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血 中 薬物 濃度 の 測定
教 育 講 演 血 中 薬 物 濃 度 の 測 定 新潟大学医学部附属病院薬剤部 丹 野 慶 紀 Assay of Plasma Concentrations of Drugs Keiki TANNO De part me nto fHos pi t alm aT ・ maC y,N2 ' Z ' gat aUni ve rs i t y Sc hoo lo fMe di c i ne は じ め に 1. i nui u oに お け る薬 物 の 体内動態測定法 薬物 の bi oavai l abi l i t y に及ぼす お もな要因 として 紘,薬物の剤形 と性質 ,製造工程 の条件,薬物の物理化 本法は・薬物に放射性同位元素 または安定 同位元素を 学的性質 ,調剤の条件などの医薬品そのものの品質 と' 標識 して,薬物の坪内動態 または疾病の診断に用 いるも のである. 患者 自身の消化管分泌液の強弱,消化管内での食物な ど を含む薬剤の移動速度 ,吸収部位における薬物吸収の強 &・ 毒物の化学構造に変化を与えない屯の 1 4 C,阜 H, l l C,l B C,1 5 0,1 a l I ,1 2 5 Ⅰ ,1 2 3 I ,1 8 N, どの核種 弱などの生理的条件があげられ る. さらに上記以外の重要な要因 として, 患者の nonc 0 - 4 C と3 H の標識化合物は , ヒ トに 用 いられ 化合物 ・ 1 mpl i anc e( 服薬不履行)があげ られ る・ その頻度は最 ることは な く, 新医薬 品開発の 前臨床試験な どに おい 0-3 0%程度であ り,最高5 0-6 0% に達すること 低で も2 て'実験動物での薬物の吸収 ,分布,代謝 ,排椎 などの も希ではない.新潟県下の病院における外来患者 の服薬 ファルマ コキネティクスの実験 に用 いる.1 3 C は安定 同 i anC e の比率は約2 3%で, 状況については, noncompl 位播で,その標識薬物は ヒ トに授与 して血液 ,尿 などの 病気が よくなった と判断 し その理 由は 「のみ忘れた」, 「 試料を質量分析計を用 いて測定する.l l C は物理的半減 た」が大部分を占めている1 ) ・ すなわち患者の自己判断 期の短い B'放射体で,その標識薬物を患者へ投与 して に よって服薬が中止 されている.しか し薬物によっては 病巣部 または標的臓器における薬物の動態を体外か ら計 服薬中断に よって疾病の増悪や リバ ウン ド現象が起 こる 5 0,1 3 N は, C1 5 0,1 B NH3な どの化学形 で疾 測する ・1 ことがある. 病の診断に用 いられ る 1 1 3 1 Ⅰ ,1 2 5 Ⅰ ,1 2 3 Ⅰは,化学構造に 薬物療法の 目的は,品質の優れた医薬品を患者-適用 して, 目的 とする治療効果を有益かつ安全に発揮せ しめ ることにあるが,フェニ トイ ンの ように個 々の患者に よ り必ず しも同一の有用性を 示 さない場合や noncompl i - ヨー ドを もつ薬物,た とえば造影剤 ,甲状腺製剤 などの 体内動態を動物で調べ るのに用いる. b. 毒物の化学株遠に変化を与えるもの 1 3 1 Ⅰ ,1 2 5 Ⅰ ,9 9 mTc,1 13皿I n,1 8 F などの核種化合物 .こ anc e に よって有用性が阻害 され る場合がある. また薬 れ らの核種は,薬物に標識 した場合に元の薬物の化学構 物に よっては ジギタ リス製剤や炭酸 リチ ウムのように治 造 に変化を与えるので,一般には薬物の体内動感を調べ 療有効血中濃度の範 囲が狭 く,用量に細心の注意を必要 る目的では使用 されない.主 として検査 ・診断に利用 さ とするものもある・ 3 1 Ⅰと 1 2 5 Ⅰは ラジオイムノア ッセイの標識抗原 れ る. 1 したがって bi oavai l abi l i t y が問題 となる医薬品の場 1 3 ml n の化合物は核医学におけるシ として,的mTc と 1 合は,患者の体液中薬物濃度を測定 しながら,常に有効 ンチ グラフィー用に ,1 8 F は ブ ドウ糖 などに標識 して脳 で安全な畳の薬剤を授与する必要がある. の病態を調べ る目的で用 いられ る. 1 7 8 新潟医学会雑誌 第1 00巻 第 4号 昭和 61 年 4月 2. i nu l t r oでの体液中薬物 濃度測定法 本法にはガス クロマ トグラフィ-などを用いる物理的 : 字 書 ≡ ≡ I . 