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第20号 - 消費者庁

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第20号 - 消費者庁
消費者庁
第20号
消費者庁情報誌:http://www.caa.go.jp/info/infosend/index.html
創設5周年記念号
「子どもを事故から守る!プロジェクト」シンボルキャラクター
巻頭言: 消費者庁創設5周年 板東長官挨拶……………………………………
1
速報: 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律 成立………
2
特集 1: 消費者庁創設5周年に寄せて~歴代長官からのご挨拶/
消費者行政レビュー中間とりまとめ……………………………………
3
特集 2: 3年目を迎える消費者安全調査委員会…………………………………
9
ズームイン!: 平成26年度消費者行政ブロック会議……………………………………
11
消センだより: 愛知県名古屋市消費生活センター………………………………………
13
相談員さんの は・て・な?: 次期 PIO-NET について…………………………………………………
16
行政処分 Summary: 平成 26 年8月21日~平成 26 年11月7日………………………
17
ニュースリリースのツボ!その1: 特定商取引法に基づく危険ドラッグ販売サイトの集中的な取締り…
20
その2: 子どもの事故に関する消費者への注意喚起について…………………
21
アラカルト: 車座ふるさとトーク in 静岡/「家族みんなで防ごう!高齢者詐欺!」
未然奉行出陣式 /北海道石狩郡当別町「特殊詐欺ストップ作戦」/
地方公共団体主催のイベントに消費者庁が初出展/ゆるキャラグラ
ンプリ 2014 にエントリー/「料理レシピサイト」に食品ロス削減
レシピ掲載/「インターネット消費者トラブル防止キャンペーン」
23
消費者庁の SAMURAI たち: 岡田智佳(特定社会保険労務士)…………………………………………
27
みんなの掲示板: 長野県消費者被害防止対策推進会議/消費者行政キャラクター紹介
28
物申す! From 記者クラブ: 「これから伸びる組織だよ」……………………………………………
29
編集後記: ………………………………………………………………………………
30
巻頭言
「身近」で「頼りになる」消費者庁を目指して
今号の特集テーマにありますように、消費者庁は、9 月に 5 周年
を迎えました。改めて消費者庁に託された使命と、関係する皆様の
強い願いに、思いをいたさずにはいられません。
消費者庁は、「消費者を主役とする政府の舵取り役」として、消
費者行政を一元化するとともに、我が国行政を国民本位へと転換す
る拠点となるとの理念の下、創設されました。
この 5 年間で、長年にわたって懸案とされてきた各種法律を制定
するとともに、地方の消費者行政の強化、各省・関係機関との連携
強化など、着実に歩みを進めてきました。
消費者庁長官
板東 久美子
例えば、法律面では、相談体制の充実や高齢者等の被害防止の
ための「地域の見守りネットワーク」の構築等を内容とする消費
者安全法改正や、新たな集団的被害回復制度を導入する消費者裁
判手続特例法の制定、食品表示を一元化する食品表示法の制定等
が行われました。また、メニュー偽装問題を契機とし、本年の通常国会、臨時国会と 2 度にわたる景
品表示法の改正が行われ、行政の執行体制や企業の管理体制の充実、課徴金制度の導入がなされまし
た。
これらの法整備により骨格はできつつありますが、これからさらに筋肉をつけ、鍛えてよく動く体
を作っていかなくてはいけない重要な時期になっているのではないかと思っています。社会の急激な
変化を見据えながら、消費者問題に関する情報の収集、分析、提供や法執行を強化し、一人一人の消
費者にとって「身近」で「頼りになる」、そして「見える」消費者庁となることを目指していきたい
と思います。そのためには、消費者行政、消費者問題の解決の最前線で活躍されている地方の消費者
行政担当者、消費生活相談員、消費者団体の皆様をはじめ、多くのプレイヤーとの連携協働が欠かせ
ません。消費者行政の発展に今までご尽力いただいております皆様と一層のパートナーシップを結ば
せていただくことを、この場をお借りしてお願い申し上げます。
消費者庁 Now!
1
速報
速報 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正
する法律 11 月 19 日成立
不当景品類及び不当表示防止法(いわゆる景品表示法)に課徴金制度を導入する「不当景品類及
び不当表示防止法の一部を改正する法律」が 11 月 19 日の国会で可決・成立しました(衆議院及
び参議院において全会一致で可決)。
消費者庁では、今年6月の消費者委員会の答申を踏まえて法律案を検討し、消費者団体、
事業者や事業者団体を含む関係各所と意見交換会を行ったほか、パブリックコメントを実
施して国民の皆様から広くご意見を伺い、本法律に反映しました。
本法律の概要
1.目的
不当表示を行った事業者に課徴金という経済的不利益を賦課することで、不当表示の抑
止力を高め不当表示を防止するとともに、所定の手続に沿って自主返金を行った事業者
に対する課徴金額の減額等の措置を講ずることで、一般消費者の被害の回復を促進する
ことを目的とするものです。
2.課徴金納付命令
(1)
:優良誤認表示、有利誤認表示が対象になります。なお、課徴金納付
命令との関係においても、不実証広告規制※を導入しています。
※課徴金制度における不実証広告規制:効果や性能に関する表示の優良誤認表示
該当性を判断するため必要があるときは、当該表示を行った事業者に対し、期間
を定めて当該表示につき合理的な根拠を示す資料の提出を求め、当該資料が提出
されないときは優良誤認表示と推定する。
(2)
:課徴金対象期間における不当表示の対象商品・サービスの売上額の
3%相当額です。
(3)
:3 年間を上限としています。
(4)主 観 的 要 素:表示を行う際に伝票等を確認するなど、通常の商慣行に則った注意
を行っている等により違反行為者が相当の注意を怠った者でないと
認められるときは、課徴金の納付を命ずることができません。
(5)規 模 基 準:課徴金額 150 万円未満(売上額 5000 万円未満)の場合には、
課徴金の納付を命ずることができません。
3.自主申告による課徴金額の減額
違反行為を自主申告した事業者に対しては、課徴金額の2 分の1を減額することとしています。
4.自主返金の実施による課徴金額の減額等
不当表示による一般消費者の被害回復を促進する観点から、所定の手続に沿って対象消
費者に自主返金を行った場合に、返金相当額を課徴金額から減額する、あるいは返金相
当額が課徴金額を上回るときは課徴金の納付を命じないこととしています。
5.賦課手続
違反事業者に対する手続保障として、弁明の機会を付与することとしています。
本法律の概要については HP をご参照下さい。http://www.caa.go.jp/representation/index7.html
消費者庁 Now!
2
特集1
消費者庁創設5周年に寄せて~歴代長官からのご挨拶
/消費者行政レビュー中間とりまとめ
写真:本人提供
平成 21 年 9 月 1 日の発足より5年が経過した消費者庁。消費者庁では、創設時の理念に立ち返り、
組織の整備・運用に係る課題を洗い出すための総点検を実施したところです。この節目に、歴代の長官を
経験された方々からこれからの消費者庁に期待することなど、ご寄稿を賜りました。
「新たな行政の仕組み作りからスタート」
一般財団法人 建設業振興基金 理事長
内田俊一
任期:平成 21 年9月1日~平成 22 年 8 月 11 日
5 年 前 に 大 き な 期 待 を 背 負 っ て 誕 生 し た 消 費 者 庁 。今 す ぐ や
って欲しい、あれも・これもやって欲しい。そんな声に背中を
押 さ れ て 、200 人 の 職 員 が い き な り 全 力 で 駆 け 出 す こ と を 求 め
られたスタートだったと思います。
一 方 で 、各 地 の 消 費 生 活 セ ン タ ー や 第 一 線 で 身 体 を 張 っ て 奮
戦 し て い る 相 談 員 を サ ポ ー ト す る 国 の 仕 組 み が な い 。各 省 の 消
費者行政は、それぞれ生い立ちも目的も異なり、連携もない。
次々に現れる新手の消費者問題には一つ一つ手作りでの対応
が 必要 。何 よりも消 費者庁の 人員体制 が圧倒的 に不十分 。そ ん
な中でのスタートでもありました。この国に消費者行政という
新 し い 行 政 の 仕 組 み を 一 か ら 作 る 覚 悟 が い る 、基 礎 作 り に 少 な く と も 三 年 は か か る 。当
時、長官としてそう考えました。
五年たって、ずいぶんしっかりとした体制が組み上がってきたように思えます。福嶋さん、阿南さん
というお二人の長官、職員の皆さん、そして、各地のセンターを始め関係者の方達に心から敬意を表し
ます。
消 費 者 庁 設 立 の 基 本 設 計 図 と な っ た「 消 費 者 行 政 推 進 基 本 計 画 」は 、消 費 者 庁 を「 行
政 の『 パ ラ ダ イ ム( 価 値 規 範 )転 換 』の 拠 点 で あ り 、真 の 意 味 で の『 行 政 の 改 革 』の た
め の 拠 点 」 だ と し て い ま す 。「 消 費 者 行 政 の 舵 取 り 」 と い う 枠 を 超 え て 、 政 府 の こ れ ま
での施策や行政のありかたを生活者が主役となる国民本位の行政に大きく転換させて
い く 先 導 役 、こ れ が 消 費 者 庁 の 真 の 役 割 だ と い う の で す 。消 費 者 庁 が 目 指 す 頂 へ の 途 は
ま だ ま だ 遠 く 、高 く 、険 し い も の に な り そ う で す 。板 東 新 長 官 の も と 、消 費 者 庁 の 皆 さ
んのご奮闘に大きく期待し、また心からの声援を送りたいと思います。
消費者庁 Now!
