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平成22年度 学校経営方針

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平成22年度 学校経営方針
平成22年度
学校経営方針
青梅市立友田小学校
校長 隅 内 利 之
Ⅰ はじめに
本校の学校教育目標は、「自分やまわりの人々を大切にし、個性豊かで感性に富み主体性と実
践力のある、広い視野をもった児童の育成をめざす。『明るく元気な子・すすんで伸びる子・力
を合わせてがんばる子』」です。この学校教育目標を実現するために、私は、学校経営の方針を
立てました。この方針にそって学校経営を進めていきます。(尚、東京都教育委員会の教育目標
及び青梅市教育委員会の教育目標を、熟読して日々の教育活動の指針として生かしてください。)
Ⅱ 学校経営の基本理念
私の学校経営の基本理念は、「子どもの無限の可能性を引き出し高める授業の創造」です。質
の高い授業を創っていかない限り教育の仕事は成り立たないと考えます。質の高い授業をするた
めには、校内研究を中心に教師集団が互いに切磋琢磨し学び合うことが大切です。研究を進めて
いく中で、教師は、自分自身の授業の力量を高め、子どもの無限の可能性を引き出し高めた具体
的事実を創り出していくのです。
Ⅲ めざす子ども像
(1)子どもの精神の内容を豊かにする
子どもの精神の内容を豊かにするとは、基礎学力芸術的な感性・直観力・論理的な思考力・
よい人間関係・創造していく力・協力できる力が中味として十分にあることです。
(2)困難に向ってたじろがない人間
「どうせ自分にはできない」とか「私などはだめだ」とかいう子どもが、一人もいなくなる
ように、一人一人の子どもが、がんばりぬく力を持ち、学級全体や学校全体でその時々に、集
中して一つの目標に立ちむかい、その中から、困難を打開していく力や方法、粘り強さ、努力
の喜びを知った子どもにしたいです。
(3)充足感を持った子ども
子どもたちが、学校が楽しい、張合いのあるところとして、教室や学校で、生きていること
が楽しくてならないというように、充足感を持ち、満ち足りた顔をして日々送ってくれること
を願っています。
(4)人を怖れず、自分を大事にする子ども
誰からも学ぶ姿勢が身についている子どもは人を怖れません。安全安心が叫ばれています
が、学ぶ姿勢は無くしたくないものです。教師と子どもが温かい空気の中で、おたがいに助け
あい励ましあいながら、自分たちに力をつけ、より楽しい高い学習や生活ができるようにして
いくことが必要です。自分を大事にするということは、自己中心的で、他はどうでもよいとい
うのでなく、自分の感動を大事にし、自分の考えや、なやみ、喜びを大事に育てていくという
ことです。自分を大事にするという体験は、自分をよく見つめることだから、それは当然他人
をみつめ、他人のよさやねうちを発見し、大切にすることのできる人間になれるのです。
(5)ほんとうの感動
ほんとうの感動とは、一本の草のゆらぎに、美しいメロディーに、すばらしい論理の発展に、
自然法則に、人間の働き方の美しさに、他人のすばらしい言動に、また質の高い授業や先生の
話に、身をふるわせて感動し、それらを生き生きと吸収し、自分を豊かにふくらませていくも
のです。
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Ⅳ
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本年度の重点目標
第二次友田小教育ルネッサンス推進プラン 3 年計画の1年目
全体の奉仕者としての自覚と行動(服務の厳正)
安全・安心対策の一層の強化(あんあんボランティアの拡充)
保護者・地域との連携と開かれた学校の推進
特別支援教育の充実
いじめゼロプロジェクトの推進
教育予算の適正な執行と学校施設設備の安全管理の徹底
特色ある教育活動の推進
教育ルネッサンス推進本部の事業の拡充
小・中一貫教育の実施
放課後子ども教室の継続(社会教育の事業)
1 第二次友田小教育ルネッサンス推進プラン(3 年計画)
(1)学力とは
「学力とは学びとる力である。」と私は定義します。学力を狭義の意味と捉えるとテストで評
価できるものとなります。しかし、テストで評価できない能力もあります。子ども達が将来どの
