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飛島における自然環境現況調査報告書

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飛島における自然環境現況調査報告書
飛島における自然環境現況調査報告書
1.調査趣旨
本地域は、本県最北端に位置しており、海流の影響によって、暖地系植物と寒地系植物
がそれぞれ分布し、これらの中には県内唯一のものや北限、南限となっているものもある。
また、森林、草地、海岸砂礫地と変化に富む植生を示すことや、広く分布するタブ林によ
って、孤島である割には昆虫層も豊富であると言われている。また、孤島であることから、
自然環境の変化は本土に比べて比較的少ないものと考えられるが、漂着や人為等による新
たな種の分布や、貯水ダムの建設による昆虫層の変化などが予想される。
1969 年(昭和 44 年)~1971 年(昭和 46 年)の 3 ヵ年に行われた山形県総合学術調査報
告書「鳥海山・飛島」に係る調査(以下「学術調査」という。)からは 40 年以上が経過し
ていることから、今後の飛島の自然環境保全を考えるためには、現況を把握することが必
要である。
2.調査地の概要と選定理由
(1) 調査地の概要
飛島は、酒田市の北西約 38km に位置する山形県で唯一の離島であり、その歴史は古く、
7千年前の縄文時代の遺跡が発見されている。また、江戸時代には日本海を往来する北前
船の避難港として歴史に名を残している(写真1、2)。
周囲約 10.2km、面積 230ha の小島で、主として第三紀系からなる海抜 50m前後(最高点
は 69m)の隆起台地であり、高位段丘面がよく発達し起伏が少ないため、遠くから見るとテ
ーブル状の形状をなしている。地質は主に新第三紀系の玄武岩質ないし安山岩質の火山砕
屑岩より形成されており、第四紀系の灰黒色粘土等が段丘上及び海食台上に分布している。
島の北端は北緯 39°12’18”と県内最北端に位置するものの、日本海を北上する対馬暖流
により、年平均気温は 12.7℃(山形 10.8℃)と県内では最も温暖である。
このため植物の分布もタブ-ヤブツバキの典型的な暖帯林が発達し、マサキ、モチノキ
等多くの暖地系植物が自生している。暖帯林の分布は島の北東及び南東の海岸地帯に著し
く、他には北端の八幡崎、丘陵上の高森神社と小物忌神社をとりまく一帯と西海岸の賽磧
の小域と冬季の厳しい西北季節風を避けられることができる箇所に限られている(写真3、
4)。なお、飛島本島全体が鳥海国定公園第 2 種特別地域となっており、その開発や動植物
の採取等には法的制限が加わるほか、酒田市指定の天然記念物である柏木山のトビシマカ
ンゾウ自生地(写真5)や飛島小中学校裏のムベ自生地、国指定天然記念物である館岩の
ウミネコ繁殖地等、学術的にも重要な箇所が多数存在している。
(2) 選定理由
温暖な気候特性から、暖地性植物のモチノキ、ムベ、ヤブミョウガ、トウダイグサは本
邦日本海側における分布の北限であるほか、寒地性植物のエゾツルキンバイ、シカギクの
南限ともなっている。島の全域は鳥海国定公園第 2 種特別地域に指定されており、その他
ハイビャクシンやカノコソウ、エゾノコギリソウ、トビシマカンゾウ等は本県唯一の産地
である。春と秋には多くの渡り鳥の中継地となるなど学術的にも価値が高い地域である
(写真6、7)。
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3.調査日、調査箇所及び調査者
調査は、2010 年 7 月 8~10 日の 3 日間で行った。調査区域は海岸汀線より内側の島全域
とした。3日間の天候は 8 日晴れ、9 日曇り時々晴れ、10 日曇りであった。
調査は、土門尚三、水野重紀、沢和浩、横倉明、畠中裕之、武浪秀子、福島弘幸、伊藤
聡とレッドデータブック改定のための希少野生植物分布調査受託者である山形県植物調査
研究会から鈴木暁、齋藤正昭、大類貞夫、高橋信弥との合同により計 12 名で行った。
4.調査方法
1)植物
(1) 植物相
同定は主に現地で調査者が行ったが、一部不明な種については採取し、持ち帰ってから
後日同定を行った。
(2) タブノキの分布及び生育状況
飛島の台地上はほとんど農地や植林に利用されているが、東海岸の勝浦、北海岸の法木
などの背後の小沢は風陰側崖面となっており、タブ林が分布している。また、島内にある
社叢(遠賀美神社、大宮神社、高森山、賽ノ河原)周辺にも分布が見られる。特に小沢に
成育しているタブ林は島の水源涵養機能を担っていると考えられる(写真8、9)。
1978 年の「第2回自然環境保全基礎調査報告書」、1983 年の「酒田市の潜在自然植生」
にタブ林の調査記録がある。現況や過去からの変化を把握するために、タブ林の各層にお
ける植生や優先度、植被率等を調査した。
2)動物
(1) 昆虫相(水生昆虫を含む)
陸生昆虫については、現地で生育を確認した種をリストアップし、現地で同定が困難な
種や、生息記録として重要な種に限り採取した。水生昆虫については、水網ですくい取る
などして捕獲し、陸生昆虫と同じく現地で同定が困難な種や、生息記録として重要な種に
限り採取した(写真 10)。また、植生や地形等の区分に応じて、スギ林、マツ林、タブ林、
広葉樹林及び畑地を各 5 箇所ずつ選定し、地表性昆虫の生息状況の把握を試みた。
2010 年 7 月 8 日または 9 日の 14 時~18 時頃に口径約7cm、長さ約9cm のプラスチック
製コップにさなぎ粉を入れたピットホールトラップを 1 箇所あたり 3 個、計 75 個設置し、
翌日 8 時~13 時ごろ捕獲した昆虫を回収した。捕獲した昆虫は現地での同定が困難であっ
たことから、渡貫修太郎氏に同定を依頼した。
5.調査結果
1)植物
(1)植物相
今回の調査では、シダ植物 26 種、種子植物 372 種の計 398 種を確認することができた
(表-3)。
(1)-1 生育が確認できた県絶滅危惧種と希少種
生育が確認できた県絶滅危惧種は、ハイビャクシン(県 EN、国-)、ハマミチヤナギ(県
CR、国-)、ツルナ(県 CR、国-)、オオバナノミミナグサ(県 VU、国-)、ハマハコベ(県
EN、国-)、ミスミソウ(県 NT、国 NT)、ムベ(県 EN、国-)、ハンゲショウ(県 EN、国-)、
アオノイワレンゲ(県 EN、国-)、エゾツルキンバイ(県 CR、国-)、ヤマナシ(県 CR、国
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-)、エゾノレンリソウ(県 VU、国-)、モチノキ(県 CR、国-)、ハイハマボッス(県 NT、
国 NT)、アナマスミレ(県 CR、国-)
、ホタルサイコ(県 VU、国-)、テイカカズラ(県 NT、
国-)、アカネムグラ(県 NT、国-)、ハマベンケイソウ(県 CR、国-)、エゾヒナノウス
ツボ(県 VU、国-)、イヌタヌキモ(県 NT、国 NT)、カノコソウ(県 VU、国-)、エゾノコ
ギリソウ(県 CR、国-)、ムラサキニガナ(県 VU、国-)、オオニガナ(県 NT、国-)、オ
クコガネギク(県 NT、国-)、ギョウジャニンニク(県 VU、国-)、トビシマカンゾウ(県
NT、国-)、ドロイ(県 VU、国-)、ヤブミョウガ(県 EN、国-)、ハマムギ(県 DD、国-)、
マスクサ(県 EN、国-)、ホソバヒカゲスゲ(県 VU、国-)、センダイスゲ(県 CR、国-)、
オオクグ(県 CR、国 NT)、シオクグ(県 CR、国-)、ニシノホンモンジスゲ(県 EN、国-)、
アオスズラン(県 VU、国-)、カキラン(県 NT、国-)、の 39 種であった。また、希少種
であるトウヒレン SP、コウキヤガラ(写真 11)等も確認された。以下に、これらのうち飛
島に特徴的な12種について本県における現状と本地域における分布状況について記す。
なお、現状は県版レッドデータブックが発刊された 2004 年当時のものである。
①ハイビャクシン(ヒノキ科)Juniperus chinensis L. var. procumbens Siebold ex Endl.