抗 棟 誠 抗 原 (珊 馳 薬 物 ) 体 -一 二 抗原( 紙 料 中 の 薬物 ) 方法 とエ ンザイ ムイムノア ッセイなどによる免疫学的方 、 巳 法がある. &. 物理的方法 \ 遊離 の 標 相 搬 虚 雌 の博 4) ma s schr omat ogr aphy 5) hi h perf g ormancel i qui d chr omat ogr 叩 hy ● l : a. ミ 講悪 霊 遊離の抗原 じ̀ 1 ) gaschr omat ogr aphy( GC) 2) GC mas ss pect r omet ry 3) ma s sf r agment graphy 1二 璽ヨ E 十L T j 園 [ : 璽∃十E - 原 吉 払 拭 塀 L E 諾 警 護 原 ' 抗 体 ( 抗 原 ・抗体 総 合物 ) を宝 丘 す る を. A l J 宝 Lて抗 原 (拭 料 中 の 薬物 ) ・ =f 図 1 ラジオムノア ッセイの原理 ( HPLC) 6〕 at omi c叩eCt r Ophot omet ry 病院で臨床 に 利用 され るおもな方法は, GC,HPLC の適当な 方法で 分離 お よび原子吸光分析である・ ( B/ F分離) して測定 しなければ ならないが,EI A などに比べて1 0倍以上の感度を有 し, b. 免疫学的方法 抗原 ・抗体反応を利用 して,生体 中に微量に存在す る か レモ ソ等の物質を測定できるようになったのは約2 5 年 前か らで. 最初に これを 実現 したのは, 医師 Ber S On と女性核物理学著の Yal l ow である. 2人は Ia l Iで標 lI識 したイ ソス . )ソの体内動態を調べている過程で , la イ ンス リンと結合す るものがイ ンス リンに対する抗体で あることを証明 し, さらに 抗体をめ ぐって 紘,遊離の標識抗原 と抗原 ・抗体結合物 を遠心分離な ど 131Ⅰ -イ ソス 生体内ホルモ ンなどの定量には必要不可欠の測定法であ る. 2) 非放射免疫測定法 RIA の有用性が高 まるとともに, その最大の欠点 で ある放射性物質の取 り扱い上の問題を解決すべ く,非放 射免疫測定法が開発利用 され るに至 った .これは放射性 同位元素の代わ りに酵素,ス ピソ,蛍光物質などを標識 リソとイ ンス リンが競合するとい う事実を発見 して,血 物質に使 う方法 と抗原 ・抗体反応を直接みる方法 とに大 n vi t roで測定す るラジオイムノ 液中のイ ソス . ). /を f 別され る. ア ッセイ (RI A)法を 1 95 9年に開発 した2 ) ・ 以来, 免 z L ) エ ンザイム イム ノ7 1 ・ /セイ ( EI A) 疫学的方法によるホルモンをは じめ とする生体微量成分 homogeneo耶 emEyme i mmunoa舶ay 血 中薬物濃 および 薬物 の 測定法が, RI A を中心に 数多 く開発 さ 度測定に最 も繁用 されている方法で Emi t ⑧ が知 られて れ , 現在では 酵素を利用 しエ ンザイム イムノア ッセイ いる.本法は図 1と同 じ原理 で,抗原の標識に酵素を用 (EI A)など種 々の方法が 急速に 開発利用 され るに至 っ い,基質 と共存 させた場合に酵素標識抗原 ・抗体結合物 た. の酵素活性が消失す るので,遊離の酵素標識抗原の酵素 1〕 ラジオ イム ノ7 ッセイ (RI A) 活性を測定す ることに よって試料中の抗原 ( 薬物)の量 本法は免疫反応の基本的な原理に基づ くものである・ / F分離の必要はない. を知 る方法であ り,B 図 1のように試料の抗原 ( 血中薬物)に一定量の抗体 と c ompet i ti ve bi ndhg emZ ; yme i T r L mt l hOAS 姐y 本法 標識抗原を加えることによ り,抗原 ・抗体結合物が生成 紘,抗体 と結合 した酵素標識抗原の量あるいは結合 しな す るが,この とき抗原 と標識抗原が一・ 定量 の抗体 に対 し かった酵素標識抗原の量を測定することによって試料中 て競合的に結合す る.