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University of Hawaii でのクリニカルクラークシップ <はじめに>
University of Hawaii でのクリニカルクラークシップ M3 male 2013 年 1 月 7 日から 4 週間、 ハワイ大学医学部(University of Hawaii, John A. Burns School of Medicine) の Kuakini Medical Center にてクリニカルクラークシップをさせていただきましたので、その体験を書 かせて頂きます。東京大学からハワイ大学にクリクラで行ったのは僕が初めてみたいなので、来年応募 する方に向けて少し詳しく書きました。適当に読み流して必要な部分だけを読んで下さい。 (※実際にはこのような服装では絶対に実習してはいけません) <はじめに> ハワイに行きたい方へ 僕がハワイ大学を希望した理由は、 ①海外の医療を若いうちから知ってみたい、②日米の医療・医学教育の違いが知りたい、③ハワイ大学 は教育に熱心で有名ある、④USMLE は将来の residency のためにきちんと勉強して高得点で合格したい ので今はできれば受けたくない、 といったものがタテマエでした。もちろんそれはウソではありませんが、正直に申し上げるともちろん 5 つめの理由がありました。 ⑤ハワイ!!!でした。解釈はご想像にお任せします。 ハワイに留学したい、と思う人ってやっぱり遊びに行きたいだけなんじゃないの~?とみなさん思われ ると思います。実際、僕も「今度ハワイに留学してきます」、と友人に言うと、「お前絶対遊びに行くだ けやん」 「ハワイは留学とは言いません」 「チョコよろしく」 「きしょっ」などの罵詈雑言を浴びせられま した。 まあそうでしょう。だってハワイだもの。これからハワイ大学を希望される方も、色々な理由があるこ とでしょう。 ですがどんな理由であってもいいと思います。大事なのはどんな準備をしていくかだと僕は思います。 僕はたまたま東大から 1 人目ということで語学力も医学的知識もないまま運よく留学することができた のだろうと思いますが、ハワイ大学は日本とのつながりが強く、たくさんの学生や研修医を受け入れて いるようです。毎年日本や他のアジアの諸国の色々な大学・病院からの応募があるようで、受け入れて もらうには選考を勝ち抜かねばなりません。そのためにはやはり英語力を磨くことが重要だと思います。 また、普段の医学の勉強もなるべくしていた方がいいと感じました。もう少しきちんと医学知識を増や して臨んでいれば実習がより充実していたのかな、という後悔も僕にはあるので。これはどこの大学に 留学してもみなさん感じることのようですが。 もちろん挑戦することが重要で、僕みたいな成績が底辺の劣等生でも留学できたことを考えると誰にで もチャンスはあると思います。是非頑張って下さい。 それでは、僕が経験したことを紹介する前に、少し Kuakini medical ccenter について紹介させて頂きます。 Kuakini Medical Center について Kuakini medical center はオアフ島ホノルル 市内の郊外にあり、日本からの移民が建てて今 なお続いている唯一の病院です(1900 年設立) 。 ベッド数は 250 床程度のこじんまりとした病 院ですが、患者の入れ替わりは激しく、様々な 疾患の患者が多数運ばれてきます。 Kuakini medical center の病院の仕組みにつ いて簡単に説明します。 Kuakini medical center の横には Physician’s tower という建物があります。ここにはたくさんの医師が 自分のクリニックを開業しています。彼らは自分の患者を普段クリニックの外来で見ていますが、入院 が必要になった場合に隣の Kuakini medical center に送るのです。僕が見たところでは、Kuakini medical center 自体には一般の外来はなく、救急外来のみでした。 では、入院患者は誰が担当するのかというと、Physician’s tower の主治医がそのまま見る場合と hospitalist に任せる場合があります。hospitalist と言うのは、入院患者のみを見る医者のことで、病院 に雇われているようです。