ような職業に就こうとも生きて働く力それが学びとる力からなのです
(2)学力を培うために
私は、真の学力を培うために、「友田小教育ルネッサンスプラン」を推進します。
「ルネッサンス」それは復興を意味します。(歴史的には、14 世紀から 16 世紀にかけて、
ヨーロッパで文化と芸術が復興した時代をさします。)教育の荒廃、学力低下が叫ばれている
昨今ですが、本質的に子どもは変わっていません。日本の子ども達は素晴らしいし、日本の教
師は優秀です。マスコミ等の興味本位の情報に惑わされてはなりません。今こそ教育の復興を
はかるときなのです。
(3)第一次教育ルネッサンス推進プラン3年計画の成果
①教師の授業力の向上
1人1人が研究主題を決め、1年間研究をするという研究スタイルはこれまでの校内
研究からの転換です。校内研究は、一人一人が切実感をもち、しっかりとした課題を追
求しない限り深まりません。さらに、研究の過程で全員(学級担任ばかりでなく専科も
含めて)が研究授業をすることで、具体的な実践研究になります。質の高い授業とは、
単に分かるだけの授業ではありません。
ア 課題が明確である。
イ 心地よい緊張と集中がある。
ウ 新しいものが創造される。
エ 教師と子供、子供と子供の響き合いがある。
上記の四点を踏まえ、全体研究主題から個人研究主題を設定し、課題追求型授業を追
求してきました。その結果、教師一人一人の授業力は確実に向上しています。
②子供の学習意欲の高まりと学習の転移
教師の授業力の向上は、子供の学習意欲を高めます。自ら進んで学習に取り組むよう
になってきました。「構え」と「対応」と「自覚」ということを意識的に指導していま
す。友田小学校の子供たちは、全校朝会や集会での話の聴き方、行進の仕方、授業中の
集中力、発言力に著しい向上がみられます。学校の教育活動はそれぞれが独立している
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ものではありません。相互に関連し合っています。たとえば、とび箱で開脚腕立てとび
こしができなかった子供は、その種目ができることによって、物事ができるようになる
方法を学び身に付けます。したがってとび箱で身に付けたできるようになる方法を他の
学習にも適用するようになります。これが学習の転移です。本校の子供たちの学力(学
びとる力)は確実に向上しています。各種学力調査の結果から特徴的なことは、学んだ
ことを応用して活用する能力に向上がみられることです。
③表現活動の効果
表現知という言葉があります。表現活動、特に今年度取り組んできたオペレッタや合
唱は、子供に構えと対応する力を育て、集中力を養いました。オペレッタや合唱で培わ
れたその力は、教科の授業にも生かされ、授業での発言力が増し、思考力が高まってい
ます。さらに美の追求という視点も忘れてはなりません。情報が氾濫した現代社会にお
いて昔では考えられなかったような、刹那的な興味本位の有害な情報も多く流されてい
ます。そのような中で、より美しいものを追求する過程で、心の豊かさを身に付けます。
④体育科のとび箱運動に取り組む意義
平成21年度は、体育科でとび箱運動に取り組みました。運動にはどんな運動にも必
ず運動の原則があり、ポイントがある。子供はそれを自覚し、対応していくことでより
よい演技に向上していきます。思考する体育です。どこをどのようにすれば、よりよい
演技になるのかを子供達一人一人が考え、教師や友達から学ぶことでやらされる体育か
ら自ら学ぶ体育への質的変化が起きました。もちろん体育では、他の領域も教育計画に
沿って万遍なく学習するわけですが、他の運動の時でも考える習慣を生かすことができ
るようになっています。
⑤道徳性の高まりと美の追求
課題追求型の授業の成果は、子供の精神の内面(知性と感性)を成長させます。自分
の考えをしっかりもち、真理を追求する体験が、自立した子供を育てることになります。
授業の他に表現活動ではより美しい演技を追求しました。体育のとび箱では、運動法則
に合致した合理性の美を追求してきました。そうした学習を通して人間としての生き方
を学びます。その結果、自立した子供が育ちます。自立した子供は、自ら学ぶとともに
責任ある行動ができるようになります。
⑤公開研究会の実施
公開研究会は、子供たちにとって無限の可能性を引き出し高める晴れの舞台です。日
々の授業が大事なのは言うまでもないが、日々の授業以外に、発表という場を設定する
