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防災気象情報の改善について

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防災気象情報の改善について
平成27年度九州地方非常通信協議会実務担当者会議
防災気象情報の改善について
長崎地方気象台
防災管理官
上野
健志郎
防災気象情報のはじまり
 1820年ドイツのブランデスが世界で始めて天気図を作成
(ただし37年前のもの)
 1837年電信の実用化
 1849年イギリスで電信を利用した天気図作成
 クリミア戦争(1853~1856)
 フランスの艦隊が暴風により沈没⇒天気図の重要性
 1883年東京気象台で初めて天気図を作成、暴風警報の発表
 1884年東京気象台で天気予報を開始
2
1
気象観測
3
気象観測データの利用
4
2
数値予報
数値予報は、物理学の方程式により、風や気温な
どの時間変化をコンピュータで計算して将来の大
気の状態を予測する手法です。
数値予報モデル
規則正しく並んだ格子で大気を細かく覆い、そのひとつひとつの格子点の気圧、気温、
風などの値を世界中から送られてくる観測データを使って求め、これをもとに未来の気
象状況の推移をコンピュータで計算します。この計算に用いるプログラムを「数値予報
モデル」と呼んでいます。
気象庁では目的に応じて幾つかの数値予報モデルを運用しています。
5
数値予報モデルによる予報誤差
6
3
自然災害による死者・行方不明者
7
昭和57年7月豪雨(長崎大水害)
この年は6月13日に梅雨入りしたが、7月上
旬までは少雨傾向であった。しかし、その後
は梅雨前線が北上して活動が活発化し、7
月22日までの総降水量は600mm近くに達し
ていた。長崎市では7月23日午後から本格
的な雨となり、1時間100㎜を超える雨が3時
間も続き、大きな災害となった。
長崎県
長崎市
死者(人)
294
257
行方不明(人)
5
5
全壊家屋(棟)
584
447
半壊家屋(棟)
954
746
床上浸水(棟)
17909
14704
床下浸水(棟)
19197
8642
山がけ崩れ(ヶ所)
4457
583
昭和57年7月の日雨量
長崎
7月23日~24
日の時間雨量
記録的短時間大雨情報の契機となった
長崎
8
4
近年の災害と防災気象情報の改善等の動き
近年の自然災害
新潟・福島豪雨、福井豪雨、台風10個上陸、風水害死者・行方不明者233人
平成18年豪雪
局地的大雨による災害
多発、8月末豪雨
東日本大震災
新燃岳噴火
8月豪雨
新潟・福島豪雨、台風第12号 (広島市土砂災害)
中国・九州北部豪雨
兵庫県佐用町の水害
宮崎、北海道佐
呂間で竜巻
御嶽山噴火
茨城、栃木等で竜巻
九州北部豪雨
9月
関東・東北豪雨
平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年
気象レーダー観測を5分ごとに
土砂災害警戒情報開始(鹿児島)
指定河川洪水予報改善(レベル化)
特別警報
土砂災害警戒情報開始(全国)
内閣府
「避難勧告等の判断・伝達マニュ
アル作成ガイドライン」公表
竜巻注意情報開始
国土交通省
【新たなステージに対応し
た防災・減災のあり方】
災害対策基本法改正
市町村ごとの警報・注意報
5日先まで台風進路予報
土砂災害防止法改正
津波警報の改善
火山噴火警戒レベルの運用
噴火速報の運用
内閣府
「避難勧告等の判断・伝達マニュア
ル作成ガイドライン」見直し
防災気象情報の改善等
9
気象庁が発表する防災気象情報(大雨の場合)
