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農業農村工学系の

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農業農村工学系の
農業農村工学系の
学生のみなさんへ
農林水産省 農村振興局 設計課
1. はじめに
ー入省1年目職員よりー
Profile
「食」と「農」から日本を支える
これから進路を選択する農業農村工学系の学
農林水産省では大規模な事業の実施や全国を
生 の み な さん 。は じめ まして 。私は 4 月 か ら 農 林
対象とした 施策の 立案に携わるこ とがで き 、ある
水産省で働き始めました。みなさんも進路を決
地域の農業のみではなく国全体を視野に入れた
定するにあたり、様々な思いや考えがあると思い
仕 事 を する こ とがで き ます 。 ス ケ ー ルが大 きく な
ま すが、こ こ で は私自身が就職先を決め た 経緯
るほど責任も 重く なり ますが 、そ の 分 、自分自身
を簡単に説明したいと思います。
の成長につながると思いました。
私は地球温暖化や砂漠化、水質汚染などの環
農業農村工学で農林水産省に採用されると本
境問題に興味がありました。そのため、環境問題
省 と 地 方 農 政 局 等の 両方 で 勤 務 す る こ とに な り
を解決するアプローチの一つとして農業農村工
ます。また 、留学・大使館勤務や JICA 専門家を
学の知識を得たいと考え、大学では農業農村工
経験する機会もあり、世界中が勤務地になります。
学を専攻しました。大学での授業や研究を通し
そのため、特定の地域のみではなく日本全体を、
て農村環境や農業の基盤整備等について学び、
さ ら に は 世 界 に お ける 日本 の 立 場 を 常 に 意 識 し
これらにも興味を持つようになりました。
ながら仕事を進めることになります。
卒業後の進路を考える際には「興味がある分
日本の農業はいま、大きな転換期を迎えてい
野に関わり続けたい」という点と「自分が身につけ
ま す 。現在の 農政は日本 を取り 巻く 環境の 変 化
た 専門知識を活かしたい 」という2 点を常に 念頭
に加え、東日本大震災からの復旧・復興の本格
に置いていました。このようなことを考えながら就
的推進や農林水産業の競争力強化という課題
職先を探していると公務員として農業や農村の
に直面しています。そのような時だからこそ、日
基盤整備を行うという仕事は上記二つのポイント
本の農政を担う農林水産省職員としての仕事に
を満たすのではないかと感じるようになりました 。
大きな責任とやりがい を感じてい ます 。この資料
それからは国家公務員として農林水産省職員に
を手にしたあなたもこれからの日本を動かす可
なるのか地方公務員になるのかで悩みました。
能性を秘めています。農林水産省には「食」と
最 終 的に は 農林 水 産省職 員に なる こ と を 選ん
「 農」 か ら 日 本 を支える仕 事が待 ってい ま す 。あ
だのですが、その理由の一つにスケールの大き
なたの可能性をこの職場で大きく開花させてみ
な仕事に 携わることができる 点があげ られ ます 。
てはいかがでしょうか。
-1-
2. 農政の今
Mission
想いを政策・制度にぶつける
農村振興局においては、先の東日本大震災
このため農村振興局では、農業生産性の向上
で津波により被災した約2.1万haの農地について、
につながる農地整備や、農業を営む上で不可欠
おおむね3年以内で営農再開ができるよう、除塩
である基幹的な水利施設の戦略的な保全管理 、
や損壊箇所の復旧等に最優先に取り組んでいま
お よび こ れ ら の 農地 ・ 農業用 施設に 対 する自然
す。
災害による被害の未然防止など 、様々な政策を
推進しています。
また、農村は農業生産の場として食料の安定
供給を担う一方で、国土や環境の保全、良好な
また、農山漁村地域の活性化や、農村景観
景観の形成、文化の伝承などの多面的機能を
や伝統文化など農村地域の 多様な資源の 保全
発揮するなど、そこに暮ら す人々だけでなく国民
を図る政策についても推進しており、ハードおよ
全体の暮らしに重要な役割を果たしており 、これ
び ソ フ ト 両 面 か ら 農 村 の 振 興 を 総 合 的に 図る 取
らの効果が適切かつ十分に発揮されるよう、農
組を進めています。