ことで子供は目標ができそれに向かって努力するようになりますし、成果もあがります。
また、教師にとっても研究を進める上での大切な機会である。平成21年度の公開研究
会は平成21年11月27日(金)・28日(土)の2日間行われました。日本全国よ
り300名以上の教育関係者が参加しました。公開したものは、国語の授業(課題追求
型授業)・体育のとび箱・合唱・オペレッタです。子供たちは公開研究会で学んだこと
や感じたことをそれぞれに文章にまとめています。4年生のK君は公開研究会について
こんな感想を書いています。
「今日、無事に公開研究会が終わりました。一番心にのこったのは、最後の全校合唱で
す。なぜかというとすごく大きな声がでて、どこからきたかわからない女の先生がなみ
だぐんでいたからです。」
(4)推進プラン1年次(22年度)
①課題追求型授業の追求
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友田小教育ルネッサンス推進プラン3年計画の研究の成果を土台にして、第二次友田小教
育ルネッサンス推進プラン3年計画を推し進めます。校長の学校経営方針である研究主題を
受け、各自が研究テーマ(学級担任は国語科、専科はその教科)を設定し研究を進めて行き
ます。講師の巡回指導や提案授業などを行うと共に全員が必ず研究授業を行います。
②表現活動及び体育(とび箱やマット)への取り組み
ア 全学級で、表現活動・合唱(オペレッタ・身体表現等)に取り組みます。
イ 全学級で、体育のとび箱やマット運動に取り組みます。(学年も可)
③年間講師
年間講師としては、宮坂義彦先生(元三重大学教授)・大槻志津江先生(元群馬県境小学
校教諭)・戸田淳子先生(元長野県伊那市立手良小学校長)にお願いします。
④第3回公開研究会の実施
1 研究主題「子どもの無限の可能性を引き出し高める授業の創造」
2 副主題「課題追求型授業の追求-国語科等を通して-」
3 日 時 11月12日(金)・13日(土)午前9時30分~16時
4 内容 授業公開(学級担任 国語 専科 音楽 図工 算数TT)
表現活動(オペレッタ 合唱 身体表現)体育 とび箱・マット運動
授業研究会等
⑤保護者対象の教育ルネッサンス発表会
1 日時 11月19日(土)午前9時~12時
2 内容 表現活動(オペレッタ 合唱 身体表現)体育 とび箱・マット運動
⑥国語教育研究会の実施
1 研究主題「子どもの無限の可能性を引き出し高める授業の創造」
2 副主題「課題追求型授業の追求-国語科を通して-」
3 日時 2月11日(土)9時30分~16時
4 内容 国語の授業公開(学級担任のみ) 提案授業 授業研究会
(5)推進プラン2年次(23年度)3年次(24年度)
1 年次の研究を生かし、公開研究会・国語教育研究会をめざして研究を深めていきます。
(6) 質の高い授業のポイントと学級経営のコツ
① 課題が明確である。
② 心地よい緊張と集中ある。
③ 新しいものが創造される。
④ 教師と子ども、子どもと子どものひびきあいがある。
教師の深い教材研究と十分な児童理解、綿密な授業計画が質の高い授業を支えています。
1日の授業時間は、4時間から6時間あります。その全部についてすべて万遍なく準備する
ことはなかなか難しいことです。1日の授業で1時間でも2時間でも重点を決めて準備する
だけで随分違ってくるはずです。
学級経営は、最初の 1 週間が勝負です。本校に年間講師で来ていただいている戸田先生は、
素晴らしい授業者です。戸田先生の具体的な取り組みは参考になります。以下に概略を述べ
ます。
①安心してものが言える雰囲気をつくる。
ア 教室は間違える所 子供が「分からない・間違った」と思ったことは真剣に考えて
やる。
イ 子供がいやなことはいやと雰囲気をつくる。
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②子供のちょっとした反応(つぶやき うなずき 手の動き等)を見逃さず授業の参加と
位置付ける。
③教室に学ぶ文化をつくる。(反応したり、間違ったりするおかげで討論がおき、考えが
変わり、発見につながる。人間にとって尊重し合うとはどんなことか。
④形式で子供を動かさない。「気をつけ礼」「指名され『はい』と返事をしてからの発言」
など何も考えなくても動くことができる形式的な行為を取り除く。
⑤子供の自覚を促す働きかけ