(県 EN、国 -)
本種は、飛島の岸壁上に自生する低木の針葉樹で、現存するのは約 50 個体である。近年
自生地の開発や園芸用に採取されて減少し、稀な植物になっている。岩石の崩落などで自
生地の基盤が弱く、状況変化では絶滅も考えられる。今回の調査では、柏木山~船見沢貯
水池周辺にて生育を確認した。
②ツルナ(ツルナ科)Tetragonia tetragonoides (Pall.) O.Kuntze (県 CR、国 -)(写真 12)
本種は、飛島など 2 箇所の岩礁海岸の砂地に自生しているのが確認されている。個体数
はいずれもわずかで、海岸に打ち上げられたごみの下や、歩道上の岩の間隔など不安定な
立地に生育している。今回の調査では、海水浴場の近くにおいて 10 個体確認した。海水浴
場の整備を行う際は、注意する必要がある。
③エゾツルキンバイ(バラ科)Potentilla egedei Wormsk. var. grandis (Torr. et A.Gray) H.Hara
(県 CR、国 -)(写真 13)
本種は、飛島が県内唯一の自生地で、海岸の汀線近くに約 50 個体からなる小群落を形成
している。海岸汚染、砂浜の流出による自生地の消失が懸念される。今回の調査では、渚
の浜にてギョウギシバ等の群落中に散見された。
④モチノキ(モチノキ科)Ilex integra Thunb. (県 CR、国 -)
本種は、飛島が県内唯一の自生地で、日本の北限である。タブノキ林の中に自生し、大
きいものは高さが 10m前後である。当時の調査では総計 9 個体が確認され、そのうち植栽
が 1 個体であることが確認されている。優勢なタブノキの圧迫と土地造成などにより絶滅
が懸念される。今回の調査では、小中学校グラウンド周辺にて生育を確認。小物忌神社境
内のタブノキの社寺林では 2 個体の生育を確認した。
⑤ヤブミョウガ(ツユクサ科)Pollia japonica Thunb. (県 EN、国 -)
本種は、県内では飛島だけに自生する温暖系の多年草で、本島は自生北限である。タブ
林縁部に約 300 個体が確認された。自生地や個体数は限られており、タブ林の伐採や土地
造成による絶滅が懸念される。今回の調査では、勝浦~高森沢砂防ダムにて数百個体の生
育を確認した。
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⑥センダイスゲ(カヤツリグサ科)Carex lenta D.Don var. sendaica (Franch.) T.Koyama
(県 CR、国 -)
本種は、飛島に自生する多年草で、クロマツの林縁部に稀に分布する。自生地や個体数
が限られており、土地造成などによる絶滅が懸念される。今回の調査では、島南部のタブ
林の林縁で約 100 個体前後確認した。
⑦オオクグ(カヤツリグサ科)Carex rugulosa Kük. (県 CR、国 NT)(写真 14)
本種は、好塩水生の多年草で、荒天時に海水がかかる環境下に生育する。酒田港付近と
遊佐町湯ノ田の 2 箇所では護岸工事や土地造成のため絶滅した。県内で現存するのは飛島 1
箇所のみで、小群落を作っているだけで、絶滅寸前の状態である。今回の調査では、当該
箇所のヨシの間にて約 30 個体の生育を確認した。
⑧シオクグ(カヤツリグサ科)Carex scabrifolia Steud. (県 CR、国 -)(写真 15、16)
本種は、海岸に生える好塩水生の多年草でオオクグと似た環境下に自生する。遊佐町湯
ノ田の自生地は絶滅した。現存するのは 2 箇所でそれぞれ数十個体が確認されている。海
岸の整備・開発に遇えば絶滅する可能性が高い。今回の調査では、荒崎と鴨の浜周辺の 2
箇所のみで計 100 個体の生育を確認した。
⑨ニシノホンモンジスゲ(カヤツリグサ科)Carex stenostachys Franch. et Sav.(県 EN、国 -)
本種は、飛島が北限自生地である多年草で、林縁や休耕地などにややまれに生育してい
る。この地は東北地方唯一の産地である。今回の調査では、ほぼ全島にて生育しているこ
とを確認した。
⑩アカネムグラ(アカネ科)Rubia jesoensis (Miq.) Miyabe et T.Miyake (県 NT、国 -)(写真 17)
本種は、飛島に自生する寒地系の多年草で、西海岸を中心に、湿った草地に約 100 個体
が確認されている。今回の調査では、数百個体の生育を確認した。
⑪エゾノコギリソウ(キク科)Achillea ptarmica L. subsp. macrocephala (Rupr.) Heimerl
(県 CR、国 -)(写真 18)
本種は、飛島が県内唯一の自生地になっている寒地系の多年草である。海岸に近い草地
にまれに分布し、個体数も約 20 個体確認されている。道路沿いのススキやオオイタドリの
群落に自生しており、草刈などで損傷の影響下にある。道路拡張工事などにあえば、確実
に絶滅する状況にある。今回の調査も、約 20 個体の生育を確認した。
⑫トウヒレン SP.(キク科) Saussurea SP. (希少種)
本種は、これまでトガヒゴタイ(県 NT、国 -)と考えられていた種で、荒崎周辺の林下
草地に生育するが、最近の研究でトガヒゴタイではないことが明らかになっている。今後
飛島固有の新種として発表される見込みである。個体数が少なく、分布状況の詳細な調査
とモニタリングが必要である。
(1)-2 生育の記録はあるが確認できなかった県絶滅危惧種と希少種
飛島に関する過去の文献において記録があるものの、今回の調査で確認できなかった種