3
特集1
「生活者起点の社会へ向けて」
中央学院大学
社会システム研究所教授
福嶋浩彦
任期:平成 22 年 8 月 11 日~平成 24年 8 月 10日
消費者庁は生活者の立場から他省庁に物を言い、動かさね
ば な ら な い 。し か し 、他 省 庁 は 巨 大 で 、組 織 力 、調 査 力 、情 報
力 、ど れ も 消 費 者 庁 よ り 優 っ て い る 。消 費 者 庁 が 他 省 庁 と 対 等 、
あ る い は そ れ 以 上 に や っ て い く 唯 一 の 方 法 は 、消 費 者 問 題 の 現
場と結びつくことだ。
しかし、現場を担当する各自治体の消費生活センターと日
常 的 に つ な が っ て い る の は 、消 費 者 庁 で な く (独 )国 民 生 活 セ ン
タ ー だ 。私 が 長 官 の 時 に は 、国 民 生 活 セ ン タ ー を 国 の 機 関 に 移
行 し 、連 携 を 抜 本 的 に 強 化 し よ う と し た 。国 へ の 移 行 が な い と
すれば、なおさら国民生活センター、消費生活センターや自治
体との連携を大切にして取り組んで欲しい。
また、国民生活センターが国の機関になると、自由な立場で国の政策を批判する機
能 が 弱 ま る と い う 意 見 が あ っ た 。し か し こ の 機 能 を 担 う の は 、ま さ に 消 費 者 団 体 の 役 割
で は な い の か 。私 が「 消 費 者 運 動 」を や っ て い た 時 代 か ら 比 べ る と 、消 費 者 団 体 の 力 が
弱 ま っ て い る 。経 団 連 や 連 合 と 並 ぶ 消 費 者 の ナ シ ョ ナ ル セ ン タ ー を 創 る く ら い の 迫 力 を
持 っ た 活 動 が 求 め ら れ る 。も ち ろ ん こ れ は 消 費 者 庁 で は な く 、消 費 者 、つ ま り 国 民 自 身
の課題である。
本 当 に 安 全・安 心 な 社 会 は 、消 費 者 自 ら が 積 極 的 に 情 報 を 集 め 、自 分 の 頭 で 考 え て 、
自 分 で 判 断 す る よ う に な ら な い と 実 現 し な い 。消 費 者 教 育 推 進 法 の 役 割 も 大 き い 。た だ
し自治体は、法に基づき単純に計画や組織を作れば良いのだろうか。
食 育 基 本 法 は 「 食 育 」 を 、 環 境 教 育 等 促 進 法 は 「 環 境 教 育 」 を 求 め て い る 。「 人 権 教
育 」や「 民 主 主 義 教 育 」の 必 要 性 も 強 く 感 じ る 。自 治 体 は 地 域 の 中 へ 国 の 縦 割 り を 持 ち
こ ま ず 、こ れ ら を 総 合 的 に シ テ ィ ズ ン シ ッ プ( 市 民 性 )教 育 と し て 進 め る こ と が 大 切 だ 。
しかも、できる限り民間が中心になって進めてこそ本物になるだろう。
消費者庁 Now!
4
特集1
「ともに歩む喜び!」
た。
一般社団法人 消費者市民社会をつくる会理事長
日本生活協同組合連合会・消費者活動アドバイザー
阿南
久
任期:平成 24年 8 月 10日~平成 26年 8 月9日
引 き 継 ぎ 式 で『 姉 御 宣 言 ! 』し た 2012 年 8 月 10 日 か ら 2
年間、三代目の長官を務めました。
メ ニ ュ ー 表 示 偽 装 等 、社 会 的 大 問 題 が 次 々 と 起 こ る 中 、消 費
者庁職員の団結と、
“ 消 費 者 族 ”国 会 議 員 、地 方 公 共 団 体 、消 費
者 団 体 等 の 幅 広 い 理 解 と 応 援 を 得 て 、「 消 費 者 教 育 推 進 法 」 や 、
創 設 時 の 懸 案 だ っ た「 食 品 表 示 法 」や「 消 費 者 裁 判 手 続 特 例 法 」
の 制 定 、さ ら に「 景 品 表 示 法 」や「 消 費 者 安 全 法 」等 の 改 正 を 実
現できました。
私の長官としての使命は、職員の“消費者目線”の涵養と、
地方自治体や消費者団体等と消費者庁のあまり良くなかった
関係を修復することでした。
役人経験のなかった私にとっては戸惑うことの多い毎日でしたが、
「消費者目線研修」
の 実 施 や 、「 チ ー ム 阿 南 」 や 「 姉 御 の 会 」、「 ア ブ ナ イ カ モ 推 進 チ ー ム 」 な ど の 各 課 横 断
的 な“ 横 串 ネ ッ ト ワ ー ク ”づ く り 、そ し て 地 方 の 首 長 や 消 費 者 行 政 担 当 者 、相 談 員 、消
費 者 団 体 、事 業 者 団 体 と の“ 交 流 ”の 蓄 積 に よ っ て 、何 と か 使 命 を 果 た し 、同 時 に 、
“と
もに歩む喜び!”を共有してもらえたのではないかと思っています。
特 に 、創 設 5 年 目 に 入 る 時 、議 論 し て 策 定 し た「 消 費 者 庁 の 使 命 と 職 員 の 行 動 指 針 」
は 、消 費 者 庁 職 員 の 自 覚 と 団 結 、自 発 的 な 提 案 や 取 り 組 み を 促 し 、さ ら に 消 費 者 庁 に 対
する国民の認知度を高めたと思います。
この 5 年間の消費者庁の奮闘と多くの制度整備・充実によって、明らかに我が国は
新しい消費者市民社会に向けて大転換を始めています。
ただし、制度はつくっただけでは機能しません。今後は、これらの制度や具体的な
取 り 組 み を わ か り や す く 国 民 に 伝 え る と と も に 、地 方 公 共 団 体 や 消 費 者 団 等 と の“ と も
に 歩 む ! ” た め の 信 頼 関 係 を 築 い て 行 く こ と が 重 要 で す 。 私 も 、「 ア ブ ナ イ カ モ 」 を 歌
い、踊り、皆さんとともに歩み続けます。
消費者庁 Now!
5
特集1
「消費者行政レビュー中間とりまとめ」
http://www.caa.go.jp/info/keikaku/index.html
(平成 26 年 8 月 15 日)
消費者庁は、創設 5 年目を迎え、創設時の理念に立ち返り、真の消費者目線に立った行政機能の強化を図
るとともに、組織や業務全般について課題を洗い出すための総点検を行い、平成 26 年 8 月 15 日に公表し
ました。
<総括> ~消費者庁の「創業期」は続く~
消費者庁が設置されて、5 年が経とうとしている。この5年間は、一言で言えば、消費者庁とい
う組織の「創業期」に当たる。この間、長年にわたって懸案とされてきた各種法律を相次いで制定
するとともに、地方行政体制の強化など、消費者行政において必要不可欠な基盤づくりに精力的に
取り組んできた。その結果、消費者行政を推進する体制については一応の水準に到達することはで
きたものと考えているが、いまだ課題は多く残されている。例えば、多重債務問題については、平
成 18 年の貸金業法成立と、その完全施行に伴い、相談窓口の整備・強化等ともあいまって多重債
務者が減少するなど、相応の効果をもたらしているところであるが、これ以外にも制度及び体制を
整備することにより解決が求められている消費者問題は数多く残されており、しかも残された課
題はこれまで以上に努力を必要とするものが大半を占めている。
一般には、
「創業期」の後は「守成期」とされるが、消費者庁の場合は、受身的に「現状を守る」
のでなく、まだまだ「創業期」は続いていると考える方が適切である。これからも、消費者のため
に「積極的に攻めていく姿勢」を堅持することが求められている。そこで、今般、消費者庁創設時
の基本理念に立ち返り、この5年間の活動を対象に全面的なレビューを行った。この中で消費者庁
という組織や業務全般について課題を洗い出し、それらの課題に対応した改革の方向性を明らかに
した。その大きな柱は、次に掲げる3点である。
1.消費者にとって「身近で頼りになる存在」になる
消費者庁の基本理念は明確である。
「消費者が主役となる社会」を目指し、全ての分野において消費者
の立場に立って業務を遂行することである。したがって、消費者庁にとっての「現場」は、個々の消費
者がモノやサービスを購入する日常生活である。このため、いくら法律や制度を作り相談窓口を整備し
ても、個々の消費者に必要な情報が届かず、実際の消費生活に活用されなければ意味はない。消費者庁
は、消費者が「身近な存在」として認識し、困った時に「頼りになる存在」として機能してこそ、使命
を達成したこととなる。その点では、情報発信一つをとっても消費者に十分に届いているとはいえない
ケースもあり、また、消費者が相談しやすい環境にあるとはまだまだいえない。さらに、消費者問題の
実情を広く知ってもらう「消費者問題の見える化」の取組も道半ばであり、「越境トラブル」といった新
たな課題への対応も始まったばかりである。こうした課題に一つずつ対応し、消費者庁が消費者にとっ
て「身近で頼りになる存在」となるように不断の努力を行わなければならない。これが第一点である。
改革の方向性
消費者庁 Now!
