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第2章 災害予防計画

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第2章 災害予防計画
第2章
災害予防計画
- 7 -
第1節 風害予防計画
風害等を予防するために必要な事業又は対策に関する計画を定めて未然防止を
図り、その被害を最小限に止めるものとする。
1 農林産物の予防対策
(1)農産物 …農業用施設等の管理指導を行う。
(2)林 業 …保育業務の推進を図る。
2 公園等樹木の予防対策
(1)危険木の枝切りの実施 …人命に対する危険予防と家屋等の損壊の未然防
止に努める。
3 一般建築構造物等に対する風害予防対策
(1) 構造物等に対し補強等の推進を図る。
(2) 飛散予想の構造物等に対し予防措置の徹底を図る。
《参考》
① 台風は、多くの積乱雲によって放出される熱をエネルギー源として発達した
渦であり、過去 30 年間(1981~2010 年)の平均では年約 26 個発生し、そのう
ち平均約 3 個が日本に上陸し、そのうち約 1 個が九州に上陸している。
気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として,下表のように風速(10
分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現します。 「大きさ」
は「強風域(風速 15m/s 以上の強い風が吹いているか,地形の影響などがない
場合に吹く可能性のある範囲)」の半径で,
「強さ」は「最大風速」で区分して
います。
② 台風の大きさの階級分け
階級
大型(大きい)
超大型(非常に大きい)
風速 15m/s 以上の半径
500km 以上~800km 未満
800km 以上
③ 台風の強さの階級分け
階級
強い
非常に強い
猛烈な
最大風速
33m/s(64 ノット)以上~44m/s(85 ノット)未満
44m/s(85 ノット)以上~54m/s(105 ノット)未満
54m/s(105 ノット)以上
④ 風の強さと吹き方
風の
平均
強さ
風速
(予報
(m/s)
用語)
やや
強い
風
10以上
15 未満
おお
よそ
の時
速
~
50km
速さ
の
目安
人への
影響
屋外・
樹木の
様子
走行中の車
一般
道路
の自
動車
風に向か
って歩き
にくくな
る。
傘がさせ
ない。
樹木全
体が揺
れ始め
る。
電線が
揺れ始
める。
道路の吹流
しの角度が
水平になり、
樋(とい)が
高速運転中
揺れ始める。
では横風に
流される感
覚を受ける。
- 8 -
建造物
おおよ
その瞬
間風速
(m/s)
20
強い
風
15以上
20未満
20以上
25 未満
非常
に強
い風
25以上
30未満
30以上
35 未満
猛烈
な風
35以上
40未満
40 以上
風に向か
って歩け
なくなり、
転倒する
人も出る。
高所での
作業はき
わめて危
険。
~
70km
~
90km
高速
道路
の自
動車
~
110k
m
何かにつ
かまって
いないと
立ってい
られない。
飛来物に
よって負
傷するお
それがあ
る。
~
125k
m
~
140k
m
140k
m~
特急
電車
電線が
鳴り始
める。
看板や
トタン
板が外
れ始め
る。
細い木
の幹が
折れた
り、根
の張っ
ていな
い木が
倒れ始
める。
看板が
落下・
飛散す
る。
道路標
識が傾
く。
高速運転中
では、横風に
流される感
覚が大きく
なる。
屋根瓦・屋根
葺材がはが
れるものが
ある。
雨戸やシャ
ッターが揺
れる。
30
通常の速度
で運転する
のが困難に
なる。
多くの
樹木が
屋 外 で の 倒 れ 走行中のト
行 動 は 極 る。
ラックが横
めて危険。 電柱や 転する。
街灯で
倒れる
ものが
ある。
ブロッ
ク壁で
倒壊す
るもの
が あ
る。
屋根瓦・屋根
葺材が飛散
するものが
ある。
固定されて
いないプレ
ハブ小屋が
移動、転倒す
る。
ビニールハ
ウスのフィ
ルム(被覆
材)が広範囲
に破れる。
固定の不十
分な金属屋
根の葺材が
めくれる。
養生の不十
分な仮設足
場が崩落す
る。
外装材が広
範囲にわた
って飛散し、
下地材が露
出するもの
がある。
住家で倒壊
するものが
ある。
鉄骨構造物
で変形する
ものがある。
(注1) 平均風速は10分間の平均、瞬間風速は3秒間の平均です。風の吹き方は絶えず強
弱の変動があり、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いですが、大
気の状態が不安定な場合等は3倍以上になることがあります。
(注2) この表を使用される際は、以下の点にご注意下さい。
1. 風速は地形や廻りの建物などに影響されますので、その場所での風速は近くにある
観測所の値と大きく異なることがあります。
2. 風速が同じであっても、対象となる建物、構造物の状態や風の吹き方によって被害
が異なる場合があります。この表では、ある風速が観測された際に、通常発生する
現象や被害を記述していますので、これより大きな被害が発生したり、逆に小さな
被害にとどまる場合もあります。
3. 人や物への影響は日本風工学会の「瞬間風速と人や街の様子との関係」を参考に作
成しています。今後、表現など実状と合わなくなった場合には内容を変更すること
があります。
- 9 -
40
50
60
第2節 水害予防計画
水害を予防するために必要な事業又は施設の整備に関する計画とする。
1 災害の防止林の育成等に関する治山事業等
山林の土砂崩壊、土砂流出の防備等の災害防止と水源かん養、水資源確保の
ための治山事業については、国並びに県に対し事業推進を要請する。
また、人口造林、特に保水力を高めるため広葉樹林の拡大の推進を図る。
2 河川、排水路等の改修に関する事業
水路及び河川の整備事業などにより、排水能力は向上しているものの、自然
環境的に充分とは言えず、今後とも対策を講じる必要がある。
3 水防資材倉庫施設の整備、維持管理
過去の実績を参考とし、備蓄計画をたて、水防資材等の調達及び保管管理を
行う。
4 道路又は橋梁の整備
災害時における道路及び橋梁は、水防、避難、応急救助活動等の幹線として
重要な役割を持つ防災施設であるので、平素から水害に備え道路、橋梁等の改
善を図り災害を未然に防止し、また、被害の誘因となるものを排除する等、常
に維持補修に努めなければならない。
5 ため池の整備並びに維持補修
最近、耕作者及び耕作地の減少に伴い、ため池の維持管理等が不良となる傾
向にあるため、関係者への指導徹底を図る。