hospitalist にはそれぞれの専門があり、病院側は各患者に合わせて hospitalist を選ぶようです。 つまり、Kuakini medical center には循環器内科、呼吸器内科などといった専門医の組織はなく、ただ 病院に患者が入院していてそれぞれの患者をそれぞれの専門医が個々に担当している、といったシステ ムです。病院はあくまで場を提供している、という感じでしょうか。 しかし、ER と ICU は特別で、ER には救急の専門医がいますし、ICU にも ICU の専門医がいます。外 科もありますが、僕は見ていないのでよく分かりません。あまり大きくはないと思います。 以上が Kuakini medical center のシステムの簡単な説明ですが、系統立てて説明を受けたわけではなく、 色んな人から聞いた話や自分が見たものを統合して僕が勝手に解釈したものですので、間違っているか もしれません。ご了承ください。 <準備編> ①学内選考 確か 6 月の上旬に面接を受けました。何を聞かれたのかは書けませんが、自分が言いたいことを日本語 と英語で考えておくとよいと思います。常識的なことを準備しておけば心配する必要はないと思います。 ②TOEFL 対策 ハワイ大学は非協定校であり、学内選考を通過してもその後にハワイ大学の選考を受けなければならな い、そして TOEFL の高得点があれば選考に有利に働くであろう、ということを丸山先生から聞いてい たので、TOEFL を受けることにしました。 僕はとりあえず受けてみなければ分からない、ということで 7 月上旬ぐらいに何も勉強しないまま試し に一度受けてみて、9 月か 10 月ぐらいに本番としてもう一度受けました。参考までに結果を言うと、最 初 82 点だったのが 97 点になりました。ハーバードとかだと 100 点ぐらい必要と言われているので、と りあえず 100 点を目指した方がいいと思います。 ただ、実際 TOEFL の点数を書いたのは、CV(履歴書)の中の 1 行だけですし、実際向こうで一緒に実 習した K 大学の学生(後述)も TOEFL は受けていなかったので、TOEFL のスコアが重要なのかどう かは分かりません。 でも、僕のおすすめとしては、英語の勉強をして損はないし、仮にハワイ大学に受け入れてもらえなか ったとしても、将来的に損にはならないと思います。僕は TOEFL の勉強しても行けるか分からんしモ チベーションが上がらんなー、とついつい思ってしまい、だらだら勉強してしまったのが後悔です。受 験料は非常に高い(2 万円ぐらい!)ので、受ける以上はしっかり勉強することをお勧めします。僕は効 率よく得点アップを図るなら、英語の勉強というよりは、TOEFL 形式の問題をひたすらこなすことが重 要だと思います。 以下に、おススメの参考書を挙げておきます。(ちなみに僕はこれを全部やったわけではありません。 ) ・The Official Guide to the TOEFL Test (ETS が出しているオフィシャル参考書) ・Writing for the TOEFL iBT (BARRON’S) ・TOEFL TEST 対策 iBT スピーキング(トフルゼミナール) ・受験英語からの TOEFL iBT リスニング(Z 会) ・受験英語からの TOEFL iBT リーディング(Z 会) ③ハワイ大学とのビデオ面接 9 月に丸山先生からハワイ大学へ連絡していただいたにも関わらず、向こうからの返事はずっとなくもう 無理かなとあきらめていたところ、11 月の上旬にようやく向こうから連絡が来ました。今度の金曜日に スカイプで面接をするとの急な話でした。おそらくあまり面接の対策をさせないためでしょう。 準備期間は 1 週間足らずです。急いで CV と Personal Statement を作成し、スカイプのアカウントを作 りました。また、面接の時に症例のプレゼンテーションをしてくれ、とのことだったので、ホルムズ先 生のところへ行って相談し、英語のケースをもらいました。また、ホルムズ先生はとても親切に僕の面 接練習に付き合って下さいました。先生には大変感謝しております。 当日は医学部図書館の 2 階の部屋を貸していただき、そこからスカイプで面接をしました。時間は朝の 10 時ぐらいです。 結論から言うと、面接自体は拍子抜けでした。何を話そうかと準備して臨んだにも関わらず、面接らし い堅い質問はほとんどなく、ただ世間話をしただけでした。 