6
特集1
<消費者にとって「利用しやすい」
「分かりやすい」行政サービスの提供>
○誰でもどこでも利用しやすい行政サービスを提供するため、「消費者ホットライン」の周知や、関係
機関等の相談窓口の相互関係を見える化する。
○分かりやすい情報提供の仕組みを構築するため、消費者の特性に配慮した情報提供ツールの充実を
図る。
○消費者被害を未然に防止するため、消費者教育及び事業者啓発に関する多様な機会・ツールを充実
する。
<消費者問題・消費者事故情報の的確な把握>
○政府全体としての具体的な政策目標の在り方や効果把握のための指標の設定等について、次期消費
者基本計画の検討作業の中で、消費者委員会や関係省庁等と連携して取り組む。
○消費者被害・トラブル額推計が注目される中、推計方法の改良を引き続き行っていく。
○救済額集計ルールの統一化を進める。また、地方公共団体の PIO-NET 情報の活用指針についての
ルールを策定する。
○消費者庁に通知すべき消費者事故等の情報の明確化を図る。
○生命身体事故の原因を究明し、消費者安全の確保に貢献するため、消費者安全調査委員会の調査業
務を改善する。
2.「危機管理」と「平時対応」の両面に応える体制を作る
第二点は、消費者庁の業務への取り組み方に関するものである。消費者庁の業務の特質の一つは、食
品安全をめぐる事案を始めとし、消費者の安全・安心を守るため一刻の猶予も許されない「危機管理」
型の業務が突然発生する一方で、消費者など関係者の意見を丁寧にくみ上げながら消費者のための制度
を企画・立案していく「平時対応」型の業務が同時並行的に進んでいることである。いわば、前者の業
務は、瞬発力を要求される「短距離走」であるのに対して、後者は持続力が求められる「長距離走」で
ある。これまで消費者庁はこの両者の要請のいずれにも対応できるように努めてきたが、体制が限られ
ている面もあり、現実的には両者の要請全てに十分な対応を採ることはできなかったといわざるを得な
い。例えば、この5年間には、食品や化粧品事案など「危機管理」に対する対応に課題が残ったケース
や、「平時対応」でも業務の継承などに適切さを欠くようなケースが見られた。こうした課題を一過性の
ものと考えずに、組織や業務方法に関わる課題として捉え、改革を進めていくことが求められている。
これが第二点である。
改革の方向性
<危機管理等に関する業務体制の強化>
○緊急時の初動は、平時の対応プロセスとは異なる。緊急度に応じて事案を類型化し、緊急時の対応プ
ロセスをあらかじめ関係者で共有する。
○ブラインド型(シナリオ非提示型)の「緊急時実践訓練」等を毎年行い、関係省庁との連携要領を演
練する。
消費者庁 Now!
7
特集1
<業務の継承、課題の先送り防止>
○将来に向けて組織全体として資料を残すため、決裁文書は、意思決定過程や事務・事業の実績を
合理的に跡付け・検証できるものを作成する。
○制度の持続的かつ適正な運用に資するため、関係省庁及び地方公共団体との連携を強化する。
○課題の先送りを防止するため、迅速に対応し解決する意識を醸成する。
<地域の現場及び国際対応の強化>
○地域ブロックごとに担当審議官を置くとともに、都道府県ごとの担当を庁内公募することによって
消費者教育・地方協力課をサポートするなど、都道府県ごとにきめ細やかなフォロー体制を整備する。
○各課における国際業務の体制を整備し、国際業務を総括する審議官を置いて、担当課間の連携を強
化するとともに、国際業務に従事する人員の養成を図る。
3.「専門人材」を育成確保しながら、ワークライフバランスを実現する「職場」を作る
消費者庁は「若い組織」である。しかも、各府省からの出向者や外部から登用した人材が集まった
「混合型の組織」という側面も否定できない。それだけに、専門人材の蓄積に乏しい面がある。消費
者行政が複雑化・多様化していく中で、「専門人材」の育成確保は重要な課題であるが、この5年間
は、目先の多くの課題への対処に追われ、人材の面まで十分に手が回らなかったといわざるを得な
い。また、相次ぐ法制度の創設や個別事案の発生などによる超過勤務・土日出勤などにより職員に過
重な負担を課し、ワークライフバランスの実現という面でも多くの課題が残されたことも事実であ
る。
他方、消費者庁が抱える組織の弱点は、逆に「強み」であるともいえる。「若い組織」であるからこ
そ、大きな変革が可能であるし、多様な省庁の出身者や民間の人材を活用した「混合型の組織」であ
るからこそ、多様で柔軟な発想が形成されていく。消費者庁は、その職員が行政官であるとともに、
一人の「消費者・生活者」としての生活を送ることができる「職場」でなくてはならない。これが第
三点である。
改革の方向性
<専門人材の育成・確保、職場環境の改善>
○海外派遣を含む各種研修等を通じて消費者行政のプロフェッショナルを育成する。
○『ワークライフバランスの実現に向けた「10 の実践」』を実践するとともに、「WLBの実現に
向けたロードマップ」を策定する。
○テレワークを推進する。モバイル型に加え、在宅型テレワークを推進する。
消費者庁創設の礎となった「消費者行政推進基本計画」(平成 20 年6月 27 日閣議決定)では、新
組織の創設を「真の意味での『行政の改革』のための拠点」として位置付けている。この消費者庁の
レビューを通じて明らかになった課題に正面から取り組み、消費者庁が消費者目線による「行政の改
革」の拠点で在り続けるよう、今後とも庁を挙げて取り組むことを宣言して、6年目からの再出発を
期したいと考えている。
消費者庁 Now!
8
特集2
特集2
3年目を迎える消費者安全調査委員会
消費者安全調査委員会(以下「調査委員会」といいます。)は、消費者の生命・身体に被害をもたら
す事故について、「なぜ事故が起こったのか」を科学的に調査し、同じような事故が繰り返されないた
めの知見を提言していく組織です。調査委員会は、事故原因の調査結果に基づいて関係大臣に再発防
止策を提言します。平成 26 年 10 月1日に発足から2年が経過し、新たな委員の方にも加わってい
ただき審議を進めています。
1.調査委員会の委員
調査委員会は、7名の委員(非常勤)で構成されます。10月1日、次の方々が委員として任命されました。
7名のうち4名が新任です。
委 員 長
委員長代理
委
員
委
員
委
員
委
員
委
員
畑村洋太郎
持丸 正明
朝見 行弘
岡本満喜子
河村真紀子
中川 丈久
松永佳世子
株式会社畑村創造工学研究所代表・東京大学名誉教授・工学院大学教授
独立行政法人産業技術総合研究所デジタルヒューマン工学研究センター長(新任)
久留米大学法科大学院教授(新任)
長岡技術科学大学専門職大学院技術経営研究科システム安全系准教授(新任)
主婦連合会事務局長(新任)
神戸大学大学院法学研究科教授
藤田保健衛生大学医学部教授
(五十音順、敬称略)
2.調査委員会の成果
調査委員会は、これまで9件の調査に着手し、うち3件については調査を終了して、関係大臣に再発防止策を提言
しました。このうち2件について、ご紹介します。詳しくは、ホームページをご覧ください。
http://www.caa.go.jp/csic/action/index5.html
(1)幼稚園で発生したプール事故
調査の対象:幼稚園のプール活動中に、男児がうつぶせに浮いているのを、別のクラスの担任教諭が発見し、
すぐに担任教諭がプールから引き上げたものの、搬送先の病院で死亡が確認された事故を調査しました。
再発防止策:男児の溺水が死亡につながった原因として、プール活動中に園児の監視体制に空白が生じたため
に発見が遅れたこと、緊急事態への備えが十分ではなく必要な救命処置を迅速に行えなかったことが可能性
として考えられました。そこで、指導者と監視者の分担など監視のための体制づくり、119 番通報を含めた
緊急事態への対応策の共有、安全を優先する認識の共有などを再発防止策として提言しました。
(2)機械式立体駐車場での挟まれ事故
調査の対象:利用者が機械式立体駐車場の下段から車を出庫中
に、駐車装置内に幼児が立ち入り、体勢を崩して転倒し、歩
廊(地面)と上昇してきたパレット(車を載せる台)との間
に挟まれ死亡した事故等6つの事故を調査しました。
再発防止策:駐車装置は、マンション等の日常生活において、
幼児連れなど、様々な状況で使用されています。しかし、現在
稼動している駐車装置は、装置内に運転者以外の者が立ち入
らないことを前提に設計されるなど、実際の利用環境等を十
分に考慮されていません。このような設計時の発想を改め、安
全基準の見直しを行うとともに、製造者、保守点検事業者、
所有者・管理者、利用者が協議の場を設けて安全対策を検討
すべきであるとの再発防止策を提言しました。
消費者庁 Now!
9
特集2
3.現在の活動
現在、調査委員会は、エスカレーターからの転落事故、エレベーターの戸開走行事故、家庭用ヒートポン
プ給湯機事案、子どもによる医薬品の誤飲事故、染毛による皮膚障害、ハンドル形電動車椅子を使用中の事
故の6件について調査を進めているところです。
また、次に示す申出制度も活用しながら、新たな事案の調査に取り組みます。調査委員会の活動について
は、「消費者安全調査委員会の動き」として情報発信(ホームページに掲載)しています。その中では、調
査の対象とならなかった事案についても、事故防止のために役立つ情報を「ワンポイントアドバイス」とし
て掲載しています。
http://www.caa.go.jp/csic/action/index4.html
4.申出制度
調査の必要な生命身体事故等を調査委員会が把握するため、調査委員会に対して、調査を行うよう求める
ことができる制度があります。
この申出制度は、調査委員会が事故情報を収集する手段の1つとして位置づけられるため、全ての申出事
案について調査が行われるわけではありません。広く利用されている製品・サービスであるかどうか(公共性)、
多発性等を総合的に勘案した上で、調査対象が決定されます。
5.今後に向けて
調査委員会は、事故から教訓を得て、事故の予防・再発防止のための知見を得ることを目的に設立されま
した。「誰が悪い」ではなく、「なぜ事故が起きたのか」「どうすれば同じような事故が防げるのか」を考え
る組織です。事故の原因にはさまざまなものがありますが、単に機械が壊れていたか、規定に違反していた
かといったことだけではなく、実際に使われる環境や子どもや高齢者などの特性にも目を向けて、広い視点
から調査を行います。
先に紹介した機械式立体駐車場の例でいえば、商業施設などに設置されている場合には専門の操作員が操
作を行うこともありますが、マンションに設置された場合には、利用者自らが、駐車装置内の無人確認、機
械操作、車の入出庫、同伴者の安全確保を行うことになります。また、駐車装置は運転者以外の者が駐車装
置内に立ち入らないことを前提として設計されていますが、幼児を連れて利用する場合に駐車装置内に幼児
も入れざるを得ないなど、使われる環境によって、危なさも変わってきます。駐車装置に限らず、専門家の
使用や業務用を想定していた機械や製品が家庭に入ってくることもあります。その際は、同じような視点で
注意が必要になってきます。
また、幼稚園プールの事故の報告書には、関係省庁への提言のほかに、例えば、「人が溺れた瞬間にもが
く場合ともがかない場合があり、水難救助の専門家によると、『ばたばた』ともがくことをしないで、動か
ず静かに溺れていることが多いと言われている」といったことも記載しています。
調査委員会の役割としては、再発防止のための施策を関係省庁に提言していくことが最も重要ですが、上
記の例のような、気づきにくい危なさや、他の事故にも共通する知見を分かりやすくお伝えてしていくこと
も大事なことと考えています。事故の中には、消費者のいわゆる「誤使用」や注意不足による事故と判断さ
れ危なさが放置されてしまうこともあります。こうした事故も含めて、幅広い観点から調査を行い、社会の
共有財産となるような報告書を残していきたいと考えています。
消費者庁 Now!
