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平成22年度地域新成長産業創出促進事業

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平成22年度地域新成長産業創出促進事業
平成22年度地域新成長産業創出促進事業
(CB/SB(地域ビジネス)創出促進事業)
報告書
平成23年3月
経済産業省
四国経済産業局
-目 次-
1.はじめに
2.地域ビジネス(CB/SB)セミナー ~行政の関わり方~
2-1.四国・地域ビジネスセミナー in 鳴門
~地域を豊かにする地域ビジネス(コミュニティ・ビジネス)とは?~
2-2. 行政職員のための協働推進セミナー in 愛媛
~協働の時代に相応しい職員像を一緒に考えてみませんか?~
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
~行政・企業・NPO等とのパートナーシップ~
3.地域ビジネス(CB/SB)セミナー ~地域に根ざし、愛される経営~
3-1.四国・地域ビジネスセミナー in 愛媛
「真の企業経営とは? ~地域に根ざし、愛される経営~」
3-2.四国・地域ビジネスセミナー in 徳島
「真の企業経営とは? ~地域に根ざし、愛される経営~」
3-3.四国・地域ビジネスセミナー in 香川
「真の企業経営とは? ~地域に根ざし、愛される経営~」
3-4.四国・地域ビジネスセミナー in 愛媛
~企業における障害者雇用の大いなる可能性と、その価値~
3-5.四国・地域ビジネスセミナー in 高知
「真の企業経営とは?~地域に根ざし、愛される経営~」
4.四国・地域ビジネスネットワーク
4-1.四国・地域ビジネスネットワーク事業計画
4-2.徳島SB支援委員会
5.四国における地域ビジネス(CB/SB)の現状調査
5-1.四国・地域ビジネス(CB/SB)先進事例
5-2.地域ビジネス・現地見学会 in 高知
6.情報収集・発信(ホームページ等の活用)
7.おわりに
目次
1.はじめに
日本は右肩上がりの発展をしてきましたが、今、様々な限界が見えてきています。
これまで世界が行ってきた様々な活動は、
「豊富な人材や資金」、
「無尽蔵の資源・エネル
ギー」
、
「無限の環境許容量」を前提として、大量に資源やエネルギーを使い、大量の消費
を行うというものでした。
しかし、今、
「限られた人材資源」
、
「減少する若年労働者」、
「高齢化」
、
「資源・エネルギ
ー制約の顕在化」
、
「環境許容量の限界」、
「環境負荷の制限」といった限界が、私達に突き
つけられています。
パラダイムの変化。つまり、社会の前提そのものが変わってきていますので、これまで
の社会システムがそのまま通用することはありません。変化に対応した、新しい社会シス
テムを考えていかなければなりません。
人、物、金、エネルギーといった各種資源の投入・消費による拡大戦略から、
「制約の中
で、いかに持続可能な社会をつくるのか」に変わっているのではないでしょうか。みんな
が一つのゴール(マーケット)を目指す競争をしていた時代から、ゴール(ソリューショ
ン)を探す時代に変わっているのではないかと考えています。
一つのゴールを目指す競争の時代には、力が強い者、お金をたくさん持つ者、人が大勢
いる地域、資源やエネルギーが豊富にある地域が勝っていたかもしれません。
しかし、社会が求めている「
“持続可能性”や“社会的ソリューション”といったものが、
いったいどこにあるのか?」というゴールを探す時代には、
「“知恵”や“地域が一体とな
った取り組み”
」が必要となってくるのではないでしょうか。
四国は、大都会でも田舎でもない、そこそこの都会と田舎が近接して混在しています。
山ではなく“山々”が、島ではなく“島々”が、多様な文化や価値観によって育まれた
“人々”によって支えられた生活“コミュニティ”があります。
これまでのような力づくではない、新しいあるべき社会に向けて、探すべきゴールの一
番近くにいるのは四国かもしれません。
日本全体が行き詰まっている少子化や育児の問題、教育や不登校、高齢化に伴う介護医
療、農業の振興等の様々な問題のどれ一つを取っても、新しい技術や製品が出れば解決す
るかというと、必ずしもそうではありません。豊富な資金、豊富な人材、大きな企業がい
たら解決するのかというと、必ずしもそうではありません。
住民自身の意識、コミュニティが解決の鍵を握っているのではないでしょうか。
こうした中、平成20年度から、コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスを振興す
るための関係者が集まる「場」として、全国では「ソーシャルビジネス推進イニシアティ
ブ」
、各地域ブロックでは「地域CB/SB推進協議会」の設置が進められました。
平成21年度は、
「多くの人が、地域コミュニティの重要性を理解し、行動する」、
「活動
している人(地域)と人(地域)が繋がっていく」
、「自治体・経済界がCBを理解して活
1.はじめに
-1-
動する」を主眼において、四国地域コミュニティビジネス推進協議会の取り組みを実施。
平成22年度は、新成長産業分野として、地域ビジネス(CB/SB)を位置づけ、行
政のほか、
企業やNPO等との協働を推進し、ソーシャルキャピタルを増殖させることで、
行政投資効果の高い社会課題解決型の商品やサービスのほか、それを持続可能な仕組みと
する地域ビジネスの創出を図ることを目的として、
「行政の関わり方」及び、
「企業経営の
地域との関わり方」を重要テーマとした取り組みを実施してきました。
また、地域の大学や行政、企業、産業界が地域課題解決のためのビジネス創出をきっか
けとした、地域プロデューサー的人財育成のためのしくみづくりについても、取り組みま
した。
さらに、
「企業経営の地域との関わり方」を深く追求し続けていくために、
「日本でいち
ばん大切にしたい会社」をめざす理念経営を、地域企業や経済界、大学、行政と共に検討
する場づくりについても、取り組みました。
1.はじめに
-2-
2.地域ビジネス(CB/SB)セミナー
~行政の関わり方~
2-1.四国・地域ビジネスセミナー in 鳴門
~地域を豊かにする地域ビジネス(コミュニティ・ビジネス)とは?~
1.日時:平成22年8月5日(木) 14:00~16:30
2.場所:(財)鳴門地域地場産業振興センター(徳島県鳴門市撫養町南浜字東浜 165-10)
3.主催:四国経済産業局
4.共催:鳴門市
5.後援:徳島県
【講師プロフィール】
永沢映(ながさわ・えい)/
特定非営利活動法人コミュニティビジネスサポートセンター 代表理事
埼玉県蕨市出身。92 年日本大学商学部商業学科卒。会社員を経て独立し、93 年に環境ビジ
ネスの会社を設立。99 年より青少年支援のNPO活動を開始し、都内でフリースクールを
運営。2002 年にNPO法人コミュニティサポートセンター(CBS)を設立し、以後、会社
経営とNPO活動の経験を生かして、各地で創業支援やコミュニティビジネス支援を行っ
ている。現在、広域関東圏コミュニティビジネス推進協議会代表幹事を務めるなど、年間
400 件以上の NPO・起業相談に対応している。
【事例発表者プロフィール】
濱砂清(はますな・きよし)氏/
福岡市コミュニティビジネス販路拡大支援センター(コミット) センター長
株式会社フラウ主婦生活総合研究所専務取締役
宮崎県川南町出身。福岡市内設計事務所を経て 28 歳で独立。93 年より子育て支援活動(現
(株)フラウ)に参画。NPO法人男女・子育て環境改善研究所副理事長、
「ざ・おやじコミ
ュニティ」事務局長、福岡県社会教育委員、福岡県安心・安全のまちづくりアドバイザー、
日本「おやじの会」連絡会アドバイザーなど多くの公職を務める。現職のほか、NPO法
人ソーシャル・イノベーション・ジャパン(SIJ)理事、九州ソーシャルビジネス促進協議
会(Sofi)事務局、一般社団法人 SINKa の代表理事など、現場主義のコミュニティリーダ
ーとして、コミュニティビジネスやソーシャルビジネス支援のため、人と組織のつなぎ役
等、新価値観創出へと幅広く活動している。
熊井成和(くまい・しげかず)氏/館山市経済観光部商工観光課
千葉県南房総市出身。84 年に館山市役所入庁。以来法規、地域振興、企画、国際交流、リ
ゾートプロジェクト、都市計画、財政、行革、観光プロオーション担当を経て現職。現在、
館山市役所で着地型観光などの分野で活躍する NPO などの市民活動の支援に携わっている。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-1-
出水孝明(でみず・たかあき)氏/倉敷市企画財政局まちづくり部市民活動推進課
福井県鯖江市出身。24 歳から黒澤フィルムスタジオを皮切りに、東京・横浜にある独立系
プロダクション等で映像関係の仕事に関わり、ニューヨークのプロモーション会社で映
像・音楽・舞台の資金集めやマーケティング担当を経験。帰国後、地元福井県でコーディ
ネータとして産学官連携、起業支援に携わるほか、地元の若手ベンチャーらと共に、地域
活性化のための活動を行う。現在は、倉敷市でボランティアやNPOの活動支援を行うほ
か、関西ネットワークシステム(KNS)の中国支部世話人のひとりとしても活動してい
る。
【コーディネータープロフィール】
吉田敦也(よしだ・あつや)氏/徳島大学地域創生センターセンター長
86 年大阪大学文部教官助手(人間科学部)、90 年京都工芸繊維大学文部教官助教授、2001
年徳島大学大学開放実践センター教授、2007 年より現職。情報工学を専門に、ヒューマン
インターフェースの立場から地域活性化/再生に寄与する技術、システム、サービスの開
発研究と実践に取り組むほか、地域 ICT 化推進のための情報化活動、人材育成、高齢者支
援を行っている。内閣府の地域活性化伝道師として活動するほか、シニアネット等市民活
動に造詣が深く、NPO 法人いきいきネットとくしま理事長、NPO 法人徳島インターネット市
民塾副理事長など、自らもシニアネットの責任者としてその設立や運営に関わるなど実証
的な研究活動も行っている。2004 年徳島市シビック IT 実践学習センターの開設に従事。
2009 年上勝町と(
(株)いろどり)と連携し、徳島大学上勝学舎を創設。地域再生人材創
出講座を開設し、ICTを基盤とした地域資源活用のビジネス創出・起業により持続可能
なまちづくりを目指す人材の育成等も行っている。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-2-
【セミナー概要】
議事内容
1)経済産業省四国経済産業局 河合 康弘氏 挨拶(10分)
四国、日本の地方はいろんな課題を抱えている。
小さな子供が少ない集落、高齢化、世代間のバランスが崩れてくる。
四国は国土交通省の調べによると、10年以内に消滅する集落が日本で一番多い。
この小さな四国でも徳島は一番多い地域。
そういう課題を解決するときに、経済産業省は、経済振興やお金儲けをするが、それだけ
で解決することは少ない。
社会的な課題は行政が解決しないといけない部分が大きいが物質的なやりかたや地域の限
られた資源で解決していくのはむずかしい。
では、どうしたらいいか?
→企業を含めたみんなで地域の課題に関わっていくしかない。
地域活動のほかに、需要なセクターがふたつある。
1.企業と経済局
協賛会社の運営
地域から愛される、地域から選ばれる、頼むなら、あそこの企業に頼もう。そういう風に
選ばれようとする企業が増えて行っている。
2.自治会(行政を含めて)
地域ビジネスを自治会が育てていくことが大事。
自治体が社会的問題があるからといって、自分でやってしまうのではなくて、地域ビジネ
スをやろうとしている人を育てていくことが大事。
たとえば
子育て支援。
10年位前に子育てマップというのが40くらいあった。それが今は3つしかない。どう
してかというと、役所が作ってしまった。結局子育て支援をしている団体の活動をつぶし
てしまっている。
香川の島の話。
彼らは自分たちで無理して活動をやろうとしていたけども、お金(補助金)が入ってきて
しまったがために、今は、お金がなくなったら、それをまた自治体に要求しようという風
にスタンスが変わってしまった。
→地域で活動する人、それがお金になろうがならまいが、ちゃんと長続きする地域ビジネ
スが育っていく状況を作ることが自治体、行政にとって大事ではないかと思う。
半年くらい前に別のフォーラムをやっていたところで、鳴門市役所から話をいただいた。
市役所でなにかやりたいんだと。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-3-
徳島で、地域ビジネスの活動を支援する委員会が立ち上がり、徳島大学の吉田先生にその
委員長をしていただいている。
その支援委員会と私どもがタッグを組んで、今日は鳴門市もいっしょに開催している。
今年度からはじまる四国ではじめての事業です。
こういうのがあちこちで展開して、いろんな人たちが同じ方向に向かって、いっしょにメ
インなってやっていく、そういう状況をつくれたらと思っていますのでよろしくお願いい
たします。
2)鳴門市長 泉 光彦氏
挨拶(10分)
コミュニティビジネスとは、市民が一丸となって、地域がかかえる課題などを、ビジネス
の手法により解決し、またコミュニティの再生を通じて、活動利益を地域に還元するとい
うビジネスの総称。
どの町にもチェーン店、大型店が並ぶような、画一された地域社会ではなく、地域、町、
市民にあった街づくりの推進をはかり、市民が主体となって、特色のある地域社会の創造
を目指す。
コミュニティビジネスは決して新しい考え方ではなく、むしろ、地域中心の街づくりをす
すめるという点では、
地域ごとに活気のあった古きよき時代の街づくりにもつながる考え。
本市は人や自然、四国の東玄関口といった、立地条件など、さまざまな社会資源に恵まれ
ている。
その社会資源を生かして、地域や社会がかかえる問題を、ビジネスの手法を通して解決す
る、コミュニティビジネスやソーシャルビジネスによって、元気のある町を取り戻せると
信じている。
既に本市では、コミュニティビジネスやソーシャルビジネスで成功している事例といたし
まして、NPO 法人 JCI テレワーカーズネットワークが、活発に活動され、経済産業省が行
った、先進的なソーシャルビジネスの事例の成功モデルとして、平成20年度末には、ソ
ーシャルビジネス55選に選出されている。
地域や社会の課題などは、国や地方自治体の、領分と決め込んでいれば、時代の大きな流
れを見逃します。
利益の追求と、社会の課題解決の両立は、むずかしいとおもうが、だからこそ、挑戦すべ
き。
再編する市民や、法人が多いか少ないかで、今後20年30年後の国や地方の姿がぜんぜ
ん違うという予感する。
このような状況から私自身も、市民のみなさまに、3つの約束7つの挑戦として、マニフ
ェストでお約束をしている。
本日のセミナーを通じまして、コミュニティビジネスやソーシャルビジネスの第1歩をい
かに踏み出すか、ともに考え、ともに行動したいと考える。
このセミナー開催により、新しいコミュニティビジネスが起業し、さらに、既存の事業が
活発になることを祈念し、ご挨拶とさせていただきます。
3)基調講演 永沢 映氏(90分)
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-4-
国の政策や、地方自治体の政策の中でもコミュニティビジネスという言葉がだいぶ全国各
所で使われるようになってきている。
中小企業白書では、平成14年から、コミュニティビジネスが新しい産業であるとゆうこ
とが期待されるような文言がかかれていたり、平成16年には厚生労働省で雇用対策の中
で、コミュニティビジネスというものがまさにこれから、地域で働き場をつくる生命線に
なってくる。と書かれている。
平成16年当時から10年間で約120万人くらいの人が、新たにこういった分野の中で
仕事として関っていくという数字を雇用創出企画会議の報告書の中で発表している。
ほかの産業セクターに比べて圧倒的に高い数字があがってきたり、各省庁の中でも、こう
いったコミュニティビジネスの分野が非常に期待されるということがずっと言われている。
平成18年新経済成長戦略
日本政府の中で地域経済活性化のありかたの会議がされた。
域内経済と域外経済。
域外経済とは、自動車や家電の製造販売をして、海外に販売をしながら外貨を稼げるよう
な通常日本にもともとあるようなビジネススタイル。
→域外経済のビジネススタイルで地域経済の活性化を政府で議論した会議がほとんどなか
った。
コミュニティビジネスという、地域で、定年退職された方や高齢者や主婦の方を中心とし
た担い手の方々が、環境福祉街づくり等のビジネスを地域ではじめることによって、仕事
として、いきがいとして、地域を活性化する。
→域内経済
コミュニティビジネスがこれから地域を支えるひとつの基盤になっていくという趣旨のも
のがかかれている。
この報告書をみたとき、皆さんからブーイングがでた。
高齢者や主婦の人たちがというくくりがはたしてどうかとか、ほんとにそういったことが
抽象的な書かれ方で、どういう意味で経済振興までにつながるかということが、明確に書
かれてない。
平成20年当時、ソーシャルビジネスコミュニティビジネスという分野の中で、働いてい
る方と市場規模がどのくらいかという実数値。
3.2万人の労働者で、市場規模が2400億円。
比較表でイギリスのデータがでているが、海外との比較では、かなり小さなマーケットと
いうことがわかる。
平成24年末の4年後には、雇用者数30万人、市場規模2.2兆円まで成長するという
ことで出している数字。
平成18年に地域経済活性化のコミュニティビジネスが非常に雇用対策経済振興に重要だ
ということで発表された。それにもとずいて、予算化をしようということで、政府各省庁
が予算申請をした。
平成19年20年あたりにどういうことがでてきたかというと、地域主権、地方分権、地
域の雇用対策や経済活性化は地方自治体や地域に任せる時代だから、政府が支援に対する
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-5-
予算をとるのは適さないということになった。
→すべて財務省から却下されてしまった。
地域やコミュニティという言葉をつかうと予算が取れないから、ソーシャルという言葉に
変更すると、予算が通過した。
各省庁は基本的には、ソーシャルビジネスという言葉を使っている。
各地方自治体や地域は、コミュニティビジネス、地域ビジネスという言葉でつかいわけら
れている。
海外では社会貢献をしながら仕事を行っていく人たちを評価していくシステムができあが
っている。一般のサラリーマンや、公務員よりも NPO を作って働くほうが給料が高い。圧
倒的に日本とは環境が違う。
日本自体も、地域や社会の問題を解決するために、ビジネスの手法を用いる、そういった
ものを仕事としていく方が急激に増えていく。
→もうひとつの問題
30万人ほど雇用が増える、裏側の数字、30万人の平均年収が300万円。
これで本当に家族を養えるかという問題も内包されている。
コミュニティビジネスとは、地域の課題を解決するものであり、それをふくめた社会の問
題、たとえば地球温暖化問題、フェアトレード(発展途上国の応援)など、それらを含め
たものがソーシャルビジネスと使い分けをしている。
地域を支える活動。
・サークル活動
仲間といっしょに行う活動。ボランティアなど。
・コミュニティビジネス
地域に課題があって、ビジネスの手法を用いて、継続的に問題を解決していく。
コミュニティビジネスとは。
地域になにかしらの課題があって、ボランティアではなく、ビジネスの手法を用いて解決
しようというもの。
解決をするときに、必ずそれを担う人が必要になってくる。
その人がある程度自分がやりたいこと、やれること、それがどう地域の問題を解決できる
のか、または、地域の資源を活用しながら、この町を活性化していくのかそういった組み
立てがされた結果、コミュニティビジネスという手法を用いて、地域を元気にしたり、課
題を解決していくという組み立てになる。
事例
・新潟県の三条市。
人口が13万人。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-6-
マルシェプロジェクトをはじめた。
地元の生鮮産品を利用して、一人暮らしの家庭に宅配をする仕組みをもって、買い物難民
をサポートしようというもの。
見守りをかねて宅配をするしくみを商店街商工会が中心となって、新しい店舗を作った。
・地域の課題
大手のスーパーがあった、年内に倒産。
地域の高齢者の人は買いにいける場所がなくなった。
→これをコミュニティビジネスの手法を用いて解決しようとしている。
・さらなる問題
毎日マルエツに行く以外、外に出ることがなかった。
楽しみにしていた通う場所がなくなってしまった。
宅配だと、商品を選ぶ楽しみもなくなってしまった。
買いにいきたいときに買えるようにしてもらったほうがいい。
十分な市民のニーズに答えているかという課題。
生活者の視点がそこに組み込まれていないと、中途半端なコミュニティビジネスになって
しまうという懸念。
実はすごく複雑だからこそ、地域の人じゃないとできないビジネス。
鳴門の地域でも似たようなイメージでコミュニティビジネスを立ち上げられると思ってい
るが、これからの時代は、戦略的に作っていくほうが、効果的。
・島原市
観光客が激減。
平成16年当時、このままでは島原は衰退してしまう。
これをコミュニティビジネスで解決してほしい。
地域の人の意識を向上させないといけない。
→まずはコミュニティビジネスの勉強会を開催。
60個くらい問題があがった。
最重要なものは?
町が経済的に活性化するために、観光客にきてもらう。
観光客をふたすためには?
→観光客がきたいというツールを準備。プロモーションをしよう。
・出てきたものが3つ
豊かな自然
おいしい農産物
さまざまなひとびと。
全部抽象的過ぎてよくわからない。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-7-
これでは観光客は集まらない。
最後にまとまったのが薬草。
島原の中で、薬草の調査をした。134種類判明した。
ひとつの地域でそれだけの種類が取れるのはめずらしいこと。
薬草という資源を使って観光客を呼ぶと決めた。
→離れていく人もいた。しかしそれで問題ない。残った人で一体感のある実例を体感する
ことによって、それらのネットワークや人脈を使って、次の機会にほかの問題を解決して
いく。ばらばらでみんなでやってしまうとうまくいかない。
主婦が中心に集まったグループで、薬膳料理を開発して、地元のレストランやホテルで、
それらを提供することによって、健康になってもらうようなそういう町を発信してこうい
と考えた。
自分の体の状況にあった薬草風呂。
この町にくれば健康になりますよという発想。
みやげものの開発。
薬膳菓子の開発。
地元の商店街や駅で販売していく。
具体的なことが決まってくると、地元のネットワークで声かけができてくる。
それぞれの役割を仕事として、かかわることができる。
ボランティアではなく、ビジネスとして、形ができていく。
→継続できる。
現在は73人の方が仕事としてこのプロジェクトにかかわるようになった。
地域の課題に対して、地域がメインとなって解決するようなひとつの提案やしくみ、環境
整備をしていくと、経済的な効果の高い、地域のコミュニティ形成につながるという可能
性があるのではないか?
成功体験をつくるというのが重要。
・千葉県のかとり市
魅力があるにもかかわらず、観光客が少ない。
町の活性化をコミュニティビジネスで図ろう。
市役所がぜんぜん乗ってくれなかった。
→合併があるから、それを優先したかった。
成田空港から比較的さわらは近い。
みんな成田から秋葉原や浅草まで移動してしまう。
(通過されてしまう)
成田から一番近い、小江戸の町さわらにきてもらおうと考えた。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-8-
観光客に外国人を中心として、さわらの町にきてもらおうと考えた。
プラン
・コミュニティバスを走らせて、空港から直接連れてくる。
・地産地消の地元のおいしいものをたべてもらう。
・和装を着せて、記念撮影をするレンタル衣装屋。
ぜんぶをまとめて、パンフを作って発信をする。
商工会議所じゃないまとめ役がいないか。
→イノさんに中心になってもらって、まとめてさわらをプロモーションしてもらう。
窓口の機関として、お金を出し合って「株式会社 Z ヤッテー社」を作った。
駅前で倒産していた店舗を使って、観光案内所のような拠点を設けた。
はじめは人があまり集まっていなかったが、昨年は120~30万人の観光客が訪れた。
そのベースにあるもの。
・地域住民がおこすビジネスが(観光客にとって)魅力的である。
・それらが横連携されていること。
・だれが纏め上げて発信していくか。
これらがうまくいくと、地域の活性化につながっていく。
コミュニティビジネスを担っていく人たちに必要なもの。
・単独でがんばってもむずかしいので、中間支援組織がまとめていく。
・戦略的に町を元気にしていくしくみを作る。
・東京都押上市業平
新東京タワー(東京スカイツリー)のある場所。
今は建設中で、観光客が地元の商店街にたくさん押しかけている。
町がバブルになってしまった。
しかし、タワーが完成してしまったら、商店街には人がこなくなる。
長期的に見て今から努力をして商店街がタワーに勝てるようにならなければならない。
そこで商店街の人たちでコミュニティビジネスを立ち上げる提案をした。
→押上業平の地域だけで B 級グルメ選手権をする
その商店街にいっていろんな B 級グルメがたべられるなら、タワーに勝てる場所になれる
かもしれない。
いろんな B 級グルメがあるが、なにかに材料を絞って作らないと意味がない。
しかし、地元には特産物などがなかった。
探してみたら、地元の豆腐屋で油揚げを作っている。
そのあぶらあげを使って作ったものは、押上ロールということにした。
→押上ロールでどこが一番おいしいかコンテストをしようということになった。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
-9-
危機感のない商店街の現状。
なにかそれを変えるための何か。ということで、コンテストを企画。
→隣の店に負けたくないので、それぞれのお店ががんばりはじめる。
協力店舗には、のぼりを配布してアピール。
今は押上だけだが、そのうちに墨田区全域にコンテストを広げていく。
→新東京タワーとは違う食材、食事が提供できるということを含めた商店街の活
性化につながるのではないかということで展開をしている。
鳴門地域でも、こういう感じで進めていくとよいのでは?
コミュニティビジネスには4つの要素がある。
・本人がやりたいという要素
・地域や社会に必要とされているもの。
・経済的に継続自立していくものであるか。
・複数の構成員で地域の一体連帯を持ちながら、課題解決を行っていくもの。
大手企業もコミュニティビジネスと連携しながら新しい社会貢献のビジネスモデルを作っ
ている。信用組合、信用公庫もコミュニティビジネスに融資できるか審査評価の方法を探
っている。大学は、社会人大学で実践的なコミュニティビジネス大学院などもある。結構
人が集まる。
・埼玉県わらび市
面積が一番小さい市。
商店街の活性化のために委員長をしていた。
商店街連合会を解散させた。
→社団法人わらびにぎわいまちづくり連合会を作った。
やる気のある地元事業者のかたたちで構成。おかねも集めた。
その人たちを中心に、わらびの街づくりをしていく。
次は観光協会を解散させようとしている。
→やる気のある人たちが日々戦略的にやっていかないと、やらされてる感のひとたちでは
町はよくならない。
当たり前だったことを、もう一回抜本的に考え直す必要がある。鳴門市も、もっともっと
元気にしていくためには戦略が必要。おもいきったことを考えていかないと、ほかに勝て
ないかもしれない。コミュニティビジネスという観点は非常に大事。
コミュニティビジネスのバランスシート
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
- 10 -
コミュニティビジネスは次の3つのバランスで成り立っている。
・地域の状況
・当事者のパーソナリティや想いや考え方。
・ビジネスモデル
経済産業省がビジネスモデルの移転を行っているが、うまくいかない。
→それぞれの地域の状況が違う。人も違う。ノウハウだけ持っていってもやはりうまくい
かない。
やはり地域の人が考えていかないといけない。
まとめ
非営利という言葉をしっかり理解しておく必要がある。
非営利はお金を稼いではいけないことはない。
あまった余剰利益をどう還元していくかが営利と非営利の違い。
非営利は余剰利益を社会のために還元していく。
地域、社会課題解決事業のために利益を投資していく。
コミュニティビジネスのライバル
・行政サービス
・ボランティア活動
行政サービスには値段的にかなわない。
そこで、どのような付加価値をつけていくかが問題。
行政で行われているサービスがサポートしていない部分を付加価値としていく。
コミュニティビジネスの5つの収入構造で金額の多い2つ
・委託事業
・自主事業
事業長く継続するためには?
安定した経営をするには、どのような収入構造を持つかということをバランスシートなど
を使って考えていく必要がある。
4)事例発表1 濱砂 清氏(20分)
・フラウ(育児情報誌)
育児情報誌を 18 年前に作った。
お母さん方が地域で子育てするのに地域の情報がない。
育児サークルのお母さん方が自分たちで情報を集めて配布しようというところからはじま
った。
→当事者達が携わって、育児情報誌を出版しようという動きになった。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
- 11 -
情報を収集、発信、フィードバックすることにより、マーケティングや商品開発、行政と
ともに仕事ができるようになり、さまざまな事業の展開ができるようになった。いろんな
会社がつぶれていく中で、どうして当社だけが生き残ってこれたのか。
→出版だけでなくさまざまな事業を展開していった。
NPO も作り、また、子育て、環境に関する事業を展開していった。
5 人のスタッフで運営している。
・フラウ
どのような展開をしていったか。
→面の展開、層の展開、ターゲットの拡大。
全国でもそういった雑誌はいくつかあったが、事業として成り立っていなかった。
それらをネットワーク化して、全国サミット(わびさび)にした。
出版は PC→モバイル→情報の多様化。
見る人によってさまざまな観点がある。
それにあわせた情報を送らないと伝わらない。
福岡は中央区は 18 万の人口。
5 年に一回人口の半分が入れ替わる。
→転勤族、大学生、高齢者が多いため。
転入してきたときに、いろんな情報をほしがっている。
コミュニティの場所
・おやじの会
・転勤族ウェルカムパーティ
・交流会
子育てをメインに、地域づくり、教育、環境などテーマ別に事業を展開している。
・コミュニティビジネス販路拡大支援センター
CB をしてる企業、NPO 法人などの販路拡大を支援するセンター。
広げるためには?
・コミットスタイル(CB を魅せるための雑誌。)
・メルマガ
・HP
・ツイッター
福岡では、以前は NPO 法人が中心になって CB を運営していたが、今では企業が運営するよ
うになった。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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中小企業の再生を目的に CB を展開している。
チャンス、チャレンジ、チェンジを基本に展開してきた。
→あなた自身が CB、SB。
・事例
1)
よかっちゃ
芋のつるのお茶。
障害者の方がメインに作業。
緑の農園。
野生の鶏を飼っている会社。
つまんでご卵。
このふたつをコーディネイト。
商品の表示があいまい。
それらをしっかり表記していくことで、商品の価値をあげる。
2)
焼酎。
ぐいのみをセット。
にして、販売。
焼酎もたくさん造れないので、OEM。
売り上げをアップさせて障害者さんの所得を増やしていく。
→自立につながる。
3)
障害者が書いた絵をアイフォンのカバーにデザイン。
絵をお金に買えられないか?
→マックを使う!マックを使って障害者 PC 講座を始めた。
そこへアップル日本のトップが訪れた。
非常に感銘を受けたトップの方がこれはいいと採用。
事業として展開。
4)
チョコレート
大島の甘夏がある。
高齢化が進み収穫もできない。
地元の若い人が収穫。
福岡市内のチョコレートショップに持ち込んで商品化。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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新商品のネタはなかなか見つからない。
箱もデザイナーをいれて作っている。
商品のデザインをよくするというのは、重要。
デザインをあげることによって、金額(商品単価)があがる。
コーディネータが動かないと、あたらしい商品はうまれない。
鳴門市でもそういった中間支援組織が必要。
5)
交流会
CB の事例を紹介して、名刺を交換して、コミュニティを広げてもらおうというもの。
毎月 50 人くらい。
6)
どんたく。お祭り
販売メイン。
7)
学生にプランを作ってもらう。
学生、子供が作ると、大人が動き出す。
大きなヒントがある。
8)育てる
人材育成
いまからやりたいという方にはワークショップを7,8人集まって議論する。
企画書を作る。
あいまいなものを確実にして、本当にお金が動くのかどうか考える。
9)
カレッジ
ひとりひとりのレベルを上げていく。
これらは何か?
→あしあと。
福岡市の事業団でコーディネートしてもコーディネート料がもらえない。
3 年後には独立→費用をもらおう。
そのときの布石として、シール、マークをつけてもらっている。
8 年間何のためにやってきたか
→雇用対策
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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どうやったらお金が回るのか、経済が発展するのか。
NPO ではなくて、企業。
CSR
中小企業をつなぎ合わせて、経済活性化させよう!
九州で物を作ったときにどこに持っていくか→東京、大阪。
それで運送コストがかかる。
できるだけ近い場所でできたものをもってきて、福岡で販売をする。
県外からでも、福岡市に向かっての取引であるならば、私共で支援可能です。
いろんなものを福岡へ持ってきてください!
5)事例発表2 熊井 成和氏(20分)
館山のコミュニティビジネスは平成13年から取り組んでいる。
・行政がどのようにかかわったか?
・どんな取り組みをしたか?
館山市の CB→観光
課題
普通の観光地。特徴がない。
→地域の資源の素材としては非常に多い。
食べ物:海産物、野菜、果物、酪農
気候:温暖
歴史:里美八犬伝、戦争遺跡
自然:海、里山
飛びぬけたものがない。たとえば鳴門の渦潮。
どういう風に魅力をつけるかが課題。
現在180万人の観光客。
平成15年に128万人だった。
平成9年にアクアラインが開通東京から近くなった。
平成19年に館山自動車道開通
自動車での観光客が多くなった。
日帰り率が多くなった。
宿泊者は横ばい。
顧客満足度
食べ物と自然が高い
平成13年から CB につながるような体験型観光、着地型観光に取り組んでいる。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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平成13年~15年観光プロデューサーを導入(外部の人材 KNT の OB)
市が人件費を100%事業費100%1600万の補助をした。
平成15年に局から CB 育成創出事業→永沢氏とであった。
彼らの仕事
→体験メニューになる素材をあつめて、30に迫る小さなビジネスにつながった。
15年のモデル事業をきっかけに動き出した。
市はモデル事業を採りに行き、実施したものをすべて職員がやっている。
結果
教育旅行、修学旅行
平成15年500人 → 現在6000人
匠の冊子のなかからのメニューでお金を払ってくださっている。
平成15年 館山 CB 研究会(任意団体)
4つの NPO 組織が中心になった中間支援組織。
ひとつひとつの NPO では立ち行かないから、連携組織を作った。
観光協会の中に着地型旅行修学旅行を受け入れるために体験観光部会設置。
教育旅行の学校、エージェント、体験事業者の NPO をコーディネイトし、宿泊施設と連携
して、修学旅行を受け入れている。
体験観光部会がペンションにしか流客しなかった。
→旅館、ホテルがそれではまかりならない。観光協会からその部分切り離してしまった。
それでは問題なので市は、新たな体験交流協会を作り、人件費として250万の補助をし
た。
館山 CB 研究会の運営は市の職員。
職員が病気でダウンしたとき、運営がうまくいかなくなってしまった。
そういう問題点もある。
体験観光に限らない、新しい活動。
→移住者の方と館山出身の外部の方が応援団になって、移住定住の活動、フィルムコミッ
ション、環境問題、お祭りをビジネスにしたいという活動が始まった。
事業すべてに市がかかわるというところから、議論をしっかり整えるためのコーディネー
トに徹している。
→新たな連携の必要性が出てきた。
1)多様な主体がでてきたこと。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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2)伝統的な団体、新しいことをしようとする団体がうまくつながらない。
公益的な連携も求められている。
南房総地域は、3つの市とひとつの町がある。
国交省から観光県の認定を受けた。
エージェントは3市1町が連携して一本化した窓口がない限り相手にしないというような
状態になっている。
中間支援について
館山 CB を再構築。
→昨年一昨年に地方元気再生事業の採択を受けた。またふるさと雇用事業の採択を受けて、
2年後の法人化に向けて2団体を育てている。
行政はどういう風に CB にかかわっていこうか?
正直なところ悩ましい。
行政はいったいなにをすべきか?
・補助金の関係
・市職員がなにをすればいいか。
結論
適切な役割分担が必要。
新しい公共の場をつくりあげるのに、行政と NPO が同じ土俵で物事を考える必要があるが、
館山の場合、観光がテーマで確立をしているので、NPO 同士の役割分担は明確。しかし行
政と NPO の間の役割分担は不明確。
こと観光に関しては役割分担が必要。
1)認知向上の部分を行政が担当。
2)パンフレット作成は民間が協力。
3)宿、施設認知は民間。少し行政。
4)お金をもらう部分は民間。
補助金
100%コストで行っていた過去、現在、すべてプロジェクト単位で補助金を出す。
・国庫補助に対しての事業に対して、
お金が入るまでの期間の資金を無利子で貸付ている。
・観光にとっていい事業だったら補助金を出す。
補助金で CB をつぶしてしまわないように注意している。
行政は CB でなにができるか?
とにかくコーディネート。事業そのものに行政が入り込むのではなくて、議論ができる場
をコーディネートすること。ここが重要。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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段階に応じたコーディネート
勉強学びの場→モデル事業→法人化→継続的運営
継続運営についてどういう風にコーディネートできるか。
→悩み中
納得感のある議論が公務員としてもし力がつけば、あとは民間の力で物事が動くのではな
いかと思っている。
さまざまな関係者がいるところでファシリテートができる市職員。
市の職員だけではなく、外部からの専門家は非常に大きな力がある。
市職員と NPO で議論するよりも、専門家の方に来てもらい新しい発見をしたり、事例を伺
うことで納得感が出てくる議論ができる。
館山いいところです!どうぞお越しください!
6)事例発表3 出水 孝明氏(20分)
倉敷市の側面
人口48万人中国地方では広島市、岡山市の次に3番目に大きな市。
・美観地区
・水島コンビナート
昭和42年3市から倉敷市はできている。
倉敷地区、水島地区、小島地区、金島地区。
大きく分けて4つになっている。
多様性はあるが悪く言うとバラバラ。
いまだに3つの商工会議所がある。
CB という社会企業
・大原美術館
・ベネッセ(福武)
社会起業家としての背景はある地域。
平成20年3月
倉敷市協働まちづくりの指針として、
・市民(個人・NPO・ボランティアなど)があたらしい公共の担い手である。
いままで行政がやってきたことを市民もいっしょになってやってもらう。
・人材育成(地域で地域の課題解決をしてもらう人)
倉敷の現況(実態が把握できていない部分もある)
NPO 法人が102法人。
社会福祉協議会のボランティアセンターの登録団体が200団体。
町内会、自治会は1500くらい。
(志縁団体)
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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平成19年度に455団体におこなったアンケートに、回答が183団体が回答。
年間の予算が100万円未満が82.5%。151団体。
年間予算30万円未満が約7割ちかいところが実際の公共を担っている現状。
当時 NPO83団体14法人回答 年間予算100円以下は6団体。
この予算ではたして継続的な活動ができるのか?
志や想いでは限界がある。
継続的な活動をする上で必要な予算とは?
NPO は3年間は市県民税が減免になる。
4年目からは均等割りで払わないといけない。
「われわれの活動は市県民税を払うためにやってるのか?」という意見。
そういう経営状態に愕然とした。
CB を市民活動に取り入れていかなければいけないと思った。
平成21年 CB 講座を企画して、実施することにした。
・基礎と実践を学ぶ
・事例を中心とした講演
・講演およびワークショップ
入門編の講師には、永沢氏にお願いした。
倉敷48万人いて、講座をすれば結構な集客があるのではないかと思ったが、思ったよう
に集まらなかった。
倉敷市内での危機感、CB が必要だという意識が薄い。
講座に参加した中間支援をやりたいというグループが玉島地区のまちづくり勉強会に永沢
氏を招いて行った。成果はあったが市民活動を元気にする CB には手が届かなかった。
産業振興や企業支援、市民活動支援の違い
企業支援
経済的付加価値の創造→おかねもうけ
市民活動支援
おかねもうけだけではない。プラス地域課題の解決がなければならない。
行政で考えてみると、地域の不満であったり不便であったり、不満不平、よくないこと、
満足しない部分ていうのを満たしていくのが公共の仕事であったり、市民活動の目的。
プラス経済的付加価値で継続的に活動していけるようにする。
美観地区
伝統的建造物の保護地区。
空き家が目立つ。
・ボランティアをあつめて改修して、利用できるようにして、宿泊施設にして、HP 上で集
客する NPO がひとつある。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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→年間300万あるかどうか。継続的に活動するにはもう少し稼げるようにしたい。
・倉敷駅北口に閉園中のチボリ公園のアトラクションを地域の活性化に使いたいという人
がいる。
NPO の収入のバランス
会費とか寄付金、補助金助成金は NPO の信用度によって変わってくる。
活動の信用を高めるということも必要。
→信用を高めるための講座を開いたり相談を受けたりしている。
市民活動を活性化させるには・・・
・NPO について正しい認識をしていけるようなしくみをつくる。
NPO はもうけてはいけないわけではない。認識の違いをなくすために行政がサポートする。
・NPO の下請化を極力避ける
助けるのではなく、育つ環境作り。
与えるという姿勢ではなくて、自分に何が足りないか、必要かという気づきを提供する機
会を作る。
民間がやったほうがいいことは委託する。行政がその場合に気をつけること。
→フルコストの意識
活動に必要なすべての費用をサポートするように心がける。
活性化のためには中間支援は不可欠。
市民セクターでするのが理想。
行政がすることは、支援グループを信用を持ってサポートすること。
市役所内での合意形成も必要。
各所属に協働推進員を設置している。
協働ということを定義、目的、意図を理解していく研修を専門家に依頼してやっている。
市民活動は市民がやるということではなくて、行政と市民が協働して進めるんだというこ
とを認識して、豊かな地域つくりを目指した活動としてやっている。
7)パネルディスカッション(30分)
コーディネーター 徳島大学地域創生センター長 吉田氏
アドバイザー 永沢氏
質問1
永沢氏への質問
現在うみがめ町や梅酒の町などで CB の立ち上げを始めています。具体的なテーマを絞るま
での勉強会の期間をどういう風に設定したらよいか?
回答
永沢氏
CB を起業するためのプランをつくるだけなら2、30時間でおおむねのことは理解できる。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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重要なことは、地域に浸透して理解・協力を得るための時間が非常にかかる。
知識だけが身につけばいいかというとそうではなくて、体験をしてもらったり、現場に入
ってもらったりして、コミュニケーションをとる時間までを入れると、5、60時間は必
要。個人の人がゼロからはいるよりも、そこにうまく協働という形で行政などが信用付与
してあげながら、こういう人がいますから是非みなさん受け入れてくださいねと信用力を
地域で持っている方が入ると、非常に時間短縮される。
質問2
失敗したコミュニティビジネスの話を聞かせてください。
回答
永沢氏
最初にビジネスという意識をもたなければ失敗してしまう。
例:主婦8人集まって、地元の野菜を使ったお料理を出すレストランをオープン。ごはん、
おかず、おみそしる3品を300円で提供している。なぜ300円かというと、素人の集
まりだからそのくらいしかもらえないという設定で運営している。家賃も払えないので半
年で倒産した。
こういうケースは非常に多い。通常800~900円もらわなければつぶれてしまうとい
う感覚を持つこと。また、その金額をもらう為にどんな付加価値をつけて食事を提供する
か?という意識を最初にもたなければ、素人の延長で運営してしまい、失敗する。そうな
らないための、プロとしての意識を持つことが大事だと思います。
失敗の原因
1番にお金のこと
2番に人間関係のこと
失敗しかけた事例2
NPO で3~4年経って、うまくいきだした。そこまでかかわりを持っていなかった人がど
んどん集まってきた。そのうちこの NPO を自分たちがやったほうがいいぞと、総会のとき
に理事長を交代させた。生ごみを堆肥化する事業だったが、その理事長が技術的な部分を
担っており、その人を下ろしたとたん仕事ができる人がいなくなった。半年後には理事会
を開いて、
謝罪の上旧理事長に帰ってきてもらって、
またうまく運営できるようになった。
お金が動き出すと、いろんな人(無関係な人)が自分がやろうと出てくるので、役割分担
や会社組織としての運営を十分考えていったほうがよい。
質問
NPO 法人の設立フローチャートを教えてください。
回答
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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永沢氏
1)ミッションと設立理念
2)賛同するメンバー10人あつめて、役員を決める
3)書類に記入(計画書、役員確認書など)
4)窓口に提出
5)3ヶ月で認証届け
6)法務局へ(登記など)
質問
SB を目指す目標で平成24年までに10倍にする計画ですが、はじめにそれがありきなの
か、それとも意味があるのでしょうか?
回答
永沢氏
10倍という数字はいろんな計算式が裏にある。
たとえば、
今現在どのくらい CB、
SB をやっている人がいるかアンケート調査をやっている。
それから、行政が担っている街づくりの予算があるが、その何割くらいが民間に流れるか
の数字で市場規模を計算している。
2.2兆円になったときに年俸300万円の人が30万人くらいになるであろうという計
算になっている。
総括
今自治体に CB を推進していくに当たってどういう風なことが求められているのか?
出水氏
本当に CB が必要な方法なのか?合意形成が必要。地域で事業を立ち上げたり、仲間たちで
何をしていくか?ファシリテーションという合意形成型の会議を通じてみんなが共通認識
を持っていくことが大切。そういう場の提供、スキルの提供を行政はやっていくべきこと
だと思っている。
熊井氏
館山市にとって必要なことは「思い」。30年前に当時市長が体験イチゴ園を立ち上げた。
市長退館の時に自分がやった施策の中で3つのベストに入るのがイチゴ園だった。あのと
きあの市長があんなこといわなかったら、絶対できなかった。という思いが30年経った
今も生きている。市長の思い、部長の思い、課長の思い、職員の思いが今の行政には大切
かなと思う。
ファシリテーションの基本。ただいってやれるものではない。いっしょに物事をやってい
る一体感と行政が信頼されているバックボーンがないと、議論をしようと思ってもなかな
かできない。思いと一体感、信頼感は行政に必要であると思う。
濱砂氏
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
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2点ほど。
1)行政の自治団体がパトロールカーを運営するお金がいります。これを捻出するために
賞品を作って100円で売っています。なぜ100円かというと子供が買えるから。子供
に買ってもらってこの100円からパトロールカーを動かすガソリン代になります。車検
代になります。それで子供たちの安全を守ります。行政でもこういうことをやれるんだと
いうことを広報してほしいと思う。
2)行政と民間企業をつなぐ中間支援組織が必要だと思っている。
永沢
CB に対して期待されているのは、地域の問題が非常に多様化している。地域の人たちがわ
がままになってきている。このために不満や課題を持つ方が増えてきている。そこで交通
整理が必要。すべての不平不満を行政で解決するのは不可能。そのときにボランティア活
動などは必要であるし、CB を取り入れないと解決できない問題もある。どのような分担で
それらを解決していくかのコーディネートに行政も必要であるし、コーディネートをしな
がらうまくさばいていく人もいないと、激突が生じる。うまく仲介役になるひとがいない
といけない。
吉田まとめ
NPO、CB があればあるほど地域力がたかまる。「あたらしい公共」とは CB でもいいのでは
ないか?と思う。それらをサポートするのが行政であって、諸外国では事例も出てきてい
る。担える NPO、担える CB、SB が出てこないといけない。市民の力、一人一人の意識の高
まりは必要になっている。本日の事例を参考にして、さらに鳴門市をはじめ徳島県が前進
できるように祈りまして、本日の会を終わります。
2-1.四国・地域ビジネスセミナーin 鳴門(H23.08.05)
- 23 -
2-2. 行政職員のための協働推進セミナー in 愛媛
~協働の時代に相応しい職員像を一緒に考えてみませんか?~
1.
日時:平成22年9月2日(木)
2.
場所:愛媛県美術館
3.
主催:四国経済産業局、愛媛県
講堂
13:30~16:00
(松山市堀之内)
【講師プロフィール】
早瀬昇(はやせ・のぼる)氏/社会福祉法人大阪ボ
ランティア協会常務理事
1955 年 1 月、大阪府生まれ。大学で電子工学科を
専攻するも、学生時代に交通遺児問題、地下鉄バリ
アフリー化問題などに関わる市民活動に次々に参
加。卒業後、フランス・ベルギーの福祉施設で研修
後、78 年に(福)大阪ボランティア協会に就職。
1991 年から 2010 年5月まで事務局長、現在は常務
理
事。他に日本NPOセンター副代表理事、社会的責任に関する円卓会議総合戦
略部会委員、大阪府、大阪市などの各種委員などを務める。主な著書に
「元気印ボランティア入門」「企業人とシニアのための市民活動入門」「寝ても
覚めても市民活動論」など他多数。
【事例発表者プロフィール】
中橋恵美子(なかはし・えみこ)氏/特定非営利活動法
人わははネット理事長
香川の子育て支援のリーダーとして活躍する 3 児の母。
1998 年、育児サークルを発足。翌 99 年、香川県で初
めてとなる地域密着型の子育て情報誌の発
行を始める。2002 年、NPO法人化。2003~04 年、
地元商店街の空き店舗を利用した親子の広場をオープ
ン。2003 年、登録者に必要な情報だけを地域
や子供の年齢によって自動的にセグメントし配信する
携帯電話システムを構築(全国初)。加えて子供の発達
に応じた約 240 日間対応の献立メニューを
作成、配信。現在、登録者は 4000 名近くとなり、これらを活用した企業のア
ンケート調査やマーケティング調査でも収益を確保。また、地元タクシー会社
と協働し、「全国子育てタクシー協会」を設立。1000 名近い子育てタクシード
ライバーも養成。このほか地元企業と協力した子育て応援マンションの企画
など企業との協働事業も多い。
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
-1-
社会構造の変化に伴い、県民ニーズや価値観の多様化・複雑化が進む中、行政だけが公共
サービスを担っていくことが難しくなり、各自治体では、協働指針等を策定し、「協働」をキーワード
に地域社会づくりに取り組むところが増えてきています。
今後、更に「協働」による県民参加型の地域社会づくりを推進していくためには、行政側の意識改
革と協働推進体制の強化が欠かせません。そこで、職員一人ひとりが「協働」についての理解を深
め、「協働の時代に相応しい職員像」を考えていただくためのセミナーを開催します。
●13:00 開場
●13:30 主催挨拶
小森 繁 四国経済産業局 総務企画部長
門田 公一 愛媛県 県民環境部 管理局長
●13:35~15:05 基調講演 (90分)
「多様な主体による協働を推進するために」
~協働の時代に相応しい職員像を考える~
講師 早 瀬 昇 氏
社会福祉法人大阪ボランティア協会 常務理事
●15:05~15:35 事例発表 (30分)
「子育て支援の取り組みから」
発表者 中橋 恵美子 氏
特定非営利活動法人わははネット 理事長
●15:35~16:00 質疑応答
●16:00 閉会
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
-2-
【セミナー概要】
●主催挨拶
四国経済産業局総務企画部長
小森
繁氏
四国経済産業局で総務企画部長をしております小森と申します。
本日は大変お忙しい中140名を超える皆様にお集まりいただきまして、感謝
申し上げます。
愛媛県からのお声掛けにより、愛媛県商工会議所連合会、愛媛県商工会連合会
の皆様とこのような形で日本を元気にする気持ちで開けることを非常に深く感
謝しております。
開会にあたりまして、一言主催者としてご挨拶申し上げます。
昨今、大変日本は厳しい状況でございます。デフレと不況に加えて、国際的な
市場の動き、人口の減少、エネルギー、環境問題等様々な問題に日本は直面し
ています。
身近なところでは、高齢者問題、子育ての支援、安全性。
日本は安全だと言われていましたが、どうなってくるのかといった不安に囲ま
れています。そういったなか、私ども四国経済産業局としては、経済産業と言
うのは単に、経済、GNPの問題でなく、地域の問題として元気で活性化して
いくということも重要な切り口ではないかと認識しております。
「地域ビジネス」最近「コミュニティビジネス」
「ソーシャルビジネス」といっ
た言葉がマスコミで報道されたり、注目を浴びていますが、地域ビジネスの創
出ということを、一つの大事な柱にしていきたいと思っています。
地域の住民の方々もいらっしゃいますし、企業の皆さんもいらっしゃいますし、
県、市、国といった私どもが行政が、皆さんがどういう形で協働、パートナー
シップを組んでみんなでやるべきことをやっていく、そしてその中で、地域が
元気になり、ひいては日本が元気になっていくことを目指したいと思っていま
す。
本日は、地域とどういうふうに企業経営が関わっていくかということをポイン
トに、少し長い時間ですが、セミナーを開きたいと思います。
講師として、
「日本で一番大切にしたい会社」という本を書かれて、日本全国を
飛び回って、日本で元気にやっている企業を研究されている坂本光司先生、法
政大学大学院政策創造研究科教授、全国の先駆けとなるような取り組みに取り
組まれている3名の事例の発表などを織り込みまして、皆様にいろいろ考える
日にしていただければと思っております。
本セミナーを通じて、考えるだけでなく何かやってみようという、きっかけに
なる日になればと思っております。
今日は講演会がありますが、会場入り口のロビーで愛媛県内にあるNPO等の
サポート機関の皆様にご協力をいただいて、活動紹介を行っています。パート
ナーシップが大事といってもそのような情報を見てみたいというお気持ちもあ
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
-3-
ると思いますので是非、休憩時間、閉会した後、お時間が許せばご覧になって
いただきたいと思います。
最後になりますが、お集まりの方々のご理解ご支援を頂きながら、経済産業局
としてもこのような方向での取り組みの応援をしていきたいと思いますので、
よろしくお願い致します。
愛媛県県民環境部管理局長
門田
公一氏
本日はお忙しい中本セミナーにご参加いただきまして誠にありがとうございま
す。
皆様、すでに御承知の通り本県では加登知事の提唱します「愛と心のネットワ
ーク作り」ということを提唱して、困っているところに救いの手を差し伸べる
県民相互の助け合い、支えあいの活動の浸透を図ってまいりました。
その結果、ボランティアやNPO活動だけでなく企業等の地域貢献活動もわず
かですが着実に広がってきていると感じています。
しかしながら、社会構造の変化に伴って県民ニーズや価値観の多様化、複雑化
が進んでおり、地域における様々な課題に適切に対応し、きめ細かに対応して
いくためにはNPOや企業さらに、教育機関など地域で活動する多様な主体が
それぞれ互いに協力、連携して自主的自立的な活動をしていく、といったしく
みづくりが必要になってくるのではないかと考えています。
中でも、営利と非営利といわれておりますが、言葉だけで見ると正反対の存在
と思われがちな企業とNPOですが、どちらも社会的責任を果たすという共通
した使命を有しています。
そのNPOと企業がパートナーシップを構築していただくことで、国が提唱す
る新しい公共を担っていただくことができるのではいかと考えています。
今日のセミナーがそのひとつの良い勉強のきっかけになったらと考えています。
本日は、小森部長からもありましたが、市民活動を支援しているNPOの方々
のご協力を得て活動紹介のコーナーをホールの前に設置させていただきました。
ぜひご覧いただき、長めの休憩をとっておりますので、積極的に名刺交換等を
行って交流を深めて頂いたらと考えております。
最後になりますが、当セミナー開催にあってご尽力いただきました四国経済産
業局、愛媛県商工会議所連合会、愛媛県商工会連合会の皆様講師の先生、事例
発表頂く企業の皆様に心から感謝申し上げますと共に、本日ご参加の皆様にと
ってこのセミナーが実り多いものになりますように祈念申し上げご挨拶といた
します。
●基調講演
坂本
光司氏
社会性と経済性が両立する
「日本でいちばん大切にしたい会社」とは?
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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「日本でいちばん大切にしたい会社」という本を3年ほど前に出版した。
この本に限って一切数字は使わなかった。心に響くようなこの国の経営者と社
員の心を変えねばとそう思って、一切図画や表は使わずに、まるで小説のよう
な経営学書として出させていただいた本が「日本でいちばん大切にしたい会社」
という本。
今日のテーマにピタリのような会社を5社ほど載せておいた。
私がこれまで、自分の目と足で確かめた会社が、北海道から沖縄まで、海外を
除いて6500社くらいあります。6500社の中で今日のテーマで話をすれ
ば、正直650社くらいあります。つまり、全体の1割です。650社が多い
とは決して思いません。
なぜならば残りの9割の会社は問題が多すぎるとおもうからです。私の使命は、
1割の会社を2割に、2割を3割にすることが、この国を良くすることではな
いかと思っています。
650社の中で、わずか5社を取り上げて書いた本が3年ほど前に書いた、
「日
本でいちばん大切にしたい会社」だった。
5社では少ない、オラの町にもオラの県にも無いのだろうかと。こういうこと
で、読んでくれた読者の方がずいぶんメールをよこしてくれて、今年の1月に
その2ということで「日本でいちばん大切にしたい会社2」という本を出させ
ていただきました。その中には少し多すぎましたが8社書いておきました。
この本を読めば、業績が高まるという本ではありません。だたただ、心に響く
正しい経営をしなさい。正しい経営をしなさいと。こう書いたら、偽物の経営
者にとっては頭が痛くなるような本です。
この本を多くの人が読んでくださっているということは、この国は、まだ変え
ることができる。最後のチャンスがあるのではないかと感じる瞬間だったわけ
です。
本の中に書いておきましたが、本を書いていろいろな方々から、メール、手紙、
ファックス、電話、封書、葉書、ありとあらゆる連絡手段を本の中に書いてお
きました。そこまで言い切った著者の責任と思ったから、すべて書いた。
書くことによってマイナスのこともたくさんありました。マイナスとは、ひど
い仕打ちのような言葉で作者を悼みつけるという方も、残念ながら世の中には
います。特に、私のように非常にはっきりと社員をリストラするくらいなら、
その前に腹を切れ、社員を路頭に迷わすならあなたも一緒に路頭に迷えと、企
業経営において社員の責任は一切ない。そのすべての責任は社長にあると今ま
で書いた60冊の本の中にもすべてそういう論理を張っていますから、正直痛
いところを突かれた方にとってはおそらく怒り心頭だと思います。
厳しい手紙等々で、作者をまるで喉元にするどい刃物をつきつけられたような
言葉で挑発する方もおられます。しかし、世の中を変えるというのが私たちの
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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使命の一つですから、私はずっと書き続けているわけです。
本をお読みになっていればわかるでしょうが、どんなにいい本でも、感動した
本でも、よかったということは自分で思っても、行動を起こす、つまり書いた
作者にお礼の手紙を出すことは、私も含めてめったなことではしません。
わずか3年間で、1000通近いような方が行動を起こしてくれたのです。お
よそ半分の方は、経営者、社長さんでした。社長さん向けに書いた本なのです。
社員が変わっても会社は変わらない、あなたが変わらなければ会社は変わらな
い。あなたが正しい生き方をしない限りは、社員は正しい生き方をしない。あ
なたがいい加減な経営者である限り社員は嘘をつく。この本は経営者向けに書
きました。5割が経営者でした。3割が社員でした。1割が学生でした。1割
が、家庭の主婦、おじいさん、おばあさんでした。5・3・1・1という分布
でした。
本当はそれを紹介したいのですが、あえて代表をひとつずつお話しますと、経
営者の方は、ほとんどこういう内容でした。自分の経営の考え方進め方は、間
違っていました。変わるべきは景気、国の政策と思っていましたが、変わるべ
きは私の経営の考え方、進め方だと思いました。
わが社がなぜうまくいかなかったか、その理由が完璧に理解できました。変わ
るべきは、誰でもない私でした。ほんの一部の経営者ですが、私は業界から少
し外れた行動をしています。ですから常に一人ぼっちです。仲間からは、君の
経営の考え方、進め方は間違っている。そんなことをしていたら、おかしくな
るぞ。そう言われ続けました。しかし、あなたが書かれた本を読んで、私は確
信を持てました。これからもこの道をひた走ります。そして、いつの日か、あ
なたが書かれる本の中に載せていただくように努力します。この方が多数派に
なれば、私はこの国は変わると思いました。潰れた会社の社長さんから、わが
社が潰れた原因がよくわかりました。わが社は潰れるべくして潰れました。否、
潰れて当然だと思いました。あまりにもあなたが言ってらっしゃることと、真
逆のことをしていました。このようなことを、よこしてくれた経営者が、全体
の半分ほどおりました。
3割は社員といいました。
その社員の方は、あえていうと私が勤めている会社は間違っている。私が勤め
ている会社は、この本に書いてあることと真逆のことをやっている。この本に
書いてある理想の会社を自分で作ることを決意した。つまり、辞めることを決
意したと言っているのです。そして、いつの日か本の中に載せてほしい。理想
の会社を作ります、だから見ていてください。私は、ある意味で怖くなりまし
た。まともな社員が、正義心を持って戦ったときに偽者の経営者を捨てること
があるからです。捨てられるのは社員じゃなくて、経営者かもしれません。
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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学生からも、ありました。
私は、間違った就職活動をしていました。上場しているか、していないか、給
料が多いか、少ないか、福利厚生が充実しているか、していないか、友達に自
慢できる会社かどうか、そんなどうでもいいようなことに現を抜かした、就職
先を見つけていました。この本を読んで、それがすべて間違っていることが分
かりました。一番大切なことを見失っていました。もう一度、振り出しに戻り
ます。この時期で、東証一部上場会社からたくさん内定通知をもらっていて、
それを全て破り捨てて、また、振り出しに戻るということが、どんなに危険な
ことか私は分かりますけれども、それでも尚且つ、有力、有名と言われている
大学等々に在籍している学生の方から、ものすごく沢山いただきました。
忘れもしない出来事をひとつだけ紹介。
早稲田大学の4年生の学生でした。その方が、こんなないようのメールをよこ
したのです。就職戦線に乗り遅れて、いまだに就職が決まっていない。困り果
てて、何年も実家に帰ってなかったけれども、実家に帰ってお父さんに相談し
た。ほとんど自宅に帰らない音信不通の生活が何年か続いた学生だったそうで
す。困り果てて四面楚歌のような感じだった。何年がぶりに実家に帰った。夕
食のときにお父さんに、親父、困っている。助けてくれ、と言って話をした。
そしたら、お父さんが、席を離れて書斎に行って一冊のカバーのついた本を持
ってきて、この本を読みなと言って渡してくれた。その本を食事が終わって、
自分の部屋に入って目次を見て、帰りの汽車の中で読もうと思ったけれども、
折角のプレゼントですから、その本を読んだそうです。3時間ぐらいで読み終
わったそうです。枕のシーツを涙で濡らしたそうです。その本が、手前勝手で
すが、先ほど部長が言ってくださった「日本でいちばん大切にしたい会社」だ
ったのです。お父さんがプレゼントしたのです。会いたいと言って、私にメー
ルを下さったのです。今日のような講演のある日で、1時間後に別の会場で講
演がある日しか空いていなかったのです。この空間だったら空いているとメー
ルで返事をしました。多くの人が講演が終わってから名刺交換にきましたが、
最後の方が彼でした。メールを出した早稲田の○○ですと言ったから、私は分
かったのです。彼がなんと言ったか。ありがとうございました。もう、迷いま
せん。
一人の若者の命を救ったような感じでした。こういう学生からのメールや、大
学の研究室に、若い夢多き若者、この国の未来を担っている方、その方が大勢
尋ねてくれました。
最後のおじいさん、おばあさん、家庭の主婦の方々は、全体のわずか1割。
私にとっては一番大事だと思った手紙でした。メールと言うよりは、ほとんど
手紙をよこしてくれました。
私たちの買い物し方は間違っていた。私たちが、子供や孫に話をする内容が間
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違っていた。折角、大学を出たのだから良い会社に就職してくれ。テレビ、新
聞でチラシを見て、どこの会社が一番安い商品を売っているのか、どこの会社
で買うのが経済的に得をするのか、そんなことを、メルクマールに、子供や孫
に就職先を決めろと言っていたし、買い物をするときも、安いと言うことを最
優先にして買い物に行った。しかし、その会社が法律すら守っていない、障害
者の法廷雇用しか守っていない、次の日に新聞にリストラをやりまくっている
と言う記事が載っている。そんな会社に愛する息子や娘を就職すべきだと。あ
るいは、リストラなんて企業として許し難きことをやっている会社の商品を、
あたかも応援するように買い物に行っていた自分たちの姿が恥ずかしい。正し
いことをしている会社で買い物をすることを決意しました。どういう会社に子
供たち、孫たちが就職することが、この子達の幸せにとっていいのか、この本
に書いてあることを子供たち孫たちに伝え続けます。
なぜ、多くの人が行動を起こしてくれたか。
本の中に載せてある会社があまりにも見事。社会性と経済性が両立している。
この国が大切にしなければいけない、残さなければいけない、潰してなるもの
かと思うような会社ばかりだったのです。私たちが逃げている。目をそらして
いることを真正面から受け止めて、世のため人のために尽力している会社を私
が、載せたという事がおそらく半分以上だと思います。
半分はその事例の話ではなくて、私がもう一度問うたのです。経営とはどうい
うことか?
