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インドから見たロシア・ 中央アジアのエネルギー戦略

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インドから見たロシア・ 中央アジアのエネルギー戦略
JOGMEC 石油調査部主席研究員
本村 眞澄(編者)
アナリシス
インドから見たロシア ・
中央アジアのエネルギー戦略
はじめに
アルン・モハンティ(Arun Mohanty)教授は、インドのジャワハ
べん
ルラル・ネルー大学国際関係学科ロシア・中央アジア研究所で教鞭
をとる、インドを代表するロシア経済の専門家で、昨年にはロシア
のメドヴェージェフ大統領から「プーシキン黄金勲章」を授与されて
いる。先ごろ、北海道大学スラブ研究センターの招きで来日され、
2 0 1 2 年 2 月 2 7 日に同センターで開催されたシンポジウム「ユーラシ
アをめぐる日印対話」において講演した。編者はかつてデリーで同教
授にお会いする機会があり、議論を大いにエンジョイしたことから、
今回も札幌から成田経由でインドに帰国される際に、東京での滞在
出所:World Public Forum ホー
ムページより
を 1 日延ばしてもらい、JOGMEC からも講演をお願いしたところ快
諾を得た。ロシア関連のビジネス分野の専門家約 2 0 名の参加を得て、
写
モハンティ教授
標記の講演会を開催させて頂いた。ここに、同教授の了解を得て、
講演録を掲載することにした次第である。
ひょうぼう
インドは独立後、非同盟を国是とし、「第三世界」の盟主を標榜していたが、1 9 7 1 年の「印ソ平和友
好協力条約」の締結以降、ソ連とは緊密な関係となり、更に 1 9 7 3 年の第 1 次石油ショック以降、折か
ら高騰した原油の手当て先として、ソ連産を多く調達するようになった。
これは交換可能通貨によらず、インド・ルピー建て、あるいはバーターによる支払いである。石油
は国際社会では交換可能通貨(基本的にドル)により支払うのが原則である。例えば東西冷戦の時代、
交換可能通貨を持たない東欧圏は、ソ連からのみバーターにより原油供給を受けることが可能であっ
た。東欧へ石油を供給するソ連からの「ドルージュバ(友好)パイプライン」は、東側陣営を束ねる政治
的な手段であった。インドもこのころ同様の位置付けであったと言える。東西冷戦時代は、エネルギー
経済の分野でも両陣営に明確に区分されていた。しかし、この方式は 1 9 9 1 年のソ連崩壊によって機能
しなくなり、インドに対する輸出も 1 9 9 3 年には完全に廃止された。これが、インドにおいてラオ政権
(1 9 9 1 ~ 1 9 9 6 年)が市場経済を志向するきっかけとなった。
その後、インドの原油輸入は地理的に近い中東地域からがほとんどとなったが、2 0 0 1 年に、国営石
油企業 ONGC の海外部門である ONGC Videsh がサハリン-1の Rosneft 権益 4 0% のうち、2 0% を引き
受けることで再びロシアとの関係が活性化した。2 0% の権益原油がインドのものとなった。
ONGC Videsh は 2 0 0 8 年 8 月、2 4 億 ド ル で ロ シ ア 西 シ ベ リ ア の ト ム ス ク 州 で 活 動 す る Imperial
Energy(埋蔵量 9 億 4,6 0 0 万バレル)を 1 0 0% 買収し、2 0 1 0 年には日量 2 万 5,0 0 0 バレルを生産している。
同時に、ロシアの IT 企業 AFK Sistema と ONGC Videsh が枠組み協定に調印し、ティマン=ペチョラ
地域の Trebs & Titov 油田(埋蔵量 1 0 億バレル)の共同開発に参加することとなった。中国と比較して、
インド企業のロシア内陸部での石油産業への進出は、極めて活発であり、ロシア側にインド企業に対
する警戒心は見られない。ONGC Videsh はサハリン-3や Yamal 半島 LNG 計画にも関心を表明して
いる。
7 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
2 0 1 0 年 1 2 月には、メドヴェージェフ大統領がインドを訪問し、化学、肥料、エネルギー分野で 2 0 1 5 年までに
うた
2 0 0 億ドルの貿易を達成するという協力強化を謳った(Interfax, 2 0 1 0/1 2/2 2)。このなかには、石油ガス分野、油ガ
ス田開発、製油所建設、第三国での上流下流事業、インドでの既存プロジェクトへのロシアの参加が記されており、
両国の関係緊密化が改めて確認されている。
このように、インドの対外エネルギー政策には依然としてロシアの存在が大きいものの、その実態は多くは知ら
れていない。本講演はその意味で、インドの本音が聞ける貴重なものである(本村)。
1. モハンティ教授講演
「現在のインドエネルギー問題」
皆様、こんにちは。本日はこの JOGMEC において講
