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「次世代化学プロセス技術開発プロジェクト」 事業原簿

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「次世代化学プロセス技術開発プロジェクト」 事業原簿
第 1 回「次世代化学プロセス技術開発」
(事後評価)分科会
資料 5-1
「次世代化学プロセス技術開発プロジェクト」
事業原簿
公開版
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
担当部
環境技術開発部 化学物質管理グループ
―目次―
概 要................................................................................. 1
プログラム・プロジェクト基本計画 ....................................................... 10
プロジェクト用語集.................................................................... 41
Ⅰ.事業の位置付け・必要性について
1. NEDO の関与の必要性・制度への適合性 ................................................ 53
1.1 NEDO が関与することの意義 ..................................................... 53
1.2 実施の効果(費用対効果)........................................................ 53
2. 事業の背景・目的・位置づけ ........................................................... 55
Ⅱ.研究開発マネジメントについて
1. 事業の目標........................................................................ 57
2. 事業の計画内容.................................................................... 57
2.1 研究開発の内容................................................................ 57
2.2 研究開発の実施体制 ........................................................... 61
2.3 研究の運営管理 ............................................................... 62
3. 情勢変化への対応.................................................................. 73
4. 中間評価結果への対応.............................................................. 74
5.
評価に関する事項................................................................ 76
Ⅲ.研究開発成果について
1. 事業全体の成果.................................................................... 78
2. 研究開発項目毎の成果.............................................................. 83
Ⅳ.実用化、事業化の見通しについて ..................................................... 83
[別紙]
2.研究開発項目毎の成果(成果リスト一覧)
概
要
制度・施策名 (プログ
ラム名)
事業(プロジェクト)名
担当推進部/担当者
0.事業の概要
Ⅰ.事業の位置付け・
必要性に つい
て
作成日
2004.12.10.
「化学物質総合評価管理プログラム」、「地球温暖化防止新技術プログラム」
次世代化学プロセス技術開発
プロジェクト番号
P97002
環境技術開発部 化学物質管理グループ/主査 山下勝
一般に化学物質は多段プロセスにより製造され、プロセス毎に原料、副原
料、エネルギーが大量に投入される一方で、有害な廃溶媒や副生成物等が大
量に発生している。化学物質は全ての製品における構成物質であり、今後の
人口増加、資源、エネルギーの有効利用の観点から、既存化学プロセスを抜
本的に見直し、プロセスの簡素化や反応性の向上が図れる新規触媒等を開発
する必要があり、これらの技術が開発されれば化学物質による地球規模レベ
ルでの大幅な省エネルギーやリスク削減が効率的に実現できることになる。
本事業では我が国の化学産業における競争力強化を図る目的から、既存の
化学プロセスに対して大幅な省エネルギー効果が期待できる[1] 飽和炭化水
素の選択酸化反応技術、[2] ノンハロゲン化学プロセス技術、及び有害な溶
媒等を利用せずリスクを効率的に削減することが期待できる [3]多相系触媒
反応プロセス技術、[4]新固体酸触媒プロセス技術を開発し、将来、地球環境
に優しい化学プロセスを開発し、効率的に導入・普及を図るために必要な共通
基盤技術を確立するとともに、実用化に資する技術開発を行った。
我が国の化学産業は、2 度にわたる石油危機以来、省エネルギー・省資源に
対する積極的な対策が取られる一方、高度成長期に顕在化した公害問題につ
いても高度な取り組みが行われた。実際、1976 年に対する 1991 年のエネル
ギー原単位は 46%削減、CO2 の排出原単位は 32%削減が達成され、既存の化学
プロセスに対する省エネルギー対策はほぼ終了し、1988 年以降はエネルギー
原単位が横ばいとなっており、現在では世界最高水準の化学プロセスを稼働
させている状況にある。しかしながら、今後、生活レベルの向上に伴い、化
学物質の製造、消費が増加すると、化学物質によるリスクや地球温暖化問題
が益々深刻になることが懸念されていることから、既存化学プロセスに比
べ、エネルギー原単位や化学物質のリスクが小さくなる高性能な触媒反応を
開発することによる新規な化学品製造プロセスの開発が求められる。
本事業は「化学物質総合評価管理プログラム」及び「革新的温暖化対策技術プ
ログラム」の一環として、科学技術基本計画(2001 年 3 月閣議決定)における国
家的・社会的課題に対応した研究開発の重点領域である環境分野、また、分野
別推進戦略(2001 年 9 月総合科学技術会議)における重点分野である環境技術
として位置付けられている。また、産業技術戦略(2000 年 4 月工業技術院)に
おける社会ニーズ(環境と調和した経済社会の構築)への対応、革新的、基盤
技術(材料・プロセス技術、エネルギー・環境技術)の涵養、知的な基盤の整備
への対応を図るものとして示されており、NEDO が積極的に関与して研究開発
を実施する必要がある。
Ⅱ.研究開発マネジメントについて
事業の目標
事業の計画内容
本事業終了までに、大幅な省エネルギー効果やリスク削減が効率的に図れる
新規な化学プロセスを開発するため、製造工程の短縮又は有害化学物質を使用・
経由しない新規触媒の開発やそれらの新規触媒を利用した化学反応プロセス技
術を確立するために必要な革新的な共通基盤技術を開発する。
主な実施事項
H9
1.飽和炭化水素の選択酸化反応
2.ノンハロゲン化学プロセス技術
3.多相系触媒反応プロセス技術
4.新固体酸触媒反応プロセス技術
1
H10 H11
H12 H13 H14 H15
H16
事
後
評
価
研究開発予算
会計・勘定(百万 石油特別会計
円)
fy
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
総額
当初
515
597
696
698
700
700
427
4333
470 548 635 648 641 611 391 3944
開発体制
経済産業省担当原課 製造産業局:化学課
産業技術環境局:研究開発課
運営機関
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
プロジェクトリーダ [1] 服部忠(名古屋大学名誉教授)
[2] 高橋武重(鹿児島大学教授)
[3] 後藤繁雄(名古屋大学名誉教授)
[4] 田中正人(東京工業大学教授)
委託先(*委託先が [1] (社)日本化学工業協会(5 社、7 大学)
管理法人の場合は参 [2] (財)化学技術戦略推進機構(5 社、7 大学)
加企業数も記載)
[3] (財)化学技術戦略推進機構(6 社、4 大学)
[4] (財)化学技術戦略推進機構(4 社、6 大学、2 国立研)
情勢変化への対
本事業では、国内外で稼働している既存化学プロセスに対して、将来、省エ
応
ネルギー効果やリスク削減効果が期待できる新規な化学プロセスを世界に先駆
けて開発し、我が国における化学産業の競争力強化を図るために必要な基盤技
術を開発するとともに、事業終了 3∼5 年後に実用化プロセスに資する研究開発
を行った。そのため、早期に導入、波及効果が期待できる化学プロセスの開発
を重点的に行うこととし、参画企業のノウハウ等が十分に活用できる研究開発
テーマを「プログラム方式」で優先的に実施した。ただし、社会情勢の変化や技
術動向を勘案して、以下のような対応、計画変更を行った。
(1)研究開発テーマの選定に際しては「プログラム方式」で実施するため、(社)化
学工学会、(社)日本化学会において大学、国研、企業等からの専門家で構成
される専門委員会により、政策的、技術的な観点から、今後、積極的に開発
すべき技術課題を検討し、研究開発テーマの絞り込みを行った。具体的に
は、省エネルギー効果が大きい研究開発テーマとして、平成 9 年度から「飽和
炭化水素の選択酸化反応技術の開発」、平成 11 年度から「ノンハロゲン化学プ
ロセス技術の開発」、リスク削減効果が大きい研究開発テーマとして、平成 12
年度から「多相系触媒反応プロセス技術の開発」、平成 13 年度から「新固体酸
触媒プロセス技術の開発」に関する研究開発を実施した。
(2)平成 7 年度から 8 年度は、通商産業省から(社)日本化学工業 協会(日化
協)が補助金交付を受け、次世代化学プロセスに関する研究開発を委託して実
施した。平成 9 年度に、本事業の主管が工業技術院ニューサンシャイン推進
本部へ移行し、また、平成 9 年度下期からは、日化協に代わり NEDO が補助金
交付を受け、本事業の統括的管理を実施した。NEDO から本事業の各テーマ研
究開発を委託された日 化 協 と (財 )化 学 技 術 戦 略 推 進 機 構 は 、 民 間 企 業 と
の 共 同 研究 契 約及 び 大学 へ の 再委 託 を行 っ て効 果 的 ・効 率 的な 研 究開発
を推進した。
(3)平成 7 年度から実施されてきた 4 テーマのうち 3 テーマに関しては平成 12
年度の中間評価により、実用化の点でやや問題があるものの優れた評価を受
け終了した。中間評価まで実施した研究開発テーマは、基礎的、基盤的な研
究開発テーマを中心に実施されてきたが、中間評価以後に実施された研究開
発では、省エネ効果、リスク削減効果、導入・波及効果、実用化の即効性の点
で重視されることになったことから、基本計画等において触媒性能、プロセ
ス等に関する数値目標を明確に記載することにした。
(4)研究開発のマネジメントに関しては、各委託先機関に PL、外部有識者、NEDO
等からなる総合調査研究委員会を設置し、年 3∼4 回程度の進捗状況 報告の
中で研究開発の方向性、研究成果に関する審議等を行い、研究開発の効率化
実績
2
を図った。なお、平成 15 年度は、予算の制約、技術開発の進捗状況を鑑み、
一部大学等への再委託を中止し、企業による実用化研究に注力した。
(5)平成 14 年 3 月、省庁再編に伴う経済産業省と NEDO の役割分担の見直し、プ
ログラム/プロジェクト制度(「化学物質総合評価管理プログラム」及び「革新的
温暖化対策技術プログラム」)の導入を受けて、研究開発の目的、内容、目標
を統一的に明記する等の改訂を行った。また、平成 15 年 3 月、研究開発の進
捗状況等を踏まえ、「研究開発の目的・目標・内容」、「研究開発の実施期間」及
び「評価に関する事項」の見直し、追加を行った。さらに、「新固体酸触媒プロ
セス技術の開発」に関しては、国の予算削減措置(フォーカス 21 プロジェクト
の実施)の影響により、1 年間短縮することになった。
Ⅲ.研究開発成果に
本事業は、現在、世界の潮流となっている「グリーンケミストリー」の走りと
ついて
して位置付けられる研究開発であり、平成 7 年度、欧米に先駆け、「シンプルケ
ミストリー」としてスタートした。当時、世界的にも環境・エネルギー問題が注
目されるようになってきたことから、国内の有力化学メーカーが競って、省エ
ネルギー、環境分野に寄与する研究開発として取り組むに至った。1997 年の気
候変動枠組条約第 3 回締約国会議(COP3:地球温暖化防止京都会議)の影響もあ
り、2010 年頃までの地球温暖化防止対策新技術として位置付けられた。そのた
め、省エネルギー効果が大きいバルク製品の新規製造プロセス開発として、平
成 9 年度から「飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発」、平成 11 年度から「ノ
ンハロゲン化学プロセス技術の開発」をスタートさせた。さらに、最近、化学物
質の取り扱いに関する法律整備等の緊急性に鑑み、リスク削減効果が大きい
ファインケミカルズの新規製造プロセス開発として、平成 12 年度から「多相系
触媒反応プロセス技術の開発」、平成 13 年度から「新固体酸触媒プロセス技術の
開発」をスタートさせた。
以下に各研究開発テーマの成果概要を簡潔に記載する。
[1]飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発
ナフサを熱分解して得られる不飽和炭化水素の代わりに、低コスト、省エネ
ルギーで製造できる飽和炭化水素を使用して、石油化学の中間製品を高収率で
直接合成する触媒プロセスを開発するため、300∼450℃の低温域で高い収率を
示す新規な選択酸化触媒を開発した。また、実用化に資するプロセスとしての
概念設計を行うため、開発された新規触媒による新規な簡素化プロセスに関す
る検討を行った。具体的に本事業では、未利用資源の有効利用や大幅な省エネ
ルギー効果が期待できるアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸に関する
新規触媒と新規合成プロセスの開発を行った。
イ)プロパン選択酸化によるアクリル酸の新規合成法開発(出光興産):
400℃程度の低温域においてプロパンからアクリル酸への一段酸化反応触媒と
しては、Andersoen 型 TeHPA/モリブデン酸ニッケルが優れた活性を有すること
を見出し、アクリル酸収率 22%が得られ、開発目標を達成した。また、新規に開
発された触媒によるプロセスの経済性評価を行ったところ、未反応原料を反応
プロセスの燃料として利用することにより、現行のプロピレン法と同程度のエ
ネルギー原単位になることが明らかになった。
ロ)イソブタン選択酸化によるメタクリル酸の新規一段合成法開発(三菱レイヨ
ン、住友化学):
イソブタン活性化触媒として MoV 複合酸化物、メタクリル酸選択酸化触媒と
してバナジウム置換リンモリブデン酸をベースとして、銅及びセシウム塩を担
持した 3 元系ハイブリッド触媒による反応性評価を行ったところ、ハイブリッ
3
ド触媒でメタクリル酸収率 10.3%が得られ、開発目標を達成した。また、反応機
構解析から、イソブチレンが反応中間体として作用し、未反応のイソブタンが
存在するとメタクリル酸の逐次酸化が抑制されることを明らかにした。さら
に、詳細なプロセス検討と経済性評価を行ったところ、実用化プロセスとして
は未反応イソブタンのリサイクルが必須であることが明らかになった。
ハ)n-ブタン選択酸化による無水マレイン酸の新規合成法開発(東燃化学):
高ブタン濃度条件下、層剥離型 VPO 触媒による無水マレイン酸収率は 55%
(従来法:49%)となり、リン化合物を添加することにより、無水マレイン酸収率
60%が得られ、開発目標を達成した。また、ワンパス収率をもとに経済性評価を
行ったところ、現行プロセスに対して、CO2 削減効果、経済性のいずれにおいて
も優位になることが明らかになった。
[2]ノンハロゲン化学プロセス技術開発
化学品製造プロセスでは塩素誘導体を中間体とする有機合成プロセスが多数
存在する。これらのプロセスの多くは比較的穏和な条件で進行するものの、塩
素自体がエネルギーを多消費する食塩電解によって製造されるため、全体とし
てエネルギー多消費プロセスとなっている。また、塩素を含む廃酸等が大量に
併産されるため、後処理工程での負荷、リスクなどが大きな環境問題となって
いる。このため、塩素のようなハロゲン類を副原料として合成される化学品の
中で、それ自体にハロゲンを含まない化学品を、ハロゲン類を使用せずに製造
できる新規化学プロセスの開発が求められている。具体的に本事業では、比較
的生産量が大きく、省エネルギー効果やリスク削減効果が期待できるイソシア
ネート、エポキシド、フェノールに関する新規触媒と新規合成プロセスの開発
を行った。
イ)非ホスゲン法によるイソシアネートの新規合成法開発(三井化学、三井武田ケ
ミカル):
非ホスゲン法による新規合成法としてカルバメート熱分解法により、芳香族系
のトリレンジイソシアネート(TDI)の合成では、酢酸亜鉛触媒、及び安全性の高
いジエチルカーボネートを用いて、ジカルバメート化収率 98%以上が得られ、反
応蒸留をジカルバメートの熱分解に適用することで TDI 収率 92%を達成した。一
方、脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の合成では、無触媒でク
ルードのメチルフェニルカーボネートを用いてジメチルカルバメート収率 99%以
上、Sn 系触媒を用いた熱分解反応により HDI 収率 91%(リサイクルした場合 98%)
が得られ、HDI 収率 98%以上を達成した。さらに、新規触媒による想定プロセス
の概念設計を行ったところ、既存プロセスよりも低コスト化できることが明ら
かになった。
ロ) クロロヒドリンを経由しない酸化プロピレン等によるエポキサイドの新規合
成法開発(住友化学、日本油脂):
プロピレンオキサイドの合成では、過酸化水素によるプロピレンエポキシ化反
応において従来の TS-1 触媒の性能を大きく上回る選択率 99%、ワンパス収率
43%を示す Ti-MWW 触媒を見出し、目標値を達成した。一方、有機過酸物(TBHP)
による低反応性オレフィン(1-ブテン)のエポキサイド合成では、Mo(acac)2/ホ
ウ酸エステル系触媒により選択率 81%、反応収率 77%が得られ、開発目標を達成
した。さらに、実用化プロセスの検討では、蒸留塔による製品回収や連続プロ
セス化を試算し、既存プロセスと同程度のコスト競争力が有ることが明らかに
なった。
4
ハ)併産物を伴わないフェノールの新規合成法開発(東ソー):
ベンゼンと酢酸を分子状酸素で酸化して得られる酢酸フェニルを加水分解する
ことによるフェノール合成では、高活性、高選択性を有する Pd-Te/ジルコニア
系酸化アセトキシル化触媒を開発し、フェノール収率 10%が得られ、開発目標
を達成した。さらに、実用化プロセスとして、反応器周辺プロセスの改善によ
る収率向上や 8000 時間の寿命試験による耐久性を確認し、代替プロセスとし
て十分成立することが明らかになった。
[3] 多相系触媒反応プロセス技術の開発
液相均一系錯体触媒を用いる有機合成では、触媒回収や廃液処理に多段階の
処理工程を必要とし資源・エネルギーの消費や環境負荷が大きい。このため、多
相系触媒反応により触媒の循環プロセス(分離、回収)やプロセスの簡略化が可
能となる 2 相または 3 相の反応場による多相系触媒反応プロセスを開発するこ
とで、これらの問題点を解決することを目指した。具体的に本事業では、錯体
触媒による新しい機能化学品合成技術を開発するため、多方面における化学品
合成に応用が期待できる酸化・還元・置換・付加等に関するモデル反応を取り上
げ、水溶性金属錯体触媒、弗素系ルイス酸触媒、相間移動触媒による新規な
エーテル、ラクトン、アミン、ニトリル、エポキシド合成に関する新規触媒と
新規合成プロセスの開発を行った。
イ)水溶性金属錯体触媒によるエーテル、ケトン、ニトリル類の新規合成法開
発(高砂香料):
BINAP 配位子 Ru 錯体によるチグリン酸からα、β飽和カルボン酸(2-メチルブ
タン酸エチル)への不斉水素化では、触媒相リサイクル 10 回を達成し、既存の
均一系触媒反応に比べ高い光学収率(93% ee)と高い反応活性(TON:85000)が得
られた。また、実用化プロセスとしての取り組みとして、経済性評価を行った
ところ変動費において約 10%削減できることが明らかになった。さらに、N 配位
子を有する水素移動助剤を用いるケトン・イミン類の不斉水素化についても検討
したところ、様々なフレーバー・フレグランス合成に展開できることが明らかに
なった。
ロ)水溶性金属錯体触媒を用いた不飽和アミン類・ニトリル類の新規合成法開発
(広栄化学):
水溶性 Ir 錯体による不飽和イミンからの選択水素化による不飽和 2 級アミン
合成では、有機相/水相 2 相系で、触媒相 10 回リサイクルで収率 70%を達成した
ことから、新たなβ不飽和アミン合成プロセスとしての可能性を見出した。ま
た、効率的な触媒リサイクルを確立するため、有機相/イオン性流体 2 相系で Ru
錯体によるオキシムからのニトリル合成について検討したところ、触媒相リサ
イクル 15 回、収率 55%が得られ、触媒リサイクルが効率的にできることを確認
した。さらに、これらの新規合成プロセスでは、排水量が既存プロセスの数十
分の 1 程度になることが明らかになった。
ハ)ジエン・オレフィンへの付加反応によるアルデヒド・エーテル類の新規合成法
開発(日本ゼオン):
液相錯体触媒によるシクロオレフィンとアルコールからのシクロペンチルメ
チルエーテル(CPME)合成では開発目標を達成できなかったが、固体触媒による
気固反応により検討したところ、極めて選択性を示すことを見出した。CPME
は、テトラヒドロフランやジオキサンの代替溶剤として有望であることから、
自社開発に切り替えてベンチスケールによる実用化プロセスに必要なデータ
5
取得と上市に必要な国内外市場調査と特許出願を行った。
ニ)相間移動触媒によるエポキシドの新規合成法開発(日産化学):
セチルピリジニウム/タングストリン酸担持ポリイミドを相間移動触媒とした
ジヒドロジシクロペンタジエンの過酸化水素酸化によるエポキシド合成では、3
相系(有機相/触媒相/水相)で 12 回の触媒相リサイクルを達成し、収率 95%が得
られた。また、実用化製造プロセスに関する検討を行ったところ、大幅な溶媒
削減、E-factor3∼4 が可能になることが明らかになった。さらに、鎖状オレ
フィン、不飽和エステル、芳香族置換環状オレフィンなどによるエポキシド合
成を検討したところ、同様に触媒相が形成され、高収率で反応し、大幅な溶媒
削減が実現できることが明らかになった。
ホ)フツ素系ルイス酸触媒によるエステル・ラクトンの新規合成法開発(旭化成・野
口研究所):
パーフルオロアルカンスルホニルアミド等のフッ素化アニオン性分子を配位
した金属錯体は、フッ素系溶媒に溶けてフルオラス相を形成すると共に高活性
なルイス酸触媒となることを見出した。また、流通連続反応による有機相/フル
オラス相 2 相系でのエステル合成では触媒相リサイクル 100 回相当、アダマン
タノン等の酸化によるラクトン合成では触媒相リサイクル 25 回相当を達成し、
開発目標を達成した。さらに、触媒ロスが実用化プロセスでは発生することを
想定して、ベンチスケールプラントによるプロセスデータを取得するととも
に、実用化プロセスに関する試設計、経済性評価を行ったところ、触媒コスト
は高いものの、ロス触媒の工業的回収法が確立されれば、実用化プロセスとし
て十分、成立することが明らかになった。
[4] 新固体酸触媒プロセス技術の開発
硫酸や塩化アルミニウムに代表される均一系強酸性触媒は高い触媒活性と選
択性を示すことから、広範囲な分野で利用されているが、生成物と触媒の分離
工程、触媒の再生等の多段階工程に加え、廃酸処理工程でのエネルギー消費、
副生物・廃棄物の排出といった資源・エネルギー問題を抱えている。このため、
均一系強酸触媒の固相化による新規固体酸触媒を開発し、従来の強酸を用いな
い新規酸触媒プロセスの開発を行った。具体的に本事業では、反応場の活性点
を三次元的にナノオーダーレベルで設計できるメソポーラス材料、層状粘土化
合物、有機無機ハイブリッド材料等を担体として、活性種金属を担持させた新
規固体酸触媒を開発するとともに、これらの触媒による双環性芳香族化合物
類、ヒドロキシカルボン酸、ベンジルアルコール、オリゴメリゼーションに関
する実用化プロセスの開発を行った。
イ)複合酸化物触媒等による双環性芳香族化合物類の新規合成法開発(昭和電工、
産業技術総合研究所)
シリカ担持ヘテロポリ酸触媒による p-キシレンとγ-ブチルラクトンからのジ
メチルテトラロンの一段合成反応では、収率 90%が得られ、開発目標を達成し
た。また、実用化プロセス検討では、大幅に廃棄物や副生成物を削減できるばか
りでなく、原料費のコスト比較では従来法に比べて半分以下にできることが明
らかとなった。一方、ヒドロ桂皮酸の脱水素環化反応によるインダノン合成で
は、Tb(OTf)3 ルイス酸触媒により収率 95%が得られ、開発目標を達成した。ま
た、水抽出により均一系触媒でも 90%以上が回収、再生できることが明らかに
なった。
6
ロ)ポリマー担持錯体触媒によるヒドロキシカルボン酸の新規合成法開発(日本曹
達)
高分子スルホン酸担持 Pd 錯体触媒による酢酸ビニルのカルボニル化によるアセ
チル乳酸メチル合成では、繰り返し反応による平均収率 83%、選択率 75%、総計
の TON16.600 が得られ、開発目標を達成した。また、経済性評価では副生する
酢酸を再利用することで、原材料費の大幅削減が可能であることが明らかに
なった。
ハ)メソポーラス酸化触媒によるベンジルアルコールの新規合成法開発(丸善石油
化学)
メソポーラスシリカ担持触媒による液相酸化反応によるベンジルアルコール
合成では、Mn-MCM-41 系触媒が最も高い活性を示し、転化率 4.8%、選択率 30%が
得られた。また、反応機構解析から、本反応系では逐次反応を抑制し、触媒表
面上の弱酸点がベンジルアルコールへの選択率に関与していることが明らかに
なった。さらに、経済性評価では、反応収率が低いにも係わらず、原料費が削
減できるため、変動費は従来法と同程度になることが明らかになった。
ニ)複合酸化物系触媒によるオレフィンの新規オリゴメリゼーション開発(出光興
産)
メソ細孔を有し、酸量・酸強度を制御可能な各種触媒により、混合ブテン類の
オリゴマー化を検討したところ、シリカ担持ヘテロポリ酸系触媒で転化率 99%、
3∼4 量体選択率 71%が得られたが、セシウム塩にすることで更に選択性が向上
した。また、原料をイソブテン、1-ブテン、ジイソブチレンに変えた場合、触
媒の細孔特性及び酸性質の詳細解析により、各種固体酸触媒の反応特性を検討
したところ、触媒リサイクル時の安定性は良好であるが、劣化も進行してお
り、触媒再生法や劣化抑制法の検討が必要であることが明らかになった。さら
に、経済性評価を行ったところ、従来法と比較して用役費、設備費等で 10∼20%
削減できることが明らかになった。
上記の研究開発テーマの中には実用化プロセスに資する技術として目覚まし
い成果が出ているものも多く、数多くの特許が出願されている。具体的には上
市を行う段階にある技術、他社へのライセンスを行う技術、欧米諸国等へ特許
出願している技術、自社開発により継続的に研究開発を行っている技術等がほ
とんどであり、研究開発テーマの中には 3 年程度で市場導入、5∼10 年程度で、
経済状況、及びマーケット状況により実用化プロセスとして発展すると予想さ
れる研究成果もあった。一方、大学等の基盤技術開発では、既存プロセスよ
り、更に省エネルギー効果やリスク削減効果を実現させる革新的な技術が数多
く開発され、実用化プロセスに寄与するばかりでなく、産業競争力強化の観点
から極めて多くの知見やデータが得られた。これらの研究成果は数百報におよ
ぶ学術論文や海外シンポジウム等で報告され、今後の周辺技術開発に対しても
極めて多大な貢献をすることができた。
7
投稿論文
「査読付き」244 報、新聞報道 17 件
特
「出願済」162 件(うち国際出願 34 件)
許
Ⅳ.実用化、事業化
本事業では、世界最高水準にある製造コストとエネルギー原単位を有する
の見通しについて
既存化学プロセスに対して、より高い省エネルギー効果やリスク削減効果を
実現する革新的な化学プロセスの開発といったチャレンジングな研究開発
テーマを実施してきた。そのため、新規プロセスに転換させるために必要な
高性能触媒を短期間に実用化レベルにまで開発されることが求められた。参
画した約 50 の研究体(企業、大学、国立研究機関)は産学官の連携(一部、集
中研究体)を取りながら、国内外に特許出願、論文、発表等を精力的に行い、
当該研究機関ばかりでなく、多方面の研究者、研究機関に対して貴重な研究
情報及びデータ等を公表し、実用化プロセス技術及び基盤技術の波及・普及に
積極的に努めた。平成 12 年度の中間評価までは、基礎、基盤技術の確立を目
ざした研究開発が進められたため、触媒探索的な研究が中心となっており、
新しい分析手法、材料開発、触媒設計などの共通基盤技術の発展に大きく寄
与し、学会、化学業界等に対して多大な影響を与えることとなった。一方、
中間評価以後においては、実用化研究に重点が置かれるようになったため、
研究開発の視点が新規な触媒開発だけでなく実用化プラント開発に至るまで
の広範な領域で実施することになった。そのため、個々の研究開発テーマが
いずれも最終的に実用化、工業化を目指して開発目標を設定しており、従来
技術では極めて困難であった研究開発目標を達成したにもかかわらず、マー
ケットの状況に影響され、原材料や周辺装置の高騰や製品の価格低下等によ
り、現時点では実用化が難しくなってしまったケースも散見される。既存の
化学プロセスを新規プロセスに転換させるためには、本事業において基盤技
術や実用化技術が確立された後も、開発事業者により継続的に、触媒寿命の
確認、スケールアップファクターの抽出、原料調達、触媒の工業的規模での
調製方法の確立、装置材料の選定、製品品質の確認等を含めたパイロットプ
ラントによる実証試験(生産量:数∼200 ㌧/日程度)が行われることが必要で
あり、今後は各企業によりさらなる自主的開発の継続が望まれる。
8
Ⅴ.評価に関する事
項
Ⅵ.基本計画に関す
る事項
事前評価
中間評価以降
作成時期
変更履歴
実施していない
11 年度 中間評価実施
16 年度 事後評価実施
平成 9 年 4 月:通商産業省工業技術院によってプロジェクト
基本計画を策定
平成 11 年 3 月:「ノンハロゲン化学プロセス技術開発」の追
加により「研究開発の内容」を改訂。
平成 12 年 3 月:「多相系触媒反応プロセス技術の開発」の追
加により「研究開発の内容」を改訂。
平成 13 年 3 月:「新固体酸触媒プロセス技術の開発」の追加
により「研究開発の内容」を改訂。
平成 14 年 3 月:省庁再編に伴う経済産業省と NEDO の役割分
担の見直し、プログラム/プロジェクト制
度の導入を受けて、「革新的温暖化対策技
術プログラム」、「化学物質総合管理プログ
ラム」において研究開発の目的、内容、目
標を統一的に明記する等の改訂。
平成 15 年 3 月:研究開発の進捗状況等を踏まえ、「研究開発
の目的・目標・内容」、「研究開発の実施期
間」及び「評価に関する事項」の見直しによ
り改訂。革新的温暖化対策プログラムは廃
止。
平成 16 年 2 月:「革新的温暖化対策技術プログラム」、及び
「エネルギー環境二酸化炭素固定化・有効利
用プログラム」は、「地球温暖化防止新技術
プログラム」に統合することとし、廃止。
9
平成 16・02・03 産局第 13 号
平成 16 年 2 月 3 日
地球温暖化防止新技術プログラム基本計画
1.目的
地球温暖化問題は我々の社会に与える影響の大きさや深刻さから、喫緊に対応すべき課題であり、
大気中への温室効果ガス、特にその大宗を占める二酸化炭素の排出抑制が求められている。そのた
め、エネルギーの消費を抜本的に改善する革新的技術開発及び二酸化炭素を分離回収・固定化した
り、有用物質に変換する技術開発を、総合的、効率的かつ加速的に推進し、その導入・普及を促進す
ることにより、環境・エネルギー・経済のバランスのとれた持続可能な社会の構築を図る。
2.政策的位置付け
科学技術基本計画(2001年3月閣議決定)における国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化分
野である環境分野、分野別推進戦略(2001年9月総合科学技術会議)における重点分野である環境分野
に位置付けられるものである。
また、産業技術戦略(2000 年 4 月工業技術院)における社会的ニーズ(環境と調和した経済社会シス
テムの構築)への対応、革新的、基盤的技術(エネルギー・環境技術)の涵養への対応を図るものである。
また、地球温暖化対策推進大綱(2002 年 3 月地球温暖化対策推進本部)における講ずべき地球温暖化対
策である革新的な環境・エネルギー技術の研究開発の強化に位置付けられるものである。さらに、「産
業発掘戦略−技術革新」(「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2002」(2002 年 6 月閣議決定)に
基づき 2002 年 12 月取り纏め)の環境分野における戦略目標(環境・エネルギー技術のチャレンジを産
業競争力の源泉に(技術のグリーン化))に対応するものである。
3.目標
2010 年時点において革新的エネルギー消費削減技術の導入・普及がなされ、京都議定書に定められ
た削減目標のうち 0.6%分に寄与することを短期的な目標とする。また、より長期的な視点に立脚し
て、更なる削減を可能とする省エネルギー型社会の構築に向けた革新的エネルギー消費削減技術及び
CO2 固定化・有効利用技術を確立する。これらの技術により、持続的な経済成長を確保することを可能
とするとともに、世界でトップクラスの温暖化対策技術を有することによる国際競争力の確保を図る。
4.研究開発内容
Ⅰ.革新的エネルギー消費削減技術
二酸化炭素の排出量を抑制するため、革新的なエネルギー消費削減技術を開発する。
(1)自動車軽量化のためのアルミニウム合金高度加工・形成技術(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、自動車の軽量化による燃費
向上を図るため、自動車材料に要求される高信頼性、高強度、軽量性等の性能を持つ高度に安
全性等に配慮したアルミニウム材料を開発する。具体的には、超微細結晶化による高強度・高
成形性アルミニウム板材の成形・加工技術の開発、鉄鋼系材料等とアルミニウム材料との接合
技術、高強度で衝突吸収性の良い構造(セル構造)を持つアルミニウム材料の創製・形成・加工技
術を開発する。
10
②技術目標及び達成時期
2006 年度までに、乗用車におけるアルミニウム使用量を増加させるための技術課題、具体
的には自動車用構造において衝撃エネルギー吸収性能に優れた超軽量構造部材の設計、製造技
術ベークハード型高張力鋼板と同等の性能を持つアルミニウム板材開発技術、アルミニウム材
と異種素材との接合技術、ポーラスを確立する。
③研究開発期間
2002 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2004 年度、事後評価を2007 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(2)環境調和型超微細粒鋼創製基盤技術の開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、自動車の軽量化による燃費向
上を図るため、従来鋼より優れた強度を有することから鋼材の薄肉化が可能となる、結晶粒径
が1μm程度の超微細粒鋼の自動車材料等への適用を目指し、成形・加工・利用技術等の基盤技
術の開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2006年までに、超微細粒鋼の実用化のための利用技術、成形・加工技術等の基盤要素技術の
確立を図る。具体的には、成形・加工技術として、超微細化を可能とする高度大歪み加工技術
や、革新的なロール・潤滑技術の開発、及び超微細粒の特質を失わせないより低温での接合を
可能とする接合技術を開発する。
③研究開発期間
2002 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2004 年度に、事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(3)自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、自動車の軽量化による燃費向
上を図るため、自動車材料に要求される高信頼性、高強度、軽量等の性能をもつ高度に安全性
等に配慮した炭素繊維強化複合材料を開発する。
②技術目標及び達成時期
2007 年度までに、自動車に実装可能な炭素繊維材料の創製・成形・加工技術等を確立する。
③研究開発期間
2003 年度∼2007 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2005 年度に、事後評価を 2008 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(4)カーボンナノファイバー複合材料プロジェクト(フォーカス21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、自動車の軽量化による燃費向
上を図るため、剛性、熱伝導性、加工性等に優れた軽量化自動車部品の実現に向けた、アルミ
11
ニウム合金、マグネシウム合金と、カーボンナノファイバーとの複合化技術とその成形加工技
術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2005 年度までに、ブレーキ部品、足回り部品及びその他の部品等に適用可能な、アルミニ
ウム合金、マグネシウム合金とカーボンナノファイバーの複合材料の実用化技術、成形加工技
術を確立する。
③研究開発期間
2003 年度∼2005 年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を 2006 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(5)省エネ型次世代 PDP プロジェクト(フォーカス 21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、近年市場が急速に拡大するこ
とが見込まれている大型ディスプレイ分野において、現行のプラズマディスプレイ(PDP)の低
消費電力化を図るため、発光パネルの高効率発光技術及び製造エネルギーの革新的製造技術の
開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、2003年時点と比較し、現在の1/3程度のエネルギー消費となる高効率発光