このことに対して、多くの経営者とか、学生とかが、あまりにもこれまでの経
営学と違う経営学を展開しましたから、はっと驚いて、行動を起こしてくれた
ようです。それが、自分たちの経営の考えた進め方は間違っていましたと、そ
の言葉に要約されるのです。
企業経営とは5人に対する使命と責任を果たすための活動のことを言うと書き
ました。会社とは、その場所のことを言う。これは私が6千数百社以上の会社
を回り、現地研究した結論だった。使命と責任を一言で言うと幸せを追求する。
幸せを実現するということです。
企業経営とは5人の幸せを実現するための活動。
会社とは、その場所のことを言う。5人の幸せを言うのは、おそらくどんどん
進化するだろうから、おそらく永遠にかかると思います。あえていうと、企業
経営とは5人の永遠の幸せを実現するための活動、追求するための活動と言っ
ても過言ではないと言います。使命と責任とは、幸せを実現してあげることで
す。決して業績を高めることではありません。1番にすることでもありません。
成長発展させることでもありません。ましてや、ライバル企業を殺してしまう
ような活動でもありません。私たちの使命目的は、会社に関わりのあるすべて
の人々、特に大切な5人の人々の永遠の幸せの実現のお手伝いをする。その追
求をする。これが企業経営の極意だと思います。業績は結果現象です。成長発
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展も結果現象です。ライバル企業と勝った負けたも、結果現象です。
結果現象を追い求めた経営をしてはだめなんです。
私たちの経営の目的は、5人を幸せにすることです。5人の方がみんな幸せと
感じた企業体は、業績は間違いなく高まると思います。高まらないはずがない。
5人の方がいずれも不幸と感じた組織体は、間違いなく赤字になると思います。
赤字が長く続けば、間違いなくその会社は、廃業倒産すると思います。
・使命と責任、幸せ
半分の方が、幸せと感じて、半分の方が不幸と感じた組織体はおそらく、利益
率が0倍だと思います。5人の方が幸せと感じたレベルによって業績は変動す
るのです。業績を追い求めると、不幸になる人が出てきます。しかし、幸せを
求めれば不幸になる人はありません。
経営者は、この経営の考え方、進め方が、5人の永遠の幸せの実現に至って、
寄与するかしないかで判断をする必要があります。
企業経営というのは、5人の永遠の幸せの実現を実現するための活動だと言い
ました。5人とは誰か。これまでの経営学でステークホルダーとか、利害関係
者と言われた方々です。
今日のテーマの経済性と社会性に関すること。
企業経営というのは、一番大事なのは社員とその社員を支えているその家族だ
と書きました。企業経営とは社員とその家族の永遠の幸せを実現するための活
動のことをいう。もっとはっきり言えば、社員とその家族を幸せにするという
ことが、経営の中の最高使命であると書きました。
お客さんより社員の方が大事だという理由は、たくさんあります。
ひとつの理由。自分が所属する組織に不平不満不信感を持った社員が、お客様
に身体から湧き出るような親切丁寧なサービスなんてできるはずがないと思い
ます。自分が所属する組織の上司に恨みを持っているような、まるで虫けらの
ように扱っている上司がいてその上司の業績を高めるような行動をしないと思
います。まともなことはしないと思います。所属する組織に感動したことのな
い社員が赤の他人に感動を提供することなどできないと思います。お客さんを
満足させるのは、作り手なのです。売り手なのです。つまり社員なのです。お
客さんがいなくてもいいのです。お客さんを作るのは社員だから。
私が今日持っている名刺は1枚40円の名刺を使っています。大学に頼めば無
料ですが、社会性と経済性を両立させている会社があるから私たちが出来るこ
とは、私が紹介すること、本で紹介すること、講演でお話すること、自分自身
がその消費者になること、経済性と社会性を両立させた会社を増やす方法は、
難しくありませんから。
1枚40円、50円の名刺を使っているというのは、この会社の参加者になる
ことによって支援をしているのです。
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「私たちが、出来ない、やれない、正しいことをしている人々がいるならば、
私たちがするべきことは、その人を支援することだその人に降りかかってくる
火の粉を払ってあげることだ。私たちは、決して傍観者であってはならない。」
一番大事なのは、社員とその家族です。
現実にやっていることは、ひどいことをやっている会社が多すぎる。不況にな
るとリストラするから。不況をもたらしたのは経営者なのです。社員は右に行
けと言ったからやっただけなのです。ある池に行って魚を釣って来いと言った
から、釣竿を持って池に行ったのです。あきらかに経営者の失態で、それが実
は池でなかったのです。昨日たまたま降った水たまりだったのです。社員の問
題一切ないのです。多くの場合はリストラと言うと社長さん、専務さん、常務
さんはそのまま残るのです。罪のない社員が、しかも60だとか、パートさん
だとか、派遣社員だとか、嘱託社員、何ら罪がありません。その方々が生贄に
なるのです。私はそんな会社の商品を買うことができません。教育にもならな
いから。悪いことをした方が得だということを、学生たちの教えているような
姿勢だから。間違っていると思います。リストラをしなくても済む方法は、山
ほどあるのです。
2番目に大切なのはなにか、社外社員とその家族です。
パートさんも、60歳以上の嘱託社員さんも一番大事なのです。正社員と同じ
なのです。会社の勝手の都合で非正規社員にしただけだから、正規社員になり
たい人が非正規社員の場合に、私はそういう業界になったことがないから経験
がありませんけども、もしなったら正直言って後ろ髪を引かれてまともにその
会社のために尽力できないでしょうね。不安におののくから。失敗がゆるされ
ないから、小さな仕事しかできないでしょう。改善提案なんか出来ないでしょ
うね。上司の顔を見ながら判断するでしょうね。私ですら。非正規社員と言う
のは、一番最初に言った社員とその家族の中に入っているんです。ということ
は、社員とその家族というのは誰のことをいっているのか。わかりやすく言う
と、下請け企業で働く社員のことなのです。そのまた家族のことなのです。こ
の方々は私は、お客様より大事な人だと思います。なぜなら、この方々が存在
しなければ、裏方の仕事をなかなかできないし、出来なければ商品化出来ない
し、商品化出来なければお客様を満足させることが出来ないわけだから。
有効供給が無ければ、有効需要は存在しないのだから。有効需要の不足が不況
をもたらすとは、嘘ばっかりです。有効供給の不足が不況をもたらすのです。
喉から手が出るほど欲しいような商品とサービスが少なすぎる結果現象として
不況になるのです。それをやってらっしゃる会社は、永遠に好況なのです。
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私が今までに回った6500社の中で一番すごい会社を紹介します。
北海道です。54年連続増収増益です。その次に凄い会社。48年連続増収増
益、且売上高経常利益率10パーセント以上という会社があります。
その次に凄い会社、過去40年間売上高経常利益率が25パーセント以下に一
度もなったことが無いという会社があります。
今言った会社に共通しているのは、さっき私が言ったような、社員を大切にす
る、喉から手が出るほど欲しいような商品ないしサービスを提供している。は
っきりしているのです。彼らは、決して好況不況なんて関係ないと言うのです。
なぜならば景気は作るものであって与えられるものではないと言っているので
す。
しかし、現実はどうですか。下請けさんに対する圧は実に強いですね。いま日
本の製造業、下請け企業の75パーセントが決算書が赤字なのです。赤字の会
社に2ケタのコストダウンをしろと言うことは、言葉では言いませんけど、死
ねと言っているようなものです。
こんな経営が正しいのだろうか。正しいと思う人は一人もいないと思います。
自然と思う人はいないと思います。私は、正しいか正しくないか、自然か不自
然かでしか物差しは無い。コストダウンが駄目だと言っているのではないので
す。一方的に2ケタのコストダウンをして有無を言わせずという会社が多い訳
です。無理難題です。間違っています。私は、そんな会社の商品は買いません。
それしか反旗を翻す方法が無いからです。
3番目は顧客、お客様。
実は3番なのです。お客様が大事だということは百も承知しているのです。だ
から、社員と下請けさんが大事なのです。つまり、ES無くして、CSなんて
あるはずがないからです。CSが大事だからこそESはもっと大事なのです。
お客さんを無視しているのではないのです。お客様が大事だからこそお客様に
感動を提供する、商品を提供するその社員はもっと大事だということです。
しかし、現実は嘘満杯のことを部下にやらしている会社が多すぎます。
今日のような勉強会に集まる会社関係者は勉強しなくていいような方がまたこ
うして勉強に来るから、余計に差が付いてしまうという。チャンスを与えて勉
強にも出てこない方が、困った、困ったと言って何かを言わんと私は思います。
現実は悪平等の施策が多い訳です。
3つ目の顧客のところで一つだけ言います。お客さん、こんなことをしないよ
うに気をつけていただきたいという意味でエピソードを一つだけ。
私の周りにあった話です。35歳くらいの若者です。ある機械メーカーに勤め
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ていて、セールスエンジニアとして頑張っている男の話です。彼が担当してい
る商品は、工場の中で使う機械、A、B、Cという3つのタイプです。Aの商
品が最もこの会社に利益をもたらします。Bがその次、Cはついでの商品で売
ったところでほとんど会社に利益をもたらさないという商品です。正直会社に
するとあまり売りたくない商品です。Aが一番利益率が高いのです。営業マン
ですから全員が、くだらない成果主義です。くだらないと言いました。営業マ
ンですから全員が成果主義です。ということは、Cと言う商品を売ったところ
でボーナスはありません。Aを売りまくらない限りは彼にはボーナスはありま
せん。その彼が私にこう言ったのです。先生、十数年勤めたけども、もう疲れ
ました。辞めます。今の会社を辞めても、先生が開いている会のメンバーにな
ることが出来ますか。こう言ったのです。ああなるとも、私はあなたが大切だ
から、こう私は言ったのですけど。疲れたから辞めるというのです。まだ、3
4、5歳なのです。疲れるはずがないじゃないですか。違うのです。疲れた意
味が。
嘘を言うことに疲れ果てました。と言ったのです。彼がこう言ったのです。工
場によっては、AよりはB、BよりはCの方が都合がいい。会社がやっている
商品とか、レイアウトとか、作業者など、その方々から見てCを紹介してあげ
た方が資金繰りだとか、自己資本だとか、そんなことを見た場合、総合的に見
てCの方がいいのじゃないかという場面がいっぱいありました。ときどき、わ
が社のA、B、Cじゃなくて、ライバル企業が作っている、DとかEという商
品の方がお客さまにとって幸せになるのではないかと思う場面も、正直何回か
ありました。しかし、Cという商品をもとより、ライバル企業のD、Eという
カタログを鞄の中に入っているけど、一回も鞄から出したことがありませんで
した。そして、なんだかんだ言ってもAが良いと、決め付けたように売りまく
ってきました。
その結果私は、トップセールスマンになりました。この十数年間毎年、毎年商
談が決まった帰りの道すがら、胸を締め付けられました。また、今日も嘘を言
ってしまった。苦しくて、苦しくて、この苦しみが十数年続いた。嘘を言うこ
とに疲れ果てた。それで辞めると言ったのです。
彼に間違ったことをせよと言った会社の方が、遥かにおかしいじゃないですか。
変わるべきは彼じゃない、会社です。彼がまだ若いころ、彼にこういう言葉を
プレゼントしたことがあります。お客様との良い関係性を長続きさせたいなら
ば、どんな時でも、どんな場面でも、お客さまにとって一番いいことをして差
し上げなさい。決して、会社の都合、己の都合を優先させてはいけない。お客
様との良い関係を長続きさせる方法は、それしかないぞ。お客様との良い関係
性を長続きさせたければどんな時でも、どんな場面でもお客さまにとって一番
いいことを、お客様が一番幸せになることを提案しなさい。けっして、会社の
都合、己の都合を優先させてはならない。こう彼には、若かりし頃耳にたこが
できるほど教えていましたから、かえってその言葉が苦しめたかもしれません。
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正しいものが生き残る。幸せになる。これが自然だと思います。
地域社会、地域住民を幸せにするということも、企業の4番目の使命です。社
員とその家族、社外社員とその家族、顧客、4人目が地域住民、地域社会なの
です。地域住民、地域社会に対して、手を差し伸べる、心を馳せる。というの
が強者としての企業市民としての当たり前のことだと思います。地域住民とい
った意味は、わが社の周辺に住んでいる人と言った意味ではありません。地球
上に住む人々です。しかも、困っている人々です。助けを求めている人々です。
最後が株主です。
どうでもいい存在ですから解説する必要がないと思います。株主の満足は思考
すべきじゃありません。思考すべきは、上の4人です。以上が、お手元のレジ
メの1番から5番までです。
社会性と経済性が両立した会社こそ、私は「日本でいちばん大切にしたい会社」
と定義しています。障害のある方とか、高齢者の方を弱者というのは好きでは
ありません。私たちも、出来ることと出来ないことがある。それは個性と言い
ますから、個性と呼びたいのだけど、現実は個性と呼ぶほど生易しい状況では
ないのです。私は、現場にいるからよくわかります。私も障害者雇用を推進す
るNPO法人を立ち上げてその理事長をやっているから、よくわかるのです。
お手元に書いてある(1)から(10)の会社が私が色々な本に載せた会社な
のです。
・伊奈食品工業
私がこの会社を発見したのは20数年前です。驚きました。私が学者として言
っていることが、この会社がやっていたのではないかと見て驚いたことがあり
ました。この会社は53年間、リストラはしたことがありません。もっといい
ますと、結婚退社とか、定年退社という以外でこの会社がくだらんと言ってよ
その会社に転職した人は、実質53年間ゼロだそうです。離職率の高い会社は
問題が多すぎます。伊奈食品さんは、辞めた人がいないのです。リストラをし
たことが無いのです。今のが社員に対する幸せです。下請けさんに対する幸せ、
過去53、4年間操業して、下請けさんに対してコストダウンしたことは一度
もありません。流れている仕事を相見積もりを取ったことが一度もありません。
ということは下請けさんを変えた歴史がありません。下請けさんから上がって
くる見積書の欄に遠慮しいしい、利益の欄を0と書いた場合にはこの会社が書
き直せさせます。この会社は下請けさんを一切いじめません。変えません。コ
ストダウンしません。お客様も同じです。この会社は48年連続増収増益の会
社です。5人がみな幸せな会社なのです。
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・未来工業
この会社は創業したのが昭和40年です。今年で45年目です。45年間一度
も赤字になったことはありません。好況不況関係ないのです。社員が次から次
に新商品を出すのです。世の中があっと驚くような。この会社が1年間に出す
新商品は、改善を含めるとおよそ1000だそうです。1年間に新商品を10
00出すのです。なぜか?社会性と経済性が両立しているからです。人を大切
にするからです。地域住民も、下請けさんも、社員も、お客さんも大切にする
からです。
社員の方が、朝8時から5時までの仕事は大変だ。特に女性の社員が朝8時、
夕方の5時が一人3役をやらなければいけない。大変だ。頑張るから時間を調
整してくれと、嘆願をしたそうです。その結果、なるほどと思った経営陣は8
時のスタートを8時半、5時の終業を4時45分にしました。生産性は全く下
がらないどころが、上がりました。この会社は残業は0です。サービス残業を
含めて残業は0です。残業は禁止といいましたけど、こっそりやる人がいまし
た。残業手当を出しませんから、別にサービス残業、こっそりです。しかし、
それも止めさせるために残業禁止から、1歩前進させて残業罰金と言う制度を
作りました。会社が持っている1時間のコストを科すといったのです。そんな
ことまでして、残業する人はいませんから、結果として残業する人は一人もい
なくなりました。この会社の休みはどれくらいか。今年のカレンダーで計算し
たら、143日ありました。その他に年次有給休暇は完全取得です。その他に
5年に1回1週間海外旅行を全額会社負担で数億円かけてやると言う会社です。
それどころか、地域住民およびして、地域の人がロシアに行かなければ、上海
に行かなければ見れないような大きなイベントを会社が無料で地域住民を招待
したり、困っている人を招待してやっているという会社です。
まさに今日のテーマそのものです。私は当然だと思います。こういう会社が伸
びることが正しい世の中だと思います。
・富士メガネ
場所は北海道の札幌です。普通のめがね屋さんです。違うのは。全国チェーン
展開をしていないというだけです。ほとんど北海道のお店が90%です。本州
に一部ありますけど、眼鏡を仕入れてきて売ると言うそれだけです。差別化が
非常に難しいと思います。製造業はものつくりで差別化をすればいいのだけど、
サービスの場合は、小売業の場合は、どこでも売っているのだから二つしかな
いでしょうね。一つはサービスの差別化です。もうひとつは社風の企業文化の
差別化です。この二つの差別化を抜きん出てやっている会社です。地域住民を
幸せにする。困っている人を助けてあげる。これは強者である企業使命である
といいました。このことをやっているのです。山ほどやっているのです。世界
には内戦で住んでいるところを追われて難民と言う形で、暮らしている方が多
くいらっしゃいます。眼鏡を買うなんて夢のまた夢です。その方々を見て見ぬ
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振りをできないと言って立ち上がったのがこの会社です。30年前から世界の
難民のいらっしゃる地域に、検眼器とレンズとフレームと修理機械を持って、
社員が交代で出かけていって、その人に合う眼鏡をその場で作ってあげてプレ
ゼントすると言うことを、やり続けてこの間12万人の方の目を救ったと言う
会社です。他にも中国残留日本人孤児に肉親探しに来たときに眼鏡を約800
人の方にプレゼントしている会社です。全社員が入ったボランティア組織視援
隊というボランティア組織を作って交代でいろいろなところに行って支援をす
る。自腹を切って、有休を使って行くと言うのです。お店に入っただけで心を
癒されました。
私たちがすることはなんですか?私はこの会社を知ってから、私がはめている
眼鏡はすべてこの会社の眼鏡にしました。黙っていられないから。生活者にな
ることによって、消費者になることによってこの会社を支援しようと。私はこ
の会社に、私の大学院生かれこれ5、60人連れて行きました。眼鏡を必要と
するほぼ全員がここで眼鏡を買い替えました。この会社の存在を知り、その話
を聞いたとき行動を起こすのです。この国を変えることができるのはもう少し
と言う感じがします。
・柏屋
福島県郡山、お菓子屋さんです。この会社は一ヶ月に1回だけ朝茶会という茶
会を開催しています。朝の6時から8時まで作りたての薄皮饅頭を地域住民、
一見客に好きなだけ食べてもらおうと言うイベントを何十年間続けているので
す。そこに参加される方は地域に住んでいる方で、子供さんとか、おじいさん
とか、おばあさんとか、特に独居老人の人が多いです。テレビしか会話相手が
無い方です。ここに来る最大の目的を腰の曲がったおじいさん、おばあさんに
聞きました。お菓子がたらふく食べられるからなどと、誰一人言いませんでし
た。ここなら、私の話を聞いてくれるから、ここなら話ができるからと言って
くれました。そんなこともやり続けている会社です。もうひとつ言うと、心根
の優しい子供たちを作るために小学生に詩を書かせているのです。
●事例発表
徳武産業株式会社
代表取締役社長
十河氏
我が社は先代の社長,私の女房の父親が,昭和32年,ですから,もう今52
年になります。私が26年,先代社長が20年,ちょうど半分,半分のもので
す。香川県ですので,手袋でスタートし,そしてスリッパ,ルームシューズへ
と転換していきまして,転換という中で,手袋からテーマなので,ずいぶん距
離があるのですけども,その時,その時の決断というのは大変なものがありま
した。
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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そんな中であゆみシューズと出会うわけです。きっかけは,平成7年に私は赤
字決算をしてしまいました。OEMビジネスというものをやっていた結果だと
は思うのですけども,大手のツアー会社とビジネスをやっていたときにたまた
ま私たちの提案するもの,そして,今まで担当していた人が変わったことによ
っての行き違いもあったのでしょうけども,3回ぐらい出したカタログがうま
くいかずに,約30パーセントぐらいの売り上げを落とし,そして,2億7千
万ぐらいの売り上げの中で,1千5百ぐらいというとても大きい赤字を出すこ
とになり,そしてその時に若手の社員がボーナスが少ない,寸志しか出せない,
昇給ストップというとてもきびしいもので,そして夢を失った若者たちが次々
と去るというとても辛い思いをしました。私はほんとに経営者として失格だな,
ということをほんとに痛切に思ってました。
苦しみにのたうちまわっている時に私の友人である老人経営者が,うちの入居
しているお年寄りがどんどん転ぶのだ,転倒するのだ,転倒したら重大な事故
にかかわってくるというようなことで,どうも靴が問題らしいので何とかして
もらいたいのだ。そして,入居しているお年寄りは,やっぱり軽くしてくれ,
カラフルにして欲しい,もちろん転倒を防止して欲しい。そして安くして欲し
いっていう要望をいただきまして,挑戦に決意しました。約2年間かかりまし
たけども,とてもしんどいものでしたけれども,私は高齢者市場への挑戦を決
めまして,約2年間500名余りの方にインタビューをし,そしてモニターに
なっていただきながら開発をし,平成7年5月にスタートいたしました。
高齢者市場に参入する時に,業界の常識に挑戦しました。それは,右と左サイ
ズ違いに挑戦しました。靴の業界,何万社という靴の業界,百年近い歴史の中
で,誰をもやらなかったことに挑戦しました。
→片一方,右が23センチ左が24センチの方が腫れてます,むくんでます,
変形してます,その人がおんなじ靴を履かないかん辛さ。2足買って片一方を
捨てるというもったいなさ。それを考えた時に23センチの左と24センチの
右を販売しようや,それもおんなじ値段。そんな非常識でした。そして,今ま
で詰め物をしたり,靴下を重ね履してた人たちに,涙を流して喜んでいただき
ました。
もう少し突っ込んだ考えを実行しました。それは片足販売です。
→お客様からすごい喜んでいただきました。何よりも3回も4回も片足だけ換
えることによって,片一方の健常の足は傷んでないわけですから,そして,お
客様にとっては,ものすごい利便性が高まっています。
とても喜んでいただいたのがもう一つあります。それは真心はがきです。真心
はがきは,私たちの商品に,1足1足に,すべての思いを込めて,私たちが,
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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一針一針皆さんの歩行をお助けしたくて,この靴を作らせていただきました。
いつまでもいつまでも大切に使って下さい。きっと靴はお役に立ちたがってい
ますよっていうことを書き続けました。
→お客様からとても喜んで,ありがとう,ありがとうというはがきをいただき
ます。社長宛でなくうちの社員宛てです。製造の人間,受注の人間,それぞれ
が手書きで,大して上手でない,でもいっぱい心のこもった商品を販売させて
いただいた中に真心はがきというものを存在させていきました。そして,私た
ちは直接,お客様の最終のユーザーの意見を聞きたくて,問屋さんとか小売屋
さんにお願いしてるものを直接聞きたいということで,アンケートはがきを商
品の中に入れさせていただきました。ぽつぽつぽつぽつと返るようになってき
ました。すごい意見がありました。お褒めをいただきました。そして厳しい意
見もいただきました。ああして欲しい,こうして欲しいという新たなニーズも
いただきました。
アンケートはがきの回収率が4パーセント,5パーセントというとてつもない
数字になって,私は,アンケートはがきをいただいた方に2年間お送りしてま
す。こんな礼状が返ってきます。
「今年,誕生日プレゼントいただきましたけど
も,主人は去年までとっても元気だったのですけども,今年の誕生日を迎える
までなく亡くなりました。ずーとあゆみさんを愛用してました。だから棺に入
れました。今はきっと,天国でこの靴を愛用して歩いてるでしょうね。」私たち
は,人生最後の靴を提供したというとても大きい責任をいただいております。
多くの方から礼状をいただく,とてもメーカー冥利の仕事をさせていただいて
おります。
地域の人たちの会社の存在として,社員の車が50台ぐらいありますけれども,
50台の車が短時間で出社してきます。多少の建物がある関係で,日当たりが
田んぼに悪くなります。日陰にしてます。そんなご迷惑の中で駐車場の車がす
べて田んぼの方へ向いて停めさせていただいております。
そして近隣の毎日接する道路を掃除させていただき,老人施設であったり,近
所の集会場であるところを毎月毎月ささやかですけども掃除をさせていただい
ております。
→企業とはいえ地域に愛されないといけない。地域から邪魔になるような企業
ではダメだと思うし,色んな周りの中でお返しをしたい。いい事をしたい。気
持ちのいい事をささやかでもしたい。
私たちの靴が単なる靴でなく,単なる物でない,とてもお役に立ちたいという
有機質な物にしたいということでやった結果,ピンクの靴の物語ということを
少しお話したい。
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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千葉県の施設から猛烈なクレームがありました。
「徳武産業は歩けもしない人に
靴を売るのか。」というクレームでした。
3年間も歩いてないおばあさん、90過ぎのおばあさんに靴が届いてました。
でも調べましたら、やっぱりそのおばあさんが「どうしてもあのピンクの靴を
欲しいのだ。」ということでした。
施設の方が確認して、本人確認したらやっぱり本人の意思だったよということ
だったので少し安心したのですけども、そのおばあさんが、なんと数ヵ月後に
歩き始めたのです。
施設の方から「是非見に来て下さい。私たちは感動しています。ピンクの靴は
凄いね。おばあさんは毎日毎日天国へ行く前に自分の足で歩いた。桜の時期に
自分の足で窓辺へ行って桜を見たい。そしてトイレも行きたい自分の足で。と
いうすごい思いを神様にお願いしたのだ。毎日神様にお願いしたら神様はいた
のだね。ちゃんと届けてくれてこんなにも自分の足で歩ける素敵さをくれた
よ。」と言ってくれました。
→あゆみシューズは単なる靴じゃなくその人の人生を、その人の最後の夢を叶
えるとてもとても大事なパートナーとしての役に立ってくれたと思いました。
わが社には何千通という宝物があります。お客様からいただいた礼状です。礼
状に支えられながら毎日毎日頑張らせていただいております。
平成7年にあゆみシューズ200万でスタートしたのですけども、22年7月
決算で13億8000万というずっと2桁成長をさせていただいております。
利益の方も平成7年-1500万という赤字から、おかげ様で8%、1億を超
える経常利益をいただくようになりました。
→一つ一つの流れの中で当社の社員、素晴らしい仲間たちがやってくれたもの、
そして私を常に支えていただいている先代社長との二人三脚だと思っておりま
す。本当に感謝の毎日です。
スバル株式会社
代表取締役
宇高氏
当社が所在します愛媛県四国中央市は,典型的な紙どころの産地です。ご存知
だと思いますけども、当市の紙の生産高は現在日本でトップです。年間550
0億を越しています。非常に地域力の強い地域です。従って、非常に不況に強
いという典型的な地場産業の集積地です。そういう地域の背景の中から当社が
生まれました。
昭和45年に旧通産省で中小企業の構造改善法案が施行された。全国の紙業界
で第一号、ヘルパック協同組合を設立してその適用を受けました。
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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→古紙,紙くずからパルプを作る,ティッシュペーパー,トイレットペーパー
を作る原料部分の共用化をしようというもの。
世界でトップに行く設備を作り、現在この企業が愛媛の家庭紙を支えていると
いう状況。
協同組合のメンバーが13名いました。1988年頃だったでしょうか。地域
が非常に高齢化が進んでくる。もう5年後には愛媛の超高齢化時代がやってく
るだろうという,非常に少子というより高齢化の時代の恐怖が業界にありまし
た。定年退職された方々が、職を求めてうろうろしているという大変な状況が
あった。その時期に私が通産省の方に提案した。
「そろそろ家庭紙を越えて,地域に貢献できる一つの企業部隊を作ろうではな
いか。」
地域に貢献できる企業ということになると、これからの時代、やはり高齢者が
働けるステージを作っていくということが必要ではないか?
通産省全員の方が「じゃあ思うようにやってみろ」という協力の言葉を頂きま
した、それからこの企業の構築に取りかかったわけです。
それは私の人生の最後の日をという形で取り組んでまいりました。従って、普
通、経営理念というのはありますけども、この会社は,地域に高齢者が働ける
職場を提供するのだという明解な方針を持って臨んでまいりました。従って、
これからお話申し上げる会社の経営内容につきましても、この原点から一切外
れることなく遂行してきたということです。
社名をどうするか?
→法人出資が6社だったので星座のスバル。スバルというのは、まとまるとか
統一するとか意味があるわけですけども、まとまっていこうという念願で「ス
バル株式会社」という社名にした。
企業の形態
→高齢者の専用事業者であるべきだという基本ですね。高齢者の専用事業者と
申しましても高齢者が100%では会社が成り立たない。やはりスタッフ3
0%ぐらいは補助のスタッフも要ります。そういう構成で私の基本方針は,全
従業員の65%を切らさんように高齢者雇用を続行していくということを基本
において、高齢者専用事業所にする事に決定した。
職種
→紙加工で何万種類かある紙の何を作っていく。半年間くらいマーケティング
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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をやったり,将来性も検討して苦労しました。
選択の3つの基本
・高齢者が作業するわけですから軽作業でなくてはならない
・付加価値の高いもの。自分で稼いで自分で食っていく。やはり収益性のある
付加価値の高い商品を選ぼう。
・認知商品であるけれども,将来需要の伸びるもの
結果、お茶の葉っぱを入れてきゅうすに入れて飲むお茶パック、水洗便所の便
器に乗っけて使う便座シート、こんな組み合わせになりました。高齢者ですか
ら軽作業でなくてはならない。認知商品でも将来、需要の伸びるもの、付加価
値の高いもの。この3つの条件を目指した物が、この2品種に絞られた。
ここでスタートということになったが、それに加えて同時に21世紀に向かっ
ての企業は,やはり環境対応型の商品を持たなくては生き残れないという観点
から,1品種5種パックの中で現在も伸びておりますけれども、環境対応型の
商品を同時に開発してまいりました。この3つが現在のわが社の柱でございま
す。
経営理念
→相手に対する思いやり、相手の立場になって物を考える。
加えて能率第二主義というような物を提案しながらこの相手に対する思いやり
というものを徹底して情熱を燃やした。何か社内で事件がありますとすぐに私
はこの原点に返ることにしています。経営上の問題、業務管理の問題全てです。
やはりトップに立つ者は1つのそういうターゲットに対して情熱を燃やすと。
徹底するという事が経営の担い手だろうと考えております。そこで私は、特に
重視しておりますのが人間尊重の経営をやりたいと。いわゆる、もう一つ私な
りに言葉を変えて言うのですけども人のいる経営,そういうものを徹底してい
きたい。日本の今の国内の企業というのは、すぐにリストラ合理化、利益を求
めて走ってしまう。人間はいないですね,企業の中に。私は、これは徹底して
人間尊重、人のいる経営をやりたいということに現在も徹底しております。
能率第二主義という言葉なのですけども、私は今の構造シーンを実行する為に
能率が落ちるという事は結構だよということで、この構造シーンを徹底するに
ついてのいわゆる能率第二主義ある意味では、ずるい言い方かもしれません。
・社内行事は徹底して全員参加
・情熱と継続というのは経営の要素という考え方で実施
・残業ゼロを徹底
・リフレッシュ休暇
一番大切にしておりますのは、従業員との対話の時間を出来るだけ多く持つこ
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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と。
小さい企業ですから全体会議をして私も出席して直接色んな声を聞くのは当然
ですけども、それとは別途に例えば、お昼に給食の時間ですね、これは給食セ
ンターで給食を受けながら、半額は当社,会社で負担します。その代わりに帰
って食事をする人がほとんど無くなりました。全部一緒になって食堂で食事を
する。そこへ私も入っていきます。その時には決して仕事の事、堅い事は一切
いたしません。世間話とか、そういう地域社会の上で情報を提供するというよ
うなことを主体にしての本心を深めるということでコミュニケーションを高め
ております。
原点は人間のいる人間尊重の経営ということと今、経済性との整合性と申され
ましたけども、やはり利益を第一主義に追求する方がいいのか。社員の豊かさ
を確保していくのがいいのか、私の経験では利益追求だけに入っていきますと、
今の時代やはり原価が入っていくということでございますので、やはり人間あ
りきの経営が肝要かなぁと。将来、私もこのように高齢者でございますけども
人生最後を夢のあるこういう風な企業経営に仕上げていきたい。
やってる形は本当に点でございます。ねがわくば、点から線に。線から面に広
がっていく事を私は切望します。高齢者雇用と言って当社が全部の高齢者を雇
用するわけにいかん訳です。やはり、我々の役目は先段でも誰か発言がありま
したけれども、やはりその企業がそこに存在する事自身が社会の貢献だという
ことだと思います。企業が行う行動でなくて企業の存在が地域社会に貢献でき
るのだという考え方を取っていきたいと。それと誓盟をつけて、こういう企業
を作ったわけですから、我々の跡を継ぐ。作っていただいて点から線、線から
面へと広がっていってこの地方の発展に寄与出来たら私の一生をかけた念願。
私は若い時から事業経営に入ってます。地域を愛してます。紙を愛してます。
その中でやはりこういうことを若い経営者によく言ってるんですけども明治、
大正生まれの経営者が我々の地域の先輩方からルンルンと教えられてまいりま
したけども特に地方の経営者は自分の持ってる体力、知力、財力の10%をそ
の地域の将来50年、100年以降の発展の為に投資です。
「最近の経営者は自
分が利益を追求するという事については非常に長けてきておる。だけど地域の
投資には全く無関心ではないか。」というような事を若い経営者にも複唱させて
いただいております。
株式会社ダックス四国
代表取締役社長
且田氏
基本的にやってる商売は皆さんよく毎日必ず使っていただけるトレー。スーパ
ーでいったら、お肉入れてる、刺身入れてる、惣菜入れてる、お弁当屋いった
ら弁当箱、JRに乗ったら駅弁。それをやってる会社。年商は1300億円。
当社のトレーの特徴はそれぞれのスーパーの店頭で回収ボックスを置いており
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まして,それをトレーを回収してリサイクルする会社です。リサイクルという
のは完全にリサイクルでして「トレーto トレー」というトレーからトレーを作
るという。材料に戻してトレーを生産してまたトレーを売ると。その名前を「エ
コトレー」という名前で当社の1300億円のうちの35%がエコトレーでシ
ェアを占めてるということで非常に画期的なCO2削減に向けて一生懸命やっ
てる会社でございます。
20数年前から障害者の方々を戦力として雇用しようということで,当時はま
だ雇用率であるとか障害者の方々を取るどうのこうのという話は無かったので
すが、当社の場合は今から24年前に千葉の方から特に知的障害者、私、知的
障害者のもともと高知の方で学校を作るという経験がありまして、そのもとで
エフピコさんの方のお世話をして来たのですが、ちなみに私エフピコの名刺持
ってますけどもエフピコの社員じゃございません。プロパーでもないので障害
者の事に関する、彼らが働くということをあちこちに広めて,出来たらどっさ
りの障害者の方が働いていただきたいということで活動してきました。
平成9年に1.6%雇わなければいけないというのが1.8%法定雇用率が改
正されましてその当時から初めて知的障害者の方がカウントされるようになり
ました。当社の場合は、法定雇用率どころじゃなくて、上場会社の中では雇用
率的にはナンバー1じゃなかろうかと自負しておりまして,8.49%という
雇用率を達成しております。
平成18年の12月に広島県で初めて株式会社として就労支援型事業所という
福祉の働くサービスに参入しました。やってみたら非常に面白いということで
3年間弱ぐらいで、全国8ヶ所で立ち上げてしまいました。今そこで235名
もっと増えて今、250名の方がいますけども,障害者の方々が働いてくれて
おります。アイパックという会社作りまして全国に8事業所、佐賀から北海道
までここ3年の間で作り上げまして、この仕事をしてくれております。エフピ
コはこの仕事に関しては、全て障害者の工場で作っております。それから、こ
こに書いておるフタ、この透明のフタ,この透明のフタを作る工場を本格工場
として高知と底のトレーを作る工場を千葉に作っておりまして、そこではもう
完全な本格工場です。この建物,この会場ぐらいの機械が5台ほど並んでどん
どんどんどん成型しておりまして、そこで障害者の方が一生懸命働いてくれて
おります。まぁ当然として当社が上場しておりますので,全員の障害のある方
が完全に正社員、短時間労働者1人もおりません。全て最初から正社員雇用し
ておりまして、40時間制でありまして,全ての条件は他の社員と同等な扱い
をしております。
雇用率がどうのこうのじゃなく雇用する義務があるどうのこうのとか、会社の
コンプライアンスとかいうことで彼らを雇っておりません。全て会社に対して
貢献してくれるので非常に最低賃金少しぐらいでええ訳ですから、なおかつ助
成にもということで経済的効果を考えて彼らが一生懸命やってくれる事に非常
にこの会社としてもありがたい。
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ハローワークの方が「この子達は働けませんよ。」働けないのが分かってて雇う
わけですから「ほっといてくれ」と言うて雇うんですけどもその方でもほとん
ど3ヶ月もあれば十分仕事を覚えて落ち着いて働いてくれるというような自信
がございます。
要は我々、会社も社会も全て人間の集まりだという事が原則でございまして、
それから全世界で65億から人類がおりますけども、その方々が誰一人として
同じ人はおらんと。全て違うわけですから、その違う中に彼らもおって、私も
おって、坂本先生もおって、スバルの社長もおるわけですから障害のある方も
おって当然じゃなかろうかということの発想で考えておりますので、彼らは働
いていく,仕事をする上、それから生活する上で少々の不自由はある。その不
自由さを我々、不自由がない者が手助けするのが当たり前の事じゃなかろうか
という発想で会社を作っております。どんな方でもほとんど仕事に打ち込んで
いただけるという事で考えております。仕事というのは基本的に彼らを雇う原
則は働く事について彼らがプライドを持つという事を一番最初に考えています。
正社員だと誇りとプライドは彼らに持たす事によって本人も努力する、会社も
努力する、周りも努力することによって気がついたら、どんなに重度の精神障
害 1 級の方でもきちんと働けるようになると思う。
いかに彼らと協力をして、助け合って生産を上げていくか考えてもらいたい。
普通だったら彼らは、出来ないからこうするのだ,じゃなくて,出来なくて当
たり前だから、それをどうすれば出来る様になるのか。技術力で出来るのであ
るのか、いろんな助け合いで出来るのか。だから要は仕事が出来る人は出来な
い人を助け合いましょう。という協力の精神で品質と生産性を上げていく。そ
れが障害者のいない会社でも同じような形で上がってきますので気がついたら
1300億の経常利益が150から160億ぐらいですか?経常利益を出すの
ですけども、そのような会社に育っておりました。
日本国内1億2000万の人口の中で,じゃあ障害者と言われる方はどれくら
いおるのだろう?と考えた事ございますか?国が認定しているだけで750万
人弱なのです。人口の。そのまぁ700万人としてね。お父さん、お母さん、
親兄弟、おじいちゃん、おばあちゃん、約6倍。という事は5000万人の方
が直接障害のある方と関わってるわけです。この方々を無視した商売は出来な
いのです。我々商売人として。完全にユーザーなのです。
一般ユーザーと結べてる企業に関してスーパーであるとかコンビニであるとか、
障害者というものをのけては一切商売は考えられない。と我々は考えておりま
す。だからそれから考えてやはり障害のある方も、きちっと働いていただきた
い。ということを含めて我々は一生懸命、障害のある方の工場を作っておりま
す。
全社員が3800人ぐらいいるのです。気がついたら1割が障害のある方、そ
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れも重度の方。重度もダブルカウントするのですけども、それでカウントする
と約700人カウントになるわけですね。1割以上の障害者の方のいる会社が
東証一部に上場して利益が150億出すと。これどういう事なのでしょうか?
と問いたいのです。障害者の方々に関して無関心な企業は生き残れないと思っ
てます。彼らも働いてもらう。働いて彼らのパワーを使って、企業もそれに乗
っかって頑張ろうという事でありますので、非常にその全社員の心の高まりが
非常に素晴らしいものがあるのですね。
当社で働いてくれてる360人近い障害者の方々が当社の残りの健常の障害者
よりも当社に対する拝謝精神が物凄いです。何故かというと彼らは勤務時間8
時間、前後合わせて約10時間、それから遊ぶにしても喧嘩するにしても旅行
するにしても全部、うちのエフピコという会社中心に生活がまわっとる訳です。
彼らが全てなのですよ。うちの会社で彼らは働く事が。他の健常の課長、部長、
係長よりももっと拝謝精神が凄い。何が起こるかというと、辞めないのですよ。
辞職率が0.001以下。
「儲かるじゃなくて本業でやってるからうまくいくんであって、どうでも良い
ような仕事をさせとったら彼らも面白くないし。」要は彼らの力を認めてないと
いう事ですからね。もっと言ったら「彼らの素晴らしい力になってきたら本業
で彼らを雇用して下さい。なおかつ、社員としての、正社員としての誇りを植
え付けるような雇用を取って下さい。」と言っていろんな会社、お手伝いをさせ
て頂いております。
パネルディスカッション
小森氏
前田さんに、今日の感想、何か話のきっかけみたいなものをいただければと思
います。
前田氏
一般のビジネスの人達と話をしていると、社員の人たちは優遇をされてるよう
な環境があると甘えてしまうんじゃないかな、そうすると先の生産性などが上
がっていかないんじゃないかと思いました。そういった人達が進めている社員
教育ってどんな風な教育をしてるんだろうかというような形の事をもう少し話
を聞かせていただけたらと思いました。もう一つは、株主の話がありました。
一般の企業だと株主の意向を損ねてしまうと自分の立場がなくなったりするこ
とがある。株主がいる中で、そういう活動をちゃんとやっていけれるという意
味では株主教育がされているのかどうか。それからもう一つは地域の中で生き
ていくという意味では地域の支持を得ないといけないと、そういうことをやっ
ていると言うことが、事情を分かってる人はすごいことをやってるんだなと、
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いうことが分かると思うんですけど、そうでない人にとってみたらですね、何
かそれは普通のことでしか過ぎないのと、そうすると、そういう地域の人に対
する教育みたいなものがされててですね、その、企業の指示を受けてるような
事になってるかどうかもう少しお話が聞けたらいいかなと思いました。徳武産
業はお客さんという個人を通して、地域社会と繋がっているのかなというイメ
ージがすごくあった。ところが、一方でスバルとダックス四国のお二人の方は、
逆に社員という個人です。あるいはそれが、高齢者だったり、障害者。そうい
うのを通じて地域社会とつながってるのかなというようなイメージが少しあり
ました。それで地域社会とのつながり方って、もっと色んな対応、ありかたが
あるのかなっていうふうに思うのですけども、そのあたりね、少し先生の何か
今までのご経験何か少しこういう別のつながり方もあるよ。という事があった
ら少し教えていただければ少し、最初の切り口に出来たらいいかなというふう
に思います。
坂本氏
前田さんと案内所で四国の誇る日本で一番大切にしたい会社が今日 3 人がこの
場に集まったんではないかと今、この全国各地に 3 社のことを伝える責務があ
るし、伝えたいと考えてるだけじゃなくて、やってる会社が現実にあるとそん
なことを伝えるのが私は使命かなとそのくらい、いい会社に今日出会えたとい
う風に私は思ってここに来て良かったという思いで私はいっぱいで今、あまり
にも正しいもんですから、私も前田さんと同じように正直胸がジ~ンとなると
いうか目頭がっていうような事もちょっとありました。
感動するような事例ではなかったかというふうに今。今前田さんからあったこ
とそのすべてお答えしますと時間が足りないから大事なことだけと思いますけ
ども、もう私がお話することに関しては、パネリストの 3 人の方が事例の中で
お話をしてくれたような感じがしてなりません。ですから、ダブるような話に
なりますけども、基本的にはあまりにも社員、社員というと社員の甘えが出て
きてしまうのではないかとか、あるいはその考えを甘さのある社員にどう浸透
させるかっていうこのことが、難しんじゃないかという前田さんのご指摘だっ
たのですけども、あえて一言でいうと私は経営者の問題、全て経営者にあたる
と私は今、今日私が取り上げた会社今日パネリトが言っていた会社の経営者と
しての共通項というのが私は、リーダーシップをご自信の背中と心で示してる
と。おそらく社員に尊敬されてるとあるいは社員の憧れとあるいは、社員の目
標とおそらく今日詳しく言わなかったんですけども、誰よりもご苦労されてる
と今、誰よりも苦しい、悲しいですね、涙を流してきた人ではないかと今、で
なければ出来ない経営ではなかったかと今、おそらくこんな事まで私達、おお
いに私達の家族に関して心配してくれてると思って経営やってくれると、こう
いうですね、心から感動がカウンターが私はその組織体にあるように思えてな
りません。3社だけじゃなくて私は今日ご紹介しようと思った会社のその全て
があんまし体系的な教育訓練をやってて、どこよりも金と時間を教育にかけて
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るみたいな事、もちろん無いことありませんけども、一番大切なことは、トッ
プ自らがご自信の背中と心でリーダーシップを果たしてると、こんなことはと
いいますとですから、その意味では、自分達の為にあんまりにもご苦労されて
ると、ということを見た社員は、甘えなんか吹っ飛んじゃいます。こんなこと
はですね、私は社員、社員というと俺達は、甘えていいんじゃないか。という
ようなことが出来ないというのは私は、中途半端じゃないし、ましてや口先だ
けではなくて、背中と心でですね、それを積み重ねて示してると、こんなこと
が全てではないかと思います。それからもういくつかありましたけども、株主
の問題、私は私の経営学の中では、最後でいいと。もっと言うならば 5 人は一
応は入れないと経営学が成り立ちませんから、入れましたけども経営者が念ず
るべきは、私は、4 人で十分だと今、何故かといいますと、社員の方が満足度
が高ければ、きっといい仕事をすると言います。いい仕事というのはいい商品
を出す、あるいはいいサービスをするとかだと言います当然経営者が下請けさ
んを材料に使わなければどんな時だってとんでもない貢献を下請けさんはして
くれるといいます。そうしますといい商品とか、いいサービスをすればお客さ
んはきっと喜んでくれるといいます。そういう状況を見ていた地域住民の方も
オラのマチの財産オラの町のシンボルこれは、3 人の誰か言いましたけども、
善のサイクルというかですね。そういう風に向かってると思います。さすれば
当然、会社の業績が高まると今、結果として株主も幸せになるっていうことだ
と今、その意味では、私は株主、株主と言わなくても結果的に業績が高まる事
が、株主の大きな願いの 1 つですから、そのことは自分達のことを念ずるより
は他の 4 人の事を念じたほうが結果として自分達も幸せになるというですね、
その認識を持ってらっしゃる会社の事を今日、私は紹介致しましたし、今日の
3 人のパネラーの方の会社もまさにそうなのかなあ、という感じが致します。
結果として幸せになってると。でございます。結果として幸せになってると言
うことは株主自身の満足になるとですから、今日言った社員第一経営っていう
のは株主を決して軽視したわけじゃなくて、株主も大切にしたいからこそ、E
SだとかCSを高めるという事になるのかなあと、そのことに気が付いてくれ
ない、賛同してくれない株主の方は、正直言ってわが社の株主である資格があ
るのかっていう事を私は問いたいし経営者自信も株主を選別というか、問うと
いうか、そういう時代の勝訴になるかなあといい会社は、いい株主が宿るとそ
んな感じがちょっとしました。後 2 つほどちょっとありましたけども、お時間
がかかりそうだと思いますから、またにしますから、またもし、議論があれば
という風に思います。
小森氏
今日はパネリストのお三方のですね、具体的なお話も聞いてですね、まさに憧
れというものを抱いているのじゃないかなと、ここで、あー良かったというだ
けじゃなくて、おそらく何か自分もやってみたいと、こんな気持ちになってら
っしゃる方も多いんじゃないかと思うんですけども、そうゆう方に向けてです
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ね、お三方のほうからですね、例えば、こんな苦労したけど、こう乗り越えた
とか何か、ヒントになるような事が、お一人お一人もし、語っていただけると
非常に参考になるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか?
宇高氏
私の経営理念の中に4つの調和ということが、ちょっと文字に、はまってんで
すけど、
その中の 1 つに地域社会で必要として生きていける企業を作る為には、
地域文化との調和ということを私は大事にしてます。少し時間かかりますけど、
一例を話したいと思うのですけども、当社は 12 年ほど前に新社屋を作ったと
きに、土地を買い取りましたら、1 坪ほどの地名にポチというのがございまし
た。もちろん他にはないのですけども、墓地がございました。買った地主さん
もそんなん、いいですよ。と気にかけんでいいですよ。と、こう言われたので
すけども、私の気持ちは治まりませんから、屋敷の隅っこにお地蔵さんを建た
させてもらいました。そのお地蔵さんに私は、どうしても名前を付けたいとゆ
うことで段々地蔵という名前を付けました。ちょうど当社の社員が、社屋です
から、フェンスのところで庭木を 1 本ずつ寄付をさせていただきたい。と言う
事で全社員が 1 本ずつ庭木を、3000 位ですけど植えてあげますわ。それに段々
地蔵の名前の段々並木という並木の名前を私自身が自分で、手作りで個人個人
の人の名前も書いて並木を作りました。それは良かったのですけれども、つい
最近、島根のほうへ商談があって私も久しぶりにしんくじでございます。老舗
の古い問屋さんでございます。行ったら丁度そこのお茶屋さんなのですけども、
ボトルに段々というブランド作っておりますね。私のほうでは、段々というの
は松山地方の方はご存知ですけども、東予にかけて方言なのです。ありがとう
という意味なのですね。昔から。それを知らない若い人、たくさん今いらっし
ゃるのですけども、そうよ、ありがとう。という形なものを、そういう使い方
をしたのですけども、そのタレントさんのほうは、登録商標とっといたのです
ね。新規取引の商談ですが、相手の社長とわたし、その商標見た、とたんに実
は、ここのは、こうなのですよ。とこの事例をお話したのです。商取引一発な
のですよね。だから地域に温存されている、そういう細かいところの地域文化
というのは歴史とかいうのは、たくさん私あると思います。そういうものを経
営者は知恵を絞って活用すること。そういう風におっしゃったのかなと、これ
は成功例なのですけども、その地主さんは私はかえって前から商取引もスバル
の場合は、6社の株主が、全部企業ですから、企業の営業窓口を使って、営業
ももっとなんですけども、スバルの商談につきましては、売って喜び、買って
喜びゆうことを徹底しております。だから今の、近代的な商法ですと、買った
負けたしか考えられないのですけども、売って喜び、買って喜び、ゆうことも
あるのですけど。今の新社屋を建てたときに、土地を購入をさしていただいた
相手さんが本当に喜んでいただいております。良い方に買っていただいて。と
いう感謝の言葉を毎年聞かれます。我々のほうから毎年、我々の情報もお伝え
して、お付き合いを続けているという地域の歴史と文化ゆうものを、私は徹底
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して大事にしていきたいなと、そうゆうものがやはり、企業の収益にも跳ね返
ってくるというような信念でやっております。
十河氏
私は会社 25 年、26 年目を迎えてるんですけども、私自身がとても掃除が好き
なんですけども、その時に長靴を 1 個と、それから一輪車を 1 個買いました。
そして、大切に使ってるんですけども、掃除が終わって土運びとか色んな事し
たときに、必ず水で洗って、そして車輪もちゃんと洗って、そして車輪に負担
かからないように立てかけてと、ゆう事をしてます。1 回タイヤ換えましたけ
ども未だに現役で頑張ってくれてます。ですから、物を大切にしたい、そして
物を大切にする。って言う事に対して、うちは靴を作ってるんですけども、15
年前に、正式には 16 年前ですけども、平成 7 年に例の震災が起こりました。
阪神・淡路大震災。あの時にうちの今、靴を作ってる機械は震災にあったんで
すね。でもとても助からないというような状況の中であの菅原市場から 150 メ
ーターぐらいしか離れてない長田の機械屋さんから救出された機械なのですけ
ども、その機械が来たときに私は、神様から贈り物を頂いたと思いました。と
てもじゃないけど、多分煙に巻かれたり、倒壊したと思ってた機械がやってき
てくれました。そしてその機械を、本当に高齢者・障害者の靴は頼んだよ。と
いうことを、私は使命として受け取りました。そして、未だにその機械は現役
として働いています。そして毎月末にささやかですけども4合瓶を差し上げて
1 ヶ月ありがとう。一生懸命、製品作ってくれてありがとう。故障もせずにあ
りがとう。怪我もさんにありがとう。っていうような事で、パソコンであった
りと、ゆう我々のいわゆる物を言わない仲間をやっぱり労をねぎらうとゆう、
いわゆる物を1つ1つを大切にするっていう事が結果的には、社員を大切にす
るって事になろうかと思ってます。ごく最近 2 組ほど嫁さんのほうが先に来て、
旦那をどうしてもいい会社なので、うちの旦那も、働かしてやってくれって言
って 2 組ほど来たので、それなりにきちっと優秀な旦那さんだったので、採用
しましたけども、嫁さんたら結構厳しいジャッジをするのに、嫁さんのほうが
先、うちの会社に入ってて後から旦那を連れてくる。という変な格好になった
のですけど、でもやっぱり、2人とも頑張っていただいています。親子が2組
います。兄弟1組います。だからそんなので、頼りない社長を一生懸命支えて
いてます。そんなのを私は、年3回の手書きのメッセージを書かせていただい
ています。1つは誕生日です。しっかり誉めて、ささやかな社長からのプレゼ
ントとしてポケットマネーからささやかなプレゼントさしていただいておりま
す。それからボーナス2回あります。その時は半分誉めて、半分やっぱり、こ
こ直したらもっといいよ。ということをメッセージを 53 名今います。10 分ず
つ書いたら 530 分です。書けないですね。やっぱり 1,000 分位かかります。そ
の 1000 分を心込めて書くことによって、社員の成長を実感してます。社長は
ここまで見てくれてるということが私は、心に届くとても大切な、あるいは社
員教育になるんでなかろうかなということで、ちょっとご披露させていただき
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ました。
且田氏
スバルの社長さん所のお茶パックですが、私の自宅もご愛用さしていただいて
おりまして、うちの母がちょっと施設に入っているものですから、煎茶が好き
でしてね。普通の急須で飲むと必ずお茶っ葉が入って、喉にひっかかって咳き
込んで、ひょっとしたら死ぬかも分からんので社長の所のお茶パックが非常に
良いということでご愛用さしていただいてありがとうございます。それプラス
当社中央愛媛の中央紙のほうが四国中央市のだいこう工業さんと取引がござい
まして、そこを通じて、当社モダンパックという店を高知と松山のこまのだに
にうちの会社があるんですがそこで社長の所のお茶パック販売させていただい
ているんですが、ありがとうございます。もう少し、あそこはゲット出来てあ
りがとうございました。全然関係ない話なのですが、それと坂本先生の方で株
主利益という話がございましたけども、当社、障害者の方すべて社員持ち株制
度に加入しておりまして、270 人ぐらいが毎月社員の給料の中からうちの持ち
株の株を買うていただきまして、上場してから、18 年ぐらいになりますが、最
初から 2 万円ぐらいずっと積み立てている障害者がおるのですが、今ざっと計
算してみると多分 800 万~900 万位儲かってる、しもうたなと私も思うんです
けども、私買うてないもんですから。今、どのくらいあったのかニッコニコし
て言ってくれないのですね。何千株になっとると今、4500 円位はしますから、
多分出した金が 50 万円位と思うのですけど、非常にすばらしいな。というこ
とで当社としてはやっぱり利益というものを考えていかないかん。彼らは毎月
給料の 2 割買えるようになっとりまして、2 割プラスその 1 割を奨励金として
会社のほうが前払いで給料に付けとんですね。その金額でも黙る金額なのです
けども、だからうちの社員が 4000 人弱おるのですが、ほとんど方、持ち株制
度入ってくれておりますので、当社の株価を支えてる力になったらうちの従業
員であると、なおかつ株主配当がございますんで、非常に皆さんありがたいと。
ほんで一生懸命働いてくれております。それは 1 つの社員教育であろうと、私
は思っておりますので、特段に障害者がどうのこうのであるとか、障害者雇用
することが、どうのこうのとか一切話しはしません。ただその工場において自
分の同僚が少し遅いのだ。少しいかが低いのだ。ということだけ理解してそれ
を抱え込んで仕事を一緒にするということで徐々に彼らは障害者という意識が
なくて何々君、何々さん、何々ちゃんということで一緒に仕事してくれますの
で気が付いたらきちんとした生産と品質を確保してくれてると当社の工場全国
百何十箇所あるんですが、そのうちの 20 箇所が障害者の工場でなおかつ 8 割
以上が障害者で、雇用率単独で計算すると 120%から 130%の会社なんですね。
その会社が当社のほとんど 20 位以内の生産・品質と生産効率を発生している、
その結果を見たときに、非常に嬉しかったですね。そうすると今度は、障害者
のおらん工場が負けてたまるかということで、挑みかかってくるということで、
ものすごく栄光感で今から、10 年前からいうたら生産効率が 35%アップして
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います。これものすごいことなのですね。その 3 割 5 分の投資がしなくて済む
わけですから、うちの機械 1 台 5 千万、6 千万するわけですからね、そうする
とうなずけるんですね。これでウンと社が儲かってる、今ここにあるんだとい
う、それがほんとにこう深く静かに先行した社員教育であって会社に対する愛
社精神が、そこから生まれてくるんだろうと確信はしております。
小森氏
どうもありがとうございました。非常に元気になってくるような、非常にいい
ヒントがたくさんあったのじゃないかと思います。今ですね会場の皆様方から
色々なご感想ですとかあるいは質問が、私の手元に寄せられておりますので、
これはちょっとそれをご紹介しながらですね、皆さんと一緒にもう少し深めて
いけたらと、こういうふうに思っております。幸せを追求するということは判
断基準はどうすればいいのか、あるいはその色々モチベーションですね、特に
逆境の中でどうやってモチベーションを保って行くのかというご質問です。
十河氏
幸せって言うのは、私は坂本先生の本の中にあったので、やっぱり人にお役に
立つ、そして役に立つだけでなしに、あてにされるということとは、人間にと
ても大事なことだと思いますね。だから私は、企業の存在も全く同じである、
だから私はワタミの会長は言われてますけども、地球上で 1 番ということと同
じようにやっぱり靴の業界で 1 番ありがとう。を集める会社でありたい、それ
はあり続けたい。そして徳武そのもがやっぱりなくてはならない、小さくても
小さいんですけどもやっぱり、世の中にやっぱり存在としてなくてはならい会
社を目指したい。そして、やっぱり 1 番のありがとう。を集めるような会社で
あり続けたい。ということを目指してます。それが色んな事の靴で、その商品
であったり、それを取り巻く環境、色んなメッセージである。それから社員が
色んなボランティアも含めてやってくれてる事が、地域からであったり、お客
様であったり、仕入先であったり、いわゆる外注先であったり、その人達にや
っぱり、存在として認めていただき、そして存在そのものが、とてもホットな
存在になればいいなと思いながら日々頑張ってます。
小森氏
宇高さんにご質問で今、逆境とか話をしましたけれども、ご高齢の方が多いと
いうことで何か色々問題もちょっと各論に入ってきますけども、職場だからお
こる問題というのがあって、それをどう乗り越えたかみたいな、もしお話が聞
けたら大変参考になるというご意見もあります。
宇高氏
創業当初まず、1 番苦労したのは賃金体系ですね。当時は9万2千円額円、月
に平均ありますから、貰っとる年金が2割カット、11万5千円で3割カット、
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金銭的に働き損とこれは旧労働省、厚生省と2つの官庁の流れの中で、規定が
ありますからどうにもならない。どう乗り越えて行こうかと、ゆうことで随分
とこれは苦労しました。ただ、出す奨励金とはいうものは入ってきますから、
そういう原資は使いながらいわゆる 2 割カットの分を半分ぐらいを会社のほう
で補てんをするとかそういう賃金面の工夫に大変苦労致しました。それと次に
苦労しましたのは、健康管理なのですよね。未だにまだ私の手元で決めてはご
ざいません。やはり健康診断とかそういう予防的な所への企業としての投資と
か、意識高揚とか出来ますけども、決定的な健康管理はないのです。ないので
すけども不思議とですね、70歳ぐらいまでの間に疾病、極端な疾病で退職す
る人はいないのですよね。それと私も近々統計を取ってみたいと思うのですけ
ども、もう創業以来、20年、22年になるのですけども、退職した、リタイ
アした方々が80歳半ば過ぎとったと思うのですけども、亡くなった方が確か
3名か4名なんでね。非常に長寿なのですね。これは当社で働いたから長寿な
のか、働けるような体質だから長寿なのか、やはりそこらが非常に学説的にも、
おもしろいなあと思うのです。それと検討してみたいなと思います。
何ていっても私冒頭でお話したように、個性がそれぞれ違いますから、違う個
性の方を途中まとめていく苦労よりは、1番苦労はありましたですね。したが
って高度支援ということを徹底して、実践していったとゆうことです。それで、
高齢者のそうゆうな、何か温かいホンワリした施策ばっかりのように聞こえま
すけども、当社では、やっぱり就業規則とか規則と、集団をまとめていく規則
については別の他の企業とも負けないだけ厳しい一線をかくしております。そ
の厳しさということが非常に大事じゃないかと。高齢者だからこの辺はいいわ。
とかそういうことでは許されないと思いますのでね。
小森氏
いくつか色々あるのですけども、今日は経営者の視点からと言うことでですね、
色々議論して、こういう風にあるべきじゃないか。という話をさせていただい
ていると思うのですけども、とある方でですね、会社の商品は好きだと。会社
は大好きなのだと、だけども経営者となかなか合わないような、社員の視点か
らですね。なかなかそういう所に社員がはいってしまったと。こういった場合
にどうすればいいのかとゆう、なかなかですね。悩ましい思いをしてる方もい
らっしゃると思うので、その辺ですね。ミスマッチみたいな話とかですね。何
かご意見等あれば聞かせていただければと思うのですけれども。特に気になっ
てるのは、経営理念を押し付けられるといいますか、社員に圧力をかけてくる
ような事があるというのは、今日先生の話からすると、これは言語道断なのか
も知れませんけれども、色々実際には色んなことが起こりえると思いますので、
何かそうゆう中で、うまく社員との関係を、コミュニケーションをうまくとる
とか言うご経験あればお話いただけると。
且田氏
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やはり私も苦労しましたのは、社員と対話ですね、対話の密度を高めるとゆう
ことを一期に尽きるのじゃないかと。だから経営者が裸なって社員の中に飛び
込んでいくと今、徳武さんもおっしゃったような、そうゆう一筆も大事でしょ
うし、色んな工夫をしながらですね、社員との対話を若年労働者と違って、や
っぱり高めていくと、これが一番肝要なことだろうと思います。
十河氏
私はうちの社員に朝1時間くらい早く来て、いわゆる早朝手当ても出さずに地
域、私も一緒に地域で掃除をしているんですけども、その時にほんとにいわゆ
る理念とかいうことじゃなく、それは、会社の時間ですか?あなたの時間です
か?会社の働いている時間はあなたの時間です。だからそこで拘束されてる8
時間てのは自分がないのか、あるのかによってすっごく働きが違ってくると思
うですね。だから自分の存在を無にして、もう奴隷のように8時間拘束された
という考え方なのか、そうじゃないのだって自分のちゃんと意思、意思を持っ
てそこで働く、そこに自分の役割を見つけ、自分のやりがいを見つける。って
いう考え方ってのは、とても大事なことだと思うんですね。それでもやっぱり
今、皆さんおしゃってましたけど、やっぱり理念というのはすごく大切ですね。
だからやっぱり、どうしてもその理念に合わなかったら去るしかないのですけ
ども、でも考え方を変えてみるというのはとっても大事だと私は思います。
小森氏
非常に色々対話が大事だという話も出てきたと思うのですけども、実は質問の
中にですね、後継者をどう育てていくのか?そしてまた、一生懸命育ってきた
企業文化をですね。どう伝えていくのかと、言ったところでの知恵を教えてい
ただきたいというご質問がありますが、いかがでしょうか?一種企業文化とい
うか、いい雰囲気といいますか、リーダーがいて先生の言葉だと背中と心を見
ているような、こういう中でですね、一種の分化、共有している共通意識みた
いなのが生まれているような気もするんですけども、いかがでしょうか?