症例プレゼンテーションについても、症例についてプレゼンテーションした後に鑑別疾患や治療法など についてディスカッションするのかなと思って少し準備していたのですが、読んだ後に発音や言い方を 少し修正されただけで終わり、医学的な質問は全くされませんでした。 (実は後になって分かったのです が、この時面接していた方は医師ではなく、ハワイ大学のコミュニケーションの先生でした。 ) 具体的な面接のアドバイスに関しては、ここに書くと長くなるので割愛します。聞きたい方は僕に直接 聞いて頂ければ喜んで教えますのでご連絡ください。 ④面接終了から出発まで 面接が終わってから 1 週間ぐらいすると受け入れ OK の連絡をもらいました。その後は抗体検査の書類 や顔写真などを送ったり、旅行保険、航空券、ESTA、などでしょうか。すみません、あまり覚えていま せん。とにかく出発まで 1 月半ぐらいであまり時間が無く、慌ただしかったのを覚えています。抗体記 録は本郷の保健センターですぐにもらえます。そこから、母子手帳と照らし合わせて、足りないやつを 自分でワクチン接種しに行きます。ネットで調べれば色々出てくるので、近いところにいけばいいと思 います。 <ハワイ編> ①実習内容 最初の 1 週間は Dr.Tokeshi という Family Doctor のもとで学び、残りの 3 週間は Internal medicine の チームに配属されました。 1)Dr.Tokeshi week (1週間) Dr.Tokeshi は前述した Physician’s tower にクリニックを持っている Family Doctor の先生です。先生は 現在は国籍はアメリカですが出身は沖縄で、日本語も話されます。大変仕事熱心な先生であり、アメリ カのベストドクター賞を何度も受賞されている方です。また、剣道、居合などの武道にも優れ、さらに 文学、歴史、芸術にも精通されており、普通の日本人以上に日本人の魂を持った侍のような先生でした。 また、学生の教育にも熱心な方で、 『トケシ道場マニュアル』という 1000 ページ近くにも上る学生向け のマニュアルを作成されております。 (初日にデータを渡され、これをすぐに読み終えなさいと言われま す。その後毎日会うたびに、読み終わったか?と聞かれましたが、そんなこと不可能です…) とにかく患者さんのことを第一にお考えになる先生で、労働時間は非常に長く(先生の名言:eating and sleeping are optional) 、先生にくっついて学ぶ一週間は大変過酷なものとなりました。 一日のタイムスケジュールはだいたいこんな感じです。 3:00 起床 3:30~6:00 Kuakini medical center で Dr.Tokeshi が担当している入院患者(その週は 10 人ぐら いでした)を自分で回診し、カルテに記載。 6:30~8:00 Dr.Tokeshi と合流して一緒に回診。また、Dr.Tokeshi から医学に関する講義を受ける。 8:00~17:00 Physician’s tower にある先生のクリニックにて外来見学。待機場所で待機し、見学 OK な患者さんの時は見学(半分以上は見学 OK)。問診したり、診察をしたり、採血をし たりと、徐々に色々とやらせてもらえます。先生の診察手技は職人技で非常にスムー ズで勉強になります。 17:00~18:30 自分で患者さんの回診をする。カルテ記載はしなくてよい。 通常はこんな感じです。しかし、担当患者が救急で入院となった場合、家に帰った後でも電話で呼び出さ れてすぐに ER にかけつけなければなりません。その時は自分で admission note(入院カルテ)を書い てみろと言われます。帰宅して外食していて今から食べようとしたまさにその瞬間に電話で呼び出され た時は泣きそうになりました。 入院患者があってきつい時は帰宅が 23 時ぐらいにもなり死にそうになりましたが、慣れてくれば朝の回 診は要領よく短くできるようになるし、この生活にも順応できるようになりました。それに、大変厳し い雰囲気を醸し出している先生ですが、なんだかんだ根は優しい方でした。本来僕たちは observer とし ての実習であるのに、先生は自らの責任で留学生にも色々とやらせて下さいます。感謝です。 医師としての心構え、姿勢をたくさん学ぶことができ、大変充実した 1 週間でした。 