いくという目標をインドは掲げている。過去 1 2 年間に
演をさせて頂く機会を得たことに対して、まずお礼を
おいて経済成長率は年率 7 ~ 8 %で推移してきた。そし
申し上げたい。
て、向こう 1 5 年間においても、経済成長率は 8 %を目
私の専門分野は国際関係で、そのなかでもロシアの
指している。これが確実であるならば、エネルギーの
エネルギー政策を専門としている。本日は 4 部構成で話
消費に関しても今後 6 ~ 7 %と拡大していかなければな
を進めていく。①現在のインドにおけるエネルギー問
らない。2 0 3 0 年までに、エネルギーの調達を 3 倍、4 倍
題が一つ目の項目である。そして、②インドが今後数
と増やしていかなければならない。そして、発電量に
年間あるいは数十年間、どのような形でエネルギーの
関しては向こう 2 0 年間で 5 ~ 6 倍伸ばしていかなけれ
安全保障を確保していくのか、特にロシアとの関係に
ばならない。また、エネルギーのインフラ整備のために、
ついて説明する。そして、今後のインドのエネルギー
今後 1 5 年間にわたり、毎年 1,0 0 0 億~ 1,5 0 0 億ドルの投
政策において、③中央アジア④中東が果たし得る役割
資をしていくであろう。
について述べたい。
(2)インドのエネルギー資源
(1)インドのエネルギー消費
2 0 1 1 年度においては、インドの石油の埋蔵量は 5 7 億
まず、最初に強調させて頂きたい前提がある。それ
バレルが確認されている。これは、アジア太平洋地域
はインドとロシアは戦略的なパートナー関係にあると
では中国に次いで第2位の規模である。そして、生産
いうことである。しかもそれは通常の戦略的なパート
量については日量 9 5 万バレルであるのに対し、消費は
ナーにとどまるものではない。インドも、そしてロシ
日量 3 2 0 万バレルだ。2 0 1 0 年において石油の純輸入国
アも戦略的なパートナー国はたくさん持っている。し
としては世界5位であった。したがって、インドの石
かし、インドとロシアの関係というのは特別であり、
油の消費に関しては 7 0 %が世界各国からの輸入に依存
そして、特権を有している関係である。その関係の一
しているのが実情である。ひと言でいえば、石油エネ
つの柱となっているのがエネルギーの協力関係なので
ルギーの輸入に関しては、日本同様インドも中東に大
ある。現在のインドが直面するエネルギー分野の現状
きく依存している。したがって、今後は輸入先につい
から、説明する。
て分散していきたいという意向を持っている。2 0 3 0 年
1 人あたりのエネルギー消費という観点で言うと、イ
に向けて、エネルギーの開発戦略を長期的に設定して
ンドは世界で最も低いレベルで推移している。例えば
いるが、そのなかで輸入元の国に関しては多様化する
中国と比較すると 2.5 分の1、アメリカに比べて 1 8 分の
ための投資計画がある。それによれば、とりわけ、中東、
1のエネルギー消費量となっている。エネルギーの1
スーダン、ベトナム、ベネズエラ、そしてロシアと中
人あたりの消費量についても、世界の平均の5分の1
央アジアが重点投資先である。
でしかない。しかし、今後、経済発展を急速に遂げて
2012.5 Vol.46 No.3 8
インドから見たロシア・中央アジアのエネルギー戦略
2. インドのエネルギー安全保障
(1)
ソ連とのエネルギー協力の時代
の石油をもって石油化学の工場にも供給するという所期
今日はとりわけ、わが国とロシア、中央アジアとのエ
の目的に向かって走り出したのである。しかし、このよ
ネルギー分野においての協力関係について話をするよう
うなインフラを整備するための十分な資源がわが国には
にとの要請を頂いた。最初に、旧ソ連とのエネルギー協
なかったということだ。先にも触れたように、欧米諸国
力の歴史を簡単に説明する。インドの第 2 次工業化計画
はこのようなインフラの整備に関してインドに対する支
については 1 9 5 6 年に発表が行われている。この開発戦
援を拒んだ。というのも、彼らはわが国を石油製品ある
略において、エネルギーは非常に重要な位置付けとなっ
いは石油化学製品を売り込むための市場であると位置付
た。それ以降の工業化に対応するために、インドとして
けていたからである。ここでもまた、わが国の石油産業
は自国のエネルギー・インフラの整備が欠かせない、と
整備のためにソ連が手を差し伸べてくれた。そして、石
判断したわけである。
油産業が公社として、やがて国営企業として整備された。
当初、エネルギーのインフラ整備についてインドは欧
この国営石油が現在の ONGC であって、これはオイル・
米諸国に助けを求めた。しかし、欧米諸国からは前向き
ナチュラルガスの略である。これも、ソ連の専門家の支
な答えが引き出せなかったことから、ソ連へのアプロー
援を受けてできた企業である。
チに切り替えた。
そして1950年代から、
ソ連とエネルギー
そして、エネルギー関連機関の設立についてもソ連か