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ズームイン!
ズームイン!
平成 26 年度消費者行政ブロック会議を開催しました!
消費者庁では、毎年、消費者行政の課題について意見交換・情報交換等を行うとともに出
席者間の連携強化を図ることを目的として、
「消費者行政ブロック会議」を開催しています。
9月2日(火)に福島県福島市で開催した「北海道・東北ブロック」から、10 月 31 日(金)
に岡山県岡山市で開催した「中国・四国ブロック」まで、全国6ブロックでの会議を無事に
終えることができました。ここでは、今年度のブロック会議について、紹介いたします。
1.消費者行政ブロック会議について
消費者行政ブロック会議は、全国を6つのブロックに分け、各ブロックの都道府県・政令指
定都市の消費者行政部局、関係機関の担当課長にご出席いただき、開催しています。
消費者行政に関する課題について、意見交換・情報交換を行い、消費者行政の円滑な実施や
その充実・強化を図るとともに、出席者間の連携強化、顔の見える関係の構築などを目的とし
ています。
2.今年度の会議について
(1)会議開催日程・開催地
次のページの表のとおり、全国6ブロックで開催いたしました。
(2)会議の内容
次のとおり、会議のテーマを設定しました。
①今年度の消費者庁の重要課題について
・地方消費者行政支援について ・消費者教育の推進 ・次期消費者基本計画の策定
②法施行の対応および法執行の強化について
・法施行の対応(景品表示法、消費者安全法の改正) ・法執行の強化
(3)今年度の会議の特徴
意見交換や情報交換等がより活発に行われるよう、次の取組を実施いたしました。
①各地方公共団体からの取組事例の紹介
②意見交換・情報交換をより効果的に実施するための事前アンケート調査
3.各地方公共団体からの取組事例の紹介について
今年度の会議では、会議のテーマのうち、特に意見交換・情報交換を実施する内容に関連し
た取組を、各地方公共団体から紹介していただきました。
(1)紹介をしていただいた地方公共団体
次のページの表のとおり、テーマに沿った取組事例を紹介いただきました。
(2)各地方公共団体からの取組事例の紹介(表中の○について)
①相談体制の強化・充実
・青森県:消費生活相談体制の充実・強化について
・広島県:広島県内消費生活相談窓口支援ICTモデル事業について
②消費者教育の推進
・山形県・山梨県・愛媛県:「消費者教育推進計画」について
・静岡県:地域の特色を生かした消費者教育の推進
消費者庁 Now!
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ズームイン!
・神戸市:
「神戸市消費者教育推進プラン」について
・大分県:大分県における消費者教育の取り組みについて
③見守りネットワーク
・盛岡市:盛岡広域8市町村における「高齢消費者の二次被害防止モデル事業」への取組みについて
・長野県:長野県消費者被害防止対策推進会議について
・新潟県警:平成 25 年度 先駆的プログラム
「悪質事業者による消費者被害防止の強化~電話等による高齢消費者の見守り事業」
・富山市:通話録音装置による高齢消費者の被害防止
・山口県:山口県山陽小野田市の電話による高齢者見守り事業について
2(1)開催日程・開催地
ブロック
中部・北陸
ブロック
近畿
ブロック
中国・四国
ブロック
九州・沖縄
ブロック
消費者教育
見守り
強化・充実
の推進
ネットワーク
開催地
9月2日(火)
福島県福島市
○青森県
○山形県
9月 10 日(水)
神奈川県横浜市
○青森県
○山梨県
10 月 16 日(木)
富山県富山市
○青森県
○静岡県
9月 17 日(水)
大阪府大阪市
○青森県
○神戸市
○青森県
○愛媛県
○広島県
●広島県
●青森県
○大分県
ブロック
ブロック
相談体制の
開催日
北海道・東北
関東
3(1)テーマに沿った事例紹介
10 月 31 日(金)
10 月 27 日(月)
岡山県岡山市
熊本県熊本市
その他
○盛岡市
●長野県
○長野県
○新潟県警
○富山市
●長野県
●長野県
○山口県
(山陽小野田市)
●愛媛県
●長野県
●長野県
注)
「○」は、会議において説明いただいたもの。「●」は、資料配布を行ったもの。
4.今後の予定
(1)会議のフォローアップについて
会議のフォローアップとして、各ブロックでの取組事例紹介の資料について、他ブロック
への情報共有を行う予定です。
また、会議に関する情報は、後日、消費者庁ホームページへ公表する予定です。
(2)消費者庁へのご意見・ご要望について
今年度の会議では、たくさんのご意見やご要望をいただくことが出来ました。ここでの紹
介は紙面の都合により省略させていただきますが、消費者庁内において情報を共有し、今後
の消費者行政に役立てたいと考えています。
会議開催にあたっては、開催地の県・市のご担当者をはじめ、ご出席いただいた地方公共
団体ほか、関係する皆様に多大なるご協力をいただきました。ありがとうございました。
今後も、消費者行政の充実・強化のため、会議の場に限らず、忌憚のないご意見等お聞か
せください。引き続きのご協力、よろしくお願いいたします。
消費者庁 Now!
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消センだより
消 セン だ よ り
~ 愛知県名古屋市消費生活センター~
文・写真・イラスト:名古屋市消費生活センター
他の消費者センター(消セン)は、今どういう状況なんだろう、と疑問に
思うことはありませんか?今回は、愛知県名古屋市消費生活センターについて、
マスコットキャラクター「コアラのハッピー」が紹介します。
名古屋市は、本州中央部に位置した人口 227 万の政令指定都市です。
日本のどこに行くにも利便性が高いうえ、「都市」と「田舎」、「職」と
「住」のバランスが良く、「ずっと名古屋に住んでいたい」と思う地元愛
の強い市民の多いところです。最近は味噌カツや台湾ラーメンなど「名古屋
めし」でも有名ですね。
■啓発専門施設「くらしの情報プラザ」
はじめまして!ぼくハッピーです♪ぼくは、名古屋市消費生活センターの中にある「くらしの情報プ
ラザ」に住んでいるコアラの男の子。普段は消費者啓発のお手伝いをしているよ。今日は、みんなに名
古屋市の消費生活センターを紹介するね。
まず、
「くらしの情報プラザ」って聞いたことがない人も多いよね。それもそのはず、全国でも珍しい
消費者啓発専門の施設なんだ。ここでは、消費者問題についての図書やビデオを借りたり、資料を貰っ
たりできるよ。啓発専門のスタッフ「情報アドバイザー」が4名いて、資料探しのお手伝いもするよ。
情報アドバイザーは啓発講座「くらしのゼミナール」の企画と講師も務めているんだ。
■全国の注目の的!?「くらしのゼミナール」
実は今、この「くらしのゼミナール」が注目を集めて
いる。くらしのゼミナールは様々な人を対象にしている
んだけど、特に金銭教育に特長がある。中でも小学生向
けの「親子消費者教室」と知的障害者向けの講座につい
て全国から問い合わせがあるんだよ。
「親子消費者教室」は遊び感覚で楽しく学べる講座。
金銭教育の「買い物ゲーム(低学年向き)」
・
「おこづかい
ゲーム(高学年向き)」と実習「オリジナル炭酸ジュース
作り」の2部制。募集すると即定員が埋まってしまうほ
「親子消費者教室の様子」真剣に選んでいます
ど大人気の講座なんだよ。
ちょっと「買い物ゲーム」の様子をのぞいてみようね!
まず、子どもがお母さんから千円預かってご飯の材料を買いに行くという設定ではじまる。模擬貨幣
が千円分渡されるよ。メニューは、ホットドック、チャーハン、焼きそばのどれか。必要な材料が書い
た紙も渡される。お店には同じ野菜でも 1 個のものや半分のもの、1 袋 200 円のウィンナーや 2 袋 300
円のウィンナーなど色々な商品が並んでいる・・・大人でも迷っちゃうよね。極めつけは、レジ横にあ
るお菓子のセール品!子どもたちはよく考えてやり繰りをしないといけないよ。最後にお金を払うと、
レジからはレシートも出て、レシートを貰うか貰わないかも選択のひとつ。みんななら、どうする?
親子でお金の使い方を考えてみるきっかけになると評判なんだ。
消費者庁 Now!