2)内科チーム (3 週間) Kuakini medical center には内科チームが存在します。と言っても attending(専門医), upper resident(2,3 年目研修医), intern(1 年目研修医) 、各 1 名ずつの 3 人からなるチームが A~D の 4 つあ るのみです。各々のチームに専門などはありません。attending はチームがうまくいっているか定期的に 管理するだけで、彼らは彼らの専門に応じた担当の患者が別にいるので基本的には普段は行動を共にし ません。 ではこの内科チームが何をするのかと言うと、主治医や hospitalist が担当している患者を彼らと共に担 当します。主治医や hospitalist は入院患者を担当する際に、内科チームを使うかどうかを判断するよう です。新規の入院があり、内科チームを使うと判断した場合、彼らは内科チームに連絡をして患者を一 緒に診る要請をします。そして内科チームは担当することになった患者を毎日回診して主治医や hospitalist に報告して指示を仰ぎ、退院まで診ることになるのです。ただし、内科チームはそれぞれ担 当患者数の上限があり、各チーム 10 人まで(ICU 患者は 2、3 人まで)となっています。したがって、 既に 10 人担当している場合は、要請を断ることができます。 さらに、内科チームは 4 チームで当直(on call)を回しています。つまり、各チーム 4 日に 1 回は on call で、当直する医者(upper resident のみ)は夜は 4 つの内科チームが見ている患者さんを全て担当する ことになります。そしてこの on call の日は、日中から ER で新規の入院患者の受け入れも担当します。 以上内科チームが何をしているかについて簡単に説明しました。つまり、内科チームというのは急性期 から慢性期にいたる様々な疾患の患者さんを担当することになります。特に on call の日は ER で救急車 で運ばれてくる患者さんを、病歴・身体所見など全てとって鑑別診断を考えて、その後もフォローアッ プするので大変勉強になりました。 タイムスケジュール 曜日によって変動しますが、こんな感じです。 (on call じゃない日) 5:30 ぐらい~7:30 チームで回診。 8:00~9:00 カンファ的なもの、及び教育カンファ 9:30~10:30 ICU カンファ その後カルテ書き、オーダー、担当医とのディスカッションなどの雑務を終えると終了。日によっても 違うし、チームの resident によっても違います。早いところは 13 時ぐらいに終わるところもあれば、遅 い時は 17 時ぐらいまでやっているところもあります。 月曜から金曜は基本的にこんな感じです。土曜は朝 7:30 から論文の抄読会が 1 時間ほどあり、その後 は担当患者のことが終われば解散ですので、お昼ぐらいには終わります。日曜は休みです。しかし、on call が日曜日になった場合は別で、通常通り、ER での受け入れでチームの定員(10 人)に達するまでは学 生もいなければなりません(だいたい 19 時ぐらいまで) 。 内科チームでの 3 週間は基本的に observer なので、金魚のフンの様について回るだけです。しかし、自 分から何かやりたいと言えばやらせてもらえることもあります。最初に自分で日々のカルテを書く用に ファイルをもらうので、そこに毎日の progress note を SOAP 形式で書いていきます。これはあくまで 自習用ですが、先生が時々チェックしてくれます。最初は試しに 1 人、慣れてきたら 2,3 人を担当しま した。また、回診後にそれを担当の主治医や hospitalist にプレゼンする機会もいただきました。 正直、僕はあまりアグレッシブに行くのもめんどくさいし、見学してるだけでいいや、と最初は思って いて、あまり自分からこれがやりたいなどとは言いませんでしたが、途中から少しずつやらせてもらい ましたし、やってみるといい経験になるなと思いました。プレゼンなどは緊張するし準備がめんどくさ いなと思いましたが、やってみると色々とフィードバックしてくれるし、じゃあこれについて調べてき て、などと課題を頂いたりします(やったぜぃ!。 。 ) 。 とにかく、ゆるくやりたい人はゆるくやればいいし、色々やりたい人は求めれば色々やらせてもらえる、 そんな実習だと思います。