且田氏
私は 26 年経営してそして、もう今 63 歳でまさしくバトンタッチをしていく段
階です。娘が 3 人ですけども次女の旦那が、縁あってうちの会社で働いてくれ
てます。私は、すっごく悩んだんですね。もう悩みきったのです。そして、そ
の時にある先輩に相談したらこういわれました。お前やって出来たんやから息
子やって出来るわ。もう実に簡単でした。そして時代は変わっとんやと。だか
ら任したらええやないかって言うことを、もうたった一言でした。そして、私
は悩んだときに自分が、もっと若くて、自分がもっと健康であったら、もっと
こんなことが出来るんでなかろうかな、今の売り上げ 2 倍・3 倍ってのは、そ
れほど難しく出来ない。難しくなく出来るのにな。うちの息子に託したらひょ
っとしたらこけるかも分からんし、ひょっとしたらもたもたして、私がする何
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分の 1 しか成長させないかもわからないと言う事を思い、中小企業ですから、
銀行に対する保障はどうしたとか色んなことを考えました。でもその一言で吹
っ切れました。ですから、任していこうと思ってますし、任したらちゃんとや
ってくれると思います。でもその結果、色んな苦労すると思うのですね。でも
苦労するということが、やっぱり人間を成長させます。そして私は、その企業
が先ほど言われましたけども、文化であるとか倫理観であるとか地域、業界そ
の全てにおいて、存在というものがやっぱりきちっと教えていけば、そして少
しでも根っこを張っておれば、根っこが深ければ、横にあれば多分企業という
のは、きちっと継承していけるのではなかろうかなと私は、思ってます。わが
社の場合は、組織の背景から見ますと、株主全部法人でございますね。ですか
ら後継問題については、人材多種歳々でありまして、まず心配はしておりませ
ん。ただ社内の文化が今まで築かったものがその後、継承されていくかどうか
ゆうのは、私のこれからの仕上げの見せ所とこう自覚しています。
小森氏
今日はNPOの方々もですね、多くいらっしゃってる、あるいは学生さんもい
らっしゃってると思うんですけども、いろんな方がいらっしゃると思うんです
が、ご質問の中にですね。企業の方々NPOとの共同をどう考えるのか、ある
いは可能性があるのかと、いうことで、現在でも十分社会貢献、いろんな意味
での社会貢献されてると思いますが、それに加えて何かNPOと共同でパート
ナーシップで何かやってみようというお考えがありますでしょうか。と、お三
方からお聞きして前田さんからもですね。少しコメントいただきたいと思うの
ですけども。
前田氏
NPO であるとか、社会福祉法人であるとかの競合がこのカタログ見ていただい
たら、一番上に地図があるのですが、その中で金沢容器リサイクルゆう所とエ
コステーションセミーノとゆうのと、それから鳥取の方にエフアンドワイ栄港
といってあるんですけども、当社がすべて仕事と機械を投資をして、地元の県
の障害福祉課及び県の NPO の精神科とタイアップをしまして地元の NPO 法人
なり社会福祉法人なりを募集をして選定をして、仕事をしていただいておりま
す。こうゆう事が多分この 3 件以外にも出来たら全国の 47 都道府県全てで 1
件ずつやりたいなということが、当社のほうの方針ですので、極力その NPO
社会福祉法人の方々とタイアップしてやろうと、それともう一つが、もう少し
障害のある方、働くということをもっと、全然関心のない若者層たちとかに一
切関係のない人達も知ってもらいたいとゆうので、それこそ、去年は東京で障
害者のファッションショーを、それこそ有名人鳩山社長も、鳩山首相も全部、
まだ 1 番支持率がトップのときの話でしたので、あれですけども、色んな芸能
人も含めてやって見たりとか、当たり前プロジェクトといって厚生労働省のな
かでパソコンで大文字で当たり前と打っていただいたら、出てくるんです。そ
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のサイトを見ていただくと全国も 20 何箇所の障害者の働く、例えば大山さっ
きの理研工業の大山さんとこであるとか、ユニクロさんであるとかうちである
とかが、松浦亜弥であるとか、東国原さんであるとかゆうことが、訪問してそ
の対話の状況をネットで流すとか、そういう活動も一緒にしておりますのでた
だ、働くだけではなくって、もっと障害者の方が、施設じゃなくって働くこと
に参画していこうという基本的な仕掛けを国と含めて我々NPOと一緒にやっ
ておりますので、極力会社としてもそれにはタイアップして行きたいと。当社
が今、やっとるのは、多分、知的障害者の松山にも、愛媛にもあると思うのだ
けど、SO スペシャルオリンピックの松山があると思うのですが、その中のフ
ロアホッケーという冬季オリンピックの競技を我々エフピコ全社でやっており
まして、全国の支部と一緒になって全国大会しようと来年は山形で SO のフロ
アホッケーの全国大会を当社も参加してやろうということで企業と NPO 法人
それから社会福祉法人の方々と一緒になって働くだけやなくって、彼らをもっ
と引っ張り出していこうという活動も、当社の社長含めて、全社でやっており
ます。だからこれらもそういう形で、活動を全国で展開して行きたいと考えて
おります。
宇高氏
私は、この企業を始めてもう 22 年になるのですけども 1 番やって欲しかった
のは高齢者の私のところ同じような、専用事業所というのは全国でも非常に数
が少ないと。ただし、最近は大分増えてきましたのですけども、全国的な横の
連絡を取る、情報交換するとかいうのは、組織がないのですよね。それ、今で
もそうなのですけども、そういうものをぜひ、NPO さんあたりの組織も活用し
ながら、作り上げていただきたい。とゆうのが願いでございますね。やはり孤
独感というのですか?高齢者施設の悩みとか色々ございます。だからそういう
方たち物を情報を発しながら、お互いに切磋琢磨できるような、全国組織が欲
しいな。というように思います。
且田氏
特別なこの団体だって言うこととないのですけどもいくつかの所へ、商品であ
ったりとか、多少のお金とかゆうんで協力さしていただいております。そして
また活動があればそこへ何人か社員、私も含めて出席して、お年寄りと一緒に
遊んだりとか、子供たちとか、障害の方とかっていうことは、積極的やらせて
いただいてます。そして、ようはほんとにその笑顔、その笑顔をやっぱり頂き
たい。それを頂くことによって自分たちがとても元気になるということなので
すね。だからそれを準備するときにもワクワクするし、参加してまた嬉しいし、
後味がとてもいいという。良いことずくめみたいな気がします。だから、やっ
ぱり躊躇する企業、躊躇する人もたくさんいらっしゃると思うのだけど、やっ
ぱし、踏み出してみるということってのは一番大事なことだと思います。
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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坂本氏
私も NPO 法人立ち上げて3つほどのNPO理事長を務めてるんですけれども、
いち大学の教員て言うだけじゃなくて、やはり脳にも額にも汗をかくのが、新
しいリーダーシップではないかと、その腕、自ら実践しているんですけれども。
いま、司会の部長のほうから NPO と企業との関係のような話が出ましたから、
一言二言ですけども。1 つ私が理事長やってる NPO 法人は、オール静岡ベス
トコミュニティというオール静岡ベストコミュニティとベストコミュニティで
すから、産も、官も、学もないと老若男女ないと。っていうことですけども、
何やってるかといいますと、且田さんのご専門の障害者雇用を促進すると、障
害者雇用を促進すると、あるいは障害者雇用をしている会社を応援すると。や
はりそのご家族を応援すると。ということで今の所、約 100 社くらいの株式会
社の社長さん方等々が言うならば会員というか賛助会員というか、そうゆう風
になってまして情報交換だとか、そういった会社にアドバイスに行くっていう
事をちょっとやっております。NPO 法人と会社との関わりみたいなのが 1 つ
と。もう1つの NPO 法人は両方とも静岡なのですけども、SOHO アット静岡
という NPO 法人を作ってこの理事長も私やっています。これ何やっているか
というと、小学生、中学生に対しての起業家教育です。企てるほうじゃなくて、
起こすほう、起業家教育と、最近の小学校、中学校の教育ってのは、公務員に
なるか民間にいくかとか、製造業に就職するか流通業に就職するかという。こ
ういう選択肢で、経営者になるか社員になるかという選択肢の教育が不足して
いる結果として、この国の関与率が下がってるわけです。何とかしなきゃいか
んということで、この NPO 法人を立ち上げて、魚屋さんだとか、八百屋さん
だとか、床屋さんだとか、コンサルタントとか、税理士さんとか、そんな方々
を数百人プールして、小学校や、中学校の求めに応じて、そこに私たちは講師
を派遣するというですね。ですから講師に行くのは、みな、中小企業の社長さ
んで講義を受ける方というかは、小学校・中学校の学生さんというですね、そ
の中継ぎというか、接着剤というかこれをわれわれNPO法人がやっていると
いうですね。こんなことがありますから、何か今の、部長のご質問の中でね。
なんかヒントになればと。企業とNPOとの共同をどう考えるかというところ
で、共同そのものをどう考えるかということと繋がってくると思うのですね。
私は、今までの活動の中でお互いが目的を共有して、その目的達成のためにお
互いの得意な分野を出し合って解決に向かっていくというプロセスがすごく大
事だとは思うのですけども、今まで見てるとですね、1 つは今、言ったような
形で両方がWINWINの関係に。で共同することによって会社の利益も上が
る。NPO も目的を達成できるような関係作りというのが 1 番望ましいのかな
というふうに思うのですね。そうすると、先ほどの十河さんの話ではないです
が、墓へ靴で来る方たちに対して貢献をする。そりゃあ今は、その個人、会社
の方が思うばかりってそういうことをやっていくということで、そういう商品
開発に対して、NPO がいろんな意見を出しながら関わっていくので商品開発に
繋がっていく。で愛媛県だと田中産業がタオル、視覚障害者の方に考慮して、
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
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新しいブランドを作ってタオル製品を始めているとか、いったようなケースが
あったりしますね。そういう風なお互いがWINWINになるような関係をも
っていく。というのが一つある。もう一つは、起業活動に対して NPO 法人が
協力していくような、どっちかというと企業が主体性を持ってるという形で
NPO が関わっていくパターンがあるかな。もう一つは NPO 活動に対して起業
は協力をしていく。目的を共用する場合とCSR的にですね、NPO を応援すれ
ばいいんだというような関わり方もあるかなあと思うんですが、そういう風な
関わり方のパターンによってですね。目的どうゆう風な形が自分達の企業で出
来るのかとか、あるいは NPO でいうと NPO と自分達はどうゆう関わりが出来
るのか。というのを自分らが探しながらですね。やっていかないといけない部
分があるのかなって、今日の色んな事例の話を聞いてて、見るとどうしても企
業が主体的に動いている。で NPO がそれに対してどう協力するのかと、いう
スタンスがすごく多い、かなと、思うのですねところが実際、市民の生活課題
というのを考えたときに、自分達が生活してるときのこうなったらいいなとか、
ここはちょっと改善したいなという課題が、皆さんが共有できると地域の課題
が出来る。それを企業と一緒になって解決しようという動きをですね。やっぱ
り、そういう意味では、こういう種とシーズはやっぱり NPO の皆さんたくさ
ん持たれてるんだと思うんですね。そういう風なのをうまく企業側に投げかけ
ていくことによってですねそういったたくさんの、そうゆうより良い、その結
果より良い社会が生まれてくるような活動というものが、見やすいのかなと企
業に、築きをこう提供するような場もお持ちなんだなあと、やっていけれるよ
うなことが出来ると、より先の企業とNPOとの共存というのは、もっともっ
と広がって行くんじゃないかな。という風に思うのですね。その後は、お互い
がビジネスマネージでもしながらやっていってお互い頑張っていけるか。とい
うところになるのだろうと思うのですね。ぜひ、参加の企業もですね。今度は
NPO 側からの提案を受けて動いていけるような形がですね、広がって行くと、
もっともっと地域に密着した動きが出来るんやないかなと思いながら、聞かし
てもらいました。
小森氏
1つは、今日大変年齢さも色々お出になりまして、学生の方ですね、さきほど
愛媛大学の方とか、いらっしゃいましたけども、ありますけども学生のほうも
ぜひ、多分色んなアイデアがあったんで彼らとしては、何か学生に向けてのメ
ッセージが欲しいってこともあるんですが、おっしゃる通り時間もあれなんで
すが、多分この中でですね、かなりメッセージが発せられてると思うので、じ
ゃあどう受け止めるかという話になってくるのじゃないかなと思います。それ
からですね。今日は大変色んな事例があったんですけども、これ坂本先生なん
ですけど色々、後半になるんですが、坂本先生が心に残る謝辞、社訓とはあり
ましたら教えてください。とか、坂本先生の調査した 6500 社の中に愛媛や四
国で活動している企業があったら教えてください。それからですね。坂本先生
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にって言うわけじゃございませんが、今回製造業の方が多かったかと思うんで
すけども、企画、あるいは、情報系とかで残業0は可能なのか。とかですね、
そういった製造業以外の取り組みみたいなのはあるのかと、いった質問がござ
いますので、もしよろしければまとめて、何かあるいは先生のご本なんかに書
いてあるのならばそれを読むということにしれませんが、これは学生というこ
とじゃなくて一般の方からですね。
坂本氏
対戦されている、対戦する、している語録というか、格言というか。それはさ
っきちょっと言いましたけども、経営者の手帳というサブタイトルが「働く、
生きる、ものさしを書いた 100 の言葉」っていう本の中に、百箇条ほど、これ
は、私が作った言葉ですけども、プロローグの所に自分自身が座右の目にして
いる言葉を10ばかし、書いておりますたからなんかその辺をご参考にしても
いいのじゃないかと。是非本屋に駆け込んで頂きたいというですね。やはり感
謝してますから、ちょっと紹介がてらですけども、それでご勘弁を頂きたいと
いう風に思います。、それから本を私 6500 社ほど回っているといいましたけど
も、今日実はスバルさんは初めてで、お二方の会社はもう回って、わたしおり
ません。先日 2 週間ほど前にお伺いしたときには、今治のタオルメーカーさん
にお伺いいたしました。そのときには今日言われた田中さんじゃなくてイチヒ
ロさんという会社にいってあわせてタオル美術館もちょっと見ておりました。
その前の前の週に来たときには、これ松山に来ましたけども、そのときには車
椅子を作っている井浦さんという社長さんおられますけども、大変ご苦労され
て、お父さん、お母さんを助けてあげたいって結果として作られたとか、正直
6500 社の中で圧倒的多数じゃないですけども、少なくとも 100 社以上、いま
だに久しくお付き合いしている会社がちょっとあります。各県にちょっとあり
ますけども、これまでわたし、70 冊くらい本を書いておりますし。その中で、
載してる会社も結構あるんじゃないかと、思いますから。私で検索するとおそ
らく何万件とか出てくるし、帰って「本」と打てばおそらく 70 冊の中で 30 冊
くらい出てくると思いますから、是非、これまた本屋に駆け込んでいただいて、
買ってヒントになるのかなというのですけども。たくさん、もし私が気が付か
ない会社もあるでしょうから。日本には株式会社、有限会社 280 万あって私が
尋ねたことがある会社、わずか 6500 社ですから。これでも大分先生とすると
記録的ですけども、しかし 280 万の中からわずか 6500 社しか私は回ってない
ということですから、私が知らない会社のほうがはるか多いと思います。いろ
んな人があそこに行けとか、行ってあげてくれっていう方がおりまして、いま
だに行かなきゃいかんというのが正直 1000 社以上ちょっとあります。先ほど
もスバルの社長に必ず行きますからとお約束をしたばかりになりますけども、
ぜひ気が付かないとこで正しい経営をしてらっしゃる会社、正しいことってこ
とは、5人を大切にする。人を大切にする。というですね。そういう会社であ
ってですね、ご奮闘されてるといった会社があれば、是非ですね、直接でも結
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構ですから、電話でもメールでも何でも結構ですけど、ご連絡くださいませ。
わたし必ず駆けつけて行って応援をし、出来ることを限りを尽くして、私が持
ってる人脈を使ってですね応援したり、いたしますから。
小森氏
それでは最後にですね。まあ、非常に不況で厳しいときではありますが、非常
にこうゆう地域性や経済性とですね。こういった地域を大事にしていくという
のは大事だとゆうことで行政官支援をしっかりしろという激励ともうします
か?話がございまして先生のお話にも頑張っている人を決して傍観者で、あっ
てはならないというお話もあったかと思いますけども行政、四国経産局あるい
は、一緒にやっている当然、愛媛県も同じ気持ちだと思いますけども、行政も
まさしく傍観者にならずにですね。どう応援できるかと、こういった形でセミ
ナー開いたりですとか、あるいは個別の、ご相談にのることもあるかもしれま
せんけども、いろいろやっていきたいと思っています。また、自らが変わって
いくってのも、大事かなと思っておりまして、先日実は知的障害者の若者をで
すね、体験的にではございますけども、四国経産局の高松のオフィスのほうで
少し働いていただいて、非常にあのお互いにとってですね。新しい発見があっ
たり、心が仕事の段取りとか含めてですね。もう一度、昔の入った頃の当時の
フレッシュな気持ちを思い出しましたとかですね。色んないい効果もございま
して、まあまあではございますけども、そういった意味では、自らも変わり、
また皆さんの色んな動きをですね、まぁ今回こうゆうセミナーに形にしました
けども、また応援していきたい。決して傍観者にならないように、気を引き締
めてやっていきたいと思っております。長時間にわたりまして大変ありがとう
ございます。とりあえずこのパネルディスカッションでございますけども、時
間もきておりますので、これで終わらせていただきたいと思います。
2-2.行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(H23.09.02)
- 38 -
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
~行政・企業・NPO等とのパートナーシップ~
1.日時:平成22年12月7日(火)
10:30~17:00
2.場所:サンポート高松合同庁舎(高松市サンポート3番33号)
〔セミナー会場〕2階アイホール
〔展示会場〕1階アイプラザ
3.対象:行政職員、企業、NPO関係者、一般市民ほか
4.主催:経済産業省四国経済産業局
5.共催:徳島県、香川県、愛媛県、高知県、高松市
【講師プロフィール】
早瀬
昇(はやせ・のぼる)/社会福祉法人大阪ボランティア協会
常務理事
1955 年 1 月、大阪府生まれ。大学で電子工学科を専攻するも、学生時代に交通遺児問題、
地下鉄バリアフリー化問題などに関わる市民活動に次々に参加。卒業後、フランス・ベル
ギーの福祉施設で研修後、78 年に(福)大阪ボランティア協会に就職。1991 年から 2010
年5月まで事務局長、現在は常務理事。他に日本NPOセンター副代表理事、社会的責任
に関する円卓会議総合戦略部会委員、大阪府、大阪市などの各種委員などを務める。主な
著書に「元気印ボランティア入門」
「企業人とシニアのための市民活動入門」「寝ても覚め
ても市民活動論」など他多数。
【事例発表者プロフィール】
〔香川県高松市〕
古市
努(ふるいち・つとむ)/
株式会社ユニバーサルデザイン・メディア工房
代表取締役社長
情報のユニバーサルデザインを深く追求し、誰もが利用しやすいホームページ作りを展開
するほか、コミュニティビジネス団体「さぬきビジネスファーム」を主宰。団体が行う「緑
のそよ風プロジェクト香川」では、地域で活躍する地元企業と障がい者施設を結びつけ、
それぞれの持ち味を活かしたコラボレーションによって戦略的な商品やサービスの企画・
開発を共同で行うなど、障がいのある方の生活基盤の源である施設からの経済自立の具体
的な支援を実施している。
〔香川県高松市〕
中橋
恵美子(なかはし・えみこ)/特定非営利活動法人わははネット
理事長
香川県初の地域密着型子育て情報誌の発行や地元商店街の空き店舗を利用した親子の広場
を開設したほか、登録者に必要な情報だけを自動的にセグメント配信する携帯電話システ
ムを構築(全国初)し、4000 名近くの登録者を活用した企業のアンケートやマーケティン
グ調査を実施。また、地元タクシー会社と協働して「全国子育てタクシー協会」を設立し、
1000 名近い子育てタクシードライバーを養成するほか、子育て応援マンション企画など企
業との協働も多い。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
-1-
〔愛媛県今治市〕
山本 優子(やまもと・ゆうこ)/
特定非営利活動法人シクロツーリズムしまなみ
代表理事
多彩な自然・歴史・伝統が息づく、しまなみ海道が世界有数のサイクリングコースとして
注目を集める中、地域資源をつなぎ、地域住民がもてなす自転車モデルコースづくりを住
民参加型で実施。人と人、人と自然のつながり合いを、島民の日々の営みの中へ飛び込み、
遊び、学ぶ新しい旅のスタイル「シクロツーリズム(自転車旅行)プログラム」を提案。
住民参加型の地域資源発掘や商品開発など、行政との協働事業のほか、旅行会社等とのツ
アー企画等を実施している。
〔高知県高知市〕
東森 歩(ひがしもり・あゆむ)/
株式会社サニーマート マーケティング゙戦略室 地域交流担当 MG
昭和 36 年創業、高知・香川・愛媛に直営 21 店舗のスーパーマーケットを展開。安心・安
全な食品の開発・販売を行うほか、地域にとってなくてはならない存在となることを目指
し、35 年以上続く、地域の学校、PTA等と協働した「親子水泳教室」をはじめ、スポー
ツや環境、文化、地域連携など、幅広い分野で地域住民を巻き込みながら、地域密着の戦
略により、顧客創造、ひいては企業の持続的経営につながる CSR 活動を続けている。
〔徳島県鳴門市〕
猪子 和幸(いのこ・かずゆき)/
特定非営利法人JCIテレワーカーズ・ネットワーク 理事長
心身の障害等により、社会的に弱者の立場を強いられている人たちの社会参加を促進し、
経済的自立を実現するため、ICT利用技術とインターネット環境を活用することにより、
各自の持つ障害特性に応じた生きる力と働く力を身につけ、時間と場所の制約から解放さ
れた新しい「ワーキングスタイル」と「ライフスタイル」を創出。Web サイトの設計・開発、
Web アクセシビリティの診断・評価・修正、業務処理システムの開発、印刷物の作成、デ
ータ入力などが、既に収益事業化している。今後、完全に障害者だけで運営する「複合的
な経営体」の実現を目指す。
〔高知県いの町〕
四宮 成晴(しのみや・しげはる)/特定非営利活動法人土佐の森・救援隊
理事
平成 15 年の設立以後、森林ボランティアリーダーの養成、森林の整備保全活動、グリーン
ツーリズム活動等、森林関係のイベントを年間 40 回ほど実践。また、森林証券制度を導入
して、独自の地域通貨券「モリ(森)券」
(地場産品との交換券)を発行し、森林ボランテ
ィアの活性化と継続性に効果をもたらすとともに、地域産業の振興、地場産品の消費に寄
与するほか、。メルマガやHPを通じて、森林ボランティア関係の情報や森林に関する様々
な情報発信を精力的に行っている。
野田
耕一(のだ・こういち)/経済産業省
地域経済産業グループ
立地環境整備課長
眞鍋
幸一(まなべ・こういち)/愛媛県 県民環境部県民活動推進課長
三木 泰樹(みき・やすき)/高松市 市民政策部地域政策課 市民協働推進室長
島
博司(しま・ひろし)/特定非営利活動法人市民未来共社
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
代表理事
-2-
【出展団体プロフィール】
株式会社セシールビジネス&スタッフィング〔香川県高松市〕
大手通販企業である株式会社セシールのグループ会社。
人材総合サービスのひとつとして、
シニア世代の会員組織「シニアアクティブクラブ」を設立し、その支援・運営を行ってい
る。シニアと地域を仕事を通じてつなぐことをミッションとし、単に仕事の紹介にとどま
らず、
「学び」の場、
「集い」の場の提供も行うなど、シニアの生きがい創出も担っている。
全国に顧客を持つ企業グループだからこそ、地域とつながり、地域に愛され、必要とされ
る会社をめざしている。
NPO 法人子育て支援ネットワークとくしま〔徳島県徳島市〕
乳幼児の子どもたちとママパパを応援する団体として平成5年発足、平成 14 年に法人化。
徳島初の地域密着型子育て情報誌の発行や家族向け情報誌の編集・発行、乳幼児子育て支
援センター設置の必要性から、行政と協働で商店街の空き店舗を活用した「子育てほっと
スペースすきっぷ」を運営する他、県や市町村と協働し子育てに関するサイトの運営、ハ
ンドブック作成、イベントの企画・協力等を実施している
NPO 法人子育てネットワークえひめ〔愛媛県松山市〕
育児サークルで出会い、サークル支援のボランティア活動を行っていたメンバーが平成 13
年に法人化。愛媛の『頑張るママの応援団』として、子育てにやさしいまちづくり・人づ
くりを目指して活動。松山市や新居浜市の拠点において妊産婦や乳幼児親子対象の「子育
てひろば」や公民館で「子育てサロン」、病院内で託児ルームの運営を行う。また、会報誌
を協賛広告収入で発行。近年は特に、企業のCSR活動における協働や子育て力の向上の
ための活動に注力している。
子育てネットワーク「マパはあと高知」
〔高知県高知市〕
代表の中平氏は、主夫として家事と育児をこなしながら、高知県内の子育て主婦とのネッ
トワークを構築。平成 17 年から代表となり、複数の育児サークルと協働で育児情報サイト
「マパネット」の運営管理を行っている。また、乳幼児と保護者のふれあいイベントを毎
月、高知県との協働で「おしゃべりかふぇ」を毎週開催するほか、高知県内の育児サーク
ルへの活動支援など、高知県内の子育てサークルのまとめ役を担っている。
さぬきうまいもんネットワーク〔香川県高松市〕
香川県内の農山漁村女性が知恵・技・経験を活かし、その地域にある農林水産物を食材に
活用した加工品や郷土食など、こだわりある商品を提供し、経営の発展を目指して、いき
いきとした活動を行っている農山漁村の女性起業家及び起業グループの組織。かあさん茶
屋(さぬき市)
、源平の里むれ物産館(高松市)
、おしゃべり広場(善通寺市)などで販売
するほか、各地で食に関わるイベントにて販売・普及活動を展開している。
高松市ボランティア・市民活動センター〔香川県高松市〕
市民と行政がともに考え、ともに活動する「協働」の場として平成 13 年にオープン。中間
支援施設として、地域内の団体の活動拠点となり、スペースや設備の提供、交流イベント
の企画ほか、ボランティアや NPO に関する情報等の収集、機関誌やメールマガジンを活用
した関連情報の発信等を行っている。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
-3-
halqa-はるか〔香川県高松市〕
福祉系大学在学中に国際協力を志し、東京の一般企業で働く傍ら国際協力団体にてアジア
の難民支援やパレスチナ問題に関わる。1990 年代半ばに「わかちあいプロジェクト」に参
加するなかでフェアトレードに触れ、その後大阪に拠点を移し自らフェアトレードコーヒ
ーの焙煎販売を行う国際協力団体「アーラムムリーフ(現 halqa-はるか)」を設立。大阪、
京都、兵庫の団体と協力しながら「ワンワールドフェスティバル」など国際協力イベント
などで身近な国際協力としてのフェアトレードの普及を行う。2008 年に郷里である高松に
拠点を移し、四国でのフェアトレードの普及につとめている。
株式会社セシールビジネス&スタッフィング〔香川県高松市〕
大手通販企業である株式会社セシールのグループ会社。
人材総合サービスのひとつとして、
シニア世代の会員組織「シニアアクティブクラブ」を設立し、その支援・運営を行ってい
る。シニアと地域を仕事を通じてつなぐことをミッションとし、単に仕事の紹介にとどま
らず、
「学び」の場、集いの場の提供も行うなど、シニアの生きがい創出も担っている。全
国に顧客を持つ企業グループだからこそ、地域とつながり、地域に愛され、必要とされる
会社をめざしている。
四国環境パートナーシップオフィス(四国EPO)〔香川県高松市〕
四国環境パートナーシップオフィス(四国EPO)は、環境省が設置する全国7ヵ所にあ
る地方環境パートナーシップオフィスのうちの一つで、地域におけるNPO、企業、行政、
市民等の主体的参加によるパートナーシップづくりに役立つ拠点として、地域ブロック単
位で、行政単位を超えた情報の共有・交流、パートナーシップでの取り組みを推進してい
る。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
-4-
【フォーラム概要】
●主催挨拶
経済産業省地域経済産業グループ立地環境整備課長
野田氏
本日はソーシャルビジネスの地域意見交換会ということでこの場を持たせていただきまし
た。経済産業省の方におきましては、ソーシャルビジネス、なかなか聞きなれない言葉か
もしれませんけれど、コミュニティビジネスと置き換えてもよいかと思います。このソー
シャルビジネス、コミュニティビジネスが新たな産業として育成していきたいということ
で。本日は各地で地域意見交換会を持たせていただいている一環として、四国で開催させ
ていただきました。趣旨としましては、本日、四国のいろんなSB業者の方でございます
とか、行政の方、県と市の方も、おいでいただいていまして、そういった中でいろんな意
見交換をぜひしていただけたらと思っております。その中で各地におけるさまざまな課題
でございますとか、問題点、そういったものをある意味意見交換を通じながら出していた
だいて、それを?経済産業省の方で構築していけたらと思います。新たな政策にも反映を
していきたいというそういう趣旨で来ております。当然ながらそういったお堅い話ばかり
でなくて、地域で抱えるいろんな課題ですとか、皆様の思いですとか、そういうものも、
ぜひ出していただければと思っております。是非忌憚のない、かつ、おもしろい活発な場
にしていただければと思います。
●基調講演
大阪ボランティア協会常務理事
早瀬氏
私が昨日大阪で実際にあったこと、
新しい公共の動きについてお話をします。実は私は今、
新しい公共推進会議という会議のメンバーになっています。今ソーシャルビジネスの皆さ
んに対する税制上の寄付金控除というのが取りやすくなっています。ご存知かと思います
が、新しいパブリックサポートテストメソッドというのが生まれました。三千円以上の寄
付金を百人以上が最低二年間、そういった実績があると税額控除になります。税額控除と
は、寄付をすると寄付の 4 割分が所得税で戻ってくる、1割分が地方税で戻ってくるとい
う制度です。この十二月一日に政府税制調査会市民公益税制プロジェクトチームの報告書
でまとまりました。今までは総収入の 5 分の 1 以上の寄付収入がなかったら寄付金控除を
受けられなかったのです。これからは絶対値基準 3,000 円以上の寄付金を 100 人以上から
集めることさえできれば、ただし寄付者の中に正会員をカウントしないので、非会員の人
たちで 100 人以上集まると税制上優遇を受けやすくなる、大変画期的な制度がスタートす
る可能性があります。来年 3 月末から、租税特別措置法が改正されることが必要ですが、
さかのぼってソーシャルビジネスの皆さんにもちろんビジネス的にサポートしていくこと
も重要なんですけれども一般の市民の皆さんからの寄付も財源の支えなどにしながら事業
をやっていく、そういう動きになりつつあるわけです。
最近企業のことに関し、いろいろなことが起こっております。協働そのものについて今日
私が最初にお話ししたいのは、いろんな立場の人たちがどうやってつながり合うのかとい
うことをベースにしたいと思っております。
自治体と行政との協働に関して言うと、よくこういう話があります。市民活動は元気だ、
新しい公共ということを鳩山さんがおっしゃったときにもこのあたりの所がありました。
人と人とが助けあう、そういった社会を作りたいとおっしゃったんです。そのような意味
におけるいろいろなそういう複雑な優遇も大切だ、これからは市民の力で根本的な課題を
解決しよう、そういったスタイルにはビジネスのスタイルが合うかも知れないということ
です。社会の問題を市民が取り組むということが、こんなに意義があるということがある
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
-5-
んです。
物事を解決している時というのは当事者がすごく重要。当事者というのは二つあります。
例えば障害のある方は当事者になります。ところが現に困っている、例えばアルコール依
存症の方がいるとか、わははネットさんのように対象が子育てで大変だという当事者もい
るのです。いろんな活動をすることによって当事者になっていく人がいる。自分はそうで
はなかったけど、だんだんだんだん活動していくうちに近づいていった一般市民自身が当
事者です。市民活動やソーシャルビジネスはそういった意義があると思うのです。当事者
というのは、社会のいろいろな問題を考えるときにものすごく重大な存在だと思っていま
す。
どうしたら自殺の問題は社会問題として解決していくかという話をしたいのです。私は自
殺者の遺族です。私の弟は今から 12 年前に自殺してしまい、13 回忌の法要をしました。
ご存知のように自殺の問題は、ここ 10 年ほどずっと 30,000 人以上亡くなっていて、とん
でもない数字です。ここ 12 年間 30,000 人超えているんですが、遺族は減らず、増え続け
ています。毎年毎年 2~30,000 の方が亡くなられると、それに対してたぶん 10 人くらい遺
族がかかりますから、すでにもう 3,000,000 人以上の遺族が誕生しています。ここ 12 年で
すが、おそらくもっと本当は多くて、その前も 2 万人くらいの方がなくなっているわけで
数 100 万人の方が自殺の遺族です。
自殺の問題は長い間、社会問題ではありませんでした。なぜかというと勝手に死んでいる
からです。どういうことかというと、当事者がいなかったからです。社会の問題だと言い
出す人がいなかったからです。なぜ言わなかったか。追い詰められているわけだから、自
殺をする方が外にアピールできる、そんな力あるはずないじゃないですか。だから遺族が
言わなければいけない。どうやって社会問題として自殺対策基本法に芽生えたかというと、
たまたま遺児のみなさんをサポートしている団体のひとつにあしなが育英会という団体が
あります。あしなが育英会は色々な遺族の奨学金を出しています。その一つに、自殺でな
くなった子供さんの奨学金も出しています。今まであまり表に出していませんでしたが、
98 年に三万人を超えてきたのでどうにかならないかということで、毎年集いを開催してい
ます。集いの中で自殺遺児の皆さんで集まって、自分たちのこれまでを語り合うというの
はもともと普通にありました。それで話したときに自殺の子供、親を失った子供が集まっ
て、はじめて他人に自分の親が自殺で死んだということを話し出してみな泣きじゃくりな
がら話し合ったんです。そこではじめて、自分はひとりではないと気がつくんです。この
問題で苦しんでいる人はいっぱいいる、と気づくんです。
自殺問題はどういった社会問題か、社会と関係あるだろうと言い出した。そのパワーがラ
ジオ問題でもそうですが、被害者の方がいらっしゃらなかったら、社会問題にならなかっ
たんです。どういう方向性で問題を解決するかということもありこうなったんですが、僕
は市民が社会の問題を抱えるということは、多くの人々を当事者として巻き込んでいく力
があると思います。皆さん自身、企業の活動を通して、市民活動通して、当事者をつくる、
当事者を広げるという面があると思います。
震災以降市民の立場が上がりました。そして、よく協働といわれます。市民と企業と行政
で協働したい、とこういうことになるわけです。ただ、これも違う視点で見なければいけ
ないです。本当は協働という場合、ここに市民が入るとわけがわからなくなります。こん
なことをいうとここにはNPOとかSBも、ソーシャルビジネスも入れなければならない。
最近CSRがものすごく流行っています。ボルヴィックの水がとても良く売れています。
何故売れているのかというと、ボルヴィックの水を一リットル分、2 本買ったら、西アフ
リカのマリという国でユニセフが掘っている井戸掘りの資金に回して、十リットル分の水
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
-6-
が出るだけの募金、寄付をしている。それで消費者が水を買い、34%も売り上げが伸びた
という話があります。消費者の皆さんが反応すると、非常に企業は動き出す部分がありま
す。
今障害者の雇用率が、大企業でどんどん上がっています。残念ながら中小企業では下がっ
ているんですが、驚くなかれこの状況で大企業はどんどん上がっているのです。なぜかと
言うと、CSR報告書ので障害者の雇用率って言うのは、実質的に公開せざるを得ないん
です。今CSR報告書で障害者雇用率を出してない企業は、それはどういう会社なのかと
なります。ですから、企業は大変に大きな反応をします。今日本で一番障害者雇用に熱心
なのはユニクロで、8.4%だったでしょうか。長い間8%で、昔一番熱心だったのはオ
ムロンです。オムロンはたていちさんの理念でやっていたんですが、やっぱりユニクロの
柳井さんは、みんなに見られているとなるとすごく頑張ります。市民が動くことで、企業
はすごく変わってくると言うことです。
市民は一方で役所に当然関わっています。例えば、有権者とか納税者としての関わりです。
市民と行政の関係では、問題が少し難しく、
「何しているのか」
とぶつかることがあります。
実は本当は一部の市民です。何を言いたいかというと、別の市民がいるんです。ややこし
いですが、
一部の市民と一部の市民が何をしているかというと、役所に文句をいうんです。
本当であれば、これは市民同士が利害調整せねばならないのです。これが民主主義です。
役所に任せて、
役所に調整してもらうではだめで、議会でやらなければならないのですが、
ときどき議会でも、日本の地方自治法のしきたりは、国会と違って仕組みが違いまして、
議会は意見と質問しか出せない。あまり利害調整がなかなかできない。実際には役所に質
問するんです。役所、市長に陳情するんです。そしてどんどんと役所も大きくなる、こう
いう構造がずっと起きています。
何でも全て役所にお任せするという形の構造が多かったわけです。ですが、これからは市
民自身が行政に対して言うような関係が大変必要になってくる気がします。結局市民活動
の立場というのは、今まではあまり関わりがなかったということです。昔ソーシャルビジ
ネス等が始まる前は、異議申し立てをするしかなかったのです。
当事者として問題にかかわるには、いろんなスタイルがあり、ソーシャルビジネスのスタ
イル等があります。こんな方法がありますが、実はこれはソーシャルビジネスの展開の大
きなパターンの一つで、役所がやっていることと違う、こんな方法で解決できるというオ
ルタナティブなことを早く自覚したいです。今は、代案を出すことや議論し合う・押し付
け合うのではなく、いろいろ調整する・協働する、そのような展開がだんだん広がってき
ていると思います。たぶん協働という時には、自分たちが同じ立場にいるということが大
切です。
ソーシャルビジネスの展開の時に、
実際事業を始める時、困っている問題や対象があって、
そこを何とかしたいと動くわけです。で、実はその特にNPOなんかの場合では支援者っ
ていう存在があって支援者がいるNPOささえる、その三者関係であって、支援者がほん
とは話し合えばNPOだって対象になるんです。社会的起業を進める時に、協働、巻き込
むことがとても重要だと思います。社会的起業で難しいのは、だれがコストを負担するか
ということです。ソーシャルビジネスというのは、グラミンバンクの様に、サポートする
ことによって対象の経済力が伸びていくパターンの時は上手くいくんです。上手くいくパ
ターンでは、対象からコストを回収しようとする時、サポートする中でだんだん対象の経
済力が伸びる。ソーシャルビジネスというと、募金・寄付や、ボランティアに頼らないビ
ジネス手法で展開するとよく言われます。が、実際にはそうではない場合が多いです。
世界中で成功しているソーシャルビジネス、ビッグイシューがあります。だれがコストを
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
-7-
負担するのか?という点で、先ほどの三者関係、支援者という関係のバランスにある人た
ちを巻き込んでいるところです。どういうことかというと、ビッグイシューは本屋さんな
のです。本を作っている、雑誌を作っている、その卸です。それで、ホームレスの皆さん
に小売します。卸先がホームレスの人しかいないっていうのが肝です。あそこのはホーム
レスの人たちに百四十円で雑誌を売っていて、この雑誌の原価は百四十円ですと表紙に書
いてあります。この本を一冊買っていただくと、百六十円がホームレスの人たちの生活資
金になりますと書いてあります。どこの商品に元々の卸値を書いてある商品があります
か?よく皆は「この商品は本当の卸値で売っていない、安くして下さい」と言います。と
ころが誰もビッグイシューを卸値は百四十円を三百円で売っているのに、二百円で売れと
言わないです。なぜか、それは消費者を啓発しているからです。
消費者は共感的消費者です。普通の安かったらいいという人たちではないです。上手く、
消費者ビジネスはこういう風に巻き込んでいる。これはある種の協動です。今日は協働が
テーマですが、うまくソーシャルビジネスを成功させるために、巻き込んでいこうという
ことが大切なポイントです。
もうひとつ協働を進める上での発想法として、
一般の企業との連携において協働するとき、
先ほど見た違う立場の人たちをいろいろ巻き込んでいくというスタイルをとっているとこ
ろが、うまく成功しているのではないかと勝手に思っています。
もう一つ大きなポイントとしてあるのが、それぞれの特性を理解し合うということもある
と思います。大企業と組むとき、やはり企業は株主があり、株主の思いのなかに投資があ
って、やはり儲けてもらわなければいけないのです。もっというと、今CSRの展開の中
でもブランド力を高めるために企業がやっている部分がある。企業と我々が組む時は、た
とえ相手が根本的にはブランド力を高めたいと言っているとしても、そんなことは気にす
る必要は本来はないと思います。なぜかというと、企業との関わりの基本は動機と効果を
区別することです。企業と組む時において、動機があっているかどうかを第一に考えるの
は、企業の商法と変わりないことです。つまり、相手によっては結ぶ手が違うと思いなが
ら付き合っていくというのがすごく重要なことだと僕は思います。
残念ながら最近社会貢献した企業が業績下がってしまい中断する場合がありました。その
ときすごくひどく言う人がいます。
「企業というのは調子のいい時だけ社会貢献して、悪く
なったらやめてしまう」そんな風に言う人がいますが、あれはいけないと思います。そう
いった時に言うのは、慰労と感謝です。
「長い間ご苦労様」ということです。何故それをい
わなければいけないか。そうしないと、何もしない企業が何も言われないのです。頑張っ
たことがある企業が責められるのです。
協働は根本的には自分だけで完結しないということです。自分だけで完結できたら協働し
なくていい。自治体と有志のNPOは、なかなか連携できません。何故連携できないかと
言うと、お互い自分達でうまく出来ると思っているからです。自治体も大分危機です。N
POもちゃんと地域に根付いていません。そうやって自分で思っていたら連携できます。
けれども、自分では出来ないと思っていなかったら連携できないのです。だから、助けて
という。そして、始まらないと動かないのです。助けた・助けられたと、お互いに思いを
持つことが協働の第一歩だと思っています。自分だけではできないということがある中で
協働は進みます。協働というのは実際SOSを出さないとなかなか始まらない。自分だけ
ではできないと思うことが必要です。協働するときに根本にあるのはこのままじゃいけな
いという思いです。わたしする人される人じゃなくて、同じ夢・願いを実現する仲間にな
るのです。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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我々がサポートしたい相手と自分たちの間だけの関係ではなく、その周りにある社会の関
係者をどう巻き込むかというのが、結構ソーシャルビジネス成功させる上で大きなポイン
トとなる。
特に大企業がパートナーの場合は、その大企業の皆さんとの間の関係において、
共感とか動機だけではなくて、相手に合わせた理屈を踏まえるということが必要になる。
でも一方で担当者レベルにおいては、共感が必要になる。その共感をスタートする時の最
初のキーワードは、SOSを言えるような、自分だけで完結できないという気持ちが大切
ではないかということです。
●事例発表
株式会社サニーマートマーケティング戦略室地域交流担当マネージャー
東森氏
実は高知県というのは、知力体力時の運ではないんですけども、学力体力ともに全 47 都道
府県中の常に下位ランキングを快走しております。子どもたちの環境の中では全国の例に
もれずかもわかりませんが、体力知力が伸びない部分にあります。その中で走ることにつ
いて何か貢献できることはないかということで、瀬古選手で有名なSB食品様の力を借り
ながら毎年開催をしている。
サニーマートは何をやっているのかということです。私たちのコンセプトは明快です。対
象は子供です。子供以外には目を向けませんと言ってもいいぐらいに、子供にヒトモノ原
資すべてを集中投下しようということで決意をしております。
この三点です。
常に主語に子供ということを置きながら、「社会体験の場を提供」
、それから今話題の「食
育」です。もう一つこれも話題になっておりますけども大変大きな問題、
「環境を守る活動」
でございます。
この三点を地域の皆さんとともにアクションを起こしていきたいなというのがサニーマー
トの地域貢献に関する考え方です。
1)
本業は食品工業でありますから、食に関する情報が一番たくさん集まってまいります。
それはもちろんメーカーの方からも入ってまいりますし、消費者の皆様からの志向も入っ
てまいります。そういった情報をベースに食や健康にかかわる活動、具体的には食育の情
報発信であったり、一緒に活動をしたり、あるいは料理教室をしたり、カルチャー教室と
いうことで文化的な食や健康にまつわる教室を実施したりしております。
2)子供の成長や体験に関わる活動ということです。写真にもありましたようにマラソン
大会であったり、この後でてきます水泳教室やトムソーヤーというのはキャンプ企画の略
称ですけども、トムソーヤーアドベンチャースクールというキャンプ企画も行ったりして
います。
3)環境問題です。いま非常にここが大きな問題になっております。食品残渣というのも
スーパーマーケットの営業活動の中で出てまいります。どうしてもこれは避けては通れな
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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い問題です。これをたい肥にして何とかもう一回再利用できないかということを、いま子
どもたちと一緒に活動を行っております。
スーパーマーケットですからそれぞれの地域地域にお店があるわけです。このお店が一つ
の活動のハブになるのではと考えています。一番大事な立場なのはその店で働く従業員の
皆さん、そして店長でお店を中心に活動してまいりたいと考えております。
NPO行政地域住民町内会大学高校などということで学校関係です。これがよく登場して
くる相手先の皆さんになります。もともと会社が持っている資材とかノウハウとか情報と
かあります。これを活用して人的物的に子供関係の皆さんと協働であったり、交流、支援
をしながら地域社会の発展に貢献していきたい、そういう風に考えています。
この真ん中にそれぞれの持つ課題があります。
ぜんぜんテーマの違う課題になると乗っかりにくいですが「食品残渣、環境、食の問題」
ということになると、関心が持ちやすい。
課題解決に関する活動
・食育
サニーマートでは毎月十九日、食育の日として全店で食育活動を行っています。旬、健康、
地産地消おいしいなどキーワードを設定して、食事バランスガイドを用いながら、お客さ
まに情報を発信しております。その連携事業として、お店のご近所小学校の皆さんと連携
で販売体験をしています。本物の機械使って、本物のお金で、本物の商品でどうこうする
わけですから、非常に共感度が上がる体験であります。料理アドバイスコーナーでは、一
緒に料理を作りながら試食、調理コーナーでは、包丁の使い方を教えたり、ポップ作りを
体験してもらっている。、
・本物体験
水泳教室、こども健康マラソン大会、後キャンプですね、農業体験を行っています。
来年サニーマートは創業 50 周年を迎えます。いろいろなイベントをやっていかないとと考
えているところです。
次の 50 年を見据えて地域の皆さんと力を合わせて子供たちの成長を
応援し、かつ、ともに成長する企業でありたいなと考えております。
NPO法人 JCI テレワーカーズネットワーク理事長
猪子氏
昨年の夏徳島県の四国放送テレビがわたくしたちの団体を紹介するドキュメント番組を作
ってくださいました。民放 23 局から全国放送された番組ですが、その番組の贅肉をそぎ落
としまして、ダイジェスト版ならぬダイエット版を作りましたので、それをご覧頂きなが
ら私たちの団体の紹介とさせていただきます。
ナレーション/
体に障害がある人にとって移動や通勤はとても困難なことです。徳島県鳴門市にあるNP
O法人 JCI テレワーカーズネットワークは、仕事をしたいという強い意欲を持ちながら実
現できないでいる人たちを支援してきました。重度の移動障害者だから、会社へ行けない
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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と考えるのではなく、会社へいかなくてもいいと考えると、ずいぶんすっきりする。パソ
コンとインターネットを使えば在宅で仕事が出来ます。会員たちはそれぞれのペースで自
立を目指し、いま大きな花を咲かせようとしています。一昨年、三月アップセンターに東
京からIT企業の営業マンがやってきました。JCI はこの IT 企業と共同で、あるプロジェ
クトの準備を進めていました。ケーブルテレビの加入者を対象にしたインターネットの接
続に関するコールセンターの立ち上げです。この日はオペレーター候補の坂口治男さんが
対応能力を試されました。オペレーターは電話をかけてきた人のインターネットに関する
知識の程度を瞬時に見極めたうえで問題を解決しなければなりません。しかし、インター
ネットが繋がればいいわけですから、その繋がるまでのゴールをいかに短く持ってくるか
が非常に重要なのです。LAN ケーブルの抜き差しをご案内しました。オペレーターが抜き
差しは必要がない。時間のロスです。まだまだ、クリアしなければいけない問題もたくさ
んありますけれど、1つ1つクリアをしたうえでスタートに向けて・・・。しかし、半年
後に届いたのはプロジェクトの凍結を知らせる 1 通のメールでした。オペレーターの力量
は充分だが採算のとれる見通しが立たないというのがその理由でした。それでも猪子理事
長はあくまでプラス思考です。凍結という言葉はまさに凍結であって、必ず溶かそうと思
ったら溶けるものです。もっと違った場面ででもコールセンターの運営で手に入れたノウ
ハウは活かすことが出来る。NPO 法人 JCI テレワーカーズネットワークです。Web アクセシ
ビリティの向上は 1 日も早く実現していただきたい。JCI が提案し徳島県に採択された事
業があります。自治体のホームページが障害者にも使いやすいサイトになっているかどう
か診断し修正する Web アクセシビリティの仕事です。この日鈴木さんは、視覚障害者には
使い勝手が悪いホームページ上の問題点などを県に報告しました。画像の説明の文書、目
に見える部分です。代替テキスト、その代替テキストの内容が全く同じ場合の形式が有り
ました。田園の風景、田園の風景、という具合に。われわれはなかなか気付かないという
そういった所について、非常に手の届く所に非常に有意義な公共のサイトはユニバーサル
な考え方に沿って進めて行く必要があると思います。企業と対等に・行政と対等に向かい
合って、障害者でなければ出来ない仕事・誇りを持って出来る仕事を、自分たちがシビア
に選択して、それをしっかりと育てていくのが立ち位置をそれぞれが持ちましょう。JCI
の活動拠点となっている UP センターには毎朝、
レベルアップを目指す会員たちが集まって
きます。Web サイトショッピングサイトの開発や更新など、企業からの依頼に答えるには
人材の育成は欠かせません。
村上/
クライアント様の方も、店舗販売よりもインターネット販売にどんどん力を入れておられ、
在宅の方がたくさんおられるので、多くの方に作業をしていただいてそれで件数をこなし
ていく。
ナレーション/
突然始まった編み物教室。新たなビジネスに繋がる試みなのだそうです。2 週間後編み物
教室の将来がかかった商談が行われました。訪ねたのはゴルフ用品を扱うお店。そこで取
り出したのはクラブにかぶせる手編みのヘッドカバーでした。第一印象は悪くないようで
す。機械編みに比べて数倍の値段が付くこともあるという手編みの試作品。商品として通
用するなら夢が広がります。
店/
デザインも質もかなり良くできていますので、パートナーとしてふさわしいと思います。
ナレーション/
オリジナル商品の開発に好感触を得て、さっそく将来のネット販売に向けた準備です。
まず、試作品をデジタルカメラで撮影します。これを画像処理し Web ショッピングサイト
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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に掲載するコンテンツを作ります。年度末をまえに発注元は総務省というビックビジネス
が舞い込んできました。
坂口/
文字の大中小というのも付いていないし・・・
鈴木/
はい、そうですね、文字だけのページもあったりしますね。
ナレーション/
仕事の内容は二十万ページにおよぶ総務省ホームページのアクセシビリティ。先に徳島県
との協働事業で実績を残したことがきっかけとなりました。高齢者、障害者にやさしいホ
ームページとなるよう障害となっている個所を見つけて修正します。
鈴木/
全盲のユーザー方、音声ブラウザ利用者の方が閲覧できる情報、文字の部分まであります。
画像情報にもこの場合もテキストが入っていないために、ほんとうに少ない情報しか閲覧
することができない。いろんなところで総務省が関わっているという情報が伝わらないと
いう典型的な部分になります。それぞれの障害特性に応じた使い勝手は、なかなか診断で
きる所でないと思います。アクセシビリティの向上に貢献したいという思いです。ボディ
タグというのが 17 行目に有ります。
ナレーション/
納品は 1 ヶ月後という短期間での仕事です。鈴木さんは効率を上げるため音声ガイダンス
付きのマニュアルを作成。在宅会員を含め 30 名がかりで、二十万ページを診断・修正する
という気の遠くなるような仕事をやり遂げました。
理事長/
わたしは行く先々で、団体の将来のことを考えて、行政からあるいは企業の方から「何か
やってください」という風な依頼が有った時に、その場で絶対に断りません。一方的に皆
さん方に下ろします。それを 10 年間続けてきました。1 回も私自身が裏切られたことは有
りません。何が生まれてくるか。JCI ブランドというブランドが生まれてくると思ってい
ます。地に足をつけて頑張っていけると思います。
ナレーション/
設立 10 年の節目を迎えた NPO 法人 JCI テレワーカーズネットワークは、これまで以上に収
益事業を追及することを宣言しました。それも全ては障害がある人の自立を支援するため
貫き通してきた信念は少しもブレることはありません。
この後わたくしたち団体は経済産業省様がやっていただきました「ソーシャルビジネス 55
選」に、ひょっとしたらわたくしたちがやっていることがこういうことだと思いまして手
を挙げましたら、55 選に選んでいただきました。そのあとすぐに、ソーシャルビジネスノ
ウハウ移転支援事業に採択されて平成 21 年度と 22 年度今年最終年度なのですが、特に四
国経済産業局様のスタッフの方々の随分温かいご支援を頂いて、その事業に参加していた
だいて、ソーシャルビジネスにハマりこんでしまってもう、後へは引けないような状態の
今の状態であります。
NPO 法人シクロツーリズムしまなみ代表理事
山本様
しまなみ街道という架橋がされているたもとの今治市で橋がかかっているたもとの所で自
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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転車を起爆剤にした町おこしをしています。四国は3つの橋がかかっていますが、唯一自
転車で渡れる橋なのです。日経新聞のランキングで日本トップクラスのサイクリングコー
スとして選ばれた。
自転車は何がいいかというと、ゆっくり走るということで、橋の上を走った後、島の中に
交流を求めて降りていくのです。環境とか、健康とか、光それから教育、交流この5K と
いうので地域が救えるのではないかという風に、わたしたちは活動している。この活動は
協議会活動からスタートしています。もともとは、しまなみ街道が架かるまでは離島だっ
た所を島々の方々とスローサイクリング協議会の略です。
SC(スローサイクリング)協議会を結成しまして、農期は元気がないなと、文化伝統を守
っている人がいるが、なかなかどう守っていっているのだろうと。シャッター通りとあっ
て、商店街、島の方の商店街は悲惨な状況でした。これをいわゆる観光とか交流というフ
ィルターをかけて解決できないかということをし始めた訳です。
農産物がしまなみは特別おいしいですよ。自転車旅行者向けにちゃんとアレンジして地元
の方が提供しましょうとか、伝統文化を守っている方達にはガイド役になってもらって自
転車乗りの方を案内してもらおう、商店街の老舗に、自転車の方を連れ込んで行くという
ようなことをしてます。
2007 年マーケティング分析を行いました。分析の結果、全国の方にアンケート調査をした
り、Web 版アンケート調査をしました。今自分たちがやっていることを、移住を目指せる
方も引きこんでいったり、いろんな目標を持って島民と活動しています。ここから企業と
の協働が始まっている。
ナレーション/
座席全指定、しまなみ街道でサイクリングを楽しむ人のための臨時列車が運行されました。
山本/
私たち JR と組んで、自転車が乗れる列車を走らせる。
ナレーション/
これは愛媛県と広島県を結ぶ、しまなみ街道が開通して今年で 10 年になるのを記念して、
愛媛県が JR 四国などと開いたものです。
今朝 JR 松山駅には夫婦や親子連れなど 20 人余り
が集まり、いつもはバッグに入れないと持ち込めない自転車を手で押しながら臨時列車の
サイクルトレインしまなみ号に乗り込みました。
男/
自転車を乗せられるというのは便利でいいです。これは非常にいい企画だと思います。青
海島とかぐるっと周ってどうかと思います。これをずっと続けてもらえればと思います。
山本/
しまなみ街道たもとの橋浜駅の無人駅に降りた、ということです。ここから私たちはガイ
ドツアーということで、地元の人たちと交流をいざなう、わざと連れてくるというツアー
をしています。しまなみ街道は最高なので、皆さん、是非いらっしゃってください。
ナレーション/
参加者たちは瀬戸内海の島々が連なる景色を楽しみました。
山本/
この前にいるのがポタリングガイドといいまして、うちのガイドスタッフなのですけど、
ポタリングとは自転車散歩という意味です。
地元の方が応援するレストランへ連れていったりして、普段は道の駅などで済ませてしま
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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う。わざと地域の人たちの所(地元の方が開いている茶屋など)へお連れする。
もともとの活動は地域の方々とやってきました。ということで、今までは観光振興進めよ
うとか、地域振興を進めようとか、限られた人で話し合っていた訳ですが、まずたくさん
の方に参画していただいた。
自転車は何がおもしろいかといったら、ルート、線で繋がっているところは全部観光資源
になります。たとえば、JR さんと組んでやれること、船会社と組んでも今始めています。
日本二次交通の所で、今高速無料化でみんな大変ですが、そういう方たちもメリットがあ
るような取り組みで、NPO が組んで出来ないかということがある。
多品種分散集客と書いていますが、農家の方たちが私たち相手なのです。農家の方たちは
片手間で普段は仕事をしていますから、まさか「明日 100 人行くからお願いします」は無
理なのです。
「明日 10 人。」
「あなたの所 10 人ね。
」
「あなたの所 10 人ね。」という風に分散
させて受け入れる仕組みを作っていくことです。これは大手の旅行会社にはできないこと
なのです。大手の旅行会社でも、今は個人旅行を対象にするようになってきました。個人
旅行を対象にすると丁寧な仕掛けが必要です。では私たちと組めばいいのではないでしょ
うかとなりました。いわゆるハッチ型旅行者といって東京の大きな会社と私たち着地型旅
行エージェントというものを目指している、そこと組むという協働が始まります。最後に、
つまり地域密着型のエージェント旅行会社というのを私たちはやりたいのです。ただ、集
客が得意なのは都会だったりするから、そことどう組めるか、ということを考えているス
タートラインに立った事業です。
NPO 法人土佐の森救援隊
理事
四宮氏
今日の私たち団体のキーワードを2つ述べるとすればお金です。地域を元気にするのはお
金だと、我々スタッフは全員思っております。お金を絡めてお金を動かすという所から活
動をしています。もうひとつは非営利活動法人ですので、得たお金を分配しません。利益
分配しません。だけど、お金を稼いでそれを活動費にまわして地域にお金を動かす。そう
いうことで輪をどんどんどんどん広げていく。そういった動きをしていております。これ
が我々の活動の基本になります。
現状を述べます。
昭和 35 年は私の生まれた年ですけど、林業をやっていた方が約 45 万人います。それが平
成 19 年平成 20 年と考えると、約 5 万人 9 分の一まで極端な形で減少しています。誰が減
していっているのかというと、
小規模な林業をやってらっしゃった方が減ってきています。
個人隣家・生産組合であるとか、個人でやってらっしゃる方がどんどん減っています。も
ちろん、森林組合とか大型の製造業者さんも減っていますが、多くは個人でやっている方
が減っている。少なくなってさらに高齢化が進むというこういう現状が今の林業の現状で
あります。
専業と我々一般との地方である都市部の住民が乖離している。ここに本来、あった副業型
とか、自伐林家の方々がいなくなっている。林業改革と言いながらも、林業と都市部の住
民、地域の住民がかけ離れている現状があるということです。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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我々はその間を埋めるような活動を、お金をもって繋げられればいいなという風に考えて
います。
四国の山は台地が荒れて山が荒れて、細長いひょろ長い杉が 20 年 30 年近く、込み入った
山が多くあります。大型の機材、何千万何億円というお金をかけて補助金を貰って機材を
入れて森林組合、大工部の業者達が山を間伐している。結果、こういうような形で大きな
はげ山になったり、豪雨による沢抜けとか、現状で特に高知の山で多く起こっております。
こういう山ではなくて、下層植生がしっかりした日も射しこむ、混交林と呼ばれる山を作
る活動をしております。
年間 10 ヘクタールの間伐をしている。ただし間伐、キリスト間伐ではなくて、間伐して集
積して、搬出してそれをお金に換える。A材といわれる溶材はもちろん市場へ持って行っ
てお金に換える。根っこであるとか、枝や葉っぱであるC材というものはプラントへ持っ
て行ってお金に換えます。
我々の団体は、この4月から経産省の支援の事業で作りました、木質バイオマスプラント
を運営しています。建築よう材などに使われるA材は市場へ持っていっています。その他
のB材とかC材といわれる、山に本来捨てられていた木材をここへ持ってきて代替エネル
ギーとなるチップ、ペレットを作っております。近自然作業道の敷設もしております。補
助金を貰いながら出来るだけ山に易しい作業道の敷設もしております。
森林環境保全にかかる研修会・講習会、副業型林業の養成塾では、都市にいる住民の方々、
普段はサラリーマンだけど親から引き継いだ山があり、山には入りたい。けれど、技術も
何もない、お父さんの山を何とかしたい、そういった方々が結構たくさんいます。自伐林
家の方で山を今は触っていない方も結構、高知県にたくさんいらっしゃいます。そう言っ
た方に声をかけて、自分で入れる、ひとりで入れる、数人で入っても間伐から搬出まで出
来るような養成塾であるとか、研修会をやっています。
我々もこれからは子供たち世代を担う子供たちを1つのターゲットにして子供たちに製材
をさせたりとか木工をさせたりとか、子供たちも実際に間伐してもらったりとか、そうい
った形でのイベント等の開催もやっている。
林地残材、普段山に捨てられている木材を蒔にします。中山間地域ではまだまだ蒔を使っ
ている高齢者の方が高知県にはたくさんいます。そういった所に蒔を宅配して、中山間地
域のじいちゃん・ばあちゃんが少しでも元気になればいいなと活動し始めています。
森券というのを発行しております。年間だいたい 1000 万円近い森券を動かしております。
店内で 30 数店舗高知県には、四万十川、仁淀川、この内の我々のフィールドたる仁淀川流
域と、いった所の谷流域に合うお肉屋、魚屋、スーパー、お酒屋といった所と 30 数店舗と
提携をしましてそこで使える森券を発行している。そこで我々は、ボランティア、来ても
らった方々に 1 日 1 森もしくは、2 森をお渡して、帰りがけにその店で買い物をして帰っ
てもらう。そういった形で我々地域通過券を発行しております。
蒔・チップ・ペレットを作っております、そのなかで実際に、地域の方々や都市の住民の
方々にも我々のボランティア活動に参加してもらって、蒔づくりに参加する森蒔きマーケ
ットもお願いしております。
愛媛県県民環境部県民活動推進課
真鍋氏
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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愛媛県は、県民相互の助け合い支え愛の活動の輪を広げると言うことで、愛と心のネット
ワーク作りということで、様々な面の分野において取り組んで来ております。我々の県民
活動推進課ではNPOとの協働趣旨というのを作り、県民、企業、行政が地域社会作りに
おけるお互いの特性を認め合い、それぞれの目的に応じて役割や責任が十分発揮されるよ
うな多様な主体による協働と言うことを進めてパートーシップの構築に進めております。
愛媛県の法人数ですが、312です。これは10月末で11月末が 314 です。松山市がそ
のうち165で、他の所は殆ど1とか2とか少ないです。権限委譲につきましても市町に
権限委譲、市町へのNPO法人の認証事務の権限委譲を進めている所です。あと20ある
が、17までいきまして、あと2つも何とかいったが、もう1つ一番大きな所は負担感が
あるのでなかなか受けてくれないという状況です。
NPOのサポートセンターももともと県が設置をしておりましたけれども、身近な市町で
やった方が良いということで9つあります。うち、箱物というか施設を持っている所が、
松山・今治・新居浜・四国中央です。NPO法人を広く広めようということで取材を致し
まして、これは緊急雇用なのですが、活動事例集を発行しました。
基本原則と協働の形態ということを決めまして、県としましても企画立案への参画である
とか講演であるとか、資金提供とか委託であるとかに取り組んでおるところ。県民協働地
域社会づくり推進事業ということで、全庁で実地しているのですけれど、うちの課はNP
O支援と協働の総括的な立場でこの事業をしております。NPO協働推進員これを各部に
設置をいたしまして、推進体制を計るということと、その人たちを中心にそれ以外の人の
研修報、市町担当者に対する研修という形でNPOとの協働の推進を図っている所です。
提案型パートナーシップの推進事業は18年から始めて3年間やりました。そのときはN
POと県という関係で16事業やりましたが、21年度からはNPO、県、それとまた他
の団体や企業というような多様な主体との協働事業の企画立案を募集しまして2年間で1
0事業の実施を見込んでおります。
推進事業のフォローは事業の選定までを我々がします。
契約以降は各事業担当課が行います。事業が終わりましたら、担当課を交えまして成果報
告会を実施しております。お互いの不足している部分を補うということで、効果が発揮で
きたとの報告を受けております。採択された事業は基本的には1回なので、各事業担当課
で良いものについては予算化をするというようなことで連携協力している。
21年度に3つ採択されたのですが、1つだけご紹介。
ベジコミえひめと県のブランド推進課が協力した例なのですけれど、県外都市部へ農産物
の販路、改革を目指す若者農業者を掘り起こしをして組織化を図り、やる気と所得向上に
つなげるという取り組みをしました。誠実村が販売のノウハウがあるのでそこと連携をし
た3者で行いました。この協働によりまして、確実に売れる物作りについて助言・指導が
可能になったと、意識の統一のとれた集団が誕生した、ということです。今年度も首都圏
市場への参入促進、これを担当課で予算化3つほどしておりまして、継続をしております。
多様な主体との協働ということを進めております。そのためには、顔の見える関係で人材
育成やネットワーク化の支援を行っていきたい。提案型をやって良かったのは一度お話を
すると分かるのです。それより前の段階でいくと、どうしてもなかなか意識のずれがあっ
て合わない。それを我々はとにかく話を聞いてください、ということでやっています。そ
れがはたして良いのかどうか、問題があると思うのです。NPO側の提案を若干修正する
ような形になるので、そういう問題があるのです。けれども、お互いが良い、良かったと
いうのを概ね聞いておりますので、このような事業を来年度も続けていきたいと思います。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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高松市市民政策部市民局推進室
三木氏
高松はそれほど手厚いNPO支援をしておりませんけれども、平成7年の阪神・淡路大震
災によって、平成10年にNPO法が施行されまして、市民とボランティアやNPOに対
する関心が高まりから、平成11年ボランティア市民活動支援推進本部という副市長を本
部長とする庁内体制を立ち上げました。翌年12年には、市民の方が作った外部委員会を
作っております。この両者で意見や政策を議論しながら、平成13年1月にボランティア
市民活動センターという中間支援組織を設置しております。同年に延長的にNPOとの協
働を進めるための基本方針と基本計画を作っております。
平成14年9月連合自治会連絡協議会から地域コミュニティの構築支援等に関する要望が
出された。自治会の加入率が当時75%を下回るようになりまして、自治会による地域の
運営が難しくなったので、市はコミュニティ行政に切り替えてくださいということです。
その地域に住む自治会に加入していない人を含む、全ての住民と学校や企業等、全てをコ
ミュニティとして扱って推進してくださいということです。同年9月にコミュニティづく
り推進本部というのを作っております。副市長を本部長とする庁内組織です。高松の場合
は何かをしようとすると何とか推進本部をすぐに立ち上げる傾向があります。平成14年
2月協働推進人材養成講座は、協働がうまく進まないのは職員があまりに知らないという
ことなので、この頃から職員に対する研修を行っています。翌年中間支援センター、ボラ
ンティア市民活動センターの活動をNPOさんに委託しております。平成18年に協働企
画提案事業、市民・NPOさんからの提案を予算措置して事業化をしております。
平成20年4月協働のまちづくり推進本部ということで、先ほどの2つの庁内推進本部を
合体させて、1つの推進本部としてNPOさんと地域コミュニティを同じ目線で支援しま
しょうという体制にいたしました。平成20年4月コミュニティとNPOを両方支援する
職員を配置するということで、各課と支所出張所職員に1名以上協働を担当する職員を配
置してスタートしております。平成20年9月に、合併地区を含む全ての全地域において
コミュニティ協議会が設立されてようやくコミュニティというような感じになっておりま
す。平成22年ですけども、自治基本条例というのを作りまして、この中で高松市は地域
コミュニティ協議会とNPOを行政の協働のパートナーとして支援しますよと内外に発表
しております。
現在自治と協働の基本指針を全庁的に進めるために基本方針とか基本計画相当する部分を
作っているところ。ボランティア市民活動センターは香川県の場合は1箇所です。中央商
店街の中に設置しております。企業さんから余った資材・物資・パソコンとか貸しスペー
スなどをNPOに貸付けるようなコーディネート機能もしております。
協働企画提案事業のこれまでの実績です。
平成18年当初4件だったのが今年は20件になっております。申請額も144万円から
700万。採択件数も当初4件だったものが、9件と増えております。その内容はイベン
ト系、ものづくり系、ヒトづくり系というふうに3つに分けます。だんだんイベント系か
ら、ものづくり、ヒトづくりに移行している気がします。事業は1年目は私どものほうで
予算をつけて、もし2年目にやるのであれば、各課で予算を取ってきてやってくださいと
いう事業です。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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18年度のものづくりはわははさんの子育総合情報発信事業です。21年度のものづくり
は古市さんの緑のそよ風支援塾事業です。
平成22年度から年2回募集するようにしておりまして、4月と10月から11月なので
すけども、この10月から11月の募集は役所で予算を要求するのですけども予算をこれ
をしたいという風に各課が要望して、トップの方から「これはNPOさんと一緒にやった
方が良いですよ」というような指示が出てきます。それを事業化するために、10月から
11月に再度募集というようなことをしておりまして、ようやく高松も協働がなじんでき
たかなという風に感じている今日この頃です。
ソーシャルビジネスネットワーク事務局長
島氏
簡単に全体の報告と今後の考え方を述べさせていただけたらと思います。
四国地域ビジネスネットワークというのは四国の中では1つの協議組織です。全国で9ブ
ロック、北海度から沖縄までブロック協議会がありまして、そのなかの1つという風にご
認識でいいかと思います。
いろんな社会課題があるなかで少子高齢化の速度は全国よりもはやい。地域の商店街がど
れだけ疲弊していることか、職を失った方々がどれだけたくさんいることか。そういうな
かで行政と協働、企業と協働、NPO同士の協働は是が非でも実現していくべき課題だと
思っています。全体的な課題に取り組むべき時代に入ったというふうに思っています。
協議会はまだ始まったばかりで、いろんなコミュニティ、経済界、そういった所と他の分
野との繋がりを考えなければいけません。これからも、こういうフォーラムをきっかけに
して、今日ご出席されている皆様方とも繋がっていけばと思います。
経済産業省環境整備課
野田氏
ソーシャルビジネスは社会的課題をビジネス手法で解決する持続的な事業活動。
会社形態の方とNPO法人の方、両方からプレゼン頂きましたけれど、我々の方で平成 19
年度の調査です。調べた感じでは、日本のソーシャルビジネスの約半分ぐらいがNPO法
人、2 割が株式会社、1 割が個人事業主という構成。社会的課題に対してビジネス手法で解
決を図っていくということをソーシャルビジネスとして定義づけています。法人格という
意味では、どこにどの法人格というだけということを考えている訳ではございません。い
ろんな法人格の方が参加していると考えている。
ソーシャルビジネスの定義ということで「社会性」と「事業性」社会的課題に関して手法
を持ちながら持続的に活動していると、その際に社会的活動があるため収益性を上げるの
は難しい分野でもあります。そこで「革新性」です。第三者を巻き込んでいくとかいろん
な工夫をしていくという意味で、革新性が必要であるということで、この3つを定義とし
ております。コミュニティビジネスとの関係といいますと、ほぼ同じ位置付けということ
でいいかと思います。ただ、コミュニティビジネスでは事業対象領域がある一定域内であ
るということで、活動範囲の違いということだけかなと考えてございます。
割合で見ますと、日本国内ほぼコミュニティビジネスといってもいいくらいの事業者数。
海外の話を聞いてもやはり同じような状況で、ソーシャルビジネスということではござい
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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ますけれど、コミュニティビジネスの方が圧倒的に数が多いということで、日本国内だけ
ではなくて海外でも同じような状況かなということ。
課題と支援策。
・社会的認知度が不足
コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスもしくは社会的企業とか社会起業家というこ
とで、だんだん認知されてきたとは思うが、まだまだ実態の認識がされていない。
・支援策
ソーシャルビジネス 55 選、政策金融公庫の低融資制度を作ったりしている。また、経営ノ
ウハウ、社会性、事業性を両立させる意味ではなかなかそれを担える人材がいないという
ことで、ノウハウ移転事業や若者育成事業を行っている。
・社会的事業を起したいという人がだんだん増えてきている
どこと相談したらよいのかよく分からない
今後、NPOもしくは社会的事業の方と企業の連携が必要となってくるかと思いますし、
もしくは事業を継続するに当たっていろんな事業上の支援からいうような関係が必要にな
ってくると思います。けれど、なかなかそういう場がないということがございます。先ほ
どもご紹介がございましたけれど、各ブロック 9 ブロックごとに協議会を作ったというの
がございます。後ほど触れさせていただきますけれど今年全国版のネットワークを構築し
たいと考えております。
最近新しい公共というキーワードで非常に光が当たりつつある。鳩山前総理の下で新しい
公共の宣言文が辞任される閣議の直前朝 8 時からの会議で採択されたという、ギリギリの
タイミングでの採択であったが、鳩山首相の強い思いでこれが採択された。それが産業構
造ビジョンとか、今の政府の新成長戦略の分野で取り上げられている調査となっていると
いうものであります。
地域社会雇用創造事業で昨年の補正予算で破格の70億というお金が確保されていまして、
新社会起業インキュベーション事業と人材創出インターシップ事業ということで来年度も
継続して行われます。これで人材がどんどん出来ていくと非常にいいのですけれど、来年
度でお金が消えます。その後どうするのだろうというのも今から考えておく心配はあるか
なということを思っております。
・今年度以降の取り組み
ネットワーク、ソーシャルビジネス推進ネットワーク全国ネットワークを、今年度中に立
ち上げる。グッドプラクティスで55選はやらせていただいたのですけれど、最近各地で
信金、労金の取り組みやNPOバンクの動きなど、市民が出資して基金を作ってNPO支
援をしたりと、様々な取り組みが出てきています。SB事業者のグッドプラクティスプラ
ス支援している方々の紹介をしていきたい。
イベントで今年の3月にフォーラムを原宿で開催。非常に好評で、成功事例なのですけれ
ど、スワンという障害者の方がパンを作っているという会社があるのです。そこがローソ
ンと提携をされて、ナチュラローソンで販売をするというマッチングが出来たりというこ
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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とがございましたので、こういったことも継続していきたい。
SB 事業者で社会的な方なのですけれど事業としては新規事業、もしくは中小企業の支援と
よく似た所があるということ。活用できる中小企業支援策とか、各種のいろんな法人格の
使い方のマニュアルを作っていく。
地域のSB支援団体、自治体、商工会、商工会議所といった所で、金融機関も単に融資す
るだけではなくハンズオン支援を手がけている所もございます。そういう所のデータベー
スを作成していきたい。
来年度やりたいこととしては、企業とSBの提携をなんらかの形で支援したいと考えてい
る。
研究会が経済産業省であるが、新しい公共の宣言でということもあり来年度以降、何をや
っていくのかということを今までの施策効果などを振り返りながらまとめているところ。
各地のいろんな課題とか、ご意見をこの研究会にも反映をさしていきたい。
ソーシャルビジネスネットワークということで、今年中に立ち上げたい。平成19年の報
告書の時もこういった場を作る姿勢はあるということをいただきまして、SB事業者さん
が中心に立ってようやく立ち上がって頂けるということです。経済産業省としてもサポー
トさせていただきますし、色んな施策など、候補など提言もいただけると大変ありがたい
というところで期待をしている。
自治体さんのSB/CB支援が広がってきている。取り組み状況は都道府県政令市58の
自治体が何らかの振興作をお持ちで 8 割以上が取り組んでいる。商工・産業振興関係が5
4自治体ありさまざまな事業が書かれています。これらをデータベース化して、全国展開
をして重層的多様なプレーヤーが参加してソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに
よって地域が活性化していくと良いと所望する。
意見交換会
コーディネーター
四国経済産業局総務企画部長
小森氏
小森氏
昼に超特急で 5 分ずつという、凄いことになっておりまして、もっと深く話を聞きたいと
か、あるいは、もっといろんな悩みを多分、今日いらっしゃっている方、70 名近くいらっ
しゃったんでしょうか。色んな方々市民の方々NPOをやっている方々、あるいは行政で
すとか、非常に色んな方がいらっしゃっていると思うのですが、いろいろな悩みを共有し
たりとか、色んなお話しがあるかと思いますので、4 時半を終わらせるべくある程度、頑
張ってやって参りたいと思います。私が思いましたのは、大変頑張っている方々が、今日
こんなにたくさんお出でいただいてありがとうございます。林さんから慰労と感謝が大事
だとこういう話がありまして、ほんとうにこういう頑張っている人を応援していかなけれ
ばいかないのだろうか。あるいは、自分もそういう中に入っていかなければいけないのだ
ろうか。そんな風な気がしました。その中で地域社会、今回テーマとして地域ビジネス、
あるいはソーシャルビジネスといった言葉が増えて参りましたけれど、やはりこういう頑
張っている方々を私の町を良くしたいとか、なんかそういうあきらめない思いでしょうか。
凄いマインドが熱いものがやはりあったのではないかと、そのへんからもう少し思いを語
っていただければと思います。
サニーマート
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
- 20 -
やはり、高知から私来ていますけど、高知みたいな所とはいえないかもしれませんが、や
はり日本の、先ほどいいましたけれど、どの指標をとってもランキングが下の方を走って
いるのですね。逆に言いますと、高齢化率とか森林の多さとかはトップレベルを走ってい
るということで、決して日本の中でも上位には上がってこない県にいながらにして、限ら
れた資材、人・情報を使ってどうやって地域が元気になっていけるかなということを自分
なりに考えています。今先ほど申し上げたような、もともと私が入社する前から行ってい
たイベントもあるのですけども、先ほどのお米を作ったイベントも私がやりたい、やって
みたときに感動があるのではないか、という思いでやってみたということでございます。
小森氏
サニーマートさんと子育てのわははさんとは連携しているみたいで、さっきも話を聞いて
て、やりたいと強い思いの人がいたから、という話があったのですが、そういった仲間と
いうかパートナーシップですのでそのへんで何かコメントとかわははさんの方から。
わははネット
仲間がいないと手伝ってもらえるというか支援してもらえる人がいないとなかなか出来な
い事業もあるのです。
私は子育て支援をしています。目の前のお母さんたちが困っている、
でも自分たちの力ではここまでしか手助けすることが出来ない、そういった時に仲間を募
集するのです。出来るだけ具体的に、こういうものを持っている人を募集しています、何
月何日のこの2時間だけお手伝いにこれる人を募集しますとか。わりと具体的な募集をし
ながら、最初に関わりを持って、そのあとずるずると芋づる式に関わってもらうというよ
うな形で、お願いするときはできるだけ具体的にお願いすることを少し心がけています。
企業さんに提案書を持って行くときもそうですし、行政に持って行くときもそうです。で
きるだけ、特に企業さん行政さんに持って行くときは、紙に書いて企画書という形で、具
体的にこういったものをするというようなことを心がけています。
小森氏
他に何か思いを語れていないような方、どなたかいらっしゃったら・・・。まだまだ、こ
こでは短すぎて語れないということなのかもしれませんので、いろいろお話をお聞きして
まして、おもしろいなと思ったのは、今回、企業側とNPO側で障害者ということで支援
というテーマでいろいろ取り組みをされてまして、ある意味企業とかNPOとか入り口は、
先ほど野田課長のお話でも色んな形態があるというお話でございましたけれども、一般に
考えますと、NPO、あるいはボランティアみたいな話しと、企業と文化なんか結構違う
のではないか。いろんな巻き込んでいくときに・・どうしたら、まとまるのかと私も悩ん
でおりますので。国際結婚みたいなものじゃないかと勝手に思いました。文化が違って言
葉もかなり違っている人たちが一緒になって事業をしてみるとか、いろんな協力をやると
か、そんなこともあると思うのです。どれが観点で特におもしろいなとかどうなっている
のかなと思ったのは、例えば、JCIさんとか IT 企業さんと何となく冷たくされてしまっ
たとか、いろんな連携をしながらご苦労されていると思うので、もしよろしければテレワ
ーカーズさんのほうからお話を聞かせていただければと思います。
JCI
JCI です。今の誘導してくださったことと少し違うことになりますけれども、私たちが障
害者支援の団体といわれるのが、実は多少心外なところがあります。私たちが対象にして
おる仲間というのは、社会生活を職業生活において本人の意志とはかかわりなく弱者の立
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
- 21 -
場を強いられている人たち。本人は社会参加について、あるいは就労について非常に強い
意欲を持っておりながら、社会生活の中で職業生活の中でいやおうなく弱者の立場を強い
られている人たちが私たちの仲間です。
ですので、もちろん障害のある方もおいでますし、
子育て介護中の主婦の方、私のようにリタイアをした高齢者、難病者の患者の方みんな仲
間なのです。基本的には人間として生まれた以上、働くことは権利としてあると共に、義
務であると。だから、人は働かなければいけない。そうすると、どうやったら働くことが
出来るか?ところが日本の在来の働くということについての考え方は、在来の雇用という
関係のなかに、私たちがチャレンジドと呼んでいる人たちを押し込もうとすると絶対に彼
らは雇用にはなじまない。雇用になじまない人たちに、自分たちだけの新しい就業の形を
行政から与えられるのではなく、人から支援されるのではなく、自分たちの力で新しい就
業の形を作っていくというのが私たちのポリシーです。その結果、生まれてきたのが、理
念的には、時間と場所の制約から解放された新しいワーキングスタイル、ライフスタイル
を自分たちで作っていく。そのために何が必要か、例えば ICT 利活用の技術を身につけれ
ば確実に時間と場所の制約から解放されて新しいワーキングスタイルができあがる、そん
な気持ちで作っております。
小森氏
今の話を聞いていて、わたしの頭の中のNPOと企業と、二項対立構造みたいな変なもの
があります。そうではなくてニーズがあって働きたいという人間の思いがあって、実現す
るためにたまたまその形が今の形をとっているみたいな、話のように聞こえたのです。話
が違ってくるかもしれませんが、どうでしょうか、ユニバーサルデザイン、古市さんのほ
うから何か。
ユニバーサルデザイン
私どものほうも障害者の就労支援をしていますが、障害者の就労の支援をしているのだと
いう感覚はありません。たまたま障害者であるが故に、就労に関しては弱者であるという
立場にあるというだけのことです。私の方も企業人でありますので、得意なところを活か
して、企業と施設をタイアップして事業を起すことで、たまたま就労弱者であったという
立場の方に賃金をどうにかして支給することが出来るようになったというだけのことです。
ですから、そういう意味では高橋さんは子育て支援されていますけど、育児期間中のお母
さんでも家で、なかなか仕事が出来ない場合、IT を使えば仕事をすることが出来ますので、
そういうこともいろいろ考えています。
小森氏
そうですね。今のような話しで他に何かご自身がやっている活動で何か関連しているもの
があれば。
JCI
先ほど見ていただいた絵の中では IT 企業から冷たくされたという所がありましたが、
あれ
はああいう形で勉強したお勉強のノウハウというのは必ず他の場所で解凍して再利用でき
るということです。私たちは行政が行ってます、いろいろな電子行政についてのコールセ
ンターを部門別に多分行政は早晩、求めてくると思います。ですので、そこに私たちの一
番得意な分野で手を挙げて、電子行政のある領域のコールセンターを行政から委託されて
やるようなお仕事が新しいお仕事になると、かなり継続的な仕事が出来るのではないかと
思います。それと今、東京の IBM 系の IT 企業さんと協同で実は安心して使えるインターネ
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
- 22 -
ットの環境で在宅の就業を全国展開するというプログラムを実は3年がかりぐらいで作っ
ています。やっと7月にモデルは東京の IT 企業さんが作ってくださって、それをどう使う
かについては「JCI 好きにやりなさいよ」というような形でそれを引き受けてするような
プログラムができあがりました。それが移転支援事業の次のアクションプランの中核にな
るような展開も生まれていますので、IT 企業さん、優しいです。
小森氏
分かりました。IT 企業さん、優しいということで。今お話を聞きながら思ったことは、お
仕事って言葉が非常に出てきていて、仕事としてこういうことを社会的にも役立つような
ことをやっていく発想なのかなと。そういうのはソーシャルビジネス、ビジネスといって
いますけれど、お金儲けとは違う形で仕事ということで、どうやったら取り組めるのかと
いうお話だと思います。そういうなかで林さんほうからコスト負担とか、長続きするため
にはどうすればいいのか、こういう話だと思うのです。おもしろいと思ったのは、お金を
動かすという話が、確か土佐の森救援隊の説明の中にあったような気がするのですけれど、
何かそのへんのコメントありますでしょうか。
土佐救援隊
中谷さんが目の前のお母さんが困っている。まさしく我々も山に入っていって中山間地域、
特に高知県が限界集落が非常に多くなっている。おじいちゃん、おばあちゃんが困ってい
る、限界集落を越えて消滅集落になっている。どんどん集落が無くなっている。我々は森
業、森林活動をする中でほんとうに目の前で独居老人のおじいちゃん、おばあちゃんが亡
くなる。集落が無くなってくる。平成15年立ち上げてみる中でやはり、中山間地域の活
性化を何かしなければいけないソーシャルビジネスに繋がってくるのですけど、そういっ
たところが我々のスタートです。非常にきたんな気持ちで森林ボランティア活動をしたん
ですけど、ボランティアではない、お金を動かして、ビジネス、ビジネスという言い方が
NPOの言葉に即しているかどうかわかりませんけれど、お金を動かしながら中山間地域
を元気にする。先ほど重要な中にいろどりの上勝の話しがありました。いっぺんそこへヒ
アリングへ行ったこともあって、ちょうど今日みたいに窓の外で風が非常に吹いてますね。
おばあちゃんの家にいったら、うわーと風が吹いて葉っぱがわーっとたくさん落ちると、
「あーっ、10万円が飛んでいった」と。葉っぱで商売していますから、葉っぱがぱらぱ
らと飛び散るとお金が飛んでいったと言っておばあちゃんが叫んだくらいです。非常にい
やらしいですけど、お金って言うのは、とっても元気になる。一番いい大事な素材だと思
っていますね。
良い悪いとらえ方される方いらっしゃいますけど、やはりNPOの中にもお金の活動の中
にもお金っていうものを大事にしながら、全てといったら変ですけれど、動くためには働
いた対価、汗の対価には少しでも1000円でも2000円でも1日ボランティアしても
らったらそこにお金を動かすと言うところで、我々は動いているというところです。
小森氏
そうですね。会場の皆さんから質問とかはあるのでしょうか。もしあれば、だんだん私ば
かり質問してるような話がして恐縮になってきまして。その間もし宜しければ、観光とう
まくやりながらということで、若干シクロツーリズムさんの事業がそういう収益性も含め
てどんな風になっているのか、あるいはいろんな方と繋がりますよね、地域ですから。そ
の辺もし宜しければ、続けてお願いします。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
- 23 -
シクロツーリズム
まさしく働き方ということになるのと、障害をお持ちの方とかお母さんたちが空いた時間
で働くみたいなこととか、就業形態を変えて働くという新しい仕組みを作ったということ
です。農業とか林業の現場でも、いわゆる働き方を転化しているというのが、しまなみで
も起こっているのですね。例えば私たちがつないでいる、私たちのパートナーはもちろん
農業者の方たちで、農業者の方たちの本業は農業なわけですよ。その方たちにツーリズム
という視点を持ち込んで、
「明日までにすいませんが、100個のお弁当を作っといてくだ
さい。」というのは、無理な訳ですよ。でも、それをしなければ商売にはならないのですね。
そこにやっぱり、コーディネーターがいれば、例えば「A 農家さん10個」、
「B 農家さん1
0個」というふうなことができます。そうすると、無理をせず請け負っていけるというの
が一番大事なことだというふうに私たちは思って、仕事としてそれを仕組みにしているわ
けですね。今までは、何となく「ボランティアしておもてなししてください」というのが、
しまなみにも凄く、起こっていた。
特にお遍路さんの文化があるところですから、島には島四国の文化があって、なんか観光
客が来ると何かタダで振る舞ってよというのが、凄く起こっていた。農業でも体験活動と
いうのも金銭感覚に置き換わっていけないことがずっと続いていました。それを「体験料
を取りましょう」というふうに変わってきたのが、ここ何年かの流れだと思うのです。た
だ、それをビジネスにしようと思ったら、やっぱり大型バス1台で受け取らないと儲から
ないのですよ。そこ課題なのです。そこに中間支援的な機能を置いて、
「A 農家さんには何
日何人いきますよ。
」
「B 農家さんには何日で何人いきますよ。」というふうなことをちゃん
とコーディネートすることによって、ちょっとした現金収入が農家にも受け取られること
になります。その仕組みを私たちは作りたいと思っているのですね。働き方っていうこと
の転換期なのではないのかなと、そこにソーシャルビジネスの可能性があるのではないか
なと思っているのです。
小森氏
今ですね、質問が2つぐらい来ましたのですけれど、まだまだ胸に秘めた質問とか思いが
あると思います。わははさんの子育てタクシーについて、説明いただきたいという話があ
りまして、こういう流れのなかでお話しいただければと思います。
わははネット
子育てタクシーの詳しくは全国子育てタクシー協会というホームページがございますので、
帰ってご覧いただければなと思います。これも、お母さんが子供を連れて破水をして、タ
クシーに乗って病院へ行こうと思ったら、タクシーの運転手さんにチッと言われて辛かっ
たということが元もとだったのです。タクシーは田舎の方へ行くと夜中3時間くらいから
空いていないかもしれないけれど、だいたい24時間365日お盆でもお正月でも電話を
したら、
「はい、もしもし」と人が出るこのインフラを、子育てに優しく転換できないかと
いうことで、子育てに優しいタクシーという企画を書いてタクシー会社に持ち込んで始ま
ったということがスタートしました。北海道から沖縄まで1200名のぐらいのタクシー
ドライバー養成講座という講座を受けて頂いて走っているというものになっております。
小森氏
そうですね、あと質問というかこういう行政、企業、NPOを結びつけるような、こうい
う形でのイベントですか、協働パートナーシップ気運が高まっていいのではないかと。も
っと欲しいというようなご要望のような話なのですけども。早瀬さん、アドバイザーでも
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
- 24 -
ございますので、何か今、ずっと話を聞いていて、何かコメントとか。
早瀬氏
なさっておられる活動のそれぞれおもしろさに感動しながら伺っていたのですが、
違う視点からソーシャルビジネスそのものに関してですね。短めに話しますけども、あれ
もこれまでも考えなければいけないと思っているのですね。
「ソーシャルビジネス」という
言葉を。
「社会性」という言葉がキーワードになっているのですけど、これ企業の人みたら
怒るだろうなと思いながら見ていたのですけども、経産省の資料のなかで一般企業、社会
性、弱いのですよ。社会性を考えない企業は存在しえません。今、ありえないです。顧客
に対して正味に考えるのは、ものすごく社会的なことです。
あらゆる企業は社会性を持っています。当たり前の話です。今や CSR、ISO2600部、発
行しました11月に、そのことで区別していくと、いけないのです。もう1つ言うと、多
分、事業性という言葉にとらわれすぎたらいけないと思うのです。足なが育英会、あそこ
は年間20億です。年間の事業資金が20億です。寄付で集めているのです。継続してい
るのです。ある種のソーシャルビジネスだと思うのです。あれをソーシャルビジネスと思
わないけないのですよ。いろんなパターンがあるのです。事業だから毎日するというから
には、例えば、ライフリングさんのように自殺対策の取り組みをしていた。最初は、ほん
とう大変だった。全然お金が無くて、清水君なんかが、もともとはNHKのディレクター
していて、800万借りた。
「貯めてローリスク組め」と思ったんだけど、あれに出会って
しまって、結構つぎ込んで、頑張って頑張って貯まって。ついにもう東京のアパート出な
ければいけなくなって、埼玉の実家に戻れないようになって、可哀想なところもあるので
すけど。その中で運動していく中で結果的に自殺対策基本法が出来て、各都道府県毎に自
殺対策していかなくてはいけなくなった。自殺対策に関する専門性はものすごく高い。結
果的に自殺対策市場ができたのです。自殺対策市場が、実は運動というものが、実は事業
性を持つのです、場合によっては。だからそういうふうにボランティアとかは寄付に頼ら
ずに、と普通は思います。例えば、北海道グリーンファンドは寄付をうまく集める仕組み
なのです。あしなが育英会もそうなのですけどね。だから、寄付とかボランティアとか不
安定性をどのように安定的に組織化するのかが知恵があるのであって、ボランティアとい
うことは寄付が関与したらソーシャルビジネスじゃないと思わない方がいい。いろいろあ
る、あれもこれもある。そこの所が多分あると、もっと楽になるのではないでしょうか。
ボランティアされたらいけないことはないのですよというような気がしながら思っていま
した。
小森氏
会場の方から何かご意見とか提案とか行政も来ておりますので、キツイこともあるかもし
れませんが、どしどし何かあれば仰っていただければと思いますが。
会場
早瀬さんの話が非常におもしろかった。少し目からウロコみたいなところで、さきほど言
った確かに企業と付き合うのに動機の部分と成果の部分ですよね。どうしても企業に対し
てそういう社会性を求めてしまうのですね。こちらの気持ちとしてはでも、そういう風に
向こうは求めているのは何か?というのと、こちらが求めているのを突き合わせていく。
こういう作業をするのが、少し気が楽になったかなというふうに思いますので、今後とも
そういう感じで考え方を持っていきたいと思ってます。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
- 25 -
小森氏
他に何かございませんか。
松下氏
人材育成ってずっとやっていて、なかなか、10回シリーズだったから。はい、皆さんい
けますよと、いうのがたくさんあるのですけど、難しくと思っていて。例えば今日、ここ
に壇上おいでの方、非常に成功事例の方がたくさん居られていますね。実感として思うの
ですけど、逆に皆さんの団体の中で成功体験を持ってアメーバーのようにですね。いろん
なノウハウをもたれているので、どんどん分裂していただくと、地域にどんどん増えてい
って、実感持っているのですけど、皆さん自体の団体はそういう風にはなかなかなれない
でしょうか?その辺の可能性を聞きたかったのですけど。
小森氏
今質問のような感じもするのですけど、どなたかコメントできる方どうぞ。
四宮氏
うちは分裂していっています。仁淀川、それから仁淀川流域森林救援隊、土佐の森救援隊、
高知森林救援隊、高知市の職員さんが中心になってやっている。行政がNPOに目覚めて、
土佐の森方式を真似て作った高知森林救援隊、仁淀川流域地域の方々が土佐の森に参加す
る中で我々は我々の山を守らなければならないと立ち上がったという森林救援隊もありま
す。ということで我々は小さい活動ですけれど、アメーバーのように同じ仲間がたくさん
出来ることはとても良いことだと思います。小さいですけど点がたくさん集まって面にな
れば、84%といわれる高知県の森林率も人工率56%ですけれど、この56%の人工率
が少しでも元気に、豊かな森になるのではないかと、そういった活動には力を注いでおり
ます。
小森氏
下に行って名刺交換でもいろんなことをして交流をして深い話しを聞く時間にしていただ
ければと思っているのですが、ずっと話をしてきて少し行政側のほうから、どういうふう
に受け止めたのか、順番によろしいですか。
愛媛県真鍋氏
皆さん非常に活発なのですけど、自分のことは置いておいて、愛媛県のことで言うと、あ
んまり当てにしない方が良いです。
「何かやるよ。」と言ってきた時に、
「そしたらこんな話
しがあるよね。
」というのが一番気が楽だと思うので、当てにしないでほしいというのはあ
ります。当然いろんな研修等をつうじていろいろやっているのです。けれど、やはり行政
マンは、わたくしなんかは「もっとNPO法人に行け」とか、
「長期の研修せえ」とか言っ
てますけど、人事課がうんと言いません。したがって一番知らない人材なのです。そこが
一番お金を持っているということなので、当てにしないでやっていただきたいと思います。
高松市三木氏
高松は全国規模のわははネットさんという大きいNPOさんがいて自慢できるのですけど
も、それに続くNPOさんがなかなか無いというのが悩みの種です。私さきほど地域コミ
ュニティということを申し上げましたけれども、しいて直接市民と接する部所と言うこと
でご勘弁いただければと思いますけども。コミュニティのほうもコミュニティビジネスに
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
- 26 -
取り組まなければいけないということで今週、研修会を開きますし、
今年2月市内のNPO法人さんにアンケート調査をすると協働したい相手はどちらです
か?と聞きますと、第1位は行政、第2位は企業ではなくて地域コミュニティということ
でNPO法人さんの方も町の活性化に役立ちたいのだなということを感じているところで、
少し水と油のような感じです。けれども、両者がうまく協同して町が活性化していけばい
いかなと思っております。
小森氏
ありがとうございます。
四宮氏
愛媛県の話ですが、自慢話ですが、高知県は東京や京都のNPOに県の職員を派遣してい
ます。高知県は非常に地域の中でNPOと手をつないでいこうという感が非常に強くて、
まず職員の方がNPOへ飛び込んでいけということで。1年ないしのサイクルで多くの職
員をNPOに派遣しています。
小森氏
ようするに行った方が早いと言うことですね。NPOとは何かというのは、誰か体験しに
行けというこういう話かなと思います。島さんの四国地域ビジネスネットワークなのです
けれども、今日これだけ熱い方々がこんなにたくさんいらっしゃってるので十分バックが
あると思うのですけど、今後の決意か何かその辺ずっとお話を聞いてあればお願いします。
島氏
決意とかそういうものではなくて、現実的な話をしたいと思います。
NPOが法律が出来て、12年目ですかね46000、四国では1100ぐらい。当初、
私たちNPOが立ち上げられた時が資金調達先はどこか?最大の資金調達先は行政です。
その行政に出来るだけアタックして協同で巻き込みつつ社会的課題を解決していく費用負
担をしていくとお互いにしていくと言うことで、出発したのが当初のNPOの全体の決意
みたいなものですね。ところが、だんだん補助金が少なくて、昨今の事業仕分けのように、
なかなかNPO側の方へ使えるお金の枠が少なりつつあります。今日の経済産業省のお話
のように新たな政策投資という局面もありますけれども、市町村に入れば費用はだんだん
少なくなっていると言うことでいろんな社会課題が積み上げられているというのが実態で
す。そのなかでNPOの独自の事業を作ると自分たちの社会課題を解決するために自分た
ちが事業をしなければならないと言うことで、いろんな事業を始めてそれを最初は赤字で
あっても、だんだんビジネス化してお金が回っていくようなものを作り出していくような
流れには入っていくというのがありますよね。もう一つは、全体のマーケットの動きで言
えば企業の社会的能力を高めることによってNPOもメリットがあり、社会もメリットが
あります。この三角関係がこの循環を地域の中で作り出すことが多分、ソーシャルビジネ
スの目標なのだと思うのですね。それを方向性が見えれば企業もNPOも行政も繋がって
いくという流れが出来るのではないかという風に思います。ですので、さっき「当てにす
るな」というようなお話は、
「もう少し積極的に受け取らないと」
、と言うことです。当て
にしないと言うことではなくて、行政もある、行政持ってるサービス部門を外部化して企
業もNPOも一緒に効果を上げていくというのがないと、それはやはり行政の本業ではな
いだろうと、地域の中で皆で生きていくという流れを作らないと思うようにはなりません。
ですので、
是非そういう方向で四国をネットワークを作り上げればなという風に思います。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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小森氏
かなり四国は元気だと言うことで今日は東京へ持ち帰っていただくのかなと思っています。
野田課長にずっと聞いていて感想なり受け止めたものをしっかり政策にするようなお話で
すとかをまとめていただければと思います。
野田氏
今日はいろんな事業者さんからの話と熱い思いを聞かせていただきました。四国セーフテ
ィーネットすばらしい業者さんが数多く歩き出していうことかと思います。四国という4
つの県で成り立つ地域で、いろんな課題も過疎でございますとか、先ほどの森林の問題も
ございますとか、いろんな問題があるかと思います。が、問題があるもしくはデメリット
といいますか、いざアドバンテージをアドバンテージへ換えていくと、一つの手法として
ソーシャルビジネスでありますとかコミュニティというのを是非、使っていただきたいな
という思いを強くしたところでございます。今日もいろんなコメントを頂いたかと思いま
す。いわゆる繋がりといいますか、人が中心となっていろんな事業者さんなり関係性が出
来てきて、それがビジネスに繋がって言うことでございますとか、ある程度、やはり量を
受けなきゃいけないと言うことから、それをさばくコーディネーターみたいな方が必要じ
ゃないかだとか、いろんなコメント頂いたと思います。林様からは事業性にとらわれ過ぎ
ないということで、それも肝に銘じます。我々も決して寄付がダメだと言っているつもり
はなくて、継続して寄付をちゃんと集めるというのは、それは全く一種ビジネスでござい
ますし、それがまたモデルでもございます。それがうまく出来ているところ出来ていない
ところがあるのだろうと、一過性の寄付ですと、先ほど愛媛県からございましたように、
行政を当てにしない。お金という面で行政を当てにすると、行政のお金はどこかで切れる
のですね。そのときに立場が無くなってしますというのが多々ございます。経産省としま
しては、自立していく寄付でやっても当然、含めて自立していくようなビジネスを是非、
広めていきたいと言うことで、環境整備に徹してやっていきたいということです。予算に
関し、経済産業省は貧乏省でございまして、お金がほとんどない省なのですけれど、他省
庁さんはいっぱいありますので、それをどんどん使って頂くとともに、経済産業省は直接
事業者さんに対する補助というのはございません。今後もやるつもりはあんまりなくてで
すね。まさしく自立をして頂くというのを目的としてやってもらうものでございまして、
環境整備をさせて頂きたいと思ってございます。本日頂いたいろんなコメントを持ち帰ら
せていただきまして、今後の当初の施策、もしくは当初だけではなくて他省庁との連携を
含めた施策、に繋げていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いしたいと
思います。
2-3.四国・地域ビジネス協働推進フォーラム in 香川
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2-4.行政も企業もNPOも一緒に子育てしやすい環境づくりを考えるフォーラム
「コミュニティビジネスの手法で自立・持続可能な地域子育て支援を!」
1.日時:平成23年2月6日(日)
2.場所:サンポートホール高松
13:00~17:00
52 会議室
(香川県高松市サンポート 2 番 1 号)
3.主催:経済産業省 四国経済産業局
行政も企業もNPOも一緒に子育てしやすい環境づくりを考えるフォーラム
意見交換会 参加者一覧
氏名
所在地
東 恵子
神奈川県
松崎美穂子
田中美賀子
所属
役職
NPO法人シャーロックホームズ
事務局長
徳島県
NPO法人子育て支援ネットワークとくしま
理事長
京都府
NPO法人亀岡子育てネットワーク
理事長
多胡 麻衣
NPO法人亀岡子育てネットワーク
中橋恵美子
香川県
NPO法人わははネット
理事長
濱砂 圭子
福岡県
株式会社フラウ
代表取締役社長
阿須賀芳恵
広島県
株式会社フラウ
中国・四国支局長
小林 惠子
静岡県
株式会社ふじやまママ
代表取締役
豊田久留巳
静岡県
NPO法人静岡県男女共同参画センター
スタッフ
島 博司
徳島県
NPO法人市民未来共社
代表理事
川井 保宏
徳島県
四国経済産業局 総務企画部企画課
課長
濱田 康次
徳島県
四国経済産業局 総務企画部企画課
総括係長
【概要】
・行政との信頼関係を構築することにより、委託事業や補助事業として採択さ
れるケースが増えている。
・新聞社主催で子育てイベントとしては県下一のものとなっているが、マンネ
リ化。取組み当初は相談を受け協力していたが、回数を経ると自主事業に近
くなり、本来あるべき子育て目線での取組みが薄れてきている。
・子育てサークルから発展し、行政からの依頼が増えてきたため、組織強化の
ためにNPO法人化。地域を超え、県レベルでの展開にまで発展。
・コミュニティビジネスと騒がれる以前から、必然的に子育ての中、取り組ん
できた。自分の家族を犠牲にしてまで、子育て支援に携わってきている。地
域の課題を掘り起こし、本気で頑張っている主婦のネットワークとして、全
国組織にまで発展できた。
・子育てイベントとして、就学フェアを主催している。団体の収益事業として
はやってみる価値があるイベント。利益主義ではなく、子育て目線になるよ
う気を付けている。
2-4.行政も企業もNPOも一緒に子育てしやすい環境づくりを考えるフォーラム(H23.02.07)
-1-
1. 日時:平成23年2月7日(月)
2. 場所:サンポートホール高松
10:00~12:00
61 会議室
(香川県高松市サンポート 2 番 1 号)
3. 主催:経済産業省 四国経済産業局
【概要】
●NPO 法人シャーロックホームズ
事務局長
東
恵子氏
・平成 20-21 年、文科省の委託事業のほか、企業とは横浜の高島屋とは子供広
場の活用企画やキリンビールとはノンアルコールビールの試飲会の企画、日
本丸の記念事業の企画運営なども行った。
・最近では、神奈川県のポジティブキャンペーンで、単年度のメルマガ配信企
画の提案募集であったが、メルマガを集めて単年度で終わらせるのはもった
いないので、企業協賛を入れて次年度以降も事業が継続できる内容で提案し
たところ採択された。HP の運営やイオンモールでのイベントを行う。
・企業協賛については、県の協賛要項があるので、それに沿って行っていたが、
担当部局独自の内規があり、県外の企業からは協賛がもらえないと打診をし
てから分かったケースがあった。
●NPO 法人子育て支援ネットワークとくしま
松崎
美穂子氏
・
「おぎゃっと21」という県下で最大のイベントを 2001 年から徳島新聞主催
で産学官連携で毎年 5 月に行っている。
・子育てサークル時代に地元の体育館で乳幼児を対象としたイベントを企画し
2-4.行政も企業もNPOも一緒に子育てしやすい環境づくりを考えるフォーラム(H23.02.07)
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ていた経験から、依頼を受けたのがきっかけ。入園・入学イベントをやって
いた徳島新聞社から赤ちゃんイベントを企画できる団体を探していた。
・徳島県をはじめ、県内の市町村も参加、医師会、大学・専門学校なども参加
し、学生は「はぐくみメイト」として世話役として毎年参加している。
・このイベントは全国にも飛び火しており、岡山、兵庫などでも同様のイベン
トが開催されている。
・当団体は、今でも 1/4 のブースを自由に使わせてもらったり、広告も出して
もらっている。
・3 年やったところで、お母さんの意見を言う場がなくなってきたのは残念。
総会もチャンチャンで終わってしまっている。
●NPO 法人亀岡子育てネットワーク
田中
美賀子氏
・亀岡の子育てを良くするために 12 年前から活動を開始。
・2007 年に子育て情報誌の発行、あったかメールの配信を始めた。
・2010 年に NPO 法人化.し、亀岡氏より受託を受けゆりかご広場を運営。
・幼稚園の跡地利用であったため、0 歳から 3 歳児のお母さんに知ってもらい
たかったため、保健センターに協力を依頼して掲示板に載せてもらったが効
果はなかった。次に 4 ヶ月検診の案内封筒の中に同封してもらったが、たく
さんの資料に埋もれてしまって、これも効果が無かった。
・アンケート調査の中で、どこで情報を得ましたかという項目では、
「新生児訪
問時に」という回答が多かったので、最初は知り合いを通じて配ってもらっ
ていたが、保健センターに依頼したところ、あったかメールの利用者が居て、
メールの情報のよさを知っていてくれたので、協力してもらうことができた。
・90%の家庭に直接訪問し手渡しするため、300 人ぐらいの会員が一気に 1000
人にまで増えた。
・広場の様子をスタッフ日記を通して毎日メールで紹介していたところ、情報
を聞きつけて広場に来てくれるなど、メールとの相乗効果も出てきている。
・この活動を京都全体にまで広められないかと考えていたところ、2006 年ごろ
から京都府と協働事業を行ってきており、2009 年には京都府とNPOや市町
村と実行委員会を構成するなど進めてきた結果、2010 年に京都府から依頼が
あり、子育て情報のメール配信を協働で行うことになった。年間の出生規模
は 750 人から 2 万人へ、人口規模も 10 万人から 260 万人に拡大。
・1 日に 50 人から 100 人ずつ会員が増えてきている。
・あったかメールの会員さんや行政の信頼を裏切らないよう、情報の選別には
特に気をつけている。
●NPO 法人わははネット
理事長
中橋
恵美子氏
・団体の 10 周年のときに、クレドをつくった。
「すべての母親が子育てをして
いる自分を好きになれる社会を目指します。」「すべての子どもが愛され、生
まれてきてよかったと思える社会を目指します。」「すべての人が子育てに関
2-4.行政も企業もNPOも一緒に子育てしやすい環境づくりを考えるフォーラム(H23.02.07)
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心を持てる社会を目指し、子ども・家族・地域・企業・行政等との連携を推
進します。」「私たちはすべての母親のために親子を核とした地域・企業・行
政の橋渡しをする事で、より子育てしやすい環境づくりをします。」
・団体としては子育て情報誌の発行やメール配信を行っている。
・高松市との協働事業では、子育てハンドブック「らっこ」を作成したが、高
松市が「平成 21 年全国広報コンクール読売新聞社賞」を受賞している。
・現在は、HP やカレンダーも作成。コンテンツの高さ、現場のお母さん達の
目線で作られていた、生の声が入っていたこと、生の声を集められるのは私
達NPOだからこそできた。
・数年前に地域密着型のお店紹介の冊子の提案をしたが、公平性の問題で断ら
れたのに、翌年同じ主旨の冊子を香川県庁が作成していた。差別化して情報
を配信する、そういう時代になってきている。
・マミーズサミットで取り組んだお母さん達の検診率を上げる運動、香川県と
ママピンクリボンというイベントで協働が実現した。
・行政とはぶつかり合っていくべき、いろいろな事業を多角的にやっていく、
子育て環境を良くしていくためには必要なこと。ぶつかればさらに頂上に登
ればいいし、ぶつかってこそ初めて本当のことが言えるようになるのではな
いか、ぶつかることをおそれていたら、相手が求めているものしかできなく
なってしまう。
●株式会社フラウ
代表取締役社長
濱砂
圭子氏
・育児サークルから有限会社を経て 5 年後に株式会社として創業。
・職歴がある女性を、寿退社や出産を機に使い捨ててしまっている。子育てを
しながら支度もして、主人の世話もする、同時にいろいろなことができるこ
ういう女性の特性を活かすべき。
・福岡で初めての地域密着型子育て応援情報誌「DE CHA・CHA・CHA!」を発
刊。当社には広告媒体を作っていたノウハウがあった、全国で子育て情報誌
を作っている団体に呼び掛けた。絶対にこの火を消したくなかった。
・ミッションがある会社は珍しいとよく言われた。
・福岡市の市民局からは指定管理を外されたが、経済振興局から CB の販路拡
大支援センターの指定管理の話があった。
・小学生新聞を作っているが、新聞離れの親が読む新聞となっている。夕顔運
動や地域パトロールなども実施。
・働く女の影には女あり、3 世代の女性の情報誌「パチュリー」を発刊した。
・企業との協働としては、九州電力とエコマザー活動事業を実施。主婦がエコ
マザースタッフとして読み聞かせを行っている。すでに 12 万人の園児に。
・JAとはフルーツエプロン隊は、主婦が食育を実施。2 万人が参加。
・経産省と実施した次世代育成キャリア教育プロジェクトは、中高生に職業ガ
イドブックを作らせた。実際の油のにおいのする現場に連れて行き、本にま
とめた。平成 17 年度から 3000 人を超える小中高生が受講し、受入れ企業・
2-4.行政も企業もNPOも一緒に子育てしやすい環境づくりを考えるフォーラム(H23.02.07)
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団体も 250 以上になっている。本省でもかなり評価が高かった。
・福岡市のコミット事業、捨てるものと必要なもの、障がい者の仕事としてマ
ッチングさせてCBとして事業化などに結び付けている。
●株式会社フラウ
中国・四国支局長
阿須賀
芳恵氏
・福岡時代に㈱フラウで企画・営業を担当、その後、主人の転勤で岡山に行き、
そこで、フラウのお仕事もやりながら、フラウⅡを創業。
・インキュベーションセンターに入居しつつ、女性教育センターのファザリン
グのイベントで、マタニティのママ向けの試食会も行うなど、切り口を変え
たアイデアを提供し、定員いっぱいに集めることに成功させた。
・フラウの事業で、企業との接点のところで補足すると、フルーツエプロン隊
も、手で向けるミカンは買うが、包丁を使う柿は買わないお母さんにいくら
むき方を教えても無駄、それなら将来お母さんになる子供に柿の剥き方を教
えれば、次につながるとの発想で、やっている。
・企業は本業で社会貢献する時代、お金儲けを通じて社会貢献すべき、柿を食
べる子供を作ることが将来の柿を食べる大人をつくることになる、これがJ
Aのミッションとなる。
・介護の情報誌も、メインのスポンサーはエーザイで、認知症を遅らせる薬を
病院で売っている。3 世代交流をキーワードにすることで、おばあちゃんは孫
をしつけ、その孫が早く病院に行くことを進める、よい循環が生まれる。
・この三角形の間に情報誌を使って広めていく、介護情報誌と書いたら誰も買
わないが、3 世代で行ける場所と書いたら読んでもらえる。
・小学生新聞も印刷の経費がかかる。団体の中で子供が育つ機会がだんだんと
無くなってきているからこそ、団体を対象にマーケットの活性化を図ろうと
している。
●株式会社ふじやまママ
小林
惠子
・14、5 年前に子育て情報誌をお母さん達で作ろうと始めた。2004 年まで発行。
子供の成長を機にフリーペーパーで起業した。スタッフは自分一人。100%広
告収入でやっている。
・起業向けの助成金でポータルサイトを作成したり、静岡県の助成金で子育て
に関わるNPO、任意団体や企業が 50 団体集まって事業を行っている。
・自費出版でも持ち出しが無いようにし、売上はメンバーで山分けする。広告
のノウハウは 10 数年やってきているので持っていた。
・三島市から子育てマップの依頼があったが、2007 年に予算がないので、広告
入れてもいいので寄贈してほしいという依頼があった。
・行政が配布してくれて、1 万部はける配布先ルートが確保されているという
のは企業にとっては魅力があったので、広告も取りやすかった。
・広告企業もお母さん目線でのフィルターをかけているので、そこも行政に評
価され、現在、行政とは良好な関係を構築していっているところ。
2-4.行政も企業もNPOも一緒に子育てしやすい環境づくりを考えるフォーラム(H23.02.07)
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3.地域ビジネス(CB/SB)セミナー
~地域に根ざし、愛される経営~
3-1.四国・地域ビジネスセミナー in 愛媛
「真の企業経営とは?