村の 振興 を図るこ とも 農村 振興局の 使命で す 。
農村の振興のためには、まず農村の基幹産業で
我が国農業の大きな転換期である現在、私た
ある農業の振興が重要です。
ちには将来の農業・農村を見据えた明確なビジョ
ンを示す責任があります。みなさんも自分自身の
考える理想の農業・農村の姿を目指し、想いを
政策・制度にぶつけてみませんか。私たちは熱
い想いを持ったあなたを待っています。
のどかな農村景観
-2-
3. 日本の農業の基盤づくりをする
農業農村整備 (1)
Frontier
「食」を支える生産基盤の整備
農業の基盤は土地と水であり 、良好な営農条
り 、今 後は 厳し い 財 政状況 の 中 で 、 施設の 戦略
件を備えた農地や農業用水等の農業生産基盤
的な保全管理が求められています。そこで、施
は 、 我 が 国 の 農 業 生 産を 支 え る 重 要 な イ ン フ ラ
設の 全面的 な 改築 ・ 更新 か ら 、適 切 な点 検 ・ 診
です。この農業生産基盤の整備・保全を担うの
断に 基づく 部分的な補修 ・補強に よる長寿命化
が農業農村整備です。我が国の農業・農村が転
対策に転換し、地域で作成した長寿命化に関す
換期を迎える中、今後の農業農村整備は、施設
るマスタープランに基づき計画的な整備を図っ
の全面的な改築・更新から長寿命化対策へ転
ていくことにしています。
換を図りつつ、農業水利施設等の 防災 ・減災対
策の強化や担い手への農地集積を促 す基盤づ
くりなどに重点化していくこととしています。
ここで、近年の農業農村整備の主要なテーマ
をいくつか紹介します。
・施設の長寿命化対策
ダム 、堰、水路などの 水利施設は 、水田農業
を中心とした我が国の農業に不可欠であり、その
整備は農業生産の安定化および省力化に大きく
貢 献 し て き ま し た 。 現 在、 全 国 の 農 業 用 水 路 の
延長は約 40 万km、ダム・堰等の 基幹水利施設
水源を確保する農業用ダム
は約7千箇所に達しています。これらは再建設費
ベ ースで約32兆円という大きなストックを形成し
ています。しかし、高度経済成長期を中心として
建設されてきた水利施設の老朽化が進行してお
-3-
3. 日本の農業の基盤づくりをする
農業農村整備 (2)
・生産性を向上する大区画化等の農地整備
このため、水利施設の耐震化対策やため池の
農業 を成長産業と する た め に は 、担い 手 への
改 修 、 地 す べり の 防 止 、湛 水 被 害の 解消 等 、 ソ
農地集積の加速化や農業の高付加価値化 、生
フト・ハードを組み合わせた様々な防災 ・減災対
産コストの削減等に取り組むことにより、我が国
策に取り組み、農業生産の維持及び経営の安定
農業の競争力強化を図ることが不可欠です。
を図るとともに、国土の保全、地域住民の生命や
そのた めには、大型機械の 導入に よる 労働生
暮らしの安全確保に貢献していきます。
産性の 向上 、作物の 単収の 向上や高収益 作物
の導入等が可能となる生産性の高い農地を確
保 す る こ と が 重 要で あ る た め 、 農 地 の 大 区 画 化
や排水性の改良、畑地かんがい等の整備を推
進しています。
決壊したため池
整備済みため池
・環境の保全と創造
農村 地域で は 、持続的な 営農に より 、先祖 か
ら代々受け継いできた水田、ため池、水路など
が自然と一体になって、心安らぐ美しい景観や多
様な動植物の生息に必要な環境を構成していま
す。農業農村整備の推進に当たっては、農業生
産の持続的発展という本来の効果に加え 、国民
の期待が寄せられている自然環境の保全及び
良好な景観の形成などといった多面的機能の発
揮に積極的に取り組んでいます。
汎用化された水田での麦の収穫
・農村地域の防災・減災対策
農業農村整備の実施に当たっては、社会や農
わが国は、地震や台風などの災害により 、毎
業生産活動を取り 巻く状況の変化に応じて様々
年のように農地や農業用施設等に多大な被害
な課題に取り組まなければなりません 。そのため
が生じています。とりわけ、東日本大震災では東
には、みなさんがこれまでに学んできた農業土木
北を中心とした農山漁村に未曾有の被害が生じ
や農村計画、また、それらの 分野にとどまら ない
ました。また、近年、集中豪雨の発生、台風の接
幅広い知識を活用することが求められます。この
近 等 が増 加 傾向に あ る こ と か ら 、災 害の 危険が
広い フィ ールドの 中で 、み なさんも 自身の 専攻 、