やりたい人はどんどん積極的に行くことをお勧めします。 この実習で大事なことはコミュニケーションだと思います。ただ黙ってついていくのはあまりよくあり ません。基本的には 1 年目の研修医と行動を共にすることが多いと思います。適切なタイミングで質問 や雑談をし、チーム内で良好な関係を築いていくことが実習を充実したものとさせるのに非常に重要だ と感じました。 ハワイである日本人の先生から教えていただいたのですが、 「アメリカでは学生も重要なチームの一員で あり、チームを活気づけることが学生には期待されている。理想のコミュニケーションとしては 50%が 医学的なことで、残りの 50%はただの雑談」らしいです。 普段からしっかりとコミュニケーションが取れていれば、今日はたくさん学びたい、今日は早く帰って 海に行きたい、サーフィンがしたい、ワイキキの街で遊びたい、などと自分の希望を伝えやすくなりま すし、先生たちも快く受け入れてくれると思います。 (ハワイ大学の学生と、鉄門出身の先生、K 大学学生、院長先生) 3)Dr.Little のプレゼンクラス 毎週木曜日 17:00~19:30 ぐらいは Dr.Little が外国人のレジデント、学生を対象にプレゼンの練習会 を開いてくれます。彼女は医師ではなく、ハワイ大学のコミュニケーションの教授です。そして、彼女 こそが僕がスカイプ面接で話した面接官でした。 彼女は大変フランクで、真面目に話しているのか、冗談を言っているのか正直よく分かりません。また、 すぐに話が飛びます。したがって、注意深く話を聞いていないとよく分からなくなるので注意しましよ う。 先生のクラスは毎回教室に来た人の順番で症例のプレゼンをしていって、それを先生が発音を訂正して いくといった形式です。医学的な話は一切なく、ただ、スピーチを直すための目的です。症例は自分で 用意します。僕は一週間にチームで担当した患者さんのカルテを参考にして用意していました。理想は 丸暗記ですが、別に紙を見ながらでも構いません。僕は丸暗記する時間がなくて、カンペを読んでいま した。しかし、読んでいるとアイコンタクトがとれなくなるので注意しましよう。先生は日本で本も執 筆されています。是非読んでから臨みましょう。 『Dr.リトルが教える医学英語スピーキングが素晴らしく上達する方法』 (羊土社) また 4 週目の最後のクラスでは、先生がダウンタウンにある Indigo というレストランに連れて行って下 さいました(僕の時は何故か最終日に来たのが僕 1 人だけだったので、デートみたいになりました…。 先生、素敵な夜をありがとうございました) 。 アメリカではプレゼン能力も医師として重要な能力のひとつとみなされているようです。患者の病態を きちんと把握していないとうまくプレゼンできませんからね。プレゼンの授業なんて日本では当然受け たことが無かったので、とてもいい機会となりました。 ②生活 ・住居は、病院のすぐ隣にアパートがあり、そこに住むことができます。一般の方も住んでいるようで す。正直綺麗とは言えないです。ですが、やはり近くて非常に便利です。家賃は$800 でした。 ・部屋には一通りの家具があるので、不自由はしないと思います。また、日本人留学生がいつもその部 屋を使うみたいで、洗剤やシャンプー、割り箸、紙皿、保存食品など、ちょっとしたものが部屋に受 け継がれています。ぼろいですが洗濯機もあります。 ・僕は同時期に一緒に実習した K 大学の学生と一緒にルームシェアしました。彼とは毎日過ごすので、 実習以外にもよく一緒に行動し、街に出かけたり、飯を食ったりと大変仲良くなりました。彼は医学 の知識も大変優秀でしたし、お父さんがアメリカ人なので英語でも助けてもらいましたし刺激ももら いました。本当にありがとう! ・近くには徒歩 5 分~10 分以内にスーパー、マクドナルド、ピザハット、レストラン(日本食も一軒あ る)などがあり、生活に大きく不自由することはありません。 ・大きな買い物はバスに乗ってアラモアナ(約 25 分)やワイキキ(約 35 分)に行きます。バスは 13 番バス。頑張れば走って行けます。多分 5km 前後。アラモアナにはウォルマートという大型スーパー や、日本人観光客が訪れるアラモアナショッピングセンター、日本でおなじみのドンキ、などがあり ます。 ・ネット環境ですが、病院内は無線 LAN が飛んでいて、スマホや iPad があれば便利です。アパートの 中は基本的にネットがひかれていません。