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研究室の概要 - 農学部

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研究室の概要 - 農学部
教育研究分野
所属教員
生物制御化学講座
後藤 哲久 教授
食品安全性評価学分野
教育研究内容
食品の安全性に危害を与える要因としてはいろいろなものがあり、その中でも微生物(バ
クテリア:O−157 等)に由来する、急性の食中毒に関しては世の中で多くの関心を集め活発
に研究がなされています。一方、比較的急性毒性が弱く、長期間の摂取あるいは摂取後長い
時間がたってから病変が現れる、発ガンや免疫系に対して徐々に影響を与えているような自
然毒に関しての研究は、相対的に手薄な状態にあるといえます。
平成 16 年 4 月に着任し、ここでの研究を立ち上げるに当たり、これまでのマイコトキシン
(かび毒)に関係する分析技術や、かびに関する研究実績をもとに、食飼料あるいはその原
料を加害する有害成分(マイコトキシン等の自然毒、あるいは人為的に作られた化学物質)
の、検知・分析手法の開発、汚染実態の解明、産生条件の解明と産生の抑止法の開発を研究
テーマとしました。従って、最新の分析機器(LCMS, HPLC, GC 等)を駆使しての、微生物
(かび)や食品・飼料あるいはその原材料を対象にした、分離分析が日常の仕事の中心とな
ります。また、分析手法の開発あるいは汚染実態の解明に当たっては、方法の妥当性確認
(method validation)あるいは精度管理(quality assurance)といった、実社会では当たり前に
求められながら大学ではほとんど無視されている事柄にも十分に配慮をした検討を進めてい
ます。
主な研究テーマ
リンゴ製品を汚染するかび毒(パツリン)の低減化技術の開発
穀類とうに対するかび及びかび毒汚染の検出およびその防除法の開発
在学生から一言
私たち人間は食べなければ生きていけません.
そのために研究室では安心して食べることが
できるように,食品の安全というテーマで研究
しています.安全は科学,安心は感覚ですが,
科学に基づく安全が得られなければ,安心も得
られません.私たち研究室のメンバーは,食品
を対象に研究することによって,より安全な食
品と安心の供給ができればと考えています.
液体クロマトグラフ質量分析計(LCMS)
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/goto/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物制御化学講座 生理活性化学分野
廣田 満 教授
教育研究内容の紹介
植物や微生物などから生理活性を示す天然の化合物を抽出・構造解析し,その有効利用を図ること
を目的として,研究を行っています。現在の主なテーマは以下の通りです。
1. 植物やキノコに含まれる炎症抑制物質
炎症には生体を防御する働きもありますが,過度の
炎症はそれ自体が疾病とみなされます。本研究室では,
マウスの耳に人工的に炎症を発生させておき,それを
抑える化合物を自然界より探し出す方法で,種々の炎
症を効果的に抑える化合物を探索しています。
2. キノコに含まれる活性酸素産生抑制物質およびラジ
カル捕捉物質
適度の活性酸素は生体防御や細胞内の情報伝達に必
須ですが,過剰量が存在すると老化やガンなどを引き
起こす原因になります。本研究室では,活性酸素の産
生を抑制する切り口と,生じた活性酸素を除去する切
り口の両方から,この問題に対するアプローチを進め
ています。
3. 植物に含まれるシアナミドの生合成前駆体
ヘアリーベッチというマメ科牧草より,植物生長阻
害物質としてシアナミドを単離しました。シアナミド
は自然界には存在しない物質と考えられていたため,
この発見は驚きでした。すでに,安定同位体標識した
硝酸イオンをシアナミドに取り込ませることで,シア
ナミドが天然物である(つまり,実験室や化学工場内
だけではなく,植物もシアナミドを作り出せる)こと
を証明しました。現在は,シアナミドの生合成前駆体
の解明に向けて取り組んでいます。
カンバタケ
カンバタケから単離した炎症抑制物質
ヘアリーベッチ
4. ベニタケ科キノコが有する植物成長促進物質
キノコが周囲の植物と深く関係して生きている例がいくつも知られています(マツタケがアカマ
ツの周囲に生えるなど)。これまでに単離した植物成長促進物質は,キノコが森の中で生きていく
上で必要な環境をキノコ自らが作り出すのに役立っている可能性があります。現在はさらに探索を
進めています。
研究室所属学生からのメッセージ
身近なキノコなどから自分の手で新しい化合物を見つけ,その生理活性を調べるからこそやりがい
があります。