子供が短時間で全員が成し遂げられ、満足感が体験できるようなものに本気で挑戦させ
る。自分の力で課題が持ち続けられるもの。子供の同士が学び合い、教え合い交流でき
るもの。
ア 自分の体の動き、使い方が自覚でき「自らつくる運動」に取り組む。
・柔軟運動、側転、三点倒立など
イ 発声練習、朗読
ウ 表現活動
エ あいさつ
オ 発見掃除
カ めずらしいもの見つけっこ(変化 発見)
キ 問題づくり
(7) 学級経営案・週案について 学級経営案は、教師が願いを持ち、それを実現するために、
子どもの実態を十分把握し、学校の教育目標(都や市の教育目標も含む)・学校経営方針・
学年目標を踏まえて、作成するものです。今年度の指導の重点をたてることは最も重要なこ
とです。形式的に作ればいいというものではありません。学級を建物に譬えるなら学級経営
案は設計図です。設計図なくしてよい学級は作れませんし、保護者への説明責任も果たすこ
とはできません。週案は、1週間の授業計画です。曜日ごとにその日 1 時間 1 時間の学習の
課題が書かれているものです。1 時間の課題がはっきりしていなければ質の高い授業はでき
ません。また、授業は当初の計画通りに進むものではありません。その都度修正していくも
のです。結果として子どもが高まればよいのです。週案も開示等説明責任もありますが、質
の高い授業をするための裏づけになるものです。週案をもとに子ども達には週の学習計画を
示してください。週の学習計画を示されれば、子ども達は計画的に予習・復習等の学習する
習慣がつきます。私は今まで週案を見させていただき、そこに書かれている言葉から、多く
のことを学ばせていただきました。そこから感じたことは、週案は、教師の創造的な作品だ
ということです。そこには教師の新しい発見、喜びや希望、苦しみや悩みが書かれています。
日々ドラマがあります。今年度も、学級経営案(4月12日提出)・週案(毎週)とも提出
していただき、その都度気の付いたことをコメントしたいと思います。私は先生方の授業を
授業観察以外でも時間の許す限り見させていただき共に学びたいと思います。時には私も授
業をさせていただきます。
(8) 自立した子どもの育成(子どもを鍛える 感性を磨く 構えをつくる)
(ア)朝礼での立ち方 自分で考え判断し行動できる自立した子どもの育成は、意識的に行
う必要があります。全校朝会は一人ひとりが自分でしっかり立つという訓練の場であると考
えます。子どもたち自らが「気をつけ、前えならえ」の号令をかけなくとも並べるようにす
ることが大切です。すぐに子どもの側に行き注意すれば、その場は直るかもしれませんが、
また、すぐに乱れてしまいます。また、教師がその都度注意することで朝礼台に立った先生
の話は聞けなくなります。しっかり立つためには、日頃の授業の場で集中すること(整列の
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仕方について含む)を学んでおくことがどうしても必要なのです。最初は、なかなかうまく
いきませんが、子どもだけで並ぶよう教師は、子どもの前に立って子どもを見守ることが大
切です。いつも子どもの側にいるとどうしても口を出したくなり過保護になります。課題が
はっきりしていれば並べます。朝会時は教師は子どもの前に立つことが基本です。
(イ)学習の基礎基本となる学習のよい習慣づくり(構えの大切さと聴く力) 学習に集
中するためには学習の基礎基本となるよい習慣づくりを行う必要があります。学習のルー
ルを最初のうちにしっかりと身につけさせることが大切です。学習のルールとは、たとえ
ば、単に形式的に背筋を伸ばしてきちんと座るということではありません。学習の方法を
学ぶのです。話の聴き方、教師や友達の話に対応すること、椅子を動かすときに音に気を
つけること(美しい音で教室を満たす)等ポイントを絞って行うことです。特に、心の準
備としての構えが大切です。(最初の 1 週間が勝負です。)この中でもっとも大事なのが
聴く力です。「聴く」とは、相手を見ることであり、反応する(尋ねる、疑問をもつ、質
問する、反論する、うなずく等)ことです。
(ウ)児童理解(児童観) 放課後、校庭にボールが落ちているとき「ボールを散らかして
全くしょうがない子どもだ。」と思うのか、「あそこで元気に遊んでいたのだな。」と思う
のか。そこに子どもの見方があらわれます。「子どもは全人的に理解せよ。」とよく言われ
