方針 2009(平成 21)年 10 月 播磨町教育委員会 はじめに 本町では、播磨町同和教育方針を 1971(昭和46)年 9 月に制定し、二度 の改定を経て、1999(平成11)年4月に播磨町人権教育基本方針を策定し ました。また、1989(平成元)年4月には人権尊重「共に生きよう ふれあ いのまち」宣言をし、それらを指針として同和教育をすすめてきました。この 長年の取組と多くの人々の参画によって本町における同和教育は、住民の人権 意識を高め、地域社会に人権尊重の精神を広げ、深める役割を果たしてきまし た。 しかしながら、昨今の世界情勢は急速に変化し、日本においても、経済不況の 影響がもたらす経済格差の広がりなどによって大きく社会情勢が変化していま す。このような状況の中、少子高齢化や核家族化、人間関係の希薄化などによ り、家庭内暴力や虐待、いじめ、自殺、痛ましい事件、子どもや女性、そして 障がい者や高齢者が犠牲になるケースがいまだに増えつつあります。また結婚 や就職等において、個人の人格や努力と無関係なことで不合理な差別・偏見を 受ける事例も後をたちません。 さらに、インターネットによる人権侵害や DV、外国人の人権問題等新たな 人権課題も生じています。 これらの問題を解決するため、人権教育のいっそうの充実と努力を図る必要 があります。 1 「基本方針」改定の趣旨 国内外で人権教育を広く浸透させようとする取組が進むなかで、2000(平 成 12)年 12 月、新たに「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が施 行されました。 それを受けて、本町では、長らく続いてきた行政主導の住民学習を 2001(平 成 13)年から住民主体の活動へと転換し、講演会・映画会や人権啓発資料に おいても、多様な人権問題についての学習の場を設けてきました。 そして新しい時代に向けての男女共同参画社会の形成、少子高齢化社会にお ける安全・安心のまちづくり、また学校 ・ 園においては、特別支援教育のスタ ートと共に、一人一人の教育的ニーズに応じた指導をしていくことになり、人 権教育との連携強化が期待されます。 これらのことから、一人一人の人権が尊重される人権文化を家庭、地域、職場、 学校 ・ 園等で構築していくため、その指針としての「播磨町人権教育基本方針」 − 24 − を改定し、人権尊重「共に生きよう ふれあいのまち」宣言を具現化していき ます。 2 生涯学習社会における人権教育 人権教育とは、教育・研修・啓発活動等を通じて、すべての人があらゆる不 当な差別をなくし、人権文化を築くために必要な知識・意欲・行動力を育むこ とをめざす教育活動です。また、それは、人間の尊厳が将来にわたって永久に 守り続けられることが託された教育であり、現代に生きる私たちが取り組んで いかなくてはなりません。 現在、少子高齢化や価値観の多様化が急速に進むとともに、人と人とのつな がりが希薄になってきており、学校 ・ 園、家庭、地域での課題も複雑化してき ています。一人一人が充実した人生を送るためには、よりよい人間関係づくり に自主的に取り組み、生涯にわたって意欲的に学習していくことが必須条件と なります。 人権にかかわる様々な課題については、一人一人が考えを出し合い、みんな で話し合うことで解決の方向性を見出し、お互いに協力して解決に向けて取り 組むことが肝要です。このような取組こそが生涯学習であり、その基盤となる のが人権教育なのです。 3 あらゆる場を通じた人権教育の推進 人権教育は、幼児から高齢者までの幅広い層を対象として、生涯を通じて展 開されるべき多様な教育活動であり、日常生活や社会活動などを通して具体的 に行われることが大切です。 このため、家庭、学校 ・ 園、地域、職場といった生活のあらゆる場において、 住民のライフステージにあわせた教育を進めるとともに、一人一人が暮らしの 中で人権を尊重した生き方を培い、豊かな人間関係を築けるよう積極的な支援 を行います。 (1)社会教育 社会教育においては、人権教育を生涯学習体系に明確に位置づけると ともに、住民の人権についての学習や人権尊重の家庭づくり・まちづく りへの意欲を喚起し、一人一人のニーズに応じた学習機会・場の拡充と 内容の充実を図りながら推進します。 (2)家 庭 「家庭はあらゆる教育の出発点」と言われるように、豊かな人権感覚を養 う上で極めて重要な役割を担っています。このため、親自らが人権意識を高 めるための学習活動を行うとともに、温かい家族関係を育み、家庭の持つ教 育力を引き出し、高めていくための環境や条件整備を学校 ・ 園や地域と連携 を図りつつ推進します。 − 25 − (3)学校 ・ 園 人格形成に大きな影響のある幼・少年期において、人権尊重のための教育 の中心的役割を担うのが学校 ・ 園における教育です。 このため、人権教育を児童生徒等の発達段階に応じてあらゆる教育活動に位 置づけるとともに、自然や地域での体験学習、外国人や高齢者、障がいのあ る人等との交流を積極的に推進するなど家庭や地域と連携した教育を推進 します。 (4)地 域 地域は、住民が日常の学習活動や地域活動を通じて様々な人権問題につい て理解を深め、解決に向けて実践する場です。 このため、人権に関する具体的な課題に即しつつ、多様な学習情報・教材 の提供を行い、学習機会の充実を図るなど住民の自主的な学習活動を支援し ます。 また、研修の充実、交流の促進などにより地域の教育力を高め、具体的な 人権課題の解決に向けた住民の自主的な活動を支援します。 (5)企 業 企業においては、明るく働きやすい職場づくりと社会的貢献をめざし、従 業員教育・研修に人権尊重の視点を据えることが必要とされます。