6 気象、水位、雨量等の観測
災害発生を事前に予測し適切な対策を講ずるため気象、河川等水位、雨量等
観測データの入手は不可欠なため収集のための整備を図る。
(1) 予報・警報 … 気象庁の関係機関が行う予報及び警報
気象庁が行い報道機関の協力を得て、公衆に周知させると共に、関係機
関に連絡することとなっている。
(2) 各種情報の収集
・関係団体による情報 … 河川情報センターや県河川砂防情報システム
からの雨量、河川水位等情報の受信。
・気象協会及び民間会社による情報
集を行う。
- 10 -
…
インターネットを活用し情報収
《参考》
雨の強さと降り方
1 時間
雨量
(mm)
予報
用語
人の受
けるイ
メージ
10 以
上~
20 未
満
やや
強い
雨
ザーザ
ーと降
る
20 以
上~
30 未
満
強い
雨
どしゃ
降り
30 以
上~
50 未
満
50 以
上~
80 未
満
激し
い雨
非常
に激
しい
雨
バケツ
をひっ
くり返
したよ
うに降
る
滝のよ
うに降
る(ゴ
ーゴー
と降り
続く)
人への
影響
地面か
らの跳
ね返り
で足元
がぬれ
る
屋内(木
造住宅
を想定)
雨の音
で話し
声が良
く聞き
取れな
い
傘をさ
してい
てもぬ
れる
屋外の
様子
地面一
面に水
たまり
ができ
る
道路が
川のよ
うにな
る
寝てい
る人の
半数く
らいが
雨に気
がつく
傘は全
く役に
立たな
くなる
水しぶ
きであ
たり一
面が白
っぽく
なり、
視界が
悪くな
る
車に乗って
いて
災害発生状況
この程度の雨で
も長く続く時は
注意が必要
ワイパーを
速くしても
見づらい
側溝や下水、小
さな川があふ
れ、小規模の崖
崩れが始まる
高速走行時、
車輪と路面
の間に水膜
が生じブレ
ーキが効か
なくなる(ハ
イドロプレ
ーニング現
象)
山崩れ・崖崩れ
が起きやすくな
り危険地帯では
避難の準備が必
要都市では下水
管から雨水があ
ふれる
車の運転は
危険
都市部では地下
室や地下街に雨
水が流れ込む場
合がある
マンホールから
水が噴出する
土石流が起こり
やすい
多くの災害が発
生する
息苦し
くなる
雨による大規模
ような
な災害の発生す
80 以 猛烈 圧迫感
るおそれが強
上~ な雨 があ
く、厳重な警戒
る。恐
が必要
怖を感
ずる
(注 1) 「強い雨」や「激しい雨」以上の雨が降ると予想される時は、大雨注意報や
大雨警報を発表して注意や警戒を呼びかけます。なお、注意報や警報の基準は
地域によって異なります。
(注 2) 猛烈な雨を観測した場合、「記録的短時間大雨情報」が発表されることがあ
ります。なお、情報の基準は地域によって異なります。
(注 3)
表はこの強さの雨が1時間降り続いたと仮定した場合の目安を示しています。
この表を使用される際は、以下の点にご注意下さい。
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1.表に示した雨量が同じであっても、降り始めからの総雨量の違いや、地形や
地質等の違いによって被害の様子は異なることがあります。この表ではある雨
量が観測された際に通常発生する現象や被害を記述していますので、これより
大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もあります。
2.この表は主に近年発生した被害の事例から作成したものです。今後新しい事
例が得られたり、表現など実状と合わなくなった場合には内容を変更すること
があります。
- 12 -
第3節 土砂災害の防止計画
この計画は、土砂災害から生命及び身体に対する安全を確保するため、土砂災害
の危険性のある区域を明らかにし、その区域内での警戒避難措置など対策を講じる
ための計画とする。
1 土砂災害警戒区域における警戒避難体制
(1) 県知事は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法
律(以下「土砂災害防止法」という。)第7条の規定に基づき、急傾斜地の崩
壊、土石流又は地滑りが発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生ず
るおそれがある土地の区域で、警戒避難体制を特に整備する必要がある区域を、
土砂災害警戒区域として指定することができる。
(2) 土砂災害警戒区域の指定があったときは、第8条の規定に基づき当該区域ご
とに土砂災害に関する情報の収集及び伝達、予報又は警報の発令及び伝達、避
難、救助その他土砂災害を防止するために必要な避難警戒体制を定め、住民へ
の周知に努めるものとする。
2 土砂災害警戒特別区域における措置
(1) 県知事は、土砂災害防止法第9条の規定に基づき、急傾斜地の崩壊、土石流
又は地滑りが発生した場合に、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるお
それがある土地の区域で、崩壊、流出した土砂が建築物を直撃する可能性が高
い区域を、土砂災害警戒特別区域として指定することができる。
(2) 土砂災害警戒特別区域においては、新たな宅地の造成工事や建築行為につい
ては必要な規制があり、また従前から存在する建築物で、住民等の生命に著し
い危険が生じると認められるものについては、県知事は移転その他土砂災害を
防止し、又は軽減するために必要な措置をとることを所有者等に勧告すること
ができるようになっている。したがって、勧告があった場合においては、当該
所有者等に対し、県と協力して移転等の措置を要請するものとする。
- 13 -
第4節 高潮予防計画
台風の影響による高潮は、海岸、堤防、漁港、公共施設、住家、道路、橋梁、鉄
道等に甚大な被害を与えてきた。これらの災害を防止するため、次により予防対策
を推進する。
1 海岸及び堤防の改修は、管理区分により国、県又は市がそれぞれ行う。
2 樋門、水門の点検及び故障箇所の補修等を実施する。
3 大雨、台風及び高潮の恐れがあるときはテレビ、ラジオその他により河川水
位及び潮位等の情報収集や実情の把握に努め、適時に樋門、水門を開閉する。
《参考》
高潮
… 台風や発達した低気圧に伴う暴風と気圧の低下が主な原因となって
海面が異常に上昇する現象です。台風に伴う風が沖から海岸へ向かって
吹くと、海水は海岸へ吹き寄せられ「吹き寄せ効果」と呼ばれる海岸付
近の海面の上昇が起こります。この場合、吹き寄せによる海面の上昇は、
風速の2乗に比例し、風速が2倍になれば海面上昇は4倍になります。
特にV字型の湾の場合は、奥ほど狭まる地形が海面上昇を助長させるよ
うに働き、湾奥ではさらに海面が高くなります。また、台風が接近し気
