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公報3363号(監査公表第2号の別紙)(PDF形式:1076KB)
平 成 26 年 6 月 3 日 付 け 監 査 公 表 第 2 号 (神戸市公報第 3363 号)の別紙 監 査 報 告 第 1 号 平成26年3月27日 財 務 定 期 監 査 結 果 報 告 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 阪 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 1 項, 第 2 項及び第 4 項の規定に基づき実施した平成 25 年度財務定期監査 について,同条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を次のとおり決定した。 Ⅰ 監査の概要 第1 監 査 の 対 象 下記の監査対象における主として平成 25 年 3 月1日から 7 月 31 日までに執行された事務につい て監査を行った。 1 行 財 政 局 主税部 税制課,課税企画課,固定資産税課,納税促進課,収税課, 東灘市税事務所,灘市税事務所,中央市税事務所, 兵庫市税事務所,北市税事務所,長田市税事務所, 須磨市税事務所,垂水市税事務所,西市税事務所 2 保 健 福 祉 局 総務部 健康部 庶務課,計画調整課,監査指導課,保護課,人権推進課 地域保健課,地域医療室,健康づくり支援課,予防衛生課, 生活衛生課,東部衛生監視事務所,西部衛生監視事務所, 北衛生監視事務所,垂水衛生監視事務所,西衛生監視事務 所,環境保健研究所,食品衛生検査所,食肉衛生検査所 高齢福祉部 高齢福祉課,和光園,ひよどり台ホーム 保健所 看護大学 3 こ ど も 家 庭 局 こども企画育成部 子育て支援部 総務課,こども家庭支援課,若葉学園,総合療育センター 保育振興課,こども青少年課 こども家庭センター 4 環 境 局 資源循環部 庶務課,環境未来都市推進室,減量リサイクル推進課, 施設課,業務課,東灘事業所,灘事業所,中央事業所, - 3 - 兵庫事業所,北事業所,長田事業所,須磨事業所,垂水事 業所,西事業所,自動車管理事務所,東クリーンセンター, 港島クリーンセンター,苅藻島クリーンセンター, 西クリーンセンター 事業系廃棄物対策室 環境創造部 5 区 役 所 保健福祉部 地球環境課,環境保全指導課,環境評価共生推進室 健康福祉課(障害福祉・介護保険関連除く) ,こども家庭支 援課,保護課 北須磨支所 6 教育委員会事務局 総務部 指導部 保健福祉課(障害福祉・介護保険関連除く) 庶務課,教育企画課,教職員課,学校計画課,学校整備課 指導課,特別支援教育課,健康教育課,人権教育課, 総合教育センター 社会教育部 生涯学習課,文化財課,スポーツ体育課,住之江公民館, 葺合公民館,清風公民館,長田公民館,南須磨公民館, 東垂水公民館,玉津南公民館 博物館 管理課,学芸課,小磯記念美術館 中央図書館 総務課,利用サービス課 学校園 工業高等専門学校,六甲アイランド高等学校, 葺合高等学校,科学技術高等学校,神戸工科高等学校, 摩耶兵庫高等学校,楠高等学校,神港高等学校, 兵庫商業高等学校,須磨翔風高等学校,盲学校, 青陽須磨支援学校,友生支援学校,青陽東養護学校, 垂水養護学校,青陽西養護学校 7 行 財 政 局 行政監察部 監察室 第2 監 査 の 期 間 平成 25 年 8 月 28 日∼平成 26 年 3 月 27 日 第3 監 査 の 方 法 監査は,財務に関する事務の執行が法令等に基づき適正に行われているかについて,関係書類の 調査とともに,関係職員に対する質問等の方法により実施した。監査の実施に際しては,前記の合 規性の観点から検証するとともに,経済性・効率性・有効性の観点にも留意しつつ監査を実施した。 - 4 - Ⅱ 監査の結果(各局別) 第1 行財政局主税部 1 主な監査項目 ⑴ 市税の賦課に関する事務 ア 市民税等に関する事務 (ア) 課税明細簿,申告書等の帳簿及び書類の整備に係る事務 (イ) 市民税(個人・法人) ,事業所税及び軽自動車税等の納税義務者の把握に係る事務 (ウ) 市民税等の税額の算定及び調定に係る事務 (エ) 納税の告知及び返戻の処理に係る事務 (オ) 税額の減免,更正及び非課税の処理に係る事務 イ 固定資産税等に関する事務 (ア) 課税台帳,調査表等の帳簿及び書類の整備に係る事務 (イ) 課税客体となる土地,家屋及び償却資産の捕捉に係る事務 (ウ) 土地,家屋及び償却資産の固定資産評価に係る事務 (エ) 税額の減免,更正及び非課税の処理に係る事務 ⑵ 収税に関する事務 ア 収納状況の把握に係る事務 イ 滞納者の実態等の調査及び滞納の状況と理由の把握並びに記録に係る事務 ウ 滞納者に対する督促及び延滞金の徴収に係る事務 エ 徴収猶予及び換価の猶予の処理に係る事務 オ 過誤納金の処理に係る事務 カ 滞納処分,滞納処分の停止及び不納欠損処分に係る事務 キ 受領した約束手形などの有価証券の整理に係る事務 ク 現金領収の取扱に係る事務 ケ その他収税に係る事務 ⑶ 収入に関する事務 ア その他の収入事務 ⑷ 支出に関する事務 ア 物品等の専決調達に係る事務 イ その他の支出事務 ⑸ 契約に関する事務 ア 委託契約等に係る契約事務 イ その他の契約事務 ⑹ 財産の管理に関する事務 ア 財産の管理に関する事務 - 5 - ⑺ その他の事務 ア 納税証明書等の交付に係る事務 2 監 査 の 結 果 監査の結果,事務処理はおおむね適正に行われているものと認められた。しかし,事務の一部に ついて次のような改善を要する事例があったので,今後,適正な事務処理に努められたい。 ○ 指 摘 事 項 ⑴ 市税の賦課に関する事務について 市税の賦課に関する事務について,課税にかかる各種資料を抽出し,照合したところ,資料間 に差異のあるものがあった。適正な事務処理を行うべきである。 ① 市民税に関する事務 個人市民税の所得割の課税標準は,前年の所得について算出した総所得金額から生命保険料 等の控除を行った額とされているが,生命保険料控除額等の入力に誤りがあった事例 (須磨市税事務所,垂水市税事務所) ・旧生命保険料:課税明細誤入力 173,880 円,確定申告書 143,880 円 ・旧個人年金:課税明細誤入力 259,420 円,確定申告書 259,440 円 ・課税明細誤入力:新生命保険料 183,036 円,確定申告書:新生命保険料 183,036 円 申告書添付書類:旧生命保険料 [参考] 生命保険料控除については,旧生命保険料と新生命保険料に区分され,控除額の上限額 及び計算方法が異なっている。 ・旧生命保険料:平成 23 年 12 月 31 日以前に締結した契約 ・新生命保険料:平成 24 年 1 月 1 日以降に締結した契約 ② 固定資産税に関する事務 固定資産の税額は,固定資産評価基準(以下, 「評価基準」という)に基づいて算定されるが, その適用に誤りのあった事例 ア 正面路線の適用について 評価基準では,最も高い路線価(正面路線)を基礎として算定することとされているが, 複数の路線が接している画地において最も高い路線ではなく,特段の理由がないにもかかわ らず低い路線が適用されている事例 (長田市税事務所,須磨市税事務所) <入力> <図面> ・画地A 38,800 円 42,300 円, 38,800 円 ・画地B,C 50,500 円 78,500 円, 50,500 円 - 6 - ・画地D 114,000 円 118,000 円,114,000 円 イ 角地における側方路線影響加算の適用について 正面と側方に路線のある角地については,側方路線影響加算を適用することとされている が,適用されていない事例 (須磨市税事務所) ウ 間口距離,奥行距離について (ア) 形状や利用状況等から一体をなしていると認められる二筆以上の宅地においては,本来 同じ間口距離であるべきところを異なる間口距離が誤って入力されている事例 (東灘市税事務所) <入力> ・ (イ) <図面> 画地A(その 1) 7m 6m 画地A(その 2) 6m 6m 算定の基準となる間口距離及び奥行距離について,図面と異なる数値が誤って入力され ている事例 (東灘市税事務所,灘市税事務所,北市税事務所, 長田市税事務所,須磨市税事務所,西市税事務所) (例) <入力> <図面> 間口距離 奥行距離 間口距離 奥行距離 ・画地A 7m − 2m − ・画地B 7m − 1m − ・画地C 9m 11m 11m 9m エ 宅地の認定について 隣接する二筆以上の宅地について,利用状況等から一体をなしていると認められる部分の 宅地ごとに一体的に算定しなければならないところを,算定されていない事例 (東灘市税事務所,須磨市税事務所) <入力> ・ 筆A <図面> 筆A+B+C 筆B+C ・ 筆D 筆D+E 筆E オ 現況地目について 土地の地目及び地目ごとの評価は賦課期日(毎年 1 月 1 日)の現況により行われるが,地 目が現況と異なっている事例 (北市税事務所) - 7 - ・地目 <入力> <図面> 田 雑種地 カ 不整形地補正について 不整形な画地は,整形な画地に比べ利用に制約があるため,不整形地補正が適用されるが, 適用される補正率を誤っていた事例 (灘市税事務所) ⑵ 支出に関する事務 支出事務について,次のような改善を要する事例があった。会計規則等に則った適正な事務処 理を行うべきである。 ① 委託契約については,原則として委託契約約款を適用することとされており,約款の一部条 項を適用除外,または付加条項を設けている委託契約(4,000 万円を超えるもの)については 契約監理課長の合議が必要であるにもにもかかわらず,合議がなされていなかったもの。 (税制課,課税企画課) ・平成 24 年度「税収滞納システム運用にかかる保守業務等」 (76,742,820 円) ・平成 25 年度「市税コンビニ収納に係る収納代行業務」(概算 41,637,000 円) ② 平成 24 年度「市税コンビニ収納に係る収納代行業務」の単価契約において,当初決裁にお いては上限額を 39,879,000 円として局長決裁を得ており,その後訂正支出負担行為書(決裁日 25.4.4)により 43,379,000 円に訂正しているが,局長決裁ではなく課長決裁により行っていた もの。 (課税企画課) [参考] 副市長以下専決規程 設計又は仕様の一部変更, ( )は原契約の決裁区分 (局長以上) ・・・ 局長共通 ③ 平成 25 年度軽自動車税口座用納税通知書作成発送業務に係る委託契約の契約締結決裁にお いて金額の訂正があったが,本来は支出担当者の印で訂正を行うべきところ,担当者の印で行 っていたもの。 (課税企画課) ④ 現地調査に伴う複写料金及び公用車駐車料金について,資金前渡により支出し,毎月精算を 行っているが,職員が立替えたうえ,本来の用務終了日(月)ではなく翌月に精算が行われて いたもの。 (東灘市税事務所) ⑤ 監査日当日,納品書の一部に検査員の押印が漏れていたもの。 (納税促進課,北市税事務所,西市税事務所) ・複写サービス(24 年 12 月分) 37,147 円 - 8 - ・新聞購読料(25 年 10 月分) 3,925 円 ・事務用品購入経費 19,092 円 ⑶ 財産の管理に関する事務 ① 備品管理簿について, 平成 25 年度に公用車の点検及びタイヤ交換の支出事例があるにもかか わらず,備品管理簿に自動車の記載がなされていなかった事例があった。 (北市税事務所) 物品会計規則等に基づき,適正な事務処理を行うべきである。 ○ 意 見 ⑴ 事務処理の管理体制の継続について 行財政局主税部では,事件・事故につながる可能性を持つものについては組織全体で情報を共 有し対応を図るなど事務処理等の改善に鋭意取り組んでいるところであり,例えば昨年度の包括 外部監査結果報告も踏まえ,減免申請手続きの様式を改善する等の証跡も確認した。 一方で,当年度の監査の過程において指摘事項に掲げたような事例もあり,これらは単純な事 務処理ミスであるとは思われるが,こうした小さなミスの積み重ねが大きなミスに発展する可能 性もあるので,引き続き組織的なチェックを継続し,今後もさらに適正な事務処理に努められた い。 - 9 - 第2 保健福祉局 1 主な監査項目 ⑴ 収入に関する事務 ア 各種福祉施設に係る徴収金等の調定及び収納事務 イ 使用料及び手数料等の調定及び収納事務 ウ 生活保護返還金,徴収金の調定,収納事務 エ その他の収入事務 ⑵ 支出に関する事務 ア 生活保護に係る扶助費の支給事務 イ 公害健康被害救済に係る補償給付の支出事務 ウ 各種福祉施設に係る運営費等支出事務 エ 民間福祉施設等に対する補助金の支出事務 オ 福祉施設等の管理運営に係る指定管理料の支出事務 カ 健康診査等の事業委託に係る委託料の支出事務 キ その他の支出事務 ⑶ 契約に関する事務 ア 物品調達契約,委託契約等に係る契約事務 イ その他の契約に係る事務 ⑷ 財産の管理に関する事務 ア 備品(重要物品を含む)の管理に関する事務 イ 基金に関する事務 ウ その他の財産管理に係る事務 エ 準公金等の現金取扱事務 2 監 査 の 結 果 監査の結果,事務処理はおおむね適正に行われているものと認められた。 生活保護業務を例にすると,他都市ではケースワーカーによる扶助費の詐取等,職員による不祥 事事件が発生しており,扶助費支給における複数人でのチェック体制が課題となっている中,神戸 市では,平成 14 年度に他の政令市に先んじて資産調査や支払等の事務専任者の配置を行い,現在で は保護申請,保護費の支出決定にかかる起案,実際の保護費の支払に至るまで,面接担当,担当ケー スワーカー,事務担当職員などがそれぞれ役割を分担し,複数の目でチェックする体制をとってい る。特に,保護費の窓口払い時においては,課長等管理職職員が立ち合い,金融機関に委託し個別 に封入した現金を複数の職員で窓口払いの会場へ運び,受け渡し時には受領者から受領印をもらう などの対策を講じており,扶助費の詐取等職員による不祥事の防止に努めている。 しかし,事務の一部について次のような改善を要する事例があったので,今後,適正な事務処理 に努められたい。 - 10 - ○ 指 摘 事 項 ⑴ 収入に関する事務 ① 領収証書の取扱いを適正に行うべきもの 現金取扱事務の手引によると,出納員領収証書の管理については,未使用の領収証書簿冊を受 け入れる際には一連番号を付し,原符は簿冊から原則として切り離さず使用保管し,書き間違え た場合は再使用できないようにバツ印を付けたうえで,原符と領収証書をホッチキス止めするこ ととしている。例外的に日報の作成等事務の都合上,切り離さなければ処理できない場合には① 切り離したものも番号順に並べる②領収証書使用簿を作成する③日計表等に使用した領収証書の 番号を記入する,を厳守することになっているが,定められた取り扱いと異なる取り扱いをして いる事例があった。 適正な取り扱いをするべきである。 ア 出納員領収証書の一組目を切り離し,二組目以降に一連番号を付して使用している事例 (保護課) イ 原符を簿冊から切り離し,収入日報とともに綴っている事例 (東部衛生監視事務所,西部衛生監視事務所) ② 契約書に則した納付書を交付するべきもの 胃がん検診等の委託契約においては,受託者が受診者の自己負担金を徴収し,契約書に規定す る期限までに納入することになっているが, 契約書と異なる納期限の納付書を交付していたため, 自己負担金を期限までに納入していない事例があった。 (健康づくり支援課) 検診等の委託業務の適正を期するため,契約書に則した納期限の納付書を交付するべきであ る。 検診名 胃 が ん 検 診 (平成 25 年 4 月分) 大 腸 が ん 検 診 (平成 25 年 3 月分) 契約書上の納期限 納付書の納期限 収納日 25.6.10 25.6.30 25.6.12 25.5.10 25.5.28 25.5.28 ③ 定められた期間に現金を払い込むべきもの 会計規則には,収納金は即日又は翌日中に指定金融機関等に払い込まなければならないと定め られているが,出納員領収した現金を,数日後に指定金融機関に払い込んでいた事例があった。 (看護大学) 会計規則に則り,適正な事務処理を行うべきである。 - 11 - ⑵ 支出に関する事務 ① 専決規程に定める適正な決裁を得るべきもの 支出に係る決裁について,次のように副市長以下専決規程に定められた決裁を得ていない事例 があった。 適正な決裁を得るべきである。 ・単価協定品の調達において,100 万円を超える金額であるにもかかわらず,課長決裁により 支出していた事例 (生活衛生課) [参考]副市長以下専決規程 調達(物件,労力その他)−契約 (部長及び室長共通)200 万円以下(市長が指定するもの) (課長共通) ②100 万円以下(市長が指定するもの) 備考「1「市長が指定するもの」とは…,単価協定品,…をいう。 」 ② 前渡金に係る精算事務を適正に行うべきもの 前渡金について,会計規則では, 「用務終了後 5 日以内に支払精算書を作成し,直近の上司に提 出」することとされているが,次のように用務終了日の解釈を誤り 5 日以内に精算登録が行われ ていない事例があった。 会計規則等に基づく適正な事務を行うべきである。 ・戦没者遺族慰安旅行に関する補助金 (前渡金精算日 25.7.30) (用務終了日) 25.7.26(誤) ・日本看護学教育学会参加費 25.7.22(正) (報告書受理日) (高齢福祉課) (前渡金精算日 25.7.31) (用務終了日) 25.7.30(誤) 25.7. 1(正) (支払日) ・日本看護学教育学会学術集会参加費 (看護大学) (前渡金精算日 25.7. 8) (用務終了日) 25.7. 5(誤) 25.6.27(正) (支払日) (看護大学) ⑶ 契約に関する事務 ① 履行確認を適正に行うべきもの 清掃業務の履行確認について,次のような改善を要する事例があった。 報告書の提出がない場合には請負会社に提出を求め,履行の確認事務を適正に行うべきである。 ア 請負契約の共通仕様書および特記仕様書には,請負会社からの業務完了報告書の提出を定め ているが,日常清掃業務について,業者からの業務完了報告書が提出されていないにもかかわ (和光園) らず,経費が支出されていた事例 イ 業者より日々の清掃報告書を受け取っているものの,監督職員等による検査印がなかった 事例 (ひよどり台ホーム) - 12 - ② 契約書の相手方欄の適正な記名・押印の確認を行うべきもの 生活衛生課が契約監理課に経理契約の締結を要求し,それに応じて契約監理課が締結した白灯 油の平成 25 年度物品売買契約書において,契約の相手方とは異なる業者の記名押印がなされた契 約書を契約監理課が生活衛生課へ送付していた。 (生活衛生課) 経理契約については,関係する部署において契約内容の確認をするべきである。 ⑷ 財産の管理に関する事務 ① プリペイドカードの利用を適正にするべきもの 「プリペイドカード使用簿兼近距離旅行命令書」は近距離旅行命令とプリペイドカードの使用 記録を兼ねた書類である。旅行の必要が生じた時点で,使用者氏名,日程,用務先,使用区間等 を記入のうえ, 旅行命令欄に決裁を受けなければならないが, 旅行命令欄に決裁を受けないまま, プリペイドカードを使用している事例があった。 (北衛生監視事務所,高齢福祉課) 適正な事務処理を行うべきである。 [参考] 旅費条例第 3 条 第 1 項 職員が出張し,又は赴任した場合には,当該職員に対し旅費を支給する。 旅費条例第 4 条 第 1 項 次の各号に掲げる旅行は,当該各号に掲げる区分により,任命権者の発する 旅行命令又は旅行依頼によって行わなければならない。 第 1 号 前条第 1 項の規定に該当する旅行 旅行命令 ○ 意 見 ⑴ 事務処理について ① プリペイドカードの管理について スルッと KANSAI,Uラインカード等のプリペイドカードの管理は,「プリペイドカード使用 簿兼近距離旅行命令書」により行うこととなっているが,監査日現在,物品管理員欄,旅行命 令決裁欄の押印漏れや受入年月日の記入漏れといった事務処理上のルールが適切に行われてい ない事例が複数あった。 以上のような点についても,確認,徹底されたい。 (東部衛生監視事務所,北衛生監視事務所,高齢福祉課,看護大学) ② タクシーチケットの管理について タクシーチケットの管理をチケット番号により管理している部署が多数あった。チケット番 号で管理すると,管理簿から残数がすぐには読み取れない,同じチケットについて払い出しと 返却が繰り返されると,備考欄に記載しきれないなどの問題があった。定期点検等で確認する のは枚数でもあるので,チケット番号により管理されている部署においては枚数管理すること を検討されたい。 (計画調整課,環境保健研究所,和光園) - 13 - ③ 前渡金整理簿について 複数の前渡金を1つの通帳で管理している部署で,支出項目ごとの整理簿は存在するが,通 帳残高と照合する書類が存在しないため,通帳の出入金を確認できない事例があった。前渡金 の出入金が確実に確認できる書類を作成するなど,定期的なチェックがスムーズに行えるよう に改善を図られたい。 (保護課) ⑵ 生活保護廃止世帯の債権未納防止について 生活保護法第 63 条に基づく返還金(資力があるにもかかわらず保護を受けた場合の返還金)や 同法第 78 条徴収金(不実の申請,不正な手段により保護を受給した場合の徴収金)は例年多額の 収入未済額が発生しており,平成 24 年度収入未済額実績は返還金徴収金の現年・過年度分を合わ せて,8 億 2,337 万円となっている。この金額は平成 19 年度実績 6 億 5,587 万円の 1.25 倍超にあ たり,収入未済額は過去 5 年間連続して毎年増加している。継続受給世帯については,被保護者 の委任に基づき,各区保護課長が本人に代理して保護費を受領し,納付する方法を活用している が,各区とも生活保護廃止世帯からの回収に苦慮している。 生活保護廃止世帯に対しては,直近で収入超過により自立廃止した世帯や高額滞納世帯でかつ 資力があることが判明しているケースを中心に納付指導を実施し,督促状や催告状を送付してい る。しかしながら,廃止世帯は他都市転出等で行方不明になるケースも多く,文書を送付するに も住所を調べなおすなど手間がかかり,現地訪問や催告の電話連絡等まで手が及んでいないのが 実情である。 そのような中,独自のマニュアルを策定し,従来の郵便等による督促に加え,廃止日から翌年 度までは廃止時に対応していたケースワーカーがかかわり,債権回収を実施するなど,未納防止 を図るため様々な取り組みを行っている区もある。 今後,78 条徴収金に限って「国税徴収の例による徴収」が可能となる生活保護法改正(平成 26 年 7 月 1 日施行予定)を踏まえつつ,廃止世帯への債権回収方法について先進的な区の取り組み を参考にしながら,増え続ける未収債権に対応するため,より効果的な債権回収手法について検 討されたい。 (保護課) ⑶ 被保護世帯への学習支援について 生活保護を受給する世帯から世帯分離した子供が自立できずに,再び保護を受ける事例が少な くない。現在,灘区や北須磨支所では,貧困の連鎖に歯止めをかけ,将来の就業につながるよう, 被保護世帯に属する子供への学習支援に取り組んでおり,支援を受けた子供が希望した高校へ進 学するなどの一定の成果が表れている。 厚生労働省も,学習支援事業については貧困の連鎖を防止するという観点で力を入れており, 事業費全額補助を平成 26 年度まで実施する予定である。しかしながら, 「生活困窮者自立支援法」 (平成 27 年 4 月 1 日施行予定)では,学習支援事業などの補助事業について補助率を見直すこと としており,平成 27 年度以降,財源的に厳しくなる見込みである。 - 14 - 市としては,国に対して事業費全額補助の継続を要望するとともに,子供に対する学習支援や 親への養育相談など,次世代の保護受給者を増やさない対策を全市的に検討されたい。 (保護課) ⑷ 敬老優待乗車証の事務手続について 区役所で行う敬老優待乗車証の事務手続については,高齢福祉課がマニュアルを作成し,各区 に配布しており,区担当者会議等を通じて周知を図っているが,受付後の書類の管理(決裁や統 計)は,各区によって事務処理に差があり,ばらつきがある。 例えば,申請受付後の決裁について申請書には決裁欄がないが,独自に決裁欄を作成し 1 枚ず つ決裁を行っている西区やいわゆる福祉五法システム端末のハードコピーを申請書につけて決裁 をとっている灘区がある一方,決裁を行っていない兵庫区や須磨区などがある。統計については, 平成 24 年度まで高齢福祉課より統計の指示があったため各区実施していたが,問い合わせがなく なり統計を廃止した須磨区などがある一方,再度の問い合わせがあったため統計を再開した東灘 区などがある。 高齢福祉課のマニュアルや区担当者会議で,事務処理を提示し,事務処理を明確にするととも に,不要な事務処理を排除して,事務の簡素化を図られたい。 - 15 - (高齢福祉課) 第3 こども家庭局 1 主な監査項目 ⑴ 収入に関する事務 ア 各種福祉施設に係る徴収金等の調定及び収納事務 イ 使用料及び手数料等の調定及び収納事務 ウ その他の収入事務 ⑵ 支出に関する事務 ア 各種福祉施設に係る運営費等支出事務 イ 民間福祉施設等に対する補助金の支出事務 ウ 福祉施設等の管理運営に係る指定管理料の支出事務 エ その他の支出事務 ⑶ 契約に関する事務 ア 物品調達契約,委託契約等に係る契約事務 イ その他の契約に係る事務 ⑷ 財産の管理に関する事務 ア 備品(重要物品を含む)の管理に関する事務 イ その他の財産管理に係る事務 ウ 準公金等の現金取扱事務 2 監 査 の 結 果 監査の結果,事務処理はおおむね適正に行われているものと認められた。しかし,事務の一部 について次のような改善を要する事例があったので,今後,適正な事務処理に努められたい。 ○ 指 摘 事 項 ⑴ 支出に関する事務 ① 遅滞なく支払を行うべきもの 請求書受理日から 30 日を超えて支払われている事例があった。 (総務課) 適正な事務処理を行うべきである。 (件 名)こうべっこわくわくフェスタの開催にかかる経費の支出について (請求書受理日) (支払日) 25.5.24 25.7.26 (金 額) 458,325円 [参考] 政府契約の支払遅延防止等に関する法律 支払の時期 その他の給付に対する対価…適法な支払請求を受けた日から 30 日以内 - 16 - ② 前渡金及び概算払に係る精算事務を適正に行うべきもの 前渡金及び概算払について,会計規則では,「用務終了後 5 日以内に支払精算書を作成し, 直近の上司に提出」することとされているが,支払精算書について適正な決裁が行われてい ない事例や精算額を誤っている事例があった。 会計規則等に基づく適正な事務を行うべきである。 ア 概算払である平成 24 年度民間社会福祉施設職員加配補助金(上半期分)の支払精算書に決 裁を得ていなかった事例 イ (保育振興課) 施設運営費を前渡金支出し,自動車通行料を支払い精算しているが,精算額を誤り,100 円少なく戻入している事例 ウ (若葉学園) 臨海キャンプの費用を前渡金支出し,自動車通行料を支払い精算しているが,精算額を 誤り,100 円少なく戻入している事例 (若葉学園) ③ 前渡金支払事務を適正に行うべきもの 毎月施設運営費として前渡金を支出しているが,当月分を前渡金口座から出金せず,当月 分の運営費は職員が立て替えて支払い,翌月にまとめて精算しているため,必要な現金が手 元金庫に保管されていない事例があった。 (若葉学園) あらかじめ前渡金口座から出金し,職員が立て替えることのないようにするべきである。 ④ 専決規程等に定める適正な決裁を得るべきもの 通園用バスの車検において,30 万円を超える契約であるにもかかわらず,課長もしくは事 業所長決裁により発注及び支出していた事例があった。 (こども家庭支援課,総合療育センター) 地方自治法施行令第 167 条の 2 第 1 項第 2 号の随意契約理由がある場合,金額が 30 万円を 超える場合であっても随意契約が可能であり,契約監理課と随意契約の協議をするべきで あった。 適正な事務処理を行うべきである。 ・ひまわり学園通園バスの整備費 301,485 円 ・総合療育センター通園バスの車両点検業務費 641,193 円 [参考] ・地方自治法施行令第 167 条の 2 第 1 項 地方自治法第 234 条第 2 項の規定により随意契約によることができる場合には,次 に掲げる場合とする (省略) 第 2 号 (省略)その性質又は目的が競争入札に適しないものとするとき 等 (「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」とは,契約監理課が平成25年3月に行っ - 17 - た契約制度に関する説明会「資料10 地方自治法の認める随意契約事由について」によ ると,特殊な,あるいは独自の技術,機器,設備又は技法等を必要とする業務で特定の 者と契約しなければ,契約の目的を達成できない場合や,契約の目的を達成するための 履行条件を満たすものが特定される場合など,とされている。) ・副市長以下専決規程及び事業所長等専決規程 調達(物件,労力その他)−契約 請負−その他−契約 (契約監理課長特定課長)30 万円を超え 100 万円以下 ⑵ 契約に関する事務 ① 契約書において適正な支払方法を選択するべきもの 里親開拓促進事業に関する業務委託について,契約書上,委託料を年 3 回の概算払として いるが,委託料精算に関する記載もなく業務終了後の収支報告書の提出も義務付けていない。 (こども家庭センター) 債務金額が確定しているものについては,概算払ではなく前金払にするべきである。 [参考] 概算払・・・支払うべき債務金額の確定前に概算をもって支出することをいい, 支出の原則の例外 ⑶ 財産の管理に関する事務 ① 物品管理簿への記載を適正に行うべきもの 物品の管理に関し,次のような事例があった。 物品会計規則等に基づき,適正な事務処理を行うべきである。 ア 備品を購入しているにもかかわらず,備品管理簿に記載していない事例 ・テラステーション ・机 4 人用 2 台 6 人用 3 台 ・椅子 12 脚 1脚 32,550 円 (総合療育センター) (総合療育センター) (総合療育センター) (総合療育センター) (総合療育センター) イ 備品管理簿に取得金額を誤って記載している事例 ・パソコン 10 台 (誤) 4,814 円/台 (正)48,142 円/台 (こども家庭センター) ・スチール引戸書庫 2 台(誤)19,425 円/台 (正)38,850 円/台 (こども家庭センター) ② プリペイドカードの利用を適正にするべきもの 「プリペイドカード使用簿兼近距離旅行命令書」は近距離旅行命令とプリペイドカードの使 用記録を兼ねた書類である。旅行の必要が生じた時点で,使用者氏名,日程,用務先,使用区 間等を記入のうえ,旅行命令欄に決裁を受けなければならない。しかし,旅行命令欄に決裁を 受けないまま,プリペイドカードを使用している事例があった。 (総務課,こども家庭支援課,保育振興課) - 18 - 適正な事務処理を行うべきである。 [参考] 旅費条例第 3 条 第 1 項 職員が出張し,又は赴任した場合には,当該職員に対し旅費を支給する。 旅費条例第 4 条 第 1 項 次の各号に掲げる旅行は,当該各号に掲げる区分により,任命権者の発す る旅行命令又は旅行依頼によって行わなければならない。 第 1 号 前条第 1 項の規定に該当する旅行 旅行命令 - 19 - 第4 環境局 1 主な監査項目 ⑴ 収入に関する事務 ア 廃棄物処理手数料の調定及び収納事務 イ 電力供給等の調定及び収納事務 ウ その他の収入事務 ⑵ 支出に関する事務 ア ごみ・し尿の収集運搬等に係る支出事務 イ クリーンセンター等施設の整備,管理及び運営に係る支出事務 ウ 資源集団回収実施団体等への助成金の支出事務 エ 環境保全融資に係る預託金の支出事務 オ その他の支出事務 ⑶ 契約に関する事務 ア 業務委託等に係る契約事務 イ 物品等の専決調達事務 ウ その他の物品購入・請負等に係る契約事務 ⑷ 財産の管理に関する事務 ア 固定資産・備品の管理に関する事務 イ 基金の管理事務 ウ その他の財産管理事務 2 監 査 の 結 果 監査の結果,事務処理はおおむね適正に行われているものと認められた。しかし,事務の一部に ついて次のような改善を要する事例があったので,今後,適正な事務処理に努められたい。 ○ 指 摘 事 項 ⑴ 収入に関する事務 ① 徴収事務における納期限の設定を適正に行うべきもの 徴収事務において,納期限を契約書の規定より後に設定している事例があった。 契約内容の確認を十分行い適切な時期に調定するなど,契約に基づいた適正な事務処理を行 うべきである。 ア 飲料自動販売機の設置者との市有財産賃貸借契約に係る賃料の徴収に関して,納期限を契 約書の規定より後に設定した納入通知書を発行していた事例 (西事業所,自動車管理事務所) - 20 - 所属 借主 A社 西事業所 B社 自動車管理事務所 C社 D社 金額 300,858 円 300,858 円 13,800 円 13,800 円 32,502 円 13,200 円 調定日 25.3.31 25.6.18 25.3.31 25.6.18 25.4. 1 25.4. 1 納期限 誤(通知書) 正(契約書) 25.5.29 24.10.31 25.7.18 25. 4.30 25.5.29 24.10.31 25.7.18 25. 4.30 25.6.30 25. 4.30 25.6.30 25. 4.30 イ クリーンセンターに設置する発電設備から発生した余剰電力の売却について,電力需給契 約を締結しており,本市からの余剰電力の供給に対する毎月の電力料金の支払いについて, 契約書では, (売却先は)翌月 21 日までに支払うものとされているにもかかわらず,納入通 知書の納期限を翌月末日等に設定していた事例 (港島クリーンセンター) 対象月 平成 25 年 2 月 平成 25 年 3 月 平成 25 年 4 月 平成 25 年 5 月 売却先 E社 F社 金額 調定日 2,658,318 円 3,665,249 円 1,343,942 円 4,121,159 円 25.3. 6 25.3.31 25.5. 8 25.6. 5 納期限 誤(通知書) 正(契約書) 25.4. 1 25.3.21 25.4.30 25.4.22 25.5.31 25.5.21 25.7. 1 25.6.21 ② 出納員による収納手続きを適正に行うべきもの 犬,ねこ等の死体処理に係る手数料を出納員領収する際に発行する領収証書について,次の ような事例があった。 領収証書は,領収済の証拠になるとともに集計の際の基礎資料ともなる重要な書類である。 会計規則や現金取扱事務の手引等に基づいた適正な事務処理を行うべきである。 ア 領収証書に領収日の記載がなかった事例 (兵庫事業所) ・平成 25 年度領収証書№404763,№404785 イ 現金取扱事務の手引では,1 日の業務終了後に日計表の決議を受けるにあたって,証拠と して領収証書の原符を添え,その際に出納員は原符の点検印欄に押印することとされている が,領収証書使用簿兼日計表に決裁を受けておらず,点検印の押印もなされていなかった事 例 (灘事業所) ・平成 25 年 11 月 5 日以降の日計表の決裁及び領収証書の点検印なし(監査日 25.11.29) ウ 現金取扱事務の手引では,取扱者がわかるように原符の取扱者欄は使用の都度必ず押印す ることとされているにもかかわらず,領収証書の原符の取扱者欄,点検印欄に押印がなされ ていなかった事例 (兵庫事業所) ・平成 25 年度領収証書№404763∼№404785,№404801∼№404819 他 - 21 - エ 現金取扱事務の手引では,年度終了後に使用中の簿冊に未使用の領収証書が残った場合, 次年度も引き続き使用するか,書損に準じた処理をするなどにより使用できなくしたうえで 保存するとされているが,平成 24 年度終了後の未使用の領収証書について,書損に準じた処 理などをせず,そのまま保存していた事例 (東灘事業所) オ 現金取扱事務の手引では,複写式領収証書において金額の改ざん防止のために両面カーボ ンの使用を義務付けているにもかかわらず,片面カーボンを使用していた事例 (兵庫事業所,北事業所) ③ 職員の通勤用車両駐車使用料の徴収手続等を適正に行うべきもの 職員が通勤用車両を行政財産の目的外使用許可を受けて勤務公署の敷地内に駐車する場合, 使用料を納付させることとしており, 「行政財産における職員の通勤用車両の駐車等に関する取 扱要綱」では, 「納付書により使用料を納付する場合においては,納期限を使用した日の属する 月の翌月末日とする。 」と規定しているが,次のような事例があった。 ア 要綱の規定より納期限を後に設定した納付書を発行していた事例 (兵庫事業所,長田事業所,西事業所) 適切な時期に調定事務を行うことなどにより,適正な納期限を設定した納入通知書を発行 するべきである。 (納期限の設定が誤っている事例(一例) ) 所属 兵庫事業所 長田事業所 西事業所 使用月 調定日 平成 25 年 4 月分 平成 25 年 6 月分 平成 25 年 4 月分 25.5.29 25.7.29 25.5.16 納期限 誤(通知書) 正(要綱) 25.6.11 25.5.31 25.8.30 25.7.31 25.6.28 25.5.31 イ 複数月にわたり相当数の職員が納期限までに使用料を納付していない事例 (東灘事業所,中央事業所,須磨事業所) 納期限を遵守するように納入通知書の配付時に注意を促すなど,納付が遅れている職員へ の指導を徹底するべきである。 (使用料の納付状況(一例) ) 所属 東灘事業所 中央事業所 須磨事業所 使用月 納期限 平成 25 年 4 月分 平成 25 年 5 月分 平成 25 年 6 月分 25.5.31 25.6.30 25.7.31 通知書 発行者数 21 12 15 納期限 遅延者数 5 5 6 ④ 収納事務の委託に係る事務処理を適正に行うべきもの 地方自治法及び地方自治法施行令の規定に基づいて行っている収納事務の委託について,次 のような事例があった。 - 22 - ア 家庭から排出される粗大ごみの処分に係る手数料収納事務に関する委託において,委託先 を追加したにもかかわらず,地方自治法施行令に規定する告示を行っていなかった。 (業務課) 追加した委託先についても政令の規定に基づき告示するべきである。 ・ 平成 25 年 5 月から委託開始(1 社) イ 事業系一般廃棄物に係る指定袋販売及び事業系一般廃棄物処分手数料収納事務に関する委 託において,受託者から提出された実績報告書の数値に誤りがあったにもかかわらず,それ に基づき納入額を計算したため,払い込まれた手数料の金額が過少となっていた。 (事業系廃棄物対策室) 実績報告書に記載された数値を十分確認するなど,適正な事務処理を行うべきである。 ・ 平成 25 年 3 月分 受託者からの払込金額:(誤)10,780,692 円,(正)11,124,862 円 (差引き不足額: 344,170 円) ⑵ 支出に関する事務 ① 遅延なく支払いを行うべきもの 請求書受理日から 30 日を超えて支払われている事例があった。 (北事業所,西事業所,地球環境課,西クリーンセンター) 適正な事務処理をするべきである。 (件名) ・ワケトンカレンダー印刷 ・OA シートラベル他の購入 ・カードリング他購入 ・お茶の購入 ・ITV 設備の更新 (請求書受理日) 25.2.20 25.2.22 25.5.17 25.6. 5 25.6.25 (支払日) 25.3.26 25.5.31 25.6.19 25.7.12 25.7.29 (金額) 118,492 円 34,768 円 19,768 円 18,900 円 1,019,550 円 [参考] 政府契約の支払遅延防止等に関する法律 支払の時期 その他の給付に対する対価…適法な請求書を受けた日から 30 日以内 ② 前渡金を適正に管理するべきもの 作業車等の駐車料金として,四半期ごとに資金前渡されている現金を封筒に入れて金庫に保 管している。使用の都度,封筒に使用日,用途及び使用額を記載し,封筒に領収証書と現金残 額を入れて保管していた。 (兵庫事業所) 現金取扱事務の手引きでは,日々支払の事務を経常的に行っているような職場では,支払日 報等を作成し,日ごとの支払状況を明確にするとともに,残高のチェックを行うことと規定し ている。 事例については,毎日支払いがあるとまではいえないが,現金を 3 か月間管理するものであ るので,支払日報の作成等により使用承認や残高のチェックを確実に行い,適正な前渡金の管 理を行うべきである。 - 23 - ⑶ 契約に関する事務 ① 委託契約書や委託契約約款及び仕様書に基づいた適正な事務処理を行うべきもの ア 業務仕様書に定める年間報告書が提出されていない事例があった。 (減量リサイクル推進課) 仕様書に基づいた適正な事務処理を行うべきである。 ・神戸市容器包装プラスチック中間処理業務(東クリーンセンター分)に係る委託契約 (委託期間 平成 23 年 4 月 1 日∼平成 27 年 3 月 31 日) イ 委託契約書に支払方法についての規定がないにもかかわらず,契約期間の途中に委託料の 一部の支払いを行っている事例があった。 (地球環境課) 原則どおり相手方の給付がすべて完了した後に委託料を支払うか,又は契約書において支 払方法を明記するべきである。 ・平成 25 年度 KOBE エコ市民だより「エコエコ」版下作成業務委託契約 委託料:882,000 円 平成 25 年 7 月 1 日に 220,500 円支出 ウ 契約書では委託料について委託期間の前期及び後期において,期ごとに支払う旨記載され ているにもかかわらず,合意に基づき業務終了後に委託料総額を一括で支払っている事例が あった。 (環境保全指導課) 支払方法の変更について双方の合意があるとしても,意思決定を明確にするために書面で 変更契約を締結するべきである。 なお,契約にあたって見積り合わせを行っているが,その時点で支払方法が明示されてい なかった。公正な見積もりを行うために,見積りの時点で支払方法についても明示するべき である。 ・平成 24 年度神戸海域における水生生物調査に係る委託契約 ② 専決規程に定める適正な決裁を得るべきもの カラープリンター及びそれに付随する周辺機器等の借り受けにおける賃貸借契約の更新(平 成 24 年度)に係る決裁について,次のような副市長以下専決規程に定める適正な決裁を得てい ない事例があった。 また, 当該事例では平成 22 年度の新規借り受け時の賃貸借契約は経理契約を実施するべきで あったにもかかわらず実施していなかった。 (長田事業所) 副市長以下専決規程に基づいた適正な事務処理を行うべきである。 ・契約及び決裁の概要 契約期間:平成 24 年 4 月 1 日∼平成 25 年 3 月 31 日 (当初契約:平成 22 年 5 月 1 日∼平成 23 年 3 月 31 日 以後契約更新) 契約金額:レンタル料金等 504,000 円(年額(固定)),他にプリントチャージ料(従量料金) - 24 - ・決裁の状況 (当初契約) 資源循環部長決裁 → (正)経理課長決裁(経理契約) (平成 24 年度更新契約)事業所長等決裁 → (正)局長決裁 [参考] 副市長以下専決規程 貸借−物品−借入れ−契約の決裁区分 30 万円まで 課長決裁 1,000 万円まで 契約監理課長(平成 23 年度までは経理課長)決裁 (備考:物品に係る契約を更新する場合,その内容に変更のないものについては局長が専 決することができる。 ) ⑷ 財産の管理に関する事務 ① 備品の管理を適正に行うべきもの 物品会計規則等では,備品とはその性質形状を変えることなくおおむね 1 年を超えて使用に 耐えうるもので,取得価格(消費税込み)が 20,000 円以上のものとされているが,性質が備品 に属する工具類について, 「需用費(11 節) 」で支出し,納品検査調書の物品管理簿記載省略欄 に押印がされ,物品管理簿で管理していない事例があった。 (苅藻島クリーンセンター) 支出科目を「備品購入費(18 節) 」にするともに,物品会計規則等に基づき管理するなど, 適正な事務処理を行うべきである。 ・爪付ジャッキ(2 台) 43,827 円 ② 管理簿への記載を適正に行うべきもの 切手やプリペイドカードの使用について,管理簿への記載を怠ったため,その保管状況につ いて,監査日現在,管理簿に記載された現在高と現物の数量が一致していない事例があった。 使用の都度管理簿に確実に記載を行うなど,物品会計規則等に基づき適正な事務処理を行う べきである。 