すなわち抗体 と結合 しなか った遊 / F分離を 行 った の抗原 ( 薬物)を定量す る方法で, B 離 の標識抗原が多 く存在す る場合は,試料中の抗原 ( 莱 のち仁,その酵素活性を吸光度法で定量する.Mar ki t ㊦ 物)は少な く,遊離の標識抗原が少ない場合は試料中の が市販 されている. 抗原は 多 くなる. したが って 遊離 の 標識抗原あるいは B ubs tmte・ l Abel ed At 1 0reSCenCe i mmunoz L畠8 Ay 抗原 ・抗体結合物の放射活性を測定することによ り抗原 (SLFI A)本法は, 抗原を酵素で標識す るのではな く, (薬物)の量を 知 ることができる. RI A 以外の 免疫学 酵素の基質で標識 して,これ と試料中の抗原 〔 薬物) と 的測定法 も原理的にまった く同様である. RI A の場合 を共通の抗体 に対 して競合的に反応 させる方法である. 1 7 9 丹野 : 血中薬物濃度の測定 基質の ウソべ リフェロン L S -D-ガラクシ ドを標識 した抗 お よび 肝疾患患者 1 0 )の血清中には 内因性の ジゴギシソ 原は, それ 自身無蛍光性であるが, 1 3 -ガラク トシダー 様免疫反応物質が存在するとされ ,そのみかけ上の濃度 ゼで水解 され発蛍光性のウソべ 1 )フェロ/を遊離する. 3-1 4nmol 〃 と治療濃度域 に匹敵す るため, この は 0. この ものは抗体 と結合 した状態では標識基質は A または EI A に よるジゴキ シン よ うな 患者での RI 酵素氷解を受けない.したが って試料中の抗原 (薬物) 濃度測定では,その有用性が損なわれ る危険がある・現 の量が増す と,結合型の割合は減少 し,道に遊離型が多 在 の ところこの妨害物質の正体は明らかにあれていない しか レ くなるので酵素水解 によって蛍光は強 くなる.この原理 が ,Na nj iと Gr e e nwayは,蛍光偏光法 f luor oe B C e nC e を応用 した ものにエームス TDA⑧ がある. pol ar i Z = a t i o n' si mmunoa s s ay では ジゴギシソ様免疫反 t I 〕 f luor oe B C eT L C e POl ari Z : a t i on' 良i mmunoaS B Z L y 応物質に影響 されない としている10)・ ( FPI A) 4. 7 ェン トイン ( DPⅡ)の 本法は, 抗原の 標識に酵素や 基質を 用いるのではな 血簾中濃度 く,フルオルエ ッセ ンを抗原に標識する方法である.標 識抗原が抗体 に結合す るとその結合量によって フルオル DPH の抗てんかん薬 としての治療濃度範 囲は成人の エ ッセ ンの蛍光偏光値が変 化するので,その蛍光偏光値 血策中で 1 0-2 0j L g/ml ,唾液中で 1. 0-2. 2pg/mll l ) , を測定 して試料中の抗原 〔 薬物)を定量する.この シス 小児の血鰹中で 5 -2 0 pg/mll 乞 'と狭 い. 一方個体間に t t -TDX⑧ がある. テムに Abbo おけ る DPH の血照中濃度は きわめて大 きな 差が生 じ C) c ompe t i t i vene phel ome t ici r mmuT L OaS S ay 本法は抗原抗体反応を直接みる方法である.試料中の 抗原 (薬物) と多価抗原が共通の抗体 に対 して競合的に 結合するが,多価抗原 ・抗体結合物は不溶性沈降物 とな る・この不溶性微粒子は光散乱を示すので レーザー ・ネ プロメータを用いてその 散乱光 の 強度を 測定 して 試料 中の抗原 ( 薬物)を定量 する. この システム としては i -Pi T⑧ がある. 3) r adi or e c e pt orz L 朋ay( RRA) 抗体の代わ りにホルモンなどの受容体を用いる方法で やすい18). この原因の 一つ として DPH の物理的性質 と生体側の 要因 との 相互作用が あげ られ る・ すなわち DPH は水に 難潜で, かつぬれが 悪 いことである・ こ の ことは 経 口投与に おける DPH の消化管 吸収には, DPH の粒子径 と賦形剤が 関与す る ことを 意味 してい る. 