の分野で成功裏に協力関係を維持してきた。例えば発電
ら支援を受けた。デリー(Delhi)からそれほど遠く離れ
の分野でもソ連との協力関係があった。石炭産業の開発
ていないグルガオン(Gurgaon)に研究所ができた。ここ
もしかりであった。そして、当然のことながら石油・ガ
では研究ならびに地質学的な調査活動が行われた。この
ス産業に関しても協力関係にあった。水力発電に関して
結果、1 9 6 0 年代の初めには、インドの東、そして西の
は、ダム建設でソ連からの支援を受け、何十というダム
沿岸地域において油田が発見された。北東にアッサム
が建設された。
(Assam) と い う 州 が あ る。 そ し て、 グ ジ ャ ラ ー ト
これらのうち、石炭産業の開発に関しては、とりわけ
(Gujarat)という州が西にある。最初のインドにおける
大きな支援をソ連から得られた。石炭は、今でもインド
油田の発見は、この二つの州で実現した。その際にソ連
では重要なエネルギー源である。エネルギーニーズの
の専門家の支援を得た。1 9 6 0 ~ 1 9 7 0 年代にかけて、
5 0 %は石炭によって賄われているほどだ。ソ連の支援
ソ連の専門家の支援によって、何十という油田が発見さ
を受け、多くの石炭鉱山が開発された。石炭産業の開発
れた
(図)。ソ連は地質学的な調査ならびに探鉱、そして、
に向けて、ソ連からさまざまな機材あるいは専門家の派
また製油所の建設に関しても支援をくれた。したがって、
遣も 得 ら れ た。 そして、西ベンガルのドゥルガ プ ル
石油化学のプラント、そのほかの石油加工設備、あるい
(Durgapur)市において、機材を製造する施設について
は製油所などはソ連からの支援によるところ甚だ大きい
も整備することができた。石炭産業開発のための機械や
のだ。インドのエネルギー必要量の 1 3 ~ 1 5 %がこのよ
機材についても独自に製造することが可能になった。今
うな形で、ソ連の支援によってできた設備から提供され
でもソ連時代からロシアにかけての協力関係は石炭産業
ているのが今日である。以上が、ソ連の大きな支援を受
において継続している。開発支援された鉱山から生産さ
け整備されたインドのエネルギー・インフラの発展の歴
れる石炭によって、今でも火力発電が南部において稼働
史の概要である。
している。さらに、水力発電用のダムの建設もソ連から
の支援で実現している。こうした協力関係は現在も進行
(2)ソ連とのエネルギー協力
中である。
1 9 9 1 年のソ連の崩壊をもって、このように維持され
引き続いて、協力関係を強めていった分野が石油とガ
てきた協力関係は中断することになった。そして、エネ
スである。独立後の石油の生産量は 2 0 万トンに限定さ
ルギー分野における 2 国間の協力は、1 9 9 8 ~ 1 9 9 9 年
れていた。欧米の専門家たちは、インドには石油の埋蔵
にかけて再開した。2 国間におけるエネルギー分野の協
量はないと結論付けていた。そうしたなか、油田を開発
力関係を再開する際に、最初にロシアの石油担当大臣が
し、インドの土地で掘削した石油を製油所で精製し、そ
インドを訪問したのは 1 9 9 8 年のことであった。そして、
9 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
その後、過去 1 0 年間から 1 2 年間にかけて、両国間のエ
役割を果たしている。それは、長年にわたってわれわ
ネルギー協力はまた新たなステージに移行している。エ
れがロシアならびにモスクワの政府と良好な関係を維
ネルギーの需要を満たし、そして、またわが国のエネル
持してきたからである。プロジェクトにおいて何か問
ギー安全保障のために、ロシアはインドにとって極めて
題が発生した際には、ExxonMobil から依頼があれば、
重要なパートナー国ということになる。そこで、わが国
われわれがロシアの関係者と話をするという役割を果
としてもロシアの石油部門に投資をしたいと考えるよう
た し て い る。 こ の サ ハ リ ン - 1 と い う の は、PSA
になった。最初に投資を考えたプロジェクトがカスピ海
(Production Sharing Agreement)がベースになってい
に面したアストラカンのプロジェクトである。しかし、
る。そして、石油の埋蔵量が確認済みで 3 億 3,0 0 0 万ト
このプロジェクトは実現しなかった。
ンある。現在、その石油の年間生産量は 9 0 0 万~ 1,0 0 0
次のプロジェクトがサハリン- 1 となる。サハリン-
万トンとなっている。ガスの生産も開始している。ここ
1 においては 2 7 億ドルの投資を行った。このサハリン
で私が強調したいポイントは、今後ロシアに対して日本
- 1 に 投 資 を し て い る の は ExxonMobil、 日 本 の
とインドが共同で投資することについて検討をしていき
SODECO、インドの ONGC ならびにロシアの Rosneft