圧が低くなると海面が持ち上がります。これを「吸い上げ効果」といい、
外洋では気圧が1ヘクトパスカル(hpa)低いと海面は約1cm上昇す
るといわれています。
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第5節 火災予防計画
火災の発生を未然に防止し、また火災による被害の軽減を図るため、おおむね次
の施策を推進する。なお、県央広域市町村圏組合並びに島原広域市町村圏組合が常
備消防業務を行っているため、各種の指導等については、組合で行うものであるが、
非常備消防との連携の必要もあり、互いに協力して実施する。
1 予防査察体制の強化
消防法第4条に規定する予防査察については、消防対象物の用途等に応じ計画
的に実施し、市内の対象物の状況を把握して、火災発生の危険のある箇所の発見
に努め、これを改善させるよう指導を強化する。
2 火災警報等の発令
区
分
発
令
基
準
1
火災警報
実効湿度が60%以下であって最小湿度40%を下回り、
かつ最大風速毎秒7mを超える見込みのとき。
2 平均風速毎秒10m以上の風が、1時間以上連続して吹く
見込みのとき。(ただし、降雨、降雪等のときは発しないこ
とができる。)
※
長崎地方気象台から気象の状況が火災の予防上危険であると認められ
るときの情報を受けたときは、市長は警報を発令することができる。
(消
防法第22条)
3 火災予防の徹底
(1) 火災予防運動の実施等により市民意識の啓発
春、秋の全国一斉に行われる火災予防運動を実施すると共に、必要に応じ随
時広報紙・広報車、報道等で啓発を行う。
(2) 防火管理者制度の運用
学校、病院、工場等の消防法第8条に規定する防火対象物の所有者に対し防
火管理者を置くよう指導すると共に、消防訓練等を実施し、防火管理能力の向
上を図る。
(3) 火災予防意識の高揚
火災の多くは、一般家庭から発生しており自主防災組織、家庭の主婦を主体
に地域ぐるみの防火推進を図ると共に、予防査察、火災予防運動、広報活動等
を強化し、広く市民の防火意識の高揚及び啓発を図る。
4 危険物貯蔵取扱の規制
(1)発火性又は引火性危険物品の安全確保について指導を徹底する。
(2)違反施設並びに無許可施設等に対し指導の徹底と早期改善に努める。
(3)危険物取扱者の資質向上を図る。
5 消防力の強化
(1) 消防水利の定期的点検を行い、火災に備えて整備を図るとともに防火水槽
及び消火栓の増強を図る。
(2) 消防用機械器具は、常に適正な維持管理及び整備点検をを行うとともに、
機器の充実を図る。
- 15 -
第6節 干害予防計画
近年、異常気象に見舞われることも多く、長期間の降雨がなく、干害が発生すれ
ば農業等に甚大な被害をもたらすほか、日常の生活用水が不足する事態も予想され
る。
(1)水資源保全 … 河川の環境保全に努め、飲料水等として利用促進を図る。
(2)保水対策
… 広葉樹林等の緑地帯保全により保水力の向上に努め、雨水や
ため池を利用し、用水路等の整備を図る。
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第7節 気象伝達計画
1 特別警報・警報・注意報
大雨や強風などの気象現象によって、災害が起こるおそれのあるときには「注意報」が、
重大な災害が起こるおそれのあるときには「警報」が、重大な災害が起こるおそれが著し
く大きい場合には「特別警報」が、県内の市町村ごとに発表される。また、大雨や洪水な
どの警報等が発表された場合のテレビやラジオによる放送等では、重要な内容を簡潔かつ
効果的に伝えられるよう、これまでどおり市町村等をまとめた地域の名称を用いる場合が
ある。
特別警報・警報・注意報の概要
種
類
概
要
大雨、大雪、暴風、暴風雪、波浪、高潮が特に異常であるためによって重
特別警報
大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合、その旨を警告して行う予報
大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪、波浪、高潮によって重大な災害の起こ
警報
るおそれがある場合、その旨を警告して行う予報
大雨、洪水、大雪、強風、風雪、波浪、高潮等によって災害が起こるおそ
注意報
れがある場合に、その旨を注意して行う予報
特別警報・警報・注意報の種類と概要
特別警報・警報・注意報の種類
概
要
大雨が特に異常であるため重大な災害が発生するおそ
れが著しく大きいときに発表される。大雨特別警報に
大雨特別警報
は、大雨特別警報(土砂災害)、大雨特別警報(浸水害)、
大雨特別警報(土砂災害、浸水害)のように、特に警戒
すべき事項が明記される。
大雪が特に異常であるため重大な災害が発生するおそ
大雪特別警報
れが著しく大きいときに発表される。
暴風が特に異常であるため重大な災害が発生するおそ
暴風特別警報
れが著しく大きいときに発表される。
雪を伴う暴風が特に異常であるため重大な災害が発生
特別警報
するおそれが著しく大きいときに発表される。「暴風に
暴風雪特別警報 よる重大な災害」に加えて「雪を伴うことによる視程障
害等による重大な災害」のおそれについても警戒を呼び
かける。
高い波が特に異常であるため重大な災害が発生するお
波浪特別警報
それが著しく大きいときに発表される。
台風や低気圧等による海面の異常な上昇が特に異常で
あるため重大な災害が発生するおそれが著しく大きい
高潮特別警報
ときに発表される。
大雨警報
警報
洪水警報
大雨による重大な災害が発生するおそれがあると予想
されたときに発表される。大雨警報には、大雨警報(土
砂災害)、大雨警報(浸水害)、大雨警報(土砂災害、浸
水害)のように、特に警戒すべき事項が明記される。
大雨、長雨、融雪等により河川が増水し、重大な災害が
発生するおそれがあると予想されたときに発表される。
対象となる重大な災害として、河川の増水や氾濫、堤防
の損傷や決壊による重大な災害があげられる。
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大雪警報
暴風警報
暴風雪警報
波浪警報
高潮警報
大雨注意報
洪水注意報
大雪注意報
強風注意報
風雪注意報
波浪注意報
高潮注意報
濃霧注意報
注意報
雷注意報
乾燥注意報
なだれ注意報
着氷注意報
着雪注意報
大雪により重大な災害が発生するおそれがあると予想
されたときに発表される。
暴風により重大な災害が発生するおそれがあると予想
されたときに発表される。
雪を伴う暴風により重大な災害が発生するおそれがあ
ると予想されたときに発表される。「暴風による重大な