特別警報・警報・注意報
◆特別警報
⼤⾬、⼤雪、暴⾵、暴⾵雪、波浪、⾼潮
が特に異常であるため、重⼤な災害の起
こるおそれが著しく⼤きい場合に、その
旨を警告して⾏う予報
◆警報
気象情報
 24時間から数⽇前に災害に結びつくよう
な、激しい現象が発⽣する可能性のある
ときに予告。
 警報・注意報の発表中に現象の推移や⾒
通しの変化、特に警戒の必要な点などを
補⾜。例)⼤⾬に関する⻑崎県気象情報
⼤⾬(⼟砂災害、浸⽔害)、洪⽔、⼤雪、
暴⾵、暴⾵雪、波浪、⾼潮により、重⼤
指定河川洪⽔予報
な災害が発⽣するおそれがある場合に、
 河川を管理する国⼟交通省(河川事務所)
その旨を警告して⾏う予報
や県と気象台が共同で発表します。
◆注意報
(⻑崎県では本明川が対象河川)
⼤⾬、洪⽔、⼤雪、強⾵、⾵雪、波浪、
はん濫注意情報/はん濫警戒情報/
⾼潮等により、災害が発⽣するおそれが
はん濫危険情報/はん濫発⽣情報
ある場合に、その旨を注意して⾏う予報
⼟砂災害警戒情報

⼤⾬警報の発表中、⼟砂災害の危険度が
⾼まった市町に対して都道府県と気象台
が共同で発表します。
記録的短時間⼤⾬情報

⼤⾬警報の発表中に、数年に⼀度の猛烈
な⾬を観測した場合に発表します。
⻑崎県の基準は1時間110ミリ
10
5
防災気象情報の入手方法
• 気象庁ホームページ
• 県、市町
– 気象庁が発表する防災
気象情報の他、気象・海
洋・地震・火山に関する
様々な情報を提供
• 防災情報提供センター
– 防災無線や防災ラジ
オ、防災メールなど
• テレビ、ラジオ
– 緊急警報放送
– データ放送
– 国土交通省が保有する
防災情報を集約して提供 • その他
するウェブサイト
– 緊急速報メール
– 各種の防災アプリ
平成27年11月○日から、特別警報を緊急速報メールで配信!
11
大雨時の気象情報と防災対応・行動
⼤⾬
約1⽇程度前
⼤⾬の可能性が
⾼くなる
気象台が発表する気象情報
⼟砂災害
浸⽔害
市町の防災対応
洪⽔害
・窓や⾬⼾など家の外の点検
⼤⾬に関する気象情報
・担当職員の連絡体制確認 ・避難場所の確認
・⾮常持出品の点検
警報・注意報に先⽴ち発表(予告的)
半⽇〜数時間前
⼤⾬始まる
⾬が強まる
⾬が⼀層
激しくなる
被害の拡⼤が
懸念される
これまでに経験の
ない⼤⾬となり、
さらに、被害の
拡⼤が懸念される
(⾮常事態)
警報になる可能性がある場合はその旨記述
⼤⾬に関する気象情報
・警戒すべき区域の巡視
⾬の状況や予想を適宜発表
⼤⾬警報
(⼟砂災害)
⼤⾬警報
(浸⽔害)
洪⽔警報
⼤⾬の期間、予想⾬量、警戒を要する事項な
どを⽰す
⼤⾬に関する気象情報
⾬の状況や予想を適宜発表
⼟砂災害
警戒情報
記録的短時
間⼤⾬情報
⼀層の警戒を
呼びかける短
⽂の気象情報
⼤⾬特別警報
⼤⾬警報が発表されているすべての
市町が⼤⾬特別警報の対象となる
記録的な⼤⾬に関する気象情報
市町名や地域名を記述
指定河川洪⽔予報
数時間前〜
2時間程度前
洪⽔注意報 ・連絡要員の配置
・気象状況を把握する体制
⼤⾬注意報
住⺠の⾏動
・気象情報に気をつける
・テレビ、ラジオ、気象庁
HPなどから最新の気象情
報を⼊⼿
・危険な場所に近づかない
・警報の住⺠への周知
・避難場所の準備・開設
・避難準備情報 の対象区域
の住⺠は避難の準備をする
・必要区域に避難準備情報
・避難準備情報 の対象区域
発令
の要配慮者は⽴ち退き避難
・防災気象情報等の分析に ・⽇頃と異なったことがあれ
ついて、必要に応じて関
ば市役所などへ通報
係機関へ助⾔を求める
・必要区域に避難勧告発令 ・避難勧告や避難指⽰の対象
区域の住⺠は⽴ち退き避難