は以下の19種である。
デンジソウ(県 CR、国 VU)、サンショウモ(県 VU、国 VU)、オキナグサ(県 EN、国 VU)、
ノウルシ(県 NT、国 NT)、トウダイグサ(県 CR、国-)、ニオイタチツボスミレ(県 VU、
国-)、トチカガミ(県 EN、国 NT)、ミズオオバコ(県 VU、国 VU)、スズサイコ(県 NT、
国 NT)、ミズハコベ(県 VU、国-)、ナンバンギセル(県 VU、国-)、ハマウツボ(県 EN、
29
国 VU)、ハマアオスゲ(県 DD、国-)、エビネ(県 VU、国 NT)、ヤマサギソウ(県 EN、国
-)、キクムグラ(県 DD、国-)、ノコギリソウ(県 CR、国-)、シカギク(県 EX、国-)、
オナモミ(県-、国 VU)
。
今回の調査は 2 泊 3 日の限られた期間であり、また季節により確認が困難な種も生息し
ていると推測され、今回は確認できなかったが、生息している可能性は充分に考えられる。
(2) タブノキの分布及び生育状況
今回、島内 11 箇所のタブ林の調査を行ったが、タブノキの分布状況は過去の調査結果と
比べて、大きな変化は無いと考えられる。
生育状況は、大部分のタブ林が植被率 90~95%、最も低い法木裏山でも植被率 80%とほ
ぼ純林状となっており、一部でキヅタ、エゾイタヤ、フジ、エノキを混える程度である。
亜高木層では、ヤブツバキが数箇所で出現する他、ヒサカキ、ミツバアケビ、ヤマグワが
若干出現する程度で、高木層のタブノキに鬱閉されて亜高木層の形成が困難になっている
ものと考えられる。下層植生として、ヤブツバキ、アオキ、テイカカズラ、ヤダケなどか
ら組成している林分が多く、1978 年(昭和 53 年)の特定植物群落調査報告書の調査結果と
大きな変化は無い。なお、下層植生の中にはモチノキ(県 CR、国-)、ムベ(県 EN、国-)、
テイカカズラ(県 NT、国-)、トウヒレン SP.と希少種も混じっており、タブ林の環境変化
はタブノキのみならず、他の種の生存に影響を与えることも考えられる(表-1)。
2)動物
今回の調査では、ギンヤンマ、シオカラトンボなどの昆虫類 152 種、トビ、ハヤブサな
どの鳥類 7 種等を確認することができた(表-4)。
(1)動物相
(1)-1 生育が確認できた県絶滅危惧種と希少種
生育が確認できた県絶滅危惧種は、チャイロチビゲンゴロウ(県 NT、国-)、フトキバス
ナハラゴミムシ(県 DD、国 NT)、ウラジロミドリシジミ(県 LP、国-)、ハヤブサ(県 VU、
国 VU)、ハリオアマツバメ(県 NT、国-)の 5 種であった。以下に、これら 5 種の本県に
おける現状と本地域における分布について記す。
①チャイロチビゲンゴロウ(ゲンゴロウ科)Liodessus megacephalus (Gschwendtner) .
(県 NT、国-)(写真 19)
本種は、本州以南に分布する体長 3mm 前後のゲンゴロウである。海岸の岩礁地帯で、塩
水の混じる潮溜まりに生息し、庄内地域の海岸の岩礁で広く分布が確認されているものの
生息地は減少傾向にある。今回の調査では、西海岸及び小松浜~賽の河原にかけての潮溜
りの 2 箇所にて確認できた。
②フトキバスナハラゴミムシ(オサムシ科)Diplocheila macromandibularis (Habu Tanaka)
(県 DD、国 NT)
本種は、山形県飛島ほか本州の広い地域で散発的に採取した記録があるものの、いずれ
の場所においても採取例は数例のみで、詳しい分布や生息環境は不明である。県内では飛
島でのみ確認されており、草地や畑地に生息している。今回の調査では八幡神社付近のト
ラップ 1 箇所で捕獲した。
③ウラジロミドリシジミ(シジミシジミチョウ科)Favonius saphirinus (Staudinger) (県 LP、国-)
本種は、全国に分布するものの、その分布は離散的である。県内では庄内地域の遊佐町、
30
鶴岡市で比較的安定した発生をしている。内陸部では、新庄市、舟形町のみに生息してい
るが、カシワ林の伐採により生息環境が悪化し個体数は激減している。今回の調査では、
柏木山周辺において 10 頭前後確認した。
④ハヤブサ(ハヤブサ科)Falco peregrinus japonensis Gmelin (県 VU、国 VU)
本種は、留鳥として九州以北に生息し、主に海岸の断崖という特殊な繁殖環境を必要と
し、元来その個体数も多くはない。県内では、酒田市飛島、遊佐町、鶴岡市の海岸部と、
内陸部の大蔵村の崖地で繁殖している。近年海岸部崖地の改変により繁殖数が減少傾向で
ある。今回の調査では、島上空を飛び回っているのを確認した。
⑤ハリオアマツバメ(アマツバメ科)Hirundapus caudacutus caudacutus (Latham) (県 NT、国-)
本種は、夏鳥として本州中以北の平地から山地の林の上空に生息し、樹洞で繁殖する。
本県でも夏鳥として山地に渡来するが、元来個体数が少ない。ブナ林の減少など生息環境
が悪化し、個体数が減少している。今回の調査では、島上空を飛び回っているのを確認し
た。
(1)-2 生育の記録はあるが確認できなかった県絶滅危惧種と希少種
飛島に関する過去の文献において記録があるものの、今回の調査で確認できなかった種
は以下の3種である。
カトリヤンマ(県 NT、国-)、ミツカドコオロギ(県 要注目、国-)、ノコギリカメムシ
(県 要注目、国-)。
今回の調査は 2 泊 3 日の限られた期間であり、また季節により確認が困難な種も生息し
ていると推測され、今回は確認できなかったが、生息している可能性は充分考えられる。