たいということである。しかも、われわれはロシアとは
等である。それぞれの持ち分は、ExxonMobil が 3 0 %、
長年にわたってよい関係を維持してきたし、よいコンタ
SODECO が 3 0 %、そして ONGC と Rosneft 等はそれぞ
クトを持っている。政府の最も高いレベルでの人間関係
れ 2 0 %となった。ExxonMobil がオペレーターとなっ
が良好なものとして構築されている。ここから、ロシア
ているが、われわれもサハリン-1においては重要な
における合弁事業の立ち上げが一つの構想として、今後
検討されるのではないかと期待してい
る。さらに、Imperial Energyという企
業を26億ドルで買収した。ヤマル半島
Dauletabad
においての事業参加ということでハイ
レベルの交渉が行われている。サハリ
AFGHANISTAN
CHINA
Kabul
ン- 3 に関しても参加を目指し鋭意交
Islamabad
TA
P
IP
渉中である。
ipe
PAKISTAN
line
Lhasa
Delhi
NEPAL
IPI Pipeline
ASSAM
BANGLA DESH
Durgapur
INDIA
Mumbai (Bombay)
Mumbai High
Calcutta
協力関係についても、現在、AFK シ
ステマ(Sistema)を通じて交渉中であ
Dhaka
WEST BENGAL
GUJARAT
(Trebs)油田の買収についても交渉中
である。東シベリアのバンコールでの
Kathmandu
Gurgaon
ティマン=ペチョラのトレブス
Chittagong
MYANMAR
る。AFK システマは持ち株会社であ
り、インドのテレコム分野に 2 0 億ド
ルの投資をしている企業である。オー
Pune
Kakinada
Deen Dayal
Dhirubhai
Krishna-Godavari Basin
Bangalore
Tamil Nadu
Gas Field
Gas Pipeline
ナーのティムチェンコ(Timchenko)
氏はプーチン氏と非常に近い関係にあ
る。この AFK システマを通じて、バ
シュコルトスタンの地方石油企業バ
シュネフチ(Bashneft)のプレゼンスを
確立することになった。このような形
で、ロシアにおいてさまざまな投資を
試みていることを知ってほしい。
また、
出所:World Public Forum ホームページより
図
インドを中心とするエネルギー地図
ロシアのエネルギー市場でのわれわれ
の競争相手は中国である。しかし、中
国よりもロシアはインドを優遇してく
れる。
2012.5 Vol.46 No.3 10
インドから見たロシア・中央アジアのエネルギー戦略
クレジットが検討されていたということである。ロシア
一例を挙げよう。スラブネフチ(Slavneft)という会社
人いわく、中国人というのは非常にやっかいな、そして
があり、これは民営化されている。中国はこの企業を買
また、やりにくいパートナーであるなと……。だから、
収したいという意向を持った。そして、プーチンもこの
ぜひ日本とインドが協力して、その投資ができればよい、
中国の企業を招いた。しかし、Slavneft の中国への売却
と私は考えていることにご留意頂きたい。実際、1 9 9 0
についてはロシア議会が反対した。モスクワにおいて入
年代ごろからロシアの一部の政府関係者は、ロシアのエ
札が行われたが、その際に中国の代表団も参加した。し
ネルギー産業に、より多くの日本のプレゼンスを得たい
かし、モスクワ空港からこの中国の代表団が消えてし
と言っていたのを思い出す。
まった。そして、
Slavneftの入札には結局参加できなかっ
インドとロシアの協力関係についてのまとめをした
た。したがって、モスクワ政府としてはロシアのエネル
い。ONGC と Gazprom の 間 の 契 約 が あ る。Rosneft と
ギー分野において中国のプレゼンスが大きくなるのを敬
ONGC の間の契約もある。これはロシアにおいての権益
遠していることがうかがわれる。
関連だけではなく、第三国においての取り組みも含めて
要するに、中国はお金はたくさん出すことはできるけ
の契約となっている。ロシアはインドのパイプライン建
れども、あまり歓迎はされていないということである。
設事業にも参加している。これは、総延長1万 7,0 0 0km
ちなみに Slavneft に対する入札額としても 2 5 0 億ドルが
である。ベンガル湾において Gazprom は地質学的な調
想定されていたそうだ。Slavneft からその石油の供給を
査を行っているさなかにある。両国間の将来展望も明る
1 5 年間、2 0 年間得るために 2 5 0 億ドルの長期的な与信、
いと言える。
3. インドと中央アジアとの関係
インドと中央アジア諸国との関係
見られた。ロシアがもはやこの TAPI には反対していな
インドと中央アジアのエネルギー分野の協力関係に移