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/chem_bioact/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物機能化学講座 食品分子工学I 分野
中村 宗一郎 教授
教育研究内容の紹介
限りある資源の有効利用の観点から,循環型・環境負荷低減型社会の構築が求められています。信州は
食料資源の宝庫ですが,利用に際しては環境に負荷を与えない工夫が求められています。食料資源は,食
料への利用にとどめることなく,医薬の領域でも応用できるように機能改変したいと思っています。そこ
で本研究室では,様々な生命現象を教科書と考え,未知の生物機能を発掘して第三世代 GMO 創製へ応用し
たり,それらの更なる高度利用のための分子設計についての研究を行っています。特に,化学的・酵素的・
遺伝子工学的手法を用いてタンパク質の栄養的価値,物性および機能性を高めようとする研究に力を入れ
ています。
タンパク質分子の内部エネルギーの状態を示しています。左図は既存の知識に基づいて作られたもの,右図は新しい多変量解
析プログラム RCG の指示に従って作られたものです。右の方が左のものに比べより赤みを帯びており,構造安定であることを示
しています。いかに現代科学が進歩したとはいえ,私たちは未だにほんの限られたことしか知り得ていないことが分かります。
カメレオン領域(環境によって形が変化します)
生体中では様々なタンパク質分解酵素が固有の阻害物質と
絶妙なコンビネーションを組んで生体内恒常性(ホメオスタ
シス)維持を担っています。これは,本研究室で取扱ってい
るタンパク質性インヒビターのシスタチンのコンピュータグ
ラフィクスです。
その他に,培養細胞を用いて抗酸化,抗癌,抗肥満に関す
る研究も行っています。こうして本研究室では,種々の食品
由来成分の高度利用及び高機能化のための分子設計を試みて
います。
研究室所属学生からのメッセージ
これからの大学では, 学生中心 と 世界に通用する人材育成 の二つの視点は欠くことのできない
もののように思われます。私達の研究室では双方向教育とマルチカルチャー教育が重視され,みんなが楽
しく学べ,真の実力が養われるように様々な配慮がなされており,先生を囲んでのゼミが一週間に4回(プ
ログレスゼミ,英語ゼミ,文献紹介ゼミ,基礎ゼミ)実施されています。トロント大学と並んでカナダの
トップツーとされているブリティシュコロンビア大学(バンクーバー)や中国の農学系大学ではナンバー
ワンである中国農業大学(北京)とは積極的に学生交流が進められています。このように,私達の研究室
では,今後ますます発展することが期待される生命科学の領域で,新らたな展開を担うべき,創造性豊か
でかつ国際感覚を身につけた人材の育成がはかられています。
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/fs/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物機能化学講座 食品微生物工学分野
池田 正人 教授,
竹野 誠記 助教
研究内容の紹介
「健康に大切な食品素材をもっともっと効率よく作りたい」
それが私たちの願いです。私たちの研
究室では、アミノ酸など生命の素材を、少しでも速く、少しでも多く作ってくれる、そんな頼もしい
微生物をバイオテクノロジーの技術で開発しています。さらに、育種の新しい切り口として、微生物
生理にも踏み込んでいます。発酵の
環境は、とても厳しいものです。た
くましい生産菌を創る、それが私た
ちのもう1つの目標です。独自性の
ある研究で、世界をリードしていき
たいと考えています。
右の写真をご覧ください。中央がア
ミノ酸を作ってくれる微生物です。
まさに小さな魔術師ですね。
研究室所属学生からのメッセージ
私たちの研究では、何千、何万もの
微生物細胞の中から、目
的の性質を持つ変異株を探さなければならないこともありま
す。またゲノム科学といっても実験操作はとても地味です。そ
れでも、これまで誰も分離したことのない変異株や画期的な菌
株を求めて、あきらめずにこつこつと頑張っています。私たち
の研究分野に本当に興味がある人を待っています。
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/ ferment/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物機能化学講座
千 菊夫 教授
分子生物学分野
教育研究内容の紹介
1.担子菌(キノコ)の子実体形成機構の解明
担子菌(キノコ)は,食品・医薬品産業上
重要です.キノコは,カビ状の生活環から子
実体(いわゆるキノコ)へと劇的な形態変化
をします.いったいどのような仕組みで,こ
のような形態変化が起きるのでしょうか?
