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ボルテージレギュレータ - リコー電子デバイス株式会社
ボルテージレギュレータアプリケーションノート はじめに リコーのボルテージレギュレータは、最大入力電圧36Vの製品から最大出力電流3Aの製品まで幅広くラインアップしています。 ◆)R1513S は車載専用製品です。詳細につきましては「電子デバイス車載製品カタログ」およびデータシートを参照ください。 高耐圧ボルテージレギュレータ 最大入力電圧36VまでのCMOSタイプボルテージレギュレータ製品を多数ご用意しています。産業機器や、カーナビゲーション、 カーオーディオなどの車載アプリケーション用の動作温度範囲の広い製品も別途ご用意しております。 リコーの高耐圧ボルテージレギュレータは、サーマルシャットダウン回路を搭載しており発熱や発火を防ぎます。 最大入力電圧 : 16V R1190x R1191x 最大入力電圧 : 24V R1150H R1154x R1155x R1500x R1501x R1513S◆ R1514x R1515x 最大入力電圧 : 36V R1510S R1511x R1516x R1517x R1518x R1524x ◆)車載専用製品です。詳細につきましては「電子デバイス車載製品カタログ」およびデータシートを参照ください。 大電流ボルテージレギュレータ 最大出力電流3AまでのCMOSタイプボルテージレギュレータ製品を多数ご用意しています。 リコーの大電流ボルテージレギュレータは、突入電流を抑制する回路とサーマルシャットダウン回路を搭載しており安全性に配慮 しています。 最大出力電流 : 1A R1172x R1173x 最大出力電流 : 1.5A R1171S 1 ボルテージレギュレータ R1190x R1501x R1518x 最大出力電流 : 2A R1171J RP115x RP131x RP132x 最大出力電流 : 3A RP108J ボルテージレギュレータ 低消費電流型とハイパフォーマンス型 ボルテージレギュレータには主に低消費電流型とハイパフォーマンス型とその中間のスタンダード型の3つがあります。低消費 電流型は動作時の消費電流を極力削減する用途に適しており、ハイパフォーマンス型は動作時に高い性能(低ノイズ、高速応答) が必要な用途に適しています。スタンダード型はその中間の製品です。 リコーはお客様のご要望にお応えするために多くのバリエーションをご用意しています。 消費電流 過渡応答 リップル除去率 低消費電流型 極小 遅い 低い ハイパフォーマンス型 大 速い 高い 低消費電流型ボルテージレギュレータ 低消費電流型のボルテージレギュレータは携帯電話の待ち受け時など長時間、あるいは、常時ONしているような用途に使用さ れます。動作時消費電流は1μA~数μA程度であり、常時ONの用途にはCE端子を廃してさらに消費電流を低減したCバージョンも ご用意しています。 RP110xxxxC VDD RP110xxxxB VOUT VDD Vref VOUT Vref Current Limit Current Limit CE GND NC GND CE端子に流れるプルダウン定電流を削減しています。 低消費電流型 Rx5RL Rx5RW R1100D R1150H R1524x RP104x RP110x RP173x R1154x R1180x R1514x R1515x R1517x R1518x ハイパフォーマンス型ボルテージレギュレータ ボルテージレギュレータの高性能化を追求した製品です。リコーではリップル除去率が高い製品(低ノイズ)や出力雑音電圧が 低い製品(低ノイズ)、負荷安定度や負荷過渡応答特性が良い製品をハイパフォーマンス型と呼んでいます。 ハイパフォーマンス型 R1172x R1173x RP102x RP111x RP112x RP115x RP130x RP150K スタンダード型ボルテージレギュレータ 標準的なボルテージレギュレータです。多くの用途に使用できるような仕様になっています。スタンダード型ボルテージレギュ レータとして、低消費電流型に近い製品からハイパフォーマンス型に近い製品まで幅広く取り揃えています。 ボルテージレギュレータ 2 ECO 機能とは ECO機能とはハイパフォーマンス型と低消費電流型、それぞれに求 められる性能を1つのボルテージレギュレータで実現できる機能です。 