・必要区域に避難指⽰発令
・特別警報を住⺠へ伝達す
るとともに、直ちに最善
を尽くして⾝を守るよう
住⺠に呼びかける
・避難勧告等の対象区域の
範囲は⼗分かなど、既に
実施済みの措置の内容を
再確認
・直ちに命を守る⾏動をとる
(避難所へ避難するか、外出
することが危険な場合は屋
内で安全を確保する)
12
6
土砂災害警戒情報
⼤⾬警報(⼟砂災害)が発表されている状況で、⼟砂災害発⽣の危険度が⾮常に⾼まったときに、市町村⻑が
避難勧告等の災害応急対応を適時適切に⾏えるよう、また、住⺠の⾃主避難の判断の参考となるよう、対
象となる市町村を特定して都道府県と気象庁が共同で発表する。
土砂災害警戒判定メッシュ情報
13
特別警報
「東日本大震災」や「伊勢湾台風」といった、誰もが一度は聞いたことがあるような大災
害が起こるおそれがある時に、住民の皆さんに最大限の警戒を呼びかけるものです。
14
7
特別警報の基準
現象の種類
基準
大雨
台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予
想され、若しくは、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯
低気圧により大雨になると予想される場合
暴風が吹くと予想される場合
暴風
数十年に一度の強度の台
風や同程度の温帯低気圧
により
高潮
高波となると予想される場合
波浪
暴風雪
大雪
高潮となると予想される場合
数十年に一度の強度の台風と同程度の温帯低気圧により、雪
を伴う暴風が吹くと予想される場合
数十年に一度の降雪量となる大雪が予想される場合
※ 『洪水』は、全国約400の河川において各河川の水位状況に応じた指定河川
洪水予報を発表し、注意・警戒を呼びかけるため特別警報はありません。
15
数十年に一度とは・・・
数十年に一度の具体的な指標は、
大雨特別警報:50年に一度程度の雨(3時間、48時間、土壌雨量指数)
台風等:中心気圧が930hPa以下、又は最大風速50m/s以上。
50年に一度の48時間降水量(長崎県では概ね300~600ミリ)
長崎県付近の拡大図
5km格子ごとに、50年に一度の値を算出
16
8
特別警報が発表されたら・・・
直ちに命を守る行動を!
「住居の位置」や「住居の構造」、「既に浸水が生じている状況な
のか否か」によって「自宅外避難」の必要性は異なりますので、冷
静な判断が重要です。
災害から命を守ることができる行動を考えておきましょう。
17
新たなステージに対応した防災気象情報
18
9
新たなステージに対応した防災・減災のあり方
国土交通省 「新たなステージに対応した防災・減災のあり方に関する懇談会」公表資料より
近年、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化(新たなステージ)
災害に対する脆弱性
最悪の事態の想定
最悪の事態も想定して、個人、企業、地方公共団体、国等が、主体的に、かつ、連携して
対応することが必要であり、これらについての今後の検討の方向性についてとりまとめ
命を守る
社会経済の壊滅的な被害を回避する
「行動指南型」の避難勧告に加え、「状況
情報」の提供による主体的避難の促進、
広域避難体制の整備等を目指す。
最悪の事態を想定・共有し、国、地方公
共団体、公益事業者、企業等が主体的
かつ、連携して対応する体制の整備を目
指す。
短時間強雨の増加
将来の予測
• 大雨の発生頻度、短時間強雨と
もに増加
• 梅雨明けは不明瞭となり、遅れる
傾向がみられる
「九州・山口県の地球温暖化予測情報」より
19
新たなステージに対応した防災気象情報(概要)