有価証券類の種類 80 円切手 NEW Uラインカード スルッと KANSAI (東灘事業所,苅藻島クリーンセンター) 所属 東灘事業所 苅藻島クリー ンセンター 管理簿記載枚数 147 枚 3枚 8枚 現物の枚数 145 枚 2枚 7枚 監査日 25.11.15 26. 1.30 ③ プリペイドカードの管理を適正に行うべきもの ア 旅行の必要性が生じた時点で, 「プリペイドカード使用簿兼近距離旅行命令書」の旅行命令 欄に必要事項を記載し決裁をとることとされているにもかかわらず,旅行命令欄は記載して いるものの決裁を受けずにカードを使用している事例があった。 適正な事務処理を行うべきである。 - 25 - ・平成 25 年 10 月 8 日以降使用の 4 件について決裁なし。(監査日 25.11.28) (自動車管理事務所) ・平成 25 年 12 月 3 日使用の 3 件について決裁なし。(監査日 26.1.9) (事業系廃棄物対策室) ・平成 25 年 10 月 29 日使用後の 5 件及び 11 月 18 日使用後の 14 件についてカード使用開始 後一切の決裁なし。 (監査日 25.12.19) (環境保全指導課) イ プリペイドカードの使用分について記載を怠ったため,監査日現在, 「プリペイドカード使 用簿兼近距離旅行命令書」に記載されたカード残額とカード券面表示額が一致しない事例が あった。 (苅藻島クリーンセンター,西クリーンセンター) カード使用の都度,使用簿に確実に記載を行うなど,適正な事務処理を行うべきである。 プリペイドカード 所属 神戸市回数駐車券 NEW Uラインカード 苅藻島クリーンセンター 西クリーンセンター 使用簿 記載額 1,550 円 3,200 円 券 面 表示額 850 円 2,480 円 監査日 26.1.30 26.1.31 ④ タクシーチケットの管理を適正に行うべきもの ア 使用に際して, 「自動車使用承認兼内訳書」への必要事項の記載や所属長の承認印を受けて いなかった。 チケットの使用に際しては,所属長の事前承認を徹底するなど,適正な事務処理を行うべ きである。 ・平成 25 年 10 月 24 日使用分(監査日 25.11.8) (減量リサイクル推進課) ・平成 26 年 1 月 17 日,1 月 20 日,1 月 21 日,1 月 24 日使用分(監査日 26.1.31) (西クリーンセンター) イ 施設課の係相当の事業所である布施畑環境センター及び妙賀山クリーンセンターで使用し たタクシーチケットについては,タクシー会社が本庁の施設課に使用済チケットを送付して タクシー代の請求を行っており,施設課において,使用済チケットを「自動車使用承認兼内 訳書」に貼付した後に各センターへ送付し,各センターで「自動車使用承認兼内訳書」に記 載し所属長の承認を受けている。 (施設課) タクシー使用前に所長の使用承認を受けるなど,事務の手順を改めるべきである。 ○ 意 見 ⑴ 複数の専決契約に基づく発注について 一回の意思決定により一回の契約が行われるべきであるが,意思決定が別々に行われたなどの 理由で,課長やクリーンセンターの所長による複数の専決契約に基づき発注している次のような 事例があった。 - 26 - ① クリーンセンターにおけるボイラーの修繕において,所長専決で複数の小修繕随意契約によ り発注している事例 クリーンセンターの焼却炉やボイラーについては,炉の運転休止中に行う調査点検で発見し た不具合について限られた時間内で発注,施工を実施する必要があるため,調査点検で不具合 を発見する都度,専決契約で発注,施工を行っている事例が多数あった。 発注,契約の履行に緊急を要するものは,必要に応じて,契約監理課と随意契約の協議をす るべきである。 (事例 1−東クリーンセンター1) 件 名 1 号ボイラー本体左側壁下部耐火材補修 1 号ボイラー本体左側壁中部耐火材補修 1 号ボイラー本体左側壁上部耐火材補修 1 号ボイラー本体左側壁管寄廻り補修 1 号ボイラー本体前壁上部耐火材補修 1 号ボイラー本体前壁下部耐火材補修 1 号ボイラー本体右側壁上部耐火材補修 1 号ボイラー本体右側壁下部耐火材補修 合 計 発注日 25.4. 1 25.4. 2 25.4. 3 25.4. 8 25.4.10 25.4.12 25.4.15 25.4.16 完成検査日 25.4.26 25.4.26 25.4.26 25.4.26 25.4.26 25.4.26 25.4.26 25.4.26 支払日 25.5.14 25.5.14 25.5.16 25.5.15 25.5.15 25.5.20 25.5.20 25.5.16 金 額 967,260 円 996.345 円 999,285 円 999,075 円 985,005 円 769,755 円 995,190 円 996,450 円 7,708,365 円 発注日 25.5.10 25.5.17 25.5.28 完成検査日 25.7.11 25.7.11 25.7.11 支払日 25.7.24 25.7.24 25.7.24 金 額 997,500 円 997,500 円 997,500 円 2,992,500 円 発注日 25.4.13 25.4.17 完成検査日 25.4.30 25.5. 4 支払日 25.6. 7 25.6. 7 金 額 945,000 円 945,000 円 1,890,000 円 (事例 2−東クリーンセンター2) 件 名 3 号ボイラー本体右側壁上部耐火材補修 3 号ボイラー本体右側壁下部耐火材補修 3 号ボイラー本体右側壁管寄廻り補修 合 計 (事例 3−西クリーンセンター) 件 名 3 号ボイラー左壁水管補修 3 号ボイラー右壁水管補修 合 計 ② 発注後に数量不足や別仕様品の必要性が判明したとして追加発注している事例 発注時に必要な数量の精査を行うことを心掛け,契約額が専決権限を超えるものについては 契約監理課へ契約を依頼するべきである。 (事例1−東クリーンセンター)3 者見積りの結果,同一品を同量,同一業者へ発注 件 名 椿本チェイン 52 本 椿本コンベヤチェーン 椿本コンベアーチェーン 合 計 発注日 25.1.25 25.2. 6 25.2.19 納品日 25.3.19 25.3. 1 25.3.28 - 27 - 納期限 25.3.31 25.3.31 25.3.31 金 額 299,754 円 299,754 円 299,754 円 899,262 円 (事例 2−地球環境課)①のサイズは 290×290 ㎜,②は 390×390 ㎜をそれぞれ 11 個発注 それぞれ 3 者見積りの結果,同一業者へ発注 件 名 ①磁器質路上喫煙禁止マーク ②磁器質路上喫煙禁止マーク 合 計 発注日 25.2.14 25.2.25 納品日 25.3.21 25.3.21 納期限 25.3.29 25.3.29 金 額 196,812 円 215,869 円 412,681 円 ③ 用途,サイズ,数量,納品場所が異なることを理由に複数の所長専決で発注している事例 用途等が異なるとしても,一回で意思決定をして一回の契約が行われるべきであり,契約額 が所長の専決権限を超えるものについては契約監理課へ契約を依頼するべきである。 (事例−苅藻島クリーンセンター)それぞれ 4 者見積りの結果,同一業者へ発注 件 名 ワイヤーロープ(クレーン用) ワイヤーロープ(クレーン用) 合 計 発注日 25.4.22 25.4.23 納品日 25.5.20 25.5.20 納期限 25.5.27 25.5.27 金 額 275,520 円 133,728 円 409,248 円 ④ 予め 1 年間を有効期間とする単価の見積もりを 3 者から受けた上で,その見積りに基づいて クリーンセンターの所長専決で発注している役務の調達について,監査において確認した範囲 で購入金額の合計額が所長専決権限を超えている事例 発注額が所長の専決権限を超える予定である場合は,予め施工時期や数量を決定できないと しても,契約監理課と単価契約の協議をするべきである。 (事例−苅藻島クリーンセンター) ・炉内清掃・灰押出機清掃点検(平成 25 年度) @299,250 円×2 回=598,500(25.4.26,25.6.25 実施) ※平成 24 年度は,年間 7 回実施 ⑵ 切手の管理について 切手の保管枚数が使用数に比して多いと考えられる事例があった。産業廃棄物等収集運搬業許 可制度の変更により本市への許可申請が減少したことに伴い,切手の使用枚数が減少したとのこ とである。効率的な使用及び管理を行うためにも,局内の他所属又は庁内への保管転換等につい て検討されたい。 (事業系廃棄物対策室) ・90 円切手:残高 1,308 枚,平成 25 年度使用枚数 138 枚(監査日(26.1.9)現在) - 28 - 第5 区役所 1 主な監査項目 ⑴ 収入に関する事務 ア 各種福祉施設に係る徴収金等の調定及び収納事務 イ 使用料及び手数料等の調定及び収納事務 ウ 生活保護返還金,徴収金の調定及び収納事務 エ その他の収入事務 ⑵ 支出に関する事務 ア 生活保護に係る扶助費の支給事務 イ 児童手当等諸手当の支給事務 ウ その他の支出事務 ⑶ 契約に関する事務 ア 物品調達契約,委託契約等に係る契約事務 イ その他の契約に係る事務 ⑷ 財産の管理に関する事務 ア 備品(重要物品を含む)の管理に関する事務 イ その他の財産管理に係る事務 ウ 準公金等の現金取扱事務 2 監 査 の 結 果 監査の結果,事務処理はおおむね適正に行われているものと認められた。しかし,事務の一部 について次のような改善を要する事例があったので,今後,適正な事務処理に努められたい。 ○ 指 摘 事 項 ⑴ 収入に関する事務 ① 出納員による収納手続等を適正に行うべきもの 区役所の窓口や保育料等徴収嘱託員が臨戸訪問をした際の保育料や母子・寡婦福祉資金貸付 金償還金等を収納する事務処理について,次のような事例があった。 会計規則や現金取扱事務の手引に基づいた適正な事務処理を行うべきである。 ア 一連番号を付さずに領収証書を使用していた事例 (東灘区こども家庭支援課,長田区こども家庭支援課,垂水区こども家庭支援課) イ 収納した即日又は翌日中に指定金融機関等に払い込みをしていなかった事例 (東灘区健康福祉課,灘区健康福祉課,兵庫区こども家庭支援課,長田区こども家庭支援課, 北須磨支所保健福祉課) - 29 - ウ 領収日を誤記した領収証書を交付した事例 (灘区こども家庭支援課) エ 複写式の領収証書の作成に両面カーボンを使用せず,片面カーボンを使用していた事例 (中央区健康福祉課) オ 使用中の簿冊に未使用の領収証書が残ったが,年度終了後は使用しないにもかかわらず, パンチで穿孔するなどの処理をせずに,使用可能な状態のまま保存していた事例 (東灘区健康福祉課) カ 窓口で現金を収納する際に,出納員納付とせず,職員が代行して納入通知書により指定金 融機関等に納付しているが,納付代行受付処理簿を作成していなかった事例 (東灘区こども家庭支援課) ⑵ 支出に関する事務 ① 前渡金及び概算払の精算事務を適正に行うべきもの 前渡金及び概算払について,会計規則では,前渡金管理者(概算払の場合は支出担当者)は 用務終了後 5 日以内に支払精算書を作成し,直近の上司に提出することとされているが,次の ような事例があった。 適正な精算事務を行うべきである。 ア 用務が終了しているにもかかわらず精算書を作成していなかった事例 (兵庫区こども家庭支援課,北区保護課) イ 用務終了日から 5 日以内に精算を行っていなかった事例 (西区健康福祉課) ② 区長委任規則に基づいて支出するべきもの 「中央区ハートフルフェスタ 2013」及び「中央区・児童館ふれあい活動事業」に対し,助成 金を支出しているが,助成金の申請書宛名及び交付決定者名が市長名になっていた。 (中央区健康福祉課) 区長委任規則第 5 条第 5 号によると「配分された歳出予算の執行に関すること」は区長に委 任されていることから,区長名で申請書の提出を求め,区長名で交付決定書を交付するべきで ある。 ③ 公文書を適正に管理するべきもの 支出命令書(命令番号 1239 執行年月日平成 25 年 4 月 30 日 金額 1,119,240 円)を,実地 監査日に提出を求めたところ,所在が分からず提出できない旨の回答があった。 (東灘区健康福祉課) - 30 - 公文書分類表所定の保存期間(支出命令書:5 年)内の管理及び保存を適正にするべきであ る。 ⑶ 契約に関する事務 ① 専決規程に定める適正な決裁を得るべきもの 契約締結に係る決裁について,次のように専決規程に定められた合議を得ていない事例が あった。 適正な決裁を得るべきである。 ア 不動産賃貸借契約を区政振興課長に合議していなかった事例 ・年間 428,400 円 (北須磨支所保健福祉課) [参考]福祉事務所支所長等専決規程 賃借―不動産―借入れ,貸付 200 万円以下 区政振興課長及び管財課長 合議 ② 契約書において適正な支払方法を選択するべきもの 業務委託について,契約書上,概算払としているが,契約書に委託料精算に関する記載が ない事例があった。 (東灘区健康福祉課,兵庫区こども家庭支援課) 債務金額が確定しているものについては,概算払ではなく前金払にするべきである。 [参考] 概算払・・・支払うべき債務金額の確定前に概算をもって支出することをいい, 支出の原則の例外 ⑷ 財産の管理に関する事務 ① 乗車券の払戻金を収入するべきもの 行旅人移送用の交通機関乗車回数券を購入し,有効期限内に使用しなかったものについて は払い戻しの手続きを経ないまま廃棄処分している事例があった。 (長田区保護課,須磨区保護課) 払戻金が発生する場合には,有効期限内に払い戻し,払戻金を収入するべきである。 ② 飼犬の鑑札及び注射済票の管理を適正に行うべきもの 飼犬の鑑札及び注射済票について,次のとおり交付管理簿の現在高と実際の保管在庫数が一 致していなかった。 ・鑑札 交付管理簿の現在高が 1 枚多い ・注射済票 交付管理簿の現在高が 12 枚多い (西区健康福祉課) 交付管理簿へは,交付日に払い出しを記載することとなっているが,獣医師は多数の鑑札等 の交付を求める場合が多く,手数料の徴収と鑑札等の交付が受付日とは異なる交付日となる。 このため,交付日の払い出しの記載を失念しがちで,交付管理簿の現在高と実数の不一致原因 となっている。 - 31 - 交付管理簿を個人申請用と獣医師申請用に分け,獣医師用交付管理簿には受付日と交付日が 記載できるようにするなどの改善を行い,鑑札等の管理を適正に行うべきである。 ③ 物品管理簿への記載を適正に行うべきもの 次のように,備品を調達しているにもかかわらず,備品管理簿に記載していない事例があっ た。 物品会計規則等に基づき,適正な事務処理を行うべきである。 ・ユニットパネル ・椅子 12 脚 ・携帯電話 93,712 円 (東灘区健康福祉課) (東灘区健康福祉課) (長田区健康福祉課) ④ 物品の管理を適正に行うべきもの 切手使用の記載を誤ったため,その保管状況について,監査日現在(平成 25 年 10 月 7 日) , 管理簿に記載された現在高と現物の数量が一致していない事例があった。 (中央区保護課) 物品会計規則等に基づき,適正な事務処理を行うべきである。 切手の種類 90 円 100 円 140 円 管理簿記載枚数 191 枚 155 枚 48 枚 現物の枚数 194 枚 152 枚 46 枚 ⑤ 現金出納簿への記載を適正に行うべきもの 行旅人を更生援護相談所まで移送する必要のある場合,区役所から更生援護相談所最寄駅ま での JR 運賃(160 円)を現金で交付している。行旅人の移送費出納簿において,受け入れ,払 い出し,年度末精算の記載漏れや残高誤りが多数あり,監査日現在(平成 25 年 11 月 22 日) , 出納簿上の残高と実際の残高が一致していなかった。 (東灘区保護課) 現金の出納を正しく記載するべきである。 ⑥ プリペイドカードの利用を適正にするべきもの 「プリペイドカード使用簿兼近距離旅行命令書」は近距離旅行命令とプリペイドカードの使 用記録を兼ねた書類である。旅行の必要が生じた時点で,使用者氏名,日程,用務先,使用区 間等を記入のうえ,旅行命令欄に決裁を受けなければならない。 しかし,次のような事例があった。 適正な事務処理を行うべきである。 ア 旅行命令欄に決裁を受けないまま,プリペイドカードを使用していた事例 (東灘区保護課,北区健康福祉課) イ 「プリペイドカード使用簿兼近距離旅行命令書」の使用者氏名欄に「○○ ○○ 他1名」 と記載し,同行者については旅行命令欄に決裁を受けないままプリペイドカードを使用して - 32 - いた事例 (灘区健康福祉課) ウ 「プリペイドカード使用簿兼近距離旅行命令書」への記入がなく,旅行命令欄への決裁も 受けていなかった事例 (須磨区健康福祉課) [参考] 旅費条例第 3 条 第 1 項 職員が出張し,又は赴任した場合には,当該職員に対し旅費を支給する。 旅費条例第 4 条 第 1 項 次の各号に掲げる旅行は,当該各号に掲げる区分により,任命権者の発す る旅行命令又は旅行依頼によって行わなければならない。 第 1 号 前条第 1 項の規定に該当する旅行 旅行命令 ○ 意 見 ⑴ プリペイドカードの管理について スルッと KANSAI,Uラインカード等のプリペイドカードの管理は,「プリペイドカード使用 簿兼近距離旅行命令書」により行うこととなっているが,物品管理員欄への押印漏れや精算確 認欄の押印漏れ,物品管理員ではない職員が欄へ押印している事例,といった事務処理上のルー ルが適切に行われていない事例が複数あった。 以上のような点についても,あわせて確認,徹底されたい。 (東灘区保護課,灘区こども家庭支援課,中央区健康福祉課,北区健康福祉課, 長田区こども家庭支援課) ⑵ タクシーチケットの管理について タクシーチケットの管理をチケット番号により管理している部署があった。チケット番号で 管理すると,管理簿から残数がすぐには読み取れない,同じチケットについて払い出しと返却 が繰り返されると,備考欄に記載しきれないなどの問題があった。定期点検等で確認するのは 枚数でもあるので,チケット番号により管理されている部署においては枚数管理することを検 討されたい。 (中央区健康福祉課) ⑶ 生活保護における収入認定について 収入申告書の提出が遅れたため収入認定が滞ったり,誤って過少に収入認定したため,生活 保護法第 63 条に基づく返還金(資力があるにもかかわらず保護を受けた場合の返還金)が発生 している事例があった。稼働収入が少なく,一定していない被保護者にとって,返還金の発生 は経済的に大きな負担となるとともに,市の収入未済額増加の原因となる。提出が遅れがちな 被保護者には,こまめに連絡をとり,提出を促し,提出後は速やかに誤りなく収入認定を行う よう,さらなる事務の改善を図られたい。 - 33 - (東灘区保護課) 第6 教育委員会 1 主な監査項目 ⑴ 収入に関する事務 ア 幼稚園の保育料等の調定及び収納事務 イ 高等学校等の授業料等の調定及び収納事務 ウ 指定管理者が徴収を行っている施設使用料の調定及び収納事務 エ 博物館等の入館料の調定及び払込等の事務 オ 文化財調査等事業の受託に係る受託料の調定及び収納事務 カ その他の収入事務 ⑵ 支出に関する事務 ア 就学援助及び就園奨励助成の支給事務 イ 補助金,助成金の支出事務 ウ 学校園等の施設整備及び改修等に係る経費の支出事務 エ 高等学校等の支出事務 オ その他の経費の支出事務 ⑶ 契約に関する事務 ア 指定管理に係る契約事務 イ 委託契約等に係る事務 ウ 新たな専決調達事務処理に係る事務 エ その他の物品購入・請負等に係る事務 ⑷ 財産の管理に関する事務 ア 学校園等の施設用地の取得,管理及び処分に係る事務 イ 行政財産の目的外使用許可手続に係る事務 ウ 備品(重要物品を含む)の管理に関する事務 エ 博物館等における館蔵品の管理に係る事務 オ 図書館における図書の購入及び管理に係る事務 カ 有料頒布物の管理に係る事務 キ 基金の管理事務 ク その他の財産管理事務 2 監 査 の 結 果 監査の結果,事務処理はおおむね適正に行われているものと認められた。しかし,事務の一部に ついて次のような改善を要する事例があったので,今後,適正な事務処理に努められたい。 - 34 - ○ 指 摘 事 項 ⑴ 収入に関する事務 ① 速やかに払込みをするべきもの 出納員等が収入金を収納したときは,払込書により即日又は翌日中に指定金融機関等に払い 込まなければならない(会計規則 32 条)とされている。 しかしながら,次のような事例があった。 会計規則に基づき,適正な事務処理を行うべきである。 ア 4 月 2 日から 5 月 29 日に収納した卒業証明等の証明手数料(14 件 4,200 円) を 5 月 31 日,6 月 6 日から 6 月 28 日に収納した卒業証明等の証明手数料(9 件 2,700 円)を 6 月 28 日に払 い込んでいた。 (葺合高等学校) イ 授業料 18,600 円の分納として,4 月 30 日に収納した授業料 5,800 円を 7 月 30 日に払い込 んでいた。 (摩耶兵庫高等学校) ② 所定の領収証書を発行するべきもの 出納員が収入金を収納したときに発行する領収証書の様式は会計規則で規定されており,領 収印についても公印規則で規定されている。 しかしながら,次のような事例があった。 ア 自立活動集中実践講座の参加料を特別支援教育課の出納員納付で収納していたが,参加者 から収納する際には,所定の領収証書を発行していなかった。 (特別支援教育課) 規則に基づく領収証書を発行するべきである。 イ 学校の電話を私用で使用した場合,使用者から料金を収納し,出納員が払い込みをしてい たが,使用者に所定の領収証書を発行していなかった。 (盲学校,友生支援学校,垂水養護学校,青陽西養護学校) 規則に基づく領収証書を発行するべきである。ただ,年間数件のことであるようなので, 使用者本人に納付書で納付してもらう個人納付での納付も検討するべきである。 ③ 未収金の調定をたてるべきもの 神戸市奨学金条例に基づき資格者に奨学金を給与しているが,一旦給与した後に何らかの事 情で奨学金の返納の必要が生じることがある。この場合,当該年度は,その金額を歳出科目に 戻し入れることになる(自治令 159 条,会計規則 9 条) 。返納は,年度内に行われるべきである が,万一返納が出納閉鎖後になった場合は,過年度収入として,歳入科目に収入することにな る(自治令 160 条) 。 神戸市の会計システムでは,出納閉鎖までに戻し入れがなされなかった場合,一般の歳入と - 35 - は異なり,機械的に新年度への繰越処理は行われないので,新年度すぐに新たに歳入科目に調 定を立てる必要がある。しかし,奨学金等の戻入分ではこの新年度の調定が立てられていない ので,神戸市の会計に未収分が計上されていない。 (教育企画課) 手をつくしても年度内に返納されなかった未収金については,会計システム上の調定を立て るべきである。 ④ 延滞金を求めるべきもの 行政財産の目的外使用を許可し,使用料を徴取しているが,下記のように納期限を過ぎて納 付されている事例があった。 許可書に定める延滞金を求めるべきである。 ア A社に神港高等学校に自動販売機 5 台を設置する許可をし,使用料 162,192 円を平成 25 年 2 月 28 日納期限として納付書を発行しているが,平成 25 年 4 月 11 日に納付されている。 (学校整備課) イ A社に葺合高等学校に自動販売機 5 台を設置する許可をし,使用料 180,336 円を平成 25 年 2 月 28 日納期限として納付書を発行しているが,平成 25 年 4 月 11 日に納付されている。 (学校整備課) ウ A社に兵庫商業高等学校に自動販売機 6 台を設置する許可をし,使用料 186,828 円を平成 25 年 2 月 28 日納期限として納付書を発行しているが,平成 25 年 4 月 11 日に納付されてい る。 (学校整備課) エ B社に行政財産の目的外使用を許可し,10 月∼12 月分として,使用料 14,700 円を平成 24 年 12 月 28 日納期限として納付書を発行しているが, 平成 25 年 3 月 11 日に納付されている。 (工業高等専門学校) ⑤ 遅延利息を求めるべきもの 教育委員会所管の土地をC協会と賃貸借契約し,C協会より賃貸料を受けている。平成 24 年 4 月 1 日から平成 25 年 3 月 31 日の賃料 383,088 円について平成 24 年 9 月 30 日を納期限と して納付書を発行しているが,平成 25 年 3 月 25 日に納付されている。 (スポーツ体育課) 契約書に定めている遅延利息を求めるべきである。 ⑵ 支出に関する事務 ① 正しく見積書を徴取するべきもの 見積書徴取に関する基準によると,物品購入については総額が 5 万円以上,単体の価格が 2 - 36 - 万円以上の場合は,2 人以上の者から見積書を徴しなければならないとされている。また,調 達事務のコンプライアンスに関する手引きでは,見積書は,必ず見積り合わせの指定業者それ ぞれに提出を求めなければならないとされている。にもかかわらず,物品等を新たな専決調達 事務により購入する見積り合わせの際に,調達先が自社見積書と他社の見積書も併せて提出し ている事例があった。 正しく徴取するべきである。 ア 保健室医薬品等(99,986 円)の購入に関する事例 (葺合高等学校) イ 教卓ほか(339,150 円)の購入に関する事例 (神港高等学校) ② 教育委員会事務局等専決規程に定める適正な決裁を得るべきもの 諸行事の開催やその他請負専決契約決議において,専決規程に定められた決裁を得ていない 事例があった。 適正な決裁を得るべきである。 ア 諸行事の開催決議において,経費予定金額が 426,480 円であり,部長決裁が必要であるに もかかわらず課長決裁となっていた。 (指導課) イ スクールバス車検のその他請負専決契約決議において,費用 442,390 円であり,部長決裁 が必要であるにもかかわらず学校長決裁となっていた。 (垂水養護学校) ③ 正しく専決調達事務処理を行うべきもの 雑誌の購入において,実際は年度当初に業者に口頭で注文を行い,雑誌の発行の都度納品 を受けているにもかかわらず,月末に一月分まとめて見積書等を徴取し,その後発注書を作 成し,専決契約として支払っている下記のような事例があった。 (中央図書館) 物品の購入契約について,専決契約は,当然納品の前に発注は発注書により行うものとされ ている(契約事務手続規程第 26 条 2 項) 。新たな専決調達事務処理においても,価格が安定し ており,購入先による購入条件の差が生じないものの場合は見積書の徴取の省略は認められて いるが,発注書は,専決契約の都度発行しなければならない。 年間継続して,購入が予定され,年間購入予定額が 100 万円を超える場合は契約監理課によ る契約が必要である。契約方法も検討のうえ,契約事務手続規程,新たな専決事務処理に関す るマニュアルに則した事務処理をするべきである。 - 37 - 〈発注書記載内容〉 内 容 起案日 週刊誌A5/17,5/24,5/31,6/7 号 発注書 週刊誌B5/14,5/21,5/28,6/4 号 (北神分 月刊誌C6 月号,月刊誌D6 月号 館分) など 相手方 見積日 発注日 金額 25.6.12 25.6.6 (A社) 25.6.21 49,717 円 週刊誌A5/17,5/24,5/31,6/7 号 発注書 週刊誌E5/6・13,5/20,5/27,6/3 号, 25.6.12 (灘分) 月刊誌F5 月号,月刊誌G5/15 号など 25.6.6 (A社) 25.6.21 69,354 円 週刊誌A5/17,5/24,5/31,6/7 号 発注書 週刊誌 H4/26・5/3,5/10,5/17,5/24, 25.6.17 (三宮分) など 25.6.14 (B社) 25.6.21 59,083 円 ④ 検査合格年月日を適正に記載するべきもの 清掃業務(平成 24 年度分)の支払に関し,納品書兼検査調書の検査合格年月日が平成 25 年 4 月 1 日と記載されていた事例(正しくは平成 25 年 3 月 31 日)があった。 (長田公民館) 検査合格年月日は,適正に記載するべきである。 ⑤ 適正な履行確認を行うべきもの 講師謝金を一般支払で支出していたが,書類上,履行確認がされていなかった。 (青陽西養護学校,垂水養護学校,住之江公民館,中央図書館) 履行確認のうえ検査員が押印した書類を作成するべきである。 ⑥ 適正な履行確認を行ったうえで支出するべきもの 学校園の廃棄物収集運搬業務について,民間事業者と請負契約している。契約書によると, 機密文書については,学校園の履行確認のほかに,機密文書処理施設が発行する「検量書」 「引 取り証明書」を請求時に提出することとなっている。しかしながら,5 月分請求の際に,それ らの書類が提出されていないにもかかわらず,経費が支出されていた。 (学校整備課) 適正な履行確認を行い,支出するべきである。 ⑦ 事業完了報告提出後に支出するべきもの 指定文化財等保護事業補助金(認定地域文化財(地域史跡))については,要綱に基づき,年 間 5 万円を補助している。補助金は事業完了報告書が提出された後,行う(第 5 条)とされて - 38 - いる。 平成 24 年度の補助金については,平成 25 年 2 月に 10 団体 50 万円(@5 万円×10 団体)交 付決定し,4 月 2 日付け支出命令書(履行確認日 平成 25 年 3 月 31 日 請求書受理日 平成 25 年 4 月 2 日,支出金額 50 万円,一般支払)で支出している。 しかしながら,平成 26 年 1 月 9 日の監査日においても,2 団体の事業完了報告書が提出され ていなかった。 (文化財課) 事業完了報告書の提出を確認してから,支払うべきである。 ⑧ ETCカードの利用を記録するべきもの ETCカードを使用し,5 月分使用料として,32,850 円を請求に基づき支払っているにもか かわらず, 「ETCカード使用簿」を作成せず, 「運転日報」にもETCカード使用についての 記載がなかった。 (博物館) 「ETCカードの取扱いについて(通知) 」では,履行確認は, 「ETCカード使用簿」や「運 転日報」でするべきとされている。 所定の履行確認を行ったうえで支払うべきである。 ⑨ 臨時的任用職員の賃金の支払を適正にするべきもの 臨時的任用職員の賃金の支払いについて,5 月分通勤手当として,年次有給休暇 2 日分も計 上されていた。 (博物館) 正しく支払うべきである。 ⑩ 適正な時期に支払うべきもの 契約書等で支払期日が定められているにもかかわらず,これが遵守されていない事例があっ た。 定められた期日までに支払を行うべきである。 ア 委託料の支払に関し,契約書上,各月(8 月を除く)履行確認後,翌月末日までに支払う とされているが,4 月分の支出が 6 月に行われていた事例 (契約書の支払期限) 翌月末日まで(25.5.31) (健康教育課) (請求書受理日) (支出日) (金 額) 25.5.13 - 39 - 25.6.10 17,708,250 円 イ 指定管理料の支払に関し,協定書上,4 月分を 4 月 20 日までに請求に基づき支払うとされ ているが,5月に支払われていた事例 (中央図書館) 〈例〉 (図書館名) (契約書の支払期限) (請求書 (支払日) (金額) 平成 25 年 4 月分 受理日) 東灘 4 月の 20 日までに 25.5. 7 25.5.16 13,191,750 円 灘 4 月の 20 日までに 25.5. 7 25.5.16 11,947,000 円 兵庫 4 月の 20 日までに 25.5.24 25.5.31 11,702,000 円 新長田 4 月の 20 日までに 25.5. 7 25.5.14 9,171,250 円 ⑪ 適正な時期に緊急連絡タクシー代の出金を行うべきもの 緊急連絡タクシー代は,緊急用務及び物品運搬の際にタクシーを借り上げる経費につき,現 金払いをすることにより学校園の事務の円滑化を図るため資金前渡されている。にもかかわら ず,緊急連絡タクシー代に関し,タクシー代の支出の後に,口座から出金している事例(立替 払)があった。 (友生支援学校,垂水養護学校) 事前に口座より出金しておき,立替払を避けるべきである。 ⑫ 前渡金管理者が前渡された資金の管理をするべきもの のびのびプール指導員の謝金は,生涯学習課長に資金前渡されたのち,各校の開放運営委員 会の口座に 13 回分の謝金を振り込み,出務回数に応じて各校の開放運営委員会より支払われる こととしている。監査日現在,生涯学習課長名義の前渡金口座には保管されていなかった。ま た,前渡金の精算もなされていない。 (生涯学習課) 会計規則では,報酬等については,現金支払をさせるため,その資金を前渡金管理者に前渡 することができる(第 45 条)とされている。ただし,前渡金管理者は部,課,事業所長等であ り(会計規則第 2 条) ,前渡金管理者は,前渡された資金を善良な管理者の注意をもって保管し なければならない(第 46 条)とされている。資金前渡された謝金は,前渡金管理者が支払わな ければならない。また,それまでは,前渡金管理者が保管しなければならない。 学校長への前渡金管理者の変更なども検討し,会計規則に則した方法に変更するべきである。 ⑬ 前渡金の保管を適正に行うべきもの 資金前渡された現金は,直ちに支払いを要する場合を除き,確実な金融機関に預金しなけれ ばならない(会計規則第 46 条)とされているが,前渡金管理者の預金口座から引き出されてか ら支払日まで相当の日数を経ている事例があった。 - 40 - (葺合高等学校) (件名) 切手購入代金 部活動外部指導員謝金 (4∼6 月分) 部活動外部指導員謝金 (7∼9 月分) (口座より引き出した日) (支払日) 84,100 円 25.4.18 25.6.27 609,405 円 25.6.21 25.8.13 609,405 円 25.9.27 (金額) ※監査日(25.11.6) 時点未払い 会計規則や現金取扱事務の手引等に基づいた適正な管理を行うべきである。 ⑭ 前渡金払に係る精算事務を適正に行うべきもの 前渡金の精算については,用務終了後 5 日以内に支払精算書を作成し,直近の上司に提出し なければならない(会計規則第 48 条) 。また,その支払精算書には証拠書類として領収証書の 添付が必要(会計規則第 49 条)とされている。しかしながら,次のような事例があった。 適正な事務処理を行うべきである。 ア 用務終了後 5 日以内に精算報告がなされていなかった。 (件名) 嘱託職員の報酬 ソーラーカーレース 2013 エントリー料等 (用務終了日) (精算報告日) 25.5.20 25.6.3 25.8.3 25.10.27 (特別支援教育課) (工業高等専門学校) イ 「小学生のための初心者水泳教室」開催にかかる水泳部学生(のべ 115 人)への謝金につ いて,精算報告書に添付されていた書類は,各人の押印はされているものの,金額や内容が 記載されていなかった。 (工業高等専門学校) ⑮ 概算払に係る精算事務を適正に行うべきもの 概算払について,会計規則では, 「用務終了後 5 日以内に支払精算書を作成し,直近の上司に 提出」することとされているが,概算払支払精算書において,用務終了日を概算払に係る期間 の最終日にしているなど,用務終了日から 5 日以内に精算されていない事例があった。 (生涯学習課,スポーツ体育課,住之江公民館) 用務終了日を実績報告書受理日とするなど,会計規則等に基づく適正な事務処理をするべき である。 - 41 - (用務終了日) (精算日) 25.3.31 25.5.13 (生涯学習課) 神戸市生涯学習センター指定管理 25.3.31 25.5.22 (生涯学習課) 神戸市立婦人会館指定管理 25.3.31 25.5.23 (生涯学習課) 神戸市立青少年科学館指定管理 25.3.31 25.5.9 (生涯学習課) 神戸市スポーツ教育協会に対する補助金 25.3.31 25.5.17 (スポーツ体育課) 王子スポーツセンター指定管理 25.3.31 25.5.10 (スポーツ体育課) 中央体育館指定管理 25.3.31 25.5.10 (スポーツ体育課) 日本語教室に係る経費の支出 25.3.31 25.4.21 (住之江公民館) (件 名) 子育てふれあい教室の運営に関する業務 委託契約 ⑯ 書類の管理を適正に行うべきもの 書類の管理及び保存に関し,次のような改善を要する事例があった。 公文書分類表所定の保存期間内の管理及び保存を適正にするべきである。 ア 物品の購入に際し,業者納品書の原本ではなく,コピーで代用している事例があった。 (指導課) イ 所在不明のため,実地監査日に指定した書類(納品書,見積書,発注書)が提出されない 事例や,業者納品書が見当たらないため,業者請求書を手書き修正の上,業者納品書として 代替使用していた事例があった。 (青陽東養護学校) ⑶ 契約に関する事務 ① 契約監理課による契約にするべきもの ア 学校共通で使用する物品について,年度当初に単価により見積合わせを行い,その結果を 「学校整備課単価協定品」と称し,都度の発注は,物品毎に決まった業者に決まった単価で 発注することと学校等に通知している。実際に学校等では「学校整備課単価協定品」を根拠 に発注の際には見積書を徴取せず発注している。 (学校整備課) 教育委員会事務局等専決規程では, 「単価協定品の品目,価額,契約方法等については,契 約監理課長が別に定める。 」とある。 単価協定の必要があるなら,契約監理課による契約にするべきである。 イ 小学校・特別支援学校及び垂水・北学校給食共同調理場で生じる廃油について,回収の上, 再資源として活用することを目的として売払っている。部長専決で,小学校・特別支援学校 及び垂水学校給食共同調理場分についてはA社に,北学校給食共同調理場分については福祉 法人Bと契約している。年間収入は 5,791 千円を見込み,実際に 4,5 月分としてA社 707,450 - 42 - 円,福祉法人B45,420 円を収入している。 (健康教育課) 教育委員会事務局等専決規程によると,物品の売却又は廃棄の契約権限は教育長で 5 万円 以下となっている。 参考見積等で 5 万円を超える場合は,契約監理課による契約にするべきである。 ウ 複写機を設置し,それに係る経費のうち,複写枚数の実績により支払う経費について,月 毎に専決契約として支払いしている事例が散見された。 (教職員課,指導課,特別支援教育課,生涯学習課,スポーツ体育課) 複写機を設置して,経費が生じる場合,設置期間におけるすべての経費の契約が必要であ る。また,その経費の予定金額が年間 30 万円を超える場合は,教育委員会事務局等専決規程 により経理契約にするべきである。専決規程の順守を徹底するべきである。 エ 北学校給食共同調理場の事務用として,健康教育課長専決で複写機を賃貸借している。契 約期間は平成 23 年 1 月 1 日から平成 25 年 12 月 31 日の 3 年間で,支出予定額は 998,487 円 となっている。 (健康教育課) 経費の予定金額が年間 30 万円を超える場合は,教育委員会事務局等専決規程により経理契 約にするべきである。 オ 友生支援学校建設事業で備品及び消耗品を購入する際に,複数の専決契約を行っている事 例があった。 (特別支援教育課) 発注,契約の履行に緊急を要するものは,必要に応じて,契約監理課と随意契約の協議を するべきである。 〈例〉 ・友生支援学校消耗品等購入(一部) (発注日) (納品日) (金額) (円) (債権者) (備考) 25.3.6 25.3.29 430,720 A社 消耗品 25.3.6 25.3.29 656,253 A社 消耗品 25.3.7 25.3.29 160,150 A社 消耗品 25.3.7 25.3.29 210,286 A社 消耗品 25.3.8 25.3.29 400,680 A社 備品 25.3.13 25.3.29 580,598 A社 消耗品 カ 第 16 回年中無休ラジオ体操表彰式にかかる経費については,開催決裁を専決規程に則し て決裁している。その記念バッジの調達について,相手方の見積金額が 400,323 円にもかか わらず,専決調達で調達している事例があった。 - 43 - (スポーツ体育課) 開催決裁は諸行事の開催にかかる施行決議である。個々の経費については,それぞれ調達 の際に専決規程に則した契約の決裁が必要となる。記念バッジの調達については,予定金額 が 30 万円を超えるので,教育委員会事務局等専決規程により経理契約にするべきである。 ② 適正な契約名義にするべきもの 複写機の賃貸借契約等の契約書を学校長名で締結していた。 (葺合高等学校,青陽須磨支援学校) 地方公営企業の管理者を除いて,市の契約締結権は市長に専属する(自治法 147 条)とされ ている。契約は市長名で締結するべきである。 ③ 委託契約において業務責任者選任届の提出を求めるべきもの 委託契約(約款)では, 「乙は,委託業務の履行に関し,委託業務の履行に係る責任者(以下 「業務責任者」という。 )を選任し,甲にその氏名,連絡先その他の必要な事項を書面により通 知しなければならない。 」とされているが,この選任届の提出がなされていない事例があった。 (教職員課,学校整備課,指導課,特別支援教育課,健康教育課,人権教育課, 総合教育センター,生涯学習課,文化財課,スポーツ体育課, 住之江公民館,清風公民館,長田公民館,南須磨公民館, 博物館,小磯記念美術館,中央図書館,工業高等専門学校) 契約書(約款)のとおりに,受託者に対し業務責任者の選任届の提出を求めるべきである。 ④ 委託契約において再委託の申請・承諾手続を行うべきもの 委託契約(約款)では, 「乙は,甲の書面による事前の承諾なくして,委託業務を第三者へ 委託(請負その他これに類する行為を含む。 ) (以下「再委託」という。 )してはならない。」と されているが,再委託の申請及びこれに対する承諾がなされていない事例があった。 (教職員課,学校整備課,人権教育課,博物館) 契約書(約款)のとおりに,再委託の申請の提出を求め,内容が適切であればこれに対する 承諾を行うべきである。 ⑤ 請負契約において業務責任者選任届の提出を求めるべきもの 請負契約(約款)では, 「乙は,この契約の履行に関し,この契約の履行に係る責任者(以下 「業務責任者」という。 )を選任し,甲にその氏名,連絡先その他の必要な事項を書面により通 知しなければならない。 」とされているが,この選任届の提出がなされていない事例があった。 (健康教育課,総合教育センター,住之江公民館,長田公民館,南須磨公民館, 東垂水公民館,玉津南公民館) 契約書(約款)のとおりに,請負人に対し業務責任者の選任届の提出を求めるべきである。 - 44 - ⑥ 補助金交付において領収書の写しの提出を求めるべきもの 神戸市立楠高等学校弁当販売補助金交付要綱では, 「年度末に事業が完了したときは,市長 に対し速やかに,経費の執行の状況が具体的に確認できるよう,領収書の写しを提出しなけれ ばならない。 」とされているが,この領収書の写しが提出されていなかった。 (健康教育課) 要綱記載のとおりに,相手方に対し領収書の写しの提出を求めるべきである。 ⑷ 財産の管理に関する事務 ① 物品管理簿への領収証書の記載を適正に行うべきもの 領収証書の受払記録簿(物品会計規則第 4 号様式の管理簿)を作成していなかった。 (特別支援教育課,葺合高等学校,科学技術高等学校) 物品会計規則等に基づき,適正な事務処理を行うべきである。 ② プリペイドカードの配付を適正に行うべきもの プリペイドカードに関し,特別支援教育課から友生支援学校(当時:友生養護学校)に大量 に配付していたが,監査日時点では友生支援学校において,大半が未使用の事例があった。 (特別支援教育課,友生支援学校) 不要不急の有価証券配付は避けるべきである。 〈例〉 ・24.1.5 スルッと KANSAI(5,000 円) 7 枚配付 ※監査日(25.11.25)時点で,4 枚未使用。 ・24.1.5 スルッと KANSAI(3,000 円) 40 枚配付 ※監査日(25.11.25)時点で,40 枚とも未使用。 ③ プリペイドカードの管理を適正に行うべきもの プリペイドカードは金券的性質を有するものであり,その保管に当たっては必ず施錠ができ る箇所で保管し,物品管理者はプリペイドカードの出納保管及び使用の状況を常に的確に把握 することを求められている。しかしながら,プリペイドカードに関し,次のような改善を要す る事例があった。 適正な事務処理を行われたい。 ア プリペイドカードの払出しを個人毎に行い,使用終了まで個人が保管することになってい る事例があった。 (特別支援教育課,神港高等学校) - 45 - イ 平成 24 年度から原則プリペイドカードの使用を中止し,近距離旅行命令により旅費を支給 している。 平成 23 年度中に払い出したと管理簿に記録されているカードの追跡調査をしたと ころ,紛失していた事例があった。 (指導課) ウ 管理簿について,作成されていない事例があった。 (摩耶兵庫高等学校,須磨翔風高等学校) エ 管理簿について,物品管理者の押印がなされていない事例や,受領者の押印がなされてい ない事例があった。 (特別支援教育課,東垂水公民館) オ 「プリペイドカード使用簿兼近距離旅行命令書」について,旅行命令欄に押印されていな い事例や,使用済みプリペイドカードの精算確認欄に押印されていない事例,最終使用分が 記載されていない事例があった。 (庶務課,学校整備課,総合教育センター,人権教育課,文化財課, スポーツ体育課,中央図書館,神港高等学校) ④ タクシーチケットの管理を適正に行うべきもの タクシーチケットに関し,次のような改善を要する事例があった。 適正な事務処理を行われたい。 ア 管理簿について,物品管理者や受領者の押印がなされていない事例があった。 (庶務課) イ 訪問学級で管理しているタクシーチケットについて,管理簿が作成されていない事例があ った。 (垂水養護学校) ⑤ 郵便切手の管理を適正に行うべきもの 郵便切手に関し,次のような改善を要する事例があった。 適正な事務処理を行われたい。 ア 郵便切手類管理簿について,物品管理者印や受領者印の押印がなされていない事例があっ た。 (特別支援教育課,文化財課,スポーツ体育課,住之江公民館,東垂水公民館, 盲学校,友生支援学校) イ 郵便切手類管理簿について,現物との数が合わない事例があった。 (博物館,兵庫商業高等学校,青陽東養護学校) - 46 - ⑥ 事業系ごみ指定袋の管理を適正に行うべきもの 事業系ごみ指定袋に関し,次のような改善を要する事例があった。 適正な事務処理を行うべきである。 ア 事業系ごみ指定袋管理簿について,物品管理者や受領者の押印がなされていない事例があ った。 ○ 意 (生涯学習課,文化財課,スポーツ体育課,葺合高等学校,青陽東養護学校) 見 ⑴ 奨学寄附金の取り扱いに関する要綱について 工業高等専門学校における奨学を目的とする寄附金については, 「奨学寄附金の取扱いに関する 要綱」で取扱いを定めている。要綱によると,奨学寄附金の申込みを受け付けると,納付書によ り神戸市の歳入に納入される。その後,同額を奨学寄附金交付金として,歳出予算から歳計外現 金に振り替える。歳計外現金で保管される奨学寄附金交付金は,学校長の請求により支出され, 専用口座で管理することとなっている。また,毎年度終了後速やかに奨学寄附金交付金使途報告 書を所管局長に報告することとされている。 平成 24 年度末には, 専用口座に 989 万円の奨学寄附金交付金を保管していた。 にもかかわらず, 要綱に定められた使途報告書は提出されていなかった。要綱に定められた使途報告書の提出をす るべきである。 また,専用口座に保管されている現金は,神戸市の会計の外に置かれ,準公金とみなした取扱 いもされていない。公金の取扱いの透明性が一層求められている現在において,専用口座に保管 する取扱いは妥当であるのか,奨学のためにされた寄附を,その目的を達成させるべく計画的に 利用されているのかチェックする機関を設ける必要性はないか等,要綱の内容を再確認されたい。 (庶務課, 工業高等専門学校) - 47 - 第7 内部統制の実施状況(行財政局行政監察部監察室) 1 監査項目及び着眼点 平成 22 年に判明した不適正な経理処理を契機として,本市においても経理処理に関して内部統 制システムが体系化された。現在本格的な内部統制システムの構築に向けて研究・検討が進められ ている状況にある。内部統制システムの要素の中でも既に比較的整備されている監視活動を中心に 内部統制(外部監査,監査委員監査を除く)の実施状況は妥当か,また,内部統制ルールは各部局 に浸透しているかについて監査を実施した。 主に地方自治法第 199 条第 2 項の行政監査の側面から監査を実施した。 2 監 査 の 結 果 ⑴ 当局の説明 監察室からは、次のとおり説明があった。 ① 内部統制システムの構成要素 内部統制は, 「業務の有効性と効率性」 「財務処理の信頼性」 「コンプライアンス」を目的に, 業務に組込まれ,組織内の全ての者によって実施される手順である。 内部統制システムは,業務の適正を確保するための体制であり,①統制環境(方針や体制の 整備) ,②リスクの評価(リスク特定・分析・評価・内部統制ルールの策定) ,③統制活動(適 正に機能させるための取組み) ,④情報と伝達(情報と伝達がスムーズにいく環境をつくる取組 み) ,⑤監視活動(モニタリング) ,⑥ITへの対応の6つの構成要素があるが,これらの構成 要素とそれぞれに対する具体的な取組みは別紙の図のように示される。 ② 監視活動の内容 外部監査,監査委員監査以外の監視活動は以下のとおりである。 (ア) 神戸市経理適正化外部評価専門委員の選任と評価の実施 a 概要 ・平成 22 年に判明した不適正な経理処理を受け,再発防止と経理適正化に向けた具体的な 提言を含む経理適正化外部検証委員会報告書(以下「報告書」という。 )が平成 23 年 5 月に提出された。 ・報告書で必要とされている経理適正化の取組みの実施状況に関する第三者によるモニタ リング体制として,3 名の神戸市経理適正化外部評価専門委員 (以下「外部評価専門委 員」という。 )を平成 24 年 2 月に選任し,提言の進捗状況に関する評価を行っている。 b 評価の実施内容と効果 ・外部評価専門委員の評価結果は,市経理適正化推進本部(以下「推進本部」という。 )を 通じて,定期的に公表している(平成 24 年 6 月,平成 25 年 2 月,平成 25 年 6 月,平成 26 年 2 月) 。平成 24 年 6 月時点において途中段階とされた職員の賠償責任に関する規則 の改正等 6 項目についても改善の取組みが進められ, 平成 25 年 6 月には,全体として 「提 言内容が概ね実行されている」との評価になっている。 - 48 - ・同時に,この時の評価ではコンプライアンスリスク管理体制の確立等中長期的な取組み についても着手するべきとしており,当局では対策の研究・検討を進めている。 ・平成 25 年度末までの取組状況についても,評価を実施,公表することとしている。 (イ) 契約に係る事務調査の実施 a 概要 ・行財政局長は,不適正な経理処理の再発防止の取組みの一環として,行政調査規則第 6 条,第 11 条,第 12 条,第 13 条並びに契約に係る事務調査指針(平成 23 年 10 月 28 日 施行)に基づき,契約に係る事務調査を平成 24 年度より実施している。 b 調査の実施内容と効果 ・①行財政局長は,調査対象となる契約の相手方から契約関係の資料の提供を求め,②調 査対象所属や部局に対しては「抜き打ち」で実施し,③調査の結果,改善を要する事項 等があると認めるときは, 関係部局の長に対し改善措置等の要求を行う。これを受けて, ④部局の長は,改善措置等の要求に基づき執った措置を速やかに行財政局長に報告し, ⑤行財政局長は,改善措置について外部評価専門委員に意見を聞き,⑥行財政局長は, 必要に応じて監査委員に対し情報を提供し,⑦行財政局長は,調査結果と改善措置の要 旨を対外的に公表することとしている。 ・平成 25 年 1 月及び平成 25 年 10 月に実施した調査結果については,対象所属に対しては 措置を求め所属は改善に努めており,対象所属以外についても推進本部を通じて事例及 び外部評価専門委員の意見を周知している。 (ウ) 自主監査の充実 a 概要 ・事故を未然に防止し,事務事業の適正な執行を確保するため,自主監査要綱(平成 19 年 7 月 10 日,市長決定)に基づき,所属長が所掌事務に関し,その職務の一端として行 っている。 ・それに加え,他の所属長が実施する相互監査を併せて行っている。 b 自主監査の実施内容と効果 ・自主監査の結果については,直近上位の上司の所見を付して,速やかに部局の庶務担当 課長を経由して部局の長に報告し,部局の長は行財政局長に報告している。 ・自主監査は,内部統制の一環とし全市で同一時期に定期的に実施している。 ・平成 25 年度の実施にあたっては,自主監査対象事務のチェックポイントを監査を行う者 が判断しやすいような表現に整理するとともに,新たにリスク管理事務に関するチェッ クシートを作成したかどうかを各所属で確認することとしている。また,各所属におい て改善困難な不適事項があった場合は,部局のコンプライアンス推進委員会が改善策の 協議や検討を行い,これを受けて各所属は不適事項の改善を行うこととしている。 - 49 - ③ 平成 25 年度追加された監視活動以外の内部統制システム(コンプライアンスリスク管理の 実施等) ・コンプライアンスリスクは法令だけでなく組織の行動規範を遵守しないことによって引 き起こされるリスクのことであり,組織の行動規範は時代とともに変化する。 本市のコンプライアンスリスク管理も不祥事の発生を抑止する取組みとして始まった が,対象や手法の拡充に取り組んでいる。 ・平成 25 年 7 月からはコンプライアンスリスク管理については,リスクを「業務活動の遂 行を阻害する事象の発生可能性」ととらえ,リスクアセスメントの手法を用いて組織の リスクを全体として洗い出し分類を行い,それに応じた対策を検討・実施する取組みと して進めている。 ・こうしたリスクやその対策を各部局のコンプライアンス推進委員会に報告することによ り部局内で共有し,さらなる事務処理の改善につなげている。 ・各部局のコンプライアンスリスク管理の実施状況及び具体的な対策(先行事例)の報告 を全市のコンプライアンス対策会議に報告することにより全市で共有し,さらなる事務 処理改善につなげている。 ・なお部局コンプライアンス推進委員会については, 「要望等の記録及び報告並びにコン プライアンスを推進する体制の整備に関する規程」第 11 条に,組織や機能に関する条項 を平成 25 年 8 月に追加し,その位置づけを明確化している。 (参考)神戸市要望等の記録及び報告並びにコンプライアンスを推進する体制の整備に 関する規程(抜粋) (部局コンプライアンス推進委員会) 第 11 条 部局におけるコンプライアンスの推進に関する取組を推進するため,各部 局に,それぞれコンプライアンス推進委員会(以下「推進委員会」という。)を置 くものとする。 - 50 - (別紙) 内部統制システムの構成要素 ∼市民に信頼される事務執行などコンプライアンスの一層の徹底∼ 【内部統制の目的】 ○業務の有効性と効率性 ○財務処理の信頼性 ○コンプライアンス ●平成 24 年度までの取組(継続含む) ◇平成 25 年度の取組 ⑥ITへの対応 ●外部監査 ●監査委員監査 ∼独立的評価∼ ⑤監視活動 ②リスクの評価 ④情報と伝達 ④情報と伝達 ③統制活動 ●経理適正化外部評価専門委員の選任 ●外部評価専門委員による取組評価の実施 ●行政調査規則に基づく契約に係る事務調 査指針の策定 ●契約に係る事務調査の実施 ◇自主監査の充実 ⇒チェック項目の見直し、 部長級職員の関与 の明確化 ●コンプライアンス推進、服務倫理の徹底等に関する職員への啓発 ⇒職場研修、課長級職員研修等 ●職場におけるコンプライアンスリスク点検の実施 ●外部検証委員会の提言を具体化したルールの運用 他 ●コンプライアンスの推進および服務倫理の徹底等に関する職員へ の啓発 ⇒コンプライアンスシート、新たな事務処理マニュアルの発行等 ◇持続的・恒久的な取組への移行に向けた継続的な取組の実施 ⇒外部検証委員会の提言を具体化したルールの確実な運用、 運用後の検証による制度の発展・改善 ◇各所属単位のコンプライアンスリスク管理の実施 ⇒所属ごとのリスクの「発見」・「分析」・ 「評価」・ 「対策」の実施 ①統制環境 ●発注書等帳票類の財務会計システムを 活用した管理 ●財務関係システムを活用した備品管理 ●不適正な経理処理に関する外部通報 ●公益通報制度(内部通報) ●行政調査規則(事故報告) 内部統制イメージ ●神戸市経理適正化委員会の設置、開催 ⇒不適正な経理処理を防止するためのルールづくり ●監査、監察業務等に係る情報連絡会の設置、開催 ⇒監査・監察等の情報共有 ◇各局室区コンプライアンス推進委員会の開催 ⇒各局室区におけるコンプライアンスリスクの「見える」 化、意識共有 ●神戸市経理適正化推進本部の設置、開催 ●神戸市経理適正化外部検証委員会の設置、その提言項目 ●外部検証委員会の提言の着実な具体化 ⇒適正な事務執行のための基準・ルールの策定、整備 ◇神戸市コンプライアンス対策会議の開催 ⇒全市的なコンプライアンスリスク管理の取組状況等についての報告 - 51 - ○ 意 見 監視活動は起こりうる事象に関して,何を監視すればその事象の起こることを防ぐことができ るのかを想定したうえで行う必要があり,その兆候を監視していくことになる。監視に関連させ てコントロールを組み込んで,小さなことは起こっても監視活動が早期発見・早期治療すること により不祥事の発生が抑えられる。また小さなことを発見していることが抑止力になっている。 発生事象が不祥事というレベルにまで至っていない場合,監視活動は有効に機能していると考え られる。 本市の監視活動については主に経理処理に関連して起こりうることを想定して実施されており, コントロールとして事務処理手順が精緻化されている。精緻化されているが故に精緻化に対応で きない事務的なミスが監視活動で発見されており,経理処理の適正化に着手してからの外部環境 にも変化があり,事務の効率性と事務処理手順の精緻化によって不祥事が防がれていることとの バランスについて考える必要がある。 監査の結果,内部統制システムの構築については端緒についたばかりで順次進められていると ころであり,監視活動をはじめとする内部統制システムについては,現状ではおおむね妥当であ り適正に実施されていると認められた。 しかし,内部統制システムの6つの構成要素に関連する事務の一部について,監査委員が他部 局に対して実施した財務定期監査等を通じて,次のような事例があったので,改善を検討された い。 ⑴ 統制活動関連 内部統制システムの構成要素の一つである統制活動に関連し,行財政局長が実施した契約に係 る事務調査の結果,不適正な経理処理とまでは言えないものの再発防止のための新たな専決調達 事務処理手順に沿わない事例があった。さらに監査委員が他部局に対して実施した平成 25 年度財 務定期監査においても以下に示すような不適切な事例が散見された。 不祥事の再発につなげないためにも,内部統制ルールとしての妥当性に留意しつつ,事務処理 手順の意味づけの浸透に引き続き注力し,ルールの遵守を徹底されたい。 また監査の指摘,意見については個別の是正にとどまらず,ルールの浸透にも活用していく必 要がある。例えば,現在,工事監査に関しては,神戸市技術管理委員会で監査結果を浸透させる 取組みが行われているが,事務部門にはこれに相当する組織がない。庶務担当課長会議の活用等 を検討されたい。 [他部局に対する財務定期監査で発見された再発防止のための事務処理手順に沿わない事例] ・見積関係…FAXで見積り合わせを行った後,見積書正本の提出を促すことを失念してい た事例等 ・発注関係…店頭調達の場合で,調達後の加筆,所属長による確認日記載・確認印押印がな されていなかった事例等 ・納品検査関係…業者作成の納品書に記入余地があるのに納品検査調書の検査確認欄に記 - 52 - 名・押印されていた事例等 ⑵ リスクの評価関連 内部統制システムの構成要素の一つであるリスクの評価に関連して,リスクの洗い出しなど リスク管理を引き続き進めるべき以下の事例があった。 ① コンプライアンスリスク管理の推進及び充実について コンプライアンスリスク管理では,リスクやその対策を全市や部局内で共有し,さらなる 事務改善につなげており,一定の効果があると認められる。引き続き推進されたい。 また,各部局の事務は法令等の根拠に基づいていることが必要であり,各部局の事務が 法令等に適合しているか,事務の根拠や基準が適正かつ最新のものとなっているかを,コ ンプライアンスリスク管理において,各所属で確認すること等を検討されたい。 ② 指定管理者制度について 公の施設の指定管理者制度は,地方自治法の改正(平成 15 年 9 月 2 日施行)を受けて, 本市では平成 16 年度に導入され 10 年が経過しており,共同事業体や備品の取扱いなどの 課題があり,指定管理者制度所管局においては,民間の能力をより一層引き出す方向で指 定管理者制度の全般にわたって改めて検証したうえで,必要な見直しを検討されたい。 (ア) 共同事業体の取扱いについて 民法上の組合である共同事業体は法令に詳細なルールがないが,建設工事の分野では活 用が進み,国土交通省の「共同企業体運営指針(平成元年)」や「共同企業体運営モデル規 則(平成 4 年)」などで制度が精密化されており,本市でも「神戸市共同企業体取扱要綱(平 成 6 年) 」 (以下「要綱」という。 )を策定し,共同企業体の種類,対象工事,施工方式とし て構成員が出資割合に応じて資金・人員・機械等を拠出する共同施工,共同企業体協定書 などを定め,合理的かつ効率的な運用を確保することとしている。 一方,本市の指定管理者制度における共同事業体については,建設工事における要綱の ような制度全般に関する基準が整備されていないが, 「公の施設の指定管理者制度運用指 針 運用マニュアル(平成 16 年)」 (以下「運用マニュアル」という。 )に共同事業体協定 書のひな型(以下「協定書ひな型」という。 )が掲載されている。 協定書ひな型では例えば,取引口座について代表者の名義により設けられた別口預金口 座としているが,要綱のように共同企業体の名称を冠した別口預金口座とすることまでは 求めていない。共同事業体の名称を冠しない会社名義の口座の場合,共同事業体の構成員 が破産したときに口座に入金された指定管理料の帰属等について本市にリスクが生ずる。 (請負代金の帰属に関して最高裁判例平 11.4.16)また,決算の結果利益又は欠損金を生じ た場合は,第 9 条に規定する責任の割合により利益を配当又は欠損金を負担するとしてい るが,第 9 条では職務分担表に基づき職務を分担することとなっており,責任割合につい ては明確になっていないなど,運用マニュアルは十分なものとは言えない。 - 53 - 指定管理者制度所管局においては,指定管理者制度における共同事業体について現行の 制度を検証し,共同事業体の運用がより良いものとなるような枠組みを検討,整備された い。 (イ) 統一的な事務処理について 運用マニュアルでは例えば備品については,指定期間当初から存在したものと本市の負 担で購入等をしたものは,神戸市物品会計規則等に基づいて管理すること及び次期指定管 理者に引き継ぐこと,指定管理者の負担において購入等をしたものは,本市又は指定管理 者のいずれかに帰属するとすることを応募要領に記載するとしているものの,運用マニュ アルの指定管理協定書ひな型では,本市の備品と指定管理者の備品を区分した管理,本市 の備品の適正な使用・管理,指定管理者が指定管理料で購入した備品の帰属先などに関す る規定は設けられていない。このため,平成 25 年度財政援助団体等監査(1)において, 指定管理協定書に備品の帰属先の規定がなく備品の帰属手続きのない事例があった。 指定管理者制度所管局においては,指定管理料で購入した備品を本市のものとするなど 備品の取扱いが本市で統一的になされるように,運用マニュアルについて必要な見直しを 検討されたい。 また,備品にとどまらず,緊急事態への対応など各局室区が直面している問題もある。 このため,指定管理者制度が抱えている課題等の整理・改善方法の検討,さらには制度全 般にわたっての統一的な事務処理などについて,各局室区の横断的な会議等で適宜検討す るとともに,各局室区のより良好な運営に資することができるよう,その結果を運用マニ ュアルに適時適切に反映することを検討されたい。 - 54 - 3 参 考 資 料 平成 25 年度に行財政局長が実施した契約に係る事務調査及び工事調査に関して,行政調査規則第 13 条に基づく監査委員への情報提供は以下のとおりである。 ⑴ 契約に係る事務調査(平成 25 年 10 月実施) 対象事務 ア)対象費目 消耗品費,印刷製本費,修繕料,一般役務費,備品購入費 イ)対象期間 平成 25 年4月から6月末の間 ウ)対象件数 222 件(15 事業者) 対象所属 ・環境局資源循環部西クリーンセンター ・垂水区まちづくり推進部まちづくり課 ・消防局総務部施設課 調査結果 調査対象課への実地調査前に,対象の調達事務に関する得意先台帳類や発注 書の写し等の任意提出を事業者に求めたところ,15 事業者すべてが協力に応諾 した。これにより事業者から提出を受けた台帳類等の精査と調査対象課への実 地調査等の結果,書類の記載漏れなど一部執行上の不備があったものの,いず れも不適正な経理処理の事例はなかった。 ⑴ 不適正な経理処理の事例 調査対象課における実地調査,事業者から提出を受けた台帳類等との照 合等による確認調査を経た結果,いずれも不適正な経理処理の事例はなか った。 ⑵ その他 不適正な経理処理には該当しないが,制度の徹底不足等による書類の記 載漏れなど,再発防止のための事務処理手順に沿わない事例が,すべての 調査対象課においてあった。 ◆再発防止のための事務処理手順に沿わない事例◆ 内 容 指摘件数 (延べ) ○見積関係 ① ② ③ 見積書の見積日が未記入の事例 〔環境局西クリーンセンター〕 〔消防局施設課〕 事業者から提出を受けた見積書の日付が空欄のため,事業者に 確認の上,職員が日付を記入した事例 〔環境局西クリーンセンター〕 見積書の有効期限の経過後に,当該見積書に基づき発注してい る事例 〔垂水区まちづくり課〕 ○発注関係 - 55 - 2 件 7 件 3 件 ⑤ 25 年度から事務処理手順の適用となった修繕費の発注にあた り,従来の手続きをとったため,物品購入等発注書を作成して いない事例 〔消防局施設課〕 物品購入等発注書の納入期限が未記入の事例 〔環境局西クリーンセンター〕 11 件 ⑥ 物品購入等発注書に随意契約,緊急発注に関する特記事項が未 記入の事例 〔環境局西クリーンセンター〕 〔消防局施設課〕 8 件 ④ 1 件 ○納品・請求関係 ⑦ ⑧ 事業者から提出を受けた納品書・請求書の日付が空欄のため, 事業者に確認の上,職員が日付を記入した事例 〔環境局西クリーンセンター〕 印刷物の納品に際し,発注書どおりに納品されているが,納 品書等に納品場所が未記入の事例 〔垂水区まちづくり課〕 9 件 2 件 43 件 計 (支出件 数:35 件) 改善措置等 上記再発防止のための事務処理手順に沿わない事例について,行政調査規則 に基づき,それぞれ個別に対象課に指摘し改善措置等を求めたところ,いずれ の対象課からも早急な是正とともに再発防止の具体的な取組みの実行,事務処 理手順の再徹底についての回答を得た。 なお,今回の調査結果や改善措置に関しては,契約に係る事務調査指針に基 づき,外部評価専門委員の意見を含めて平成 25 年 11 月 11 日に公表した。 ⑵ 工事調査(工事請負専決工事等の実施状況) 対象工事 平成 25 年4月1日より平成 25 年6月 30 日までに完了した工事請負専決工事 及び,建物,設備又は構築物の保繕又は小改修に関わるその他請負契約による 工事(工事件数 60 件) 。 対象所属 市長部局の9事業所 調査結果 該当する全工事に対して,施工内容の適否,契約方法及び契約手続きの適否, 検査(履行確認)の実施状況,支払手続きの状況等について決裁原議綴を確認 する実地調査を行ったところ,専決工事における完成検査合格報告に際し,所 定様式とは異なる様式を使用していた対象課があった。 改善措置等 行政調査規則に基づき,それぞれ個別に対象課に指摘し改善措置等を求めた ところ,いずれの対象課からも再発防止の具体的な取組みの実行,事務処理手順 の再徹底についての回答を得た。 - 56 - 平成 25 年度 行政監査結果報告 地域における要援護者支援活動について(災害時の対応に向けて) 目 Ⅰ 監査の概要 第1 監査の対象 次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 1 監査のテーマ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 2 選定理由 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 3 監査対象部局 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 第2 監査の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 第3 監査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 1 事前調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 2 実地調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 第4 監査の項目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 Ⅱ 監査の結果 1 監査項目に係る事業の調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 (1)平常時の地域団体等による要援護者支援活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 ①防災福祉コミュニティ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 ②ふれあいのまちづくり協議会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 ③民生委員,友愛訪問等による地域見守り活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 (2) 「神戸市における災害時の要援護者への支援に関する条例」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 ①本市における支援条例施行後の取組状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79 ②要援護者支援団体の取組状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79 (3)災害時における要援護者支援活動のための本市の体制及び仕組み・・・・・・・・・・・・・・・ 81 ①地域防災計画の体系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81 ②地域防災計画における要援護者への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82 2 意見 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87 (1)平常時の地域団体等の一層の連携による要援護者支援活動の充実・・・・・・・・・・・・・・・ 87 ①防災福祉コミュニティ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87 ②ふれあいのまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 89 ③住民主体の地域見守り体制の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90 (2)要援護者支援活動への本市の体制及び仕組みの充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91 ①地域要援護者支援活動への支援策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 91 ②地域防災計画の見直し等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92 ③区役所の防災福祉機能の向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94 - 57 - (参考資料) 参考1 ふれあいのまちづくり事業及び地域見守り活動(各区)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96 参考2 ひとりぐらし高齢者ふれあい給食会活動の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 106 参考3 民生委員の活動状況について 参考4 ひとりぐらし高齢者友愛訪問活動の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107 参考5 地域での要援護者支援活動の取り組み事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 108 参考6 災害時要援護者支援(災害対策基本法,支援条例,地域防災計画との比較) 110 参考7 被災都市の災害時における要援護者支援活動の検証・総括・・・・・・・・・・・・・・・・ 112 参考8 要援護者支援関連の決算・予算 - 58 - ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 114 監 査 報 告 第 2 号 平成26年3月17日 行 政 監 査 結 果 報 告 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 坂 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 2 項の規定に基づき実施した平成 25 年度行政監査について,同条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を次のとおり決定した。 Ⅰ 監査の概要 第1 1 監査の対象 監査のテーマ 地域における要援護者支援活動について(災害時の対応に向けて) 2 選定理由 神戸市(以下「本市」という。)では,誰もが住み慣れた地域で安心して住み続けら れるために,従来から,防災福祉コミュニティ,ふれあいのまちづくり協議会,民生 委員・児童委員(以下「民生委員」という。),ひとりぐらし高齢者友愛訪問活動(以 下「友愛訪問」という。)等による地域見守りなど共助の仕組みづくりを支援し,地 域での見守り機能や災害対応能力の充実強化を図ってきた。また,平成 20 年度には 災害時要援護者支援体制の構築のための基礎資料を得ることを目的として,兵庫区を モデルに障がい者を対象とした「災害時障害者等要援護者支援体制の構築に関する調 査研究報告」をまとめた。 一方,災害時において高齢者,障がい者その他の自力では迅速な避難行動及びその 後の避難生活が困難なため,特に配慮及び援護を必要とする者(以下「要援護者」と いう。)の所在等の行政情報の活用に当たっては慎重な配慮が求められ,地域におけ る個人情報の適切な共有についての課題も指摘されるようになった。このため議員提 案により「神戸市における災害時の要援護者への支援に関する条例」(以下「支援条 例」という。)が制定され,災害時の要援護者に係る本市の責務及び要援護者支援団 体等の役割を明らかにするとともに,要援護者情報の提供及びその活用方法等を定め, 平成 25 年 4 月に施行したところである。また,災害対策基本法の改正(平成 25 年 6 月公布施行)においても,避難行動要支援者(「要援護者」と同義。)名簿を活用した 避難支援などが定められたところである。さらに,平成 25 年 12 月には,住民の積極 的な参加の下,住民の安全の確保に資することを目的として,「消防団を中核とした - 59 - 地域防災力の充実強化に関する法律」が公布・施行されている。 このような状況の中,日頃の住民相互の見守りや助け合いを通じて要援護者と支援 を行う人が信頼関係を築き,さらに地域団体の協力連携を深めることが,防災や減災 につながると考えられる。 そこで,要援護者が安心して暮らすことのできる地域づくりの推進を目的として, 様々な地域団体等が行う既存の要援護者支援活動は連携して効果的に実施されてい るか,要援護者支援団体への本市の支援は適切に実施されているか,災害時に備えた 要援護者支援活動のための本市の体制及び仕組みは適切か,などについて監査を実施 する。 なお,今回の監査では,本市が保有する平成 25 年 10 月時点の災害時要援護者リス トに登録されている要援護者約 15 万 6 千人のうち,約 11 万 9 千人と,その大部分を 占めているひとりぐらし等高齢者を中心に,監査を実施する。 3 監査対象部局 危機管理室,保健福祉局,消防局,区役所 第2 監査の期間 平成 25 年 10 月 1 日から平成 26 年 3 月 17 日 第3 監査の方法 1 事前調査 保健福祉局及び消防局に対し,ふれあいのまちづくり協議会,民生委員,友愛訪 問,防災福祉コミュニティ等の平成 24 年度活動実績等の情報提供を,関係部局に対 しその他必要な情報提供を求めた。 また,保健福祉局に対し,要援護者支援団体の活動状況について,関係書類の審 査,関係職員への質問等の方法により,調査を実施した。 2 実地調査 上記1の事前調査の結果を踏まえ,ふれあいのまちづくり協議会,民生委員,防 災福祉コミュニティ,要援護者支援団体の活動状況等について,各区役所及び各消 防署に対し必要な実地調査を実施した。 - 60 - 第4 監査の項目 監査項目,着眼点並びに実施方法は,下表のとおりである。 監査項目 着眼点 実施方法 1.平常時の地域団体等 による要援護者支援活 ・ 動 (1) 防 災 福 祉 コ ミ ュ ニ テ ィ 地 域 特 性に 応 じた 効果 的 な活 動 が ・ 行われているか。 ・ 事業間の連携が図られているか。 ・ 活動範囲に空白地域がないか。 防災福祉コミュニティによる防 災訓練の実施状況,防災マップの 作成・更新状況等を検証 ・ (2) ふ れ あ い の ま ち づ く ふれあいのまちづくり協議会に よるひとりぐらし高齢者ふれあ り い給食会等の地域福祉活動の実 (3)民生委員・友愛訪問等 施状況等を検証 による地域見守り ・ 民生委員の配置状況等を検証 ・ 友愛訪問の団体数,対象高齢者 数,訪問回数等を検証 2.支援条例 ・ (1)諸規定,要援護者登録 台帳等の整備 他の法令,条例等(災害対策基本法, ・ 災害時要援護者リストの更新及 神戸市個人情報保護条例,神戸市行 び保管状況を検証 政手続条例,神戸市地域防災計画な ・ ・ 神戸市個人情報保護審議会の承 ど ) に 定め る 手続 きを 行 って い る 認,審査基準制定に伴う意見公募 か。 手続き等を検証 支 援 条 例及 び 制度 につ い て市 民 に ・ 周知が図られているか。また要援護 周知方法,マニュアル等の内容を 検証 者 支 援 団体 等 に分 かり や すい マ ニ ュアル等が整備されているか。 (2) 要 援 護 者 支 援 団 体 の ・ 選定及び支援措置等 要 援 護 者支 援 活動 に係 る 個人 情 報 ・ 要援護者支援団体との協定締結, 本市の支援状況等を検証 の 取 扱 いに 関 する 協定 書 の締 結 を 積極的に推進しているか。 ・ 要 援 護 者支 援 団体 に対 す る支 援 措 置は,既存施策の支援措置との連携 が図られ,適切か。 ・ 地域の他の団体と協力・連携は効果 的に行われているか。 3.災害時における要援 ・ 護者支援活動のための 神戸市の体制及び仕組 本市の横断的組織は確立され,窓口 は明確になっているか。 ・ み 多 様 な 情報 伝 達体 制は 整 備さ れ て いるか。 ・ 要 援 護 者支 援 団体 によ る 支援 計 画 の策定等への支援措置は適切か。 ・ 避難所等の環境整備は適切か。 ・ 避 難 所 等に お ける 保健 救 護及 び 医 療救護の体制は確保されているか。 - 61 - ・ 神戸市地域防災計画・避難所開 設・運営マニュアル等を検証 Ⅱ 監査の結果 1 監査項目に係る事業の調査結果 監査等項目に係る事業について,調査・検証を行った結果は,次のとおりである。 (1) 平常時の地域団体等による要援護者支援活動 本市では,誰もが住み慣れた地域で安心して住み続けられるために,従来から,平 常時の防災教育・防災訓練等や災害時の避難誘導・避難所運営等を行う「防災福祉コ ミュニティ」,ふれあい喫茶やふれあい給食等の福祉活動・交流活動を通じて地域福 祉の向上を目指す「ふれあいのまちづくり協議会」,地域の高齢者への声がけ・安否 確認等を行う「民生委員,友愛訪問による地域見守り活動」など共助の取組みを支援 し,地域の災害対応能力や地域福祉見守り機能の充実強化を図ってきた。(第 1 図参 照) 第1図 平常時の地域団体等による要援護者(高齢者)支援活動 シルバーハウジング LSA (生活援助員) 自治会・婦人会・ 声 が 消防団等 け 、 ニ 総 合 調 整 防災福祉 コミュニティ ー ズ 守り の見 の 確 認 内 ング 39団地54名 (H25.3末) ウジ ーハ バ シル 友愛訪問 見守り 防災訓練 � 全市191団体 要援護者 民生委員 見守り� � 全市42箇所 あんしんすこやか センター 見守り ふれ あい 給食 見守り推進員 全市77名 ) あんしん すこやか ルーム コ地 域 デ福 ィ祉 ネ活 動 タ ー 連 携 ふれあいのまちづくり 協議会 全市191団体 区 社 会 福 祉 協 議 会 職 員 ー 全市の定数2,221人 実数2,121人 (H25.12.1) ー 見守り ふれあい 喫茶等 ( (近隣住民による 見守りボランティア) 全市1,427団体 (H25.12末) 全市9名 全市78箇所 ひとりぐらし高齢者 ふれあい給食会 (ボランティア) 協力事業者等 (配達事業者・ 新聞販売事業者等) 全市262グループ (H25.12末) 13事業者266事業所 (H25.3末) 絡 に連 時 異常 通信機能付ガスメーター等 のICT活用 317台設置(H25.3末) は民生委員・友愛訪問による地域見守り活動の支援策 なお,第1図で使用している用語の説明は,別表1のとおり - 62 - 小 地 域 見 守 り 連 絡 会 別表1 用語説明 用語 説明 防災福祉コミュニティ 災害発生時においても,地域の強い連帯感をもとに,市民が主体となり適切な 防災活動及び福祉活動を展開できるよう,平常時から防災活動や福祉活動など に積極的に取り組むコミュニティ。おおむね小学校区毎に組織される。 ふれあいのまちづくり 地域福祉の向上を図るため,地域団体,公共的団体の代表者及び地域住民によ 協議会 りおおむね小学校区ごとに組織される協議会。地域福祉センター等を活用し, 地域福祉活動を実施している。おおむね小学校区毎に組織される。 民生委員 民生委員は,民生委員法に基づき,厚生労働大臣により委嘱される任期 3 年の 特別職の地方公務員。政令指定都市の場合,220∼440 世帯ごとに 1 人を目安と して区域担当の民生委員が配置され,児童福祉法に基づき,児童委員を兼ねる。 友愛訪問 近隣住民による 3 人以上のボランティア団体による訪問活動。65 歳以上のひと りぐらし高齢者を週1回程度訪問することにより,民生委員による見守りをサ ポートしている。 ひとりぐらし高齢者 地域の福祉活動団体やボランティア団体。65 歳以上のひとりぐらし高齢者を対 ふれあい給食会 象に,定期的(月1回以上)に給食会活動を実施している。 区社会福祉協議会 公私の社会福祉関係者が参画・協力し,地域住民の福祉の向上を図るため社会 福祉法に基づいて,設置された民間福祉団体。本市では,神戸市社会福祉協議 会と,各区に区社会福祉協議会が設置されている。 見守り推進員 社会福祉士等の資格を有するあんしんすこやかセンターの職員。地域見守りの 支援,民生委員等からの相談応対,コミュニティづくりの支援等を行っている。 あんしんすこやかルーム 災害復興公営住宅等において,高齢者世帯生活援助員が地域の関係団体と連携 して見守り活動やコミュニティづくり支援などを行う,高齢者の自立を支援す るための拠点。 あんしんすこやかセンター 高齢者の介護等に関する総合相談窓口。社会福祉士,保健師または看護師,主 (地域包括支援センター) 任ケアマネージャー,見守り推進員が配置され,おおむね中学校区に 1 か所の 割合で設置されている。 小地域見守り連絡会 高齢者などの地域での見守りを進めるための民生委員や地域福祉活動コーデ ィネーター,見守り推進員等の連絡会。全市で,173 地区で開催。 シルバーハウジング LSA 災害復興住宅の中で,高齢者が安心・安全に生活できるよう,緊急通報装置を (生活援助員) はじめとする高齢者の身体特性に配慮した設備・仕様を備えたシルバーハウジ ングに,常駐で配置されている。 地域福祉活動コーディネ 各区社会福祉協議会に 1 名配置。小地域における地域コミュニティの形成・活 ーター 性化,地域福祉の増進・発展を図り,地域における高齢者の生活を支援する体 制づくりを行うとともに,見守りシステムの円滑な運営を図る。 協力事業者等 配達や新聞販売などの事業者が,通常業務を実施する中で,高齢者の異変を発 見した場合に,あんしんすこやかセンターに連絡する協定を締結した事業者。 通信機能付ガスメーター等による ICT を活用した見守りサービス事業もある。 ※監査事務局にて作成 災害時における要援護者支援については,個人の力(自助)を基本として,地域の 支えあい(共助)と公的支援(公助)が両輪となって機能することが不可欠であるが, 地域の支えあい(共助)の取り組みは,平常時において,その実施主体・関係団体等 が連携して地域特性に応じた活動を行うことにより,災害時の要援護者に対する情報 伝達,避難誘導,安否確認などの円滑な支援活動につながると考える。 こうしたことから,まず,平常時における共助の取り組みを中心に調査することと し,各地域で行われている防災福祉コミュニティによる地域防災活動,ふれあいのま ちづくり協議会による地域福祉活動,民生委員や友愛訪問などによる地域見守り活動 が,災害時要援護者の支援という観点から,それぞれ連携して効果的に実施されてい るかについて調査した。その結果は,次のとおりである。 - 63 - ①防災福祉コミュニティ ア 制度概要 防災福祉コミュニティとは,市民,事業者及び本市との協働により,地域防災 活動と地域福祉活動との密接な連携を図りつつ,これらの活動に積極的に取り組 むコミュニティで,おおむね小学校区を活動圏域とする本部組織及びその下にあ って災害対応の基本単位として活動するブロック組織から成り,構成員は,自治 会,町内会等の住民自治組織,婦人会,民生委員,消防団等で構成されている。 防災福祉コミュニティは,平常時には防災意識の啓発,防災知識の普及,防災 資機材の管理,防災訓練等の活動を行うとともに,災害発生時には災害情報の収 集及び伝達,初期消火,救出救護,避難誘導,給食給水等の災害対応活動を行う。 消防局は,防災福祉コミュニティの活動を支援するため, 「防コミブックマーク (活動の手引き)」を配布し,活動費の一部を助成(第 1 表参照)するとともに, 各消防署の消防防災課の 3 つの係ごとに担当区域を定め,防災福祉コミュニティ の活動を支援する地区担当制を実施している。さらに,地区担当の各係は消火活 動に従事する変則勤務であるため,平成 19 年度より地域防災調整者を各消防署に 1 名ずつ配置し,地区担当制の充実を図っている。 第1表 防災福祉コミュニティへの活動助成 運営活動費 助成額 助成対象活動 上限140,000円/年 ・地域全体での防災活動 ・ブロックでの防災活動 ・市民防災リーダーの育成 提案型活動費 事業報告 上限200,000円/年 (報告時期)年度末 実施団体の提案申請に基づき, (単独型助成) 消防局の審査会で,助成対象候 実施団体→消防署→消防局 補及び助成額を審査する。 (ふれあいのまちづくり協議会統合型助成) 実施団体→区役所→消防局 (出典)消防局「神戸市防災福祉コミュニティ育成事業実施要綱」等に基づき作成 イ 事業実施状況 防災福祉コミュニティは,平成 24 年度末現在,神戸市内全域の 191 地区で結成 されている(平成 20 年度中に,神戸市内全域で結成済み。)