一般に DPH は散剤 よ りも 錠剤の方が よく効 くと いわれ るが,これは錠剤中の賦形剤に よってぬ九が良 く なって吸収 されやす くなるためである.原未単味の投与 の場合は,ぬれが悪 く消化管内で塊 となって分散を悪 く して吸収 されに くくなる.粒子径 との関係では, DPH の原末 (平均粒径 1 9 0 L L m) と徴末 (平均粒径 4. 1 F Z m) A が免疫活性物質を測定す るのに対 し,RRA あるtRI をてんかん症例に服用 させると,DPH の最高血蝶中濃 は生物活性を対象 とするため,薬物のあらわす薬効の解 度は徴末投与が原末に比べて約 3倍高い値を示す1 4 ) . ・ま 析によ り適切な情報が得 られ る. -(p-hy dr oxyphe nyl ) 5 ・ -phe nyl h・ た DPH は体 内で 5 ydant oi m(p -HPPH)に代謝 され る過程が飽和 され るこ 3. ジゴキシンの血濃中濃度 とか ら, 体 内動態の 解析にはお もに消失を Mi dl a el i s - 経 口剤の投与では,一部は 胃か ら吸収 されるが,大部 Me nt e n 速度過程 で 近似 の ト コンパー トメt / トモデル 分は 小腸 よ り吸収 され る8 ). 錠剤の 吸収速度 と 吸収率 が用いられ る.すなわち,てんかん症例の薬物療法は厳 紘,薬剤 の調製法,薬物の粒子径や結晶形 ,賦形剤や添 密な 臨床観察 とともに, 定期的な 抗てんかん薬 の 血中 加剤によって異な り,製品間で bi oa va i l a bi l i t y が大 き l i ni c al 濃度測定を 必要 とし, 最終的 には 症例 ごとの C く異なることが知 られている4 ) . ほ とん どの患者で満足 phar ma c o ki ne t i c Sに基づいた 投与方法の検討が必要で 8-2. 0 mg/mlと すべ き治療効果を得 る血華中濃度は 0. ある. されてい が ・ 血中からの 消失は, 一次速度 過程 に従 ) 6 時間 即 であ り, 体内動態の 解析 い, その半減期は約3 は 2-コンパー トメン トモデルで表わ し得る. 臨床では 一般に 患者の 血渠中ジゴキシン濃度測定を 古. テオ7 ィ リンの血凍中濃度 テオフィ1 )ンの治療 血渠中濃度 範囲は 5-2 0 F l g/ml である15日 6).2 伽g/ml以上の濃度で悪心 ,頭痛 ,下痢 RI A または EI A によって行 っている. しか し腎障害 がみ られ ,さらに高濃度になると畷吐,消化管出血 ,発 患者 7 ) ,未熟児 ・満期産児 8 ) ,異常血清タンパ ク患者 恥, 作,心不整脈が生 じる・テオフィリンの投与方法 として 1 80 新潟医学会雑誌 第1 00巻 第 4号 和和 61 年 4月 0 ( l U 1 fBTJ) u O 芯t Su bj tB e c u )u 0 1 l 5 20h r . 5 図 3 各種基剤 を用 いた ア ミノフィ リン坐 剤の 直腸 吸収 (家兎 20mg/kg〕 t Uu OU a u!lJ tq d o aqL 吋E a I O ( U H-1 5 使用時 の血弊中濃度が最 も大 き く,ついで S-5 5, カカオ脂 , ポ リエチ レン グ リコール ( PEG)の順 にな る. S t!ld さらに ヒ トに おける 連続投与 では , カカオ 脂基剤 の ア ミノフィ リン坐剤 2 5 0mg を1 2時間 ごとに授与 した場 i L g/mlの血華中濃度を示 しプ 令 ,投与 3 日目よ り 5-8 ラ トーに達す る . また ,油脂性剤 のア ミノフィ リン坐剤 では ,保存期間 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 Ti me ( h r ) 図 2 健常男子 3名 にア ミノフィ リソ 500mg を 経口 ( 錠剤)お よび直腸投与 (カカオ脂坐 剤 ) した ときの血渠中 テオ フィ リン濃度 の影響 を受け ,室温保存 で経 目的に融点 の上昇 ,溶融時 2か月で融点 が 間の著 しい延長 が認 め られ ,調製後 6-1 330 か ら 40-500とな り19) , 坐剤 の bi oavai l a bi l i t yは 著 しく低下す る と考 え られ る. 6. 