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グローバリゼーションとIT経営-ビジネスプロセスとキャッシュの流れを
グローバリゼーションとIT経営 ビジネスプロセスとキャッシュの流れを可視化するIT経営のトレンド 株式会社NTTデータ 決済ソリューション事業本部 村上 雅春 1.内部統制をめぐる動向 2001年12月 売上高1,000億ドルを超える全米第7位の巨大企業 エンロンの不正経理に端を発した破綻 2002年 7月 サーベンス・オクスリー法成立 (米国企業改革法、SOX法) 2003年 4月 「企業内容等の開示に関する内閣府令」改正 2004年11月 東京証券取引所等の上場規制改正 2004年 金融庁「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた 11月∼12月 対応について」 2005年 2月 「会社法制の現代化に関する要綱」を答申 2005年 7月 金融庁(企業会計審議会)より「財務報告に係る内部統制 の評価及び監査の基準」(公開草 案)を公表 2007年 4月 「内部統制報告書」の作成・提出が義務付けられる予定 2 2.内部統制の新基準で法制化されること ①自社に「信頼のおける決算書を作るための内部 統制」があるかどうかを確認し、外部に報告する こと(内部統制報告書) ②当該報告について、外部監査を受けること 3 3.内部統制の意義と目的 ③法規の遵守 ④企業財産の保全 ①業務の有効性と効率性 ②財務報告書の信頼性 内部統制報告書の対象 ④ 情報と伝達 ⑤ 監視活動 4 ⑥ ITの利用 「参考文献:新会社法時代の内部統制/佐々野未知/創己塾出版」 事業単位3 ③ 統制活動 事業単位1 ② リスク評価 事業単位2 ① 統制環境 4.内部統制の構築のタイム・フレーム 現状把握と基 本方針の策定 ドキュメン テーション 導入・ 運用・ 是正 5 2006/09 2006/12 2007/03 2007/06 2007/09 2007/12 キックオフミーティング 現状把握 分析作業/報告会 業務の現状分析 規定の作成 マニュアル、フローチャート等の作成 リスクとコントロール分析 導入 是正 内部監査 最終報告 2008/03 ビジネスプロセスと会計の接点 組織志向から 組織志向から 営業部 営業部 営業部 営業部 物流部 物流部 物流部 物流部 業務プロセス 購買部 購買部 購買部 購買部 営業部 営業部 経理部 経理部 6 ビジネスプロセス志向へ ビジネスプロセス志向へ 経理部 経理部 会計情報/財務諸表 会計情報/財務諸表 会計情報/財務諸表 会計情報/財務諸表 ERPを活用したビジネスプロセスの可視化 購買管理 購買管理 生産管理 生産管理 販売管理 販売管理 原価管理 原価管理 買掛金管理 買掛金管理 一般会計 一般会計 売掛金管理 売掛金管理 固定資産管理 固定資産管理 給与管理 給与管理 資金管理 資金管理 経費管理 経費管理 7 「参照文献:ビジネスプロセスと会計の接点/岩谷誠治著/中央経済社 予算管理 予算管理 人事管理 人事管理 BPM(Business Process Management) を活用した内部統制の可視化 与信設定から受注 取引先 営業 注文書 注文書 与信 設定 発注 受注 出荷 注文 注文 請書 請書 出荷 指示 納品書 納品書 送り状 送り状 物品 物品 受領書 受領書 出荷 出荷 指示書 指示書 物品 物品 受領書 受領書検印 ¥ ¥ 請求書 請求書 検収確認 (売上計上) 売上計上基準 特殊な売上 法人税法上の売上割戻の扱い 請求 消費税等の端数処理 消費税の取引区分 領収書 領収書 回収 貸倒引当金 の算出 売上計上基準、企業会計基準による規定 売上返品、値引、割戻、割引の分類 商法 証取法 支払 出荷 経理 8 回収 検収 物流倉庫 税法 請求 生産、受注及び販売の状況の記載 「参照文献:ビジネスプロセスと会計の接点/岩谷誠治著/中央経済社 財務諸表等規則上求められる売上区分 セグメント情報の売上区分 関連当事者との取引 主な資産及び 負債の内容 BPM製品のカバー範囲 製品名 モデリング WebSphere Rational DB2 Tivoli Lotus 9 「参照文献:月刊ソリューションIT(No.173)/株式会社リックテレコム」 実行 モニタリング 分析 BPMを活用した内部統制の可視化の仕組み 経営戦略 経営戦略 分析 仮説検証 計画立案 経営目標 企業戦略 データウェアハウス 全社レベル 意思決定 経営データ(売上実績、成長率、 シェアなど)収集 経営トップ 経営企画 財務部 経理部 企業活動 企業活動 情報統合(新ビジネスインテリジェンス) 分析 仮説検証 計画立案 コスト指標 生産性指標 エンタープライズ データウェアハウス プロセス統合(BPM/BAM) 10 プロセスモニタリングによる プロセスの見える化/気づき化 部門レベル 意思決定 プロセスデータ(在庫、 原価、受注など)収集 商品部 販売部 事業部門 指標に基づくプロセス分析 現場での経営の見える化 業務プロセス マーケティング 開発 調達 生産 物流 販売 現場のプロセス可視化により事業単位の最適化/全体最大化を狙う新たなアプローチ 「参照文献:月刊ソリューションIT(No.173)/株式会社リックテレコム」 内部統制と密接な キャッシュマネジメントの位置づけ 対応課題 