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「居住性により判断される規制のあり方」に係る2つのオプション 2008年1

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「居住性により判断される規制のあり方」に係る2つのオプション 2008年1
「居住性により判断される規制のあり方」に係る2つのオプション
2008年1月
A案:国外に転居した元居住者による技術提供取引を規制対象に加える。
【規制の内容】
○ 非居住者となった元居住者が、居住者として保有していた技術を、国外において非居住
者に提供することを目的とする取引について、出国後一定期間(2~3年程度を想定)
は引き続き規制対象とする(許可義務)。
【評価】
○ 現行技術取引規制の体系に整合的な、具体的な取引段階での規制であり、きめ細かい許
可・不許可判断が可能。
○ 国外において外国人等が行う取引について許可義務を課し、これを刑事罰で担保するこ
との妥当性について、我が国の管轄権の及ぶ範囲を含め、法制面での十分な検討が必要
である。
○ 国外における許可申請及びこれに対する行政処分にかかる手続き等について、実務面で
の十分な検討が必要である。
○ 意図的な違反行為に対して規制の実効性の確保が著しく困難である。実効性向上のため
には、企業を退職した元従業員について、法規制とは別としても、企業の役割をどう考
えるかの課題が残る。
○ 企業の海外現地法人に勤務する出向者の取扱いについて、整理が必要である。
【イメージ図】
下図の(4)を新たに規制対象に加える。
△:居住者 ▲:非居住者
:技術の取引・提供
(日本)
(3) △A
(4) △A
▲B
取引
取引
▲B
移動
移動
:新たな規制対象
(外国)
国境
(1) △A
(2) △A
:者のステータス変更
:者の移動
:現行規制
▲B
移動
△A
▲B
取引
△A
▲A
ステータス
変更
取引
▲B
B案:技術を記録した媒体の輸出及び技術情報の国外への電子的移転の一部を新たに規
制する。
【規制の内容】
○ 居住者が技術を持ち出して非居住者になる場合等、現行技術取引規制の対象とならない
技術の持ち出しを規制するため、技術を記録した媒体(紙媒体、電子媒体)の輸出及び
国外への電子的移転について、新たに規制対象とする(許可義務)
。自ら持ち出す場合
に加え、国内の居住者から国外の居住者への提供なども対象となる。
○ 現行技術取引規制と重複する場合(居住者から非居住者への国境を越えた技術移転を目
的とする取引の場合)は、現行規制に基づく取引許可を取得すれば新たな規制の対象と
ならないこととし、取引許可の未取得の段階で輸出や電子的移転を行う場合のみ規制の
対象とする。
○ 自ら技術を国外に持ち出す場合で無許可のまま他人に提供等することなく国内に持ち
帰ることが確実である等一定の場合には、許可を不要とし、又は、包括許可を付与する
等の緩和策を講じるなど、企業等実務を過度に制約することとならないよう手当する。
【評価】
○ 自己持ち出しを含め、技術の渡し手・受け手の属性にかかわらず、国内において執行可
能な方法により規制するため、人の移動の拡大や情報技術の発展等の環境変化に的確に
対応した、実効性のある制度であり、EU等諸外国の制度にも調和する。
○ 具体的取引が未定の段階を規制することとなるため、過剰規制とならないよう、複製が
容易かつ把握困難であるという技術の特性も踏まえつつ、許可を不要とする範囲や緩和
策を講じるべき範囲(特例)について、十分かつ慎重な検討が必要である。
(特例として考えられる場合の例)
・ 無償で輸入し無償で返送する媒体の輸出等は規制の対象外とする。
・ 後日無償で輸入する予定で無償で行う媒体の輸出は、国外で複製・譲渡され得ることか
ら、原則として規制の対象とするが、非居住者への無許可提供取引が行われないことが
確実である等一定の場合には、手続きがビジネスの実態にそぐわないものとならないよ
う緩和策を講じる。
・ 公知の技術や基礎科学分野の技術を記録した媒体の輸出は規制の対象外とする。(技術
を国外で公知とするために輸出する媒体や国外での基礎科学分野の研究活動のために
輸出する媒体は規制の対象とする。)
○ 現行取引規制と異なる体系を導入することとなるため、法制面での十分な検討が必要で
ある。
【イメージ図】
「居住者→非居住者」以外の
国外への技術指導等
現行技術取引規制
「居住者→非居住者」の
国外への技術指導等
「居住者→非居住者」の
国境を越えない媒体移転、電子的移転、技術指導等
「居住者→非居住者」の
媒体輸出
「居住者→非居住者」の
国外への電子的移転
「居住者→非居住者」以外の
媒体輸出
「居住者→非居住者」以外の
国外への電子的移転
媒体輸出規制
国外への
電子的移転規制
※「居住者→非居住者」以外:自分で持ち出す場合、居住者→居住者、非居住者→居住者、
非居住者→非居住者
(参考)主要国の技術移転規制について
欧米では、技術移転についても、貨物と同様の輸出規制を行っている。
ドイツでは、技術情報の電子的方法による国外への送信も貨物の輸出の一環として規
制している。英国では、国外への有形技術移転を貨物の輸出の一環として規制している
ほか、電子的方法による無形技術移転、非電子的方法による無形技術移転等についても
規制の対象としている。EU域外での技術移転については、両国ともに、自国民(ドイ
ツの場合は自国民+居住者)による移転を一定の場合に限って規制している。
米国では、電子的方法による国外への送信も貨物の輸出の一環として規制している。
また、国外への技術移転のみならず、国内における外国人への技術移転も「みなし輸出」
として規制している。
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