災害」に加えて「雪を伴うことによる視程障害等による
重大な災害」のおそれについても警戒を呼びかける。
高い波により重大な災害が発生するおそれがあると予
想されたときに発表される。
台風や低気圧等による海面の異常な上昇により重大な
災害が発生するおそれがあると予想されたときに発表
される。
大雨による災害が発生するおそれがあると予想された
ときに発表される。
大雨、長雨、融雪等により河川が増水し、災害が発生す
るおそれがあると予想されたときに発表される。
大雪により災害が発生するおそれがあると予想された
ときに発表される。
強風により災害が発生するおそれがあると予想された
ときに発表される。
雪を伴う強風により災害が発生するおそれがあると予
想されたときに発表される。「強風による災害」に加え
て「雪を伴うことによる視程障害等による災害」のおそ
れについても注意を呼びかける。
高い波により災害が発生するおそれがあると予想され
たときに発表される。
台風や低気圧等による海面の異常な上昇により災害が
発生するおそれがあると予想されたときに発表される。
濃い霧により災害が発生するおそれがあると予想され
たときに発表される。
落雷により災害が発生するおそれがあると予想された
ときに発表される。また、発達した雷雲の下で発生する
ことの多い竜巻等の突風や「ひょう」による災害につい
ての注意喚起が付加されることもある。急な強い雨への
注意についても雷注意報で呼びかけられる。
空気の乾燥により災害が発生するおそれがあると予想
されたときに発表される。具体的には、火災の危険が大
きい気象条件を予想した場合に発表される。
「なだれ」により災害が発生するおそれがあると予想さ
れたときに発表される。
著しい着氷により災害が発生するおそれがあると予想
されたときに発表される。具体的には、通信線や送電線、
船体等への被害が起こるおそれのあるときに発表され
る。
著しい着雪により災害が発生するおそれがあると予想
されたときに発表される。具体的には、通信線や送電線、
船体等への被害が起こるおそれのあるときに発表され
る。
- 18 -
融雪により災害が発生するおそれがあると予想された
ときに発表される。具体的には、浸水、土砂災害等の災
害が発生するおそれがあるときに発表される。
霜により災害が発生するおそれがあると予想されたと
霜注意報
きに発表される。具体的には、早霜や晩霜により農作物
への被害が起こるおそれのあるときに発表される。
低温により災害が発生するおそれがあると予想された
ときに発表される。具体的には、低温のために農作物等
低温注意報
に著しい被害が発生したり、冬季の水道管凍結や破裂に
よる著しい被害の起こるおそれがあるときに発表され
る。
※ 地面現象及び浸水警報・注意報は、その警報及び注意報事項を気象警報及び気象注意
報に含めて行う。
地面現象の特別警報は、大雨特別警報に含めて「大雨特別警報(土砂災害)」として発
表する。
融雪注意報
- 19 -
2 警報・注意報の発表基準(雲仙市)
平成 27 年 4 月 23 日現在
発表官署 長崎地方気象台
雲仙市
府県予報区
一次細分区域
市町村等をまとめ
た地域
島原半島
平坦地:3時間雨量 110mm
平坦地以外:1時間雨量 60mm
(土砂災害) 土壌雨量指数基準 156
平坦地:3時間雨量 110mm
雨量基準
平坦地以外:1時間雨量 60mm
流域雨量指数基準 -
洪水
複合基準
-
指定河川洪水予報
-
による基準
陸上
20m/s*1
暴風
平均風速
外海
20m/s
有明海
20m/s
陸上
20m/s*1 雪を伴う
暴風雪
平均風速
外海
20m/s 雪を伴う
有明海
20m/s 雪を伴う
平地
24 時間降雪の深さ 15cm
大雪
降雪の深さ
山地
24 時間降雪の深さ 30cm
外海
6.0m
波浪
有義波高
有明海
2.5m
有明海側 3.5m
高潮
潮位
橘湾側
2.4m
平坦地:3時間雨量 70mm
雨量基準
平坦地以外:1時間雨量 40mm
大雨
土壌雨量指数基準 101
平坦地:3時間雨量 70mm
雨量基準
平坦地以外:1時間雨量 40mm
流域雨量指数基準 -
洪水
複合基準
-
大
雨
警報
長崎県
南部
注意報
強風
風雪
大雪
波浪
(浸水害)
雨量基準
指定河川洪水予報
-
による基準
陸上
平均風速
外海
有明海
陸上
平均風速
外海
有明海
平地
降雪の深さ
山地
外海
有義波高
有明海
- 20 -
10m/s*2
10m/s
10m/s
10m/s*2 雪を伴う
10m/s 雪を伴う
10m/s 雪を伴う
24 時間降雪の深さ 5cm
24 時間降雪の深さ 10cm
2.5m
1.5m
高潮
雷
融雪
有明海側 3.0m
橘湾側
1.9m
落雷等により被害が予想される場合
潮位
陸上
100m
濃霧
視程
外海
500m
有明海
500m
乾燥
①最小湿度 45%で、実効湿度 65% ②実効湿度 60%
積雪の深さ 100cm 以上で、次のいずれか
なだれ
1 気温 3℃以上の好天 2 低気圧等による降雨 3 降雪の
深さ 30cm 以上
夏期:平年より平均気温が 4℃以上低い日が 3 日続いた後、
低温
さらに 2 日以上続くと予想される場合
冬期:最低気温が-3℃以下
11 月 30 日までの早霜、3 月 15 日以降の晩霜 最低気温 4℃
霜
以下
大雪注意報・警報の条件下で、気温が-2℃~2℃ 湿度 90%
着氷・着雪
以上
記録的短時間大雨情報
1時間雨量
110mm
*1
雲仙岳特別地域気象観測所の観測値は、25m/s を目安とする。
*2
雲仙岳特別地域気象観測所の観測値は、17m/s を目安とする。
【警報・注意報基準一覧表の解説】
(1)警報とは、重大な災害が起こるおそれのある旨を警告して行う予報であり、注意報とは、
災害が起こるおそれのある旨を注意して行う予報である。警報・注意報は、気象要素が本表の
基準に達すると予想される当該市町村等に対して発表する。
(2)大雨、洪水、大雪、高潮、波浪の警報・注意報、暴風警報、暴風雪警報、強風注意報、風
雪注意報、濃霧注意報には表中の欄で基準として用いる気象要素を示す。また、記録的短時間
大雨情報には表中の欄で基準を示す。
(3)大雨、洪水、大雪、高潮、波浪の警報・注意報、暴風警報、暴風雪警報、強風注意報、風
雪注意報および記録的短時間大雨情報では、基準における「…以上」の「以上」を省略した。
また、乾燥注意報、濃霧注意報では、基準における「…以下」の「以下」を省略した。なお、
上記以外の注意報では、基準の表記が多岐にわたるため、省略は行っていない。
(4)表中において、発表官署が警報・注意報の本文中で用いる「平地、山地」等の地域名で基
準値を記述する場合がある。
