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資料2 労働市場改革専門調査会第3次報告(案)のポイント(PDF:241KB)
労働市場改革専門調査会第3次報告(案)のポイント 労働市場改革専門調査会第3次報告(案)のポイント 1.現状の問題点と諸外国の取組について 【現状の問題点】 ○急速な高齢化の進展と国民生活の不安 ○労働供給の減少は経済成長の大きな制約要因 ○団塊世代の定年年齢到達を踏まえた高齢者の就業機会の確保 (図1) 各国の高齢化率(65歳以上人口/総人口)の推移 ア メリ カ % イギリス ドイ ツ フ ラ ンス 日本 4 0.0 39.6 3 5.0 3 0.0 28.4 27.1 2 5.0 23.2 20.1 20.6 2 0.0 18.8 1 6.6 1 5.0 1 6.0 1 2.3 1 0.0 2 00 5 70歳現役社会の構築が必要 20 1 0 2 01 5 2 0 20 ○米国では雇用における年齢差別禁止法(1967年)により 定年制は原則不可。 ○EU諸国では、一般雇用機会均等指令(2000年)に基づき 各国で国内法を整備。英・独・仏では65歳未満の定年設定 は原則不可。 ○また、EUでは2000年のリスボン、2001年のストックホルム での欧州理事会において、「全員就業(full employment)」 を政策目標とすることで合意。 2010年までに、 ①EU全体の就業率を70%(当時63.4%) ②女性の就業率を60%(同54.1%) ③高齢者(55-64歳)の就業率を50%(同38.8%) に引き上げることを決定。 2 03 0 20 3 5 2 04 0 2 0 45 20 5 0 ( 年 ) (表1) 欧米諸国の(雇用分野を含む)年齢差別禁止法 アメリカ 【諸外国の取組】 2 02 5 イギ リス ドイ ツ フランス 雇用における 2 006年 雇用 一般雇用機会 労働法典 L.1 22-45条 年齢差別禁止 均等(年齢)規 均等法 (差別防止に 法 則 (A GG) 関す る一般規 年齢差別禁止 定)など 根拠法 施行年月日 保護対象 年齢 196 7年 2006年10月 2006年8月 (2001年11月 に改正) 全年齢 40歳以上のみ (表2) 欧米諸国の定年に関する法制度 ア メリカ 定 年 制可 否 設 定 可能 な 定年制 例 外 (上 記以 外 で 認めら れ る定年 制 ) イギ リス ドイ ツ 原則 不 可 可 - 65歳以 上 フランス ① 特定 の 業 務 6 5歳未 満の 定 65歳未 満 の 定 年金 の 満額 受 (パ イ ロットな 年制 も一定 用 年 制 も一 定 用 給権 が あり、 ど)の 正常 な 件下 で は可 。 件 下 では 可 。 労働 協 約等 に 遂 行の た め合 定め が ある場 理 的に必 要 と 合は 60歳以 上 65歳 未 満の 定 さ れる定 年制 年制 も可。(政 府計 画 で は65 ② 高級 官 職 で 歳未 満 定年 制 一 定額 以 上 の は2 009年末 ま 退 職給 付 (年 で に廃 止予 金 )を受給 で 定) き るもの に対 する 6 5歳以上 定 年制 出典:「2005~2006年 海外情勢報告」 (厚生労働省 2007年3月) 1 2.70歳現役社会の実現に向けた取組について (図2)継続雇用者の雇用形態 (複数回答) 100.0 % (図3)継続雇用者の雇用契約期間 % 100.0 83.5 83.4 80.0 80.0 60.0 60.0 40.0 40.0 19.8 12.0 20.0 6.0 4.5 1.4 50歳代 1.3 52.8 65~69歳 提 言 【65歳継続雇用の着実な推進】 ○継続雇用基準の明確化と早期の意向確認 ・労使合意に基づく継続雇用基準の明確化 ・労働条件等について早期(55歳時点等)の説明を促進 ○多様な選択肢が可能となるような制度の構築 ・雇用契約期間の長期化の促進 ・職域開発(技能伝承等)や専門職制度の導入促進 ・短時間・短日数勤務や在宅勤務など働き方の柔軟化の促進 無 回答 (図4)収入のある仕事から引退しようと考えている年齢 60~64歳 65歳継続雇用を確実なものとし、安定した継続雇用を増やすと ともに、団塊世代が再度活躍できる仕組みの構築が必要(70歳 現役社会の実現) 2.5 2.1 期 間 を定 めな い 1年 を 超 え る 期 間 1年 0.0 6 ヶ月 未 以 上 1 年 未 満 2.4 6 ヶ月 未 満 常 用 型 の派 遣 社 員 ・契 約 社 員 パ ー ト ・ア ル バ イ ト 嘱 託 3.1 無 回 答 1.8 0.0 そ の他 20.0 正 社 員 【現状の高齢者雇用対策】 ○募集・採用における年齢制限を禁止するとともに、65歳までの 高齢者雇用確保措置を段階的に講じることを義務付け ・高齢者の継続雇用は進展しているものの、嘱託・契約社員 としての継続雇用が圧倒的に多く、一年更新が一般的 ・希望者全員を対象とする制度を導入した企業は約4割 (定年到達予定者のうち継続雇用予定者は約8割) ・定年後の労働条件等の説明は、59歳が一般的 ○65歳以降の継続就業希望も約4割 34.7 70~74歳 3.9 75~79歳 0.2 年齢に関係なくいつまでも働きたい 無回答 0.0 4.8 2.3 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 出典:「60歳以降の継続雇用と職業生活に関する調査 (57~59歳の正社員アンケート)結果」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 2007年11月) 【安定した継続雇用を増やすための条件整備】 ○労使合意に基づき、一定の年齢で退職金の清算を 行いつつ、高齢者の意欲・能力・体力等に見合った 賃金・処遇体系への移行を促進 【団塊世代が再度活躍できる仕組みの構築】 ○65歳以降の就業促進 ・地域や中小企業で再度活躍できるような仕組みの構築 (高齢労働者向けの派遣事業など) 2 ○現在の高齢者に対する対応と併せて、40台後半層等、今後高齢期を迎える者も念頭においた対策が必要。 ○その際、働き方や引退の時期により不利益とならないような中立的な制度を構築することも必要。 提 言 【複線型人事制度の整備】 【社会保障制度等との整合性】 【高齢者に焦点を当てた職業再訓練 プログラムの整備】 ○労働時間の短縮、引退時期について 個々人の選択が最大限活かされる 環境整備が必要 ○働き続けることが不利益となら ない雇用と社会保障との整合性 を確保することが必要 ○高齢者の職業能力を高め、仕事 と生活の調和が取れた職業生活を 送れるような環境整備が必要 ①個々人が退職時期を選択できるよう な賃金、退職金などの処遇制度の メニュー(注)が、企業において提示 されるための環境整備を行うこと (注)具体的なメニューとしては、以下の ものが考えられる。 ①50歳代の早い時期に定年扱いの 退職金をもらい、その歳から65歳 までの新たな雇用契約を結ぶ ②60歳で定年、65歳まで継続雇用制度 ③65歳定年 など ①老齢年金給付について、就業の 有無と切り離した「保険数理的に 公平」な仕組みとすること ②高年齢雇用継続給付の見直し ③勤続年数に中立的な退職金税制 への見直し ①企業における「教育訓練・自己啓発 休暇制度」の導入促進 ②個人の能力評価、キャリア形成 を支援するシステムの構築 ③各種情報提供からキャリア・コン サルティング、職業紹介、起業支援 も含めた一体的なワンストップサー ビスの提供 ④自発的な能力開発の支援 ⑤大学院における社会人教育シス テムの充実、高度資格の取得促進 ⑥「ジョブ・カード」の活用 3