(2) 林相毎の昆虫の生息状況
今回、トラップにおいて捕獲した昆虫は、ゴミムシ類が 363 匹、シデムシ類 249 匹、コ
ガネムシ類 65 匹、コメツキムシ類数匹であった。なお、林相毎の捕獲数は、スギ林の 417
匹が最も多かった(図-1)
(写真 20)。昆虫が多数捕獲されたスギ林は、島のほぼ中央部の
稜線東側、標高 50~60mの一部区域に集中していた。また、強い季節風が直接当たる西海
岸の風衝地のマツ林及び広葉樹林では、捕獲数が非常に少ない結果となった。さらに、捕
獲したゴミムシ類を種類ごとに区分してみると、複数の林相で捕獲されている種がある一
方で、同一林相でのみ捕獲された種も見られた(表-2)
。
6.まとめ(今後の保全策について)
(1)絶滅危惧種の生息・生育状況に関するモニタリング調査
絶滅危惧種の生息・生育状況を常に把握しておくことは、今後の自然環境の変化を早急
に察知する上での基礎的な資料となる。絶滅危惧種は、個体数が非常に少ない場合が多く、
何らかの環境の変化により短期間で絶滅してしまう可能性が大きい。このことから、絶滅
危惧種の保全対策としては、モニタリング調査を継続的に行うことによって、その生息・
生育状況の変化をできるだけ早急かつ的確に把握することが最も重要な点となる。
モニタリング調査にあたっては、絶滅危惧種が絶滅せずに生息・生育しているかどうか
を確認するだけでなく、再現性のある数量化されたデータの収集・蓄積にできるだけ取り
組む必要がある。飛島は、絶滅危惧種のエゾツルキンバイやエゾノコギリソウなど県内唯
一の自生種も多いことから、その分布状況について定量化を行い、変化を早急に知るため
の指標を設定して継続的にモニタリング調査を行う必要がある。
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(2)生物相に関する調査
飛島はその地理的・気候的特性から、絶滅危惧種の数も多く、県内唯一の自生種も多い
地域であるため保護が必要であるが、ある特定の種を保護するための行為が、別の種の生
存にどのような影響を及ぼすのかが分からないままで保全対策を行うことは避けなければ
ならない。
飛島の自然環境にはまだ未解明の部分が多く、また、気候の変化にも敏感に対応してい
ることも考えられる。飛島の生物多様性について理解を深めるためには、時期や調査区域
を変える等の工夫を行い、引続き各種の調査を実施していく必要がある。
(3)ナラ枯れの拡大防止
今回の調査時に、林内でナラ枯れによりくん蒸処理を行ったコナラ材を発見した。本土
からは約 28km 離れた離島ではあるが、ナラ枯れの脅威は迫っている。飛島はその独特の生
態系を有していることから、ナラ類の枯損がそれらに与える影響が懸念される。また、飛
島では過去から水不足問題を抱えているが、ナラ林が大幅に枯損した場合には、森林の水
源涵養機能が低下することも懸念される。
ナラ枯れの単木駆除には複数の方法があり、技術的には確立されていることから、被害
が拡大する前に早急に駆除を行う必要がある。また、駆除後についてもその周辺のナラ類
の根元に木くずがでている個体がないかどうか注意深く観察し、見つけると同時に駆除す
る対策が必要である。
(4)外来種に関するモニタリング調査
勝浦港周辺において、当該からの移入種の実態を調査した結果、オオアワダチソウやシ
ロツメクサなど 27 種の帰化植物を確認した。勝浦港は酒田との定期船の発着港であること
から、飛島に生息・生育していない生物が本土より直接持ち込まれていると考えられる。
それらの帰化植物が生息を拡大していった場合、飛島在来種への影響が懸念されること
から、港において進入防止策を講じるほか、港を中心とした継続的なモニタリング調査を
行う必要がある。
32
【参考・引用文献】
(1)
総合学術調査報告書[鳥海山・飛島] (1972 S47.山形県総合学術調査会)
(2)
環境庁(1978)第2回自然環境保全基礎調査 特定植物群落調査報告書(山形県).
196pp,環境庁,東京.
(3)
酒田市の植生と植物相(1982)酒田市植生調査団 112pp
(4)
第5回自然環境保全基礎調査 環境庁特定植物群落調査(1998 H10)
(5)
平成 9 年度飛島自然環境調査業務委託報告書(1998)飛島自然調査会 85pp
(6)
米倉浩司・梶田忠(2003)「BG Plants 和名-学名インデックス」
(Y-List),
http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html. (2013 年 3 月1日)
(7)
山形県野生植物調査研究会(2004)レッドデータブックやまがた絶滅危惧野生
植物(維管束植物)
.294pp,山形県文化環境部環境保護課,山形.
(8)
山形県希少野生生物調査検討委員会動物部会(2003)レッドデータブックやまがた
山形県の絶滅のおそれのある野生生物.302pp,山形県文化環境部環境保護課,山形.
(9)
大津高(2004)山形県陸産淡水産動物目録
改訂版.358pp,山形県動物環境調査会,
山形.
(10) 大橋広好・邑田仁・岩槻邦男(2008)新牧野日本植物図鑑.1458pp,北隆館,東京.
(11) 平成 19 年度離島振興推進調査(受託研究)報告書(2008)東北公益文化大学、
山形大学農学部 138pp
(12) 環境省(2012)哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、貝類、植物 I 及び植物 II の
レッドリストの見直しについて.2012 年 8 月 28 日環境省報道発表資料.