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消センだより
プラザのもう一つの誇れるもの。それは知的障害者向けの金銭教育。例えば、
養護学校や職業訓練校の生徒のみなさんに、お金の使い方の講義やおこづかい
帳のつけ方の練習をしたり、キャッチセールスの上手な断り方を実際にロール
プレイングでやったりするよ。ロールプレイングでは、施設の職員さんが、キ
ャッチセールスに引っかかったりして、受講生がすごく盛り上がることも。障
害のレベルによって理解力に大きな差があるので、情報アドバイザーは施設の
職員さんと沢山打ち合わせをして、一つ一つオーダーメイドで講座を作っていくんだって。
■他にも盛りだくさんの啓発講座
この他にも、相談員が地域に出向いて最新の情報をお
伝えする「出張講座」、食生活や生活設計などをテーマ
にした連続講座「消費生活講座」、授業のヒントになる
「消費者問題教員セミナー」、加工品を原料から作って
学ぶ「実習講座」など、センターでは沢山の啓発講座を
行っているんだ。今年は、ぼくがメインになって幼児教
育講座も始まるところだよ。
「幼児教育では僕たちが活躍します」
■まだまだやります啓発事業
それから、正に真っ最中の啓発事業
があるよ。この間始まったばかりの
「若者向け消費者被害防止キャンペ
ーン」だ。これからの社会を担う若
者には賢い消費者になってもらわな
きゃ。
「名古屋おもてなし武将隊」と
タッグを組んで、
「消費者トラブル惨
英傑?※」と題して、学祭やイベン
ト会場で寸劇などを繰り広げている
よ。DVDも作っているところだけ
ど、面白いものができそうだよ。
啓発といえば、ほかにも情報誌
※三英傑とは、愛知県出身の武将である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康のこと
「くらしのほっと通信」やホームページも評判がいいんだ。チェックしてみて!
■相談事業もしっかりと
ここまで啓発事業をたくさん紹介したけど、もちろん、センターの基本である
相談にも力を入れているよ。専門の資格を持つ相談員16名が1年間で約1万5
千件の相談を受けているんだ。愛知県弁護士会の協力のもと、必要な相談者には
無料で弁護士相談も行っている。
「ありがとう」って感謝されることもあるけど、相談員って苦労も多いみたい
なんだ。ちょっとインタビューしてみるね。
消費者庁 Now!
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消センだより
ハッピー「最近の相談はどうですか?」
A相談員「世の中の流れが速くなっているし、ネットの普及で相談がグローバル化してる。」
B相談員「複雑で難しい契約も増えているから、勉強の必要に凄く迫られてる。休みの日も
自分で勉強会に行ってるよ。」
C相談員「本当、相談に対応するためにみんな必死。人生で今が一番勉強してるかも(笑)。
」
B相談員「そうそう、最先端?の相談が入ってくるしね。常にアンテナを張り巡らせて『これ
はオカシイな』という感覚を養っておかないと、対応できないと思う。
」
C相談員「件数が多いから、相談全体の傾向も分かるよね。手口の流行のはじまりや拡大期、
収束するまでね。それから、相談員の人数が多いから、自分にとって手探りな案件
も必ず誰かが何らかの情報を持っているのが心強い。
」
A相談員「家族間の問題や、精神面の問題など裏に大きな問題を抱えている相談も増えたよ。」
B相談員「よろず相談所的な傾向が強まっているよね。
」
C相談員「被害金額は高額になっている気がする。悪質業者に容赦がなくなってきて、老後の
資金を根こそぎ持って行かれるとか。
」
A相談員「SNSや質問サイトの情報を鵜呑みにする傾向もあるよね。今の若い人は買い物す
るにも便利で選択肢が多くなった分、情報のより分けが大変かも。
」
ハッピー「色々あるんだね。じゃあ、やりがいを感じたことや辛かったことを教えて欲しいな。
」
A相談員「
『解決ありがとう』と言われたり、『相談してよかった』と言われるとやっぱり嬉しい。」
B相談員「相談者の要望が叶えられなくても、理由を説明して『あ~そうだったんですね。』と
納得してもらえると、理解してもらえてよかったと思う。」
C相談員「最近は消費者の権利意識が強くなって、説明してもなかなか納得してもらえないね。」
B相談員「一生懸命やっても、
『お前をクビにしてやる!』と言われたり。『センターは何のた
めにあるんだ!』と言われたときは、きちんとセンターの役割を説明するけどね。」
A相談員「人の数だけ相談がある。人生の悲喜こもごもを感じる仕事だよね。
」
B相談員「困っている人の助けになればと思って、毎日やってます。」
・・・大変だけど、ため息をついても、みんな活き活き輝いてるから、やりがいがあるんだろうな。
■これからもがんばります
ここまでぼくの話に付き合ってくれて、ありがとう。啓発&相談事業、盛り
だくさんの名古屋市消費生活センターはどうでしたか?興味を持ったり、共感
してもらえたら嬉しいな!スタッフ36名とぼくでこれからも頑張っていく
ね。近くに来ることがあったら、ぜひ会いに来てね!待ってるね☆
【名古屋市消費生活センターウェブサイト】
http://www.seikatsu.city.nagoya.jp
※情報誌「くらしのほっと通信」のコンテンツあり
【若者向け消費者被害防止キャンペーンウェブサイト】
http://www.saneiketsu.jp
※名古屋おもてなし武将隊が登場するDVD映像も順次アップ中
消費者庁 Now!
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相談員さんの は・て・な
相談員さんの は・て・な
~次期PIO-NET について~
~次期PIO-NETについて~
平成27年10月から次期PIO-NETの運用が始まります。平成27年7月から9月にかけて、相談員の方など
を対象にした次期PIO-NETの操作研修(集合研修)が予定されておりますので、積極的に参加するようお願いい
たします。
次期PIO-NETで何が変わるのですか?
簡易検索機能の追加、キーワードの見直しなどを行い、相談現場における相談員の方の負担を軽
減し、「相談を受けながら相談処理に役立つ道具」になるよう、PIO-NETの刷新を進めてい
ます。併せて、早期に情報共有するための仮登録を導入します。また、LGWAN経由でのPIO
-NETの利用を可能とすることで経費の削減を図ります。
仮登録を行うことで何が良くなるのですか?
事業者名や件名などが他の行政機関と早期に情報共有されることにより、法執行や事業者指導に
おいてPIO-NET情報が端緒情報として活用され、消費者被害の未然防止・拡大防止に繋げる
ことができます。仮登録の仕組みは導入しますが、引き続き相談情報の早期の本登録にご協力をお
願いいたします。
入力画面などは今までと違うのですか?
相談者から聞き取った内容等を自由に記述できるメモ欄を別画面で表示できるようになるので、
メモ欄をみながら相談情報の入力が行えるようになったり、入力画面を最大で5つ同時に起動する
ことができるようになるなど、相談員の方にとってより使いやすい入力画面となります。また、全
体のキーワード数の削減を行い、相談員の方が相談情報の入力や検索を行う際に、適切なキーワー
ドを探しやすくなるよう、負担の軽減を図ります。
簡易検索機能とはどのようなものですか?
事業者キーワードやフリーワードなどを入力するだけで必要な情報を検索することのできる簡
易的な操作と速度を重視した検索機能です。これにより、相談員の方が相談者から相談を聞き取り
ながらすばやくPIO-NETの検索ができるようになります。
LGWAN経由でも今までどおりPIO-NETは使えますか?
今回の刷新によりLGWANを経由することで、専用端末でなくてもPIO-NETが利用でき
るようになります。検索については従来とほぼ変わりなく活用いただけます。LGWAN経由での
PIO-NETへの相談情報の入力・登録については、Excelファイルに相談情報を入力いた
だき、一括登録機能を利用してPIO-NETに登録することができます。
次期PIO-NETについては消費者行政フォーラム【PIO-NET刷新コーナー】においても
随時情報を発信しておりますのでご確認ください。
消費者庁 Now!
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行政処分 Summary
行政処分 Summary
(H26.8.21~H26.11.7)
このコーナーでは、消費者庁が行政処分等(特商法、景表法など)を行った事案を紹介します。
(一部、地方経済産業局が行った事案を含みます。)
通信販売業者【アロマ屋」こと大窪賢人】に対する指示処分(消費者庁案件)
平成26年9月8日
http://www.no-trouble.go.jp/search/action/pdf/20140908ac02.pdf
本事業者は、危険ドラッグ等の通信販売に係る商品販売の広告を本事業者のウェブサイトで広告するに当たり、販売
業者の名称、住所及び通信販売に関する業務の責任者の氏名について正しく表示していませんでした。認定した違反行
為は、表示不備です。
また、同日、危険ドラッグの通信販売サイトのうち、特定商取引法上の表示義務に違反しているおそれのあるサイ
トの運営業者に対し、表示の是正を要請し、当該通信販売サイトについてインターネット接続サービスを提供するイン
ターネット接続業者に対しては、当該接続サービスの提供停止等の措置を講ずるよう協力要請を行いました。
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/140908kouhyou_1.pdf
連鎖販売業者【(株)高陽社】に対する指示処分(四国局案件)
平成 26年9月11日 http://www.no-trouble.go.jp/search/action/pdf/20140911ac01.pdf
本事業者は、海洋深層水や薬用入浴剤などの販売事業者であって、本事業者の勧誘者が、友人や知人等の消費者を「温
泉ホテルに行きませんか。」、「説明会がありますから参加してください。」などとだけ告げて呼び出し、本事業者の
経営するホテルや公共施設の会議室等に連れて行き、「協力店になると商品が安く買え、代理店になると商品を協力店
より安く買える、また、「他に販売すれば、配当金が入る。」、「あなたがこの水を人に紹介したら、あなたにマージ
ンが入りますよ。」などと告げ、又は「協力店をご紹介(育成)して頂いた場合、販売紹介料を受けることができます。」
などと記載した書面を渡して連鎖販売契約について勧誘を行っていました。認定した違反行為は、勧誘目的不明示及び
公衆の出入りする場所以外の場所においての勧誘です。
訪問購入業者【(株)リマック】に対する指示処分(関東局案件)
平成 26年11月6日 http://www.no-trouble.go.jp/search/action/pdf/20141106ac01.pdf
本事業者は、貴金属等の訪問購入事業者であって、消費者宅に電話をかけ、訪問の承諾を取り付けた後に消費者宅を
訪問し、その際、最初は要請を取り付けた衣料品等の査定を行い、その後、貴金属等の買取りについて唐突に勧誘を行
っており、その勧誘に先立って、売買契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る物品の種類を明
らかにしていませんでした。
また、貴金属等の訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、勧誘を行っていまし
た。認定した違反行為は、氏名等不明示及び不招請勧誘です。
消費者庁 Now!