桂皮デ リバ リー製剤の は静注 ,経 口,直腸投与 な どがあ り,一般 には テオ フィ 血凍 中濃鹿 リソの約 20倍 の水溶解性を もつ ア ミノフィ リンの形 で使 近年 ,各種 の長時間作用型 の持効性製剤 の開発が進 め 用 され る. この ものは テオ フィ リンと ェチ レソ ジア シ られ ている・これ らの剤形 は治療有効濃度範 閏に薬物を ソか ら成 り テオ フィ リンを 8 4-86% 含んでいる. ア ミ 長期間滞留 させ る ことに よって ,薬物 の副作用を軽減 さ ノフィ リンの 経 口 ・直腸投与 に おけ る bi oavai l abi l i t y せ る とともに ,のみ忘れ な どに よる no nc ompl i a nC eを 紘 ,個体 間お よび剤形 の性質 に よ り著 しく異 なる . 園 2 防止 して薬物 を有効かつ安 全に患者 に適用す るための も は健常男子 3名 に 錠剤 と カカオ脂を 基剤 とした 坐剤 の のである・ 経 口用 の 浸透圧剤形 20㌧ ブ ドウ糖 セ ンサ ー 0 0mg を 1回投与 した ときの血華 中濃度 であ それぞれ 5 ) ,眼治療 シス テムの ピロカル ビ 付 のイ ンス リンポ ンプ21 る17)・この ときの最高血 中濃度 に到達 す る時間は ,経 口 オキ ュサ ー ト22)お よび 経度治療 システムの 経度性 ス コ で 2時 間 ,直腸投与 で 3時間である.また最高血 中濃度 ポ ラ ミン製剤 23) な どが あるが, ここでは 最 も利用度 が は経 口で 9. 9-1 2. 8 pg/ml ,直腸投与 で 8. 2-1 2. 4pg/ 高 い と思われ る経 度 デ リバ リー製剤 につ いて述べ る,こ mlで , 消失半減期は経 口 ・直腸投与 ともに 7-1 0時間 1 5-0. 2mm の貼付粘着剤 で, 薬物貯 の製剤は 厚 さ 0. である. 蔵層 ,放 出速度制御膜 お よび粘着剤か ら構成 され る多層 また , ア ミノ フィ リン坐剤 の基剤 と血策 中波度 との 構造 になっている . 関係に つ いては , ヒ トあ るいは 動物 の 個体差が 影響 し 図 4は , この シス テムに よる ニ トログ リセ リンとタロ て明確 で ないが , 図 3に 4種類の 基剤 を 使用 した ア ミ n vi vo ニジ ンの予測 された血華 中濃度 とヒ トにおける i ノフィ リン坐剤 の 1回投与 後 の 家兎 血渠中 テオ フィ 1 ) 実験 データを比較 した ものである24).両者は合理的に一 t eps ol ン浪度 (各群 5例)の例を示す 18). す なわ ち W i 致 し,予測 データは これ らの薬物 の ヒ トの皮膚 での透過 1 81 丹野 : 血中薬物濃度の測定 ( b) ( l L u J 6U)uo! 書a a u O 3E 届 ( L JEB u )uo葛 JlU S 己 O e E Se Ot ! uS t L ! d 2 1 2 3 4 5 6 7 Ti me( d a y s ) Ti me( h ) 図 4 経度デ リJI1 )-システムによる (a) ニ トログ リセ リンと ( b) タロニジンの血華中濃度 :実験値 - :理論値 , 研究において 兄い出された 生物学的 偏差内に 入 ってい が起 こる薬物にあっては,つねに患者の体液中濃度をモ る.したが ってニ トログリセ リンでは 1日 1回, タロニ ニターして適切 な薬物療法を行 うことが望 まれ る・ ジンでは 7日に 1回の貼付で治療有効濃度範囲に維持す 参 考 ることが可能である. 文 献 1 )丹野慶紀,ほか : 医薬品相互作用使用研究 ,7:7 9 7. 薬物の血凍中非括台形 濃度の測定 多 くの果物は血華中で血策 タンパ クと結合 して存在す ( 1 9 83). 2〕入江 寛 : I s ot opene ws ,No.335,p.1 6,日本ア 1 9 82). イ ソ トープ協会 ( るが,その結合状態は薬物に よ り異な り,薬物 ごとに一 3)Do her t y,J. E. : Ann.I nt .Me d. ,7 9:2 29(1 9 73). 定 の結合率を示す .た とえば血糖降下薬の ダリペ ソタラ 4)l J i ndenhum,J. ,e tal . : Ne w Engl .I .Med. . 