。 また,平成 24 年度に防災福祉コミュニティが地域で実施した防災訓練の回数は, 全市で 896 回であり,過去最高の実施回数であった。このうち,地域全体での防 災訓練,各ブロックでの防災訓練等の実績は第 2 表のとおりである。 これらの防災訓練のうち要援護者も対象とした訓練回数は,防災福祉コミュニ ティが毎年度末に提出する活動実績報告書では把握することができなかったため, 各消防署でのヒアリング等で確認したところ,その回数は 74 回であった。内容と しては,要援護者避難支援訓練を行ったものが 55 回,避難支援計画のワークショ ップが 15 回,避難支援体制づくりの説明会等が 4 回であった。 各消防署で半日程度開催される市民防災リーダー研修の受講者数は,1,441 名 であった。 また,小・中学生を中心にジュニアチームを作り,地域の防災訓練等に参加し - 64 - ている地区(平成 24 年度末現在,14 地区 17 チーム編成)もあった。ジュニアチ ームが,要援護者避難支援に携わったものが,5 回あった。 さらに,地域住民が実際に町を歩いて地域の防災設備や危険個所などを調べて 作成した防災安全マップは 158 地区で策定されている。 この他,長田消防署では,管内の保育所・幼稚園,小学校,児童館の園児児童 に対し,地域特性及び年齢に応じた体験型防災学習(平成 24 年度,14 保育所・ 保育園,9 小学校,3 児童館,1,015 名参加)を実施していた。また,兵庫消防署 は,区内の保育園児に対する避難訓練及び防火学習(平成 25 年 5 月,13 園,5 歳児約 250 名参加)を実施していた。 第2表 平成 24 年度防災訓練等実績 東灘 灘 中央 兵庫 北 長田 須磨 垂水 西 計 防災福祉コミュニティ結成数 13 16 18 17 33 19 21 24 30 191 地域全体での防災訓練 12 20 44 28 33 17 29 33 30 246 ブロックでの防災訓練 22 29 61 8 26 14 14 18 23 215 要援護者支援関係訓練(再掲) 13 2 3 14 5 19 6 5 7 74 市民防災リーダー研修受講者 45 46 44 30 605 67 39 119 446 1,441 13 15 16 16 27 (出典)各消防署により提出を受けた調書及び消防局の提出資料に基づき作成 10 20 17 24 158 防災安全マップ作成団体 要援護者を想定した防災訓練(消防局提供) ウ 神戸市地域防災計画における防災福祉コミュニティの役割 神戸市地域防災計画(以下「地域防災計画」という。)では,第 3 表及び第 4 表の とおり,防災福祉コミュニティの役割及び担当局を規定している。 防災福祉コミュニティに期待される役割は,平常時の防災訓練のみならず,避難 誘導,避難所の運営,災害時要援護者の避難支援,地域津波防災計画の作成など様々 であり,また,これらの活動を支援する部署も様々である。地区担当者,特に地域 防災調整者は,消火・救出救助などの専門性を活かしながら,防災福祉コミュニテ ィからの様々な相談・要望に対して,区役所・学校などの関係機関と十分に連携を 図りながら対応していくことが期待されている。 - 65 - 第3表 地域防災計画における防災福祉コミュニティの役割 地域防災計画 風水害等対策編 4−2−6−① 地震対策編 6−2−3 (平常時) 6−2−3 (災害時) 7−2−4 役 割 東南海・南海地 3−2−3−⑤ 震対策推進計画 3−2−3−⑥ 3−3−1−(7) 3−3−3−(3) 3−3−4−(4) 3−3−5−(2) 3−3−7−(2) 所管 ※2 出先機関 消防署 (避難誘導) ※1 防災意識の啓発、防災知識の普及、防 消防局 災資機材の管理、防災訓練 災害情報の収集及び伝達、初期消火、 保健福祉局 救出救護、避難誘導、給食給水等 避難誘導 消防局 7−6−1−(2) 指定収容避難所の運営 9−6−1 本庁 消防局 危機管理室 (要援護者支援団体としての救援・支 保健福祉局 援活動) ※1 消防局 住民への津波情報の広報 危機管理室 (災害時要援護者に対する津波情報の広報)※ 1 保健福祉局 危機管理室 円滑な避難誘導のために必要な措置 消防局 地域住民に対する避難誘導 消防局 危機管理室 指定収容避難所の運営 消防局 保健福祉局 災害時要援護者の避難支援 消防局 危機管理室 (地域津波防災計画の作成) ※1 消防局 区役所 消防署 消防署 区役所 施設管理者 区役所 ― 区役所 区役所 消防署 消防署 区役所 施設管理者 区役所 区役所 消防署 ※1( )は、防災福祉コミュニティや他の地域団体に期待される役割 ※2 地域防災計画及びマニュアルに明記されている所管を記載 第4表 地域防災計画における防災福祉コミュニティの育成 地域防災計画 東南海・南海地 3−4−1−④ 震対策推進計画 5−1−2 役 割 防災福祉コミュニティへの指導 市民防災リーダーの養成 防災資材機材の配備 消防係員地区担当制による支援 ガイドブックの作成及び配布 コミュニティ安全マップの作成配布 地域津波防災計画の作成支援 - 66 - 所管 本庁 消防局 出先機関 消防署 消防局 消防署 危機管理室 ― ②ふれあいのまちづくり協議会 ア 制度概要 ふれあいのまちづくり事業は,高齢者,障がい者,児童などすべての人々が, 地域社会のあたたかいふれあいの中で,自立と連帯を図り,快適な日常生活を送 ることができるまちづくりをめざすため,地域の各種団体のネットワークを生か し,地域の福祉ニーズを把握して,地域の実情に合った福祉活動・交流活動を行 うなど,市民と本市が協働して地域福祉の向上をめざしていく事業である。 おおむね小学校区ごとの地域で,自治会,婦人会,民生委員・児童委員協議会 等が中心となって, 「ふれあいのまちづくり協議会」を結成し,地域福祉センター の指定管理者として,その管理運営を行うとともに,このセンターを拠点として, 地域の福祉活動及び交流活動を企画・実施している。 また,保健福祉局では,ふれあいのまちづくり協議会に対し,福祉活動の経費 の一部を助成している。 第5表 ふれあいのまちづくり事業の概要 1.対象地域 おおむね小学校区程度の広さ 2.地域福祉センター 地域福祉センターは,地域福祉活動コーナー,調理コーナー,洋室(和室),談話コーナー 等を備えた地域の福祉活動・交流活動の拠点施設である。 なお,自治会等が設置している地域集会所を一定の条件のもと,「民間地域福祉センター」 として認定している地域もある。 3.ふれあいのまちづくり協議会 地域では,自治会,婦人会,老人クラブ,民生委員児童委員協議会,青少年育成協議会, 子ども会,防災福祉コミュニティ,PTA,ボランティアグループ等の代表者が中心となって「ふ れあいのまちづくり協議会」を自主的に組織し,地域福祉センターの管理運営にあたるとと もに,このセンターや各種施設を利用して,地域の福祉活動及び交流活動を企画・実施する。 第6表 ふれあいのまちづくり運営交付金の基準 積算区分 運営費 積算月額基準 当該年度の開館日数 (当該年度の開館 120日以上180日未満 日数に応じて支 180日以上240日未満 払う) 240日以上 その他管理費 指定管理面積 (指定管理面積に 100㎡未満 応じて支払う) 100㎡以上150㎡未満 150㎡以上200㎡未満 200㎡以上250㎡未満 250㎡以上 地域福祉活動費 (活動費) 電話料 (一般加入電話) 月額15,000円以内 月額20,000円以内 月額25,000円以内 運営交付金月額 51,000円以内 64,000円以内 71,000円以内 76,000円以内 88,000円以内 月額20,000円 月額 3,000円 (出典)保健福祉局「ふれあいのまちづくり協議会 運営の手引き」 - 67 - 第7表 ふれあいのまちづくり助成の概要 助成対象活動 助成対象条件/助成額 福祉意識を高める事業 ・福祉施設等との交流,地域ボランティアの発掘など 仲間づくりを進める事業 ・ふれあいサロン(喫茶),障がい者との交流, 子育てサークル 住民相互の生活支援事業 ・地域デイサービス,ちょっとボランティア運動の推進など 助成対象活動ごとに,参加人数等の条件を 定め,実施回数等に応じて助成する。 自主的な企画事業に対し 上限 1事業 20,000円以内 1地域 60,000円以内 区長が特に必要と認めた1事業につき 地域の課題改善ヘの取り組み・地域特性を活かした先駆的事業 200,000円以内 この他、アドバイザー派遣費用助成(1地域200,000円以内)がある。 地域でのユニバーサルデザインの推進 (出典)保健福祉局「ふれあいのまちづくり協議会 運営の手引き」に基づき作成 イ 事業実施状況 平成 24 年度末現在,市内で 190 ヶ所の地域福祉センターが設置され,また 191 のふれあいのまちづくり協議会が結成(全 166 小学校区で結成済み。)されている。 このうち,地域福祉センターでひとりぐらし高齢者ふれあい給食会(以下「ふ れあい給食」という。)が実施されているのは 155 であり,地域福祉センター以外 で実施しているものを含めると,ほぼ全てのふれあいのまちづくり協議会エリア でふれあい給食が実施されている。また,ふれあいのまちづくり助成を受けて, 虚弱な高齢者やひとりぐらし高齢者等の仲間づくりを目的としたふれあいサロン (喫茶)を実施している協議会は 154,子育てサークルを実施している協議会は 133 であった。 第8表 平成 24 年度 ふれあいのまちづくり協議会等実績 東灘 灘 中央 兵庫 北 長田 須磨 垂水 西 計 14 12 11 10 34 14 20 23 28 166 16 14 16 15 35 20 21 24 29 190 ふれあいのまちづくり協議会結成数 16 14 16 16 34 21 21 24 29 191 ふれあい給食 実施数※1 11 10 13 15 31 15 17 21 22 155 ふれあい喫茶 実施数※2 15 10 13 12 29 18 19 19 19 154 子育てサークル 実施数※2 15 13 9 10 21 8 16 22 19 133 ※1 ふれあい給食を実施している地域福祉センター数を計上(出典)区社会福祉協議会の資料に基づき作成 ※2 ふれあいのまちづくり助成を受けて実施している数を計上(出典)区役所提出資料等に基づき作成 小学校区数 地域福祉センター 整備数 (ア)ふれあいサロン(喫茶) ふれあいサロン(喫茶)は毎月 1 回程度,地域福祉センターで開催されており, 保健福祉局では,ふれあいのまちづくり協議会が実施するものに対し,1 回あた り 3,000 円,年間 36,000 円以内で助成している。 また,区社会福祉協議会(以下「区社協」という。)は,見守り推進員が実施す るコミュニティサポートグループ育成支援事業の一環として,ふれあいのまちづ くり協議会以外の地域団体が小地域で実施するふれあい喫茶の立ち上げを支援し - 68 - ている。 ふれあいサロン(喫茶)は,高齢者の仲間づくりを進めるとともに,閉じこも り防止や安否確認にも役立つものである。ふれあいのまちづくり助成を受けずに 実施しているものを含めると 178 の協議会で実施されており,ほぼ全てのふれあ いのまちづくり協議会で実施されている。 ふれあいサロン(喫茶)(保健福祉局提供) (イ)ふれあい給食(ひとりぐらし高齢者ふれあい給食会) ふれあい給食は,地域の福祉活動団体やボランティア団体が 65 歳以上のひとり ぐらし高齢者を対象として,定期的(月 1 回以上)に地域福祉センター等で給食 会を実施する活動であり,給食の提供に併せて,世代間交流行事や高齢者向けの 学習会なども行われている。実施団体としては,ふれあいのまちづくり協議会や 地区民生委員・児童委員協議会などがあり,155 グループが地域福祉センターで 実施している(第 8 表参照)。 保健福祉局は,区社協に所要額を補助し,区社協を通じて実施団体へ活動運営 費の一部を助成している(助成制度の概要は第 9 表参照)。 ふれあい給食の実施団体数は,平成 25 年 12 月末現在で 262 グループであり, 団体数はほぼ横ばいである(参考資料2参照)。 第9表 ふれあい給食事業助成制度の概要 助成内容 助成項目 助成額 活動基本助成 ※1 1団体につき 年間 20,000円 活動特別助成 ※2 1団体につき 設立初年度のみ 50,000円 1回あたり 2,000円 設営助成 運営費助成 (年間24回を上限) (会食会開催時のみ) 活動実績報告 (報告事項) 実施年月日,参加高齢者数, 参加ボランティア数,その他 参加者数,特別交流活動実施 の有無等 (報告時期) 参加高齢者 1回 300円 年度末 1人あたり 1団体につき 年間20,000円まで 特別交流活動助成 (報告先) (1)外部講師の謝礼金,交通費等の経費 会食会開催と ただし,行事1回あ 実施団体→区社協→保健福祉 (2)特別行事を実施した場合の材料費,借上 あわせて実施 たり5,000円を限度 局 参加者助成 料等の必要経費 (3)その他区社協理事長が認めたもの した場合,活 とする。 動経費の一部 を助成 この助成を受けるには,1回あたり最低10人以上の参加高齢者数を必要とする。 ※1 年間10か月以上の活動実績を必要とする。 ※2 団体設立初年度のみの助成とする。 (出典)「区社会福祉協議会地域福祉推進事業補助金交付要綱」等に基づき作成 - 69 - ウ ふれあいのまちづくり協議会・防災福祉コミュニティの連携 第 10 表のとおり,施設管理,福祉活動,広報など部会制を導入して,委員が役 割分担して,活動を実施しているふれあいのまちづくり協議会は,155 である。 このうち,防災活動等の企画・実施を行う防災部会又は防災・防犯部会等を設置 している協議会は,79 であった。その主な活動内容は,ふれあいのまちづくり協 議会と防災福祉コミュニティが実質的に同一組織である場合は,地域防災訓練を 実施しているが,ふれあいのまちづくり協議会とは別に防災訓練等の実施主体が ある場合は,役員等が地域防災訓練に参加していた。 また,ふれあいのまちづくり協議会が防災福祉コミュニティ事業等を実施する 場合には, 「ふれあいのまちづくり助成」に「防災福祉コミュニティ助成」等をメ ニュー化して組み入れ,助成制度の申請窓口を区役所に一元化し,各助成予算の 流用を認める「総合的支援制度」がある。この制度を活用しているふれあいのま ちづくり協議会は全市で 73 であり,中央区,垂水区,西区で活用の割合が高くな っている。両団体の代表者が同一人物である協議会は 65 である。 ふれあいのまちづくり協議会が防災部会等を設置している場合,総合的支援制 度を活用している場合,ふれあいのまちづくり協議会の委員長と防災福祉コミュ ニティの会長が同一人物である場合は,日頃から地域福祉活動と防災活動の連携 は図りやすいと考えられる。 第 10 表 ふれあいのまちづくり協議会と防災福祉コミュニティの組織的な関係 東灘 灘 中央 兵庫 北 長田 須磨 垂水 西 計 ふれあいのまちづくり協議会数 16 14 16 16 34 21 21 24 29 191 部会を設置している団体数 16 14 11 7 34 7 18 22 26 155 防災部会、防災・防犯部会等設置数 2 6 9 2 13 3 5 18 21 79 総合的支援制度活用の団体数 2 1 12 3 1 1 12 21 20 73 13 16 18 17 33 19 21 24 30 191 2 6 4 4 12 4 6 13 14 65 防災福祉コミュニティ数 代表者が同一の団体数 (出典)区役所および消防局提供資料に基づき作成 - 70 - ③民生委員・友愛訪問等による地域見守り活動 ア 制度概要 災害時要援護者支援においても,日ごろからの地域での見守り活動が大きなウェ イトを占めている。 本市の高齢者等の見守り活動は,阪神・淡路大震災以前から,民生委員による訪 問,ボランティアによる友愛訪問,ふれあい給食などの地域住民を主体とした活動 を中心に実施されてきた。しかし,阪神・淡路大震災以後,高齢化の一層の進展及 び災害復興公営住宅の整備等による地域的な超高齢化の出現への対応として,地域 住民を主体とした見守り活動を支援し,住民同士で見守りあう地域づくりを進める ために,見守り推進員の配置や協力事業者と連携した見守り事業などを創設し,重 層的な地域見守り体制が構築されている。 (ア)民生委員 民生委員は,民生委員法に基づき,地域から推薦され複数の審議を経て,厚生 労働大臣により委嘱される任期 3 年の特別職の地方公務員(再任の場合は 75 歳未 満)であり,政令指定都市の場合,220∼440 世帯ごとに 1 人を目安として区域担 当の民生委員が配置される。また,児童福祉法第 16 条に基づき,児童委員を兼ね ている。 民生委員の役割は,相談業務など地域住民と福祉関係機関のパイプ役であり, 特に地域見守りの活動の中核的な役割を担っている(活動状況は参考資料3参照)。 平成 25 年 12 月に民生委員の一斉改選が行われたが,改選後の区域担当の民生 委員の配置状況等は,第 11 表のとおり,定数 2,221 名に対し,配置数は 2,121 名であり,欠員数は 100 名となっている。 高齢者や児童虐待等の増加に伴い民生委員の役割及び業務は増加している一方, 民生委員の担い手不足は深刻化しており,特に福祉ニーズの高い地域ほど欠員が 生じやすい状況となっている。 なお,欠員が生じている区域については,近隣の民生委員等が分担して欠員区 域を担当している。また,民生委員活動をサポートするため,民生委員支援員を 欠員区域や高齢者の多い区域などに必要に応じて配置しており,見守り体制の強 化を行っている。 区民生委員・児童委員協議会の事務局を務める各区保健福祉部健康福祉課にお いては,民生委員候補者の発掘を地域に働きかけ,欠員補充に努めている。 また,今回の一斉改選では,新任の民生委員は 437 名であり,配置数に占める 割合は約 21%となっている。 - 71 - 第 11 表 民生委員等の配置状況 (平成 25 年 12 月 1 日現在) 東灘 地区民生委員・ 児童委員協議会数 灘 中央 兵庫 北 長田 須磨 垂水 西 計 16 17 19 16 25 19 23 19 19 173 定数 239 201 212 194 293 246 232 273 331 2,221 配置数 232 199 184 185 285 232 219 264 321 2,121 男 59 51 67 61 83 47 44 46 125 583 女 173 148 117 124 202 185 175 218 196 1,538 欠員数 7 2 28 9 8 14 13 9 10 100 新任数 37 50 22 30 81 29 36 45 107 437 6 2 7 0 4 5 11 5 5 45 67 88 88 181 211 336 136 270 50 1,427 民生委員支援員 友愛訪問グループ数※ ※友愛訪問グループ数は平成25年12月末現在 (出典)区役所から提供を受けた調書に基づき作成 (イ)友愛訪問 友愛訪問は,民生委員と協力して,ひとりぐらしの高齢者の自宅を訪問し,見 守りや声がけを行うボランティア活動である。 一定区域ごとに設置される地区民生委員・児童委員協議会(以下「地区民児協」 という。)を範囲として,原則として 5 人以上(5 人以上が困難な場合は 3 人以上) の友愛訪問ボランティアで構成された友愛訪問グループが行う,おおむね 65 歳以 上のひとりぐらし高齢者を週 1 回以上訪問する友愛訪問活動に対して,保健福祉 局は,区社協を通じて活動運営費の一部を助成している(助成制度の概要は第 12 表参照)。 また,友愛訪問グループ数は,第 11 表のとおり,平成 25 年 12 月末現在 1,427 グループであり,団体数については,微増傾向にある(参考資料4参照)。 ボランティアの発掘は困難を伴うものであるが,民生委員や既存友愛訪問ボラ ンティアの負担を軽減するためには,なお一層の友愛訪問ボランティアの増加が 必要である。 第 12 表 友愛訪問に係る助成制度の概要 補助対象事業費 補助内容 補助金交付額 活動実績報告 1グループあたりの構成人数 ボランティアグルー 5人以上の場合 年額20,000円 プ運営費 3∼4人の場合 年額12,000円 地区民児協助成費 年額18,000円 (報告事項) ボランティア数,訪問対象者数,安否確認回数 (毎月) 友愛訪問ボランティア→地区担当民生委員 →地区民児協総務→区社協 (年度末) 区社協→保健福祉局 (出典)「区社会福祉協議会地域福祉推進事業補助金交付要綱」等に基づき作成 グループ結成促進費 保健福祉局長が認める額 - 72 - (ウ)民生委員や友愛訪問による地域での見守り活動を進めるための支援策 民生委員や友愛訪問による地域見守り活動を支援するため,見守り推進員,シ ルバーハウジングの生活援助員(以下「LSA」 ( Life Support Adviser)という。), 地域福祉活動コーディネーター,協力事業者による高齢者見守り事業,あんしん すこやかルームなどの制度を実施している。 「見守り推進員」は,地域住民間での見守りができるコミュニティづくりを支 援するため,あんしんすこやかセンターに配置されており(平成 24 年度末全市で 77 名配置),小地域見守り連絡会の運営,コミュニティづくり支援,地域住民に よる見守り活動が手薄な地域への暫定的な訪問活動を行っている。本市では,こ の事業を区社協に委託(区社協があんしんすこやかセンターを運営する社会福祉 法人等へ再委託。)し,この事業を実施している。 「シルバーハウジングLSA」は,緊急通報装置等の高齢者の身体特性に配慮 したシルバーハウジングに,社会福祉法人からLSAを派遣し,入居者の安否確 認や近隣住民とのコミュニティづくり支援に取り組んでいる(市内 39 団地,54 名派遣。)。 「地域福祉活動コーディネーター」は,各区社協に 1 名づつ配置し,小地域に おける地域コミュニティの形成・活性化,地域福祉の増進・発展を図り,地域に おける高齢者の生活を支援する集まりづくりを行うとともに,見守り推進員と連 携を図りながら,見守りシステムの円滑な運営を図っている。 「協力事業者による高齢者見守り事業」は,協力事業者が,通常業務を実施す る中で高齢者の異変を発見した場合には,あんしんすこやかセンターに連絡する ことで,安否確認や見守りが必要な高齢者を早期に発見する制度で,平成 23 年度 より実施されており,平成 24 年度末時点で,配達事業者及び新聞販売事業者等の 13 事業者と協定を締結し,266 事業所が登録されている。 また,ひとりぐらし高齢者等の居宅に,通信機能付ガスメーターや熱感知セン サー等の ICT 機器を設置し,ガス使用量や在室状況等のデータを,管轄のあんし んすこやかセンターや家族等に電子メールで送信するといった見守りサービスも 行っている。 「あんしんすこやかルーム」は,高齢化率の高い災害復興公営住宅等において 平成 18 年度より,住戸や集会室を活用した高齢者の自立を支援する拠点として設 置(市内 42 か所)したもので,これを拠点に,高齢者世帯生活援助員が自治会な ど地域の関係団体と連携して見守り活動やコミュニティづくり支援,介護予防の 推進などを行っており,特に見守りの必要な高齢者の把握,声がけ,安否確認に 住民同士で見守りができる地域づくりに重要な役割を担っている。 - 73 - イ 高齢者人口及び単身高齢者人口の推移 第 13 表のとおり,本市における高齢者人口及び単身高齢者人口は,国勢調査の 結果によれば,平成 22 年度の高齢化率(全人口に占める 65 歳以上の高齢者人口 の占める割合)は 22.9%,単身高齢者割合(高齢者人口に占める単身高齢者人口 の割合)は 23.8%となっており,本市においても高齢化が急速に進展している。 また,地域的な高齢化の状況をみるために,市営住宅の平成 24 年度末の入居者 の高齢化の状況を調査した。平成 22 年度の国勢調査とは実施された時期の違いは あるものの,高齢化率は,市全体では 22.9%であるのに対し,市営住宅全体では 41.5%,阪神・淡路大震災で被災した市民の移転先として建設された復興住宅で は 50.4%であり,単身高齢者割合は,市全体では 23.8%であるのに対し,市営住 宅全体では 43.7%,復興住宅では 54.2%となっており,超高齢化地域が出現し, 特に見守りの強化が必要な地域が存在していることが伺われる。 保健福祉局では,65 歳以上の単身高齢者の見守りの必要性の有無などの実態把 握を目的として,民生委員の協力を得て,平成 13 年度より,毎年度,「ひとりぐ らし高齢者実態調査」を実施している。この調査によって,本市の把握している 単身高齢者に関する情報を「高齢者見守り台帳」として集約するとともに,区社 協及び民生委員と情報を共有している。さらに,75 歳以上の高齢者のみで構成さ れる世帯(以下「老老世帯」という。)の見守りの必要性の有無など実態把握をす るため,平成 18 年度より調査対象を拡大し「高齢者見守り調査」として実施して いる。 第 13 表 高齢者人口及び単身高齢者人口の推移 国勢調査 平成7年度 平成12年度 平成17年度 平成22年度 人口総数/入居者数 1,423,792 高齢者人口 192,703 高齢化率 1,493,398 1,525,393 1,544,200 252,427 305,301 354,218 市営住宅(平成24年度末) 全体 復興住宅 83,483 15,486 34,651 7,803 13.5% 16.9% 20.0% 22.9% 41.5% 50.4% 単身高齢者人口 35,502 54,684 70,110 84,193 15,157 4,228 単身高齢者割合 18.4% 21.7% 23.0% 23.8% 43.7% 54.2% (出典)国勢調査結果及び都市計画総局住宅部住宅管理課提供資料を基に監査事務局で作成 ウ 地域見守りの現状 高齢者見守り調査で見守りが必要と判断された高齢者は,第 14 表のとおり,平 成 24 年度末 56,422 世帯で民生委員,友愛訪問,見守り推進員,LSAが連携し ながら見守り活動を行っている。民生委員,友愛訪問が手薄な地域では,見守り 推進員が暫定的に訪問活動を行っている。 また,民生委員,見守り推進員,地域福祉活動コーディネーター等,見守り関 係者が,地区民児協単位(173 地区)で小地域見守り連絡会を開催し,地域見守 - 74 - りに関する情報の共有を図っている。平成 24 年度,全市で延 562 回の連絡会を開 催していた。 第 14 表 地域見守りの現状 見守りが必要な高齢者 65歳以上の単身高齢者 75歳以上の老老世帯 見守りの状況 民生委員単独訪問 友愛訪問 見守り推進員 LSA 平成13年度 28,500 28,500 ― 28,500 9,800 13,800 3,400 1,500 (単位:世帯) 平成18年度 平成24年度 37,512 56,422 36,779 48,196 733 8,226 37,512 56,422 17,509 35,118 15,815 18,226 2,122 985 2,066 2,093 ※ 見守りが必要な高齢者は、ひとりぐらし高齢者等実態調査によって把握 平成13年度 見守り推進員制度創設 平成18年度 見守り必要な高齢者の対象に75歳以上の老老世帯を追加 ※ 複数の見守りが実施されている場合には,上位優先による集計の結果 (出典)保健福祉局介護保険課提供資料に基づき作成 しかし,見守りが必要な高齢者数の伸びは著しく友愛訪問による見守り世帯も 増加しているものの,民生委員が単独で訪問する高齢者数が著しく増加している。 今後,更に見守りが必要な高齢者が増加すると予測される中,民生委員の担い 手不足の問題もあり,民生委員の負担を軽減する方策が必要である。 また,近年,オートロックマンションといったセキュリティの高い住宅やプラ イバシー重視の設計となった住宅が増え,地域とのつながりや入居者間のつなが りが薄くなってきているため,集合住宅でのコミュニティづくりや,ひとり暮ら し高齢者等への支援が課題となっている。 また,いわゆるニュータウンでは,住宅が比較的同じ期間に大量に供給された こと,入居世代が似通っている傾向にあったこと(30∼40 代中心)などから,近 年,まちの成熟化に伴い,住民の急速な高齢化が進んでいる。 このような状況の中,各区においても様々な取組が進められている。北区役所 及び北区区社協では,民生委員及び友愛訪問ボランティアによる地域見守りを補 完するとともに,福祉活動に携わる人材発掘を図るため,地域住民や地域の事業 者に「絆サポーター」 (平成 25 年 11 月現在 612 名登録)になってもらい,日常生 活の中で,近所の高齢者の異変に気づいた時に「あんしんすこやかセンター」に 連絡してもらう事業を推進している。 兵庫区役所では,全市的な協力事業者による見守りに加えて,平成 24 年 8 月か ら地域の喫茶店や商店などの事業者・団体に対し「高齢者みまもり応援団」とし て登録をよびかけ(平成 25 年 3 月末現在 123 件の登録),地域見守りの強化を図 - 75 - っている。 中央区役所及び中央区区社協では,あんしんすこやかセンター圏域ごとに,民 生委員,友愛訪問,集合住宅管理組合,関係事業所(新聞配達所,宅配事業者) 等を対象とした「集合住宅ひとり暮らし高齢者等支援研修会」を開催するととも に,モデル住宅を 12 ヶ所選定し,集合住宅でのひとりぐらし等高齢者への支援方 法を検討している。 - 76 - (2)「神戸市における災害時の要援護者への支援に関する条例」 次に,支援条例に基づき,災害時に向けての要援護者支援の共助の取り組みが円滑 に進められるための本市の支援策について調査する。 支援条例は,要援護者が災害時において迅速かつ安全に避難をし,及び安心して避 難生活を送るために必要な事項を定めるとともに,本市の責務並びに要援護者支援団 体等の役割を明らかにすることにより,要援護者が安心して暮らすことのできる地域 づくりの推進を図ることを目的として,要援護者情報の提供及びその活用方法等を定 めるものであり,平成 25 年 4 月に施行された(第 15 表参照)。さらに平成 25 年 8 月 には,地域において支援活動を実践していくための具体的な運用をまとめた「神戸市 災害時要援護者支援ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)を策定し,これ に基づき市民・要援護者支援団体に対し,支援活動実施に向けた働きかけを始めたと ころである。 要援護者支援団体への支援は適切に実施されているかについて調査を行った結果は, 次のとおりである。 - 77 - 第 15 表 支援条例の概要 「災害時の要援護者への支援に関する条例」(平成25年4月1日施行)の概要 1 要援護者支援条例の目的 要援護者が災害時において迅速かつ安全に避難をし,及び安心して避難生活を送るために必要な事項 を定めるとともに,市の責務並びに要援護者支援団体,事業者及び要援護者の役割を明らかにするこ とにより,要援護者が安心して暮らすことのできる地域づくりの推進を図ることを目的とする。 2 災害時要援護者の定義 災害時要援護者とは,災害時において,自力では迅速な避難行動や避難生活が困難なため特に配慮を 要する方。 介護保険の対象者,身体・精神障害者手帳・療育手帳の所持者,65歳以上の単身者,75歳以上の老老 世帯,難病患者,乳幼児,妊産婦 など 要援護者支援団体とは,防災福祉コミュニティ,ふれあいのまちづくり協議会,自治会,地区民児 協,消防団,地域自立支援協議会,その他の団体であって市長が認めるもの 3 神戸市の責務,要援護者支援団体・事業者・要援護者の役割 (1) 神戸市の責務 要援護者に必要な配慮をし,援護する体制が地域において整備されるよう施策を推進する。 (2) 要援護者支援団体の役割 <平常時> 日常の声がけ,防災訓練の参加への働きかけ,要援護者の所在の把握,支援計画の作成 <災害時> 情報の提供,避難誘導,安否の確認,避難生活の支援 (3) 事業者の役割 要援護者支援活動に協力 (4) 要援護者の役割 住まいの安全確保,近隣との交流,要援護者支援活動への協力 4 要援護者に係る情報の収集及び提供 下記の者を主な対象として,神戸市が同意を取得し,支援団体へ提供 介護保険の要介護3以上,身体障害者手帳1級・2級,療育手帳A,65歳以上の単身者,75歳以上の老 老世帯等 本人による不同意の意思が明示されなかったときは,本人の同意を得ているものと推定する旨の規定 がある。 神戸市から支援団体へ情報提供する場合は,協定を締結 5 要援護者への支援計画の策定 支援団体は支援計画を策定(要支援者ごとに作成するもので,神戸市も協力) 計画の内容は,氏名・住所・生年月日等の基本的な情報のほか,要援護者の事前の備え,避難所への 避難経路等も反映 6 避難所・福祉避難所における支援 ・相談員の配置 ・避難所での設備・備蓄の推進,保健救護・医療救護に係る体制整備 ・福祉避難所の運営にかかる関係機関との協力構築 - 78 - ① 本市における支援条例施行後の取組状況 保健福祉局では,従来から,災害時に備えて災害時要援護者支援リストを作成し, 各区保健福祉部健康福祉課がそのデータを保管していた。 支援条例施行後は,このリストをもとに「地域要援護者支援活動に係る個人情報 の取扱いに関する協定書(以下「要援護者支援活動に係る協定書」という。)」を締 結した要援護者支援団体に対して,それぞれの団体が求める要援護者情報を提供し ている。 平成 25 年 8 月には,ガイドラインの策定に併せて,市民向けパンフレット及び地 域における取り組みの手引きとなる市民向けガイドラインも作成している。消防局 及び各区役所では,各関係団体の代表者あてにガイドラインを送付し,情報提供を 行っている。 また,各区役所及び消防署では,ふれあいのまちづくり協議会や防災福祉コミュ ニティなどの代表者の集まる場で,支援条例及び事業の説明を行うなど,要援護者 支援活動の推進に努めている。 本市の要援護者支援団体に対する支援としては,地域の意見や要望をとりまとめ ていく勉強会の調整役(ファシリテーター)としての専門家の派遣,先進地区の代 表者等の講師の派遣などを,それぞれの地区の要望に応じて行っている。 第 16 表 年 支援条例施行に関する取り組み状況 月 平成25年 内 容 個人情報保護審議会への諮問 3月 (災害時要援護者支援リストを活用した要援護者支援登録台 帳等の作成について) 備 考 神戸市個人情報保護条例 第11条 各区において,防災福祉コミュニティ, ふれあいのまちづくり協議会等へ,事業 説明等を随時実施。 4月 支援条例の施行 パブリックコメントの実施 (要援護者支援団体の審査基準の制定について) 8月 ガイドライン策定 (市民向けガイドライン) 「災害時に備えたたすけあいのまちづくり」を2,000部作成 「情報収集の進め方(参考様式付)」 6月 神戸市行政手続条例第37条 支援条例第20条 (市民向けパンフレット) 「災害時に備えたたすけあいのまちづくり」を25,000部作成 ② 要援護者支援団体の取組状況 第 17 表のとおり,平成 26 年 1 月現在,要援護者名簿を地域で共有して,要援護 者への支援活動に取り組んでいる地区は,26 地区であった。 このうち,防災福祉コミュニティ,ふれあいのまちづくり協議会,自治会,自立 支援協議会,民生委員と他の地域団体,協議会などの 20 団体が支援条例施行以前か ら,災害時要援護者避難支援に係る取り組みを行っており,条例施行後に 6 地区で 取り組みが始まっている。 支援条例施行後に,要援護者支援活動に係る協定を締結し,本市から要援護者情 - 79 - 報の提供を受け,災害時要援護者名簿を地域で共有している地域は,平成 26 年 1 月末時点では,水木地区(兵庫区),中道地区(兵庫区)と,東山地区(兵庫区)の 3 地区である。 また,条例施行後に地域独自で調査を行い,災害時要援護者名簿を地域で共有し ている地域は,野田北部地区(長田区),狩場台地区(西区)と井吹東地区(西区) の 3 地区である。 大原・桂木地区(北区),東山地区(兵庫区),二葉地区(長田区),野田北部地区 (長田区)では,専門家派遣を受け,多聞台地区(垂水区),塩屋北地区(垂水区), 道場地区(北区),大石南地区(灘区)では,講師派遣を受けて,ワークショップ等 の取り組みを進めている。 このように支援条例施行以前及び以降も,各地域で地域特性に応じた様々な自主 的な取り組みが行われており,これらの事例については,参考 5 のとおりである。 第 17 表 災害時要援護者避難支援体制づくりの取り組み状況 (平成26年1月末現在) 東灘 灘 中央 兵庫 北 長田 須磨 垂水 西 計 取組地区数 1 1 0 13 0 4 1 0 6 26 支援条例施行前取組地区 1 1 0 10 0 3 1 0 4 20 支援条例施行後取組地区 要 援 護 者 情 報 0 0 0 3 0 1 0 0 2 6 条例施行後,協定を締結し, 本市情報の提供を受けた地区 0 0 0 3 0 0 0 0 0 3 条例施行以前に,本人同意を得 て本市情報の提供を受けた地区 0 1 0 9 0 0 0 0 4 14 地域独自に調査した地区 1 0 0 1 0 4 1 0 2 9 1 0 0 1 0 3 1 0 0 6 要援護者と支援者のマッチングまで 完了している地区 ※要援護者名簿を地域で共有している地区 - 80 - (3) 災害時における要援護者支援活動のための本市の体制及び仕組み 最後に,災害時の要援護者支援活動のための本市の体制及び仕組みを調査する。 地域防災計画は,災害対策基本法第 42 条の規定に基づき,地域の中での災害に係 わる本市の処理すべき事務又は業務に関し,地域内の関係機関の協力業務を含めて, 総合的かつ計画的な対策を定め,市民の生命,身体,財産を災害から守るための対策 を実施することを目的として策定された計画で,平成 25 年 6 月に改定されている。 本市では,支援条例が平成 24 年 11 月に議会に上程,平成 25 年 2 月に可決され,同 年 4 月から施行された。 また,国においても,平成 25 年 6 月に災害対策基本法を改正し,災害発生時に避難 の支援が特に必要となる者についての名簿の作成及びその他の住民等との円滑かつ 安全な避難を確保するための措置を拡充するため,市町村に対し,避難行動要支援者 (支援条例の「要援護者」と同義)名簿の作成,名簿情報の利用及び提供等が新たに 定められた。これを受け,内閣府では,市町村が避難行動要支援者名簿を活用した実 効性のある避難支援が実施できるように,同年 8 月に「避難行動要支援者の避難行動 支援に関する取組指針」を策定した。 このような状況の中,災害時における要援護者支援活動のための本市の体制及び仕 組みが適切に構築されているか,災害時要援護者支援に関する改正後の災害対策基本 法及び支援条例の内容が地域防災計画に適切に反映されているか,について調査を行 った結果は,次のとおりである。 ① 地域防災計画の体系 本市の地域防災計画は,阪神・淡路大震災の実態および教訓をふまえ,直下型地 震に加え,東南海・南海地震などへの対応も定めた「地震対策編」,水害,土砂災害, 高潮などの風水害に加え,大規模火災や事故災害への対応を定めた「風水害等対策 編」,災害対策を実行する担当部局別・災害事象別に,具体的行動指針や行動内容を 時系列的にわかりやすく定めた「防災対応マニュアル」,安全都市づくりに関係する 5 箇年の事業計画を示した「防災事業計画(安全都市づくり推進計画 2011 年度∼2015 年度)」,防災対策を実施する上で必要な各種データをまとめた「防災データベース」 で構成されている(第 2 図参照)。 - 81 - 第2図 神戸市地域防災計画の体系図 ② 地域防災計画における要援護者への対応 地域防災計画では,地震対策編第 9 章「災害時要援護者・外国人の支援・男女双 方の視点への配慮」をはじめ,様々な要援護者に対する配慮事項等が定められてお り,また,災害時における各部署の役割が明記されている。 支援条例で神戸市の責務として求める,横断的組織の確立及び窓口の明確化,多 様な情報伝達体制の整備,支援計画の策定等に対する支援措置,避難所等における 環境整備,並びに避難所等における保健救護及び医療救護に係る体制の整備の観点 から,現行の地域防災計画を検証した(災害対策基本法,支援条例,地域防災計画 の比較の詳細は,参考資料6参照)。 ア 横断的組織の確立及び窓口の明確化 支援条例第 3 条第 2 項では,「市は,要援護者への支援業務に関係する横断的組 織の確立及び窓口の明確化を図り,支援業務に必要な情報の共有及び活用に努め なければならない。」と定められており,各部署の役割について,災害時について は,地域防災計画に,また,平常時については,条例によって規定されている。 ガイドラインでは,平常時での地域要援護者支援活動にかかる本市の役割分担 について,第 18 表のとおり定めている。 - 82 - 第 18 表 本市の役割分担(平常時) (1)市での役割分担(平常時での地域要援護者支援活動にかかる分担) ・制度全般・・・ 危機管理室,保健福祉局 ・地域への働きかけ,支援団体の窓口・・・ 区,消防署 ・災害時要援護者支援リスト作成・・・ 保健福祉局 ・支援団体の運用支援(取り組み方法の決定,登録票・名簿作成,台帳提供,協定書締結,地 域での会合出席など)・・・ 区,(保健福祉局) ・報告・検査・・・ 保健福祉局,(区) ・研修・・・ 区,(市民情報サービス課),(危機管理室),(保健福祉局) ・専門家の派遣支援・・・ 保健福祉局,区 ・防災訓練の支援・・・ 消防署,区 ・情報伝達体制の整備・・・ 危機管理室,市長室,市民参画推進局,保健福祉局, こども家庭局,区,消防局 ・乳幼児・妊産婦等の関連・・・こども家庭局 ・外国人の関連・・・市長室 ・NPOの支援・・・市民参画推進局 ・地域防災計画の取りまとめ・・・危機管理室 出典)神戸市災害時要援護者支援ガイドライン P.24 また,区役所内の役割分担については,要援護者支援団体となる構成団体が,ふ れあいのまちづくり協議会,防災福祉コミュニティ,地域自立支援協議会 ※ など様々 であること,また,地域担当制を導入していること等から,地域への働きかけ,支 援団体の窓口,支援団体の運用支援などは,日頃,関係の深い課が行っているが, 各区役所の要援護者支援条例に関する窓口は,第 19 表のとおりであった。 ※地域自立支援協議会:障害者自立支援法に基づき,障がい者(児)の地域における自立した生活を支援するため,地 域におけ る障害福祉に関する関係者に よる連携及び支援の体制に関 する協議等を行うための 会議で,市及び各区に設置されている。 第 19 表 各区役所の窓口等 窓 口 地域への働きかけ 東灘区 総務課・健康福祉課 日常の事務所管課 灘区 健康福祉課 健康福祉課(条例の説明),まちづ くり課(地域担当) 中央区 まちづくり課(自治会・ふれまち) まちづくり課(自治会・ふれまち) 健康福祉課(民生委員関係・地域と 健康福祉課(民生委員関係・地域と の協定・要援護者情報の管理) の協定・要援護者情報の管理) 消防署(防コミ) 消防署(防コミ) 兵庫区 健康福祉課 健康福祉課 北区 総務課(日常の事務所管課) 日常の事務所管課 長田区 健康福祉課 日常の事務所管課 須磨区 総務課 日常の事務所管課 垂水区 総務課 日常の事務所管課 西区 総務課(日常の事務所管課) 総務課 - 83 - イ 多様な情報伝達体制の確保 支援条例第 3 条第 3 項では, 「市は,要援護者を安全に避難させるため,避難準 備情報その他の必要な情報が的確に伝わるように多様な情報伝達の体制の整備に 努めるものとする。」と定めている。 ガイドラインでは,災害発生時の情報伝達のイメージとして,マスコミ,ひょ うご防災ネット,防災行政無線,広報車,市ホームページなど多様な情報伝達の 整備に努めていくこととし,特に停電時に備えた携帯ラジオの用意やひょうご防 災ネットの加入を推奨している。また,視覚障がい者,聴覚障がい者,知的障が い者,精神障がい者ごとの情報提供の際の配慮事項を明記している。 地域防災計画では,障がい者に配慮した広報や各種障害者団体等への情報提供 を通じて広報を行うと明記している。また,外国人については,領事館や外国人 コミュニティに対して情報提供を行うとともに,英語版の広報資料を作成し,他 言語については国際交流団体等への協力依頼等により,広報に努めるものと明記 している。 ウ 支援計画の策定等に対する支援措置 支援条例第 14 条第 4 項では,「市長は,次に掲げる事項が円滑に行われるよう にするために,予算の範囲内において専門家による人材派遣の支援その他必要な 措置を行うことができる。