技術及び革新的製造技術を開発する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(6)高分子有機 EL 発光材料プロジェクト(フォーカス 21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、高分子発光材料の発光効率、寿
命等の高度化を実現する材料創製技術と有機 EL(電界発光)ディスプレイパネル製造プロセスで
の成形加工技術の一体的研究開発を行う。これにより省エネ型次世代平面ディスプレイの一つ
として期待されている有機 EL ディスプレイの早期実用化を目指す。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、携帯情報端末(PDA等)、移動体通信機器(カーナビゲーション)等に使用可
能な小型有機ELディスプレイ用高分子発光材料等を開発する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(7)ディスプレイ用高強度ナノガラスプロジェクト(フォーカス 21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、種々のディスプレイ用基板
ガラスの軽量化を実現させるために、超短パルスレーザー等を用いてガラス内に異質相を形成
12
させることにより、薄板化を可能とする超高強度薄板ガラスを開発する。ガラスの薄板化によ
り、光透過率の上昇による消費電力の節減及びガラス製造にかかるエネルギー消費量の抑制が
図られる。
②技術目標及び達成時期
2005 年度までに、ガラス中に異質相を形成させることにより、従来では不可能であった薄
板ガラスの高強度化を可能とする技術を開発する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(8)カーボンナノチューブ FED プロジェクト(フォーカス 21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、カーボンナノチューブ(CNT)
をフィールドエミッションディスプレイ(FED)用電子源として用いる際の電子放出特性のバラ
ツキを抑制する技術的なブレークスルーを達成し FED を実現するため、均質電子源の開発、パ
ネル化及びディスプレイ性能評価技術の開発を行う。これにより、中・大型(25∼35 型)ディス
プレイ市場を中心に省エネ効果が高く、高画質の CNT た FED 製品化を図る。
②技術目標及び達成時期
2005 年度までに、CNT 用電子源として高輝度・高画質・低消費電力を実現するに十分な特性を
実現するとともに、パネル化及びディスプレイ性能評価技術の開発を行い、CNT-FED を試作し
評価する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(9)光触媒利用高機能住宅用部材プロジェクト(フォーカス 21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、建築物におけるエネルギー消
費の抑制を図るため、光触媒を利用した住宅用放熱部材とともに、散水装置を組み合わせた冷
房負荷低減システムを開発する。また、室内環境汚染物質の浄化を図るため、光触媒を利用し
た室内環境浄化部材を開発する。
②技術目標及び達成時期
2005 年度までに、光触媒利用放熱部材(窓ガラス、外付けブラインド)と散水装置を組み合せ
た冷房負荷低減システム及びホルムアルデヒド等の室内環境汚染物質を可視光で分解すること
ができる光触媒利用室内環境浄化部材を開発する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(10)極低電力情報端末用 LSI の研究開発
13
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、情報端末機器の電力消費を抑
制し、今後の極低電力マルチメディア情報端末を実現するため、消費電力が mW 級の極低電力
で動作する新しいデバイス構造を用いた LSI を開発する。
②技術目標及び達成時期
2002 年度までに、0.5V程度の電源電圧で極低電力・高速動作を可能とする LSI を実現する
ためのデバイス・プロセス及び回路設計に関する基盤技術の確立及び有用性の検証を行う。
③研究開発期間
1998 年度∼2002 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2001 年度に、事後評価を 2003 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(11)CO2排出抑制型新焼結プロセスの開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、鉄鋼業の製銑工程全体におけ
るコークス消費量の低減により CO2 削減を図るため、既存の焼結プロセスをベースに粉鉄鉱石
の塊成化と部分還元を同時に達成する焼結プロセスを開発するとともに、このプロセスで製造
された部分還元焼結鉱を高炉で使用するための技術を確立する。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、還元率 70%の部分還元焼結鉱の製造プロセス及びこれを高炉で使用する
ための技術を確立する。
③研究開発期間
2002 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の時期
事後評価を2005 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(12)製造工程省略による省エネ型プラスチック製品製造技術開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、プラスチック製品製造におい
て 1/4 以上のエネルギー消費を占める樹脂のペレット化(造粒)工程を省略するため、重合工程
で生成される樹脂パウダーから直接フィルム製品等の加工製品の成形を可能とする、樹脂製造
及び樹脂加工を一体化した、一貫省エネプロセス技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、ペレット化を省略したプラスチック製品製造技術を実現するための、触
媒技術、安定化剤添加技術及び成形技術を確立するとともに、関連する技術の体系化を図る。
③研究開発期間
2002 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の時期
事後評価を2005 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(13)内部熱交換による省エネ蒸留技術開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、石油化学工業における大幅な
14
省エネルギー効果を実現するため、エネルギー消費のうち約 40%を占める蒸留プロセスにつ
いて、蒸留塔を濃縮部と回収部に分割し、濃縮部における廃熱を回収部において活用する技術
の実用化を図る。
②技術的目標及び達成時期
2005 年度までに、省エネルギー率 30%以上(現行実用蒸留塔比)を達成する蒸留塔設計技術
及び蒸留システム技術を確立する。
③研究開発期間
2002 年度∼2005 年度
④中間・事後評価の時期
事後評価を2006 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(14)次世代化学プロセス技術開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、製造工程の短縮又は有害化学
物質を使用・経由しない化学プロセスを実現し、省エネルギー、省資源及び環境負荷低減を図
るため、新規触媒反応等を利用した新規化学反応プロセス技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2003 年度までに、化学品の製造プロセスを抜本的に革新し、製造工程の短縮と性能向上に
よって、省エネルギー、省資源及び環境負荷の低減を図る。
③研究開発期間
1995 年度∼2003 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 1999 年度に、事後評価を 2004 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(15)超臨界流体利用環境負荷低減技術研究開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、化学物質の製造に伴う環境負
荷の低減、省資源及び省エネルギーを目的として、製造工程中の有機溶剤の使用廃止又は廃棄
物等の工業原料への転換を実現するための超臨界流体を利用した新規化学反応プロセス技術を
開発する。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、超臨界流体を代表的な合成反応プロセス、環境保全・エネルギープロセス
等に利用し、高効率で簡素な環境調和型化学プロセス技術を構築し、省エネルギー及び環境負
荷の低減を図る。
③研究開発期間
2000 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2002 年度に、事後評価を 2005 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(16)高温空気燃焼対応高度燃焼制御技術開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、燃焼の高効率化による省エネ
ルギーと低 NOx 化を同時に実現する高温空気燃焼技術を各種燃焼加熱設備に適用し、一層の高
15
性能化を図る技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2003 年度までに、燃焼の高効率化と低 NOx 化を同時に実現する高温空気燃焼技術の各種燃
焼加熱設備(微粉炭ボイラー、廃棄物焼却プロセス及び高温化学反応プロセス)への適用のため
の設計手法やプラント性能推定技術を確立する。
③研究開発期間
1999 年度∼2003 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2001 年度、事後評価を2004 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(17)省エネルギー型鋼構造接合技術の開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、溶接施工時におけるエネル
ギー使用量を低減するため、鋼構造の接合における溶接技術について、溶接変形が少なく溶接
後の加熱矯正が不要な溶接材料及び施工技術を開発する。
また、併せて本接合技術の標準化に係る調査・研究を実施し、従来の溶接材料では規定され
ていない変態温度及び溶接変形量の測定方法等を標準化(JIS)。
②技術目標及び達成時期
2005 年度までに、溶接材料の変態膨張特性、溶接継ぎ手形状、溶接施工方法、溶接条件、
変形量の関係の実験的調査と理論解析に基づく溶接材料を開発するとともに、開発した材料に
よる溶接施工技術を確立するとともに標準化原案をまとめる。
③研究開発期間
2003 年度∼2005 年度
④中間・事後評価の時期
事後評価を2006 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(18)インクジェット法による回路基板製造プロジェクト(フォーカス21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造高度化の観点から行うものであり、金属インク、絶縁物インク等をイン
クジェットヘッドから基板に吐出して回路基板を製造する技術の開発を行う。メッキ、レジス
ト塗布、露光、現像、エッチング等の一連の工程を行う従来法(エッチング法)に比べ、本プロ
ジェクトの回路基板製造方法は数分の1の工程で行うため、製造工程の省エネルギー化が可能
となる。
②技術目標及び達成時期
2005年度までに、インクジェット法による回路基板の製造技術を確立する。
③研究開発期間
2003年度∼2005年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を2006年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(19) SF6 等に代わるガスを利用した電子デバイス製造クリーニングプロセスシステムの研究開発(運
営費交付金)
①概要
16
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、半導体集積回路や液晶デ
バイス等電子デバイスの製造プロセスの一つである絶縁膜のプラズマ CVD によるクリーニ
ングプロセスで利用可能な、SF6 等の温室効果ガスに代替するガス及び省エネルギー型新規
プロセス技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2002 年度までに、CVD クリーニング工程で用いられている SF6 等の温室効果ガスに代替す
るガスを開発するとともに、電力エネルギー効率を現状システムの 2∼2.5 倍程度に向上す
る CVD 装置及びシステムに必要な要素技術を確立する。
③研究開発期間
1998 年度∼2002 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2001 年度に、事後評価を 2003 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究期間等から、最適な研究体制を構築し実施。
(20)省エネルギー型金属ダスト回生技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、製鋼用電気炉の高温排ガスか
ら、直接に鉄及び亜鉛成分を回収することで亜鉛回収に必要なエネルギーを大幅に削減するこ
とが可能となる金属ダスト回生システム技術の開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2002年度までに、製鋼用電気炉の高温排ガスに含まれる鉄成分及び亜鉛成分の直接分離回収
率をベンチスケール規模でともに80%以上とする技術を確立する。
③研究開発期間
1998年度∼2002年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2001年度、事後評価を2003年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(21)エネルギー使用合理化ガス拡散電極食塩電解技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、電力多消費型産業である
ソーダ工業における消費電力の削減を図るため、従来技術であるイオン交換膜法に比べて、
高い省エネルギー性が期待できるガス拡散電極法を用いた食塩電解技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2002 年度までに、安定性、耐久性及び経済性のあるガス拡散電極による食塩電解技術の確
立を図る。
③研究開発期間
1999 年度∼2002 年度
④中間・事後評価の時期
事後評価を2003 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(22)交流超電導電力機器基盤技術研究開発(運営費交付金)
①概要
電源の多様化を促進する観点から行うものであり、電力機器の高効率化、電力系統の安定度
向上を図るため、超電導技術を利用した革新的交流電力機器(超電導ケーブル、超電導限流器、
17
超電導変圧器)の開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、超電導技術を電力機器として利用するための基盤技術を確立する。
③研究開発期間
2000 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2003 年度、事後評価を2005 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(23)超電導発電機基盤技術研究開発(運営費交付金)
①概要
電源の多様化を促進する観点から行うものであり、電力系統の安定度が高く、高効率、コン
パクト等の優れた特徴を有する超電導発電機を実用化するための基盤技術の研究開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2003 年度までに、20 万 kW を目標とした高密度化技術、60 万 kW を目標とした大容量化技術
及び設計技術等の超電導発電機の実用化に必要な基盤技術を確立する。
③研究開発期間
2000 年度∼2003 年度
④中間・事後評価の時期
事後評価を2004 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(24)フライホイール電力貯蔵用超電導軸受技術研究開発(運営費交付金)
①概要
電源の多様化を促進する観点から行うものであり、超電導状態で発生するマイスナー効果を
利用してフライホイールの軸受摩擦のロスを低減することにより、電力を運動エネルギーに転
換して貯蔵する技術の開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、100kWh 級フライホイールを早期に実用化するための課題を明らかにする。
③研究開発期間
2000 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2003 年度、事後評価を2005 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(25)産業用コージェネレーション実用技術開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、従来の産業用中型コージェネ
レーションシステムより総合熱効率を高めることを目的とし、ガスタービンの高温静止部に金
属部品及びセラミック部品の双方を用いたハイブリッドガスタービンを開発する。
②技術目標及び達成時期
2003 年度までに、ハイブリッドガスタービンの実用化を図るため、耐熱セラミックス部材
開発及び評価試験、耐久試験を実施し、ハイブリッドガスタービンの健全性・信頼性を確認す
る
③研究開発期間
1999 年度∼2003 年度
18
④中間・事後評価の時期
中間評価を 2001 年度、事後評価を 2004 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(26)低摩擦損失高効率駆動機器のための材料表面制御技術の開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、自動車の変速機、水圧機
器システム、発電用タービン等の利用時の省エネルギーを図るため、これらの駆動系にお
ける摩擦損失を大幅に低減する材料表面制御の基盤技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2006 年度までに、潤滑膜の構造特性及び生成機構を解明するとともに、各駆動系におけ
る摩擦損失を低減する技術を確立する。
③研究開発期間
2002 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2004 年度、事後評価を2007 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(27)変圧器の電力損失削減のための革新的磁性材料の開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、大電力変電所や配電変圧器
等の電力変換効率を格段に高める送配電システムを構築するため、PVD、CVD 技術を応用し
て、変圧器の磁芯に使われる磁性材料(電磁鋼板)の表面に無機シリコン系化合物等の薄層膜
をコーティングし、電力損失を画期的に低減する材料を開発する。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、電力損失(鉄損)を現行の約 2 割低減した磁性材料を創製する技術及び変
圧器への適用加工技術の確立を図る。
③研究開発期間
2002 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の時期
事後評価を2005 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(28)高効率熱電変換システムの開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、産業部門、民生部門等からの
排熱エネルギーを高効率に利用するため、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する、長寿命
で信頼性の高い熱電変換素子による高効率熱電変換技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2006 年度までに、熱電変換効率 15%の高効率熱電変換モジュールの開発及びシステム化要
素技術を確立する。
③研究開発期間
2002 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2004 年度、事後評価を2007 年度に実施。
19
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(29)高効率高温水素分離膜の開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、高効率・省エネルギーの水素
製造プロセスを開発するため、高い耐熱性と、高い水素選択透過性を併せ持つ高温水素分離膜
の開発と膜モジュール化技術開発を一体的に行う。
②技術的目標及び達成時期
2006 年度までに、無機膜の微細構造制御技術、化学組成制御技術、モジュール化技術等を
確立する。
③研究開発期間
2002 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を2004 年度に、事後評価を2007 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(30)吸着材を用いた新規な天然ガス貯蔵技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、石油等の代替エネルギー
として天然ガスの導入を促進するため、従来の天然ガス貯蔵方式に比べてより高密度で貯
蔵できる吸着材を用いた新規の天然ガス貯蔵技術の開発を実施する。
②技術目標及び達成時期
2002 年度までに、金属錯体、活性炭改良品による高密度貯蔵吸着材の開発及び開発した吸着材のガスホ
ルダー、BOG 処理、天然ガス自動車への適用に係る技術を確立する。
③研究開発期間
1998 年度∼2002 年度
④中間・事後評価の時期
中間評価を 2001 年度、事後評価を 2003 年度に実施。
⑤実施形態等
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(31)超低損失電力素子技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、電力供給、産業、運輸、民生
等幅広い分野の電力の省エネルギー化を図るため、電力変換器等に適用可能な SiC 等を用いた
超低損失かつ高速動作の半導体素子を開発する。
②技術目標及び達成時期
2002 年度までに、SiC 基板作製技術に関しては、4 インチ程度の大口径化及び 2 インチでマ
イクロパイプ無しの高品質化、またプロセス要素技術に関しては SiC 等の半導体の薄膜成長制
御技術、伝導度制御技術及び界面制御技術の基盤技術を開発する。併せて、素子化技術として
主として既存技術の高度化により 4 種の基本デバイスを作製し、SiC、GaN の優位性を実証す
る。
③研究開発期間
1998 年度∼2002 年度
④中間評価・事後評価の実施時期
中間評価を 2001 年度に、事後評価を 2003 年度に実施。
⑤実施形態
20
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(32)高効率有機デバイスの開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、シリコンデバイスでは不可
能な、紙のように軽量なディスプレイ等に利用でき、かつ、シリコンデバイスに比べて低消
費電力という特質を有する有機デバイスの研究開発を行う。具体的には、低分子材料を中心
としたディスプレイの開発、高分子材料を中心とした有機薄膜トランジスタの開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2006 年度までに、視感効率 50 ルーメン/ワットを超える白色発光素子、30MHz の応答周波
数を備える有機高速トランジスタ、動画表示が可能な厚さ 0.2mm 程度のフィルムディスプレ
イ等を開発する。
③研究開発期間
2002年度∼2006年度
④中間評価・事後評価の実施時期
中間評価を 2004 年度に、事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(33) SF6 フリー高機能発現マグネシウム合金組織制御技術開発プロジェクト(フォーカス 21)(運営費
交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、省エネルギーに資する軽量化
材料であるマグネシウム溶解時に使用されている地球温暖化ガスである SF6 の削減を図るとと
もに、クリープ特性の向上、鋳造プロセス、押出し、圧延等の展伸プロセスにおける晶出の均
質化技術、結晶粒制御技術を開発し、製造プロセスの高度化、マグネシウム合金の高機能化を
図る。
②技術的目標及び達成時期
2006 年度までに、マグネシウム合金において、SF6 フリー溶解技術と、高機能(強度、延性、
靱性、高クリープ抵抗等)を発現させるために、高度なプロセス技術とともに原材料技術を開
発する。
③研究開発期間
2004 年度∼2006 年度
④中間評価・事後評価の実施時期
事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(34)次世代 FTTH 構築用有機部材開発プロジェクト(フォーカス 21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、高品位映像によるリアルタイ
ムコミュニケーション可能な次世代FTTH(Fiber To The Home)のラスト数百mに供用できる、低
コストで低光伝送損失のプラスチック材料を開発する。具体的には、屈折率高精度制御技術開
発によりプラスチック光ファイバー(POF)、及びモジュール化のための新規一体型成形加工技
術の開発により低コストで低消費電力のポリマー光回路の開発を行う。
②技術的目標及び達成時期
2006 年度までに、次世代 FTTH 構築に必要なラスト数百 m の光ネットワークに提供される
POF 及びポリマー光回路用部材を開発する。
③研究開発期間
21
2004 年度∼2006 年度
④中間評価・事後評価の実施時期
事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(35)積層メモリチップ技術開発プロジェクト(フォーカス21)(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、情報化社会の進展に伴い増
加する情報量に対応し、メモリの大容量化、高速データ転送、省エネルギー化等を可能とす
る技術及びメモリ搭載技術の開発を行う。
②技術的目標及び達成時期
2006年度までに、積層された複数メモリへの高速ダイレクトデータ転送可能な技術を開発
し、メモリチップの大容量化、高速データ転送、省エネルギー化等を実現する。
③研究開発期間
2004年度∼2006年度
④中間評価・事後評価の実施時期
事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
Ⅱ.CO2 固定化・有効利用技術
排出される二酸化炭素を分離回収・固定化したり、有用物質に変換する技術を開発する。
(ⅰ)二酸化炭素分離回収・隔離・貯留技術開発
(1)二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、火力発電所等の大規模発生
源から分離回収された二酸化炭素を海洋中層に放出・拡散することで大気中の二酸化炭素濃度
の急激な上昇を抑制する技術について、海洋環境への影響を評価する技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2006 年度までに、海洋隔離技術の有効性、経済効果の評価、100∼150kg/s の二酸化炭素を
希釈出来る技術(濃度の具体的な目標値は検討中)の要素開発、二酸化炭素放出点周辺域(約
100km×約 100km 程度の範囲内)での希釈技術開発に対する影響評価技術の確立、国際的な連
携の強化等を図る。
③研究開発期間
フェーズ 1:1997 年度∼2001 年度
フェーズ 2:2002 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2004 年度、事後評価を 2006 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(2)二酸化炭素の地中貯留技術研究開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、火力発電所等の大規模発生
源から分離回収された二酸化炭素を地中帯水層へ貯留する技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、長期挙動予測可能な二酸化炭素挙動予測シミュレータの開発、二酸化炭
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素圧入技術の開発、日本近海の帯水層についての分布・地質構造等地質広域調査による二酸化
炭素地中貯留の潜在能力等データを取得する。
③研究開発期間
2000 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2002 年度、事後評価を 2004 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(3)二酸化炭素炭層固定化技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、二酸化炭素が石炭に吸着し
やすい特性を利用して、火力発電所等から排出される二酸化炭素を石炭層に安定して固定化
させる技術(二酸化炭素の炭層への最適な固定化条件の把握、炭層への効率的な圧入方法等)
を開発する。
②技術目標及び達成時期
2007 年度までに、二酸化炭素とメタンの置換メカニズムの解明及び二酸化炭素挙動シミュ
レーション技術、二酸化炭素の石炭層への効率的な圧入とメタンの回収技術等を確立する。
③研究開発期間
2002 年度∼2007 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2004 年度、事後評価を 2008 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(4)二酸化炭素大規模固定化技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、乾燥地帯のような苛酷な環
境においても生育しうる樹木を創出し、従来、植林に適さなかった地域を含めた植林可能面
積の拡大を図る。また、植物が有する二酸化炭素吸収機能の向上を図り、大気中の二酸化炭
素を大規模かつ効率的に固定化する技術の開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2007 年度までに、年間降雨量 500mm 程度の乾燥地帯等においても生育し得る森林創生樹木
を開発する。
③研究開発期間
2003 年度∼2007 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2005 年度、事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(5)低品位廃熱を利用する二酸化炭素分離回収技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、従来技術になかった低温度レ
ベルで再生可能な CO2 吸収液を開発し、有効な利用法がないプラント廃熱を回収して吸収液再
生に利用する技術を組み合わせた吸収法システムを開発する。そして鉄鋼プラントの高濃度
CO2 排ガスを用いてパイロット試験を実施する。
②技術目標及び達成時期
23
2008 年度までに、CO2 分離回収コストを大幅に削減する技術を実証する。
③研究開発期間
2004 年度∼2008 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2006 年度、事後評価を 2009 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(ⅱ)二酸化炭素有用物質転換技術開発
(1)石炭・古紙等活用型二酸化炭素固定化技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、太陽熱を利用して、二酸化
炭素を石炭・天然ガス及び水蒸気と反応させ、高効率にメタノールを生成する技術、並びに微
生物等の機能を活用し、バイオマス資源である古紙等を糖化し、得られた糖類を有機酸に変
換する過程で、バイオコンバージョンにより二酸化炭素を固定する技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、石炭・点絵ガス及び水蒸気活用型技術は、太陽炉の開発による溶融塩加熱
技術、石炭スラリー加熱技術等を確立、古紙等活用型技術は、同年度までに、セルロースを
糖化し、糖と二酸化炭素を有機酸に変換させる部生物触媒を開発する。
③研究開発期間
2004 年度
④中間・事後評価の実施時期
事後評価を 2004 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(2)石炭・天然ガス活用型二酸化炭素回収・利用技術の開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、太陽熱を利用して、二酸化
炭素を石炭・天然ガス及び水蒸気と反応させることにより、次世代の液体燃料であるメタノー
ルに高効率に変換する技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、太陽炉の開発による溶融塩加熱技術、石炭スラリー加熱技術等を確立す
る。
③研究開発期間
2000 年度∼2003 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2002 年度に実施。なお、本事業の成果全般については、「石炭・古紙等活用型二
酸化炭素固定化技術開発」において活用されることとなるため、本事業の事後評価は、当該事
業の事後評価において併せて実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(3)エネルギー使用合理化古紙等有効利用二酸化炭素固定化技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、バイオマス資源である古紙等
を生物的機能を活用して糖化し、得られた糖類を有機酸類に変換する過程で二酸化炭素を
固定するバイオコンバージョン技術を開発する。
②技術目標及び達成時期
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2004 年度までに、セルロースを糖化し、糖と二酸化炭素を有機酸に変換させる微生物プロ
セスを開発する。
③研究開発期間
2000 年度∼2003 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2002 年度に実施。なお、本事業の成果全般については、「石炭・古紙等活用型二
酸化炭素固定化技術開発」において活用されることとなるため、本事業の事後評価は、当該事
業の事後評価において併せて実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から、最適な研究体制を構築し実施。
(ⅲ)技術シーズの発掘
(1)プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、将来において実現可能性の
高い二酸化炭素固定化・有効利用技術に関する技術シーズを発掘し、これらの基盤技術の確立、
フィージビリティの確認等を実施する。
②事業期間
1999 年度∼2006 年度
③実施形態
適切な研究課題、実施企業等を選定し実施。
(ⅳ)実用化開発
(1)二酸化炭素固定化・有効利用技術実用化開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、二酸化炭素固定化・有効利用
技術等の中から、特に実用化の可能性の高い事業について支援を行う。
②事業期間
2001 年度∼2004 年度
③実施形態
適切な研究課題、実施企業等を選定し実施。
(2)京都議定書目標達成産業技術開発促進事業
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、民間企業が取り組む地球温
暖化防止技術のうち、実用化に向けた道筋が明確な技術開発について支援を行う。
②事業期間
2003 年度∼2007 年度
③実施形態
適切な研究課題、実施企業等を選定し実施。
(ⅴ)国際協力
(1)地球環境国際研究推進事業
① 概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、地球温暖化問題の解決に向
け、諸外国等と共同で革新的な温暖化防止技術の研究開発を実施する。
②事業期間
2002 年度∼2006 年度
③実施形態
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諸外国との連携のもと、テーマ毎に適切な研究体制を構築し実施。
5.研究開発の実施に当たっての留意事項
事業の全部又は一部について独立行政法人の運営費交付金により実施されるもの(事業名に(運
営費交付金)と記載したもの)は、運営費交付金の総額を算定する際に使用するものであることか
ら、当該部分は、国の裁量によって実施されるものではなく、中期目標、中期計画等に基づき当
該独立行政法人の裁量によって実施されるものである。
【フォーカス 21 の成果の実用化の推進】
フォーカス 21 は、研究開発成果を迅速に事業に結び付け、産業競争力強化に直結させるため、
次の要件の下で実施。
・技術的革新性により競争力を強化できること。
・研究開発成果を新たな製品・サービスに結びつける目途があること。
・比較的短期間で新たな市場が想定され、大きな成長と経済波及効果が期待できること。
・産業界も資金等の負担を行うことにより、市場化に向けた産業界の具体的な取り組みが示され
ていること。
具体的には、成果の実用化に向け、実施者による以下のような取り組みを求める。
・カーボンナノファイバー複合材料プロジェクト
事業費の 1/2 負担により、アルミニウム合金、マグネシウム合金と、カーボンナノファイ
バーとの複合化技術とその成形加工技術の開発を行う。
・省エネ型次世代 PDP プロジェクト
事業費の 1/2 負担により、PDP の低消費電力化を図るため、発光パネルの高効率発光技術