バランスシート 合理化 業務改善 IT活用 サプライチェーン 改善 リスク管理 金融商品 活用 関連会社の 経営把握 法務・税務 プラニング 「参照文献:アジアのキャッシュマネジメント/香港上海銀行東京支店編著/東洋経済新報社 ゴール 企業価値向上 連結決算重視 キャッシュフロー リエンジニアリング キャッシュマネジメント その手法例 グループ財務運営の 効率化・ 一体化 株主価値 重視 単体決算重視 11 会計上の利益重視 旧価値 新価値 基盤 基盤 ビジネスプロセスとキャッシュマネジメント 取立回収 消込 売掛金 営業部門 物流部門 経理部門 12 購買部門 キャッシュ 営業部門 経理部門 債権管理 取引条件管理 請求 物流管理 口座管理 流動性管理 資金繰り キャッシュ マネジメント 在庫管理 完成品在庫 「参照文献:アジアのキャッシュマネジメント/香港上海銀行東京支店編著/東洋経済新報社 請求承認 支払・消込 物流管理 取引条件管理 在庫管理 生産管理 原価管理 物流部門 経理部門 原材料 部品在庫 生産部門 物流部門 経理部門 国内のEBネットワーク(ANSERシステム) 金融機関ホスト コールセンタ ANSER接続メディア ANSERセンタ ANSERセンタ ANSER-FEP ANSER-FEP 各メディアセンタ 各メディアセンタ DDX-TP 電話網 ISDN internet 専用線 電話網 携帯電話会社 ゲートウェイサーバ (LANインタフェース) VAN センタ 電話 13 FAX パソコン ホームユース 端末 ANSER-SPCのAPI により 開発された各連携アプリケーション ブラウザ付き 携帯電話 ブラウザ搭載 パソコン Windows95/98/NT 搭載パソコン 企業ホスト ANSER-CLAのAPIにより 開発された各端末側センタ Windows95/98/NT搭載パソコン Solaris,HP-UX etc. 搭載ワークステーション 各企業のEB利用における現状と課題 ERP CMS FB 社内決裁フローとのギャップ (経理・記帳 (経理・記帳 資金・出納) 資金・出納) 会計 計シ シス ステ テム ム 会 グル ルー ープ プ企 企業 業 グ 14 経理部門 経理部門 CMS CMS 手作業による連携 (資金・出納) (資金・出納) 事務集中によるオペレーションの負担・リスクの増大 手作業による連携 財務部門 財務部門 本社 社会 会計 計シ シス ステ テム ム 本 本社 社 経 経理 理部 部門 門 本 経理部門 経理部門 (経理・記帳) (経理・記帳) 取引先企業 取引先企業 取引先企業 取引先企業 銀行 銀行 主取引銀行 主取引銀行 プーリング プーリング ゼロバランス契約 ゼロバランス契約 FB端 FB端 FB端 FB端 末 末 FB端末 末 FB端末 末 FB・ANSER契約 FB・ANSER契約 銀行毎に異な るシステム仕様 FB端 FB端 FB端 FB端 末 末 FB端末 末 FB端末 末 FB・ANSER契約 FB・ANSER契約 取引先企業 取引先企業 取引先企業 取引先企業 その他銀行 その他銀行 統括口座以外の口 座に資金が滞留 ⇒ グループ資金管理における課題 eBAgent(企業LAN接続サービス) ERP等とダイレクトに連携した資金の可視化 親会社(金融統括会社) グループ会社 A社 eBAgent (ASPセンター) A社の財務担当 インターネット B社 イントラネット : B社の財務担当 : CMS/基幹 システム システム連携 A銀行 FB システム LAN NTTデータによる 共同利用センタ B銀行 : 親会社(金融統括会社)の財務担当 経理、財務部門のトレンド 15 グループ資金管理の本部集中 グループ資金管理の本部集中 連結決済が主流になる中、グループ全体の資金管理業務を本社財務部等に集中する傾 連結決済が主流になる中、グループ全体の資金管理業務を本社財務部等に集中する傾 向にある。 向にある。 有利子負債の削減 有利子負債の削減 キャッシュ・フロー重視の経営スタイルに変遷。銀行借り入れ等の有利子負債を圧縮すること キャッシュ・フロー重視の経営スタイルに変遷。銀行借り入れ等の有利子負債を圧縮すること で財務体質の強化を図る傾向にある。グループファイナンスにも前向き。 で財務体質の強化を図る傾向にある。グループファイナンスにも前向き。 グループ企業の公正性 グループ企業の公正性 グループ財務、経理業務の公正性を確保(コンプライアンスの遵守)する必要があり、財務 グループ財務、経理業務の公正性を確保(コンプライアンスの遵守)する必要があり、財務 管理を本社に一極化したい。 管理を本社に一極化したい。 ERP等の基幹システム、CMSとの連携によるオペレーションの自動化により効率化を図るとと ERP等の基幹システム、CMSとの連携によるオペレーションの自動化により効率化を図るとと もにミスや不正を防止する。 もにミスや不正を防止する。 資金管理オペレーションの効率化 資金管理オペレーションの効率化 グローバルキャッシュマネジメントへの展開 SWIFT-ANSERゲートウェイ構想(案) 銀行 銀行 SWIFT−ANSER Gateway ANSER 銀行 銀行 銀行 銀行 SWIFT CMS 銀行 銀行 16 海外子会社A 海外子会社A 銀行 銀行 銀行 銀行 銀行 銀行 海外子会社B 海外子会社B 海外子会社C 海外子会社C 国内子会社D 国内子会社D ERP 国内本社