新たなステージに対応した防災気象情報
基本的⽅向性
○社会に⼤きな影響を与える現象について、可能性が⾼くなくとも発⽣のおそれを積極的に伝えていく。
○危険度やその切迫度を認識しやすくなるよう、分かりやすく情報を提供していく。
① 時系列で危険度を⾊分けした分かりやすい表⽰
④ 実況情報の提供の迅速化
○ 今後予測される⾬量等や危険度
の推移を時系列で提供
○ 危険度を⾊分け
○ 迅速な安全確保⾏動を促進する観点から、記録的
短時間⼤⾬情報をこれまでより最⼤で30分早く発表
【改善策】
平成xx年x月x日1 1時xx分xx気象台発表
xx市
[発表]大雨(土砂災害、浸水害),洪水警報
高潮 注意報
[継続]暴風,波浪警報 雷注意報
今日
9時
雨量(mm)
【現在】
明日
12時 15時 18時 21時 00時 03時 06時 09時
10 30 50 80 50 30 10
0
0
12
15
4
0.6
12
15
3
0.6
大雨 (浸水害)
(土砂災害)
洪水
注意報・警報
(文章形式)
風
陸上(m/s)
海上(m/s)
波浪 (m)
高潮 (m)
15
20
4
0.6
20
25
6
0.6
20
25
6
1.3
25
30
8
1.8
20
25
6
1.8
20
25
6
0.6
15
20
4
0.6
② 翌朝までの「警報級の現象になる可能性」の提供
○ 夜間の避難を回避するため、可能性が⾼くなくても、
「明朝までに警報級の現象になる可能性」を
⼣⽅までに発表
③ 数⽇先までの「警報級の現象になる可能性」の提供
○ 台⾵等対応のタイムライン⽀援の観点から、
数⽇先までの警報級の現象になる可能性を提供
日付
警報級の
可能性
雨
風
明日
-
-
明後日
中
中
(金)
高
高
(土)
高
高
⑤ メッシュ情報の充実・利活⽤促進
○ メッシュ情報の充実
○ さまざまな地理情報との重ね合わせ
○ メッシュ情報の利活⽤促進
道路や河川、鉄道などの地理情報と
重ね合わせてメッシュ情報を提供
継続的・中⻑期的に取り組むべき事項
(日)
-
中
○ 市町村等への⽀援や住⺠への普及啓発活動の継続
○ 分かりやすい防災気象情報となるよう不断の⾒直し
20
10
改善① 時系列で危険度を⾊分けした分かりやすい表⽰(気象警報・注意報発表時)
時系列で雨量等や危険度を分かりやすく提供(気象警報・注意報発表時)
現
状 気象警報・注意報には、現象ごとの「警戒期間」、「注意期間」、「ピーク時間帯」、
雨量や潮位の「予想最大値」等が記述されているが、受け手が危険度や切迫度を認識しづらい。
計
画 気象警報・注意報の文中に文章で表現・提供してきた事項を、危険度に応じて色分けをした時
系列の表形式により視覚的に把握しやすい形で提供。(平成29年度から)
現状
平成xx年x月x日11時xx分
xx市
土砂
浸水
洪水
風
波
高潮
改善後
xx気象台発表
平成xx年x月x日11時xx分xx気象台発表
[発表]大雨(土砂災害、浸水害),洪水警報
高潮注意報
[継続]暴風,波浪警報
xx市
警戒期間 13日夕方から 14日未明まで
注意期間 13日昼過ぎから 14日明け方まで
警戒期間 13日夕方から 13日夜遅くまで
注意期間 13日昼過ぎから 14日未明まで
防災情報提供
雨のピークは13日夜のはじめ頃
1時間最大雨量 80ミリ
システムでは
警戒期間 13日夕方から 14日未明まで
平成28年度から
注意期間 13日昼過ぎから 14日明け方まで
試行表示
警戒期間 13日昼過ぎから 14日未明まで
注意期間 14日昼前にかけて 以後も続く
ピークは13日夜のはじめ頃
陸上 最大風速 25メートル