(5)現象による災害がきわめて稀であり、災害との関係が不明確であるため具体的な基準を定
めていない警報・注意報についてはその欄を空白で、大雨及び洪水警報・注意報の雨量基準、
土壌雨量指数基準、流域雨量指数基準、複合基準のうち基準を定めていないもの、または、洪
水警報・注意報の基準となる洪水予報指定河川がない場合についてはその欄を“-”で、それ
ぞれ示している。
(6)大雨及び洪水の欄中においては、「平坦地、平坦地以外」等の地域名で基準値を記述する
場合がある。「平坦地、平坦地以外」等の地域は別添地図
(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index_h.html )を参照。
(7)大雨警報については、雨量基準に到達することが予想される場合は「大雨警報(浸水害)」、
土壌雨量指数基準に到達すると予想される場合は「大雨警報(土砂災害)」、両基準に到達す
ると予想される場合は「大雨警報(土砂災害、浸水害)」として発表するため、大雨警報の欄
中、(浸水害)は「大雨警報(浸水害)」、(土砂災害)は「大雨警報(土砂災害)」の基準
をそれぞれ示している。
(8)土壌雨量指数基準値は1km 四方毎に設定しているが、本表には市町村等の域内における基
準値の最低値を示している。
1km 四方毎の基準値については、別添資料
(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index_shisu.html )を参照のこと。
- 21 -
(9)高潮警報・注意報の潮位は一般に高さを示す「標高」で表す。「標高」の基準面として東
京湾平均海面(TP)を用いるが、島嶼部など一部では国土地理院による高さの基準面あるいは
MSL(平均潮位)等を用いる。
(10)地震や火山の噴火等、不測の事態により気象災害にかかわる諸条件が変化し、通常の基
準を適用することが適切でない状態となることがある。このような場合は、非常措置として
基準のみにとらわれない警報・注意報の運用を行うことがある。また、このような状態があ
る程度長期間継続すると考えられる場合には、特定の警報・注意報について、対象地域を必
要最小限の範囲に限定して「暫定基準」を設定し、通常より低い基準で運用することがある。
【参考】
土壌雨量指数:土壌雨量指数は、降雨による土砂災害発生の危険性を示す指標で、土壌中に貯
まっている雨水の量を示す指数。詳細は土壌雨量指数の説明
(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/dojoshisu.html)を参照。
流域雨量指数:流域雨量指数は、降雨による洪水災害発生の危険性を示す指標で、対象となる
地域・時刻に存在する流域の雨水の量を示す指数。詳細は流域雨量指数の説明
(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/ryuikishisu.html)を参照
平坦地、平坦地以外の定義
平 坦 地:概ね傾斜が 30 パーミル以下で、都市化率(ここでは、国土数値情報の土地利用
情報に基づき、
(建物用地+幹線交通用地)/(すべて-河川・湖沼・海浜・海
水)として算出)が 25 パーセント以上の地域
平坦地以外:上記以外の地域
- 22 -
3
特別警報・警報・注意報の発表区域(南部)
府県予報
区名
1次細分
区域名
市町村等をまとめた
地域名
島原半島
長崎県
南部
長崎地区
諫早・大村地区
西彼杵半島
警報等の発表単位となる
市町・地域等名
(2次細分区域名)
雲仙市
島原市
南島原市
長崎市
長与町
時津町
諫早市
大村市
西海市(江島・平島を除く)
※ 大雨や洪水などの警報等を発表した場合、テレビやラジオなどで放送されますが、この時、本
表の「市町村等をまとめた地域名」を使って放送される場合があります。
ア 発表の基準の欄に記載した数値は、過去の災害発生頻度と気象条件との関係を調査した
上で決定する。
イ 特別警報・警報・注意報はその種類に係わらず、これらの新たな警報・注意報が行われた
ときに切り替えられるものとし、又は解除されるときまで継続されるものとする。
ウ 特別警報・警報・注意報には、防災上特に必要となる事項を「注意警戒文」として、本
文冒頭に表現する。この「注意警戒文」の内容は次の通りとし、簡明な記載を行う。
(い つ) 注意警戒すべき期間・・・具体的に示す
(どこで) 注意警戒すべき地域・・・現象の中心になると予想される地域
(何 が) 注意警戒すべき気象現象など・・・量的な予測
4
5
6
7
長崎県気象情報
気象の予報等について、特別警報・警報・注意報に先立って注意を喚起する場
合や、特別警報・警報・注意報が発表された後の経過や予想、防災上の注意を解
説する場合等に発表する。
土砂災害警戒情報
長崎県と長崎地方気象台が共同で発表する情報で、大雨警報(土砂災害)発表
中に、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったとき、市長が避難勧告等を発
令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう市町ごとに発表する。
土砂災害警戒情報に加え、大雨特別警報(土砂災害)が発表されているときは、
避難勧告等の対象地区の範囲が十分であるかどうかなど、既に実施済みの措置の
内容を再度確認し、その結果、必要に応じて避難勧告の対象地域の拡大等の更な
る措置を検討する必要がある。
記録的短時間大雨情報
県内で、数年に一度程度しか発生しないような猛烈な短時間の大雨を観測(地
上の雨量計による観測)又は解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた
分析)したときに、府県気象情報の一種として発表する。
長崎県潮位情報
副振動(※1)や異常潮位(※2)大潮(※3)などの潮位の変動により、被害
の発生するおそれがある場合や、潮位の状況を解説する場合に発表する。
※1 副振動:湾などで観測される周期数分から数十分程度の海面の昇降現象
- 23 -
※2
異常潮位:潮位が比較的長期間(1 週間から 3 ヶ月程度)継続して平常よ
り高く(もしくは低く)なる現象
※3 大潮:遡(新月)及び望(満月)の頃、満潮と干潮の差が大きくなった
状態
8 竜巻注意情報
積乱雲の下で発生する竜巻、ダウンバースト等による激しい突風に対して注意
を呼びかける情報で、雷注意報が発表されている状況下において竜巻等の激しい
突風の発生しやすい気象状況になっているときに、長崎県単位で発表する。
また、竜巻の目撃情報が得られた場合には、目撃情報があった地域を示し、そ