ECO機能を搭載することによって、電源オン(通常動作時)と電源オ フの2つの状態だけではなく、電源オン(スリープ動作時)の状態にも 対応することができます。 ECO機能付きのボルテージレギュレータはハイパフォーマンスな高 速モードと低消費電流の低消費モードを切り替えることができ、CE端 子により電源オフにもできます。 搭載機器の状態に合わせてモードを切り替えることができるので、 消費電流削減、部品点数と基板面積削減が可能になります。 消費電流比較 低消費電流型とECO機能付き、ハイパフォーマンス型の消費電流の例を以下に示します。 ECO 機能付き RP201x 低消費電流型 RP110x TYP. 1μA ハイパフォーマンス型 RP112x 低消費モード:TYP. 1.5μA 高速モード:TYP. 55μA TYP. 75μA リップル除去率の比較 低消費電流型とECO機能付き、ハイパフォーマンス型のグラフです。 (それぞれ測定条件が異なるので参考データとして参照ください) ECO 機能付き RP201x28xx 低消費電流型 RP110x25xx 100 80 60 40 20 VIN=3.8V+0.2Vp-p 120 Ripple Rejection RR (dB) Ripple Rejection RR (dB) IOUT=1mA IOUT=30mA IOUT=150mA IOUT=50mA IOUT=30mA 100 80 60 40 20 100 80 60 0 1 10 100 Frequency f (kHz) 20 0 0 1000 IOUT=1mA IOUT=30mA IOUT=50mA IOUT=100mA IOUT=150mA 40 0 0 VIN=3.8V 120 Ripple Rejection RR (dB) VIN=3.5V 120 ハイパフォーマンス型 RP112x28xx 1 10 100 Frequency f (kHz) 1000 0 1 10 100 Frequency f (kHz) 1000 負荷過渡応答特性の比較 低消費電流型とECO機能付き、ハイパフォーマンス型のグラフです。 (それぞれ測定条件が異なるので参考データとして参照ください) 低消費電流型と低消費モードの消費電流の横軸目盛はmsですが、ハイパフォーマンス型と高速モードはμsであり応答性が100倍程 度早く、電圧変動も1/10程度に抑えられています。 ECO 機能付き 低消費モード 高速モード R1162x28x (ECO=L) R1162x28x (ECO=H) 2.2 Output Voltage 1.9 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 Time t(ms) 3 ボルテージレギュレータ 3.5 3.0 2.5 Output Voltage 2.0 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 Time t(ms) 0 Output Voltage VOUT(V) 2.5 Output Current 1mA 10mA VIN=3.8V, CIN=1µF, COUT=1µF 150 150 Output Current IOUT(mA) 2.8 Output Voltage VOUT(V) 0 20 10 RP112x28xx VIN=3.8V, CIN=1µF, COUT=0.47µF 100 Output Current 50mA 100mA 50 0 2.9 2.8 Output Voltage 2.7 2.6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 Time t(µs) 100 Output Current 50mA 100mA 2.80 2.78 50 0 2.82 Output Voltage 2.76 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 Time t(µs) Output Current IOUT(mA) 20 10 Output Current 1mA 10mA VIN=3.8V, CIN=1µF, COUT=0.47µF Output Current IOUT (mA) Output Voltage VOUT (V) VIN=3.5V, COUT=0.1µF Output Voltage VOUT(V) RP110x25xx ハイパフォーマンス型 Output Current IOUT(mA) 低消費電流型 ボルテージレギュレータ ECO 機能のモードの切り替え方法 ECO機能の切り替え方法は4種類あり、リコーではそれぞれの製品をご用意しています。 ①手動切替型··············· ECO端子へH/L入力することでモードを切り替えます。 ②自動切替型··············· システム負荷に応じて自動的にモードを切り替えます。切り替えポイントはIC内で固定されています。 ③シームレス型 ··········· 2つのモードを切り替えるのではなく、出力電流に応じてモード移行する方式です。 ④手動/自動切替型······· AE端子へH/L入力することでモードを切り替えます。 AE="H"の時には高速モードに固定され、AE="L"の時には自動切替型として動作します。 手動切替型と自動切替型の両方のメリットを兼ね備えた方式です。 手動切替型 自動切替型 シームレス型 R1162xxx1B VOUT Vref Supply Current VDD Supply Current ECO Current Limit Output Current Output Current CE GND ECO 端子を H/L 制御することでモード切り システム負荷(出力電流)に応じて低消費 システム負荷(出力電流)の減少にともない、 替えを行います。 モードと高速モードが切り替わります。 消費電流もなだらかに減少していきます。 自動/手動切替型 AE VDD VOUT Vref Current Limit CE GND AE 端子を H/L 制御することで高速モードと自動切替モードを切り替えます。 ECO 機能付き 手動切替型 R1160N R1161N R1163x R1191x R1510S R5326K RP202x 自動切替型 R1155x シームレス型 R1116N 手動/自動切替型 RP200x R5328K RP201x ボルテージレギュレータ 4 リコーのボルテージレギュレータには各種保護回路が搭載されています。 短絡電流制限回路/過電流保護回路とは 青丸部分のCurrent Limitのことで、出力端子(VOUT)とグラウンド端子(GND)がショートした時などに、過電流が流れて破 壊してしまうことを防ぐ回路です。 「出力電圧対出力電流特性例」のグラフの青線部分が過電流保護動作で、青丸部分が短絡電流制限動作です。 データシートの電気的特性には過電流保護電流値の規定はありませんので、特性例のグラフを参照ください。 また、短絡電流制限の電流値は短絡電流(lSC)として規定されており、30mAから250mA程度となっています。 R1131x26xx VOUT VDD + Vref Current Limit GND CE Output Voltage VOUT (V) 3.5 3.0 3.6V 4.6V 2.5 2.0 1.5 3.1V VIN =2.9V 1.0 0.5 0.0 0 100 200 300 400 500 600 Output Current lOUT (mA) 短絡電流制限回路/過電流保護回路内蔵 Rx5RLシリーズを除いて全てのボルテージレギュレータに内蔵されています。 突入電流を抑制する回路 ボルテージレギュレータの動作開始時には、出力側のコンデンサに電荷がチャージされるまで制限電流のピーク電流と同等の突 入電流が流れることがあります。突入電流が大きい場合、ボルテージレギュレータの入力電圧である前段の電圧が大きく変動し、 他に接続されている回路に影響を及ぼす可能性があります。 リコーは突入電流を抑制する2種類の回路を用意しており、それぞれに特長があります。 制限方法 突入電流制限回路 コンスタント・スロープ回路 一定電流で制限する方法です。 起動時間 COUT が小さい場合にはコンスタント・スロープ回路に比 べて素早く起動することが可能です。 一定時間で制限する方法で、いわゆるソ 起動時間は IC 内部で固定されており、COUT の容量で起 動時間は変わりません。 フトスタート機能です。 また、RP115xは突入電流制限回路とコンスタント・スロープ回路の両方を内蔵しており、COUTの容量に応じて切り替わります。 詳細はデータシートをご参照ください。 5 ボルテージレギュレータ ボルテージレギュレータ 突入電流制限回路とは 突入電流制限回路はボルテージレギュ レータの動作開始時に一定の時間だけ出 力電流を一定以下に制限することで突入 電流を抑え、入力電圧の変動を防止しま す。 模式図 突入電流の大きさは出力側のコンデンサ の容量によって影響を受け、コンデンサ 容量が大きいと突入電流の発生時間が長 くなります。