~地域に根ざし、愛される経営~」
1.日時:平成22年11月25日(水)
2.場所:リジェール松山
8F
13:00~17:00
クリスタルホール
(愛媛県松山市南堀端町 2-3
JA愛媛 8F)
3.主催:四国経済産業局、愛媛県
4.共催:愛媛県商工会議所連合会、愛媛県商工会連合会
(講師プロフィール)
坂本光司(さかもと・こうじ)/法政大学大学院政策創造研究科
教授
1947 年静岡県生まれ。法政大学経営学部を卒業後、福井県立大学教授・静岡文化芸術大学
文化政策学部・同大学院教授等を経て、2008 年 4 月より法政大学大学院政策創造研究科
(地
域づくり大学院)教授、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長および同大学院イノ
ベーション・マネジメント研究科(MBA)兼担教授。ほかに、国・県・市町や商工会議所等
団体の審議会や委員会の委員を多数兼務。専門は中小企業経営論・地域経済論・福祉産業
論。フィールドワークやケーススタディーを重視した研究姿勢の下、全国 6,500 社を超え
る企業の現場を訪問し、良い会社・経営の条件とは何かを探求し続けている。著書に、
「弱
者にやさしい会社の話」
(近代セールス社)、
「ちっちゃいけれど、世界一誇りにしたい会社」
(ダイヤモンド社)
、
「日本でいちばん大切にしたい会社」
(あさ出版)
、
「私の心に響いたサ
ービス」(同友館)
、「この会社はなぜ快進撃が続くのか」(かんき出版)ほか多数。
【事例発表者プロフィール】
十河孝男(そごう・たかお)氏/徳武産業株式会社
代表取締役社長
高校卒業後、1966 年に香川相互銀行(現香川銀行)に入行。縫製メーカーを経て、1984
年義父が経営する徳武産業(1957 年に手袋縫製工場として創業)に入社し、急逝した義父
の後を継ぎ 37 歳で社長に就任。
旅行用スリッパでは国内生産トップシェアにまで成長させ
る。また、独自の経営理念に基づき、商品を販売するだけではなく、
「心と心をつなぐビジ
ネス」を心がけ、従業員満足度=顧客満足度、奉仕活動等を実践。自社ブランド商品とし
て 1995 年に発売したケアシューズ(
「あゆみ」シリーズ)は、そのホスピタリティ溢れる
従業員の取り組みやサービスの提供で顧客の支持を集め、毎年 2 けた成長を続けている。
宇高道男(うだか・みちお)氏/スバル株式会社
代表取締役社長
スバル株式会社は、高齢者が安心して働ける職場と環境を提供するため、1988 年に泉製紙
株式会社を含め地元の製紙会社 6 社が共同出資して設立。社員における 65 歳以上の高齢者
の割合は 65%超。高齢化が進む中で、業界の高齢者がもつ知識や技術、経験や人脈などの
財産をどう掘り起こし繋いでいくかという課題に挑戦し続け、高齢者に仕事を通じての社
会参加を与えることで、本当の意味で働く場と生きがいを提供。地場産業の集積といった
地域特性を活かして、
「地域社会に結びつく企業」
「地域社会に必要と思われる企業」
「地域
に貢献する企業」「地域に根付き調和する企業」をめざしている。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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且田久雄(かつた・ひさお)氏/株式会社ダックス四国
代表取締役社長
和歌山県出身。大学卒業後、高知県土佐市で知的障害者更生施設・通勤寮・養護学校「光
の村」の建設に参加。その後、障害者の働く場所をつくる運動を続ける。株式会社エフピ
コの特例子会社として、1981 年に株式会社モダンパック四国、1997 年に株式会社ダックス
四国、2006 年に株式会社ダックス佐賀を設立。同年、日本で初めて企業による「障害者就
業継続支援(A型)事業所」広島愛パック株式会社(現エフピコ愛パック株式会社)を設
立。2009 年には、株式会社エフピコ下館の特例子会社として、株式会社茨城ピジョンリサ
イクルを設立。株式会社ダックス四国では、障がい者雇用率 7 割超。障害者が健常者と同
等以上の力が発揮できるよう設備機器を整備し、健常者と変わりなく2交代で透明フタを
製造。健常者にも勝る高い生産性を実現させている。
【アドバイザープロフィール】
前田眞(まえだ・まこと)氏/特定非営利活動法人まちづくり支援えひめ
代表理事
まちづくりのコンサルティングを行う一方で、(財)えひめ産業振興財団の地域密着型ビジ
ネスコーディネーターも兼務。松山市地域福祉デザイン塾や今治市社会福祉協議会地域福
祉活動計画住民座談会のファシリテートにより地域の住民や事業者と一緒になって地域課
題の共有、これからの共助、互助型の社会づくりに向けた課題解決策の構築など協働型の
まちづくり活動を応援。また、松山市中心市街地活性化協議会のタウンマネージャーとし
て各種の中心市街地活性化事業やしまなみ地域自転車モデルコースづくり事業(愛媛県)
、
瀬戸内海スローツーリズム創出調査(国土交通省)や健康サービス産業創出支援事業(経
済産業省)を活用した旅なんよコラボコンソーシアム事業及び NPO 法人わははネットが中
心となった子育て支援事業などのコンソーシアムに参画、加えて住民のまちづくり活動の
支援や人材育成を行う坂の上の雲まちづくりフィールドミュージアムサポート事業やしま
なみ海道10周年記念事業愛媛県実行委員会企画部会部会員等として参加するなど、多方
面に活動。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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【セミナー概要】
●主催挨拶
四国経済産業局総務企画部長
小森
繁氏
四国経済産業局で総務企画部長をしております小森と申します。
本日は大変お忙しい中140名を超える皆様にお集まりいただきまして、感謝申し上げま
す。
愛媛県からのお声掛けにより、愛媛県商工会議所連合会、愛媛県商工会連合会の皆様とこ
のような形で日本を元気にする気持ちで開けることを非常に深く感謝しております。
開会にあたりまして、一言主催者としてご挨拶申し上げます。
昨今、大変日本は厳しい状況でございます。デフレと不況に加えて、国際的な市場の動き、
人口の減少、エネルギー、環境問題等様々な問題に日本は直面しています。
身近なところでは、高齢者問題、子育ての支援、安全性。
日本は安全だと言われていましたが、どうなってくるのかといった不安に囲まれています。
そういったなか、私ども四国経済産業局としては、経済産業と言うのは単に、経済、GN
Pの問題でなく、地域の問題として元気で活性化していくということも重要な切り口では
ないかと認識しております。
「地域ビジネス」最近「コミュニティビジネス」
「ソーシャルビジネス」といった言葉がマ
スコミで報道されたり、注目を浴びていますが、地域ビジネスの創出ということを、一つ
の大事な柱にしていきたいと思っています。
地域の住民の方々もいらっしゃいますし、企業の皆さんもいらっしゃいますし、県、市、
国といった私どもが行政が、皆さんがどういう形で協働、パートナーシップを組んでみん
なでやるべきことをやっていく、そしてその中で、地域が元気になり、ひいては日本が元
気になっていくことを目指したいと思っています。
本日は、地域とどういうふうに企業経営が関わっていくかということをポイントに、少し
長い時間ですが、セミナーを開きたいと思います。
講師として、
「日本で一番大切にしたい会社」という本を書かれて、
日本全国を飛び回って、
日本で元気にやっている企業を研究されている坂本光司先生、法政大学大学院政策創造研
究科教授、全国の先駆けとなるような取り組みに取り組まれている3名の事例の発表など
を織り込みまして、皆様にいろいろ考える日にしていただければと思っております。
本セミナーを通じて、考えるだけでなく何かやってみようという、きっかけになる日にな
ればと思っております。
今日は講演会がありますが、会場入り口のロビーで愛媛県内にあるNPO等のサポート機
関の皆様にご協力をいただいて、活動紹介を行っています。パートナーシップが大事とい
ってもそのような情報を見てみたいというお気持ちもあると思いますので是非、
休憩時間、
閉会した後、お時間が許せばご覧になっていただきたいと思います。
最後になりますが、お集まりの方々のご理解ご支援を頂きながら、経済産業局としてもこ
のような方向での取り組みの応援をしていきたいと思いますので、よろしくお願い致しま
す。
愛媛県県民環境部管理局長
門田
公一氏
本日はお忙しい中本セミナーにご参加いただきまして誠にありがとうございます。
皆様、すでに御承知の通り本県では加登知事の提唱します「愛と心のネットワーク作り」
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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ということを提唱して、困っているところに救いの手を差し伸べる県民相互の助け合い、
支えあいの活動の浸透を図ってまいりました。
その結果、ボランティアやNPO活動だけでなく企業等の地域貢献活動もわずかですが着
実に広がってきていると感じています。
しかしながら、社会構造の変化に伴って県民ニーズや価値観の多様化、複雑化が進んでお
り、地域における様々な課題に適切に対応し、きめ細かに対応していくためにはNPOや
企業さらに、教育機関など地域で活動する多様な主体がそれぞれ互いに協力、連携して自
主的自立的な活動をしていく、といったしくみづくりが必要になってくるのではないかと
考えています。
中でも、営利と非営利といわれておりますが、言葉だけで見ると正反対の存在と思われが
ちな企業とNPOですが、どちらも社会的責任を果たすという共通した使命を有していま
す。
そのNPOと企業がパートナーシップを構築していただくことで、国が提唱する新しい公
共を担っていただくことができるのではいかと考えています。
今日のセミナーがそのひとつの良い勉強のきっかけになったらと考えています。
本日は、小森部長からもありましたが、市民活動を支援しているNPOの方々のご協力を
得て活動紹介のコーナーをホールの前に設置させていただきました。ぜひご覧いただき、
長めの休憩をとっておりますので、積極的に名刺交換等を行って交流を深めて頂いたらと
考えております。
最後になりますが、当セミナー開催にあってご尽力いただきました四国経済産業局、愛媛
県商工会議所連合会、愛媛県商工会連合会の皆様講師の先生、事例発表頂く企業の皆様に
心から感謝申し上げますと共に、本日ご参加の皆様にとってこのセミナーが実り多いもの
になりますように祈念申し上げご挨拶といたします。
●基調講演
坂本
光司氏
社会性と経済性が両立する
「日本でいちばん大切にしたい会社」とは?
「日本でいちばん大切にしたい会社」という本を3年ほど前に出版した。
この本に限って一切数字は使わなかった。心に響くようなこの国の経営者と社員の心を変
えねばとそう思って、一切図画や表は使わずに、まるで小説のような経営学書として出さ
せていただいた本が「日本でいちばん大切にしたい会社」という本。
今日のテーマにピタリのような会社を5社ほど載せておいた。
私がこれまで、自分の目と足で確かめた会社が、北海道から沖縄まで、海外を除いて65
00社くらいあります。6500社の中で今日のテーマで話をすれば、正直650社くら
いあります。つまり、全体の1割です。650社が多いとは決して思いません。
なぜならば残りの9割の会社は問題が多すぎるとおもうからです。私の使命は、1割の会
社を2割に、2割を3割にすることが、この国を良くすることではないかと思っています。
650社の中で、わずか5社を取り上げて書いた本が3年ほど前に書いた、
「日本でいちば
ん大切にしたい会社」だった。
5社では少ない、オラの町にもオラの県にも無いのだろうかと。こういうことで、読んで
くれた読者の方がずいぶんメールをよこしてくれて、
今年の1月にその2ということで
「日
本でいちばん大切にしたい会社2」という本を出させていただきました。その中には少し
多すぎましたが8社書いておきました。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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この本を読めば、業績が高まるという本ではありません。だたただ、心に響く正しい経営
をしなさい。正しい経営をしなさいと。こう書いたら、偽物の経営者にとっては頭が痛く
なるような本です。
この本を多くの人が読んでくださっているということは、この国は、まだ変えることがで
きる。最後のチャンスがあるのではないかと感じる瞬間だったわけです。
本の中に書いておきましたが、本を書いていろいろな方々から、メール、手紙、ファック
ス、電話、封書、葉書、ありとあらゆる連絡手段を本の中に書いておきました。そこまで
言い切った著者の責任と思ったから、すべて書いた。
書くことによってマイナスのこともたくさんありました。マイナスとは、ひどい仕打ちの
ような言葉で作者を悼みつけるという方も、残念ながら世の中にはいます。特に、私のよ
うに非常にはっきりと社員をリストラするくらいなら、その前に腹を切れ、社員を路頭に
迷わすならあなたも一緒に路頭に迷えと、企業経営において社員の責任は一切ない。その
すべての責任は社長にあると今まで書いた60冊の本の中にもすべてそういう論理を張っ
ていますから、正直痛いところを突かれた方にとってはおそらく怒り心頭だと思います。
厳しい手紙等々で、作者をまるで喉元にするどい刃物をつきつけられたような言葉で挑発
する方もおられます。しかし、世の中を変えるというのが私たちの使命の一つですから、
私はずっと書き続けているわけです。
本をお読みになっていればわかるでしょうが、どんなにいい本でも、感動した本でも、よ
かったということは自分で思っても、行動を起こす、つまり書いた作者にお礼の手紙を出
すことは、私も含めてめったなことではしません。
わずか3年間で、1000通近いような方が行動を起こしてくれたのです。およそ半分の
方は、経営者、社長さんでした。社長さん向けに書いた本なのです。社員が変わっても会
社は変わらない、あなたが変わらなければ会社は変わらない。あなたが正しい生き方をし
ない限りは、社員は正しい生き方をしない。あなたがいい加減な経営者である限り社員は
嘘をつく。この本は経営者向けに書きました。5割が経営者でした。3割が社員でした。
1割が学生でした。1割が、家庭の主婦、おじいさん、おばあさんでした。5・3・1・
1という分布でした。
本当はそれを紹介したいのですが、
あえて代表をひとつずつお話しますと、経営者の方は、
ほとんどこういう内容でした。自分の経営の考え方進め方は、間違っていました。変わる
べきは景気、国の政策と思っていましたが、変わるべきは私の経営の考え方、進め方だと
思いました。
わが社がなぜうまくいかなかったか、その理由が完璧に理解できました。変わるべきは、
誰でもない私でした。ほんの一部の経営者ですが、私は業界から少し外れた行動をしてい
ます。ですから常に一人ぼっちです。仲間からは、君の経営の考え方、進め方は間違って
いる。そんなことをしていたら、おかしくなるぞ。そう言われ続けました。しかし、あな
たが書かれた本を読んで、私は確信を持てました。これからもこの道をひた走ります。そ
して、いつの日か、あなたが書かれる本の中に載せていただくように努力します。この方
が多数派になれば、私はこの国は変わると思いました。潰れた会社の社長さんから、わが
社が潰れた原因がよくわかりました。わが社は潰れるべくして潰れました。否、潰れて当
然だと思いました。あまりにもあなたが言ってらっしゃることと、真逆のことをしていま
した。このようなことを、よこしてくれた経営者が、全体の半分ほどおりました。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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3割は社員といいました。
その社員の方は、あえていうと私が勤めている会社は間違っている。私が勤めている会社
は、この本に書いてあることと真逆のことをやっている。この本に書いてある理想の会社
を自分で作ることを決意した。つまり、辞めることを決意したと言っているのです。そし
て、いつの日か本の中に載せてほしい。理想の会社を作ります、だから見ていてください。
私は、ある意味で怖くなりました。まともな社員が、正義心を持って戦ったときに偽者の
経営者を捨てることがあるからです。捨てられるのは社員じゃなくて、経営者かもしれま
せん。
学生からも、ありました。
私は、間違った就職活動をしていました。上場しているか、していないか、給料が多いか、
少ないか、福利厚生が充実しているか、していないか、友達に自慢できる会社かどうか、
そんなどうでもいいようなことに現を抜かした、就職先を見つけていました。この本を読
んで、それがすべて間違っていることが分かりました。一番大切なことを見失っていまし
た。もう一度、振り出しに戻ります。この時期で、東証一部上場会社からたくさん内定通
知をもらっていて、それを全て破り捨てて、また、振り出しに戻るということが、どんな
に危険なことか私は分かりますけれども、それでも尚且つ、有力、有名と言われている大
学等々に在籍している学生の方から、ものすごく沢山いただきました。
忘れもしない出来事をひとつだけ紹介。
早稲田大学の4年生の学生でした。
その方が、こんなないようのメールをよこしたのです。
就職戦線に乗り遅れて、いまだに就職が決まっていない。困り果てて、何年も実家に帰っ
てなかったけれども、実家に帰ってお父さんに相談した。ほとんど自宅に帰らない音信不
通の生活が何年か続いた学生だったそうです。困り果てて四面楚歌のような感じだった。
何年がぶりに実家に帰った。夕食のときにお父さんに、親父、困っている。助けてくれ、
と言って話をした。そしたら、お父さんが、席を離れて書斎に行って一冊のカバーのつい
た本を持ってきて、この本を読みなと言って渡してくれた。その本を食事が終わって、自
分の部屋に入って目次を見て、帰りの汽車の中で読もうと思ったけれども、折角のプレゼ
ントですから、その本を読んだそうです。3時間ぐらいで読み終わったそうです。枕のシ
ーツを涙で濡らしたそうです。その本が、手前勝手ですが、先ほど部長が言ってくださっ
た「日本でいちばん大切にしたい会社」だったのです。お父さんがプレゼントしたのです。
会いたいと言って、私にメールを下さったのです。今日のような講演のある日で、1時間
後に別の会場で講演がある日しか空いていなかったのです。この空間だったら空いている
とメールで返事をしました。多くの人が講演が終わってから名刺交換にきましたが、最後
の方が彼でした。メールを出した早稲田の○○ですと言ったから、私は分かったのです。
彼がなんと言ったか。ありがとうございました。もう、迷いません。
一人の若者の命を救ったような感じでした。こういう学生からのメールや、大学の研究室
に、若い夢多き若者、この国の未来を担っている方、その方が大勢尋ねてくれました。
最後のおじいさん、おばあさん、家庭の主婦の方々は、全体のわずか1割。
私にとっては一番大事だと思った手紙でした。メールと言うよりは、ほとんど手紙をよこ
してくれました。
私たちの買い物し方は間違っていた。私たちが、子供や孫に話をする内容が間違っていた。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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折角、大学を出たのだから良い会社に就職してくれ。テレビ、新聞でチラシを見て、どこ
の会社が一番安い商品を売っているのか、どこの会社で買うのが経済的に得をするのか、
そんなことを、メルクマールに、子供や孫に就職先を決めろと言っていたし、買い物をす
るときも、安いと言うことを最優先にして買い物に行った。しかし、その会社が法律すら
守っていない、障害者の法廷雇用しか守っていない、次の日に新聞にリストラをやりまく
っていると言う記事が載っている。そんな会社に愛する息子や娘を就職すべきだと。ある
いは、リストラなんて企業として許し難きことをやっている会社の商品を、あたかも応援
するように買い物に行っていた自分たちの姿が恥ずかしい。正しいことをしている会社で
買い物をすることを決意しました。どういう会社に子供たち、孫たちが就職することが、
この子達の幸せにとっていいのか、この本に書いてあることを子供たち孫たちに伝え続け
ます。
なぜ、多くの人が行動を起こしてくれたか。
本の中に載せてある会社があまりにも見事。社会性と経済性が両立している。この国が大
切にしなければいけない、残さなければいけない、潰してなるものかと思うような会社ば
かりだったのです。私たちが逃げている。
目をそらしていることを真正面から受け止めて、
世のため人のために尽力している会社を私が、載せたという事がおそらく半分以上だと思
います。
半分はその事例の話ではなくて、私がもう一度問うたのです。経営とはどういうことか?
このことに対して、多くの経営者とか、学生とかが、あまりにもこれまでの経営学と違う
経営学を展開しましたから、はっと驚いて、行動を起こしてくれたようです。それが、自
分たちの経営の考えた進め方は間違っていましたと、その言葉に要約されるのです。
企業経営とは5人に対する使命と責任を果たすための活動のことを言うと書きました。会
社とは、その場所のことを言う。これは私が6千数百社以上の会社を回り、現地研究した
結論だった。使命と責任を一言で言うと幸せを追求する。幸せを実現するということです。
企業経営とは5人の幸せを実現するための活動。
会社とは、その場所のことを言う。5人の幸せを言うのは、おそらくどんどん進化するだ
ろうから、おそらく永遠にかかると思います。あえていうと、企業経営とは5人の永遠の
幸せを実現するための活動、追求するための活動と言っても過言ではないと言います。使
命と責任とは、
幸せを実現してあげることです。
決して業績を高めることではありません。
1番にすることでもありません。成長発展させることでもありません。ましてや、ライバ
ル企業を殺してしまうような活動でもありません。私たちの使命目的は、会社に関わりの
あるすべての人々、特に大切な5人の人々の永遠の幸せの実現のお手伝いをする。その追
求をする。これが企業経営の極意だと思います。業績は結果現象です。成長発展も結果現
象です。ライバル企業と勝った負けたも、結果現象です。
結果現象を追い求めた経営をしてはだめなんです。
私たちの経営の目的は、5人を幸せにすることです。5人の方がみんな幸せと感じた企業
体は、業績は間違いなく高まると思います。高まらないはずがない。5人の方がいずれも
不幸と感じた組織体は、間違いなく赤字になると思います。赤字が長く続けば、間違いな
くその会社は、廃業倒産すると思います。
・使命と責任、幸せ
半分の方が、幸せと感じて、半分の方が不幸と感じた組織体はおそらく、利益率が0倍だ
と思います。5人の方が幸せと感じたレベルによって業績は変動するのです。業績を追い
求めると、不幸になる人が出てきます。しかし、幸せを求めれば不幸になる人はありませ
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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ん。
経営者は、この経営の考え方、進め方が、5人の永遠の幸せの実現に至って、寄与するか
しないかで判断をする必要があります。
企業経営というのは、5人の永遠の幸せの実現を実現するための活動だと言いました。5
人とは誰か。これまでの経営学でステークホルダーとか、利害関係者と言われた方々です。
今日のテーマの経済性と社会性に関すること。
企業経営というのは、一番大事なのは社員とその社員を支えているその家族だと書きまし
た。企業経営とは社員とその家族の永遠の幸せを実現するための活動のことをいう。もっ
とはっきり言えば、社員とその家族を幸せにするということが、経営の中の最高使命であ
ると書きました。
お客さんより社員の方が大事だという理由は、たくさんあります。
ひとつの理由。自分が所属する組織に不平不満不信感を持った社員が、お客様に身体から
湧き出るような親切丁寧なサービスなんてできるはずがないと思います。自分が所属する
組織の上司に恨みを持っているような、まるで虫けらのように扱っている上司がいてその
上司の業績を高めるような行動をしないと思います。まともなことはしないと思います。
所属する組織に感動したことのない社員が赤の他人に感動を提供することなどできないと
思います。お客さんを満足させるのは、作り手なのです。売り手なのです。つまり社員な
のです。お客さんがいなくてもいいのです。お客さんを作るのは社員だから。
私が今日持っている名刺は1枚40円の名刺を使っています。大学に頼めば無料ですが、
社会性と経済性を両立させている会社があるから私たちが出来ることは、私が紹介するこ
と、本で紹介すること、講演でお話すること、自分自身がその消費者になること、経済性
と社会性を両立させた会社を増やす方法は、難しくありませんから。
1枚40円、50円の名刺を使っているというのは、この会社の参加者になることによっ
て支援をしているのです。
「私たちが、出来ない、やれない、正しいことをしている人々がいるならば、私たちがす
るべきことは、その人を支援することだその人に降りかかってくる火の粉を払ってあげる
ことだ。私たちは、決して傍観者であってはならない。」
一番大事なのは、社員とその家族です。
現実にやっていることは、ひどいことをやっている会社が多すぎる。不況になるとリスト
ラするから。不況をもたらしたのは経営者なのです。社員は右に行けと言ったからやった
だけなのです。ある池に行って魚を釣って来いと言ったから、釣竿を持って池に行ったの
です。あきらかに経営者の失態で、それが実は池でなかったのです。昨日たまたま降った
水たまりだったのです。社員の問題一切ないのです。多くの場合はリストラと言うと社長
さん、専務さん、常務さんはそのまま残るのです。罪のない社員が、しかも60だとか、
パートさんだとか、派遣社員だとか、嘱託社員、何ら罪がありません。その方々が生贄に
なるのです。私はそんな会社の商品を買うことができません。教育にもならないから。悪
いことをした方が得だということを、学生たちの教えているような姿勢だから。間違って
いると思います。リストラをしなくても済む方法は、山ほどあるのです。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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2番目に大切なのはなにか、社外社員とその家族です。
パートさんも、60歳以上の嘱託社員さんも一番大事なのです。正社員と同じなのです。
会社の勝手の都合で非正規社員にしただけだから、正規社員になりたい人が非正規社員の
場合に、私はそういう業界になったことがないから経験がありませんけども、もしなった
ら正直言って後ろ髪を引かれてまともにその会社のために尽力できないでしょうね。不安
におののくから。失敗がゆるされないから、小さな仕事しかできないでしょう。改善提案
なんか出来ないでしょうね。上司の顔を見ながら判断するでしょうね。私ですら。非正規
社員と言うのは、一番最初に言った社員とその家族の中に入っているんです。ということ
は、社員とその家族というのは誰のことをいっているのか。わかりやすく言うと、下請け
企業で働く社員のことなのです。そのまた家族のことなのです。この方々は私は、お客様
より大事な人だと思います。なぜなら、この方々が存在しなければ、裏方の仕事をなかな
かできないし、出来なければ商品化出来ないし、商品化出来なければお客様を満足させる
ことが出来ないわけだから。
有効供給が無ければ、有効需要は存在しないのだから。有効需要の不足が不況をもたらす
とは、嘘ばっかりです。有効供給の不足が不況をもたらすのです。喉から手が出るほど欲
しいような商品とサービスが少なすぎる結果現象として不況になるのです。それをやって
らっしゃる会社は、永遠に好況なのです。
私が今までに回った6500社の中で一番すごい会社を紹介します。
北海道です。54年連続増収増益です。その次に凄い会社。48年連続増収増益、且売上
高経常利益率10パーセント以上という会社があります。
その次に凄い会社、過去40年間売上高経常利益率が25パーセント以下に一度もなった
ことが無いという会社があります。
今言った会社に共通しているのは、さっき私が言ったような、社員を大切にする、喉から
手が出るほど欲しいような商品ないしサービスを提供している。
はっきりしているのです。
彼らは、決して好況不況なんて関係ないと言うのです。なぜならば景気は作るものであっ
て与えられるものではないと言っているのです。
しかし、現実はどうですか。下請けさんに対する圧は実に強いですね。いま日本の製造業、
下請け企業の75パーセントが決算書が赤字なのです。赤字の会社に2ケタのコストダウ
ンをしろと言うことは、言葉では言いませんけど、死ねと言っているようなものです。
こんな経営が正しいのだろうか。正しいと思う人は一人もいないと思います。自然と思う
人はいないと思います。私は、正しいか正しくないか、自然か不自然かでしか物差しは無
い。コストダウンが駄目だと言っているのではないのです。一方的に2ケタのコストダウ
ンをして有無を言わせずという会社が多い訳です。無理難題です。間違っています。私は、
そんな会社の商品は買いません。
それしか反旗を翻す方法が無いからです。
3番目は顧客、お客様。
実は3番なのです。お客様が大事だということは百も承知しているのです。だから、社員
と下請けさんが大事なのです。つまり、ES無くして、CSなんてあるはずがないからで
す。CSが大事だからこそESはもっと大事なのです。お客さんを無視しているのではな
いのです。お客様が大事だからこそお客様に感動を提供する、商品を提供するその社員は
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もっと大事だということです。
しかし、現実は嘘満杯のことを部下にやらしている会社が多すぎます。
今日のような勉強会に集まる会社関係者は勉強しなくていいような方がまたこうして勉強
に来るから、余計に差が付いてしまうという。チャンスを与えて勉強にも出てこない方が、
困った、困ったと言って何かを言わんと私は思います。
現実は悪平等の施策が多い訳です。
3つ目の顧客のところで一つだけ言います。お客さん、こんなことをしないように気をつ
けていただきたいという意味でエピソードを一つだけ。
私の周りにあった話です。35歳くらいの若者です。ある機械メーカーに勤めていて、セ
ールスエンジニアとして頑張っている男の話です。彼が担当している商品は、工場の中で
使う機械、A、B、Cという3つのタイプです。Aの商品が最もこの会社に利益をもたら
します。Bがその次、Cはついでの商品で売ったところでほとんど会社に利益をもたらさ
ないという商品です。正直会社にするとあまり売りたくない商品です。Aが一番利益率が
高いのです。営業マンですから全員が、くだらない成果主義です。くだらないと言いまし
た。営業マンですから全員が成果主義です。ということは、Cと言う商品を売ったところ
でボーナスはありません。Aを売りまくらない限りは彼にはボーナスはありません。その
彼が私にこう言ったのです。先生、十数年勤めたけども、もう疲れました。辞めます。今
の会社を辞めても、先生が開いている会のメンバーになることが出来ますか。こう言った
のです。ああなるとも、私はあなたが大切だから、こう私は言ったのですけど。疲れたか
ら辞めるというのです。まだ、34、5歳なのです。疲れるはずがないじゃないですか。
違うのです。疲れた意味が。
嘘を言うことに疲れ果てました。と言ったのです。彼がこう言ったのです。工場によって
は、AよりはB、BよりはCの方が都合がいい。会社がやっている商品とか、レイアウト
とか、作業者など、その方々から見てCを紹介してあげた方が資金繰りだとか、自己資本
だとか、そんなことを見た場合、総合的に見てCの方がいいのじゃないかという場面がい
っぱいありました。ときどき、わが社のA、B、Cじゃなくて、ライバル企業が作ってい
る、DとかEという商品の方がお客さまにとって幸せになるのではないかと思う場面も、
正直何回かありました。しかし、Cという商品をもとより、ライバル企業のD、Eという
カタログを鞄の中に入っているけど、一回も鞄から出したことがありませんでした。そし
て、なんだかんだ言ってもAが良いと、決め付けたように売りまくってきました。
その結果私は、トップセールスマンになりました。この十数年間毎年、毎年商談が決まっ
た帰りの道すがら、胸を締め付けられました。また、今日も嘘を言ってしまった。苦しく
て、苦しくて、この苦しみが十数年続いた。嘘を言うことに疲れ果てた。それで辞めると
言ったのです。
彼に間違ったことをせよと言った会社の方が、遥かにおかしいじゃないですか。変わるべ
きは彼じゃない、会社です。彼がまだ若いころ、彼にこういう言葉をプレゼントしたこと
があります。お客様との良い関係性を長続きさせたいならば、どんな時でも、どんな場面
でも、お客さまにとって一番いいことをして差し上げなさい。決して、会社の都合、己の
都合を優先させてはいけない。お客様との良い関係を長続きさせる方法は、それしかない
ぞ。お客様との良い関係性を長続きさせたければどんな時でも、どんな場面でもお客さま
にとって一番いいことを、お客様が一番幸せになることを提案しなさい。けっして、会社
の都合、己の都合を優先させてはならない。こう彼には、若かりし頃耳にたこができるほ
ど教えていましたから、かえってその言葉が苦しめたかもしれません。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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正しいものが生き残る。幸せになる。これが自然だと思います。
地域社会、地域住民を幸せにするということも、企業の4番目の使命です。社員とその家
族、社外社員とその家族、顧客、4人目が地域住民、地域社会なのです。地域住民、地域
社会に対して、手を差し伸べる、心を馳せる。というのが強者としての企業市民としての
当たり前のことだと思います。地域住民といった意味は、わが社の周辺に住んでいる人と
言った意味ではありません。地球上に住む人々です。しかも、困っている人々です。助け
を求めている人々です。
最後が株主です。
どうでもいい存在ですから解説する必要がないと思います。株主の満足は思考すべきじゃ
ありません。思考すべきは、上の4人です。以上が、お手元のレジメの1番から5番まで
です。
社会性と経済性が両立した会社こそ、私は「日本でいちばん大切にしたい会社」と定義し
ています。障害のある方とか、高齢者の方を弱者というのは好きではありません。私たち
も、出来ることと出来ないことがある。それは個性と言いますから、個性と呼びたいのだ
けど、現実は個性と呼ぶほど生易しい状況ではないのです。私は、現場にいるからよくわ
かります。私も障害者雇用を推進するNPO法人を立ち上げてその理事長をやっているか
ら、よくわかるのです。
お手元に書いてある(1)から(10)の会社が私が色々な本に載せた会社なのです。
・伊奈食品工業
私がこの会社を発見したのは20数年前です。驚きました。私が学者として言っているこ
とが、この会社がやっていたのではないかと見て驚いたことがありました。この会社は5
3年間、リストラはしたことがありません。もっといいますと、結婚退社とか、定年退社
という以外でこの会社がくだらんと言ってよその会社に転職した人は、実質53年間ゼロ
だそうです。離職率の高い会社は問題が多すぎます。伊奈食品さんは、辞めた人がいない
のです。リストラをしたことが無いのです。今のが社員に対する幸せです。下請けさんに
対する幸せ、過去53、4年間操業して、下請けさんに対してコストダウンしたことは一
度もありません。流れている仕事を相見積もりを取ったことが一度もありません。という
ことは下請けさんを変えた歴史がありません。下請けさんから上がってくる見積書の欄に
遠慮しいしい、利益の欄を0と書いた場合にはこの会社が書き直せさせます。この会社は
下請けさんを一切いじめません。変えません。コストダウンしません。お客様も同じです。
この会社は48年連続増収増益の会社です。5人がみな幸せな会社なのです。
・未来工業
この会社は創業したのが昭和40年です。今年で45年目です。45年間一度も赤字にな
ったことはありません。好況不況関係ないのです。社員が次から次に新商品を出すのです。
世の中があっと驚くような。この会社が1年間に出す新商品は、改善を含めるとおよそ1
000だそうです。1年間に新商品を1000出すのです。なぜか?社会性と経済性が両
立しているからです。人を大切にするからです。地域住民も、下請けさんも、社員も、お
客さんも大切にするからです。
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社員の方が、朝8時から5時までの仕事は大変だ。特に女性の社員が朝8時、夕方の5時
が一人3役をやらなければいけない。大変だ。頑張るから時間を調整してくれと、嘆願を
したそうです。その結果、なるほどと思った経営陣は8時のスタートを8時半、5時の終
業を4時45分にしました。生産性は全く下がらないどころが、上がりました。この会社
は残業は0です。サービス残業を含めて残業は0です。残業は禁止といいましたけど、こ
っそりやる人がいました。残業手当を出しませんから、別にサービス残業、こっそりです。
しかし、それも止めさせるために残業禁止から、1歩前進させて残業罰金と言う制度を作
りました。
会社が持っている1時間のコストを科すといったのです。そんなことまでして、
残業する人はいませんから、結果として残業する人は一人もいなくなりました。この会社
の休みはどれくらいか。今年のカレンダーで計算したら、143日ありました。その他に
年次有給休暇は完全取得です。その他に5年に1回1週間海外旅行を全額会社負担で数億
円かけてやると言う会社です。それどころか、地域住民およびして、地域の人がロシアに
行かなければ、上海に行かなければ見れないような大きなイベントを会社が無料で地域住
民を招待したり、困っている人を招待してやっているという会社です。
まさに今日のテーマそのものです。私は当然だと思います。こういう会社が伸びることが
正しい世の中だと思います。
・富士メガネ
場所は北海道の札幌です。普通のめがね屋さんです。違うのは。全国チェーン展開をして
いないというだけです。ほとんど北海道のお店が90%です。本州に一部ありますけど、
眼鏡を仕入れてきて売ると言うそれだけです。差別化が非常に難しいと思います。製造業
はものつくりで差別化をすればいいのだけど、サービスの場合は、小売業の場合は、どこ
でも売っているのだから二つしかないでしょうね。一つはサービスの差別化です。もうひ
とつは社風の企業文化の差別化です。この二つの差別化を抜きん出てやっている会社です。
地域住民を幸せにする。困っている人を助けてあげる。これは強者である企業使命である
といいました。このことをやっているのです。山ほどやっているのです。世界には内戦で
住んでいるところを追われて難民と言う形で、暮らしている方が多くいらっしゃいます。
眼鏡を買うなんて夢のまた夢です。その方々を見て見ぬ振りをできないと言って立ち上が
ったのがこの会社です。30年前から世界の難民のいらっしゃる地域に、検眼器とレンズ
とフレームと修理機械を持って、社員が交代で出かけていって、その人に合う眼鏡をその
場で作ってあげてプレゼントすると言うことを、やり続けてこの間12万人の方の目を救
ったと言う会社です。他にも中国残留日本人孤児に肉親探しに来たときに眼鏡を約800
人の方にプレゼントしている会社です。全社員が入ったボランティア組織視援隊というボ
ランティア組織を作って交代でいろいろなところに行って支援をする。自腹を切って、有
休を使って行くと言うのです。お店に入っただけで心を癒されました。
私たちがすることはなんですか?私はこの会社を知ってから、私がはめている眼鏡はすべ
てこの会社の眼鏡にしました。黙っていられないから。生活者になることによって、消費
者になることによってこの会社を支援しようと。私はこの会社に、私の大学院生かれこれ
5、
60人連れて行きました。
眼鏡を必要とするほぼ全員がここで眼鏡を買い替えました。
この会社の存在を知り、その話を聞いたとき行動を起こすのです。この国を変えることが
できるのはもう少しと言う感じがします。
・柏屋
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福島県郡山、お菓子屋さんです。この会社は一ヶ月に1回だけ朝茶会という茶会を開催し
ています。朝の6時から8時まで作りたての薄皮饅頭を地域住民、一見客に好きなだけ食
べてもらおうと言うイベントを何十年間続けているのです。そこに参加される方は地域に
住んでいる方で、子供さんとか、おじいさんとか、おばあさんとか、特に独居老人の人が
多いです。テレビしか会話相手が無い方です。ここに来る最大の目的を腰の曲がったおじ
いさん、おばあさんに聞きました。お菓子がたらふく食べられるからなどと、誰一人言い
ませんでした。ここなら、私の話を聞いてくれるから、ここなら話ができるからと言って
くれました。そんなこともやり続けている会社です。もうひとつ言うと、心根の優しい子
供たちを作るために小学生に詩を書かせているのです。
●事例発表
徳武産業株式会社
代表取締役社長
十河氏
我が社は先代の社長,私の女房の父親が,昭和32年,ですから,もう今52年になりま
す。私が26年,先代社長が20年,ちょうど半分,半分のものです。香川県ですので,
手袋でスタートし,そしてスリッパ,ルームシューズへと転換していきまして,転換とい
う中で,手袋からテーマなので,ずいぶん距離があるのですけども,その時,その時の決
断というのは大変なものがありました。
そんな中であゆみシューズと出会うわけです。きっかけは,平成7年に私は赤字決算をし
てしまいました。OEMビジネスというものをやっていた結果だとは思うのですけども,
大手のツアー会社とビジネスをやっていたときにたまたま私たちの提案するもの,そして,
今まで担当していた人が変わったことによっての行き違いもあったのでしょうけども,3
回ぐらい出したカタログがうまくいかずに,約30パーセントぐらいの売り上げを落とし,
そして,2億7千万ぐらいの売り上げの中で,1千5百ぐらいというとても大きい赤字を
出すことになり,そしてその時に若手の社員がボーナスが少ない,寸志しか出せない,昇
給ストップというとてもきびしいもので,そして夢を失った若者たちが次々と去るという
とても辛い思いをしました。私はほんとに経営者として失格だな,ということをほんとに
痛切に思ってました。
苦しみにのたうちまわっている時に私の友人である老人経営者が,うちの入居しているお
年寄りがどんどん転ぶのだ,転倒するのだ,転倒したら重大な事故にかかわってくるとい
うようなことで,どうも靴が問題らしいので何とかしてもらいたいのだ。そして,入居し
ているお年寄りは,やっぱり軽くしてくれ,カラフルにして欲しい,もちろん転倒を防止
して欲しい。そして安くして欲しいっていう要望をいただきまして,挑戦に決意しました。
約2年間かかりましたけども,とてもしんどいものでしたけれども,私は高齢者市場への
挑戦を決めまして,約2年間500名余りの方にインタビューをし,そしてモニターにな
っていただきながら開発をし,平成7年5月にスタートいたしました。
高齢者市場に参入する時に,業界の常識に挑戦しました。それは,右と左サイズ違いに挑
戦しました。靴の業界,何万社という靴の業界,百年近い歴史の中で,誰をもやらなかっ
たことに挑戦しました。
→片一方,右が23センチ左が24センチの方が腫れてます,むくんでます,変形してま
す,その人がおんなじ靴を履かないかん辛さ。2足買って片一方を捨てるというもったい
なさ。それを考えた時に23センチの左と24センチの右を販売しようや,それもおんな
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じ値段。そんな非常識でした。そして,今まで詰め物をしたり,靴下を重ね履してた人た
ちに,涙を流して喜んでいただきました。
もう少し突っ込んだ考えを実行しました。それは片足販売です。
→お客様からすごい喜んでいただきました。何よりも3回も4回も片足だけ換えることに
よって,片一方の健常の足は傷んでないわけですから,そして,お客様にとっては,もの
すごい利便性が高まっています。
とても喜んでいただいたのがもう一つあります。それは真心はがきです。真心はがきは,
私たちの商品に,1足1足に,すべての思いを込めて,私たちが,一針一針皆さんの歩行
をお助けしたくて,この靴を作らせていただきました。いつまでもいつまでも大切に使っ
て下さい。きっと靴はお役に立ちたがっていますよっていうことを書き続けました。
→お客様からとても喜んで,ありがとう,ありがとうというはがきをいただきます。社長
宛でなくうちの社員宛てです。製造の人間,受注の人間,それぞれが手書きで,大して上
手でない,でもいっぱい心のこもった商品を販売させていただいた中に真心はがきという
ものを存在させていきました。そして,私たちは直接,お客様の最終のユーザーの意見を
聞きたくて,問屋さんとか小売屋さんにお願いしてるものを直接聞きたいということで,
アンケートはがきを商品の中に入れさせていただきました。ぽつぽつぽつぽつと返るよう
になってきました。すごい意見がありました。お褒めをいただきました。そして厳しい意
見もいただきました。ああして欲しい,こうして欲しいという新たなニーズもいただきま
した。
アンケートはがきの回収率が4パーセント,5パーセントというとてつもない数字になっ
て,私は,アンケートはがきをいただいた方に2年間お送りしてます。こんな礼状が返っ
てきます。
「今年,誕生日プレゼントいただきましたけども,主人は去年までとっても元気
だったのですけども,今年の誕生日を迎えるまでなく亡くなりました。ずーとあゆみさん
を愛用してました。だから棺に入れました。今はきっと,天国でこの靴を愛用して歩いて
るでしょうね。
」私たちは,人生最後の靴を提供したというとても大きい責任をいただいて
おります。多くの方から礼状をいただく,とてもメーカー冥利の仕事をさせていただいて
おります。
地域の人たちの会社の存在として,社員の車が50台ぐらいありますけれども,50台の
車が短時間で出社してきます。多少の建物がある関係で,日当たりが田んぼに悪くなりま
す。日陰にしてます。そんなご迷惑の中で駐車場の車がすべて田んぼの方へ向いて停めさ
せていただいております。
そして近隣の毎日接する道路を掃除させていただき,老人施設であったり,近所の集会場
であるところを毎月毎月ささやかですけども掃除をさせていただいております。
→企業とはいえ地域に愛されないといけない。地域から邪魔になるような企業ではダメだ
と思うし,色んな周りの中でお返しをしたい。いい事をしたい。気持ちのいい事をささや
かでもしたい。
私たちの靴が単なる靴でなく,単なる物でない,とてもお役に立ちたいという有機質な物
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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にしたいということでやった結果,ピンクの靴の物語ということを少しお話したい。
千葉県の施設から猛烈なクレームがありました。
「徳武産業は歩けもしない人に靴を売るの
か。
」というクレームでした。
3年間も歩いてないおばあさん、90過ぎのおばあさんに靴が届いてました。でも調べま
したら、やっぱりそのおばあさんが「どうしてもあのピンクの靴を欲しいのだ。」というこ
とでした。
施設の方が確認して、本人確認したらやっぱり本人の意思だったよということだったので
少し安心したのですけども、そのおばあさんが、なんと数ヵ月後に歩き始めたのです。
施設の方から「是非見に来て下さい。私たちは感動しています。ピンクの靴は凄いね。お
ばあさんは毎日毎日天国へ行く前に自分の足で歩いた。桜の時期に自分の足で窓辺へ行っ
て桜を見たい。そしてトイレも行きたい自分の足で。というすごい思いを神様にお願いし
たのだ。毎日神様にお願いしたら神様はいたのだね。ちゃんと届けてくれてこんなにも自
分の足で歩ける素敵さをくれたよ。
」と言ってくれました。
→あゆみシューズは単なる靴じゃなくその人の人生を、その人の最後の夢を叶えるとても
とても大事なパートナーとしての役に立ってくれたと思いました。
わが社には何千通という宝物があります。お客様からいただいた礼状です。礼状に支えら
れながら毎日毎日頑張らせていただいております。
平成7年にあゆみシューズ200万でスタートしたのですけども、22年7月決算で13
億8000万というずっと2桁成長をさせていただいております。利益の方も平成7年-
1500万という赤字から、おかげ様で8%、1億を超える経常利益をいただくようにな
りました。
→一つ一つの流れの中で当社の社員、素晴らしい仲間たちがやってくれたもの、そして私
を常に支えていただいている先代社長との二人三脚だと思っております。本当に感謝の毎
日です。
スバル株式会社
代表取締役
宇高氏
当社が所在します愛媛県四国中央市は,典型的な紙どころの産地です。ご存知だと思いま
すけども、当市の紙の生産高は現在日本でトップです。年間5500億を越しています。
非常に地域力の強い地域です。従って、非常に不況に強いという典型的な地場産業の集積
地です。そういう地域の背景の中から当社が生まれました。
昭和45年に旧通産省で中小企業の構造改善法案が施行された。全国の紙業界で第一号、
ヘルパック協同組合を設立してその適用を受けました。
→古紙,紙くずからパルプを作る,ティッシュペーパー,トイレットペーパーを作る原料
部分の共用化をしようというもの。
世界でトップに行く設備を作り、現在この企業が愛媛の家庭紙を支えているという状況。
協同組合のメンバーが13名いました。1988年頃だったでしょうか。地域が非常に高
齢化が進んでくる。もう5年後には愛媛の超高齢化時代がやってくるだろうという,非常
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に少子というより高齢化の時代の恐怖が業界にありました。定年退職された方々が、職を
求めてうろうろしているという大変な状況があった。その時期に私が通産省の方に提案し
た。
「そろそろ家庭紙を越えて,地域に貢献できる一つの企業部隊を作ろうではないか。
」
地域に貢献できる企業ということになると、これからの時代、やはり高齢者が働けるステ
ージを作っていくということが必要ではないか?
通産省全員の方が「じゃあ思うようにやってみろ」という協力の言葉を頂きました、それ
からこの企業の構築に取りかかったわけです。
それは私の人生の最後の日をという形で取り組んでまいりました。従って、普通、経営理
念というのはありますけども、この会社は,地域に高齢者が働ける職場を提供するのだと
いう明解な方針を持って臨んでまいりました。従って、これからお話申し上げる会社の経
営内容につきましても、この原点から一切外れることなく遂行してきたということです。
社名をどうするか?