等の開発を行う。
・高分子有機 EL 発光材料プロジェクト
事業費の 1/2 負担により、高分子発光材料の発光効率、寿命等の高度化の材料創製技術
と有機ELディスプレイパネル製造プロセスでの成形加工技術の一体的研究開発を行う。
・ディスプレイ用高強度ナノガラスプロジェクト
種々のディスプレイ用基板ガラスの軽量化を図るための薄板化を可能とする超高強度薄板
ガラスの開発を実施し、早期実用化を図る。
・カーボンナノチューブ FED プロジェクト
CNT-FEDの実用化のため、映像処理回路、画像品質向上回路等、CNT-FED実用化開発を実施
し、早期実用化を図る。
・光触媒利用高機能住宅用部材プロジェクト
事業費の 1/2 負担により、光触媒を利用した住宅用放熱部材及びそれを用いた冷房負荷
低減システム、室内環境浄化部材の開発等を行う。
・インクジェット法による回路基板製造プロジェクト
事業費の1/2 負担により、金属インク、絶縁物インク等をインクジェットヘッドから基板に吐出して回
路基板を製造する技術を確立する。
・SF6 フリー高機能発現マグネシウム合金組織制御技術開発プロジェクト
事業費の 1/2 負担により、マグネシウム合金において、SF6 フリー溶解技術と、高機能を
発現させるために、高度なプロセス技術とともに原材料技術を確立する。
・次世代FTTH 構築用有機部材開発プロジェクト
事業費の1/2 負担により、次世代FTTH 構築に必要なラスト数百mの光ネットワークに提供される低コス
トで低光伝送損失のPOF 及びポリマー光回路用部材を開発する。
・積層メモリチップ技術開発プロジェクト
事業費の1/2負担により、メモリの大容量化、高速データ転送、省エネルギー化等を可能
とするために必要な技術を確立する。
26
なお、適切な時期に、実用化・市場化状況等について検証する。
6.プログラムの期間、評価等
プログラムの期間は 2002 年度∼2006 年度までとし、プログラムの中間評価を 2004 年度に、事後
評価を 2007 年度に行うとともに、研究開発以外のものについては 2010 年度に検証する。
また、中間評価を踏まえ、必要に応じ基本計画の内容の見直しを行う。
7.研究開発成果の政策上の活用
各プロジェクトで得られた成果のうち、標準化すべきものについては、適切な標準化活動(国際
規格(ISO/IEC)、日本工業規格(JIS)、その他国際的に認知された標準の提案等)を実施する。
特に、光触媒利用高機能住宅用部材プロジェクトにより取得・蓄積した基本特性等データを活用
しつつ、基準認証研究開発事業として、光触媒の統一的な試験・評価方法を JIS 化するとともに、
我が国発の国際標準として提案することにより、光触媒製品の世界市場拡大を目指す。
8.政策目標実現に向けた環境整備
【国際協力】
・地球環境国際連携推進事業(運営費交付金)(2003 年度∼2007 年度)
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、地球温暖化問題の解決に貢
献する技術の開発を国際レベルで効率的かつ経済的に進めるために IPCC 国際会議等を開催し
各国におけるエネルギー消費効率化に関する取り組みについて情報交換、温暖化防止等に関
する我が国の戦略的取り組みの検討及び各国情報収集調査等を行う。
【知的基盤整備】
・情報提供等事業(地球環境国際研究推進事業の一環)
革新的な温暖化対策技術や地球環境保全技術の情報交換を目的とした情報ネットワークの
構築・運用、データベースの構築等を図る。
【普及・導入促進】
・開発した成果について社会への早期普及・導入を図るため、それぞれの技術開発成果に応じた適切
な普及促進制度の活用策についての検討を行う。
9.その他当該プログラムの実施に関する重要事項
・2004 年度地球温暖化対策推進大綱の見直しに伴う対応を行う。
・各プロジェクトを横断的観点からマネジメントする体制を整備し、技術の進捗状況や社会情勢等
を踏まえた適切な資源配分、技術成果のレビュー、普及施策の検討、実施すべき技術開発テー
マ・領域・分野等の検討等を実施する。
10.改訂履歴
(1)平成 14 年 2 月 28 日付け制定。
(2)平成 15 年 3 月 10 日付け制定。革新的温暖化対策技術プログラム基本計画(平成 14・02・25 産局
第 16 号)は、廃止。
(3)平成 16 年 2 月 3 日付け制定。革新的温暖化対策技術プログラム基本計画(平成 15・03・07 産局第
18 号)及びエネルギー環境二酸化炭素固定化・有効利用プログラム基本計画(平成 15・03・07 産
局第 19 号)は、本プログラム基本計画に統合することとし、廃止。
27
平 成 16・02・03産 局 第 3号
平成16年2月3日
化学物質総合評価管理プログラム基本計画
1.目的
環境と調和した健全な経済産業活動と安全・安心な国民生活の実現を図るため、化学物質のリスク
の総合的な評価を行い、リスクを適切に管理する社会システムを構築する。
2.政策的位置付け
科学技術基本計画(2001 年 3 月閣議決定)における国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化
分野である環境分野、分野別推進戦略(2001 年 9 月総合科学技術会議)における重点分野である環境分
野に位置付けられる。
また、産業技術戦略(2000 年 4 月工業技術院)における社会的ニーズ(環境と調和した経済社会シス
テムの構築)、及び、革新的、基盤的技術(材料・プロセス技術、エネルギー・環境技術)の涵養、知的
な基盤の整備に対応するものである。
さらに、「産業発掘戦略−技術革新」(「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2002」(2002 年 6
月閣議決定)に基づき 2002 年 12 月取りまとめ)の環境・エネルギー分野における戦略目標「環境・エネ
ルギー技術へのチャレンジを産業競争力の源泉に」(技術のグリーン化)に対応するものである。
3.目標
2006 年度までに、化学物質のリスクの総合的な評価を行いつつ、リスクを評価・管理するための技
術体系を構築すべく、化学物質のリスクに係る国民の理解増進のための基盤及び国が規制等の施策を
講ずる際の手段として、化学物質のライフサイクルにわたるリスクの総合的な評価管理を行うための
手法を構築するとともに、リスクの削減に資するプロセス、手法の開発、さらには知的基盤を整備す
る。
4.研究開発内容
【プロジェクト】
Ⅰ.化学物質総合評価管理
(1)化学物質のリスク評価及びリスク評価手法の開発(運営費交付金)
①概要
化学物質排出把握管理促進法対象物質のうち、特に人への健康リスクが高いと考えられる高生
産量化学物質を中心に、当該物質のリスクの評価や対策によるリスクの削減効果の評価を行うと
ともに、リスク評価手法を開発する。
②技術目標及び達成時期
2006 年度までに、化学物質排出把握管理促進法対象物質(435 物質)のうち高生産量化学物質を
中心に評価手法確立のための基礎データを整備するとともに、評価手法を構築する。
③研究開発期間
2001 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2003 年度に、事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(2)既存化学物質安全性点検事業の加速化(運営費交付金)
①概要
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化審法」という。)に係る「既存化学物質
安全性点検事業」を抜本的に見直しするため、構造活性相関手法を開発し点検事業の大幅な効率
28
化を図りつつ、リスク管理の必要性が高い物質の点検を行う。
②技術目標及び達成時期
2006 年度までに、新たに取得するデータ及び既存データを活用して、分解性・蓄積性に係る構
造活性相関手法を構築する。さらに、生産輸入量が 100t以上の化学物質を中心に、これらの手
法等を活用し、早急に対応すべき化学物質について分解性・蓄積性等に関する点検を完了する。
③研究開発期間
2000 年度∼2006 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2003 年度に、事後評価を 2007 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(3)高精度・簡易有害性(ハザード)評価システムの開発(運営費交付金)
①概要
石油の生産及び流通の合理化を図る観点から行うものであり、遺伝子解析手法の活用等により、
高精度・簡易毒性(ハザード)評価手法を開発する。
②技術目標及び達成時期
2005 年度までに長期毒性試験に要するコストを百分の一程度に、期間を数十分の一程度に低
減する評価手法を構築する。
③研究開発期間
2001 年度∼2005 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2003 年度に、事後評価を 2006 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(4)化学物質総合リスク評価管理システムの開発(運営費交付金)
①概要
石油の生産及び流通の合理化を図る観点から行うものであり、「化学物質のリスク評価及びリ
スク評価手法の開発」、「既存化学物質安全性点検事業の加速化」及び「高精度・簡易有害性(ハザー
ド)評価システムの開発」の 3 つのプロジェクトで得られたデータ及び基盤技術を基に、有害性
(ハザード)、暴露、リスクに係る情報を一元的に管理運用する化学物質総合リスク評価管理シス
テムを開発する。
②技術目標及び達成時期
2005 年度までに、化学物質の有害性(ハザード)、暴露、リスク等の基盤情報と各評価手法に
係る情報を統合した化学物質総合リスク評価管理情報システムを構築する。
③研究開発期間
2001 年度∼2005 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2003 年度に、事後評価を 2006 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
Ⅱ.化学物質リスク削減技術開発
(1)次世代化学プロセス技術開発
① 概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、製造工程の短縮又は有害化学物
質を使用・経由しない化学プロセスを実現し、省エネルギー、省資源及び環境負荷低減を図るた
29
め、新規触媒反応等を利用した新規化学反応プロセス技術を開発する。
② 技術目標及び達成時期
2003 年度までに、化学品の製造プロセスを抜本的に革新し、製造工程の短縮と性能向上に
よって、省エネルギー、省資源、環境負荷の低減を図る。
③ 研究開発期間
1995 年度∼2003 年度
④ 中間・事後評価の実施時期
中間評価を 1999 年度に、事後評価を 2004 年度に実施。
⑤ 実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(2)超臨界流体利用環境負荷低減技術開発(運営費交付金)
①概要
エネルギー需給構造の高度化を図る観点から行うものであり、化学物質の製造に伴う環境負荷
の低減、省資源及び省エネルギーを目的として、製造工程中の有機溶剤の使用廃止又は廃棄物等
の工業原料への転換を実現するための超臨界流体を利用した新規化学反応プロセス技術を開発す
る。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、超臨界流体を代表的な合成反応プロセス、環境保全・エネルギープロセス等
に利用し、高効率で簡素な環境調和型化学プロセス技術を構築し、省エネルギー及び環境負荷の
低減を図る。
③研究開発期間
2000 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2002 年度に、事後評価を 2005 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(3)超臨界流体を用いたダイオキシン等難分解性化学物質の無害化技術開発(運営費交付金)
①概要
超臨界流体の大きな溶解力や強力な分解作用により、焼却飛灰等に含まれていたり、固体廃棄
物等の固形物に強く付着・含浸しているダイオキシンや PCB 等の難分解性有害化学物質を安全か
つ確実に分解・無害化する技術の開発を行う。
②技術目標及び達成時期
2004 年度までに、超臨界流体の特性を利用して、抽出等の過程を検討しつつ、最終分解率を
最大 99%まで高め、難分解性有害化学物質の処理技術の確立を図る。
③研究開発期間
2000 年度∼2004 年度
④中間・事後評価の実施時期
ミレニアムプロジェクトの評価・助言会議において毎年度評価を実施する。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
(4)有害化学物質リスク削減基盤技術研究開発(運営費交付金)
①概要
環境中に排出され、直接又は間接的に人の健康や生態系に影響を及ぼすことが懸念される化学
物質のリスクを削減するため、安価で多くの事業者において導入可能な、エンドオブパイプや
インプラント等における回収、無害化、代替等の技術を実用化するために必要な基盤技術を開
発する。
30
②技術目標及び達成時期
2008 年度までに、PRTR 制度(化学物質排出把握管理促進法に基づき有害なおそれのある化学物
質について、事業所からの環境中への排出量及び廃棄物としての事業所外への搬出量等を把握・
集計・公表する制度)の届出結果等を利用して直接又は間接的に環境影響が懸念される有害化学物
質の優先順位付けを行い、選定されたリスクの高い有害化学物質に関する排出削減技術、代替物
質の開発及び代替プロセスの構築等を行うことにより、環境中に大量に排出されている有害化学
物質によるリスクの削減を図る。
③研究開発期間
2004 年度∼2008 年度
④中間・事後評価の実施時期
中間評価を 2006 年度に、事後評価を 2009 年度に実施。
⑤実施形態
民間企業、大学、公的研究機関等から最適な研究体制を構築し実施。
【技術シーズの発掘】
(1)化学物質総合評価管理に係る革新的技術の研究開発
①概要
産業技術研究助成事業制度を活用し、有害性(ハザード)評価、暴露分析、リスク評価の手法や
リスクベネフィット分析等のリスクコミュニケーションを向上させる新たな技術シーズに係る研
究開発を行う。
②研究開発期間
3 年以内(テーマ毎に設定)
③実施形態
適切な研究課題、実施者を選定し実施。
【実用化開発】
(1)化学物質総合評価管理に係る実用化技術の研究開発
① 概要
産業技術実用化補助事業制度を活用し、化学物質の製造段階及びユーザー等による化学物質の
使用段階において、これまでのエンドオブパイプ技術から環境調和型生産技術へ重点を移行する
ための技術を開発する。また、製造段階、使用段階で使用されている有害化学物質をよりリスク
の少ない化学物質へ代替するための実用化技術に係る研究開発を行う。
② 研究開発期間
原則 2 年(テーマ毎に設定)
③ 実施形態
適切な研究課題、実施企業等を選定し実施。
5.研究開発の実施に当たっての留意事項
事業の全部又は一部について独立行政法人の運営費交付金により実施されるもの(事業名に(運
営費交付金)と記載したもの)は、運営費交付金の総額を算定する際に使用するものであることか
ら、当該部分は国の裁量によって実施されるものではなく、中期目標、中期計画等に基づき当該
独立行政法人の裁量によって実施されるものである。
6.プログラムの期間、評価等
プログラムの期間は 2000 年度から 2006 年度までとし、プログラムの中間評価を 2004 年度に、
事後評価を 2007 年度に実施するとともに、研究開発以外のものについては 2008 年度に検証する。
また、中間評価を踏まえ、必要に応じ基本計画の内容の見直しを行う。
7.研究開発成果の政策上の活用
31
・化学物質の有害性評価、暴露分析、リスク評価等のデータベースの構築を図る。
・化学物質の有害性評価、暴露分析、リスク評価等の手法の各種活動(事業者の自主管理活動、事
業者、地方自治体等が国民とリスクコミュニケーションを図る活動等)等への導入を図る。
・化審法や化学物質排出把握管理促進法への対象物質の追加や評価手法の導入等法令施行への活
用を図る。
・各プロジェクトで得られた成果のうち、標準化すべきものについては、適切な標準化活動(国際
規格(ISO/IEC)、日本工業規格(JIS)、その他国際的に認知された標準の提案等)を実施する。
特に、2007 年度を目途に有害性評価手法等を経済開発協力機構(OECD)にテストガイドライン
として提案し、国際標準化を推進する。
8.政策目標の実現に向けた環境整備
・科学的知見に基づく化学物質管理の推進や諸制度の見直しの促進など新たな規範の構築を図る。
・リスクコミュニケーションセンター(仮称)を設置し、事業者・国民・公的機関の化学物質管理に
関する冷静な対話(科学的知見の共有)を促進するための社会システムの構築を図る。
・プログラムにおける研究環境を活用・整備し、リスク評価の分野に能力を持つ人材を育成する。
9.改訂履歴
(1) 平成 12 年 12 月 28 日付け制定。
(2) 平成 14 年 2 月 28 日付け制定。化学物質総合評価管理プログラム基本計画(平成 12・12・27 工総
第 14 号)は、廃止。
(3) 平成 15 年 3 月 10 日付け制定。化学物質総合評価管理プログラム基本計画(平成 14・02・25 産局
第 7 号)は廃止。
(4) 平成 16 年 2 月 3 日付け制定。化学物質総合評価管理プログラム基本計画(平成 15・03・07 産局
第 8 号)は廃止。
32
化学物質総合評価管理プログラム、革新的温暖化対策技術プログラム
「次世代化学プロセス技術開発」プロジェクト基本計画
1.研究開発の目的・目標・内容
(1)研究開発の目的
化学産業においては、2 度にわたる石油危機以降、省エネルギー・省資源に積極的な取り組み
が行われ、また、日本経済の高度成長期に顕在化した公害問題についても最重要課題としての取
り組みが行われてきた。この結果、1976 年に対する 1991 年のエネルギー原単位は 46%の削減、
CO2 の排出原単位は 32%の削減が達成された。しかし、省エネルギー技術は様々な化学反応プロ
セスへの適用がほぼ終了し、1998 年以降はエネルギー原単位が横ばいになっており、今後更に
省エネルギー・省資源、環境負荷の低減を図るには、革新的な化学反応プロセス技術の開発が必
要である。 このため、本研究開発では、大幅な省エネルギー、環境負荷の低減を図る新規化学
反応プロセス技術の開発を目的とする。本研究開発は「化学物質総合評価管理プログラム」の化学
物質リスク削減技術開発に位置付けられるとともに、「革新的温暖化対策技術プログラム」の一環
として実施する。
(2)研究開発の目標
平成 15 年度までに、製造工程の短縮又は有害化学物質を使用・経由しない化学プロセスを実現
するための新規触媒反応等を利用した新規化学反応プロセス技術(「次世代化学プロセス技術」)を
開発する。
(3)研究開発の内容
上記目標を達成するために、以下の研究開発項目について、別紙の研究開発計画に基づき研究
開発を実施する。
1. 高選択性新規化学プロセス技術開発
a. ナフサ接触分解技術の開発(平成 11 年度終了テーマ)
b. 飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発(平成 13 年度終了テーマ)
2. 分離・合成連続化プロセス技術開発
a. 固相反応場利用プロセス技術の開発(平成 10 年度終了テーマ)
b. 新反応機構利用プロセス技術開発(平成 12 年度終了テーマ)
c. 多相系触媒反応プロセス技術の開発
d. 新固体酸触媒プロセス技術の開発
3. ノンハロゲン化学プロセス技術開発(平成 14 年度終了テーマ)
4. 次世代化学プロセスに関する調査(平成 14 年度終了テーマ)
2.研究開発の実施方式
(1)研究開発の実施体制
本研究開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO 技術開発機構」という。)
が公募によって選定する企業、民間研究機関、独立行政法人、大学等がそれぞれの研究
テーマの達成目標を実現すべく研究開発を実施する方式を採用する。
(2)研究開発の運営管理
研究開発全体の管理・執行に責任を有する NEDO 技術開発機構は、経済産業省及び研究開
発 責任者と密接な関係を維持しつつ、本研究開発の目的及び目標に照らして適切な運営管
理を実施する。具体的には、必要に応じて、NEDO 技術開発機構に設置する技術審議委員会
及び技術検討会等、外部有識者の意見を運営管理に反映させる他、四半期に一回程度、各
テーマの研究開発責任者等を通じて進捗について報告を受けること等を行う。
3.研究開発の実施期間
本研究開発の期間は、平成 9 年度から平成 15 年度まで 7 年間とする。
33
4.評価に関する事項
NEDO 技術開発機構は、国の定める技術評価に係わる指針及び技術評価実施要領に基づ
き、技術的及び産業技術政策的観点から、研究開発の意義、目標達成度、成果の技術的意義
並びに将来の産業への波及効果等について外部有識者による研究開発の事後評価を平成 16 年
度に実施する。なお、評価の時期については、当該研究開発に係わる技術動向、政策動向や
当該研究開発の進捗状況等に応じて、前倒しする等、適宜見直すものとする。
5.その他の重要事項
(1)研究開発成果の取扱い
1. 成果の普及
得られた研究開発成果については、NEDO 技術開発機構、実施者とも普及に努めるも
のとする。
2. 知的所有権の帰属
委託研究開発の成果に関わる知的所有権については、「新エネルギー・産業技術総合
開発機構新エネルギー業務方法書」第 43 条の規定等に基づき、原則として、すべて受
託者に帰属させることとする。
(2)基本計画の変更
NEDO 技術開発機構は、研究開発内容の妥当性を確保するため、社会・経済的状況、内外の
研究開発動向、産業技術政策動向、プログラム基本計画の変更、第三者の視点からの評価
結果、研究開発費の確保状況、当該研究開発の進捗等を総合的に勘案し、達成目標、実施
期間、研究体制等基本計画の見直しを弾力的に行うものとする。
(3)根拠法
本プロジェクトはエネルギーの使用合理化に関する法律(昭和 54 年法律第 49 号)第 21 条
の 2 第 11 号に基づき実施する。
(4)その他
本研究開発は、平成 7 年度から開始されているが、平成 7 年度及び 8 年度は通商産業省
(現経済産業省)の直轄委託により実施され、平成 9 年度からニューサンシャイン計画の一
環として NEDO 技術開発機構に移管され実施している。
(別添 研究開発スケジュール)
6.基本計画の改訂履歴
(1)平成 9 年 4 月、通商産業省工業技術院によってプロジェクト基本計画が策定。
(2)平成 11 年 3 月、研究開発テーマの追加により「研究開発の内容」について改訂。
(3)平成 12 年 3 月、研究開発テーマの追加により「研究開発の内容」について改訂。
(4)平成 13 年 3 月、研究開発テーマの追加により「研究開発の内容」について改訂。
(5)平成 14 年 3 月、省庁再編に伴う経済産業省と NEDO 技術開発機構の役割分担の見直し、
プログラム/プロジェクト制度の導入を受けて、研究開発の目的、内容、目標を統一的
に明記する等の改訂。
(6)平成 15 年 3 月、研究開発の進捗状況等を踏まえ、「研究開発の目的・目標・内容」、「研究開
発の実施期間」及び「評価に関する事項」の見直しにより改訂。
34
(別紙)研究開発スケジュール
注:平成 7∼8 年度テーマは通産省直轄による委託事業。その後、平成 9 年度からニューサン
シャイン計画の一環として NEDO 技術開発機構へ移管されたものである。
35
(別紙)研究開発計画
研究開発項目[1]
「高選択性新規化学プロセス技術開発」
選択性に優れた新規触媒の開発及びこれを利用した新規化学反応プロセス技術の開発を行
う。具体的には、以下のナフサ接触分解技術、飽和炭化水素の選択酸化反応技術等の開発を
行う。
a. ナフサ接触分解技術の開発(平成 11 年度終了テーマ)
化学産業の基盤原料であるエチレンの製造プロセスにおいて触媒によるナフサの接触
分解技術を用いたプロセスを開発するため、触媒調製法の検討、触媒の酸化・還元反応特
性の解析等を行い、反応温度 720℃以下でエチレン及びプロピレンの収率を 57%以上にす
る新規触媒の開発を行う。
b. 飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発(平成 13 年度終了テーマ)
ナフサを熱分解して得られる不飽和炭化水素の代わりに安価な飽和炭化水素(天然ガス
等)を使用して、石油化学の中間製品(アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等)を
高い収率で直接合成する化学反応プロセスを開発するため、触媒による選択的部分酸化
反応技術、反応装置の検討等を行い、反応温度 300∼450℃で製品の収率が高い(プロパ
ンからアクリル酸の合成:収率 10%以上、イソブタンからメタクリル酸の合成:収率 10%
以上、ブタンから無水マレイン酸の合成:収率 50%以上)新規触媒及びこれを用いる化学
反応プロセス技術の開発を行う。
(別紙)研究開発計画
研究開発項目[2]
「分離・合成連続化プロセス技術開発」
a. 固相反応場利用プロセス技術の開発(平成 10 年度終了テーマ)
均一系錯体触媒が持つ高活性、高選択性と固体触媒が持つ反応生成物からの分離の容
易さを備えた固相化触媒(触媒分子が持つ活性及び選択性を維持しつつ担体に触媒を担持
させた触媒)の開発を行う。
(イ) 均一系錯体触媒の固相化
均一系錯体触媒で腐食性の強い塩化銅触媒を用いて一酸化炭素、メタノール及び
酸素からジメチルカーボネートを合成する反応を対象として、均一系(液体状体)
で、触媒性能を維持しつつ、腐食性が著しく小さい(金属の腐食速度が均一系に
比べて 1/100 以下)化学反応プロセスを開発するため、新規固相化触媒の開発を
行う。
(ロ) 水系反応触媒の固相化
ランタノイド系触媒を用いて不飽和カルボン酸及びヒドロキシカルボン酸から
エーテルカルボン酸を合成する反応を対象として、水を溶媒とし、製品の収率が
70%以上である化学反応プロセスを開発するため、水中で高い活性を示す新規固
相化触媒の開発を行う。
(ハ) 強酸系触媒の固相化
強酸を用いてポリオール及び脂肪酸からヒンダートエステルを合成するエステ
36
ル化反応及び強酸中で安定化された銀カルボニル触媒を用いてオレフィンから三
級カルボン酸を合成するカルボニル化反応を対象とし、エステル化反応について
は、液体強酸触媒の性能、カルボニル反応については、液体強酸中での銀カルボ
ニル触媒の性能を維持しつつ、強酸を固相化することにより強酸が反応系外に流
出しない化学反応プロセスを開発するため、強酸性機能を持つ新規固相化触媒の
開発を行う。
b. 新反応機構利用プロセス技術開発(平成 12 年度終了テーマ)
不飽和炭化水素製造等の脱水素反応において、触媒を用いてエチルベンゼンからスチ
レンモノマーへの平衡転化率を 80%以上とすることが可能な化学反応プロセスを開発す
るため、脱水素反応機能に優れた新規触媒の開発、水素透過膜の開発及びメンブレンリ
アクターの最適設計を行う。
c. 多相系触媒反応プロセス技術の開発(平成 12 年度∼15 年度)
1. 研究開発の必要性
可溶性触媒を用いる液相有機合成においては、触媒の回収や廃液処理のために
多段階工程を必要とし、資源・エネルギーの消費や環境負荷が大きくなる場合が
多い。このため、プロセス技術の改良が遅れているファインケミカルズ製造のた
めの液相有機合成反応プロセスにおいて、触媒相の循環使用が可能な多相系触媒
反応プロセス技術の開発を行い、全体としてプロセスの大幅な簡略化を実現する
必要がある。
2. 研究開発の具体的内容
反応液に溶け合わない追加の液相に触媒を存在させ、反応後に反応混合物を分
液して、触媒相を反応工程に循環できる反応プロセス技術を開発する。具体的に
は、多相反応場形成の可能性を持つ相間移動錯体、水溶性錯体、弗素系ルイス酸
錯体の 3 群の触媒種を活用して、応用範囲の広い、a)ヘテロ原子置換反応、b)プ
ロトン置換反応、c)酸化反応、d)還元反応・水素化反応等の類型反応について合
成プロセス技術を開発する。
3. 達成目標
触媒相の循環使用が可能な多相系触媒反応プロセスを成立させる新規触媒相を
構築し、触媒相の循環回数 10 回以上を達成する。
d. 新固体酸触媒プロセス技術の開発(平成 13 年度∼15 年度)
1. 研究開発の必要性
硫酸や塩化アルミニウムに代表される均一系強酸性触媒は高い触媒活性を有
し、広範囲の分野で利用されているが、生成物と触媒の分離工程、触媒の再生等
の多段階工程に加え、廃酸処理工程でのエネルギー消費、副生物・廃棄物の排出
といった資源・エネルギー的課題を抱えている。このため、均一系強酸触媒の固
相化を目標とした新規固体酸触媒技術の開発が必要である。
2. 研究開発の具体的内容
反応場の活性点を三次元的にナノオーダーレベルで設計したメソポーラスマテ
リアル材料、層状粘土化合物、有機無機ハイブリッド材料等を用いた新固体酸触
媒を開発し、関連する以下の 4 つのターゲット反応にてプロセス化の可能性を検
証する。
(イ)オレフィンのオリゴメリゼーション
(ロ)双環芳香族化合物類の合成(2,6-ジメチルナフタレン、インダノン・テトラロ
37
ンの合成)
(ハ)ヒドロキシカルボン酸の合成
(ニ)ベンジルアルコールの合成
3. 達成目標
(イ)オレフィンのオリゴメリゼーション
強ルイス酸触媒に代わり、メソポーラス触媒系などナノオーダーサイズ構造を
有する固体酸触媒を開発し、反応活性点の精密制御等により転化率 90%以上、
選択率 80%以上(3∼4 量体)、初期触媒寿命 12 時間以上を達成することを目標
に実用化の見通しを得る。
(ロ)双環芳香族化合物類の合成(2,6-ジメチルナフタレン、インダノン・テトラロ
ンの合成)
キシレンとブタジエン、芳香族化合物とアルデヒドを原料に 3∼4 工程の多段
階ステップの触媒反応、あるいは触媒の過剰量添加で合成されている現状プロセ
スに対し、酸触媒機能(アルキル化)、塩基触媒機能、脱水素または脱水触媒機能
を合わせ持たせたナノオーダーサイズ構造を有する固体酸触媒を開発し、ラクト
ンなどを原料として一段反応で反応収率 70 %以上を達成することを目標に実用
化の見通しを得る。
(ハ)ヒドロキシカルボン酸の合成
アルデヒドを原料としたカルボニル化反応ないしアミドカルボニル化反応にお
いて、配位子の設計等により活性点を精密制御し、固相化技術を取り入れ固体
酸触媒を開発し、選択率 80%以上、反応収率 80%以上、触媒寿命 1 週間以上を
達成することを目標に実用化の見通しを得る。
(ニ)ベンジルアルコールの合成
トルエンに塩素を付加して加水分解することで製造されている現在の合成法を
トルエンの一段反応でアルコール化できる触媒を開発する。酸化を促進する活
性点と反応生成物を活性点付近から脱離させてアルデヒド化を防止できる金属
担持メソポーラス触媒などを用いて転化率 5%以上、選択率 60 %以上、初期触媒
寿命 50 時間以上を達成することを目標に実用化の見通しを得る。
38
(別紙)研究開発計画
研究開発項目[3]
「ノンハロゲン化学プロセス技術開発」(平成 11 年度∼14 年度)
1.研究開発の必要性
化学産業では塩素誘導体を中間体とする有機合成が多数実施されている。この多くは比較
的穏和な条件で進行するが、塩素自体はエネルギーを多消費する食塩電解によって製造され
るため、全体としてエネルギー消費が大きい。また、塩素を使用する有機合成ではホスゲン
のような有毒の中間体を使用したり、最終製品に塩素を含まないものが多く、副生物として
無機塩素化合物が大量に廃棄されるなど安全・環境面でも課題が多い。このため、エネルギー
低消費型で安全性・環境負荷面に優れたノンハロゲン化学プロセス技術の開発が必要である。
2.研究開発の具体的内容
塩素のようなハロゲン類を副原料として合成される化学品で、それ自体ハロゲンを含まな
い化学品を、ハロゲン類を使用せずに製造するための新規化学プロセス技術の開発を行う。
具体的には、ホスゲンを用いないイソシアネートの合成、クロロヒドリンを経由しない酸化
プロピレン等のエポキシドの合成、併産物を伴わないフェノールの合成を可能とする新規プ
ロセス技術を開発する。
3.達成目標
1. イソシアネートの新合成法開発
ジアミン類(トリレンジアミン等)とジカーボネート類からジカーバメート類を合成
し、そのジカーバメート類を分解することにより、ジアミンを基準として 90%以上の収
率でジイソシアネート類(トリレンジイソシアネート等)を合成することができる新規触
媒及びこれを用いる化学反応プロセス技術の開発を行う。
2. エポキサイドの新合成法開発
オレフィン類(プロピレン、ブテン等)またはその他の不飽和有機化合物(アリルエーテ
ル、アリルエステル等)を分子状酸素や過酸化水素等無機系酸化剤または有機ハイドロ
パーオキサイド等有機系酸化剤を用いてエポキシ化することにより、オレフィンまたは
不飽和有機化合物に対して 20%以上の収率でエポキサイド類(プロピレンオキサイド、
ブテンオキサイド、グリシジルエーテル、グリシジルエステル等)を合成することができ
る新規触媒及びこれを用いる化学反応プロセス技術の開発を行う。
3. フェノールの新合成法開発
ベンゼンを他の有機化合物または水素の存在下に分子状酸素で酸化することにより、
10%以上の収率でフェノールを合成することができる新規触媒及びこれを用いる化学反応
プロセス技術の開発を行う。
39
(別紙)研究開発計画
研究開発項目[4]
「次世代化学プロセスに関する調査」(平成 9 年度∼14 年度)
1.研究開発の必要性
次世代化学プロセス技術領域を対象として新しい化学プロセス技術の動向や今後の重点分
野について調査を実施し、具体的テーマを選定するとともに、各テーマで得られた成果の実
用化を図る上で産官学で共有できる技術情報の体系的整理及び競合・代替技術の動向を把握す
る必要がある。
2.研究開発の具体的内容
新規研究開発課題を選定するために、省エネルギー・省資源化、環境負荷低減の観点から有
望な新規化学反応プロセスを取り上げ、プロセスの効率、経済性、波及効果等についての調
査研究を行う。また、個々のテーマで得られた成果をもとに技術の体系化とモデルプラント
を検討し、省エネルギー・省資源化・環境負荷低減効果の評価を行うとともに競合技術等の動
向を調査する。
3.達成目標
新規開発テーマの研究課題及び内容を提案する。また、個々のテーマで得られた成果をも
とにするモデルプラントのプロセスの効率、経済性等を検証する。
40
[1]
[1]「飽和炭化水素の選択的酸化の技術開発」プロジェクト用語集
「飽和炭化水素の選択的酸化の技術開発」プロジェクト用語集
テーマ名:プロパンの選択酸化技術の開発(出光興産㈱)
用 語
アクリル酸
アクロレイン
アリル水素
二級水素
解
説
CH2=CHCOOH 透明性に優れ汎用性の高いアクリル樹脂の原料。
CH2=CHCHO アクリルアルデヒドとも言う。
アリル基(CH2=CHCH2-)に含まれる水素原子。二重結合の共役安定化効果によ
り比較的引き抜かれ易い性質を有する。
二級炭素に直接結合した水素原子
アクリロニトリル
CH2=CHN ABS 樹脂及びアクリル繊維の原料となるモノマー
アンモ酸化
流動床
アンモニア共存下で行う気相酸化反応。生成物は主にニトリル類。
格子酸素
固体触媒を充填した反応器下部から流体を吹き込むことで、触媒を流体のよ
うに混合、輸送できる装置形式。
触媒自体に含まれる、金属原子と結合した酸素原子のこと。
逐次酸化
酸化反応の生成物が、更に酸化される反応。
固定床
固体触媒を動かないように充填し、反応流体を連続的に供給し反応させる流
通式反応器
アリル酸化
アリル基が金属原子と結合した錯体の生成を経て進行する酸化反応。出発物
質はオレフィン等、生成物は不飽和カルボン酸等。
酸化脱水素
酸素の介在下で進行する、主として炭化水素の脱水素反応
H3PMo12O40・nH2O で表記される Keggin 構造のヘテロポリ酸。
C5H4N 6 員環の複素環式芳香族化合物。塩基性。
H6TeMo6O24・nH2O Te をヘテロ原子とする Anderson 型ヘテロポリ酸
高温高圧の水存在下で行う結晶性物質合成法。
ヘテロ原子の周りに 6 個のポリ原子が配し平面構造を取るヘテロポリ酸の構
造の一つ。
リン酸等の酸素酸が脱水縮合して生じたもので、単一の酸素酸が縮合したも
のをイソポリ酸、二種以上のものをヘテロポリ酸と呼ぶ。
リンモリブデン酸
ピリジン
テルロモリブデン酸
水熱合成
Anderson 型
縮合酸素酸
テーマ名:イソブタンの選択酸化反応技術の開発(三菱レイヨン㈱)
用 語
メタクリル酸
解
説
透明性、耐候性に優れるメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)の原料となる化合物
転化率
選択率
触媒反応により、反応に消費された原料物質の割合
触媒反応により、原料物質が反応した全モル数に対する目的生成物に変化し
たモル数の割合
ヘテロポリ酸
2 種以上の金属と酸素が縮合して生成した化合物の総称
バナジウム置換ヘテ ヘテロポリ酸を構成する主要な原子(モリブデン、タングステン)の一部をバ
ロポリ酸
ナジウムに置換したヘテロポリ酸
複合酸化物
2 種以上の元素あるいは同じ元素でも酸化数の異なる 2 種以上の原子を含む
酸化物
ハイブリッド化
異種物質を混合することにより新たな機能を発現させること
マイクロエマルジョン
金属微粒子を界面活性剤で保護して分散させた液体
律速段階
多段階で構成される化学反応のうち、全反応の速度を支配する最も緩慢に進
行する反応段階
XPS(X 線光電子
分光法)
試料表面の元素組成や構成元素の化学結合状態を調べる表面電子分光法
41
テーマ名:イソブタンの選択酸化反応技術の開発(住友化学㈱)
用 語
イソブタン
選択酸化反応
ヘテロポリ酸
解
説
2-メチルプロパンのこと。i-C4 または iC4 と略す。
CO2 までの完全酸化ではなく含酸素化合物などへの酸化反応。
Keggin 型
接触時間
ヘテロポリ酸アニオンの構造の一つ。A1B12O40 の形をとる。
触媒反応において反応物が反応容器を通り抜ける時間。流速と容積で決ま
る。
空間速度。単位触媒体積あたり反応ガスの流量(通常標準状態)。
2-メチルプロペンのこと。i-C4'または iC4'と略す。
2-メチル-2-プロペナール。MAL と略す。
2-メチル-2-プロペン酸。MAA と略す。
SV
イソブチレン
メタクロレイン
メタクリル酸
爆発範囲
逐次反応
酸化還元機構
酸化脱水素
アレニウスプロット
反応速度定数
酸素と 2 種以上の元素を含む縮合酸。ポリオキソメタレートともいう。
着火により爆発または燃焼する混合気体の濃度範囲。
反応により生成した化合物がさらに反応すること。酸化の場合逐次酸化反
応という。
レドックス機構ともいう。触媒自身が酸化還元を受ける機構。
分子から水素を引き抜く反応で H2O を生成するもの。
反応速度と温度に関するアレニウスの式に基づくプロット。
活性化エネルギー、頻度因子などを求めることができる。
反応速度を反応物質の濃度のべき乗に比例する式で表した時の比例定数を
いう。
空時収率
単位時間、単位触媒体積あたりの目的物の収量。
酸素富化空気
空気中の酸素濃度約 21%より濃度を高めた空気。
PSA
圧力スウィング吸着法。吸着力の差を利用してガス分離する。
テーマ名:n-ブタンの選択酸化反応技術の開発(東燃化学㈱)
用 語
ベンゼン酸化法
固定床プロセス
流動床プロセス
爆発範囲
生産量
酸化還元特性
活性サイト
酸性質
アルカン
逐次酸化
Lewis 酸
昇温脱離法
再酸化速度
結晶面
層間修飾
助触媒
層間結合力
層間化合物
Fe(acac)3
インターカレーション
解
説
ベンゼンから無水マレイン酸を合成する方法。
触媒が固定されている反応形式
触媒が流動しながら反応を行う反応形式
可燃性混合ガスを形成する範囲
収率×原料濃度