海上 最大風速 30メートル
警戒期間 13日昼過ぎから 14日未明まで
注意期間 14日昼前にかけて 以後も続く
ピークは13日夜のはじめ頃 波高 8メートル
警戒期間 13日18時頃から 13日24時頃まで
注意期間 13日15時頃から 13日24時頃まで
ピークは13日18時頃 最高潮位 1.8メートル
(警戒が必要な期間と、ピーク量・時間帯のみを記載。)
[発表]大雨(土砂災害、浸水害),洪水警報
高潮注意報
[継続]暴風,波浪警報
今日
9時
雨量(mm)
明日
12時 15時 18時 21時 00時 03時 06時 09時
10 30 50 80 50 30
大雨 (浸水害)
(土砂災害)
洪水
風
陸上(m/s)
海上(m/s)
波浪 (m)
高潮 (m)
15 20 20 25 20 20 15 12 12
20 25 25 30 25 25 20 15 15
4 6 6 8 6 6 4 4 3
0.6 0.6 1.3 1.8 1.8
今後の危険度の高まりを即座に把握できる!
21
改善② 翌朝までの「警報級の現象になる可能性」の提供
翌朝までの「警報級の現象になる可能性」の提供イメージ
現
状 警報級の現象となる可能性は、可能性が高い場合のみ、注意報や府県気象情報で発表してい
る。可能性が一定以上認められても、高いとまで予想されない状況では、何も発表しない。
計
画 警報級の現象は、ひとたび起これば重大な災害のおそれがあり社会的に大きな影響を与える
ことから、たとえ可能性が高くない状況であっても、警報級の現象になる可能性を積極的に発
表する。また、予想される最大の雨量などの量的予報も提供する。 (平成29年度から)
現状
改善後
大雨になる可能性について、[高]、[中]
といった2段階の確度を付して発表。
最も可能性の高い予測に基づき発表。
夕方発表の天気予報
○○県南部
△△日 17時発表
今夜はくもり。所により雨で、雷を伴い激しく降る。
夕方発表の天気予報
防災情報提供
システムでは
平成28年度から
試行を開始
○○県南部
△△日 17時発表
今夜はくもり。所により雨で、雷を伴い激しく降る。
今夜から明朝にかけて、
警報級の大雨になる可能性 :
1時間降水量(最大値)
→ 「場合によっては大雨の心配がある」
という状況であることは伝わらない。
:
[中]
70ミリ
→ 「場合によっては大雨の心配がある」
という状況を伝えることができる。
通常より一段高い体制確保などの
判断に活用できる!
22
11
改善③ 数⽇先までの「警報級の現象になる可能性」の提供
数日先までの「警報級の現象になる可能性」の提供イメージ
現
状 警報級の現象については、可能性が高い場合のみ、府県気象情報の中で数日前から警戒を
呼びかけている。
計
画 台風等に対するタイムラインによる防災対応を支援するため、数日先までの防災気象情報の
提供の強化が必要であり、警報級の現象となる可能性を5日先まで提供。(平成29年度から)
現状
改善後
大雨になる可能性について、[高]、[中]
といった2段階の確度を付して発表。
大まかな天気変化について発表。
危険な大雨になるかどうかは分からない。
夕方発表の週間天気予報
夕方発表の週間天気予報
防災情報提供
システムでは
平成28年度から
試行を開始
明後日から5日先までの「警報級の大雨になる可能性」
明後日 3日先 4日先 5日先
[中]
[高]
[高]
-
→ 「場合によっては大雨の心配がある」
という状況を伝えることができる。
→ 「場合によっては大雨の心配がある」
という状況であることは伝わらない。
防災関係機関における数日前からの
体制・対応等の判断に活用できる!