→法人出資が6社だったので星座のスバル。スバルというのは、まとまるとか統一すると
か意味があるわけですけども、まとまっていこうという念願で「スバル株式会社」という
社名にした。
企業の形態
→高齢者の専用事業者であるべきだという基本ですね。高齢者の専用事業者と申しまして
も高齢者が100%では会社が成り立たない。やはりスタッフ30%ぐらいは補助のスタ
ッフも要ります。そういう構成で私の基本方針は,全従業員の65%を切らさんように高
齢者雇用を続行していくということを基本において、高齢者専用事業所にする事に決定し
た。
職種
→紙加工で何万種類かある紙の何を作っていく。半年間くらいマーケティングをやったり,
将来性も検討して苦労しました。
選択の3つの基本
・高齢者が作業するわけですから軽作業でなくてはならない
・付加価値の高いもの。自分で稼いで自分で食っていく。やはり収益性のある付加価値の
高い商品を選ぼう。
・認知商品であるけれども,将来需要の伸びるもの
結果、お茶の葉っぱを入れてきゅうすに入れて飲むお茶パック、水洗便所の便器に乗っけ
て使う便座シート、こんな組み合わせになりました。高齢者ですから軽作業でなくてはな
らない。認知商品でも将来、需要の伸びるもの、付加価値の高いもの。この3つの条件を
目指した物が、この2品種に絞られた。
ここでスタートということになったが、
それに加えて同時に21世紀に向かっての企業は,
やはり環境対応型の商品を持たなくては生き残れないという観点から,1品種5種パック
の中で現在も伸びておりますけれども、
環境対応型の商品を同時に開発してまいりました。
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この3つが現在のわが社の柱でございます。
経営理念
→相手に対する思いやり、相手の立場になって物を考える。
加えて能率第二主義というような物を提案しながらこの相手に対する思いやりというもの
を徹底して情熱を燃やした。何か社内で事件がありますとすぐに私はこの原点に返ること
にしています。経営上の問題、業務管理の問題全てです。やはりトップに立つ者は1つの
そういうターゲットに対して情熱を燃やすと。徹底するという事が経営の担い手だろうと
考えております。そこで私は、特に重視しておりますのが人間尊重の経営をやりたいと。
いわゆる、もう一つ私なりに言葉を変えて言うのですけども人のいる経営,そういうもの
を徹底していきたい。日本の今の国内の企業というのは、すぐにリストラ合理化、利益を
求めて走ってしまう。人間はいないですね,企業の中に。私は、これは徹底して人間尊重、
人のいる経営をやりたいということに現在も徹底しております。
能率第二主義という言葉なのですけども、私は今の構造シーンを実行する為に能率が落ち
るという事は結構だよということで、この構造シーンを徹底するについてのいわゆる能率
第二主義ある意味では、ずるい言い方かもしれません。
・社内行事は徹底して全員参加
・情熱と継続というのは経営の要素という考え方で実施
・残業ゼロを徹底
・リフレッシュ休暇
一番大切にしておりますのは、従業員との対話の時間を出来るだけ多く持つこと。
小さい企業ですから全体会議をして私も出席して直接色んな声を聞くのは当然ですけども、
それとは別途に例えば、お昼に給食の時間ですね、これは給食センターで給食を受けなが
ら、半額は当社,会社で負担します。その代わりに帰って食事をする人がほとんど無くな
りました。全部一緒になって食堂で食事をする。そこへ私も入っていきます。その時には
決して仕事の事、堅い事は一切いたしません。世間話とか、そういう地域社会の上で情報
を提供するというようなことを主体にしての本心を深めるということでコミュニケーショ
ンを高めております。
原点は人間のいる人間尊重の経営ということと今、経済性との整合性と申されましたけど
も、やはり利益を第一主義に追求する方がいいのか。社員の豊かさを確保していくのがい
いのか、私の経験では利益追求だけに入っていきますと、今の時代やはり原価が入ってい
くということでございますので、やはり人間ありきの経営が肝要かなぁと。将来、私もこ
のように高齢者でございますけども人生最後を夢のあるこういう風な企業経営に仕上げて
いきたい。
やってる形は本当に点でございます。ねがわくば、点から線に。線から面に広がっていく
事を私は切望します。高齢者雇用と言って当社が全部の高齢者を雇用するわけにいかん訳
です。やはり、我々の役目は先段でも誰か発言がありましたけれども、やはりその企業が
そこに存在する事自身が社会の貢献だということだと思います。企業が行う行動でなくて
企業の存在が地域社会に貢献できるのだという考え方を取っていきたいと。それと誓盟を
つけて、こういう企業を作ったわけですから、我々の跡を継ぐ。作っていただいて点から
線、線から面へと広がっていってこの地方の発展に寄与出来たら私の一生をかけた念願。
私は若い時から事業経営に入ってます。地域を愛してます。紙を愛してます。その中でや
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はりこういうことを若い経営者によく言ってるんですけども明治、大正生まれの経営者が
我々の地域の先輩方からルンルンと教えられてまいりましたけども特に地方の経営者は自
分の持ってる体力、知力、財力の10%をその地域の将来50年、100年以降の発展の
為に投資です。
「最近の経営者は自分が利益を追求するという事については非常に長けてき
ておる。だけど地域の投資には全く無関心ではないか。」というような事を若い経営者にも
複唱させていただいております。
株式会社ダックス四国
代表取締役社長
且田氏
基本的にやってる商売は皆さんよく毎日必ず使っていただけるトレー。スーパーでいった
ら、お肉入れてる、刺身入れてる、惣菜入れてる、お弁当屋いったら弁当箱、JRに乗っ
たら駅弁。それをやってる会社。年商は1300億円。
当社のトレーの特徴はそれぞれのスーパーの店頭で回収ボックスを置いておりまして,そ
れをトレーを回収してリサイクルする会社です。リサイクルというのは完全にリサイクル
でして「トレーto トレー」というトレーからトレーを作るという。材料に戻してトレーを
生産してまたトレーを売ると。その名前を「エコトレー」という名前で当社の1300億
円のうちの35%がエコトレーでシェアを占めてるということで非常に画期的なCO2削
減に向けて一生懸命やってる会社でございます。
20数年前から障害者の方々を戦力として雇用しようということで,当時はまだ雇用率で
あるとか障害者の方々を取るどうのこうのという話は無かったのですが、当社の場合は今
から24年前に千葉の方から特に知的障害者、私、知的障害者のもともと高知の方で学校
を作るという経験がありまして、そのもとでエフピコさんの方のお世話をして来たのです
が、ちなみに私エフピコの名刺持ってますけどもエフピコの社員じゃございません。プロ
パーでもないので障害者の事に関する、彼らが働くということをあちこちに広めて,出来
たらどっさりの障害者の方が働いていただきたいということで活動してきました。
平成9年に1.6%雇わなければいけないというのが1.8%法定雇用率が改正されまし
てその当時から初めて知的障害者の方がカウントされるようになりました。当社の場合は、
法定雇用率どころじゃなくて、上場会社の中では雇用率的にはナンバー1じゃなかろうか
と自負しておりまして,8.49%という雇用率を達成しております。
平成18年の12月に広島県で初めて株式会社として就労支援型事業所という福祉の働く
サービスに参入しました。やってみたら非常に面白いということで3年間弱ぐらいで、全
国8ヶ所で立ち上げてしまいました。今そこで235名もっと増えて今、250名の方が
いますけども,障害者の方々が働いてくれております。アイパックという会社作りまして
全国に8事業所、佐賀から北海道までここ3年の間で作り上げまして、この仕事をしてく
れております。エフピコはこの仕事に関しては、全て障害者の工場で作っております。そ
れから、ここに書いておるフタ、この透明のフタ,この透明のフタを作る工場を本格工場
として高知と底のトレーを作る工場を千葉に作っておりまして、そこではもう完全な本格
工場です。この建物,この会場ぐらいの機械が5台ほど並んでどんどんどんどん成型して
おりまして、そこで障害者の方が一生懸命働いてくれております。まぁ当然として当社が
上場しておりますので,全員の障害のある方が完全に正社員、短時間労働者1人もおりま
せん。全て最初から正社員雇用しておりまして、40時間制でありまして,全ての条件は
他の社員と同等な扱いをしております。
雇用率がどうのこうのじゃなく雇用する義務があるどうのこうのとか、会社のコンプライ
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アンスとかいうことで彼らを雇っておりません。全て会社に対して貢献してくれるので非
常に最低賃金少しぐらいでええ訳ですから、なおかつ助成にもということで経済的効果を
考えて彼らが一生懸命やってくれる事に非常にこの会社としてもありがたい。
ハローワークの方が「この子達は働けませんよ。」働けないのが分かってて雇うわけですか
ら「ほっといてくれ」と言うて雇うんですけどもその方でもほとんど3ヶ月もあれば十分
仕事を覚えて落ち着いて働いてくれるというような自信がございます。
要は我々、会社も社会も全て人間の集まりだという事が原則でございまして、それから全
世界で65億から人類がおりますけども、その方々が誰一人として同じ人はおらんと。全
て違うわけですから、その違う中に彼らもおって、私もおって、坂本先生もおって、スバ
ルの社長もおるわけですから障害のある方もおって当然じゃなかろうかということの発想
で考えておりますので、彼らは働いていく,仕事をする上、それから生活する上で少々の
不自由はある。その不自由さを我々、不自由がない者が手助けするのが当たり前の事じゃ
なかろうかという発想で会社を作っております。どんな方でもほとんど仕事に打ち込んで
いただけるという事で考えております。仕事というのは基本的に彼らを雇う原則は働く事
について彼らがプライドを持つという事を一番最初に考えています。
正社員だと誇りとプライドは彼らに持たす事によって本人も努力する、会社も努力する、
周りも努力することによって気がついたら、どんなに重度の精神障害 1 級の方でもきちん
と働けるようになると思う。
いかに彼らと協力をして、助け合って生産を上げていくか考えてもらいたい。普通だった
ら彼らは、出来ないからこうするのだ,じゃなくて,出来なくて当たり前だから、それを
どうすれば出来る様になるのか。技術力で出来るのであるのか、いろんな助け合いで出来
るのか。だから要は仕事が出来る人は出来ない人を助け合いましょう。という協力の精神
で品質と生産性を上げていく。それが障害者のいない会社でも同じような形で上がってき
ますので気がついたら1300億の経常利益が150から160億ぐらいですか?経常利
益を出すのですけども、そのような会社に育っておりました。
日本国内1億2000万の人口の中で,じゃあ障害者と言われる方はどれくらいおるのだ
ろう?と考えた事ございますか?国が認定しているだけで750万人弱なのです。人口の。
そのまぁ700万人としてね。お父さん、お母さん、親兄弟、おじいちゃん、おばあちゃ
ん、約6倍。という事は5000万人の方が直接障害のある方と関わってるわけです。こ
の方々を無視した商売は出来ないのです。我々商売人として。完全にユーザーなのです。
一般ユーザーと結べてる企業に関してスーパーであるとかコンビニであるとか、障害者と
いうものをのけては一切商売は考えられない。と我々は考えております。だからそれから
考えてやはり障害のある方も、きちっと働いていただきたい。ということを含めて我々は
一生懸命、障害のある方の工場を作っております。
全社員が3800人ぐらいいるのです。気がついたら1割が障害のある方、それも重度の
方。重度もダブルカウントするのですけども、それでカウントすると約700人カウント
になるわけですね。1割以上の障害者の方のいる会社が東証一部に上場して利益が150
億出すと。これどういう事なのでしょうか?と問いたいのです。障害者の方々に関して無
関心な企業は生き残れないと思ってます。彼らも働いてもらう。働いて彼らのパワーを使
って、企業もそれに乗っかって頑張ろうという事でありますので、非常にその全社員の心
の高まりが非常に素晴らしいものがあるのですね。
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当社で働いてくれてる360人近い障害者の方々が当社の残りの健常の障害者よりも当社
に対する拝謝精神が物凄いです。何故かというと彼らは勤務時間8時間、前後合わせて約
10時間、それから遊ぶにしても喧嘩するにしても旅行するにしても全部、うちのエフピ
コという会社中心に生活がまわっとる訳です。彼らが全てなのですよ。うちの会社で彼ら
は働く事が。他の健常の課長、部長、係長よりももっと拝謝精神が凄い。何が起こるかと
いうと、辞めないのですよ。辞職率が0.001以下。
「儲かるじゃなくて本業でやってるからうまくいくんであって、どうでも良いような仕事
をさせとったら彼らも面白くないし。」要は彼らの力を認めてないという事ですからね。も
っと言ったら「彼らの素晴らしい力になってきたら本業で彼らを雇用して下さい。なおか
つ、社員としての、正社員としての誇りを植え付けるような雇用を取って下さい。」と言っ
ていろんな会社、お手伝いをさせて頂いております。
パネルディスカッション
小森氏
前田さんに、今日の感想、何か話のきっかけみたいなものをいただければと思います。
前田氏
一般のビジネスの人達と話をしていると、社員の人たちは優遇をされてるような環境があ
ると甘えてしまうんじゃないかな、そうすると先の生産性などが上がっていかないんじゃ
ないかと思いました。そういった人達が進めている社員教育ってどんな風な教育をしてる
んだろうかというような形の事をもう少し話を聞かせていただけたらと思いました。もう
一つは、株主の話がありました。一般の企業だと株主の意向を損ねてしまうと自分の立場
がなくなったりすることがある。株主がいる中で、そういう活動をちゃんとやっていけれ
るという意味では株主教育がされているのかどうか。それからもう一つは地域の中で生き
ていくという意味では地域の支持を得ないといけないと、そういうことをやっていると言
うことが、事情を分かってる人はすごいことをやってるんだなと、いうことが分かると思
うんですけど、そうでない人にとってみたらですね、何かそれは普通のことでしか過ぎな
いのと、そうすると、そういう地域の人に対する教育みたいなものがされててですね、そ
の、企業の指示を受けてるような事になってるかどうかもう少しお話が聞けたらいいかな
と思いました。徳武産業はお客さんという個人を通して、地域社会と繋がっているのかな
というイメージがすごくあった。ところが、
一方でスバルとダックス四国のお二人の方は、
逆に社員という個人です。あるいはそれが、高齢者だったり、障害者。そういうのを通じ
て地域社会とつながってるのかなというようなイメージが少しありました。それで地域社
会とのつながり方って、もっと色んな対応、ありかたがあるのかなっていうふうに思うの
ですけども、そのあたりね、少し先生の何か今までのご経験何か少しこういう別のつなが
り方もあるよ。という事があったら少し教えていただければ少し、最初の切り口に出来た
らいいかなというふうに思います。
坂本氏
前田さんと案内所で四国の誇る日本で一番大切にしたい会社が今日 3 人がこの場に集まっ
たんではないかと今、この全国各地に 3 社のことを伝える責務があるし、伝えたいと考え
てるだけじゃなくて、やってる会社が現実にあるとそんなことを伝えるのが私は使命かな
とそのくらい、いい会社に今日出会えたという風に私は思ってここに来て良かったという
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思いで私はいっぱいで今、あまりにも正しいもんですから、私も前田さんと同じように正
直胸がジ~ンとなるというか目頭がっていうような事もちょっとありました。
感動するような事例ではなかったかというふうに今。今前田さんからあったことそのすべ
てお答えしますと時間が足りないから大事なことだけと思いますけども、もう私がお話す
ることに関しては、パネリストの 3 人の方が事例の中でお話をしてくれたような感じがし
てなりません。ですから、ダブるような話になりますけども、基本的にはあまりにも社員、
社員というと社員の甘えが出てきてしまうのではないかとか、あるいはその考えを甘さの
ある社員にどう浸透させるかっていうこのことが、難しんじゃないかという前田さんのご
指摘だったのですけども、あえて一言でいうと私は経営者の問題、全て経営者にあたると
私は今、今日私が取り上げた会社今日パネリトが言っていた会社の経営者としての共通項
というのが私は、リーダーシップをご自信の背中と心で示してると。おそらく社員に尊敬
されてるとあるいは社員の憧れとあるいは、社員の目標とおそらく今日詳しく言わなかっ
たんですけども、誰よりもご苦労されてると今、誰よりも苦しい、悲しいですね、涙を流
してきた人ではないかと今、でなければ出来ない経営ではなかったかと今、おそらくこん
な事まで私達、おおいに私達の家族に関して心配してくれてると思って経営やってくれる
と、こういうですね、心から感動がカウンターが私はその組織体にあるように思えてなり
ません。3社だけじゃなくて私は今日ご紹介しようと思った会社のその全てがあんまし体
系的な教育訓練をやってて、どこよりも金と時間を教育にかけてるみたいな事、もちろん
無いことありませんけども、一番大切なことは、トップ自らがご自信の背中と心でリーダ
ーシップを果たしてると、こんなことはといいますとですから、その意味では、自分達の
為にあんまりにもご苦労されてると、ということを見た社員は、甘えなんか吹っ飛んじゃ
います。こんなことはですね、私は社員、社員というと俺達は、甘えていいんじゃないか。
というようなことが出来ないというのは私は、中途半端じゃないし、ましてや口先だけで
はなくて、背中と心でですね、それを積み重ねて示してると、こんなことが全てではない
かと思います。それからもういくつかありましたけども、株主の問題、私は私の経営学の
中では、最後でいいと。もっと言うならば 5 人は一応は入れないと経営学が成り立ちませ
んから、入れましたけども経営者が念ずるべきは、私は、4 人で十分だと今、何故かとい
いますと、社員の方が満足度が高ければ、きっといい仕事をすると言います。いい仕事と
いうのはいい商品を出す、あるいはいいサービスをするとかだと言います当然経営者が下
請けさんを材料に使わなければどんな時だってとんでもない貢献を下請けさんはしてくれ
るといいます。そうしますといい商品とか、いいサービスをすればお客さんはきっと喜ん
でくれるといいます。そういう状況を見ていた地域住民の方もオラのマチの財産オラの町
のシンボルこれは、3 人の誰か言いましたけども、善のサイクルというかですね。そうい
う風に向かってると思います。さすれば当然、会社の業績が高まると今、結果として株主
も幸せになるっていうことだと今、その意味では、私は株主、株主と言わなくても結果的
に業績が高まる事が、株主の大きな願いの 1 つですから、そのことは自分達のことを念ず
るよりは他の 4 人の事を念じたほうが結果として自分達も幸せになるというですね、その
認識を持ってらっしゃる会社の事を今日、私は紹介致しましたし、今日の 3 人のパネラー
の方の会社もまさにそうなのかなあ、という感じが致します。結果として幸せになってる
と。でございます。結果として幸せになってると言うことは株主自身の満足になるとです
から、今日言った社員第一経営っていうのは株主を決して軽視したわけじゃなくて、株主
も大切にしたいからこそ、ESだとかCSを高めるという事になるのかなあと、そのこと
に気が付いてくれない、賛同してくれない株主の方は、正直言ってわが社の株主である資
格があるのかっていう事を私は問いたいし経営者自信も株主を選別というか、問うという
か、そういう時代の勝訴になるかなあといい会社は、いい株主が宿るとそんな感じがちょ
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っとしました。後 2 つほどちょっとありましたけども、お時間がかかりそうだと思います
から、またにしますから、またもし、議論があればという風に思います。
小森氏
今日はパネリストのお三方のですね、具体的なお話も聞いてですね、まさに憧れというも
のを抱いているのじゃないかなと、ここで、あー良かったというだけじゃなくて、おそら
く何か自分もやってみたいと、こんな気持ちになってらっしゃる方も多いんじゃないかと
思うんですけども、そうゆう方に向けてですね、お三方のほうからですね、例えば、こん
な苦労したけど、こう乗り越えたとか何か、ヒントになるような事が、お一人お一人もし、
語っていただけると非常に参考になるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか?
宇高氏
私の経営理念の中に4つの調和ということが、ちょっと文字に、はまってんですけど、そ
の中の 1 つに地域社会で必要として生きていける企業を作る為には、地域文化との調和と
いうことを私は大事にしてます。少し時間かかりますけど、一例を話したいと思うのです
けども、当社は 12 年ほど前に新社屋を作ったときに、土地を買い取りましたら、1 坪ほど
の地名にポチというのがございました。もちろん他にはないのですけども、墓地がござい
ました。買った地主さんもそんなん、いいですよ。と気にかけんでいいですよ。と、こう
言われたのですけども、私の気持ちは治まりませんから、屋敷の隅っこにお地蔵さんを建
たさせてもらいました。そのお地蔵さんに私は、どうしても名前を付けたいとゆうことで
段々地蔵という名前を付けました。ちょうど当社の社員が、社屋ですから、フェンスのと
ころで庭木を 1 本ずつ寄付をさせていただきたい。と言う事で全社員が 1 本ずつ庭木を、
3000 位ですけど植えてあげますわ。それに段々地蔵の名前の段々並木という並木の名前を
私自身が自分で、手作りで個人個人の人の名前も書いて並木を作りました。それは良かっ
たのですけれども、つい最近、島根のほうへ商談があって私も久しぶりにしんくじでござ
います。老舗の古い問屋さんでございます。行ったら丁度そこのお茶屋さんなのですけど
も、ボトルに段々というブランド作っておりますね。私のほうでは、段々というのは松山
地方の方はご存知ですけども、東予にかけて方言なのです。ありがとうという意味なので
すね。昔から。それを知らない若い人、たくさん今いらっしゃるのですけども、そうよ、
ありがとう。という形なものを、そういう使い方をしたのですけども、そのタレントさん
のほうは、登録商標とっといたのですね。新規取引の商談ですが、相手の社長とわたし、
その商標見た、とたんに実は、ここのは、こうなのですよ。とこの事例をお話したのです。
商取引一発なのですよね。だから地域に温存されている、そういう細かいところの地域文
化というのは歴史とかいうのは、たくさん私あると思います。そういうものを経営者は知
恵を絞って活用すること。そういう風におっしゃったのかなと、これは成功例なのですけ
ども、その地主さんは私はかえって前から商取引もスバルの場合は、6社の株主が、全部
企業ですから、企業の営業窓口を使って、営業ももっとなんですけども、スバルの商談に
つきましては、売って喜び、買って喜びゆうことを徹底しております。だから今の、近代
的な商法ですと、買った負けたしか考えられないのですけども、売って喜び、買って喜び、
ゆうこともあるのですけど。今の新社屋を建てたときに、土地を購入をさしていただいた
相手さんが本当に喜んでいただいております。良い方に買っていただいて。という感謝の
言葉を毎年聞かれます。我々のほうから毎年、我々の情報もお伝えして、お付き合いを続
けているという地域の歴史と文化ゆうものを、私は徹底して大事にしていきたいなと、そ
うゆうものがやはり、
企業の収益にも跳ね返ってくるというような信念でやっております。
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十河氏
私は会社 25 年、26 年目を迎えてるんですけども、私自身がとても掃除が好きなんですけ
ども、その時に長靴を 1 個と、それから一輪車を 1 個買いました。そして、大切に使って
るんですけども、掃除が終わって土運びとか色んな事したときに、必ず水で洗って、そし
て車輪もちゃんと洗って、そして車輪に負担かからないように立てかけてと、ゆう事をし
てます。1 回タイヤ換えましたけども未だに現役で頑張ってくれてます。ですから、物を
大切にしたい、そして物を大切にする。って言う事に対して、うちは靴を作ってるんです
けども、15 年前に、正式には 16 年前ですけども、平成 7 年に例の震災が起こりました。
阪神・淡路大震災。あの時にうちの今、靴を作ってる機械は震災にあったんですね。でも
とても助からないというような状況の中であの菅原市場から 150 メーターぐらいしか離れ
てない長田の機械屋さんから救出された機械なのですけども、その機械が来たときに私は、
神様から贈り物を頂いたと思いました。とてもじゃないけど、多分煙に巻かれたり、倒壊
したと思ってた機械がやってきてくれました。そしてその機械を、本当に高齢者・障害者
の靴は頼んだよ。ということを、私は使命として受け取りました。そして、未だにその機
械は現役として働いています。そして毎月末にささやかですけども4合瓶を差し上げて 1
ヶ月ありがとう。一生懸命、製品作ってくれてありがとう。故障もせずにありがとう。怪
我もさんにありがとう。っていうような事で、パソコンであったりと、ゆう我々のいわゆ
る物を言わない仲間をやっぱり労をねぎらうとゆう、いわゆる物を1つ1つを大切にする
っていう事が結果的には、社員を大切にするって事になろうかと思ってます。ごく最近 2
組ほど嫁さんのほうが先に来て、旦那をどうしてもいい会社なので、うちの旦那も、働か
してやってくれって言って 2 組ほど来たので、それなりにきちっと優秀な旦那さんだった
ので、採用しましたけども、嫁さんたら結構厳しいジャッジをするのに、嫁さんのほうが
先、
うちの会社に入ってて後から旦那を連れてくる。という変な格好になったのですけど、
でもやっぱり、2人とも頑張っていただいています。親子が2組います。兄弟1組います。
だからそんなので、頼りない社長を一生懸命支えていてます。そんなのを私は、年3回の
手書きのメッセージを書かせていただいています。1つは誕生日です。しっかり誉めて、
ささやかな社長からのプレゼントとしてポケットマネーからささやかなプレゼントさして
いただいております。それからボーナス2回あります。その時は半分誉めて、半分やっぱ
り、ここ直したらもっといいよ。ということをメッセージを 53 名今います。10 分ずつ書
いたら 530 分です。書けないですね。やっぱり 1,000 分位かかります。その 1000 分を心
込めて書くことによって、社員の成長を実感してます。社長はここまで見てくれてるとい
うことが私は、心に届くとても大切な、あるいは社員教育になるんでなかろうかなという
ことで、ちょっとご披露させていただきました。
且田氏
スバルの社長さん所のお茶パックですが、私の自宅もご愛用さしていただいておりまして、
うちの母がちょっと施設に入っているものですから、煎茶が好きでしてね。普通の急須で
飲むと必ずお茶っ葉が入って、喉にひっかかって咳き込んで、ひょっとしたら死ぬかも分
からんので社長の所のお茶パックが非常に良いということでご愛用さしていただいてあり
がとうございます。それプラス当社中央愛媛の中央紙のほうが四国中央市のだいこう工業
さんと取引がございまして、そこを通じて、当社モダンパックという店を高知と松山のこ
まのだににうちの会社があるんですがそこで社長の所のお茶パック販売させていただいて
いるんですが、ありがとうございます。もう少し、あそこはゲット出来てありがとうござ
いました。全然関係ない話なのですが、それと坂本先生の方で株主利益という話がござい
ましたけども、当社、障害者の方すべて社員持ち株制度に加入しておりまして、270 人ぐ
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らいが毎月社員の給料の中からうちの持ち株の株を買うていただきまして、上場してから、
18 年ぐらいになりますが、最初から 2 万円ぐらいずっと積み立てている障害者がおるので
すが、今ざっと計算してみると多分 800 万~900 万位儲かってる、しもうたなと私も思う
んですけども、私買うてないもんですから。今、どのくらいあったのかニッコニコして言
ってくれないのですね。何千株になっとると今、4500 円位はしますから、多分出した金が
50 万円位と思うのですけど、非常にすばらしいな。ということで当社としてはやっぱり利
益というものを考えていかないかん。彼らは毎月給料の 2 割買えるようになっとりまして、
2 割プラスその 1 割を奨励金として会社のほうが前払いで給料に付けとんですね。その金
額でも黙る金額なのですけども、だからうちの社員が 4000 人弱おるのですが、ほとんど
方、持ち株制度入ってくれておりますので、当社の株価を支えてる力になったらうちの従
業員であると、なおかつ株主配当がございますんで、非常に皆さんありがたいと。ほんで
一生懸命働いてくれております。それは 1 つの社員教育であろうと、私は思っております
ので、特段に障害者がどうのこうのであるとか、障害者雇用することが、どうのこうのと
か一切話しはしません。ただその工場において自分の同僚が少し遅いのだ。少しいかが低
いのだ。ということだけ理解してそれを抱え込んで仕事を一緒にするということで徐々に
彼らは障害者という意識がなくて何々君、何々さん、何々ちゃんということで一緒に仕事
してくれますので気が付いたらきちんとした生産と品質を確保してくれてると当社の工場
全国百何十箇所あるんですが、そのうちの 20 箇所が障害者の工場でなおかつ 8 割以上が
障害者で、雇用率単独で計算すると 120%から 130%の会社なんですね。その会社が当社
のほとんど 20 位以内の生産・品質と生産効率を発生している、その結果を見たときに、
非常に嬉しかったですね。そうすると今度は、障害者のおらん工場が負けてたまるかとい
うことで、挑みかかってくるということで、ものすごく栄光感で今から、10 年前からいう
たら生産効率が 35%アップしています。これものすごいことなのですね。その 3 割 5 分の
投資がしなくて済むわけですから、うちの機械 1 台 5 千万、6 千万するわけですからね、
そうするとうなずけるんですね。これでウンと社が儲かってる、今ここにあるんだという、
それがほんとにこう深く静かに先行した社員教育であって会社に対する愛社精神が、そこ
から生まれてくるんだろうと確信はしております。
小森氏
どうもありがとうございました。非常に元気になってくるような、非常にいいヒントがた
くさんあったのじゃないかと思います。今ですね会場の皆様方から色々なご感想ですとか
あるいは質問が、私の手元に寄せられておりますので、これはちょっとそれをご紹介しな
がらですね、皆さんと一緒にもう少し深めていけたらと、こういうふうに思っております。
幸せを追求するということは判断基準はどうすればいいのか、あるいはその色々モチベー
ションですね、特に逆境の中でどうやってモチベーションを保って行くのかというご質問
です。
十河氏
幸せって言うのは、私は坂本先生の本の中にあったので、やっぱり人にお役に立つ、そし
て役に立つだけでなしに、あてにされるということとは、人間にとても大事なことだと思
いますね。だから私は、企業の存在も全く同じである、だから私はワタミの会長は言われ
てますけども、
地球上で 1 番ということと同じようにやっぱり靴の業界で 1 番ありがとう。
を集める会社でありたい、それはあり続けたい。そして徳武そのもがやっぱりなくてはな
らない、小さくても小さいんですけどもやっぱり、世の中にやっぱり存在としてなくては
ならい会社を目指したい。そして、やっぱり 1 番のありがとう。を集めるような会社であ
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り続けたい。ということを目指してます。それが色んな事の靴で、その商品であったり、
それを取り巻く環境、色んなメッセージである。それから社員が色んなボランティアも含
めてやってくれてる事が、地域からであったり、お客様であったり、仕入先であったり、
いわゆる外注先であったり、その人達にやっぱり、存在として認めていただき、そして存
在そのものが、とてもホットな存在になればいいなと思いながら日々頑張ってます。
小森氏
宇高さんにご質問で今、逆境とか話をしましたけれども、ご高齢の方が多いということで
何か色々問題もちょっと各論に入ってきますけども、職場だからおこる問題というのがあ
って、それをどう乗り越えたかみたいな、もしお話が聞けたら大変参考になるというご意
見もあります。
宇高氏
創業当初まず、1 番苦労したのは賃金体系ですね。当時は9万2千円額円、月に平均あり
ますから、貰っとる年金が2割カット、11万5千円で3割カット、金銭的に働き損とこ
れは旧労働省、
厚生省と2つの官庁の流れの中で、規定がありますからどうにもならない。
どう乗り越えて行こうかと、ゆうことで随分とこれは苦労しました。ただ、出す奨励金と
はいうものは入ってきますから、そういう原資は使いながらいわゆる 2 割カットの分を半
分ぐらいを会社のほうで補てんをするとかそういう賃金面の工夫に大変苦労致しました。
それと次に苦労しましたのは、健康管理なのですよね。未だにまだ私の手元で決めてはご
ざいません。やはり健康診断とかそういう予防的な所への企業としての投資とか、意識高
揚とか出来ますけども、決定的な健康管理はないのです。ないのですけども不思議とです
ね、70歳ぐらいまでの間に疾病、極端な疾病で退職する人はいないのですよね。それと
私も近々統計を取ってみたいと思うのですけども、もう創業以来、20年、22年になる
のですけども、
退職した、リタイアした方々が80歳半ば過ぎとったと思うのですけども、
亡くなった方が確か3名か4名なんでね。非常に長寿なのですね。これは当社で働いたか
ら長寿なのか、働けるような体質だから長寿なのか、やはりそこらが非常に学説的にも、
おもしろいなあと思うのです。それと検討してみたいなと思います。
何ていっても私冒頭でお話したように、個性がそれぞれ違いますから、違う個性の方を途
中まとめていく苦労よりは、1番苦労はありましたですね。したがって高度支援というこ
とを徹底して、実践していったとゆうことです。それで、高齢者のそうゆうな、何か温か
いホンワリした施策ばっかりのように聞こえますけども、当社では、やっぱり就業規則と
か規則と、集団をまとめていく規則については別の他の企業とも負けないだけ厳しい一線
をかくしております。その厳しさということが非常に大事じゃないかと。高齢者だからこ
の辺はいいわ。とかそういうことでは許されないと思いますのでね。
小森氏
いくつか色々あるのですけども、今日は経営者の視点からと言うことでですね、色々議論
して、こういう風にあるべきじゃないか。という話をさせていただいていると思うのです
けども、とある方でですね、会社の商品は好きだと。会社は大好きなのだと、だけども経
営者となかなか合わないような、社員の視点からですね。なかなかそういう所に社員がは
いってしまったと。こういった場合にどうすればいいのかとゆう、なかなかですね。悩ま
しい思いをしてる方もいらっしゃると思うので、その辺ですね。ミスマッチみたいな話と
かですね。何かご意見等あれば聞かせていただければと思うのですけれども。特に気にな
ってるのは、経営理念を押し付けられるといいますか、社員に圧力をかけてくるような事
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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があるというのは、今日先生の話からすると、これは言語道断なのかも知れませんけれど
も、色々実際には色んなことが起こりえると思いますので、何かそうゆう中で、うまく社
員との関係を、
コミュニケーションをうまくとるとか言うご経験あればお話いただけると。
且田氏
やはり私も苦労しましたのは、社員と対話ですね、対話の密度を高めるとゆうことを一期
に尽きるのじゃないかと。だから経営者が裸なって社員の中に飛び込んでいくと今、徳武
さんもおっしゃったような、そうゆう一筆も大事でしょうし、色んな工夫をしながらです
ね、社員との対話を若年労働者と違って、やっぱり高めていくと、これが一番肝要なこと
だろうと思います。
十河氏
私はうちの社員に朝1時間くらい早く来て、いわゆる早朝手当ても出さずに地域、私も一
緒に地域で掃除をしているんですけども、その時にほんとにいわゆる理念とかいうことじ
ゃなく、それは、会社の時間ですか?あなたの時間ですか?会社の働いている時間はあな
たの時間です。だからそこで拘束されてる8時間てのは自分がないのか、あるのかによっ
てすっごく働きが違ってくると思うですね。だから自分の存在を無にして、もう奴隷のよ
うに8時間拘束されたという考え方なのか、そうじゃないのだって自分のちゃんと意思、
意思を持ってそこで働く、そこに自分の役割を見つけ、自分のやりがいを見つける。って
いう考え方ってのは、とても大事なことだと思うんですね。それでもやっぱり今、皆さん
おしゃってましたけど、やっぱり理念というのはすごく大切ですね。だからやっぱり、ど
うしてもその理念に合わなかったら去るしかないのですけども、でも考え方を変えてみる
というのはとっても大事だと私は思います。
小森氏
非常に色々対話が大事だという話も出てきたと思うのですけども、実は質問の中にですね、
後継者をどう育てていくのか?そしてまた、一生懸命育ってきた企業文化をですね。どう
伝えていくのかと、言ったところでの知恵を教えていただきたいというご質問があります
が、いかがでしょうか?一種企業文化というか、いい雰囲気といいますか、リーダーがい
て先生の言葉だと背中と心を見ているような、こういう中でですね、一種の分化、共有し
ている共通意識みたいなのが生まれているような気もするんですけども、いかがでしょう
か?
且田氏
私は 26 年経営してそして、もう今 63 歳でまさしくバトンタッチをしていく段階です。娘
が 3 人ですけども次女の旦那が、縁あってうちの会社で働いてくれてます。私は、すっご
く悩んだんですね。もう悩みきったのです。そして、その時にある先輩に相談したらこう
いわれました。お前やって出来たんやから息子やって出来るわ。もう実に簡単でした。そ
して時代は変わっとんやと。だから任したらええやないかって言うことを、もうたった一
言でした。そして、私は悩んだときに自分が、もっと若くて、自分がもっと健康であった
ら、もっとこんなことが出来るんでなかろうかな、今の売り上げ 2 倍・3 倍ってのは、そ
れほど難しく出来ない。難しくなく出来るのにな。うちの息子に託したらひょっとしたら
こけるかも分からんし、ひょっとしたらもたもたして、私がする何分の 1 しか成長させな
いかもわからないと言う事を思い、中小企業ですから、銀行に対する保障はどうしたとか
色んなことを考えました。でもその一言で吹っ切れました。ですから、任していこうと思
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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ってますし、任したらちゃんとやってくれると思います。でもその結果、色んな苦労する
と思うのですね。でも苦労するということが、やっぱり人間を成長させます。そして私は、
その企業が先ほど言われましたけども、文化であるとか倫理観であるとか地域、業界その
全てにおいて、存在というものがやっぱりきちっと教えていけば、そして少しでも根っこ
を張っておれば、根っこが深ければ、横にあれば多分企業というのは、きちっと継承して
いけるのではなかろうかなと私は、思ってます。わが社の場合は、組織の背景から見ます
と、株主全部法人でございますね。ですから後継問題については、人材多種歳々でありま
して、まず心配はしておりません。ただ社内の文化が今まで築かったものがその後、継承
されていくかどうかゆうのは、私のこれからの仕上げの見せ所とこう自覚しています。
小森氏
今日はNPOの方々もですね、多くいらっしゃってる、あるいは学生さんもいらっしゃっ
てると思うんですけども、いろんな方がいらっしゃると思うんですが、ご質問の中にです
ね。企業の方々NPOとの共同をどう考えるのか、あるいは可能性があるのかと、いうこ
とで、現在でも十分社会貢献、いろんな意味での社会貢献されてると思いますが、それに
加えて何かNPOと共同でパートナーシップで何かやってみようというお考えがあります
でしょうか。と、お三方からお聞きして前田さんからもですね。少しコメントいただきた
いと思うのですけども。
前田氏
NPO であるとか、社会福祉法人であるとかの競合がこのカタログ見ていただいたら、一
番上に地図があるのですが、その中で金沢容器リサイクルゆう所とエコステーションセミ
ーノとゆうのと、それから鳥取の方にエフアンドワイ栄港といってあるんですけども、当
社がすべて仕事と機械を投資をして、地元の県の障害福祉課及び県の NPO の精神科とタ
イアップをしまして地元の NPO 法人なり社会福祉法人なりを募集をして選定をして、仕
事をしていただいております。こうゆう事が多分この 3 件以外にも出来たら全国の 47 都
道府県全てで 1 件ずつやりたいなということが、当社のほうの方針ですので、極力その
NPO 社会福祉法人の方々とタイアップしてやろうと、それともう一つが、もう少し障害
のある方、働くということをもっと、全然関心のない若者層たちとかに一切関係のない人
達も知ってもらいたいとゆうので、それこそ、去年は東京で障害者のファッションショー
を、それこそ有名人鳩山社長も、鳩山首相も全部、まだ 1 番支持率がトップのときの話で
したので、あれですけども、色んな芸能人も含めてやって見たりとか、当たり前プロジェ
クトといって厚生労働省のなかでパソコンで大文字で当たり前と打っていただいたら、出
てくるんです。そのサイトを見ていただくと全国も 20 何箇所の障害者の働く、例えば大
山さっきの理研工業の大山さんとこであるとか、ユニクロさんであるとかうちであるとか
が、松浦亜弥であるとか、東国原さんであるとかゆうことが、訪問してその対話の状況を
ネットで流すとか、そういう活動も一緒にしておりますのでただ、
働くだけではなくって、
もっと障害者の方が、施設じゃなくって働くことに参画していこうという基本的な仕掛け
を国と含めて我々NPOと一緒にやっておりますので、極力会社としてもそれにはタイア
ップして行きたいと。当社が今、やっとるのは、多分、知的障害者の松山にも、愛媛にも
あると思うのだけど、SO スペシャルオリンピックの松山があると思うのですが、その中
のフロアホッケーという冬季オリンピックの競技を我々エフピコ全社でやっておりまして、
全国の支部と一緒になって全国大会しようと来年は山形で SO のフロアホッケーの全国大
会を当社も参加してやろうということで企業と NPO 法人それから社会福祉法人の方々と
一緒になって働くだけやなくって、彼らをもっと引っ張り出していこうという活動も、当
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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社の社長含めて、全社でやっております。だからこれらもそういう形で、活動を全国で展
開して行きたいと考えております。
宇高氏
私は、この企業を始めてもう 22 年になるのですけども 1 番やって欲しかったのは高齢者
の私のところ同じような、専用事業所というのは全国でも非常に数が少ないと。ただし、
最近は大分増えてきましたのですけども、全国的な横の連絡を取る、情報交換するとかい
うのは、組織がないのですよね。それ、今でもそうなのですけども、そういうものをぜひ、
NPO さんあたりの組織も活用しながら、作り上げていただきたい。とゆうのが願いでご
ざいますね。やはり孤独感というのですか?高齢者施設の悩みとか色々ございます。だか
らそういう方たち物を情報を発しながら、お互いに切磋琢磨できるような、全国組織が欲
しいな。というように思います。
且田氏
特別なこの団体だって言うこととないのですけどもいくつかの所へ、商品であったりとか、
多少のお金とかゆうんで協力さしていただいております。そしてまた活動があればそこへ
何人か社員、私も含めて出席して、お年寄りと一緒に遊んだりとか、子供たちとか、障害
の方とかっていうことは、積極的やらせていただいてます。そして、ようはほんとにその
笑顔、その笑顔をやっぱり頂きたい。それを頂くことによって自分たちがとても元気にな
るということなのですね。だからそれを準備するときにもワクワクするし、参加してまた
嬉しいし、後味がとてもいいという。良いことずくめみたいな気がします。だから、やっ
ぱり躊躇する企業、躊躇する人もたくさんいらっしゃると思うのだけど、やっぱし、踏み
出してみるということってのは一番大事なことだと思います。
坂本氏
私も NPO 法人立ち上げて3つほどのNPO理事長を務めてるんですけれども、いち大学
の教員て言うだけじゃなくて、やはり脳にも額にも汗をかくのが、新しいリーダーシップ
ではないかと、その腕、自ら実践しているんですけれども。いま、司会の部長のほうから
NPO と企業との関係のような話が出ましたから、一言二言ですけども。1 つ私が理事長や
ってる NPO 法人は、オール静岡ベストコミュニティというオール静岡ベストコミュニテ
ィとベストコミュニティですから、産も、官も、学もないと老若男女ないと。っていうこ
とですけども、
何やってるかといいますと、且田さんのご専門の障害者雇用を促進すると、
障害者雇用を促進すると、あるいは障害者雇用をしている会社を応援すると。やはりその
ご家族を応援すると。ということで今の所、約 100 社くらいの株式会社の社長さん方等々
が言うならば会員というか賛助会員というか、
そうゆう風になってまして情報交換だとか、
そういった会社にアドバイスに行くっていう事をちょっとやっております。NPO 法人と
会社との関わりみたいなのが 1 つと。もう1つの NPO 法人は両方とも静岡なのですけど
も、SOHO アット静岡という NPO 法人を作ってこの理事長も私やっています。これ何や
っているかというと、小学生、中学生に対しての起業家教育です。企てるほうじゃなくて、
起こすほう、起業家教育と、最近の小学校、中学校の教育ってのは、公務員になるか民間
にいくかとか、製造業に就職するか流通業に就職するかという。こういう選択肢で、経営
者になるか社員になるかという選択肢の教育が不足している結果として、この国の関与率
が下がってるわけです。何とかしなきゃいかんということで、この NPO 法人を立ち上げ
て、魚屋さんだとか、八百屋さんだとか、床屋さんだとか、コンサルタントとか、税理士
さんとか、そんな方々を数百人プールして、小学校や、中学校の求めに応じて、そこに私
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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たちは講師を派遣するというですね。ですから講師に行くのは、みな、中小企業の社長さ
んで講義を受ける方というかは、小学校・中学校の学生さんというですね、その中継ぎと
いうか、接着剤というかこれをわれわれNPO法人がやっているというですね。こんなこ
とがありますから、何か今の、部長のご質問の中でね。なんかヒントになればと。企業と
NPOとの共同をどう考えるかというところで、共同そのものをどう考えるかということ
と繋がってくると思うのですね。私は、今までの活動の中でお互いが目的を共有して、そ
の目的達成のためにお互いの得意な分野を出し合って解決に向かっていくというプロセス
がすごく大事だとは思うのですけども、今まで見てるとですね、1 つは今、言ったような
形で両方がWINWINの関係に。で共同することによって会社の利益も上がる。NPO も
目的を達成できるような関係作りというのが 1 番望ましいのかなというふうに思うのです
ね。そうすると、先ほどの十河さんの話ではないですが、墓へ靴で来る方たちに対して貢
献をする。そりゃあ今は、その個人、会社の方が思うばかりってそういうことをやってい
くということで、そういう商品開発に対して、NPO がいろんな意見を出しながら関わっ
ていくので商品開発に繋がっていく。で愛媛県だと田中産業がタオル、視覚障害者の方に
考慮して、新しいブランドを作ってタオル製品を始めているとか、いったようなケースが
あったりしますね。そういう風なお互いがWINWINになるような関係をもっていく。
というのが一つある。もう一つは、起業活動に対して NPO 法人が協力していくような、
どっちかというと企業が主体性を持ってるという形で NPO が関わっていくパターンがあ
るかな。もう一つは NPO 活動に対して起業は協力をしていく。目的を共用する場合とC
SR的にですね、NPO を応援すればいいんだというような関わり方もあるかなあと思う
んですが、そういう風な関わり方のパターンによってですね。目的どうゆう風な形が自分
達の企業で出来るのかとか、あるいは NPO でいうと NPO と自分達はどうゆう関わりが
出来るのか。というのを自分らが探しながらですね。やっていかないといけない部分があ
るのかなって、今日の色んな事例の話を聞いてて、見るとどうしても企業が主体的に動い
ている。で NPO がそれに対してどう協力するのかと、いうスタンスがすごく多い、かな
と、思うのですねところが実際、市民の生活課題というのを考えたときに、自分達が生活
してるときのこうなったらいいなとか、ここはちょっと改善したいなという課題が、皆さ
んが共有できると地域の課題が出来る。それを企業と一緒になって解決しようという動き
をですね。やっぱり、そういう意味では、こういう種とシーズはやっぱり NPO の皆さん
たくさん持たれてるんだと思うんですね。そういう風なのをうまく企業側に投げかけてい
くことによってですねそういったたくさんの、そうゆうより良い、その結果より良い社会
が生まれてくるような活動というものが、見やすいのかなと企業に、築きをこう提供する
ような場もお持ちなんだなあと、やっていけれるようなことが出来ると、より先の企業と
NPOとの共存というのは、もっともっと広がって行くんじゃないかな。という風に思う
のですね。その後は、お互いがビジネスマネージでもしながらやっていってお互い頑張っ
ていけるか。というところになるのだろうと思うのですね。ぜひ、参加の企業もですね。
今度は NPO 側からの提案を受けて動いていけるような形がですね、広がって行くと、も
っともっと地域に密着した動きが出来るんやないかなと思いながら、聞かしてもらいまし
た。
小森氏
1つは、今日大変年齢さも色々お出になりまして、学生の方ですね、さきほど愛媛大学の
方とか、いらっしゃいましたけども、ありますけども学生のほうもぜひ、多分色んなアイ
デアがあったんで彼らとしては、何か学生に向けてのメッセージが欲しいってこともある
んですが、おっしゃる通り時間もあれなんですが、多分この中でですね、かなりメッセー
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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ジが発せられてると思うので、じゃあどう受け止めるかという話になってくるのじゃない
かなと思います。それからですね。今日は大変色んな事例があったんですけども、これ坂
本先生なんですけど色々、後半になるんですが、坂本先生が心に残る謝辞、社訓とはあり
ましたら教えてください。とか、坂本先生の調査した 6500 社の中に愛媛や四国で活動し
ている企業があったら教えてください。それからですね。坂本先生にって言うわけじゃご
ざいませんが、今回製造業の方が多かったかと思うんですけども、企画、あるいは、情報
系とかで残業0は可能なのか。とかですね、そういった製造業以外の取り組みみたいなの
はあるのかと、いった質問がございますので、もしよろしければまとめて、何かあるいは
先生のご本なんかに書いてあるのならばそれを読むということにしれませんが、これは学
生ということじゃなくて一般の方からですね。
坂本氏
対戦されている、対戦する、している語録というか、格言というか。それはさっきちょっ
と言いましたけども、経営者の手帳というサブタイトルが「働く、生きる、ものさしを書
いた 100 の言葉」っていう本の中に、百箇条ほど、これは、私が作った言葉ですけども、
プロローグの所に自分自身が座右の目にしている言葉を10ばかし、書いておりますたか
らなんかその辺をご参考にしてもいいのじゃないかと。是非本屋に駆け込んで頂きたいと
いうですね。やはり感謝してますから、ちょっと紹介がてらですけども、それでご勘弁を
頂きたいという風に思います。、それから本を私 6500 社ほど回っているといいましたけど
も、今日実はスバルさんは初めてで、お二方の会社はもう回って、わたしおりません。先
日 2 週間ほど前にお伺いしたときには、
今治のタオルメーカーさんにお伺いいたしました。
そのときには今日言われた田中さんじゃなくてイチヒロさんという会社にいってあわせて
タオル美術館もちょっと見ておりました。その前の前の週に来たときには、これ松山に来
ましたけども、そのときには車椅子を作っている井浦さんという社長さんおられますけど
も、大変ご苦労されて、お父さん、お母さんを助けてあげたいって結果として作られたと
か、正直 6500 社の中で圧倒的多数じゃないですけども、少なくとも 100 社以上、いまだ
に久しくお付き合いしている会社がちょっとあります。各県にちょっとありますけども、
これまでわたし、70 冊くらい本を書いておりますし。その中で、載してる会社も結構ある
んじゃないかと、思いますから。私で検索するとおそらく何万件とか出てくるし、帰って
「本」と打てばおそらく 70 冊の中で 30 冊くらい出てくると思いますから、是非、これま
た本屋に駆け込んでいただいて、買ってヒントになるのかなというのですけども。たくさ
ん、もし私が気が付かない会社もあるでしょうから。日本には株式会社、有限会社 280 万
あって私が尋ねたことがある会社、わずか 6500 社ですから。これでも大分先生とすると
記録的ですけども、しかし 280 万の中からわずか 6500 社しか私は回ってないということ
ですから、私が知らない会社のほうがはるか多いと思います。いろんな人があそこに行け
とか、行ってあげてくれっていう方がおりまして、いまだに行かなきゃいかんというのが
正直 1000 社以上ちょっとあります。先ほどもスバルの社長に必ず行きますからとお約束
をしたばかりになりますけども、ぜひ気が付かないとこで正しい経営をしてらっしゃる会
社、正しいことってことは、5人を大切にする。人を大切にする。というですね。そうい
う会社であってですね、ご奮闘されてるといった会社があれば、是非ですね、直接でも結
構ですから、電話でもメールでも何でも結構ですけど、ご連絡くださいませ。わたし必ず
駆けつけて行って応援をし、出来ることを限りを尽くして、私が持ってる人脈を使ってで
すね応援したり、いたしますから。
小森氏
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
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それでは最後にですね。まあ、非常に不況で厳しいときではありますが、非常にこうゆう
地域性や経済性とですね。こういった地域を大事にしていくというのは大事だとゆうこと
で行政官支援をしっかりしろという激励ともうしますか?話がございまして先生のお話に
も頑張っている人を決して傍観者で、あってはならないというお話もあったかと思います
けども行政、四国経産局あるいは、一緒にやっている当然、愛媛県も同じ気持ちだと思い
ますけども、行政もまさしく傍観者にならずにですね。どう応援できるかと、こういった
形でセミナー開いたりですとか、あるいは個別の、ご相談にのることもあるかもしれませ
んけども、いろいろやっていきたいと思っています。また、自らが変わっていくってのも、
大事かなと思っておりまして、先日実は知的障害者の若者をですね、体験的にではござい
ますけども、四国経産局の高松のオフィスのほうで少し働いていただいて、非常にあのお
互いにとってですね。新しい発見があったり、心が仕事の段取りとか含めてですね。もう
一度、昔の入った頃の当時のフレッシュな気持ちを思い出しましたとかですね。色んない
い効果もございまして、まあまあではございますけども、そういった意味では、自らも変
わり、また皆さんの色んな動きをですね、まぁ今回こうゆうセミナーに形にしましたけど
も、また応援していきたい。決して傍観者にならないように、気を引き締めてやっていき
たいと思っております。長時間にわたりまして大変ありがとうございます。とりあえずこ
のパネルディスカッションでございますけども、時間もきておりますので、これで終わら
せていただきたいと思います。
3-1.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H22.11.25)
- 31 -
3-2.四国・地域ビジネスセミナー in 徳島
「真の企業経営とは? ~地域に根ざし、愛される経営~」
1. 主催:経済産業省四国経済産業局
2. 共催:徳島県、徳島市、小松島市、阿南市、勝浦町、上勝町、那賀町、牟岐町、美波町、海
陽町、徳島商工会議所、小松島商工会議所、阿南商工会議所、徳島県商工会連合会
3. 日時:平成22年12月13日(月) 13:00~16:45
4. 場所:阿南市文化会館(徳島県阿南市富岡町西池田 135-1)
【講師プロフィール】
小林秀司(こばやし・ひでし)氏/社会保険労務士
株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(SVC) 代表取締役
1960 年東京都生まれ。大学卒業後、教育出版社を経て、株式会社日本マン
パワーでキャリア開発事業責任者に従事。1997 年に独立し、SVC を設立。
また、
「SVC 社会保険労務士起業塾」を主宰し、多くの開業社労士の支援を
する。現在、
「理念経営のすすめ」を社会保険労務士の中核事業にして邁進
中。2009 年 4 月より、
「日本でいちばん大切にしたい会社」著者である法
政大学大学院政策創造研究科坂本光司氏の研究室で修士課程専攻中。モチベーション研究会、価
値ある企業の指標研究会、障がい者雇用研究会の事務局を歴任。坂本光司著「なぜこの会社はモ
チベーションが高いのか」
(商業界)
、
「弱者に優しい会社の話」(近代セールス社)の事例執筆を担
当。著書に「元気な社員がいる会社のつくり方」(アチーブメント出版)などがある。
【事例発表者プロフィール】
廣田 優輝(ひろた・ゆうき)氏/株式会社ゲットイット 代表取締役
1980 年東京都生まれ。1999 年、大学在学中にインターネットサイト「Ge
t it」として中古業務用 IT 機器の販売を開始。2001 年より家庭用品
の輸入卸業を開始。事業拡張に伴い、2005 年に株式会社ゲットイットへ組
織変更。2008 年米ビスタクエストの代理店権取得に伴い、トイデジタルカ
メラ市場に参入。2009 年より従業員満足を重視した、小林秀司氏による「本
来あるべき経営人事実現プロジェクト」を受講。以後、社内では、より徹底した社員満足を心が
け、社員が最高の仕事ができるよう、物心両面でのサポートに惜しみなく取り組み、若い社員の
やる気と仕事力を引き出し、売上増を続けている。
西泰宏(にし・やすひろ)氏/西精工株式会社 代表取締役社長
1923 年(大正 12 年)の創業以来、研究開発から製造、販売まで一貫した
生産体制で、全国、世界に流通する様々な商品のナットや精密機械のパー
ツを製造・販売。社長との距離が近く、社内コミュニケーションを重視し、
社員一人ひとりを大切する経営理念は、
「ありがとうカード」の取り組みを
はじめ、地域活動への積極的な参加などにより、地域への感謝の気持ちや
社内の連帯感として育まれている。また、子育てしやすい職場づくりにも取り組み、次世代育成
支援対策推進法に基づく従業員 300 人以下の認定企業としては徳島県内初である。
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
-1-
西渕正和(にしぶち・まさかず)氏/
株式会社西渕スレート工業所 代表取締役
1955 年創業。屋根工事を主軸とし、スレート瓦及び南蛮漆喰の製造・販売、
2004 年にはリフォーム事業部を立ち上げ、地域に根差し事業に取り組んで
いる。誠実・信頼・連帯を経営理念とし、
「常に他人の気持ちを考えて行動
できてはじめて、お客様に満足していただける仕事が提供できる。そして
お客様の感謝と喜びが自信にも繋がる」と、人材を育成。人間性を磨き誠実であることを信念に、
お客様に十分満足していただける技術と商品を提供し続けると共に、一人一人が生きがい、働き
がいのある企業の創造と実現を目指し、社員一丸となった経営革新を行っている。
【コーディネータープロフィール】
川崎克寛(かわさき・かつひろ)氏/経営コンサルタント E-planning 代表
1970 年生まれ。大学中退後、アメリカへ渡る。日本食店での住み込みとキック
ボクシングのファイトマネーで生活し、同時にカリフォルニア大学ロサンゼル
ス校(UCLA)で経営学(MBA)を学ぶ。渡米中はアジア人留学生たちの生活
支援も行うほど、裕福な生活を送っていたが、暴動での友人の死や家族の死な
ど、精神的な苦痛を乗り越え、人に感謝すること、尽くすことを心がけるよう
になる。日本に帰国後、
(株)ワールドを経て独立。高知県のまちおこしプロジェクトに関わった
ことがきっかけで、東北、九州など全国各地の地域プロジェクト参画や企業再生に携わる。
現在は、中・四国を中心に活動し、現場では人づくりを基本に、社員を活かした経営改善を追求
している。
四国・地域ビジネスセミナー in 徳島
「真の企業経営とは?
~地域に根ざし、愛される経営~」
規模や利益の拡大を追求してきた国際社会の行き詰まりが明らかになる中、単に営利目的だけ
で行う企業経営では通用しない時代となり、真の豊かさを追求する企業の新たな価値が問われて
きております。
そこで、今回のセミナーでは、『日本でいちばん大切にしたい会社』著者である坂本光司氏研究
室の小林秀司氏(株式会社シェアードバリュー・コーポレーション代表取締役)をお招きし、今後の
あるべき企業経営の姿や働くことの真の価値、地域とのつながり、NPOとの協働等について、ご
講演いただくとともに、先進企業の事例発表とパネルディスカッションを開催します。
プログラム
●12:30 開場
●13:00 主催挨拶
川井 保宏 氏
四国経済産業局 総務企画部 企画課長
●13:05~14:25 基調講演
「元気な社員がいる会社のつくり方」
法政大学大学院政策創造研究科坂本光司研究室研究員
株式会社シェアードバリュー・コーポレーション
代表取締役 小林 秀司 氏
<休憩>
●14:35~16:45 事例発表/パネルディスカッション
日時/平成22年
12 13
月
日(月)
13:00~16:45 [12:30開場]
場所/阿南市文化会館
(徳島県阿南市富岡町西池田135-1)
主催/経済産業省 四国経済産業局
共催/徳島県、徳島市、小松島市、阿南市、勝浦町、
上勝町、那賀町、牟岐町、美波町、海陽町、徳島
商工会議所、阿南商工会議所、小松島商工会議
所、徳島県商工会連合会
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
[事例発表者/パネリスト]
廣田 優輝 氏 株式会社ゲットイット 代表取締役
西
泰宏 氏 西精工株式会社 代表取締役社長
西渕 正和 氏 株式会社西渕スレート工業所 代表取締役
[アドバイザー]
小林 秀司 氏
株式会社シェアードバリュー・コーポレーション 代表取締役
[コーディネーター]
川崎 克寛 氏 E-planning 代表
●16:45 閉会
-2-
【セミナー概要】
司会/
寒いのですけども、ありがとうございます。
私ども経済産業省は何でこんなことやっているかというのを説明させていただいて挨拶の代わり
とさせていただきたいと思います。
経済産業省ですので、経済の成長、経済の振興というのが本来の仕事なのです。
で、経済の振興というと、成長とかGDPとかもっと大きく利益をあげようとかお金儲けとかの
イメージをしてしまうのですが、しばらく前までそうでありますように、すごい経済成長が続い
た、でも失業者が増えて、派遣村ができて、こんなことでは困るのですよ。
経済成長はそんなことをするためにあるのじゃないんだと思ってます。
地域が良くなる、国が良くなる、いろんな課題がありますけども、課題に挑戦して解決に導くよ
うに持続的発展するように、そういう活動が経済活動本来必要な経済活動だと思ってます。
で、それを企業さんだけの活動じゃなくて、企業でもNPOでもボランティアでもなく、もちろ
ん私ども行政もそうですけど、みんながそういうことを持続的に続いていく、いい状態が続いて
いくようなことを目指して活動すべきだと思います。
その中で地域の中でも大きな力を持ってる企業さんがそういった活動をしていただきたいという
風に思うわけです。
GDPが世界第何位とか地位が下がったとか言われてますけど、そんなのは一人一人の生活には
何の意味もないんじゃないかと思うんです。
で、成長率が低い、日本の成長率って中国と比べるとものすごい成長率低い、そんなもん当たり
前で、今高度成長期を迎えてる国の方が成長率が高いのは当たり前だと思うんです。
で、そんなこと議論したいんじゃないんだ、四国は日本のGDP3%切ってるということを言わ
れます。
でも四国のGDPっていうのは世界に比べるとフィンランドやハンガリー、一国と同じ並のGD
Pをもってます。
そりゃ日本の中で3%より少ないからって何の問題があるのだ、っていう風に思ってます。
で、そうじゃなくて世界第何位とかじゃなくて山積している課題をちゃんと解決して持続してい
く、そっちのほうに注意していくべきだと思うのです。
もちろん世界トップの企業さん増やすっていうのもいいと思うのです、でも企業さんってもうち
ょっと社会の役に立つ何らかのことをしているから対価をいただくわけです。
で、それは世界中でトップを目指す企業になるというのも一つの手ですけど、地域から愛される
社員さんがやりがいをもってくれる、やりがいをもって充実した生活をしている。そういうのを
目指す企業さんがいいんじゃないかという風に思います。
経営、経済、本当かどうかしれませんが、経営というのは本来お京という意味だそうです。で平
安時代に平家物語が生まれたのですよ。で、お経っていうのはその成果としての財産、データ、
人として正しいことをちゃんとやっていくのがお経、経営なんだ、それは企業としてだけじゃな
く地域もそうだし、
私個人としても四国経済産業局という行政機関としてもそうだと思ってます。
そういう動きが東京とかやっぱりお金で成り立っている街でそこはやっぱ世界のなかで戦っても
らわないといけないのかもしれませんけど、日本の地方、私たちの首都徳島そういうところはそ
うじゃない道をもっとしっかり認識していっていいんじゃないかと思ってこういうセミナーを開
催させていただくこととなりました。
先々週高松で開催されたイベントがありまして、また、松山で開催させていただき、そして今回
3回目をこちら徳島阿南で開催させていただきました。
今日は「日本で一番大切にしたい会社」の著者で法政大学坂本光司研究室で、そういう動きを広
めようと活動をされている研究室研究員小林秀司様をお迎えして、また実際実践されている企業
さんご三社参加しております。
皆さまが新しいとか、
活動つながれば幸いと思いますので是非お願いよろしくお願いいたします。
それでは基調講演に入らせていただきます。
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株式会社シェアードバリューコーポレーション代表取締役小林秀司様から講演いただきたいと思
います。
小林さんよろしくお願いします。
小林様は先ほど紹介にありましたとおり「日本で一番大切にしたい会社」の著者である法政大学
坂本光司研究室にも在籍しております。
略歴につきましてはお手元にお配りしておりますプログラムに掲載しておりますのでご覧いただ
ければと思います。
小林/
皆さんこんにちは。只今紹介いただきました私、法政大学政策創造研究科の坂本光司研究室の方
で修士課程ちょうど二年目なのですけど、研究員として所属しております小林秀司と申します。
私たちの研究室はもっぱら研究してるわけでなくて社会人が通っているそういう特色をもとにし
て私を含め当研究室の方は二十四名活動しております。
そのうち8割近くが経営者が所属して日夜研究に励んでいるという状態です。私も従いまして本
業をもっておりまして、私は社会保険労務士という仕事を、十四年目になるのですけど、社労士
活動していきながら関わらせていただくことで研究員ということで、自分の本業に役立つような
研究をさせていただいてるということでございます。
本日は先ほどカワイさまの方から非常に力強いメッセージをいただきましたけれども四国の経済
産業局の方でこういったイベントを催されまして、すでに二回ほど教室の方に来ていて三回目と
なるのですけどもとても、産業局の方で各部の方で同じような研究会やってまして、非常に熱い
集団なと、非常にいつも感じているところであります。
ですからこういう企画が生まれてくるのだと思いますし、そういったところに呼んでいただいて
こういったお時間をいただけるのはほんとに大切にしなきゃいけないなと思います。
これから二時二十五分までということで80分間限られた時間ではありますが、日ごろの研究の
成果だとか私がそれを感じて実践しているところで少しでもお役に立つお話をさせていただきた
いと思っております。
どうかお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
で、きっかけになりましてこの四国経済産業局からお呼びがかかったのは今日の最後になります
けど元気な社員がいる会社の作り方という本を今年の六月にじょうしをさせていただいておりま
す。坂本先生の方に監修をしていただきまして私の方で出版させていただいたのですが、ご案内
のとおりおかげさまで日本で一番大切にしたい会社は一、二を併せて50万部売れている。たい
ていビジネス書だったら3000部売れればいいほうです。
ものすごい国民的な数字が出てましてあの本の中ではこうすれば稼げるよという話は一切出てこ
ないんですね。ただとにかく心を打つ経営をしている方の話をしている、それも長く経営をして
いる会社さんが紹介されている、これが特色なのですけれど、それに一人の価値がものすごく集
まったということなのだろうと思うのです。
これは私がこの本を例としたいきさつとしましては先ほど言いました私社会保険労務士をやって
るわけですけどいろんな問題があります。
社会保険労務士は人に出す、相談事を企業から受ける、税理士さんがお金の専門家だとするとわ
たしは人の問題になります。
バブルが崩壊してからここ十数年くらい非常に多くなってるのは社内でのトラブル系ですね。物
流だとかサービス産業だとか、労働基準監督署へ駆け込んだとか、過激なケースになると、本を
見て書き込みしてしまったとか駆け込みと言われているそういうものについて国の方があんまり
多いものですから数年前法律作って個別労働紛争解決促進法という法律です。
何というか労働中間業者には114万人労働者の方が行ってるような成果であります。ほとんど
今いろんな市場が右肩下がりの中、ところが、うなぎのぼりなのです。
その中で私どもの事務所にも来るわけです、相談に。そういうことを話し、とうとう、とうとう
裁判まで立ち上げることになりました。
そこで私は非常に疑問がありました、これは本当にやっていいのだろうか、こういう仕事は私た
ちは、このようなときその話に雇用は私たちの業界では社会保険労務士会では会がすね、僕は政
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治連携して、政治家を使って法律を変えました。
社会保険労務士の上に、上というより、別に特定社会保険労務士という資格を作っています、あ
まり知られてはいませんが、これは社会保険労務士の資格だけではできない。
社会保険労務士がまたその試験を受けて免許を貰う、何の免許を貰うかというと和解とかそうい
う法律行為の紛争ごとの解決をするとき、そしてそれに、会が認めたらその資格を与えれる。で
なにができるかというと先ほど114万人の方が労基監来てるわけで、この人たちが行政の外に
出て司法までいっちゃうとややこしくなるとまた労働裁判とかになる。
その一歩手前で、つまり厚生労働省の中で仲裁をしようとこういう動きなのです。
で、そこに特定社会保険労務士の資格があれば本来非弁行為のできない和解行為をやっていくこ
ういう資格になるのです。
で、実は採れ採れというんです。業界の方は。これは職員増えたら業務があふれちゃうのだ、こ
ういう言い方するのです。
ものすごく評価が分かれまして何で自分たちが弁護士の仕事をしなければならないのだ、そうじ
ゃないだろ、ずっと思っていた思いがそこでふっときちゃって、そうじゃなくて私たちの仕事は
社会保険労務士としての仕事の価値があるとすればそういう紛争ごとに顔つっこんでいくんじゃ
なくてそもそもそういったことが起きない職場をつくることに尽力してこそ初めて存在価値があ
るんじゃないかと。これが私の結論だったわけです。
数年前の結論です。で、もう1回昔、時代があったわけですからそういうところをこんなことを
してきました。個人的にですね。
しかし、そういうことを社長さんに話してもおおむね10人に一人もちゃんと耳を傾けてくれな
いんじゃないですか。そんなことはきれいごとだと、そんなこといってたら会社が傾く、こうい
う応酬が。
で、まだ自分に力がないですからまだメッセージができないのです。それ以上に。
そんなことを、もんもんとしたのが2008年三月のある日だったのですけど、ふと立ち寄った
のです書店に。地元の書店屋です。
そのときに人事系経営系の方に当然行くわけです。
本棚に一冊あったのが日本で一番大切にしたい会社です。初版です、出たばかりの本です。
私は坂本先生その時は知らなかった、存知あげてません。
ただ大切にしたい会社っていうフレーズにひかれて、なんだろう、手にとって読んでみたらこれ
は良さそうだな、すぐに買って一気に読みました。
このなかでお読みになった方は同じような感覚をもたれたと思うのですけど、心が震えて感動が
止まらなかったのです。正直言っちゃうと。
こういう感じはとくに伊那食品工業。自分の理想とする姿だ。こういう仕事をお客様の方になっ
ていただければいいんじゃないか、ものすごいビジョン描ける。
で、私はすぐに行動しました。伊那食品に飛んで行きました。
これは現地で一回見てみたい。ちょうど50周年のレセプションに運良く入ることができたので
す。そこでは400人の社員の方が2000人の来客というか訪問客を迎えるという、行かれた
方いるでしょうか、伊那市にある中央あった、あれ一つの下を工場にして自然そのままものすご
い空気が良く間違いなのですけども、
駐車場ついた瞬間に一台につき二人社員さんが付きました。
おもてなしも良いとこで、何というか気持ち良くなります。とても自然な笑顔とか、あとは目が
澄んでること、所作、すれ違う人全部が立ち止まって挨拶してくれる。
そういうことがずっと感じられました。
そうか50年もそういう経営するとこういう人が育つのかというのを体験しました。
ちょうどそのとき伊那食品のつかぼし会長さんと何人かこれから出てくるんですけど、いい経営
をしている社長さんのフォーラムがありまして、そこに今、お話ししましたけどもリッツカール
トンの前日本支社長だった高野さん高野のぼるさんゲストで来られて、やっぱり同じようにびっ
くりされたようなんです。
伊那食品の社員は全員、明日からリッツカールトンで即そのままお客さんの前で使いたいとおっ
しゃって、それぐらいホスピタリティ気配りがものすごい高いとプロの専門家が全員連れて帰り