ます。学校と家での顔は違います。一生懸命学習するかと思えば、いたずらもします。先生
の悪口を言っているから先生が嫌いということではないのです。子どもは誰でも愛情をかけ
てもらいたいのです。大人でもそうですが、自分の気持ちを素直に表現するのはなかなか難
しいものなのです。前向きにプラス思考で子どもを見る見方が大切です。
「梁塵秘抄」の第二巻に、「遊びせんとや生まれむ たわむれせんとや生まれけむ 遊ぶ
子供の声聞けば 我が身さえこそゆるがるれ」という有名な一節があります。作者の子ども
に対するあたたかいまなざしが感じられる歌です。
子どもを頭ごなしに叱ることや体罰は厳禁であることは言うまでもありません。また、子
どもは子どもの世界で色々なことに悩んでいます。不登校やいじめにならない前に、子ども
の学級での尐しの変化も見逃さないようにすることが大切です。児童虐待についても注意が
必要です。
保健室を見れば学校が分かると言われます。養護の鈴木先生との連携が大事です。たとえ
ば「頭がいたい」と不調を訴えた子どもを保健室に行かせたら必ず事後確認をお願いします。
怪我など状況によっては保護者との連絡及び病院へ同伴も必要です。すばやい対応が保護者
の信頼をかちえます。対応の基本は「自分の子どものように」です。保護者との電話連絡や
連絡帳には成長したことも書きましょう。そうすると保護者の信頼もまします。誰でも自分
の子の成長はうれしいものです。専科の先生方や他の教職員の子どもについての情報も貴重
です。
(エ)生活感覚の浄化(感性を磨く) テレビを初め様々なメディアの氾濫は、子どもたち
にも及んでいます。言葉の乱れ、礼儀のなさ、キレル等様々な弊害が出ています。東京都
では心の東京革命として道徳教育の充実に取り組んでいるところです。私は更に、日常の
実践が大切であると考えます。清掃指導(発見掃除)では丁寧に働くことの大切さを学年
に応じて学んでいくことが必要です。掃除できれいにするということは、物理的にきれい
に掃除場所をきれいにする以上に心を磨くことになるのです。「ゴミの見えない教師はだ
めだ。」とは私が、初任時のT校長先生の言葉です。また、お昼の放送にしても今流行の
音楽をどんどん際限なく流すのではなく、給食の時間なのですから、もっと静かな給食に
ふさわしい曲(クラッシックなど)をかける等細かいことですが細心の注意が必要です。
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教室などもきれいに保つことは大切なことです。
(オ)作文指導 自分の実践を見つめる上で、また、児童理解の上からも、日記や作文の指
導は有効です。文章を書くという行為は、自分の考えをまとめなければならないので相当
にエネルギーのいる営みです。しかし、そのことで自分の考えがはっきりしてくるのです。
子どもにとって文章を書くという行為は、生活を見つめよりよい生活を築く上で有効な手
段となります。具体的な方策として、多摩の子や多摩子ども詩集(昭和 33 年に始まり西多
摩地区の文化として大切にしたい)に応募することで文章を書かせることができます。さ
らに青梅市が実施しております「子どもの主張大会」へ向けた5・6年生作文指導は、作
文力を向上させる機会になります。一昨年度は 5 年生の野村さんが入賞しました。昨年度
は 6 年生の田中さんが第一次審査までいきました。今年度も全員応募をお願いします。さ
らに、昨年度は、文集「くわのき」は、詩集「くわのき」となりました。今年度も引き続
き内容を充実したいと考えています。
(カ)環境美化 学校の環境は子どもの心を育む上で大きな効果があります。「私はA校に
赴任しました。この学校は、子どもが荒れていて事故が多かったのです。すぐ気が付いたこ
とは、植物が全然校内にないということです。そこで私は校内に植物を置き、学校内の環境
整備を進めました。すると不思議なことに、子ども達は落ち着いてきて、事故も尐なくなり
ました。」これは、新聞に載っていた元校長先生の文章の概要です。本校では先生方の努力
により、学校の内も外もきれいに整備され、子ども達の生活に安らぎを与えています。子ど
もたちの事故や怪我が他校に比べ尐ないのはこれらのお陰もあると私は考えています。これ
からも続けていってほしいです。教室も同様です。教室の掲示ひとつとっても季節感がある
だけで違います。私たちは常に環境美化に気をつけたいものです。教室の整理整頓には特に