改善④ 実況情報の提供の迅速化
23
記録的短時間大雨情報の迅速化
~ 少しでも早く状況の悪化を速報 ~
現
状 記録的短時間大雨情報の発表に利用している解析雨量の算出は30分間隔。
→ 実際の雨から情報の発表まで数十分を要する場合がある。
(記録的短時間大雨情報・・・現在の降雨がその地域にとって災害の発生につながるような稀にしか観測されない雨量となっているときに発表。)
計
画 雨量算出処理を、速報性を重視して10分間隔とし、算出の所要時間も10分間短縮。
→ 「処理頻度を3倍に増加」+「処理の迅速化」で、情報発信の迅速化!(平成28年度から)
現状
改善後
速報性を重視
雨量算出処理を
10分間隔に
土砂災害の発生した大雨の事例
・30分間隔で
・15分後に算出
平成26年8月20日広島県広島市
平成26年8月6日山口県岩国市
03:45
05:45
注) 解析値の算出時刻を記載。
実際の情報発表は、解析値が
異常値でないかどうかの確認
等を行ってからとなる。
注) 電文の仕様に変更はありません。
算出所要時間も
10分間短縮
・10分間隔で
・5分後に算出
平成28年度
改善
03:35
(10分早く発表)
05:15
(30分早く発表)
危険な状況を1分でも早く周知!
危険箇所等の居住者に安全確保行動を
より迅速にとっていただくなどの効果が、
これまでにも増して期待
24
12
改善⑤ 実況情報の提供の迅速化
土砂災害警戒判定メッシュ情報の改善
~ 土砂災害発生の危険度を地理情報と重ねて分かりやすく伝えます~
現
状 【利用者の声】 各メッシュの地図上の位置が分かりにくい。
【放送事業者の声】 視聴者のなかには、自分の市町村がどのような形をしているのかを
知らない人も多い (市町村境界だけを表示しても、どこだか分からない)。
計
画 高解像度降水ナウキャストと同じプラットホームを用いて、市町村名や既に公開されている
国土数値情報の地理情報(道路・鉄道・河川等)と重ね合わせて提供。(平成28年度から)
現状
改善後
地図の
拡縮を
可能に
気象庁HPで
平成28年度から
表示提供
道路・鉄道・河川等を重ねることで
自分のいる場所と危険度が把握できる
市町村境界線だけでは、
自分のいる場所がどこか分からない
自分に危険が迫っていることを知っていただく
改善⑤ 実況情報の提供の迅速化
25
浸水害警戒判定メッシュ情報の新設
~ 浸水害の危険度が高まっている地域を分かりやすく伝えます~
大雨警報(浸水害)で警戒を呼びかけている市町村内で、実際に浸水害の危険度が高まっ
ている地域を分かりやすく伝えることで、住民の主体的避難を支援します。
解析雨量(平成26年8月16日23時~17日02時)
雨量の分布
平成26年8⽉17⽇福知⼭市の⼤⾬
(死者1名、床上浸⽔2,029棟、床下浸⽔2,471棟)
(導入を目指し開発中)
浸水害の危険度を示すメッシュ情報
(mm)
福知山市役所
150
100
50
30
20
10
1
⾬量の分布を⽤い、地表付近での
流出量、地形(標⾼差)による
移動量などを逐次考慮
福知山市役所
浸⽔区域
■床上浸水が主
■床下浸水が主
福知山市役所
高
危
険
度
低
浸⽔害の危険度を⽰すメッシュ
情報では、⾬⽔の溜まりやすい
地域を表⽰する
自らに迫る危険を認識できる!