いからである。トルクメニスタンのガスがパキスタン、
りたい。エネルギー協力に関しては、中央アジアのカザ
インドに輸送される、そして、また中国に行くというこ
フスタン、トルクメニスタン、そしてウズベキスタンと
とになると、ヨーロッパ向けが減ることになる。そのロ
交渉を行っている。カザフスタンでは、ある程度の成功
シアの関心事は、思うに、このパイプラインを通して中
を収めている。カザフスタンでは石油企業の M&A の案
国、パキスタン、インドに輸送されることになると、ト
件があった。それに対して中国ならびにインド、いずれ
ルクメニスタンとしては対ヨーロッパ向けでロシアと競
もが入札したが、インドのほうがより高い札を出すこと
合するためのガスがなくなることにあると思われる。
ができた。しかし、その企業を買収したのは中国であっ
TAPI に関してはこの1年間、関係する4カ国の間で
た。これにはある種の背景があるだろう。しかし、一部
協議が行われてきた。そして、本件に関しての報告書が
で成功も収めている。
準備されている過程にある。しかし、アフガニスタン、
次は、トルクメニスタンとのエネルギー関係について
パキスタンの良好とは言いかねる関係があるため、この
である。TAPI というパイプライン案件で、この頭文字
プロジェクトの将来に関しては不確実性がつきまとって
はトルクメニスタン、アフガニスタン、そしてパキスタ
いる。パキスタンとアフガニスタンの問題が解決しなけ
ン、インドの略である。ガスをトルクメニスタンからパ
れば、このパイプラインに対して投資する企業がなかな
キスタン、
インドに輸送するためのパイプラインである。
か出てこないという問題がある。以上が TAPI パイプラ
これは当初アメリカ企業が計画していた事業である。ロ
インについての現状である。
シアは TAPI に関しては参加する意向もなく、また参加
また、ウズベキスタンとの合意がある。これは地質学
の許可もされていなかった。アメリカの思惑としては、
的な調査、ガスの開発・掘削に関しての案件である。イ
このトルクメニスタンのガスをロシアに輸送されること
ンドはアジア・エネルギーグリッド構想を発表している。
のないように、パキスタン、インドへ向けて迂回させる
このグリッドというのは供給国、そして消費国も含まれ
というものであった。しかし、この1年で新しい展開が
るものである。アメリカはこの構想に対して反対である。
う
11 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
したがって、このアジアのエネルギーグリッド構想は具
キルギスタンあるいはタジキスタンとの計画は、電力
体化には至っていない。しかし、また TAPI に関しても、
をインドに提供してもらうという内容である。これら二
これから 1 0 年先あるいは 2 0 年先には実現できるのでは
つの共和国はエネルギーに余剰がある。これが CASA-
ないかという希望はまだ捨てていない。インドとしては
1 0 0 0 という計画で、パキスタンならびにインドに、キ
TAPI のパイプラインがウズベキスタンまで延長される
ルギスタン、タジキスタンから送電するという計画であ
ことを希望している。その場合はウタピ(UTAPI)とい
る。本プロジェクトに関してはロシアも 9 億ドルの投資
う名称になるかと思う。そして、カザフスタンまで延長
を検討している。以上、中央アジアにおけるガスエネル
するという計画もある。これは、クタピ(KUTAPI)と
ギーの取り組みについて概観した。
いう名称になるかと思う
(笑い)
。
4. イランに関するエネルギー地政学
(1)IPI(イラン-パキスタン-インド)パイプラインに
関して
た国が 2 カ国含まれている。一方、IPI においては 1 カ国、
パキスタンだけが問題国となる。IPI は平和のパイプラ
イラン、パキスタン、インドパイプラインについても
インになると主張している人もいる。パキスタンにとっ
若干触れたいと思う。イランはインドに対する石油の供
ては、その棚ぼた的な利益を享受することができるので、
給国として極めて重要である。わが国における石油需要
このプロジェクトに反対する理由はない。
の 1 2 %がイランからの石油の輸入によるものである。
イランのガスをパキスタン経由でインドに輸送するとい
(2)イランからの原油輸出
うのが IPI 計画である。しかし、本プロジェクトに関し
現在はイランからの石油の輸入を減らすという圧力が
てはアメリカが反対している。イランとの関係に鑑み、
わが国にかかっている。しかし、核疑惑を起因とするイ
地政学的な理由から拒否、反対している。Gazprom は、
ランに対する制裁的措置はインドにとって問題だと考え
この IPI パイプラインに対しては、投資の意向を示して
ている。国際的な制裁が強化されると、イランからの石
いる。ロシアが投資したいと考える背景には、イランの
油輸入に対しての支払いができなくなってしまうのだ。
ガスがヨーロッパ向けに供給され、自国のガスと競合す