触媒が酸化されやすいか、もしくは還元されやすいかの特性
触媒表面で、実際に反応が進行する部分
酸の量、強度、Bronsted 酸か Lewis 酸か
飽和炭化水素
生成物が反応物となり、さらに反応が進行すること
電子受容体
試料の温度を上昇させながら、脱離してくる分子を分析する方法
触媒が酸化される速度
結晶性固体における結晶学的に異なる表面
層状化合物の層と層との間を異分子で修飾すること
触媒性能を向上させるために触媒に加える添加物
層状化合物の層と層とを結合している力
層状化合物の層と層との間に異分子が挿入された化合物
鉄アセチルアセトナト錯体
層状化合物の層と層との間を異分子が挿入する現象
42
層剥離
層間挿入
層状化合物
完全酸化反応
モルフォロジー
キャラクタリゼーション
バルク構造
吸着 IR スペクトル
クラスター
低原子価
層状化合物の層と層とが剥がれる現象
インターカレーションと同義
層構造をなす化合物
CO2 を生成する反応
結晶形態、粒子形態
物性評価
固体内部の構造
分子を固体表面に吸着させ、その分子の赤外吸収を測定すること
数∼数十原子からなる物質
この場合は V4+
律速段階
素反応の中で最も遅い反応
フェロセン
周辺装置
ビス(シクロペンタジエニル)鉄
実際に化学反応を行っている装置以外の装置
[2]
[2]ノンハロゲン化学プロセス技術開発プロジェクト用語集
テーマ名:トリレンジイソシアネートの新合成法開発(三井化学㈱)
用 語
イソシアネート
ウレタン
ウレタンフォーム
ホスゲン
カーボネート
カルバメート
ウレア
セミバッチ
反応蒸留法
アロファネート
解
説
分子内に-NCO 基を有する化合物の総称
分子内にウレタン結合(-NHCOO-)を有する化合物の総称
自動車シートクッション当に用いられる発泡ウレタン
塩化カルボニル。イソシアネート原料。毒性ガス
分子内に-O-CO-O-結合を有する化合物の総称
TDI 新製法における中間体(-NHCOOR R:アルキル,アリール基)
分子内に>N-CO-N<結合を有する化合物の総称
半回分
反応と生成物の蒸留分離を同時に実施する方法
ウレタンにイソシアネートが付加した化合物の総称
テーマ名:ヘキサメチレンジイソシアネートの新合成法開発(三井武田ケミカル㈱)
用 語
ヘキサメチレンジイソシアネート
ヘキサメチレンジアミン
ホスゲン
イソシアネート
アミン
カルバメート
カルバメート化
HDMC
カーボネート
DMC
MPC
チオシアン酸塩
解
説
化学式:NCO(CH2)6NCO、略称:HDI、ポリウレタン樹脂の原料
化学式:NH2(CH2)6NH2、略称:HDA、HDI 及びナイロンの原料
化学式:COCl2、沸点 8℃、腐食性及び毒性高い(許容濃度 0.1ppm)
-N=C=O 基をもつ化合物
-NH2 基(アミノ基)をもつ化合物、
-NHCOOR 基をもつ化合物
アミンとカーボネートの反応によりカルバメートを合成すること
CH3CONH(CH2)6NHCOCH3:ヘキサメチレンジメチルカルバメート。HDA と DMC
のカルバメート化反応により生成する合成中間体。
RO-CO-OR’構造の化合物
CH3O-CO-OCH3:ジメチルカーボネート
CH3O-CO-OC6H5:メチルフェニルカーボネート
M(SCN-)n 構造の金属塩
ランタノイド
希土類元素、原子番号 57 から 71 までの元素で性質が類似している
43
炭酸塩
尿素化合物
平衡反応
-NHCH3、-N(CH3)2、:アミンと DMC の反応で窒素原子がメチル化された構造を
持つ化合物の総称
HDA 炭酸塩場合、「+NH3-(CH2)6-NHCOO-」の構造
R1R2N-CO-NR3R4(R は H または有機基)の構造をもつ化合物
原系から生成系への正反応と、この逆反応が同時に進行する反応
熱分解反応
ここではカルバメートを加熱し、イソシアネートとアルコールに分解する反応
TG-DTA
TG(熱重量分析)と DTA(示唆熱分析)を同時に行い、重量変化と相転移の有
無を調べる装置
TG-DTA(示唆熱天瓶)と MS(質量分析計)を組合せ、熱分析と試料から発生し
たガスの質量分析を同時に行う装置
N-メチル体
TG-MS
セミバッチ
所定量の原料を反応系に連続的に供給して行う方法、半回分法
スズ触媒
MS-5A
4 価のすず化合物でウレタン化反応、熱分解反応触媒となる。
MCM-41
メソポーラスモレキュラーシーブの 1 種。
モノイソシアネート
ワンパス収率
リサイクル収率
ここでは、熱分解反応中間体:CH3CONH(CH2)6NCO
モレキュラーシーブ 5A、A 型ゼオライトの 1 種で分子ふるいとして吸着剤に用いられる
供給した HDMC 量を基準とし、1 回の操作で得られる HDI 収率
未反応の HDMC、モノイソシアネートを再使用することを想定した時の HDI 収率
テーマ名:無機系酸化剤によるプロピレンオキサイド新合成法(住友化学㈱)
用 語
クロロヒドリン
解
説
C=C 二重結合への塩素,水の付加物(-C(Cl)-C(OH)-)。
プロピレンオキサイド合成中間体。
プロピレンオキサイ ウレタンやプロピレングリコール(不凍液)等の原料化合物。プロピレンのエ
ポキシ化物(エポキサイド)。
ド(酸化プロピレン)
エポキサイド
ハルコン法
C=C 二重結合に酸素を導入した環状三員環化合物。
有機化酸化物を用いてプロピレンをエポキシ化するプロピレンオキサイドの
製造方法。有機化酸化物由来の化合物を併産する。
アントラキノン法
アントラキノン(C14H8O2)類を水素化→酸化分解することにより量論反応で過
酸化水素を製造する方法。
フ ィ ー ジ ビ リ テ ィ ・ 工業化プロジェクト計画に際し、プロジェクトを実行するかどうか、客観性
スタディ
をもって投資効果を数値化し、判断する方法
ワンパス収率
リサイクルを含めない収率。循環エネルギーへの影響が大きい。
エポキシ化
C=C 二重結合の酸素付加によるエポキサイドの合成。
TS-1
TiO2-SiO2 からなる MFI 型ゼオライト。既存の PO 合成触媒として知られてい
る他、各種エポキシ化反応触媒として知られる。
チタノシリケート
TiO2-SiO2 からなるゼオライトの総称。SiO2 骨格の一部 Si が Ti に置き換
わった構造。Ti が活性点。
Ti-MWW
TiO2-SiO2 からなる MWW 型ゼオライト。新規 PO 合成触媒。
構造規定剤
ピペリジン
ヒュームドシリカ
疎水性
シラノール基
外表面
シリル化
固定床流通反応
生成するゼオライトの構造を決める化合物
組成式:C7H15N で表される環状アミン
網目状構造の微粒子シリカ。
水をはじく性質。水の吸着阻害を抑制する。
Si-OH で表される親水性官能基。水が吸着しやすくなる。
一次粒子の表面
トリメチルシリル基等でシラノール基を保護し、疎水化する方法。
数 mm の粒状触媒を充填した触媒層に原料を流通させる反応方式
44
スラリー完全混合反 粉末触媒を液に懸濁させた反応器に、原料を連続的に流通させる反応方式。
応
触媒はフィルターを用いて流出しないようにする。
ポストシンセシス法 ゼオライトの調製方法の一つ。先に結晶構造を形成させ、その一部を後で置
換することにより他の元素を導入する方法。
テーマ名:有機系酸化剤による低反応性オレフィンのエポキサイドの新合成法(日本油脂㈱)
用
語
酸化剤
オレフィン
エポキシ化
1-ブテン
有機過酸化物
解
説
酸化作用を有する物質(酸素を与えるもの、水素を奪うもの、
電子を奪うものが該当する)
分子内に二重結合を持つ、脂肪族炭化水素の総称
三員環エーテルであるオキサシクロプロパン構造を生成する反応。
TBHP
CH3CH2CH=CH2
過酸化水素の誘導体で、過酸化水素の水素原子 1 個又は 2 個を
有機原子団で置換した構造を持つ。
t-ブチルハイドロパーオキサイド((CH3)3COOH)
MoO2(acac)2
ジオキソビス(アセチルアセトナト)モリブテン
助触媒
触媒の活性を増大させるために加える物質
ホウ酸エステル
一般式 B(OR)n(OH)3-n,(n=1,2,3)で表されるホウ酸のエステルをいう。
1-ブテンオキサイド
酸化ブチレン
溶液をその沸点まで熱し、出てくる蒸気を冷却して再び液体として回収する
操作で、液体中の成分を分離するのに用いられる。
蒸留
連続蒸留
原料を連続的に供給し、頂部及び缶底から、連続的に軽い成分と重い成分を
抜き出す蒸留方法
テーマ名:フェノールの新合成法(東ソー㈱)
用 語
フェノール
分子状酸素
酸化アセトキシル化
加水分解
キュメン法
担持金属触媒
担体効果
選択性
触媒寿命
固定床流通反応
接触時間
被毒
解
説
C6H5OH の化学式を持ち、フェノール樹脂、ポリカーボネート等の原料となる
汎用化学品。
酸素分子(O2)のことで、原子状の酸素(O)と対比して用いられる言葉。
酸化反応を行いながら有機物と酢酸を反応させ、酢酸エステルを生成させる
反応方法。
水を反応させて化合物を分解させる反応方法。
キュメンを中間生成物とした、フェノール製造プロセス。
シリカやアルミナ等の酸化物担体に金属を保持させた触媒。
担体が触媒反応に与える効果。
目的とする生成物が得られる割合。
触媒が活性を維持し、使用できる期間。
固体触媒を反応管に充填し、原料を流通させて反応を行う反応形式。
反応原料が触媒層に滞在する時間。
毒物質による反応阻害
45
[3]「多相系触媒反応プロセス技術の開発」プロジェクト用語集
[3]「多相系触媒反応プロセス技術の開発」プロジェクト用語集
テーマ名:不斉水素化反応による光学活性体合成(高砂香料工業)
用 語
ファインケミカル
バルク
光学分割
不斉合成
生体触媒反応
光学活性
水素化反応
解
説
医薬品・農薬品・機能性材料などの精密化学。
製剤化する前の医薬品(原薬)のこと。
光学異性体のそれぞれをなんらかの手段で分離すること。
光学異性体のうち、有用な片方だけを選択的に作り分けること。
酵素などを用いて反応を行うこと。
振動面のそろった平面偏光を回転させる性質。
オレフィン・カルボニル基などを金属触媒の存在下に水素付加する反
応。
配位子
金属イオンなどのイオン性化学種に配位している分子。リガンド。
水素移動型還元反応
ギ酸・イソプロピルアルコールなどを水素源としてオレフィン・カルボ
ニル基などを金属触媒の存在下に還元する反応。
ヘテロ原子
炭素、水素以外の原子。
ラセミ体
鏡像異性体の等量混合物。光学不活性。
触媒
自分自身は変化せずに反応の経路を変化させる物質。
触媒回転率
Turn Over Number(TON)のことで,触媒 1 分子がどれくらいの原料分子
が反応したかを表す単位。
光学異性体
結合の状態が同じで旋光度以外の物理的、化学的性質が等しい異性体
である。
マイケル反応
アニオンが共役オレフィンへ求核付加する反応。
β−アミノ酸
3-アミノアルキルカルボン酸の総称。
マススペクトル
分析する試料をイオン化させて導入し,電気力や磁気力により質量ご
との差をつくり,イオンの質量を分析する方法。
HPLC
高速液体クロマトグラフィー。
苛性ソーダ
水酸化ナトリウム。
ラセミ化
元々キラルであった化合物の光学純度が下がることを言う。
光学純度
物理、化学的性質が等しく、平面偏光を回転させる向きのみが異なる
異性体。鏡像異性に同じ。
不斉収率
分子内のねじれ要素が逆ねじれに変化し、最終的に両方向のねじれが
半分ずつの混合物になって、光学不活性になること。
エナンチオマー
鏡像異性体。
S/C
Substrate/catalyst の略で基質に対して触媒の使用量をモル比で表し
た数値。
ICP
ICP(高周波誘導結合プラズマ、inductively coupled plasma)を光源と
する発光分光分析。
フレーバー
食品の持つ香りや呈味感などを統合した感覚。
フレグランス
食品香料以外の、香粧品などの香料の総称。
メソ体
複数のねじれ要素を分子内にもつ化合物で、分子内に対称面(鏡をおく
と双方の鏡像が同一になる)をもつ異性体。
コンビナトリアルケミス 大量多様な新規化合物をロボットアームによって、自動的に高速で合
トリー
成する技術。
マイクロリアクター
マイクロ加工技術などを用いて製作された幅数 μmから数百 μmのマ
イクロ空間内を利用した化学反応・物質生産のための装置
テーマ名:選択水素化によるアミン合成(広栄化学工業)
用語
解説
2 相系
互いに溶け合わない 2 種類の液体からなる系
46
配位子
水溶性錯体
選択水素化
アリル型
COD
THMP
BMIM
オキシム
BINAP
TON
リーチング
イオン性流体
DHMPE
TPPTS
金属と配位結合で結合する有機分子
水溶性の配位子を持った金属錯体を示す
2 個以上の 2 重結合に対して、特定の 2 重結合のみを還元すること。
CH=CHCH2-という構造を持つタイプの化合物
シクロオクタジエン
トリ(ヒドロキシメチルホスフィン)
1-ブチル-4-メチル-イミダゾリウム
C=N-OH という構造を持つ化合物
2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル
ターンオーバー数(触媒 1 分子が触媒する基質分子の数)
触媒金属が 1 バッチで正規のリサイクル以外に損失すること
有機物の塩で、沸点を持たず、常温で液体である物
ジヒドロメチルフォスフィノエタン
トリ(3-スルフォニルフェニル)フォスフィン・3Na 塩
テーマ名:ジエン・オレフィンへの付加反応によるアルデヒド・エーテル類の合成(日本ゼオン)
用
語
オレフィン
ジエン
ミルセン
テルペン
シトラール
スペシャルティーケ
ミカルズ
エーテル
シクロペンテン
シクロペンチルメチ
ルエーテル
液相当量反応
酸化的水和
N-メチルピロリドン
(NMP)
液相触媒反応
オートクレーブ
メタノール
解
説
炭素―炭素二重結合を有する化合物。
2 個のオレフィンを有する反応性の高い化合物。
共役ジエンを有する炭素数 10 の鎖状化合物。
炭素数が 5 の倍数の植物由来の化合物。
炭素数 10 のレモン様香気を有する汎用香料。
製品の機能・外見・性質や加工性を向上させる高付加価値の化学品。汎用化学
品に対していう。特殊化学品。
酸素原子に 2 個の置換基が結合した化合物。
炭素数 5 の環状オレフィン。
シクロペンチル基とメチル基が酸素原子に結合した非対称環式エーテル。
液体の状態で、金属等を化学量論量使用した反応。
酸化性の雰囲気下で、水を反応させる反応。
極性を有する代表的な反応溶剤。
液体の状態で、金属類を触媒量(少量)使用した反応。
高温、高圧をかけられる反応装置。
アルコール類で、一番分子量の小さな化合物。
モリブドリン酸ナト
3 価又は 4 価の燐と 6 価のモリブデンを含むヘテロポリ酸のナトリウム塩。
リウム
気相流通反応
PRTR
ガス化した原料を連続的に反応させる反応様式。
化学物質排出把握管理促進法。
テーマ名:相間移動触媒によるエポキシド合成(日産化学工業㈱)
用
語
触媒
PTC
相間移動触媒
多相系触媒反応
基質
オレフィン
解
説
反応可能な系に少量添加し、反応を促進し自身は不変の物質。
Phase Transfer Catalyst(相間移動触媒)の略。
水層と有機層の 2 層溶媒の反応系で触媒作用する両親媒性物質。
触媒を別の層として再利用効率・操作性を高めた反応。
作用を受ける物質。反応の原料化合物。
炭素―炭素二重結合を有する化合物。
47
エポキシド
エポキシ化
ポリイミド
タングスト リン酸
ヘテロポリ酸
セチルピリジニウム
セチル基
DH-DCPD
ジヒドロジシクロペ
ンタジエン
過酸化水素
ETCD
脂環式オレフィン
シリカゲル
モレキュラーシーブ
ス
イソシアヌル酸
ポリアミド
尿素樹脂
イオン交換樹脂
エポキシ樹脂
ベンチスケール
ICP 分析
ClogP
酸素と炭素 2 個からなる三員環(エポキシ環)を有する化合物。
エポキシドを与える反応。オレフィンの酸化反応が一般的。
主鎖中にイミド結合-CO-N-CO-をもつ重合体の総称。
燐酸とタングステン酸(1:4)が縮合した 3 価のヘテロポリ酸。
2 種以上のオキソ酸が縮合した多核構造のポリ酸。
ピリジン環の窒素原子にセチル基が置換した陽イオン。
ヘキサデシル基。炭素 16 の単純な鎖状炭化水素基。セチル=Cetyl。
ジヒドロジシクロペンタジエンの略号。
シクロペンタジエン 2 量体の 2 水素化物。
酸素原子 1 個分の酸化をして水となる酸化剤。H2O2 。
3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デカンの略号。
環状の脂肪族(アリファティック)のオレフィン。
吸着力の強いケイ酸のゲル。無色または淡黄褐色の粉末。
合成ゼオライトの商品名。4Å、5Åの均一の細孔を有する無機
多孔性物質。黄褐色の粉末。
(-CO-NH-)3
分子量 129 の白色結晶性粉末。
主鎖中にアミド結合-CO-NH-をもつ重合体の総称。
尿素とホルムアルデヒドとを縮合させた熱硬化性樹脂。
交換能のあるイオンをもつ、不溶性で多孔質の合成樹脂の総称。
エポキシ環を有するモノマーを原料とする合成樹脂の総称。
研究室の反応スケールを若干上げた試し実験規模の試験運転。
ICP(高周波誘導結合プラズマ、inductivity coupled plasma)を光源とする
発光分光分析。
計算上のn-オクタノール/水の分配係数。親水性、親油性の目安となる。
テーマ名:フッ素系ルイス酸触媒によるエステル・ラクトン合成(旭化成・野口研究所)
用
語
解
ルイス酸
説
電子対の受容体。カルボニル酸素に配位して,カルボニル炭素上の電子密度
を低下させ,活性化(求核攻撃を受けやすく)する。
エステル
カルボン酸とアルコールを脱水縮合させると生成する化合物。RCO2R’で表
わされる。
ラクトン
エステル官能基(-CO2-)を環内に有する化合物。
フルオラス溶媒
パーフルオロアルカンに代表される多フッ素系の溶媒で,有機溶媒や水と互
いにほとんど混じり合わない。
フルオラス二相系反 フルオラス溶媒と有機溶媒の二相系で行う反応。フルオラス相に触媒を“溶
応
解固定”することで,触媒のリサイクルを容易にする。
メチド系触媒
強酸であるトリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メタンの共役塩基を配
位子とする金属錯体触媒。
アミド系触媒
強酸であるビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミンの共役塩基を配位
子とする金属錯体触媒。
イッテルビウム
ランタノイド系列の金属元素で,3 価となりやすい。2 価も知られている。
希土類と呼ばれる金属の一つ。
スカンジウム
3 族第 4 周期の遷移金属元素で,3 価となりやすい。希土類金属。
スズ
14 族第 5 周期の典型金属元素で,4 価及び 2 価となりやすい。
ハフニウム
4 族第 6 周期の遷移金属元素で,4 価となりやすい。
Friedel-Crafts アシ 芳香環に対して酸塩化物や酸無水物等による求電子置換反応により芳香族ケ
ル化反応
トンを生成する反応。
Diels-Alder 反応
ジエンとジエノフィルによる[4+2]協奏的付加環化反応。
48
アルドール反応
カルボニル化合物二分子の付加反応により,β-ヒドロキシカルボニル,さ
らに脱水してα,β-不飽和カルボニルを与える反応。
アルコールのアシル アルコールに酸塩化物や酸無水物等を作用させることにより,エステルが生
化反応
成する反応。
エステル交換反応
エステルとアルコールの反応により,アルコキシル基が交換されて,新しい
エステルが生成する反応。
Baeyer-Villiger 反 ケトンが過酸化物によって酸化され,転位を伴ってエステルやラクトンが生
応
成する反応。
トリフラート触媒
トリフラート(OSO2CF3)を配位子とする金属錯体触媒。
デカンター
静置させることにより,懸濁液を二相に分離させる装置。
®
ガルデン SV135
ソルベイソレクシス社製のパーフルオロポリエーテル系のフルオラス溶媒。
酢酸シクロヘキシル 酢酸とシクロヘキサノールから脱水縮合により生成するエステル。CH3CO2-cC6H11。
MMA
メタクリル酸メチル。メタクリル酸とメタノールから脱水縮合により生成す
るエステル。CH2=CH(CH3)CO2CH3。
[4]「新固体酸触媒プロセス技術の開発」のプロジェクト用語集
テーマ名:複合酸化物触媒による双環性芳香族化合物類の合成(昭和電工㈱)
用
語
解
説
固体触媒
固体状の触媒
塩化アルミニウム
炭素−炭素結合を生成するための代表的な Friedel-Crafts 触媒
均一系強酸性触媒
硫酸、塩化アルミなど溶媒に溶けて反応に関与する触媒
ファインケミカル
医農薬、機能性化学品等の高付加価値のある化学製品
固体酸触媒
ゼオライトなど酸点を持つ固体状態の触媒
セミバルク
バルク(汎用製品)とファインの中間ほどの生産量の製品
インダノン
芳香族環と飽和 5 員環ケトンが縮合した双環性芳香族化合物
テトラロン
芳香族環と飽和 6 員環ケトンが縮合した双環性芳香族化合物
PEN
ポリエチレンナフタレート(高機能性 PET 代替樹脂)
2,6-ジメチルナフタレン
2,6-DMN。PEN 樹脂の原料
キシレン
2 つのメチル基を有するベンゼン
γ-ブチロラクトン
炭素元素 4 個と酸素元素 1 個が環状結合した 5 員環エステル
o-キシレン
隣接位置に 2 つのメチル基を有するベンゼン
ブタジエン
分子内に 2 重結合が 2 つある炭素元素 4 つからなる鎖状炭化水素
p-キシレン
対角線方向に 2 つのメチル基を有するキシレン
スクリーニング
研究初期に行う種々の触媒候補を材料にした当たり実験
オートクレーブ
ステンレス製等の密閉型耐圧反応容器
気相流通反応装置
原料がガスの場合、ガスを流しながらおこなう反応装置
氷冷トラップ
氷で冷却して反応生成物を採取する捕集器
CAChe
計算化学用のパッケージソフトウエア
MOPAC/AM1
半経験的分子軌道法を用いたソフトウエア/パラメータ
Gaussian98
非経験的分子軌道法を用いた計算化学のソフトウエア
求電子付加反応
カチオン性反応部位が電子リッチの芳香族等へ付加する反応
ブテニルキシレン
キシレンにブタジエンが付加した化合物
異性化反応
分子式は変わらず 2 重結合位置などの構造が変化する反応
ゼオライト
分子レベルの均一ミクロ細孔を有する結晶性アルミノシリケート
担持型ヘテロポリ酸
ヘテロポリ酸をシリカなどに含浸等の方法で担持した無機化合物
酸クロライド
カルボン酸(COOH)を塩素型(COCl)に活性化した化合物
49
In2O3(酸化インジウム)
メソ多孔体
ベンゾイルクロライド
塩化インジウム
過塩素酸リチウム
トリフルオロエタノール
Pd/シリカアルミナ
ブタン酸
2-ブテン酸
ゼオライトβ
Sc(OTf)3
MCM-41
L酸
B酸
δ-バレロラクトン
ジメトキシベンゼン
p-ジメトキシベンゼン
ベンゾスベロン
アルキル化
アシル化反応
B3YLP/6-31+G*
フリーデルクラフツ反応
1,3,5-ト リ メ チル ベ ンゼ
ン
ハイドロタルサイト
Cr 担持アルミナ触媒
p-トルエンスルホン酸
分取ガスクロマトグラ
フィー
インジウム(In:元素番号 49)に酸素原子が結合した無機化合物
2∼50nm 程度の孔のあいた無機化合物
安息香酸が酸クロライド化にて活性化した化合物
インジウム(In:元素番号 49)に塩素原子が結合した無機化合物
リチウムに塩素及び酸素が結合した化学物質
末端メチル基の 3 つの水素がフッ素に置換されたエタノール
パラジウムをシリカアルミナに担持した固体触媒
炭素が鎖状に 4 つあるカルボン酸
ブタン酸の 2 位と 3 位間が 2 重結合の有機化合物
12 員環の BEA 構造を有するゼオライト
スカンジウム元素にトリフルオロスルホン酸基が配位した化合物
均一な細孔(約 2nm)を有するシリカ系メソ多孔質材料
電子対の授受で規定される酸(ルイス酸)
プロトンの授受で規定される酸(ブレンステッド酸)
炭素元素 5 個と酸素元素 1 個が環状結合した 6 員環エステル
2 つのメトキシ基を有するベンゼン
対角線方向に 2 つのメトキシ基を有するベンゼン
芳香族環と飽和 7 員環ケトンが縮合した双環性芳香族化合物
芳香族化合物に求電子攻撃してアルキル基を付加すること
芳香族化合物に求電子攻撃してケトン基を付加する反応
密度汎関数法/基底関数
強酸を用いることを特徴とする代表的な炭素-炭素結合生成反応
1,3,5 位にメチル基をもつベンゼン(慣用名はメシチレン)
NMR
オレフィン位置
転位
ZSM-12
核磁気共鳴装置
炭素-炭素 2 重結合の位置
2 重結合位置が移動すること
12 員環の MTW 構造を有するゼオライト
Liq.NaK
強塩基性金属(ナトリウムとカリウム)の混合物を液状にしたもの
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O の組成式で表される層状化合物
アルミナ担体に Cr を担持させた触媒
トルエンにスルホン酸基が結合した有機化合物
ガスクロマトグラフィーで分離した成分を連続して単離採取する装置
テーマ名:均一系触媒からのアプローチによる双環性芳香族化合物類の合成(産総研)
用
語
解
説
均一系触媒
反応溶液に溶解する触媒
プロピオン酸
CH3CH2CO2H の構造を持つカルボン酸
3-アリールプロピオン酸
3 位が芳香族基で置換されたプロピオン酸で ArCH2CH2CO2H(Ar は芳香族
基)の構造を持つ
酪酸
CH3CH2CH2CO2H の構造を持つカルボン酸
4-アリール酪酸
4 位が芳香族基で置換された酪酸で ArCH2CH2CH2CO2H(Ar は芳香族基)の
構造を持つ。
酸塩化物
カルボン酸の OH が塩素に置き換わった構造を持つ化合物
α,β-不飽和カルボン酸
カルボキシル基(CO2H)の隣接する 2 つの炭素原子間に二重または三重
結合を有するカルボン酸。例えばアクリル酸(CH2=CHCO2H)がその一例
ルイス酸
酸の定義の一種で、電子対受容能を有するものをさし、塩化アルミニ
50
ウムなどの金属塩が代表的な例である
フリーデル・クラフツアシ
酸塩化物や酸無水物をアシル化剤として用い、塩化アルミニウム等の
ル化反応
ルイス酸存在下芳香族炭化水素をアシル化してケトンを合成する反応
シリカゲルカラムクロマ 反応生成物を分離・生成する方法の 1 つで、微細なシリカゲルを充填し
トグラフィー
たカラムを用い吸着度の違いを利用する方法
希土類元素
ランタノイド(原子番号 57∼71 番)に属する 15 元素にスカンジウム、
イットリウムを加えた 17 元素の総称
アルドール縮合
ケトンやアルデヒドの反応ので、二分子が反応して水一分子が抜ける
電子求引性置換基
単結晶 X 線構造解析
トリフラート
β-ラクトン
複素環
塩化チオニル
1-デセン
FI-MASS
低配位性対アニオン
カルボカチオン
シリルカチオン
転位
電子を引きつける傾向を持つ置換基でニトロ基、CF3 基、エステル基、
ハロゲン原子などがある
X 線を利用し分子などの構造を決定する分析法の 1 つ
トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)の金属塩のこと
四員環環状エステルのこと
炭素以外に窒素・酸素・イオウなどの原子を含む環のこと
SOCl2。カルボン酸を酸塩化物に変換する際に用いる
炭素数 10 の末端に二重結合を有する直鎖状炭化水素
質量分析法の一種でオリゴマー組成の定量に有効
塩においてカチオン部に対する配位能力が低いアニオンのこと
カチオンにおいて炭素原子上に正電荷が分布しているカチオン
カチオンにおいてケイ素原子上に正電荷が分布しているカチオン
分子内における結合の組み替え。異性体を生成する
四置換オレフィン
エチレンの 4 つの水素原子がすべて有機基で置き換わったオレフィン
バッチ反応
反応装置に、反応にあずかる物質を一度に仕込んで反応させ、一定の
反応率に達してから取り出すまでの一連操作を行う反応。
閉鎖系であるバッチ反応に対して、開放系で行う反応で、流体が連続
的に流入して反応し、系外に流出するタイプの反応。
流通反応
イオン性液体
金属カルボニル
イオン交換樹脂
低融点と高沸点を有し、四級アンモニウム塩を構造的特徴とする有機
化合物塩である。本研究では、反応溶媒として用いられる。
一酸化炭素を配位子とする金属錯体の総称。
交換能のあるイオンをもつ、不溶性で多孔質の合成樹脂の総称。本研
究では、プロトン型のものを固体酸触媒として用いる。
テーマ名:ヒドロキシカルボン酸の合成(日本曹達㈱)
用
語
解
説
シアンヒドリン
cyanohydrin /シアノヒドリン/シアンアルコール:水酸基とシアノ基
が同一炭素に置換した化合物
ヒダントイン
Hydantoin /2,4-Imidazolidinedione:加水分解でアミノ酸に変換され
るヘテロ環化合物
dba
C6H5CH=CHCOCH=CHC6H5 /dibenzylideneacetone:遷移金属に配位して錯
体を形成させる配位子
Pd2(dba)3
Pd2(C6H5CH=CHCOCH=CHC6H5)3
/Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0):dba が配位子したパラ
ジウム錯体
DBPMB
1,2-Bis(di-t-butylphosphinomethyl)benzene:今回のカルボニル化反
応の検討でもっとも高活性な触媒を構成するための配位子
DVB
Divinylbenzene:スチレンと共重合させてポリマー中に架橋構造をつ
51
wang 樹脂
プロパンサルトン
NMP
DMI
THN
PI-Pd
APS-Pd
リーチング
くるためのモノマー
polymer bound 4-benzyloxybenzyl alcohol:スチレンと DVB に加えヒ
ドロキシメチル基を有するスチレンの 3 種類のモノマーによる共重合
体
1,3-propane sultone, 3-hydroxy-1-propanesulfonic acid sultone:
水酸基やアミノ基をスルホプロピル化する試薬
1-Methyl-2-pyrrolidinone:高極性溶媒
1,3-Dimethyl-2-imidazolidinone:高極性溶媒
1,2,3,4-Tetrahydronaphthalene:芳香族系低極性溶媒
polymer incarcerated palladium(ポリマー閉じ込めパラジウム):ポ
リエーテルで架橋さたスチレンポリマーにパラジウムが配位した高分
子担持パラジウム
amphiphilic polymer supported palladium (両親媒性高分子担持パラ
ジウム):ポリアクリルアミドに置換したトリフェニルホスフィンにパ
ラジウムが配位子した高分子担持パラジウム
高分子担持パラジウムからのパラジウム原子の漏れ出し
テーマ名:ベンジルアルコールの合成(丸善石油化学㈱)
用
語
解
説
ベンジル位
芳香環のα位にある炭素のこと
逐次酸化
酸化物が更に酸化されること、ここではアルコールが酸化されること
を示す
アモルファスシリカ
非晶質シリカで形成されているシリカのこと
MCM-41
メソポーラスシリカのこと、約 1000m2/g の広い表面積を持つ
Redox
酸化還元反応のこと、reduction と oxidation からなる造語
TOF
活性種一原子が 1 時間あたりに作用した頻度を示す指標
p-TsOH
パラトルエンスルホン酸
ブレンステッド酸
プロトンを供与する物質のこと(ex. パラトルエンスルホン酸)
ルイス酸
電子対の受容体を持つ物質のこと(ex. 塩化アルミニウム)
テーマ名:オレフィンのオリゴメリゼーション(出光興産㈱)
用
語
解
説
イソパラフィン
分岐脂肪族炭化水素。
オリゴマー化
モノマー(単量体)から低分子量体が生成する反応。本開発では三
量体から四量体の合成を目的とした。
BB 留分
ナフサ分解等により得られるブタン−ブテン留分
メソ細孔
2∼50nm の細孔
ヘテロポリ酸
2 種以上の無機酸素酸が縮合して生成した化合物の総称。強酸性
を有し、熱安定性の高いケギン構造のものが触媒として主に用い
られる。
メソポーラスシリカ
メソ細孔を有するシリカ(合成ゼオライトの一種)の総称。MCM-41
や FSM-16 等 2∼10nm の均一細孔を有し、酸触媒作用を示す。
52
Ⅰ.事業の位置付け・必要性について
1. NEDO の関与の必要性・制度への適合性
1.1 NEDO が関与することの意義
本事業は、わが国の基幹産業である化学プロセスにおいて、これまで以上の省エネルギー・省資源、
環境負荷(炭酸ガス排出、有害性リスク等)の低減を効率的に実現、促進するために必要な基盤技術及
び実用化技術の確立を目指した研究開発である。一般的に、化学品に関する既存プロセスは数十年に
亘る大学や公的研究機関等における基礎研究や企業による実用化研究によって完成された商用プロセ
スが殆どであり、経済合理性に基づいた既存プロセスの抜本的革新には、大きな技術的ブレークス
ルーが必要である。既存の商用化プロセスに盛り込まれている技術やノウハウを革新するには、これ
までにない発想に基づいた新しい技術開発が必要であり、それを支えるには、新しい学術的な知見や
情報を取り入れた基盤技術の確立とそれに続く実用化プロセスの開発が必要となる。昨今、欧米企業
や日本企業における化学品の生産拠点が東南アジア、中国、産油ガス国等に移転しているが、本事業
を実施することでクリーンな化学物質の製造技術やノウハウを独占的に蓄積し、世界に先駆けて環境
に優しい化学プロセスを開発できれば、今後、世界的な化学物質の規制の動きがある中で生産活動に
おけるイニシアチブを取ることが期待できる。
本事業では 3∼5 年程度の研究期間中に実用化技術に必要な汎用的な基盤技術を確立し、研究開発終
了後 3∼5 年程度で実証・商用プラントの確立に役立つレベルの開発目標を掲げて実施することとした。
また、本事業で取り上げる研究開発テーマは非常に難易度が高いものの、早期の実用化を求める研
究開発である。そのため、企業単独で取り組むには開発リスクが大きいことを考慮して、企業間連携
や産学官連携を行いながら効率的な研究開発を行うこととした。また、本事業は経済産業省が策定し
ている「化学物質総合評価管理プログラム」及び「革新的温暖化対策技術プログラム(平成 16 年 2 月改
変:地球温暖化防止新技術プログラム)」の一環として、第 2 次科学技術基本計画(2001 年 3 月閣議決
定)における国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点領域である環境分野、分野別推進戦略(2001
年 9 月総合科学技術会議)における重点分野である環境技術として位置付けられている。また、産業技
術戦略(2000 年 4 月工業技術院)における社会ニーズ(環境と調和した経済社会の構築)への対応、革新
的、基盤技術(材料・プロセス技術、エネルギー・環境技術)の涵養、知的な基盤の整備への対応を図る
ものとして示されており、当該分野における技術戦略目標は、社会の持続可能な発展と産業の国際競
争力の強化等にある。本研究開発の目標が達成されれば、基幹産業である化学製品に対するコストダ
ウンが見込まれるばかりではなく全製造産業に対するコストダウンにも繋がり産業政策上のインパク
トが大きいことから NEDO が積極的に関与し、研究開発を実施する必要がある。
1.2 実施の効果(
実施の効果(費用対効果)
費用対効果)
化学品は様々な製品の中に含まれており、建設、機械、生活必需品、薬品、農業等の幅広い分野で
利用され、国内では約 23 兆円の出荷額(2002 年度)を有し、世界の主要国での出荷額合計は約 1 兆
5000 億ドルにも及ぶ極めて巨大な基幹産業となっている。化学品製造に関する技術やノウハウは企業
独自の研究開発から生まれるものが殆どであり、極めて秘密性の高い技術となっている。また、昨今
では経済性を優先する余り、大量生産によるコスト削減を優先するために、環境問題やエネルギー効
率を軽視することによる様々なリスクが発生して大きな社会問題となってきた。一度これらの化学物
質による問題(大気・土壌汚染、健康被害等)が発生すれば、これを修復(回収、無害化処理)するために
は、化学物質の製造に伴うコストより遙かに多額な費用が掛かることが試算されている。これまでも
様々な研究開発により様々な製品や技術が生み出され、現代社会に大きく寄与してきた。しかしなが
ら、今後、発展途上国において急激な人口増加や生活レベルの向上が起これば、エネルギー・資源利用
のバランスが崩れてくることが予想されることから、これまで以上に、化学品のリサイクル、及び環
境リスクに配慮した省エネ型化学プロセスの開発が急がれる。本事業では、生活用品として重要な化
学品の中で 1)比較的生産量が大きく省エネ効果が期待できるバルクケミカル製品に関する新規製造プ
ロセス開発と 2)比較的小規模な生産量ながら多段プロセスのために多量の廃液や副生成物による環境
リスクを生じているスペシャリティケミカルズに関する新規製造プロセスに関する研究開発を実施し
た。これらの研究開発では、企業が有するノウハウを最大限活用することを狙って、参画企業が得意
とするモデル反応による基盤技術を開発した後、早期に既存プロセスに置き換わる可能性のある化学
53
反応に関する実用化プロセスの研究開発を実施した。また、類似の反応や他の反応系に対する成果の
適用についても検討し、新たに見出された触媒系による波及効果等を検討した。これらの研究開発の
中で、特に実用化プロセスとして利用できる触媒材料が見出された場合には、実用化プロセスに適用
した場合の経済性評価を実施して、商用化の可能性を検討した。
本事業における研究開発費は 7 年間で総額約 40 億円であり、参加企業 22 社(2 国立研究所も含む)、
1 企業あたり 3∼5 千万円/年 程度、延べ研究員(企業)200 名、参加大学 27 大学(重複を含む)、1 大学
あたり 3∼5 百万円/年 程度研究期間は 3∼5 年程度であり、基盤技術の確立と実用化技術の開発に対
して数多くの技術課題を設け実施した。実際には、基盤技術的な化学プロセスとして 19 テーマを取り
上げ、その反応事例として約 200 事例、触媒約 2410 事例の検討を実施した。これらの研究成果は、論
文として 244 報が報告、特許として 162 件が出願されており、これ以外にも、国内の学会や国際会議
などで積極的に発表(391 報告)を行い、内外の研究者や企業に対して膨大な技術情報データを発信し
た。これらの技術成果は様々な分野で使われる化学品製造に大きな影響を与え、大幅な省エネルギー・
省資源効果やリスク削減効果を狙った新しい反応プロセスを開拓する場合の良い指針になることが期
待される。
本事業は、革新、先導的な化学プロセスを開発するため、経済産業省が策定している「化学物質総
合評価管理プログラム」及び「革新的温暖化対策技術プログラム(平成 16 年 2 月改変:地球温暖化防
止新技術プログラム)」の一環として、実施されているものであり、炭酸ガス排出削減効果を狙いと
した観点から「飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発」、「ノンハロゲン化学プロセス技術開発」、
リスク削減効果を狙いとした観点から「多相系触媒反応プロセス技術の開発」、「新固体酸触媒プロセ
ス技術の開発」を実施した。これらの事業で得られた研究成果をもとに、ここ数年の実証プラント研
究などを経て商用プラントとして稼働することを想定して、投入された研究開発費に関する費用対
効果を求めた。一般的に、化学プロセスに関する研究開発は基礎研究から実証プラント研究に至る
までの期間を十年以上としているが、本事業の場合は、平成 9 年度から 12 年度までに研究開発がす
でにスタートしていることを勘案して、平成 21 年∼26 年頃には本格的な普及が開始されるものとし
た。表 1 には、直接的な炭酸ガス排出削減効果と関連する排出削減効果、及び直接的なリスク削減
効果と関連する削減効果を、平成 21 年、26 年頃の総量をそれぞれ求めた。炭酸ガス排出削減量は、
研究開発されたプロセスの原単位と導入予測量から求め、リスク削減効果は、研究開発された革新
的プロセスの導入にともなう有害化学物質削減量と導入予測量から求めたものである。
表 1.本事業終了後 5∼10 年経過後の CO2 削減効果とリスク削減効果
リスク削減波及
CO2 削減波及効果 リスク削減効果
プロジェクト名
CO2 削減効果
効果
飽和炭化水素の選択
酸化反応
26.7
66.0
1.56
7.20.