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たいとそれくらいの凄さなんです。
で、そこから私は伊那食品のような会社に近づいていくには、どうしたらいいのだろう。という
ことで、個人的に研究を重ねまして、つかぼしさんのいい会社を作りましょう。とかいろんな本
を読みました。
で、ふっと浮かんできたのが経営理念、理念を大切にしていくっていうのがほどなくわかってく
るのです。
で、理念をキーワードとしていくつか会社を調べていくと、だんだんだんだん、そうか今までと
はずいぶん経営のやり方が逆だな、何でやったのだろうということに気付きました。
決して利益を、もちろん利益は大切なんですけどそれを最優先に考えるでなしに、そこで働いて
いる人、社員さんのモチベーションをいかに高められるか。
そこにどうもフォーカスされているというようなことに気付きながら、だんだん自分なりの研究
をしていった。で、本に書いて読んでみました。
まだ当時、無名だったころに作った本で、まだそんなに近くないが今や新卒が4万人エントリー
するといわれてる、就職活動データ人気ランキング1位になりましたね。
その、まつなが社長とかですね、それから、もちづき理事長、これもアタックしてお会いしてい
ただきたいと。それでいよいよ3番目のゲストです、坂本先生をお迎えしたいなと私思っており
まして、ある講演会に出たのですね。
で、ある講演会に出まして、そこで今ここまで話した通りのことを話したら、じゃあ一度研究室
に遊びにおいでよ、こういう話でありまして。
今、考えると信じられないですけど、そのあとほどなくしてお伺いしまして、2時間くらいほん
とにお話ししていただいて、これはもう、小林さん一緒にやろうよ。ということで優しく声をか
けていただいて決断をしました。
まさかまた大学に行って勉強する予想もしてなかったのですけど、この先生は私は一生をかけら
れるなという思いがその2時間で完全にきまして心に、是非、お仕えしたいということで、研究
計画書は割と簡単にできたんです。
それまでいろいろ研究してましたから、そんなに問題ないと。わたしは理念経営、それから人望
主義この後、説明しますけどこれを研究したくて研究室に入って行きました。
2009年4月から大学生活をしております。
ここまで年間50社くらい教授と一緒にいろんなとこみてます。
ほんとに北海道から沖縄まであらゆるとこに行ったといって過言じゃないと思うのですが、約2
年で100近く回って、四国も今年4回目の訪問になります。
1回は陸路で、2回は高知とそれから香川高松の方に行かせていただいております。
先だっていった徳武産業ですね、とかも訪問させていただいておりますし、明日、再び行きます
けど、実を言うとです。それから別このクレープ会社ナッツ四国ですね、障害者雇用でおそらく
これからとても注目される企業だと思うのです。
それからいろどりさんとかそんなとこを見ていっております。
という感じで視察をしながら、自分もだんだんだんだんメッセージをまずはこの先、皆さんに対
して、確かな経営があると、即効性はない。
時間はかかるかもしれないけれど、この経営に乗り出してうまく成功すればほんとにみんなが幸
せになるよ。ということのメッセージを、自分の目で見てきてますし、先生と一緒に活動してる
もんですからわかるんです。
それからうちの会社でもそれを感じました、3年前ですねその時から。
この理念経営の勧めと書いてあるのですけど、これを社会保険労務士の仕事を通じてやっていく
ことを天命にしようと、残りの職業人生そうやっていこうという風に決断して活動してまいりま
した。
その成果として今年6月に、1年半の成果が先ほど言ったこの本になったと。
この本から見ていただいて、四国経済産業局、今日につながっております。
また、経営者の方でも同じような思いのある方、最近非常に多くて、先生の本に触れて自分たち
もそういう大切にしたい会社目指したいけど、どうしたらいいだろう。
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実務ですね、
ここの部分はないということで、
私はこの本を書いた意味はそういうことなのです。
大切にしたい会社になるためのハウツー本です。そのつもりで書いています。この内容は。
で、今日はここに書かれているあらましをこれからお話ししていこうと思うのですけど、この本
の意味はそういうことです。
この間も大阪から社長さんがこの本を読んで感動したということで、
連絡いただいたのですけど、
この社長さんは創業してもう10年、社員さんも40人以上かなりいい成績です。
で、やってる仕事はラッピングのことをやってる会社で、行って見ればもう成功してると言って
過言じゃないんですけど、その社長の思いは今まではとにかく走ってきた、このままで続くわけ
ない。と私は思っていると、だから今経営理念を見直そうと思っている。
いろんな本を読んだのだけどもどの経営の本読んでもあいまいもことしていてよくわからない、
そんな時この本に出会っていただいて目からうろこが落ちた。
とこういうやり方をすればいいんだということで是非会ってくれと、話がしたいということで東
京まで来ていただいて、結構すぐ瞬間的に以心伝心をしたと、その社長さんと。いま、先月から
そちらの理念経営を確認させていこうということでお手伝いに入らせていただいてます。
こんな風な本からの出会いもいくつか出ております。
それからこのさき徐々に浸透しております。
後ほど、
今日ゲストにゲットイットの廣田社長と一緒に来ましたけども、
まだ若い社長ですけど、
価値観を共有化していただいて今そういう経営に取り組んでる。
実際のお話をここでしていただきたいと思いますが、そういう活動をしている。
ここに新たなテーマを設定ですけど、この今、考えてることを深掘りしていったら一つ新しいテ
ーマが見つかってきまして、それは障害者雇用ってことなんです。
大切にしたい会社のチョークの日本理化学工業なのですが、これも2年前は考えもしなかったの
ですけど、実はこの障害者雇用ってものすごい意味があって、非常に会社の経営力を育てるもの
すごい威力があったり、これを知らしめたのがご案内のとおりユニクロ、ファーストリテイリン
グなんです。
8%という驚異的な障害雇用率をだしまして、1店舗一人以上雇用しようということをやってま
して、それは柳井社長が意味を感じたからですね、経営的な意味を感じた。
で、先ほど言ったでエフリッコさんも8.6%くらいいってるんですね、ラインで障害者の方が
気持ち良く働いている、素晴らしい会社で、業績がいいです。
業績につながってくる、障害者雇用の価値を考えてることは。これはちょっと新しい研究テーマ
でこれは今日はそういうとこまでは深く入っていかないということであります。
大切にしたい会社の重要な価値観ということなのですけど、共通することは年輪経営をだされた
ようにですね年輪、それから100年カレンダーという話がよく出てきますけどもとにかく遠く
を図って経営をしてるということですね、確実に。
なぜかというと、継続するということが一番社員さんにとって幸せだろうとそういう発想から来
ているのです。
継続するっていうことが最優先の経営課題っていうのは、
大切にしたい会社を見ていて思うのは、
研究に携わって数年ですけど大切にしたい会社で倒産しそうって会社は聞いたことがない。
長いスパンでずっと考えてますから、大きな変化はないんですが、盤石っていうかそういうよう
な形で継続するっていうことを最優先の経営課題にしてます。
継続をすることが最優先になれば何をしていくかということになると、これまでの瞬発的な経営
特にバブル崩壊した後にグローバリゼーションといいながら、いわゆるベンチャー企業を中心に
とにかく上場しようという、あの経営とは違った色合いになってきているというのは確かじゃな
いかなと思います。
先ほど言いましたように社員のモチベーションの極大化が最大の関心ごとになっている。
ですからこの言葉は前からあるのですけど資本主義、つまり利益を最優先に考える場合と比較し
て、人のモチベーションを高めていく人望主義、こういう言葉、理念経営は人ここん主義をベー
スにある都いうような関係性があると思ってください。
縁があって共に働くことになった社員全員を幸せにするための経営努力をしようとこの思いのす
ごいはっきりいって理念経営を志そうとしてる経営者、久保社長、北九州の人、
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もう目の前の社員を一人残らず片っ端から幸せにするそれだけです、思いが。
実際にそういう経営を繰り広げていて熱いです。これ人望主義です。
経営が、これ経営理念ですね、この会社は何のために存在しているかその理由が世のため人のた
めなのか、そこに強い思いを経営者はもちろんのことながらそこで働く社員の方がいってること
には価値観を共有できるそういう経営じゃないかと思います。
これは研究課題を表にまとめてみたのですけど、こちらにある、お手元に資料があると思うんで
すけど、かつての日本的経営、高度成長の頃の日本的経営の特徴です。
僕がさっき言ったようにバブル終わってアメリカ型の言ってみれば個人主義です。
で、あるところの特徴で、これが大切にしたい会社の特徴。
実は大切にしたい会社っていうのは、伊那食品50年続いているように、前からあった会社だっ
たその姿があるのです、各地区にね。今日地元でゲストでお越しいただいてる二人の会社もそう
だと思うんですけど、特にリーマンショック終わったときその企業さんって全く動じてないんで
す。
だからこの経営は決して新しいわけじゃなくて前からあったのですけど、今新しいように浮き彫
り出されている感覚が強い、伊那食品もそうだったと思うのです。
気がついたらそんな良い経営だったのだって。ちょっとだけ言いますけど、昔の高度成長です。
利潤が一番最初に来た時です。バブル後のそういった個人主義の会社は株価だったのですね、大
切なものは。
大切にしたい会社は社員の幸せ、モチベーションなのです。
帰属意識と雇用保障のあり方も高いのですよ、昔の日本的経営、ですからこのときっていうのは
中世の上下関係、中世。で、ここは帰属意識を壊したかったのです。
アメリカ型の経営ですね、契約主義が非常に横行した場面です。ですから社員さんも自分の市場
的価値を高めることで次の良い会社を探すのです。
帰属意識が非常に薄くなります、このとき。で、大切にしたい会社はどうなったかというと、べ
らぼうに高いです。そういう帰属意識。ただし上下じゃないです。
パートナーシップですね、ここではエンゲージという言葉を使いましたけど、これ新しい経営人
事の考え方です、絆です。
パートナー、ものすごいそういう関係性を強くもっていると思うのです。優先する満足も顧客満
足がかつての、お客様は神様だっていうくらいの訳なのですが、でここは、今の大切にしたい会
社は社員満足を優先に考えている。
と言う風にですね、これ説明すると1時間くらいたってしまうんですけども、こういうような作
用として一番大きいのはここなんです。
この私がテーマにしたのは労働紛争、健全な職場を作ろうということが大きな目的だったのです
が、昔は、ようやく日本的経営の特色の一つとして企業内労働組合ということで、会社に一本の
労組があって、そこで協調してた。
個別労働会社はほとんど存在しない。それはそれでありだと思うのです。組合と交渉する。で、
この組合がどんどんどんどん20%切ってですね、組織率悪くなり、個人主義型だったから個別
に契約しますから、ものすごい個別労働紛争っていうのが頻発するわけです。
そういう理由なのです。じゃあ、大切にしたい会社はどうかというと、もうなくなるくらいです。
なぜって絆でつながっているもので、労働条件とか、そういうことは殆ど出る余地がなくなって
きてる。そのくらい信頼感がものすごく厚くなってきてる。
そういう経営になってる。ですから時間はかかるかもしれませんが、大切にしたい会社を目指し
てさっき言った人望主義の理念経営を辛抱強く続けていくと一番楽になるのは経営者だと思いま
す。
そういう、勝手に、自発的に仕事をする社員わくわく心を持ってですね。そういうことなのでも
っとちゃんと説明したいのですけど、時間の関係であとは表を読んでいただきもうすこし関心の
ある方は私の書籍を、イベントでご購入いただければという感じです。
それでは、大切にしたい会社になるための絶対条件があるということを考えるとき、やはり双方
の信頼というのが非常に大きいかなと。双方いうのは、会社経営者は社員を信頼する、社員は会
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社経営者を信頼する。
この双方の信頼関係というのは絶対条件じゃないかと思います。
さっき十人中一人くらいの社長しかですけど、十人中9人くらいの社長さんはこんなこというわ
けです。
うちの社員は出来が悪いしろくでもないからしょうがないから。
で、そういう会社の社員さんはこういうわけです、こんな会社いつか辞めてやる。
うまくいくわけないんです。こんな相互信頼のない会社。
根本的には大切にしたい会社は相互信頼、これをいかに確保できるか、壊れてるんであればいか
にそれを再構築できるか。
ここが一番要点じゃないか。これを理解せずして例えば、最新型の人事評価制度入れたとしてど
うなるか、よけい信頼ぶっ壊します。
それで沢山失敗してるんです、人事制度改革。これは私山の様に見てます。
残念ながら私も当初は失敗してます、これで。ここに気付かなかったのです。相互信頼が大切。
理念経営、人望主義の理念経営を貫いて行く会社で人事制度とか評価制度とか特徴ないですよ、
はっきり言ってないです全然。
あるところは年俸主義、伊那食品とかもそうです。あるところは能力主義です。成果主義のとこ
ろもあります。
すごく評価制度について、人事制度についてバラバラです。ただいえることは給料は相場より高
いです必ず。そういう人望主義理念経営を成功させてる会社は。
それから、賃金は高いです。
あと制度については納得してると、皆さんで。だから納得してるから言うにいいんです。能力主
義、年俸主義、成果主義だって。そこに納得があるのです。
そのベースがあって相互の信頼が出来上がるのです。
これから必要条件ということでその相互信頼を絶対確保していこうということがおきて一番大切
なのはやはり本気でそういう経営を志向することをトップが本気で決めて突き進んでいこうとい
うコミットメントこれが前提にないと難しいかと思います。
幸せの4原則を仕事について数多く期待させる機会を作り社員を人間として成長させると言うこ
とです。
幸せの4原則というのは、大切にしたい会社にもでてましたけども、理化学工業おおやま会長が
障害者雇用を始めるようになって何人も何人もくるようになって、でもなかなか苦労して仕事覚
えるのも大変そうだし辛そうだし、失敗して怒られて、いいんだよ無理してこなくて、でも障害
者の方は一生懸命頑張りますから。と言って働き続けようとするわけです。その理由がよくわか
らないと思ってたんです。
なんでだろう。施設に帰ってやればこんな辛い思いしないですむ。
そしてある時に禅寺のお坊さんにその話をしたら、そんなのあたりまえじゃないか、人の幸せっ
ていうのは4つです。
愛されること、必要とされること、役に立つこと、そして褒められること。
真にそれを経験できるのなんて仕事を通じてですよと諭されて、わかったのですね。
それから自分は障害者雇用を提供し続ける会社になろうというような思いが日本理化学工業には
心に根付いたわけです。
つまり健常者と同じだったのです。必要とされること、役に立つこと、褒めるということ、まず
これですね、現場の仕事でいかに体験させてあげることができるか、ここが非常に重要なポイン
トじゃないかと思うのです。
そしてそうしたときに全体的に非常にいい会社になったときには地域から愛される存在になった
はずです。
この4つです。この4つを目指すような、この4つが必要です。大切にしたい会社になるためで
す。
つまりそれを経験させるってことは社員の人間力が高まるっていうことなのです。
非常に人として成長できることを、たくさん経験させてあげる、そういうことだと思うのです。
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それでやりがいが出てすごい満足すれば、うちの会社の商品に誇りを持ち、サービスに自信を深
めるんです。お客さんにいい仕事をしないわけがないのです。
順番です、そこをわからず先にお客さんを満足させようとしても無理です。
社員さんが心からこの会社すごいぞという思いがあってはじめて伝わっていくのです。
で、それに触れたお客さんはほんとに満足するのです。あの会社すごいわ、あそこのサービスい
い、というわけでリピーターになり、ロイヤルカスタマーになり、紹介していくわけです。
この好循環、それが何を生むかっていうと利益です。つかぼし会長の言う利益はうん十億ここに
到達するだろうとのことです。
ですから、このコミットメントと同じですがここ大事です、目先の利益に心を奪われないってい
う感覚、これができるようになるっていうのが非常に重要なことなのです。
理念経営、いいな。これはって始めたとしても、やっぱり毎月毎日利益のことが気になるのです。
そこで特に経営者がそこをどう心に残してやっていけるか、さっき言いました長く続けることが
目標です。この経営、瞬ぱつ経営じゃないんです、ここのところにほんとに思いが来ないと、例
えばこのあとお話ししますけど、理念経営入る時に理念研修とかやってるんです。
そこでは人として正しいことやっていこうねって話をするのですけど、いってることとやってる
ことが違うじゃないかってことになるんです、ここにこだわり始めると。
研修のときはいいのですけど実際に職場に戻ったらまたこれかよって感じになるのです。
つまるわけです、すごくつまる。ですからこういったら身も蓋もないのですけど、人望主義理念
経営に乗り出せる可能性として一番土壌が高いのは先ほど私が大阪の会社を説明お話ししました
が、今利益に困ってない会社が一番やりやすいです。
だけどちょっと社員を鞭で叩きすぎたかな、少し変えたいな、この企業さん経営者が思いを馳せ
ればおそらくかなりの可能性で成功するのです。
で、問題はこのいい経営で勢いづいたけど赤字、この会社さんです。
ここが踏ん張れるかどうかっていうのがほんとに、本気になれるかっていうことにかかっている
と思うので、多少ですよ、売上、利益が落ちてもこの方向に軌道修正をしたいそれくらいの思い
がないときついかもしれない。
それを実際そういう風にやって成功してきてる会社はあります。
例えば東京町田にあります、電化の山口という会社ですね、量販店でやってきて今までの経営じ
ゃ無理だということでこの理念経営を始めます。
とにかく自分たちに必要なもの存在理由ですね、
量販店に絶対できないサービスをしていこうと、
あそこは価格 com では十九万位の液晶テレビを三十万で売ってるんです。
でも売れてるんです。でも売上下がったのです。
利益は上がったそういう経営をやったのです。お客さんを絞りました、三万人くらいいたお客さ
んを一万人くらいにしてもらって。量販店にできないきめ細かいサービスそれをだれが求めてい
るか考えたとき高齢者だったのです。
64歳平均ですねここのお客さん。そのお客さんに対しては特に密接な付き合いをしていくわけ
です。
おばあちゃん、ありがとう液晶テレビ買ってくれて、録画の仕方わからなかったら読んでね、飛
んで行くのです電球 1 個交換に持っていくのです。
この親切です。
これが受けてるんですすごく。
そういうちょっと余談になりますけど、そういうことです
覚悟ここができるかどうかって言うのが非常に大きい、それが結果として長く続いてみんなの幸
せがなるように思いが深められれば。
で、そこまで深めたということで決心していただいて実践に入るのです。
まず経営理念の話です。どんなことでやるかっていう、今持ってきた山口で言いますとですね、
地域に密着して地域の高齢者みたいな方の役に立つ、それを電化製品を通じてやろうこのような
理念なのです。
で、そのための経営方針としては電球一個喜んでということを掲げてあります。役に立つ。まさ
にさっき言った役に立つそれをおじいちゃんおばあちゃんところに行って、あー、山口の社員来
てくれて、ほんとありがとう。
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こんなエピソードがあり、今はもう留守番を預かるくらいそのくらいになっちゃったのです。旅
行行くのでペットが、ああもう喜んでやるから。っていう感じで、とても信頼関係すごいです。
ある長く付き合ってたところのご主人が亡くなると遺書で、何かあったら山口さんを頼りなさい
と、こういう残った連れ添いに、そういう遺書を残したんです。これもちょっと聞いたとき心が
震えました。それくらいになれるのです。
お客さんのために理念って言うのがいかに強く持てるか大切かなと。
そして理念を、理念って言うのは後で説明しますが、経営方針がぶれないようにするって言うこ
とが大切で、伊那食品、会社を通じて社員がみな幸せになり、社員の幸せを通じて社会に貢献す
る。今年一年経営理念をテーマにした研究会をやりました。
アイエヌジーというところと参画協働をやったのです。おもしろい結果が出たのです。
あらためて経営理念に直してみたのです、ここ5年以上業績がびくともしない、リーマンショッ
ク後でもびくともしないという企業の調査をした中から二十社くらい経営理念です。
およそ8割の会社に社員、人、この言葉が完全に入ってます。入ってるんです8割が。
逆説的に言うとちゃんとこういう風な人づくりをしている企業はリーマンショックがあろうとな
かろうとずっと業績が良いということが言えるのです。
やはり人づくりということが結果的に長く続くためのよいジャンルかなと思います。
端的に一言で言うと経営理念を一言で言うってことになりますから、いい会社を作りましょう。
で、このいい会社を作りましょうって、これはステークホルダーは社員、お客さん、地域、取引
先、株主が言葉としていい会社だね。って言ってくれるのがビジョンです。
今回。ですからそのためにはどういう、我々が仕事をする時に気持ちでなければならないか、こ
れが経営方針なのですけど、無理な成長はおわない。敵を作らない、成長の種まきをおこたらな
い。すごくわかりやすいですよね。確かにそういう方針で経営していけば、必ずいい会社縁の下
で支えていってくれる場面が増えるとかっていうのはすごく連想できる。
無理な成長というのは先ほどいった年輪経営ということで、とにかくちょっとずつ、前年より割
らなければいいとそれくらいの思いでやってます皆さん。
敵を作らないっていうのはこの間、視察に行ったときすごい象徴的なお話をしていただきました
けど、寒天ですね寒天があって、レストランがありますレストラン。
寒天使った美味しいもの出してくれる、人気あるのです、つかぼし会長の経営方針、敵を作らな
いっていう経営方針から営業時間は5時で終わりです。
つまり夜やらないのです。夜やると近所のお店つぶしてしまうっていう思いがあるのです。だか
らやらないのです夜。敵を作らない。
そしたらどれだけ近所の飲食店に感謝されたか、なんていい会社かって思われると思うんですけ
ど、ここが全然ぶれてないんですね。
成長の種まきを怠らない。千に一つとか100に一つとか言われてますけど常にそれはやってい
こうということで現状に満足することなく種まきを怠らない。
ですから企業の根っこです、ずっとずっと深く掘り下げていくと横に広がるっていう持論ですね
そこの社長。だから寒天使っていま食べても安全な粘土とか、安心な接着剤とか、それから口紅
のルージュ、寒天の光沢がいいらしいですから、そういうとこまで展開していく。
後これも面白いエピソードなのですけどあそこ、あるところの店で開放しています。
解放しちゃってる、ものすごい今列が並んでます、長蛇の列。
そこをある時、つかぼし会長もう一本スロープがあるといい。
そんなしかし九百万もかかってそんなことまたやっても今一本あるからいいじゃないですか。
いやいや考えてみろ、もしうちの会社が一度ビジネスやった時そうやってお客さん大切にしたら
どれだけ評価上がるか、まさに種まきだ。
すごいそうやって自分の思いを教えてるんです。して見せて言って聞かせて、させてみて、褒め
てやらねば。まさにそれをやられてる方だということですね。行くたびに思うのですあそこ視察
行くたび、ものすごい周りがいい会社だって。
で、この経営理念をうみだすときに大切なことはということで有効供給ってこれは坂本講師の言
葉であります。
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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通常有効需要というのは経済学とかで出てくるのですけど、公共事業やって経済を動かそうとそ
の逆という発想なのですけどそうじゃなくて企業がお客さんが喉から手が出るほどほしくなるよ
うなサービスとか、感動できる商品をつくることに誠心誠意を傾ける。それをつくるためが理念
経営であり、そしてそこにいる社員、だから社員作り人づくりをしなさいとこういう話しなので
すけど、ここにあるオリジナル、オンリーワンですね、非常にテーマとしてはなかなか大変なテ
ーマですけど、これはだからと言って経営学を勉強しなきゃいけないかというとそうじゃない。
ここに出てる杉山グループさんっていうのはまさに勉強したわけじゃないと思うんです、そうい
う科学的な勉強とか。でもまさにこの有効供給に達してるんです。
うちの果物は贈呈用に。あそこの杉山フルーツさんに頼めば間違いないような贈呈品をみつくろ
ってくれる。これは絶対的なのです。
これが有効供給だと思うのです。だから当社が本当にお客様に何を提供できる、オンリーワン、
一芸、他にないもの、専門性技術の高いもの。
ここをその経営理念を追求すればなれるだろうということです。
それからほんとに共感できるかどうかこれも大切かなと思います。
うちの会社もですね、社員に笑顔を会社に輝きをというのを掲げてます
経営理念は理念の持つ無限の力を信じて最高の社員は顧客から生み出す。
これが私たちの会社の経営理念なのです。
これを掲げるとき、先ほど言いましたように仕事は労働紛争がおきると、守ったりとか。そうい
うことやって需要がありましたから。うちがあるのです。だけど心底共感できてないのです、う
ちって。しかし大きな部分になって、でも私は決めたのです、今は利益が少ないかもしれないけ
どそのことを思いを重ねてすると心の底からやる気になっていくと、それが理念経営。当時はま
だ売り上げほとんどないです。
同業の社労士からも何言ってるのって言われました。何人かは、私は学校やってましたから社労
士の千人くらいの、結構離れていった人います。
しかしそれから三年たって今また教えてくれって来るようになってきた、当時はまだ全く価値を
生んでない事業だったのだけど、そこに自分はもう理念をかけたのです。
やってきて非常に今は一つずつひとつずつまだ全然これからですけど形になってきて、小林に頼
んでよかったと言われることが多くなり、そこで見ている社員さんが成長していく様子を見ると
本当にここで踏み出してよかったなと感じます。時間がかかります。
三年くらい早くても。これは本気の覚悟なのですけど、そういう有効供給を生み出す。
そういう理念ができたら今度は社員と価値観を共有することになります。
このときに信条ということで作ると一番わかりやすいです、さっき経営方針、よりグレードダウ
ンして日々の行動仕事する上で、こういう行動基準、信条でものを判断しましょう。
行動規範、仕事の中心ここが一番重要です。三番、判断する材料です。
これをつくるときにたとえば、なんでもいいのです。ちょっと、オシャレなとこはリッツカール
トンなど言葉はなんですけどそういう価値、
経営理念から考えるわが社の社員としての価値基準、
行動基準、リッツカールトンは紳士淑女たいする私たちこそが紳士淑女である。こういう形だっ
たのですが、わかりやすいですよ。非常に、紳士淑女をもてなす自分たちが紳士淑女でまずあれ
と、非常にわかりやすいです。
これが仕事の中心となるんじゃないか。その際下に書いてあるじゅうが視点としては大切じゃな
いかという風にいろんな企業のそういう信条や自分がやはり、やってみてあるいはお客さんの方
でしてですね、変えちゃいけないかなと思うんです。
そこもこういうフレーズみたいのがあったのですが、バランス感覚とか人間性の向上とかここら
辺が欠けてたんですよその経営理念の、夢を夢のままで終わらせないここら辺言っちゃうとわか
るかもしれないんですけどその企業はつまり変わらなかったわけです、バランス感覚変えてたん
ですよ、それから謙虚な気持ちでいくと経営理念が。だから突っ走れたのです。もうあの営業じ
ゃだめだって言われてどんどんていって、被害拡大しちゃった、せめて止めておけばまだ被害何
とかなったかもしれない。
恐ろしいですね経営理念、浸透しちゃうと強いです。
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ちゃんと抑えるとこ押さえておかないと暴発する可能性がありますから、特にバランス感覚とか
人間性の向上、特に一番の信頼性専門性安心感っていうのは先ほど言った有効供給を目指すこと
につながるわけです。
ここだけは絶対に他に負けない思いとかオンリーワンな要素とか、
技術力とか、
そういったもの、
チームワーク重視はこれは利他の精神発揮してと。人間性にこだわって感謝とか謙虚とか、そん
なコミュニケーションですか、これもホスピタリティなのですが、すべてのベースですね、コミ
ュニケーション目指すか献上するとかそういった相手の立場にたつようなこと。
それからさっき言った。見せて、言って、聞かせて、させてみて、とか褒めるとかです。
そういったことが大切です。ほめるということは非常に重要だと最近気づいたのです。
楽しさやりがい、やはりこれは感動につながる部分ここをどういう風に気持ちを持てばいいか、
それからステークホルダーを増やすということでうちの会社がお客さんや取引先に約束をすべき
です。
心配りをさせたいということでこれは気付きですね気づき。心配りをさせたいと追及していく気
持ち、社員さんは考えるのです、いろいろ。これ実は大切です。
考えるうちに社員だとか育ててきてるというようなことが大切です。つまり気付きが出る、社員
さんの。ここの部分が?非常に役に立つのですね。熱意の火、これは社長さんだけでなく社員さ
んも自分を良くしていく。プラスピンチをチャンスに変える、クレーマーをどう処理するか、そ
ういったことがです。バランス感覚っていうのは、先ほど言ったような敵を作らないとか、常に
種まきをしてるような、そんなようなことかなと思うんですが、より具体的に分かりやすく理解
して頂きたいなと思ったんで、沖縄の参考資料ということで手元にあるかなと思います。沖縄教
育出版は日本で一番大切にしたい会社2で登場してきます。
私自身もう3度ほど訪問させていただいておりまして、この会社のホンモノさ素晴らしさまさに
先生は21世紀型企業と呼んでますけど、非常に意味のあるほんとに人望主義理念経営。これ末
尾に数字の番号が3とか4とか6とか7とか、これがここに出てきてる番号と対比している。
やはりこのここの企業これが大事です、いいバランス取れてるか。それからここの会社の特色で
すけど非常に優しいです。表現の仕方がほんとに優しい表現してるなと。
こういうようなことを要するに、経営理念からここに来てるわけです。
現場の社員さんがこういうことを読み合わせしながら自分たちは日々どういう気持ちで仕事して
どういう行動したらいい、これによって価値観を共有している。こういう話になってます。
この辺くらいまでですね3か月4か月1くらいかかります。
経営理念直し終わったときには。やりかたは、社長さんが独自にここまでつくりこんできたもの
もあるし、社長さんは社で作ってそのあとみんなでするケースもある。
これは好みだと思うのです。その経営者が納得できるやり方をすればいいと思うのです。で、最
近こういうのが少しずつ認識されるようになってきて、結構、作ってる会社非常に多いんです。
非常に人、でも生きてないのです、あんまり。作った人で止まってるんですよ、それじゃあ意味
ないんです。やはり仏作って魂入れず、大切な魂ですからこれをつくることなのです。これがほ
んとに社員さんの心に落ちてるかどうか、これが浸透ってことなんですけど、それをやってる人
は。
で、具体的にということで、一番今聞いてるのが効果があるんです。この理念研修っていうこと
をやって心に落とす、浸透させる価値などを大切にしてきたのは何かということを共有化してい
こうとでやっていくんです。たとえば本でもいいです。
日本でいちばん大切にしたい会社の伊那食品も、大体20人くらいいますから。そしてどんなこ
と気づいたか一人でまた作業していく。そしてグループディスカッションし大切なのは必ず参加
者にできれば3分スピーチをしてもらう。さらに大切なのはそこにファシリテーターという人を
入れる。わたしはそのファシリテーターというのをやってます。
そこで非常にすぽって落ちる、ああそうかそうかって感じで。
あるいはDVDの教材を見て、触れていくのもいい。ほんとは一番理想的には当然ながら視察に
行く。これを習慣づけたら、百聞は一見、本を読むよりは映像見た方が分かりやすいし、映像見
るより現場に行く。百見は一試にしかず。百回見ることは一試、一つ試すこと、行動することに
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勝る。で、この理念研修、これちょっと、どういう教材使ってるかお見せしたいと思ってますか
ら、すこしお時間頂きたいんですけど、そういうものを見て人望主義理念経営をやってる企業さ
んに触れて、うちの会社でできてることももちろんある。
できてないこともあるのだ、これを一人一人のメンバー社員さんが考えディスカッション、スピ
ーチをしていただく。そうするとそこに必ず社長さんに入っていただくことにしているのですけ
ど、気がつくのです社長さんが。うちの会社社員そのことけっこうまじめに考えてるぞってこと
に。結構これ効きます、はっきりいって。で、見直すのです。
そうか、大切にしなきゃいけないな社員さんは社員さんで、最初は引いてるんです。
また研修だって。忙しいのに時間の無駄だ、わかりやすい。すごく意見。でもこういう心の部分
っていったら自分のことなのです結局。だんだんやってくうちにほぐれていく。
で、数回もすると社員さんも態度が良くなって、私のこと迎え入れてくれる、非常によくわかり
ます。
ほんで、数回もすると、社員さんの態度が良くなってきて、私を迎え入れてくれるって非常に分
かります。その頃には、ちょっと汚かった玄関きれいになってたよ。変化が出てきて明らかに。
あいさつが良くなってきてるとか、お見送りがすごく何かすごい、いいなって感じがこれは分か
ってます。半年もすれば大分良くなる。だからそこの時に、価値観合わせたくないです。元々価
値観にどこか浮いちゃうのですね。つまりそんなことよりも、自分稼ぎてぇとか、何を言っても
利己でいいと、こういう人がいるからですね、気づいて変わってくれるのが一番理想的なのです
けれど、場合によっては、分かれないといけないかもしれませんね。そのタイプで多いのはだい
たいトップ戦争です。稼ぎ頭といわれる。残念ですけど、それは出来れば変わってほしいですけ
ど、そうゆうものを見てきて。
ご自信が辞めていただければ彼が、場合によっては心苦しいですけれども、今みんなこんななっ
てるのに、
段々といってもですよ。
彼に辞めていただいたりする場合もあるかも知れないですね。
でね、そのいなくなっちゃう時ね。ますます良くなるのですよ。雰囲気が。格段に良くなってく
る。はい。そうなったときには、今度は自分達にも理念がある分けじゃないですか。自分達はこ
うゆう企業体としてやっていくと、ここで大切なのは、今度はそうゆう価値観で仕事したいとい
う人を入れるということです。ここ大事です。
つまり今度新しく入ってくる人は、今やってるクールに馴染める人を選ぶ。これ出来ますよね。
うちの会社こうゆう経営理念なのだよ。例えば私達の、私らのですね、こうゆう理念形式で進め
る社労士をやっているのだよ。で募集するわけです。
うちの求人広告は理念だけですか。1 つだけ言えるのは、独立開業にしたい人は来ないでくださ
い。うちは一生一色が長くこの理念をともに追求できる人に来て欲しいので。で他の条件はそん
なに良くないです。でもこの広告出したときに今までの 10 倍きました。募集がです。
しかも、質がいいのです。ものすごく来る方が熱いのです。何とほんとにびっくりしたのですけ
れど、名もない会社ですよ。うちは。
Johnson&Johnson のコマーシャルの社長秘書それくらい引きつけた。さすがにあの。まだ零細な、
うちの会社ではお迎えするのは厳しいかと思ったので、
ご丁重にお引取りいただきましたけども、
ま、そんなかで最終的に 2 人で最後にどっちにするか本当に迷ったのですけど、これもみんなで
面接して最後に彼とやりたいと最後はですね。みんなが一緒にやっていこうよ。間違いなく、本
当にもう最初からバリバリとですね彼は彼で、ここも関係されてきます。だから非常に理念経営
が走り出すと非常に良くなります。
さっき言ったライブレボリューションまさにそういう意味でそこに入りたくてしょうがないので
す。そこから選べるわけですから。どんな強い会社かってですよね。
好転し始める理念経営は、はじめていい回転し始めると好転しはじめる。
何よりもとにかく価値観に合う人はまず継続する土台が出来たことを意味するという風に思って
いただいてさしつかない。
後考える人材育成と理念形式という件も考えていくので、そういうこともありますけど、色んな
仕掛けがあります。提案制度とか、お客さんの声を拾うシステムとか、この辺は色々本には書い
てあります。で、あと兼業扶養ということ、これももう信頼するわけですから、現場に一番感動
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があるわけですよ。だから多くの会社、こうゆう理念経営という会社さんは、逆ピラミッドの組
織ですね。一番上に現場を置いて、お客さんとしてるんですけど。それをした社員がいてマネー
ジーが下にいて、その下に社長がいて、このような逆ピラミッド式、現場から全部仕事をしやす
いようにする。
ですから権限を与えるということが大切です。権限委譲とかはさすがに今まで管理してた人がっ
てあるんで最近これ増すようになりました。同じ権限与えればいいじゃないですか、上司が出来
ないのは上司の責任でありますから。取ったわけです。上司が組員です。その件で。でも部下も
やっていくのです。そしたら問題ないのです。それでお客さんが満足するかどうか大切なとこで
すね。
あと、朝礼も非常にうまく使ってこれ全員参加させるというのですね朝礼です。
有名なのは沖縄これもです。
2件とも、
イベントなでで絆をつくる時には非常に役に立っている。
社員旅行などバグジーなどは入社式で、すごいですよ。お父さん、お母さんにその社員に対して
手紙を書いてきたのです。それを発表するわけです。その場でそしたら、みんなワンワン泣くわ
けですよ。感動しちゃって。とかそうゆう以外にこのイベントっていうのはですね。すごく効果
がありますね。
目的思考っていうのは、先言ったようにこうゆう価値観をベースした行動規範です。
遵守した動きです。ここまで来て、大体 1 年位で思ったときに始めて、この人事異動、人事制度
の問題がはじまり、つまりこうゆう価値基準にちゃんとみんながです。最近の CM これ真似したん
ですけども、複数、例えば 5 人とか 6 人の別の社員の方が、その評価をする A さんに対してこう
いう行動をとれたかどうか匿名で書いてもらう。
これ全員やるのです。そしたら全員が誰かの部員に記録を見てもらうってことは、この行動がで
きてる人が自然に評価が高くなるいいんです。
だってこれを大切にしたいといってるんだから。これが 1 つ策があの、ほんと評価制度の 1 番半
分を評価に使って、残りを目標達成型のを使って、これもちょっと経理理念とリンクしている形
としてありますので、このようにあの、事実これも若干本のほうに書いてあるんですけれども人
事制度を恐れてここでいるのかな。後はこの辺も、当たり前がかかってくると思うのですけれど
労働のほうのコンプライアンス。当然だとすごく思いますね。で、10 番目そこまで人望主義が進
んでいきますとですね、普通に出来るから言っちゃうんですけども、まあ障害者の雇用を実践し
ていこうかな、高齢者の雇用を活用しようとかです。ゆう感じになっちゃいます。こうゆうふう
にしていくとですね。
あのその人望主義というのが、特に障害者雇用をみていると分かるのですけども、人望主義に芯
がはいるのかな。本物になるっていうような感覚があります。
こんなような感じまで進んでいくと相当いい政治の会社ができてくだろうなというふうに思いま
す。
それではこの後ですね。あの、まっ、私が一方的に話しててもあれなんで、ここから少し、映像
に入っていきたいと思ってるんですが、理念経理が進んでいくと、こういうような変化が出てき
ます。
これは、後ほど実際にやっているゲットイット廣田社長から忌憚のない意見や感想をいただける
と思うので、ちょっと全部ほんとは時間があれば、こんな様子が映像でてます。
これはホンダ神奈川リッツカールトン双璧で有名なディーラーの会社さん。
それからブロックする会社でブロックする会社でです。そういう映像を作ってる会社なんですけ
ど、ま最初は単なる何ていうか会社紹介の VTR を作っていたがだんだんこうゆう大切にしたい会
社をですね、映像を追いかける。そういう会社で、そこから出している映像です。
ま、でもいい会社はですね、あの理念研修する時に、さっきのはだいだい使いますけども、読み
合わせるに結構効果がある。あの想像以上に、出来ます。交互にそれと映像みたいなのがありま
すね。で、後まあ理解ある企業さんだと、あそこら全員は無理なのですけど、実際に視察会を組
んでそうゆう会社に視察にいくこともあります。
はい、ありがとうございます。これは仕事の原点テーマがちゃんとあるのですけど、チームワー
ク。まあその理念経理にはちょっと若干はズレますけどもそれでもまあ、
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VTR/
その人にしかない独自の感じ方や考え方があります。
例えばあなたは、どんな心情を持っていますか?どんな趣味、主張を持っていますか?本当に人
それぞれだと思いませんか?それが個性というものですね。
そんな様々な個性が集まって 1 つの会社や組織が作られています。
そして、1 つの方向に向かって、力を合わせて活動を続けています。
スポーツに例えれば、ラグビーのようなものです。15 人が一丸となってゴールを目指す。合言葉
はワンホーオール、オールホーワン。一人一人違うメンバーが1つの目的のためにそれぞれの持
ち味を発揮して全力で頑張るのです。会社も同じです。
考え方の違い、役割、立場の違いがあったとしても、目指す方向は1つです。
目的に向かって心を1つにする。様々な個性が集まってるからこそ、掛け算となってより大きな
パワーを生み出すことが出来るのです。
そこはお客様から圧倒的な支持を集めている
車を買うときは一瞬ですけど、はい。車買った後って 5 年、6 年乗っていただかないと店とのつ
きあいだと思いますはい。これやっぱ、あの実力もさることながら、店全体の力、みんなの力が
ないと車は売れない思いますからええそりゃもう、皆さん感謝してますんで、仕事はまあ車を直
すか、車を売るかと根本的には違うかもしんないですけど、それはあくまで、仕事っていう作業
的な部分の違いです。で、結局仕事としてやっぱり同じことだと思うので満足して帰ってもらう
とか喜んでもらうとか、それは車を直して満足してもらうのも、車買って満足してもらうのも、
で、女性にして見れば、接客の対応とかで満足してもらうのも、変わらないのです。
一人一人の患者さんに合わせて、またその時々の状態にふさわしい看護をしようと、職員の人達
は努力を続けています。
ありきたりになっちゃうのですけど、やっぱりそのなんですかね、ちょっとでも自分に近いと思
わないかん。家族だと思ったりとか、例えば気持ち的には出来るだけ理解するようにしていると
いうか、でそういうふうに心がけると、やっぱり患者さんがですかね、心開いてくれるっていう
か、やっぱりそれなりのなんか温かいリアクションなりをくれる。
そうすると自分はもっと、もっとこんなところも、っていうふうに、何か自然となる気がします
ね何か不思議なんですけど。
この病院は患者さんの満足を第一に掲げそして、その実現を通して職員の働き甲斐が生まれるこ
とを目指してきました。
患者さんとふれあう様々な局面
小林/
けっこうそれで、あのワークシェイクというのがお手元にあると思うのですけれど、それについ
て個人作業としてですね、印象に残ったこととかあるいはここに出てくるスタッフとか、まあど
んな考え方に共通点があったか何を大切にしていくか。それからうちの会社ですよ。うちの会社
がこれから心を一つにしていく為にはどんな事をしていけばいいか、ご理解いただいて、そのの
ちワークディスカッションするそのあと1人3分間スピーチを行っていただくと、かなり思いが
こもった発言を各サイドからして頂くそれに対して、そうゆうそれは、良いところに気づきまし
たね。あるいはその為には、こういうことしたらもっと良くなりますよ。ある会社の事例はこん
なことやってました。とファシリテーションを行うと、ああそうかということで、早速、自分が
職務をもったらそれやってみようかな、これをですね、20 人ぐらいだったら 3 時間ぐらいで行っ
て一月、一月増やしていくこれを半年もやればですね、相当に雰囲気が出てくる。
と、今までのやった中での実感がございます。時間が来ましたので丁度この後ですね、登場しま
す、ゲットイットさんの所で理念研修とそれから今も目標達成制度とか今度はもちろん、いよい
よ、お作りになるというようになってきますけども、そこまでですね、簡単な 5 分ぐらいの映像
がありますんで、これを最後までご覧頂きたいと思います。
はい。ということですね。これはあるセミナーでそのとき使ったやつなのですけどこのあともご
ざいますけれども、こんなような形、これが一つの成果と言うことで最後にご紹介をさせていた
だきました。
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では、私のほうは時間が参りまして、大変申し訳ありませんが、途中、映像の不備がありまして、
お詫びしましてですね、元気な会社の作り方あらましの紹介にはなりませんでしたが、活動して
元気な社員さんとですね、それからそれを見ていただく経営者の方にですね。喜んでいただける
機会が増えてきているというということをご報告させていただきまして終了とさせていただきま
す。どうもご清聴ありがとうございました。
ありがとうございました。
司会/
ありがとうございました。心にしみるお話でした。今一度盛大な拍手をお願いいたします。会場
からのご質問につきましては、後ほど2名の方の事例発表を終えた後に質問表を回収させていた
だきますので、その時にスタッフにお渡しいただけると思います。
それではここで、少し休憩を 10 分ほどとらせていただけます。
時間のほう 3 時、すみません。2 時 38 分になりましたら着席のほうしていただければと思います
ので 10 分間休憩とさせていただけます。
事例発表
司会/
それでは只今から各社より事例発表をしていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社ゲットイット代表取締役の廣田優輝様に発表いただきます。拍手を持ってお迎えくださ
い。
こんにちは。ただいまご紹介に預かりました株式会社ゲットイット代表取締役社長の廣田優輝と
申します。今日は、初めての四国ですごく楽しみにしてきました。お会いできて嬉しく思います。
そして、発表の機会をいただけてありがとうございます。感謝しております。私の会社は、東京
都中央区の勝鬨という築地の対岸にありまして、何をやっているかというとサーバー、ネットワ
ーク機器、スイッチンウハブだとか業務用の機器の中古品の売買を行っています。そんな、私の
会社なのですが、
どんな人間がつくったかというと、
私のことを軽くお話が出来ればと思います。
私は、もともと商売人の家の生まれです。父は東京の中央区築地で、台所用品の販売を行ってお
ります。小さいときから、店番を任されたり、知り合いの業者さんとお話をさせていただいたり
して、将来いつかこの会社を継ぐのかなと思って育ったのですけど、実際にはあまり意識しなか
った。商売人の家の息子として、ごく普通に育ったと自分では思っております。大学時代にパソ
コンにひょんなことからはまり、電化製品の秋葉原でバイトをしたり、そのころちょうどインタ
ーネットが普及し始めたころで、店の前で自分が売っているものは、インターネットだったらも
っと高く売れるじゃんという時代があった。いまだとインターネットで安く買えるじゃんと思い
ますけど、インターネットでしか買えない方、お客様がいてインターネットで売れば高く売れる
という時代が、本当にはじめの一部だけあったのです。そのころから商売を行っています。なの
で、そもそも、私は何がやりたいから会社を作ったというわけではなくて、ただただお小遣い欲
しさに商売をしておりましたそれが、だんだん大きくなっていって、ある日、母親に通帳を見せ
なさい。最近のお金の使い方はおかしい。と言われ、見せたところこれは会社として登記しなけ
ればいけない。と言われて、そうですかと言うことで、社名すら自分で考えたこともありません
でした。そして、会社を作って自分がしたいように、自分でお金を儲けるためだけに、会社を作
ってずっとやって来ました。お蔭様で、見たところ悪くなかったのか、業績のほうは順調に伸び
て行ったのですけど、何かがちょっとおかしいなということを感じながら、ずっとやっていたと
思います。その中古市場と言うのが少し変わった市場かもしれないところがあって、どういった
市場かというと、
売り手の方に売ってくださいということで初めて商売が成り立つのです。
通常、
もしかしたらほかの業種でもあるのかもしれないのですが、中古市場は、特に仕入れ業者、仕入
れ元が強くて仕入れ元に買わせてください。お願いしますと頭を下げて買う。そこを幾ら安く買
うかと言うことが勝負になってきて、そのショップをだれが持っているかと言うことが勝負にな
ってくるという、業種でした。仕入先に頭を下げて、お客さんに売るときももちろん下げてとい
うことを、やっているうちに、なんだか、みんなに感謝して大変だなと自分では本当に思ってた
なと思います。ただ、儲かるのでずっと続けていました。そんな会社ですから、採用させていた
だいても人は、誰も働きたいなんて、もしかしたら思わなかったのかなと思います。なので、採
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用したときに何をやっていたかというと、お金をあげてたのです。幾らいるから、うちで働いて
欲しいと、どんどんあげてきました。最終的にどこまでいったかと言うと、新卒で年収400万
払いますというところまで、書きました。これで、ようやくうちの会社に人が来てくれたのです。
当時、2003、2004年ぐらいですインターネットバブルのころだったので、もっともっと
給料がいい会社があったかもしれない。うちの会社ではそうやってようやく人が来てくれるとい
うことだったので、その人もどういう人かと言うと、お金で雇った人だから会社がどうとかじゃ
なく、
自分の生活がよければいいんじゃないか、
僕自身が思っていたとおりのことなのですけど、
僕は自分が楽して、お金があればいいと思う。社員さんも全く同じように思っていた。そういう
経緯で会社がどんどん募って来ました。年収400万といいましたが、最高480万まであがっ
たし、今でも割りと高い給料を渡しています。以前払ってしまった分、新しい社員の方は低くと
いうのがなかなか難しいものがあるかなと思ったので、そんな感じです。それで、先ほど売却予
定とあったのですが、別に自分で作りたくて作った会社ではなかったので、10年たったら会社
は売却しようと思っていました。私は20歳のときに会社を興してますので、30になったら会
社を売却して、後は違うことを、そのときは具体的になにがしたいということは思っていなかっ
たのですが、なにか違うことをして暮らそう。会社を売ったお金で、というふうに考えていまし
た。中小企業の社長は、みなさんエースで、4番で、監督で走って守って指示してと、汗水たら
して働くのがそうだと思っていらっしゃると思うのですが、僕自身は中小企業の社長として、や
はり、エースで、4番で、監督をパーフェクトにこなさないといけないと思っていました。ただ
し、売却をかけたときに会社の査定を行ってもらうのですが、このときに外資系の企業に売却し
ようと思っていたのですが、査定をしたときに、結果に驚きました。結果が、この会社において
は従業員は価値がない。何も考えてないし、だから、従業員は全部切る、この会社そのものの価
値は、お前が持っている情報だけだ。ただ、この情報を幾らで買ってやるという言い方をされた
のです。このときに、本当に衝撃を受けて、まず何のために働いているのかがわからなくなった。
何のために働いているのか、なんで従業員にお金を払わなくてはならないのか、なんで自分が生
きているのかと言うところまで、もしかすると踏み込んだのかもしれない。本当に悩みました。
私は、30なのですけど白髪が多いのです、その時に、多分出てきたものだと思っています。と
にかく、幸せじゃなかったです。本当に幸せじゃなかったです。今聞くと、自分で今話している
自分を、昔の自分がそう言っていたのを見ると、なに言ってんだよ。全部持っているんじゃない
かと思ってしまうのですけど、当時はお金はあるのだけど、それ以外は何もない、幸せじゃない
と思っていました。何がしたいのか、本当にわからなかったです。その中で、参加させていただ
いた、異業種交流会がありまして、東京に、コンセプトのいい異業種交流会がありまして、大人
になってからの幼馴染、ということで、名刺交換禁止、仕事の話一切禁止、ただしみんな経営者
という異業種交流会があるのですけども、そこに私が所属していまして、そこで小林さんと出会
いました。毎回、各テーマをもとに、仕事の話を本当はしてはいけないのですけども、いろいろ
な今燃えていることとか、今余裕や。ということで、小林さんが本を1冊持たれたのです。それ
が、日本で一番大切にしたい会社という本でした。私は、そのときに何でもいいからすがりたか
ったので、聖書からなにから、いろいろ読んできたのですが、右の頬を出して、左の頬を出して
も、意味がなかったし、何でそんなことをしなければいけないのだろうと思っていましたし、た
だ、日本で一番大切にしたい会社という本を読ませていただいときに、本当に涙が止まらなかっ
たのですね。嬉しかったのですね。これが自分が生きて行く意味だとようやく、分かって、そこ
から会社を変えようと、会社を変えるとは、自分自身が変わろうとやってきた次第です。社員に
対して、何で仕事をしなければいけないのか、働く意味は何、と語り始めたときに、今まで、お
金、お金、経費削減と言っていた私が言うと、何か悪い人に引っかかったのじゃないかとか、宗
教に入ったのじゃないかとか、頭がおかしくなったのじゃないかとか、そこまで率直に言ってい
ただいたのですけど、小林さんもおっしゃっていましたが、来るたびにまた時間とられるよ、無
駄だ。
小林さんの研修は2時間ですので、しかも午前中電話が忙しい時間になんでこんなときに、時間
を取られなきゃいけないのか、だったら社長いつも業績上げろといってるじゃん、仕事しろって
言ってるじゃん、だったら自分がやってみれば。本当にそんな雰囲気でした。それは多分、小林
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さんも言っていたのですけど、仕事が大切だと言いながら当時、煙草のポイ捨てとかしてたかも
しれないし、社会的なルール、マナーと言うものを自分自身が実践できてなかったからだと思い
ます。その背中を見た社員が自分がした答えを見せてくれたのじゃないかと、駄目だよ、それじ
ゃ、というふうに。それで、一つずつ自分の行動を改めてきました。今の中核になっている社員
は、小林さんの研修に出ろと言ったときに、なぜ、無駄なことをさせるのだ。と言われたのです
けど、時間がないというから、これを回避して受けるようにしようとか、あらかじめ分かってい
るのだからそれでやろうよ、とか言って自分がやっていって、だんだん会社の空気が本当に変わ
ってきました。だんだん一人の社員がちょっと分かってくれて、駄目になって、ちょっと分かっ
てくれて駄目になって、自分自身がそうであるように、社員たちも戸惑いがあることが多いと思
います。そんな中、少しずつ少しずつ変わっていって、研修で見たどうせ無理といわないという、
植松電気さんの言葉ですとか、どうしたら落第点じゃなくて最高点をとろうよ。テストの問題が
でるのはどこですかって聞くのじゃなく、どこが問題に出ても解答できるようにがんばろう。と
いうことを、社員と話して行くうちに、社員がだんだん変わって行ったのです。そうしたら、ど
ういうことが会社で起きたかというと、当社には朝礼と言うものが無かった。朝礼なんて時間の
無駄だと、僕がばっさりと切り捨ててたんですけども、朝礼も社員が自らこういうことを話し合
って進めたいということで、朝礼が始まりました。朝礼も、はじめは部署間で別々にやっていた
のですけども、社員間で調整して、社員同士がやるようになりました。朝礼にはファシリテータ
ーが必要だと言うことでファシリテーターの本を買ってくれれば勉強するからと社員が現れるよ
うになりました。行動指針等の読みあげをしながら、社員が会社はこの方向に向かっているねと
毎朝確認を取っています。また、目標制度というものを当社でやっているのですが、その中で障
害者の方の雇用を始めよう、雇用にまで関わる社員の方もでてきました。そうすると、障害者雇
用というとはじめは聞きなれないですから、みんな戸惑ってしまうのですけども、社員さん主導
で会社もそれを前提に達成感、目的が正しくて自然であれば、必ずサポートするからということ
を、強く伝えておりますので、一瞬動揺もあるのですけども、ちゃんと落ち着くべきところに落
ち着いて、今日から障害者雇用のトライアルに賛同しております。
私はほとんど何も関わっていなくて、社員のみんなで現場を作って自分たちで東京都のプロジェ
クトに参加させていただいてトライアル雇用の試行をさせていただいております。そういうふう
に社員の方がどんどん変わってくるのです。社員さん同士のコミュニケーションも良くなってき
ますし、
会社も社員さんを信じて任せようとするので、
実際僕が一番肩の荷が楽になったかなと、
思っております。そして、会社に笑顔が増えました。
社員研修で沖縄教育出版さんに行かせた事があったのですけども、何が負けたと言うことは、異
業種だから特に感じなかったのですけども、笑顔で負けたなと言うことを非常に感じたのです。
あんなにいい笑顔をする会社があるのだ、会社の従業員みんながあんなにいい笑顔をすることが
あるのだということに、笑顔で負けたと思ったのがうちの社員も笑顔が勝てるようになってきた
というのが、最近の一番嬉しいことであります。今までは、社員の方が増えると経費が増えると
か、無駄な経費を使うなといっていたのですが、社員さんが必要であると思えば、それが会社の
目的に即しているようであれば、どんどん自由にしていいと、性善説の受け入れです。性悪説で
承認が必要だとか、何かが必要だとか言うことをすべてガチガチに決めるのではなくて、ちゃん
とこっちに向かっているのだよ。ときに、迷うことがあります。ただ、それをちゃんと修正して
あげながら、正しい方向に向かって行くだけで、会社はこんなにも強くなるのかと肌で感じてい
ます。そうはいっても、やはり、人間なので、何かちょっと気に食わない日があったり、妻とけ
んかした日とか、よく分からないのですが、いらついているときとかもあるんですけど、そうい
うときに同士がおりますので、社員に嫌なことがあったのだとか、違うよ。こうでしょといわれ
たり、社員の前でどうせ無理だと言うと、どうせ無理は禁止ですよと言われたり、そうやって会
社と言うのはだんだん良くなって行くのだと、実感し始めてるところです。やり始めて、2年近
く、1年と9ヶ月ぐらいになるので、これくらいのレベルでそんな感じになると思います。私は、
法政大学で坂本先生の授業をとらせていただいているのですけど、ゼミには嫁さんを説得する自
身が無くて、はいってないのですけども、何で勉強しているかと言うと、途中で社員にもいえな
いような、自分でイライラを抱えてしまうことがあるのですけども、そういったときに同じ志を
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持った経営者が多くいると言うことで、その人たちが修正してくれたり、坂本先生の背中を見て
いると、恥ずかしいことはできないと、その名の下において絶対にやってはいけないという、自
分に戒めが効くので週に1回だけ、必ず心をきれいにしとくようにしないと、どうしても弱いほ
うに流れてしまうときもあるので、そういうふうにならないように、週に1回授業を受けながら
心をしっかりと保てるように行っています。先月、本当に忙しくて心が折れそうになっていたの
ですが、そんなときに理念研修でこんなことがあったのです。従業員の一人が僕のことをほめて
くれました。3年間働いていたのですが、僕は1回も誉められたことが、無いと思うのですね。
その時に、すごく忙しかったのだけど、そんなことどうでも良くなって、すごくうきうきとして
1日を何事も無かったのように帰ったのです。あれほど嬉しかったことは無かったのです。従業
員の人に誉めてもらうと言うことが。
こういうことが繋がって、
誉めてもらって嬉しかったから、
次の人、また社員を誉めてあげようって、いい流れが続いて行くのが、理念経営だしそれにご助
力いただいているのが、小林先生ですので、こういったことを通しながら、いい経営がなるべく
出来るように、心を保っていい社会のお役に少しでも立てればいいのじゃないかなと僕は感じて
おります。以上を持ちまして僕の発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。
司会/
ありがとうございました。非常に感動あるお話でありがとうございました。引き続きまして、西
精工株式会社代表取締役社長 西泰宏様より、事例発表をしていただきます。
西/
ただいまご紹介いただきました、西精工の西です。今日、最初経済産業省の河合様から、熱い思
いを語っていただきました。実は、経済産業省の方から、ああいった言葉が、でることは全然意
外でして、あの言葉聞いただけで今日来てよかった、と思います。企業は大変な環境の中、変化
して行かなければ生きていけませんけどもそれは、
企業だけでなく経済産業省のようなところも、
そういったパラダイムシフトみたいなことが出来ているのではないかと、感じました。実は打ち
合わせも無く、真の企業経営とは、地域に根ざし愛される経営、このタイトルだけで来てくださ
いと呼ばれて、
今日はじめてスタッフの方とお話をしたのですが、
来てみて理念経営のことなど、
原稿がそうなっているのです。なぜか。良かったと思います。今日は原稿を読まさせていただき
ます。当社は、主に自動車や電化製品、建築などに使われているナットや、パーツ類を製造販売
している会社です。鉄やステンレスなどの原材料を、新日鉄様など高炉メーカーと言われるとこ
ろから仕入れて、トヨタ、ホンダ、日産など自動車関連の1次、2次メーカー様やネジ商社様、
ネジ問屋様に納めています。社員数は約250人です。当社は創業以来、地元徳島にこだわり、
ものづくりをしてきました。12年前に、神戸と鳴門を結ぶ橋が架かるまで、大きな地理的なハ
ンディキャップがありました。しかしながら、そのハンディキャップを逆に強みと変えていきま
した。われわれの業界において、材料加工や金型加工は外製が当たり前ですが、四国にその仕事
をするところは、ほとんどありませんでした。それを全部本州に出してしまっては、お金も時間
もかかってしまいます。当社はこれらの工程をすべて内製に取り込んでいました。工作機械など
も自社で開発したり、他社の機会をコピーするなどして技術力をつけ、コストを低減してきまし
た。経営ビジョンでは、人づくりを基点に、徳島から世界へ、ファインパーツの極みを発信する。
と、うたっています。ファインパーツとは、1高性能、2高品質、3極小、小さいということで
す。と定義し、極みのレベルまで技術力を伸ばし、お客様への価値を創造し続けることを使命と
しています。経営ビジョンは、昨年の夏に制定したのですが海外には工場進出せず、ここ徳島で、
ものづくりにこだわりたいと言う思いが、徳島から世界へ発信すると言う言葉になって現れてい
ます。それほどまでに、徳島にはこだわっています。たとえば今、主体が中国に進出すれば5年
から10年は既存商品での改善を繰り返せば、何とか会社は存続できると思います。そうなると
今の、徳島のものづくりの比率を極端に少なくして行かなければ会社は成り立ちません。結果的
には、たくさん社員に辞めてもらわなければいけません。私は単純に身近にいる徳島の人の幸せ
を追求したいと思います。身近にいる人を、幸せに出来ないで、海外への進出はないと考えてい
ます。社員の幸せが、私の幸せですから。こういったことを毎日のように言っていますから、言
っていることとやっていることが、ぶれては社員から信頼されなくなります。どうして私がこう
いったことを考え、自然に口から出てくるようになったのか、それは理念を持つことで自分のミ
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ッションがはっきりしたからです。当社の創業者は祖父です。大正12年に創業し、昭和35年
に株式会社に改組してから、祖父は会長となり、3人の息子が順番に社長をしていました。私は
その3男の息子のまた息子、会社を継ぐ意識もほとんど無く、大学を出てから家業のことなど何
も考えずに東京に、就職しました。うちの父からは、いずれ帰ってこいと、大変いい加減な表現
をされていました。ところが私が33歳のときに、家業を継いでいた私の従兄弟が、すい臓がん
のため37歳と言う若さで亡くなりました。そのため、急遽、死んだ従兄弟の4歳年下である私
に帰って来いという声がかかりました。この時は、運命だと思い余り抵抗せずに受け入れること
が出来ました。今まで好き勝手な生き方をして、せめてそれくらいは、親の言うことを聞かなけ
ればいけないと言う意識があったのだと思います。私は東京から帰るまで、11年間東京の広告
代理店に勤めていました。12年前に、徳島に戻って会社を継げと要請があったとき、結婚した
ばかりでした。仕事も非常に楽しかったです。自分で選んだ業界でした。自分が決めた道でした。
たくさん、仕事をしてたくさん遊んで、充実していました。仕事仲間にも大変恵まれました。一
生懸命働いていましたが、将来に向けての勉強は全くしていなかったと思います。その日楽しけ
ればそれでいい、そういう考えだったかもしれません。徳島に帰ることが決まり、気持ちを変換
させました。私は、実は生まれ育った徳島のことがあまり好きではありませんでした。なので、
これからずっと暮らして行く、働いて行く徳島を好きになろうと決めました。自分が望んでもい
ない、どうしてこんな田舎に帰ってきたのか、いやいや仕事をしていたのでは、それが自分の会
社の社員に伝わってしまうと思いました。
東京での生活や仕事よりも、
もっと徳島の生活や仕事、
そして社員を好きなる。そう思いました。本気で全社員や徳島のことを今では、愛しています。
社員の前で恥ずかしげも無く、そういうことを話しています。先週の土成工場での朝礼でも、約
70名ほどの社員の目の前でそういうことを言いました。徳島に帰る直前に、母が暗い会社らし
いわよと私に言いました。母は会社には入っていませんでした。人からそういうことを言われた
のでしょう。私は、その話を母から聞いてとにかく、明るい会社にしなければいけない。そうい
う思いが、自分の中で芽生えました。いざ会社にいってみると、挨拶をしない社員。朝、ぎりぎ
りに駆け込む社員。朝のラジオ体操は、全員参加ではなく、自由参加と言う状態。終業のベルが
なる前に機械を止めて、毎日5時5分と言う時間をタイムカードに打刻することを、生きがいと
感じている社員。汚れていても掃除はしない。ゴミが落ちていても拾わない。製品が落ちていて
も拾わない。もちろん、いいところも沢山あったのでしょうが、私の目にはこういった、マイナ
スのことばかりが映りました。前の仕事で、沢山の会社を見てきました。どういう会社が、倒産
するかは外から見てよく分かっていました。
経営者が一番分かっていないと思いました。
当社は、
無借金経営を長年続けてきました。それが、実は奢りになっていると思いました。私は、これを
このまま継いだら、きっと潰れてしまう。そういう大きな恐怖感でいっぱいになりました。私は、
徳島に帰ってすぐ腎臓を患い入退院を繰り返したために、丸1年仕事らしい仕事は出来ませんで
した。体調も戻り、元気になったある日の朝のことです。このときの光景は今でも覚えています。
多分、一生忘れることは無いでしょう。当社のラジオ体操は始業の5分前に始まります。なので、
強制は出来ません。自由参加です。当社の営業担当の役員が、ラジオ体操をしながら、時間ぎり
ぎりに出社してくる社員に明るくおはようと声を掛けました。彼は、ポケットに手を突っ込んだ
まま少し、頭を下げただけでした。私は、その時に決心しました。社員が、働き甲斐を感じるい
い会社を作りたい。自分自身が、こんな会社は楽しくない。動機は、単純でした。私自身が、楽
しくないのは嫌だからです。嫌々働いている人を見るのが、嫌だからです。この話をすると、も
っと動機付けになることがあるでしょう。と言う人がいますが、これ以外の動機は見つかりませ
ん。あるいは、創業者である祖父が、こんな会社を目指したのではないと、私の中で、訴えかけ
たような気がします。では、どうすればいい会社はつくれるのでしょうか。自己啓発書、経営に
関する本、ビジネス書などを読みまくりました。また、いろいろな講演にも参加し、自分の考え
などをまとめようとしました。
その中で、
理念やビジョンがだんだん固まって行った気がします。
ビジュナリーカンパニーなどいろいろな本を読んで、会社には理念と言うものが大切だと言うこ
とが知っていましたが、本当のそれを実感したのは、稲盛和夫氏の生き方を読んだときです。社
内の改革でもがき苦しんでいた私に、あ、これだと稲妻が走った瞬間をいまだに覚えています。
これから何かが起こると、武者震いしました、すぐに、理念を作ることに専念しました。当社に
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は、40年以上前から、社是、社訓というものがありましたので、理念をあえて制定するまでも
無いと考えました。しかし、そこには会社の存在理由、なにより社員をこうしてあげたい、と言
う思いがありませんでした。それから、1年掛けて、理念を作りました。会社が続く限り変えて
はいけないものとし、一生懸命になって考えました。いろいろな会社の理念を見て参考にしまし
た。ものづくりを通じて、みんなが物心ともに豊かになり人々の幸福・社会の発展に貢献するこ
と。経営理念の制定は今から4年前のことです。そこから、私の人生そのものが理念を高める日々
になりました。経営理念については、毎日の朝礼で唱和はもちろん、理念をテーマにした会話を
毎日社員にしてもらっています。毎朝の朝礼は、部署ごとに行われていますが、私は毎日違う部
署を回り、理念について説いています。毎日社員向けに A4、1~2枚程度、理念やビジョンを
説いたメッセージをパソコンで送っていますが、パソコンを3分の1の社員がメッセージに返事
をくれるようになっています。社員の返事にまた私が書き込みをすることで、対話が出来、ベク
トルをあわせられると考えています。パソコンを所有していなくても、メッセージがプリントア
ウトされ、全員に回覧されます。現在このメッセージを基に若手社員が、西精工フィロソフィー
委員会を組織して作成する作業をしています。完成は、来年の春から夏ころです。これでより、
理念を高め続けることが出来ると考えています。理念は、やはり不変化しないと、浸透しないと
意味がありません。ちょうど 1 昨年の 2 月、リーマンショックの影響で、売り上げが前年比の3
0%代に成りました。30%減ではなく、30%代になりました。そのときに、社員全員に向け
ていった言葉は、雇用は絶対に守ります。誰一人、辞めさせたりしません。当社に理念成るもの
がなければ、それが私に浸透していないとこんなことを社員の目の前で堂々と言えなかったと思
います。私は、理念を元に目標、ビジョン、相対する姿を強烈に描くようにしています。良好な
人間関係を築くために、景気が悪いときにこそイベントを増やそうと社員に呼びかけ、コンパや
飲み会、小旅行、スポーツイベントなどの回数を増やしました。こういったことをやっていき、
後は社員が生き生きと笑顔で仕事をしている姿を強烈にカラーでイメージします。なかなか描い
たとおりにはなりませんが、描いた姿と現実のギャップを埋めて行くのが私の仕事だと考えてい
ます。ちなみに、現在社内はイベントだらけです。例えば、今年の 9 月から 11 月までの 3 ヶ月間
の社内イベントは、小さな規模の物まで入れて 51 回。その内、私は 14 回のイベントに参画して
います。何年か前までは、私が良く企画していました。今は誘われるだけです。イベントを企画
するのが本当に楽しく社員が増えてきました。意識改革や制度改革など、社内改革をやり始めた
ときは経営理念、自分のミッションが無く、精神的に辛い日々を送りました。当時の社長であっ
た父とも、意見や方針が会わず、何度もぶつかり、何度も会社を辞めようと思いました。だが、
社員のことを思うとそれも出来ず次の日も明るく出社していました。制度改革では、給料制度、
評価制度、人事制度など次から次に変えて行きました。これらについては、全く知識が無かった
ので猛烈に勉強しました。改革は、私も社員もお互いに痛みをもらいました。特に、給料制度を
変えたのは辛かったです。年功序列の制度をずっと続けていたせいでもうどうしようもない状態
でした。若い人と年配の人の給料の差が、実力以上にありすぎていました。能力や役割表を作成
し年配者の給料を賃下げしました。一人一人誠意を持って話をして、了承の判を押してもらいま
した。中には、数十円下がるだけで、泣き出す女子社員がいて、心が痛みました。これくらい大
丈夫だと思っていました。なんと、社員の気持ちが分からない経営者なのか。本気でそう思える
ようになったのは、それから暫くたってからだと思います。理念が自分に浸透して言ってからだ
と思います。その時は、社員の納得よりも、理論や理屈で説得していたのだと思います。本当に
おごっていたと反省しています。
経営理念を制定したときに気づきました。
経営者になった今も、
自分のために仕事をしていないか。社員のためと言いつつ、実は完全にそう思っていないのでは
ないか。私個人の大義名分やミッションとは、なんなのか。もう一度自分に強く問いただしまし
た。社員を幸せにすると言う大義名分のために、あるいは生まれ育った徳島のために仕事をしよ
う、社員の幸せは私の幸せ。手帳にしっかり書き込みました。今ではほとんどの社員が社長の手
帳にはそう書き込んであると知っています。こう考えることで全く悩まなくなりました。なんと
自分勝手な思いで経営をしていたのかと、反省しました。人の役に立つ、世の中の役に立つ。そ
ういう思いで仕事に取り組もう。そういうふうに、覚悟を決めました。覚悟を決めて社員に公言
したら本当に楽な気持ちになりました。心が開放されたような感じです。私は、社員満足を追求
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するためにはまず、理念を浸透させることだと思っています。理念を共有した人間が集まらない
と社員満足の実現は不可能です。大切にしているものが、同じでなければ会社の雰囲気はよくな
りません。理念が腹に落ちるとそれが、いろいろな言葉になって現れます。大切にしたいものは、
なんなのかがカラーでイメージできるようになります。その一つが、大家族主義です。私が社員
に説いた、大家族主義をそのまま紹介します。経営者は、社員にちゃんと自分の言葉で大切なも
のを語らなければいけないと感じています。私はそういったことを 3 年間毎日のように、続けて
きました。それが先ほど紹介した西精工フィロソフィーです。そのフィロソギーの大家族主義で
す。大家族主義で経営をする。大家族主義で経営をする。こういう団体で経営をされているは、
いくつかあると思います。当社はこれを普遍化させるため、全員正社員、終身雇用を進めて行き
