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京都市の細街路対策に向けての提言

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京都市の細街路対策に向けての提言
情報提供委員会(業務対策運営担当)開発及び売買媒介等専門小委員会
意見交換、提言書審議・作成
H23.8.26(金)13:30~
京都府不動産会館研修センター(3F)
1.「細街路に起因する問題点の所在と、その解決策の道筋について」(仮題)
(「対策の提言」を前提に、坂元和夫 弁護士(鴨川法律事務所)を交えた意
見交換会)
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細街路問題の不動産取引における筋立て(再建築不可→空き家→中古住宅
の流通を阻害)
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全国一律の法規制だけでは、細街路問題の解決は無い
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地域独自の特区申請や「細街路条例」等の検討が必要
を基本認識として、2項道路の拡幅、3項道路指定の活用、43条ただし書き
許可の問題点、非道路(1.8m未満)の対策について意見が交わされ、次の事
項についての提言をまとめるものとされる。
○
43条ただし書きにより、一旦判定で許可がされた通路については、同判
定を継続させるべき。(当該通路に接する他の建物の建築に係る判定は不要
とすべきではないか。ただし、住民間で通路の防災性等の機能を維持する。)
○
非道路(1.8m未満)と、建築基準法上の道路の両方に接する建物の道
路の取り扱いについて、建築確認申請に際し、建築基準法上の道路に接して
いれば、非道路(1.8m未満)に接する部分のセットバックは不要となる
が、他の建物への影響を鑑みセットバックを必要とすべきではないか。
○
非道路(1.8m未満)に接する建物についても、一定の要件(準耐火建
築物であり、かつ耐震性を有する建築物等)を満たせば、通路の中心線より
2mのセットバックにより建築確認の対象とするなどの方策を検討すべき。
H23.10.25(火)13:30~
京都府不動産会館研修センター(3F)
1.
「京都市の細街路対策に向けての提言」(案)について,川島政連会長、坂元弁護士
(鴨川法律事務所)を交えての意見交換会
宅建業協会からの細街路対策への提言
1)通路等の単位で43条ただし書許可の運用を、2)非道路についても道路後退
により防災性の向上を、3)建築基準法上の道路以外に接する非道路についても道路
後退を、4)法42条6項により非道路の2項道路指定を
・
の提言(案)について
提言2は、京都市では1.8m未満(非道路)については2項道路として認めて
いないので、運用として道路後退させることで防災性の向上を図ろうとするもの。
提言4は、非道路でも、42条6項により2項道路として指定することが可能で
あり、非道路の法的な位置付けを明確にしようとするもの。
・ 2項道路でセットバックした道路が工事完了後にまた元通りになっているケースが
見受けられる。行政により、違反建築物として対応する必要があり、今回の提言にお
いても、行政の対応について、追加提言する必要がある。
・ 中心から2mのセットバックは、市の中心部では土地価格も高く、大きな社会問題
になることが懸念されるが、50年先の市のまちづくりを考えれば、こうした行政の
対応はあってしかるべき。明確な行政指針がなければ、細街路問題は解決しない。
・
提言3の角地での適用については、何らかの緩和措置を講ずる必要がある。
・ 次回(12月9日)の小委員会では、本日提起された項目を追加して、5項目の提
言書として再度提案し、最終案を審議いただき、行政に提出していく方向でまとめる。
H23.10.25(火)13:30~
京都府不動産会館研修センター(3F)
1.「道路の幅員が4m未満で、宅地開発等が困難な土地の実態等の調査」の意見交換会
京都市都市計画局
本田
建築技術担当局長、都市景観部
宮川
土木担当部長
(本田)実務的な面から、細街路に起因する開発等の問題点の実態について、意見交
換を。
・京町家については、基準法の適用除外の条例化を検討されているが、細街路に
係る開発についても、条例化等により緩和策を検討すべき。
・細街路問題に対して、基本的な市の考え方はどうか。
(本田)まちづくり上、重要な課題と認識しており、特に安全性・防災性においてど
う対処していくかが基本。もちろん地域の人口増が図られ、地域の活性化にも
つながる。
・市は、開発許可基準の厳格な適用をしており、府はもう少し柔軟である。又、