私たちは,この不思議な形態変化を解明する
ために,遺伝子工学を駆使して研究を行って
います.
2.微生物殺虫剤の開発
グラム陽性菌 Bacillus thuringiensis (Bt)
は,農業・衛生害虫に対して毒性を持ちます.
この毒性は,Bt が生産する結晶性タンパク質
顆粒(クリスタル)に由来し,微生物殺虫剤
として用いられています.私たちは,Bt の殺
虫性タンパク質とその遺伝子の安全かつ有
効な利用を目指して研究を行っています
研究室所属学生からのメッセージ
私たちは,研究室で学んだ遺伝子工学の技術を使って,生物が持っている様々な機能を,
遺伝子やタンパク質といった分子レベルで解明することを目指しています.研究室では,世
界でまだ誰もやったことのない研究を行っているので,実験の結果には時として驚かされる
こともあります.新しい発見を夢見て,日々の地道な苦労を重ねています.このような研究
活動から生まれた知識や技術が,私たちの豊かな生活を支える次世代の技術へと発展してい
くことを願っています.
研究室ホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/mb/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物機能化学講座
田淵 晃 准教授
細胞工学分野
教育研究内容の紹介
私達の現在の主要な研究テーマは次のとおりです。
1 有用形質転換植物体の作出
ペパーミントやウォーターミントなどのミント植物に有用な特定遺伝子を導入して、
ヒトにとって役にたつ植物体の作出を試みています。現在、私達はミントに少量含まれ
る毒性成分の含量をさらに少なくした植物や、重金属を蓄積して環境浄化に役立つ植物
の作出を試みています。
2 植物体のシグナル応答
植物は環境からのストレスに応じていろいろな防御機構を働かせます。シソの精油合
成系の酵素も環境からのストレスに応答して発現することが分かっています。私達は、
この応答に関与する酵素遺伝子の発現の様子を遺伝子レベルで調べています。環境応答
に不可欠な遺伝子領域のより詳細な解析を試みています。
3 根粒菌のシグナル伝達
根粒菌は、根粒を形成した後、宿主植物から栄養を受け取りながら、空気中の窒素を
植物が利用できる化合物に変えて、植物に供給しています。このような、植物との共生
関係を築きあげそれを維持している時も、植物と根粒菌との間では種々化合物をシグナ
ルとして交換しています。このシグナルのレセプターとなるタンパク質遺伝子の機能や
発現の様子を調べています。
研究所属学生からのメッセ−ジ
私達の研究室では、植物と細菌を用いて研究を行っています。植物に遺伝子を導入し
たり、遺伝子の発現を調べたりしています。遺伝子を用い、また植物と細菌の共生を学
ぶことで、生命の神秘を追求し感じることができます。そんな充実した毎日を素敵な仲
間と共に過ごしています。
ホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/celltech/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物資源開発学講座
辻井 弘忠 教授
動物発生工学 分野
研究の概要
マウス、ラット、スナネズミ、ウシ、ブタなどの卵子および精子を対象に体外受精・培養・
代謝などの研究を主に行っています。また、動物の生殖を制御する技術の開発も行っていま
す。
<研究テーマ>
(1)哺乳動物の卵子・精子の培養液の改良や新規確立
(2)哺乳動物の卵子・精子のアミノ酸代謝・糖代謝の解明
(3)家畜の発情に関する研究
(4)単為発生胚,顕微授精胚に関する研究
(5)精子の受精能,運動性に関する研究
(6)着床に関する研究
研究室所属学生からのメッセージ
○ 当研究室では様々な動物を対象に研究を行っています。バイオテクノロジーの技術の修得
や動物に関する幅広い知識が身につきます(4年・MA)。
○ 花見や忘年会などの行事もあり,研究室のメンバーはみんな仲良く,楽しく(ときにまじ
めに)過ごしています(修士2年・OR)。