の周辺で更なる竜巻等の激しい突風が発生するおそれが非常にたかまっている
旨を、長崎県単位で発表する。この情報の有効期限は、発表から 1 時間である。
9 火災気象通報
消防法の規定により、気象の状況が火災の予防上危険と認められるときに長崎
地方気象台が長崎県知事に対して通報し、県を通じて市町や消防本部に伝達され
る。
10 緊急地震速報
気象庁は、緊急地震速報を発表し、日本放送協会(NHK)に伝達する。また、
テレビ、ラジオ、携帯電話(緊急速報メール機能)、全国瞬時警報システム(J
-ALERT)経由による市区町村の防災無線等を通して住民に伝達する。なお、
震度6弱以上の揺れを予想した緊急地震速報(警報)は、地震動特別警報に位置
づけられる。
(詳細については、第2編 地震災害対策編を参照)
11 津波警報等の種類とその内容
長崎地方気象台は、気象庁が発表する津波警報、津波注意報、津波予報等を県
内関係機関に伝達する。なお、大津波警報については、津波特別警報に位置づけ
られる。
(詳細については、第2編 地震災害対策編を参照)
12 火山現象に関する警報等
長崎地方気象台は、福岡管区気象台及び気象庁が発表する「雲仙岳」に関する
噴火警報、噴火予報等を県内関係機関に伝達する。なお、噴火警報(居住地域)
は、警戒が必要な居住地域を含む市町村に対する火山現象特別警報に位置づけら
れる
(詳細については、第3編 活動火山「雲仙岳」災害対策編を参照)
13 気象庁、国土交通省及び長崎県等が保有する雨量・河川水位等の情報を、一般
住民が入手できる手段の周知を図る。
・気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/index.html
・長崎地方気象台
http://www.jma-net.go.jp/nagasaki-c/
・国土交通省防災情報センター
http://www.river.go.jp
[携帯電話]
http://i/.river.go.jp
・九州防災ポータルサイト
http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/kyusyubosai/index.html
[携帯電話] http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/m/
・長崎県河川砂防情報システム
http://www.kasen-sabo.pref.nagasaki.jp/
[携帯電話]
http://www.kasen-sabo.pref.nagasaki.jp/i/(NTT ドコモ)
[携帯電話]
http://www.kasen-sabo.pref.nagasaki.jp/v/(SoftBank)
[携帯電話]
http://www.kasen-sabo.pref.nagasaki.jp/ez/(au by KDDI)
- 24 -
- 25 -
- 26 -
第8節 災害通信整備計画
1 災害通信網の整備
災害を未然に防止し、人命財産を守るため、情報の収集、伝達及び関係機関の
相互連絡等が迅速・確実に行われるよう、通信施設の整備と運用体制の確立を図
る。
情報の収集、伝達等は、原則として一般電話を使用するが、有線通信が輻輳、
途絶する場合もあるので、NTTの災害応急復旧用無線電話、携帯電話、防災関
係機関の各種無線電話など複数の通信手段の活用体制を整備すると共に、住民に
対し気象・防災に関する情報を迅速に伝達するため、テレビ、ラジオのほか地域
密着型媒体(ケーブルテレビ、防災行政無線)の効果的活用を図る。
2 災害通信施設
(1)有線通信施設
①専用電話を利用した施設の整備を図る。
②一斉送信が可能なファクシミリ網の拡大を図る。
(2)無線通信施設
①防災行政無線の整備、充実を図ると共に、必要な措置を講ずる。
②現行の無線設備状況(平成24年3月31日現在)
・固定局 … 親局1局、 屋外拡声子局 …214局
・移動系 … 基地局7局 陸上移動局 …168局
③戸別受信機数
・国見地区3,294、瑞穂地区1,493、吾妻地区2,059、
愛野地区1,506、千々石地区1711、小浜地区3,761、
南串山地区1,450
3 気象情報の収集体制の整備
(1) 気象の情報及び雨量レーダーによる情報を、迅速かつ的確に把握するよう
収集体制の整備を図る。
(2) 雨量計、計測震度計・強震計の維持管理に努めると共に情報収集を行う。
4 土石流予警報装置の整備
集中豪雨等による降雨状況等の情報を、事前に住民へ伝達するため、土石流予
警報装置の整備、充実を図る。
5 アマチュア無線局ネットワークの整備
災害により停電、電話途絶、連絡閉塞等の非常時において、迅速で広範囲の情
報収集を行うため、アマチュア無線局ネットワーク化と協力体制の整備を図る。
6 情報の収集方法の充実
○ 風水害発生直後には、降雨情報、河川水位情報、被害情報、安否情報、交通
情報、ライフライン情報等が必要とされるが、時間経過とともに、医療情報、
行政情報、生活情報、支援を求める情報、さらには復興関連情報等が必要と
なっていく。このため、県及び市は、必要とされる情報、収集すべき情報に
ついて、発災後の時間経過に沿って整理しておき、速やかに行動に移せるよ
うにしておく必要がある。
○ 県及び市は、最悪の通信状況を想定し、現行の被災地情報収集方策の点検、
充実を図る必要がある。その際、県・市町や関係機関による情報収集だけで
なく、ボランティア等と連携したツイッター等のコミュニケーション手段に
よる情報収集や民間企業(事業所)からの情報収集等の活用も検討する必要
がある。この場合、不特定多数から広く収集した情報については正確性につ
いて検討したうえで利用する必要がある。
- 27 -
○ 個別事業者に関わる情報等の生活情報の収集・伝達は、放送・新聞等のマス
メディアを活用することが有効であることから、生活情報の収集・伝達にお
けるマスメディアとの連携について検討する。
7 情報伝達・提供方策の充実
○ 災害発生直後の避難に関わる情報については、地域住民に迅速・的確な避難
行動を促すよう明確・簡潔に伝達する。
第9節 防災構造計画
雲仙市が、「安全・安心なまちづくり」を推進していくためには、地域住民の参
加や民間活用等地域特性に応じた手法により住宅密集地の整備を図る必要がある。
また、計画的な土地利用を図るためには、規制、誘導を行い建築物の不燃耐震化
を促進するなど、災害に強いまちづくりのために効果的施策の展開を行う。
1 市街地の開発
(1)防災市街地の開発
市街地の土地の合理的かつ健全な利用、防火構造化を図るため、建築物の不
燃耐震化及び建築敷地の整備を促進すると共に、公共施設の整備を総合的に計