担当者が変わるごとに、指導内容も変わる。指導の一貫性を求める。
・条例等で検討されるのであれば、その周知期間を適切に確保されたい。
・現状として、4m未満は多くの場合事前調査の段階で断念している。
・位置指定道路として指定さているにもかかわらず、現況が3.8mしかないと
いうことで、開発が認められないケースがある。基準適用に柔軟性がない。
・アンケートは今月の26日までに協会本部まで回答願いたい。本部でまとめて
京都市に送付させていただく。
2.「京都市の細街路対策に向けての提言」(案)についての審議
・坂元弁護士より提言書の構成について説明(提言4項目)
・道路の移管問題が大きい課題であり、道路行政の一元化が必要。みなし道路で
はだめ。道路判定に何故プランが必要なのか。一方、非道路だから町家が残っ
ている現状もある。
・細街路問題は、他に課題もあるが、第1弾として、連名で京都市に申し入れる。
(審議・検討事項)
1 細街路とその社会問題化
京都市内にはいわゆる細街路が数多くあり、このことに起因して、中古住宅の流通が阻害され、
ひいては京都経済にも悪影響をもたらしている状況にある。
細街路の多くは建築確認の対象とならない道であり、それのみに接する敷地では再建築が法的
には不可能となり、所有者は何も手をつけなくなり、ますます空き家化が進行する。中には、建
物の老朽化で危険家屋となり、まちづくりの上からも都市防災及び景観の面からも問題が顕在化
している。このようなことから、中古住宅は市場に流通しなくなり、人口は減少し、空き家は放
置され、都市問題としても見過ごすこととのできない課題となっている。
京都市建築審査会建議(平成23年2月18日)でも「京都市においては、住宅の約3割が、
狭隘道路や袋路という4mに満たない細街路に接しており、この比率は全国の都市の中でも上位
に位置している。細街路には、沿道建築物の倒壊に伴う道路閉塞による、災害時の消火・救助活
動の困難性、延焼増大の危険性があり、その対策は、都市防災上の重要かつ喫緊の課題である。
」
とし、一方、「これらの細街路には、祇園町南側や石塀小路のように、石畳舗装の両側に町家が
立ち並ぶ等、その佇まいが京都らしい風情を醸し出しているものもあり、町並み景観の重要な要
素として、多くの観光客をひきつけている。
」と指摘している。
このように、京都市のまちづくりを考えるにあたっては、細街路問題は避けて通ることのでき
ない重要課題であり、今や、細街路対策の早急な取組みが強く求められている。
2 細街路の対応の現状
1) 2項道路
建築基準法42条の2項道路は、建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道路であるが、原
則として道路中心から2mのセットバックが規定されているが、個々の建築物の建て替えによ
り、順次、拡幅されるということで、全体が拡幅されるには相当な年月が必要となる。
2項道路を対象とした京都市狭隘道路整備事業も全市域を対象にして事業促進を図ってい
るが、道路拡幅は遅々として進んでいない現状にある。
また、京都市では、市内に多く存在する袋路を2項道路指定の対象外としているが、こうし
た扱いは全国的にもあまり例がないという。
2) 3項道路指定
法42条3項道路は道路中心から1.35mから2m未満のセットバックを許容し、祇園町
南側が全国に先駆けて適用されたが、残念なことに、先日の火災でその区域の防災性が懸念さ
れることとなった。しかしながら、3項適用により、すぐれた町並み景観が維持保全され、京
都の重要な観光スポットとして多くの観光客を誘引している。
3) 43条ただし書許可
広い空地などに面している建築物は、接道していなくても建築審査会の同意を得た上で許可
される場合があるが、以前に、担当課長との意見交換会でも説明されたように、通路や袋路の
場合はその幅員が1.8m以上が許可対象であり、1.8m未満は対象外としている。
ただし書の適用においては、許可条件として2項道路と同様に袋路等の中心線から2m後退
することとしているが、袋路等の入口の敷地(始端部)では他の法上の道路に接していること
から後退する必要がないため、入口部の拡幅がなかなか進まない状況にあり、都市防災上も大
きな支障となっている。現行の許可基準では、道としての永続性の担保や、全体の拡幅にはつ
ながらず、京都市が能動的に施策を実施するものとはなっていないと建議でも指摘している。
4) 対象外の通路等
幅員1.8m未満の細街路は、法の規定に該当しない非道路であり、これにのみ接する建築
物は法的には再建築ができない。また、前面道路が2項道路や袋路で再建築できる場合でも、
狭小敷地では道路後退により再建築に必要な敷地規模が確保できないため、再建築が進まない
状況にある。これらの要因により、建築物の適切な管理や更新が進まず、中には空き家となっ