研究室ホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/hassei/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物資源開発学講座 動物生殖学分野
高木 優二 准教授
教育研究内容の紹介
マウスをはじめブタやウシなどの哺乳動物の生殖・
繁殖に関する研究を行っている.特に,精子および卵
子のもとになる細胞である始原生殖細胞(primordial
germ cell; PGC)や精原幹細胞(spermatogonial stem)
のように多能性・多分化能を維持した細胞を中心に,
これらの細胞を用いた研究を進めている.また,受精
卵,未受精卵子の保存技術の開発も行っている.
1)精原細胞の体外培養および移植精原細胞の精子形成
に関する研究:精原幹細胞は精子のもとになる細胞で,
精巣内で細胞自ら細胞分裂を繰り返して細胞数を増加
させていると同時に,その一部が分化することにより
精子を無限に作り出している.この精原幹細胞を分化
させずに培養することができれば,この細胞に遺伝子
導入を行い,同細胞を生体に移植し培養細胞由来の精
子を作出することができる.そこでマウスおよびブタ
ンの精原幹細胞の培養とその移植に関する研究を行っ
ている.
2)哺乳動物卵子の超急速ガラス化保存および非凍結低
温保存に関する研究:卵子の保存には一般的に緩慢凍
結法による凍結保存法が用いられているが,解凍後の
生存性には改善の余地がある.我々は,水溶性プルラ
ンフィルムを用いてフィールドで行える簡易ガラス化
保存法の開発を行っている.また凍結せずに短期間保
存するための非凍結低温保存法の開発についての研究
も行っている.
X 線照射したマウスの精巣に,緑色に光る遺伝
子を導入した精原細胞を移植し,精細管内で
増殖・分化した精細胞.赤色蛍光は精原細胞
を,緑色蛍光は移植した細胞から増殖した細
胞を示す.
プルランフィルム上でガラス化した受精卵を
融解液中に浸漬して 6 秒後の状態.フィルム
はあっという間に溶解する.矢印は受精卵を
示す.
研究室所属学生からのメッセージ
我々の動物生殖学研究室は、学部 4 年生 3 人、大学
院修士課程 4 人,教員 1 人の合計 8 人からなる研究室
で、各々の研究テーマを持ち、日々研究に取り組んで
います。主にマウスおよびブタの生殖細胞を研究対象
とし、精原細胞の分離や精巣への移植,卵子の低温保
存技術の開発などの研究を行っています。
研究室のホームページ
http://hassei02.shinshu-u.ac.jp/Biotech/home.htm
0℃で 7 日間氷温保存したマウス受精卵
教育研究分野
所属教員
生物資源開発学講座
福田 正樹 教授
応用きのこ学分野
教育研究内容の紹介
応用きのこ学研究室では、我々にとって有益なきのこの遺伝資源を効率よく利用するため
に、
「きのこの野生株間の遺伝的類縁関係の解析」や「バイオテクノロジーを利用したきのこ
の育種技術の開発」を中心に研究を進めています。
野生のきのこは貴重な遺伝資源(左)。野生株
を採取後、無菌的に分離培養して菌糸体の状
態で保存します(右)。そして、より良い特性
を保有した菌株を選抜します。
DNAフィンガープ
リント(左)などの
データを基に菌株間
の遺伝的類縁関係を
推定します。
例えば、野生シイ
タケは日本産と南方
産の野生株の間で遺
伝的な差が大きいこ
とを解明しました
(右の系統樹)
。
特性を把握した野生
株(左)などを利用
して、優良な栽培品
種(右)の育成を目
指しています。
作出したきのこのプロト
プラストを細胞選抜や細
胞融合などに利用します。
研究室所属学生からのメッセージ
現在研究室は、先生 1 人、学生は学部生 2 人、大学院修士課程 3 人、大学院博士課程 1 人
で活動をしています。少人数ながら、笑いは絶えない研究室です。研究室は、ただ実験する
だけではなく、様々な行事などもあります。大学では珍しい『きのこ』と名前がついている、
このユニークな応用きのこ学研究室の一員に、あなたもなりませんか?