心がけてほしいと思います。私は、廊下の掲示物の画鋲がひとつ剥がれていても気になりま
す。廊下の壁に際限なくベタベタ張ってあるのは、汚いものです。職員室の机の上もきれい
にしましょう。用務主事の宮岡さんは環境美化には人一倍心を砕いています。素晴らしい方
です。
(8)自己表現力を育成する 人間は産声をあげた時から自分を表現しています。表現知といわ
れるように、表現活動(身体表現、言語表現、音楽・図工等)は、感性豊かな子どもを育て
ます。今年度は 3 年以上は総合的な学習の時間を使い表現力を培う授業を取り入れます。ま
た、1・2 年生では音楽や国語の時間を使います。学年・学級の実態に合わせて、意識的に
表現力を育てるように教材を工夫することも大切です。たとえば、オペレッタなどは表現力
を高める教材として有効です。行進も表現です。リズムにのって歩くことは人間の基礎基本
です。廊下を走る子どもに多いのが足全体を床につけて大きな音を立てることです。行進は、
目線・腰を伸ばす・リズムに合わせることを基本に指導していけば美しくなります。体育の
中ではマットやとびばこの演技は表現力を高める上で有効です。
(9)ルネッサンスタイム 主に金曜日の朝の時間は、表現活動の時間とします。表現活動のス
テップの練習や合唱及び体育(柔軟など)の練習に使います。
(10)チャレンジタイムの活用 チャレンジタイムの時間は、国語は名文の音読暗唱、辞書引
き、算数は 100 ます計算の練習等に使います。表現活動の練習に使うこともいいでしょう。
2 全体の奉仕者としての自覚と行動(服務の厳正)
私たちは、教育公務員です。常に全体の奉仕者としての自覚の上で仕事に励むことはあたり
前のことです。服務研修等服務の厳正には留意しているにもかかわらず、昨年度も相変わらず、
服務規律違反が(体罰・セクハラ・交通事故・汚職等)が後を絶ちません。特に情報(USBメ
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モリー)の紛失には十分気をつけなければなりません。今年度も以下の事項の遵守をお願いしま
す。
勤務時間の厳守・出勤簿の出勤時の押印・休暇職免簿の事前申請・旅行命令簿の事前記入・
通勤手段の厳守(仕事の都合でやむなく変更する場合は校長の許可を受ける。)、電話(はい、
青梅市立友田小学校でございます。)や来客の笑顔での誠実な応対・清潔感のある服装・身だ
しなみ・学校の敷地内での禁煙等、改めて言うまでもありませんが宜しくお願いします。学校
の常識が世間の非常識と言われないようにしたいと思います。
学校から出される印刷物はすべて公文書です。公文書は起案者が校長・副校長の印をもらい
はじめて発行されるものです。学年・学級だよりを発行する時は忘れず最初(年度当初)に起
案し検印を貰ってください。また、職員会議に提出される計画書等の文書も必ず起案者が校長
・副校長の印をもらうようにしてください。
3 安全・安心対策の一層の強化
子どもが犠牲者になる犯罪が繰り返されています。友田小として以下の対策を進めます。
(1)不審者対応マニュアルの徹底(2)セーフティ教室の実施(7月14日)
(3)防犯カメラでの監視(4)地域安全マップの活用(改訂 1 学期実施)
(5)防犯ブザー全員所持(6)子ども 110 番の家の活用
(7)友田小安全ボランティアの実施(8)スクールサポーター・スクールガードリーダーとの連携
(9)50 メートルお見送りお出迎え(1・2 年生対象)(10)教職員の名札の着用・Eコールの携帯
(11)不審者情報のメール配信(青梅市の情報の活用 PTAでの友田小独自のメール配信検討)
(12)来校者受付簿記入と名札着用(13)あんあんボランティアの拡充
昨年度新設しましたあんあんボランティアを保護者以外に自治会にもお願いして拡充します。
この活動は、本校のあんあんボランティアに登録していただき、自分の都合のよいときに防犯の
腕章をつけていただき、学区をパトロールしていただくものです。特に時間の指定はありません。
通勤のときでも、犬の散歩の時でも結構です。
4 保護者・地域との連携と開かれた学校の推進
学校だけでは、十分な教育効果が期待できません。やはり、保護者や地域の方々の力をお借り
し連携して、子どものすこやかな成長のため努力することが大切です。生活科や総合的な学習の
時間では、保護者・地域の方々の協力をいただいております。(宇津木さん畑の借用、下田さん