一層増加しつつある状況です。
研究テーマを活かしつつ、さらに大きな課題に取
り組んでみてはいかがでしょうか。
-4-
4. 広範囲にわたる農業農村工学系職員の
活躍の場 (1)
Field
経験の積み重ねがキャリアアップへ
これ までは、農業農村整備の概要について紹
例に あ るように 、農林水産省本 省で 全国を 視
介してきましたが、ここでは私たちの仕事のフィー
野に 入れ た施策の 企画立案を するこ ともあ れば 、
ルドについて紹介します。
地方農政局で各地域の実情を踏まえた調整を
農業農村工学系の行政官は、基本的に、農
行ったり、国営事業所で現場の事業実施に携わ
林 水 産省 本 省の 中の 農村 振 興局 を 中 心に 、数
るこ と も あ り 、さら に 、他省 庁や地方公 共団体 へ
年 毎に 異 動 を繰り 返し ま す 。 次に 、 キ ャ リ アパ ス
の 出 向 や大 使 館 を 含む海 外 派 遣 があ った り と 、
の一例を示します。あくまで一例なので、18年
色々な職場、様々な立場で活躍することとなりま
目まででも、人それぞれです。
す。
こ のように 私たちの仕事の フィールドは農林水
産省のみならず、他省庁や地方公共団体 、また、
例:課長補佐Aさんのこれまで
1年目
本省農村振興局
係員
国内のみならず世界にも広がっています。入省
2年目
国営事業所
係員
者の大半が在外大使館書記官やJICA専門家な
5年目
本省大臣官房
係長
ど何らかの形で海外業務に関わることになります。
7年目
本省農村振興局
係長
ご参考までに、「農業農村整備の推進体制」、
9年目
在外日本大使館
書記官
12年目
国営事業所
課長
14年目
調査管理事務所
課長
16年目
本省経営局
課長補佐
18年目
本省農村振興局
課長補佐
「海外関連業務」について説明します。
(1)農業農村整備の推進体制
農業農村整備は、国が直接事業を行う国営
事業、都道府県が事業を行う補助事業などのよ
うにそれぞれ役割を分担して行っています。
特に 国の 機関としては 、農林水産省本省、地
その後は、さらに様々。都道府
県課長、地方農政局課長、国
営事業所所長、本省調査官、
本省室長、本省課長、地方農
政局部長、本省部長、地方農
政局局長、本省局次長、本省
局長など、人によって異なる道
を歩みます。
方農政局(北海道開発局、沖縄総合事務局を
含む)、国営事業所、調査管理事務所があり、そ
の役割分担は次のようになっています。
-5-
4. 広範囲にわたる農業農村工学系職員の
活躍の場 (2)
① 農林水産省本省
④調査管理事務所
全国的視点に立って、農政の進め方などを企
機能診断などの施設の保全・管理に係る業務
画・立案しているところです。農業農村整備関係
や新た な国営土地改良事業の実施に必要な調
では、社会経済情勢や農政の方向を踏まえて 、
査 や 計 画 の 策 定 等 を 行 う 事 務 所 で 、 全 国 に 15
農業農村整備全体、あるいは、かんがい排水事
箇所あります。
業など個々の 事業をどのように進めていく かなど
国民 への 食料の 安定供 給に 不可 欠 な農 業水
について企画 ・立案を行い、それらに基づき、財
利施設の ストッ クの資産価値は 、全国で32兆円
務省に対する予算要求や法令などの制度の改
となっています。調査管理事務所では、これらの
正を行っています。
施設について国や地方の財政状況、地域営農
② 地方農政局
の変化などの複数のパラメーターを勘案しつつ 、
東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国、
引き続き安定的に農業を下支えしていくための
九州の7ブロックに農政局が設置されています 。
戦略を考え、実行に移していきます。
(北海道、沖縄にはそれぞれ国土交通省北海道
開発局、内閣府沖縄総合事務局があります。)
(2)海外関連業務
これらの局では、各地域の実情に応じたきめ
現在、世界では人口増加とそれに伴う食料不
の 細 かい 行政 を展 開 する た め 、本省で 企画 ・立
足、過耕作等による土壌劣化、水不足などの環
案された施策や事業を地域の実情に合わせて
境問題が起きています。貧困層の大部分は農村
的確に実施したり、都府県、市町村などとの調整
地 域に 住んで お り 、 国際社 会に お ける最 大の 課
や 情 報 交 換 、 啓発 活 動を 行 う こ と を 主 な 任 務 と