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/mfukuda/index.html
教育研究分野
所属教員
生物資源化学講座
小嶋 政信 教授
生体反応化学分野
教育研究内容の紹介
環境に負荷を掛けることなく豊かな栄養成分を含む野菜を栽培するための技術開発を目指
して、発光ダイオード(LED)を人工光源として利用する野菜栽培の研究を進めています。LED
から供給される光の波長分布は、従来の光源(高圧ナトリウムランプやメタルハライドラン
プ等)と比較すると、はるかに狭いため植物に選択的な光刺激を与えることができます。ま
た LED は寿命が長く(電球の約10倍)、熱線を放出しないため植物の近くで照射できるとい
う利点がありますので、新たな農業技術の開発に繋がる重要な研究として注目されています。
発光ダイオード(LED)
LED の特徴
➀発光スペクトル分布が狭い
➁熱線を放出しない
➂ランプ寿命が長い
➃パルス照射ができる
パルス間隔(a)= 50µs-50s
研究紹介テレビ放送・記事
平成 15 年 12 月 2 日
平成 17 年 5 月 18 日
平成 18 年 2 月 14 日
NHK 総合テレビ 「おはよう日本」
発光ダイオードでカイワレ栽培
NHK 総合テレビ 「クローズアップ現代」
科学の光で野菜を作れ
中日新聞「研究室発:LED 光使いソバの栽培研究」
研究室所属学生からのメッセージ
私たちの研究は世界に例を見ない研究内容と設備で日々躍進し続けています。研究室の学
生は家族みたいな関係でお互いを支えながら頑張っています。とても居心地のいい環境です。
私たちは最先端の光技術を用いて、これからの農業に活かそうと試みています。そんな最先
端の研究に触れたい人をお待ちしております。
研究室ホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/kojima/index.html
教育研究分野
所属教員
生物資源化学講座
藤井 博 教授
食品生化学分野
教育研究内容の紹介
生命現象を分子レベルで解明し、その研究成果を応用研究に発展させることによって、人
の健康維持に貢献したいと思います。
近年、ヒトゲノムの解析から、病気の原因遺伝子が次々と同定されていますが、疾患の多
くは遺伝子だけではなく、環境因子によって引き起こされると考えられています。特に、癌、
糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病や神経変性疾患などは、環境因子(食品、酸化ストレ
スなど)が引き金になっていると考えられていますが、その分子基盤はまだ確立していませ
ん。これらの疾患は、今後高齢化社会を迎えるにあたって、日本でも益々増加することが予
想され、創薬のターゲットとして注目されると考えられます。
本研究室では、生体機能の調節機構の生化学的解析および環境中(食品など)にある優れ
た機能分子の探索と機能解析に関する研究を行い、生体が環境に応答して恒常性を維持する
シグナルネットワークの解明を目指しています。
(1) 核内受容体を介するシグナル伝達機構の解析とその応用
脂溶性リガンド依存性の転写因子である
核内受容体は、標的遺伝子の発現を介して、
個体発生における形態形成、細胞の増殖・分
化、代謝調節、炎症・免疫の制御など、生体
の恒常性維持において極めて重要な機能を
果たしています。
本研究室では、核内受容体シグナルの分子
機構の解析とその破綻に起因する種々の疾
患の解析とその予防および分子創薬の開発
を目指しています。特に、まだリガンド不明
のオーファン核内受容体があることから、食
品中の脂溶性機能分子の中には、核内受容体
の内因性リガンドとして機能しているもの
もある可能性があります。