ヨーロッパの銀行経由の支払いができなくなった際には
ることを懸念していることがある。したがって、ロシア
トルコ経由を開始した。トルコも、しかし今ではアメリ
はイラン、パキスタン、インドパイプラインに対し、大
カから強い圧力を受けている。このような便宜をインド
きな関心を示しているわけだ。
に提供してはならないという、その同様のことにおいて、
本プロジェクトに関しては、2 0 0 5 ~ 2 0 1 0 年にかけ
トルコは圧力を受けている。だから、ロシアと現在は交
て一時、関心が薄れた。その間、インドがアメリカとの
渉中である。わが国に供給される石油の支払いをイラン
関係を強化したからである。したがって、3 年、4 年、5
に対してする際に、以上のような仕組みを活用しようと
年と IPI に対する関心がインド側で薄れていた。その当
考えている。
時われわれはアメリカとの戦略的な関係を模索してい
最後に、インドにとってこれから向こう数年間、ある
た。しかし、これは十分に実現しなかった。現在はまた
いは数十年間、エネルギーの安全保障を確保する上で、
イランとの本格的な協力、そして IPI への関心が動き、
ロシアは現在も過去も未来もそうだが、極めて重要な役
パイプラインに対して関心が再度高まりつつあるところ
割を果たしているということである。インドはこのロシ
だ。これはパキスタンにとっては
「棚ぼた」
的な意味合い
アや中央アジアとは極めて良好な関係にあるので、今後
を持っている。トランジット国となるだけで、それ以外
は日本と協力してロシア、中央アジアへの投資を検討し
何も貢献しないのに利益を享受できるからである。しか
ていきたい。
も、TAPI に比べると問題が少ないパイプラインである。
どうもありがとうございました。(拍手)
かんが
TAPI では、アフガニスタンとパキスタンの問題を抱え
2012.5 Vol.46 No.3 12
インドから見たロシア・中央アジアのエネルギー戦略
5. 質疑応答
司会:モハンティ教授、どうもありがとうございました。
なところにあると思うが、むしろインドが本当に石油を
新鮮な情報が多く、有益でした。それでは、会場からご
手当てしたいのであれば、なぜもっとアフリカに進出し
質問があれば聞いて頂きたいと思います。
ないのか、理解できない。ロシアから原油を出すと、東
からだとマラッカ海峡を通り、西からだとスエズ運河を
【質問①】
通ることになる。さらにガスのパイプラインの話が出た
大変面白い話をありがとうございました。インドとソ
が、これもロシアからインドに通すというのはそう簡単
連との関係、インドとロシアとの関係には思ったより深
ではないのではないか。
いものがある。今後、インドがガスを入れていくとなる
と、ガスパイプラインを含むそのエネルギーのこともあ
《回答》
るかと思うが、先ほどの TAPI、それからイランからの
まず、申し上げたいのは、われわれはアフリカにも投
パイプラインについて、インドのエネルギー・ストラテ
資をしているということだ。そして、ベネズエラという
ジーのなかで、ガスの占める割合がどのくらいのター
非常に遠い国にも投資をしている。当然のことながら、
ゲットになって、それで、LNG とガスのパイプライン
石油をベネズエラから輸入する予定はない。そして、こ
から来るガスが大体どのくらいの割合になったらいいか
れまでのところ、ロシアからも石油の供給を受けていな
というような、ターゲット的なものと、それから時間的
い。しかし、石油は国際的なコモディティである。売買
な軸でいつまでにという事業のターゲットは現在設定さ
して、そして、また他から調達をする、その対価にする
れているのか。
こともできる。またスワップ取引も行うことができる。
例えばサハリン-1からの供給についても、石油・ガス
《回答》
をインドまで持ってきているわけではない。それを日本
具体的な計画はある。しかし、現在は手元にその数字
に売っている。また、そのパイプラインをロシアとイン
がないので、一般的な計画について説明する。インドの
ドの間に建設して、ガスの引き取りをするというような
ガス消費は、今後急速に拡大していく。したがって、パ
計画はない。ロシアは中国に向けてガスを供給するため
イプラインを通してのガス、また LNG の両方を検討し
のパイプラインを建設する予定でいる。また、カザフス
ている。LNG は大きな数量をカタールから輸入してい
タンのガスも中国に供給される。そして、これらのパイ
る。ロシアからの LNG 供給も検討中である。サハリン
プラインについては、さらに延長し、カザフスタンある
-3ならびにヤマルで LNG の供給をするということを
いはロシアからガス供給を受けることができるのではな
ロシアは現在計画中である。今はまだ計画中のものもあ
いかということも理屈としては議論されている。
るが、間違いなく今後、インドはロシアからガスと石油
しかし、現在の計画は、ロシアから LNG の供給を受
の両方を輸入することになると思う。ガスの場合は主に
けるということである。但し、LNG の分野はまだ十分