ただし、不安定ですが部屋の中の場所によっては「NET GEAR」というネットワーク名の無線 LAN が拾えました。また、近くのマクドナルドでは無線 LAN が使えます。 僕はよくわからなかったこともあり、日本で「アロハデータ」という会社の Wi-fi ルーターをレンタル していきました。1 カ月で 2 万円ぐらいしたのにつながりが悪かったり、電池がすぐ切れたり、機械が 故障したりと散々でしたが、どうしてもネットが欲しい人はレンタルしていくのもありです。 また、レンタルするならハワイについてからワイキキなどでレンタルするのがおススメです。確かひ と月$100 ぐらいだった気がします。 ・実習が始まる前に現地で携帯電話を買いましょう。病院内での連絡に必要です。プリペイドのやつが 安くゲットできます。僕はアラモアナのウォルマートで一番安いやつを$15 で買いました。確か$15 で通話 40 分分が最初に付いています。注意しなくてはいけないのが、向こうでは着信でも発信と同様 にお金が取られます。もちろん使用できる時間が尽きてくればまたチャージできます。僕は、計$30 ぐらいチャージしました。ひと月使い放題で$50 ぐらいのやつもあるのでそっちでもいいかもしれま せん。後から気づいたのですが、アパートから徒歩 15 分ぐらいの Nuuau Shopping Plaza でも携帯 屋があったみたいです。日本からレンタルしていくのは割高なのでお勧めしません。 ・気候は僕が滞在した 1 月は一応冬なので気温は 20 度前後。夜は割とひんやりです。またこの時期は雨 が多く、だいたい一日のどこかでにわか雨が降ります。ですが日差しは強く、日中は泳げます。 ・向こうの病院ではケーシは誰も着ていません。アロハシャツの上に白衣、または Y シャツの上に白衣 というのがフォーマルなようです。学生なので、Y シャツの上に白衣が無難だと思います。僕は Y シ ャツをあまり持って行っていませんでしたし、暑がりなので、白衣の下にはケーシを着ていましたが。 また、聴診器、ペンライトは持っていった方がいいです。 基本的に何でも現地で購入できます。こういうものは必要かなどの質問があれば直接聞いてください。 ③遊び 遊ぶことを推奨するわけでは断じてありませんが、そういう目的でハワイに行こうとする不届きな輩の ために一応どのような遊びがあるのか書いておきます。 ・ワイキキビーチ:定番でしょう。とりあえず 1 回なるべく早く行きましょう。バスで行けます。日本 人がたくさんいます。実習の疲れも一瞬で癒えます。サンセットは最高です。 ・サーフィン:初心者はワイキキが波が低くて簡単でよいでしょう。意外と簡単に立てます。一時間$15 でレンタルできます。ワイキキはビーチは浅くて急に岩がでているところがあるので、 調子に乗ってケガをしないように気をつけてね。万が一、岩で擦過傷を負ったら ABC ス トアで Antisepis を買おう。 ・シュノーケル:やはりハナウマベイがいいですね。行くには車が必要ですが。ワイキキビーチも東の 方に行けば魚がいるみたいです。シュノーケルグッズは僕は持って行きましたが至る 所の ABC ストアで$20 ぐらいで購入できます。ちなみに僕は意気込んでシュノーケ ルを日本から持っていったのに海パン忘れるという悲劇が起きました。 ・フラダンスショー:ワイキキビーチでは日曜日の 18 時ぐらいに広場でやってます。また、ホテルでも 色々やっているのでタダで見れます。 ・実弾射撃:安くて胡散臭いところと、高いけどしっかりしているところがあります。僕はシェラトン ホテルのしっかりしているところでやりました。$150 で 60 発ぐらい撃てますし、2 回目 以降は安く好きなやつが撃てます。ここにきて僕の射撃の才能が発掘されました。 ・各種ホテルに潜入:基本的に海沿いの高級ホテルに自由に潜入できます。プールも入れるし、バーも 入れます。僕のお気に入りはシェラトンです。 ・オープンカーでドライブ:かなり気持ちいいですが、お金はかかります。保険料がべらぼうに高く、 一日車借りるのに一番安いやつでも$120 ぐらいしました。オープンカー だと+$50 ぐらい。ちょっとケチってしょぼい車に乗るぐらいなら頑張っ ていい車に乗った方が気持ちいいです。一日かけてオアフ島右半分を一周 してみました。ノースショアはきれいです。 ・ショッピング:僕は男なのであまりしませんでしたが、アラモアナ、ワイキキには免税店もあり、買 い物好きの女子にはたまらないでしょう。