(2) 新規食シグナルの探索と生理機能の解析
近年、食品中には生体機能を調節する機能性分子が数多くあることがわかってきましたが、
脂肪酸およびコレステロールの誘導体や代謝産物の中には、核内受容体のリガンドとしての
作用や神経機能の調節など、極めて重要な機能を果たしていることがわかっています。特に、
食品中にある機能性分子による遺伝子発現制御機構や細胞内シグナル伝達機構の解析とその
応用に興味を持っています。
(3) 幹細胞の恒常性維持機構の解析とその応用
長期にわたって未分化状態を維持し、種々の組織の再生や修復において極めて重要な役割
を果たしている組織幹細胞のトランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム解析によ
って、幹細胞の恒常性維持機構の分子基盤の解明を目指しています。
研究室ホームページ
(現在整備中)
教育研究分野
所属教員
生物資源化学講座 食品分子工学Ⅱ分野
中村 浩蔵 准教授
教育研究内容の紹介
「食品高機能化物質の探索と合成および機能性評価」に関する研究を行うため,機能性物
質探索のための高度機器分析,合成のための有機合成,機能性評価のための試験管内試験,
動物試験を行っています。食品化学を基礎とした研究分野であり,扱う物質は主にペプチド
とフェノール性物質です。基礎から応用まで幅広く研究を行っており,基礎研究の目標は「食
品機能解析のための基礎技術の開発」,応用研究の目標は「新機能性食品の開発」です。以下,
個別のテーマについて紹介します。
1,食品機能解析のための基礎技術の開発
① 標識化合物を用いた食品機能性物質の生体内挙動解析技術の開発研究
② 高速液体クロマトグラフィーによる食品機能性物質の定量分析研究
③ コンピュータシミュレイション法を用いた呈味発現機構解析と新呈味物質開発研究
④ 新ペプチド合成法の開発研究
2,新機能性食品の開発(発発芽食品を主に扱っています)
① 発酵発芽そばの血圧調整作用メカニズム解析と特定保健用食品としての実用化研究
② もやし乾燥物のコレステロール低下作用メカニズム解析と応用研究
③ ブロッコリースプラウト中での CoQ10 生成メカニズム解析と応用研究
④ その他,発芽食品の食品機能性探索
⑤ 機能性食酢の開発研究
研究室学生からのメッセージ
研究室では,研究するときには集中して取り組み,遊ぶときには思いっきり遊ぶという,
メリハリが大切だと言うことが分かってきました。研究にはすごく頭を使いますし,実験に
は体力が必要です。研究は,確かに,やりがいはありますが,かなりハードです。研究とう
まく付き合っていくためには,個人に合わせたリフレッシュが必要不可欠だと思います。私
たちの研究室では,時間の使い方は学生に任されていますので,個人のスタイルで研究に取
り組め,ストレスは少ないです。また,研究のためには最新の機器を使用するので,将来の
キャリアアップに大いに役立つと思います。研究室学生同士の仲が大変いいので,時間を作
ってはみんなで出かけたり,よく食事会をしたりします。研究主体の充実した学生生活を送
っています。
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/knakamura/index.htm
教育研究分野
所属教員
生物資源化学講座 応用真菌学分野
山田 明義 准教授
教育研究内容の紹介
国内の大学では他に殆ど例を見ない,菌根性き
のこ類(マツタケ,ホンシメジ,アミタケ,ハツ
タケなど)の研究を主体としています.菌根性き
のこ類は,森林樹木の根と「菌根」を形成し共生
していますが,本研究室では,その自然現象を室
内実験系で再現・証明するとともに,新たなきの
こ栽培技術の開発を模索しています.右のマツタ
ケ研究は,その代表例です.