LNG になる。現在インド政府はロシアのパートナーと
にロシアにおいて開発されていない。よい LNG の供給
真剣に交渉を行っている最中である。2 0 1 1 年 1 2 月、イ
拠点は数カ所にしかないと言われている。しかし、ロシ
ンドの首相がロシアを訪問した際にトップ同士の協議が
アから LNG を輸入するということについては、具体的
行われ、一部両国間で契約が締結された。更に、バング
な検討が行われている。以上がロシアからインドへのガ
ラデシュとミャンマーからガスを輸入する予定である。
ス供給についての答えである。
イ ン ド 南 東 沖 の ク リ シ ュ ナ = ゴ ダ ヴ ァ リ(Krishna
そして、またロシアからの輸入品目としては、常に石
Godavari)
堆積盆地に、まだ未開発のガス油田がある
(図)
。
油製品が非常に重要なウェートを占めている。3 国間の
このような供給源をもって、今後のインドのガスの需要
契約の下、石油・ガスの調達をするということもある。
を満たしていく予定である。
長年にわたって、インド、イラク、そして旧ソ連との間
に3者間の契約があった。そして、イラクからヨーロッ
【質問②】
パへの供給については旧ソ連が満たし、そして旧ソ連の
石油について伺いたい。
、供給源のタイプは分からな
インドへの供給のコミットメントをイラクが補完してい
いが、地理的に見て、インドにとってロシアは大変不利
るという関係であった。もちろん、そのような取り決め
13 石油・天然ガスレビュー
アナリシス
というのは、その後なくなった。イランとの同様の取り
らの支援を受け、今後 1 8 基建設する予定である。この
組みが検討されたが、こちらも実現しなかった。
分野においてはフランスとも協力関係があるが、まだ原
子炉の建設は実現できていない。
【質問③】
アメリカもインドにおいて原子力発電所の建設に関心
先ほどロシアの資源開発で、日本とインドが共同で取
を強めている。しかし、インドのエネルギー関係者は、
り組みたいという話をされたが、どの地域においてとか
フランスやロシアに比べてアメリカの原子力発電の技術
具体的な話はあるのか。
は 1 0 年から 1 2 年遅れていると判断している。これから
われわれは、向こう数十年かけて何千億ドル規模の投資
《回答》
を原子力発電所建設に振り向ける予定なので、フランス
繰り返すが、ロシアとの関係は非常に良好なものであ
やロシアにとっては大きなチャンスになると言える。ま
る。わが国がロシアにおいて石油関連の権益を享受でき
た、この分野において日本とインドの協力関係も模索で
ているのは、ロシア政府との関係、そして国民同士の関
きると思う。原子力発電に関しては、インドは真剣に日
係も良好であるからだ。また防衛関連あるいはエネル
本からの支援を検討中である。これは真剣に検討してい
ギーの供給に関しても、ロシアとの関係を強化するとい
くべきプロジェクトであると思う。
う動きがある。これも、やはりスワップの取引になる。
イランの海軍、空軍、そして、また陸軍が使用してい
【質問④】
る武器の 7 5 %がロシア製である。しかし、武器の海外
ロシアサハリン-3で LNG を検討中だという話が
からの輸入に関しては、インドは今後シフトを真剣に考
あったが、インドはサハリン-3に興味を持つのか。具
えている。その結果、インドの武器市場へのロシアの輸
体的に何かアクションを起こしているようなことはある
出は急速に低下している。ロシアに代わってイスラエル
か。
とアメリカがシェアを伸ばしており、ロシアはその点を
懸念している。そこで、先ほど申し上げた、ロシアとの
《回答》
武器ならびにエネルギー権益のスワップという取引が実
関心の表明はもう既にした。プーチン首相がインドを
現している。われわれがロシアにおいてエネルギー権益
2 0 1 1 年3月に訪問したが、その際にも議論された。ロ
を得ることの代わりとして、ロシアから武器を調達する
シア側としても、インドがサハリン-3に参加するとい
という仕組みになっている。そして、インドのスホイ
うことに対して前向きに考えているようだ。「2 0 3 0 年に
3 0 の調達と、サハリン-1はその一体の取引であった
向けてのロシア・エネルギー戦略」が発表されているの
のではないかといううわさが流れている。確かに、スホ
を、皆さんご存じだと思う。現在は、ロシアのエネルギー
イ 3 0 はよい戦闘機ではあるが、1 9 9 6 年の当時を考えて
の輸出の 9 7 %がヨーロッパ向けになっている。しかし、
みると、ロシアにおいてさまざまなカオス、混乱があっ
2 0 2 5 年あるいは 2 0 3 0 年にかけて、2 5 %を東方に向け
たので、直接スホイ 3 0 の購入取引を実現することが難
輸出したい意向を表明している。そして、アジア太平洋
しかったのではないかと思われる。そこで、インドがサ
地域におけるエネルギー戦略を、ロシアは既に打ち出し
ハリン-1の権益の 2 0 %を得る代わりに、スホイ 3 0 を