題である「貧困削減」を達成するためには、農業
しています。
農村開発 分野 ( かんがい 排水 、農村計画等)で
③ 国営事業所
の 協力が不可欠で す 。また 、平和構築の ための
ダム、頭首工、農業用用排水路など基幹的
「復 興支援 」とい う新たな ニー ズも 重 要視され る
水利施設の整備や、農地の再編整備、地すべり
ことから、毎年多くの職員が海外へ派遣されてい
防止などの農地防災事業を行っており 、平成25
ます。協力内容としては、書記官としての現地大
年度において、全国に国営事業実施地区は128
使 館 へ の 赴 任 、 JICA 専 門 家 と し て 相 手 国 政 府
箇所あります。
の中枢での政策アドバイザーや知識・技術の移
ここはまさに国営事業の最前線であり 、その地
転業務、国連食糧農業機関等の国際機関へ職
域に最も近い機関として、地元の意向を把握し、
員として派遣される場合など多岐にわたっていま
県、市町村などの地方自治体をはじめとした国
す。また、海外の大学へ留学で きる制度もあり 、
営事業に関係する団体との調整を行います 。大
学位取得後、その経験を活かして国際会議など
学 ( 院 ) で 培 っ た 農 業 農村 工 学 に 関 す る 知 識 を
の舞台で多くの人が活躍しています。海外に派
活かす絶好の場です。また、先輩達によると、公
遣される際の年次は様々で すが 、入省9年目以
私共に充実した生活を送ることができるそうです 。
降に派遣されるのが一般的です。
-6-
5. 1年目職員(本省係員)の1日のイメージ
入省1年目のある一日
日の業務が始まります。 1年生の
主な業務はコピー、資料整理など
17:15~
残業
1年生の業務終了時間は 17:15
です。重要な情報がぎっしり詰
ですが、この時間を超えて残業を
職場でどのような仕事をして日々
まった資料を目にすることができ
することもあります。
を過ごしているのでしょうか 。
る貴重な機会で、非常に勉強にな
今日は、 翌日の国会で自分の班
ります。また、その資料の中で分
の業務(農業農村整備の予算)に
からないことがあれば上司や同期
関する質問をされることが判明し
に聞いて知識を増やす努力は怠り
たため、班員一同慌ただしく答弁
ません。
参考資料の作成に追われています。
入省1年目の職員(1年生)は、
農村振興局設計課の職員の1日
を覗いてみましょう 。
7:00
起床
まず、係長が資料を作成し、部長
気合いと根性で布団から抜け出
します。起きるのがいつもギリギ
リになってしまい、ばたばたと準
備をして、いざ出勤!
8:00
朝のルーチンワーク
登庁するやいなや、 1年生に
とって重要な任務が待ち構えてい
13:00
午後の業務開始
や局長、大臣官房などへ持って行
基本的には午前の続きの作業を
きます。その際、様々な指摘を受
しますが、今日は上司からパワー
けるため、 1年生は指摘された部
ポイントで説明資料用の図を描い
分の修正を行います。また、作成
てほしいと指示が来ました。学生
した資料のセットや誤字脱字がな
時代に培ったスライド作成の技術
いかの確認のために走り回ること
を駆使して図を作り上げます。
もあります。
ます。それは自分が所属している
その他
課内の清掃など、課内環境を整え
るための作業です。上司が気持ち
入省1年目は人事院、農林水産
よく仕事をできるのは、自分が陰
省、農村振興局等が主催する様々
で支えているからだと言い聞かせ
な研修に参加します。省内や研修
ながら黙々と作業をします。
所で行われるもの以外に、人事院
の研修の間に被災地派遣研修とし
その後、1年生が集まって報道
情報のチェックを行います。毎朝、
7紙の新聞を読み、国会、予算、
農業農村整備関係の記事を探しま
す。このときは仕事中に 1年生が
集まる貴重な時間なので、各課の
情報交換等をしながら作業をして
います。また、たくさんの新聞を
作図作業の最中にも、当然コ
ピーや資料整理、さらに別の資料
これらの研修を通して農業農村
作成を頼まれます。このように複
整備事業についての知識や社会人
数の仕事を同時にこなさなければ
として、また国家公務員としての
ならない状況はよくあることです
仕事の進め方についても学ぶこと
が、優先順位をつけながら効率よ
ができます。また、研修に限らず、
く片付けていきます。
日々の業務においても、 1年生は
勉強の繰り返しです。来年からの
真剣に読んで、日本の動きを把握
するように努めています。