本研究室は,先端バイオ科学とフィールド科学
との接点を模索する研究を目指しているとも言
えます.森林樹木の多くは,菌根性きのこ類と共
生するため,それらきのこ類の生理・生化学的特
性を解明することにより,森林樹木の生育,ひい
ては森林生態系の保全や緑化,森林再生などの場
で活かすことができると考えられます.希少植物
の生息にきのこが大きく関与する例も近年発見
が続いています(右図).
マツタケ(左)から分離培養した菌株を用いて無菌植
物(マツ)に接種し,試験管レベルで人工のシロ(共
生体である菌根:右)を形成させる事に成功している.
現在の主な研究テーマ:
マツタケ人工栽培研究(現 M1,M2),マツタケの分類(現 4
年),Tricholoma 属菌の DNA 系統解析(現 M1)
,菌根菌の子
実体誘導と菌根苗の量産化(現 4 年,M2)
,マツ林における
外生菌根の定量化(現 M2)
,無葉緑植物の菌類共生発芽(現
M1)
,菌根菌の生理生態学的特性の解明と種間競争(現 4 年,
M1)
以上のように,本研究室では菌根性きのこ類に
ついて幅広い視点で研究を進めているため,多く
の研究機関(大学,公立研究所,企業)と協力体
制をとっています.応用生命科学科内でも,応用
きのこ学研究室とは連携をはかっています.
光合成を行わない変わり者の植物であるシャクジョウ
ソウ(左)やギンリョウソウ(右)は,炭素源をはじ
めとする全ての栄養源をきのこから吸収していること
が近年明らかにされつつあり(すなわち,きのこに寄
生する植物),そのメカニズムの解明を進めている.
研究室所属学生からのメッセージ
研究室に入るまで野生のきのこにはそれほど興味があったわけでも無く,知識も殆どあり
ませんでしたが,気がつけば図鑑片手にきのこ狩りにはまっていました.農学部キャンパス
では夏から秋にかけて無数のきのこが出るので,研究室の机の上には殆ど毎日,誰かが採っ
てきたきのこがあります.一年間で 100 種類以上のきのこを食べた人もいます. このような
経験は,信州大学農学部でなければできないでしょう.
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/yamada/
教育研究分野
大学院 機能性食料育種学講座 植物遺伝育種学分野
所属教員
南 峰夫 教授, 松島 憲一 准教授 , 根本 和洋 助教
(学部では,応用生命科学科,生物資源開発学講座,植物遺伝育種学分野を担当)
教育研究内容の紹介
本研究分野では、ソバおよびレタス(南担当)、トウガラシ(松島担当)、アマランサス(根
本担当)とそれらの近縁野生種を研究対象として、1)海外・国内での植物資源探索および
現地調査、2)これら植物資源の育種素材としての評価、3)これら植物資源の遺伝的関係
および系統分化の解明、4)健康機能性成分に関する遺伝解析、5)健康機能性成分を有す
る新品種の開発、などの植物遺伝育種学的な基礎・応用研究を展開しています。
また、これらの研究を通じて、信州の気候・風土を生かしたフィールドワークと最新の技
術を使用したラボワークの両方を実践し、身につけることを基本方針としています。
胚珠培養により育成中のソバ種間雑種
様々な形態・色を持つ
アマランサスの穂(花序)
野辺山農場でのレタスの栽培試験
研究室所属学生からのメッセージ
信州だからできること、植物だからわかることがたくさんあります。私たちはそれを活か
して研究しています。植物は日々成長するため、毎日新たな発見があります。この恵まれた
環境の下、私たちと一緒に植物の不思議を探りましょう。
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/plantbreeding/index.htm
教育研究分野
大学院 食料機能解析学講座 機能性分子解析学分野
所属教員
藤田 智之 教授
(学部では,応用生命科学科,生物制御化学講座,生物有機化学分野を担当)
教育研究内容の紹介
植物や微生物が生産する天然素材から各種疾病の発症予防や軽減化に寄与する新しい機能
性因子を見出し,人の健康維持に役立つ食品素材の開発を目指して研究を行っています。ま