9% のタンパ ク結合率を示すが,病態によ りある ミドは9 いは併用薬物 によ り,分子型 の非結合形の薬物濃度が高 まると血糖降下作用は増強 され る.このように薬物の作 28 5:1 3 4 4〔1 9 71 ) . 5)A hl l i s ,a. I. ,e tAl . : Cl i n.Phar ma c ol .Ther apリ 18:761(1 9 75) . 用 の強 さは非結合形 の濃度に依存す ることから,その薬 6)Smi t h,T. W. : Eng.Me d. ,28 8:71 9(1 9 73〕 ・ 物濃度を測定す ることが望 ま しいことは当然の ことであ 7)Gr aveB ,S, W. ,e tz L l . : Ann.I nt e r n.Me d. ,9 9: る・しか し結合形 と非結合形 の分離技術に難点があ りあ ま り普及 していない・分離法 としては平衡透析法,限外 櫨適法,超遠心分離法お よび ゲル波過法があるが,臨床 的には限外涯適法が操作が簡単であ り,所要時間が短か くて済む ことか ら繁用 されている. お も り に 以 上,血 中薬物濃度測定 と医薬品の剤形 ・製造法の相 違 による血華中濃度差について述べたが,特に治療有効 oa va i l a bi l i t y が問題 となる薬物 , 濃度域の狭 い薬物 ,bi または服薬を中断することに よって リバ ウン ド現象など 6 04(1 98 3) . 8)Pt L de k,A. 氏. ,e tal . : Cl i n.Che m. ,2 9:1 97 2 (1 9 83) . 9〕Vi nge,E. ,e tal . : N.Engl .J.Ma d. ,31 0:725 (1 9 84) . 1 0)Na nj i ,A. A.AndGr e enway,D. : Br .Me d.J . . 290:43 2(1 9 85) . l l )a〕EAdi e,A I . I. : Cl i n.Phai mac oki n. ,1:52 (1 9 7 6) . b)Hvi dber g,E. F.andDAm,A I . : Cl i n.Phar ma c oki n. ,1:1 61(1 9 76) . 1 8 2 新潟医学会雑誌 第1 0 0巻 1 2)Bor of S ky,L. G. ,e t 81 . : J.Pedi at fり 8 1:99 5 (1 9 7 2) . 第 4号 昭和 61 年 4月 : Pha r ma cyi nt e r nat i o nal ,5:293 20)Theeuw叫 F. (1 9 84) . 1 4)新熊博治 ,ほか : 薬剤学 ,3 9:1 21( 1 979). 21)Fr ane t 2 1 ki ,M. ・ . Phar mac eut i c alRe s e ar c h,1 98 4. 23 7. 1 5)Mi t enko,P. A.andOgi l i vi e .I, I . : New Engl . 22)Hei l m&nn,K. : Ther a L pe ut i c Sys t ems ,p・6 6, 1 3)間中信也 ,ほか : 脳 と神経 ,2 7:5 83( 1 97 5). J .Me dり289:600(1 9 73) . 1 6)Le vy,a.AT L d EoyB OOko. : J.Pe di at . ,8 6:789 (1 9 7 5) . 1 7)St l gAWar A,E.and Tanno,K. ,e ta . 1 . : Phar mac omet r i c s ,2 4:8 2 9(1 9 8 2) . 1 8)丹野慶紀, ほか : 医薬品 相互 作用 研究 , 5:1 5 9 ( 1 9 81). 1 9)藤井忠男 ,ほか : 病院薬学 ,5:1 4 8( 1 9 7 9). Tbi e me,Ne w Yor k(1 97 8) . 23)BAT L ker ,a. S. ,e tal . : Phar macyI nt er nat i o nal , 4:9(1 9 83) . 24)a)Good,W. R. : Dr ug Dev.I nd.Phar m. ,9: 6 4 7(1 983) . 畠 ,D.AndAr ndt S ,K. : Eur .I .Cl i n. b)Ar ndt Phar ma C O1 . ,2 6:79(1 9 8 4) .