ている。このなかで4カ国が取り上げられている。まず
調達するという取り決めが考えられたと思われる。この
日本、中国、韓国とインドの名が挙がっている。ロシア
ような仕組みを将来において、また別の政策に関して活
はエネルギーの輸出に関し、ヨーロッパ市場に対する依
用することが可能だと思われる。
存度を低くしたいと明言している。その輸出の仕向け先
もう1点申し上げたい。
ロシアとインド間のエネルギー
として、アジアにより多く振り向けるということを真剣
協力を考える際には原子力発電を忘れてはならない。エ
に考えている。したがって、われわれとしてもこのチャ
ネルギーに原子力の占める割合はインドにおいて3%に
ンスを享受すべきだと思っている。
とどまっている。向こう 2 0 年間でエネルギーに占める
原子力の割合を3%から 2 0 %まで引き上げる予定であ
【質問⑤】
る。原子力発電所を建設するために何百億ドルもの投資
ロシアの石油会社についての投資適格性を調べると、
が予定されている。インド南部のタミルナドゥ(Tamil
すごくカントリーリスクが高いという印象を持っている
Nadu)州において、既にロシアが2基の原子力発電所の
が、インドの企業はそういうリスクをどうやって軽減し
建設を完了している。そして、このような形でロシアか
ようとしているのか。
2012.5 Vol.46 No.3 14
インドから見たロシア・中央アジアのエネルギー戦略
《回答》
ノルドストリーム、あるいはサウスストリームのパイプ
非常に深刻な問題だ。しかし根拠のない懸念というも
ラインを整備しているところである。ウクライナ経由の
のもあると思う。例えば冷戦が非常に厳しい状況にあっ
パイプラインだけに依存するという事態を軽減しようと
たとき、欧米との冷戦状況下、ソ連はエネルギーを武器
考えている。
として活用したことはなかった。エネルギーの供給に関
ただ、私が懸念しているのは、また別の分野において
しては、不公平で不当な手段を活用するとは思えない。
である。ロシアは依然、投資対象として安定した国とは
ただ、その懸念される背景も理解できる。例えば今年の
言えない。1億ドルでベレゾフスキーというロシア人が
冬はロシアからのガスの供給が途絶え、ヨーロッパにお
シブネフチ(Sibneft)という企業を買収した。今度は同
いてはもう凍ってしまうほど寒い冬を経験した。ロシア
じ企業を、国家が 1 3 1 億ドルで買い戻した(注:厳密に
からのガスのヨーロッパへの供給の 8 0 %はウクライナ
は国営の Gazprom が購入して GazpromNeft とした)
。ま
を経由するものである。そして、ウクライナは受け取っ
た Yukos 社の歴史に関して、皆さんご存じと思うが、
たそのエネルギーに関して、ロシアに対してきちんと支
Yukos社はロシアの石油の30%を掌握していた。そして、
払いをしていなかったと指摘されている。そして、ロシ
プーチンはこの企業を解体させ、そして、また国営とし
アのガスを盗むという行為もウクライナ側にあった。し
て取り込んだ。もちろんいろんな背景があって、この事
かし、西側欧米諸国のメディアはロシアが悪いと報道し
態に関わっていたのだが、しかし、投資家に対して誤っ
た。確かに大きな供給源であるという意味でロシアにも
たメッセージを発信してしまったということは否めない
一部責任があると思うが、本当は、この問題の当事者は
と思う。
ウクライナなのだ。いまも言ったように、ウクライナが
パイプラインからガスを盗んでいたからである。それに
司会:モハンティ教授、どうもありがとうございました。
よって、ヨーロッパへのガスの供給が減少してしまった
会場の皆様、本日はお忙しいなかご参加頂きまして、あ
ということである。もちろん、
ロシアもこの状況に鑑み、
りがとうございました。
発表者紹介
Arun Mohanty(アルン・モハンティ)
デリーのジャワハルラル・ネルー大学(Jawaharlal Nehru University)国際関係学科教授。PuriのSCSカレッジ、 Cuttackの
Ravenshawカレッジ、モスクワ大学卒。ロシア科学アカデミーにて博士号取得。モスクワ大学にて講師、准教授、世界経済国際関係
研究所(IMEMO)教授を経て現職。安全保障、インドーロシア関係、ロシアーCIS政治論の専門家。また、ニュー・デリーにあるユー
ラシア基金理事、「ユーラシア研究誌」編集長。ロシアおよび非西欧の政治に関する7冊の主著、20編の主要論文、その他多数。
15 石油・天然ガスレビュー
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お問合せ先
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC) 石油調査部
E-mail:[email protected] TEL:03-6758-8024
担当者:鈴木 美穂、大海 亜沙子
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