町行政や 教育委員会、また地域社会との連携を深めながら人権教育・啓発を推進する とともに、町教育委員会は必要な人材や情報・教材の提供等の支援を行いま す。 (6)町職員等 住みよい地域社会づくりを担う行政職員等にとって、人権に関する識見と 感覚は不可欠であり、人権意識を高める教育・啓発を積極的、継続的に推進 します。 4 人権尊重のまちづくりに向けた推進体制 学校 ・ 園、地域、家庭、職場等での人権教育の推進は、人と人とのつながり を通して相乗効果をあげていきます。この取組は、子どもから高齢者までのだ れもが安心して暮らせるまちづくりの人権尊重「共に生きよう ふれあいのま ち」の実現へとつなげていかなければなりません。町教育委員会は、町行政各 部門と緊密に連携しながら、人権尊重のまちづくりへ向けて、住民が自ら学び 自ら実践できるための環境整備に努めていきます。 − 26 − ~~~~~~~~~~改定の経緯~~~~~~~~~~ 1971(昭和 46)年 9 月 「播磨町同和教育基本方針」策定 1974(昭和 49)年 7 月 「播磨町同和教育基本方針」改定 1981(昭和 56)年 1 月 「播磨町同和教育基本方針」改定 1999(平成 11)年 4 月 1 日「播磨町人権教育基本方針」策定 2009(平成 21)年 10 月 「播磨町人権教育基本方針」改定 − 27 − 人権尊重「共に生きよう ふれあいのまち」宣言文 平成元年4月 28 日 ゆ か し い 歴 史 と 恵 ま れ た 自 然 の 中 に 生 き る わ た し た ち は、 心 豊 か に 幸せな生活をおくりたいと願っています。 そ の た め に、 一 人 一 人 が お 互 い の い の ち と 人 権 を 大 切 に し、 共 に 学 び、仲間としてふれあい、共感の輪を広げていきます。 ここに、わたしたちは人間尊重の原点に立ち、「共に生きよう ふれ あいのまち」を宣言します。 みんなの暮らしにぬくもりがかよいあう明るいまちづくりをめざし、 誇りをもって 21 世紀の扉をひらくよう努めます。 わたしたちは、 1 人権意識を高め、あらゆる差別をなくします。 1 学習をすすめ、正しい生き方を身につけます。 1 ふれあいを深め、あたたかい人間関係を築きます。 − 28 − 播磨町教育振興基本計画検討委員会設置要綱 平成 27 年 4 月 16 日 教育委員会要綱第6号 (設置) 第1条 教育基本法(平成18年法律第120号)第17条第2項の規定に基づ き、本町教育の振興のための施策に関する計画を策定するに当たり、その基本 となる事項及び主要な課題等について検討するため、播磨町教育振興基本計画 検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。 (所掌事務) 第2条 委員会は、次の事項について検討する。 (1)本町教育の振興のための施策に関する計画案 (2)前号の計画策定のために必要な事項に関すること (組織) 第3条 委員会は、教育に見識のある者及び学校関係者の中から15名以内で組 織し、教育委員会が委嘱する。 (委員長等) 第4条 委員会に委員長及び副委員長を置き、委員長は委員の互選によって定め、 副委員長は委員長が指名する。 2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。 3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたと きは、その職務を代理する。 (会議) 第5条 委員会の会議(以下「会議」という。)は、委員長が招集する。 2 委員会が必要と認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、説明又は 意見を聴くことができる。 (庶務) 第6条 委員会の庶務は、学校教育グループにおいて処理する。 (補則) 第7条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営において必要な事項は、委 員長が委員会に諮って定める。 附 則 (施行期日) 1 この要綱は、公布の日から施行する。 (要綱の失効) 2 この要綱は、計画の策定をもってその効力を失う。 (召集の特例) 3 この要綱の施行の日以後の最初に開かれる会議は、第5条第1項の規定にか かわらず、教育長が招集する。 − 29 − 第2期播磨町教育振興基本計画検討委員 委員 氏 名 性別 区 分 役 職 等 1 笹田 哲男 男 教育関係者 兵庫大学短期大学部教授(委員長) 2 西村 惠子 女 教育関係者 県立東はりま特別支援学校長 3 高見 嘉彦 男 教育関係者 播磨中学校長(副委員長) 4 木下 康雄 男 教育関係者 蓮池小学校長 5 冨山 智子 女 教育関係者 播磨幼稚園長 6 松井 昭雄 男 有識者 社会教育委員長 7 渡辺 徹 男 有識者 播磨町ことぶき大学学長 8 小林 さおり 女 有識者 学校評議員 9 浅原 俊也 男 有識者 行政関係者(総務グループ統括) 10 吉野 雅文 男 有識者 播磨町体育協会理事長 11 諸鹿 良治 男 PTA 播磨南中学校 PTA 会長 12 山田 和紀 男 PTA 播磨西小学校 PTA 会長 13 長坂 香世子 女 PTA 蓮池幼稚園 PTA 会長 事務局 1 播磨町教育委員会 教育長 横田 一 2 播磨町 理事 高倉 正剛 統括 平郡 秀幸 リーダー 中島 誠 指導員 若松 育雄 統括 尾崎 直美 リーダー 大里 祐一 統括 上田 淳子 3 4 学校教育グループ 5 6 7 8 生涯学習グループ 教育総務グループ − 30 −