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行政処分 Summary
株式会社ハーブ健康本舗に対する措置命令
平成26年9月19日 http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140919premiums_1.pdf
本事業者は、「カロピタスリム オールクリア」と称する食品を販売するに当たり、ウェブサイトにおいて、あたか
も、当該商品を摂取するだけで、食事からのカロリー摂取を阻害し、特段の運動や食事制限をすることなく、容易に著
しい痩身効果が得られるかのように示す表示をしていましたが、当庁が当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資
料の提出を求めたところ、提出された資料は、合理的な根拠を示すものとは認められないものでした。(優良誤認)
株式会社木曽路に対する措置命令
平成26年10月15日 http://www.caa.go.jp/representation/pdf/141015premiums_1.pdf
本事業者は、「木曽路」と称する飲食店において料理を提供するに当たり、例えば、「木曽路北新地店」と称する飲
食店において提供する「松阪牛しゃぶしゃぶコース」と称する料理について、メニュー等において、「木曽路が目利き
した、最高級の松阪牛を お楽しみ下さい。」等と記載することにより、あたかも、当該料理に松阪牛を使用している
かのように示す表示をしていましたが、実際には、平成 24 年 12 月頃から平成 26 年 7 月 17 日までの間、大部分に
ついて、松阪牛ではない和牛の肉を使用しているものでした。(優良誤認)
まめせんたい げ つ
株式会社 豆千待 月 に対する措置命令
平成26年 10 月 23 日 http://www.caa.go.jp/representation/pdf/141023premiums_1.pdf
本事業者は、運営する旅館において、例えば、貸切浴場利用役務を含む宿泊プラン等を提供するに当たり、自社ウェ
ブサイト等において、「当館の貸切露天風呂は 1300m の地下より湧き出る良質な温泉。」等と記載することにより、
あたかも、当該浴槽における温水が、温泉であるかのように示す表示をしていましたが、実際には、温泉法第2条第1
項に規定する温泉ではなく、水道水を加温しているものでした。(優良誤認)
消費者が所有する原野に係る仲介取引を偽って境界線復元工事等を契約させる「株式会社日
高不動産」に関する注意喚起
平成26年8月29日 http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/140829adjustments_1.pdf
㈱日高不動産は、原野を所有する消費者に電話をかけ、当該原野の購入希望者がいるとして買付証明書等
の書類を送付し、自社による原野の仲介取引を了承させますが、書類に記載された所在地に同社の拠点はな
く、同社が宅地建物取引業の免許を受けた事実もなく、事業実体がないことが判明しました。
また、売却に当たっては原野の整備が必要として契約させた境界線復元工事等の施工業者も存在せず、消
費者に送付した買付証明書、印鑑登録証明書の写し及び担当者の宅地建物取引主任者証の写しは、いずれも
真性のものではありませんでした。
消費者庁 Now!
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行政処分 Summary
公的機関を装って個人情報の削除を持ち掛け車椅子の購入契約をさせる「成寿園株式会社」
に関する注意喚起
平成26年9月30日 http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/140930adjustments_1.pdf
成寿園㈱は、複数の事業者を介して個人情報の削除を持ち掛け、消費者に介護サービス事業を行うと称し
て車椅子の購入契約をさせますが、同社は所在地とする場所に事業拠点が存在せず、車椅子の販売事業や介
護サービス事業を行った事実もなく、事業実体がないことが判明しました。
勧誘に際しては、消費者に対して、公的機関と類似した機関を名乗る者から電話させ、個人情報が勝手に
登録されているとして削除を持ち掛けることで、成寿園との取引のきっかけとしていました。
消費者が所有する原野に係る仲介取引を偽って境界線復元工事等を契約させる「株式会社フ
ジ不動産」に関する注意喚起(原野商法の被害者に架空工事を契約させる事業者に関する注
意喚起(第2報))
平成26年10月10日 http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/141010adjustments_2.pdf
㈱フジ不動産は、原野を所有する消費者に電話をかけ、当該原野の購入希望者がいるとして買付証明書等
の書類を送付し、自社による原野の仲介取引を了承させますが、書類に記載された所在地に同社の拠点はな
く、同社が宅地建物取引業の免許を受けた事実もなく、事業実体がないことが判明しました。
また、売却に当たっては原野の整備が必要として契約させた境界線復元工事等の施工業者も存在せず、消
費者に送付した買付証明書、印鑑登録証明書の写し及び担当者の宅地建物取引主任者証の写しは、いずれも
真性のものではありませんでした。
㈱日高不動産に関する注意喚起に続く、原野商法の被害者に架空工事を契約させる事業者に関する注意喚
起の第2報です。
・・・特定商取引法
・・・特定電子メール法
・・・景品表示法
・・・消費者安全法
消費者庁 Now!
19
・・・JAS 法
News Release のツボ!
News Release
の
ツボ!その1
一つ目の「News Release のツボ!」では、特
定商取引法に基づく危険ドラッグ販売サイトの
集中的な取締りについて解説しちゃいます!
NR
消子(しょうこ)
ベテラン消費者庁職員。よく学生に間
違われる。
相一朗(あいいちろう)
消子さんが、そのポイントを「ツボ!」として
一言で説明してくれます!
消費者問題を専攻する大学生。
困った人を放っておけない。
特定商取引法に基づく危険ドラッグ販売サイトの集中的な取締りについて
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/140908kouhyou_1.pdf
最近、危険ドラッグを吸った人が大きな交通事故を起こしたりしてるよね。怖くて街も歩けないよ。
そうよね。吸う人も悪いけど、インターネットで誰でも簡単に買えてしまうのは何とかしなくちゃいけないわ
ね。
危ない商品をどうして規制できないんだろう?
薬事法で指定薬物に指定してもすぐに新しい商品が現れることで規制を逃れて販売しているみたいね。そこで
今年 8 月から消費者庁は「通信販売」のルールを定めた『特定商取引法』を使って、危険ドラッグ販売サイトを
集中的に取り締まったの。住所や名前など事業者情報を正しく表示していないサイトに表示の是正を指導したの
よ。
販売をやめさせるのではなく、表示を直すだけ?
そうね。でもこういう商品を扱う事業者は自分の名前や住所を出したがらないから、結果として指導した 77
件のサイトのうち52件が閉鎖したの。また、同時に販売サイトがあるサーバを管理する会社にも「御社のサー
バ上に特定商取引法に違反しているサイトがある」と情報提供して、サイト削除などの協力要請を行ったことも
功を奏したと思うわ。
それはすごい! でも閉鎖してもまたすぐ別のサイトを立ち上げるんじゃない?
確かにインターネットではサイトを閉鎖したり立ち上げたりといったことが簡単にできるから、そういうこと
もあるかもしれないわね。消費者庁でもチェックするけど、もしそういうサイトを見つけたら「あやしいヤクブ
ツ連絡ネット」に通報してほしいわ。
わかった。「あやしいヤクブツ連絡ネット」だね。僕もできる限り協力するよ。
◆あやしいヤクブツ連絡ネット(厚生労働省)
:http://www.yakubutsu.com/
電話:03-5542-1865
消費者庁 Now!
20
News Release のツボ!
News Release
の
ツボ!その2
二つ目の「News Release のツボ!」では、消
費者庁が行った子どもの事故に関する注意喚起
について解説しちゃいます!
NR
消子(しょうこ)
ベテラン消費者庁職員。よく学生に間
違われる。
相一朗(あいいちろう)
消子さんが、そのポイントを「ツボ!」とし
て一言で説明してくれます!
消費者問題を専攻する大学生。
困った人を放っておけない。
子どもの事故に関する消費者への注意喚起について
あー、危なかった・・・。
消子さん、顔が真っ青ですよ! どうしたんですか?
交差点を歩いていたら、横の坂道からキックスケーターに乗った子どもが飛び出してきたのよ。危うくぶつかる
ところだったわ。
それは危ないところでしたね。キックスケーターに乗っている子どもをよく見かけますが、坂道はスピードが出
るから楽しいんだろうなぁ。
キックスケーターで坂道を走るなんて危ないわ!! 消費者庁が注意喚起を行ったのを知らないの!?
小学生が坂道を走行中に転んで頭を打って亡くなるという痛ましい事故も起きているのよ。
◆キックスケーター走行中の子どもの事故に注意!-頭を強く打つと命に関わる大けがを負うことも-
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/141017kouhyou_1.pdf
キックスケーターに関する注意喚起を行っていたなんて知りませんでした。大けがをすることがあるなんて…。
注意喚起を確認して気をつけなければいけませんね。
消費者庁では、商品やサービスによってけがをしたという事故情報を、関係省庁や自治体、事業者、医療機関
などから収集しているの。集めた事故の中から、件数が多かったり、被害が拡大する可能性があったりするもの
は、その度に、注意喚起を行っているのよ。特に、子どもの事故は消費者庁が力を入れて取り組んでいるテーマ
だから、積極的に注意喚起してるわ。
そういえば、ボタン電池の誤飲事故や、乳幼児用の首かけ式の浮き輪の事故のニュースを見ました! あれも
消費者庁で注意喚起を行っているのですか?
消費者庁 Now!
21
News Release のツボ!
そうよ! 両方とも注意喚起しているわ!!