(1)要援護者支援団体会議の設置及び運営に関すること。 (2)要援護者支援団体による支援計画の策定にその他必要な事項の決定に関する こと」と定めている。 これに基づき,ガイドラインでは,次のとおり定めている。 第 20 表 支援計画の策定等に対する支援措置 - 84 - 支援団体による支援活動を実践していく上で,必要に応じて,取 り組み初期の地域への講師派遣,要援護者支援活動に関する勉強 会や具体的な避難計画の作成等に取り組む地域への専門家派遣な 講師や専門家の派遣, どを行う。 印刷経費の負担等 また,印刷物等の経費負担,要援護者への登録呼びかけ文書の送 付など,必要に応じ,事務的な支援についても実施する。 <条例第14条第4項> 支援団体からの要望に基づき,市からの郵送などにより,地域内 での要援護者の同意を取得し,作成した要援護者台帳を支援団体 要援護者ご本人からの へ提供する。 同意取得 また,地域において複数の支援団体がある場合,調整会議を開催 する。 <条例第7条> 防災訓練の事前相談や,地域で訓練を実施される際の支援・指導 防災福祉コミュニティ を各消防署で行っている。また,防災福祉コミュニティ活動に対 活動に関する支援 して,活動経費の助成を行っている。 地域で住民相互の助け合いを支援するため,ふれあいのまちづく ふれあいのまちづくり協 り協議会が主体的に取り組む福祉,環境,防災,教育など,さま 議会の活動に関する支援 ざまな分野における地域活動について,その経費の一部を助成す る。 出典)神戸市災害時要援護者支援ガイドライン P.25 エ 避難所等における環境整備 支援条例第 16 条では,「市長は,避難所のうち要援護者が安心して避難生活を 送るために特別の配慮がなされた避難所(以下「福祉避難所」という。)へ避難す るまでの間,安心して避難所その他の避難場所(以下「避難所等」という。)で生 活を送ることができるよう避難所等における設備を整備し,神戸市地域防災計画 に基づいて必要品を備蓄するとともに,前条に規定する要援護者相談員その他の 関係者への研修その他環境整備に努めるものとする。」と定めてられている。 地域防災計画によれば,福祉避難所は,平成 25 年 4 月現在,地域福祉センタ ー及び民間社会福祉施設等で市内 321 箇所が指定されている。民間社会福祉施設 の福祉避難所の利用については,神戸市老人福祉施設連盟と「災害時における福 祉避難所の設置運営に関する協定」を締結し,同連盟施設を福祉避難所に指定し ている。 また,区からの派遣職員等で 24 時間の運営体制が可能な場合や専門性の高いサ ービスや設備を必要としない場合は地域福祉センター等を利用し,専門性の高い サービス・設備を必要とする場合や大規模災害など区職員による 24 時間の運営体 制を確保できない場合は,民間社会福祉施設を利用することとしている。 福祉避難所での受入れ者の決定は,区本部が決定することとなっている。 第 21 表 福祉避難所数 - 85 - 東灘 灘 中央 地域福祉センター等 16 14 老人いこいの家 − 1 一般宿泊施設 − − 兵庫 16 北 長田 15 35 2 5 1 − − 1 須磨 20 垂水 西 計 21 25 29 191 4 5 − 4 22 − − − 1 2 神戸市老人福祉施設連盟 加盟施設 11 10 7 11 16 8 10 14 19 106 計 27 25 25 31 53 32 36 39 53 321 (出典)「神戸市地域防災計画 防災データベース 地震対策編」に基づき作成 平成 25 年度当初予算により,地域福祉センターのバリアフリー化などの安全確 保対策(52 施設)及び特別養護老人ホーム等(98 ヶ所)への防災行政無線のラジ オ型受信機設置を進め,福祉避難所の環境整備に努めている。 オ 保健救護及び医療救護に係る体制の整備 支援条例第 17 条では, 「市長は,避難所等の要援護者に対する保健救護及び医 療救護を適切に行うため,関係機関と連携し,地域の医師会その他の医療保健関 係団体との業務の協力体制の整備に努めるものとする。」と定められている。 地域防災計画/地震対策編/第 4 章 救助・救急医療体制では,災害時救急医 療システム,医療品・医療資機材の備蓄,調達システム等を定めている。また, 第9章 災害時要援護者・外国人の支援・男女双方の視点への配慮では,災害時 要援護者等に対する避難所での留意事項,福祉避難所の開設を定めている。 災害時における医療保険関係団体との業務の協力体制については,神戸市医師 会,神戸市薬剤師会及び兵庫県看護協会と,災害時における応急医療及び救護の 協力に関する協定を締結している。また,災害時における応急歯科医療及び口腔 ケアの協力に関する協定を神戸市歯科医師会と締結している。 - 86 - 2 意 見 監査対象事業は,おおむね適切かつ効果的に行われているものと認められた。 しかしながら,従来から全市展開されている防災福祉コミュニティ,ふれあいのまち づくり,地域見守り活動などの共助の取り組みを,一層の連携のもと災害時の要援護者 支援活動につなげるとともに,支援条例に基づく現行の本市の体制及び仕組みが,要援 護者,支援団体,関係職員から見てわかりやすく,災害時により機能するため,次の事 項について改善又は検討を要望する。 また,近年の被災都市では,災害時における要援護者支援活動の検証・総括(兵庫県 佐用町「台風第 9 号災害検証報告書」,仙台市「東日本大震災 仙台市震災記録誌」等) も行われており,いずれも,地域と関係機関との平常時からの情報共有や協力体制の構 築等について提言している。本市において,要援護者支援活動の見直し等を検討する際 には,これらの被災地の貴重な検証結果及びその対応策等についても参考にされたい(参 考資料7参照)。 なお,今回の監査では,監査対象の要援護者として,高齢者を中心に監査を行ったと ころであるが,同じく支援条例上の要援護者である障がい者や乳幼児などについては, ふれあいのまちづくり協議会,地域自立支援協議会等による取り組みがあるものの,高 齢者への取り組みに比べ進んでいないように思われるため,今後,高齢者以外の要援護 者への取り組みについても一層の拡充が望まれる。 (1)平常時の地域団体等の一層の連携による要援護者支援活動の充実 ① 防災福祉コミュニティ 防災福祉コミュニティが地域で実施した防災訓練は,平成 24 年度は,全市で 896 回であり,過去最高の実施回数であった。阪神・淡路大震災から 19 年が経過してい るが,震災体験を風化させることなく地域住民の災害に対する備えの意識を維持し, 防災訓練がこのように地域で実施されていることは,高く評価されるべきものであ る。 「神戸市防災福祉コミュニティ育成事業実施要綱」では,防災福祉コミュニティ の活動の基本理念のひとつとして,「福祉活動により得られる情報の防災活動への 活用,福祉活動等の機会を活用した防災知識の普及等,防災活動と福祉活動の連携 を図るよう努める。」と規定されており,次に掲げる事項について,消防局は,ふ れあいのまちづくり協議会をはじめ福祉関係団体との連携を更に深め,防災福祉コ ミュニティ活動の一層の推進を図られたい。 ア 地域福祉活動と連携した防災学習や要援護者も対象とした防災訓練等の実施 防災訓練のうち要援護者も対象とした訓練実施回数については,防災福祉コミ ュニティが毎年度末に提出する活動実績報告書を確認したが,当該報告書上では 十分に把握することができなかったため,各消防署でのヒアリング等で確認した ところ,74 回であった。また,ふれあいのまちづくり協議会等が実施するふれあ - 87 - い給食などの地域福祉活動と連携した防災知識の普及活動等の実施状況について は,活動実績報告書を確認したが,要援護者の参加について記載すべき欄がなか ったため,十分に確認することができなかった。 地域住民への防災の啓発は,福祉活動と連携することで参加者も多くなり,よ り効果が高くなるものと考えられるため,消防局においては,活動実績報告書の 様式の見直し等も含め,地域福祉活動と連携した活動及び要援護者向け防災活動 等の実施状況の把握に努めるとともに,日頃から,その実施を防災福祉コミュニ ティに積極的に働きかけられたい。 (消防局予防課) イ 地区担当者及び地域防災調整者の役割分担の検証 防災福祉コミュニティに期待される役割は,平常時には,消火・救出救助・救 急などの防災訓練のみならず,避難誘導訓練,地域福祉活動と連携した防災学習, 地域津波防災計画の策定などがあり,また,災害時には,避難誘導,避難所運営, 要援護者支援などがある。 地区担当者及び地域防災調整者(P.6 ア 制度概要を参照)は,消火・救出救 助・救急などの専門性を活かしながら,防災福祉コミュニティからの様々な相談・ 要望に対して,区役所・学校などの関係機関と十分に連携を図りながら対応して いく必要がある。特に地域防災調整者は,地域及び関係機関と消防署のパイプ役 であり,事業を円滑に進めるためには,お互いの信頼関係の構築や関連事業の理 解が何よりも重要である。 しかしながら,要援護者支援活動推進の点において,消防署と区役所及び区社 協の担当者間での連携が必ずしも十分でないといった面が見られ,また,要援護 者支援という専門外の新しい観点に対応していくためにも,地区担当者と地域防 災調整者の役割を検証し,要援護者支援の関係機関との調整機能の強化を図られ たい。 (消防局予防課) ウ 市民防災リーダー研修における要援護者支援プログラムの追加 市民防災リーダーについては,各消防署においておおむね半日程度の市民防災 リーダー研修が実施され,平成 24 年度は 1,441 人が受講し,地域の防災活動のリ ーダーとして必要な知識や技法の習得が図られている。 その研修内容をみると,消火器・小型動力ポンプ・AED(自動体外式除細動 器)の取り扱い方法などの消火・救出救助の実技体験が中心であった。 要援護者に配慮した防災福祉コミュニティの活動がさらに展開されるように, 市民防災リーダー研修においても,福祉関係団体等との協力支援のもと,要援護 者を対象とした避難訓練や要援護者に配慮した避難所運営訓練など,要援護者支 援プログラムを実施されたい。 (消防局予防課,消防防災課) - 88 - ② ふれあいのまちづくり ふれあいのまちづくりは,地域福祉センターを拠点に地域の仲間づくりを促進す るとともに,ふれあいのまちづくり協議会が様々な地域福祉活動を展開し,地域コ ミュニティづくりに大きく貢献しているものと認められる。 また,ふれあいのまちづくり協議会は,自治会,婦人会,民生委員をはじめ,様々 な地域団体の代表者等で構成されており,その特徴を活かして,構成団体の協力連 携のもと,様々な事業を実施しているところであるが,以下に掲げる事項について, ふれあいのまちづくりの趣旨に沿って,様々な地域活動の推進を支援し,地域コミ ュニティづくり及び地域福祉の向上に一層尽力されたい。 ア ふれあいサロン(喫茶)の拡充 154 のふれあいのまちづくり協議会が,ふれあいのまちづくり助成を受けて, ふれあいサロン(喫茶)を毎月 1 回程度,地域福祉センター等で開催している。 ふれあいサロン(喫茶)は,平常時においては,高齢者の閉じこもりを防止し, 地域内の高齢者の仲間づくりや相互の助け合いの機運を醸成するとともに,参加 者に関する情報等を地域で共有する機会となるものであり,災害時の情報伝達, 安否確認等にも有用となる事業である。また,集合住宅や地域の集会所など,地 域福祉センター以外の集会所等を活用して高齢者の交流拠点が更に増えることは, より多くの高齢者の参加を促進し,相互の助け合いを推進することにもなる。 ついては,ふれあいサロン(喫茶)について,例えば,開催頻度の短縮,地域 福祉センター以外での開催,特に男性高齢者の参加を促す企画の実施など,ふれ あいのまちづくり協議会がふれあい喫茶の拡充に努めるように支援されたい。 (保健福祉局計画調整課) イ 部会活動の充実 ふれあいのまちづくり協議会(191 協議会)では,活動を充実するため,155 協議会が部会制を導入し,このうち 79 協議会が,防災部会又は防災・防犯部会を 設置している。 「ふれあいのまちづくり協議会 運営の手引き」によれば,地域が一体となっ た防災活動や防犯活動などの安全で安心なコミュニティづくりを協議会の役割の 一つとしており,また,委員の一部の方が機動的に集まり,事業を企画・実施す るための部会の設置についても規定されている。 支援条例の施行を受け,地域における要援護者支援活動に関する議論を深め, 地域における要援護者支援の取り組みをさらに進めていくためには,協議会に防 災部会を設置し,防災福祉コミュニティとの連携を図っていくことが望まれる。 ついては,ふれあいのまちづくり協議会が,さらに防災部会の設置及び防災福 祉コミュニティとの連携を推進していけるよう,一層尽力されたい。 (保健福祉局計画調整課,消防局予防課) - 89 - ③ 住民主体の地域見守り体制の充実 本市の地域見守りシステムは,民生委員,友愛訪問等の地域住民主体の見守り活動 を基本に,各区の区社協に地域見守り活動を支援する「地域福祉活動コーディネータ ー」を 1 名配置し,また,あんしんすこやかセンターごと(おおむね中学校区)に民 生委員等の見守り活動を支援する「見守り推進員」を 1 名配置するとともに,特に高 齢化率の高い災害復興住宅等において「あんしんすこやかルーム」を設置し,高齢者 世帯生活援助員を原則 1 名配置するなど,阪神・淡路大震災の経験を踏まえた他都市 のモデルとなるシステムである(P.4 第 1 図,P.5 別表 1 を参照)。 しかし,今後,更なる高齢化,コミュニティの希薄化,民生委員の担い手不足など, 現在の地域見守りシステムの機能維持が困難になることが予測される。 ついては,民生委員の負担の軽減に向け,民生委員の欠員補充の促進,友愛訪問の 拡大に一層努めるとともに,次の点に配慮して,地域住民主体の見守り体制をさらに 充実されたい。 ア 地域見守り体制の充実 民生委員及び友愛訪問による地域見守りが基本ではあるが,これを支援する地域 見守り機能を充実する必要がある。 各区においては,既に,北区の「絆サポーター」,兵庫区の「高齢者みまもり応援 団」などの新たな取り組み(P.17 参照)が行われており,この他,民生委員支援員 制度のより一層の活用やふれあい喫茶を活用した参加者相互の見守りも考えられる。 保健福祉局においては,これらの取り組みを参考にして,地域特性に応じた地域 見守り体制を充実されたい。 (保健福祉局計画調整課,介護保険課) イ オートロック化された集合住宅での地域見守りの検討 オートロック化された集合住宅では,外部の民生委員や友愛訪問が建物の中に入 れないという問題がある。 このような状況の中,中央区役所及び中央区の区社協では,平成 24 年度より「集 合住宅ひとり暮らし高齢者等支援研修会」を開催し,民生委員,友愛訪問,集合住 宅管理組合,関係事業者(新聞配達所,宅配事業者)等と集合住宅の高齢者への支 援方法を検討・実施している。 中央区等の取り組みを参考にして,集合住宅「内」でお互いが助け合う環境(仕 組み)と「外(周辺地域)」と排他的にならずに協働する仕組みを,マンションデベ ロッパーや集合住宅管理組合の参加を求め,関係部局を含め,検討されたい。 (保健福祉局計画調整課,介護保険課) - 90 - ウ あんしんすこやかルームの機能維持 本市では,特に高齢化率の高い災害復興公営住宅等において,住戸や集会室を活 用した「あんしんすこやかルーム」を拠点に(市内 42 か所設置),高齢者世帯生活 援助員が自治会など地域の関係団体と連携して見守り活動やコミュニティづくり支 援,介護予防の推進などを行っており,特に見守りの必要な高齢者の把握,声がけ, 安否確認や住民に身近な相談場所として,また,コミュニティづくりの拠点として 重要な役割を担っている。しかし,この事業の財源である阪神・淡路大震災復興基 金事業が平成 26 年度末に終了する予定となっている。 保健福祉局においては,基金事業の期間延長,一般施策として国等への予算要望 などあんしんすこやかルームに係る財源確保に努めるとともに,あんしんすこやか ルームの機能維持に努められたい。 (保健福祉局介護保険課) (2)要援護者支援活動への本市の体制及び仕組みの充実 ① 地域要援護者支援活動への支援策 支援条例は,平成 25 年 4 月に施行され,災害時要援護者支援活動は緒についたば かりであるが,既に,支援条例施行以前から,要援護者支援への関心が高い 20 地区 において要援護者支援の取り組みが行われており,施行後においても,新たに 6 地区 で取り組みが進められている。要援護者の支援母体となりうる地域の関係団体の災害 時要援護者支援活動への関心をさらに高め,地域特性に応じた様々な支援活動を展開 するためには,関係部局が地域での取り組みの立上げに積極的に関わっていくことが 効果的と考えるので,次の事項について,検討を要望する。 ア 区総合防災訓練での要援護者支援訓練の実施 要援護者支援団体には,災害時に,要援護者に対する情報提供,避難誘導,安 否確認,避難生活の支援を行うなど,地域特性を踏まえた様々な役割が期待され ている。 区総合防災訓練において,搬送など要援護者を想定した訓練を各区とも実施し ているが,いくつかの区においては,モデル地区を指定し,区役所はもとより, 要援護者支援団体として想定される,防災福祉コミュニティ,ふれあいのまちづ くり協議会などの地域団体や障がい者団体とも連携し,実際に要援護者も参加し た情報伝達・避難誘導・安否確認などの訓練を実施しており,その取り組みを全 域的に拡充していくことも効果的と考えられる。 今後とも,区総合防災訓練等については,地域住民や要援護者等の参加も求め, 要援護者支援訓練も実施されたい。 (各区総務課) - 91 - ② 地域防災計画の見直し等 現行の地域防災計画(平成 25 年 6 月改定)では,平成 25 年 8 月に改定された改正 災害対策基本法及び内閣府指針に基づき,地域防災計画で定める必須事項(災害時要 援護者リストの整備及び要援護者名簿の提供など)については,先行して明記されて いるものの,平成 25 年 4 月に施行された支援条例の内容については,十分に反映さ れていない点もあった。 毎年見直しをすることになっている地域防災計画(地震対策編 応急対応計画 第 9 章)に,支援条例に定められている内容を市民及び行政関係者に具体的に明らかに するため,次の点について,速やかに反映すること等を要望する。 ア 災害時要援護者支援のための横断的組織の確立 支援条例第 3 条では, 「市は,要援護者への支援業務に関係する横断的組織の確 立(中略)を図り,支援業務に必要な情報の共有及び活用に努めなければならな い。」と規定されている。 ガイドラインの策定にあたっては要援護者支援に関係する部局で検討会を立ち 上げ横断的に取り組むとともに,ガイドラインでは平常時における庁内の役割分 担を定めている。 ついては,地域防災計画においても,要援護者支援に関係する横断的組織につ いて,その構成及び役割を明記されたい。 (危機管理室,保健福祉局計画調整課) イ 要援護者支援団体の役割 支援条例第 4 条では,要援護者支援団体の役割として,要援護者に係る情報の 整理及び更新,支援計画の策定その他必要な措置を講ずるよう努めるとともに, 平常時における声がけ,防災訓練の参加への働きかけ等,災害時における情報提 供,避難誘導等の地域要援護者支援活動に努めるとしている。また同第 14 条では, 「市長は,次に掲げる事項(要援護者支援団体による支援計画の策定等)が円滑 に行われるようにするために,予算の範囲内において専門家による人材派遣の支 援その他必要な措置を行うことができる。」と規定されている。 しかしながら,現行地域防災計画「9−6 災害時要援護者の支援に向けた平 常時からの取り組み」において, 「 災害時要援護者支援のための体制づくりの推進」, 「災害時要援護者リストの整備」,「福祉避難所(要援護者用避難所)の指定」に ついては規定されているが,条例で規定された要援護者支援団体の役割及び本市 による支援措置については,記載されていない。これらについても,地域防災計 画において,明記されたい。 (危機管理室,保健福祉局計画調整課) - 92 - ウ 要援護者相談員の設置 支援条例第 15 条では,市長は,災害時における要援護者からの相談対応,確実 な情報伝達及び支援物資の提供等の事務を行う要援護者相談員の配置に努めると 定められている。 地域防災計画「9−1 「9−2 災害時要援護者等に関する情報の収集及び提供」及び 安否確認と福祉ニーズの把握」では,区本部保健福祉部は直ちに保健・ 福祉に関する相談体制を確立するとともに,保健福祉部職員及びこども家庭セン ター職員が避難所を定期的に巡回すると規定しているものの,監査時点では,要 援護者相談員の仕組みが明らかにされていなかった。また,災害時における在宅 の要援護者の安否確認・実態調査等は民生委員が実施することになっているが, 民生委員自らが被災し,計画通りに活動できないことも予想される。 こうしたことから,保健・福祉に関する相談体制の強化及び災害時の在宅の要 援護者の安否確認と福祉ニーズを把握するため,あんしんすこやかセンター及び 見守り推進員等の福祉資源の活用も含め,要援護者相談員の仕組みを早急に検討 されたい。 (保健福祉局計画調整課) エ 福祉避難所運営マニュアルの作成 地域防災計画「9−3 避難と避難所」では,高齢者,障がい者,妊産婦,乳 幼児,病弱者等避難所生活において何らかの特別な配慮を必要とする者で,介護 保険施設や医療機関等に入所・入院に至らない程度の在宅の要援護者は福祉避難 所に受け入れることとし,民間社会福祉施設,地域福祉センター,宿泊施設等を 福祉避難所に指定し,その開設と運営,受入れの決定について規定している。 しかし,要援護者支援マニュアルでは,福祉避難所等の開設に関する規定はあ るものの運営に関する規定はない。また,福祉避難所等の運営に必要な物資・器 材の備蓄も行われていなかった。 ついては,厚生労働省の「福祉避難所設置・運営に関するガイドライン」等を 参考に,具体的な受入れ手続き,物資・器材の備蓄,対象者の移送手段,運営方 法,専門的な技術を要する人材の確保,提供する福祉サービスなど福祉避難所に 関する運営マニュアルの策定を検討されたい。 (保健福祉局計画調整課) オ 本市と社会福祉協議会の要援護者情報の共有 地域防災計画によれば,災害発生時,市社会福祉協議会は「神戸市災害ボラン ティア情報センター」を,各区社会福祉協議会は「災害ボランティア現地支援セ ンター」を設置し,災害ボランティアの受入れ及び被災者の生活支援や自立支援 等を行うこととなっている。 また,災害ボランティアによる要援護者の支援活動を円滑に推進するためには, - 93 - 市区及び市区社会福祉協議会との間で,予め要援護者情報の共有及び活用に関す るルールを定めておくことが必要である。 ついては,市(区)社会福祉協議会と災害ボランティアによる災害時の要援護 者支援のあり方,共有化する要援護者情報の内容及びその活用のルールづくりを 検討されたい。 (保健福祉局計画調整課) ③ 区役所の防災福祉機能の向上 区役所は,地域における防災・災害救助の拠点として,災害時には,災害情報の 調査,避難所の開設・運営,食糧・物資の調達・配分,要援護者対応の総合窓口, 救護所の設置,行方不明者の捜索,遺体の収容・安置・処置,り災証明の発行,災 害見舞金の支給などの様々な業務を担当し,平常時には,災害対策に係る企画立案 を行い,区総合防災訓練等を実施している。その役割は,非常に広範囲で専門的で あり,関係機関との一層の連携が求められるため,次の点について検討を行い,区 役所の防災福祉機能の向上を要望する。 ア 防災福祉関係実務者(係長,担当者)間の情報の共有化 区の防災機能の向上及び災害時要援護者支援を推進するためには,区の災害対 策の企画立案等を担当する「総務課」,区内のふれあいのまちづくり等を担当する 「まちづくり課(中央区・北区はまちづくり支援課)」,民生委員及び健康に係る 危機管理等を担当する「健康福祉課」,地域見守り等を担当する「区社会福祉協議 会」,防災福祉コミュニティを担当する「消防署」,安全なまちづくりの推進を担 当する「建設事務所」などの多数の関係部署にわたる実務者間の情報共有,地域 情報の集約,事業協力が求められる。 しかし,各区において,課長会等での情報共有化及び事業の総合調整を進めて いるものの,防災福祉関係実務者(係長,担当)間のコミュニケーションが緊密 ではない面も見られ,その役割の認識や事業情報及び地域情報の共有化などが, 必ずしも十分に図られているとはいえない。ついては,なお一層の情報の共有化 及び事業協力を図られたい。 (各区総務課) イ 区役所の防災福祉機能の検証 区役所は,災害時に担う様々な専門的な役割が円滑に実施されるよう,関係機 関と協力連携して,区総合防災訓練等を実施するとともに, 地域団体等からの相 談や支援手続きをワンストップで対応する地域担当制を進めている。一方,地域 での防災訓練の支援は,防災福祉コミュニティを通じて消防署が実施している。 区役所の防災・災害救助業務は広範囲でかつ専門的であるが,近年,阪神・淡 路大震災を経験した職員が少なくなってきていることから,区役所における防災 - 94 - 機能の維持が困難になることが懸念される。 ついては,区役所の防災福祉機能・体制のあり方,危機管理室との関係,地域 の防災訓練のあり方などを検証し,区役所の防災福祉機能の一層の向上を図られ たい。 (各区総務課) - 95 - 参考1 ふれあいのまちづくり事業及び地域見守り活動(各区) 東灘区 小学校区 ( 旧) ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 東灘 本庄 第2月曜( 第3木曜) 第2月曜 本山第三 本山東 第2 木曜 第2木曜 本山南 本山南 第2 ・ 3 火曜 第3月曜 本山南部 9 深江南 第2木曜 第3土曜 深江南部 13 青木南 第4 日曜 第1水曜 青木 16 福池 第4水曜 毎月最終金曜 本山中部 本山第一 本山 第1月曜 第1 金曜 第1土曜 本山第二 本山西 第3 月曜 本庄 福池 友愛訪問 ※4 地区民児協※3 地区 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 深江北部 12 10 2 本山東部 18 18 0 98 9 8 1 99 10 13 0 - - 16 0 37 1 13 13 0 26 2 本山北部 12 11 1 - - 不定期・年4回 本山西部 17 17 0 42 4 魚崎 毎月5. 20日 第4金曜 隔月第1木曜 魚崎北部 16 16 0 12 2 魚崎南 毎月5 . 2 0 日 第2火曜 魚崎南部 16 16 0 66 10 住吉 住吉 第2・4木曜 第1金曜 ( 第2水曜) 住吉中部 20 18 2 8 1 住吉南部 10 10 0 20 3 渦が森 渦が森 第1 ・ 3 木曜 第4日曜 第4土曜 住吉北部 17 16 1 235 14 御影 浜御影 第1 木曜 第3 火曜 第3金曜 御影南部 16 16 0 104 5 御影北 御影北 第2 火曜・ 第4 水曜 第3 火曜 第3水曜・木曜 御影北部 17 17 0 13 1 六甲アイランド 六甲アイランド 第4土曜 4. 6. 10. 2月 向洋 向洋 第1 水曜 第3土曜 向洋 17 17 0 36 3 239 232 7 796 65 魚崎 14小学校区 16協議会 20団体 16地区 ※1 地域福祉センターで実施されているものを太字で表示,団体数等は平成25年12月現在 ※2 ( )は,ふれあいのまちづくり助成を受けずに開催されているもの,実施状況は平成25年12月現在 ※3 地区民児協ごとの定数及び実数は平成25年12月1日現在 ※4 区社会福祉協議会に提出されている平成25年3月分の実施報告書に基づき作成 ※5 小学校区が2区にまたがっている,なぎさ( 中央区),湊( 中央区),だいち( 須磨区)については,所在地で計上 ( 出典)各区より提出された調書等に基づき作成 - 96 - 灘区 小学校区 ( 旧) ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 成徳 第2 水曜 第1水曜( 民団 ) 第3 水曜 第2月曜 高羽 高羽 第4木曜 第4木曜 第1木曜 六甲 六甲 第1 火曜 第2木曜 第2日曜 鶴甲 第1 金曜 第2 金曜 ( 第4火曜) 西郷 第1日曜 第2木曜 第1・3水曜 新在家 第2 火曜 第4火曜 灘 灘 第1日曜 ( 婦人会開催) 稗田 稗田 第3木曜 第3 木曜 ( 第3月曜 ) 成徳 鶴甲 西郷 西灘 岩屋 第3 木曜 第1土曜 第1・2・4木曜 六甲山 六甲山 − − 美野丘 篠原 第2 木曜 第3火曜 摩耶 摩耶 第3 水曜 年6回・第4日曜 福住 王子 第3金曜 第4土曜 なぎさ ※5 なぎさ − 第2・4火曜 12小学校区 14協議会 20団体 地区 地区民児協※3 友愛訪問 ※4 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 徳井 11 11 0 33 2 南八幡 11 11 0 54 3 高羽 16 16 0 63 7 八幡 13 13 0 65 7 篠原南 11 11 0 42 5 鶴甲 10 10 0 19 1 西郷 15 15 0 210 13 都賀 11 11 0 91 7 河原 17 17 0 29 3 灘中央 11 11 0 96 11 岩屋 8 8 0 26 3 灘南部 6 6 0 19 2 篠原北 12 12 0 13 2 摩耶 12 12 0 53 5 上野 13 13 0 161 9 原田 14 14 0 18 2 H AT摩耶海岸 17地区 - 97 - 10 201 8 199 2 2 61 1, 053 4 86 中央区 小学校区 ( 旧) 地区民児協※3 友愛訪問 ※4 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 上筒井 籠池 第3 土曜 第3水曜 第2or3日曜 上筒井 12 12 0 35 6 雲中 雲中 第2金曜 ( 第1or3火曜) 雲中 10 10 0 42 6 若菜 第2 水曜 毎週日曜 若菜 13 13 0 25 2 第3水 第3 木 第4土(全域) 吾妻 9 8 1 - - 吾妻 第2金 八雲 8 8 0 22 3 二宮 10 8 2 172 8 中央 ( 若菜 吾妻 二宮 小野柄) 地区 小野柄 第3 木 月1 第3 金 第1or2土 小野柄 14 10 4 104 9 脇の浜 第2・4金 月1不定期 H AT脇の浜 9 8 1 116 8 宮本 第1 ・ 3 木 第2・3木 第4木 宮本 13 12 1 52 10 春日野 春日野 第3土 第3金 第3土の翌日 筒井 8 6 2 48 6 こうべ ( 北野 諏訪山 神戸) 北野 第3 水 第1水 生田 15 13 2 20 1 諏訪山 11 11 0 14 1 なぎさ※5 宮本 二宮 第1日 第3 水 神戸諏訪山 ( 隔月第2水) 第2木 神戸 5 5 0 - - 元栄海 11 11 0 10 1 下山手 14 13 1 10 1 山手 10 9 1 27 2 楠南 11 11 0 119 12 山の手 ( 下山手 山手) 下山手 湊※5 東川崎 第3 土 第4月 第3 土 第3 水 湊川多聞 橘 第2 木 第4日 楠北 10 10 0 70 14 港島 港島 − 第2土 港島 19 6 13 - - 886 90 山手 11小学校区 16協議会 22団体 ( 第3土の翌木曜 ) 月1不定期 第3日 19地区 - 98 - 212 184 28 兵庫区 小学校区 ( 旧) 地区民児協※3 友愛訪問 ※4 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 平野 平野 第4土 平野 17 17 0 195 16 湊山 湊山 ( 第3土) 石井東 10 10 0 116 14 湊※5 ( 入江 橘) 入江 第1 水 第2 水 第2 木 第3 水 第2・4火 最終日曜 入江 11 11 0 62 7 湊川南 12 11 1 112 6 湊川北 14 14 0 140 5 夢野南 10 10 0 208 11 夢野北 17 16 1 219 16 第2土 石井西 9 9 0 152 13 第4木 湊西北 11 10 1 104 13 湊西中 12 11 1 69 8 兵庫北 12 12 0 77 9 湊西南 16 16 0 109 12 − 運南東 11 10 1 161 12 第2日 兵庫南 12 10 2 57 11 明親 8 7 1 93 8 運南西 12 11 1 210 19 荒田 福原・西橘 第4木 第3日・第2日 荒田地区 第3 火 第4 土 第2火 第3 月 第2土 第4 金 第2日 第2 金 第3 火 第3水 第2 火 第2 水 第4 水 第2 木 第2土 第2月 夢野地区 夢野の丘 ( 東山 夢野 鵯越 菊水) ひよどり 熊野地域 菊水校区 会下山 ( 川池 中道) 中道 兵庫大開 兵庫大開 水木 水木 和田岬 和田岬 明親 明親校区 浜山 川池 浜山 10小学校区 16協議会 第3 水 第4 土 第2 水 第2木 第3 土 第1金 第3日 最終水 第4日 第3 水 第3 木 第4 土 第1日 第3木 32団体 地区 ( 第3火) 奇数月・第2日 ( 第1日) 第1土 16地区 - 99 - 194 185 9 2, 084 180 北区 小学校区 ( 旧) ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 有馬 有馬 第3 木 − 有野 有野 − ( 第1木) 藤原台 藤原台 第4 火 第3水 西山 北神星和台 第4 火 毎週月 有野台 有野台 第1 月 第2金 有野東 有野台第2 − 第1火 唐櫃 唐櫃 第3水 大池 大池 第2 水 第3 木 第2火 花山 花山 第2 土 第4水 谷上 谷上 第3 土 第2土 桂木 大原桂木 第2 金 第4土 広陵 広陵 第3 水 第1・3水 筑紫が丘 筑紫が丘 第2 ・ 第4 火 − 桜の宮 桜の宮 第2 火 第3月 甲緑 甲緑 第1金・第3火 第4土 小部東 小部東 第3 木 小部 小部 鈴蘭台 鈴蘭台 地区 地区民児協※3 友愛訪問 ※4 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 有馬 7 7 0 154 7 有野 14 14 0 14 2 藤原台 14 14 0 8 2 有野台 14 13 1 16 4 唐櫃台 14 14 0 130 12 谷上 17 17 0 247 17 大原・桂木 8 8 0 9 2 東山の街 11 11 0 28 4 桜の宮 12 12 0 196 7 第4金 山の街 東鈴蘭台 12 13 8 13 4 0 316 - 15 - 第2 木 第4日 鈴蘭台中央 16 14 2 302 15 第4 木 第3金 鈴蘭台 11 11 0 85 11 泉台 8 8 0 25 5 西鈴蘭台 12 12 0 193 17 山田 12 12 0 134 10 南鈴蘭台 16 16 0 354 20 第1日 泉台 泉台 第1 木 第4土 北五葉 北五葉 第2 ・ 3 火 第2・4金他 藍那 藍那小河 第3 水 第1土 山田 山田 箕谷 箕谷 南五葉 南五葉 第2 水 第1 ・ 3 土 第1 火 1 9 日・ 2 0 日 第1土 第4土 第2木 第2火 君影 君影 第2 木 第1月 星和台 星和台鳴子 第3 土 第1水 星和台 9 9 0 78 9 ひよどり台 ひよどり台 第1・3・4・5木 ひよどり台 13 12 1 48 10 道場 道場 道場 10 10 0 31 5 八多 八多 第2 木 第2木 第4 木 第3 水 八多 9 9 0 26 6 大沢 大沢 第2 木 毎週火 大沢 6 6 0 11 2 第2水 第3火 第2水 長尾 長尾 第3 土 第2火 長尾 10 10 0 12 3 鹿の子台 鹿の子台 第3 木 毎週日 鹿の子台 9 9 0 85 8 好徳 上淡河 − − 淡河 16 16 0 64 12 2, 566 205 淡河 淡河 34小学校区 34協議会 第3 土 34団体 − 25地区 - 100 - 293 285 8 長田区 小学校区 ( 旧) ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 名倉 名倉 第4 火 第2月曜 室内 重池 第4 土曜 第3・4日 宮川 宮川 第2月 第4土曜 会陽 第4 土曜 第4 水曜 第2・4金 室内 長田東 地区 名倉 友愛訪問 ※4 地区民児協※3 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 17 17 0 52 3 長田中央 東部 15 15 0 317 30 − 長田中部 12 10 2 10 1 第2水曜 長田南部 12 11 1 80 10 丸山 20 20 0 323 47 雲雀丘 大日丘 第3 月曜 第1水曜 丸山 丸山 − 第2・4火曜 長田 長田 第3水 第4土曜 長田中央 西部 13 10 3 167 17 池田 池田 第3 金曜 第2土・第4日 池田北部 10 9 1 34 8 細田 第3 金曜 第4日 池田南部 9 8 1 63 6 御蔵 13 10 3 22 3 西代南部 12 11 1 150 23 蓮池 9 9 0 25 1 第2日 志里池 6 6 0 78 17 第1・3土曜 西代北部 16 16 0 311 39 第1 ・ 3 土曜 第2・4土曜 真野 14 14 0 295 38 真陽 第2土 ( 第3日曜) 真陽 22 21 1 310 24 若松 第4 土曜 第1・3土曜 長楽北部 10 10 0 200 27 長楽南部 11 11 0 5 1 二葉北部 16 15 1 125 23 二葉南部 9 9 0 151 20 2, 718 338 長田南 北町 第4 土曜 − 御蔵 みすが 第3 土曜 第2木曜 蓮池 長田庄山 第2土 第3土 第4土 第2・4日曜 長田南 志里池 五位の池 高取山 真野 真野 真陽 だいち ※5 野田北部 長楽 駒ヶ林 二葉 14小学校区 21協議会 第3 土曜 第3土 第3 金曜 第3水 第4土 第2土 第3日・第4土 第2土曜 第3土曜 第2木曜 第3 土曜 第4 土曜 30団体 第2・4日曜 第1・3金曜 第1・3火曜 第2金曜 19地区 - 101 - 246 232 14 須磨区 小学校区 ( 旧) ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 だいち ※5 大黒 第2・4水 第2日 − 東部 板宿 板宿 第3木 第4水 板宿 南須磨 第2 金 第3( or2)木 第1・2・4木 第2土 若宮 若宮 西須磨 須磨の浦 北須磨 北須磨 高倉台 高倉台 多井畑 第3 水 第1火 毎金 第2 日 第4火 第4 金 地区民児協※3 友愛訪問 ※4 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 だいち中部 9 1 354 9 8 7 1 16 3 12 11 1 32 2 14 14 0 136 7 西須磨東部 7 5 2 46 4 西須磨中部 8 6 2 114 8 西須磨西部 9 7 2 65 9 第2木 北須磨 10 10 0 153 10 第4日 高倉台 多井畑 15 15 0 123 5 第1木or土( 3団体) 第1 土 第3水 第1・3木 第2・4木 第1木 第4水 地区 第1・3金 第2金 10 友が丘 第3火 第2水 第1木 ( 第1・3木) 友が丘 10 10 0 88 11 東須磨 第2 土 第4土 東須磨 13 13 0 91 10 若草 若草 第2土 第4日 第2日 第1水 第1・3土 若草 9 9 0 28 6 妙法寺 妙法寺 第1 火 第3水 妙法寺 14 14 0 52 3 横尾 横尾 第4水 横尾 9 7 2 12 2 白川 白川台 第3 火 第2 水 第2・4土他 第1金 白川 12 12 0 46 3 神の谷 神の谷 第2木 神の谷 9 9 0 148 9 菅の台 菅の台 第2土 菅の台 8 7 1 4 1 多井畑 東須磨 毎月1 日 ( 1 ・ 8 月除く ) 第4 火 第2月 松尾 松尾 第2 ・ 4 金 第2水 松尾 9 9 0 60 3 東落合 東落合 第3 木 第1木 東落合 8 7 1 28 5 花谷 花谷 第1 水 第3木 花谷 10 10 0 90 3 南落合 南落合 第1 木 第3土 南落合 10 10 0 208 9 西落合 西落合 − 第2水 西落合 7 7 0 87 4 竜が台 竜が台 第2 火 第3水 20小学校区 21協議会 40団体 竜が台 23地区 - 102 - 11 232 11 219 0 13 72 10 2, 053 136 垂水区 小学校区 ( 旧) ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 塩屋北 塩屋北 第3 月 第1・3日 塩屋 塩屋 第3 月 毎週金 乙木 乙木 福田 高丸 千鳥が丘 千代が丘 福田 第4 月 第3水 第4 土 ( 第3金) 高丸 第2 木 − 西高丸 − ( 第2土) 上高丸 第4 月 第4 月 第2月 奇数月第1日 第2 水 第2火 千代が丘 地区 第4火 地区民児協※3 友愛訪問 ※4 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 塩 屋 18 18 0 219 29 東垂水北 16 14 2 176 6 高丸南 15 13 2 72 7 高 丸 9 9 0 91 4 上高丸 14 14 0 69 9 星陵台 15 15 0 255 21 東舞子 13 13 0 61 8 舞 子 20 20 0 100 11 明 舞 14 14 0 266 33 神陵台 12 12 0 210 15 西 脇 14 12 2 377 20 桃山台 12 11 1 22 5 ( 第1日) 東舞子 星稜台 第2木 第2・4土 舞子 舞子 第3 土( 2 団体) 第3木 第2土 西舞子 狩口台 第3 水 第4火 第3木 神陵台 神陵台 第2 火 第1木 第1火 第3金 第1∼4金 西脇 西脇 第2 木 第3月 多聞南 多聞南 第2 火 第2金 下畑台 桃山台 第4 金 第2木 つつじが丘 つつじが丘 第4金 第2木・第4金 東垂水 東垂水 第2土 東垂水南 12 12 0 47 6 名谷 名谷 第1・3水 名 谷 18 18 0 159 9 垂水 垂水 第2 土 第4 月 第2火 第3水 第2金 垂 水 15 15 0 303 30 ( 奇数月最終月) 霞ヶ丘 18 18 0 190 25 新多聞 15 14 1 170 8 第2水 小束山 13 12 1 128 12 第1・3土 多聞台 10 10 0 159 7 3, 074 265 霞ケ丘 霞が丘 第2 水( 2 団体) 第1土 本多聞 本多聞 第3 火 第1・3土 多聞東 多聞東 第3土 小束山 小束山 多聞台 多聞台 第3 水 第2 日 第1 ・ 2 月 第1 水 第3木 23小学校区 24協議会 37団体 19地区 - 103 - 273 264 9 西区 小学校区 ( 旧) ふれあいのまち づくり協議会 ふれあい 給食 ※1 ふれあい 喫茶※2 東町 学園東 第3 木 第3木 小寺 学園西町 第3 木 第2金 長坂 長坂 第2 火 第1土・年10回 有瀬 有瀬 第2 火 地区 友愛訪問 ※4 地区民児協※3 定数 実数 欠員数 訪問対象者 グループ数 学園都市 22 22 0 10 1 長坂 16 16 0 47 3 − 有瀬 16 16 0 - - 井吹台 14 14 0 11 3 伊川谷 26 26 0 5 1 井吹東 井吹東 第2 木 第1水 太山寺 太山寺 − − 伊川谷 伊川谷 第3 火 − 井吹西 井吹西 第2 火 第3火・8月休 井吹西 12 12 0 10 2 櫨谷 櫨谷 第4 金 櫨谷 10 10 0 - - 竹の台 竹の台 第1水 竹の台 9 7 2 74 4 樫野台 樫野台 − − 第4水+3回 15回 ( 第5水) 春日台 春日台 第3 金 第1金・年11回 西神西 17 17 0 - - 糀台 糀台 第3 火 ( 第4日) 狩場台 狩場台 第1火 第2火 第3水・年11回 西神東 16 14 2 35 4 高和 高和 − − 北山 北山 第3 水 第1日 ( 第2月) 押部谷西 25 23 2 51 2 月が丘 月が丘 1 5 日前後 ( 月1 ) 第4木・12月休 押部谷 押部谷 第1 土 第4水・年10回 木津 押部谷東 第1 月 第2月・8月休 押部谷東 9 9 0 86 2 桜が丘 桜が丘 第1 水 第3火 桜が丘 12 12 0 68 1 高津橋 高津橋 第3火 奇数月・第2木 玉津東 21 21 0 50 7 玉津第一 玉津 第2 金 第3土 枝吉 枝吉 第4 火 第1土 玉津西 38 36 2 64 6 出合 出合 第3 水 第2土・年10回 美賀多台 美賀多台 第2 木 第4水 美賀多台 11 11 0 8 1 平野 平野 第4 金 ( 不定期) 平野 15 15 0 52 1 神出 第1 火 第2土 年7回不定期 神出 19 19 0 16 2 岩岡第1 第1金 年5回 岩岡第2 − − 岩岡 23 21 2 47 9 331 321 10 634 49 神出 岩岡 28小学校区 29協議会 27団体 19地区 - 104 - 参考2 ひとりぐらし高齢者ふれあい給食会活動の推移 区 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 団体数 19 19 19 20 20 東灘 参加高齢者数 1,162 1,158 1,126 1,149 1,187 ボランティア数 368 374 382 369 363 団体数 20 20 19 20 20 灘 参加高齢者数 605 563 563 519 665 ボランティア数 215 208 208 381 366 団体数 23 23 22 22 22 中央 参加高齢者数 716 732 709 706 914 ボランティア数 231 223 221 228 222 団体数 30 30 30 29 31 兵庫 参加高齢者数 1,290 1,230 1,177 1,158 1,175 ボランティア数 443 402 377 377 433 団体数 33 32 33 33 34 北 参加高齢者数 1,048 1,048 1,030 1,014 1,097 ボランティア数 501 482 483 487 552 団体数 29 29 33 32 31 長田 参加高齢者数 1,330 1,344 1,391 1,734 1,549 ボランティア数 274 330 285 605 547 団体数 36 37 39 38 39 須磨 参加高齢者数 1,533 1,190 1,189 1,733 1,672 ボランティア数 706 675 728 736 719 団体数 38 38 38 38 39 垂水 参加高齢者数 1,641 1,563 1,567 2,198 2,249 ボランティア数 777 754 759 786 759 団体数 28 27 27 27 25 西 参加高齢者数 680 749 777 619 976 ボランティア数 567 375 383 393 553 団体数 256 255 260 259 261 合計 参加高齢者数 10,005 9,577 9,529 10,830 11,484 ボランティア数 4,082 3,823 3,826 4,362 4,514 (出典)保健福祉局計画調整課提供資料に基づき作成 ふれあい給食の実施団体数,対象者数等は,団体数はほぼ横ばいである。