被害及び浸水区域は、
「平成26年8月豪雨 災害の記録」
(平成27年3月 京都府福知山市)より
26
13
今後のスケジュール(予定)
平成27年
平成28年
○ 気象分科会の提言を受けた改善内容と電文仕様などの説明
(今般の説明)
実施可能な
ものから順次
○ 「危険度で色分けした時系列」及び「警報級の可能性」の試行
(防災情報提供システムWEBコンテンツとして)
(対応する新たな「気象警報・注意報」及び「警報級の可能性」のXML電文を、希望される機関に
試行的に配信)
○ 土砂災害警戒判定メッシュ情報の分かりやすい表示の実施
○ 記録的短時間大雨情報の迅速化の実施
○ 竜巻注意情報の発表単位の細分化の実施
平成29年
出水期までに
○ 「危険度で色分けした時系列」及び「警報級の可能性」の運用開始
・ 防災情報提供システムに加え、気象庁ホームページでの表示開始
・ 新たな「気象警報・注意報」及び「警報級の可能性」のXML電文の
運用開始
○ 大雨警報(浸水害)の発表基準への浸水雨量指数の導入、
浸水害のメッシュ情報の提供開始
平成30年
3月(目途)
○ かな漢字形式等による電文の提供終了
27
分かりやすい火山情報の提供について
28
14
2015年3月 火山噴火予知連「火山情報の提供に関する検討会」最終報告
主な課題
○わかりやすい情報であったのか
・気象庁が発表する「火山の状況に関する解説情報」は、観測事実を正確に伝えるものではあるが、地元の関係機
関や一般の人々が、それをリスクの高まりと理解し、行動に結びつけることが出来るような内容であったのか。
・噴火発生等の観測事実を登山者等にわかりやすく端的に伝えることはできないか。
○どのようにその情報を伝えたのか
・地元の関係機関と火山情報に対する認識の共有を図り、山小屋の駐在者、登山ガイド等、日頃から山と接してい
る関係者を通じる等して登山者等への火山情報の伝達をより確実に出来なかったか。
・噴火発生等の観測事実を迅速に登山者等に伝えるための方策が新たに必要ではないか。
○気象庁と関係機関の連携は十分だったか
・気象庁は火山防災に携わる地元の関係機関と連携して具体的な防災対応を十分に実施できたか。
わかりやすい情報提供
(1)噴火警報の発表基準の公表
(2)火山活動の変化を観測した段階での情報提供
火山活動に変化があった場合、気象庁は、火山活動の状況とともに気象庁の対応状況等を記載し、臨時で
あることを明記した「火山の状況に関する解説情報」を発表する。
(3)臨時の機動観測の適切な実施
(4)噴火警戒レベル1におけるキーワード「平常」の表現の見直し
噴火警戒レベル1におけるキーワード「平常」の表現を、「活火山であることに留意」との表現に改める。
(5)気象庁ホームページの充実
(6)噴火速報の発表
(7)火山情報のより効果的な提供に向けた取り組み
観測データの急激な変化が噴火発生や噴火初期の変動を捉えたものであるかどうかを短時間で判別するた
めのデータ処理手法の改善など
29
噴火予報(噴火警戒レベル1)のキーワード等の変更(2015.5.18~)
30
15
噴火速報の運用(2015.8.4~)
火山噴火をいち早くお知らせ
目的
噴火速報は、登山中の方や周
辺にお住まいの方に、火山が
噴火したことを端的にいち早
く伝えることにより、身を守
る行動を取っていただくため
の情報です。
情報入手方法
テレビやラジオ、携帯端末などで
知ることができます。
XML電文でも配信します(新たに作
成したVFVO56形式による) 。
噴火速報の例
火山名 ○○山 噴火速報
平成△△年△△月△△日△△時△△分 気象庁地震火山部発表
**(見出し)**
<○○山で噴火が発生>
**(本 文)**
○○山で、平成△△年△△月△△日△△時△△分頃、噴火が発生しま
した。
31
「噴火速報」と既存の情報との関係
情報名
目的等
発表のタイミング
受け取り側の対応
噴火速報
噴火発生の観測事実を、迅速、端的かつ的確に
知らせる。(※)
噴火発生を確認した時刻で発表。噴煙高度
と流向、火砕流の流下距離等を確認する必
要がなく、即時に発表可能なため、噴火警報
発表前に発表される場合もある。
登山者等、山に立ち