ベンゼン 3.2
ノンハロゲン化学
プロセス
0.62
5.10
13.6
117
多相系触媒プロセス
技術
1.43
2.50
新固体酸触媒プロセ
ス技術
総
量
(万トン/Y)
硫安
259
塩素等
17.8
ホスゲン 14.7
固形物
23.0
塩素等
ホスゲン
固形物
37.0
21.0
27.0
2.37
4.04
溶媒
廃酸
AICI3
溶媒
1.05
廃酸
2.16
メタノール 0.30
0.036
0.082
0.184
0.614
AICI3 等 0.59
廃酸
0.34
アルカリ 0.14
AICI3 等
廃酸
1.00
12.6
28.8
73.7
17.8
129
固体
液体
ガス
固体
液体
ガス
28.3
35.8
54.2
CO2 削減効果(万㌧-CO2/Y) 上段:2010 年頃 下段:2015 年頃
リスク削減効果(万㌧/Y)は 2010,2015 年で加算
54
0.70
0.097
1.86
25.4
11.5
25.7
2009∼2014 年頃に期待される効果:
(1) 炭酸ガス排出削減効果:
直接効果:28.8∼73.7 万㌧-CO2/年
(2) リスク削減効果:
・直接効果
・波及効果
波及効果:17. 8∼129 万㌧-CO2/年
固形廃棄物:25.4 万㌧年
排ガス
:25.7 万㌧年
固形廃棄物:28.3 万㌧年
排ガス
:54.2 万㌧年
液体廃酸:11.5 万㌧年
液体廃酸: 35.8 万㌧年
炭酸ガス排出削減効果に関する費用対効果は環境税(2600 円/㌧-CO2)などを参考に試算したところ
12.1 億円/年(2009 年)∼52.5 億円/年(2014 年)のポテンシャルがあることが試算された。一方、リス
ク削減効果については、化学プロセスでは廃酸・アルカリ、固形物、廃溶媒等が排出されるが、これら
の廃棄物を業者等により無害化、廃棄処理等(3∼5 万円/㌧程度 100 ㌧異常の処理で 10%割引)を行う
とすると 230.3 億円/年(2009 年)∼1234.4 億円/年(2014 年)の費用が掛かることが試算された。これ
らの、試算結果をもとに費用対効果(炭酸ガス排出削減費用+リスク削減/研究開発費用)を試算すると
7.31 から 32.1(2009∼2014 年)と求められ、極めて高い費用対効果があることが明らかとなった。本
事業では、当初、地球温暖化対策の観点から、バルクケミカルズの製造に関わる研究開発を実施して
きたが、ヒト健康や生体影響などが懸念されるようになってきたことから、有害化学物質のリスク削
減に関わる研究開発を実施する事となった。表 1 の試算結果で明らかなように、省エネルギー対策と
しての費用対効果が小さい原因は、既存のプラントにおいてはかなり省エネが進んでいる現状を反映
しており、革新的な技術が開発されても、省エネ効果が実現できな場合や、代替プロセスとしての市
場性があまり大きくないこと等が起因している。
一方、リスク削減に関わる費用対効果では、酸、アルカリ等の大幅使用削減によりコスト削減がか
なり期待できる結果となった。これらの結果は、プロセスの後処理工程における負荷を低減するとと
もに、それに伴うコスト削減が期待でき、全体的な製品コストのコスト削減に繋がるものである。こ
れらの試算は、あくまでも研究開発の継続が前提であることと、市場動向、立地条件、原料調達,政
情等により左右されるものの、本研究開発の有効性を示す指針としてなりうるものである。
2. 事業の背景・目的・位置付け
(1) 事業の背景
化学製品は一般に何段かの工程を経て製造されており、各工程に原料や副原料並びにエネルギーが
投入されると共に、廃棄物が発生するが、このような化学反応プロセスのシンプル化をキーワードと
して技術開発を行えば、抜本的プロセス革新に通じ、製造工程の短縮と性能向上によって、特に投入
エネルギーの削減(省エネルギー)、さらには投入原料・副原料の削減(省資源)、廃棄物の削減(環境負
荷低減)を図ことが可能になるでのではないかと期待された。
これまでの研究開発では既存プロセスのより高い省エネルギー・省資源を目指して行われてきた。
社会の持続的発展と化学産業の国際競争力を強化するために、今後は、化学物質の設計・製造から廃
棄・リサイクルまでの全ライフサイクルにわたって、ヒト健康や生態系にやさしい環境技術の体系化
と創出が求められる。本事業の「次世代化学プロセス技術開発(シンプルケミストリー)」は、近年「グ
リーンケミストリー」と呼ばれて注目を集めている概念に包含されるものである。また OECD が推進し
ているサステイナブルケミストリープログラム(グリーンケミストリープログラム)において、日本が
ステアリンググループになっていることでもあり、「次世代化学プロセス技術開発」は、今後とも積極
的に拡充し、世界に先駆け多様な多くのクリーンな化学物質の製造技術を蓄積して、環境に優しい、
実用化プロセスの技術開発に発展させていく必要がある。歴史的に見れば、今までの技術開発の手法
は多機能化と単純化とがスパイラル状に繰り返されてきた。即ち、高度成長時代に海外から導入した
基本技術のうえに、応用技術として種々の生産加工技術を積み重ね、世界に冠たる独自の技術として
発展した日本の化学技術はバブル期を経て飽和状態に至った。従って、この飽和状態から抜け出すに
55
は、これから肥大化した技術を単純化、単機能化すれば、新しいブレークスルーのヒントが得られる
のではないかと考えた。
(2)事業の目的:
欧米の化学産業は石炭化学に始まり、爆薬、肥料などの大量生産や大量消費に対応してきたため、
国策産業に位置付けられた巨大産業として発展してきた経緯がある。一方、日本の化学産業は、明治
以降、欧米の技術を導入してキャッチアップすることを急ぎ、広範な製品、技術分野を短期間に育成
する必要があったこともあって、国内では多数の企業が育成された半面、巨大な企業が育っていない。
しかし、国内の化学産業は、欧米と比較して企業規模は小さいものの、各化学企業が自社開発による
独自の生産プロセスを有しており、製品品質やオーダメイド対応に関しては世界最高レベルにあると
いっても良い。昨今、汎用化学品の生産技術が既に成熟していることもあり、生産拠点が海外に移り
つつあることも相俟って、国内における技術開発力のレベルの低下が危惧されている。化学産業は、
各種産業の連鎖の上流に位置付けられることから、この分野の競争力低下は産業全体の競争力低下を
もたらすことが懸念される。このような背景から、今後、わが国の重要な基幹産業として環境にやさ
しい化学品製造プロセスに関する新しいノウハウを蓄積することは、産業政策上、極めて重要である
と広く認識されている。
現在、日本の化学産業は顧客の製品スペックに対してきめ細かな対応に迫られており、本事業に
よって、より効率的な省エネルギー・省資源効果や環境負荷低減をもたらす化学プロセスが開発できれ
ば、その効果は化学産業ばかりでなく他の産業にも幅広く波及するため、社会全体としてのエネル
ギー・環境問題に対する効果は莫大なものとなる。特に、芳香族化合物、ハロゲン等の有害化学物質を
使用している既存プロセスを改善し、有害化学物質を使用しない、又は有害廃棄物を出さないプロセ
スに転換できれば、ヒト健康や生態系に対するリスクが格段に防止できることが期待される。日本の
化学産業は抜本的に技術革新を支える共通基盤技術が国際的に見て弱いといわれており、本事業で取
り上げるようなチャレンジングな研究開発テーマを戦略的に行っていくことは、
、研究開発レベルの向
上や人材育成の面からも重要であり、この点からも本研究開発は中長期的な展望に立った極めて重要
な事業と言える。
(3)事業の位置付け:
化学産業は裾野が広く、その付加価値生産性は国内産業ではトップであり、この分野が健全な体質
を保持しつつ成長すること、我が国の産業全体が長期的に国際競争力を維持してゆく観点から極めて
重要であり、したがってこの分野は国が最も重視すべき産業のひとつであると考えられている。我が
国の化学産業では、1970 年代に起きた 2 度にわたる石油危機以来、省エネルギー・省資源に対する積
極的な対策が取られる一方、高度成長期に顕在化した公害問題についても高度な取り組みが行われた。
実際、1976 年に対する 1991 年のエネルギー原単位は 46%削減、CO2 の排出原単位は 32%削減が達成さ
れた。しかし、既存技術による化学プロセスの省エネルギー対策はほぼ終了し、1988 年以降はエネル
ギー原単位が横ばいとなっており、更なる省エネルギー・省資源、環境負荷の低減を図るには抜本的
な革新的プロセスへの転換が求められることになる。更に、今後、生活レベルの向上に伴い、化学物
質の製造、消費が増加すると、有害化学物質によるリスクや地球温暖化問題が益々深刻になることが
懸念されることから、既存化学プロセスに比べエネルギー原単位や有害化学物質のリスクを大幅に小
さくできる高性能な触媒反応の開発や新規な化学品製造プロセスの開発が強く求められている。
現在、世界では毎年約 4 億㌧の化学物質が生産され、食品、住宅建材、家電、自動車などあらゆる
製品に利用されている。しかし、化学物質の中には揮発性有機化合物(VOC)や重金属等のように、ヒ
ト健康や生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されるものもあり、これらの化学物質は、使用禁止、あ
るいは厳重な管理のもとでしか利用できない等、有害物質に対して厳しい管理が求められている。化
学物質は用いられる状況により暴露量や有害性の度合いが異なっており、また、その影響が明らかに
なるまでに時間がかかること、さらに 1970 年頃まで製造メーカ等による自主管理に委ねてきたこと
等も相俟って、世界的に厳しい化学物質管理がなされることはなかった。我が国においても、「化学
物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)が制定されたのは 1974 年のことであったが、最
近まで大きな法改正がなされることはほとんどなかった。しかしながら近年、シックハウスや化学物
56
質過敏症など有害化学物質による健康被害が社会的に大きく取り上げられるようになったことから、
MSDS(化学物質等安全性データシート)制度や PRTR 制度(環境汚染物質排出移動登録:1999 年 7 月)の
導入、化審法の大幅改正(2003 年 5 月)、などにより、化学物質に関する情報共有を向上させ、リスク
管理の効率化を図ろうとする動きが出てきた。一方、米国では、TSCA(毒性物質管理法。1977 年制定)
により、“得られるベネフィットと同程度以上のリスク低減対策を講じる“という理念のもと、各州
の判断により独自の規制が実施され、州によっては強力な規制をかけるところも出てきた。また、
EU(欧州連合)は地域の完全統合に絡めて、域内での統一的な化学物質管理を実施するため、廃自動車
に関する「ELV 指令」、電気・電子機器に関する「WEEE 指令」、「RoHS 指令」などをスタートさせ、重金属
や臭素系難燃性プラスチック等を包括的に削減しようとする取り組みを始めた。このような状況から、
リスク削減技術における本事業の位置付けは、他の産業にも大きな影響を与えることは必至と考えら
れる。本事業では、これらの状況を背景に、問題点を解決するために必要な技術を短期間で開発する、
極めてチャレンジングな開発目標を設定して、世界に情報を発信していくことを目指した。
Ⅱ.研究開発マネジメントについて
1. 事業の目標
平成 15 年度までに、製造工程の短縮又は有害化学物質を使用・経由しない化学プロセスを実現する、
、
新規触媒反応等を利用した新しい化学反応プロセス技術(「次世代化学プロセス技術」)を開発するため、
革新的な共通基盤技術を開発し、確立することとした。各研究開発テーマの目標設定の根拠を下記に
記載し、具体的な開発目標値等は 2.の事業の計画内容の項に記載する。
[1]飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発
対象とする化学プロセスは比較的生産量が大きく、安価な飽和炭化水素から選択的な部分酸化に
よって得られる付加価値が高いバルク製品とし、これについて、省エネ型製造プロセスの開発を行っ
た。本研究開発では、既存法では利用されない付加価値が低い原材料を活用できる新規代替プロセス
の実現を技術課題としたため、開発目標は既存プロセスと同程度以上の経済性が成り立つレベルに設
定した。
[2] ノンハロゲン化学プロセス技術開発
対象とする化学プロセスは比較的生産量が大きく、最終製品にハロゲンを含まず、製造副原料にも
有害なハロゲン化合物を用いず、かつ廃酸や有害副生成物を併産しないバルク製品の製造プロセスに
ついて、新規な省エネ型プロセスを実現することを目標とする開発を行った。本研究開発では、ハロ
ゲン等によるリスクを生じさせない新規代替プロセスを技術課題としたため、開発目標は副産物の後
処理を含めた既存プロセスと同程度以上の経済性が成り立つレベルに設定した。
[3] 多相系触媒反応プロセス技術の開発
対象とする化学プロセスは比較的生産量が小さいものの付加価値が高いスペシャリティケミカルズ
で、その合成において、大量の有機溶媒による多段プロセスを新たな触媒系により多相化させ、リス
ク削減が実現できるプロセスの開発を行った。本研究開発では、均一系錯体触媒を多相系反応にする
ことで触媒回収を可能とする新規代替プロセスを技術課題とし、開発目標は既存プロセスと同程度以
上の経済性が成り立つレベルに設定した。
[4] 新固体酸触媒プロセス技術の開発
対象とする化学プロセスは比較的生産量が小さいものの付加価値が高いスペシャリティケミカルズ
の合成で、これについて生成物と触媒の分離工程、触媒の再生等の多段階工程に加え、大量の廃酸や
副産物が排出されるプロセスを触媒により単純化させ、リスク削減が実現できるプロセスの開発を
行った。本研究開発では、新規な固体酸触媒による新規代替プロセスを技術課題とし、開発目標を既
存プロセスと同程度以上の経済性が成り立つレベルに設定した。
57
2.事業の計画内容
2.事業の計画内容
2.1 研究開発の内容:
本事業は、現在、世界の潮流となっている「グリーンケミストリー」の先がけとして位置付けられる
研究開発であり、平成 7 年度から欧米に先駆け、「シンプルケミストリー」を標榜してスタートした。
化学品は一般に何段かの工程を経て製造されており、工程毎に原料や副原料並びにエネルギー(用役)
が投入されるとともに廃棄物が発生する。シンプルケミストリーの狙いとするところは、このような
化学プロセスを抜本的に革新し、製造工程の短縮と性能向上によって、特に投入エネルギー、さらに
投入原料・副原料の削減(省資源)、廃棄物の削減(環境負荷低減)を図ることにある。
当時、世界的にも環境・エネルギー問題が注目されるようになってきたことから、国内の有力化学
企業が競って、省エネルギー、環境分野に寄与する研究開発として取り組み始めた。本事業は 1997
年に開催された気候変動枠組条約第 3 回締約国会議(COP3:地球温暖化防止京都会議)の影響もあり、
2010 年頃までの地球温暖化防止対策新技術として位置付けられた。そのため、1)省エネルギー効果が
大きいバルク製品の新規製造プロセス開発として、平成 9 年度から「飽和炭化水素の選択酸化反応技
術の開発」、平成 11 年度から「ノンハロゲン化学プロセス技術の開発」をスタートさせた。さらに、2)
最近の化学物質の取り扱いに関する法律整備等の緊急性に鑑み、リスク削減効果が大きいスペシャリ
ティケミカルズの新規製造プロセス開発として、平成 12 年度から「多相系触媒反応プロセス技術の開
発」、平成 13 年度から「新固体酸触媒プロセス技術の開発」をスタートさせた。
以下の研究開発テーマについて、表 2 の研究開発スケジュールに基づき実施した。「次世代化学プ
ロセス技術開発」プロジェクト基本計画より、1.研究開発の必要性、2.具体的な研究内容、3.達成目
標を以下に抜粋する。
1.選択性新規化学プロセス技術開発
b. 飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発(平成 9 年度∼13 年度)
2.ノンハロゲン化学プロセス技術開発(平成 11 年度∼14 年度)
3.分離・合成連続化プロセス技術開発
c. 多相系触媒反応プロセス技術の開発(平成 12 年度∼15 年度)
d. 新固体酸触媒プロセス技術の開発(平成 13 年度∼15 年度)
表 2 「次世代化学プロセス技術開発」の研究開発スケジュール
研究開発テーマ
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15
事事事事
1.飽和炭化水素の選択酸化反応技術
H16
価価価価
3.多相系触媒反応プロセス技術
評評評評
間
評
価
後後後後
中
2.ノンハロゲン化学プロセス技術
4.新固体酸触媒プロセス技術
研究開発項目[1]
「高選択性新規化学プロセス技術開発」
選択性に優れた新規触媒の開発及びこれを利用した新規化学反応プロセス技術の開発を行う。具体
的には、飽和炭化水素の選択酸化反応技術等の開発を行う。
b. 飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発(平成 9 年度∼13 年度)
1.研究開発の必要性:
58
石油化学の中間製品の製造における大幅な省エネルギー・省資源、県境負荷の低減を図るために、
必要な新規触媒反応を利用した革新プロセスの開発が求められている。
2.研究開発の具体的内容:
ナフサを熱分解して得られる不飽和炭化水素の代わりに安価な飽和炭化水素を使用して、石油化学
の中間製品(アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等)を高い収率で直接合成する化学反応プ
ロセスを開発する。
3.達成目標:
触媒による選択的部分酸化反応技術、反応装置の検討等を行い、反応温度 300∼450℃で製品の収
率(プロパンからアクリル酸の合成:収率 10%以上、イソブタンからメタクリル酸の合成:収率 10%以
上、ブタンから無水マレイン酸の合成:収率 50%以上)が高い新規触媒及びこれを用いる化学反応プロ
セス技術を開発する
研究開発項目[2]
「ノンハロゲン化学プロセス技術開発」(平成 11 年度∼14 年度)
1. 研究開発の必要性:
化学産業では塩素誘導体を中間体とする有機合成が多数実施されている。これらの反応プロセスは
比較的穏和な条件で進行するが、塩素自体はエネルギーを多消費する食塩電解によって製造されるた
め、全体としてエネルギー消費が大きい。また、塩素を使用する有機合成ではホスゲンのような有毒
の中間体を使用したり、最終製品に塩素を含まないものが多く、副生物として無機塩素化合物が大量
に廃棄されるなど、安全・環境面でも課題が多い。このため、エネルギー低消費型で安全性・環境負荷
面に優れたノンハロゲン化学プロセス技術の開発が必要である。
2. 研究開発の具体的内容:
塩素などのようなハロゲン類を副原料として合成される化学品で、それ生成品自体がハロゲンを含
まない化学品を、ハロゲン類を使用せずに製造するための新規化学プロセス技術の開発を行う。具体
的には、ホスゲンを用いないイソシアネートの合成、クロロヒドリンを経由しない酸化プロピレン等
のエポキサイドの合成、併産物を伴わないフェノールの合成を可能とする新規プロセス技術を開発す
る。
3. 達成目標:
(イ)イソシアネートの新合成法開発
ジアミン類(トリレンジアミン等)とジカーボネート類からジカーバメート類を合成し、そのジカー
バメート類を分解することにより、ジアミンを基準として 90%以上の収率でジイソシアネート類(トリ
レンジイソシアネート等)を合成することができる新規触媒及びこれを用いる化学反応プロセス技術
の開発を行う。
(ロ)エポキサイドの新合成法開発
オレフィン類(プロピレン、ブテン等)またはその他の不飽和有機化合物(アリルエーテル、アリル
エステル等)を分子状酸素や過酸化水素等無機系酸化剤または有機ハイドロパーオキサイド等有機系
酸化剤を用いてエポキシ化することにより、オレフィンまたは不飽和有機化合物に対して 20%以上の
収率でエポキサイド類(プロピレンオキサイド、ブテンオキサイド、グリシジルエーテル、グリシジ
ルエステル等)を合成することができる新規触媒及びこれを用いる化学反応プロセス技術の開発を行
う。
(ハ)フェノールの新合成法開発
ベンゼンを他の有機化合物または水素の存在下において分子状酸素で酸化することにより、10%以
上の収率でフェノールを合成することができる新規触媒及びこれを用いる化学反応プロセス技術の開
発を行う。
59
研究開発項目[3]
「分離・合成連続化プロセス技術開発」
c.多相系触媒反応プロセス技術の開発(平成 12 年度∼15 年度)
1.研究開発の必要性:
可溶性触媒を用いる液相有機合成においては、触媒の回収や廃液処理のために多段階工程を必要と
し、資源・エネルギーの消費や環境負荷が大きくなる場合が多い。このため、特にプロセス技術の改
良が遅れているファインケミカルズ(=スペシャリティケミカルズ)製造のための液相有機合成反応プ
ロセスにおいて、触媒相の循環使用が可能な多相系触媒反応プロセス技術の開発を行い、全体として
プロセスの大幅な簡略化を実現する必要がある。
2.研究開発の具体的内容:
反応液に溶け合わない追加の液相に触媒を存在させ、反応後に反応混合物を分液して、触媒相を反
応工程に循環できる反応プロセス技術を開発する。具体的には、多相反応場形成の可能性を持つ水溶
性錯体、弗素系ルイス酸錯体、相間移動錯体の 3 群の触媒種を活用して、応用範囲の広い、置換反応、
付加反応、酸化反応、還元反応等の類型反応について合成プロセス技術を開発する。
3.達成目標:
触媒相の循環使用が可能な多相系触媒反応プロセスを成立させる新規触媒相を構築し、触媒相の循
環回数 10 回以上を達成する。
d.新固体酸触媒プロセス技術の開発(平成 13 年度∼15 年度)
1. 研究開発の必要性:
硫酸や塩化アルミニウムに代表される均一系強酸性触媒は高い触媒活性を有し、広い分野で利用さ
れているが、生成物と触媒の分離工程、触媒の再生等の多段階工程に加え、廃酸処理工程でのエネル
ギー消費、副生物・廃棄物の排出といった資源・エネルギー的課題を抱えている。このため、均一系強
酸触媒の固相化を目標とした新規固体酸触媒技術の開発が必要である。
2.研究開発の具体的内容:
反応場の活性点を三次元的にナノオーダーレベルで設計したメソポーラスマテリアル材料、層状粘
土化合物、有機無機ハイブリッド材料等を用いた新固体酸触媒を開発し、関連する以下の 4 つのター
ゲット反応についてプロセス化の可能性を検証する。
(イ)オレフィンのオリゴメリゼーション
(ロ)双環芳香族化合物類の合成(2,6-ジメチルナフタレン、インダノン、テトラノン)
(ハ)ヒドロキシカルボン酸の合成
(ニ)ベンジルアルコールの合成
3.達成目標:
(イ)オレフィンのオリゴメリゼーション
強ルイス酸触媒に代わり、メソポーラス触媒系などナノオーダーサイズ構造を有する固体酸触媒を
開発し、反応活性点の精密制御等により転化率 90%以上、選択率 80%以上(3∼4 量体)、初期触媒寿命
12 時間以上を達成することを目標に実用化の見通しを得る。
(ロ)双環芳香族化合物類の合成(2,6-ジメチルナフタレン、インダノン・テトラノン)
キシレンとブタジエン、芳香族化合物とアルデヒドを原料に 3∼4 工程の多段階ステップの触媒反
応、あるいは触媒の過剰量添加で合成されている現状プロセスに対し、酸触媒機能(アルキル化)、塩
基触媒機能、脱水素または脱水触媒機能を合わせ持たせたナノオーダーサイズ構造を有する固体酸触
媒を開発し、ラクトンなどを原料として一段反応で反応収率 70%以上を達成することを目標に実用化
の見通しを得る。
(ハ)ヒドロキシカルボン酸の合成
アルデヒドまたはアルデヒド同類物質を原料としたカルボニル化反応ないしアミドカルボニル化反
応において、配位子の設計等により活性点を精密制御し、固相化技術を取り入れた固体酸触媒を開発
60
し、選択率 80%以上、反応収率 80%以上、触媒寿命 1 週間以上を達成することを目標に実用化の見通
しを得る。
(ニ)ベンジルアルコールの合成
トルエンに塩素を付加して加水分解することで製造されている現在の合成法に対し、トルエンの一
段反応でアルコール化できる触媒を開発する。酸化を促進する活性点と反応生成物を活性点付近から
脱離させてアルデヒド化を防止できる金属担持メソポーラス触媒などを用いて転化率 5%以上、選択率
60%以上、初期触媒寿命 50 時間以上を達成することを目標に実用化の見通しを得る。
2.2 研究開発の実施体制
本研究開発では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という。)が公募によって選定
する企業、民間研究機関、独立行政法人、大学等がそれぞれの研究テーマの達成目標を実現すべく研
究開発を実施する方式を採用した。研究開発全体の管理・執行に責任を有する NEDO は、経済産業省及
び研究開発責任者と密接な関係を維持しつつ、プログラムの目的及び目標、並びに本研究開発の目的
及び目標に照らして適切な運営管理を実施した。具体的には、四半期に 1 回程度プロジェクトリーダ
等を通じてプロジェクトの進捗について報告状況を受け、推進内容に関する協議、指示等を行った。
・研究開発体制
本事業は、4 つの研究開発テーマから構成されており、研究開発体制は図 1 のとおり。各研
究 開 発 体 制 は 、 参 画 企 業 (管 理 法 人 の 会 員 )の 研 究 者 が 管 理 法 人 に 出 向 し て 、 集 中 管 理 方 式 で
実施した。「飽和炭化水素の選択酸化反応(5 社、7 大学)」の管理法人は(社)日本化学工業協会が担当
したが、この研究開発はテーマごとに特徴が異なるため、企業ごとの幅広い人材と設備を活用できる
「分室方式 」が効率的であると考え、これを採用し た。一方、 「ノンハロゲン化学プロセス技術(5 社、
7 大学)」及び「多相系触媒反応プロセス技術(6 社、4 大学)」の管理法人は(財)化学技術戦略推進機構
経 済 産 業 省
NEDO
委託
飽和炭化水素の選択
酸化反応技術の開発
(社)日本化学工業協会
ノンハロゲン化学プロセス
技術開発
(財)化学技術戦略推進機構
多相系触媒反応プロセス技術
の開発
(財)化学技術戦略推進機構
新固体酸触媒プロセス技術の開発
(独)産業技術総合研究所
(財)化学技術戦略推進機構
〔集中研〕
研究実施場所-東工大
〔分室〕
・東燃化学㈱
・出光興産㈱
・住友化学㈱
・三菱レイヨン㈱
・相模中央化学研
〔分室〕
・住友化学㈱
・三井武田ケミカル㈱
・東ソー㈱
・日本油脂㈱
・三井化学㈱
〔分室〕
・旭化成㈱/(財)野口研究所
・広栄化学工業㈱
・高砂香料工業㈱
・日産化学工業㈱
・日本ゼオン㈱
・出光興産㈱
・日本曹達㈱
・丸善石油化学㈱
・昭和電工㈱
再委託
再委託
・北海道大
・名古屋大
・東京大
・九州大
・広島大
・早稲田大
・大分大
再委託
・鹿児島大
・大阪大
・京都工芸繊維大
・帝京科学大
・横浜国立大
・東京工業大
・信州大
再委託
・名古屋大
・北海道大
・東京農工大
・東京工業大
図 1 「次世代化学プロセス技術開発」プロジェクトにおける研究体制
61
・東京工業大
・北海道大
・東京大
・岐阜大
・上智大
・横浜国大
が担当し、ここでも研究開発テーマごとに特徴が異なるため、「分室方式」が効率的であると考え、こ
れを採用した。また 、「新固体酸触媒プロセス技術(4 社、7 大学、2 国立研)」の管理法人は(財)化
学技術戦略推進機構が担当したが、研究開発テーマ間の共通領域を有するため、この技術開発につい
ては、東京工業大学(資源化学研究所:田中研究室、岩本研究室)に「集中研」を設置し、PL の指導のも
とに研究開発の効率化を図った。ただしこの分野においても、実用化に関する研究開発に関しては
「分 室 方 式 」が効率的であると考え、各企業に於いて研究開発を実施し た 。 い ず れ の 研 究 開 発 体 制
においても、産学官連携を基本とした研究体制をとり、効率に留意しながら推進した。
・プロジェクトリーダ
本事業の研究開発を効率的に推進するために研究開発テーマごとにプロジェクトリーダ(PL)を設置
した。PL は研究管理、研究進捗状況の報告、研究開発計画案、研究開発事業費執行案、研究成果の取
り纏め案の提示等を行った。なお、委託先は PL に対して、事業の研究進捗状況を報告し、その助言に
従って研究開発を実施した。また、PL は NEDO に対して研究開発計画案を提示すると共に、NEDO の意
向を反映して計画案の改良に協力した。さらに、PL は研究開発事業費支出の執行案を提示すると共に、
研究委託先から NEDO に対する報告実施を支援した。各研究開発テーマの PL は国内における当該分野
の第一人者であり、本事業における研究開発テーマを決定した「次世代プロセス技術開発に関する調査
研究(平成 12 年度調査報告書 新エネルギー・産業技術総合開発機構)」において、各サブテーマの主査
を担当されたことに配慮して、NEDO が委託先を決定したのちに、委託先、経済産業省と協議し、PL に
指名するに至った。各研究開発テーマにおける PL は表 3 のとおり。
研究期間
H 9-13
H11-14
H12-15
H13-15
表 3 「次世代化学プロセス技術開発」プロジェクトリーダ一覧
研究開発テーマ
PL
所 属
飽和炭化水素の選択酸化反応
服部 忠
名古屋大学名誉教授
ノンハロゲン化学プロセス技術
多相系触媒反応プロセス技術
新固体酸触媒プロセス技術
高橋武重
後藤繁雄
田中正人
鹿児島大学教授
名古屋大学名誉教授
東京工業大学教授
2.3 研究開発の運営管理
研究開発全体の管理・執行に責任を有する NEDO は、経済産業省及び研究開発責任者と密接に連携を
とりつつ、プログラムの目的及び目標、並びに本研究開発の目的及び目標に照らして適切な運営管理
を実施した。具体的には、必要に応じて、NEDO に設置する委員会(化学物質管理技術審議委員会)及び
技術検討会等を通じて外部有識者の意見を実施計画に反映させる他、四半期に 1 回程度、プロジェク
トリーダ等を通じてプロジェクトの進捗状況について報告を受け、プロジェクトリーダ、委託先等に
助言をしてプロジェクトの運営を管理した。
・化学物質管理技術審議委員会
NEDO は「化学物質総合評価管理プログラム」における本事業の方向性、進捗状況、計画変更を外部の
専門家等を交えて審議し、研究開発のプロジェクトマネジメントを効率的に実施した(表 4 に委員会の
メンバーを示す)。
62
表4
「化学物質管理技術審議委員会」 メンバー
氏 名
所属・役職
委員長
北野
大
淑徳大学 経営環境学科教授
委 員
黒田 千秋
東京工業大学総合理工学研究科 教授
岡
古
住友化学(株) 環境安全部長
那須 正夫
大阪大学薬学研究科 教授
平尾 雅彦
東京大学工学系研究科 助教授
KH フォイヤヘアト
神戸山手大学 環境文化学科 教授
益永茂樹
横浜国立大学環境情報研究院 教授
三森国敏
東京農工大学農学部 教授
山下敬介
広島大学医歯薬学総合研究科 助教授
吉田喜久雄
産業総合研究所 リスク解析チームリーダ
米本年邦
東北大学化学工学科 教授
委員会の開催:平成 13 年 1 月 10 日、2 月 19 日、5 月 14 日
平成 14 年 2 月 6 日、平成 15 年 2 月 3 日
・ 管理法人の役割
(社)日本化学工業協会は、本プロジェクトの研究開発の有効かつ円滑な推進を目的として、次世代
化学プロセス技術開発推進委員会を設置し、プロジェクト全体の運営管理を行った。推進委員会のも
とに研究開発テーマ毎に開発部会を設け、具体的テーマの内容(計画、進捗状況、成果の報告等)や方
向付けについて検討した。更に部会の下にワーキンググループを組織し、個々の化学・技術的な課題を
検討した。全員参加にはこだわらず、関係者が集まって適宜開催する方法をとり、機動性を重んじて
柔軟な運営を行った。これらの検討結果を踏まえて研究計画の見直し、研究開発の方向付け、開発目
標の達成や実施体制、予算管理等を含めた効率的なプロジェクト運営に努めた。また、優れた基盤技
術を有する大学、国立研等との緊密な連携を図り、プロジェクト全体の効率的な運営に努めた。
(財)化学技術戦略推進機構は、本プロジェクトの研究開発の有効かつ円滑な推進を目的として、研
究開発テーマ毎に総合調査研究委員会を設置し、研究内容に関する討議、研究全体の進捗状況の把握、
課題、問題点を総合的に解析、検討し、これらの検討結果を踏まえて研究計画の見直し、研究開発の
方向付け、開発目標の達成や実施体制、予算管理等を含めた効率的なプロジェクト運営に努めた。ま
た、優れた基盤技術を有する大学、国立研究所等との緊密な連携を図り、プロジェクト全体の効率的
な運営に努めた。
(社)日本化学工業協会の管理運営:
飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発は難度の高い反応を対象としており、産学官の英知を結集
して取り組む必要があることから、この分野において事業を展開している企業の研究者、アルカン酸
化反応の研究に長年取り組んできた大学・国立研究所等の研究者にたいして調査研究委員会への参画
を求め、最先端の研究開発の推進と効率的な運営を行い、高いレベルの成果を目指した。
具体的な研究開発実施体制は以下の通りとした。
a) 日本化学工業協会内の実施体制
日本化学工業協会技術部が実施主体となり、事務局も担当した。本プロジェクトのリーダは日本
化学工業協会会長。
b)次世代化学プロセス技術開発推進委員会(表 5)
外部有識者による推進委員会を設置し、プロジェクト全体の管理運営を行った。年 2 回開催。平
成 12 年度からは(財)化学技術戦略推進機構と共催。委員長は、
平成 9 年度
平成 10 年度
田代 圓
宗雪 雅幸
東ソー㈱ 取締役社長
富士写真フィルム㈱ 取締役社長
63
平成 11 年度
平成 12 年度
四方 和夫
土屋
隆
㈱トクヤマ 専務取締役
㈱東ソー㈱ 専務取締役
表 5 次世代化学プロセス技術開発推進委員会メンバーリスト
推進委員会委員
委員長 四方 和夫 株式会社 トクヤマ
専務取締役
委員
平石 次郎 財団法人化学品検査協会
理事長
斎藤正三郎 宮城工業高等専門学校
校長
山本 明夫 早稲田大学 理工学研究科
教授
架谷 昌信 名古屋大学 工学部 工学研究科
教授
橋本 健治 福井工業大学 応用理化学科
教授
小宮山 宏 東京大学 大学院工学系研究科
教授
御園生 誠 工学院大学 工学部環境化学工学科
教授
桑原 正章 京都大学 木質科学研究所
教授
瀬田 重敏 旭化成工業株式会社
専務取締役
宗像 誠二 旭硝子株式会社 中央研究所
所長
都河龍一郎 味の素株式会社
顧問
今村 哲也 花王株式会社 研究開発部門
理事
大庭 成弘 住友化学工業株式会社
常務取締役
土屋
隆 東ソ−株式会社
専務取締役
高瀬
勉 三井化学株式会社
専務取締役
西山 紀彦 三菱化学株式会社
専務取締役
久保田正昭 工業技術院 物質工学工業技術研究所
所長
諏訪
基 工業技術院 大阪工業技術研究所
所長
大箸 信一 工業技術院 生命工学工業技術研究所
所長
水上富士夫 工業技術院 物質工学工業技術研究所
機能表面化学部
部長
服部
忠 名古屋大学 難処理人工物研究センタ−
教授
菊地 英一 早稲田大学 理工学部応用化学科
教授
高橋 武重 鹿児島大学 工学部応用化学科
教授
c)開発部会・分科会
推進委員会のもとに開発部会を設け、国内産官学の専門家を結集し具体的テーマの内容(計画・進
捗状況・成果の報告等)や方向付けについて検討した。開発部会の開催頻度は年に 3 回程度。リーダ
は服部 忠 名古屋大学教授。更にワーキンググループを組織し、個々の化学・技術的な課題を検
討した。全員参加には拘らず、関係者が集まって適宜開催する方法をとり、機動性を重んじ、柔軟
な運営を行った。各ワーキンググループリーダは以下のとおりである:
プロパン:武藤恒久 出光石油化学㈱ 開発一課長(平成 9∼11 年度)
大上典行 出光石油化学㈱ 化成品研究所室長(平成 12,13 年度)
n-ブタン:西川瑛一郎 東燃化学㈱(平成 9∼11 年度)
植木 聡
東燃化学㈱(平成 12,13 年度)
イソブタン:大北 求 三菱レイヨン㈱中央技術研究所主席研究員
触媒機構:服部 忠 名古屋大学教授
反応技術:竹平 勝臣 広島大学教授
64
<研究組織及び管理体制)(図-2)
(イ)研究組織
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
(社)日本化学工業協会
次世代化学プロセス技術開発推進委員会((財)
化学技術戦略推進機構と共催)
高選択性新規化学反応プロセス技術開発
飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発部会
(分室)出光興産㈱、住友化学工業㈱
東燃化学㈱、三菱レイヨン㈱
(財)相模中央化学研究所(途中で解散)
(再委託先)名古屋大学、北海道大学
東京大学、広島大学 九州大学
大分大学、早稲田大学
65
(ロ)管理体制 (図-3)
(社)日本化学工業協会
会 長
専 務 理 事
総 務 部
技 術 部
(再委託先)
名古屋大学(服部教授)
北海道大学(奥原教授)
九州大学(若林教授)
東京大学(水野教授)
広島大学(竹平教授)
大分大学(滝田教授)
北海道大学(上田教授)
早稲田大学(松方助教授)
(分
室)
出光興産(株)