また,参加高 齢者数及びボランティア数は平成 21・22 年度に減少傾向にあるものの,その後,増加に 転じている。 - 105 - 参考3 民生委員の活動状況について(区役所の調書を集計) (1)平成 24 年度実績 東灘 民生委員数 灘 中央 兵庫 北 長田 須磨 垂水 西 計 230 193 193 196 290 240 217 265 314 2,138 4,632 2,853 6,977 4,649 9,327 7,371 6,818 7,745 4,724 55,096 その他の活動件数 23,473 23,458 19,915 23,533 36,227 28,654 26,726 32,656 34,338 248,980 訪問回数 67,830 86,790 32,452 45,195 88,812 107,043 92,020 149,447 54,247 723,836 連絡調整回数 21,489 17,440 14,840 14,320 (出典)区役所から提供を受けた調書に基づき作成 28,965 25,265 26,460 34,806 19,823 203,408 長田 須磨 垂水 相談支援件数 (2)平成 24 年度実績(1 人あたり) 東灘 相談支援件数 灘 中央 兵庫 北 西 計 20 15 36 24 32 31 31 29 15 26 その他の活動件数 102 122 103 120 125 119 123 123 109 116 訪問回数 295 450 168 231 306 446 424 564 173 339 73 100 105 122 131 63 95 連絡調整回数 93 90 77 (出典)区役所から提供を受けた調書に基づき作成 (3)新任民生委員の資質向上 今回の一斉改選では,新任の民生委員は 437 名であり,配置数に占める割合は約 21% となっている。各区民児協事務局では,平成 25 年 12 月に半日程度の新任研修を行い, その後,市社協及び本市でも新任研修を開催し,資質向上を図っているところであるが, 西区民児協では新任民生委員を対象(毎年新任委員の 3 分の 1 ずつ)として,民生委員 児童委員福祉活動交流研修会を開催していた。また,長田区民児協では「よくある質問 集(FAQ)」を作成し,保健福祉部等職員が講師として地区民児協ごとで新任・再任の 民生委員の研修会を開催し,民生委員の資質向上に努めていた。 - 106 - 参考4 ひとりぐらし高齢者友愛訪問活動の推移 区 東灘 灘 中央 兵庫 北 長田 須磨 垂水 西 合計 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 団体数 対象者数 ボランティア数 訪問回数 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 64 62 61 66 66 890 845 845 888 864 332 271 271 317 312 2,815 2,765 2,627 4,808 2,908 83 83 83 86 86 1,060 1,024 1,077 1,096 1,103 426 425 428 429 425 2,071 2,003 1,708 4,681 10,810 108 108 106 109 93 1,089 1,013 1,022 1,052 921 562 549 538 525 455 2,486 2,301 1,746 3,633 3,089 185 186 181 180 179 2,597 2,500 2,418 2,361 2,145 1,046 1,043 1,020 996 985 4,875 4,686 4,483 12,672 12,523 187 189 186 201 205 2,704 2,690 2,672 2,473 2,851 1,032 990 963 1,011 1,027 5,210 4,364 4,606 12,123 16,359 332 333 329 341 340 2,940 2,316 2,896 3,005 2,980 1,715 1,703 1,659 1,647 1,642 11,224 11,177 10,815 15,232 14,054 134 136 137 139 137 2,545 2,436 2,621 2,569 2,429 769 738 781 765 735 6,352 5,647 5,730 19,990 19,545 210 222 240 259 265 2,791 2,941 2,987 3,290 3,523 1,114 1,166 1,208 1,324 1,340 3,055 3,837 4,186 30,823 26,961 46 43 44 49 48 527 531 548 572 578 306 282 292 325 314 2,008 2,020 2,092 1,270 1,804 1,349 1,362 1,367 1,430 1,419 17,143 16,296 17,086 17,306 17,394 7,302 7,167 7,160 7,339 7,235 40,096 38,800 37,993 105,232 108,053 (出典)保健福祉局計画調整課から提供を受けた資料に基づき作成 友愛訪問の推移は,団体数及び対象者数については,微増傾向にある。なお,安否確認 回数については,平成 23 年度より,対象者の自宅への訪問だけでなく,電話による安否確 認や対象高齢者の自宅外での声がけ等も安否確認の実績として計上することとしたため, 大幅に増加している。 - 107 - 参考5 地域での要援護者支援活動の取り組み事例 (1)支援条例施行後に協定を締結した地域での取り組み事例 ○専門家による人材派遣を用いた取り組み(兵庫区) 兵庫区の中部にある東山地区では,防災福祉コミュニティが,従前より要援護者 支援に関心を寄せていたが,支援条例施行に伴い「地域自立支援協議会」と連携し て,要援護者支援活動に係る協定書を締結し,本市の名簿情報の提供を受けた。 そして,支援計画の策定のため,本市の専門家(まちづくりの専門家)による人材 派遣の支援制度を利用し,平成 25 年 11 月から 4 回のワークショップを行い,平成 26 年 3 月に,名簿登録された要援護者全員の安否確認訓練を実施した。 (2)支援条例施行後に地域独自で要援護者の調査を行った地域での取り組み事例 ○チームディフェンス方式での取り組み(西区) 西区の井吹台(井吹東地区)では,事前に要援護者と支援者のマッチングを行わ ない「チームディフェンス方式」による支援を行うこととしており,災害時には, 参集したメンバーであらかじめ作成している「要援護者マップ」を頼りに,要援護 者宅を訪問し,支援の優先度を示す色分けされたシールを貼ることとしている(赤: 救助・支援の必要あり,黄:安否確認できず,緑:確認済みであり,支援の必要な し)。また,支援者の参集場所や安否確認の方法を示すマニュアルを作成している。 (3)条例施行前からの取り組み例 ○魚崎町防災福祉コミュニティの取り組み(東灘区) 東灘区の沿岸部にある魚崎町防災福祉コミュニティでは,平成 18 年 11 月から災害 時要援護者を地域住民(向こう三軒両隣)の協力により避難所まで誘導する支援活動 「地域みんなで助け隊」に取り組んでいる。 防災福祉コミュニティが要援護者情報(情報共有の同意)を収集し、登録された 要援護者情報を自治会役員(会長・副会長・各班長)と登録された「助け隊」で共有 して,防災訓練等を実施している。 平成 25 年 11 月の防災訓練では,車椅子やレスキューシートを使った要援護者の 魚崎小学校への避難訓練と避難所である魚崎小学校の実情確認を行っている。 ○地域自立支援協議会との協働の取り組み(兵庫区) 兵庫区では,区の防災訓練実施エリアの要援護者に「防災訓練への参加」と「要援 護者登録」についての呼びかけを,市から郵送で行い,情報を収集している。障がい 者の地域で自立した生活を支援する「地域自立支援協議会」と連携して,給水訓練や - 108 - 煙体験などを障がい者も一緒になって訓練を体験したり,避難所や福祉避難所の検証 も行うなど様々な防災訓練を実施している。 ○民生委員と他の地域団体の協働の取り組み(長田区) 長田区沿岸部の真野,真陽,二葉地区では,平成 22 年度以降,民生委員がひとりぐ らし高齢者等を中心に要援護者登録を呼びかけて情報を収集し,あんしんすこやかセ ンターの協力を得て要援護者登録名簿を作成している。 各地区では,民生委員,自治会役員,防災福祉コミュニティ役員が中心となって 支援者となり,要援護者とのマッチングを行い,安否確認・避難誘導訓練などを実 践している。 ○4 地区のふれあいのまちづくり協議会が連携した取り組み(西区) 西区の明石川と櫨谷川の合流点である玉津地区の玉津,出合,枝吉,高津橋の各ふ れあいのまちづくり協議会は,西区の「災害時一人も見逃さない運動」のモデル地区 として平成 23 年度より要援護者支援の活動に取り組んでいる。 災害時要援護者の把握は,高齢者については,民生委員の高齢者見守り活動の機会 を利用して要援護者登録の勧奨(情報提供の同意)を行い,障がい者については,区 役所が市の要援護者リストをもとにダイレクトメールを発送し登録の勧奨を行った。 また,登録者の所在情報を「見える化」するために福祉マップを作成し,地域の要援 護者情報を民生委員と行政で共有している。 要援護者を含めた防災訓練は,平成 24 年 9 月,玉津地区の 4 ふれあいのまちづくり 協議会と西区役所の合同防災訓練として,出合小学校区の要援護者(障がい者)の参 加を得て,出合小学校への避難誘導訓練を実施した。また,平成 25 年 9 月には,玉 津地区の 4 ふれあいのまちづくり協議会が主体的に前年度と同様の避難誘導訓練を実 施した。 ○地域ケアネットワーク会議の活用(東灘区) 地域で高齢者を支えるネットワークを構築するため,保健・医療・福祉の関係機関・ 関係団体が密接な連携を図りながら在宅ケアを推進することを目的に各区に地域ケ アネットワーク会議が設置されている。 東灘区役所では,この会議を活用して,平成 24 年度は「災害時の地域ネットワーク」, 平成 25 年度は「要援護者支援のネットワークをひろげる・ふかめる・たかめる」を テーマに,災害時の要援護者へのサポートについての情報や問題点の共有を進めてい る。 - 109 - 参考6 災害時要援護者支援(災害対策基本法,支援条例,地域防災計画との比較) 災害対策基本法 定義 避難行動要支援者の避難行動支援 に関する取組指針(内閣府) 神戸市における災害 時の要援護者への支 援に関する条例 避難行動要支援者 避難支援等関係者 避難行動要支援者名簿 要援護者 要援護者支援団体 要援護者台帳 神戸市地域防災計画 〈地震対策編〉 要援護者支援条例への対応 (神戸市災害時要援護者支援ガイド ライン等) 災害時要援護者 災害時要援護者リスト 避難行動要支援者名簿を作成 市長は 第7 条2 項の個人 保健福祉局で災害時要援護 「災害時要援護者リスト」を作成(H 要援護者名簿 しておかなければならない( 法 情報を要援護者台帳に登 者リストを作成・保管する(9− 19∼) 4 9 条の1 0 ) 。 録することができる( 第7 条 6−2)。 作成 3 項) 。 名簿の 外部提供 (平常時) 平常時より避難支援等の実施 に必要な限度で提供する( 法 4 9 条の1 1 Ⅱ) 。 本人の同意は , 平常時の提供 には 必要。 災害時不要( 法4 9 条の1 1 Ⅲ) 。 地域防災計画の定めるところに より, 消防機関, 都道府県警 察, 民生委員, 市町村社会福 名簿情報提供 祉協議会, 自主防災組織その 他の避難支援等の実施に携わ 先としての る関係者 要援護者支援 ( 法4 9 条の1 1 Ⅱ) 。 団体等 支援団体からの申請に基 づく( 第8 条1 項) 。 市長と支援団体で個人情 報の取扱いに関する協定 を締結( 第9 条) 。 本人の同意は , 平常時の 提供には 必要( 不同意の 明示がない時は 同意と推 定) ( 第7 条4 項) 。 災害時不要( 第1 3 条) 。 保健福祉局では,平常時個 人情報に関する協定を締結し た団体に対して,情報を提 供。平常時の提供には同意 が必要(9−6−1)。 災害時,同意は不要 (9−6−2)。 支援団体からの申請に基づき,個 人情報の取扱いに関する協定を締 結し,同意のあるものを「災害時要 援護者登録台帳」として提供 (H26.1.31 現在3地区4団体)。 防災福祉コミュニティ , ふ れあいのまちづくり協議 会, 自治会, 地区民生委 員・ 児童委員協議会, 消 防団, 地域自立支援協議 会その他団体で市長が認 めるもの( 第2 条1 項) 。 防災福祉コミュニティ,ふれあ いのまちづくり協議会,自治 会,地区民生委員・児童委員 協議会,消防団,地域自立 支援協議会等(9−6−1)。 条例の例示団体に加え 神戸市婦人団体協議会,神戸市社 会福祉協議会,各区社会福祉協議 会,友愛訪問ボランティアグルー プ,神戸市老人クラブ連合会,まち づくり協議会その他諸要件をみた す団体 (市ガイドライン) 地域行事への要援護者の参加の 支援団体は 市と協力し, 保健福祉局,各区及び消防 支援団体と締結する個人情報に係 呼びかけ,日頃からの声かけや見 平常時の声かけ, 防災訓 局は,連携して地域ぐるみで る協定書において,別表で例示す 避難行動支援 守り活動等,平常時からの地域づ 練の参加への働きかけ及 「災害から要援護者を守る」た る支援活動(平常時の声かけ等)を に係る地域づく くりを進めていくことが重要 び情報提供に努める( 第4 めの支援づくりを普及啓発す 実施可能な範囲で行う旨を定めて り (Ⅱ−5−3)。 条2 項Ⅰ) 。 る(9−6−1)。 いる。 保健福祉局,各区及び消防 局は,連携して地域ぐるみで 「災害から要援護者を守る」た めの支援づくりを普及啓発す る(9−6−1)。 地震発生後本庁内に,保健 福祉局・こども家庭局で「要援 護者支援本部」を開設する(9 −1−1)。 「神戸市における災害時の要援護 者への支援に関する条例」にかかる 計画の策定に関する検討会(危機 管理室、保健福祉局、消防局、各 区役所、市民参画推進局) 防災行政無線や広報車に加え, 多様な情報伝達の体制の 聴覚障害者には,広報紙, 携帯端末等多様な手段を活用す 整備に努める ホームページ,TVの広報の ること(Ⅰ−3−1)。 ( 第3 条3 項) 。 字幕放送の提供。 視覚障害者には,TV,ラジ オによる繰返しの情報提供及 び可能なかぎりの点字広報を 提供。 各種障害者団体,ボランティ ア団体等への情報提供。 避難所に文字放送TVの設 置、手話通訳者、要約筆記 者の派遣等に努める。 在宅の要援護者には民生委 員を通じて情報提供を行う(9 −1−3)。 ①マスコミ②ひょうご防災ネット③防 災行政無線④広報車⑤市ホーム ページ 要援護者(視覚、聴覚、知的・精神 障碍者)への情報提供への配慮事 項を例示。 (市ガイドライン) 市町村において,防災部局及び 福祉部局が中心となり,保健関係 部局,地域づくり担当部局も参加 した横断的な組織を設置すること が適切。またその中で役割分担を 横断的組織の 決定しておく(Ⅱ−5−1)。 横断的組織の確立及び窓 口の明確化を図り, 支援 業務に必要な情報の共有 及び活用に努めなければ ならない( 第3 条2 項) 。 確立及び窓口 の明確化 情報伝達 体制の整備 - 110 - 災害対策基本法 避難行動要支援者の避難行動支援 に関する取組指針(内閣府) 要援護者の 避難支援 避難支援等関係者等は提供され た名簿情報に基づいて避難支援 行うこと (Ⅰ−3−2)。 安否確認を行う際に,名簿を有効 に活用すること(Ⅰ−3−3)。 神戸市における災害 時の要援護者への支 援に関する条例 支援団体は 市と協力し, 災害時の情報提供, 避難 誘導, 安否の確認及び避 難生活の支援等に努める ( 第4 条2 項Ⅱ) 。 神戸市地域防災計画 〈地震対策編〉 民生委員は地域住民の協力 を得ながら,要援護者の安否 確認等を行う (9−2−1)。 市町村は,避難支援等関係者等 支援団体は 支援計画の策 記述なし と連携しつつ,個別計画の策定を 定に必要な措置を講じるよ 進めていくこと(Ⅱ−4−1)。 う努める( 第4 条) 。 策定に当たっては 市と支 個別計画の策定 援団体は 互いに協力する よう努めなければならない ( 第1 4 条) 。 福祉避難所 (災害が発生し,必要と認められる 場合は,直ちに福祉避難所を設 置し,福祉避難所に避難すること が必要な要配慮者を避難するこ とー避難所における良好な生活 環境の確保に向けた取組指針 (内閣府))。 (福祉避難所において相談等に 当たる職員は,避難者の生活状 況等を把握し,介護保険法等によ り提供される介護を行う者(ホーム ヘルパー等)の派遣等,避難者が 必要な福祉サービスや保健医療 サービスを受けられるよう配慮する こと。福祉避難所に相談等に当た 福祉避難所 る介助員等を配置し,日常生活上 の支援を行うこと。また,要配慮者 の運営 の特性に応じた福祉用具を備え ておくことが望ましいことー避難所 要援護者支援条例への対応 支援団体と締結する個人情報に係 る協定書において,別表で例示す る支援活動(安否確認,避難誘導, 避難生活支援等)を実施可能な範 囲で行う旨を定めている。 支援団体と締結する個人情報に係 る協定書において,別表で例示す る支援活動(支援計画の策定等)を 実施可能な範囲で行う旨を定めて いる。 神戸市老人福祉施設連盟加盟施設 106 市長は , 福祉避難所の整 備に努める( 第1 8 条) 。 民間施設等を福祉避難所 として活用できるよう協定 を締結し, 受入体制の整 備に努める ( 第1 8 条2 項) 。 民間社会福祉施設・地域福 祉センター・宿泊施設等を福 祉避難所として指定する(9− 6−3)。施設管理者は,発災 後すみやかに福祉避難所とし て機能するよう必要な措置を 講じる(9−3−3)。 市長は , 運営計画の策定 に努めるとともに, 専門的 な生活相談, 福祉サービ ス を受けることができるよう 適切な運営に努める ( 第1 9 条) 。 運営に当たる人材の確保 のため, 社会福祉施設, 障害者団体等との間で協 定を締結し運営体制の整 備に努める ( 第1 9 条2 項) 。 小規模災害等で,区からの派 神戸市老人福祉施設連盟と運営マ 遣職員等で24時間運営可能 ニュアルの内容を協議中 な場合や専門性の高いサー ビスや設備を要しない場合 は,地域福祉センターを利 用。ボランティア等で運営協 力が可能なら協力を求める。 必要に応じてヘルパー等を派 遣。 それ以外で民間社会福祉施 設を利用する場合は,開設・ 運営を施設職員が行い,人員 確保が必要な場合は,災害 ボランティアセンターで専門 的福祉ボランティア等の派遣 を要請(9−3−3)。 における良好な生活環境の確保 に向けた取組指針(内閣府) )。 - 111 - 地域福祉センター等 213 一般宿泊施設 2 計 321箇所指定 (平成25年12月現在) 参考7 被災都市の災害時における要援護者支援活動の検証・総括 1.兵庫県佐用町「台風第 9 号災害検証報告書」(平成 22 年 7 月) 提言 検証項目 (1)在宅の災害時要援護者への支援 ①事前の取組み(情報収集、支援体制 の構築など) ・地域による災害時要援護者マップの作成が必要である。 ・災害時要援護者に関する事前の情報収集と情報共有が 必要である。 ②避難の支援 ・地域全体で災害時要援護者を支援する仕組みを構築す ③障がい者・外国人等への情報伝達 る必要がある。 ・災害時要援護者に対する避難準備情報等を迅速・的確 (2)社会福祉施設への支援 に伝達する必要がある。 ①社会福祉施設の避難支援 ・災害時要援護者施設と緊急避難の支援体制の構築を図 る必要がある。 ・災害時要援護者の避難生活支援のため,町内の福祉施 設を活用できるよう,協定を締結しておくことが望ま しい。 2.仙台市「東日本大震災 仙台市震災記録誌」(平成 25 年 3 月) 主な総括事項 第8章 福祉・医療・保健 第1節 高齢者施策の状況等 ①在宅高齢者への支援 ・民生委員児童委員,町内会,地域包括支援センター等が連携を強化し,災害時における連絡 体制を構築する必要がある。 ・開設した福祉避難所の情報をどのように周知するか,その方法を検討する必要がある。 ②高齢者福祉施設への支援 ・高齢者福祉施設と地域の日頃の繋がりが,大規模災害時にいかに大事か改めて認識する機会 となった。 ・非常用自家発電機の機能増強及び燃料や食料,医療的なケアに必要な物資等の確保等,防災 機能を高める取組みを進めることが必要である。 第2節 障害者施策の状況等 ・障害福祉サービスを利用していない方で,地域との繋がりが薄く,支援を必要としている方に 対しても,もれなく支援が行き届く体制を築く必要がある。 ・市民に対する障害理解の促進を図るとともに,地域団体が住民同士の助け合いに積極的に取り 組む地域づくりをすすめられるよう,支援の検討が必要である。 ・支援を求める被災者に,障害者団体,支援団体,法人等による支援を繋げる仕組みづくりを 進める必要がある。 - 112 - 3.岩手県大槌町 「東日本大震災検証報告書(中間報告)」(平成 25 年 11 月) 災害対応の問題点と原因 防災対策の方向性 要援護者をもつ家族は,避難の負担が大きく,避 要援護者の避難支援策,要援護者家族への自 難の意思決定が遅れたり,避難路の階段を上れず 助・共助の啓発,高台への住まいの移転促進, に、犠牲になった。 避難路の安全確保(バリアフリー)などを行う。 町会役員等の支援者が,要援護者等の避難支援な 支援者の安全確保のため, 「要援護者支援(避難 どに没頭し,避難のタイミングを逃し,犠牲にな 誘導等)に関するルールを町・地区レベルで検 った。 討し,避難計画に定める。 福祉避難所の数が少なく,避難所における福祉機 福祉避難所の指定数の拡大,避難所の福祉機能 能不十分であったことなどから,要援護者が避難 の充実,「福祉避難所運営マニュアル」(仮)の 生活で様々な問題を抱えた。 作成,福祉事業者と町内会等との「災害時協力 協定」(仮)の締結などを推進する。 ボランティアセンター開設・運営方法が分からず, ボ ラン ティ ア等 との 連携 ・協 働体 制を 整備 し , その開設・運営を応援部隊の支援を受けて実施し 「ボランティセンター運営マニュアル」 (仮)を た。 作成する。 4.岩手県陸前高田市 「陸前高田市東日本大震災検証報告書(案)」(平成 26 年 2 月) 問題点・課題 要因 ・災害時要援護者の避難支援に携わった区 ・災害時の要援護者の避難支援については,具体的な 長や民生委員児童委員の中から支援活動 避難誘導や退避方法が確立されていなかった。 中に犠牲者が発生した。 ・消防団や自主防災会等において個人情報 ・災害時要援護者の所在確認の仕組みは,構築しつつ 保護の観点から,災害時要援護者の所在 あったが,個人情報保護法の制約もあり,消防団や 情報を共有できていなかった。 自主防災会等へ事前に情報の提供は困難であった。 ・避難所では,災害時要援護者に対して十 分な支援が行き渡らなかった。 ・福祉避難所として指定していた施設はなかった。ま た,要援護者の支援は,同時に複数の人数を支援し なければならない,支援者の負担が増えている。 ・人口透析患者の所在確認や人口透析施設 の確保が困難であった。 ・市内の人口透析施設が津波による被害を受けたため, 人口透析の患者を市外へ移送する必要があった。 - 113 - 参考8 要援護者支援関連の決算・予算 1.防災福祉コミュニティ 防災福祉コミュニティの育成 (単位:千円) 平成23年度 平成24年度 平成25年度 (決算) (決算) (予算) 国県支出金 財源内訳 その他 一般財源 30,469 29,771 30,280 - - 30,280 567 31,036 634 30,405 682 30,962 - - 682 30,962 平成23年度 平成24年度 平成25年度 (決算) (決算) (予算) 国県支出金 291,395 292,187 293,040 30,810 31,783 33,484 52,060 51,980 52,124 10,773 475 385,038 376,425 378,648 - 財源内訳 その他 - 平成23年度 平成24年度 平成25年度 (決算) (決算) (予算) 国県支出金 50,992 50,943 51,210 50,992 50,943 51,210 34,619 31,380 31,473 34,215 30,829 30,858 404 551 615 195,645 196,795 199,472 145,935 145,913 146,000 49,710 50,882 53,472 68,599 64,851 71,993 42,655 672,495 705,765 765,852 285,210 269,500 269,452 269,500 134,750 16,734 12,130 11,520 6,060 166,175 181,498 241,117 220,086 220,086 220,420 130,599 22,599 23,295 13,801 1,022,350 1,049,734 1,120,000 327,865 財源内訳 その他 15,118 292,296 241,117 46,288 4,891 307,414 平成23年度 平成24年度 平成25年度 (決算) (決算) (予算) 国県支出金 地域での取り組み支援 562 3,038 7,437 保健福祉局 562 3,038 3,417 区役所 3,521 消防局 499 福祉避難所関連 109,890 96,145 127,274 7,882 地域福祉センターのバリアフリー化など 109,890 96,145 111,509 防災行政無線ラジオ型受信機 15,765 7,882 財源内訳 その他 7,094 7,094 その他 計 2.ふれあいのまちづくり 運営交付金等 ふれあいのまちづくり助成 地域活動推進員 その他 計 (単位:千円) 3.地域見守り関連事業 ふれあい給食 活動助成 友愛訪問 活動助成 その他 民生委員 活動助成 その他 地域福祉活動コーディネーター 地域見守り活動推進 見守り推進員 コミュニティサポートグループ育成支援 高齢者自立支援拠点づくり事業 LSA派遣事業 高齢者見守り調査 計 業務量 平成24年度末 189地区(運営) 26地区31件(提案型) 一般財源 293,040 33,484 52,124 378,648 業務量 平成24年度末 191箇所 1,042件 11名 (単位:千円) 4.要援護者支援条例関連 一般財源 51,210 51,210 31,473 30,858 615 199,472 146,000 53,472 14,220 188,346 134,750 5,460 43,533 4,603 484,721 業務量 平成24年度末 261団体 1,419団体 2,104名 9名 77名 327グループ あんしんすこやかルーム 42か所 39住宅、54名 (単位:千円) - 114 - 一般財源 7,437 3,417 3,521 499 112,298 111,509 789 業務量 平成24年度末 ― ― ― ― 監 査 報 告 第 3 号 平成26年3月14日 財 政 援 助 団 体 等 監 査 結 果 報 告 〔神 戸 市 立 海 外 移 住 と 文 化 の 交 流 セ ン タ ー 指 定 管 理 者 〕 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 阪 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 7 項の規定に基づき実施した平成 25 年度財政援助団体等監査について,同 条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を次のとおり決定した。 1 監 査 の 対 象 神戸市立海外移住と文化の交流センター指定管理者(以下「指定管理者」という。)における神 戸市(以下「本市」という。 )からの公の施設の指定管理に係る出納及びその他の事務で,主として 平成 24 年度執行の事務 2 監 査 の 期 間 平成 25 年 8 月 28 日∼平成 26 年 3 月 14 日 3 監 査 の 方 法 監査は,公の施設の指定管理に係る出納その他の事務が法令等に基づき適正に行われているかに ついて,関係書類の調査とともに,関係職員に対する質問等の方法により実施した。 - 115 - 4 事 業 の 概 要 ⑴ 神戸市立海外移住と文化の交流センター(以下「交流センター」という。 ) 交流センターは,海外移住の歴史及び意義の継承,地域に在住する外国人等との交流並びに国 際的な芸術の交流を通じて,多様な文化が共生するまちづくりに資することを目的に設置されて いる。 所在地 神戸市中央区山本通 3 丁目 19 番 8 号 施設概要 延床面積 4,052.97 ㎡ 内 容 展示室(移住ミュージアム) ,活動支援室(在住外国人支援) , 創作室・ギャラリー(国際芸術交流) ,会議室,駐車場ほか 開館時間 移住ミュージアム 10:00∼17:00,移住ミュージアム以外の施設 9:00∼22:00 (休館日 毎週月曜日,年末年始(12 月 29 日から 1 月 3 日)) 入場料 無料(貸会議室,駐車場等は有料) 施設開設年月日 平成 21 年 6 月 3 日 ⑵ 指定管理者及び選定理由 ① 指定管理者 海外移住と文化の交流センター共同事業体 代表者 株式会社カワサキライフコーポレーション (その他の構成員) 財団法人 日伯協会 特定非営利活動法人 関西ブラジル人コミュニティCBK C.A.P(特定非営利活動法人 芸術と計画会議) ② 選定理由 指定管理者から提出された提案等について,指定管理者選定評価委員会で総合的に評価され た結果,施設の設置目的に沿った具体的,魅力的な事業及び組織,人員体制が他の候補者の提 案より優れていることから,選定されている。 ⑶ 指定期間 平成 21 年 6 月 3 日∼平成 25 年 3 月 31 日 (第 2 期:平成 25 年 4 月 1 日∼平成 29 年 3 月 31 日) - 116 - ⑷ 指定管理業務 指定管理者が行う業務は,移住ミュージアムの運営事業,在住外国人の支援事業,国際芸術交 流事業,貸会議室に関する業務,施設の維持管理・運営に関する業務等であり,主な業務量の比較 は第 1 表のとおりである。 第 1 表 業 務 量 の 比 較 項 目 入 平成24年度 館 者 数 う ち 移 住 ミ ュ ー ジ ア ム う ち各 種語 学教 室( ※) 平成23年度 59,275人 18,343人 3,746人 47,694人 18,853人 2,926人 対前年度 増 減 対前年度 増 減 率 11,581人 △510人 820人 24.3 △ 2.7 28.0 ※「子どものための日本語教室」「子どものためのポルトガル語教室」「日系人のための日本語教室」 「日本人向けのポルトガル語教室」ほか ⑸ 指定管理料等 指定管理業務に係る指定管理料は第 2 表のとおりである。 なお,貸会議室や駐車場などの使用料は,指定管理者が利用者より徴収した後本市に払い込ん でいる。 第 2 表 指 定 管 理 料 の 比 較 (単位 金額:千円) 平 成 24 年 度 金 指 定 ( う 管 ち 修 理 繕 費 額 構 成 比 率 平 成 23 年 度 金 額 構 成 比 率 対 前 年 度 増 減 対前年度 増 減 率 料 47,696 100.0 47,092 100.0 604 1.3 ) (1,837) (3.9) (1,233) (2.6) (604) (49.0) ※ 修繕費は施設の補修・小修繕に係るものであり,年度終了後精算している。 ⑹ 指定管理者選定評価委員会による評価 指定管理の管理運営に対する評価は,学識経験者や弁護士,公認会計士等の専門家等で構成さ れる指定管理者選定評価委員会で毎年度評価され,その結果は本市のホームページで公表されて いる。 今回の監査対象となった指定管理者の管理運営に対する平成 24 年度の総合評価は 5 段階評価 (AAA,AA,A,B,C)のうち,AA(運営内容が目標や計画・過去実績等をやや上回っている) となっており,その所見は「入館者数が増加していることは,共同事業体の運営が良好であるこ とと理解できる。 」 「認知度の向上やPRの成果もあり,大学研究グループ等の来館が増えている 点も評価できる」などとなっている。 - 117 - 5 監 査 の 結 果 交流センターの指定管理に係る出納その他の事務について監査した結果,条例・指定管理協定書 等に従っておおむね適正に管理運営されているものと認められたが,事務の一部について,下記の ような改善を要する事例があった。 本市所管局においては指定管理者が今後適正な事務処理に努められるよう指導されたい。 また,指定管理者においては,今後とも多様な文化が共生するまちづくりに資するよう事業運営 に努められたい。 ⑴ 指摘事項 ① 使用料に関して指定管理協定書に基づいた事務処理をするべきもの 交流センターの指定管理協定書では,指定管理者は使用料を徴収したときは,指定管理者代 表者の専用口座(決済用預金)に日々入金し,月末で集計して,翌月の 10 日までに本市の納付 書により払い込まなければならないと定めているが,使用料を約 1 月分まとめて専用口座に入 金しており,また期日を経過して払い込まれていた。 指定管理者は, 指定管理協定書に基づいて適正かつ迅速な事務処理を行うべきである。また, 本市所管局は指定管理者に対して適正な事務処理をするよう求めるべきである。 (事例) 月 別 4 月分 指定管理者が 市へ報告した日 H24.5.5 払込日 H24.5.14 指定管理協定 書の払込期日 H24.5.10 払込金額 166,100 円 (中略) 12 月分 1 月分 2 月分 3 月分 H25.1.10 H25.2.8 H25.3.5 H25.4.5 H25.1.17 H25.2.19 H25.3.13 H25.4.18 - 118 - H25.1.10 H25.2.10 H25.3.10 H25.4.10 105,800 円 111,700 円 148,600 円 124,750 円 ② 使用料を条例に定められた期日で収入するべきもの 活動支援室は 1 年を超えない期間で使用許可をすることができ,その使用料について,神戸 市立海外移住と文化の交流センター条例第 10 条では, 使用許可を受けた者は毎月 5 日までにそ の月分を納付しなければならない,と定めているが,指定管理者はこの期日を経過して使用料 を徴収していた。 条例に定められた期日までに徴収するべきである。 (事例) 月 別 4 月分 5 月分 6 月分 7 月分 活動支援室 1 入居団体A H24.4.24 H24.5.6 期日内徴収 H24.7.7 納 付 日 活動支援室 2 入居団体B 入居団体C 期日内徴収 H24.4.10 H24.5.13 H24.5.8 期日内徴収 H24.6.10 期日内徴収 H24.7.6 条例上の 納付期限 H24.4.5 H24.5.5 H24.6.5 H24.7.5 ※活動支援室の使用料:1 室1箇月につき 20,000 円。なお,活動支援室 2 の使用料は,入居 団体が,半額ずつ負担している。 ⑵ 意見 ① 共同事業体協定書ひな型に準じた協定書の締結について 交流センターの指定管理者構成員間で締結している「神戸市立海外移住と文化の交流センタ ー指定管理者共同事業体協定書」 (以下「交流センター共同事業体協定書」という。 )では,本 市の「公の施設の指定管理者制度運用指針 運用マニュアル(様式集)共同事業体協定書のひ な型」 (以下「協定書ひな型」という。 )で示されている取引金融機関(第 10 条) ,決算(第 11 条) ,利益金の配当の割合(第 12 条),欠損金の負担の割合(第 13 条)が盛り込まれていなか った。 協定書ひな型は,施設の特性等に応じて適宜必要な修正を加えることができるとされている が,交流センター共同事業体協定書に盛り込まれていなかった事項は共同事業体を運営するに あたっては重要なものである。 本市所管局は,協定書ひな型の条文の必要性を検証し,共同事業体の運用がより良いものと なるよう,今後共同事業体を指定管理者として選定する際は,協定書ひな型に準じた共同事業 体協定書を締結するよう指定管理者を指導されたい。 なお,現行の指定管理者制度は,本市に共通する事項であるため,平成 25 年度財務定期監 査の「内部統制の実施状況」にも意見を付している。 - 119 - 凡 例 1 文中で用いる金額は,原則として千円の位以下を省略し,万円単位で表示している。 2 各表中の金額は,原則として百円の位を四捨五入し,千円単位で表示している。したが って合計と内訳の計が一致しない場合がある。 3 各表中の比率は,百分率で表示し,小数点以下第 2 位を四捨五入している。したがって 合計と内訳の計が一致しない場合がある。 4 各表中の符号の用法は,次のとおりである。 「0」及び「0.0」 -------- 該当数値はあるが,単位未満のもの。 対前年増減額及び率の場合は,零を含む。 「−」 ---------------- 該当数値なし,算出不能又は無意味のもの。 「ほぼ皆増」 ---------- 増加率が 1,000%以上のもの。 5 文中及び各表中でいう消費税とは「消費税」および「地方消費税」をいう。 - 120 - 監 査 報 告 第 4 号 平成26年3月14日 財 政 援 助 団 体 等 監 査 結 果 報 告 〔神 戸 市 立 地 域 人 材 支 援 セ ン タ ー 指 定 管 理 者 〕 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 阪 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 7 項の規定に基づき実施した平成 25 年度財政援助団体等監査について,同 条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を次のとおり決定した。 1 監 査 の 対 象 神戸市立地域人材支援センター指定管理者(以下「指定管理者」という。)における神戸市(以 下「本市」という。 )からの公の施設の指定管理に係る出納及びその他の事務で,主として平成 24 年度執行の事務 2 監 査 の 期 間 平成 25 年 8 月 28 日∼平成 26 年 3 月 14 日 3 監 査 の 方 法 監査は,公の施設の指定管理に係る出納その他の事務が法令等に基づき適正に行われているかに ついて,関係書類の調査とともに,関係職員に対する質問等の方法により実施した。 4 事 業 の 概 要 ⑴ 神戸市立地域人材支援センター(以下「人材支援センター」という。) 人材支援センターは,市民が行う地域活動に一層多くの市民が参加することができるように支 援するとともに,地域社会に関連する様々な交流,学び,歴史,文化及びものづくりに市民が触 れることができる機会を設け,もって地域の活性化を担う人材の育成に資することを目的に設置 - 121 - されている。 所在地 神戸市長田区二葉町 7 丁目 1 番 18 号 施設概要 延床面積 3,313 ㎡ 内 容 会議室,多目的室,講堂,調理室,駐車場ほか 施設開設年月日 平成 22 年 11 月 19 日 ⑵ 指定管理者及び選定理由 ① 指定管理者 特定非営利活動法人ふたば ② 選定理由 旧二葉小学校を活用した地域の活性化事業について,地元が本市に提案し旧二葉小学校が残 った経緯があり,地元自らが地域活性化事業や管理運営を実施することにより,条例の目的で ある地域の活性化を担う人材育成をより効果的に達成することができるため,地元で組織され た特定非営利活動法人ふたばが指定管理者として適当であるとして,指定管理者選定評価委員 会で選定されている。 ⑶ 指定期間 平成 22 年 11 月 19 日∼平成 26 年 3 月 31 日 ⑷ 指定管理業務 指定管理者が行う業務は,貸会議室に関する業務,施設の維持管理に関する業務,各種講座や 人材育成など地域活性化に関する事業等であり,主な業務量の比較は第 1 表のとおりである。 第 1 表 業 務 量 の 比 較 項 目 利 用 人 会 貸 実 目 理 室 室 平 的 ・ 均 稼 楽 働 堂 室 19.4 33.0 △ 15.0 47.5 率 46.6% 33.7% 12.9% 38.3 8件・1,721人 7校・579人 11件・380人 10件・164人 3件・420人 31講座・3,922人 4,930人 3件・444人 5校・168人 5件・157人 32件・655人 5件・446人 11講座・1,324人 4,716人 1,277人 411人 223人 △491人 △26人 2,598人 214人 287.6 244.6 142.0 △ 75.0 △ 5.8 196.2 4.5 歴 史 講 座 食 文 化 講 座 音 楽 コ ン サ ー ト ・ 講 座 ス ら メ く ル 講 at 対前年度 増 減 率 9,666人 3,483人 3,515人 △2,149人 4,817人 施 事 業 ・ 講 座 等 震 災 体 験 学 習 出 前 講 座 震 災 体 験 学習 受入 事業 (市 外) 楽 コ 対前年度 増 減 53,112人 17,976人 10,657人 14,347人 10,132人 室 音 平成23年度 62,778人 21,459人 14,172人 12,198人 14,949人 数 室 議 多 講 調 平成24年度 座 NAGATA - 122 - 18.2 ⑸ 指定管理料等 指定管理業務に係る指定管理料及び利用料金収入(人材支援センターの貸会議室等の利用に係 る料金で,指定管理者の収入となるもの)は,第 2 表のとおりである。 