ます。理念を深く全社員に浸透させていくためには、処遇や待遇が同じでないと駄目だと考えま
す。生産の付加機能は派遣社員や契約社員、会社にとっては都合のいい労働力であり、緊急や一
時的だけでなく、恒常的にこういうことを続けて行けば理念の現実化、実現化は難しいと考えま
す。全員正社員が理想の形です。当社の技術は、徳島や四国では、ニッチである。営業、製造、
開発においては、ここでの知識を生かしての転職はあまり考えられません。それなら、ここでと
ことんこの技術を極めて欲しい。というのが終身雇用の考え方であり、それに対する会社は強い
財務内容を築いてきました。給与、ボーナスは、名古屋大阪の競合企業に比べても高いレベルに
なっています。このような環境の下では、顧客満足、社員満足、強みの開発、社会貢献といった
会社の柱となるものを、育みやすい土壌が作れます。当社は、人の喜びを自分の喜びと感じ、苦
楽を共に出来る家族のような信頼関係を大切な価値観としています。家族のような関係は、お互
いに感謝しあうと言う気持ちを持ち、お互いを思いやり、信じあえる仲間を作る。是が仕事をし
て行く基盤となっています。家族のような関係ですから、仲間が仕事で困っているときには、理
屈ぬきで助け合います。プライベートなことでも真摯になって話し合います。反対にその人のこ
とを思い、真剣に叱ったりもします。同じ釜の飯を食う家族ですから、こういったことも大切で
す。つまり、仕事だけのつながりではなく、食事、飲み会、スポーツイベント、バーベキュー大
会、ボランティア活動など、社内外で開催されている本当に沢山のイベントが社員たちの絆作り
を深いものにしています。皆さん全員が、大家族主義はすばらしいと書かれていました。社員全
員が、こう思うことが大切です。大家族主義、なんてうざい、面倒くさい、どうでもいいという
社員が一人もいないようにフィロソフィーを追求して行かなければなりません。社員満足のアン
ケートを取ったとき、理念の浸透やフィロソフィーについて、たった一人ですが宗教みたい、嫌
だと答えられた人がいました。理念の浸透とフィロソフィーの実現は、ほとんど宗教みたいなも
のです。それを風土、文化というのです。当社の理念や、フィロソフィーに違和感のある人がい
ても、それはそれで納得がいきます。会社の数だけ理念やフィロソフィーが、あります。大家族
主義を貫くためには、それ相当の覚悟が必要です。出来たら言いですね。では、なかなか実現は
無理です。理念を深く心に刻んでこそ実現できることだと思います。フィロソフィーの実現につ
いて、私は先頭に立ってリーダーシップを取ってやっていきますので、皆さんも自分で考えて自
らフィロソフィーのために、何をやればいいのか考え、それを実行してください。ついてきてく
ださいとはいいません。自ら考え行動を起こしてください。主体性を持って行動してください。
フィロソフィーに違和感がある人は、
うちの家族ではありません。
どうぞ去って行ってください。
家族とは、良いときも悪いときもどんなときでもそれなりに、幸せを見つけることを忘れずに、
例えばちょっとしたことでも微笑み合える。
どんなときも、
家族でいれば真っ暗闇はありません。
一緒にいること自体が光なのです。大切なことはどんなときでも一緒にいること。一緒にいるこ
とが辛いときでも一緒にいること。何があっても、帰ってくる場所はここです。私が大家族主義
を実行するため、普段からやっていること、心がけていることは、
1社員全員の顔と名前が一致していれば一声掛けられる、
2社員全員基点業種です。
3社員全員のことを愛している。決して無関心でない。
4だから、叱るときは必死になって叱る。決して怒ったりしない、感情は捨てる。
5社員関係のお葬式は出来る限り、最優先する、
6苦手な披露宴の挨拶を断らない、昨日もやってきました。非常に苦手です。うまく出来ると思
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うのですけど、決して私は好きではありません。人前でしゃべることが、苦手な披露宴の挨拶を
断らない。
7社員が結婚したら奥さん、旦那さん同伴で 5~6 人のお祝い食事会をやる。
8社員の子供が生まれたらお祝いをポケットマネーで贈る。
9ちょっとしたことで子供のように喜びあう。
10お疲れ様でしたに、また明日を込める。今日は楽しく仕事が出来たね、また、明日も楽しも
う、あるいは今日は辛かったけど明日も来てくれるね。明日はいい日になるよ。と言う思いを込
める
これが社員に説いた大家族主義です。会社を経営すると言うことは大きな使命があります。当社
の理念には、みんなが物心共に豊かになるとかかれています。みんなとは、社員、お客様、ビジ
ネスパートナー、地域社会の人たちです。普通はこれ株主が含まれますが、当社は同族経営なの
で株主はのぞきましょう。社員、お客様、ビジネスパートナー、地域社会の方、これらには順番
が必要だと思います。これは、日本で一番大切にしたい会社の著者である坂本先生もそう言われ
ています。私の、優先順位は、とにかく社員です。それが、1 番です。2 番目はと言われると、よ
く分からない気がします。時には徳島の人たちであり、時にはビジネスパートナーであり、とき
にはお客様である。よく分からないときがあります。しかし、なんと言っても 1 番は社員です。
お客様、ビジネスパートナー、地域社会の人たち、を幸せにしてくれるのが社員です。とにかく
1 番は社員なのです。そういったことを年がら年中言って、実践することが私の仕事です。これ
からも、寝てもさめてもいい会社にしたい。社員を幸せにしたいという思いで経営に当たろうを
決意をしています。ご清聴どうもありがとうございました。
司会/
ありがとうございました。
非常に熱いコメントを頂きました。
株式会社西淵スレート工業所代表取締役西渕正和様、よろしくお願いします。
西淵/
株式会社西淵スレート工業所代表取締役西渕正和様、よろしくお願いします。
題名が One for all.All for one.になってるのですが先ほど、ゲットイットの事例でびっくりし
ているのですが、
たまたま私はラグビーをやっていた関係でこの会に参加させていただきました。
また今日川崎さんと今発表していただいた西さんと、ラグビーをしようと話をしていて徳島県の
人間で火あぶりばっかりしていたと思われるのですが、
これも何かのご縁と思います。
みなさん、
すばらしい発表の後、一番年をくって情けないような発表になるかも分からないのですが、社員
を代表して一生懸命やらせていただきます。よろしくお願いします。
私の会社は、主に屋根工事と瓦の製造、建築の新築工事を仕事としてやっています。私が昭和 61
年に会社を、
現住所に変えたときに正式な社長になりました。
これがうちの実例集なのですけど、
学校とかお寺、リフォーム工事、太陽光、瓦の製造と言うことで。経営理念とミッションという
ので出したのですが、今日の題材が理念経営と言うことなのですが、私は理念経営と言うことを
全く知らずに、きたのです。どうして、このような場に立ってみなさんにお話をするのかと言え
ば、自分でやったのだからしようがなかった。やった結果がこういう結果になっています。うち
の会社の経営理念です。誠実、信頼、連帯と言うことで、どこにでもあると思います。私たちは、
地域社会に信頼される誠実な企業でありたい。私たちは、社員に信頼される誠実な企業でありた
い。是は自分で考えたのですが、社員から言われたのですが、社長、これ間違っているのと違う
んといわれたのですけど、実際こう思って一生懸命にこさせていただきました。仕事柄、大切な
お客様の住まいのためには、3 つの施工力、3 つの力、施工力、人間力、フォロー力と言うことを
あげています。自分がお客様だったらということで、どうしたら信頼をいただけるかと言うこと
を常に考えて、前向きに取り組んでいます。その 3 つの力ですが、施工力と言うことで、屋根や
瓦の製造の職人さんの世界なので、とにかく技術技能を向上させるということで、技能資格をど
んどん取らせています。人間力ですが、職人さんの世界で、朝来ても朝礼もせん、おはよう。も
しないで、いうことを聞いて、私もえっと思うことが、いっぱいあったのですけど、うちの会社
に帰ったときも、全く挨拶もしない、遅刻するのは当たり前、無断欠勤当たり前と言う時代があ
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ったので、これを変えて行くために従業員を呼んで一生懸命やってきました。これは当然なので
すが、お客様をフォローして行くということです。業務が一番大切で、なぜ One for all.All for
one.なのかということですが、昭和 61 年、私が急に会社を継いだときに、こういう状況になって
いたらしく、そんなの全然分からずに今まで来たのですが。四国の人口が、60 年、今社長になっ
たときにどんどん減少していったというのが現状だったらしいです。一番下の娘の卒業論文を持
ってきたのですが、中小企業の経営者は、強靭な精神の持ち主であり、自分の家族、従業員の家
族を育てる。経営者は経営を存続して行くため日に日にあきらめることなく生きている。娘はよ
う見よるなと思って。われながら感心したのですが経営者が経営を最優先するのは当然であり、
従業員の人材育成も重要、それよりも一番大事なのは最高の経営資源は経営者である。とうちの
娘が書いてくれて、
思わず涙が出たのですけど、
是を皆さんにご披露しようと思って出しました。
次に、今うちの会社があるのは、私が大学も卒業してからもラグビーをして、ブラブラ遊んでい
たのですが、先代の社長がからだの調子が悪くなって、急遽帰ってきたのですが、いままで、思
い描いていた会社と全く違って、今にも廃業するような状態で従業員が 3 名しか残っていなかっ
たのです。それで、すぐ就職を探すと言うことで、探していたのですけれど、ちょうどどこも雇
ってくれるところが無くて、3 人の従業員と一緒に仕事を続けて行って就職を探していたところ
なのですが、帰ってきて 3 年目で親父が、心筋梗塞で急に亡くなってしまったので、どこも勤め
ることの経験も無く、
ある日突然会社の代表ということで今まで来ました。
皆さんと同じように、
挨拶はしない、遅刻はする、言葉は悪いですが、どこでも小便をするという、職人さんばかりで、
ずっと悩んで、悩んで、営業して仕事を取ったら、いい会社になるだろうと、必死になって仕事
を取ってきたのです。昼間はみんなと一緒に現場で働く、夜営業に走って仕事を取ってくる。仕
事は確かに増えました。増えたら、するものがいないことに気がついたのです。必死になって従
業員を集めたのですが、どうしても集まらなかった。なんで、集まってこんのかなと、自分に問
い直してみたら、自分が働くのだったらここで働くかと思ったのです。何にも整っていない、な
んにも出来ていないところで仕事があるから、働け、働けといって、先も分からないところで生
活を、自分の人生を掛けようと思うなということで、そのとき自分が働ける会社、自分が働きや
すい会社にしたいというのが一番の思いでした。その次、労働関係の整備をどんどんして行った
のですが、いろんな就業規則とか作って、やったのですが、そのとき一番に感じたのは、共に働
く場を作りたいと言うことで自分も経営者としての経験は全くないし、従業員の人材育成という
のも全くやっていないので、お互いに教育し合わんかということで、教育もそうですが、協力し
あって育って共に育って行く会社をお互いに作りたいと言うことなのですが、これは後付けのよ
うな感じで実際にそのころいた従業員さんと、こういう話が出来ると言う状態ではなかったので
す。こういう思いでずっとやってきました。それが、理念経営というのになったのかなというき
がするのですが、今現在でも、自身で納得がいかないし、悩んでいることがいっぱいあるし、う
まいこといかんし、従業員のことをカッコ良いようにおもとるけど腹の中ではどう思っているか
わからんというのが、実際の本音です。後は会社のあったことばかりで、退屈に成るかもしれま
せんけど、ざっくりと紹介させていただきます。新卒を雇う、女性社員を雇う、次に高齢者を雇
うと上から順番に言ってたのですけど、実際は現状は田舎で 3 件を最短の仕事だったので、高齢
者が入って、女性が入って、女性について若い男の子がはいったと言う会社の現状と思います。
あたりまでのこと、就業規則、育児休業とか、いろいろ書いてあるのは当たり前のこと、うちの
業界で年間 104 日、年間休日を決めたのです。どこも決めてなかったときに。3 日夜寝れません
でした。本当にこんなことして、いけるのか。足が震う、頭がまわらんようになった。結局、こ
ういうことをどんどんやったおかげで、従業員の定着がよくなって、働ける場所になった、何の
不安も無く一生懸命働いてくれるようになったと思います。これも、助成金とかついたのですけ
ど、助成金がつくこと全然知らなかった、そのまま先に全部やってしまった。というのが現状で
す。定年制度ですが、65 歳定年してしまって、周りの企業から大丈夫かと声を掛けていただいた
のですが、いまのところ、うちの会社が 60 歳以上が42.5%居るのですが、ほとんど非正規雇
用になってしまっているのですが、定年になる方がまだいないということで、これから先どうす
るかと言う課題です。後は、作業環境改善、ということで、最初は私が先に立っていろんなこと
を従業員にさせたのですが、会社の中で勉強会、部署で部会をやっています。そこで、みんなの
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意見が上がって自分たちがしよいようにマニュアルとか、作業環境を変えるということで、やっ
ています。職人さんの世界なので研修室を設けました。前のように、現場で自分たちで人のを盗
んでやれというのは無理なので、小さな課題をこしらえて会社の中で研修をやっています。その
結果、資格者がかなり増えて、屋根の業界では徳島県でトップでないかと自負しています。瓦葺
の技能士の検定も検定委員をしたり、
やらさせていただいています。
従業員の連絡会なのですが、
いろんなことが勉強になるのではないかということで、見に行っています。女の子も参加してい
ます。勉強会ですが、それぞれの部署で勉強会をやって、仕事のやりやすさを話し合いしている
のですが、なかなか職人さんの世界で話し合いも出来なかったのですが、やりかけて 15~6 年た
って、やっと順調に前に動いたかなと言う気がしています。全体の朝礼と全体の朝礼とミーティ
ングをしているのですけど、社長よりとかいてある、朝降られて困ってるんですけど、みな進ん
で、朝礼に来てくれるようになりました。8 時から始業時間ですが、早いときは 7 時 45 分に朝礼
でみんなが集まって、体操をしています。小さい会社だから、目が届くので、みんなしているか
知らないのですけど、8 時 50 分までには朝礼は全部終わって仕事の職場に帰っているというのが
現在です。それぞれの部署で問題があったら、朝話し合いをして、それぞれの部署にかえって作
業をすることになります。イベントなのですが、ボーリング大会とかバーベキュー、和気藹々で
やるのですけど、
なかなか予算が厳しくなって、
慰安旅行とか出来なくなっているのが現状です。
コミュニケーションの推進で誕生日とか催し、嬉しかったことを黒板に掲示してあります。タイ
ムカードの横においてあるので来た人がそれぞれ見て今日何があったかとか、誕生日は誰かとい
うのを見て声を掛け合って、それぞれがだれそれさんおめでとうとか、声を掛けて拍手をして、
いただきました。改善のおかげでコミュニケーションが良くなって人間関係が良くなり、当然で
すが技能も上がり、安全面でもかなり、事故、怪我が少なくなったと思います。
それと一番に大事なのは皆の取組方がだいぶ変わったいうところが一番大きかったのじゃないか
って思うんですけど、どうしても自分が経営者なので欲があって、まだまだこれではいけない。
という目で見るので、まだまだ社員の良いところが十分見えてない未熟な経営者と思います。
今までの結果は企業としての効果なのですけど、このオレンジの服を着ているのが、うちの女房
なのですけど、いつも女房には世話になって助けられてるのですけども、一生懸命、家内も頑張
ってやっていただいて、高齢者雇用の優秀賞いただいて、そのあと直ぐくらよし商工会の方がう
ちの田舎の小さい小さい会社に先進地研修いうことで見に来ていただきました。
これもびっくりしたのですけど、
うちの会社何をしたのかな、
今まで普通で当たり前のことしか、
していないのに何をすればいいのか、全然、自分でもわからなかったのですけど、することはご
くごく普通の当たり前のことの積み重ねをやっていった結果、こういう風なことが与えられたと
思います。
それとはぐくみ紙面というのをいただきました。それから地域社会の取組いうことで地元の企業
様に来ていただいて、今の現況とかそれぞれの会社の取組方を真似していただいたり、消火訓練
は当然のことなんですけど年に何回かやってます。
こっちはみなさんからさきほど言われたよう掃除を一生懸命、地域の掃除を取り組んで 15、6 年
もっとなると思うのですけど、このまま、みんな従業員の間で月一回会社の横が河川になってい
るのですけど、そこにあるゴミがたくさんある。というので、朝 7 時 40 分に出てきて河川の掃除
をせんかいうことで今、皆取り組んでくれています。おかげで一番最初のころは、溝の下に三倍
くらいごみがあったと思うんですけど、今はもうほとんどごみがなく、ビニールの袋も小さい袋
で一袋もないくらいの状況になってます。また、掃除の件もそうなのですけど、毎朝、月曜日の
事務所の中の、役員はじめ全員で拭き掃除と掃除機をかけて、みんなで 10 分間程度なのですけど
毎週月曜日掃除をやってます。
高齢者の範囲の話になっているのですけど高齢者の雇用がなんかものすごい認められて、フラン
スの大学から知らないのですけど、横浜国立大学研究院に留学していたマーチンさんっていう人
が来ていただいて、日本の先進地、田舎の高齢者がいる事業所の取材をさせてください。という
ことで取材しました。通訳も誰も来てないのでフランス語しゃべれるような、うちは会社じゃな
いのですけど、たまたまこのマーチンさんがお母さん日本人だったらしくて、日本語がまあまあ
喋れたので、今の状況を説明して、フランスで役立ったのかどうか知らないのですけど、役に立
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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ったのだと思います。
それとこれがうちの、
屋根のことばかりになるのですけど徳島県代表して 2008 年に松山であった
のですけど技能グランプリ言うのに出ました。何が違うというと、一番この中で最高齢で 59 歳で
挑戦したんですけどまだまだ若い者に負けたくない。と後進に自分の持ってる力技術を見てほし
いうことで参加しました。
残念ながら高齢で平均年齢が30歳くらいなので2日間なので体力的に身がまいってしまって結果
も惨憺たる結果で、最低になったのですけど、一生懸命本人もこれから頑張ると、いうことで後
進を引っ張っていってくれてます。
最後になったのですけど、これ去年の 9 月なのですけど、私のおばあちゃんなるのですけど、い
ま 109 歳で元気で頑張っています。今年はちょっと手の骨を折って知事さんとかにお会いできな
かったのですけど、もう長いこと 109 歳も 10 歳も生きられるような時代になっとるし、うちの会
社も今、息子が入ってきて一緒にやりかけてます。
自分の代でこれを潰すのではなしに、また来年も高校新卒者の採用やってます。
うちのばあさん以上に長く務めれる会社に自分でも、これからしていかないかんいうことでこの
写真を出していただきました。
うちのばあさん高齢になって、もう生きるのが辛いいうのが口癖なんですけど、生きるのが辛い
言うようにならんように、本当にうちの会社来てよかった 100 年も 200 年も続く会社にやってい
ける安心して働けるような会社にこれからも取り組んでいこうと思てます。
これからもずっと発展していくためお客様に十分の満足していただける技術と商品を提供し続け
働きがい、生きがいのある企業にすることを、生活の向上を実現していこうと思ってます。どう
もご清聴ありがとうございました。
司会/
ありがとうございました、非常に感動のあるお話をありがとうございました。
それではここでセッティングを行いたいと思いますのでしばらくお待ちください。
只今からパネルディスカッションに入る前に、ご来場社の方にお配りしております。
質問カードご意見カードをスタッフのほうが集めてまいりますので、質問のほうご記入しスタッ
フのほうにお渡しいただければと思います。
質問をお書きになった方はスタッフが集めておりますので、お渡しいただければと思います。
それでは事例発表の講師の方々壇上のほうへおあがりいただければと思います。
司会/
それでは準備が整いましたので、これからパネルディスカッションを始めさせて頂きます。コー
ディネーターはイープランニング代表の川崎克寛様にお願いします。川崎さんどうぞ、よろしく
お願いいたします。
川崎/
皆さんこんにちは、イープランニング代表の川崎と申します。今日、雨の中こんなにたくさんの
方お集まり頂きまして、ありがとうございます。時間もあれですので、さっそくパネルディスカ
ッションの方に入らせていただきます。徳島の企業の方が2社発表を頂きました。そういった取
り組みについて小林先生の方から1つ案をご感想を頂きたいと思うのですが、よろしいでしょう
か。よろしくお願いします。
小林/
引き続きまして、パネル討論に入らせていただきたいと思いますが、今、お三方ですね、事例ポ
イント見てお話を頂きまして、見て最初のゲットイットさんはもちろん良く知っていたのですけ
ど、
会場の皆さんもおーとか思ったのでしょうけども、
先ほど1社とおっしゃっりましたように、
1社以外とは全く打ち合わせをしていないのですよ。今回。私が最初に基調講演した内容に出て
きたキーワードは相当、一致したことは二人おっしゃられたのじゃないかと思います。それが感
じられたのじゃないかと思います。特に西社長のほうでは、経営者の本気のコミットメントとい
うのがですね、ものすごい意識の強さというか、絶対良い会社にするんだ。本当に何をおいても
本気の気持ちというのがものすごく良く伝わってきた。理念経営で成功するために10の課題を
テキストで上げてた所ですね。イベントの活用の所ですね。これはものの見事に今おっしゃられ
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たと思います。それから、西淵社長の方でイベントの話もでておりましたが、あと社会貢献雇用
の実現というところでですね、完全に高齢者雇用の中心になされている所を感じましたし、業者
さんも朝礼も会話を中心に西淵社長さんの所ではまさに映像を中心に「One for all.All for one」
という所ですね。企業として出てきていますし。これ本当に何にお打ち合わせはしていないので
すね。ここまで出てきて頂いて、ようするに良い会社に会社したい会社に共通するキーワード、
考え方、法則的なこと。ここに共通点があるということを私も改めて感じさせ頂きましたし、ま
た研究者のはしくれとして、非常に心強いものがそういう次第です。また、いい意見で心強く思
って、おりありがとうございます。
川崎/
ありがとうございます。ぞくぞくとこちらの方に質問が寄せられているのですけれど、徳島の企
業の方お二人いろいろと取り組みについて先ほどからお話頂いております。で、そういう方の取
り組みに至った経緯、動向の所も質問と絡めてお答えて頂きたいかなと思いますのですけども。
まず西淵精工の西淵社長。よろしいですか。会社を変えようとした時、従業員の方々と、どうい
うふうに話し合いをされましたかスムーズに話しは済んだのでしょうか。
という質問があります。
それからですね。それと絡めて、職人さんを教育した時の苦労話を聞かせてほしい。そういった
ことなのですが。はい、よかったら理想など加えてお話下さい。
西淵/
話し合う前に自分の会社が何も従業員の事、社員さんの事を思っていなかったなということで。
話しするよりも働きやすくすることに対する。誰も文句は多分言わないと思うのです。自分たち
が働きやすくなるというので朝、時間どおり出て来てください。とか、休憩を短い時間にしてく
ださい。とかは、言うことを分かってもらうのは相当難しい。
私も帰ってきたときに27歳からでした。ほとんど職人さん怖そうな職人さんもおったのですけ
ど、職人さんの方とか年齢が全部上だったもので、自分からうるさく言うのではなく、皆に一生
懸命自分を使って頂いてとにかく、皆が働きやすくてうちに毎日、笑顔で来てくれるということ
を一生懸命やっていくしかなかったというか。それが当たり前と思ってやってました。途中で実
は、
従業員の何人かと職人さん20人ぐらいと集まってつるしあげと言うたら、
いけませんけど、
つるしあげをされたのです。
「言うこと聞いてくれなんだら、もう、すぐに自分ら辞めいくわ」と
いうので、仕事をほっといて辞める。というので、つるしあげられました。その時に思ったのも、
皆がここまで何人もそろって私に言ってくるまで、誰も何も言ってくれなんだな。というのが辛
かったのと。これだけ皆、生活が一生懸命、自分がやっていると思ったのに皆に答えられてなか
ったという両方で愕然としました。一生懸命、従業員の教育でなしに、自分を教育されて、皆、
一生懸命従業員にとにかく一生懸命尽くすことをやったら当然、お客さんにも、こういうことが
行くし、自分も良くなるし、それのみしかわからず必死になってやってきたのが今の現状です。
よろしいでしょうか。
川崎/
ありがとうございます。それから西精工の西社長よろしいですか。質問の内容が漠然としている
感じもするのですけれど、社員の方から組織を変えようというムードを出させるようにするには
どうしたらいいかと。会社がそういうムードを作り上げるためにはどうしたらいいか。という質
問があるのですが、これまでの経緯等をまじえてエピソードなどがございましたら、お答えくだ
されば有りがたいなと思います。
西/
最終、私はおしつけでいいんじゃないかと。とりあえずやってみよう。っていう所から、始めて、
ボランティアにしても毎年とくしまマラソ 40 人以上もうこれ以上こられたら困ります。
というぐ
らいボランティアが行ってランナーは何とまだ結果はまだわからないのですけど、70 人最悪 50
人のうち 70 人が走りたいという。ボランティア 40 人とこれ社員全員沿道で応援と。で最初は当
時は 1500 だったのですけど、おい走るぞ。と、一緒に走るぞと。ボランティアするぞと。言う所
から初めて。ある社員が、社長生まれてボランティアしましたけれど、これだけたくさんのあり
がとう。って、言われたのは初めてです。こんだけボランティアっては素晴らしいんのですよね。
と。凄い顔しているのですけれど、怖い顔しているのですけどね。今日はいないです。良かった
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です。で、本当感動した。またやはり行きたいとしかも、もっと良くしたい。もっとありがとう。
を聞きたいなと。実際現場の機械を動かしていたら、お客様からありがとう。って言葉は届きに
くいですよね。なるべく営業が良かったよとか、ありがとう。とかいうのはあるのですけど。た
とえばお客様が工場に入られている時に丁寧に作ってくれてるね。とか、ちゃんとうまいことや
ってくれてるね。とか、きれいな工場にしてくれてるねとか。直接我々には届かないのですよね。
そういったところで聞こえるというのは凄く社員一緒に喜んでいるところです。
川崎/
なるほどね。当然、製造関係の仕事なのでお客さんと直接ダイレクトに触れ合うことや地域と触
れ合うことって少ないと思うのですよね。そういった点では、先ほど石淵社長のほうで言われた
CS を追及すると ES につながる。というところとだいぶ一致してきているのではないかと。人っ
てそういう根源的な何かがあるのではないかと、先ほど西社長がおっしゃった宗教という言葉が
ありましたけれど、人がそういうところを追及をしていくとそこに至るざろうを得ないと。宇宙
とか自然とかそういったものに、我々が包まれている。絶対的なものに、いかないようなそんな
感じがします。話広げさせていただきますけど、ゲットイットの廣田社長よろしいですか、10
年目に会社を売却しようと思っていたわけですけど、少しでも長く続ける。もしくは、商談悲し
い。そんな風に思うことはなかったのでしょうか。という事ですね。つまり、10年目に会社を
売却することを目的として仕事をしていたのか。それとも、もっと他に何かしたいことがあった
のか。という風なニュアンスも生まれているのではないかと思いますけど。そこらあたりを。お
話くださればと思います。
廣田/
売却することも目的に会社を作ってました。はい。以前はですね。本と出合うまでは、ただしそ
の後、何が特にしたかったかというと漠然としたことしか思ってなくて、田舎に行って農家をや
ってみたいとか。ほんとうに、本当にやるのかよ。とかと、自分に言って考えながらとりあえず、
お金には困らないであろう暮らしの中で何かを大事にしようと言う風に思ってたのが実際のとこ
ろです。
川崎/
そういう、なんかの後、理念経営とか導入されましたよね。で、先ほど、きっかけというものを
少し触れていただいたのですけども、きっかけからその、我々は聞いたいのは、最後の良くなっ
てきたよ。という部分であってその間プロセスの中で、どんなことがあったのか、どんな紆余曲
折があったのか。そういうエピソードがとかも、小林先生とのかかわりがどうだとか。小林先生
はどうゆうことをしたから、こうなったとか。その時社員の中でどういうムーブメントが生まれ
たのかとか。そういったこともできれば小林先生も一緒にくわえていただいて、皆さんに紹介し
ていただければと思います。
廣田/
本気ではじめは会社に余計に行きたくなくなった。というのが2年で続いて、余計、行きたくな
くなりました。本当に怪しいことやっていんじゃないかとか、うさん臭いなとか、そんな感じの
雰囲気があらわれていて、本当にこいつやるのかよとか。自分が今までやってきたことを見て社
員はそう感じたのでしょうけれども、なので本当に行きたくなかったのですけど、少しずつ本当
に少しずつ変わってきた実際の印象です。
川崎/
小林先生、最初、廣田社長の会社をみられた時どういう、印象をもたれましたか。
小林/
だいたい、一番最初めのときに、聞いた雰囲気のときにどこの会社もあるので、私は何も気には
なかった。で、ただ、やってきて変わった方といいますけども、一番変わったのはご本人です。
社長が一番変っています。間違いないです。
これはなぜかというと社員さんがそう言うのです。一番変わったのは社長です。
だから、社員も変わっていくのですね。その一問前の話と関係するのですけど、その気にさせる。
っていうことでいうと理念継承が悪くない、非常に褒める場が多いのですね。
特にファシリテーターのほう、あるいは社員さん同士で感謝しあうとかこの場面が、基調講演で
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も言いましたけれども人をその気にさせるには背中と心ということで、言ってみると、
「言って聞
かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ。
」これ、山本五十六の連合艦隊じゃないですか、
もともと上杉鷹山の言葉でございますけど。かなり軍隊じゃないですか、右向けっていったら右
向くわけですよ。
だけど自分がまずやって、それやれたらちゃんと褒めろって訳ですよね。これが凄くつきるかな
と。
やっぱり自分の背中の心を見せてやったらちゃんと少人数の方が8割台、
理念継承の中では、
そのような繰り返しってことでそれを一番実践したのが社長だということだと思います。
川崎/
社長自身が一番変わられたということで、ご自身そういう実感とか何かございますか。
廣田/
私、生活かもしれないけど、結婚しようとするまで考えなかったけのですけれど、本当に幸せに
なりたいと思ったら、本当に好きな人も見つかって結婚しました。
川崎/
はい、最初、こう始められたときに自らその、一歩進むじゃなくてそこには、すでに小林先生っ
ていう方がおられて、もしいなかったらどうだったのでしょうか。
廣田/
自信がないです正直言って。やはり、迷いすぎるときにメンバーの方がいておっしゃって、その
方に支えてもらいながら、ちゃんと方向修正していただきながら進んでいくのがやりやすかった
のかなと今になってみるとそう思います。
川崎/
そうですか、この中にご自身で事業をされている方で、2代目さん3代目さんもしくは、それ以
上っていう方、おられるでしょうか。もしよろしかったらお手を挙げてもらえたら。3割ほどい
らっしゃいますね。ちなみにですね、西精工さん、それから西淵製工さんとも2代目さん以上で、
西精工さんについては、5代目さんですね。
西淵社長は2代目ですね。で、西精工さんは大正12年ですから88年来、長く続けられてます。
そういう中で事業というものをずっと継承されてきた、その中で大事にしてきたことっていうの
は何かありますでしょうか。
西/
実は、7、8年くらい自分が突っ走ってきたものですから、会社を変えないといけないと。去年、
止まったのですね。いや、止まったというのは突っ走るのじゃなくて、振り返らなければいけな
いなと考えてきて。どうして会社ってこんなもの80年も続いているのだろうと、もっと自分が
理解しないものが、きっとあるはずだが。という所に実はたどり着いてですね。うちのおやじを
連れ出して、おやじが一番、歳いっているのですね。おやじの兄貴がいますけども会社に出てこ
れないような状態なので、実は創業の精神を紹介していないのですけれども、今年の夏に創業精
神というのを、策定誌合宿するのですね。昔の祖父がですね、会社を作った時の思いだとか、や
ってきたこととか、徳島の人達とどういう風な会話をしたとか、大阪のお客さんとどういう風な
ことがあってというのを一生懸命おやじに思い出してもらったりとか、あとは、社員さんに古い
人たちに話を聞いたりとか、そこで5つでてきて、さっき紹介した大家族式なんでいうのが実は
そうだった。だから、自分で去年あたり前に行くためには後ろに 1 回振り返らないとこれからの
12 年いって、100 年企業になってと言うのは、自分の思いだけじゃなくて創業者の思いをちゃん
と見えるかという言葉じゃないけれども、表に出して僕が引き継がないと起こった原因になって
しまうということ。気づいてきたので、それが操業の精神という感じです。
川崎/
なんか形として、またもしくは文字として残したのではなくて、そこに社員全員で思いを寄せた
と言うことなのですね、合宿をされてどうなされたのですか。
西/
合宿は丸三日間、2 泊 3 日でも夜は 1 時 2 時までやりますから、うちの親父は 78 ですから、かな
りキツかったのではないでしょうかね。
川崎/
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そのときというのは社長のところは社員さんも凄く多くて 250 名と伺っていますけれど、その中
の何人かを精通させたのですよね。何人かを選んで合宿へ連れて行った。
西/
2 人です。ベテランの社員からいろんな情報を得てそれまで資料作りをしますから、いきなりは、
行かない、こういうものを作ってくださいね。専門の創業誓書作ってくれる。そういう専門の作
られている人がいるので。
川崎/
なるほど、メンタル的な方もおられてと言うことだったのですね。西淵社長はある日、突然社長
になったという。と、承っていますけれども、先代から引き継いだものまた、先代が作った頂い
た土台の上に自分が新たに築いたもの、
引き継がれたもの新しいものを築かれる時に何を大事に、
先ほども、社員と楽しく働ける。という環境を作る。と話されたのですけど、されてましたよね。
その今、効果とそれからこれからの展望、次はこういうことをしてみようというのを聞かせてい
ただきたいと。これ、難しい質問ですけれど、返事がないですよ。この中から・・・。
西淵/
創業者で親父から後を継ぐなと言われたのですけれど、今、こんなところで座っていたら、お前、
なにをしよんな。と、怒られるのかもしれないですけれど、帰ってきたときに自分の会社、家族
を見て惨めに思ったのです。病気して、大変やってというのと、それとここで働いている人もこ
れは大変だろうなと、そのとき思ったのはハングリー精神なのですけれど、とにかく惨めに自分
はなりたくないし、関わっている人らも惨めにしたくないというただその思いだけで一生懸命今
までやってきました。たまたま仕事が屋根とか建築に関わってきたのですけど、これから先の展
望もそうだけど、建築でもなんでも、とにかく、働くと共に惨めにならないように胸張ってうち
の会社へ来よるということを一生懸命するだけと思ってます。
川崎/
ありがとうございます。
この中には事業を継承された方、
それから事業を継承されるであろう方、
また細かく見てしまえば会社の部署の中で引き継ぎという場面も同じようなことがいえるのでは
ないかと思うのですけど、そういうような次に受けて渡す受け継ぐ。ということを1つのチャン
ネルにして考えたときに全国の事例として、お伺いしたいのですが、ここは絶対外しちゃいけな
いとか、ここは大事にしなきゃならないとか何かポイントって何かありませんか。
小林/
一般的に、変えるべき部分と変えちゃいけない部分はあって老舗の企業などはもの凄く変化して
いると思う凄くベースにある、先程、おっしゃったような軸になる部分ということについてはガ
ンとして変えないとありますよね。目的は絶対に普遍だけれども手段手法というのはその時代の
変化に応じてむしろ変えていこうという目的がいわゆる重要になるような気がします。
川崎/
受け渡すものが大事にしなきゃならないことだということ。
小林/
受け渡すもの。会社で活動して感動的な歴史とか、記録に残るような思いというか会社が存在し
ている理由が、皆が誰が聞いても感動できるようなエピソードとかそういうものっていうのは受
け継がれていく、ここの部分だと思いますけども、そういうのって大切な、社主など特に書きま
すよね。
川崎/
そうですね。理念という一貫して変わらないもの、変えてはならないものって存在していると思
いますけども、今回ここでお話ししていただいた質問の中で、浸透というものについてもう少し
詳しくありました。そのことについてもう少しお時間頂けますか。
小林/
2つ質問いただきまして、1つがどんな会社でも私が話をしたような進め方をして理念継承がは
かれるのかということと、やはり、考えが理解できたのだけれども理念の使い方が一番難しいと
言うことで、使い方についてご講義をという話しなのですけども、他の経営者の方はどうかも分
かりませんけれども、1つは繰り返し講義でも申しましたけれども間違いなく、ちょっとの本気
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度が絶対左右するのです。
絶対良い会社にする。先ほどの西社長のような熱い思い。という本気、この本気度は社員さん見
ていると分かるのですね。この社長ついに本気になったって分かります。
ただ見てます。引いて。しばらくたってまた朝礼 5 回されると困ります。
だけどそれが 1 ヶ月 2 ヶ月 3 ヶ月となっていくと伝わっていきます。
先ほど廣田社長がおっしゃいましたけど、1 人が確信したら変わってきます。
確信した 1 人を見て社員がまた変わっていきます。この循環ですね。
私がよく例えますけど理念継承の振幅っていうのはですね、吟醸酒というのがありますね。吟醸
酒は、しずくがポタンポタンポタンと垂らして良いお酒を造っている訳です。
あれに似ているのです。非常に時間がかかるのですけれど、1 滴 1 滴ちゃんと思いを込めた 1 滴
は必ず社員さんの心には落ちていく。本当に吟醸酒のように。
そんなような形で石の上にも 3 年ということで、3 年間。その経営を貫くという覚悟でやってい
ただければ必ず目に見えて伝わっていくなということが分かるのかなと。
よく頭角を現すということがありますけど、それも同じことで、これも西淵社長がおっしゃった
ことですけど日々徹底といいますけど、そういうことをやってきてある日、やってきたことが世
の中に評価される。という状況だと思います。
理念経営やっている企業もそうでコツコツコツコツやってきたことが、気がついたら凄い会社に
なって周りに評価される。こういうことなので本気になっていただいて自分を信じてやっていく
というこれにつきようかと思います。いかがでしょうか。
川崎/
ありがとうございます。もう1つの質問ですが、そういうことは進めていくためで社長が本気に
なって理念経営を進めていくことで社員 1 人ひとりとの対話が必要なんじゃないかと。どれくら
いの対応が必要なのか時間と言うことについての質問があるのですが、なかなか答え難いかもし
れませんけれども。
小林/
社長の本気度にもよる形があるのですけど、新卒が 4 万人エントリーしてくるライブレヴォリュ
ーションの会社、廣田さんと同じように IT 企業の会社なのですが、ここは 2005 年から計画して
いた。2010 年になって私がであったのは 208 年なのですけどもやはり 3 年ということで社長です
ね、3 年。それからあまり知られてないのですけれど、ファミリーマートという全国展開してい
るファミレスがありますが、あそこは上田さんという方が社長が 7 年前、理念経営をやっている
所、コンビニのお祭りだと言うコンセプトでやっております。やはり、挨拶とか、こちらありま
すか。そんなにレストランとかホテルとかじゃないので意識しているか分からないのですが、全
く違います、挨拶とか。あとは、カウンターで東京などでは、平均して他のファミレスだとコン
ビニだと職場放棄していて居無かったりする場合がある。まず、それがないですファミリーマー
トは、とにかく大切にしようと言うことをやってきて、上田社長の言わせると 7 年間それを続け
てきた。
お宅の運転手さんに親切にされた。とか、重い荷物を持ってもらったと。そういう声が入ってき
た。これが 7 年かかったファミレスから変える規模もありますから、それでやってて実感した。
この間、高知来たときにファミレスあったので、試しに行ったら上田社長は対話をしているとい
うか、定員に上田社長来ましたか。と聞いたら、なんと来たんですよ、その店に。来て話し直接
したのですよ。あの人回っているのですよ、全国。
このぐらい本気度があるということが、僕はそこで確信しました。以上です。
川崎/
思うだけじゃなく、考えるだけじゃなく、それを実際に行動するっていうことが大事だというこ
とですね。
小林/
それは心で見せて、して見せるというところです。
川崎/
あといろいろ質問があるのですけども、制度的な所で西淵社長、宜しいでしょうか。
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高齢期就業準備休暇とはどのような制度ですか。とあるのですが。
西淵/
すぐに答えられないのですが・・・。村上さんわかりますかね。うちの会社の顧問をしていただ
いている。
顧問/
突然に発言させていただきます。今のこと聞かれていることそのものずばり聞きますと、社長、
また先代の会長の時代からの方針して大家族制度を取っております。
その中で率先性が県下で一番ではないかと思いますけれど、65 歳の定年の延長。
そいったことを会社の規則の中へはめてしまいました。
すこし無茶なことだと思いましたけれど、私も 5、6 年前からお世話になっておりますけど、思い
ましたけれど。大家族主義というのを徹底的に何もかも変える中で、業種もそのいう屋根いうな
らば屋根を見ていくわけですね。
従業員さんも大多数抱えていますから、
一般的な普通の企業の感じとは全然違う所がでてきます、
それを必ず朝礼には出席していただくと、
日曜日も休みにもっていくと。
こういった努力に大変、
時間と費用もかかって現在の西淵という会社経営方針に持って行っているわけです。
一般的な会社ではなく本当に請負をしているというか、そういった職人さんによって会社を作っ
ていっている新しい普通の建設会社に持って行ったと。
この努力が大変であったと私は思います。
その中での定年延長でしょうか、65 歳までというのを定款にも組んでおりますれけども。
川崎/
ありがとうございます。西淵社長それを進めていく中で、ここは大変だったか、苦労したとか、
やってみて今、どういう感想をお持ちかという所をお話しいただければと思いますが。
西淵/
自分でお答えできなくて、申し訳ありません。今、助けていただいたように皆に助けていただい
ている現状なのです。自分で全部出来るわけではないし、分かってないと言うことで、65 歳の定
年にしたのも前の来ている方に教えていただいて、
社長するのだったら 65 歳まで定年延長やりま
せんか。と、いうことで何も考えずに、分かりました。
それではお願いします。というのが現状なのです。
自分で今、村上さんがおっしゃってくれたように、ほんまに大変なことやって。と言われている
のですけど、自分で全く大変と思っていなく、言われて良いと思ったら、分かりました。やりま
しょう。と、言うので全部、今まで決めてきてます。
やってきて大変になるのです。結局、働くものが周りに認められている、当たり前で良いなとい
うことはどんどんやった、別にどうってことはないが、またもっと良くなるというのが今までの
経験値で言えるので。
川崎/
なるほど、やはりラガーマンらしい、というかボールを見たら一歩でも前へという感じの、コメ
ントを頂きました、ありがとうございます。
続きまして西製工の西社長よろしいですか。
ありがとうカードの具体的な利用および始められたきっかけを教えてください。ということを書
いていただいております。ちなみにありがとうございます。という言葉は気恥ずかしくて言えな
いことがしばしあります。でもカードで表すと伝え易いですし、あとに残るということで凄く私
は素敵なことだと思います。という風に書いていただいていますが。ありがとうカードというの
は、何か仕組みが既にあるのですか。
西/
ありがとうカードは導入して3、4年になると思いますけども、なかなか恥ずかしくてありがと
う。と言えない社員さんが、あの時ありがとう。というのを書いてポストに専門の。ありがとう
カード専門のポストがあるのです。ありがとうカード専用の領収書もあるのです。印刷をして作
っている用紙があるのです。そのありがとう。が、給料袋に入るのです。だから給料袋を開ける
と、社長、あの時ありがとう。励ましてくれましてありがとう。落ち込んでいた時に声かけてく
れてありがとう。とか、病気のお父さんのことを聞いてくれてありがとう。だとか、給料袋を開
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けると入っているのです。
なにが実は一番大変かと言いますと総務が一番大変なのですよ。集計するのにね。
僕がいやみっぽく、どこどこの部署ありがとうカードが少ないよねとかね。
今は、もうぼやきません。前までは、だんだんにやり始めると分かるのですけど、スーッと落ち
てくるのですよね。そのときに何かをこれがやはりまだ風土文化になっていないことなのです。
だからほんとうにまた新しいリーダーが出てきたら僕が言うのじゃなくて、彼らが言ってくれる
と思うのですけど。まだまだだから風土文化になっていない。
少なくなった時には独り言を大きな声で言うようにしてますけども、ただ、かなり馴染んできた
と思います。
1000 枚超えてますので、総務がとても大変なのですよね。それと毎日、書いている社員が居ます。
いろんなことを反省して、決めましたと。楽しみなのですよね。
だから社員さんが開けるときに、分かるじゃないですか、厚いぞとか。
あるいは先月より薄いねとか。社員旅行いった時は、久しぶりに今年社員旅行行ったのですよ。
その時は給料袋に入っていなかったので別の大きな大きな封筒に入れてくれました。社員旅行連
れて行ってありがとう。と。
川崎/
もの凄く励みになるでしょうね。
西/
ちょっとしたことが励みになりますね。導入当時は、ジュースをおごってくれてありがとう。と、
書いてるのですよ。総務が「社長、こんなんどうします。
」とか。
「とりあえず入れておけと。
」で
徐々に内容が変わっていくからこんなありがとう。でも良いじゃないか。で、
「社長これは仕事で
すよね。仕事に対して。
」いや、良いじゃないかそれでと。やはり、ありがとう。と聞こえてくる
のも、書く方も嬉しいし、貰った方も嬉しいし、これ書く方が凄くうれしいと思うのですよね。
あげる方って嬉しいですよ。
川崎/
実は、コンサルタントっていう仕事をさせていただきながらなのですけれど、よくギブアンドテ
イクという話があるじゃないですが、ところがよくよく考えてみたら我々は既に、いろんなもの
を会談の話しもふくめて頂いてですね、ギブアンドテイクのギブアンドテイクということが実は
僕はもの凄く間違っているのじゃないかと思ったことがあるのです。
というのが、与える、直接、テイクでしょ。取ることが目的になってしまっている。
これでは、いけない。で、やっているうちに与えることっていうのはきっと人にとって一番、喜
びをうむのだろうなと、そんな風に感じたと思うのでけど。
小林先生、制度を実際に具体的に会社でされているというのですが、コメントというか他に事例
とかありましたら。
小林/
そうですね。それだけの数、1000 ですか。これは手間ひま凄いかかります。
だけど手間ひまが頂いた社員さん皆感動に変わってる訳ですよね。感動ってこういう手間ひまが
どれだけあるかによって、なってくるので素晴らしい取り組みをされているなと、非常にまた私
は良い事業をしているなと、感謝していますけども。
西/
毎月、
ベストありがとうカード。
を選んで 1 年間でベストのうちどれが 1 番ベストかというので、
社員表彰。
小林/
表彰まで、大賞までやって。凄い選考委員会みたいなものがあるのですか。
西/
私はやりませんが、部長クラスが「心に響いた、ありがとう。
」を選ぶように。
小林/
それはお客様からではないのですか。社員さん同士とかは。
西/
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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社員同士でたまにビジネスパートナーでやります。
小林/
なるほど、結構、社員同士でそれをやっているのは、ありますけど、ここまで仕組みとして大々
的にやっているのは、結構珍しいですね。
お客様からみてサンキューで得た、このあいだの徳武さんサンキューさんなんかは、凄い改良そ
ういう商品作ってから片一歩は足のサイズが違うのを平気で作ってたりで感動がたくさんくる。
そのありがとう。
って言われることがやる気、
モチベーションに繋がっていくのが確かだと思う。
これをもっと仕組み的にやっていくと、例えばどうしてもこういう良い会社って最後に人事制度
みたいな話しになるじゃないですか、こういう契約の会社は単なる売り上げとかノルマがない、
何を数字に使うかと例えばこれだけで良い。
つまり、ありがとうカードの貰った数とか、サンキューで得た数とか、リピートさせている数と
か、これでいいじゃないですか。お客様の数とか感謝の数そのものになっている訳だから、もし
評価するとゼロになる。こういう事業なのですねこれからは、だと私は思っております。
川崎/
そうでしょうね、大事なことでしょうね。始めて聞いたのですけど、ありがとうカードというの
を。先ほど小林先生がおっしゃってたのが徳武産業っていう前々回松山のほうで、こういった形
でパネラーとして出ていただいた方なのですけども、徳島の徳に武士の武でしたね。あゆみシュ
ーズっていうのを作られている会社で、もし興味のある方はまた、機会あったら見てください。
たくさんありすぎてどれから行けばいいのか困っているのですけども。
西淵社長、高齢者の方が元気いっぱい楽しく働ける会社にする最大の秘訣は何でしょうか、なん
だと思われますか。お願いします。
西淵/
はい、やはり信用していただいているところが皆さんいろんな技術を持っているのと、役に立ち
たいと言うところが表れると思うので、このままで自分たちがやってきた仕事だけで終わるので
はなくて、また違うところで自分がやってきたことを自分自身も役に立ちたいという思いがある
と思います。
川崎/
大きく見たときに日本の労働力が凄く減ってきている。っていう、人口が減っているので当然の
ことだと思うのですけれども、これから国に対する高齢者、それから女性、それから先ほど小林
先生が少しふれていただいてきた障害者、っていうのは、もの凄く力を持ったというか、むしろ、
逆にどう活用するかということを考えていかなければいけない、そうじゃないかと思うのですけ
ど、具体的な活用法として実際に西淵社長はされている訳ですが、他にも何か事例などございま
したら小林先生から紹介頂きたいなと思うのですが。
小林/
ご質問の高齢者ってことでいうと岐阜県の西島という会社がありまして、2 回ほど行かせていた
だいた訳ですが、ここも高齢者雇用が凄く熱心にやってらっしゃって熱心というか自然にやって
いるのですね。基本的に定年はないです。ここの会社ですね。
私が行ったときには 76 歳の 11 月にインタビューをする機会があってその方は役所では定年なの
ですけど、ずっと技能を持っている限りずっとやっていただいてて若い方に技能を伝えるという
ことをやっていて、76 歳の方ピンピンしてますので健康診断全部 A だと聞きましたし、お話を聞
いたのです。
やりがいってどういう風に感じてらっしゃるのでしょう。というような曖昧な話しを聞いたので
すけど、そしたらその方が自分は長く勤めるということを大切に考えていないもし、もし自分が
やっている仕事がこれから若手に対して教えられるような仕事がもし、できなくなった時には、
自分は体が健康であったとしても辞めると。こう言われたのです。
つまり、この会社というのは社員さんに職業生活の最後を選択させる訳です。完璧に。
これは、やる気は出ない訳がないです、この会社。その姿を見ている若年の労働者が盛り上がる
訳ないですって、凄い凄いなって思ったのです。ほんとうに冗談抜きで。
ところが私の社会保険労務士としてやるのは今、法律が一応定年 60 歳、65 歳まで雇用を援助し
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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ようと。給料半分下げたら雇用保険ゼロと。こういうやり方をするものですから無条件で給与カ
ットしたりする訳です。そのことが横行していってそれは正しくない。非常に最近、わたし気が
ついて、
今みたいに会社のことを考えると若い人が見ている訳ですから、
高齢者の扱いをですね。
そう言うとこを考えた時に非常に重要なポイントじゃないかと、そういう意味で西淵社長さんが
やられていることはおそらく間違いなく若い社員に対してもの凄く良いモチベーションを与えて
るだろうなということを想像いたします。
川崎/
ありがとうございます。
続いてもう 1 点、明日ですかね、高知の方へ見に行くと思いますけども、障害者というキーワー
ドで見たときに何かどう活用するかですかね。
小林/
障害者雇用について意識させていただいたのは、ユニクロの取り組みで凄いまとまって、そこか
ら研究が始まり、もちろんうちの研究所の教授がかなり着目してきテーマでもあります。自分自
身いろんな企業さんを見て、感じてることはですね。
法定雇用率を満たす、つまり、1.8%を満たす。こういった対処療法的なもっと言い方をする
と、くだらない目標じゃなくて本当に障害者を雇用すると経営人事の面で良い要素が働くという
ようなことを思った上で、つまり価値を感じて始めると、そこにいくつかの効用がおきて行政に
対するじゃなくて実はこれはわたくしの指示論文のテーマにもなっているのですけれど今、調査
をやっています、全国の企業 600 社で障害者雇用の、まだ結果が出ていませんけれど、つまり見
ていると実際で見てみると顧問先でも障害者雇用、さっき言った廣田さんところも始められます
けど、やっているところを見ると障害者雇用をやることによって健常者の社員が変わっていくの
ですね。
どう変わるか認められるかというと1つは気配りができるのです。
これはユニクロの事例もそうなのです。ここはもともと沖縄のお店に聴覚障害者の方がいたらし
いのですが。それでどうしようか。と戦略的に見に行ったらしい CSR の監督の方が、そうすると、
どうも沖縄のお店はみんな優しい、
そしてお客様のサービスのマークロードが高い、
業績も良い、
見てみると聴覚障害者の方のために気配りをかなり行われている。
例えば扉を優しく閉めに行くとか、そういった仕事の中に1つひとつ入ってくることなので、そ
の雇用を感じている。つまり、きちっと意味があって障害者雇用をやることによって、職場の心
配りができてそれがコミュニケーションが良くなってということが良い循環にきているので信頼
性が組織の信頼性が高まるという効果がある。
これが 1 つなのですね。明日、脱四国というところ高知で視察させていただく、これはエフリコ
という一部上場の会社なのですが、皆さん、消費あると思います。トレイです。
スーパーへ行くとお弁当とか総菜のトレイを作っている会社なのですが、ここの会社は 1 回叩か
れたのですね。つまり、環境に良くないと、ああいう物をたくさん量産していると言うことで、
だけど、リサイクルを始めたのです。
リサイクルは非常に有名で、見学者がいっぱい入りますけど、リサイクルする時のトレイ使える
物と使えない物、或いは、ひどい話しで、例えば茶碗とか、そういうのを入れてある訳です。こ
の仕分けが大変なのです。
最初は機械でやっていたらしいが、風当てたり、水当てたりところがなかなかうまく使えるトレ
イだけ抜き出すことが難しい。
元もと障害者雇用やってたのですけどもそれにあっさり脱四国の社長の勝田さんがこれ出来るよ。
ということで障害者のラインを置いた。
山のようにスーパーからもってくるトレイを仕分ける訳です。
何種類も、見事です、これ 1 度是非、見て頂きたいのですけど、瞬時に彼らはやってのけます。
しかも重度障害者です。知的の方が多いのですけども重度障害者の方が本当にやってて何らそん
色なくやってます。そして機械に勝っているのです。
機械よりも、もの凄く精度が良い。というようなこと、だから生産性にも寄与している訳です。
障害者雇用がです。これ健常者がやるとなかなか大変なのです。
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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特性がありまして知的障害者の方は耐久性が非常に強い、
1つの作業にやることについてですね。
つまり強みを活かす経営が出来る。他の障害者雇用のところでも活かされる。
障害者雇用に対して出来ないじゃなくて出来ることをどんどんやらせて、それをどんどん伸ばし
ていく。
あるクリーニング会社では特殊な機械を使うことにおいては全国のコンクールに出したら B にな
った。そこまで極める。見ていてここにも健常者に対しての良さがあるのですね。そうか、学ぶ
のですね。自分たちが、彼らがあんな一生懸命で、俺たち大変だよ。こういう学びができきる。
他にも、たくさんあるのですけどもね。
こういうような効果が結構あるのです、気がついたらね。
川崎/
ありがとうございます。また皆さん検索して調べてみてください。
時間がどんどんどんどん経ってしまって本当は皆さんの質問を読みあげたいのですけども、1つ
3人の社長様、順番にお答え頂ければと思うのですけども、経営者だからこそ悩みというのはき
っとあるでしょう。
事業はうまくいっている、でも、本当の幸せ、やりがいっていうものが、はたして良いものか、
どうなのか、という迷いから変わらなければ、変えなければという強いエネルギーをご自身の中
で生んでこられたお三方と思うのですけれども、
何かそのきっかけというものと不退転というか、
不動の精神、心というものを持ち続けるためのモチベーションを維持するための秘訣といいます
か、ご自身が心がけてこられたことをもし、ご紹介できるのであればお願いしたいと思います。
どなたからでも結構です。
廣田/
中小企業において、経営者を超える人材というのはやはり経営者が1番だと思ってますので、理
念経営を貫いていくと、社員さんがとにかく良くなっていくので、負けじと頑張らないといけな
いのですけれども、これで、社員さんに逆に置いて行かれてしまったら多分その人は当社には居
ないでしょうし、やはり先頭を走っていくという意味で背中を見せつける。というのは1番の楽
しみでもあるし、やはり大変だなと感じるときはあります。ただ、それが、鶏が先か卵が先か。
喜びが先か苦労が先か。これがうまく循環することが理念経営ということですので。
川崎/
小林先生が言われた循環のという。ありがとうございます。西社長大丈夫ですか。
西/
どうしてそういう思いになれるのか。動機がどっから始まったか。
1つでよろしいですか。やはり理念を追求しているときに自分のために働かなくなる。で、人の
ために働くことが表情だとか、ありがとう。と聞いて気づくのですね。利他が気持ちがあるとい
う瞬間がいくつかあって、例えば自分がおいしいものを食べたいから、良い車に乗りたいから、
もっと良いスーツを着たいから。もっと大きな家に住みたいからそういう欲求ってあると思うの
ですよね。これは、もちろん経営者だけではなく誰にもあるのですけども、でも、そのことは意
外と諦めやすい。
でも、人のことだったらもっと頑張れる。もうそろそろこの辺で今日は寝ようか。と、思った時
に、いや違うだろう。と、社員のためにとか、思ったら全然、苦しいとか、しんどいとか、眠い
っていうところ超える瞬間があるのですよね。それはなぜかと言ったら社長ありがとうとか、
「社
長の勉強会のおかげで働きがいが分かりました。
」だとか、あるいは「新製品開発できて、お客様
に届けてもの凄く嬉しかった。
」だとか、実際、自分がおいしい物食べている時の喜びよりも社員
さんがそういう風に良かった。と、いう喜びの方が僕は自分の気持ちが全然、もちろん、おいし
い物食べた時の方も気持ちいいですよ。それよりもここに負け劣るような感動が全然違うのです
よ。
会社をおかげでとか、社長のおかげで。と聞いたときの感動と良い服を買ったときの感動という
のは比べものにならない。それは、決意です。
頑張れるのじゃないかな。という、嬉しいという、何よりも嬉しいということですね。
川崎/
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競争成果が何かの社員さんからご自身から自ら来た。という話しを伺っていますので、何か今日
来た皆さんにひと言。
西/
毎日のように話しをしているので、特にどうってことはないのですけども、おそらく私の話はた
くさん聞いていると思うのです毎日のように、でも、今日、最初のごあいさつから始まって50
0人の人にも、こんな素晴らしい人がいるのかなとかね。たくたんの気づきが今日も来てあった
と思うのですよね。だから私以外の経営者の方とかコーディネーターの方パネリストの人から、
今日はたくさん学ばせて頂いたと思ってると思います。ありがとうございます。
川崎/
ありがとうございます。西淵社長お願いします。
西淵/
多分、わたしが一番この中で年上だと思うのですけど、いつも思っていることは自分が経営者で
良いのかなと。ということを思うのです。もっと違う人だったら、もっと素晴らしい会社になっ
たし、もっと違うことが出来たのじゃないかな。と、絶えず思い続けてます。
いろんなこれからの家族とか共に働いている人と一緒に最初、言ったように惨めにならないよう
にお互いに、頑張っていこうとやれたのですけど、今もずっと思っているのは、自分が経営者で
良いのかな。というのが自分で抜けれない。と思います。
何がうまくいっているのか、成功しているのか、どこまで行って良いのか、どうしたら良いのか。
というのが分からなくて目指す数字とか、わりと分かりやすいのだと、どこまで、理念とかどこ
まで追求したらいいのか、これは年が逝ったので早く辞めたい。ということかも分からないので
すけども、自分ではっきりしません。
だけどずっと言えるのは思いが強いというか人を思いやる気持ちが強いもので一緒に働いている
社員さんにも、かなりキツク当たるのです、感情的にね。
もの凄く、ここが自分ではまた、直さなければいけない。と、思っているうちが経営者でいられ
るのかな。という気がしてます。
川崎/
ありがとうございます。時間があれで先ほどから、松原さんがチラチラこっちを見るので、結構
痛いのですけども、最後に今回のテーマでもあります、地域に必要とされる企業っていうのは、
どんな企業なのでしょうか。
地域に必要とされる企業はどんな企業なのか。
もしくは地域に必要とされる企業っていうのは、こうあるべきだ。
という何か、お三方のほうで、今、感じられていること思われていること、もし、ありましたら
ひと言ずつコメントいただきたいと思うのですが。
廣田社長いかがですか。
廣田/
多分、これを初めに見たときに社員に必要とされる企業とは。全部そうではないのですけども。
多分、この「に」を「を」に変えたりですね。地域を必要として、すれば、地域に必要とされる
し、社員を必要とする経営をすれば、社員に必要とされる経営なるのかなと。私は、そう思いま
す。
川崎/
もう少し詳しくお願いします。
「に」を「を」に変えて。は、どういうイメージで変えてお話しさ
れたのか詳しくお願いします。地域に必要とされる、社員に必要とされる・・・。
廣田/
地域が必要とされない限り、地域に必要とされることは無い。ということで。
川崎/
無い。はい、すいません。うんうんと、うなずいた方がいらっしゃいましたので。ありがとうご
ざいます。西社長よろしいですか。
西/
非常に難しい質問だと思います。
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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理念の追求をしていけばそういう形になるのかなと。
うちの会社の経営理念は物心共に豊かになる。ということですよね。
なので、相乗効果、みんなというのは地域住民も含めるよ。と、みんなが物心共に豊かになり、
人々の幸福社会に発展に、貢献することであって、みんなというのは社員さんと地域の人たちも
含めてだよと。
だから先週ボーナスの発表して、支給は15日だからもうすぐかな。
やはり、物心豊かにならないとダメだと思うのですよ。いくら理念経営で心が豊かになっても、
経済的にも豊かにならないと徳島の人たち全員が地域全員が活性化することが全然ないと思うの
ですよね。
だから一生懸命理念を追求して働くことによって結果的に利益が上がる、それを社員さんに高い
報酬として取っていただき、それを地域に循環させる。
それは、物心ですよね。物の経済的な物も回っていかないとダメだと思いますし、だから近所の
店で頂いた、出たばっかりのボーナスであそこのお店で買うんやと。
ネットもいいけども、あそこのおばちゃん喜ぶから、買うんやと。
やはり、一生懸命理念追求して働いて、ボーナスもたくさん出て良かったねと、自分だけが喜ぶ
のではなくて、やはり地域にもお金のほうを入れていかなければと。
僕なんか夜の町へ出て行くときに、社会貢献しにいってますと。家族に言ってますからね。タキ
シードで、あと、心のほうもそうですよね。
そういう風にしてみんなに物心共に豊かになっていって、近所の人もあるいはもっと広い範囲で
経済的にも、あとには精神的にも豊かになったら凄く良い雰囲気が出来ると思います。
川崎/
西淵社長。
西淵/
当然、儲かっていかんと企業でないので、必ず、儲けていくということなのですけど、理念だけ
ではなかなか実際、難しいとこはいっぱい、あると思います。
うちの会社なかなか、
西精工さんみたいにボーナスも入らない状態ではなかなか無いのですけど、
なんとか従業員の人もついて来ていただいてます。
そう思ったらやはり、みんなが必要とされるというのは、それぞれお互いに雇う側も雇われる側
も選ぶ自由があるし、がんじがらめに理念じゃなんじゃで、なしに、お互いが認め合って納得し
合うというのが一番、大事じゃないかと思うのです。
それを果たすために利益もどんどんどんどん、上げていかなければいけないのは当然だし、いろ
んなイノベーションもやっていかなければいけないと思います。
僕もさっきの続きではないのですけど、経営者として選ばれる限りには雇用の安定を一生懸命に
する。それが皆が必要とするならそこを一生懸命、実現していくことであって、当然、利益、お
金は無かったら企業でないし、会社でないし地域にも役に立たん、会社であると思います。
川崎/
最後に小林先生から地域に必要とされる企業のイメージを。
小林/
業種が若干、違うのですけれども、これまで見てきた一番分かり易いケースで考えると、特にお
菓子なんてですね。日本で一番最初に出てくる、りゅうげつ、これは帯広じゃないですか、この
間たまたま行った東北にある梁の土で有名な橋ありますね。
あと、印象も似ているのですが茨城にある板東太郎という経営理念が親孝行とういう会社があり
まして、この企業は何が共通しているかというと、地域から出ない。ようするに、そこでわざわ
ざお客さんが買いに来ることを追求しているのですね。
当然、お店を出してくれと東京に来ないかと誘致がたくさんありますけど、がんとして行かない
のですね。その地域に初めて来てこそ感じれるメリットここを大切にしているので規模じゃなく
て地元に対する郷土愛というのが強くあって、売る製品サービスがある会社は地域に対してお客
さんを呼んでくると効果が出てきますし、あそこにはブランドがある。ブランドになれるような
ことがまず、地域に必要とされる企業の大きな1つポイントじゃないかなと思います。
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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もう1つは製造やっている企業で考えると、やはり、地元、地域の雇用を増やしているかどうか、
地産地消といいますけれども、地元の物を使って地元でやる。
だから大企業の工場入れたって、それは地域に必要とされるのかどうか、不況になれば居なくな
っちゃうじゃないですか。
鹿児島なんか大変な目にあいましたよね。次から次工場が居なくなってそれが決して地域に必要
とされるとは思えないですよね。
そうじゃなくて地元で雇用し、消費もし、生産もやる。この、行為だけの関係性が強く出来てい
るかどうかということが製造業で言えばそういうこと何だろうなという風に思います。
業種があるのですけれど、沖縄県出版というのは規模が全然、川井先生が、こうおっしゃって、
100人いて10人幸せな会社じゃダメで、10人でもいいから10人全員が幸せになる会社。
これをたくさん作っていきたい。
タンポポ経営で沖縄県出版と同じモデルを、タンポポですから綿毛がフーっと飛んでいくように
やろうといったようにですね。
今は現在は、健康食品をウコンみたいなものをあれが成功して沖縄県出版さん。
今度、お菓子を作り始めまして紅芋か、何かですね。
まったく同じ小さいけど幸せな会社。作ってます。買う助言もあったのですね。
規模じゃなくて小さいけど、なにかしら会社を作っていく。これ多分、一番地域に必要な会社だ
と思います。
川崎/
ありがとうございます。時間も大分過ぎてしまいましたが、本当は皆さんの全部、紹介したかっ
たのですけれども、どうかご了承下さい。
今回、皆さんのコメントをいろいろ聞く中で、わたしは2つの理念経営を進めていく効果として
2つのクリティカルがあると気づかせてもらいました。
それを進めたことによって仕事を通じて、その中の会社もしくは関わっている人々、全ての人の
成長というのが、それぞれが実感できる環境にあるということと、
もう1つ、個人が頑張れば能力の限界、求めればという意味なのですけども、限界に挑戦し続け
る。その環境というのが存在している。
そういった形はいろいろなこれからも今までも、そうだったように変化というものを超えていく
一番の原動力のように思います。
かつて資本主義というものが、持ってた物差しというもの、そこの場所に産業、お金が集まるこ
と。で、小林先生の4枚目のパネルでしたかね。見てもらったら20世紀型、21世紀型、そこ
らへんがそうだと思いますけども、極にお金とかそういったものが1つの物差しになっていた。
そこが物差しとしか思っていなかった。
ところがそこに新しく理念とか今回のテーマであります、地域とか社員とかという別の物差しを
持ってくることで、何か新しい自分たちが持っている本当の資源というか、隠された埋蔵された
本当に大切なものっていうのがどんどん、ほぐれてくる時代。
そういうなかでいろいろ変化していって変化の中で皆さんの話を聞いてると当然、創業してから
ずっと、やってくる中で、変わったものがある。
それから、変わらないものもある。
変えざるを得ないものもある。
変えてはならないものがある。
この4つをしっかりと皆さんが理念という軸を持って、しっかり向き合い、社員に背中を見せ、
心を見せ、心を砕き、していくなかで、今があるのだと、成功するというのはそれなりに成功す
る必ず原因がある。
そこを追求すると今までとは違う新しい物差しっていうものを我々がきちんと持つ必要がある。
またそれを実感し、信じ続けていく必要があるかなということを凄く学ばせて頂いたような気が
しました。
最後に日本でいちばん大切にしたい会社大賞についての紹介して頂ければと思います。
小林先生お願いします。
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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説明/
皆さんのほうに封筒の中にチラシが1枚入ってます。日本でいちばん大切にしたい大賞というも
のを12月に立ち上げておりまして、そのへんひと言、小林のほうからご説明頂ければと思いま
す。
小林/
三者があまりにも忙しいもので、折衝がなかなかできない、もちろん何回か一緒にやったのです
けども、いろいろの紆余曲折があってですね、法政大学と日刊こうげん新聞と朝日出版の3社が
共同事業ということで、委員会を立ち上げまして、これからは逞しく優しい企業、企業業績も良
く、社員を大切にし、お客さんに感動を与えるようなそんな、良い会社を日本で大切にしたい会
社。という会社を表彰していこうという制度を設けさせて頂いたということになりました。
折衝していたのは、これは国の制度になるのかどうかという協議をしておりまして、先週、正式
に決まりまして、中小企業庁長官賞と経済産業大臣賞。この2つが付くことになりました。非常
に珍しいケースだという風に聞いております。
こういう制度3回ぐらいなのですね。初めて大臣賞、長官賞を初めて作ったのはこれは通例だっ
たそうなのですけども、まだ1回目なのでそういうふうに国も動いて頂いた。
これは、日頃、坂元先生が経済産業省もそうですけども、いろんな研究会に招かれてて、ここま
で来た信頼と先生の熱い思いが記されてることですよね。
それが周りの人々を動かしてる。そういう実績だったのじゃないかと思います。
そこに審査基準が簡単にあげていますけど、もの凄いハードルが高い設定されております。
しかし、そういう企業を目指して、これが増えていくことが、日本がまた、輝いて世界から評価
されることにつながっていくと思いますので、これから中小企業というか、企業のあるべき姿を
問う、変えていこうということで、坂元先生もことあることにいろんな講演会というのは、この
ことを話されていますので、自薦他薦を問いませんので、是非、応募数が必要です。
この企業はこの会社さんとか、是非エントリーして頂いて、盛り上げていって頂けたらというふ
うに思っております。
川崎/
本当に、できればこの会場から、もしくは関係者の方、会社が出てくることを徳島から凄く熱い
エネルギーを全国に発信するできることを祈ってやみません。
長らくでありましたけれども、ありがとうございました。
司会/
ありがとうございました。
それではパネラーの皆様方に今一度、
盛大な拍手をお願いいたします。
以上をもちまして、四国・地域ビジネスセミナーin 徳島を終了させていただきます。本日は、長
時間にわたりご参会いただき、ありがとうございました。
3-2.四国地域ビジネスセミナーin 徳島(H22.12.13)
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3-3.四国・地域ビジネスセミナー in 香川
「真の企業経営とは?