私の所属する設計課では農業農
う、1年間でできるだけ多くの知
当しています。 1年生は主に、上
識を身につけていこうと日々奮闘
司が作成した資料の予算額に誤り
しています。
予算に関することなので、いつも
以上に緊張感を持って確認をして
業務開始
地方勤務で少しでも役に立てるよ
村整備事業の予算関係の業務も担
がないかをチェックします。国の
9:00
て東北にも行きました。
いきます。
徐々に、上司が登庁し始め、 1
-7-
5. 3年目職員(事業所係員)の1日のイメージ
入省3年目のある1日
入省3年目、国営事業所の係
員として勤務する職員は、職場で
どのような仕事をして日々を過ご
しているのでしょうか。
内容は、電気の専門的な話も多く、
を建設しているところなので、途
1度聞いただけでは理解できなこ
中 段 階 の 確 認 を し ま す 。 直 径 1.4
とが多々あります。後で言葉を調
mほどの大きな鋼管をダムの脇に
べたり、係長に内容を教えても
這わせているので、その鋼管が設
らったりして、なんとかついてい
計通りの高さに据え付けられてい
けるように頑張っています。
るか、鋼管の継ぎ目はしっかり溶
接されているかを自分の目で確認
九州農政局西諸農業水利事業
します。数十年保つ施設でなけれ
所で工事を担当する職員の1日を
ばならないので、確認作業はとて
覗いてみましょう 。
も緊張します 。
7:00
知らないことは多いので、ダ
起床
ム現場でも施工業者の方に専門的
毎朝、だいたい決まった時間
に起きます。寮から事業所までは、
なことを教えてもらうなどして、
ダム脇 に発電 所を設 置予定で す 。
勉強します 。
車 で 10 分 程 度 と 、 と て も 近 い で
す。テレビでニュースを見ながら、
新しい制度ということで、関
ゆっくり準備をして家を出ます。
係各位が試行錯誤しながらの取組
朝ご飯はちゃんと食べます。
になります。困った点があれば、
制度を作った経済産業省に相談も
8:30
仕事開始
まずは、メールチェックをし、
今日の予定を確認します 。
します。紙に文字で書いた制度が、
実際に適用されていく過程には
様々な工夫や関係者の協力が必要
管 の中か ら高さ の確認 です 。
なのだなと実感します。
12:00
昼休み
打合せから帰ってきたら、お
昼休み(1時間)です。事業所で
お弁当を食べ、駐車場でソフト
ボールをして体を動かします。天
気の悪い日は素振りをします 。
9:00
管 の外か ら溶接 跡の確 認です 。
電力会社と打合せ
17:15
午前中は、電力会社(九州電
退庁
仕事はメリハリが大事なので、
力)を訪れて、打合せをします。
現在、西諸農業水利事業所が建設
今のように仕事が一段落している
中の浜ノ瀬ダムでは、小水力発電
時期は早く帰るようにしています。
所 を 設 置 予 定 で す 。 平 成 24 年 度
から始まった固定価格買取制度と
休日
いう、再生可能エネルギー源を用
いて発電された電気を比較的高価
西諸農業水利事業所は、霧島
13:00
ダム現場へ
に買い取ってもらえる制度の早期
午後からはダム現場に行きま
適用を目指して、継続的に電力会
す。ダムの水を河川や田畑に放流
社と打合せをしています。打合せ
するための設備(取水放流設備)
-8-
温泉など近隣に温泉がたくさんあ
るので、温泉巡りをしてリフレッ
シュしています。
5. ある5年目職員(本省係長)の1日のイメージ
担当係長数名で部長室に入る
入省5年目のある1日
12:00
お昼休み
とのことであり、自分の班の施策
入省5年目、国営事業所での
今日は農林水産省を出て、虎
については私が行って説明するこ
係員勤務を経て、本省の係長と
ノ門まで足を伸ばして昼食です 。
とになりました。部長が資料に目
なった職員は、職場でどのような
を通している間は緊張しましたが、
仕事をしているのでしょうか 。
部長から御了解を頂いたので一安
心です。
農村振興局農地資源課の職員
の1日を覗いてみましょう。
18:15
9:30
業務終了時間
業務時間は終了しましたが、
業務開始
席に着いたらまずは今日の予
最近少し忙しい日々が続いて
日中に突発的に発生した業務など
定の確認です。午前中に現在作成
いるので、ちょっと奮発して何か
もあり、少し積み残しがあるので
を進めている資料について上司の
精のつくもの食べます。何と言っ
残業です。長くやっても効率が悪
課長補佐と打合せ、午後には上司
ても体が資本です !