第 2 表 指 定 管 理 料 等 の 比 較 (単位 金額:千円) 平 成 24 年 度 金 指 構 成 比 率 対 前 年 度 増 減 対前年度 増 減 率 72.9 30,388 76.3 3,004 9.9 ( う ち 修 繕 費 等 ) (125) (0.3) (94) (0.2) (31) (33.0) 12,384 27.1 9,460 23.7 2,924 30.9 料 理 額 33,392 用 管 金 料 利 定 額 平 成 23 年 度 構 成 比 率 金 収 入 ※ 修繕費等は施設の補修・小修繕に係るものであり,年度終了後精算している。 ⑹ 指定管理者選定評価委員会による評価 指定管理の管理運営に対する評価は,学識経験者や弁護士,公認会計士等の専門家等で構成さ れる指定管理者選定評価委員会で毎年度評価され,その結果は本市のホームページで公表されて いる。 平成 24 年度の評価内容としては, 「利用率,利用収入が大きく目標を上回っており,伸び盛り といった印象を受ける。 」 「引き続き人材育成事業を開発してほしい。 」などとなっている。 なお,指定管理者は公募外で選定されているため,5 段階評価(AAA ,AA,A,B,C)は行われ ていない。 5 監 査 の 結 果 人材支援センターの指定管理に係る出納その他の事務について監査した結果,条例・指定管理協 定書等に従っておおむね適正に管理運営されているものと認められたが,事務の一部について,下 記のような改善を要する事例があった。 本市所管局においては指定管理者が今後適正な事務処理に努められるよう指導されたい。 また,指定管理者においては,今後とも,地域団体やNPO,地域ボランティア等とのより一層 の協力体制のもとに,人材支援センター事業を展開されたい。 ⑴ 意見 ① 貸会議室のキャンセル受付日の記録について 人材支援センターの会議室等(講堂を除く)について,利用日の 1 週間前の日(休館日の場合 は翌日)までにキャンセルを受け付けた場合は,使用料を全額返還している。 しかしながら,キャンセルを受け付けた日を書面に記録していないため,利用日の 1 週間前 までのキャンセルかどうかを確認できない状態であった。 - 123 - キャンセル受付日は,使用料の返還を判断する基準日であることから,指定管理者が保管し ている施設使用申込書等にキャンセル受付日の記録を残すなどにより,キャンセル受付日が確 認できる適切な事務処理の検討をされたい。 凡 例 1 文中で用いる金額は,原則として千円の位以下を省略し,万円単位で表示している。 2 各表中の金額は,原則として百円の位を四捨五入し,千円単位で表示している。したが って合計と内訳の計が一致しない場合がある。 3 各表中の比率は,百分率で表示し,小数点以下第 2 位を四捨五入している。したがって 合計と内訳の計が一致しない場合がある。 4 各表中の符号の用法は,次のとおりである。 「0」及び「0.0」 -------- 該当数値はあるが,単位未満のもの。 対前年増減額及び率の場合は,零を含む。 「−」 ---------------- 該当数値なし,算出不能又は無意味のもの。 「ほぼ皆増」 ---------- 増加率が 1,000%以上のもの。 5 文中及び各表中でいう消費税とは「消費税」および「地方消費税」をいう。 - 124 - 監 査 報 告 第 5 号 平成26年3月14日 財 政 援 助 団 体 等 監 査 結 果 報 告 〔神 戸 市 立 こ う べ 市 歯 科 セ ン タ ー 指 定 管 理 者 〕 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 阪 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 7 項の規定に基づき実施した平成 25 年度財政援助団体等監査について,同 条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を次のとおり決定した。 1 監 査 の 対 象 神戸市立こうべ市歯科センター指定管理者(以下「指定管理者」という。)における神戸市(以 下「本市」という。 )からの公の施設の指定管理に係る出納及びその他の事務で,主として平成 24 年度執行の事務 2 監 査 の 期 間 平成 25 年 8 月 28 日∼平成 26 年 3 月 14 日 3 監 査 の 方 法 監査は,公の施設の指定管理に係る出納その他の事務が法令等に基づき適正に行われているかに ついて,関係書類の調査とともに,関係職員に対する質問等の方法により実施した。 4 事 業 の 概 要 ⑴ 神戸市立こうべ市歯科センター(以下「歯科センター」という。 ) 歯科センターは,一般の歯科診療所における治療が困難な者に係る歯科治療等を行うことを目 的に設置されている。 - 125 - 所在地 神戸市長田区二葉町 5 丁目 1 番 1-201 号 施設概要 延床面積 内 容 614.49 ㎡ 歯科診療台 6 台(内 2 台は個室) パノラマレントゲン 2 台,デンタルレントゲン 3 台 診療時間 毎週月曜日から金曜日 午前 9 時から 12 時 午後 1 時から 5 時 (休館日 土・日・祝日,年末年始(12 月 29 日∼1 月 3 日)) 施設開設年月日 平成 16 年 4 月 1 日(診療開始:平成 16 年 4 月 12 日) ⑵ 指定管理者及び選定理由 ① 指定管理者 公益社団法人 神戸市歯科医師会 ② 選定理由 歯科センターの管理運営にあたっては,高度な専門的知識及び地域の歯科診療所等との緊密 な連携が必要とされる。公益社団法人神戸市歯科医師会は,歯科センターの開設時(平成 16 年 4 月)より当該施設の管理運営を行っており,現在年間約 5,000 例以上の治療実績をあげて いる。また,市内の歯科診療所からの紹介も多く,病診・診診連携にも積極的に取り組み障害 者歯科治療において大きな役割を果たしているため,指定管理者として適当であるとして指定 管理者選定評価委員会で選定されている。 ⑶ 指定期間 平成 22 年 4 月 1 日∼平成 26 年 3 月 31 日 ⑷ 指定管理業務 指定管理者が行う業務は,障害者,高齢者その他の一般の歯科診療所での治療が困難な者に係 る歯科疾患に関する相談,指導,診断,治療及び機能回復訓練のほか,施設及び設備の維持管理 業務等であり,主な業務量の比較は第 1 表のとおりである。 第 1 表 業 務 量 の 比 較 項 目 診 受 療 日 平成24年度 平成23年度 対前年度 増 減 対前年度 増 減 率 数 245日 243日 2日 0.8 数 5,427人 5,366人 61人 1.1 者 他 4,580人 847人 4,339人 1,027人 241人 △180人 5.6 △ 17.5 一 般 診 療 全 身 麻 酔 そ の 他 4,816人 611人 4,799人 567人 17人 44人 0.4 7.8 診 者 ( 障 害 別 ) 心 身 障 害 有 病 者 そ の ( 診 療 別 ) - 126 - ⑸ 指定管理料等 指定管理業務に係る指定管理料及び利用料金収入(歯科センターの利用に係る料金(本人負担 分を含む診療報酬)で指定管理者の収入となるもの)は,第 2 表のとおりである。 なお,指定管理料は年度終了後速やかに精算することになっており,精算にあたっては歯科セ ンターの管理業務に要する費用から利用料金収入を差し引いた収支差額を指定管理料として算定 している。 第 2 表 指 定 管 理 料 等 の 比 較 (単位 金額:千円) 平 成 24 年 度 金 指 利 定 用 管 料 理 金 収 額 平 成 23 年 度 構 成 比 率 金 額 構 成 比 率 対 前 年 度 増 減 対前年度 増 減 率 料 57,222 40.2 53,550 42.2 3,672 6.9 入 85,017 59.8 73,243 57.8 11,774 16.1 ⑹ 指定管理者選定評価委員会による評価 指定管理の管理運営に対する評価は,学識経験者や弁護士,公認会計士等の専門家等で構成さ れる指定管理者選定評価委員会で毎年度評価され,その結果は本市のホームページで公表されて いる。 平成 24 年度の評価内容は, 「障害者,高齢者その他の一般の歯科診療所での治療が困難な者の ために,年間 5,000 人以上の歯科治療をし,患者数が年々増加している。これは当センターが広 く認知され, 地域の障害者歯科診療所としての役割が大きくなっていると考えられ,評価できる。 満足度調査においても多くの利用者が医療安全等について満足していることは評価できる。引き 続き,利用者のニーズを把握し,施設の運営に反映し,他の医療機関と連携し,安心で安全な歯 科医療を提供されたい。 」となっている。 なお,指定管理者は公募外で選定されているため,5 段階評価(AAA,AA,A,B,C)は行われ ていない。 5 監 査 の 結 果 歯科センターの指定管理に係る出納その他の事務について監査した結果,条例・指定管理協定書 等に従って適正に管理運営されているものと認められた。 指定管理者においては,今後とも,障害者など一般の歯科診療所での治療が困難な方々に安心・ 安全な歯科治療を提供されたい。 なお,歯科センターの指定管理料は,管理業務に要する費用から利用料金収入を差し引いた収支 差額で支払う仕組みとなっていることから,本市所管局においては,引き続き管理業務に要した費 用の内容について十分確認されたい。 - 127 - 凡 例 1 文中で用いる金額は,原則として千円の位以下を省略し,万円単位で表示している。 2 各表中の金額は,原則として百円の位を四捨五入し,千円単位で表示している。したが って合計と内訳の計が一致しない場合がある。 3 各表中の比率は,百分率で表示し,小数点以下第 2 位を四捨五入している。したがって 合計と内訳の計が一致しない場合がある。 4 各表中の符号の用法は,次のとおりである。 「0」及び「0.0」 -------- 該当数値はあるが,単位未満のもの。 対前年増減額及び率の場合は,零を含む。 「−」 ---------------- 該当数値なし,算出不能又は無意味のもの。 「ほぼ皆増」 ---------- 増加率が 1,000%以上のもの。 5 文中及び各表中でいう消費税とは「消費税」および「地方消費税」をいう。 - 128 - 監 査 報 告 第 6 号 平成26年3月14日 財 政 援 助 団 体 等 監 査 結 果 〔神 戸 こ ど も 初 期 急 病 セ ン タ ー 指 定 管 理 者 報 告 〕 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 阪 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 7 項の規定に基づき実施した平成 25 年度財政援助団体等監査について,同 条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を次のとおり決定した。 1 監 査 の 対 象 神戸こども初期急病センター指定管理者(以下「指定管理者」という。)における神戸市(以下 「本市」という。 )からの公の施設の指定管理に係る出納及びその他の事務で,主として平成 24 年 度執行の事務 2 監 査 の 期 間 平成 25 年 8 月 28 日∼平成 26 年 3 月 14 日 3 監 査 の 方 法 監査は,公の施設の指定管理に係る出納その他の事務が法令等に基づき適正に行われているかに ついて,関係書類の調査とともに,関係職員に対する質問等の方法により実施した。 - 129 - 4 事 業 の 概 要 ⑴ 神戸こども初期急病センター(以下「急病センター」という。 ) 急病センターは,夜間,休日等における小児の救急患者に必要な医療を提供することを目的に 設置されている。 所在地 神戸市中央区脇浜海岸通 1 丁目 4 番 1 号 施設概要 延床面積 内 容 1,279.88 ㎡ 診察室,処置室,トリアージ室,レントゲン室,駐車場ほか 診療時間 月曜日から金曜日 午後 8 時から翌朝 7 時(受付は各 30 分前) 土曜日 午後 3 時から翌朝 7 時(受付は各 30 分前) 日・祝日(年末年始) 午前 9 時から翌朝 7 時(受付は各 30 分前) 施設開設年月日 平成 22 年 12 月 1 日 ⑵ 指定管理者及び選定理由 ① 指定管理者 一般財団法人 神戸市小児救急医療事業団 ② 選定理由 一般財団法人 神戸市小児救急医療事業団は,急病センターの管理・運営のために,神戸市 医師会,神戸市小児科医会,神戸大学等市内の医療関係者の連携,協働により設立された団体 であり,臨床や研究などそれぞれが役割を発揮しながら,ノウハウを集結して事業を行うこと ができるため,指定管理者として適当であるとして指定管理者選定評価委員会で選定されてい る。 ⑶ 指定期間 平成 22 年 11 月 1 日∼平成 26 年 3 月 31 日 - 130 - ⑷ 指定管理業務 指定管理者が行う業務は,夜間・休日における小児初期救急診療,電話相談事業,小児救急に 関する知識の普及事業のほか,施設及び設備の維持管理業務等であり,主な業務量の比較は第 1 表のとおりである。 第 1 表 業 務 量 の 比 較 項 目 受 診 平成24年度 者 数 日 対前年度 増 減 平成23年度 対前年度 増 減 率 29,365人 32,602人 △3,237人 △ 9.9 9,241人 5,717人 9,903人 6,875人 △662人 △1,158人 △ 6.7 △ 16.8 14,407人 15,824人 △1,417人 △ 9.0 89.1人 40.6人 △8.6人 △2.9人 △ 9.7 日 80.5人 37.7人 日 119.1人 134.8人 △15.7人 △ 7.1 △ 11.6 日 200.1人 222.9人 △22.8人 △ 10.2 相 談 20,633件 18,999件 1,634件 8.6 マ マと パパ の医 療講 座( ※) 17回・830人 16回・471人 359人 76.2 平 土 日 1 日 曜 曜 平 日 均 ・ 受 診 祝 者 平 土 日 曜 曜 日 ・ こ ど も 急 病 電 話 祝 日 日 数 ※23年度は「おやこ教室」 ⑸ 指定管理料等 指定管理業務に係る指定管理料及び利用料金収入(急病センターの利用に係る料金(本人負担 分を含む診療報酬)で,指定管理者の収入となるもの)は,第 2 表のとおりである。 なお,平成 23 年度は,急病センターの利用に係る料金を本市の収入とし,急病センターの管理 業務に要した費用を指定管理料としていたが,平成 24 年度からは利用料金制を導入し,指定管理 料を急病センターの管理業務に要した費用から利用料金収入等を差し引いた額で精算している。 第 2 表 指 定 管 理 料 等 の 比 較 (単位 金額:千円) 平 成 24 年 度 金 指 定 管 理 額 平 成 23 年 度 構 成 比 率 金 対 前 年 度 増 減 構 成 比 率 額 対前年度 増 減 率 料 162,570 28.1 564,554 100.0 △ 401,984 △ 71.2 利 用 料 金 収 入 ( ※ 1 ) 411,474 71.1 - - 411,474 皆増 電 話 相 談 事 業 ( ※ 2 ) 4,322 0.7 - - 4,322 皆増 ※1 平成23年度の診療報酬は395,664千円 ※2 小児救急医療相談窓口運営費補助事業(兵庫県) - 131 - ⑹ 指定管理者選定評価委員会による評価 指定管理の管理運営に対する評価は,学識経験者や弁護士,公認会計士等の専門家等で構成さ れる指定管理者選定評価委員会で毎年度評価され,その結果は本市のホームページで公表されて いる。 平成 24 年度の評価内容は, 「市内の小児救急医療体制の維持が深刻な状態となっている中,急 病センターの開院後の二次・三次救急医療機関の患者受入れ割合は大幅に減少していることから, 急病センターの役割は非常に大きくなっており,十分に役割を果たしていると考えられる。平成 24 年度より利用料金制に変更しており,制度の趣旨を活かして,効率的な運用に努められたい。 今後も良質な初期小児内科の救急医療を提供していただき,市民の安心な子育て,子どもの健や かな成育に尽くしていただきたい。 」となっている。 なお,指定管理者は公募外で選定されているため,5 段階評価(AAA,AA,A,B,C)は行われ ていない。 5 監 査 の 結 果 急病センターの指定管理に係る出納その他の事務について監査した結果,条例・指定管理協定書 等に従って適正に管理運営されているものと認められた。 指定管理者においては,今後とも,医療関係機関・医療関係者との協力・連携のもとに適切な小 児初期救急診療を提供されたい。 なお,急病センターの指定管理料は,管理業務に要する費用から利用料金収入を差し引いた収支 差額で支払う仕組みとなっていることから,本市所管局においては,引き続き管理業務に要した費 用の内容について十分確認されたい。 凡 例 1 文中で用いる金額は,原則として千円の位以下を省略し,万円単位で表示している。 2 各表中の金額は,原則として百円の位を四捨五入し,千円単位で表示している。したが って合計と内訳の計が一致しない場合がある。 3 各表中の比率は,百分率で表示し,小数点以下第 2 位を四捨五入している。したがって 合計と内訳の計が一致しない場合がある。 4 各表中の符号の用法は,次のとおりである。 「0」及び「0.0」 -------- 該当数値はあるが,単位未満のもの。 対前年増減額及び率の場合は,零を含む。 「−」 ---------------- 該当数値なし,算出不能又は無意味のもの。 「ほぼ皆増」 ---------- 増加率が 1,000%以上のもの。 5 文中及び各表中でいう消費税とは「消費税」および「地方消費税」をいう。 - 132 - 監 査 報 告 第 7 号 平成26年3月14日 財 政 援 助 団 体 等 監 査 結 果 〔神 戸 市 立 青 少 年 科 学 館 指 定 管 理 者 報 告 〕 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 阪 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 7 項の規定に基づき実施した平成 25 年度財政援助団体等監査について,同 条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を次のとおり決定した。 1 監 査 の 対 象 神戸市立青少年科学館指定管理者(以下「指定管理者」という。)における神戸市(以下「本市」 という。 )からの公の施設の指定管理に係る出納及びその他の事務で,主として平成 24 年度執行の 事務 2 監 査 の 期 間 平成 25 年 8 月 28 日∼平成 26 年 3 月 14 日 3 監 査 の 方 法 監査は,公の施設の指定管理に係る出納その他の事務が法令等に基づき適正に行われているかに ついて,関係書類の調査とともに,関係職員に対する質問等の方法により実施した。 - 133 - 4 事 業 の 概 要 ⑴ 神戸市立青少年科学館(以下「科学館」という。 ) 科学館は,科学及び科学技術に関する知識の普及及び啓発を図り,もって創造性豊かな青少年 の育成に寄与することを目的に設置されている。 所在地 神戸市中央区港島中町 7 丁目 7 番地の 6 施設概要 延床面積 12,336 ㎡(本館 6,502 ㎡,新館 5,834 ㎡) 内 容 プラネタリウム(収容人員 300 名) 展示室(展示点数 約 430 点),研修室ほか 入館料 プラネタリウム:大人 400 円(320 円),小人 200 円(140 円) 常設展示 :大人 600 円(480 円),小人 300 円(210 円) ※( )内は団体利用(30 人以上)。金額は1人1回あたりの額。 開館時間 平日 9:30∼16:30 土・日・祝日・春・夏休み 9:30∼19:00(プラネタリウムは 20:00 まで) (休館日 毎週水曜日(祝日の場合は翌日),年末年始(12 月 28 日から 1 月 4 日)等) 施設開設年月日 昭和 59 年 4 月 29 日 ⑵ 指定管理者及び選定理由 ① 指定管理者 大阪ガスビジネスクリエイト 大阪ガスコミュニティライフ共同事業体 代表者 大阪ガスビジネスクリエイト株式会社 (その他の構成員) 大阪ガスコミュニティライフ株式会社 ② 選定理由 指定管理者から提出された事業計画や収支計画等について,指定管理者選定評価委員会で総 合的に評価された結果,経験をふまえた創意工夫のある優れた提案がなされていることから, 選定されている。 ⑶ 指定期間 平成 22 年 4 月 1 日∼平成 26 年 3 月 31 日 - 134 - ⑷ 指定管理業務 指定管理者が行う業務は,施設の維持管理・運営に関する業務,常設展示・プラネタリウムに 関する業務,天体観測室・科学情報室に関する業務等であり,主な業務量の比較は第 1 表のとお りである。 第 1 表 業 務 量 の 比 較 項 目 入 館 平成24年度 者 展 示 個 団 プ ラ ネ タ ラ 館 示 ネ タ リ ウ 個 団 入 展 プ 館 リ ウ 対前年度 増 減 平成23年度 対前年度 増 減 率 数 室 人 体 378,297人 238,074人 174,607人 63,467人 353,240人 221,903人 157,880人 64,023人 25,057人 16,171人 16,727人 △556人 10.6 △ 0.9 ム 人 体 140,223人 93,237人 46,986人 131,337人 83,791人 47,546人 8,886人 9,446人 △560人 6.8 11.3 △ 1.2 料 室 ム 63,076千円 41,626千円 21,450千円 59,707千円 40,080千円 19,626千円 3,369千円 1,546千円 1,824千円 5.6 3.9 9.3 213クラス 8,430人 176クラス 7,113人 37クラス 1,317人 21.0 18.5 外 活 動 おでかけかがくかん( ※) 7.1 7.3 ※ 平成22年度より科学館スタッフが神戸市内の学校園に出向いて,学習指導要領に沿った内容の授業 及び実演を実施している。 ⑸ 指定管理料等 指定管理業務に係る指定管理料は第 2 表のとおりである。 なお,使用料(入館料)は,指定管理者が利用者より徴収した後本市に払い込んでいる。 第 2 表 指 定 管 理 料 の 比 較 (単位 金額:千円) 平 成 24 年 度 金 額 平 成 23 年 度 構 成 比 率 金 額 構 成 比 率 対 前 年 度 増 減 対前年度 増 減 率 指 定 管 理 料 ( 定 額 分 ) ※1 374,000 99.3 374,000 99.5 0 0.0 ( う ち 修 繕 費 等 ) ※ 2 (30,750) (8.2) (30,750) (8.2) (0) (0.0) 指 定 管 理 料 ( 超 過 分 ) ※3 2,725 0.7 1,813 0.5 912 50.3 ※1 精算対象の修繕費等を含む ※2 修繕費等は施設の維持修繕,常設展示物の修繕,プラネタリウムの交換部品購入,植栽管理,教育普及事業 の企画運営費に係るものであり,年度終了後精算している。 ※3 指定管理協定書に基づき,プラネタリウム入館料で年額1,600万円を上回る部分は,上回った額の50%を定額 の指定管理料とは別に支払うことになっている。 - 135 - ⑹ 指定管理者選定評価委員会による評価 指定管理の管理運営に対する評価は,学識経験者や弁護士,公認会計士等の専門家等で構成さ れる指定管理者選定評価委員会で毎年度評価され,その結果は本市のホームページで公表されて いる。 今回の監査対象となった指定管理者の管理運営に対する平成 24 年度の総合評価は 5 段階評価 (AAA,AA,A,B,C)のうち,AA(運営内容が目標や計画・過去実績等をやや上回っている) となっており,その所見は「⑴ 平成 22 年度に開始した学校連携事業「おでかけかがくかん」が順 調に運用されており,また,特別展・企画展の実施,プラネタリウムの独自番組の作成,積極的 な広報等,事業の充実及び新たなニーズの開拓を積極的に行った。⑵ 教育委員会とJAXA(独 立行政法人宇宙航空研究開発機構)との宇宙教育に関する協定締結への協力のほか,JAXAと の連携強化につながる講演会を開催,珍しい天文現象をタイムリーに取り上げた企画を実施する など,積極的に科学に関心が高まる企画を取り入れ科学館のPRにつなげた。⑶ 指定管理者制 度導入(平成 18 年 4 月 1 日)後で比較すると,来館者数,入館料収入とも過去最高となり,来館 者数の目標数値を達成した。 」などとなっている。 5 監 査 の 結 果 科学館の指定管理に係る出納その他の事務について監査した結果,条例・指定管理協定書等に従 っておおむね適正に管理運営されているものと認められたが,事務の一部について,下記のような 改善を要する事例があった。 本市所管局においては指定管理者が今後適正な事務処理に努められるよう指導されたい。 ⑴ 指摘事項 ① 指定管理協定書に定められた期間内に専用口座に入金するべきもの 科学館の指定管理協定書では,指定管理者は施設及び付属設備の使用料を徴収したときは, 指定管理者代表者の専用口座(決済用預金)に日々入金しなければならないと定めているが, 約 1 週間分をまとめて専用口座に入金している事例があった。 指定管理者は,指定管理協定書に基づき適正な事務処理をするとともに,本市所管局は適切 な指導をするべきである。 (事例) 領収日 平成 25 年 1 月 7 日∼1 月 14 日 平成 25 年 1 月 15 日∼1 月 20 日 平成 25 年 1 月 21 日∼1 月 28 日 平成 25 年 2 月 4 日∼2 月 11 日 専用口座への入金日 平成 25 年 1 月 15 日 平成 25 年 1 月 21 日 平成 25 年 1 月 29 日 平成 25 年 2 月 12 日 - 136 - 入金額 1,303,080 円 626,630 円 847,740 円 3,904,820 円 ② 修繕費の精算について 指定管理協定書では,ア 科学館の維持管理に係る修繕費,常設展示物の修繕費,プラネタ リウムの交換部品購入費等は,年度終了後速やかに精算すること,イ 指定管理者は事業報告 書で修繕費等の支出状況を報告すること,ウ 修繕の施工後は,速やかに修繕施工箇所が分か る写真及び費用の明細を示す書類を本市に提出することと定めている。 今回の実地監査において,指定管理者が修繕の全部を外部に発注した案件について,指定 管理者の事業報告書の修繕費と指定管理者が実際に支払った修繕費請求書を突合したところ, 一致しているものと一致していないものとがあった。また,本市所管局は施工前の見積額を 記載したものを上記ウの費用の明細を示す書類として受理していた。 修繕費の精算については指定管理業務ごとに基準を設けて行うべきであり, 本市所管局は, 基準となる費用の明細を示す書類を明らかにして,精算の対象となる修繕費等の額を適正に 確定するべきである。 (事例) 平成 24 年度 事業報告書 (修繕費のうち全部外注分) 項 目 金 額 科学館の維持修繕 14,497,502 円 常設展示物修繕 4,579,409 円 計 19,076,911 円 外部からの請求額 14,347,611 円 4,546,395 円 18,894,006 円 差 額 (不一致の額) 149,891 円 33,014 円 182,905 円 なお,この事例に関して本市所管局は,指定管理者が実地監査を受ける直前に指定管理者 から平成 24 年度の修繕費の報告に誤りがあり指定管理料に差額が生じている旨の報告を受 け,指定管理者の通算 2 期の全 7 か年(平成 18∼24 年度)に遡って調査を実施した。その結 果,事業報告書の修繕費の一部が修繕業者の当初見積額のままとなっていたことから,事業 報告書の修繕費と指定管理者の実際の支払額に差額が生じていた。本市所管局は修繕費の精 算基準を支払額としていることから,指定管理料に 7 年間で 3,329,284 円の差額が生じてい ると認定し,平成 25 年 12 月 27 日に差額及び利息を損害金として受領している。また,平成 26 年度からの指定管理者候補に選定されていた大阪ガスビジネスクリエイトは,今回の事案 を踏まえて,平成 25 年 11 月 28 日に指定管理者候補を辞退している。 ⑵ 意見 ① 指定管理業務の指導監督及び履行確認について 「⑴ 指摘事項 ② 修繕費の精算について」の事例に関して,本市所管局は,修繕費の精算 基準を指定管理者の実際の支払額としているものの,修繕費を指定管理者から提出された見積 書,見積書と同額の金額等が記載された修繕一覧表,工事完了報告書で確認しており,修繕が 見積書の額のとおり履行されたと認識し,修繕業者の請求書の提出まで求めていなかった。本 市所管局は,修繕施工後に費用の明細を示す書類として修繕業者の請求書等を確認するなど, - 137 - 修繕費のチェックを行っていれば,事業報告書の誤り,差額の発生はなかったと思われる。 本市所管局は,今後このような事例が生ずることのないよう,所管課にとどまらず,指定管 理者に対する監督,管理業務全般に係るチェック機能・体制をより一層強化されたい。 ② 共同事業体協定書における構成員の責任の割合について 科学館の指定管理者構成員間で締結している「神戸市立青少年科学館指定管理者共同事業体 協定書」 (以下「科学館共同事業体協定書」という。 )は, 「公の施設の指定管理者制度運用指針 運用マニュアル(様式集)共同事業体協定書のひな型」に準じて作成しているものの,第 12 条及び第 13 条で決算の結果利益もしくは欠損金を生じた場合には,第 9 条に規定する責任の 割合により利益金を配当もしくは欠損金を負担する, 第 9 条では構成員は, 事業の履行に関し, 当事業体に連帯して責任を負うとしており,責任の割合は明確になっていない。 本市所管局は,共同事業体の運用がより良いものとなるよう,今後共同事業体を指定管理者 として選定する際は,責任の割合を明確にするよう指定管理者を指導されたい。 なお,現行の指定管理者制度は,本市に共通する事項であるため,平成 25 年度財務定期監 査の「内部統制の実施状況」にも意見を付している。 凡 例 1 文中で用いる金額は,原則として千円の位以下を省略し,万円単位で表示している。 2 各表中の金額は,原則として百円の位を四捨五入し,千円単位で表示している。したが って合計と内訳の計が一致しない場合がある。 3 各表中の比率は,百分率で表示し,小数点以下第 2 位を四捨五入している。したがって 合計と内訳の計が一致しない場合がある。 4 各表中の符号の用法は,次のとおりである。 「0」及び「0.0」 -------- 該当数値はあるが,単位未満のもの。 対前年増減額及び率の場合は,零を含む。 「−」 ---------------- 該当数値なし,算出不能又は無意味のもの。 「ほぼ皆増」 ---------- 増加率が 1,000%以上のもの。 5 文中及び各表中でいう消費税とは「消費税」および「地方消費税」をいう。 - 138 - 監 査 報 告 第 8 号 平成26年3月18日 工事定期監査及び出資団体工事監査結果報告 行財政局 産業振興局 建設局 都市計画総局 区役所 教育委員会事務局 公立大学法人神戸市外国語大学 神戸市監査委員 櫻 井 誠 一 同 荻 阪 伸 秀 同 山 田 哲 郎 同 坊 やすなが 地方自治法第 199 条第 1 項,第 2 項,第 4 項及び第 7 項の規定に基づき実施した平成 25 年度 第 2 期工事定期監査及び出資団体工事監査について,同条第 9 項の規定によりその結果に関す る報告を次のとおり決定した。 - 139 - 目 次 1 監 査 の 対 象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 2 監 査 の 期 間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 3 監 査 の 方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 4 主 な 監 査 項 目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 5 監 査 の 結 果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 142 (1) 積 算 ア 工事資材数量の積算の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 143 イ 作業数量の積算の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 143 ウ 残土処分費の積算の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 144 エ 設計変更での積算の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 144 オ 機器鋼製架台の採用単価の誤り ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 145 カ 埋戻工の施工条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 146 (2) 契 約 ア 下請負人届の提出①②③ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 147 イ その他請負契約約款の徹底 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 148 (3) 施 工 ア 施工体制台帳の提出①②③ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 149 イ 防火区画の貫通処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 150 ウ 指定路線における検定合格警備員の未配置 ・・・・・・・・・・・・ 151 エ 角落し収納倉庫の道路占用手続き ・・・・・・・・・・・・・・・・ 151 オ 道路の掘削・埋戻し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 152 カ 工事の安全管理①②③④ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 153 キ 安全訓練の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 156 ク 建設業退職金共済制度の共済手帳のコピー ・・・・・・・・・・・・ 157 (4) 維持管理 ア 消防用設備等の不具合箇所の処置 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 158 6 意見・要望 ア 効果的な道路バリアフリーの設計(設計) ・・・・・・・・・・・・・ 159 イ 設計時における事前調査(設計) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 160 ウ 駐車場の舗装工事の設計(設計) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 161 - 140 - エ 車道用マンホール蓋の使用(設計) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 161 オ 小中連携モデル校の設計(設計) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 162 カ 複数職の監督員の指定(施工) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 163 ○抽出状況表他・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 164 - 141 - 1 監 査 の 対 象 行財政局,産業振興局,建設局,都市計画総局,区役所,教育委員会事務局,公立大学法人神 戸市外国語大学における平成 24 年度及び平成 25 年度施行工事について監査を行った。 工事の抽出状況は第 1 表,抽出工事は第 2 表のとおりである。 2 監 査 の 期 間 平成 25 年 10 月 21 日∼平成 26 年 3 月 18 日 3 監 査 の 方 法 監査は,土木・建築・設備工事の施行が法令等に基づき適正に行われているか,また経済性, 効率性,有効性,正確性,安全性及び透明性などの観点から適切に行われているかについて,関 係書類の審査,現場の施工状況の調査及び関係職員に対する質問等の方法により実施した。 4 主な監査項目 (1) 計画 計画書,事前協議及び諸手続きの状況 (2) 設計 関係法規等の適用,設計基準等の整備状況及びその運用 設計図書の整備,設計の照査 (3) 積算 積算基準等の整備状況及びその運用,工種・数量・単価・歩掛り等の適用, 積算の照査 5 (4) 契約 契約締結手続き,設計変更等の理由,手続き及び内容 (5) 施工 工事関係法規等,施工管理,工事関係書類,監督業務 (6) 検査 検査関係書類 (7) 維持管理 保守点検関係書類 (8) 委託業務 委託業務関係書類 監 査 の 結 果 監査の結果,対象となる局・団体の抽出工事の実施に関する全般的な事務処理は,おおむね適 正に行われているものと認められた。 しかし事務の一部について,法令の遵守,合理的な設計,正確な積算と照査,的確な施工管理 及び工事中の事故防止,確実な保守点検に基づく維持管理,特に人命に係る施設の速やかな改善 など安全性の確保の面において,以下に述べる改善を要する事例が見られたので,適正,適切な 事務処理に努められるよう次のような指摘をする。 なお,特に工事の安全管理については,再発防止のための取組みを行うとともに,請負人への 指導及び職員への周知徹底を図り,万全を期すよう強く要望する。 - 142 - (1) 積 算 ア 工事資材数量の積算の誤り 本工事は,中央区の小学校・中学校の改築工事である。 建築工事では,主要資材の数量は設計図面をもとに算出することとしており,積算では現 場条件や施工方法を適切に反映する必要がある。 しかし,本工事では設計段階で支持地盤の精査により杭の実長が変更となったが,杭の打 ち手間の数量を変更していなかったため,打ち手間が過大となっていた。 工事積算における数量算出は正確に行うべきである。 (都市計画総局建築技術部建築課) [№54 上筒井小学校・筒井台中学校校舎改築工事] (請負金額 1,449,000 千円) イ 作業数量の積算の誤り 本工事は,東灘区の下水処理施設の設備更新工事である。 設備更新に伴う配管等の撤去において,内部に滞留する可燃性ガスが爆発しない濃度にす るため,窒素ガスを注入する作業が必要である。この作業費を算出するには,配管等の容積 から注入するガスの必要容量を求め,窒素ガスに置き換える施工単価を乗じて積算する。 しかし,本工事では注入する窒素ガスの数量に誤りがあり,本作業費が過小となっていた。 工事積算における数量算出は正確に行うべきである。 (建設局下水道河川部工務課) [№35 東灘処理場 消化ガス設備工事] (請負金額 234,465 千円) - 143 - ウ 残土処分費の積算の誤り 本工事は,兵庫区の中学校の改築工事である。 建築工事に伴い発生する残土の搬出先については,特記仕様書で指定しており,本工事で は,ポートアイランド沖に搬出することとしていた。この場合,残土処分費の積算は,ポー トアイランド沖での処分費と現場からの運搬費を足した金額を計上する必要がある。 しかし,残土処分費の積算に関して,以下のような誤りがあった。 工事積算は正確に行うべきである。 1) 地盤改良に伴う残土処分の積算において,処分費と運搬費の標準単価を採用せず,専 門工事業者から徴集した調査価格を採用していたため,過大となっていた。 2) 残土の運搬費は,運搬する距離やDID(人口集中地区)区間の有無に応じて標準単 価が定められているが,特殊基礎工事・土工事等の残土処分について,運搬費の単価の 採用を誤っていたため,過小となっていた。 ※調査価格 メーカーや専門工事業者から市場価格を調査するために徴集した価格 (都市計画総局建築技術部建築課) [№56 夢野中学校改築工事] (請負金額 1,212,246 千円) エ 設計変更での積算の誤り 本工事は,長田区の保育所の新築工事である。 所管課との協議により,遊戯室の暗幕が当初設計で1か所であったものを,設計変更で2 か所追加し,その積算にあたって,当初設計の暗幕の単価に面積比を乗じて追加の暗幕の単 価を算出した。 しかし,その面積比の数値を取り違えたために,暗幕の費用が過大となっていた。 工事積算は正確に行うべきである。 (都市計画総局建築技術部建築課) [№57 (仮称)駒ケ林・新長田保育所新築工事] (請負金額 204,058 千円) - 144 - オ 機器鋼製架台の採用単価の誤り 本工事は,中央区の小学校・中学校の改築機械設備工事である。 「神戸市建築機械設備工事積算基準」では,一般機器,材料等の単価は製造者から徴集する 調査価格をもとに採用単価を定めることとしている。 しかし,本工事では冷暖房用室外機の設置に用いる鋼製架台の積算において,採用単価の 算出を誤ったため過小となっていた。 適切な採用単価で積算すべきである。 (都市計画総局建築技術部設備課) [№71 上筒井小学校・筒井台中学校校舎改築機械設備工事] (請負金額 260,221 千円) - 145 - カ 埋戻工の施工条件 本工事は,三宮南地区の浸水対策におけるポンプ場の放流渠の築造工事であり,放流渠のシ ールドの発進や到達などのために立坑を掘削している。シールド完了後の立坑には管理用の人 孔を築造するため,躯体のコンクリートを施工したのち土砂を埋戻しする設計となっている。 「神戸市土木工事標準積算基準書」によれば,埋戻(標準的土工)は埋戻幅により4種類の 条件に区分されており,選択する条件により使用する機械と施工効率が違うため,積算単価が 異なっている。 しかし,本工事では埋戻幅を「最大埋戻幅≧4m」とすべきところを「1m≦最大埋戻幅<4 m」としていたため過大となっていた。 現場の施工条件に基づき適切に積算すべきである。 (事例) 埋戻幅の区分条件と使用機械 埋戻種別 埋戻幅 締固め機械 適用 A 最小埋戻幅W2≧4m ブルドーザ B 最大埋戻幅W1≧4m 振動ローラ,タンパ ○ C 1m≦最大埋戻幅W1<4m 振動ローラ,タンパ × D 最大埋戻幅W1<1m タンパ (○:適用すべき種別,×:誤って適用した種別) (建設局下水道河川部工務課) [№21 中突堤ポンプ場放流渠築造工事(その 2)] (請負金額 704,025 千円) - 146 - (2) 契 約 ア 下請負人届の提出 「神戸市工事請負契約約款」によれば,請負人は下請負人を決定したときは,直ちに本市 にその商号又は名称その他必要な事項を通知しなければならないとされている。 この規定に基づく下請負人届は,当初・変更・最終があり,工事中に下請負人の追加・変 更などがあった場合には速やかに変更の届を提出することとされている。 しかし,以下の工事では下請負人届が規定通りに提出されていなかった。 約款に基づき提出するよう,請負人を適切に指導すべきである。 ① 下請負人が追加されていたが,その一部について届が提出されていなかったもの (建設局中央水環境センター管理課) [№23 新南駒栄ポンプ場放流渠築造工事(その 2) ] (請負金額 217,686 千円) ② 下請負人が追加されていたが,その一部について変更の届が提出されていなかった もの (建設局西水環境センター管理課) [№8 垂水処理場場内整備工事(その 3-2) ] (請負金額 339,780 千円) [№18 垂水東中学校他下流汚水管改良工事] (請負金額 146,800 千円) (都市計画総局建築技術部設備課) [№77 夢野中学校改築機械設備工事] (請負金額 156,275 千円) ③ 下請負人の追加による変更の届が提出されていたが,その一部について提出が遅れてい たもの (建設局中央水環境センター管理課) [№24 南駒栄遮集幹線築造工事(その 4)] (請負金額 397,582 千円) - 147 - イ その他請負契約約款の徹底 本業務は,市役所1号館の窓清掃用ゴンドラの定期点検整備を行うものである。 