~地域に根ざし、愛される経営~」
1.日時:平成23年3月18日(金)
2.場所:サンポートホール高松
13:00~17:00
第1小ホール
(香川県高松市サンポート 2 番 1 号)
3.主催:経済産業省 四国経済産業局
【講師プロフィール】
久保華図八(くぼ・かずや)氏/
有限会社バグジー
代表取締役社長
1961 年生まれ。15 歳から美容の道に進み、23 歳で独立するが、技術
を磨くために渡米。帰国後、北九州市に美容室「BAGZY(バグジ
ー)
」を開業し、カリスマ美容師(常に 4 カ月先まで予約が埋まるほど)
として、繁盛店をつくりだす。93 年、有限会社九州壹組を設立。当初
は、売上技術至上主義に走るあまり、ある時信頼していた幹部が次々
に辞める事態に直面し、倒産の危機に陥る。これを機に“利”より“信”の経営哲学に転
換。
社員重視、
お客様本位の経営を目指すようになる。
「経営の目標は利潤の追求ではない。
追求すべきは顧客満足と従業員の働きがい」と考え、急成長を遂げ続ける見事な経営手腕
は“美容業界のディズニーランド”と讃えられ、全国より注目を浴びている。
野老真理子(ところ・まりこ)氏/
大里綜合管理株式会社
代表取締役社長
1975 年、実母が千葉県大網白里町で不動産管理会社を設立。1985 年、
大学卒業後、5人兄弟の長女であったことと母を少しでも助けること
ができればという思いから、大里綜合管理株式会社に入社。その後、
1995 年に代表取締役に就任。結婚、出産、3 人の子供の子育てと仕事
の両立に奮闘する中で、地域の環境活動、文化活動など、130 を超え
る地域貢献活動に積極的に参加。社屋をパブリックな空間として開放し、学童保育を開催
するなど、地域との結びつきを意識した取り組みも展開。「子どもと家族を応援する日本」
内閣府特命担当大臣表彰、「千葉県男女共同参画推進事業所」奨励賞表彰など表彰多数。
【事例発表者プロフィール】
沖川
学(おきがわ・まなぶ)氏/株式会社リソーシズ
常務取締役
四国コカ・コーラのグループ会社である当事業所は、独自の資源リサイクル技術を構築し、
資源分別再商品化から販売までトータルなシステムを確立、低コストかつスムーズなリサ
イクル業務に取り組み、市町村の「容器包装リサイクル法」への対応をバックアップして
いる。障がい者の雇用に関しては、養護学校からの依頼で職場体験だけであったが、一緒
に働いていた従業員たちから、正社員として雇用してあげて欲しいとの申し入れがあった
ことがきっかけとなり、今では積極的に雇用をすすめ、雇用率も 10%を超えている。当社
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
-1-
では、障がい者を雇用しているという意識はない、就業時間以外のレクリエーション交流
も盛んに行い、障がいのある社員が仲良く元気に働く姿が良い刺激となり、職場全体に活
気が満ち溢れている。
【コーディネータープロフィール】
川崎克寛(かわさき・かつひろ)氏/E-Planning
代表
1970 年生まれ。大学中退後、アメリカへ渡る。日本食店での住み込みとキックボクシング
のファイトマネーで生活し、同時にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で経営学
(MBA)を学ぶ。渡米中はアジア人留学生たちの生活支援も行うほど、裕福な生活を送
っていたが、暴動での友人の死や家族の死など、精神的な苦痛を乗り越え、人に感謝する
こと、尽くすことを心がけるようになる。日本に帰国後、
(株)ワールドを経て独立。高知
県のまちおこしプロジェクトに関わったことがきっかけで、東北、九州など全国各地の地
域プロジェクト参画や企業再生に携わる。現在は、中・四国を中心に活動し、現場では人
づくりを基本に、社員を活かした経営改善を追求している。
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
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【セミナー概要】
●有限会社バグジー
代表取締役社長
久保華図八氏
(1)情熱が道を開く
・不景気の中、どうやってお客様を呼べるのか。不景気は自分が作っている、情熱が高い
ければ高いほど、お客様が多くなる。どれだけ本気でやっているか。お客様にとって利
便性が良いかどうかということを追求している。
・例えば、24 時間電話に出る、年中無休など。コンビニも利便性がいいから高いと思わな
い。自分たちの都合で仕事をしていないか、価格が高いと思うのは利便性が悪いからで
はないか。
・当店では、美容室とオーガニックレストラン、美容室とカフェ、美容室とペット美容室、
美容室とブティックと併設している、お客様の笑顔の先にしか我々の幸せはない。
・おいしくないコーヒーを出してもらっても嬉しくはない。お店では、健康にいいお茶を
置いて販売もする、老眼鏡や入浴剤も売っている。お客様を喜ばせたい健康で幸せにし
たいだけ。
・
「得手に帆を上げる」と言うが、何か一つとびぬけているところが勝っている。専門性を
もつこと。育毛の専門もあれば、糖尿病にいいと言われている炭酸泉を導入したりして
いる。何でもそこそこじゃだめなんです。
・適応力をつける。新しいものにどんどん挑戦していく、時代に沿っていくことが大事。
情熱が道を開く。
・クレームをもらうと徹底的に改善する。お客様が納得するまで情熱をかけてやる。クレ
ームが鬱陶しいと感じるのは働いている人に情熱が無いから。
・やっぱり「社員力」である。何を売るかではなく、誰から買うかという時代になってき
ている。全力(時間とお金)をかけて、社員の教育をやっている。人間的成長に力を入
れることに情熱を傾けている。これが一番。
・利より信の経営とは、社員を幸せにすること=社員の人間的な成長を支えるということ。
・職業訓練校の認可を取って、新入社員には 1000 時間 OFFJT を行っている。感謝、親孝行
など、社員教育にどれだけ力を入れられるか。
・会社の業績というのは働く人の魅力の鏡である。情熱の高い分だけ業績が上がる。松下
幸之助も言っている、「熱意の先に工夫が生まれる」と。テクニックではだめ。
・社員の人としての成長を常に考えている、いいものに触れ、いいものをみて、いい人と
交わる機会をつくる。毎日ベンチマークをやっている。毎月 1 冊本を読む、映画も見る
など条件も多いが、すべて人間的に成長してもらいたいから。
(2)ES が CS をつくる
・人間関係と中心とした楽しい職場づくりが重要なポイント
・社員が満足していないのにお客様を満足させることができるわけがない。
・いかに社員のこころに火をつけるにはどうしたらいいか。仕事はお金じゃない、高い給
料をもらっていても自殺する人はいる。
・クレドをつくって業績が良くなった会社はほとんどない。理念はつくるものではなく、
実行するもの。社員の心を動かす事例をたくさんつくることが大切。
・例えば、社員の家族の誰かが病気になったら、千羽鶴を折っている。会社の中から愛が
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
-3-
溢れてはじめて CS になる、溢れてしまって気付いたらそこにお客様がいる。これが本物
ではないか、働きやすい環境をつくるといった単純なことではない。良くならないのは
土が悪い、良い風土、環境をつくればいい。では、どうしたら、良い風土ができるのか。
・対人関係を良好にすること、人間関係がいいことに尽きる。誰と働くかが大事。もっと
もっとコミュニケーション量を増やすこと。量は室に転換する。旅行に行ったり、バー
ベキューに行ったり、運動会をやったり。無駄なことをやった分、人間関係がよくなり、
会社が豊かに、その結果業績もよくなる。
・部下がやる気がないのではなく、やる気を引き出せてないだけ。まずは隣人を大切にす
ること、社員全員の誕生日を覚える、誕生日にはメールを送る。いい会社は無駄なこと
が大好き、愛情があるから無駄な事をする。愛情のない会社は無駄なことが大嫌い。
・ラーニングカルチャーの醸成、社員一人一人の心の教育が大事。人間的な成長、心を豊
かにすればいい。いいものに触れ、いいものを見て、素晴らしい人と交わる機会をつく
ること。目に見えないサービスに繋がる、それは知性となって接客時に現れる。悪い社
員がいるのではなく、社員をよくできていない社長がいる。成功できる人は自分に指を
向けられる人。
・尊敬できる上司の下で働くことが社員の幸せに繋がる。
・尊敬できる人をリーダーに置いておかないといけないが、まず社長がいいリーダーにな
らないといけない。上司になる人の人間性を磨くこと、尊敬できる上司をつくっていく
とが大切。
・お金では買えないもの、、心の豊かさや人間性を養うことが最も重要。例えば、人生の成
功とは何か、退職しても部下が集まってくる、旅行ばかり行って時間が無い、子供から
尊敬されている、奥さんとはいつもラブラブ。
(3)「三方良し」
、「四方善」の精神
・繁盛できているのは、自分の周りにいる人を幸せにしている結果が返ってきているだけ。
社員にはお店の近くでお金を使ってくださいと言っている、周りの人に好かれているか
どうか、円滑にできているかどうか。周りの人とは、自分の家族、妻や子供は分相応に。
一番は親孝行。
・例えば、入社式に親にお礼の手紙を読む、初任給で親にプレゼントするための援助金を
出す、親孝行有休を与える、敬老の日にはお店を無料で開放する、正月は実家で過ごし
てもらうため、20 キロ離れている人は休暇にするなど。
・地域の方に喜んでもらうためにお祭り休暇や 13 年前からタイガーマスクプロジェクトと
して孤児院にぬいぐるみを着てプレゼントを持って行っている、関係する業者、ヤクル
トやダスキンにはお礼の手紙を書く、宅配業者には濡れたタオルを渡す、一緒に運ぶな
ど。結果、奥さんや知り合いが髪を切りに来たりする好循環にもつながっていく。地元
の人に大切に思われるお店でないといけない。
・お客様を感動させるポイントは、①徹底的に覚えてあげること、②徹底的に手間をかけ
ること。お客様を満足させることは覚えてあげること、覚えるということは、商品を買
った後をいかに大切にするかということ。毎日できるサービスではなく、二度とできな
いサービスをやる。この仕事観が大事。仕事が楽しいと思えること。
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
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●大里綜合管理株式会社
代表取締役社長
野老
真理子氏
(1)震災でみえたもの(社員の成長)
・千葉県内も震災の影響が大きい、社員も自ら毎日交通整理に出かけて行っている。
・当社では、仕事であるかどうか、お金になるかどうかではなく、自分が大切だと思った
ことを社員の判断で何でもやっていいことになっている。売上は後から付いてくるもの
だと社員といつも言ってきた。
・今年の経営方針は、
「その瞬間に何ができるか、どう役に立てるか」、一人の社員が、
「今
回の震災がその集大成ですね、やれている自分を誇らしく思うし、やれている会社を誇
りに思う」と、有事に対して迷うことなく行動できている社員たち、5 年 10 年経っても
言える今でないといけない、一つ一つ積み上げて行く。
(2)子育てしやすい職場づくり
・学童保育を始めて 17 年。会社の建物をそのまま子供に開放している。子供を犠牲にして、
どうして本気で仕事ができるか、社員が安心して仕事ができる、子育てができる環境を
つくりたかった。
・工夫次第で会社の人も空間も様々な用途に使える。社員の子供だけでなく、地元の子供
たちも預かっている。多い時は 50 人。マナーや挨拶など、子供は 7 つの約束をすること
で、仕事の妨げにはならない、大人と一緒に生活ができると考えた。
・子供たちをまとめるのは高学年や中学生、おやつをつくったり、それを社員に販売した
り、社会のルール、大人の苦労や気持ちも理解できるようになる。関わっている子供た
ちが地域のリーダーになってくれたらいい、会社も地域も子供たちも一人残らず幸せに
なってもらいたい。
・目の前にある課題をわが社の課題としてやってきたことが次に繋がってきている。例え
ば、子供たちのリーダーの中から、当社に就職してくれてた者もいる。
(3)地域に根ざしたユニークな会社
・会社は 3 つの柱からなる、①不動産の売買、②建築・リフォーム、③不在者宅の土地管
理(8500 人、1.5 万円/年)
・当社は、①毎朝 1 時間掃除をする、②180 以上の地域貢献活動を行っている。
・地域がよくなるには、当社は組織力や政治力があるわけではない、それならできること
を地域に人に一緒に手伝ってもらってやることで、地域が良くなり、その結果として不
動産価値が上がる。社員もまた地域の担い手として地域貢献活動を通じて自覚をもつよ
うになる。
・販促活動も地域貢献活動も一体のもの、
「ありがとう」をもらう訓練、それこそが社員教
育である。
・その日に仕事をしたことがすぐに売上に繋がらないといけないと考える会社が多い。無
駄なことが省かれていく、その無駄なことの中にこそ、とても大切なことがある。
(4)環境整備(気づきの訓練)で社員力を高める
・会社には会議室もコピー機もある、会議しない時は使われていないことに気付いた。会
議室は、地域のことに使う場合は無料で開放している。
・毎日掃除をすることは、無駄なものがなくなる、使えるものがすぐ使えるようになる。
夜は、空間が空いていることに気づく、ちょっと動かすだけでコンサートホールにもな
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
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る。こうすることで、地域の人に喜ばれる広告費の使い方に変わっていった。
・農地が荒れていることに気付くと、田畑をよみがえらせるために出来ることを考え、会
社に直売所をつくった。地域に眠っている宝をみつけて活性化していくことが会社の役
割。この地域が輝いていくことがこの地域の価値へと繋がってほしい。
・このように掃除をはじめとした環境整備と地域貢献に力を入れている。きっかけは過去
に起こしてしまった人身事故の反省から、二度と同じことは繰り返したくない、後ろ指
を指される会社にしたくなかったから。
・命を守る仕事をしている組織から教えてもらったことを活かしている、それが環境整備
である。世の中の流れに気付く訓練を普段からしておくこと、有事、危機管理にとても
大切なこと。
・社員が半分以上いなくなったが、結果としてそのことが環境整備に繋がった。1 時間の
掃除は、わずかな違いでもその差に気付くきっかけになっている。
・例えば、当社では、引き出しに同色のペンは 2 本入っていない、ペンには名前が書いて
ある、戻ってくることに気付いたから。2 つ目 3 つ目の引き出しはない、モノが隠されて
いる場所だと気付いたから、一つ一つ積み上げていった結果、スチールの机もなくなり、
棚から書類を取って、終われば戻すようになった。こういった訓練をいろいろな所に広
げていった。
・社員教育を徹底し、売上の1%は社員教育に使っている。
・地域の人と勉強会を月に 1 回やっているが毎回 100 人、年 2 回は 300 人集まる。
・月に 1 度は地域の企業が協力して一斉清掃もしている。
・気付く訓練として掃除をする体になっているので、今では 5 つの海岸、13 の駅で掃除を
やっている。
・会議室の壁が地域の人が作った作品の展示場所になって、月6万円で貸している。2F
のスペースは、昼間は料理をしたい主婦が日替わりシェフとして小さなレストランをオ
ープンしている。そのあと、15 時から学童保育になる。
・不動産業は必要のない住民にとっては関わりのないことの方が多い。こうした活動を通
じて地域住民との出会いにも繋がってきている。
・当社のチラシは捨てられないチラシとして有名。裏には地域貢献活動のイベント情報な
どが載せてある。
・5 年前に「社会的責任を果たす」という経営方針を追加。社員一人一人がやる側に立ち、
それを支える会社になれば、地域が豊かになり、結果として不動産業にも役立つ。
・震災時になって、仕事か仕事でないかではなく、色んな人を主人公にして組み立ててい
く訓練を積み重ねてきた結果、やる側になっている社員をみて誇らしく思った。足りな
いことがあれば、やる側になって「動く」社員に変化してきている。
・当社は地域の担い手を地域から奪ってしまっている、社員が地域貢献活動をすることで
それが補えるのではないか、両方できることがあるのではないかと、会社として積み上
げている最中である。
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
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●株式会社リソーシズ
常務取締役
沖川
学氏
・コカコーラに出入りする瓶を納める会社のサラリーマンであった親父が、平成 8 年に脱
サラで創業。当時、北京の大学生だったが、将来は環境系か福祉で起業したいと考えて
いたこともあり、軽い気持ちで大学をやめ、起業に参加した。家族 4 名、社員 5 名でス
タートし、現場も酷い環境であったが、ライバル社もなく、四国コカ・コーラグループ
のリサイクルや法律施行により行政からの受託もあり、社員も増え会社は確実に成長し
てきた。
・作業環境を整えて行き、高齢者の雇用はあったが、若い社員の入社には結びついていな
かった。そんな中、平成 15 年に、養護学校の先生から研修の依頼があった。中学高校と
6 年間「この会社で働けたらいいね」と言いながら通い続けていたことを聞いた親父は即
採用を決めていたが、私としては社会貢献として軽い気持ちで研修を引き受けた。
・1 週間研修、1 ヵ月研修の後、採用の依頼があったが、私は反対した。しかし、担当して
いた社員たちが、
「自分たちが面倒をみるので採用してほしい」と頼みに来た。地域貢献
のつもりでその時はしぶしぶOKを出した。
・彼は、驚くくらい、想像以上にみるみる成長しました。自分の職を守るため、自分の頑
張りが後輩の採用にも繋がるという気持ちで、本当に頑張ってくれた。
・次に 3 名の知的障がい者を雇用、学校では①挨拶をすること、②通勤すること、③先生
に言われたことを必ず守ることを徹底して教えていることを知った親父は感動し、これ
からも引き続き障がい者を雇用していくことを校長先生と勝手に約束。
・最初はボランティア、社会貢献のつもりと考えていた私自身恥ずかしくなるぐらい、彼
らは会社の戦力となっており、彼らが居ないと会社が成り立たなくなっている。
・雇用したことで変わったことは、我々の「こころ」であった。社会貢献のつもりが、次
第に仲間、家族という気持ちに変わってきた。障がい者の家族の気持ちを自分なりに分
かったつもりになっていた。
・そんな中、私に第二子が産まれた。3 日後、病院から呼び出され、
「成長ホルモンが出て
いない、障がい者になる可能性がある、身長も伸びないかもしれない」と告げられた。
その時に「何で俺や」という悔しい気持ちと、障がい者の保護者の気持ちが分かったつ
もりになっていた自分が本当に情けなかった。
・僕らが死んだらこの子はどうなるだろう、障がい者の保護者の方も同じ気持ちだろうと
その時初めて感じることができた。
・それ以降、障がい者との接し方に変化があった。心から感謝する気持ちと、これから俺
が絶対守るからな、という深い気持ちになれた。
・社員とは、働ける間は働く環境を、両親が居なくなっても当社に通える環境をつくるこ
とができたらと話している。
・他の会社と比べて作業環境は当社が一番厳しいが、当社が一番好きだと言ってくれる、
仲間が居るし、みんな優しいと。
・障がい者とは、清掃活動のほか、ファミリーマラソンや水泳大会に参加。スポーツ経験
のある親父は、毎日養護学校に通い、一番楽しんでいる。社員の満足よりもうちのおや
じの満足の方が高い。
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
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・親父は、社員みんな家族だと言っている。一緒に起業して 6 年経って、ケンカもするが、
尊敬しており、大好きな親父である。こんな親父と仕事ができたということは私にとっ
ても社員にとっても幸せだと思う。私の使命としても、社員を家族のように大事にし、
雇用し続けたい。また、地域に必要とされる会社になりたいと思っている。
・心が豊かになる経営とは、心が豊かになること。会社経営をする上で、社員を信用する
こと、これに尽きると思う。どこにも負けない社員であり、彼らを勝ち組にしてあげた
い。
・親父はいつも感謝しろというが、地域住民の理解、銀行や取引先、関連業者などの協力
があってこそ、ここまで来れた。いちばん大事な言葉だと思う。
3-3.四国・地域ビジネスセミナー(H23.03.18)
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3-4.四国・地域ビジネスセミナー in 愛媛
~企業における障害者雇用の大いなる可能性と、その価値~
1.主催:経済産業省四国経済産業局
2.後援:愛媛県
3.日時:平成23年3月23日(水)
4.場所:国際ホテル松山
3F
常盤
13:00~17:00
(愛媛県松山市一番町 1-13)
【講師プロフィール】
大塚由紀子(おおつか・ゆきこ)氏/中小企業診断士
株式会社 FVP
代表取締役
日本大学文理学部卒業。中小企業診断士。独立系不動産事業企画・
設計事務所、独立系財産コンサルティング会社(不動産事業企画分野
担当)を経て、経営コンサルタントとして独立。障がい者の自立支援
活動を行っていたヤマト運輸元会長の故小倉昌男氏と出会ったことをきっかけに、
「福祉と
経営の融合を通して障がい者の働く場を作り出したい」と、2003 年に株式会社福祉ベンチ
ャーパートナーズを設立、2010 年 5 月社名を株式会社FⅤPに変更し、現在に至る。
「障
がい者の働く場づくり」をテーマに事業を展開し、福祉起業家経営塾を主催するとともに、
全国の工賃向上を目指す障がい者福祉サービス事業所を対象にしたコンサルティング、人
材育成事業を展開している。平成 19 年には「夢ある街のたいやき屋さん」を出店。平成
21 年に 2 号店出店。障害のある人もない人もともに働くビジネスモデルの構築に取り組ん
でいる。また、平成 20 年より、障害者雇用の底上げを目的とした「ATARIMAEプロ
ジェクト」の事務局長も努めるなど、障がい者雇用の飛躍的拡大を目指した事業・活動を
積極的に行っている。
【事例発表者プロフィール】
古市
努(ふるいち・つとむ)氏/
株式会社ユニバーサルデザイン・メディア工房
代表取締役社長
1957 年生まれ。情報のユニバーサルデザインを深く追求し、誰もが利用し
やすいホームページ作りやIT を活用したユニバーサルデザイン製品の開
発・販売を展開するほか、コミュニティビジネス団体「さぬきビジネスファーム」を主宰。
さぬきビジネスファームが行う「緑のそよ風プロジェクト香川」では、地域で活躍する地
元企業と障がい者施設を結びつけ、それぞれの持ち味を活かしたコラボレーションによっ
て戦略的な商品やサービスの企画・開発を共同で行うなど、障がいのある方の生活基盤の
源である施設からの経済自立の具体的な支援を実施している。
北野賢三(きたの・けんぞう)氏/まるく株式会社
代表取締役
1970 年生まれ。大学卒業後、東証一部上場の企業に就職。人事部に配属さ
れて以来、人事採用・教育に携わる。交通事故で歩けなくなったことがきっ
かけで、初めて障がい者就労の現実を目の当たりにし、
「再起できたら、助
かった命を障がい者の就労支援に捧げよう」とリハビリに専念、軽い後遺障がいは残った
ものの、日常生活に支障がない程度までは回復。2006 年に愛媛県内初の雇用型の障がい者
就労支援事業所としてまるく株式会社を設立。現在、障がい者の就労支援だけでなく、テ
レワーク(在宅勤務)を中心に企業の障がい者雇用支援も行っている。
3-4.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H23.03.23)
-1-
竹村利道(たけむら・としみち)氏/
特定非営利活動法人ワークスみらい高知
代表
1964 年生まれ。1988 年よりソーシャルワーカーとして地域の障害者支援を
行う。
「障害者だから無理」と変わろうとしない福祉事業者や障害がある当
事者、その家族に対する憤りから、2003 年にNPO法人ワークスみらい高知を立ち上げ、
自ら事業者として、弁当、ケーキ等の製造・販売を通じて、障害者の就労機会づくりと自
立支援を行うほか、高知県と連携して、土佐茶ブランドの発信を行う古民家カフェをオー
プンするなど、地域ブランドの創出にも積極的に取り組んでいる。現在、グループ全体で
は年商 4 億円超。今後は、高知市の郊外で倉庫街のリノベーションによる、美術館を核に
したアートプロジェクトの展開により、地域の再生、経済の活性化、そして障がい者との
共生をめざしている。
【コーディネータープロフィール】
川崎克寛(かわさき・かつひろ)氏/E-Planning
代表
1970 年生まれ。大学中退後、アメリカへ渡る。日本食店での住み込みとキ
ックボクシングのファイトマネーで生活し、同時にカリフォルニア大学ロ
サンゼルス校(UCLA)で経営学(MBA)を学ぶ。渡米中はアジア人留学
生たちの生活支援も行うほど、裕福な生活を送っていたが、暴動での友人
の死や家族の死など、精神的な苦痛を乗り越え、人に感謝すること、尽くすことを心がけ
るようになる。日本に帰国後、
(株)ワールドを経て独立。高知県のまちおこしプロジェク
トに関わったことがきっかけで、東北、九州など全国各地の地域プロジェクト参画や企業
再生に携わる。現在は、中・四国を中心に活動し、現場では人づくりを基本に、社員を活
かした経営改善を追求している。
四国・地域ビジネスセミナー in 愛媛
~企業における障がい者雇用の
大いなる可能性と、その価値~
規模や利益の拡大を追求してきた国際社会の行き詰まりが明らかになる中、単に営利目的だけ
で行う企業経営では通用しない時代となり、真の豊かさを追求する企業の新たな価値が問われて
きております。
そこで、今回のセミナーでは、障がい者自立支援の第一人者である株式会社FVP代表取締役
の大塚由紀子氏をお招きし、「企業における障がい者雇用の大いなる可能性と、その価値」につ
いて、ご講演いただくとともに、先進事例の発表とパネルディスカッションを開催します。
●13:00 開演
プログラム
●13:00 主催挨拶
小森
繁氏
四国経済産業局 総務企画部長
●13:05~13:50 基調講演
「今、なぜ企業で障がい者雇用が増進しているのか」
~企業における障がい者雇用の大いなる可能性と、その価値~
講師 大塚 由紀子 氏
株式会社FVP 代表取締役
●13:50~17:00 事例発表/パネルディスカッション
[事例発表者/パネリスト]
株式会社ユニバーサルデザイン・メディア工房 代表取締役社長 古市 努 氏
まるく株式会社 代表取締役 北野 賢三 氏
NPO法人ワークスみらい高知 代表 竹村 利道 氏
3 23
日時/平成23年
月
日(水)
13:00~17:00 [12:30開場]
場所/国際ホテル松山 3F 常磐
(愛媛県松山市一番町1-13)
主催/経済産業省 四国経済産業局
後援/愛媛県
[アドバイザー]
株式会社FVP 代表取締役 大塚 由紀子 氏
[コーディネーター]
川崎 克寛 氏 E-Planning 代表
●17:00 閉会
●17:00~19:00 交流会(参加費:3,000円)
3-4.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H23.03.23)
-2-
【セミナーの概要】
●株式会社 FVP
代表取締役
大塚由紀子氏
・障がい者雇用をしたい企業や起業家の卵に対してコンサルティングをする事業を創業し
て 8 年になる。障がい者雇用が企業の中で増えてきている、少しずつであるが、皮膚感
覚として変わってきていることを感じている。
・働ける障がい者は、18 歳から 65 歳までで、335 万人いるが、そのうち 5 人以上の事業所
で雇用という形では 45 万人という統計があるが、針きゅう、マッサージや家族経営など
の就労形態は含まれないので正確な数字はわからない。
・民間の雇用率 1.8%、これは 5 年連続伸びている。法定雇用率の達成企業は全体の 47%。
福祉的就労は 20 万人を少し切るぐらい。この数字は喜んでいいのか、この点を意識の高
いこの会場の方々と共有しておきたいが、従業員 1000 人以上の規模の会社は 1.9%である
が、300 人以下の中小企業の雇用率は 1.4%と低迷下落傾向にあるという事実。
・企業全体の 9 割が中小企業であることから考えると、この事実は何とかしていかないと
いけない重要な問題である。
・何故そうなるのか。中小企業のほとんどの方は、
「うちにはできない、大塚さんは奇特な
方だね、大変ですね」
「小売業では難しい、やってもらうことがない、車いすの設置スペ
ースが無い」と真顔で言ってくる。
・障がい者雇用が進まない、妨げになっているのはハード面ではなく、障がい者の人たち
に対する心のバリアである。労働力として、戦力としてみていない。データとしては中
小企業は低迷してきているが、意識は少しずつ変わってきていると感じている。
・全国の事例を話題提供として紹介する。経済界に最も影響を与えた障がい者が働くパン
屋さん「スワンベーカリー」がある。小倉氏がヤマト福祉財団とヤマトホールディング
ス株式会社と共に設立した会社で、障がい者のことを何も知らない方が知る機会を体験
できる場として、非常に大きな影響を与えている。
・日本理化学工業㈱、障がい者雇用に取り組んでいる、日本で最も有名な中小企業である。
法律も助成金もない 50 年前から雇用し続けてきている。
・リサイクル業で上場企業の㈱エフピコ、
四国にもダックス四国という特例子会社がある。
上場企業の中では最も雇用率が高いのではないか。
・ユニクロ、1 店舗一人の雇用を掲げ、2001 年から 9 割の店舗で障がい者を雇用している。
従業員 1 万人以上の中では断トツ、雇用率は 8%を超えている。3 月 1 日の新聞広告「服
のチカラ」で、障がい者の雇用を通して、
「本当に良い服」とは何か、「服」に関わる場
所には人を思いやるココロが欠かせないことを改めて確認できたと、障がい者雇用の企
業にとっての効用を明確に発信している。
・余裕がある会社だけが障がい者雇用をやるのではない。自分の会社でも小規模だが 45-6
名中 8 名の障がい者雇用をしている。彼らを有能な労力として雇用することで何とか事
業を継続させてもらっている。余裕とかではなく経営者の意識の問題である。
・障がい者雇用を活用して企業をどう強くするかという視点も大事。雇用は究極の社会貢
献でもある。ユニクロが新聞広告で福祉について決意表明したことは、生活者を巻き込
む上で影響力がある。余裕のある経営をするためには、障がい者雇用という、正しい経
営をすることが最も近いということに気付き始めた会社では企業戦略として考えている。
3-4.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H23.03.23)
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・イオンモール内にたい焼きのインショップを出しているが、モール内の企業で障がい者
のインターンをお願いしたところ、市民からイオンを応援したいというメッセージが寄
せられた。小売業では、障がい者が接客をすることに経営しがちであったが、お客様の
方が取組みを評価し商品を買ってくれる世の中になってきている。
・ユニクロのようになりたかったら、中小企業も企業の戦力として障がい者雇用を考える
べきではないか。
●株式会社ユニバーサルデザイン・メディア工房
代表取締役社長
古市
努氏
・
「緑のそよ風プロジェクト」として、現在、総務省の「地域雇用創造ICT絆プロジェク
ト」に採択され、ICT絆就労弱者支援事業に伴うコミュニティビジネスの創出事業を
実施している。
・H21 年度に高松市と香川県の助成事業として始め、現在も障がい者の就労支援の新しい
モデルとして、地域で活躍する企業と障がい者がコラボして新しい商品を作って販売し
ていこうという取り組みを行っている。BtoBでは当たり前のように行われていること
を、障がい者施設と企業とのマッチングで同じように行ったもの。
・ゆめタウンにおける実店舗販売と楽天のネットショップによる販売を行っており、参加
企業が潤わなければ障がい者雇用には結び付かない。この儲けを逆手にとって参加企業
の推進力に繋げている。
・企業とのコラボ商品を、らでぃっしゅでピンキング作業を行い、ゆめタウンに納品。
・協力企業として、ミラノのおかず屋さん、まるほ食品がある。
・社会福祉法人朝日平成園
で受注のデータ処理を行い、ネットショップの運営は専門のリセットが行っており、協
力企業として、障がい者施設の Do やまびこや安田食品工業などが参加している。
・リアルに売れていない商品はネットでも売れない。ネット通販を通じて障がい者支援を
行うことが本当の狙い。
・三豊市はフルーツ王国として JA とも連携して、ネット販売の話も農商工連携事業として
検討されている。
●まるく株式会社
代表取締役
北野
賢三氏
・障がい者の就業状況は、震災と同じくらいだと考えてもらいたい。つまり、環境が整っ
ていないということ。眼鏡という道具が無ければ、視覚障害になってしまう。眼鏡が環
境、自分は変わっていない。震災もその人は何も変わっていないが、インフラが整わな
くなると何もできなくなる。
・現状は、ハンディキャップのある方の働く環境が当たり前のように整備されていない。
・当社では、パソコンができない方にはお掃除の仕事をしてもらっている。ほかに奇跡の
リンゴで有名な木村式農法で農業技術者としてハンディキャップの方に働いてもらう計
画が 4 月から始まる。
・主としてはテレワーク、当社の社員として在宅勤務してもらっている。
・テレワーク事業を始めたきっかけは、2 人目に入ってきてくれた身体と知的に障がいの
ある女の子からの相談であった。
「次第に体が不自由になっていく、働きたくても会社に
出てこれなくなったら辞めないといけない、働き続けたい」と。仕事がしたいと思って
3-4.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H23.03.23)
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くれるこの子が家で仕事ができたらいいとの発想から、在宅勤務のやり方を知り、労働
法規上のクリアを得て、その子が安心して働ける仕組みを作れるようになった。家から
出られない人、人が居ると力を発揮できない人など。現在、60 名中、在宅勤務者は 20
名ほど。
・もう一人は松山大学在学中に、車の事故で首から下が不自由になった寝たきりの女の子
が在宅勤務で働いてくれている。環境さえ整えば、その子の能力が活かされる。環境が
整うかどうかによって、その子の可能性が違ってくる。
・よく働けない人はどうするのかという指摘を受けることがある。病院で隔離されたとこ
ろで、特別支援学校で 1 日中リハビリを受けたり、療養生活を余儀なくされている人も
いる。
・いつもこう答えている。
「この子たちを支えているのは社会保障である。これは税金で賄
われている。であれば、働ける人を世の中に送り出し、社会の中で役に立ってもらう、
社会保障で支えている現実を納税という形で支えていかないといけない」と。
・当社では毎年、2、3 名は一般就労している。卒業生に送る言葉は一つ。働きたくても働
けない人が安心して生きて行くためにお前たちが活躍してほしい。仲間であった彼らも
卒業した瞬間同志になる。
・障がいがある人が働く施設も、一般の企業でも、障がいのある人が働いて対価を得るに
は、経済が活性化していないといけない。地域や企業が元気にならないと働くチャンス
が無い。地域の中に生きている住民一人一人が地域経済を盛り上げていこうという、根
本的なところで繋がり、いい循環がうまれてきたら、気がつけばそこにハンディキャッ
プの方もいるというのがいいのではないか。
・夢の実現にどのくらい近づいているんだろうとはかれる一つの指標が障がい者雇用だと
思う。障がい者雇用は、幸せを図る価値であり、心の中の幸せや充実感、満足度をはか
る指標だと思う。
・これをキックオフとして、四国 4 県が一緒になって盛りあげていきたいし、ぜひ協力も
したい。
●NPO法人ワークスみらい高知
代表
竹村
利道氏
・昨年末に中心市街地の帯屋町商店街の中に、土佐茶カフェをオープンした。これで 7 店
舗目になるが、基本的にはどこからどうみても障がい者がいるお店、作業所とはわから
ないようにしているのがうちのお店の特徴。
・ミッションは障がい者雇用を進めるということにして、その手段として店舗展開をして
いる。店としてどう評価されるかということに主眼をおき、きちんと銀行からも融資し
てもらっている。高知県ではNPO法人で唯一らしいが、他の銀行さんから、NPOは
儲けたらいけないんでしょと根本的な誤解がある。社会的課題をビジネスという手段で
解決するソーシャルビジネスにとって必要なのは資金だと思う。年間 6 万円程度の会費
でやっているところもあれば、事業性のところもあるが、NPOだから融資は受けられ
ない、お金は貸せないと、国民政策金融公庫の担当者の方が意味が分かっていないので、
いくら経済産業省が頑張っても資金が回らなけらば難しいし、この分野は伸びない。
・1 億円のプロジェクトを動かすことになり、銀行から融資をお願いしますと言われるよ
うになったことはうれしいが、こういったことが全国的に広がるためには根本的な誤解
3-4.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H23.03.23)
-5-
をなくしていく必要がある。
・こういった事業を始めた根底には、静かな怒りが 25 年続いているから。時間給 50 円で
1 日 8 時間働いて、月給 8 千円だったら、堂々と生きていくことができるのか。これが障
がい者雇用では普通にまかり通っている。
・当事者に対して 10%、障がい者だからとそれにすがっている家族に 10%、事業所が障がい
者の可能性をつぶしてしまっていること、福祉自体が芽をつぶしているのではないかと
気付いていないことに 30%、残り 50%は、そういうのは NO だと分かっていて一段高いと
ころから行政のここがまずいとか当事者や福祉施設はどうとか評価し、分かっているこ
とと見えていることと、できることは違うのに評論家になっている自分はいつまでたっ
ても卑怯者だと思ったし、毎月 30 万の給料と 60 万のボーナスをもらいながら、月給 8
千円しかもらっていない人から先生と言われて生活している自分を変えたいと思ったの
が 6 年前の 40 歳の時だった。
・最初は有限会社として立ち上げたが、毎月大赤字を繰り返し、3 千万円を半年間の授業
料として使わせてもらった。社長は雇っている 4 人のパートさんや 3 人の障がい者に対
して給料を支払う義務がある、企業とはそういうものだと思った。
・福祉施設は、月給 8 千円、5 千円払っていて、今月バザーの売上が悪かったので、月給 3
千円でごめんねで許される世界がそこにある。
・一方で、最低賃金を支払わないと労働基準監督署から指導されること、企業の方が全う
だと思うことを学ばせてもらった。
・土佐茶カフェだけが一般就労で、そのほかは就労移行だったり基本はA型。最低賃金は
クリアしている。
・障がい者がフロントに出ることでどう思われるかの試行錯誤をやってきたが、まちの中
心市街地に障がいがあることが前提だとしても拒否されない社会であるということは喜
んでいる。
・障害者自立支援法という制度を使っているが、競争原理を持ち込んで 1 割負担を入れた
形にしたもの。反対運動が過熱したが、反対の根底にあったのは、月給 1 万円に満たな
い中、1 割のサービス料を取ると、確かに月給 8 千円でマイナスが出てくる場合もある。
ひどいという事実は社会的にもわかりやすかったので、賛同者も多かった。しかし、月
給 8 千円の工賃を決めているのは事業者である。
・事実は氷山の一角で、海中に深く横たわっているのが事実。あまりにも低い所得水準が
あることに事業者は反省するべき。
・支援事業者には、月に一人当たり 10 万円から 20 万円が助成されている。20 人の定員で
あれば、年間 4600 万円が報酬として入っている。
・障がい者は多くても月 3 万円 1、2 年で就職できるのであればがまんでいるだろうが 1%
ぐらいしか就職できない。
・かといって暴論となるが、障がい者にお金を渡してしまうのは免疫になってしまって、
社会活動に繋がらない。表現は違うが、この税金を使って事業者は障がい者の社会参加
を進めるための投資みたいなものだが、なかなかそうはなっていない。
・もしかしたら、障がい者福祉をしたい人の雇用確保のためにあるのではと暴言を吐くた
めよく嫌われる。
・4600 万円はキックバックできないため、職員は売上の中から給料を支払うし、職員もど
んなに仕事をしてもしなくても給料が変わらないので、なかなかモチベーションが上が
らないのは当たり前。
・共に生きるといったスローガンはどうでもいい、642 年という具体的な数字を掲げる。
ローソンでこんな時給でアルバイトする女の子はいない。
3-4.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H23.03.23)
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・これでも高いとは思わない、せめて人が働くということの最低賃金を支払う、一般就労
で実現するのが難しいなら、A 型で実現しようというのがうちの目的でもある。
・最初はお弁当屋さんをはじめ、現在は 400 食作っている。外に売り歩いているが、障が
いのある人でコミュニケーションが得意な人、計算が得意な人を組み合わせればチーム
でお弁当の宅配は可能になる。
・次に食品工場(M’s Place)を作ってバックヤード中心に、大丈夫と思ったところでカ
フェを作った。社会がどうとらえるのか心配であったがそんな心配は無用だった。障が
いのあるお店だとエクスキューズしてしまうのではなく、気が付いたら障がい者がいた、
でもおいしかったね、頑張ってねという流れがほしかった。1 日 140 人の来客がある。
・STRAWBERRY FIELDS、300 坪のデザート工場。障がい者がケーキを作る上で大事なことは
技術ではなく、それができる環境整備にお金をかけている。1 日 200 人の来客があり、フ
ジグランとも取引をしている。年商 1 億 3 千万円になるが、職員の給料は売上に関わら
ず一定。
・さくらさく。は、和をテーマにしたレストラン。1 日 160 人の来客がある。
・中心市街地の帯屋町商店街の中にある土佐茶カフェは、地産地消カフェとして、多い時
は 1 日 300 人の来客がある。
・ここまでくると、障がい者のレベルによっては断らないといけなくなるケースも出てき
た、そういった人たちを何とか受け入れるために、できる限り入口をフラットにして入
りやすいシステムにした、就労支援センターみらいをオープンさせ、卒業したてや退院
したての人を受け入れるところとして、もう少し学校の延長からスタートできるように
したいということも始めた。
・藁工倉庫という昔懐かしい倉庫群が東西に 10 個ぐらいある、全体をアートゾーンとして
今年の秋にオープンさせる準備をしている。その中で自然に障害のある人が居るという
景色ができたらいい。美術館や多目的シアターでは、芝居、ライブ、フィルム上映など
を企画、中には BAR(バル=スペイン風のバー)があって、芝居終了後、障がい者が働く
お店で深夜の 12 時までワイワイ語り合われる空間にしたい。
・障がい者を巻き込んで、新しい観光資源としてつくっていきたい。四国の玄関口と奥座
敷にアートの倉庫群で繋がっていけばいいと考えている。
・普通の生活というのは、工賃数千円で無料でサービスを受けてご飯を食べさせてもらう
ことではないはず、月 8 万~10 万もらって、サービスに対する負担を堂々と払い、自分
で食べるものぐらいは自分で払って、社会保険にも加入して市民として堂々と生活をす
る。いやいやそれ以上に、月給 10 万~15 万で、社会保険にも加入し税金も納めて市民と
して堂々と生活をして、最後に家族を持つ、いやいやもっともっとという図があるはず。
・働けない人をどうするかも含めて、今ある事実がすべてではなく、事実は真実の敵なり、
どうしなければいけないかを一生懸命考えることが必要ではないか。
・私がやっている事業も普通ではない、STRAWBERRY FIELDS は 44 人中 30 人が障がい者、M’s
Place は 18 人中 10 人、全体で 170 人中 120 人の障がい者がいる、日本理化学工業は 7
割ということも含めて、すごいなとは思うが、でもこれは普通じゃない。
・従業員 10 人のところには 1 人か 2 人、100 人のところには 3~4 人、どこに行っても銀
行に行っても車いすの人がカウンターで接客をしている。そんな風になるってことが全
うなのではないか。
・ゆくゆくは私がやっている事業にこんなに障がい者が来なくてもいい、障がい者が今す
ぐ施設を出て一般就労できる、そんな当たり前の社会にならない限り、いろいろとバッ
シングは受けるとは思うが、それまでは事業を続けて行きたいと考えている。
3-4.四国・地域ビジネスセミナーin 愛媛(H23.03.23)
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3-5.四国・地域ビジネスセミナー in 高知
「真の企業経営とは?~地域に根ざし、愛される経営~」
1.日時:平成23年3月31日(木)
2.場所:高知会館
2F
白鳳
13:00~17:00
(高知県高知市本町5-6-42)
3.主催:経済産業省 四国経済産業局
【講師プロフィール】
大山泰弘(おおやま・やすひろ)氏/
日本理化学工業株式会社
会長
1932 年東京生まれ。日本理化学工業は、1937 年に父・要蔵が設立し
たチョーク製造会社。中央大学法学部卒業後、病身の父の後を継ぐ
べく同社に入社。1974 年、社長に就任。2008 年から現職。1960 年、
はじめて知的障がい者を雇用して以来、一貫して障がい者雇用を推
し進めてきた。1975 年には、川崎市に日本初の知的障がい者多数雇
用モデル工場を建設。現在、74 人の社員のうち 55 人が知的障がい者(障がい者雇用割合
約 7 割)。製造ラインをほぼ 100%知的障がい者のみで稼動できるよう、工程にさまざまな
工夫を凝らしている。 こうした経営が評価され、2009 年、渋沢栄一賞を受賞。
小林秀司(こばやし・ひでし)氏/社会保険労務士
株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(SVC)
代表取締役
1960 年東京都生まれ。大学卒業後、教育出版社を経て、株式会社日
本マンパワーでキャリア開発事業責任者に従事。1997 年に独立し、
SVC を設立。また、「SVC 社会保険労務士起業塾」を主宰し、多くの
開業社労士の支援をする。現在、
「理念経営のすすめ」を社会保険労
務士の中核事業にして邁進中。2009 年 4 月より、「日本でいちばん
大切にしたい会社」著者である法政大学大学院政策創造研究科坂本光司氏の研究室で修士
課程専攻中。モチベーション研究会、価値ある企業の指標研究会、障がい者雇用研究会の
事務局を歴任。坂本光司著「なぜこの会社はモチベーションが高いのか」
(商業界)
、
「弱者
に優しい会社の話」(近代セールス社)の事例執筆を担当。著書に「元気な社員がいる会社
のつくり方」(アチーブメント出版)などがある。
【事例発表者プロフィール】
沖川
学(おきかわ・まなぶ)氏/株式会社リソーシズ
常務取締役
四国コカ・コーラのグループ会社である当事業所は、独自の資源リサイ
クル技術を構築し、資源分別再商品化から販売までトータルなシステムを確立、低コスト
かつスムーズなリサイクル業務に取り組み、市町村の「容器包装リサイクル法」への対応
をバックアップしている。障がい者の雇用に関しては、養護学校からの依頼で職場体験だ
けであったが、一緒に働いていた従業員たちから、正社員として雇用してあげて欲しいと
3-5.四国・地域ビジネスセミナーin 高知(H23.03.31)
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の申し入れがあったことがきっかけとなり、今では積極的に雇用をすすめ、雇用率も 10%
を超えている。当社では、障がい者を雇用しているという意識はない、就業時間以外のレ
クリエーション交流も盛んに行い、障がいのある社員が仲良く元気に働く姿が良い刺激と
なり、職場全体に活気が満ち溢れている。
北野賢三(きたの・けんぞう)氏/まるく株式会社
代表取締役
1970 年生まれ。大学卒業後、東証一部上場の企業に就職。人事部に配属さ
れて以来、人事採用・教育に携わる。交通事故で歩けなくなったことがきっ
かけで、初めて障がい者就労の現実を目の当たりにし、
「再起できたら、助
かった命を障がい者の就労支援に捧げよう」とリハビリに専念、軽い後遺障がいは残った
ものの、日常生活に支障がない程度までは回復。2006 年に愛媛県内初の雇用型の障がい者
就労支援事業所としてまるく株式会社を設立。現在、障がい者の就労支援だけでなく、テ
レワーク(在宅勤務)を中心に企業の障がい者雇用支援も行っている。
【コーディネータープロフィール】
川崎克寛(かわさき・かつひろ)氏/E-Planning
代表
1970 年生まれ。大学中退後、アメリカへ渡る。日本食店での住み込みとキ
ックボクシングのファイトマネーで生活し、同時にカリフォルニア大学ロ
サンゼルス校(UCLA)で経営学(MBA)を学ぶ。渡米中はアジア人留学
生たちの生活支援も行うほど、裕福な生活を送っていたが、暴動での友人の死や家族の死
など、精神的な苦痛を乗り越え、人に感謝すること、尽くすことを心がけるようになる。
日本に帰国後、
(株)ワールドを経て独立。高知県のまちおこしプロジェクトに関わったこ
とがきっかけで、東北、九州など全国各地の地域プロジェクト参画や企業再生に携わる。
現在は、中・四国を中心に活動し、現場では人づくりを基本に、社員を活かした経営改善
を追求している。
規模や利益の拡大を追求してきた国際社会の行き詰まりが明らかになる中、単に営利目的だけ
で行う企業経営では通用しない時代となり、真の豊かさを追求する企業の新たな価値が問われて
きているます。
そこで、今回のセミナーでは、日本理化学工業株式会社会長の大山泰弘氏及び、『日本でいち
ばん大切にしたい会社』著者である坂本光司氏研究室の小林秀司氏(株式会社シェアードバ
リュー・コーポレーション代表取締役)をお招きし、ご講演いただくとともに、四国における先進事例
の発表とパネルディスカッションを開催します。
●13:00 開演
●13:00 主催挨拶
小森
繁氏
四国経済産業局 総務企画部長
●13:05~14:25 基調講演Ⅰ
「働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~」
講師 大山 泰弘 氏
日本理化学工業株式会社 会長
●14:25~15:10 基調講演Ⅱ
「元気な社員がいる会社のつくり方」
講師 小林 秀司 氏
株式会社シェアードバリュー・コーポレーション 代表取締役
(法政大学大学院政策創造研究科 坂本光司研究室 研究員)
<10分 休憩>
●15:20~16:20 事例発表
[事例発表者]
沖川 学 氏
北野 賢三 氏
株式会社リソーシズ 常務取締役
まるく株式会社 代表取締役
●16:20~17:00 パネルディスカッション
[コーディネーター]
川崎 克寛 氏 E-Planning 代表
●17:00 閉会
●17:00~19:00 交流会(参加費:3,000円)
3-5.四国・地域ビジネスセミナーin 高知(H23.03.31)
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【セミナーの概要】
●日本理化学工業株式会社
会長
大山
泰弘氏
・今から約 50 年前に、養護学校の先生に、卒業生の就職を受け入れてほしいとお願いされた
が、何度も断っていた。しかし、その先生は 3 回訪ねてこられ、最後は「子どもたちは卒業
したら地方の施設に入る。そうしたら働くことを知らずに一生を終えてしまう。もう就職は
お願いしないので、働く経験だけさせてもらえないか」と。この言葉で、「2週間程度の就
労体験なら」ということで引き受けたのがきっかけとなった。
・2 週間の就労体験が終了後、ひたむきな働きぶりをみていた周りの従業員もその様子を見て、
私のところにつめかけて、自分達が面倒見るから雇ってくれと言ってきた。
・知的障害があっても作業ができる様に、道具の色分けや製品不良を簡単に見分ける治具、先
輩障害者が後輩を支える仕組みなど、環境を変える工夫をしていった。障害にあわせて仕事
を振り分け、環境を整備すれば障害があっても働ける事がわかった。
・しかし、障害者の方と一緒に働くなかで、どうしてもわからないことがあった。施設で楽に
過ごすこともできるのに、なぜ、一生懸命に働こうとするのか理解できなかった。
・ある日、禅寺のご住職にその疑問をぶつけてみたところ、住職さんは、こう教えてくれた。
「人間の究極の幸せは、①人に愛されること、②人にほめられること、③人の役にたつこと、
④人から必要とされること。働くことによって愛以外の 3 つの幸せは得られる。障害者の方
たちが、企業で働きたいと願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証だ」
・私は、胸のつっかえがとれる思いだった。障害者も健常者もない、人間の根源にかかわる大
切なことを教えていただいた。そして、1 人でも多くの障害者の方々に「働く幸せ」を感じ
てもらえるようにしたいと考えるようになった。
・企業には人を幸せにする力があると分かった。そのときから頑張ってみようと思った。
・重度を含む知的障害者を次々と受け入れ、現在は全社員の 7 割を超える 55 人が働いている。
・2006 年に商品化した「キットパス」は、ガラスや窓などにも書いて消せる上に、口紅と同様
の材料を使い口に入れても安全なことから売上も好調である。
・1960 年に入社した障がい者の女性社員は今でも現役として元気に働いている。
●株式会社シェアードバリュー・コーポレーション(SVC)
代表取締役
小林
秀司氏
・人本主義の理念経営を深掘りした結果、その中に障がい者雇用に積極的という軸が浮かび上
がってきた。
・人本主義の理念経営とは、モチベーションを最重視、利益は目的ではなく結果・手段、絆を
大切にする、社員は家族、エンゲージメントという考え方。徹底的に社員教育を行い、人間
力を高め続ける。社員一人ひとりが主人公になっている。
・利他の精神を育む経営理念への強いこだわり、唯一性を求める。心の経営、感動創造、ワク
ワク感、社会貢献性を重視。
・これら人本主義の理念経営は決して新しい考えでなく原理原則、当たり前のこと。実行する
かどうか、大切だと思っているかどうかの違い。
・障がい者雇用の問題は、これまで福祉の領域で取り扱うというのが常識であったが、企業経
営にこそ大いなる意義があると気づいた。
・法定雇用率対策といった無意味な目的ではなく、障がい者を普通に受け入れて継続的な雇用
3-5.四国・地域ビジネスセミナーin 高知(H23.03.31)
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に成功していくことで経営面にプラスにはたらく効用があり、最終的には好業績がもたらさ
れてくるという仮説を立ててみた。
・『障害者白書』(平成 22 年版)によれば、
わが国の障がい者人口は約 744 万人。このう
ち雇用政策の対象者は約 365 万人、つまり、これだけ就労可能と目されている。
・現在、一般就労として民間企業等で 44.8 万人、福祉就労(法定)として作業所等で 16.7 万
人が就労している。
・問題となっている福祉施設の低賃金については、平成 21 年度の全施設の平均工賃(賃金)は月
額 12,695 円、小規模作業所においては月額 8,208 円と低い。
・障がい者を自立させる持続可能な雇用は、企業での一般就労にあることは明白である。
・企業における障がい者雇用の可能性を実践したのは元ヤマト運輸会長故小倉昌男である。そ
の奮闘は『福祉を変える経営~障害者の月給 1 万円からの脱出』で著されている。障がいの
ある人もない人も、共に働き、共に生きていく社会の実現を理念に、障がい者が自立するた
めの雇用機会を広げるべく「スワンベーカリー」(株式会社スワン*)を誕生させた。現在では、
チェーン店と直営店を合わせて全国に 24 店舗を展開し、282 名の障がい者が働いている。
・スワンのような取り組みが日本中に広がっていくことを願ってやまない。しかし、企業は慈
善事業ではないので、障がい者雇用を進めることが企業経営にとってゴーイングコンサーン
に貢献出来るということが感じられるものでなければ、そうそう食指は動かないだろう。
・だからこそ仮説検証し、障がい者雇用が企業業績を良くする相関があると実証できればと思
いアンケート調査を実施。
・ユニクロが障がい者雇用の実践で組織力が高まり、業績に反映したことを証明。2001 年から
1 店舗 1 名以上の障がい者雇用を目標に掲げて取り組み、現在、法定雇用率が 1.8%のところ、
ユニクロは 8.04%の雇用率になっている。
・アンケート調査の目的は、第一に、障がい者雇用を契機に業績が向上した企業の共通点、特
長を明らかにする。第二に、なぜ業績がよくなるのかということについてその理由を明らか
にする。第三に、障がい者雇用を成功させるために重視しなければならない事項は何かとい
うことを明らかにする。
・結果どうなったかというと、障がい者雇用を始めてから業績が「良くなった」と回答した企
業は 38 社に対して「悪くなった」と回答した企業はわずか 1 社のみであった。業績が良くな
っている企業が悪くなっている企業を大幅に上回った。
・驚くべきことに『良くなった』企業の業種をみると「サービス業」(39.5%)が「製造業」
(34.2%)
よりも多くなっていた。
・障がい者雇用を始めてから職場では「感謝・気配り」「企業文化」「チームワーク」「モチ
ベーション」に好影響を与えているというあきらかな傾向がみられた。
・DI 値をみると、障がい者雇用を始めてから職場では「感謝・気配り」「企業文化」「チーム
ワーク」「モチベーション」に好影響を与えているというあきらかな傾向がみられた。
・また、障がい者雇用は組織親和性を高めることにも繋がっている。
・障がい者雇用を、重要な経営戦略と考えている。ダックス四国社長の且田氏曰く、「障がい
者雇用はいいことづくめ。健常者が嫌がる仕事や機械ではできない仕事を、熱心に一生懸命
してくれるから生産性に多大な貢献がある。社員は優しくなり助け合うのでチームワークが
抜群によくなる。マスコミが競って取り上げてくれるから広告宣伝費が浮く。さらには国が
3-5.四国・地域ビジネスセミナーin 高知(H23.03.31)
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助成金までくれる。」と。
・障がい者雇用の問題、すなわち働ける場をつくりだしていくことが出来るのは、企業経営の
世界に解があるとエフピコの事例を研究して確信。障がい者雇用問題を解決するのは、企業
経営の世界にある。
・多くの企業にとって障がい者雇用を重要な経営戦略としてとらえ直す必要性がある。アイエ
スエフネットでは今後 10 年間で 1000 人の障がい者を雇用すると宣言。「障がい者を迎い入
れた側の社員が、障がい者が入社してくれたことで、迎い入れた社員の側の気持ちが、それ
までと大きく変わった。障がいを持つ社員も健常な社員も、積極的に仕事を打ち込むように
なった。」
・就労できていない多くの障がい者は、障害年金などの社会保障、すなわち税金によって生活
を維持している。重度障がい者が 40 年間生活するのに必要な費用は、2 億円弱といわれてい
る。つまり、1 年間あたり 1 人の障がい者に 400 万円の税金が必要となっている。
・東京都の場合、最低賃金は現在 821 円。40 年間働くとするとおよそ 1000 万円の納税者にな
ると見込まれる。2 億円の歳出が 1000 万円の歳入に変わる。もしも 10 万人の障がい者雇用
が実現したら1年で 5250 億円の税収増となる。
・今の企業の雇用率を倍(34 万人 → 68 万人)にしたら 1 兆 7850 億円の財務改善がはかられる
ことになる。
・弱者雇用を社会政策ではなく、経済政策と位置づけ、必要な手が打たれてきた時、わが国は
真の経済大国への道を歩み始めるのではないか。これからの時代、強者研究よりも弱者研究
がより高い付加価値をうむ。なぜならばわが国に残された数少ない成長市場だからである。
・障がい者雇用を始めてから業績が良くなった企業は、①仕事の進め方の見直しや必要な設備
投資を行なっている割合が高い、②人材採用にこだわり社員の長所を生かす経営を重視して
いる、③社員との対話の機会を増やすことに余念がない、といった特徴がある。
・障がい者の雇用は、企業組織において気配りやチームワークがよくなり、モチベーションが
高められている。業種ではサービス業で成果が出る確率が高く、最近取り組み始めた企業が
少なくない。
・障がい者雇用は極めて経営戦略価値の高いテーマであり、障がい者雇用に成功することで人
本主義の理念経営に芯が通る。障がい者雇用は企業経営にも日本経済にも好影響が及ぶ価値
ある課題といえる。
●株式会社リソーシズ
常務取締役
沖川
学氏
・コカコーラに出入りする瓶を納める会社のサラリーマンであった親父が、平成 8 年に脱
サラで創業。当時、北京の大学生だったが、将来は環境系か福祉で起業したいと考えて
いたこともあり、軽い気持ちで大学をやめ、起業に参加した。家族 4 名、社員 5 名でス
タートし、現場も酷い環境であったが、ライバル社もなく、四国コカ・コーラグループ
のリサイクルや法律施行により行政からの受託もあり、社員も増え会社は確実に成長し
てきた。
・作業環境を整えて行き、高齢者の雇用はあったが、若い社員の入社には結びついていな
かった。そんな中、平成 15 年に、養護学校の先生から研修の依頼があった。中学高校と
6 年間「この会社で働けたらいいね」と言いながら通い続けていたことを聞いた親父は即
3-5.四国・地域ビジネスセミナーin 高知(H23.03.31)
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採用を決めていたが、私としては社会貢献として軽い気持ちで研修を引き受けた。
・1 週間研修、1 ヵ月研修の後、採用の依頼があったが、私は反対した。しかし、担当して
いた社員たちが、
「自分たちが面倒をみるので採用してほしい」と頼みに来た。地域貢献
のつもりでその時はしぶしぶOKを出した。
・彼は、驚くくらい、想像以上にみるみる成長しました。自分の職を守るため、自分の頑
張りが後輩の採用にも繋がるという気持ちで、本当に頑張ってくれた。
・次に 3 名の知的障がい者を雇用、学校では①挨拶をすること、②通勤すること、③先生
に言われたことを必ず守ることを徹底して教えていることを知った親父は感動し、これ
からも引き続き障がい者を雇用していくことを校長先生と勝手に約束。
・最初はボランティア、社会貢献のつもりと考えていた私自身恥ずかしくなるぐらい、彼
らは会社の戦力となっており、彼らが居ないと会社が成り立たなくなっている。
・雇用したことで変わったことは、我々の「こころ」であった。社会貢献のつもりが、次
第に仲間、家族という気持ちに変わってきた。障がい者の家族の気持ちを自分なりに分
かったつもりになっていた。
・そんな中、私に第二子が産まれた。3 日後、病院から呼び出され、
「成長ホルモンが出て
いない、障がい者になる可能性がある、身長も伸びないかもしれない」と告げられた。
その時に「何で俺や」という悔しい気持ちと、障がい者の保護者の気持ちが分かったつ
もりになっていた自分が本当に情けなかった。
・僕らが死んだらこの子はどうなるだろう、障がい者の保護者の方も同じ気持ちだろうと
その時初めて感じることができた。
・それ以降、障がい者との接し方に変化があった。心から感謝する気持ちと、これから俺
が絶対守るからな、という深い気持ちになれた。
・社員とは、働ける間は働く環境を、両親が居なくなっても当社に通える環境をつくるこ
とができたらと話している。
・他の会社と比べて作業環境は当社が一番厳しいが、当社が一番好きだと言ってくれる、
仲間が居るし、みんな優しいと。
・障がい者とは、清掃活動のほか、ファミリーマラソンや水泳大会に参加。スポーツ経験
のある親父は、毎日養護学校に通い、一番楽しんでいる。社員の満足よりもうちのおや
じの満足の方が高い。
・親父は、社員みんな家族だと言っている。一緒に起業して 6 年経って、ケンカもするが、
尊敬しており、大好きな親父である。こんな親父と仕事ができたということは私にとっ
ても社員にとっても幸せだと思う。私の使命としても、社員を家族のように大事にし、
雇用し続けたい。また、地域に必要とされる会社になりたいと思っている。
・心が豊かになる経営とは、心が豊かになること。会社経営をする上で、社員を信用する
こと、これに尽きると思う。どこにも負けない社員であり、彼らを勝ち組にしてあげた
い。
・親父はいつも感謝しろというが、地域住民の理解、銀行や取引先、関連業者などの協力
があってこそ、ここまで来れた。いちばん大事な言葉だと思う。
3-5.四国・地域ビジネスセミナーin 高知(H23.03.31)
-6-
●まるく株式会社
代表取締役
北野
賢三氏
・障がい者の就業状況は、震災と同じくらいだと考えてもらいたい。つまり、環境が整っ
ていないということ。眼鏡という道具が無ければ、視覚障害になってしまう。眼鏡が環
境、自分は変わっていない。震災もその人は何も変わっていないが、インフラが整わな
くなると何もできなくなる。
・現状は、ハンディキャップのある方の働く環境が当たり前のように整備されていない。
・当社では、パソコンができない方にはお掃除の仕事をしてもらっている。ほかに奇跡の
リンゴで有名な木村式農法で農業技術者としてハンディキャップの方に働いてもらう計
画が 4 月から始まる。
・主としてはテレワーク、当社の社員として在宅勤務してもらっている。
・テレワーク事業を始めたきっかけは、2 人目に入ってきてくれた身体と知的に障がいの
ある女の子からの相談であった。
「次第に体が不自由になっていく、働きたくても会社に
出てこれなくなったら辞めないといけない、働き続けたい」と。仕事がしたいと思って
くれるこの子が家で仕事ができたらいいとの発想から、在宅勤務のやり方を知り、労働
法規上のクリアを得て、その子が安心して働ける仕組みを作れるようになった。家から
出られない人、人が居ると力を発揮できない人など。現在、60 名中、在宅勤務者は 20
名ほど。
・もう一人は松山大学在学中に、車の事故で首から下が不自由になった寝たきりの女の子
が在宅勤務で働いてくれている。環境さえ整えば、その子の能力が活かされる。環境が
整うかどうかによって、その子の可能性が違ってくる。
・よく働けない人はどうするのかという指摘を受けることがある。病院で隔離されたとこ
ろで、特別支援学校で 1 日中リハビリを受けたり、療養生活を余儀なくされている人も
いる。
・いつもこう答えている。
「この子たちを支えているのは社会保障である。これは税金で賄
われている。であれば、働ける人を世の中に送り出し、社会の中で役に立ってもらう、
社会保障で支えている現実を納税という形で支えていかないといけない」と。
・当社では毎年、2、3 名は一般就労している。卒業生に送る言葉は一つ。働きたくても働
けない人が安心して生きて行くためにお前たちが活躍してほしい。仲間であった彼らも
卒業した瞬間同志になる。
・障がいがある人が働く施設も、一般の企業でも、障がいのある人が働いて対価を得るに
は、経済が活性化していないといけない。地域や企業が元気にならないと働くチャンス
が無い。地域の中に生きている住民一人一人が地域経済を盛り上げていこうという、根
本的なところで繋がり、いい循環がうまれてきたら、気がつけばそこにハンディキャッ
プの方もいるというのがいいのではないか。
・夢の実現にどのくらい近づいているんだろうとはかれる一つの指標が障がい者雇用だと
思う。障がい者雇用は、幸せを図る価値であり、心の中の幸せや充実感、満足度をはか
る指標だと思う。
3-5.四国・地域ビジネスセミナーin 高知(H23.03.31)
-7-
4.四国・地域ビジネスネットワーク
4.四国・地域ビジネスネットワーク
-1-
4-1.四国・地域ビジネスネットワーク事業計画
1.四国地域でのソーシャルビジネス(以下SBという)の方向
①ソーシャルビジネスがあまり浸透できていない。各県でのSBの理解が必要で、普及を図
りながら、同時に四国地域のネットワークをつくっていく。
②全国でも中間山間地域が多い四国では、地域特性を活かしたソーシャルビジネスの創出・
成長を促進する。
2.推進のための活動目標等
1)企業や行政によるSBの理解の促進
○企業向けセミナー等の開催など、普及活動(企業と CB/SB の連携、企業の SB 化)
四国・地域ビジネスセミナー <愛媛(11/25)、徳島(12/13)>
四国・地域ビジネス協働フォーラム <香川(12/7)> →地域意見交換会
○行政向けセミナー等の開催など、啓発活動(行政が CB との関わり方を理解する)
四国・地域ビジネスセミナー<徳島:鳴門(8/5)、美馬(2 月)>
行政職員のための協働推進セミナーin 愛媛(9/2)
2)SBの人材育成と起業家の創出
○内閣府インターンシップ、インキュベーション事業を活用した
SB事業者の掘り起こし等
○SB起業家育成セミナー等の開催
3)ソーシャルビジネス事例の収集分析・情報発信
○SB支援等関連情報、SB事業者による活動内容等の収集・ブログ等による情報発信
○先進事例調査を通じて、SB事業者、地域づくりのキーマン等とのネットワークを構築
4)四国四県での人的ネットワークの形成
○徳島×香川・愛媛・高知(各県リーダーによる四国 4 県の連携)
○各リーダーによる、県内のSB事業者、大学、経済団体等との人的ネットワークの構築
3.四国・地域ビジネス(CB/SB)ネットワーク(仮称)を設立
徳島ソーシャルビジネス支援委員会(4/22 設立、NPO・自治体・企業・経済団体および、
各県の中間支援NPOのリーダーが参画)を発展させ、
四国地域内で先進的な取り組みをしている事業者の参画とともに、各県でインターンシッ
プ事業(企業と学生との橋渡し)を展開している人材育成チームを地域のサポート機関とし
て機能させた、「新たなネットワークの構築」を模索。
1)目標とする姿
①あったかい人と企業が成長し、交流する四国
②海山の自然の恵を活かした知恵と工夫のビジネスを創出する四国
③支え合うコミュニティを活かした生きがいを感じる四国
2)主な特徴
①各県のチームリーダーがそれぞれの地域で統括する(情報や人との繋がり)
②SB/CB事業者を中心としたネットワークづくり
3)設立(2011年2月)
各チームリーダー、企業、自治体を巻き込んだ合同フォーラムを開催し、基本事業や現場
でのニーズに応えられる体制等について、フォーラムで意見交換し、四国全体で考える場を
つくる。
4)アクションプラン(イメージ)
①セミナー、インターンシップ等を活用したSB事業者の育成、掘り起こし
②SB支援等関連情報、SB事業者による活動内容等の収集・ブログ等による情報発信
③SB事業者によるネットワーク促進のための合同フォーラムの開催(年 1 回)
4-1.四国・地域ビジネスネットワーク事業計画
-1-
4-2.徳島SB支援委員会
徳島県内におけるコミュニティ・ビジネスの支援を行うことを目的に、徳島県内の大学、
商工団体、企業、金融機関等で構成する「徳島コミュニティビジネス支援委員会」を 4 月
に設立。
・平成 22 年 1 月 28 日(木) 徳島コミュニティビジネス支援委員会(仮称)設立懇談会
・平成 22 年 4 月 22 日(木) 徳島SB支援委員会 設立
徳島SB支援委員会( 四国・ 地域ビジネス( CB/ SB) ネットワーク( 仮称) )
1.SB事業者
特定非営利活動法人市民未来共社
特定非営利活動法人とくしま県民活動プラザ
特定非営利活動法人太陽と緑の会
特定非営利活動法人JCIテレワーカーズ・ネットワーク
マルワ環境株式会社
株式会社リレイション
E-planning
株式会社サーブ
2.行政
徳間県 地域経済課
徳島市 経済部商工労政課
3.大学
徳島大学 地域創生センター
徳島大学 大学院 長期インターンシップ委員会
4.商工団体等
徳島商工会議所 業務推進室
財団法人とくしま産業振興機構 経営支援部
徳島県中小企業団体中央会 組織支援課
社団法人徳島ニュービジネス協議会
徳島経済研究所
5.愛媛チーム
特定非営利活動法人えひめNPOセンター
特定非営利活動法人まちづくり支援えひめ
特定非営利活動法人Eyes
パエッセ合同会社
6.香川チーム
特定非営利活動法人どんぐりネットワーク
特定非営利活動法人土壁ネットワーク
PLANNING ROOM
7.高知チーム
特定非営利活動法人人と地域の研究所
特定非営利活動法人人と地域の研究所
8.四国若者起業支援ネットワーク
高知大学大学院
株式会社Yasasee
株式会社まこと
4-2.徳島SB支援委員会
代表理事
次長
事務局長
理事長
代表取締役
代表取締役
代表
事務局長
島 博司
吉崎 佳夫
小山 隆太郎
猪子 和幸
丸山 泰弘
祁答院 弘智
川崎 克寛
金森 直人
課長補佐
課長補佐
羽田 和弘
酒井 真次
センター長
委員長
吉田 敦也
山中 英生
室長
次長
係長
事務局長
主任研究員
小川 哲司
飯田 啓介
岡崎 博
勝瀬 稔
元木 秀章
理事長
理事長
代表理事
代表
菊池 修
前田 眞
横山 史
佐俣 一志
理事
理事長
代表
松下 芳樹
大西 泰弘
山本 雅美
所長
研究員
国光 ゆかり
宮脇 綾子
1年
代表取締役
代表取締役
井上 将太
内藤 佐和子
山岡 美和
-1-
5.四国における地域ビジネス(CB/SB)の現状調査
5-1.四国・地域ビジネス(CB/SB)先進事例
四国・地域ビジネス先進事例
プロジェクト
団体名
プロジェクトの概要
(株)まるく
愛媛県で初めて、障害者自立支援法に基づく障がい福祉サービス「就労継続支援A
型」の指定を受ける。一般就労が困難な障害者にテレワークを通じた就労機会を創
出。
愛媛県
企画・ど久礼もん企業組合、大正町市場、周辺商店街、
株式会社四万十ドラマ等
中土佐町久礼大正市場を拠点に、地元商店主ら有志により、大正町市場の運営支
援、鰹や地場産品等の地域資源を活用した地域ブランド商品の開発、店舗販売等を
行う企業組合を設立。地域住民と一体となった商品開発、店舗運営、人材育成等を展
開。
高知県
商店街が運営する高知県の総合アンテナショップ ㈱まこと、高知県、高知市、商店街、商工会議所等
商店街の若者が商店街活性化と地産地消(地域との連携)の推進を目指して設置。
消費者と生産者、人とモノをつなぐ地域密着型の観光交流拠点としてのアンテナショッ
プ。
高知県
高齢者に働く場と生きがいを提供する高齢者専用
スバル(株)、地元製紙会社、愛媛パルプ協同組合
事業所
高齢者に仕事を通じての社会参加を与えることで、本当の意味で働く場と生きがいを
与えることを目的に、地元製紙会社6社が共同出資し、愛媛県下で唯一の高齢者専用
事業所として設立。社員における65歳以上の高齢者の割合は65%超。
愛媛県
障害者の自立(雇用等)を複合事業群で推進
NPO法人ワークスみらい高知、障害者施設
障害者の自立支援のため、障害者ができる仕事として、ケーキカフェ・レストラン、定食
屋、うどん屋を経営し、最低賃金を確保するほか、高知産の素材、食材を活用した新
たな店舗展開など地域社会との連携も推進。
高知県
製造業における障害者雇用
(株)ダックス四国、障害者施設
上場企業である、㈱エフピコの特例子会社として設立。障がい者雇用率7割超。障害
者が健常者と同等以上の力が発揮できるよう設備機器を整備し、健常者と変わりなく
2交代で透明フタを製造。健常者にも勝る高い生産性を実現。
高知県
(株)大宮産業、地域住民
地域唯一の日用品店舗廃止に危機感を抱いた住民ら108名が株主となり
事業を継続運営。物品販売のほか、高齢者への宅配やイベント企画、減
農薬米のブランド化まで実施。2010年度総務大臣賞受賞。
高知県
農家と行政の協働によるアグリビジネスによる農
業活性化と都市との交流支援
(株)内子フレッシュパークからり、内子町、地元農家等
内子町と町内農家などを株主として設立。農業の総合産業化、グリーンツーリズムな
ど都市と農村の交流、農業の情報化、農業情報の利活用によるブランド化。農業に自
信と誇りを取り戻し、女性や高齢者の新たな生きがいにつながっている。
愛媛県
地域と関わる実践型インターンシップ
NPO法人Eyes、愛媛県、松山市、宇和島市、愛媛大学、 大学、行政と協働し、県内企業のほか、ソーシャルビジネスにおいて、社会の現場で
松山大学、県内企業・NPO法人
働く経験をすることで、自分を成長させる長期のインターンシッププログラムを展開。
愛媛県
住民による住民のための会社で島おこしをビジネ
ス手法で推進
海産物、農産物を地元で仕入れて販売、空き家を修復し島内外の交流や情報発信拠
㈱しまの会社、上島町の婦人団体、弓削漁協、島の農家
点として町屋カフェを運営。島の住民とともに、しまブランド商品、観光資源の開発を
など
行っている。
愛媛県
新たな観光おこしでしまなみの離島を活性化
特定非営利活動法人シクロツーリズムしまなみ、しまな
み街道沿いのNPO等、JTB他地元旅行会社等
旅行会社等との協働により、自転車ツアーの観光ネットワークを構築。地域住民とも連
携し、観光資源の掘り起こしや商品開発などにより離島の地域活性化を目指してい
る。
愛媛県
世界で最もピュアなタオルづくり
(株)池内タオル
自社電力をすべて風力発電でまかなう日本初の企業として、「最大限の安全と最小
限の環境負荷」を開発方針とし、綿糸・紡績までオーガニック100%にだわり、かつ100%
グリーン電力で製作される世界的なブランド「風で織るタオル」を開発・販売。
愛媛県
地域に密着した企業とNPOとの協働活動
NPO法人子育てネットワークえひめと協働で、新居浜イオンショッピングセンター内に
新居浜イオン、NPO法人守ってあげ隊、NPO法人子育て
親子ひろば「すくすく子育てステーション」を運営するほか、地域住民で組織された
ネットワークえひめ等
NPO法人守ってあげ隊と連携した防犯活動により、万引補導件数が減少。
在宅勤務プロジェクト
~障がい者から始まり、社会に広がる~
鰹まるごと商品開発プロジェクト
集落地住民のための、住民による会社
地域企業、行政との連携による子育て支援のネッ 高松市、特定非営利活動法人わははネット、タクシー会
トワーク化
社等。
地域住民との協働により持続可能な仕組みで社
会貢献を実現
地元タクシー会社と協働し、「全国子育てタクシー協会」を設立。700名近い子育てタク
シードライバーも養成。このほか地元企業と協力した子育て応援マンションの企画など
企業との協働事業も数多く展開。
愛媛県
香川県
農業に熟練した高齢者や地域住民と若手社員が協働で投機農地の再開
株式会社ヌーベルジャポン・エスペランサ、地元農家、地
発と農業生産を展開。農レストランのほか、産直市場「里ちゃん市場」など
域住民
香川県
を運営。
住民株式会社が行う「四万十川に負荷をかけない
(株)四万十ドラマ、地域住民、生産者
ものづくり」
高齢化や後継者不足の地域において「四万十川に負担をかけないモノづくり」をコンセ
プトに、道の駅「四万十とおわ」の運営のほか、地域資源を活用したオリジナル商品の
開発や物品販売、観光交流事業の展開。
高知県
ITC活用で障害者の雇用と仕事おこしを実現
NPO法人JCIテレワーカーズネットワーク、マイクロソフト㈱(19年
旧鳴門市公民館に拠点施設。印刷工房、WEBサイトの開発・運用・管理、地域パソコ
度でソフト提供終了)、徳島教育印刷㈱、㈱トクジム、㈱
ン講座等の講習会、アッププログラム、メール便ポスティングなどを業務とし、障害者
サンマック、㈱フジゲン、NPO法人ウェブアクセシビリティ
のワーキングシステムを作り出している。
推進協会、(財)とくしまノーマライゼーション
徳島県
障害者の自立と社会貢献を進めるNPOの活動
特定非営利活動法人太陽と緑の会、流工業所、関係する 障害者の雇用、障害者団体への助成金活動、不要品のリサイクル(販売、修理等)、
障害者の団体等
開拓した農園の維持など
徳島県
地域社会と若者をつなぎ、「競争」から「共創」へ
NPO法人グリーンバレーと協働し、地域社会と若者達をつなぎ、移住促進事業、棚田
(株)リレイション、NPO法人グリーンバレー、都内・県内大
再生事業、古民家再生事業など地域活動をサポート。企業のCSR活動プログラムの
学生、地域住民
企画・運営のほか、四国内の地域リーダーと連携した地域づくりも展開。
徳島県
地域密着型で展開を始めた地元スーパーの社会
貢献活動
㈱三和で周辺小中学校で農業の講演・体験学習を実施。地域の高齢者への配食、1
㈱三和が経営「スーパー食彩市場」を中心に周辺の小中
人暮らし高齢者の安否確認、障害者の雇用と障害者が地域清掃、3日間の祭りは周
学校、地域住民と連携
辺住民と一緒に実施など。
徳島県
障害者の雇用で活かされる企業活動と地域貢献
マルワ環境㈱、(社福)愛育会・障害者就業生活支援セン マルワ環境㈱では、障害者雇用によって、社内の就業者の働く喜びや誇りを持ってい
ター、特別支援学校、就労移行支援事業所、徳島県東部 る。障害者雇用を進めている事業所を始め、小中学校の見学も多く、地域との関係も
障害者就労支援ネットワーク、地域の中小企業
深まっている。
徳島県
上勝町、徳島大学と協働し、(株)いろどりが展開するビジネスモデルを題材に中山間
ビジネス創出のための人材育成事業のほか、交流拠点のハブ施設、レジデント型研
究の支援施設として体制を構築。
徳島県
上勝ゼロ・ウェイストアカデミー
日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言を行った上勝町と協働で、ゴミステーションの運営、
上勝町、特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミー、
環境対策への取り組みのほか、構造改革特区で高齢者による高齢者のための有償
地域住民
ボランティア輸送事業を展開。
徳島県
緑のそよ風プロジェクト香川
さぬきビジネスファーム、障害者施設、ゆめタウンなど地
域企業、香川県、高松市等
コミュニティビジネス団体「さぬきビジネスファーム」が行う障害者就労支援と営利事業
を両立させた地域活性化事業。地域企業と障害者施設がコラボレーションし、高付加
価値商品の開発・販売を行う新しいビジネスモデルの展開。
香川県
いなかインターシップ
NPO法人人と地域の研究所、高知県、地域企業、地域
住民
田舎と若者をインターンシップという手法を用いて双方の長所を最大限に引き出し、若
者と地域がともに成長し、田舎に若者が暮らし、田舎で仕事が生まれ、地域に元気が
再生することを目指している。
高知県
35年以上続くPTAと協働した「親子水泳教室」のほか、キャンプ、マラソン
など地域の交流事業、行政とも協働した食育事業を実施。
高知県
ICTシステムを活用した葉っぱビジネス「いろどり」 (株)いろどり、上勝町、徳島大学、地域住民
地域密着型経営を具体化するスーパーマーケット 株式会社サニーマート、学校、PTA、町内会、地域住民
5-1.四国・地域ビジネス(CB/SB)先進事例
-1-
5-2.地域ビジネス・現地見学会 in 高知
四国地域で「地域に根ざし、愛される経営」を実践している企業等を訪問し、これ
までの取組内容について、現地見学会を行いました。
(スケジュール)
09:30
ネッツトヨタ南国㈱
集合
(高知本店:高知市南川添 4-28)
取締役相談役
横田英毅氏
講演会
12:30
ネッツトヨタ南国㈱
12:45
NPO 法人ワークスみらい高知 到着
高知市内の各店舗
/
現地見学
出発
見学
・STRAWBERRY FIELDS(高知市神田 1130-6)
・さくらさく。(高知市大原町 109)
・土佐茶カフェ(高知市帯屋町 2 丁目 1-31)
藁工倉庫
見学
・藁工ミュージアム(高知県高知市南金田 2 丁目)
15:00
藁工倉庫
解散
地域ビジネス・現地見学会 in 高知 参加者一覧
氏名
所属
1
沖川 学 (株)リソーシズ
2
辻 佳宏 (株)万成社
3 松原 静司 (株)毘沙門天商事
4 大橋 健司
5 佐々木ゆかり
6
泉 善法 なかまの里
7 川崎 克寛 E-Planning
8 森 沙也加 愛媛大学法文学部
9 杉本 太一 社会福祉法人紅梅会
10 米田 順也 NPO法人家族支援フォーラム夢ポケット
11 樋田 なおみ NPO法人SORA
12 伊達 由美子 NPO法人ぶうしすてむ
13 河野 聡子 まるく株式会社
14
金森 敏 まるく株式会社
15 岡部 斗夢 株式会社ユニフォーク
16 笠井 香菜 NPO法人アクア・チッタ
17 坂東 信幸 NPO法人アクア・チッタ
18 大崎 聖文 NPO法人市民未来共社
19 中村 雅和 フリーライター・編集者
20
小森 繁 四国経済産業局
21 山田 昌和 四国経済産業局 企画課
22 濱田 康次 四国経済産業局 企画課
23 實好 敦士 四国経済産業局 企画課
24 井上 貴清 四国経済産業局 企画課
5-2.地域ビジネス・現地見学会 in 高知(H23.03.10)
役職
常務取締役
専務取締役
取締役
管理者
代表
学生
統括施設長
理事長
施設長
副理事長
サービス管理責任者
事業開発プロジェクトリーダー
代表取締役
総務企画部長
課長補佐
総括係長
計画係長
係員
-1-
【ネッツトヨタ南国㈱】
・CS の高い自動車販売会社を目指す一方で、社員満足度(ES)の高い会社も作りたいと 1980
年に創業。
・社員満足度を高めれば、顧客満足度は自然と高まる。仕事に満足を感じる瞬間は自分の
人間性が尊重された時である。給料が高く、残業が少なくて休みが多いことは働く満足
ではなく、仕事が嫌いな人の満足。
・売上や利益を出すのはあくまでも目標であり、車のある豊かな社会を作るという目的の
ための糧である。顧客からの信頼が高まり、感謝されることで従業員は満足感を得る。
・
“CS よりも ES を大事にする”という理念は、周囲やメーカーからも理解されなかった。
・発足から 10 年を過ぎた頃から正の循環が加速し、来場者数が前年を下回ることなく現在
も増加し続けている。
・変えられるものは自分と明日。変えられないものは他人と過去。自分と未来をこれから
どうしていくのかを考え、行動を起こさないとやりがいは生まれてこない。
・車だけを修理するのではなく、顧客の心から心配を取り除いてあげることに重点を置く。
・
“教えない教育”が、“人材”を“人財”へと変えていく。自ら考え、自ら判断し、自ら
実践することで、自発的な従業員へと成長していく。そのために徹底的に議論する。
・従業員 1 人 1 人が“人財”となり、チームワークや自主性が発揮されることで組織はよ
り発展していく。
・よい経営とは管理することではなく、改善し続けること。従業員も自らを成長させ、仕
事を継続的に進化させていくことで会社を経営しているとも言える。
・人財の採用に時間をかける。重視するのは、能力の高さではなく、当社の理念に合うか
どうか。それを見極めるため、最低でも 30 時間、長い時には 200 時間の面談を行う。お
見合いのようなやり取りを経て、心の底から共通した価値観を持つことができる人を採
用する。
5-2.地域ビジネス・現地見学会 in 高知(H23.03.10)
-2-
【NPO 法人ワークスみらい高知】
・ソーシャルワーカーとして 15 年間勤務したが、障がい者の自立支援環境に疑問を抱き、
2003 年に創業。自ら事業者として、弁当やケーキなどの製造・販売を通して、障がい者
の就労機会、自立支援を実施。
・現在、6 店舗の経営ほか、グループホームや作業所を運営し、グループ全体で4億円超。
・同グループでは、約 100 人の障がい者が就労し、毎年 10 人以上が一般企業へ就労。
・将来的に自分たちのような事業所はなくなる社会が望ましい。
・昨年 12 月には、高知県と地産地消カフェとして 6 店舗目となる「土佐茶カフェ」を商店
街の古民家を改装してオープン。
・今後、新たな取組みとして、高知市郊外の倉庫を藁工ミュージアムとして、美術館や飲
食店等として再生し、地域の再生や経済の活性化をも視野に入れた、障がい者と共生で
きる観光集客施設(空間づくり)を目指している。
5-2.地域ビジネス・現地見学会 in 高知(H23.03.10)
-3-
6.情報収集・発信(ブログ等の活用)
四国・地域ビジネスネットワークでは、四国地域内における地域ビジネス(コミュニテ
ィビジネスやソーシャルビジネス)の先進事例を調査するとともに、ブログ等を活用し広
く地域ビジネス情報、セミナー情報、企業情報等の発信を行い、地域ビジネスの普及啓発
に努めてきました。
① 地域ビジネス(CB/SB)の先進事例の紹介
② 四国・地域ビジネスセミナー等イベントの開催案内
③ 四国地域における「日本でいちばん大切にしたい会社」の事例紹介
※法政大学坂本光司教授著書「日本でいちばん大切にしたい会社」で紹介されている企
業とは、経営の目的を以下の 5 つに定め、ES(社員満足)を最も大切にした活動を
長く行ってきており、その結果、
「地域に愛され、必要とされる」企業として、営業利
益も向上しつづけている企業のことである。
1
社員とその家族を幸せにする
2
外注先・下請企業の社員を幸せにする
3
顧客を幸せにする
4
地域社会を幸せに、活性化させる
5
株主を幸せにする
四国地域では、これらESを重視した企業経営のほか、弱者にやさしい企業経営を
行っている企業を、
「地域に愛され、必要とされる」企業の先進事例として紹介してい
ます。
6.情報収集・発信(ブログ等の活用)
-1-
7.おわりに
今年度は、四国・地域ビジネスネットワークとして、
「行政」
「企業」
「NPO等」との連
携や地域や相互の関わり方に主眼をおきつつ、普及啓発活動やネットワークづくりなど、
四国地域におけるコミュニティビジネス支援のための取り組みを行ってまいりました。
この中で、四国地域では、地域で抱える課題について、
「コミュニティ」に軸足を置きな
がら、ビジネスとして持続性を持たせる活動である、
“コミュニティビジネス”や“ソーシ
ャルビジネス”を「地域ビジネス」として推進してきました。
本事業で開催した、
「行政の関わり方」、
「企業経営の地域との関わり方」に関するセミナ
ーやフォーラムでは、それぞれ自治体、経済界、NPO、住民など様々なセクションの方
に多数ご参加いただくことを通じて、NPO等だけでなく、行政や企業の多くの理解と協
力を得るきっかけとなりました。
また、セミナー等の開催をきっかけに、地域の経済界や企業が中心となり「地域に根ざ
し、愛される経営」を四国地域内で実践していくためのサポートチームが構築されつつあ
ります。
今後も、引き続き「行政」や「経済界」等の理解と協力を得ながら、四国地域では、次
のような姿を目指し、事業を行っていきます。
・多くのまちが、コミュニティ主体のまちづくり活動の成功体験を、小さくても積み重
ねている。
〔一村一顔〕
・行政など各セクターが、自分の役割、CB との関わり方を理解する。
・普通の人が、コミュニティ主体のまちづくり活動に関わろうと思う。
・関わろうと思った人が、関わりやすい状況にある。
・関わった活動が続く、成長していく。
~関わって良かったと感じ、周囲に話したくなる。
もとより、コミュニティビジネスやソーシャルビジネスのような「地域ビジネス」は行
政が主導してできるものではありません。みなさまと一緒になって活動していきたいと考
えていますので、よろしくお願いします。
7.おわりに
-1-
Fly UP