て放置された結果、老朽化が更に進み倒壊のおそれがある危険建築物となる事例が急増してい
る。
また、通路(非道路)と敷地の境界が曖昧なものがあり、所有者すらその認識がないため、
花壇を作ったり、出窓にしたりして、許可条件を満たさなくしている例も数多く見られる。
3 細街路対応の必要性
1) 防災性
沿道建築物の倒壊に伴う道路閉塞により、地震災害時の消火・救助活動の困難性、
延焼増大の危険性があり、都市防災上も速やかな対応が必要である。
2) 住民の通行の利便性
非道路といえども、そこには多くの市民が日常生活を営んでおり、
生活道路としての利便性も有している。こうした市民の生活は、いかなる法律の下におい
ても侵害されるものではない。
3) 景観保全
細街路の中には、京都らしい風情を醸し出し、町並み景観の重要な要素を有す
るものとして、多くの観光客をひきつけているものもある。祇園町南側はその代表的なケ
ースであり、京都らしい景観を形成するひとつの要因であるが、建物を更新する場合には、
各種の法規制等が課せられるため、細街路沿道の歴史的な街並みが維持しにくい状況にあ
る。
4) 私権の保護
細街路の多くは私道であり、その拡幅や維持管理は所有者に任せられている。
2項道路で2m後退しても、後退部分を道路として整備されずに、私道内に工作物が設け
られるなど、安全を確保するという目的が実現できていないケースがみられる。しかし、
私道であってもまちを構成する重要な基本単位であり、その数の多さから都市防災上の課
題となっており、行政が積極的に関わっていく必要があると考える。
5) 社会資源の活用
細街路であるために、空き家として、空地として放置されている現状は、
土地という社会資源が蔑ろにされていることでもある。よりよいまちづくりを誘導するに
は、こうした社会資源を行政が如何に有効に活用するかにかかっている。
4 対応改善の方法
1) 現行法のもとでの改善策
京都市建築審査会の建議においては、 ①細街路の実態調査と細街路マップの作成
②細街
路の多様な指標による分類と施策の体系化
街路条例(仮称)」の制定等
③地域等との連携
④庁内横断的な検討
⑤「細
を求めている。
現行法のもとでも、運用如何によっては大きな効果も期待されるところである。
2) 立法的改善策
建築基準法は全国一律に適用されるため、地域特性に応じた対策が求められるときには、的
確には応えられない場合がある。そこで、多くの場合、市町村条例の制定などにより地域特性
に応じた対策が可能となる。
京都市では、現在、歴史的景観を形成する京町家が、市民の財産として次世代に引き継がれ
るようにと新条例が検討されている。
5 宅建業協会からの細街路対策への提言
建築審査会建議は、建築基準法の施行に関する事項に対しての関係行政庁に対する意見である
が、私たちも、実務の中で日頃から改善できないかと考えている以下の事項について、「京都市
の細街路対策」に向けての京宅協の提言として取りまとめた。
1) 通路等の単位で43条ただし書許可の運用を
建築基準法43条ただし書により、一旦、判定で許可された建築物に係る通路等
については、その通路全体としての判定とし、当該通路等に接する他の建築物における許可申
請手続きを不要とする方が合理性があるのではないか。
ただし、この場合においても、通路等の防災性等の機能は当該住民間において充分に担保す
るものとする。
2) 非道路と建築基準法上の道路に接する敷地についても道路後退を
非道路と建築基準法上の道路の両方に接する敷地については、建築確認申請に際しては、非
道路に接する部分のセットバックは不要であるが、非道路のみに接する他の建築物への影響を
考えれば、非道路も道路とみなして、セットバックを義務付けることの方が実態に即した取扱
いになるのではないか。(立法的改善提案)
3) 法42条6項により非道路の2項又は3項道路指定を
法42条6項により、1.8m未満の道も建築審査会の同意を得れば2項又は3項道路とし
て指定することができる。非道路であれ、住民はその場所で生活しており、永住する権利も有
すると考える。したがって、6項を活用して、再建築を可能とするならば、私権は保障され、
地域の改善も図られるのではないか。法の弾力的な運用を強く求めるものである。
4) 道路後退の違反に対しては、法の適正な執行を
セットバックした2項道路が、工事完了後にまた元通りになっているケースが見受けられる。
道路に塀等を突出させた場合、その周辺住民が訴えても、最高裁判決によって、反射的利益に
すぎないとして、私人には訴えの利益がないとされているので、周辺住民はどうすることもで
きない。
こうした不合理に対しては、法の適正な執行を図るものとして、行政の能動的・積極的な対
応を強く求める。
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