「その他請負契約約款」では, 「請負人は本市の書面による事前の承諾なくして,この契約 の一部を他人に履行させてはならない」と定められている。 しかし,本業務では下請負人に契約の一部を履行させていたにもかかわらず書面による事 前の承諾がなかった。 約款に基づき適切に契約を履行するよう請負人を指導すべきである。 (行財政局行政監察部庶務課) [№2 本庁舎ゴンドラ制御盤他整備業務] (請負金額 3,360 千円) - 148 - (3) 施 工 ア 施工体制台帳の提出 「建設業法」では,請負人は施工体制台帳を整備しなければならないとされており,さら に「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」に基づき,作成された施工体制 台帳の写しを発注者へ提出しなければならないとされている。 しかし,以下の工事では施工体制台帳等が規定どおり提出されていなかった。 法令等に基づき適正かつ適切に書類を提出するよう請負人を指導すべきである。 ① 施工体制台帳の写しの提出はされていたが,下請負人の一部について,記載されていな かったもの (建設局東水環境センター管理課) [№22 中突堤西遮集幹線築造工事] (請負金額 856,054 千円) ② 施工体制台帳の写しの提出はされていたが,下請負人の一部について,下請負人の追加 があった時点で変更が提出されていなかった。また,下請負人届についても下請負人の追 加があった時点で変更が提出されていなかったもの (建設局西部建設事務所) [№48 新長田駅南 2 号線街路築造工事] (請負金額 73,300 千円) ③ 施工体制台帳の写しの提出はされていたが,下請負人の一部について記載されていなか った。また,下請負人届においても記載がなかったもの (都市計画総局建築技術部設備課) [№78 夢野中学校改築電気設備工事] (請負金額 181,143 千円) - 149 - イ 防火区画の貫通処理 本工事は,西区の下水処理施設の電気設備更新工事である。 「建築基準法施行令」によれば,防火区画を貫通する配電管等の構造は,それぞれ両側に 1m以内の距離にある部分を不燃材料で造るか,又は国土交通大臣の認定を受けた工法で造る こととされている。 しかし,本工事ではアルミ製ケーブルラックが防火区画を貫通したまま処理されており, その処理方法は認定を受けた工法でなかった。 法令に基づき適正に施工すべきである。 ※防火区画 建築物内部で火災が発生したときに,火災を一定の範囲内に止めて,他に拡大しないよ うにするために,耐火構造の床,壁,防火設備で建築物をいくつかの部分に区画すること。 また,その区画を構成する壁,床,防火戸のこと。 (事例) 防火区画を貫通しているアルミ製ケーブルラック (建設局西水環境センター西神施設課) [№44 玉津処理場 5∼8 池砂ろ過電気設備工事] (請負金額 108,150 千円) - 150 - ウ 指定路線における検定合格警備員の未配置 本工事は,土地区画整理事業区域における街区整備工事等の単価契約工事である。 工事で交通誘導員を設置する場合, 「兵庫県公安委員会告示第 139 号」で指定する路線に おいては, 「警備業法」第 18 条に基づく検定合格警備員の配置が義務付けられている。 しかし,本工事では指定路線で交通誘導員の設置が必要な工事を施工していたが,検定合 格警備員が配置されていなかった。 法令を遵守するよう,請負人を適切に指導すべきである。 (都市計画総局市街地整備部都市整備課) (建設局中部建設事務所) [№50 平成 24 年度街路築造及び舗装工事(第 2 期)] (請負金額 23,614 千円) エ 角落し収納倉庫の道路占用手続き 本工事は,東灘区の要玄寺川に架かる深田橋に角落しを設置する工事である。 「道路法」では,道路に同法第 32 条各号に規定されている工作物の設置等をする場合は, 道路管理者の許可を受けなければならないとされている。 しかし,本工事では水防管理者が管理する角落しの資材を収納するための倉庫を道路上に 設置するため道路管理者との協議を行い許可を得ていたものの,書面による申請手続きが行 われていなかった。 法令を遵守し手続きを適正に行うべきである。 (事例) 角落し収納倉庫設置状況 ※角落し(かくおとし) 両側の柱に縦溝を刻み,角材を積み重ねてはめ込み,堰としたもの (建設局東部建設事務所) [№32 深田橋他 1 橋角落し設置工事] (請負金額 8,581 千円) - 151 - オ 道路の掘削・埋戻し 本工事は,中央区における汚水管路の改築更新工事である。 道路において開削工法により下水道管等の占用物件の整備を行う際には,地表面から掘削 し, 復旧においては十分な締固めによる埋戻し等を地表面まで行うことが原則とされている。 しかし,本工事の一部で開削工法による取付管の整備が行われていたが,その施工におい て道路を掘削する際,舗装部分については地表面から掘削をしていたが,街渠等の部分につ いては,これらの取り壊しを行わないで,横方向からこれらの下部の掘削を行い管の据え付 けを行っていた。そのため,道路の復旧の際には,街渠等の基礎の部分の復旧や十分な土の 締固めができない状態での埋戻しが行われていた。 道路の掘削・埋戻しは,十分な土の締固めを行うなど適切に施工すべきである。 (建設局東水環境センター管理課) [№12 生田町地区他汚水管改築更新工事(その 1) ] (請負金額 141,750 千円) [№13 生田町地区他汚水管改築更新工事(その 2) ] (請負金額 154,726 千円) - 152 - カ 工事の安全管理 平成 22 年度は工事事故が多発していることから,平成 22 年 11 月に事故防止の啓発のため に神戸市工事安全管理委員会より「工事事故発生非常事態宣言」が発令された。その後,各 局による取り組みの効果などもあり,事故発生の沈静化をうけ平成 24 年 9 月 10 日に「宣言」 が解除された。 しかし,以下の事例は安全にかかる不徹底であり,宣言は解除されたが引き続き必要な安 全対策等を講じて事故の未然防止に努めるとともに,請負人への指導を厳重に行うべきであ る。 ① 道路上の工事については, 「道路工事現場における保安施設等の設置基準」に基づき保安 施設等を設置しなければならないが,不十分であったもの (事例) 車道中央にセイフティコーン等 がほとんど設置されておらず, 作業区域が区分されていない (建設局中央水環境センター管理課) [№15 西出町地区他汚水管改築更新工事(その 2)] (請負金額 155,085 千円) セイフティコーン等がほとんど 設置されておらず,作業区域が 区分されていない (建設局東部建設事務所) [№32 深田橋他1橋角落し設置工事] (請負金額 8,581 千円) - 153 - 車道中央にセイフティコーン等 がほとんど設置されておらず, 作業区域が区分されていない (建設局西部建設事務所) [№48 新長田駅南 2 号線街路築造工事] (請負金額 73,300 千円) 仮歩道を適切に設置するなど歩 行者への配慮がなされておら ず,歩道に工事用車両を乗り入 れて作業している (都市計画総局建築技術部技術管理課) [№49 夢野中学校運動場整備工事] (請負金額 69,413 千円) ② 車両の通行を想定していない歩道において,路面の保護なしに工事用車両を乗り入れて 作業を行っており,舗装材等が破損する可能性があったもの (事例) (建設局東水環境センター管理課) [№11 鶴甲地区他汚水管改良工事] (請負金額 97,493 千円) - 154 - (建設局東水環境センター管理課) [№12 生田町地区他汚水管改築更新工事(その 1) ] (請負金額 141,750 千円) ③ 工事において地盤を掘削する際,その深さが 1.5mを超える場合には,土質に見合った 勾配を保って掘削できる場合を除き,土留めを行うこととしているが,適切な土留めが施 工されていなかったもの (事例) 合板による簡易な養生を行っ ただけで,適切な土留めが施 工されていない (都市計画総局建築技術部建築課) [№59 小部小学校エレベーター棟増築他工事] (請負金額 17,511 千円) 試験掘りにおいて,土留めが 施工されていない (産業振興局農政部計画課) [№5 塩田パイプライン入替工事] (請負金額 9,670 千円) - 155 - ④ 沈殿池の鉄蓋の枠の取替えの際,開口部からの墜落防止の措置が不十分であったもの (事例) 開口部の深さ(約 2.1m) (建設局西水環境センター管理課) [№9 玉津処理場最初沈殿池(東 2 系)防食被覆改修工事] (請負金額 102,643 千円) キ 安全訓練の実施 本工事は,北区の河川の単価契約工事である。 建設現場における事故の発生は,作業員の不注意や安全確認の不足が原因の一つである。 「神戸市土木工事共通仕様書」によれば,工事中の安全対策の一環として,作業員全員の 参加により月当り, 半日以上の時間を割り当て, 定期的に安全に関する研修や訓練を実施し, その実施状況を提出するよう定めている。 しかし,本工事では安全に関する研修や訓練の実施状況に不十分なものが見られた。 安全に関する研修や訓練は工事事故予防のための重要な対策であることをふまえ,適切に 実施されていることを確認し,必要に応じ請負人を指導すべきである。 (建設局北建設事務所) [№34 平成 24 年度河川等単価契約工事(その 2)] (請負金額 17,003 千円) - 156 - ク 建設業退職金共済制度の共済手帳のコピー 「神戸市土木工事共通仕様書」によれば,請負人は建設業退職金共済制度(以下,「建退共」 という。 )に加入し,工事契約後に建退共の掛金収納書を提出しなければならないと規定して いる。一方, 「神戸市土木工事書類作成マニュアル」では,監督員は建退共加入の有無を確認 し,さらに共済証紙の購入・管理・配布状況を把握する場合,原則として施工プロセスのチ ェックリストにより,必要な場合,共済証紙の受払簿等の提出を求めることができるが,共 済手帳のコピーの提出を求めてはいけないとしている。 しかし,以下の工事では共済手帳のコピーが工事書類として提出されていた。共済手帳に は被共済者番号・被共済者氏名・証紙貼付実績等が記載されており,工事書類として共済手 帳のコピーを発注者が請求または受け取ることは個人情報保護の観点から適切ではない。 建退共の趣旨を理解して必要な確認をする一方で,不必要な個人情報に関する書類は受け 取らないようにすべきである。 (事例) 工事書類として提出されていた共済手帳のコピー ※建退共 中小企業退職金共済法に基づきつくられた制度であり,請負人が共済契約者として共済 証紙を購入し,建設現場で働く労働者を被共済者として,労働者に勤労者退職金共済機構 (以下「機構」という。 )が交付する共済手帳に労働日数に応じた共済証紙を貼付し,労働 者が建設業界を退職したときに機構から退職金が支払われる制度である。 (産業振興局農政部計画課) [№5 塩田パイプライン入替工事] (請負金額 9,670 千円) (建設局東水環境センター管理課) [№20 中突堤ポンプ場放流渠築造工事(その 1)] (請負金額 1,827,000 千円) - 157 - (4) 維持管理 ア 消防用設備等の不具合箇所の処置 本業務は,須磨区,垂水区,西区の学校園,教育施設,文化財整理室等の消防設備等の機器 点検を行うものである。 「消防法」では,消防用設備等について消火,避難その他の消防の活動のために必要とさ れる性能を有するように,政令で定める技術上の基準に従って,設置し及び維持しなければ ならないとされており,いついかなる場合に火災が発生しても確実に機能を発揮するために も,日頃の維持管理が非常に重要である。教育委員会事務局では各施設の消防用設備の点検 を一部の施設を除いて学校整備課で契約を行い,定期点検の結果において不具合箇所が見つ かった場合は,各施設の管理者が修繕等の維持管理の対応を行うこととしている。 平成 23 年度の工事定期監査においても,ポンプ室の扉が不具合により立ち入ることができ なかったため,一部の機器において法令に基づいた点検を行っていなかったことを指摘して おり,その措置として研修会等で施設管理者に対し,不良箇所の指摘がある場合は速やかに 改善を行うよう,また法定点検の認識や改修方法の説明を行い,周知を図ったと報告されて いる。 しかし,本業務では請負人から各施設の管理者や学校整備課に対して不具合箇所の報告が されていたにもかかわらず,施設の管理者の認識不足,施設毎に配分された修繕等の予算が 足りないという理由から一部の施設において速やかな改善が行われていなかった。 点検業務の結果に基づき,修繕すべき個所は速やかに処置を行い,適切な維持管理を行う べきである。 (教育委員会事務局総務部学校整備課) (教育委員会事務局社会教育部文化財課) (教育委員会事務局工業高等専門学校) [№97 学校園他消防設備等点検業務(その 4)] (請負金額 9,450 千円) [№98 学校園他消防設備等点検業務(その 5)] (請負金額 5,722 千円) - 158 - 6.意見・要望 ア 効果的な道路バリアフリーの設計(設計) 本工事は,長田区の再開発事業区域における街路及び電線共同溝の整備工事である。 本市では,すべての人にとって使いやすい道路となるよう「神戸市バリアフリー道路整備 マニュアル」を策定し,様々な道路整備に適用している。 しかし,本工事の完了後,交差点内の公園出入口のある歩道上の中ほどに電柱が残された 状況が見られた。当該箇所は歩行者や自転車が輻輳する箇所であるにもかかわらず,電線共 同溝への入線及び電柱の撤去まで数年を要する見込みとされており,占用物件の移転・改築 に関する事前の協議・調整が十分ではなかったと考えられる。 すべての人にとって使いやすい道路とするため,電柱の移転・改築等を速やかに行うこと が望ましく,占用企業など関係者と適切に協議・調整されるよう要望する。 (事例) 1.9m 程度 0.6m 程度 (都市計画総局市街地整備部都市整備課) [№48 新長田駅南 2 号線街路築造工事] (請負金額 73,300 千円) - 159 - イ 設計時における事前調査(設計) 本工事は,中央区の遮集幹線の築造工事であり,三宮南地区浸水対策事業に関する工事で ある。 本遮集幹線は推進工法で計画され,そのルート上には,既存の資料から推進工法の支障と なる旧護岸の存在が想定されたことから,当初設計では前処理として,地上からの大口径ボ ーリング工法により旧護岸を撤去することとしていた。しかし,工事着手後の各種調査にお いて,旧護岸や埋立材に由来すると考えられる巨石が広範囲にわたり分布している可能性が 高いことが確認され,人力で撤去しながら推進を行う刃口推進工法への変更を行った。 この工法変更に伴い,日当たりの推進量が大幅に減少するとともに,地盤の止水や強度増 加のための補助工法が必要となった結果,管路延長が大幅に減少し,工事費が多額の増加と なった。 以上のように,旧護岸の石などの支障物の有無は推進工法の設計・施工上,重要な変更要 因であり,設計に際しては,支障物の状況を把握するため,資料収集及び,旧護岸の存在が 想定される範囲のボーリング調査などの事前調査を十分に実施されるよう要望する。 ※推進工法 立坑から円筒型の機械を地中に押し込みながら掘削を行い,その後ろに既製品の管を 継ぎ足していくことにより管路を整備する工法 ※大口径ボーリング工法 地中に円筒状の穴を開ける工法であり,支障物の撤去や杭の設置のために使用される 工法(直径:数十㎝∼2m程度) (事例) 旧護岸の石(50 ㎝超) (建設局下水道河川部工務課) [№22 中突堤西遮集幹線築造工事] (請負金額 856,054 千円) - 160 - ウ 駐車場の舗装工事の設計(設計) 本工事は,西区の小学校の給食室改築工事である。 給食室の改築に伴い,周囲の植え込みなどの外構部分もあわせて再整備し,給食用の材料 の搬入車等が駐車できるよう,駐車場としての舗装を行った。その際,従前からアスファル ト舗装であった部分についても,表層のアスファルトとその下の路盤を含めた打換え工事を 駐車場の全面に実施した。 しかし,駐車場の使用状況等をみると,このような舗装の打換えを全面に実施するまでの 状況ではなかったと考えられる。 駐車場の舗装工事を行うにあたっては,工事前後の使用状況等を勘案し,実施すべき工事 の内容について詳細に検討した上で,設計されるよう要望する。 (都市計画総局建築技術部建築課) [№60 伊川谷小学校給食室改築工事] (請負金額 96,978 千円) エ 車道用マンホール蓋の使用(設計) 下水道工事において使用されるマンホール蓋については,規格ごとの使用区分が「神戸市 土木工事共通仕様書」に規定されており,車道用として2種類,歩道用として1種類設けら れている。 そのうち車道用の蓋の使用区分については,それらの規格から設置される道路の車道幅員 や交通量等に応じて使い分けすることとされている。 しかし,車道用の2種類について工事における使用例をみると,現場条件を考慮するなど の理由により,共通仕様書の使用区分とは異なって使用されているものがあった。 異なった使用をした場合,蓋の耐用年数が短くなることも考えられ,その維持管理の費用 も考慮すると,設計の際にはこの使用区分と現場状況等との確認を十分に行われるよう要望 する。 (建設局下水道河川部工務課) - 161 - オ 小中連携モデル校の設計(設計) 本工事は,中央区の小学校及び中学校の小中連携モデル校として一体的に整備する改築電 気設備工事である。 小学校・中学校の改築に伴い,狭小な敷地の有効利用を図るために小学校・中学校を一体 で整備を行い,様々な設備を共用できるよう計画・設計されている。 しかし,本工事では共用しても差し支えない電話交換設備やシステムの通信回線に関して それぞれの小学校・中学校に個別に設置されるよう設計されており,共用すれば将来的な維 持管理費の低減が図れる個所があった。 小中連携モデル校の設計を行うにあたっては,その効果を十分に活かすために各所管課間 の調整をより緊密にされるよう要望する。 (教育委員会総務部学校計画課) (教育委員会総務部教育企画課) (都市計画総局建築技術部設備課) [№72 上筒井小学校・筒井台中学校校舎改築電気設備工事] (請負金額 173,250 千円) - 162 - カ 複数職の監督員の指定(施工) 本工事は,兵庫区の特別支援学校の新築工事である。 本工事は建築工事として発注し,工事全体の施工管理については指定された建築職の職員 が行っていたが,工事の中に道路整備工事等,設計基準・工事監理基準の異なる土木工事と 考えられる工種が含まれていた。 事務分掌上, 市有建築物の建築工事に伴う土木工事の設計, 監督等については,技術管理課で行うこととなっているが,本工事の土木工事の部分につい ては,土木職の監督員の指定は行われていなかった。 本工事のように,複数の工種にまたがる工事を設計・監督する場合には,責任の所在を明 確にするとともに,より的確な監督業務を行うため,必要に応じてそれぞれの職種について 監督員を指定されるよう要望する。 (都市計画総局建築技術部建築課) (都市計画総局建築技術部技術管理課) [№55 (仮称)友生支援学校新築工事] (請負金額 1,914,150 千円) - 163 - 第 1 表 抽 出 状 況 表 (単位 金額:千円) 工 事 定 期 監 査 監 査 対 象 工 事 区 件 行 財 政 局 産 業 振 興 局 建 設 局 都 市 計 画 総 局 区 抽 出 工 事 抽 出 率 (%) 分 役 所 教育委員会事務局 数 金 ― 額 件 ― 数 金 額 ― 建 築 0 0 0 0 0.0 0.0 設 備 15 252,816 3 13,019 20.0 5.1 土 木 12 71,156 3 17,573 25.0 24.7 建 築 0 0 0 0 0.0 0.0 設 備 6 33,095 1 2,793 16.7 8.4 土 木 114 14,417,794 27 5,731,613 23.7 39.8 建 築 0 0 0 0 0.0 0.0 設 備 83 17,448,251 13 682,201 15.7 3.9 土 木 20 553,343 4 169,009 20.0 30.5 建 築 147 13,185,244 17 6,072,891 11.6 46.1 設 備 208 6,897,872 27 3,252,546 13.0 47.2 土 木 ― ― 建 築 0 0 0 0 0.0 0.0 設 備 4 39,742 1 9,019 25.0 22.7 土 木 建 築 0 0 0 0 0.0 0.0 設 備 7 43,780 2 15,172 28.6 34.7 616 52,943,093 98 15,965,836 15.9 30.2 ― 計 ― ― ― ― ― ― ― (単位 金額:千円) 出 資 団 体 工 事 監 査 監 査 対 象 工 事 区 ― 木 ― ― 金 額 土 ― ― 件 数 抽 出 工 事 抽 出 率 (%) 分 件 公立大学法人神戸 市 外 国 語 大 学 計 数 ― 金 額 ― 件 数 金 ― 額 金 額 ― ― 土 木 建 築 4 79,184 1 3,780 25.0 4.8 設 備 2 24,748 1 8,158 50.0 33.0 6 103,932 2 11,938 33.3 11.5 - 164 - ― 件 数 (単位 金額:千円) 合 計 監 査 対 象 工 事 区 件 計 備 抽 出 工 事 抽 出 率 (%) 分 数 622 金 額 53,047,025 件 数 100 金 額 15,977,774 件 数 16.1 金 額 30.1 考:(1)監査対象工事は,請負金額250万円以上のものとした。 (2)本表は,平成25年9月30日時点における各局及び出資団体からの提出資料に基づき作成した。 - 165 - 第 2 表 抽 出 工 事 一 覧 表 行財政局 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 本庁舎空調機他エアーフィルター取 ヤマトヨ産業㈱ 替業務 6,982 H24.4.1 H25.3.31 指名 2 本庁舎ゴンドラ制御盤他整備 日本ゴンドラ㈱ 業務 3,360 H24.6.5 H24.10.31 随契 3 受変電設備保守点検業務 2,677 H24.8.29 H25.3.31 指名 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 工事 種別 番号 設備 1 工事名 請負人名 新電機工業㈱ 産業振興局 工事 種別 番号 土木 4 農道舗装工事その4 ㈲ナガイ住建 3,661 (4,186) H24.10.31 (H25.2.13) H25.2.28 5 塩田パイプライン入替工事 大進建設㈱ 6,531 (9,670) H24.11.19 (H25.3.13) H25.3.15 6 平成24年災害復旧工事 理工建設㈱ 3,391 (3,717) H24.11.27 (H25.3.14) H25.3.19 7 第二冷蔵庫棟搬送設備保守 ㈱ダイフク 点検業務 2,793 H24.4.1 H25.3.31 随契 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 H24.3.23 (H24.8.10) (H24.12.18) (H25.2.22) H24.11.30 (H25.1.25) (H25.2.28) H24.10.23 (H25.3.15) H25.3.29 設備 工事名 請負人名 指名 指名 指名 建設局 工事 種別 土木 番号 工事名 請負人名 8 垂水処理場場内整備工事 (その3-2) ㈱丸山造園 268,800 (321,300) (337,260) (339,780) 9 玉津処理場最初沈殿池 (東2系)防食被覆改修工事 双和化学産業㈱ 100,649 (102,643) - 166 - 制限 (総評) 制限 工事 種別 番号 土木 10 11 12 工事名 請負人名 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) H24.12.28 (H25.1.28) (2,635) H24.9.3 (H24.12.17) (H25.1.23) 96,443 (97,493) H23.12.7 (H24.9.26) H24.10.31 149,961 H23.11.30 (H24.6.26) (H24.9.12) (H25.1.29) (H25.2.12) H24.8.31 (H25.1.31) H24.8.31 (H25.1.31) (154,726) H23.11.30 (H24.6.26) (H24.10.11) (H25.1.29) (H25.2.12) 7,235 (7,425) H24.6.26 (H24.10.3) H24.10.10 179,445 H25.3.31 (H25.5.31) (H25.6.30) (155,085) H24.9.11 (H25.2.8) (H25.5.22) (H25.6.24) 34,188 (34,114) H24.11.14 (H25.3.12) H25.3.31 6,153 (5,040) H24.9.5 (H25.3.22) H25.3.31 118,125 (145,236) H24.10.31 (H25.2.28) (H25.3.28) (146,800) H24.2.16 (H24.10.29) (H25.2.6) (H25.3.22) 21,031 (22,181) H24.9.11 (H25.3.14) H25.3.31 2,362 阪急御影駅前広場整備に伴 近畿エコシス㈱ う汚水管移設工事 鶴甲地区他汚水管改良工事 協同建設㈱ 生田町地区他汚水管改築更 港建設㈱ 新工事(その1) (140,385) (141,750) 160,692 13 生田町地区他汚水管改築更 港建設㈱ 新工事(その2) (147,792) 14 ポートアイランド地区汚水管布設 ㈱押部 工事(その17) 15 西出町地区他汚水管改築更 北浦建設㈱ 新工事(その2) 大工園設備工業 ㈱ 16 住吉橋伏越改良工事 17 垂水妙法寺線道路改良に伴 藤田建設㈱ う汚水管布設工事 (その2) 18 垂水東中学校他下流汚水管 北神吉田建設㈱ 改良工事 (H25.2.15) (H25.2.15) 契約 の 方法 指名 制限 制限 (総評) 制限 (総評) 指名 制限 (総評) 制限 制限 制限 19 高丸地区再生事業に伴う汚 ㈱塩屋基礎 水管移設工事(その2) 20 中突堤ポンプ場放流渠築造 工事(その1) 大成・北浦特定 JV 1,528,800 (1,827,000) H24.11.6 (H25.4.16) H26.3.31 制限 (総評) 21 中突堤ポンプ場放流渠築造 工事(その2) 大成・北浦特定 JV 704,025 H25.6.3 H27.3.31 随契 460,288 (637,045) (696,496) (846,436) (856,054) H23.11.4 (H24.5.31) (H24.10.17) (H25.2.25) (H25.3.25) H24.10.31 (H25.3.31) 22 中突堤西遮集幹線築造工事 大豊建設㈱ - 167 - 制限 制限 (総評) 請負人名 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 新南駒栄ポンプ場放流渠築 造工事(その2) 東亜建設工業㈱ 205,296 (217,686) H24.3.21 (H25.2.22) H25.2.28 24 南駒栄遮集幹線築造工事 (その4) 佐藤工業㈱ 375,230 (393,309) (397,582) H24.3.23 (H24.12.17) (H25.3.15) H25.2.28 (H25.3.29) 25 吉田町雨水幹線築造工事 (その5) 兵庫奥栄建設㈱ 148,155 (152,572) H25.4.16 (H25.6.27) H26.2.28 10,479 H25.4.30 (H25.6.7) (H25.7.31) (H25.9.6) (13,818) H25.2.12 (H25.4.18) (H25.5.30) (H25.7.22) (H25.9.3) 124,950 H25.3.29 H26.2.28 48,571 H24.12.28 (H25.2.5) 制限 (52,876) H24.2.22 (H24.12.6) (H25.1.29) 14,177 H25.4.1 H25.9.30 制限 3,902 H24.10.1 H25.3.31 制限 工事 種別 番号 土木 23 26 設備 工事名 離宮道雨水幹線改良工事 ㈲アシハラ建設 契約 の 方法 制限 (総評) 制限 (総評) 制限 (総評) 指名 27 東川上流雨水幹線移設工事 ㈱島田組 (その1) 28 吉田南2号雨水幹線築造工 事(その3) 三興建設㈱ 29 下水道施設小規模工事 (単価契約・その3) 北摂建設工業㈱ 30 下水道施設小規模工事 (その10) 十字屋土木㈱ 31 櫨谷川改修工事 (池谷工区)その3 ㈱近藤建工 141,826 (127,788) H24.9.25 (H25.4.19) H25.4.30 32 深田橋他1橋角落し設置工 事 ㈱神栄建設 7,762 (8,581) H24.11.28 (H25.3.18) H25.3.22 33 西山川緊急対策工事 ㈱神盟 3,927 H25.5.8 H25.6.30 随契 34 平成24年度河川等単価契約 八雲建設㈱ 工事(その2) 17,003 H24.4.1 H25.3.31 制限 35 東灘処理場 消化ガス設備 工事 234,465 H24.12.13 H25.10.31 制限 ㈱神鋼環境ソリュー ション - 168 - 制限 (総評) 制限 指名 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 ㈱日螢機電 30,274 H25.8.9 H26.1.31 制限 魚崎ポンプ場 沈砂移送設 備改修工事 関西機設㈱ 17,598 H25.1.30 H25.6.28 制限 38 浜中ポンプ場 電気設備工 事 日新電機㈱ 186,585 (188,979) H24.3.8 (H25.3.18) H25.3.29 制限 (総評) 39 垂水処理場 東水処理脱臭 メルコ・コントロール・プロ 電気設備工事 ダクツ㈱ 33,620 (34,037) H25.2.20 (H25.9.24) H25.9.30 40 東灘処理場 塩素滅菌用機 ㈱アクリ 械設備工事 [40機械,41電気] 4,294 H24.11.19 H25.3.29 指名 41 東灘処理場 塩素滅菌用電 新電機工業㈱ 気設備工事 [40機械,41電気] 6,090 H24.11.20 H25.3.29 指名 42 垂水処理場 放流ポンプ棟 1・2号ガス洗浄水ポンプ取替 工事 近畿特殊整機㈱ 10,281 H24.3.14 H24.12.4 指名 43 玉津処理場 1号消化槽他 安全弁取替工事 近畿特殊整機㈱ 8,400 H24.10.9 H25.2.28 指名 44 玉津処理場 5∼8池砂ろ過 奥井電機㈱ 電気設備工事 108,150 H24.12.18 H25.7.31 制限 45 西部処理場 1・2系消化槽 消化汚泥配管超高圧洗浄 4,494 H24.12.25 H25.3.15 指名 46 降雨情報設備保守点検業務 菱井商事㈱ 23,964 H24.4.1 H25.3.31 随契 47 降雨情報設備受信装置改修 菱井商事㈱ 11,592 H25.4.24 H26.1.31 随契 工事 種別 番号 設備 36 魚崎ポンプ場 消毒機械設 備工事 37 工事名 請負人名 ㈲大神工業サービ ス - 169 - 制限 都市計画総局 工事 種別 番号 工事名 請負人名 請負金額 (変更) [単位 千円] 完成期限 (変更) H23.8.10 (H24.5.18) (H24.9.13) (H24.11.2) H24.6.30 (H24.9.28) (H24.11.6) H25.3.20 (H25.3.29) 制限 (69,413) H24.12.26 (H25.3.13) (H25.3.25) 23,614 H24.10.1 H25.3.31 制限 62,013 土木 48 新長田駅南2号線街路築造 工事 ㈱神盟 (73,300) 49 建築 夢野中学校運動場整備工事 名谷園造園土木 [49土木,56建築,77機械, ㈱ 78電気] 契約 の 方法 契約年月日 (変更) 70,673 制限 50 平成24年度街路築造及び舗 ㈱一剛組 装工事(第2期) 51 都市計画総局経営管理課 事業用地の草刈・清掃業務 (その1) ㈱ケイジェイエス 2,682 H24.10.12 H24.12.21 指名 52 海運町3丁目仮設建物 とりこわし工事 ㈱国組 3,757 H25.7.2 H25.8.16 指名 53 (仮称)大橋3第3工区再開発 ㈱益田工務店 ビル新築工事 [53建築,69機械,70電気] 174,300 (189,367) H24.12.6 (H25.8.23) H25.8.30 (H25.9.12) 制限 54 上筒井小学校・筒井台中学 校校舎改築工事 [54建築,71機械,72電気] 1,449,000 H25.3.27 H26.7.31 制限 1,860,390 (1,874,775) (1,899,660) (1,914,150) H23.7.5 (H24.3.7) (H25.1.22) (H25.2.28) (H25.3.13) H25.2.28 55 (仮称)友生支援学校新築工 大豊・益田特定 事 [55建築,73・74・75機械, JV 76電気] 1,173,511 (1,184,221) (1,196,968) (1,212,246) H23.9.27 (H24.3.19) (H25.2.20) (H25.3.21) 196,224 H25.2.15 (H25.3.15) (204,058) H24.9.7 (H25.2.1) (H25.3.8) 283,080 H25.3.7 H26.3.25 18,005 (17,511) H24.11.29 (H25.3.26) H25.3.29 青木あすなろ・ 谷特定JV 56 夢野中学校改築工事 [49土木,56建築,77機械, 78電気] ㈱中田工務店 57 (仮称)駒ケ林・新長田保育 所新築工事 [57建築,79機械,80電気] 丸正建設㈱ 58 中突堤ポンプ場築造工事(建 竹中土木・吉野 築) 建設特定JV [58建築,81機械,82電気] 59 小部小学校エレベーター棟増築 他工事 [59建築,83電気] 大正建設㈱ - 170 - 制限 (H25.3.19) H25.2.25 (H25.3.22) 制限 制限 (総評) 随契 制限 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 94,500 (96,978) H24.10.25 (H25.3.26) H25.3.29 439,950 H25.3.11 H26.7.31 109,662 (125,989) H24.3.29 (H24.12.4) H24.12.20 北建設事務所耐震補強他工 神明工務㈱ 事 24,596 H25.7.25 H25.11.30 64 六甲山小学校便所改修工事 ㈱ひかりホームズ 8,295 (8,830) H24.7.13 (H24.10.5) H24.10.12 65 櫨谷小学校・櫨谷幼稚園便 所改修他工事 [65建築,90機械] 66,546 H25.7.3 H25.11.15 制限 66 神戸リハビリテーション病院外壁他 神戸ユニット建設㈱ 改修工事(その4) 23,330 H25.6.12 H25.10.18 制限 67 灘区ワンストップサービスコーナー設置 中村住建 工事 5,985 (6,258) H25.7.16 (H25.9.9) H25.9.17 68 須磨海浜水族園コンクリート水槽 ㈲岡防水工業 防水改修工事 7,245 H25.9.3 H25.12.20 指名 69 (仮称)大橋3第3工区再開発 南陽産業㈱ ビル新築機械設備工事 [53建築,69機械,70電気] 24,857 (25,907) H25.2.27 (H25.8.23) H25.8.30 (H25.9.12) 制限 70 (仮称)大橋3第3工区再開発 太昭電設㈱ ビル新築電気設備工事 [53建築,69機械,70電気] 34,242 (37,959) H25.2.26 (H25.8.26) H25.8.30 (H25.9.12) 制限 71 上筒井小学校・筒井台中学 校校舎改築機械設備工事 [54建築,71機械,72電気] ㈱長田松田工業 所 260,221 H25.7.12 H26.7.31 制限 72 上筒井小学校・筒井台中学 校校舎改築電気設備工事 [54建築,71機械,72電気] 大宮電気工業㈱ 173,250 H25.7.4 H26.7.31 制限 工事 種別 番号 建築 60 伊川谷小学校給食室改築工 ㈱四ッ橋組 事 [60建築,84機械,85電気] 61 西神戸医療センター増築工事 [61建築,86機械,87・88電 気] 湊建設工業㈱ 62 王子スポーツセンター耐震補強他 工事 ㈱はるかわ 63 設備 工事名 請負人名 橋本建設㈱ - 171 - 契約 の 方法 制限 制限 制限 制限 指名 指名 工事 種別 設備 番号 73 74 75 76 77 78 79 80 工事名 請負人名 (仮称)友生支援学校新築給 排水設備工事 ㈱山口商会 [55建築,73・74・75機械,76 電気] (仮称)友生支援学校新築空 気調和設備工事 邦設備工業㈱ [55建築,73・74・75機械,76 電気] (仮称)友生支援学校新築 ガス設備工事 [55建築,73・74・75機械,76 電気] 請負金額 (変更) [単位 千円] 255,343 (266,053) (271,093) 260,467 (仮称)駒ケ林・新長田保育 所新築機械設備工事 [57建築,79機械,80電気] 池水工業㈱ (仮称)駒ヶ林・新長田保育 所新築電気設備工事 [57建築,79機械,80電気] ダイトウ電気工事 ㈱ H25.2.28 (H25.3.19) H23.12.5 (H25.2.21) (H25.3.14) H25.2.21 (H25.3.19) 随契 H23.12.20 (H25.2.22) (H25.3.22) H25.2.28 (H25.3.29) 制限 H23.12.20 (H25.1.29) (H25.3.14) H25.2.25 (H25.3.20) 制限 H24.2.15 (H25.2.14) (H25.3.8) H25.2.25 (H25.3.20) 制限 H24.9.12 (H25.2.1) (H25.3.5) H25.2.15 (H25.3.15) 制限 H25.2.15 (H25.3.15) 制限 (34,463) H24.9.7 (H25.2.4) (H25.3.7) 制限 247,156 (264,481) 147,970 (156,275) 178,728 (181,143) 46,641 (44,352) 34,480 81 中突堤ポンプ場築造工事(建 三神工業㈱ 築機械設備) [58建築,81機械,82電気] 66,465 H25.4.26 H26.3.25 82 中突堤ポンプ場築造工事(建 松本電工㈱ 築電気設備) [58建築,81機械,82電気] 51,723 (52,664) H25.4.26 (H25.7.3) H26.3.25 83 小部小学校エレベーター棟増築 他電気設備工事 [59建築,83電気] 3,412 H24.11.7 H25.3.29 84 伊川谷小学校給食室改築機 ㈱長村商会 械設備工事 [60建築,84機械,85電気] 71,398 (71,425) H24.11.12 (H25.3.28) H25.3.29 85 伊川谷小学校給食室改築電 杉本電気工事㈱ 気設備工事 [60建築,84機械,85電気] 31,305 (32,040) H24.10.15 (H25.3.18) H25.3.29 ㈱金森電気工業 所 - 172 - 制限 制限 (260,855) (26,237) 夢野中学校改築電気設備工 事 太昭電設㈱ [49土木,56建築,77機械, 78電気] H23.12.12 (H24.11.27) (H25.2.22) (H25.3.14) 契約 の 方法 H25.2.28 (H25.3.19) 26,489 夢野中学校改築機械設備工 事 邦設備工業㈱ [49土木,56建築,77機械, 78電気] 完成期限 (変更) H23.12.9 (H25.2.22) (H25.3.14) 大阪ガス㈱ (仮称)友生支援学校新築電 気設備工事 東洋電気工事㈱ [55建築,73・74・75機械,76 電気] 契約年月日 (変更) 制限 指名 制限 制限 工事 種別 設備 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 86 西神戸医療センター増築機械設 備工事 ダイダン㈱ [61建築,86機械,87・88電 気] 252,000 H25.3.27 H26.7.31 制限 87 西神戸医療センター増築電気設 備工事 ㈱きんでん [61建築,86機械,87・88電 気] 175,350 H25.3.21 H26.7.31 制限 88 西神戸医療センター増築昇降機 三菱電機ビルテクノ 設備工事 サービス㈱ [61建築,86機械,87・88電 気] 14,581 H25.8.6 H26.7.31 指名 89 西神戸医療センター中央監視制 きんでん・ダイトウ 御設備・防災設備更新工事 電気工事特定JV 393,750 H25.8.6 H26.7.19 制限 90 櫨谷小学校便所改修他機械 ㈱住田設備 設備工事 [65建築,90機械] 16,222 H25.7.4 H25.11.15 指名 91 神戸市立博物館空調設備改 新菱冷熱工業㈱ 修工事 [91機械,92電気] 265,650 (282,765) H25.3.21 (H25.9.27) H25.9.30 (H25.10.31) 制限 神戸市立博物館電気設備改 ㈱明和工務店 修工事 [91機械,92電気] 49,906 (50,843) (51,179) H25.4.26 (H25.6.25) (H25.9.27) H25.9.30 92 (H25.10.21) 111,099 H24.8.9 H25.3.29 制限 5,706 H24.10.29 H24.12.14 指名 3,938 (4,767) H24.8.29 (H25.3.25) H25.3.30 番号 工事名 請負人名 93 デュオこうべ浜の手防災システム 甲南電設工業㈱ 更新工事 94 神出小学校LPガス設備改修 工事 95 兵庫区総合庁舎他22施設自 西日本総合設備 家用電気設備定期点検及び ㈱ その他作業 ㈱SKK - 173 - 制限 指名 区役所 工事 種別 番号 設備 96 工事名 請負人名 長田区総合庁舎設備総括管 日本メックス㈱ 理業務 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 9,019 H24.4.1 H25.3.31 随契 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 教育委員会事務局 工事 種別 番号 設備 97 学校園他消防設備等点検業 ㈱ニチボー 務(その4) 9,450 H24.6.19 H25.3.29 指名 98 学校園他消防設備等点検業 ㈲神戸防災設備 務(その5) 5,722 H24.6.20 H25.3.29 指名 請負金額 (変更) [単位 千円] 契約年月日 (変更) 完成期限 (変更) 契約 の 方法 工事名 請負人名 公立大学法人神戸市外国語大学 工事 種別 番号 建築 99 2012年度第2期安全点検建 築補修工事 ㈱辻竹建設 3,780 H25.2.12 H25.3.31 随契 設備 100 神戸市外国語大学体育館 アリーナ照明改修工事 ㈲三研電気工業 8,158 H24.12.19 H25.3.29 指名 工事名 請負人名 備考: (1)「請負人名」欄の「経常JV」は経常建設工事共同企業体,「特定JV」は特定建設工事共同企業 体を表す。 (2)「契約の方法」欄の「一般」は一般競争入札,「制限」は制限付一般競争入札,「指名」は指 名競争入札,「随契」は随意契約を表す。また,(総評)は総合評価落札方式を表す。 (3)本表は,平成25年9月30日時点における各局ならびに出資団体からの提出資料に基づき作成し た。 - 174 -