33
表-1 タブ林の植生
調査区番号
1(八幡神社) 林内ギャップ 2(高森神社)
3(学校裏)
4(法木裏山) 5(高森脇) 6(小物忌神社) 7(ダム下流斜面) 8(賽の河原) 9(鼻戸崎) 10(四谷ダム)
11(宮良)
調査年月日
2010.7.8
2010.7.8
2010.7.8
2010.7.9
2010.7.9
2010.7.9
2010.7.9
2010.7.10
2010.7.10
2010.9.27
2010.9.27
2010.9.28
北緯
39°11′49.1″
39°11′43.2″ 39°11′31.7″
39°11′58.9″
東経
139°33′30.6″
139°33′12.9″ 139°32′58.7″
139°33′6.0″
海抜高度(m)
70
68
53
方位
傾斜(°)
0
35
45
0
5
40
35
40
45
調査面積(m2)
15m×15m
5m×5m
20m×20m
20m×20m
20m×20m 20m×20m
20m×20m
15m×15m
Ⅰ 高木層の高さ(m)
12
23
18
18
18
17
16
12
15
20
植被率(%)
90
95
95
80
95
95
90
90
95
95
Ⅱ 亜高木層の高さ(m)
5
5
8
8
植被率(%)
15
20
10
90
Ⅲ1 低木層の高さ(m)
3
4
3.5
4
3.5
3.5
2.5
2.5
4
植被率(%)
90
70
80
10
70
90
80
50
80
Ⅲ2 低木層の高さ(m)
2
1.5
2
1
1.5
1.5
1.7
植被率(%)
40
20
60
20
50
40
60
Ⅳ 草本層の高さ(m)
0.4
0.5
0.4
0.4
0.4
0.5
0.4
0.4
0.4
0.5
0.7
0.5
植被率(%)
5
80
30
50
5
70
30
10
80
15
20
10
出現種数
DBH(cm)
30~50cm
70~100cm
20~40cm
40~70cm 20~40cm
40~80cm
20~40cm 20~50cm
20~40cm 40~80cm
Ⅰ 高木層
タブノキ
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
キヅタ
+
エゾイタヤ
+
1
フジ
+
エノキ
1
Ⅱ
亜高木層
ヒサカキ
ヤブツバキ
タブノキ
ミツバアケビ
ヤマグワ
+
1
2
+
1
5
+
+
Ⅲ1 低木層(1)
アオキ
タブノキ
テイカカズラ
ヒサカキ
ムベ
ヤダケ
ヤブツバキ
ヤツデ
マルバグミ
モチノキ
ミツバアケビ
オオバマユミ
ツルS.P.(トゲ有り)
フジ
+
2
+
+
+
+
3
5
2
4
1
+
+
+
+
1
+
5
+
4
+
+
3
+
1
+
+
5
4
+
+
+
1
+
+
+
+
+
+
Ⅲ2 低木層(2)
アオキ
エゾイタヤ
オオバマユミ
オニドコロ
サンショウ
タブノキ
タラノキ
テイカカズラ
ニワトコ
ハリギリ
ヒサカキ
ヤツデ
ヤブツバキ
ヤマグワ
ヤダケ
ムラサキシキブ
ムベ
フジ
シオデ
マサキ
ヘクソカズラ
クサギ
マルバグミ
Ⅳ
草本層
アイアスカイノデ
アオキ
アキカラマツ
ウラシマソウ
エゾイタヤ
エノキ
オオバマユミ
オニドコロ
オニヤブソテツ
カスミザクラ
ガマズミ
キヅタ
クルマユリ
サルトリイバラ
サンショウ
シオデ
ジャノヒゲ
スゲS.P.(細い)
スズメウリ
タブノキ
チゴユリ
ツタ
ツタウルシ
テイカカズラ
トウヒレンSP
トラノオシダ
ニワトコ
ノブドウ
ハリギリ
ヒカゲイノコヅチ
ヒサカキ
ヒメヤブラン
フジ
ヘクソカズラ
ベニシダ
ホウチャクソウ
マサキ
マルバグミ
マルバサンキライ
ムベ
ムラサキシキブ
ヤツデ
ヤブコウジ
ヤブツバキ
ヤマグワ
センニンソウ
フユノハナワラビ
ジャノヒゲ
ヒメヤシャブシ
チマキザサ
サカゲイノデ
オニドコロ
ツルマサキ
+
+
1
+
2
3
+
1
2
2
1
2
+
+
+
+
+
+
+
1
+
+
+
1
+
1
+
+
2
+
+
+
3
+
+
+
1
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
2
+
2
+
+
1
1
1
+
1
+
1
+
+
+
+
+
1
+
1
1
+
+
1
+
+
1
+
+
+
+
+
+
1
+
1
+
3
+
+
+
+
3
+
+
1
+
+
1
+
+
+
1
+
+
+
+
+
+
+
+
+
2
3
+
3
+
4
+
2
2
+
+
+
+
+
+
+
+
+
1
+
+
+
+
+
+
+
+
2
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
1
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
1
+
+
+
+
+
34
(匹)
500
捕獲数量
400
シデムシ類
コガネムシ類
ゴミムシ類
300
200
100
0
タブ林
広葉樹林
スギ林
マツ林
畑
図-1 各林相における昆虫トラップ捕獲数
表-2 各林相における捕獲したゴミムシ類の種類
オオスナハラゴミムシ
ツヤヒラタゴミムシ属の一種
オオクロツヤヒラタゴミムシ
マルガタツヤヒラタゴミムシ
ナガゴミムシ属の一種
スジアオゴミムシ
キンナガゴミムシ
ゴモクムシ属の一種
キアシヌレチゴミムシ
セアカヒラタゴミムシ
コガシラナガゴミムシ
マルガタゴミムシ属の一種
ヒメケゴモクムシ
オオホソクビゴミムシ
ヨリトモナガゴミムシ
クロツヤヒラタゴミムシ
オオクロナガゴミムシ
オオゴミムシ
ヒメツヤヒラタゴミムシ
フトクチヒゲヒラタゴミムシ
キボシアオゴミムシ
タブ林
○
○
広葉樹林
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
●
○
○
○
●
●
注)●はその林相のみで捕獲された種
35
スギ林
○
○
○
○
○
○
マツ林
畑
○
○
●
●
●
●
○
●
●
●
表-3 飛島植物目録(2010年)
No.
科
◆シダ植物
1 トクサ科
2 ハナヤスリ科
3 ゼンマイ科
4 イノモトソウ科
5
6
7 オシダ科
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25 シシガシラ科
26 チャセンシダ科
◆種子植物
27 マツ科
28
29 スギ科
30 ヒノキ科
31 ヤナギ科
32
33
34 カバノキ科
35 ブナ科
36
37
38
39 ニレ科
40
41 クワ科
42
43 イラクサ科
44
45 タデ科
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57 ヤマゴボウ科
58 ツルナ科
59 スベリヒユ科
60 ナデシコ科
61
62
63
64
65
66
67
68
69 アカザ科
70
71
72
73
74
75 ヒユ科
76
77 クスノキ科
78 キンポウゲ科
79
80
81
82
83
84
和 名
県RDB
国RDB
No.