いので、22時完全撤収を目指し
て集中して片づけていきます 。
と一緒に議員への説明に行く予定
や地方農政局の担当者との打合せ
もあります。
14:00
議員レクに同行
上司の課長補佐が国会議員の
19:30
係員からの質問
効率よく一日仕事ができるよ
先生に説明(レク)で呼ばれてお
一段落したところで、係員か
う、頭の中でシミュレーションを
り、資料出しや勉強のため私もつ
ら業務についての質問がありまし
してから仕事にかかります。
いていきます。何年か後には、自
た。係員の教育も大事な仕事の一
分が説明する立場であることを意
つです。自分が入省した頃のこと
識しつつ、課長補佐からの議員へ
を思い出しつつ相談に乗ったり、
の説明に耳を傾けます。
質問に答えたりします。
10:30
資料の打合せ
先日上司から指示のあった農
業者の方へ今後配布するパンフ
レットについて、アウトラインが
15:00
できたので、「手戻り」を防ぐた
地方農政局担当者との打合せ
めに、一度現段階のもので打ち合
帰庁してすぐ、地方農政局担
わせをします。
当者とテレビ会議システムを使っ
た打合せです。私の担当する施策
は、都道府県や市町村との連携が
無事に仕事が終わったので、
方農政局担当者から施策の推進の
明日に疲れを残さないようこの辺
ための課題等についてヒアリング
りで帰宅です 。明日も頑張るぞ 。
げて行きます。
くり」のため、構成・レイアウト
や色遣い、文章表現まで色々なア
ドバイスをもらいました。頂いた
アドバイスを踏まえ、係員と分担
しつつ、さらに資料の作成を進め
ます。
帰宅
不可欠であり、より現場を知る地
を行い、今後の制度の改善につな
上司からは「見やすい資料づ
22:00
16:45
部長説明の発生
整備部内のとりまとめをする
設計課から連絡があり、昨日、整
備部内各課から集めた資料につい
て、部長に説明するとのことです。
-9-
6. 農業農村工学分野の行政を
支える女性のパワー
農林水産省では、女性職員 の採用・登用 の
拡大、勤務環境の整備、女性職員の能力の活
用に取り組んでおり、農業農村工学分野にお
いても、多くの女性職員が活躍しています。「ド
ボジ ョ 」 や「建設小町」という言葉を聞いた こと
がある人もいるかもしれません。
5~6ページでは、農業農村工学系の行政
官 に は 、国 内各 地 やさら に は 海 外まで 幅広 い
Aさん:進路選択にあたっては、地元
での就職も検討しました。具体的
には、大学で学んだ専門知識を活
かして働きたいという思いがあっ
たので、地方公共団体や民間企業
への就職も視野に入れていました。
最終的には、施策のスケールの大
きさに惹かれ、国家公務員総合職
を選択しました。
Bさん:私も同様です。学生時代に農
家の方とお話しをした際に、国の
施策が農業に与える影響がいかに
大きいかというお話を伺ったこと
が私の進路決定に影響していると
思います。
Cさん:私は日本の農業をより良くし
たいという思いに加えて、国際協
力にも取り組みたいという思いが
ありました。大使館勤務やJIC
A専門家としての派遣など、国際
社会での活躍の途が広く開かれて
いるということを先輩から教えて
いただき、決めました。
フ ィ ール ド に活躍 の 場が あ る こと を紹 介 しま し
た 。 こ の こ と は、 家庭 と仕 事 の 両立 と いう 観点
からは、困難を含んでいるように思えるかも知
れません。
ここでは、新規入省の女性職員の皆さんに、
どのよ うな ことを考えて進路を選択した のか 、
また、実際に入省してみてどのように感じてい
るのか、ざっくばらんに語ってもらいました。
Dさん:私も地元での就職は考えまし
たが、進路選択にあたっては、あ
まり結婚・出産・介護といった人
生設計について深く考えなかった
な、とは思います。
Cさん:学生時代は職業として自分の
やりたいことがまずあって、長期
的な人生設計とか深く考えないよ
ね(笑)
Bさん:確かにそうですね。全く考え
ないわけではないけれど、優先順
位は低かったと思います。
Aさん:私も、現役職員の方から、産
休・育休を始めとした制度につい
て聞いていましたし、実際にそれ
らの制度を活用して家庭生活を充
実させながらキャリアを積んでい
る先輩女性職員の方のお話を聞い
ていましたので心配はしていませ
んでした。
Dさん:仕事量が多いということはあ
りますが、上司の男性の皆さんは
家族を大事に考えています。家庭
の用事があるとき
には、上手く業務
