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講演資料
⽶国連邦政府に於けるプログラム取得(調達)マネジメントで活⽤されている コスト評価(推計)の実態 Cost Estimating in Acquisition Management System of US. Federal Government 17th Dec. 2013 Ken Nishi ⽇本コスト評価学会 理事 Graduate School Japan 理事⻑ Graduateschool.Japan 1 Copyright © 2013 Graduate School Japan ICEAA は the International Society of Parametric Analysts (ISPA) と the Society of Cost Estimating and Analysis (SCEA) が2012年11月に合併した組織であります。 ISPA は1979年に当時ワシントンDCに居た300名の分析者や管理 者たちがコスト評価をする一つの技法であるパラメトリック技法を拡げ ることを目的に設立された組織であります。 一方、業界の人達で作った組織 the National Estimating Society (NES) と 米国連邦政府機関の人達で作った組織 the Institute of Cost Analysis (ICA) が1990年に合併しSCEAが できました。 現在のICEA はコスト分析や評価を政府機関と業界で広めるために 分析・評価の知識体系としての標準を作成しました。更にその知識体 系に基づく専門家を育成し、認定機関としての役割も果たしています。 米国コスト評価学会( ICEA; 元SCEA)の理事会が、2010 年9月に日本コスト評価学会を正式公認団体と認定しました。 その後、東京都より特定非営利活動法人(NPO)とし2011年 2月に正式認可が下り、設立登記が完了し、日本コスト評価 学会として正式に設立に至りました。 これまでの主要な活動としては次の通りです。 • CEBoK™ (Cost Estimate Body of Knowledge;コスト 評価の為の知識体系)に基づく 特別研修セミナー • ICEAAによって認定されるコスト評価プロフェッショナル (PCEA®)認定試験の実施 • PCEA®試験のためのCEBoK™ 特別研修会 • コスト評価に関連したカンファレンスを2回そして関連し た国際会議とワークショップの開催があります 2014年2月にPCEA® 及び ICEAA® 試験を実施する予定 です。 Graduateschool.Japan 2 Graduate School USA とは Graduate School USA は米国連邦政府が設立した90年の歴史を持つ事業・業務に直結した実践学習を提供 する組織です。 1961年、米国連邦政府の当時の司法長官 Robert F. Kennedy 氏の要請により、Graduate School USA に GS International Institute が創設されました。 Graduate School USA は、各組織のミッションゴールを達成する為に必要な能力要素の全体像(モデル)を 設計し、更に戦略的人財育成のロードマップを作成しています。 2009年にNPO法人となり、現在もなお600以上の実践コースを連邦政府機関を中心に年間20万人以上の受 講者を受け入れています。 W. EDWARDS DEMING AWARD デミング博⼠は20年以上もの間、本スクールでリーダーとして、また数学と統計学のインストラクターとして、さらに学 習カリキュラムの責任者として活躍されました。 マネジメントや統計分析の分野に与えた彼の多⼤な貢献は伝説となって います。Graduate School USAは、その功績を称えW.エドワードデミング賞を設⽴、2005年より、その年の最も優れ た⼈材育成部⾨に授与しています。 Graduateschool.Japan 3 米国連邦政府 「調達変革20年間の始まり」 ストーリ 1992年 クリントン(元)大統領(候補)の選挙演説 「政府の再生; Reinventing Government」(92’年ベストセラー「reinventing the corporation」のフレーズを採用) 1993年 -NPR(National Performance Review;(テキサス州政府で活用された手法を採用) を設定し、 ゴア副大統領を実施責任者に任命 -タウンミーティング(政府キャリアーと共に国民へ「変化」を提唱)実施 NPR報告書に4つのキー要素を記載 ① 形式主義の排除(「調達の合理化」が包含) ② 顧客(Customer)主導 ③ 結果ベース実現の為に職員への権限委譲 ④ 基本を推進し後戻りしない -「ルール」と「自由裁量」 1994年 ペリー長官による「取得リフォーム」 -取得マネジメントの変更理由と変更が与える影響 -国防総省取得規程の変更・改善の始まり 「ルール」と「自由裁量」 4 大統領府 議会 司法 CBO Council CAO CIO OMB GAO OFPP 協議会 予算及び 進捗管理 及び評価 長官 省内CFO・CIO 監 査 GSA CAO/CIO 財務省 エネルギー省 ○○省 プログラム プロジェクト Graduateschool.Japan 国務省 5 連邦政府の取得に係る法規制 FAR に 「Cost Estimate」に関連した要求事項が多く記載しています。 