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
108
109
110
111
112
113
114
115
116
117
118
119
120
121
122
123
124
125
126
127
128
129
130
131
132
133
134
135
136
137
138
139
140
141
142
143
144
145
146
147
148
149
150
151
152
153
154
155
156
157
158
159
160
161
162
163
164
165
166
167
168
169
170
スギナ
フユノハナワラビ
ゼンマイ
イワガネソウ
イワヒメワラビ
ワラビ
リョウメンシダ
カラクサイヌワラビ
サトメシダ
イヌワラビ
ヤマイヌワラビ
ヘビノネゴザ
シケシダ
ベニシダ
オクマワラビ
ホソバナライシダ
イヌガンソク
アイアスカイノデ
サカゲイノデ
ジュウモンジシダ
ホクリクイノデ
ミゾシダ
ゲジゲジシダ
オニヤブソテツ
シシガシラ
トラノオシダ
アカマツ
クロマツ
スギ
ハイビャクシン
シロヤナギ
ジャヤナギ
キツネヤナギ
ヒメヤシャブシ
ナラガシワ
ミズナラ
カシワ
コナラ
エノキ
ケヤキ
カナムグラ
ヤマグワ
ヤブマオSP
アオミズ
オオイタドリ
ミズヒキ
オオイヌタデ
イヌタデ
ハルタデ
ママコノシリヌグイ
ハイミチヤナギ
ハマミチヤナギ
ヒメスイバ
ナガバギシギシ
ギシギシ
エゾノギシギシ
ヨウシュヤマゴボウ
ツルナ
スベリヒユ
オオバナノミミナグサ
ミミナグサ
オランダミミナグサ
カワラナデシコ
ハマハコベ
ツメクサ
ハマツメクサ
アライトツメクサ
ナンバンハコベ
ハマアカザ
シロザ
アカザ
アリタソウ
ウラジロアカザ
オカヒジキ
イノコヅチ
イヌビユ
タブノキ
ヒロハキクザキイチゲ
センニンソウ
ミスミソウ
ヤマキツネノボタン
カラマツソウ
マンセンカラマツ
アキカラマツ
EN
-
CR
CR
-
VU
-
EN
-
NT
NT
-
EN
36
科
メギ科
アケビ科
和 名
ヒロハヘビノボラズ
ミツバアケビ
ムベ
ツヅラフジ科
アオツヅラフジ
コウモリカズラ
ドクダミ科
ハンゲショウ
サルナシ
ツバキ科
ヤブツバキ
ヒサカキ
オトギリソウ科 オトギリソウ
アブラナ科
ヤマハタザオ
ハマハタザオ
オニハマダイコン
ナズナ
ジャニンジン
マメグンバイナズナ
ベンケイソウ科 アオノイワレンゲ
キリンソウ
ツルマンネングサ
ユキノシタ科
ユキノシタ
バラ科
キンミズヒキ
カスミザクラ
オオヤマザクラ
オオダイコンソウ
ウワミズザクラ
エゾツルキンバイ
キジムシロ
ミツバツチグリ
ヤブヘビイチゴ
カマツカ
ヤマナシ
シャリンバイ
ノイバラ
ハマナス
コハマナス
クマイチゴ
モミジイチゴ
ナワシロイチゴ
エビガライチゴ
ナガボノワレモコウ
マメ科
ネムノキ
ヤブマメ
ヌスビトハギ
ハマエンドウ
エゾノレンリソウ
ヤマハギ
ネコハギ
ミヤコグサ
コメツブウマゴヤシ
ウマゴヤシ
クズ
シロバナクズ
クスダマツメクサ
コメツブツメクサ
ムラサキツメクサ
シロツメクサ
クサフジ
スズメノエンドウ
ヤハズエンドウ
フジ
カタバミ科
カタバミ
エゾタチカタバミ
フウロソウ科
ゲンノショウコ
ウリ科
スズメウリ
アレチウリ
キカラスウリ
ミカン科
サンショウ
イヌザンショウ
ウルシ科
ヌルデ
ツタウルシ
カエデ科
エゾイタヤ
ツツジ科
イワナシ
イチヤクソウ科 イチヤクソウ
ヤブコウジ科
ヤブコウジ
モチノキ科
ハイイヌツゲ
モチノキ
サクラソウ科
オカトラノオ
コナスビ
ハマボッス
ハイハマボッス
ニシキギ科
ツルウメモドキ
コマユミ
ツルマサキ
マサキ
マユミ
クロウメモドキ科 エゾノクロウメモドキ
県RDB
国RDB
EN
-
EN
-
EN
-
CR
-
CR
EN
-
-
VU
-
CR
-
NT
NT
逸出
No.
171
172
173
174
175
176
177
178
179
180
181
182
183
184
185
186
187
188
189
190
191
192
193
194
195
196
197
198
199
200
201
202
203
204
205
206
207
208
209
210
211
212
213
214
215
216
217
218
219
220
221
222
223
224
225
226
227
228
229
230
231
232
233
234
235
236
237
238
239
240
241
242
243
244
245
246
247
248
249
250
251
252
253
254
255
256
科
ブドウ科
シナノキ科
グミ科
アリノトウグサ科
ミソハギ科
アカバナ科
ミズキ科
ウコギ科
セリ科
モクセイ科
キョウチクトウ科
ガガイモ科
アカネ科
ヒルガオ科
ムラサキ科
クマツヅラ科
シソ科
ナス科
ゴマノハグサ科
タヌキモ科
オオバコ科
スイカズラ科
オミナエシ科
キキョウ科
キク科
和 名
ノブドウ
ツタ
ヤマブドウ
エビヅル
サンカクヅル
シナノキ
オオバグミ
アキグミ
タチツボスミレ
オオタチツボスミレ
アナマスミレ
アリノトウグサ
ミソハギ
ミズタマソウ
オオマツヨイグサ
アレチマツヨイグサ
アオキ
ウド
タラノキ
ヤツデ
キヅタ
ハリギリ
シャク
ホタルサイコ
ミツバ
ハマボウフウ
オオチドメ
ハマイブキボウフウ
ウマノミツバ
オクノハマイボタ
テイカカズラ
ガガイモ
オオバノヤエムグラ
ヤエムグラ
エゾノケカワラマツバ
キバナカワラマツバ
エゾノカワラマツバ
オオハシカグサ
ヘクソカズラ
アカネ
アカネムグラ
ハマヒルガオ
ヒルガオ
スナビキソウ
ホタルカズラ
ハマベンケイソウ
ムラサキシキブ
オオムラサキシキブ
クサギ
ハエドクソウ
ヤナギハナガサ
ハマゴウ
カキドオシ
オドリコソウ
ヒメジソ
ウツボグサ
ナミキソウ
ヒヨドリジョウゴ
オオマルバノホロシ
イヌホオズキ
ハダカホオズキ
ウンラン
アゼナ
キリ
エゾヒナノウスツボ
オオイヌノフグリ
イヌタヌキモ
オオバコ
エゾオオバコ
トウオオバコ
ニワトコ
オオニワトコ
ガマズミ
ケナシヤブデマリ
カノコソウ
ツリガネニンジン
ミゾカクシ
エゾノコギリソウ
キッコウハグマ
ヨモギ
オトコヨモギ
オオヨモギ
ノコンギク
シラヤマギク
アメリカセンダングサ
ヤブタバコ
県RDB
CR
国RDB
No.