そのため、出力コンデンサ 容量が大きい場合には突入電流制限の十 分な効果が得られないことがあります。 このような場合には突入電流制限時間調 整機能を搭載した製品をご使用くださ い。 R1190x シリーズや RP132x シリーズは DELAY 端子を設けており、その端子に接 続するコンデンサ容量により突入電流制 限時間を調整することができます。 模式図 模式図 CE Input Voltage CE Input Voltage CE Input Voltage Output Voltage Output Voltage Inrush Current Inrush Current Inrush Current Time t Output Voltage Time t Time t 突入電流制限回路内蔵 R1172x ∗1 ∗2 R1173x R1190x∗1 RP111x RP115x∗2 RP131x RP132x∗1 外付けコンデンサにより突入電流制限時間の調整が可能です。 出力電圧が立ち上がりきるまで出力電流を一定以下に制限し、突入電流を抑えます。 ボルテージレギュレータ 6 コンスタント・スロープ回路とは CIN=none, IOUT=0mA, Topt=25°C VIN=3.5V 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0 CE Input Voltage Output Voltage COUT=0.1µF COUT=1.0µF COUT=2.2µF COUT=4.7µF COUT=10µF Inrush Current 0 350 300 250 200 150 100 50 0 Inrush Current IVDD (mA) 右図のRP110x25xB/Dの特性例では4.7μF以下ではコンスタント・スロープ回路 の立上げ傾斜となり、それを超えた10μFでは出力電流制限回路に依存した立上げ となります。この境界点は出力電圧値と反比例しており、出力電圧が高いほど小 さい容量で出力電流制限回路に依存しやすくなります。また、境界点は製品シリー ズにより異なります。 RP110x25xB/D 突入電流特性例 CE Input Voltage VCE / Output Voltage VOUT (V) コンスタント・スロープ回路はボルテージレギュレータの動作開始時に出力電 圧を緩やかに立ち上げる、いわゆるソフトスタート回路です。立ち上げスロープ 作成用のコンデンサが内蔵されているため外付け部品は不要ですが、立ち上げ時 間、および、傾斜は内部で固定されています。 また、出力コンデンサの容量がある一定以上大きくなった場合、出力コンデン サへのチャージ電流が出力電流制限回路により制限されるため、立ち上げ時間は より長く、傾斜はより緩やかになります。 50 100 150 200 250 300 350 400 Time t (µs) コンスタント・スロープ回路内蔵 RP106x RP107x RP108J RP110x RP115x RP116Z RP170x RP171x RP202x R1517x R1518x 逆流防止回路とは 逆流防止回路とは出力端子電圧が入力端子電圧より高い場 合に、出力端子から入力端子に向かって電流が流れ込むのを 防止する回路です。 通常、Pch出力トランジスタを使用するボルテージレギュ レータは、入力端子と出力端子間に右図のように寄生ダイ オードがあるため、出力端子電圧が入力端子電圧より高い場 合、寄生ダイオードが順方向となり出力端子から入力端子に 向かって電流が流れてしまいます。 RP173xは、入力端子電圧が出力端子電圧より低くなる前に 逆流防止モードとなり、Pch出力トランジスタの寄生ダイオー ドを逆方向に接続し、ゲートをVOUT 端子に接続することで Pch出力トランジスタをオフ状態にします。 さらに、出力端子からグラウンド端子に流れ込む電流経路を 全て遮断し逆流電流(IREV)を抑えます。(RP115xを除く) ECO VDD VOUT Vref Current Limit Reverse Detector CE GND バックアップ回路で使用する場合、左下図のように逆流防止回路を持たないボルテージレギュレータには保護ダイオードが必要で す。しかし、ショットキーダイオードは、0.3V程度の電圧降下があり、数μA~50μA程度のリーク電流があります。 