ボタン電池は、体温計やキッチンタイマーなどさまざまな日用品に使われているけれど、重篤な事故につなが
ることが、あまり知られていないの。うっかり誤飲すると、短時間で消化管に穴が開いてしまうこともあるの。
首かけ式の浮き輪は、赤ちゃんをお風呂に入れるときに使っていて、保護者が目を離した隙に溺れてしまう
事故が起きてるのよ。愛用者のブログなどには、「一人で赤ちゃんをお風呂に入れるときに便利」というような
ことも書かれてるけど、赤ちゃんが楽しそうにしているからとつい安心して目を離してしまうと、赤ちゃんの命
にかかわる危険が潜んでいるのよ。
◆乳幼児(特に 1 歳以下)のボタン電池の誤飲に注意!-重症化することを知らない保護者が 6 割も!!-
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/140618kouhyou_1.pdf
◆気を付けて、浴槽での首掛け式浮き輪の事故!!-赤ちゃんは御機嫌でも一瞬も目を離してはいけません-
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/141009kouhyou_3.pdf
キックスケーターやボタン電池のような身近な製品で、命にかかわるけがをすることがあるなんて…、本当に
驚きました。子どもは自分で自分の身を守ることができないから、思いがけない製品で事故が起きていることを
保護者がきちんと知って、注意してあげることが大切ですね。
そうね。消費者庁では、できる限り多くの保護者に情報を届けるために、“ツイッター”や“子ども安全メー
ル”などさまざまな媒体で情報発信をしているわ。歯ブラシがのどに突き刺さる
事故や自転車事故(「消費者庁 Now!」第 18 号)など、ポスターやリーフレットを作成して注意を呼びかけてい
るものもあるのよ。
◆歯みがき事故防止ポスターhttp://www.caa.go.jp/safety/pdf/131101pamphlet_1.pdf
多くの保護者に情報を届けるためにさまざまな取組をしているのですね。国民生活センターも商品による
事故については、注意喚起を行っていますよね。
よく知っているわね。国民生活センターでは、消費生活センターに寄せられた商品やサービスにかかわる苦情
相談を解決するための商品テストを行っていて、消費者事故防止の取組においては消費者庁と密接に連携してい
るのよ。たとえば今話したボタン電池や首かけ式浮き輪についても、国民生活センターが事故の状況の再現など
の商品テストを行って、消費者庁と連名で注意喚起をしているわ。
なるほど。双方の強みを生かして、子どもの事故防止に取り組んでいるんですね! 僕も、子どもの事故につ
いて今から勉強をして、将来、父親になったときのために役立てたいと思います!!
子ども安全メール from 消費者庁
子どもの思わぬ事故を防ぐための注意点や豆知識を、毎週木曜日に配信しています。
お子さまの事故の予防にぜひご登録・ご活用ください!
◆携帯電話:http://www.caa.go.jp/m/ または、右の QR コード
◆パソコン:http://www.caa.go.jp/kodomo/mail/index.php からアクセスできます。
消費者庁 Twitter(アカウント名:@caa_shohishacho)
◆URL:https://twitter.com/caa_shohishacho
消費者庁 Now!
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アラカルト
消費者庁
à la carte
しょうひしゃちょう あらかると
有村大臣の静岡県静岡市への訪問
(車座ふるさとトーク)について
有村大臣は、9 月 17 日(水)に第 2 次安倍改造内閣で初めてとなる「車座ふるさとトーク」
(テーマ:高齢者の見守りネットワークについて)に出席するため、静岡県静岡市を訪問しまし
た。
有村大臣からは、「
『高齢者の判断力の低下が顕著に現れるのが消費生活である』という御意見
は大変参考となった。また、静岡市では、高齢者からの相談を待っているのではなく、相談員が
出向いて相談を受けることで、消費者トラブルを防止している。このような取組を全国に普及さ
せていきたい。
」との発言がありました。
車座ふるさとトークで挨拶する有村大臣
車座ふるさとトークの様子
消費生活センターを視察する有村大臣
消費生活相談員の方々との懇談
消費者庁 Now!
23
アラカルト
「家族みんなで防ごう!高齢者詐欺!」未然奉行出陣式
平成 26 年9月 10 日(水)、東京都・巣鴨において振り込め詐欺等の被害の未然防止啓発P
Rイベントが行われました。これは、内閣府、消費者庁、警察庁、金融庁が連携して行う「家族
みんなで防ごう!高齢者詐欺!」の啓発活動です。
3年目となる今年は、イメージキャラクター「未然奉行」の松平健さんに加え、全国の家族の
代表として鈴木福さん、夢さん兄妹も登場し、日頃から家族でコミュニケーションを取ることの
大切さを訴えました。また、おじいちゃん、おばあちゃんへオリジナルハガキを配り、詐欺など
の被害の未然防止を呼びかけました。
高齢者詐欺未然防止の呼びかけをする有村大臣と
松平健さん、鈴木福くん、夢さんと一緒に
松平健さん、鈴木福くん、夢さん
啓発用チラシとはがきを配る有村大臣
■政府広報オンライン特集ページ「家族みんなで防ごう!高齢者詐欺」
(「未然奉行」で検索)
※広告物はダウンロードして啓発活動などにお役立て下さい。
http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/korei_syohisya/index.html
北海道石狩郡当別町で、初の特殊詐欺防止の
啓発事業を実施
平成26年11月5日(水)、今年度は初の試みとし
て、当別町、札幌方面北警察署、当別町防犯協会が連携
した「特殊詐欺ストップ作戦」では、町の消費生活相談
文・写真:北海道当別町
員らが、政府広報の「未然奉行」チラシ、町で作成した
特殊詐欺対策を紹介する啓発パンフレットを市街地の
買い物客に配付し、特殊詐欺被害ゼロを訴えました。
また、日頃の家族のつながりが被害を防ぐことを PR
するイベントも開催し、地元の高齢者クラブ会員に、保育所の児童から「おじいちゃん、おばあ
ちゃん、振り込め詐欺に気をつけて」と一人ひとりに「未然奉行」のメッセージカードが手渡さ
れました。
消費者庁 Now!
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アラカルト
地方公共団体主催のイベントに消費者庁として初出展!
◇平成 26 年 10 月 18 日(土)
◇東京都調布市 調布駅前広場
東京都の調布駅前広場で「2014 スマートライフフェスタ
in ちょうふ」が開催され、消費者庁として初めて地方公共団
体主催のイベントに出展しました。
イベントでは、食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS
プロジェクト)や高齢者の消費者トラブル未然防止などの啓
発チラシを配布しながら、多くの来場者の方々から「家より
外食で食べ残すことが多い」、「息子をかたる怪しい電話が来
た」、「娘がタンスの角に頭をぶつけて怪我をした」といった
啓発パンフレット配布の様子
体験談などを伺うことができました。
それに加え、子どもを事故から守るプロジェクトのシンボ
ルキャラクター『アブナイカモ』をテーマソング『おしえ
てね アブナイカモ』の音楽と映像を交えて紹介し、多くの
来場者から「こんなキャラクターがいたの?」と聞かれ、
まだまだ周知が足りないと実感しました。
さらに当日は、有志で集まった職員だけでなく、阿南前長官
も駆け付け、職員の「姉御」として啓発活動を力強く後押しい
ただき、行政と消費者の架け橋となっていただきました。
消費者の方々に、直接お話を伺えました
「ゆるキャラグランプリ」2014 にエントリー
◇平成 26 年9月2日(火)インターネット投票開始
◇平成 26 年 10 月 20 日(月)投票締切
◇平成 26 年 11 月 1 日(土)~3 日(祝・月)
表彰式・決選投票(あいちセントレア)
消費者庁の「子どもを事故から守る!プロジェクト」をより多
くの方に知っていただき、子どもの不慮の事故を少しでも減らす
ために、プロジェクトのシンボルキャラクターの「アブナイカモ」
が、ゆるキャラグランプリ 2014 にエントリーしました。エント
リーNo.1118(東京都)「アブナイカモ」の結果は、1699 中
1191 位(486 ポイント)と、まだまだ知名度は低いですが、
次回は上位 100 位に入れるよう頑張ります!応援いただき、あ
りがとうございました!
子どもを事故から守る!プロジェクトシンボル
キャラクター「アブナイカモ」
消費者庁 Now!
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アラカルト
料理レシピサイト「クックパッド」に
「消費者庁のキッチン」(公式ページ)を作りました!
消費者庁では、食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSS プロジェクト)を展開中です。
このたび、地方公共団体から寄せられた、
「食材を無駄にしないレシピ」の掲載を始めました。
◆こちらのサイトよりご覧ください。http://www.caa.go.jp/adjustments/index_9.html
愛 称 :「ろすのん」
「インターネット消費者トラブル防止キャンペーン」
を実施します。
消費者庁では、12月1日(月)から「インターネット消費者トラ
ブル防止キャンペーン」を実施します。本キャンペーンは、インター
ネット取引における消費者の知識向上を図るべく、キャンペーンサイ
トの開設のほか、ウェブ広告を利用した啓発活動を行います。
キャンペーンサイトでは、消費生活相談が比較的多く社会的関心
の高い「インターネット通販」
、
「口コミ」
、
「サクラサイト」及び
「オンラインゲーム」の4分野に重点を置き、トラブル事例や注意
すべきポイント等を掲載します。また、ポータルサイト(Yahoo!
JAPAN とGoogle)にバナー広告と検索連動型広告を出稿します。
例年、年末は贈答品や冬物衣料の需要増加を背景に、
特にインターネット通販での消費者トラブルが増加する時期
です。本キャンペーンをきっかけに、注意ポイントを確認のうえ、
トラブルに巻き込まれることがないように十分注意してください。
◆実施期間
平成26 年12 月1日(月)~12 月31 日(水)
◆特設キャンペーンサイト
http://www.caa.go.jp/adjustments/internet_trouble/index.html
消費者庁 Now!