257
258
259
260
261
262
263
264
265
266
267
268
269
270
271
272
273
274
275
276
277
278
279
280
281
282
283
284
285
286
287
288
289
290
291
292
293
294
295
296
297
298
299
300
301
302
303
304
305
306
307
308
309
310
311
312
313
314
315
316
317
318
319
320
321
322
323
324
325
326
327
328
329
330
331
332
333
334
335
336
337
338
339
340
341
342
-
VU
-
NT
-
NT
-
CR
-
VU
-
NT
NT
VU
-
CR
-
37
科
キク科
ユリ科
ヤマノイモ科
アヤメ科
イグサ科
ツユクサ科
イネ科
和 名
サジガンクビソウ
ノアザミ
ヒメムカシヨモギ
オオアレチノギク
ヒメジョオン
オグルマ
カセンソウ
ニガナ
オオジシバリ
ハマニガナ
アキノノゲシ
ヤマニガナ
ムラサキニガナ
ヤブタビラコ
センボンヤリ
マルバダケブキ
オオニガナ
フキ
アキタブキ
コウゾリナ
トウヒレンSP
ノボロギク
オオアワダチソウ
オオアキノキリンソウ
オニノゲシ
ノゲシ
セイヨウタンポポ
エゾタンポポ
イガオナモミ
オニタビラコ
ヒヨドリバナ
ノビル
アサツキ
オオウバユリ
ホウチャクソウ
チゴユリ
トビシマカンゾウ
トウギボウシ
オニユリ
コオニユリ
スカシユリ
クルマユリ
ヒメヤブラン
ジャノヒゲ
カブダチジャノヒゲ
オオバジャノヒゲ
オオアマドコロ
アマドコロ
サルトリイバラ
シオデ
マルバサンキライ
エンレイソウ
バイケイソウ
アオヤギソウ
ヤマノイモ
オニドコロ
ヒメヒオウギズイセン
ノハナショウブ
イグサ
イヌイ
ドロイ
ツユクサ
ヤブミョウガ
ヌカボ
ハルガヤ
コバンソウ
スズメノチャヒキ
キツネガヤ
カラスノチャヒキ
ヤマアワ
ギョウギシバ
カモガヤ
メヒシバ
ハマムギ
アオカモジグサ
タチカモジ
カモジグサ
シナダレスズメガヤ
カゼクサ
コスズメガヤ
ニワホコリ
オニウシノケグサ
トボシガラ
オオウシノケグサ
ドジョウツナギ
ケカモノハシ
県RDB
国RDB
VU
-
NT
-
NT
-
VU
-
EN
-
DD
-
No.
科
和 名
県RDB 国RDB
No.
科
和 名
県RDB 国RDB
343 イネ科
アシカキ
372 ウキクサ科
ウキクサ
344
テンキグサ
373 カヤツリグサ科 ウキヤガラ
345
ドクムギ
374
コウキヤガラ
346
ススキ
375
ショウジョウスゲ
347
スズメノヒエ
376
アワボスゲ
348
チカラシバ
377
アゼナルコ
349
アイアシ
378
マスクサ
EN
-
350
ヨシ
379
ホソバヒカゲスゲ
VU
-
351
ツルヨシ
380
ヒカゲスゲ
352
スズメノカタビラ
381
センダイスゲ
CR
-
353
コイチゴツナギ
382
アオスゲ
354
ナガハグサ
383
ビロードスゲ
355
イチゴツナギ
384
コジュズスゲ
356
ヒエガエリ
385
タカネマスクサ
357
ヤダケ
386
コウボウシバ
358
チシマザサ
387
オオクグ
CR
NT
359
チマキザサ
388
サドスゲ
360
クマイザサ
389
シオクグ
CR
-
361
アキノエノコログサ
390
ニシノホンモンジスゲ
EN
-
362
ハマエノコロ
391
ヤワラスゲ
363
オオエノコロ
392
ヤマイ
364
カニツリグサ
393
メアゼテンツキ
365
ナギナタガヤ
394
カンガレイ
366
シバ
395
サンカクイ
367
アシボソ
396 ラン科
アオスズラン
VU
-
368
チヂミザサ
397
カキラン
NT
-
369 サトイモ科
ヒロハテンナンショウ
398
ネジバナ
370
ウラシマソウ
371
カラスビシャク
【植物目録の仕様】
◎科の配列は、以下によった。
・コケ植物:平凡社・日本の野生植物コケ
・シダ植物、裸子植物:裳華房刊、加藤雅啓編「植物の多様性と系統」(1997)
・被子植物:新エングラー(Melchior and Werdermann eds. 1964;和名は清水1994)
・和名は、主に米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList),http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.ht
(2013年3月1日).によった
38
表-4 飛島動物目録(2010)
NO.