農業農村工学系新規入省者数の推移
量をコントロール
したり、班内で業
務を補い合って早
男性 女性
3
く退庁するなど工
4
5
夫をされています
1
1
し、そうするべき
だという雰囲気が
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醸成されていると
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感じます。
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9
9
7
Aさん:制度面でかなり充実していま
すし、今後もより充実していくだ
ろうという安心感も強いですね。
Bさん:「農業を良くしたい」といっ
たやりたいことがある場合、キャ
リアアップが必要ですが、私たち
の職場では、性別に関係なく可能
性が開かれています。私は、留学
なども考えており、機会を捉えて
自己研鑽に努めていきたいと思っ
ています。
Cさん:近年は女性職員の採用が増え
ていますが、まだまだ男性職員の
方が多数ではあります。女性なら
ではの視点というのもあるのかな、
そういったことを政策に反映させ
ていくにはどうしたら良いのかな、
といったことを考えています。
Dさん:ここでしかできない仕事があ
ると思います。学生の皆さんの興
味に合致すれば、おすすめできる
職場であることは間違いありませ
ん。皆さんとお仕事ができる日を
楽しみにしています。
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ワークライフバランスの両立支援制度について
○ 産 前 ・ 産 後 休 暇 や 育 児 休 暇 は も ち ろ ん 、 男 性・
女 性 と も に 、 子 ど も を 養育 す る 職 員や 家 族 を 介
護する職員が利用できる、様々なワークライフバ
ランスの両立支援制度があります。
( 単 位 : 名)
詳しくは、人事院ホームページに掲載されてい
る『育児・介護のための両立支援ハンドブック』を
ご覧ください。
○国家公務員Ⅰ種または総合職の農業農村工学
系の新規採用に占める女性の割合は、近年増
加傾向にあります。
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http://www.jinji.go.jp/ikuzi/handbook.pdf
おわりに・・・
Future
「なりたい自分」を実現
日本のために
人生のために
みずからの力で、みずからの食料を安定的に
責任ある大きな仕事に取り組むことで 、一人の
確保できる持続可能な国を、
人間として、
創りたい。
成長したい。
自立的な経営を行い、国民の需要に即した
様々な立場の、多くの人とふれあい 、話しあい、
安心・安全な農産物を作ることのできる農家を、
育てたい。
わかりあいたい。
日本、海外、様々な場所で働くことで、自分自
祖先から営々と受け継がれてきた、美しく、環
身の世界を
境と調和した農村を、国土を、文化を
守りたい。
広げたい。
私たちは、農林水産省での職務を通して、数
私たちの、目指すものです。
多くの経験ができます。
仕事をする中で、農林水産省の人、企業の人、
私たちは、日本の明日、そして未来のために、
他省庁の人、農家の人、地域の人、他国の代表、
働いています。日本のための仕事だからこそ、
多くの人と出会い ます。こ れは一人の 人間として、
来年や数年後のような近い未来だけではなく 、
大きな財産となるでしょう。
10 年 後 、50 年 後の 日 本を も 考 え た 仕 事 を し な
ければなりません。私たちが現在行う仕事が、
後々に大きな影響を与えるからです。
そ して 、私 た ちの 仕事 の フ ィ ー ル ド は 、 日 本全
国、そして世界の国々までも広がります。
食料・農業への課題は、世界共通の課題だか
らです。
日本、そして世界。この地球上のいかなる場所、
いかなる時代にも、食料を必要としない人間はいません。
人が、生きるために必要な食料。
そして、それらを支える農業生産活動・農村地域。
これら食料・農業・農村を取り巻く課題を解決するのが私たちの仕事です。
【お問い合わせ先】
この資料についてのお問い合わせは、
農林水産省農村振興局整備部設計課企画班 指導係 まで (電話:03-3502-8695)
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