の田んぼの借用と田植え稲刈り体験指導)学校運営連絡協議会等、開かれた学校づくりの推進も
大切なことです。地域の行事等にも積極的に参加し、交流を深めることも大切です。
今年度も学校公開日を設定し、保護者や地域の方々に授業を公開し、子ども達の様子、学校
の様子を知っていただき、学校への理解を深めていただきたいと思います。(学校公開日を設
定いたしますが、学校はいつでも開いておりますのでいつこられても大丈夫です。)4 月の学
校公開日には、校長の学校経営方針説明会を開催し、保護者に学校経営方針をご説明する機会
を設けます。また、3 学期に学校経営報告会を開催し、校長の経営方針がどれくらい実現した
か成果と課題を説明いたします。
学校評価(学校関係者評価)につきましては、昨年度は学校運営連絡協議会委員、保護者及
び児童に対して年3回実施しました。今年度の学校評価は教育委員会で策定された評価方法に
基づき、校長の学校経営方針に沿った評価を年3回程度実施します。学校評価は、学校教育を
よりよくしていくためのものです。この視点で評価していただくことが大切であると考えてい
ます。
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学校教育の支援者としてのPTAの活動を見逃すことはできません。本部及び各部の活動は、
子ども達の健やかな成長を願って行なわれています。本当にPTAの役員・運営委員の皆さま
のお力には感謝しています。さらに本校の良さはPTAの活動に教職員ができうる限り協力し
ていることです。PTAにとって教職員が協力してくれることが何よりうれしいものです。今
年度もできうる限りPTA活動に協力していただければ幸いです。尚、今年度は小学校PTA
連合会の当番校としての仕事があります。小P連の活動としては、6 月の総会、7 月の管外研修
8 月の対市要望、11 月の講演会 2 月の教育懇談会があります。
5 特別支援教育の充実
平成20年度より、本校に特別支援学級(通級指導学級「くわのき学級)が開設されました。
今年度は通級学級主任が高瀬由子先生、特別支援コーディネータが山下道雄先生、2 年目の菅生
恵美先生の 3 名のスタッフです。今年度の児童数は 11 名です。
本校の特別支援教育は校内委員会を中心として、特別支援コーディネーターのもと計画的に、
推進していきます。特別支援教育についての研修を計画的に実施します。ケース会議(事例研
究)を開催し、さわやか相談会(特別支援教育相談会)を年 2 回以上開催します。
6 いじめゼロプロジェクトの推進
平成20年度立ち上げた「いじめゼロプロジェクト」を充実したものにしていきます。構成メ
ンバーは、管理職、担当教師と児童会の役員の児童となります。このメンバーで話し合い友田小
としての活動を進めていきます。いじめのない明るい学校をめざして、朝の挨拶運動(さわやか
元気隊)やいじめゼロ標語の活動を進めていきます。今年度も青梅市の子ども会議が7月 26 日
に予定されています。
7 教育予算の適正な予算執行と学校施設・設備の安全管理の徹底
ア 市の財政は相変わらず厳しい状況にあります。備品及び消耗品にしても大切にしかも計画
的に使っていただきたいと思います。たとえば、コピーにしても印刷にしても無駄を省き本
当に必要なものを必要な枚数だけ印刷するようにしましょう。学校内の施設設備について
も、学校では毎年要望を出し、市教委の方では計画的に改修を進めています。昨年度は、プ
ール底の塗装及び消火栓の改修等が行われました。予算は管理職と事務部を中心として各主
任担当者が計画的に執行していくようにしていきます。管理職と事務部では定期的に予算執
行会議を開催します。
イ 学校の施設設備の安全管理(生活指導部中心に安全点検を実施しています。)には毎日重
点を決め見回ることが大切です。今年度も計画的に実施していきます。
ウ 都事務の高村さん、市事務の小林さん、用務の宮岡さんと連携して仕事を進めていきます。
提出書類の期限前提出、ごみの分別等協力していきましょう。
エ 給食費未納ゼロを達成します。
8 特色ある教育活動の推進
(1)縦割り班活動の充実 6 年生をリーダーとしての、異年齢集団の活動は学年を超えた交
流活動として大きな意味を持っています。地域の子ども集団が消滅して久しい中、コミ
ュニケーション能力の育成の上からも重要な活動です。
(2)福祉体験活動 ユニセフへの協力や古切手の収集などの社会的支援活動へのかかわり、