逆流防止回路を持つRP173xなどのボルテージレギュレータを使用すると右下図のように保護ダイオードが不要になり、電圧降 下や逆リーク電流の心配がありません。 Parasitic diode Protection diode Vf VOUT VDD RTC Memory etc. Main Power Supply Regulator GND Leakage Back-up current Power Supply GND Main Power Supply R1163x 7 ボルテージレギュレータ R1191x RP108J RP173x GND 逆流防止回路内蔵 R1155x VOUT VDD RP115x RP173x Vf Leakage current Back-up Power Supply RTC Memory etc. GND ボルテージレギュレータ サーマルシャットダウン回路とは 出力端子とグラウンド端子がショートした際など、ボルテージレギュレータの過熱を検知して動作をストップし破壊を防ぐ回 路です。 例えば、R1150Hではボルテージレギュレータのジャンクション温度が150℃以上になるとボルテージレギュレータの動作を停止 させます。また、ボルテージレギュレータが停止したことでジャンクション温度が下がり、125℃以下になるとボルテージレギュ レータの動作を再開します。 (製品によって温度は異なります。)そのため、サーマルシャットダウン回路が動作するとボルテージ レギュレータのON/OFFが繰り返されることになり、出力電圧がパルス状になるので注意が必要です。 データシートではサーマルシャットダウン検出温度(TTSD)とサーマルシャットダウン解除温度(TTSR)として表記されています。 + Vref Short Peak Current Protection Protection Output Voltage VOUT(V) VOUT VIN GND CE VIN=10V, IOUT=1mA 8 7 6 5 4 3 2 1 0 0 Temperature (°C) Thermal Shutdown 150 Regulator R1150H(VOUT=5V) ON 125 0 Time OFF 20 40 60 80 100 120 140 160 180 Junction Temperature Tjct(°C) サーマルシャットダウン回路内蔵 R1150H R1154x R1155x R1170x R1171x R1172x R1173x R1190x R1191x R1500x R1501x R1510S R1511x R1513S◆ R1514x R1515x R1516x R1517x R1518x R1524x RP108J RP111x RP115x RP131x RP132x RP170x RP171x ◆)車載専用製品です。詳細につきましては「電子デバイス車載製品カタログ」およびデータシートを参照ください。 ボルテージレギュレータ 8 オートディスチャージ機能とは 出力端子側に大きな容量値のコンデンサをご使用された場合、チップイネーブル端子によってアクティブ状態からスタンバイ状 態に切り替えた際、直ぐに出力端子電圧が下がらない場合があります。オートディスチャージ機能とは、出力段に(下図の青丸部 分)Nch.トランジスタを追加することで、出力側の外付けコンデンサの電荷を素早く抜く機能です。 このオートディスチャージ機能により、システムの立下げシーケンスを組むことが可能です。 動作時 スタンバイ時 VOUT VDD VOUT VDD - - + + Vref Vref Current Limit Current Limit GND CE GND CE チップイネーブル端子がディセーブル状態の時、ボルテー ジレギュレータはスタンバイ状態になります。スタンバイ 状態への移行時に薄い青丸部分の Pch トランジスタは OFF になり、出力端子からの出力は停止されます。青丸部 分のオートディスチャージ用の Nch トランジスタが ON に なり、出力端子に接続されたコンデンサの電荷がグラウン ド端子に素早く放電されます。これを「オートディス チャージ機能」と呼んでいます。 チップイネーブル端子がアクティブ状態の時、ボルテージ レギュレータは動作しています。薄い青丸部分の Pch トラ ンジスタは ON で、出力端子から電圧が出力されます。青 丸部分のオートディスチャージ用の Nch トランジスタは OFF です。 