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消費者庁の SAMURAI たち
SAMURAI たち
消費者庁の
しょうひしゃちょうの “ 士 (サムライ) ” たち
弁護士、司法書士、公認会計士……“士(サムライ)業”と言われる専門職を騙り、消費者を煙に巻く
“サムライ商法”なるものがありました。そうした卑劣な悪事許すまじ、そして、日々複雑化する
消費者被害に即時対応すべく、消費者庁では外部から“士業”や“師業”の人々を招いています。
いずれも腕に覚えのある名剣士。消費者行政や現場の実態を、バッサリ斬っていただきましょう。
名前 消費者制度課 岡田
智佳(おかだ ちか)
経 歴:平成20年4月 社会保険労務士開業登録
平成24年1月 消費者庁消費者制度課政策調査員
資 格:特定社会保険労務士(※)、宅地建物取引主任者(有資格)、中学校・高校教員免許
学芸員資格
※特定社会保険労務士とは、個別労働関係紛争の円満な解決のお手伝いをすることができる
社会保険労務士を言います。
バランス感覚をもった社会保険労務士を目指して
社会保険労務士の仕事
社会保険労務士(社労士)は、人事・労務管理や公的年金の専門家です。その社労士が消費者庁の仕
事と、どのような関係があるのか、不思議に思われる方も多いかも知れません。
私は消費者制度課で、『公益通報者保護法』の周知の仕事に携わっています。この法律は、公益通報
をしたことを理由とする解雇の無効やその他の不利益な取り扱いの禁止を定めた民事ルールです。
2000 年代初め頃におきた食品の偽装事件などを背景に立法された法律であり、消費者庁が所管して
います。そのようなわけで、労働トラブルを扱う社労士の知識が役立つ場面もあるのです。
開業社労士として、今年で7年目になります。最初の約4年間は、総務省年金記録確認第三者委員会
の専門調査員として、年金記録に対する申立の調査を行ってきました。年金制度は非常に複雑で、専門
としている社労士もそう多くありません。しかしながら、私たちの将来にも関わる大事な制度であるた
め、しっかり勉強していかなければならないと思っています。
もう一つの師業
私のもう一つの師業は、表千家茶道講師です。母の影響で 12 歳から茶道を始め、大学では茶道の
研究をしました。
「最高の一服の茶で相手を持てなす。
」それが茶道の真髄だと私は思っています。と
ころが、社会に出て法律に興味を持つようになってから、いっとき茶道への関心が全く無くなってし
まいました。しかし数年後、トラブルを扱う仕事をするようになってから、今度は以前にも増して茶
の湯の世界に安らぎを感じるようになりました。今は、2つの士(師)業が、自分の中のバランスを
うまく保っているように思います。
これからのこと
現在、
『消費生活コンサルタント』の資格を取得すべく、養成講座に通学しています。将来的には、
『社労士』として、すべての働く人たちが働きやすく、
『消費生活コンサルタント』として、すべての
消費者が安心して安全に生活できる、そんな環境を作るための仕事をしたいと思っています。
消費者庁 Now!
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み ん な の 掲 示 板
1
文・写真・イラスト:長野県県民文化部
長野県消費者被害防止対策推進会議について
県民協働課消費生活室
長野県では、特殊詐欺や悪質商法によ
設立会議の様子
る消費者被害の未然防止を図るため、関
係機関、関係団体等が協力し、県民一丸
となった取組みを推進することを目的に、
「長野県消費者被害防止対策推進会議」
(以下「推進会議」といいます)を平成
26 年7月 23 日に設置しました。
悪質な訪問販売や電話勧誘販売等によ
る消費者被害は後を絶たず、特に高齢の
方の被害が増加している中で、本県にお
いては、被害の未然防止に向けて、県民の参加、協働のもと、地域全体、社会全
体で支え合い、声かけや見守り活動を強力に推進することが必要と考えています。
推進会議では、構成する機関、団体が、それぞれの持てる力を発揮して、今後
取組むべき統一的な啓発や見守りの実施など、具体的な取組方針を決定するとと
もに、喫緊の課題として、急増する特殊詐欺被害を防止するため、「特殊詐欺被
害撲滅宣言」を全会一致で採択しました。
8 月には、特殊詐欺等消費者被害防止の啓発用三角柱ポップを作成し、構成団
体の傘下団体や店頭、個別訪問等で配布するなど、県民への消費者被害防止に向
けた啓発活動に活用しました。
設立時の構成団体は 42 団体でしたが、その後も幅広い分野の機関、団体が参
画し、9月 19 日に開催した第2回推進会議では、64 団体まで増加しています。
福祉団体、消費者団体、経済団体、法曹団体、金融機関、報道関係、行政機関
等様々な機関、団体が協働することで、より広く県民への情報が行き届き、悪質
な消費者被害に遭わない、遭わせない、安全で安心な地域づくりを推進していき
たいと考えています。
詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.nagano-shohi.net/torikumi/suishinkaigi.html
~消費者行政キャラクター紹介~
各地で活躍するキャラクターたちを紹介します!
【長野県消費者被害防止啓発キャラクター「もシカっち」】
県内で行われている消費者被害防止啓発活動の統一性を
図るために作成しました。
長野県の県獣「カモシカ」がモチーフになっています。
手(ひづめ)を前に出して、悪質商法や特殊詐欺などの被
害防止をアピール!ひづめの中の文字は変更可能です。
消費者庁 Now!
28
物申す!
物申す!
From 記者クラブ
From 記者クラブ
このコーナーでは、消費者庁記者クラブに所属する記者から寄せられた、消費者行政や
相談員さんに対する忌憚の無いご意見を紹介します。
「これから伸びる組織だよ」
表題は、大阪から東京に転勤を命じられた際、いま所属する部署が取材上の責任を持っている消費者庁に
ついて、上司から説明された言葉の一部です。妙に心に残っていましたが、実際に今年4月から担当となっ
て取材を重ねてみると、
「なるほど」と実感しています。
およそ20年、記者生活を続けてきました。その半分にあたる約10年間は、科学や医療や環境、原子力
などのエネルギーが主な取材対象だったため、消費者行政は正直言って、現在でも「素人」です。でもこれ
までの経験から、消費者庁が「伸びる組織」だと思う根拠は上げられます。
第一に、役所の基本的存在意義について、幅広い支持があることです。特定の産業や業界を背負う省庁と
は異なり、これは大きな強みです。
「だれもが消費者」とよくいわれますが、これは「国民」という強力な
「圧力団体」を抱えているようなものです(ただし、
「特定の産業や業界を背負う省庁」も否定しませんし、
むしろ必要だと私は思っています)
。
次に、消費者問題に終わりはなく、こなすべき「事件」が、これから必ずあることです。記者も役所も、
大きな事件を経験するごとに成長していく点では共通していると思います。
以前、各省庁が押しつけあい、ある役所が拾って対処せざるを得なかった案件について、間近に取材する
機会がありました。突然の課題に傍から見ても職員は大変、苦労されていましたが、霞が関や永田町にとっ
て、そして何よりも国民にとって取り組まなければならない問題だったため、他省庁の関係者から大いに感
謝されたと後に聞きました。
消費者庁にも、一連のメニュー偽装への対応と
記者の横顔
いう先例があります。それは間違いなく消費者庁
のステータスを上げました。「若い時の苦労は買
氏名:江口 一(えぐち はじめ)
ってでもせよ」と言われますが、まだ若く、規模
所属:毎日新聞 生活報道部
も小さい消費者庁だからこそ、積極的に事件を受
1994年入社。北海道報道部、東京、大阪両本社
け止め、あるいは発掘して、他省庁に遠慮せず「こ
の科学環境部を経て2013年10月から現職。地球
なして」ほしいと思います。
温暖化など環境問題や、新型インフルエンザなど医療
それが出来るかどうかが、本当に伸びるかどう
の取材が長かった。
かの分水嶺ではないでしょうか。
江口 一
毎日新聞 生活報道部
消費者庁 Now!
29
編 集 後 記
消費者庁・消費者委員会創設 5 周年となる平成 26 年は、消費者保護基本法が「消費者基本法」に
改題され、
「消費者の権利」という文言が同法に明記されてから 10 周年となる年でもある。
「消費者の意見の消費者政策への反映」も消費者の権利の1つ。これを実現するためには、各省の
審議会委員や消費者委員会委員に生活者・消費者を代表する委員を選任しただけでは足りない。消費者
の意見に基づいて審議会等が建議・提言・意見等をとりまとめてもまだ不十分であり、さらに、その内
容を具体化して政府の方針として決定(多くの場合、閣議決定)するところまでいかないと真に「政策
に反映した」とまではいいがたい。
ただし、現実はそう簡単ではない。消費者以外のステークホルダーも存在しており、様々な立場に
基づく意見も踏まえながら、建議等をとりまとめる過程や政府方針をとりまとめる過程において、それ
ぞれ具体的な文言の調整が必要となる。いわゆる事務方がその調整役を担っており、消費者の意見の消
費者政策への反映度は、実は、事務方の調整力・交渉力・文章力に大きく左右されるのである。
消費者庁・消費者委員会の創設以来、既存の国民生活センターとの関係も含め、常に組織の在り方
が議論されてきている。消費者の意見を言いっ放しのものに終わらせず、少しでも具体化して閣議決定
に盛り込むためには、どういう組織の在り方が相応しいのか。言い換えれば、消費者の権利を実現する
ためにはどうすればいいのか、という視点を決して忘れてはならないと考える。
(T.K)
消費者庁 Now!
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消費者庁Now! 第20号 ~平成 26年12月1日発行~
本誌に関する御意見・御感想、
「相談員さんのはてな?」などのコーナーで今後取り上げてほしい
テーマ・質問などの御要望、配信先メールアドレスの新規登録及び変更等は、以下で受け付けてお
ります。
お寄せいただいた御意見等は、できる限り今後の情報誌の中で回答するなど、より良い情報誌と
するために活用させていただきますので、お気付きの点がございましたら、お気軽にお寄せくださ
い。
消費者庁情報誌「消費者庁Now!」編集事務局 FAX 03-3507-9296
※消費者庁Now!に掲載されている文章・図表・イラスト(消費者庁が著作権を、肖像権、その他の権利を有していないもの)に
ついては、権利者の利用許諾を得てください。
消費者庁 Now!
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