ただ、ハワイは物価が高いので、そんなに お得感はないと思います。 ・バー、クラブ:書ききれません、割愛します。 この他にも、スキューバ、スカイダイビング、レンタサイクル、ハーレー(日本の中型の免許で乗れる) 、 ストリップショー、真珠湾、など色々観光はあるようです。 くれぐれも実習の妨げとならないようにしましょう。僕はハワイに来た目的を一時見失いかけました。 ④その他 その他のイベントを紹介します。 ・日本人のレジデントの先生と食事 ハワイ大学は日本人のレジデントの受け入れが盛んなようで、各年度に 2、3 名いるようです。僕はたま たま自分のチームの upper resident が鉄門出身の先生だったので、大変お世話になりました。鉄門出身 の先生 2 名と医科歯科出身の先生とお会いしたので、お昼ごはんに連れて行って下さり、色々と留学に 関するお話を聞かせていただきました。先生方は今年の夏でレジデントを終えて、フェローシップでア メリカ本土の有名病院に行かれるようです。また食事のあとドライブにも連れて行って下さりました。 ・ER の先生とサーフィン Dr.Tokeshi week に ER で出会った先生がワイキキにサーフィンに連れて行って下さりました。先生はア ラスカ出身であり、ハワイの前はパプアニューギニアにいらっしゃったらしく、エネルギッシュな ER Doctor でした。家にも連れて行って下さって家族にも紹介して下さり、とても感謝しています。 ・副院長の日本人の先生のクリニック訪問 副院長の先生も関西弁コテコテの気さくな日本人の方で、Physician’s Tower にクリニックを開業され ています。その先生のクリニックも一度訪問させていただきました。先生は病院の経営にも携わってお られ、アメリカの病院のシステムの話なども教えて下さり大変興味深かったです。 ・ハワイ大学医学部の副学部長訪問 この留学プログラムを管理されている、医学部副学部長である Dr.Izutsu とお話しする機会がありました。 ハワイ大学は日本の数々の大学と交流があり、東京大学とも交流を持ちたいとおっしゃっていました。 しかし、日本からはたくさんの応募があるので、受け入れを毎年約束することはできないようです。し っかりと語学・医学を身につけてきてほしいとおっしゃっていました。もし来年からうちの大学の学生 が受け入れてもらえなくなったら僕のせいです。深くお詫び申し上げます。 ・チームの resident の先生方と食事 僕の実習が終わった時に、自分がいたチームの resident の先生方が食事に連れて行って下さいました。 みなさん実習中から大変優しく指導して下さり楽しかったです。 <最後に> 今回、ろくな医学知識・語学力もないまま海外につっこんだわけですが、行ってよかったとつくづく感 じております。留学のために準備するのは多大な時間・エネルギーを要しますし、留学中に受けるスト レスも少なからずありますが、今まで留学された先輩がおっしゃっているように、行くことにはその労 力に見合う価値があると思います(と信じます)。たかがクリクラの数カ月行って人生が変わるとか、そ んな大げさなことはあまりないでしょう。日本でクリクラをしても色んな事が勉強できるだろうし、そ もそも日本の医療は素晴らしいなと行って思いました。ただ、もし少しでも海外に興味があるのなら、 あるいはちょっと冷やかしで、ぐらいのつもりでも、留学に挑戦してみて後悔することはないと思いま す。医師になってからレジデントとしてアメリカに行くのは大変なことだと思うので気軽に行けるのは 学生のうちだと思います。 最後になりましたが、留学の手続きで大変お世話になった丸山先生、国際交流室のスタッフの方々、面 接の練習にたくさん付き合って下さった Mr.Holmes、ハワイでお世話になった諸先生方、部活を休ませ てくれたサッカー部の方々、¥援助してくれたお父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃん、ありがと うございました。 長々と駄文を読んで下さってありがとうございます。ただ、ここに書けなかったこともたくさんあるの で、直接質問したい方はサッカー部の人経由で是非ご連絡下さい。 それでは最後に一言。 ハワイは遊びに行くところではありません。真剣に医学を勉強したいという熱い志を持った方だけが実 習してきてください。