画する。
2 オープン・スペースの確保
(1)都市公園の整備
都市公園は、スポーツ・レクレーション等の機能や都市環境の形成等の重要
な場所であると共に、水火災及び震災時における避難場所や延焼防止のオープ
ン・スペースとして、防災上果たす役割は大きい。このため、都市公園を整備
し、「安全・安心なまちづくり」を推進する。
3 道路・橋梁
道路は、市民の日常生活に欠かせない重要な役割を担っているが、災害時に
おいても、住民の避難や救助活動の動脈として欠くことのできない施設である。
また、橋梁は、道路の一部として防災上大きな役割を担っている。このこと
から「安全・安心なまちづくり」の一環として、計画的整備を推進する。
第 10 節 資機器材の整備計画
災害時の応急対策に必要な資機器材を点検整備し確保する。
1 物資の備蓄
災害救助法に基づく救助物資並びに日本赤十字社で備蓄する救援物資等の
支援が受けられるまでの応急措置として、生活用品等の備蓄を推進する。
2 機器材の備蓄
(1)災害応急対策に必要な機器材等を備える。
(2)水防法に基づく水防資材並びに器材は、市内の水防倉庫に常備する。
第 11 節 訓練計画
訓練は、災害非常時において、災害対策の関係機関が相互に連携することによっ
て迅速かつ適切な救助、救援活動、避難、水防作業等を円滑に実施して、即応態勢
を確立するものであり、次の訓練を行う。
1 総合防災訓練
- 28 -
他の防災機関及び地域住民と共同して実施する。実施方針は、
「減災」を目的
に自主防災組織の活動の活性化を図れるような内容で実施する。また、この訓
練を通して、自主防災組織間、自主防災組織と学校や福祉団体等のネットワー
ク構築に寄与する。
2 水防訓練
小浜消防署及び愛野分署並びに島原消防署北分署、市消防団により、水防工
法に定められた方法により実施する。併せて、自主防災組織活動の中で実施の
促進を図る。
3 消防訓練
小浜消防署及び愛野分署並びに島原消防署北分署の協力により市消防団の消
防活動、消防技術の錬磨及び習熟に努める。併せて、自主防災組織活動の中で
実施の促進を図る。
4 避難訓練
①災害時における避難の勧告、避難の方法等の迅速かつ確実を期すため警察そ
の他関係機関の協力を得て自主防災組織活動の中で実施する。
②児童、生徒の身体及び生命の安全を守るため防災教育及び防災訓練を実施し、
災害等に対し臨機応変に対処できるよう指導する。
5 通信連絡訓練
災害時における有線通信が不通になった場合、若しくは著しく困難になった
場合において、関係機関との通信連絡に万全を期すため実施する。
第 12 節 防災知識の普及計画
災害対策関係職員及び市内住民に対する災害予防あるいは災害応急対策等に関す
る防災知識の普及はおおむね次により行うものとする。
1 市職員等に対する防災教育
防災業務に従事する職員などに対し、災害時における適切な災害応急対策を実
施するため、次の防災教育の徹底を図る。
① 講習会、研修会等の実施及び参加
② 現地調査等による危険区域の把握
③ 防災活動に関する啓発物の配布
2 住民に対する防災知識の普及
一般住民の防災意識の高揚を図るため、防災知識の普及徹底を図る。
防災知識の普及は次の方法により行う。
(ア) 学校教育において、災害の種類、原因等についての知識及び災害予防措
置、避難方法を学習内容に組み入れ、防災上必要な知識の普及に努める。
(イ) 社会教育において、自治会、婦人会、PTA、青年団等及び各種研究集
会等の機会を活用し、防災教育の徹底を図る。
(ウ) 市民等に対し、広報「うんぜん」、新聞、雑誌、映画、スライド等を利
用した普及を行い、また印刷物の配布や図画、作文等の募集等を行うこと
により防災知識の高揚を図る。
(エ) 防災知識の普及にあたっては周知徹底を図る必要のある事項を重点的
に普及するものとする。普及事項はおおむね次のとおりである。
① 防災気象に関する知識
② 防災の一般的知識
③ 市地域防災計画の概要
- 29 -
④
⑤
自主防災組織の意義
災害時の心得
ア 災害情報等の聴取方法
イ 停電時の心構え
ウ 避難の方法、場所、時期等の徹底
エ 非常食糧、身の回り品等の準備
オ その他の災害の態様に応じ、とるべき手段方法等
第 13 節 自主防災組織の育成計画
地震、風水害等により大災害が発生した場合には、通信及び交通の途絶等の悪条
件が重なり、消防、警察等関係機関の防災活動が地域の末端まで十分に即応できな
い事態が予測される。このような事態において、被害の防止及び軽減を図るために
は、地域住民の自らの防災活動が必要である。この活動は、組織的に行われること
によって、その効果が十分発揮されるものであり、地域の実情に応じた自主防災組
織の育成を積極的に推進するものとする。
1 自主防災組織の概要
(1) 組織 …自治会組織を活用し、自主防災活動が効果的に実施できるよう地域
の実情に応じた組織とする。
(2) 編成 …自治会活動の一環として防災活動が実施できるよう編成し、地域の
規模に応じた編成とする。
(3) 活動内容
ア 平常時の活動
防災知識の普及、住民による食糧の備蓄の施行、防災訓練、災害時避難行
動要支援者名簿の整備、防災資機材の整備及び備蓄、危険箇所の点検把握、
避難ルート、避難場所の選定等を行う。
イ 災害時の活動
地域の警戒、被害状況の把握、伝達、出火防止及び初期消火、救出救助及
び救護、避難命令の伝達並びに災害時避難行動要支援者を含む地域住民の避
難誘導、給食給水等を行う。
(4) 推進方法
ア 自主防災組織の意義を強調し、地域の実情に応じた組織の育成を指導する
ものとする。なお、消防団等関係機関との密接な連携を図るとともに、各種関
係団体に対しても協力を要請するものとする。
イ 県、市が防災士会等と連携して地域防災リーダーの育成に取り組む。
ウ 市は必要に応じて技術的、資金的な支援を行なう。
エ 自主防災組織・自治会、地元の学校、公民館、青少年団体、福祉団体、民
間事業所(企業)等が災害時に連携して防災活動が行なえるように、日頃か
ら防災訓練等の取り組みを通じてネットワークを構築し団体間の相互支援に
ついて認識の共有化を図る必要がある。
オ 近隣の自主防災組織との相互応援体制、自主防災組織間における情報・人
的交流等、地域を越えた自主防災組織間のネットワークを構築することも重
要。
- 30 -
第 14 節 防災ボランティア育成計画
大規模災害時において、個人や専門分野のボランティア等の組織が、消火、救助、
救急等の災害応急活動に従事すると共に、被災者の生活の維持・再建を支援するな
ど、発生直後から復旧過程に至る段階において大きな役割を果たす。
このため、ボランティア活動が効果的に生かされるよう地域や事業所等の自主防