入っている人の避難行
動(身の安全を守る)に
利用。
噴火に関
する火山
観測報
噴火が発生した際に、発生時刻や噴煙高度等を
知らせる。噴火が発生する度に発表する他、連
続的な噴火の場合は定期的に発表。
噴火発生の時刻、噴煙高度と流向を確認す
るため発表までに5~10分程度かかる。
航空機の安全運航に利
用。その他、降灰への
備えにも利用。
噴火警報
警戒範囲の決定や必要な発表手順を経て発
火山災害軽減のため、警戒が必要な範囲を発表
表する。
する警報。噴火警戒レベルの変更が必要な場合、
警戒範囲・警戒事項を変更する場合に発表。
地域防災計画で定めた
避難指示・入山規制等
の防災対応を行う(法
的な規制)。
噴火予報
噴火警報を解除する場合等に発表。
解除に係る評価等を経て発表する。
規制等防災対応の解除。
火山活動の状況について、臨時に発表。
地震回数、微動の発生状況、地殻変動、噴
煙の状況等から評価した火山の活動状況を
発表している。
火山活動状況の連絡・
共有。警報発表中では、
定期的な情報との区別
が付かない。
噴火警報発表後の補完として、火山活動の状況
について、定期的(毎金曜日16時等)に発表。
定期的な評価結果を情報で発表している。
警報発表後の地震回数
等火山活動状況の把握。
火山活動の状況や警戒事項について図表を用
いて、臨時に発表。
地震回数、微動の発生状況、傾斜計の状況、 火山活動状況の把握。
噴煙の状況等について、グラフ等により詳し
く解説する。
火山の状
況に関す
る解説情
報
火山活動
解説資料
火山活動の状況について、定期的(毎月)に発表。 定期的な評価結果についてグラフ等により詳
しく解説する。
※ただし以下のような場合には発表されない。
・普段から噴火している火山において、普段と同じ規模の噴火が発生した場合
・噴火の規模が小さく、噴火が発生した事実をすぐに確認できない場合
火山活動状況の把握。
32
16
火山情報の伝達
地域防災計画に
定める関係機関
○○気象台
住民・登山者
赤い二重線の経路は、活動火山対策特別
措置法 二十一条(改正法施行後 第十二
条)に規定されている伝達経路
活動火山対策特別措置法
第十二条 気象庁長官は 、火山
現象に関する観測及び研究の成果に
基づき、火山の爆発から住民等の生
命及び身体を保護するため必要があ
ると認めるときは、火山現象に関
する情報を関係都道府県知事
に通報しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規
定による通報を受けたときは、地域
防災計画(
災害対策基本法第二条第
十号に規定する地域防災計画をいう。
次項において同じ。)
の定めるところ
により、予想される災害の事態及び
これに対してとるべき措置について、
34
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/map_0.html
33
伝達しなければならない。この場
合において、必要があると認めるとき
は、市町村長は、住民、登山者その他
関係のある公私の団体に対し、予想
される災害の事態及びこれに対して
とるべき措置について必要な通報又は
警告をすることができる。
項を関係機関及び住民、登山者
その他関係のある公私の団体に
3 市町村長は、前項の通報を
受けたときは、地域防災計画の定め
るところにより、当該通報に係る事
関係のある指定地方行政機関
(
同条第四号に規定する指定地
方行政機関をいう。)の長、指定
地方公共機関(
同条第六号に規
定する指定地方公共機関をい
う。)、市町村長その他の関係者
に対し、必要な通報又は要請を
するものとする。
NHK○○放送局
関係機関
■「噴火警報」・「噴火速報」・「火山の状況に関する解説情報(臨時)」の通報・伝達系統図
の例
※
※鹿児島県については福岡管区気象台と鹿児島地方気
福岡管区気象台 象台が共同して担当
関係市町村
都道府県(○○課)
報道機関
火山登山者向け情報提供ページ(気象庁HP)
17
ご清聴有難うございました
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