Graduateschool.Japan 6 取得マネジメントフレームワーク マイルストーンA, B, Cのプロセスエントリ MS B or Cのプログラム始動 始動基準前の加入フェーズ 進化的な取得、または全能力を発揮する 最初のステップ ユーザーの需要とテクノロジーのチャンス B A 概念構築 企画・基本開発 ソリューション分析 (プログラム 始動) C DoD 5001 生産、構築 & 展開 設計・開発 & デモンストレーション 監察デザイ ンレビュー 概念決議 取得前 運用 & サポート FRP 決議 レビュー 取得後(維持) 取得 Graduateschool.Japan 7 取得マネジメントに於ける コスト・エスティメイト及びコストリスク評価に関連する要素 取得前 取得 取得後(維持) 代替案の分析 ライフサイクルコスト SOW/WBS 予算 予算 契約 パフォーマンス・ベースライン パフォーマンス・ベースライン EVM IBR 進捗管理 変更管理 リスク管理(コスト・スケジュール・テクニカル) Graduateschool.Japan 8 取得マネジメントのプロセス 組織の業務及び取得方針と戦略 スコープ(ニーズと要求) 受入とプロジェクトレビュー テスト・試験 業務改善 コンセプトの改良・技術開発 プロフェショ ナルサービス 小規模購買 インソーシングとアウ トソーシングの決定 監視と測定/監査と是正 調達IPTの編成 RFIと市場調査 ライフサイクルコスト見積りと資産マネジメントの確立 取得IPTの 編成 教育 契約締結と 契約マネジメント 詳細実施計画と評価 (IBR)交渉 プログラムMGT の構成 取得計画書と予算設定 提案書の評価と契約候補者選定 (予備IBRを含む) 取 得 に 係 る 法 規 制 及 び 規 定 調達・契約マネジメント 計画とRFP提示 Graduateschool.Japan 9 取得に関連するProgram Management 利害関係者ごとの視点とスコープの違い PMのアプローチ 終結 管理 実施 計画 立上げ PMBoK PM -2 PM -1 PM -3 PM -4 更新 廃棄 保守運用 受渡 構築 製造 契約 RFP 計画 解決法 戦略 目標 ニーズ 新技術 業務改善支援 調達 製品・サービス ユニット 技術開発 市場調査 事業環境 RFI 代替案 設計 予算 計画書 開発・製造 保守 運用 アカウントMgr OBS (組織構成) PM エンジニア PMO P. オーナー 協力会社 Graduateschool.Japan 10 PWBS及びCWBS Program WBS / Contract WBS 発注者が設定するPWBS要素群 プログラム PWBS‐A1 PWBS-A2-1 発注者 契約者 PWBS レベルー1 PWBS レベルー2 PWBS‐B1 PWBS レベルー3 PWBS-A2-2 PWBS レベルー3 CWBS-A1 CWBS レベル1 CWBS-A2-1 CWBS-A2-2 CWBS-A3-1 CWBS-A3-2 WP CWBS レベル2 CWBS-A3-3 CWBS レベル3 発注者が事前に設定したCWBS要素群 (レベル3まで) および契約者が設定したレベル4以下のCWBS Graduateschool.Japan 11 WBS ワークに分解(Work Breakdown Structure) ワークは「作業」ではありません。 デリバブルス(成果物) がベースです。 コスト スケジュール WBS要素 WBS1 WBS2 WBS2 WBS2 WBS3 技術成果・品質⽬標 WBS3 WBS4 リスク Graduateschool.Japan 参考;Presentation Sheet by Mr. Wayne Abba 12 契約タイプ 固定価格タイプ 固定価格契約型 確定価格契約 固定価格契約(経済情勢配慮を含む) FAR 16.202 FAR 16.203 インセンティブを含む固定価格契約 ・ 企業の目標 ・ 継続する目標 ・ 裁定後の償 FAR 16.204、 FAR 16.203 予期される価格の再考慮を含めた固定価格契約 FAR 16.205 遡及型価格再考を含めた上限固定価格契約 FAR 16.206 努力成果レベルに応じた固定価格契約 FAR 16.207 Firm Fixed Price (FFP) Fixed Price Incentive (FPI) Fixed Price Level of Effort (FP LOE) Fixed Price Award Fee Fixed Price with Redetermination – Economic Price Adjustment – Prospective Price Redetermination – Retroactive Price Redetermination • • • • • コスト償還型契約 コスト契約 FAR 16.302 コストーシェアーリング契約 FAR 16.303 コスト償還型インセンティブ契約 ・ コスト プラス インセンティブ 契約 ・ コスト プラス 裁定配慮 契約 FAR 16.304 FAR 16.305 コスト プラス 固定報酬 契約 FAR 16.306 コスト償還タイプ • • • • その他(IT) 不確定なデリバリー・不確定な量に係る契約 (IDIQ) Muliagenciesでの契約 タイムーマテリアル契約 直接人工数と固定時間フィー (間接経費も含む) Cost Sharing Cost Plus Fixed Fee (CPFF) Cost Plus Incentive Fee (CPIF) Cost Plus Award Fee (CPAF) Graduateschool.Japan 1. 2. 3. 4. 