た,フェノール性化合物などの食品由来の機能性成分の含有量や未知成分の化学構造を明ら
かにして,それらの新たな機能性についても検討しています。
現在は下記のテーマで研究を進めています。
(A)酵素阻害剤を中心とした機能性食品素材の探索と応用開発
ウレアーゼ,キサンチンオキシダーゼやアルドース還元酵素などの生体酵素に対して阻
害活性を示す物質を食品素材から探索しています。ウレアーゼを阻害すると胃潰瘍や胃ガ
ンの発症に関与するピロリ菌の感染・定着を抑える可能性が示唆されています。現在,香
辛料植物のクローブに含まれる活性物質を検索しています。また,キサンチンオキシダー
ゼは痛風や高尿酸血症に関与していることが示唆されています。この酵素に対する阻害物
質を園芸未利用資源や地場産品などから探索しています。
クロ ー ブ
ソバ 殻
アル ドー ス還元 酵素 阻害 物質
として単 離した 化合 物
(B)食料及び食品産業副産物の生体調節機能
食品廃棄物を含めた食料を高圧処理や発酵法などで加工することにより,機能性成分を
取り出しやすくしたり,別の栄養成分に変換したりして有効活用を目指しています。たと
えば,植物の未利用産物であるセルロースの糖化やポリフェノール成分の化学変換を検討
しています。
研究室所属学生からのメッセージ
3 年生後期に研究室に配属されると専攻研究が始まり,毎日が「実験」のような生活になり
ます。答えのない課題に取組むことは大変ですが,とてもやりがいがあり新しい発見だけで
はなく多くのことを学ぶことができます。実験以外にも,論文紹介,外書講読,研究成果報
告会などのゼミがあるため毎日がとても充実しています。不定期ですが,企業見学や加工実
習を行ったりすることで,目で見て触れる体験をすることができるのも楽しみです。
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/mol_analysis/index.htm
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教育研究分野
大学院 食料機能開発学講座 機能分子化学研究室
所属教員
真壁 秀文 准教授
(学部では,応用生命科学科,生物制御化学講座,生理活性化学分野を主に担当)
教育研究内容の紹介
私たちの研究対象は、抗腫瘍活性や抗酸化活性など様々な機能を持つ生理活性物質の創製
です。有機合成化学の手法を用いてターゲットとなる化合物を自在に合成し、さらに天然物
を高度に機能化した分子プローブを創製して分子レベルでの生命現象の解明を展開していま
す。具体的な研究対象は下記のようになっています。
1. 抗腫瘍活性を持つバンレイシ科アセトゲニンの有機化学的研究
バンレイシ科アセトゲニンは熱帯・亜熱帯のバンレイシ科植物より発見され,抗腫瘍,免
疫抑制,殺虫,抗マラリア,昆虫摂食阻害,アポトーシス誘導など広範な生理活性を持ち世
界的に注目されています。研究室ではこの化合物の生体内での機能を解明するために日夜合
成研究を展開しています。
2. 様々な生理活性を持つアルカロイド類の合成研究
豆科植物に含まれる含窒素有機化合物は医薬品の候補となる物質が含まれています。この
物質をモデル化合物とした新しい創薬や機能性分子の創製を行っています。
3. カテキン二量体であるプロシアニジン類の新規合成と生物活性
ポリフェノールには抗酸化活性や抗癌活性などがあり最近極めて注目されている化合物で
す。本研究室では希土類を触媒に用いてカテキン2量体の効率的な合成法を開発しました。
OH
8
HO
O
OH
6
4
OH
HO
8'
OH
OH
O
6'
4'
OH
OH
OH
カテキン 2 量体であるプロシアニジン B3 の構造
研究室所属学生からのメッセージ
農学部でも有機化学の研究ができます!
研究室のホームページ
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/synth_chem/index.htm
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