オートディスチャージなし/ありの出力イメージ オートディスチャージなし オートディスチャージあり VOUT Voltage (V) Voltage (V) VDD CE 2.73s VOUT - CE + 126μs Vref Current Limit VOUT 0 0.4 0.8 1.2 1.6 2.0 2.4 2.8 3.2 3.6 Time (s) 0 40 80 120 160 200 240 280 320 360 Time (μs) GND CE ・ オートディスチャージ機能がない場合、左図のとおり出力端子に接続されたコンデンサの電荷は2.73sかかって放電されます が、オートディスチャージ機能がある場合には126μsで放電されます。 ・ このオートディスチャージ機能はスタンバイ状態になった時に素早く出力を落としたい場合はもちろんですが、右図のように 出力端子に接続されたコンデンサに残った電荷による後段のシステムの誤作動防止にも有効です。 オートディスチャージ機能搭載 R1114x R1116N R1131N R1141Q R1161N R1163x R1172x R1173x R1190x R1191x R5326K R5328K RP100x RP101x RP102x RP103x RP104x RP105x RP106x RP107x RP108J RP109x RP110x RP111x RP112x RP114x RP115x RP116Z RP130x RP131x RP132x RP150K RP151K RP152x RP153L RP154x RP170x RP171x RP173x RP200x RP201x RP202x R1513S◆ R1517x R1518x ◆)車載専用製品です。詳細につきましては「電子デバイス車載製品カタログ」およびデータシートを参照ください。 製品型名でのオートディスチャージ機能の判断方法 ・シングルボルテージレギュレータの場合には製品名の10桁目が「D」のものがオートディスチャージ機能付きです。 (例:R1114N281D-TR-F、RP103K281D-TR) ・マルチボルテージレギュレータの場合には製品名の10桁目が「B」のものがオートディスチャージ機能付きです。 (例:RP152N010B-TR-FE、RP150K001B-TR) 9 ボルテージレギュレータ ボルテージレギュレータ 2 チャンネルボルテージレギュレータ 2チャンネルボルテージレギュレータには1入力型と2入力型があります。 1入力型は入力端子を共用することで端子数が少なくでき、小型パッケージにできます。しかし、入力電圧が共通になってしまう ため、入力電圧と出力電圧の差が大きくなり、エネルギーロスや発熱が大きくなるという問題もあります。 これに対し、2入力型は入力電圧と出力電圧の差を小さくすることが可能で、エネルギーロスや発熱を小さくできます。しかし、 入力端子が2つになるためパッケージが大きくなりがちです。リコーの2入力型2チャンネルボルテージレギュレータはDFNパッ ケージを採用することにより小型化を実現しています。 (模式図) 2 チャンネルボルテージレギュレータ入力型 1 入力型 R5326K R5328K 2 入力型 RP153L RP154L RP150K RP152x RP154N シーケンス制御とは RP152xxxxCにはシーケンス制御機能が搭載されています。CE1端子とCE2端子を接続して使用してもVR2がVR1より100μs遅 れて起動します。また、VR2はVR1より約5倍早くディスチャージするので立下りシーケンスも構成できます。 (模式図) 負荷過渡応答特性向上版について RP153Lシリーズには負荷過渡応答特性を向上させたD/Eバージョンをご用意しています。 A/Bバージョンに比べて消費電流は増えますが、負荷変動時の電圧ドロップが約半分になり、変動時間も短くなります。 RP153L 負荷過度応答特性例 ボルテージレギュレータ 10 使用上の注意事項 基本回路例 IN VDD C1 R1116x Series CE CE2 VOUT C2 IN V DD C1 GND VOUT2 R5326x Series GND CE1 OUT2 C3 OUT1 VOUT1 C2 基板レイアウトについて 入力端子、および、グラウンド端子配線はインピーダンスが高いとノイズのまわり込みや動作が不安定になる原因になるので充 分に強化してください。また、入力端子とグラウンド間には適切な容量のコンデンサをできるだけ配線が短くなるように実装して ください。