(財)相模中央化学研究所
住友化学工業(株)
東燃化学(株)
三菱レイヨン(株)
(財)化学技術戦略推進機構の管理運営:
ノンハロゲン化学プロセス技術、多相系触媒反応プロセス技術、新固体酸触媒プロセス技術の開発
は抜本的に化学プロセスを変換するというチャレンジングな取り組みであり、難度の高い革新的な化
学反応プロセスの開発を対象とした。そのため、産学官の英知を結集して取り組むこととし、この分
野において事業を展開している企業の研究者、触媒反応の研究や触媒反応プロセスの研究に長年取り
組んできた大学・国立研究所等の研究者に参画を求め、最先端の研究開発の推進と高いレベルの成果を
目指して、効率的な運営を行った。
具体的な研究開発実施体制を以下の通りとした。
a) 化学技術戦略推進機構内の実施体制
化学技術戦略推進機構の研究開発事業部がプロジェクト実施の主体となり、事務局も担当した。
b)次世代化学プロセス技術開発推進委員会
外部有識者による推進委員会(前述)を設置し、プロジェクト全体の管理運営を行った。平成 11
年度、12 年度は(社)日本化学工業協会と共催した。この委員会は平成 12 年度をもって、その任を
終えた。
c) 総合調査研究委員会
推進委員会の下に総合調査研究委員会を設け、国内産官学の専門家を結集し具体的テーマの内容
(計画・進捗状況・成果の報告等)や方向付けについて検討した。総合調査研究委員会の開催頻度は年
に 3 回程度行い、委員会のリーダは各研究開発テーマのプロジェクトリーダ(高橋武重 鹿児島大
学教授、後藤繁雄 名古屋大学名誉教授、田中正人 東京工業大学教授)が務めた。更にノンハロ
ゲン化学プロセス技術では、分科会を組織し、個々の化学・技術的な課題を検討した。全員参加に
は拘らず、関係者が集まって適宜開催する方法をとり、機動性を重んじて柔軟な運営を行い、各分
66
科会のリーダはプロジェクトリーダが兼ねた。
<研究組織及び管理体制)
ノンハロゲン化学プロセス技術
(イ) 研究組織:
鹿児島大学 高橋武重教授をプロジェクトリーダとしてプロジェクトを推進した。
(ロ) 管理体制:(図-4)
(財) 化学技術戦略推進機構
研究開発事業部 (本部)
共
同
事
再委託先(大学)
三井武田ケミカル分室
帝京科学大学(難波教授)
/
研
三井化学分室
信州大学(馬場教授)
究
員
住友化学分室
横浜国立大学(辰巳教授)
日本油脂分室
鹿児島大学(高橋教授)
業
出
向
京都工芸繊維大学(今村教授)
東ソー分室
大阪大学(金田教授)
東京工業大学(山中助教授)
67
法人内体制(図-5)
会
総務部
長
高分子試験・評価センター
―ー
理事長
戦略推進部
理事会
業務管理責任者
研究開発事業部
評議員会
JCII 常務理事
事務管理
運営委員
財産管理
人事管理
プロジェクト担当技術部
業務委員
ノンハロゲン化学プロセス
総合調査研究委員会
委員長
鹿児島大学教授
高橋武重
イソシアネート分科会
エポキサイド分科会
フェノール分科会
触媒反応技術分科会
68
多相系触媒反応プロセス技術
(イ) 研究組織
名古屋大学 後藤繁雄名誉教授をプロジェクトリーダとしてプロジェクトを推進した。
(ロ) 管理体制(図-6)
(財)化学技術戦略推進機構 研究開発事業部
多相系触媒反応プロセス技術開発 総合調査研究委員会
旭化成・野口研究所分室
広栄化学工業分室
高砂香料工業分室
日産化学工業分室
日本ゼオン分室
[再委託先]
名古屋大学(国立)
(相間移動触媒研究を再委託)
東京農工大学(国立) (水溶性金属錯体触媒研究を再委託)
北海道大学(国立)
(水溶性金属錯体触媒研究を再委託)
東京工業大学(国立) (弗素系ルイス酸触媒研究を再委託)
法人内体制
下記の新固体酸触媒反応プロセス技術と同様。
新固体酸触媒反応プロセス技術
(イ) 研究組織
東京工業大学 田中正人教授をプロジェクトリーダとしてプロジェクトを推進した。
69
(ロ)管理体制
研究開発体制(図-7)
財団法人
化学技術戦略推進機構
再委託
集中研
東工大:岩本教授
北大:奥原教授
新固体酸触媒プロセス技術開発
総合調査研究委員会
ベースラボ:
東京工業大学長津田キャンパス①②③④
東大:尾中助教授
東大:小林教授
岐阜大:窪田助教授
研究開発共同事業契約
研究員の出向に関する契約
東工大:小松助教授
①出光興産株式会社
②昭和電工株式会社
③日本曹達株式会社
④丸善石油化学株式会社
上智大:瀬川教授
集中研
東工大:田中教授
横国大:辰巳教授
なお、平成 15 年度からは、大学に対する再委託を見直し、東京工業大学の田中研究室と岩本研究
室のみとし、他の研究機関への再委託は中止し、企業への実用化研究に注力した。
総合調査研究委員会
研究開発テーマ毎に、PL、研究実施者、外部専門家、NEDO から構成される総合調査委員会を設置
し、研究開発の状況に応じて部会(2∼3 回/年)、ワーキンググループ(4∼5 回/年)等を実施し、研究
成果や今後の方針等について十分な検討を行った。本事業には経験豊富な研究者が企業、大学、国立
研究所等から参加し、常に内外の状況に目を向けて国内学会等への参加、文献情報の収集、関連情報
の収集等を行い、これらの情報を、部会、WG(ワーキンググループ)の議論の中に活かし、情勢の変化
にすばやく対応できる体制にした。また、研究開発テーマの最終年度末には、委員会を総括報告会の
形で一般に公開して、成果の普及に努めた(表 6∼8.2)。
ノンハロゲン化学プロセス技術総合調査研究委員会:
本プロジェクトにおける研究開発の円滑化をはかるため,ノンハロゲン化学プロセス総合調査研究
70
委員会を設置し,その下に 3 つの分科会を設置した。さらに,横串としての触媒反応機構分科会(H14
に分科会名称変更:触媒反応技術分科会)を加え,次の各委員会を開催した。
総合調査研究委員会 (各年度 2 回/年)
表6
ノンハロゲン化学プロセス総合調査研究委員会メンバー
委員長
高橋 武重
鹿児島大学 工学部応用化学工学科
教授
委員
今村成一郎
京都工芸繊維大学 工芸学部物質工学科
教授
金井 宏俶
京都工芸繊維大学 工芸学部物質工学科
(元 京都府立大学 環境情報学科
教授)
金田 清臣
大阪大学 大学院基礎工学研究科
教授
辰巳
敬
横浜国立大学 大学院工学研究院
教授
田中 正人
東京工業大学 資源研究所
教授
難波征太郎
帝京科学大学 理工学部環境マテリアル学科
教授
釘田 強志
帝京科学大学 理工学部環境マテリアル学科
講師
馬場 俊秀
信州大学 工学部 物質工学科
教授
松方 正彦
早稲田大学 理工学部応用化学科
教授
山中 一郎
東京工業大学 大学院理工学研究科
助教授
平田 文明
三井武田ケミカル㈱ 生産・技術部生産技術 GL
阿部 哲郎
三井武田ケミカル㈱
企画室
田島 慶三
三井化学㈱ 研究開発本部
部長職部員
先砥 庸治
住友化学工業㈱ 技術・経営企画室
主席部員
佐藤
洋
住友化学工業㈱ 技術・経営企画室
主席部員
鯉江 泰行
東ソー㈱ 構造改革本部 研究企画
GL
関沢 和彦
東ソー㈱ 社長室 研究企画
GL
分科会(各年度 2−3 回/年・分科会)
総合調査研究委員会の下部委員会として、イソシアネート分科会、エポキサイド分科、フェノール
分科会、触媒機構分科会(触媒反応技術分科会)を実施した。
① イソシアネート分科会
高橋 武重
鹿児島大学 工学部応用化学工学科
教授 リーダ
馬場 俊秀
信州大学 工学部 物質工学科
教授 委員
難波征太郎
帝京科学大学 理工学部環境マテリアル学科 教授 委員
釘田 強志
帝京科学大学 理工学部環境マテリアル学科 講師 委員
② エポキサイド分科会
高橋 武重
鹿児島大学 工学部応用化学工学科
辰巳
敬
横浜国立大学 大学院工学研究院
今村成一郎
京都工芸繊維大学 工芸学部物質工学科
金井 宏俶
京都工芸繊維大学 工芸学部物質工学科
(元 京都府立大学 環境情報学科
③ フェノール分科会
高橋 武重
鹿児島大学 工学部応用化学工学科
金田 清臣
大阪大学 大学院基礎工学研究科
松方 正彦
早稲田大学 理工学部応用化学科
山中 一郎
東京工業大学 大学院理工学研究科
教授 リーダ゙
教授 委員
教授 委員
委員
教授)
教授
教授
教授
助教授
リーダ
委員
委員
委員
④ 触媒反応技術分科会 (触媒反応機構分科会をH14 年度に改称)
高橋 武重
鹿児島大学 工学部応用化学工学科
教授 リーダ
今村成一郎
京都工芸繊維大学 工芸学部物質工学科 教授 委員
金井 宏俶
京都工芸繊維大学 工芸学部物質工学科
委員
71
金田 清臣
辰巳
敬
難波征太郎
釘田 強志
馬場 俊秀
松方 正彦
山中 一郎
(元 京都府立大学 環境情報学科
教授)
大阪大学 大学院基礎工学研究科
教授 委員
横浜国立大学 大学院工学研究院
教授 委員
帝京科学大学 理工学部環境マテリアル学科 教授 委員
帝京科学大学 理工学部環境マテリアル学科 講師 委員
信州大学 工学部 物質工学科
教授 委員
早稲田大学 理工学部応用化学科
教授 委員
東京工業大学 大学院理工学研究科
助教授 委員
表 7 多相系触媒反応プロセス技術総合調査研究委員会メンバー
氏
名
所 属 ・ 役 職
後藤 繁雄
田中 正人
名古屋大学 大学院工学研究科
東京工業大学 資源化学研究所
教授
教授
碇屋 隆雄
東京工業大学 大学院理工学研究科
教授
小宮 三四郎
東京農工大学 工学部応用分子化学科
教授
荒井 正彦
北海道大学 大学院工学研究科
教授
三上 幸一
東京工業大学 大学院理工学研究科
助教授
表
8.1 新固体酸触媒反応プロセス技術総合調査研究委員会(H14 年度)メンバー
氏
名
所属・役職
瀬川 幸一
上智大学 理工学部 化学科
教授・
地球環境研究所長
田中 正人
東京工業大学 資源化学研究所
教授
岩本 正和
東京工業大学 資源化学研究所
教授
奥原 敏夫
北海道大学大学院地球環境科学研究科 教授
尾中 篤
東京大学大学院 総合文化研究科
助教授
小林 修
東京大学大学院 薬学系研究科
教授
窪田 好浩
岐阜大学工学部 応用精密化学科
助教授
小松 隆之
東京工業大学 大学院理工学研究科
助教授
横浜国立大学 大学院工学研究科
教授
辰巳 敬
産業技術総合研究所環境調和技術研究部門グリーン
島田 茂
ケミストリーグループ
主任研究員
産業技術総合研究所関西センター
研究顧問
相馬 芳枝
表
8.2
氏
田中
岩本
島田
新固体酸触媒反応プロセス技術総合調査研究委員会(H15 年度)メンバー
名
所属・役職
正人
東京工業大学 資源化学研究所
教授
正和
東京工業大学 資源化学研究所
教授
茂
産業技術総合研究所環境調和技術研究部門グリーン
ケミストリーグループ
主任研究員
相馬 芳枝
産業技術総合研究所関西センター
研究顧問
中條 哲夫
昭和電工株式会社 石油化学事業部門大分生産・技術
統括部技術開発
グループ長
72
3.情勢変化への対
3.情勢変化への対応
情勢変化への対応
化学プロセスは多様な化学製品に対応して多岐にわたり、本事業の次世代化学プロセスは個々の製
品群ごとに新しい発想とシーズに基づく研究開発構想を必要とした。また化学技術は、新しいゼオラ
イト触媒の発見による均一酸触媒から固体酸触媒への転換に見られるように、新しいシーズの発見に
より突然大きな進展が見られる場合が多く、予測できない要素を含むものである。このため、事業の
最初に終わりまで見通した計画を立案して実施するよりも、事業の進行と並行して継続する体系的調
査を行うことにより、重要な技術分野を絞り込むとともに新しい技術進歩を取り入れて最適な時期に
研究開発テーマを設定していくこと(「プログラム方式」)が、目標を達成してゆく上で最も効果的であ
るため、このような方式を採用することとした。
本事業では、国内外で稼働している既存化学プロセスに対して、将来、大幅な省エネルギーやリス
ク削減の効果が期待できる新規な化学プロセスを世界に先駆けて開発するため、我が国における化学
産業の競争力強化に必要な基盤技術を確立するとともに、事業終了後 3∼5 年内に実用化が可能な技
術の実現に資する研究開発を行った。そのため、早期の導入と、波及効果が大きいことが期待できる
化学プロセスの開発を重点的に行うこととし、参画企業のノウハウ等が十分に活用できる研究開発
テーマを「プログラム方式」で優先的に実施した。ただし、社会情勢の変化や技術動向を勘案して、中
途で以下のような対応、計画変更を行った。また、表 9 に「研究開発に関する変更事項」を示す。
(1) 研究開発テーマの選定に際しては「プログラム方式」で実施するため、(社)化学工学会、(社)日本
化学会において大学、国研、企業等からの専門家で構成される専門委員会により、政策的、技術
的な観点から、将来、積極的に開発すべき技術課題を検討し、研究開発テーマの絞り込みを行っ
た。具体的には、省エネルギー効果が大きい研究開発テーマとして、平成 9 年度から「飽和炭化水
素の選択酸化反応技術の開発」、平成 11 年度から「ノンハロゲン化学プロセス技術の開発」、リス
ク削減効果が大きい研究開発テーマとして、平成 12 年度から「多相系触媒反応プロセス技術の開
発」、平成 13 年度から「新固体酸触媒プロセス技術の開発」に関する研究開発を実施した。
本事業の開始当初は国際競争力向上、省エネルギーの観点が強く、途中から温暖化防止、後半
になって化学物質リスク削減の趣旨が加わった。また、基礎・基盤技術研究を目指したものから、
即効性、実用化が強調されるようになるなど、事業目的も変化していった。この考え方の変化を
反映して、研究項目はバルクケミカル中心からスペシャルティケミカル中心へと変化し、また、
各開発テーマにおいても、実施内容を中途であっても可能な限りシフトさせる等の努力を行った。
。
(2)平成 7 年度から 8 年度は、通商産業省から(社)日本化学工業協会(日化協)が補助金交付を受け、
次世代化学プロセスに関する研究開発を委託して実施した。平成 9 年度に、本事業の主管が工業技
術院ニューサンシャイン推進本部へ移行し、また、平成 9 年度下期からは、日化協に代わり NEDO
が補助金交付を受け、本事業の統括的管理を実施した。NEDO から本事業の各テーマ研究開発を委託
された日 化 協 と (財 )化 学 技 術 戦 略 推 進 機 構 は 、 民 間 企 業 と の 共 同 研 究 契 約 、 及 び 大 学 へ の
再委託を行って効果的・効率的な研究開発を推進した。
(3)平成 7 年度から実施されてきた 4 テーマのうち 3 テーマに関しては平成 12 年度の中間評価により、
実用化の点でやや問題があるものの優れた内容であるとの評価を受け終了した。中間評価の時点ま
でに実施した研究開発テーマは、基礎的、基盤的な研究開発テーマが中心であったが、中間評価以
後に実施された研究開発テーマでは、省エネ効果、リスク削減効果、導入・波及効果、実用化の即
効性の点が重視される様になったことから、基本計画等においてそれらのテーマに関する触媒性能、
プロセス等に関する数値目標を明確に記載することにした。
(4)研究開発のマネジメントに関しては、各委託先機関に PL、研究者、外部有識者、NEDO 等からなる
総合調査研究委員会を設置し、年 3∼4 回程度の進捗状況報告の中で研究開発の方向性、研究成果
に関する審議等を行い、研究開発の効率化を図った。なお、平成 15 年度は、予算の制約、技術開
発の進捗状況を鑑み、基盤研究的性格の強い一部テーマの大学等への再委託を中止し、企業による
実用化研究に注力した。
(5)平成 14 年 3 月、省庁再編に伴う経済産業省と NEDO の役割分担の見直し、プログラム/プロジェク
ト制度(「化学物質総合評価管理プログラム」及び「革新的温暖化対策技術プログラム」)の導入を受け
て、研究開発の目的、内容、目標を統一的に明記する等の改訂を行った。また、平成 15 年 3 月、
研究開発の進捗状況等を踏まえ、「研究開発の目的・目標・内容」、「研究開発の実施期間」及び「評価
に関する事項」の見直し、追加を行った。さらに、「新固体酸触媒プロセス技術の開発」に関しては、
国の予算削減措置(フォーカス 21 プロジェクトの実施)の影響により、1 年間短縮することになった。
73
作成時期 平成 9 年 4 月
変更時期
平成 11 年 3 月
平成 12 年 3 月
平成 13 年 3 月
平成 14 年 3 月
平成 15 年 3 月
平成 16 年 2 月
表9
研究開発に関する変更事項一覧
通商産業省工業技術院によってプロジェクト基本計画を策定。
「ノンハロゲン化学プロセス技術開発」の追加により「研究開発の内
容」を改訂。
「多相系触媒反応プロセス技術の開発」の追加により「研究開発の内
容」を改訂。
「新固体酸触媒プロセス技術の開発」の追加により「研究開発の内容」
を改訂。
省庁再編に伴う経済産業省と NEDO の役割分担の見直し、プログラ
ム/プロジェクト制度の導入を受けて、「革新的温暖化対策技術プログ
ラム」、化学物質総合管理プログラム」において研究開発の目的、内
容、目標を統一的に明記する等の改訂。
研究開発の進捗状況等を踏まえ、「研究開発の目的・目標・内容」、「研
究開発の実施期間」及び「評価に関する事項」の見直しにより改訂。革
新的温暖化対策プログラムは廃止。
「革新的温暖化対策技術プログラム」、及び「エネルギー環境二酸化
炭素固定化・有効利用プログラム」は、「地球温暖化防止新技術プログ
ラム」に統合することとし、廃止。
4. 中間評価結果への対応
本事業は、平成7年度に「次世代化学プロセス技術開発」としてスタートした(図8)。
年度
研究項目
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
① 高選択性新規化学プロセス技術開発
(a) ナフサ接触分解技術の開発
(b) 飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発
② 分離・合成連続化プロセス技術開発
(a)
(b)
(c)
(d)
中
固相反応場利用プロセス技術開発
新反応機構利用プロセス技術開発
多相系触媒反応プロセス技術の開発
新固体酸触媒プロセス技術の開発
事
間
後
評
評
価
価
③ ノンハロゲン化学プロセス技術開発
(a) イソシアネートの新合成法開発
(b) エボキサイドの新合成法開発
(c) フェノールの新合成法開発
④ 次世代化学プロセスに関する調査
注 : 平成7~8年度テーマは通産省直轄による委託事業。その後、平成9年度からニューサンシャイン計画の一環としてNEDOへ移管
されたものである。
図 8 「次世代化学プロセス技術開発」プロジェクトの研究開発スケジュール
74
当初は、高選択性新規化学プロセス技術開発として「ナフサ接触分解技術の開発」、「飽和炭化水素
の選択酸化反応技術の開発」、分離・合成連続化プロセス技術開発として、「固相反応場利用プロセス
技術開発」、「新反応機構利用プロセス技術開発」に関する研究開発テーマが実施され、平成11年10月、
平成12年2月に中間評価が実施された。中間評価以降、「飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発」、
「ノンハロゲン化学プロセス技術開発」は継続的に研究開発が実施されたが、新たに「次世代化学プロ
セス技術開発に関する調査研究調査研究(新エネルギー・産業技術総合開発機構)」における専門家委員
会で、新たな研究開発テーマとして「多相系触媒反応プロセス技術開発」、「新固体酸触媒プロセス技
術開発」が検討され、平成12年度から、順次、新たに研究開発テーマとしてスタートした。中間評価
では「飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発」に関する研究概要だけが紹介されたため、今回の事後
評価において、平成12年度以降に実施した3テーマと合わせて評価を受けることとした。中間評価に
おいては、下記のようなコメントが有ったため、平成12年度以降の研究開発テーマに関しては、以下
の対応によって研究開発のマネジメントの効率化を図った。
評価委員の主なコメント:
平成 11 年 10 月 6 日、平成 12 年 2 月 18 日に通商産業省工業技術院総務部技術評価課によって実施
された本事業に係わる中間評価における評価委員のコメントの概要を、以下に記載する。全般的に優
れた評価であったが、一部に、修正、配慮すべき、とのコメントが有ったため、平成 12 年度以降は、
基本開発計画を一部変更して、研究開発を実施した。
① 総合評価
化学産業の関連テーマでは、現在のガイドラインを越えてもう少し科学的な研究の上流まで遡ら
なければ、本当の意味での革新的な技術開発は困難なケースも多く、本プロジェクトの発展的な運
用が良い結果を生む契機になると期待している。産業競争力や環境保全等、多くの視点から、化学
プロセスの革新が求められており、本プロジェクトがその一翼を担うことは十分可能だと考えられ
る。開発課題のハードルが高いために、すぐに商用化に結びつく成果を上げることは簡単ではない
が、多くの研究者に研究開発の方向性を提示することは意義深く、十分意味のある課題である。し
かし、技術導入時代のコンセプトからの脱却といった制約のため、挑戦的な計画になって居らず、
本プロジェクトも他のプロジェクトと同様、落第点に当たるものではないが、真に革新的な結果も
出にくいと言うジレンマを抱えている。
→
本事業では、実用化プロセスに資する基盤技術を早期に確立することを目指したため、当該分
野に優れた研究開発能力、ノウハウを有する民間企業と革新的な研究開発を行っている国内の
大学研究者等との有機的連携により、挑戦的な研究開発テーマに取り組み、革新的な成果が出
る研究体制で研究開発を実施した。コメントにあるようなジレンマを打破するような研究成果
が出るよう努力した結果、実用化、商用化に結びつくような多くの触媒反応系が見出された。
② 目的・意義
プログラム方式の特徴が充分生かされておらず、プロジェクト全体としては定常的な流れを維
持するために、テーマを毎年入れ替えるなどもっと流動性を増す工夫も必要である。
→
中間評価以後は、プロジェックト開始時とは異なり、専門家からなる調査委員会で充分な見通
しを得る技術調査と市場調査を行った上で、FS を実施して、平成 12 年度から、研究成果が早
期に出そうな研究開発デーマから順次プロジェクト化し、効率的な研究開発となるよう運営を
図った。
③ 国の関与の必要性
国が関与するのであれば、萌芽的な部分にもっと大学の流動的な参加を強め、この種のプログ
ラム方式研究を通じて、大学と産業界の連携を強化拡大するよう図るべきである。
75
→
当該分野における有力な大学研究者の参加を積極的に進め、実用化研究の実現に対する加速化
を実現した。実際、企業との有機的連携を図るため、22 企業に対して、27 の大学等の参加が
あった。但し、実用化の加速、予算の制約を考慮して、大学の参加には柔軟性を持たせ、開発
目標のレベルに達したところで、企業による実用化研究に切り替えることでメリハリを付けて、
成果獲得主義でプロジェクトマネジメントを実施した。
④ 計画内容
基礎研究という性格上、将来の研究開発スケジュールを明示することが難しいという側面を有
しているが、各テーマの共通して重要な点は、今後、実用化に向けた研究開発内容をより明らか
にしていくことである。
→
研究開発当初においては基礎研究が重視されていたため、開発目標は漠然としていたが、時代
の変化と共に実用化の実現が強く求められるようになってきたことから、プロジェクト基本計
画において開発目標は具体的な数値目標を掲げて、内外に対して実用化を目指したプロセス開
発であることを明確に提示して推進した。
⑤ 実用化との関係
研究開発を通じて新しいテーマが新たに浮上した場合は「プログラム方式」の特徴を生かして柔
軟に対応していき、実用化への基盤技術を確立することが大切である。一方、商用化については、
基本的に民間に任せるべきである。
→
中間評価以後は、「プログラム方式」を活用して、実用化に資する基盤技術を確立することを意
識して基本計画を改訂して、研究開発を実施してきた。一部、実用化の見通しが出てきた研究
成果については、NEDO の他の制度、あるいは各企業の自社研究に切り替えて商用化に関する検
討を開発事業者に任せた研究開発テーマがある。
5. 評価に関する事項
① 中間評価の実施時期: (第 1 回)平成 11 年 10 月 6 日(水)14:00∼16:30
通商産業省 別館 5 階 506 号会議室
(第 2 回)平成 12 年 2 月 18 日(金) 14:00∼17:30
通商産業省 第 14 共用会議室(別館 10 階 T05 室)
② 評価手法:評価委員会においては、研究開発実施者からのヒアリングとそれを踏まえた評価委員
による評価コメントを作成、及び実施者側との議論等により評価作業を進めた。なお、
評価の透明性確保の観点から、知的財産権保護の上で支障が生じると認められる場合
等を除き、原則として、評価委員会は公開とし、研究開発実施者と意見を交換する形
で審議を行うこととした。また、評価結果も公開することとした。
③ 評価事務局:通商産業省工業技術院総務部技術評価課
④ 評価項目・基準:評価委員会においては、次に掲げる「研究開発プロジェクトに係る基本的な評価
項目、評価基準」(平成 10 年 1 月 29 日:産業技術審議会評価部会)に準じ、大き
くプロジェクト全体及び研究開発項目別に分けて評価を行った。プロジェクト
全体に係わる評価に関しては、主たるプロジェクトの設計・運営に関するものと
して、目的・意義、計画の内容の明確性や妥当性について、成果に関するものと
して、その意義や実用化への見通しについて、それぞれ評価した。また、各研
76
究開発項目に係る評価において、主にその技術的成果の達成度等について評価
した。
⑤ 評価委員リスト:(表 10)
表 10 平成 12 年度「次世代化学プロセス技術開発」 中間評価委員リスト
氏
名
所 属・役 職
委員長
委 員
諸岡
飯沼
高田
新山
野村
柳田
山田
良彦
光夫
憲一
浩雄
正勝
祥三
宗慶
東京工業大学
千葉商科大学 商経学部
日経 BP 日経エコロジー編集部
東京工業大学 理工学国際交流センター
大阪大学工学系研究科 分子化学専攻
大阪大学工学系研究科物質・生命工学専攻
東北大学工学系研究科 応用化学専攻
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名誉教授
教授
編集委員
教授
教授
教授
教授
Ⅲ.研究開発成果について
1.事業全体の成果
1.事業全体の成果
本事業では、既に世界最高水準にある製造コストとエネルギー原単価を有する既存化学プロセスに
対して、より高い省エネルギー効果やリスク削減効果を実現する新しい化学プロセスの開発といった
チャレンジングな研究開発を実施した。そのため、新規プロセスに転換させるために必要な高性能触
媒を短期間に開発し、実用に供し得る技術レベルの開発目標が設定された。研究開発テーマの中には
実用化プロセスに資する技術として目覚ましい成果が出た研究開発も多く、数多くの特許が出願され
た。具体的には上市を行う段階にある技術、他社へのライセンスを行う段階にある技術、欧米諸国等
へ特許出願している技術、自社開発により継続的に研究開発を行っている技術等がほとんどであり、
研究開発テーマの中には、既に商品化が決定された成果もあり、3 年程度で市場導入、5∼10 年程度
で、経済状況、及びマーケット状況によっては商用化プロセスとして発展すると予想される研究成果
も少なくない。一方、大学等による基盤技術開発では、既存プロセスに比べて大きな省エネルギー効
果やリスク削減効果を実現させる革新的な技術が数多く開発され、実用化プロセスに寄与し産業競争
力強化に役立つばかりでなく、学術的な観点でも優れた多くの知見やデータが得られた。数百報に及
び学術論文や海外シンポジウム等での報告がなされ、今後の周辺技術開発に対しても極めて大きな貢
献をすることができた。
[1]飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発
現在の石油化学はナフサを熱分解して得られる不飽和炭化水素を主たる原料としているが、ナフサ
分解はエネルギー消費型のプロセスであり、また、経済的にも確立されたプロセスであるため、石油
化学技術のグローバル化にともない今後は日本が開発途上国に対して優位性を保つことは非常に困難
と考えられる状況になっている。そこで、低コスト、省エネルギーで製造できる飽和炭化水素から付
加価値の高い中間製品を高収率で直接合成する触媒プロセスを 300∼450℃の低温域で高い収率を示す
新規な選択的部分酸化触媒を開発した。さらに、実用化に資するプロセスに供される新規触媒による
新規合成プロセスの概念設計も行った。具体的に本事業では、資源の有効利用や大幅な省エネルギー
が期待できるアクリル酸(接着剤等の原料)、メタクリル酸(レンズ、光ファイバー等の原料)、無水マ
レイン酸(熱硬化性樹脂、医薬/農薬等の原料)に関する新規プロセスの開発を行い、各テーマとも目標
値を達成した。なお、開発テーマにおける個別要素が強いため、企業の幅広い人材と設備を活用でき
る「分室方式」を取り、また、次世代化学プロセス技術開発推進委員会の他、触媒反応技術の各分科会、
ワーキンググループを設置して定期的に研究討議し、効率的なプロジェクトマネジメントを実施した
(研究期間:平成 9 年度∼平成 13 年度)。
(イ)プロパン選択酸化によるアクリル酸の新規合成法開発(出光興産):
プロパンからアクリル酸への 400℃程度の低温反応領域における一段酸化反応触媒として、テルロ
モリブデン酸/モリブデン酸ニッケルのハイブリッド触媒を開発した。テルロモリブデン酸は平面構造
をとる Anderson 型ヘテロポリ酸であり、これをアンモニウム塩の含浸によりモリブデン酸ニッケルに
担持した。9%TeHPA/Ni0.92MoOx 触媒を用いて反応を行ったところ、アクリル酸収率は最大で 22%が得
られ、開発目標(目標値 10%以上)を達成した。また、9%TeHPA/Ni0.38MoOx 触媒によるアリル酸化(アク
リル酸及びアクロレインへの転化率)の選択率は最大で 87%が得られ、プロパンの高選択的酸化を実現
した。さらに、新規触媒によるプロセスの経済性評価を行ったところ、未反応原料を反応プロセスの
燃料として利用することにより、現行のプロピレン法と同程度のエネルギー原単位になることが明ら
かになった。
(ロ)イソブタン選択酸化によるメタクリル酸の新規一段合成法開発(三菱レイヨン、住友化学):
イソブタン選択酸化に対して、ヘテロポリ酸系触媒改良による検討を試みたが、大幅な収率向上は
困難であることが明らかになった。また、反応速度解析の結果、イソブタンの脱水素反応が律速であ
ることが明らかになった。そこで、イソブタン活性化触媒として MoV 複合酸化物、メタクリル酸選択
性の高い触媒としてヘテロポリ酸セシウム塩を複合化したハイブリッド型触媒を開発した。このハイ
78
ブリッド型触媒によりイソブタン高濃度反応条件下においてメタクリル酸収率 10.3%が得られ、開発
目標(目標値 10%以上)を達成した。一方、反応機構解析からは、未反応イソブタンの存在がメタクリ
ル酸の逐次酸化を抑制していること、反応圧力を高くすることで単位触媒あたりの生産性が現行法レ
ベルに向上できること等が明らかになった。そこで、高圧下、未反応イソブタンのリサイクルを組み
入れたプロセスによる経済性評価を行ったところ、エネルギー消費量では現状触媒性能レベルでも現
行イソブチレン法と対抗できるレベルであることが明らかになった。
(ハ)n-ブタン選択酸化による無水マレイン酸の新規合成法開発(東燃化学):
層状化合物 VOPO4・2H2O のアルコール中での層剥離を利用した、層剥離型(VO)2P2O7 触媒は、高ブタン
濃度(5% n-ブタン)条件下において高活性、高選択的に無水マレイン酸を生成し、最大収率 55%を与え
た(従来法 49%)。また、層剥離型(VO)2P2O7 触媒とリン化合物添加法を複合化したリン化合物添加−層
剥離型(VO)2P2O7 触媒により、無水マレイン酸収率 60%が得られ、開発目標(目標値 50%以上)を達成し
た。原料 n-ブタン濃度の高濃度化(4%→5%)と合わせて、無水マレイン酸収量を現行プロセスに対して
1.7 倍に向上させることができた。さらに、リン化合物添加−層剥離型(VO)2P2O7 触媒のワンパス収率
をもとに省エネ評価と経済性評価を行ったところ、現行プロセスに対して CO2 発生量を最大 47%削減可
能であり、また経済性においても現行プロセスに比べて優位になることが明らかになった。
[2]ノンハロゲン化学プロセス技術開発
化学品製造プロセスでは塩素誘導体を中間体とする有機合成プロセスが多数存在する。これらのプ
ロセスの多くが比較的穏和な条件で進行するものの、塩素自体はエネルギーを多く消費する食塩電解
によって製造されるため、全体としてエネルギー多消費プロセスとなっている。また、塩素を含む廃
酸等が大量に併産されるため、後処理工程での負荷、リスクなどが大きな環境問題となっている。こ
のため、塩素のようなハロゲン類を副原料として合成される化学品の中で、それ自体にハロゲンを含
まない化学品を、ハロゲン類を使用せずに製造できる新規化学プロセス技術の開発が求められている。
本事業では、比較的生産量が大きく、省エネルギー効果が期待できるホスゲンを用いないイソシア
ネート(塗料、接着剤等の原料)の合成、クロロヒドリンを経由しない酸化プロピレン等のエポキサイ
ド(塗料、接着剤、建築材料等の原料)の合成、併産物を伴わないフェノール(樹脂等の原料)の合成を
可能とする新規プロセスの技術開発を行い、各テーマ共、目標値を達成した。なお、各々の開発テー
マは個別要素が強いため、企業の幅広い人材と設備を活用できる「分室方式」を取って研究開発を進め、
また、総合調査研究委員会と上記 3 テーマの他、触媒反応技術の各分科会を設置して定期的に研究討
議し、効率的なプロジェクトマネジメントを実施した(研究期間:平成 11 年度∼平成 14 年度)。
(イ)ホスゲン法によるイソシアネートの新規合成法開発(三井化学、三井武田ケミカル):
ホスゲン代替物質として、ハロゲンを含まず安全性の高い化合物であるジアルキルカーボネート
(DAC)を使用したトリレンジイソシアネート(TDI)新合成法を開発した。DAC を使用する TDI 合成法は、
カルバメート化反応工程とそれに続く熱分解反応工程によって製造される。カルバメート化反応工程
では重合、分解等の副反応を抑制し、高選択率でトルエンジアミン(TDA)をジカルバメートに転化でき
る触媒を開発し、TDA 基準ジカルバメート収率 98%を達成した。また、ジエチルカーボネートを使用す
ることで、DAC の使用量を大幅に低減できることを見出した。さらに熱分解反応工程では反応蒸留プ
ロセスにより、生成物である TDI とアルコールを反応系から分離しながら熱分解反応を行うことで、
TDI の熱重合(副反応)を抑制し、カルバメートの分解反応を生成系に進行させる反応プロセスを開発
した。これらの結果、TDA 基準の TDI 総括収率 92%が得られ、開発目標を達成した。
一方、非ホスゲン法による脂肪族ジイソシアネートの新規合成法としてヘキサメチレンジメチルカル
バメートのジメチルカルバメート熱分解法を取り上げた。ジアミンのカルバメート化反応においては、
酢酸 Y、Yb 等の触媒によりカルバメート化収率 97%を達成した。さらに、無触媒で温和な条件下、ク
ルードのメチルフェニルカルバメートによりカルバメート化収率 99%以上を達成した。また、ジカル
バメートの熱分解反応ではセミバッチ式反応蒸留プロセスにより、Sn 触媒及びシリケート複合触媒
を用いてワンパス HDI 収率 91%、リサイクルした場合 HDI 収率 98%を得て、開発目標を達成した。新
規触媒による実用化プロセスに対する概念設計を行ったところ、既存プロセスよりも低コスト化、及
79
びプロセスの簡素化ができることが明らかになった。
(ロ)クロロヒドリンを経由しない酸化プロピレン等のエポキシドサイドの新規合成法開発(住友化学、
日本油脂):
プロピレンオキサイドの合成では、過酸化水素によるプロピレンエポキシ化反応において、従来
のTS-1触媒の性能を大きく上回る、3倍の活性と99%のプロピレンオキサイド選択率を併せ持つTiMWW触媒を見出し、ワンパス反応収率43%を得て、開発目標を達成した。さらに、Ti-MWW触媒では、
従来TS-1触媒で用いられていたメタノールよりもプロピレンオキサイドとの分離性の優れるアセト
ニトリルを溶媒として用いることができるため、精製分離プロセスを簡略化できることが明らかと
なった。この触媒系は焼成により触媒の100%再生が可能であり、工業的に使用可能であることを確
認した。さらに、簡易な経済性評価を行ったところ、現行のクロロヒドリン法よりも製品1kg当り約
10円の低コスト化が計れることが明らかになった。
一方、有機系酸化剤(TBHP)による低反応性オレフィンのエポキシ化では、1-ブテンのエポキシ化
に関しては、MoO2(acac)2触媒に助触媒としてホウ酸エステル触媒を添加することにより、選択率81%、
反応収率77%が得られ、開発目標を達成した。また、実用化プロセスの検討では、連続蒸留で80%以
上の製品回収率が得られれば、既存プロセスと同程度のコスト競争力があることが明らかになった。
(ハ)併産物を伴わないフェノールの新規合成法開発(東ソー):
ベンゼン及び酢酸を分子状酸素で酸化して酢酸フェニルを合成する酸化アセトキシル化工程、及び
この酢酸フェニルに水を反応させフェノールを合成する加水分解工程の 2 工程で構成される酸化アセ