13 データの要求 契約に係る質問 プログラムマネジメント及びコスト アーンド・バリュー・マネジメント・システム GAO’s Basic Characteristics of Credible Cost Estimates エスティメイト構造 プログラムの不確実に対する準備 妥当性のあるデータの可用性 エスティメイト策定にボードの参画 インフレの認識 除外対象のコストの認識 独立したエスティメイトのレビュー 重大なプログラム変更に対するエスティメイトの見直し Graduateschool.Japan 14 コストエスティメイトに係る知識体系 (Cost Estimate Body of Knowledge) 知識体系 コストエスティメイト コスト分析技法 分析手法 特定コスト 1. コストエスティメイ トの基礎 (コストエスティメ イトの手法) 1. データ収集と正 規化 (データの重要 性、収集プロセ ス、データのタ イプなど) 1. 基礎データ分析 に係る原則 (データのタイプ、 散布プロット、 データの妥当性 など) 1. 製造コストのエ スティメイト (製造設定、生 産量、労働、材 料コストのエス ティメイト、課題) 2. 指数及びインフ レーション (インフレとコス トの見積り、指 数) 2. 学習カーブ (理論、応用、ト ピックス) 2. ソフトウェアのコ ストエスティメイ ト (ソフトウェア開 発のプロセス、 ドライバー、アプ ローチ、エスティ メイトの技法、モ デル) 2. 原価計算の技法 (技法の比較) 3. パラメータ見積り (パラメータの基 礎とコスト見積り のプロセス)(コス トモデル) 3つの見積技法 アナロジー 積算 パラメトリック 3. 回帰分析 (一次要素、リニ ア回帰、非リニア 回帰モデル、モ デルの選定) 4. コストリスク分析 (リスクの分類、リ スクプロセス、リ スクのモデル化) マネジメントへの応用 1. 経済分析 (経済分析及び 特例) 2. 契約金額 (契約価格設定 のプロセス、コス ト対価格分析、 比較分析) 3. EVM (EVM要素、分析、 ツール) 4. コスト マネジメ ント (ライフサイクルコ スト、独立した可 変値としてのコス ト、目標コスト設 定、ABC) 5. 確立と統計 (傾向測定、分散、 分布、仮説検証、 統計) Graduateschool.Japan 15 GAO 1999年7月-2000年5月に上院議員の政府マネジメントに関連した評議会が現場でのヒアリングを実施し、その結果を大統領に 報告しました。それは「ヒューマンキャピタル・マネジメントの危機」と題した内容でした。 そこで2001年1月にGAOばこれを「最もリ スクの高い分野」と位置付け、これらの問題が下記機関のミッション達成に於ける経済性、効率性、そして有効性に大きな問題を 起している原因だと報告しました。その中には; • 政府職員の高齢化 • 増加する退官後の適任性 • 後継者への有効な引き継ぎ計画 • ニーズ、作業内容、スキル、の不均衡 • パフォーマンスをマネジメントすべき各機関の不都合な手法 GAO は2002年3月にModel of Strategic Human Capital Management を政府の各機関のリーダへの支援を目的に作 成しました OMB 大統領府の予算管理局 (OMB) はExecutive Branch Management Scorecard を作成し、各機関のヒューマン・キャピタ ル・マネジメント計画の進捗を可視化しました。 Office of Personnel Management (OPM) 2001年11月、大統領府の人事局はOMBのスコアカードを基に、 human capital balanced scorecard を作成し各機関を支 援することとなりました。 Graduateschool.Japan 16 取得を成功させるために、次の実践⼒が求められます Acquisition Officer に必要な基盤知識 知識領域 Realm 取得 力量 SKILLs Information Gathering 情報収集 Cost and Price Analysis コスト及び価格の分析 Judgment and Decision Making 判断と意思決定 プログラム・ プロジェクト コミュニケーション Oral Communication 口頭でのコミュニケーション Contract Administration 契約監理 Written Communication 記述によるコミュニケーション マネジメント ミッション 戦略的目標 Coordination 物事を上手く進めるコーディネート Contract File Management 契約関連のファイルマネジメント Flexibility / Change Control 新規・変更に対応できる力 Contract termination 契約の中断 Integrity and Conviction 整合性と信頼ある提示 Evaluation 評価 Partnering パートナリング Solicitation 提案要請 Problems Solving 問題解決 Financial Management 財務関連のマネジメント Professional Development 専門家の育成 Program/Project Management プログラム/プロジェクトマネジメント Quality Focus クオリティー第一 Integrated Performance Management Team Work チームワーク 統合パフォーマンスマネジメント バリュー Negotiation 交渉 Award 発注 Contract Closeout 契約の終結 財務 力量 SKILLs Acquisition Planning 取得計画の策定 Leveraging Diversity 影響力をもつ多様性 契約 知識領域 Realm Graduateschool.Japan 基本方針 プロセス プログラム枠での パフォーマンス目標 リソース 個人別の パフォーマンス目標 17