位相補償用の出力コンデンサを出力端子とグラウンド間にできるだけ配線が短くなるように実装してください。 位相補償 ボルテージレギュレータは出力負荷が変化しても安定して動作させるため、出力段にて位相補償を行っています。 そのため、周波数特性が良く、適切な直列等価抵抗(ESR)のコンデンサを出力端子とグラウンド間にできるだけ配線が短くな るように実装してください。 ESRの値が大きいコンデンサ(特にタンタルコンデンサ)を使用する場合は出力が発振する可能性がありますので、周波数特性 を含めて十分評価してください。コンデンサのサイズ、製造元や品番により容量値のバイアス依存性や温度特性などが異なります ので、十分評価してください。 R1116x281x R1116x シリーズの例 ノイズレベルが 40μV(平均値)以下になる出力電流 IOUT と 直列等価抵抗 ESR の関係を右に示します。 測定条件 ・C2:GRM155B30J105KE18B(村田製作所製) ・ノイズ周波数帯域 :10Hz~1MHz ・測定温度 :25℃ ・網掛け部分 :ノイズレベルが 40μV(平均値)以下 11 ボルテージレギュレータ Equivalent Series Resistance ESR(Ω) 直列等価抵抗値対出力電流特性例 VIN=2.82V to 6.5V 100 Topt=85°C 10 Topt=-40°C 1 0.1 0.01 0 30 60 90 120 Output Current IOUT(mA) 150 本ドキュメント掲載の技術情報及び半導体のご使用につきましては以下の点にご注意ください。 1. 本ドキュメントに記載しております製品及び製品仕様は、改良などのため、予告なく変更することがあります。 又、製造を中止する場合もありますので、ご採用にあたりましては当社又は販売店に最新の情報をお問合 せください。 2. 文書による当社の承諾なしで、本ドキュメントの一部、又は全部をいかなる形でも転載又は複製されることは、 堅くお断り申し上げます。 3. 本ドキュメントに記載しております製品及び技術情報のうち、「外国為替及び外国貿易管理法」に該当す るものを輸出される場合、又は国外に持ち出される場合は、同法に基づき日本国政府の輸出許可が必要 です。 4. 本ドキュメントに記載しております製品及び技術情報は、製品を理解していただくためのものであり、その使 用に関して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証、又は実施権の許諾を意味するも のではありません。 5. 本ドキュメントに記載しております製品は、標準用途として一般的電子機器(事務機、通信機器、計測機器、 家電製品、ゲーム機など)に使用されることを意図して設計されております。故障や誤動作が人命を脅か したり、人体に危害を及ぼす恐れのある特別な品質、信頼性が要求される装置(航空宇宙機器、原子 力制御システム、交通機器、輸送機器、燃焼機器、各種安全装置、生命維持装置等)に使用される際には、 必ず事前に当社にご相談ください。 6. 当社は品質、信頼性の向上に努めておりますが、半導体製品はある確率で故障が発生します。故障の 結果として人身事故、火災事故、社会的な損害等を生じさせない冗長設計、延焼対策設計、誤動作防 止設計等安全設計に十分ご留意ください。誤った使用又は不適切な使用に起因するいかなる損害等につ いても、当社は責任を負いかねますのでご了承ください。 7. 本ドキュメントに記載しております製品は、耐放射線設計はなされておりません。 8. 本ドキュメント記載製品に関する詳細についてのお問合せ、その他お気付きの点がございましたら当社又は 販売店までご照会ください。 弊社は地球環境保全の観点から環境負荷物質の低減に取り組んでいます。 Halogen Free 2006年4月1日以降、弊社はRoHS指令に適合した製品を提供しています。 また、2012年4月1日以降は、 ハロゲンフリー製品を提供しています。 ●お問い合わせ・ご用命は・・ ・ 弊社デバイスに関する詳しい内容をお知りになりたい方は下記へアクセスしてください。 http://www.e-devices.ricoh.co.jp/ 本ドキュメント掲載製品に関するお問い合せは下記宛てまでお願いします。 ●東日本地区 〒 140-8655 東京都品川区東品川3-32-3 03(5479)2854(直) FAX 03(5479)0502 ●西日本地区 〒 563-8501 大阪府池田市姫室町13-1 072(748)6262(直) FAX 072(753)2120