トキシル化によるフェノール合成法の開発を行った。酸化アセトキシル化における Pd 合金触媒では、
高性能な Pd-Te 合金触媒開発及び合金を安定化し寿命を確保するジルコニア担体を見出し、高収率
(10.2%)で酢酸フェニルを得る Pd-Te/ジルコニア系触媒を開発した。また、加水分解反応では、イオ
ン交換樹脂を用いることで定量的に反応が進行することを見出し、フェノール収率 10%が得られ、開
発目標を達成した。さらに、実用化プロセスとして反応器周辺のプロセス改善や酸化アセトキシル化
触媒の寿命試験による触媒の耐久性を検討したところ、8000 時間以上の寿命を得て実用化触媒プロセ
スに十分使用可能な高性能触媒であることが明らかになった。
[3] 多相系触媒反応プロセス技術の開発
液相均一系触媒を用いる有機合成では、触媒の回収や廃液処理のために多段階工程を必要とし、資
源・エネルギーの消費や環境負荷が大きくなる場合が多い。このため、プロセス技術の改良が遅れてい
るスペシャリティケミカルズの製造において、触媒相の循環使用が可能な多相系触媒反応プロセスの
開発を行い、プロセスの大幅な簡略化を実現する必要がある。具体的に本事業では、2 相または 3 相
の反応場を形成できる水溶性錯体、弗素系ルイス酸錯体、相間移動錯体等の触媒により、置換反応、
付加反応、酸化反応、還元反応等に属する有用なモデル反応(エーテル、エステル、アミン、ニトリル、
エポキサイド等)を取り上げ、触媒相を反応工程に循環できる簡素化プロセスに関する研究開発を行い、
各テーマ共、目標値を達成した。なお、開発テーマにおける個別要素が強いため、企業の幅広い人材
と設備を活用できる「分室方式」を取り、また、総合調査研究委員会を設置して定期的に研究討議し、
効率的なプロジェクトマネジメントを実施した(研究期間:平成 12 年度∼平成 15 年度)。
(イ)水溶性金属錯体触媒によるエーテル、ケトン、ニトリル類の新規合成法開発(高砂香料):
水溶媒中での不斉水素化反応に対して、水溶性配位子を有するルテニウム錯体を検討したところ、
スルホン化 BINAP 配位子が選択的に収率良く製造できることが明らかとなった。この触媒によりα,
β-不飽和カルボン酸であるチグリン酸の不斉水素化反応では触媒相リサイクル 10 回を達成し、既存
の均一系触媒反応に比べ高い不斉収率(93% ee)と高い反応活性(TON : 85,000)が得られた。また、ス
ルホン化 H8-BINAP ではスルホン基が複数置換された混合物として得られたが、高い不斉収率(95% ee)
を示し、この技術が医薬品など高い光学純度が要求される場合に応用できることを見出した。さらに、
水溶性ジアミン配位子の開発も行い、ルテニウム錯体を用いたケトン類、イミン類の不斉水素移動型
還元反応などの検討によって、様々なフレーバー、フレグランス合成に展開できることを明らかにし
80
た。
(ロ)水溶性金属錯体触媒を用いた不飽和アミン類・ニトリル類の新規合成法開発(広栄化学):
水溶性 Ir 錯体による不飽和イミンからの選択水素化による不飽和 2 級アミン合成では、有機相/水
相 2 相系で、触媒相 10 回リサイクルで収率 70%を達成した。従来高価なハイドライドを用いて行って
いる合成を、安価な水素に転換できることを明らかにした。また、効率的な触媒リサイクルを確立す
るため、有機相/イオン性流体 2 相系で水溶性 Ru 錯体によるオキシムからのニトリル合成について検
討したところ、触媒相 20 回リサイクル、収率 55%が得られ、十分実用に堪えるプロセスであることを
確認した。これらの反応は従来通常は等モル以上の強酸を必要とする反応であり、それを極微量の中
性触媒(TON:4,800)で合成できることから排水量を既存プロセスの数十分の 1 にできることが明らか
になった。
(ハ)ジエン・オレフィンへの付加反応によるアルデヒド・エーテル類の新規合成法開発(日本ゼオン):
ミルセンへの水の酸化的付加反応によるシトラール合成では、均一系反応条件下、副反応(原料中
の二重結合の異性化、原料同士の Diels-Alder 反応や重合等)が抑制できず、その触媒反応化は極め
て困難であった。また、均一系反応条件下では生成物が不安定であるが、本研究で多相系では安定に
存在する事が明らかとなったため、多相系反応系について検討した。しかしながら、触媒化には至ら
なかった。一方、液相錯体触媒によるシクロオレフィンとアルコールからシクロペンチルメチルエー
テル(CPME)を多相系反応系によって合成することを検討した。この結果、生成物が均一系反応条件下
で不安定な為、開発目標(目的物選択性>95%)が達成できないことを突き止めた。この結果に基づき、
同物質の固体触媒による気固反応での合成に目標を切り替えて検討したところ、極めて高い選択性
(>95%)を示すことを見出し、実用化プロセスとして有望であることが明らかにできた。CPME が、テ
トラヒドロフランやジオキサンの代替溶剤として有望な性質を有することも明らかにできたことから、
開発を自社開発に切り替え、ベンチスケールによる商用化プロセスに必要なデータ取得と上市に必要
な国内外市場調査、及び特許出願を行った。
(ニ)相間移動触媒によるエポキサイドの新規合成法開発(日産化学):
脂環式オレフィンであるヒドロジシクロペンタジエンの過酸化水素酸化によるエポキシド合成にお
いて、錯体触媒の効率的なリサイクルを確立するため、3相系の触媒プロセスを種々検討した。タン
グストリン酸セチルピリジニウムをポリイミドに担持した相間移動触媒による3相系触媒反応プロセ
スにより、触媒相リサイクル12回、収率95%以上を得て、開発目標を達成した。さらに、20㍑ベンチ
スケールによる合成も成功し、実用化プロセスとしての可能性を確認し、特許出願を行った。さらに、
本反応プロセスの汎用性を確認するため、鎖状オレフィン、不飽和エステル、芳香族置換環状オレ
フィンなどについて検討したところ、触媒リサイクルは基質を変えても可能、大幅な溶媒削減が可能、
油状オレフィンでは溶媒ゼロ、E-factor3∼4が可能になることなどが明らかになり、実用性、汎用性
が確認できたことから、特許出願した。
(ホ)フッ素系ルイス酸触媒によるエステル・ラクトンの新規合成法開発(旭化成・野口研究所):
パーフルオロアルカンスルホニルアミド等のフッ素化アニオン性分子を配位した金属錯体は、フッ
素系溶媒に溶けてフルオラス相を形成すると共に高活性ルイス酸触媒となることを見出した。有機相/
フルオラス相 2 相系により、カルボン酸とアルコールからのエステル化反応、アルコールと酸無水物
からのアシル化反応、エステルとアルコールからのエステル交換反応において高収率(>85%)、高選択
率(>95%)を得た。また、環状ケトンの過酸化水素水酸化によるラクトン合成は、高収率(93%)、高選択
率(99%)を示し、均一系反応より優れてことが明らかにした。さらに、アルコールと酸無水物からのア
シル化反応に対して流通式連続反応により触媒相リサイクル 100 回相当、アダマンタノン等の過酸化
水素水酸化によるラクトン合成では触媒相リサイクル 25 回相当を達成した。これらの結果に対し、実
用化プロセスとしての可能性を検討するため、触媒ロスが発生することを想定して、ベンチスケール
プラントによるプロセスデータを取得するとともに、商用化プロセスに関する試設計、経済性評価を
行った結果、触媒コストは高いものの、ロス触媒の工業的回収法が確立されれば商用化プロセスとし
81
て十分、実用化が可能なことが明らかになった。
[4] 新固体酸触媒プロセス技術の開発
硫酸や塩化アルミニウムに代表される均一系強酸性触媒は高い触媒活性を示すことから、広範囲な
分野で利用されているが、生成物と触媒の分離、触媒の再生、等の多段階工程に加え、廃酸処理工程
でのエネルギー消費、副生物・廃棄物の排出といった資源、エネルギー問題を抱えている。このため、
均一系強酸触媒の固相化による新規固体酸触媒を開発し、従来のような強酸を用いることのない新規
酸触媒プロセスの実用化を目指した研究を行った。具体的に本事業では、反応場の活性点を三次元的
にナノオーダーレベルで設計できるメソポーラス材料、層状粘土化合物、有機無機ハイブリッド材料
等を担体として、活性種金属を担持させた新規固体酸触媒を開発するとともに、これらの触媒による
双環性芳香族化合物類(2,6-ジメチルナフタレン:PEN 原料、インダノン、テトラノン:医農薬中間
体)、アルデヒドからのヒドロキシカルボン酸(溶媒、食品・飼料添加物等)、トルエンからのベンジル
アルコール(溶剤等)の合成、オレフィンのオリゴメリゼーション(混合ブテン類からの溶剤、滑油基
油)に関する簡略化による実用化プロセスの開発を行い、1 テーマを除き、目標値を達成した。なお、
研究開発は、「集中研」(東工大)と「分室方式」(企業)を併用して推進し、また、総合調査研究委員会と
研究開発推進会議を設置して研究討議し、効率的なプロジェクトマネジメントを実施した(研究期間:
国の予算削減措置により 1 年間短縮し、平成 13 年度∼平成 15 年度)。
イ) 複合酸化物触媒等による双環性芳香族化合物類の新規合成法開発(昭和電工、産業技術総合研究
所):
シリカ担持ヘテロポリ酸触媒を開発し、p-キシレンとγ-ブチロラクトンを原料としたジメチルテ
トラロンの一段合成反応では収率 90%が得られ、開発目標を大幅に上回って達成した。また、実用化
プロセスの検討では、従来法で使用している塩化アルミニウムや亜鉛等が不要になるばかりでなく、
原料費のコストも従来法に比べて半分以下に低減できることが明らかになった。さらに、本触媒反応
のメカニズムを検証し、他の基質を用いたテトラロン類合成にも応用できることが明らかになった。
一方、ヒドロ桂皮酸の脱水環化反応によるインダノン合成では、Tb(OTf)3 ルイス酸により初めて触媒
的に脱水環化に成功し、5mol%の触媒量で収率 95%が得られ、開発目標を達成した。また、低反応性
基質を含め種々の置換基を有する基質に適用できること、及び水抽出により均一系触媒でも 90%以上
が回収、再生できることを明らかにした。
ロ)ポリマー担持錯体触媒によるヒドロキシカルボン酸の新規合成法開発(日本曹達):
新規ヒドロキシカルボン酸合成として、酢酸ビニルからのアセチル乳酸メチル合成についてメタン
スルホン酸-Pd-リン配位子触媒(均一系)や各種ポリマー担持錯体触媒により検討したところ、均一触
媒では、アセチル乳酸メチルに対し収率 44%が得られた。そこで、水酸基均一分散ポリマーにイオン
交換法で Pd 金属種とリン配位子を担持した新規な高分子スルホン酸担持 Pd 錯体触媒によりアセチル
乳酸メチル合成を行ったところ、収率 83%、選択率 75%となり、繰り返し反応で TON:16,600 が得られ、
開発目標を達成した。さらに、経済性評価を行ったところ、乳酸メチルへのカルボニル化反応による
アセチル乳酸メチル合成では副生する酢酸をエチレンと反応させ酢酸ビニルに戻して再利用すること
で、原材料費の大幅削減が可能であることを明らかにした。本研究で開発した固体酸触媒は、表面に
水酸基が導入された樹脂に高分子スルホン酸を担持させたユニークなもので、固体酸触媒の概念を拡
張する、学術的にも注目される成果が得られた。
ハ)メソポーラス酸化触媒によるベンジルアルコールの新規合成法開発(丸善石油化学):
分子状酸素を使ったトルエンの液相酸化反応によるベンジルアルコールの合成では、各種担体、担
持金属の活性試験の結果、Mn を担持させたメソポーラスシリカである MCM-41 が最も高い活性を示し、
Mn 担持量 4.9wt%でトルエン転化率 4.8%, ベンジルアルコール選択率 30%が得られた。また、反応機構
解析から、Mn-MCM-41 はベンジルアルコール、ベンズアルデヒドの逐次酸化を抑制していること、Mn
担持量の検討から、触媒上の弱酸点と反応のベンジルアルコールへの選択率との間に相関関係がある
82
こと、Mn と水との相互作用が反応開始に影響を与えること、及びブレンステッド酸によって反応時間
が短縮されること等を明らかにした。さらに、経済性評価により、反応収率が低いために初期投資額
は約 1.8 倍となり、用役費は増加するが、原料費が削減でき、用役費を含めた変動費は従来法(塩化ベ
ンジル法)と同程度となることを明らかにした。
ニ)複合酸化物系触媒によるオレフィンの新規オリゴメリゼーションプロセス開発(出光興産):
固体酸触媒により、混合ブテン類(スペント BB 留分)のオリゴマー化を検討したところ、シリカ担
持ヘテロポリ酸系触媒(40%H4SiW12O40/SiO2)でイソブテン転化率 99%、3∼4 量体選択率 71%が得られ、
セシウム部分中和塩(Cs2.5H0.5PW12O40)では選択率 74%、ジルコニア担持金属酸化物系(WO/ZrO2 等)では
最高 78%の選択率が得られた。また、原料をイソブテン、1-ブテン、ジイソブチレンに変えた検討か
ら、ジルコニア担持金属酸化物系やメソポーラスシリカ MCM-41 系では、酸点当たりの活性が非常に高
いこと、原料ブテンや生成オリゴマーの異性化を抑制できること等、特異な反応特性を見出した。さ
らに、触媒リサイクルに関する検討を行ったところ、触媒の安定性は良好であったが、劣化は緩やか
に進行していることから、実用化にあたり、触媒再生法や劣化抑制法の検討が必要であることを明ら
かにした。一方、実用化プロセスとしての経済性評価を行ったところ、塩化アルミニウム等の均一系
酸触媒を用いた従来プロセスと比較して用役費、設備費等で 10∼20%削減でき、触媒や副生物の廃棄
物量を大幅に低減できる等、経済メリットが大きいことが明らかになった。
2. 研究開発項目毎の成果
本事業では、参画した 50 研究体(企業、大学、国立研究機関)は産学官の連携(一部、集中研究体)
を取りながら、国内外に特許出願、論文、発表等を精力的に行い、当該研究機関ばかりでなく、多方
面の研究者、研究機関に対して貴重な研究情報及びデータ等を公表し、実用化プロセス技術及び基盤
技術の波及に積極的に努めた。本事業の研究開発成果は、国内の学会(日本化学会、石油学会、触媒学
会等)、国際ワ−クショップ(均一系・不均一系触媒国際シンポジウム)、技術情報誌(NEDO フォーカス、
日化協月報)、マスコミ(新聞等)等を通じて学会や産業界に公表している。また、毎年開催される「次
世代化学プロセス技術開発シンポジウム」を通じて研究成果を一般に公開した。他の個別開発テーマの
成果についても、特許出願(国内、海外)を済ませた段階で積極的に学会発表等を通して公表するよう
にした。具体的な研究開発テーマ毎の成果を下記に記載する(本項は非公開版のみ、以下に記載)。
また、別紙に研究開発テーマ毎の特許、論文等を年度毎の件数、リストを記載する。
Ⅳ.実用化、事業化の見通しについて
本事業では、世界最高水準にある製造コストとエネルギー原単位を有する既存化学プロセスに対し
て、より高い省エネルギー効果やリスク削減効果を実現する革新的な化学プロセスの開発といった
チャレンジングな研究開発テーマを実施してきた。そのため、新規プロセスに転換させるために必要
な高性能触媒を短期間に実用化レベルにまで開発されることが求められた。参画した約 50 の研究体
(企業、大学、国立研究機関)は産学官の連携(一部、集中研究体)を取りながら、国内外に特許出願、
論文、発表等を精力的に行い、当該研究機関ばかりでなく、多方面の研究者、研究機関に対して貴重
な研究情報及びデータ等を公表し、実用化プロセス技術及び基盤技術の波及・普及に積極的に努めた。
平成 12 年度の中間評価までは、基礎、基盤技術の確立を目ざした研究開発が進められたため、触媒探
索的な研究が中心となっており、新しい分析手法、材料開発、触媒設計などの共通基盤技術の発展に
大きく寄与し、学会、化学業界等に対して多大な影響を与えることとなった。一方、中間評価以後に
おいては、実用化研究に重点が置かれるようになったため、研究開発の視点が新規な触媒開発だけで
なく実用化プラント開発に至るまでの広範な領域で実施することになった。そのため、個々の研究開
発テーマがいずれも最終的に実用化、工業化を目指して開発目標を設定しており、従来技術では極め
て困難であった研究開発目標を達成したにもかかわらず、マーケットの状況に影響され、原材料や周
辺装置の高騰や製品の価格低下等により、現時点では実用化が難しくなってしまったケースも散見さ
れる。
既存の化学プロセスを新規プロセスに転換させるためには、本事業において基盤技術や実用化技術
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が確立された後も、開発事業者により継続的に、触媒寿命の確認、スケールアップファクターの抽出、
原料調達、触媒の工業的規模での調製方法の確立、装置材料の選定、製品品質の確認等を含めたパイ
ロットプラントによる実証試験(生産量:数∼200 ㌧/日程度)が行われることが必要であり、企業によ
るさらなる自主的開発の継続が望まれる。
<飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発>
1. 実用化の見通しについて:
本研究開発テーマで取り組んだ選択酸化反応のうち、最も実用化に近づいたのは n-ブタンの選択酸
化による無水マレイン酸の合成である。新規開発された触媒を既存プラントに適用した場合の CO2 削
減効果及び経済性評価において、生産量を現行プロセスと同等の 100 k ㌧/年とした場合、CO2 の生成
量を現行の半分まで削減できる。一方、マレイン酸を既存レベルで最大生産(170 k ㌧/年 CO2)した場
合、12,600 M¥/年の経済効果が期待できる。本反応は既に工業化されているため反応装置や周辺装置
などは現行のプラントのままでよく、新たな触媒を適用するため上述の効果が確実に期待できる。
プロパンの選択酸化ではアクリル酸製造の現行法であるプロピレン法に対する経済性と比較したと
ころ、現行法とほぼ同等の原料原単位となっているが、今回の触媒では十分詳細な寿命データまでは
採取していない。今後、実用化システムに向けた反応器を想定した触媒を調製し、耐久性、寿命等を
確認し、実用化に耐えうるレベルまで改良していく必要がある。また、触媒系の更なる改良により反
応効率をさらに高め、圧倒的な競争力を有するレベルまで高める必要がある。しかしながら、プロパ
ン及びプロピレンの価格差が本プロセスの採用にとって大きな優位性があり、プロセスの立地条件に
よっては需給の関係で製造原価に差が出ないケースかある。実用化に際しては、環境や動向を把握し、
原料の価格差が最大限にプロセスに反映できる立地条件を選定することが重要である。
イソブタンの選択酸化に関してはイソブタンの安い地域で現行気相酸化プロセスとのコスト競争が
十分可能である。しかしながら、実用化に向けてはまだいくつかの課題が残っており、特に、工業化
を想定した場合の触媒性能(触媒形状、触媒強度、加圧条件下での性能確認、触媒寿命の確認等)や選
択性の更なる向上が望まれる。今後、ますますシンプル、かつ、環境に優しいプロセスが要求される
ことから、より高い反応収率、選択率の触媒の開発が望まれる。
2. 今後の展開について:
n-ブタンの選択酸化
ブタンの選択酸化による無水マレイン酸合成における剥離還元法 VP 触媒は優れた反応特性を示
すものの、実用化のためには、シンタリング、被毒等の耐久性、寿命と耐摩耗性などの機械的強度の
評価及びそれらの改善などの研究を要する。リン化合物表面修飾法も本プロジェクトから生まれた我
が国独自の技術であり、一刻も早い実用化に向けて、更なる基礎研究が北海道大学等で行われている。
剥離還元法やリン化合物表面修飾法に比べれば実用までの距離は遠いが、VP 触媒の層間修飾法も本プ
ロジェクトで生まれた萌芽的なシーズであり、また高ブタン濃度プロセスへの移行という世界的な傾
向にもマッチしたものあるため、基礎科学的な見地も交えながら、研究開発を継続する必要がある。
プロパン選択酸化とイソブタン選択酸化では、ヘテロポリ酸と複合酸化物のハイブリッド触媒とい
う新しい触媒概念を提案することができた。ただし、ヘテロポリ酸と複合酸化物の組成比は調製法に
よって大きく左右される。プロパン選択酸化の場合、モリブデン酸ニッケル担持テルロモリブデン酸
触媒が最も高い活性を示すが、主成分であるテルルモリブデン酸の組成比は 10%以下にすぎない。一
方、イソブタン選択酸化では、銅を含むリンモリブデン酸の Cs 塩(P1Mo12Cu0.3Cs1.3)に Mo1V0.1 複合酸化
物の窒素焼成粉を 5 重量%添加したハイブリッド触媒が最も高い活性を示すが、主成分はヘテロポリ
酸であり、複合酸化物は 5%含まれているにすぎない。ヘテロポリ酸と複合酸化物の組み合わせには、
組成比や調製法まで含めると、無限に近い組み合わせがあり、これら 2 つのハイブリッド触媒以外に
も多くの可能性が有ると考えられる。今後とも、ハイブリッド触媒の基礎理論の解明と設計指針の構
築を目指して、基礎と応用の両面から研究が継続されることが望まれる。
その他にも、置換型ヘテロポリ酸の合成や微粒子ヘテロポリ酸触媒の固定化法などの萌芽的なシー
ズ、触媒骨格構造上の各種触媒機能サイトの配置の概念や新規キャラクタリゼーション法の提案など、
基礎触媒科学的にも貴重な成果が得られている。このような成果は、国のプロジェクトとして共通の
目的を持って産学が連携して研究に臨んだたまものであり、さらなる発展に向けて、機会が与えられ
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ることを期待したい。
本研究開発は、触媒とプロセス開発を並行して長期に継続していかなければならない重要なテーマ
であり、産学官共同で今後も継続して研究開発を行い、当該分野のノウハウ、基礎データを蓄積し、
国際競争力強化を図るべきテーマである。
<ノンハロゲン化学プロセス技術開発>
1. 実用化の見通しについて:
トリレンジイソシアネートの新合成法開発では、工業的イソシアネート製造法であるホスゲン法と
ほぼ同等のイソシアネート収率を達成できたという点で、実用化の可能性は一気に高まったと考えら
れる。実用化に向けた課題としては、①触媒ライフの向上、②触媒リサイクル技術の開発、③熱分解
溶媒リサイクル技術の開発、④副生アルコールのリサイクル技術開発等が挙げられる。今後、事業化
に向けては、本プロジェクトにおいて開発した要素技術のさらなるブラッシュアップを実施する必要
がある。その中で上記①∼④の課題解決に取り組まなければならない。併せて経済性評価・品質評価・
市場性評価を行った上で、工業化技術の開発段階へ移行し、パイロットプラントでの実証試験を行う
とともに、詳細な経済性評価・品質評価・市場性評価に基づいた事業性判断により、商業プラント化実
現の可否を決定する。
ヘキサメチレンジイソシアネートの新規合成法開発では、既存のホスゲン法との比較においてホス
ゲンの毒性や装置の腐食の問題を改善でき安全性が非常に高くかつ電解法の電力削減による省エネル
ギーもあり、環境リスクを大幅に削減できる。しかし本プロジェクトでの研究は基本プロセス開発段
階であり、工業化を実現するにはいくつかの課題が残されている。カルバメート化反応(第 1 工程)に
おいて新規開発した MPC 法は、温和な条件下無触媒で高収率かつ高選択性の反応を達成している。さ
らに工業化実現を目指して、高効率の連続反応プロセスの開発が必要となる。熱分解反応(第 2 工程)
は、原系に偏った平衡反応を生成系へ傾かせることと、原料カルバメートと生成イソシアネートの重
合反応の抑制が重要である。反応プロセスとしてセミバッチ法を確立したが、さらに反応条件を最適
化するためには連続式熱分解プロセスへ発展させることが重要である。また、リサイクル可能な高活
性触媒へさらに発展させることも望まれる。工業化における収率及び製造コストの極限を追求するた
めには、未反応カルバメートや、使用する高沸点溶媒のリサイクルについての検討も必要である。今
後、工業化実現の鍵を握るポイントとして、カルバメート化反応と熱分解反応によって副生したアル
コールを分離し、ジアルキルカーボネート(DAC)製造工程へ再利用する高効率システムの開発がある。
これが完成すればクローズド化したプロセスが構築でき、原料は CO、O2 とロスした僅かなアルコール
のみとなり、ホスゲン法と比較しても経済的に有利なプロセスとなり、事業化の可能性は高まる。
プロピレンオキサイドの新規合成法開発
プロピレンオキサイドの新規合成法開発では、クロロヒドリン法 PO(プロピレンオキサイド)製造プ
ロセスに代わる新しいクリーンで省エネな PO 製造プロセスを開発する事であった。PO の市場は、中
国を中心に年間 5%(約 25 万㌧)で伸びる事が予想されている。このような状況を鑑みて、プロジェク
トの実用化に向けての方策は、以下の 2 点を考えている。①同じ新設ベースでクロロヒドリン法 PO
製造プロセスをコスト競争力で上回るプロセスを開発し、クロロヒドリン法の置き換えを進めると共
に、クロロヒドリン法 PO 製造プロセスの拡大、あるいは同じクロロヒドリン法での PO 製造プロセス
のスクラップアンドビルドを抑制すること。②減価償却の終了したクロロヒドリン法 PO 製造プロセ
スをコスト競争力で上回るプロセスを開発し、クロロヒドリン法 PO を市場から排除していくことで
ある。このプロセスは、原料コストでクロロヒドリン法を PO1Kg 当たり 8 円削減可能であり、上記目
的①をクリアしている。しかし、目的②には到達していない。従って、この過酸化水素法による PO
製造プロセスを実用化するには、クロロヒドリン法 PO 製造プロセスを持つ企業への働きかけが重要
である。即ち、Ti-MWW 触媒を用いる PO 製造プロセス技術或いはその特許のライセンスを行い、クロ
ロヒドリン法の置き換えを推進していく事が重要である。
低反応性オレフィンのエポキシドサイドの
低反応性オレフィンのエポキシドサイドの新規合成法開発
エポキシドサイドの新規合成法開発では、①クロロヒドリンやエピクロロヒ
ドリンを経由しないと合成できなかった 1-ブテンオキサイド、酢酸グリシジルのようなエポキサイド
が他の手法で得られるため、環境問題や塩素由来の原料に影響することなく製造ができるようになり、
さらに工業的に製造可能なエポキサイドの種類を広げることができること。②生産プロセスでは、エ
ポキサイドの精製に蒸留を取り入れ、バッチ式或いは連続式での反応、精製が可能で、生産規模やオ
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レフィン種により選択できる。特に精製法は 100Kg/hr での評価から、連続がより好ましいこと。③
酸化剤として使用する原料の有機過酸化物 TBHP 及びその安全技術、さらにエポキシ化反応により副
生してくる TBA の回収や再利用では、自社製品や技術を利用することができる。以上のことより、事
業化の可能性は高まっている。
フェノールの新規合成法開発では、触媒性能の目標値は達成したが、現在、製品の市場価格、特に
アセトンの市場価格が本プロジェクト研究を開始したときの予想を大きく上回っている。したがって、
このプロセスの実用化のためには、市場動向を見極めた上で、事業化検討を行うかを判断する必要が
ある。本方法が優位となるような市場環境になり、事業化検討を行うと判断された場合に備えて、酸
化反応から製品の分離精製工程までを含むトータルプロセスの開発を検討している。
2. 今後の展開について:
トリレンジイソシアネートの新規合成法開発では、開発した触媒反応技術やカルバメート熱分解反
応技術のコンセプトは、現在ホスゲン法で製造されている種々の芳香族イソシアネート製造への適
用・展開が可能であると推定される。トリレンジイソシアナート(TDI)と並んで、ホスゲン法により大
量に製造されているジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)製造に本技術を適用できれば、省エネ
効果・リスク削減効果は更に大きなものとなる。
ヘキサメチレンジイソシアネートの新規合成法開発では、開発した MPC 法によるカルバメート化反
応プロセスについて、他の脂肪族イソシアネートへの応用検討を行い、多くの工業的に有用な脂肪族
イソシアネートにおいてもヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)と同様な温和な条件下で 99%以上の
収率を得ている。本プロジェクトで開発した新合成法は反応状態も液状で取り扱い易く、同一プラン
トで多品種の製造が実施できる可能性もあり、脂肪族イソシアネートの市場動向の調査を進めている。
プロピレンオキサイドの新規合成法開発
プロピレンオキサイドの新規合成法開発による過酸化水素の PO 合成については、技術あるいは特
許のライセンス供与の方向がある。今後、触媒の工業的な製法の確立、プロセスデータの更なる蓄積
を進め、技術パッケージの完成度を高めていく予定である。また、更なる展開として、PO 市場の情勢
等の外的要因に関らず独自展開が可能と考えられる、水素/酸素から in-situ(反応系内)で合成した
H2O2 を利用した 1 段法 PO 製造プロセスを完成させることが必要である。これについては、まだ触媒性
能が不十分な為、本プロジェクトで開発した Ti-MWW 触媒を利用して、現在、より活性の高い Ti-MWW
触媒の開発及びより活性の高い H2O2 合成触媒の開発検討を行っており、1 段法 PO 製造プロセスの完成
を目指して行くべきである。また、波及効果として、これまでチタノシリケート触媒の研究は TS-1
触媒が中心であったが、今回 TS-1 触媒を超える Ti-MWW 触媒が見つかった事で TS-1 以外のチタノシ
リケート触媒の開発研究が盛んになる事が期待される。
低反応性オレフィンのエポキシドサイドの新規合成法開発
低反応性オレフィンのエポキシドサイドの新規合成法開発では、一般に製造されるエポキサイドが、
エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールのような界面活性剤や特殊な誘導体の中間体等の原料とし
て幅広く使用されていて、エレクトロニクスやライフサイエンス分野の材料を担っている。今回研究
対象のブテンオキサイド、グリシジルエステル、グリシジルエーテルといった製品もその中の一部で、
外部資料では推定 4,000t/年程度の市場がある。しかし、プロジェクト成果をさらに展開するために、
①製造プロセスの連続化を進めるための、触媒の回収・再利用技術、触媒の固定化技術、或いは不均
一系触媒の検討。②反応活性がアリルエーテル類、他のオレフィンやオリゴマ−類でも確認されてい
る Mo 触媒+ホウ酸エステル系の新規触媒について、エポキサイド種、ノンハロゲン化による品質改
良やそれらの周辺技術の幅を広げる。③エポキサイドの需要動向や原料オレフィン種に応じて設備の
規模、製造方式(バッチ式もしくは連続式)を選択し、経済性の評価を行う、ことが必要である。
フェノールの新規合成法開発では、従来法フェノールプロセスにおいて問題となっている、工程が
長く副生物が生成する、
、等の短所があり、環境負荷及び経済的な点で問題を含んでいる。ここで開発
したプロセスは、環境負荷低減と経済性の両立という観点から、工程が短く副生物のない本プロセス
は魅力があると考えられる。本プロジェクトで開発した「合金触媒」、及び触媒解析の中で解明した
「合金触媒の活性低下原因」は、貴金属触媒を使用するプロセスの活性と寿命を向上させ、環境負荷を
低減させることを目的とした他の合金触媒プロセス開発に応用展開ができると期待される。
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<多相系触媒反応プロセス技術の開発>
1. 実用化の見通しについて:
本研究開発テーマで取り組んだ多相系触媒反応プロセス技術の開発のうち、最も実用化に近づいた
のは、エステル・ラクトンの新規合成法開発である。本プロジェクトにおける反応システムに関して
は、数社からライセンス供与に関する、問い合わせ、引き合いがあり、現在、協議中である。一方、
100 ㌧以上の汎用的な商用化プロセスとして確立するためには、ベンチスケールプラントによるプロ
セスデータをさらに詳細に取得するとともに、問題点の抽出とその解決を図っていかなければならな
い。その上で、商用化プロセスに関する試設計、経済性評価を行い、触媒コストの低減を図った上で、
ロス触媒の工業的回収法が確立されれば、商用化プロセスとして広く普及することが期待できる。
不飽和アミン類・ニトリル類の新規合成法開発では、水溶性 Ru 錯体によるオキシム類からのニトリ
ル類合成の反応に対して実用化の可能性は現状でもある。但し、該社のアミン類製品はファイン化学
製品なので、コモディティの製品とちがって、カスタマーの要求する時期、数量、品種に合わせて適
宜製造する。そのために、本技術とマッチングの良いアイテムのニーズがあるかという問題がある。
また、製品毎のスケールアップ検討と条件最適化が市場導入には不可欠である。選択的水素化につい
ては、触媒量を低減して、リサイクル回数を増やし、TON=10,000 程度を実現すること。オキシムのシ
アノ化については、実用化のための最適のアイテムとプラントを選定し、それに合わせて製造条件の
最適化を行い、スケールアップ検討を行う必要がある。
不飽和アミン類・ニトリル類の新規合成法開発では、水溶性 Ir 錯体による不飽和イミンからの選択
水素化による不飽和 2 級アミン合成に対して実用化の可能性は現状でもある。但し、該社のアミン類
製品はファイン化学製品なので、コモディティの製品と異なり、カスタマーの要求する時期、数量、
品種に合わせて適宜製造するものである。そのために、本技術とマッチングの良いアイテムのニーズ
があるか、という問題がある。また、製品毎のスケールアップ検討と条件最適化が市場導入には不可
欠である。一方、選択的水素化については、触媒量を低減して、リサイクル回数を増やし、
TON=10,000 程度を実現すること。オキシムのシアノ化については、実用化のための最適のアイテムと
プラントを選定し、それに合わせて製造条件の最適化を行い、スケールアップ検討を行う必要がある。
アルデヒド・エーテル類の新規合成法開発では、エーテル系新規代替溶媒としてシクロペンチルメチ
ルエーテル(CPME)をプロジェクト派生テーマとして見出し、その合成法の開発を行った。技術開発と
しては、ラボ製造技術を確立し、ベンチレベルでのデータ採取終了し、パイロットレベルでの製造技
術も完成した。更に、国内外での市場調査の結果、THF 等のエーテル系溶剤の代替として多くニーズの
可能性があるため、順次その特長を生かした用途への浸透が期待される。事後計画としては、本技術
の実用化を目指し、継続的に検討が行われている。
エポキサイドの新規合成法開発では、スペシャリティケミカルズの革新的な製造法の確立を狙ってお
り、①基質を取り替える触媒の再利用(触媒のマルチユース)も可能であること、②適用可能な基質の
範囲確認ができたこと、③有機溶媒削減が可能であること、特にオイル状の基質・生成物の反応では
無溶媒でも反応がスムースに進むこと、がわかったので今後の実用化可能性は高い。今後の課題とし
て、一つは今回の検討において常に意識していた脂環式エポキシ化合物において、特許性のある新規
化合物で、電子材料高分子などの原料モノマー用が無いか、検討中である。今一つは、既存のエポキ
シ化合物の製法変換で、出来るだけ大きなニーズの製品市場を探索中である。その他、当初注力した
技術であるフッ素化相間移動触媒、ヘテロポリ酸複合錯体触媒、及びその製法も特長ある技術なので
活用が検討されている。
2. 今後の展開について:
エステル・ラクトンの新規合成法開発の今後の展開では、有機相に一部移行したロス触媒の実験
室レベルでの回収は見通しが得られたが、工業的回収方法の確立が必須である。また、ベンチスケー
ルでの触媒の長期ライフテストやエンジニアリングデータの取得等が残された技術課題として挙げら
れる。開発した新規合成法では、従来のルイス酸と比較し、廃酸の削減に成功しており、エステル化、
ラクトン化合成をはじめ、Friedel-Crafts アシル化に代表されるカルボニル基活性化反応によるフア
インケミカルズ分野、医薬・農薬中間体、さらにはバルク分野への応用拡大を目指し、事業化計画を
進られるべきである。
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エーテル、ケトン、ニトリル類の新規合成法開発の今後の展開では、触媒の有機相への溶け出し対
策、安価な原料調達先の探索(原料費が現行製造コストの 70%を占める)、実用化に向けた経営層への
働きかけ、実製造のためのキロスケールでのスケールアップ検討が必要である。いくつか問題点はあ
るものの、本プロセスはすぐにでも実用化が可能である。α,β−不飽和カルボン酸の不斉水素化反
応において、本製造方法はチグリン酸だけでなく、2-メチルペンテン酸、2-メチルヘキセン酸等にも
拡張できる可能性がある。いずれも香料分野の製品であり、数トンレベルの製造の可能性がある。ま
た、本方法はα,β−不飽和カルボン酸の不斉水素化反応だけでなく、カルボニル基、イミン類、エ
ナミン類の不斉水素化にも応用できる。
不飽和アミン類・ニトリル類の新規合成法開発では、水溶性配位子など新触媒の開発とそれにとも
なう新しい触媒システムを開発し、錯体触媒の高い選択性と反応性を、安価に化学合成に持ち込める