災組織のほか、幅広いボランティアの育成強化のための対策を推進する。
1 大規模災害時におけるボランティア活動の環境整備の確立のため平常時から
ボランティア活動内容に応じた関係協力団体等と連携体制の確立に努める。
2 市による環境整備
大規模災害時におけるボランティア活動が、円滑に行われるよう努める。
(1) 日本赤十字社長崎支部その他ボランティア協力団体と連携し、ボランティア
登録の円滑化を図り、教育・訓練等を行う。
(2) ボランティアが安心して活動できるよう、ボランティア保険制度の周知及び
加入促進を図る。
(3) ボランティアが自主的に行う研修に講師を派遣するなど協力を行う。
第 15 節 災害時避難行動要支援者対策計画
避難行動要支援者(災害対策基本法第 49 条の 10 第 1 項)の「自助」と地域の
支えあいによる「共助」を基本として、災害時の避難行動要支援者の支援を迅速、
かつ、的確に行うため、避難行動要支援者の状況の把握、情報の共有の方法、情報
伝達や避難支援体制の整備を図り、避難行動要支援者が地域の中で安心・安全に暮
らすことができる地域づくりの推進を目指す。
このため、「雲仙市災害時要援護者避難支援計画」を避難行動要支援者の全体計
画とし、同計画に基づく「要援護者名簿」を、災害対策基本法第 49 条の 10 第 1 項
の「避難行動要支援者名簿」に位置づける。
(1)避難行動要支援者名簿と支援体制の整備
ア 避難支援等関係者となる者
民生委員・児童委員、雲仙市社会福祉協議会、雲仙警察署、小浜消防署、島原
消防署北分署、自治会(自主防災組織)、消防団、地域包括支援センター
イ 避難行動要支援者名簿に掲載する者の範囲
生活の基盤が自宅にある方のうち、以下の要件に該当する方
〇 ひとり暮らしの高齢者(70歳以上)
〇 高齢者(70歳以上)のみの世帯
〇 身体障害のある方(身体障害手帳1・2級)
〇 知的障害のある方(療育手帳A1、A2)
〇 精神障害のある方(精神障害者保健福祉手帳1・2級)
〇 介護保険の要介護認定結果が3、4、5の方
〇 その他、上記の掲げる者に準ずる状態等で、市長が必要と認めた方
ウ 名簿作成に必要な個人情報及びその入手方法
名簿に必要な個人情報は下記のとおりとし、手上げ方式、同意方式、関係機関
共有方式により把握する。
〇 氏名(生年月日、性別、自宅電話)
〇 住所(方書)
〇 世帯の状況(同居家族)
〇 民生委員児童委員(氏名、連絡先)
- 31 -
〇 緊急連絡先(氏名、住所、連絡先、続柄)
〇 身体の状況(歩行、排泄、視力、聴力、会話等)
〇 特記事項(保健、医療、福祉サービス等)
〇 地域支援者(氏名、住所、緊急連絡先)
エ 名簿の更新に関する事項
市は、毎月、避難行動要支援者名簿の情報を、住民基本台帳はじめ市が保有す
るデータと介護保険課からのデータで更新するとともに、定期的に実態調査を
行い、避難行動要支援者の同意に基づき、必要な情報を避難支援等関係者に提
供するものとする。
オ 名簿情報の提供に際し情報漏えいを防止するために市が求める措置及び市が
講ずる措置
避難行動要支援者情報の管理や避難支援等関係者への提供にあたって、市は
雲仙市個人情報保護条例を遵守して適切に行うとともに、関係機関に対しては、
情報提供の際に誓約書や協定書などを取り交わし、避難行動要支援者情報の漏
えい防止のため適切な管理を求めることとする。
カ 要配慮者が円滑に避難するための立退きを行うことができるための通知また
は警告の配慮
災害警戒本部及び災害対策本部は、防災情報等により災害発生が予測される
場合には、避難勧告・指示に先駆け、避難行動要支援者が安全に避難できる段
階で、避難準備(避難行動要支援者避難)情報を発令する。避難指示等を発令
した場合には、様々な手段を活用し、避難行動要支援者、避難支援等関係者及
び自主防災組織に伝達を行い、早期の避難を促す。
第 16 節 消防団(水防団)の育成・確保の確立計画
災害発生時に地域防災の中核として消防団(水防団)の果たす役割が大きいが、
近年、団員の減少等の課題を抱えることを踏まえ、消防団員の維持・確保方策の充
実、団員の高齢化やサラリーマン化、女性団員等の変化に対応した組織・運用の改
善、自主防災組織との連携等の取り組みを進めていく必要がある。
第 17 節 警戒避難体制の確立計画
危険箇所を有する地域住民に対し、災害危険箇所、避難所、避難方法等を周知徹
底するなど警戒体制の整備を図る。
1 災害危険箇所等の周知
雲仙市地域防災計画に風水害及び土砂災害警戒区域及び警備体制、災害危険
箇所、避難所、避難方法等を掲載すると共にパンフレット、防災マップ等によ
り市民に周知・徹底を図る。
2 危険箇所の通報
住民は、日頃から居住する地域の防災点検を実施し、危険箇所を把握すると
共に、新たな災害の発生が予想される箇所等を発見したときは、速やかに市長
に通報する。
3 風水害及び土砂災害警戒区域及び警備体制
人家等に被害を与えるおそれがあり危険箇所がある地区を、風水害及び土砂災
害警戒区域として指定し、地区ごとに避難場所、連絡先、警戒区分、過去の災
害記録等を含めた避難計画を作成するほか、常時危険箇所の実態把握に努める。
- 32 -
4 予報、警報、避難の指示等の伝達
収集又は観測した気象情報及び避難の指示等の防災情報を関係者による直
接口頭又はファクシミリ、拡声器、サイレン、鐘、広報車、防災行政無線等に
より、対象地区の住民に対し迅速かつ的確に行う。
5 地域ぐるみの避難体制の確立
住民の避難は、自主防災組織等の地域ぐるみで、早急に行うよう努めるもの
とする。そのため、積極的に自主防災組織等の育成・強化に努める。
6 避難路、避難場所の安全性の確保
避難路、避難場所の選定にあたっては、次の点に留意し、安全性の確保に努
める。
(1)避難の途中で災害に遭うことのないよう、危険箇所をさけるなど安全性を
十分確認した避難路を選定しておくようあらかじめ住民に対し指導を行う。
(2)道路管理者、警察等の関係機関と連携を取り、災害時の避難路となる幹線
道路の違法駐車の指導取締等を実施すると共に、道路交通環境の点検を行い、
災害時の避難路の安全確保に努める。
(3)避難所は、危険箇所及びその周辺を避けると共に、避難所までの距離、避
難所の建物の構造等十分検討し、安全性及び利便性を考慮し選定する。
7 防災点検及び避難訓練
必要に応じ毎年、梅雨期前に、防災関係機関及び自主防災組織等と十分連携を
とりながら、防災点検及び避難訓練を実施するよう努める。防災点検で改良が
必要な箇所については、関係機関に通知し、要請する。
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