老人介護施設や障害のある人々との交流を通して、豊かな感性と育みます。
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(3)国際理解教育の推進 自己表現力とコミュニケーション能力はこれからの時代の要請
です。
6 年生の総合的な学習の時間に、海外青年協力隊の経験者や JICA を通して研修員の方々
を招聘します。平成 23 年度から外国語活動の時間が完全実施されます。今年度より 5・6 年
生に外国語活動の時間は、年間 30 時間実施します。AETを5・6年生の授業に活用して
いきます。
(4)地域に根差した教育(ヤマメの飼育・蚕の飼育・繭玉づくり・藁草履づくり等)
友田の地は自然と文化に恵まれた地域です。教育活動にそれらのものを十分に取り入れ
ていきます。ヤマメの卵は一人ひとりが自分自身で責任を持ち育てます。育てる過程で生
命の尊重・親子の会話等教育効果には大きなものがあります。どんと焼きのための繭玉づ
くり(輪千さん・村野さん)や藁草履づくり(白菊会の皆様)は地域の皆様を指導者にし
て行っています。蚕は昔からの友田の伝統です。教育において伝統を受け継ぐことも大切
なことです。
9 教育ルネッサンス推進本部の事業の拡充
この推進本部は、学力向上を中心とした本校の教育を支える事業を総合的に行うものです。
①推進本部の役割
各種の事業の活動の企画・運営を行うものです。(推進本部コーディネーターを中心に行
う。)
②推進本部の事業
ア 学習支援(桑の木っ子ルーム等)
・桑の木っ子ルーム 原則的に月・木曜日の午後1時30分より4時30分まで
指導員が上記の時間に常駐し児童の指導にあたります。
・桑の木っ子サマースクール 夏休み15日間
イ 読書活動
読書ボランティア(読み聞かせ・本の整備等)
図書支援員(週 2 回午前中図書室に常駐し、児童の読書の相談などにあたります。また、
図書室の整備も行います。昨年 1 年間で図書室が子供達に使いやすい図書室に大変身で
す。支援員の吉田さんには今年も本校に来ていただきます。)
本校は昨年度より青梅市の読書活動推進校の指定を受けています。
ウ 環境美化
環境ボランティア(学校の敷地内の除草及び樹木の剪定等)
エ 安全安心
安全ボランティア(下校時の児童の安全を守るための活動等)
③推進本部の運営組織
本部長 前PTA会長 副本部長 副校長
推進本部コーディネーター
環境ボランティア責任者 安全ボランティア責任者
読書ボランティア責任者 学習ボランティア責任者
推進本部会を定期的(学期に 1 回)に開催します。
① 推進本部室の設置(くわのき職員室となり)
② 漢字検定試験の実施
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10、小・中一貫教育の実施
今年度より青梅市の全小中学校で小中一貫教育が実施されます。本校は、第二中学校区に属
しております。二中学校区の教育課程上の共通テーマは国語力(聞く話す)の向上、表現力(コ
ミュニケーション能力)の育成です。この目標を達成するため、本校の教育課程に位置付け実
施していきます。
11、放課後子ども教室の実施(社会教育)
昨年度より、放課後子ども教室「夕焼けランド友田小」が実施されています。これは文科省
の子どもの居場所づくり事業として行われるものです。
毎週水曜日(午後 2 時より 5 時まで)定員 150 名(1 年生から 6 年生まで申し込み制)
Ⅴ おわりに
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に「さそりの火」という話があります。
「『まことの幸せのためならわたしの体をおつかいください。』と祈ってはてたさそりが真っ赤
な星となって燃えている。」という話です。私達は子どもの幸せな明日を願い教育という崇高
ではかない仕事に命を燃やしています。
新しく、小木一雄副校長先生、村上和美先生、中山義郎先生、武田宇史先生、高村秀司さん(都
事務)を本校にお迎えしました。
「子どもの無限の可能性を引き出し高める授業の創造」をめざして、どうか共により高くより
美しいものを求めて共同経営者として、教職員一人ひとりが学校経営に参画してください。素晴
らしい友田小学校を創りましょう! 宜しくお願いします。
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