科
和名
県RDB 国RDB
軟体動物類
1 オナジマイマイ科
オオケマイマイ
昆虫類
2 ヤンマ科
ギンヤンマ
3 トンボ科
シオカラトンボ
4
オオシオカラトンボ
5
ウスバキトンボ
6
コシアキトンボ
7 コロギス科
ハネナシコロギス
8 キリギリス科
ヤブキリ
9 オンブバッタ科
オンブバッタ
10 バッタ科
ミカドフキバッタ
11
ショウリョウバッタ
12 ハサミムシ科
ハサミムシ
13
ヒゲジロハサミムシ
14 セミ科
ニイニイゼミ
15 アメンボ科
アメンボ
16 マツモムシ科
マツモムシ
17 ナガカメムシ科
チャイロナガカメムシ
18 ホソヘリカメムシ科 ホソヘリカメムシ
19 ヘリカメムシ科
ツマキヘリカメムシ
20 カメムシ科
マルシラホシカメムシ
21
クサギカメムシ
22
ハナダカカメムシ
23
アカスジカメムシ
24 ウスバカゲロウ科
ウスバカゲロウ
25 オサムシ科
キアシヌレチゴミムシ
26
ナガゴミムシ属の一種
27
オオゴミムシ
28
コガシラナガゴミムシ
29
キンナガゴミムシ
30
オオクロナガゴミムシ
31
ヨリトモナガゴミムシ
32
セアカヒラタゴミムシ
33
フトクチヒゲヒラタゴミムシ
34
マルガタツヤヒラタゴミムシ
35
クロツヤヒラタゴミムシ
36
ヒメツヤヒラタゴミムシ
37
オオクロツヤヒラタゴミムシ
38
マルガタゴミムシ属の一種
39
ゴモクムシ属の一種
40
ヒメケゴモクムシ
41
フトキバスナハラゴミムシ
DD
NT
42
オオスナハラゴミムシ
43
キボシアオゴミムシ
44
スジアオゴミムシ
45 ホソクビゴミムシ科 オオホソクビゴミムシ
46 コガシラミズムシ科 コガシラミズムシ
47 ゲンゴロウ科
チビゲンゴロウ
48
ケシゲンゴロウ
NT
49
チャイロチビゲンゴロウ
NT
-
50
ツブゲンゴロウ
51
マメゲンゴロウ
52 ガムシ科
キベリヒラタガムシ
53
コガムシ
-
DD
54 シデムシ科
ヒラタシデムシ
55
シデムシ科の一種(幼虫)
56 クワガタムシ科
ミヤマクワガタ
57
コクワガタ
58 コガネムシ科
ツヤエンマコガネ
59
ナガチャコガネ
60
ビロウドコガネ属の一種
61
セマダラコガネ
62
マメコガネ
63
ハナムグリ
64
アオハナムグリ
65
コアオハナムグリ
66
シロテンハナムグリ
67
コカブトムシ
68 タマムシ科
ヒメヒラタタマムシ
両生類
69
クズノチビタマムシ
70
ヤナギチビタマムシ
爬虫類
71 コメツキムシ科
ヒゲコメツキ
72
サビキコリ
73
ヒメサビキコリ
鳥類
74
クシコメツキ
75
ヒラタクシコメツキ
76
コハナコメツキの一種
77 シバンムシ科
トサカシバンムシ
78 テントウムシダマシ科 ヨツボシテントウダマシ
79 テントウムシ科
キイロテントウ
80
ヒメカメノコテントウ
81
シロホシテントウ
82 カミキリモドキ科
ハイイロカミキリモドキ
83
ツマグロカミキリモドキ
84
キバネカミキリモドキ
【動物目録の仕様】
◎科の配列、和名は主に以下によった。
・大津高編修(2004)山形県陸産淡水産動物目録(改訂版).358pp,山形県動物環境調査会,山形.
39
NO.
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
108
109
110
111
112
113
114
115
116
117
118
119
120
121
122
123
124
125
126
127
128
129
130
131
132
133
134
135
136
137
138
139
140
141
142
143
144
145
146
147
148
149
150
151
152
153
科
ハムシダマシ科
クチキムシ科
ゴミムシダマシ科
カミキリムシ科
ハムシ科
オトシブミ科
ゾウムシ科
ツチバチ科
アリ科
ベッコウバチ科
ドロバチ科
スズメバチ科
ハキリバチ科
コシブトハナバチ科
ミツバチ科
アシナガバエ科
ハナアブ科
ハマキガ科
ミノガ科
スカシバガ科
マダラガ科
アゲハチョウ科
シロチョウ科
シジミチョウ科
タテハチョウ科
ジャノメチョウ科
シャクガ科
ドクガ科
ヒトリガ科
ヤガ科
和名
ハムシダマシ
クチキムシ
クリイロクチキムシ
コスナゴミムシダマシ
ハマヒョウタンゴミムシダマシ
フタオビミドリトラカミキリ
シナノクロフカミキリ
ゴマダラカミキリ
キボシカミキリ
ドイカミキリ
セミスジコブヒゲカミキリ
ガロアケシカミキリ
シラオビゴマフケシカミキリ
アトモンマルケシカミキリ
ヨツキボシカミキリ
ヘリグロリンゴカミキリ
イクビマメゾウムシ
ヤマイモハムシ
カシワツツハムシ
イモサルハムシ
ヨモギハムシ
クロウリハムシ
クワハムシ
ジンガサハムシ
カシルリオトシブミ
シロコブゾウムシ
ヒメシロコブゾウムシ
スナムグリヒョウタンゾウムシ
コフキゾウムシ
ハスジカツオゾウムシ
カツオゾウムシ
オジロアシナガゾウムシ
ツツゾウムシ
ハラナガツチバチ
ハリブトシリアゲアリ
フタモンベッコウ
オオフタオビドロバチ
キアシナガバチ
オオハキリバチ
バラハキリバチ
クマバチ
クロマルハナバチ
マダラアシナガバエ
ヒメヒラタアブ
クワヒメハマキ
クロツヤミノガ
ムナブトヒメスカシバ
ホタルガ
アオスジアゲハ
カラスアゲハ
キアゲハ
モンキチョウ
モンシロチョウ
ルリシジミ
ツバメシジミ
ウラジロミドリシジミ
ベニシジミ
ヤマトシジミ
ヒメアカタテハ
ゴマダラチョウ
ルリタテハ
クロヒカゲ
ウスキクロテンヒメシャク
ヨスジキエダシャク
トンボエダシャク
ウメエダシャク
ヒメシロモンドクガ
シロヒトリ
アケビコノハ
154 アマガエル科
アマガエル
155 カナヘビ科
156 ヘビ科
カナヘビ
シマヘビ
157
158
159
160
161
162
163
トビ
ハヤブサ
コチドリ
ハリオアマツバメ
ハクセキレイ
ヒヨドリ
ハシブトガラス
タカ科
ハヤブサ科
チドリ科
アマツバメ科
セキレイ科
ヒヨドリ科
カラス科
県RDB
国RDB
-
NT
-
NT
LP
-
VU
VU
NT
-
写真5
写真1
勝浦港
写真3
八幡崎
写真2
写真4
トビシマカンゾウ自生地
写真6
40
港の様子
八幡崎神社のタブ林
鼻戸崎展望台より鳥海山を望む
写真7
写真9
八幡崎より西海岸を望む
写真8
ダム周辺に生育するタブ林
写真 11
鼻戸崎学校側のタブ林
写真 10
コウキヤガラ
西海岸の水溜り
写真 12
41
ツルナ
写真 13
写真 15
エゾツルキンバイ
写真 14
オオクグ
荒崎付近シオクグ群生地
写真 16
シオクグ
写真 17
アカネムグラ
写真 18
42
エゾノコギリソウ
写真 19 チャイロチビゲンゴロウ
写真 20 ピットホールトラップにかかった甲虫類
43
Fly UP