方法論と可能性を示した。今後の展開としては、最適なニーズ化合物が決定次第、最適な触媒系の選
択、反応系の設計を行い、新しい工業的プロセスをデザインすることになる。具体的には、新しいイ
オン性流体について現在検討中である。本技術は世界初の技術であり、今後液液の多相系を含めて錯
体触媒反応のキーテクノロジーとなるであろう。不飽和イミンや不飽和オキシムに限らず、選択的な
化学反応が水溶性錯体を用いた多相系で効率よく製造でき、触媒の再生ができることになれば錯体触
媒を利用したの高い選択性有する実用的プロセスが見直され大きな発展に繋り、新しい市場を開くこ
とができる。アルデヒド・エーテル類の新規合成法開発では、廃液等の環境負荷低減に関して、CPME
は水との分離性や回収・脱水が容易なことから、既存エーテル系溶剤の代替の可能性が期待できる。
また、PRTR 対象のジオキサンは国内で 2,500 トン以上(2003 年度)の排出や移動が報告されており、
この代替も期待できる。溶剤として THF を使用する化学品の製造において、溶剤を THF から CPME に
変更できるならば、抽出溶媒の削減や廃液量の大幅な削減も十分期待でき、更に大きな需要が見込め
る。
エポキサイドの新規合成法開発
エポキサイドの新規合成法開発では、反応が安全でかつ確実に進行することが重要である。酸化に
は爆発性の酸化剤及び生成物が係わっているため、この点は特に重要で、触媒を充分用いて未反応溜
まりを回避することができる。今回、触媒の使い捨てを止め安全な高再利用型プロセスへ変換できた
ことは大きな意義がある。今回の想定した反応生成物はスペシャリティケミカルズとして比較的高価
であり、一方、触媒中の金属元素や各成分は比較的安価であるため、触媒再利用の高効率化や使用量
削減はコスト削減効果が小さく軽視されがちであるが、わが国発の将来技術としてスペシャリティケ
ミカルズ分野でも環境負荷削減技術を普及することは今後重要と考えられる。巾広い用途のあるエポ
キサイドの新しい製造法として、環境負荷の少ない製造プロセスが提供できたのを機に、具体的な製
品製造に向けた努力が行われている。
<新固体酸触媒プロセス技術の開発>
1. 実用化の見通しについて:
本研究開発テーマで取り組んだ新固体酸触媒プロセス技術の開発のうち、最も実用化に近づいたの
は、オレフィンの新規オリゴメリゼーションプロセス開発である。高い触媒性能とプロセスの大幅な
シンプル化ができるため用役費や設備費を 10∼20%削減でき、さらに触媒の後処理に必要なケミカル
類(苛性ソーダ、アンモニア水、凝集剤)も不要となるため、プロセス全体として製造コストの大幅な
低減が期待できる。本開発で合成されるブテンオリゴマー(3∼4 量体)を水添して得られるイソパラ
フィンは環境対応型溶剤として需要増加傾向にあり、その市場創出効果は約 80 億円と見込まれてい
ることから、事業化の可能性は大きい。
双環性芳香族化合物類の新規合成法開発は、従来の多段階反応を一段合成に省略できることから大
幅なコストダウンも可能にするものである。まさに環境負荷の低減とコストダウンを両立させるポテ
ンシャルを有する技術と言える。テトラロン類は医農薬中間体として極めて有用な化合物である。特
に、社会の高度化に伴ってニーズが高まりつつある抗うつ剤、抗肥満薬、避妊薬等にはテトラロン骨
格を有するものが多く、今後の需要増が期待される。たとえば、セルトラリン(抗うつ剤)、レボブノ
ロール(抗緑内障薬)、アリセプト(抗アルツハイマー薬)などがその代表例であり、これらだけでも現
在 4000 億円程度の市場規模がある。こうした医農薬中間体としてのテトラロン類の市場は 50 億円を
超える規模が想定され、今後伸張することが予想されることから、事業化の可能性は高い。
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ヒドロキシカルボン酸の新規合成法開発では、工業的ヒドロキシ酸製造法であるシアンヒドリン法
とほぼ同等の効率を達成できたという点で、実用化への可能性は高まったと考えられる。一方、実用
化に向けた課題として、①選択性(α-ヒドロキシ酸>>β-ヒドロキシ酸)の向上、②触媒寿命の延長、
③触媒の安価な合成法の開発、④酢酸の脱離と分離・回収技術の開発等が挙げられる。事業化に向け
ては、ターゲット化合物に合わせた基本技術のブラッシュアップを実施する必要がある。その中で上
記①∼④の課題の解決とともに、副生する異性体(β-ヒドロキシ酸)の市場開拓への取り組みも求め
られる。併せて、詳細な経済性・品質・市場性評価を行った上で、工業化技術への開発段階に移行可能
か判断することになる。ベンジルアルコールの新規合成法開発では、経済性評価において反応収率が
低いために初期投資額は約1.8倍となり、用役費は増加するが、原料費が削減でき、用役費を含めた
変動費は従来法(塩化ベンジル法)と同程度となる。選択率を60%まで引き上げることができれば現行
法の2/3程度の工場原価でベンジルアルコールを製造することができるため、実用化への可能性は高
まった。従って、実用化へ向けての最大の課題は、大幅な選択性が期待できる高性能性触媒の開発で
ある。
2. 今後の展開について:
オレフィンの新規オリゴメリゼーションプロセス開発の今後の展開では、触媒劣化に対する更なる
検討(抑制法、再生法)をはじめ、流通反応装置での反応プロセスデータ採取や工業用触媒への改良
(組成最適化、調製法・成型法の確立)、プロセス設計等の検討が必要である。このための研究開発期
間は 2∼3 年間程度で、その後、プロセス構築や市場調査をもとに F/S(コスト試算、事業性評価)を行
い、事業化(装置建設、改造)の判断が行われる予定である。
双環性芳香族化合物類の新規合成法開発では、医農薬メーカの具体的ニーズを捉えることができれ
ば、今回開発した技術をベースに環境に調和する安価な製法開発を確立できる。また、第三者(メー
カ)が、本事業で積極的に公開した技術を利用し、ニーズの高い医農薬製品に対して環境負荷の少な
い製法を独自に実用化する可能性も高い。また、中間体の受託製造に備えて、さらなる触媒性能の向
上や対象基質の拡張を目指すことが実用化の課題となる。今後の伸張が見込まれる開発中の神経系医
薬品候補化合物にはテトラロン以外に 5 員環ケトン構造を有するインダノン、さらに 7 員環ケトン構
造を有するベンゾスベロン骨格を有するものも多いことから、こうした化合物の合成にも応用できる
よう開発技術に汎用性を持たせることが出来れば事業の市場は広がることになる。
ヒドロキシカルボン酸の新規合成法開発
ヒドロキシカルボン酸の新規合成法開発では、開発した技術が、不可避的に重硫安を副生するシア
ンヒドリン法の代替製造技術として大いに期待されているところである。特に、飼料添加剤として大
量に製造されている2-ヒドロキシ-4-(メチルチオ)ブタン酸(=液状メチオニン)の製造に適用できれば、
大きな省エネ・リスク削減効果を発揮することになり、事業化の可能性は益々高まることになる。ま
た、本技術は、極めて穏和な条件下で進行することが特長であり、一般の脂肪族オレフィン類へも適
用できることから、酸に不安定な基を有するオレフィン類を対応するカルボン酸エステル類に誘導可
能である。したがって、有機合成にとって極めて(付加価値ある製品を製造することができる)有用な
反応であり、各種(有用)機能性物質の有効な探索合成手法になる。
ベンジルアルコールの新規合成法開発では、ベンジル位の酸化反応として、需要の多いシクロヘキ
サンジメタノール(CHDM)の製造への応用が期待される。既存技術では3段階により製造されているが、
p-キシレンからベンゼンジメタノールが得られた場合、2段階での製造が可能となり、エネルギーコ
ストを低減できるだけでなく、有毒物質であるメタノールを使用しないために作業環境上も有利にな
ることから、実用化への可能性は益々高まることになる。また、本技術によって、酸素を酸化剤とし
て逐次酸化を制御できる可能性を見出し、新たな酸化触媒開発の端緒を担うことができたことは特筆
に値する。
89
<別紙>
2.研究開発項目毎の成果
90
2-A 飽和炭化水素の選択酸化反応技術の開発
2-A-(0)このテーマの纏め表(全体)
表.A-(0)-1 このテーマの纏め表
年度
国内発表 国際会議 論文発表
H9
H10
H11
H12
H13
フォロー
合 計
0
8
16
17
11
12
64
0
0
1
2
2
0
5
新聞発表
0
1
5
8
19
16
49
0
0
0
0
0
0
0
2-A-(1)プロパンの選択酸化反応技術の開発
表.A-1-1 プロパンの選択酸化反応技術の開発の成果
年度
国内発表 国際会議 論文発表 新聞発表
H9
H10
H11
H12
H13
フォロー
合 計
0
0
1
1
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
2-A-(2)イソブタンの選択酸化反応技術の開発
表.A-2-1 イソブタンの選択酸化反応技術の開発の成果
年度
国内発表 国際会議 論文発表 新聞発表
H9
H10
H11
H12
H13
フォロー
合 計
0
1
2
2
0
0
5
0
0
0
0
1
0
1
0
0
0
0
2
1
3
0
0
0
0
0
0
0
2-A-(3) n-ブタンの選択酸化反応技術の開発
表.A-3-1 n-ブタンの選択酸化反応技術の開発の成果
年度
国内発表 国際会議 論文発表 新聞発表
H9
H10
H11
H12
H13
フォロー
合 計
0
1
2
3
4
2
12
0
0
0
1
1
2
0
0
0
2
3
5
10
0
0
0
0
0
0
0
91
国内特許
出願
0
0
6
6
5
1
18
外国特許
出願
0
0
0
4
1
0
5
特許登録
国内特許
出願
0
0
1
2
0
0
3
外国特許
出願
0
0
0
0
0
0
0
特許登録
国内特許
出願
0
0
3
1
1
0
5
外国特許 特許登録
出願
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
国内特許
出願
0
0
2
3
4
1
10
外国特許 特許登録
出願
0
0
0
0
0
0
4
0
1
0
0
2
5
2
0
0
0
0
0
2
2
0
0
0
0
0
0
0
2-A-(4)大学の纏め(基礎技術)
表.A-4-1 大学の成果
年度
国内発表
H9
H10
H11
H12
H13
フォロー
合 計
0
6
11
11
7
10
45
国際会議
論文発表
新聞発表
0
0
1
1
0
0
2
0
1
5
6
13
10
35
0
0
0
0
0
0
0
国内特許
出願
0
0
0
0
0
0
0
外国特許 特許登録
出願
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2-A-(1)プロパンの選択酸化反応技術の開発
平成 11 年度
1)国内特許 1 件
・「アルカン類の酸化脱水素触媒及びこれを用いたオレフィン類あるいは含酸素化
合物の製造方法」特願 2000-047348(平成 12 年 2 月 24 日)
出光石油化学(株)
平成 12 年度
1)国内特許 2 件
・「アルカン類の部分酸化触媒及びこれを用いた含酸素化合物の製造方法」 特願
2001-76582 号(平成 13 年 3 月 16 日)出光石油化学(株)
・「炭化水素の部分酸化触媒及びこれを用いた反応方法」
特願 2002-49355 号(平成 14 年 2 月 26 日)出光石油化学(株)
平成 13 年度
1)論
文 1件
・ N.Fujikawa, K.Wakui, K.Tomita, N.Onue, and W.Ueda, Selective
oxidation of propane over nickel molybdate modified with
telluromolybdate, Catal., Today, 71, 83-88 (2001).
2-A-(2)イソブタンの選択酸化反応技術の開発
平成 10 年度 2 件
1)国内特許
・「不飽和含酸素化合物及び/または不飽和炭化水素の製造方法」
特願平 10-269802(平成 10 年 9 月 24 日)住友化学工業(株)、
(社)日本化学工業協会
・「不飽和カルボン酸の製造方法」特願平 10-269803(平成 10 年 9 月 24
日)住友化学工業(株)、(社)日本化学工業協会
平成 11 年度
1)国内特許 1 件
・「メタクロレイン及びメタクリル酸製造用触媒、及びその製造並びにその触媒
を用いたメタクロレイン及びメタクリル酸の製造法」特願平 11-207517 号(平
成 11 年 7 月 22 日)三菱レイヨン(株)、(社)日本化学工業協会
平成 12 年度
1)国内特許 1 件
・「メタクロレイン及び/またはメタクリル酸製造用触媒、その製造方
法,及び、メタクロレイン及び/またはメタクリル酸の製造方法」
特願 2001-43577 号(平成 13 年 2 月 20 日)三菱レイヨン(株)
92
平成 13 年度
1)国内特許 1 件
・ 「メタクロレイン及び/またはメタクリル酸製造触媒、その製造方法、
及びメタクロレイン及び/またはメタクリル酸の製造方法」
特願 2002-55925 号(平成 14 年 3 月 1 日)三菱レイヨン(株)
2)論
文 2件
・G.-P.Schindler, T.Ui, and K. Nagai, Kinetics of isobutane selective
oxidation over Mo-V-P-As-Cs-Cu-O heteropoly acid catalysts, Appl.
Catal. A: General, 206, 183-195 (2001).
・C.Knapp, T.Ui,K.Nagai,and N.Mizuno, Stability of iron in the Keggin
anion heteropoly acid catalysts for selective oxidation of isobutane,
Catal., Today, 71, 111-119(2001).
平成 14 年度以降
2)論
文 1件
・G.-P.Shindler,C.Knapp, T.Ui, and K.Nagai,Enhancing the productivity of
isobutane selective oxidation over a Mo-V-P-As-Cs-Cu-O heteropoly acid
catalyst, Topics Catal., 22, 117-121(2003).
2-A-(3) n-ブタンの選択酸化反応技術の開発
平成 11 年度
1)国内特許 2 件
・「層間化合物及びその製造方法」特願平 11-319860 号(平成 11 年 11 月
10 日)東燃化学(株)
・「バナジウム-リン複合酸化物及びその製造方法」特願 2000-67377 号
(平成 12 年 3 月 10 日) 東燃化学(株)
平成 12 年度
1)国内特許 3 件
・「層間化合物の製造方法」特願 2000-178741 号(平成 12 年 6 月 14 日)
東燃化学(株)
・「バナジウム-リン複合酸化物触媒前駆体の製造方法」
特願 2000-354240 号(平成 12 年 11 月 21 日)東燃化学(株)
・「バナジウム-リン複合酸化物及びその製造方法」
特願 2001-043503 号(平成 13 年 2 月 20 日)東燃化学(株)
2)外国特許 4 件
・「Intercalation compound and a vanadium phosphorus mixed oxide
and a process for the preparation thereof」(英、独、仏)
欧州特許出願 No.00202249.9 (平成 12 年 6 月 27 日)東燃化学㈱
・「Intercalation compound and a vanadium phosphorus mixed oxide
and a process for the preparation thereof」
米国特許出願番号 09/604,088 (平成 12 年 6 月 27 日)東燃化学(株)
3)論
文 2件
・A. Satsuma, Y. Kamiya, Y. Westi, and T. Hattori,
Dimethylpyridine-Temperature Programmed Desorption (DMP-TPD)
For Measurement of Strength of Brønsted and Lewis Acid Sites on
Metal Oxide Catalysts Appl. Catal., A, 194-195, 253-263(2000).
・A. Satsuma, N. Sugiyama, Y. Kamiya, and T. Hattori, Low temperature
radical oxidation of butane over in-situ prepared silica species,
Stud. Surf. Sci. Catal., 130B, 1799-1804 (2000).
平成 13 年度
1)国内特許 4 件
93
・「層間化合物及びその製造方法」
特願 2001-163225 号(平成 13 年 5 月 30 日)東燃化学(株)
・「バナジウム-リン複合酸化化合物触媒前駆体の製造方法」
特願 2001-168526 号(平成 13 年 6 月 4 日)東燃化学(株)
・「層間化合物及びその製造方法」特願 2001-254781 号(平成 13 年 8 月
24 日)東燃化学(株)
・「バナジウム-リン複合酸化化合物触媒前駆体の製造方法」
特願 2001-395009 号(平成 13 年 12 月 26 日)東燃化学(株)
2)外国特許 1 件
・「Vanadium phosphorous mixed oxide」
米国特許出願番号 10/037/826(平成 13 年 10 月 23 日)東燃化学㈱
3)論
文 3件
・ Y. Kamiya, E. Nishikawa, A. Satsuma, N. Mizuno, and T. Okuhara,
Synthesis of Novel Layered Vanadyl Alkylphosphates as Catalyst
Precusors for Selective Oxidation of n-Butane, Sekiyu Gakkaishi, 44,
265 (2001).
・ Y. Kamiya, E. Nishikawa, T. Okuhara, and T. Hattori, Catalytic
property of vanadyl pyrophosphates for selective oxidation of nbutane at high n-butane concentrations, Appl. Catal., A, 206,
103(2001).
・ A. Satsuma, Y. Kijima, S. Komai, Y. Kamiya, E. Nishikawa, and T.
Hattori,
Insertion
of
iron-complex
to
lamellar
vanadyl
Benzylphosphate for preparation of well-defined catalysts, Catal.
Today, 71, 161-167(2001).
平成 14 年度以降
1)国内特許 1 件
・「層間化合物及びその製造方法」
特願 2002-157468 号(平成 14 年 5 月 30 日)東燃化学(株)
2)外国特許 2 件
・「Intercalation compound and a vanadium phosphorus mixed oxide
and a process for the preparation thereof」
米国特許番号 US6495486 (平成 14 年 12 月 17 日発行)東燃化学(株)
・「Vanadium phosphorous mixed oxide」
米国特許番号 US6762146(平成 16 年 7 月 13 日発行)東燃化学㈱
3)論
文 5件
・ Y. Kamiya, E. Nishikawa, A. Satuma, M. Yoshimune, and T.Okuhara:
Highly porous vanadium phosphorus oxides derived from vanadyl nbutylphosphate, Microporous and Mesoporous Mater., 54, 277-283 (2002).
・Y. Kamiya, E. Nishikawa, A. Satsuma, and T. Okuhara, Preparation
and Characterization of Lamellar alkylphosphates as catalysts
precursor for selective oxidation of n-butane, Bull. Chem. Soc. Japan,
76, 837-846 (2003).
・Y. Kamiya, S. Ueki, N. Hiyoshi, N. Yamamoto, and T. Okuhara,
Preparation of catalyst precursors for selective oxidation of nbutane by intercalation-exfoliation of VOPO4・2H2O in primary alcohol,
Catal. Today, 78, 281-290(2003).
・Y. Kamiya, Y. Kijima, T. Ohkura, A. Satsuma, and T. Hattori,
Selective oxidation of n-butane over iron doped vanadyl
pyrophosphate prepared from lamellar vanadyl n-hexylphosphate, Appl.
Catal. A: General, 253, 1-13 (2003).
・N. Hiyoshi, N. Yamamoto, N. Ryumon, Y. Kamiya, and T. Okuhara,
94
Selective oxidation of n-butane in the presence of vanadyl
pyrophosphates synthesized by intercalation-exfoliation- reduction of layered VOPO4·2H2O
in 2-butanol, J. Catal., 221, 225-233 (2004).
2−A−(4)大学の纏め(基礎技術)
平成 10 年度
1)論
文 1件
・T. Nakato, Y. Furumi, and T. Okuhara, Exfoiliation of Layered
Oxovanadium Phosphate VOPO4・2H2O in Tetrahydrofuran through
Intercalation of 4-butylanililine, Chem. Lett., 7, 611 (1998).
平成 11 年度
1)論
文 5件
・N. Mizuno, I. Kiyoto, C. Nozaki, and M. Misono, Remarkable effect of
Structures of Iron Centers on Intrinsic Catalytic Activity for
Oxidation of Alkanes and Alkenes with Hydrogen Peroxide, J. Catal.,
181, 171(1999).
・N. Mizuno, C. Nozaki, I. Kiyoto and M. Misono, Selective Oxidation
of Alkenes Catalyzed by Di-Iron-Substituted Silicotungstate with
Highly Utilization of Hydrogen Peroxide, J. Catal., 182, 285 (1999).
・N. Mizuno, Y. Seki, Y. Nishiyama, I. Kiyoto, and M.Misono, Aqueous
Phase Oxygenation of Methane with Hydrogen Peroxide Catalyzed by
Di-iron-substituted Silicotungstate, J. Catal., 184, 550 (1999).
・N. Mizuno, H. Mori, K. Mineo, and M. Iwamoto, Isotopic Exchange of
Oxygen between Proton-exchanged Zeolites and Water, J. Phys. Chem.,
103, 10393(1999).
・C. Nozaki, Y. Minai, I. Kiyoto, M. Misono, and N. Mizuno, Synthesis
and characterization of Di-iron(III)-substituted Polyoxymetalate,
Inorg. Chem., 38, 5724(1999).
平成 12 年度
1)論
文 6件
・A. Satsuma, S. Phiyanalinmat, M. Yashiro, and T. Hattori,
Number of surface redox sites of V-Sb-O catalysts, J. Chem.
Intermd., 26 (2), 113-119(2000).
・T. Shishido, A. Inoue, T. Konishi, I. Matsuura, and K. Takehira,
Oxidation of Isobutane catalyzed by Mo-V-Sb Mixed Oxide Catalyst,
Catal. Lett., 68, 215-221(2000).
・N. Hiyoshi, N. Yamamoto, N. Terao, T. Nakakto, and T. Okuhara,
Selective oxidation of n-butane over novel V-P-O/silica-composite
prepared through intercalation and exfoliation of layered precursor,
Stud. Surf. Sci. Catal., 130, 1715(2000).
・T. Nakato, Y. Furumi, N. Terao, and T. Okuhara, Reaction of
layered vanadium phosphorus oxides, VOPO4 2H2O and VOHPO4
0.5H2O with amines and formation of exfoliative Intercalation
compounds, J. Mater. Chem., 10, 737(2000).
・N. Mizuno, Y. Nishiyama, I. Kiyoto, and M. Misono, Oxidation of
Alkanes with Hydrogen Peroxide Catalyzed by Di-Iron-substituted
Inorganic Synzyme, Stud. Surf. Sci. Catal., 130, 797(2000).
・H. Hatayama, M. Misono, A. Taguchi, and N. Mizuno, Tunable
Syntheses of Cubic, Lamellar, and Hexagonal Mesostructured
Vanadium-Phosphorus Oxides, Chem. Lett., 2000, 884.
平成 13 年度
1)論
文 13 件
95
・S. Phiyanalinmat, M. Yashiro, A. Satsuma, and T. Hattori,
Involvement of Redox Sites in Propane Ammoxidation on V-Sb-oxide
Catalyst, Sekiyu Gakkaishi, 44(2), 140-144(2001).
・J.-S. Min, M. Misono, A. Taguchi, and N. Mizuno, Remarkable Effect
of Iron-substitution for Molybdenum in 12-Molybdophosphate on
Oxidative Dehydrogenation of 2-Propanol, Chem. Lett., 2001, 28.
・N. Mizuno, A. Taguchi, and H. Hatayama, Tunable Syntheses of
Cubic, Lamellar, and Hexagonal Mesostructured Vanadium-Phosphorus
Oxides, Chem. Mater., 13, 179(2001).
・N.F. Chen, K. Oshihara, and W. Ueda, Selective oxidation of ethane
over hydrothermally synthesized Mo-V-Al-Ti oxide catalyst, Catal.,
Today, 64(1-2), 121-128(2001).
・ K. Oshihara, T. Hisano, and W. Ueda, Catalytic oxidative activation
of light alkanes over Mo-V-based oxides having controlled surface,
Topics Catal., 15(2-4), 153-160(2001).
・K. Oshihara, T. Hisano, Y. Kayashima, and W. Ueda, Catalytic
performance of hydrothermally synthesized Mo-V-M-O (M=Sb and Te)
oxides in the selective oxidation of light parafins, Stud. Surf. Sci.
Catal., 136, 93-98(2001).
・K. Oshihara, Y. Nakamura, M. Sakuma, and W. Ueda, Hydrothermal
synthesis of novel crystalline Mo-V-M-O(M=Al, Ga, Fe) mixed oxides
in the presence of triethylammonium chloride and their catalytic
performance for selective ethane oxidation, Catal. Today, 71,
153-159(2001).
・R. Shimizu and T. Fuchigami, Theoretical Study of Vanadiumcatalyzed Butane Oxidation, Catal., Today, 71, 137-143(2001).
・J.-S. Min, M. Misono, A. Taguchi, and N. Mizuno, Remarkable Effect
of Iron-substitution for Molybdenum in 12-Molybdophosphate on
Oxidative Dehydrogenation of 2-Propanol, Chem. Lett., 2001, 28.
・J.-S. Min and N. Mizuno, Iron as An Effective Additive for
Enhancement of Catalytic Performance of Cesium Hydrogen Salt of
Molybdovanadophosphoric Acid for Selective Oxidation of Isobutane,
Propane and Ethane and Catalysts Design, Catal. Today, 66, 47
(2001).
・J.-S.Min, H. Ishige, M. Misono, and N. Mizuno, Low-temperature
Selective Oxidation of Methane into Formic Acid with Hydrogen
-Oxygen Gas Mixture by Bifunctional Catalysts of PalladiumHeteropoly compound, J. Catal., 198, 116(2001).
・T. Okuhara, N. Mizuno, and M. Misono, Catalysis by Heteropoly
Compounds –Recent Advances, Appl. Catal. A:General, 222, 63 (2001).
・S. Phiyanalinmat, M. Yashiro, A. Satsuma, and T. Hattori,
Involvement of Redox Sites in Propane Ammoxidation on V-Sb-oxide
Catalyst, Sekiyu Gakkaishi, 44, 140-144(2001).
平成 14 年以降
1)論
文 10 件
・Y. Takita, S.Yoshida, K. Usami, T. Sato, Y. Obana, M. Ogura, H.
Nishiguchi, and T. Ishihara, Promotion effects of an extremely low
concentoration of noble metals supported onto Bi2Mo3O12 on the
partial oxidation of iso-butane, Appl. Catal. A:General, 225,
215-221(2002).
・ S. Wang, T. Ishihara, and Y. Takita, Partial oxidation of dimethyl
ether over various supported metal catalysts. Appl. Catal.A:General, 228,
167-176(2002).
・ Y. Obana, K. Eto, M. Ito, Q. Xia, H. Nishiguchi, T. Ishihara, and Y.
96
Takita, Selective Oxidation of Isobutane to Methacrolein by the
Combined Oxide Catalysts,Ni2P2O7 for Oxidative Dehydrogenation of
Alkanes and Bi-Mo-Oxide, J. Japan Petrol. Inst., 45, 375-381(2002).
・Y. Obana, K. Yashiki, M. Ito, H. Nishiguchi, T. Ishihara, and Y. Takita,
Oxidation of Isobutane to Methacrolein over Ga2O3/Bi2Mo3O12
Catalysts, J. Japan Petrol. Inst., 46, 53-61(2003).
・Q. Xia, Y. Obana, H. Nishiguchi, M. Ito, T. Ishihara, and Y. Takita,
Oxidation of Isobutane over Complex Oxides Containing V and
Mg2V2O7 Catalysts Partially Substituted by Transition Metal Ions,J.
Japan Peterol. Inst., 46, 87-92(2003).
・N. Mizuno, J.-S. Min, and A. Taguchi, Preparation and
Characterization of Cs2.8H1.2PMo11Fe(H2O)O39・6H2O and
Investigation of Effects of Iron-substitution on Heterogeneous
Oxidative Dehydrogenation of 2-Propanol, Chem. Mater., 16, 2819
(2004).
・K. Takehira, T. Shishido, T. Komatsu, S. Hamakawa, and H. Kajioka,
YSZ aided oxidation of C2-C4 Hydrocarbons into Oxygenates over
MoO3 or V2O5, Solid State Ionics, in press.
・K. Takehira, T. Komatsu, N. Sakai, H. Kajioka, S. Hamakawa, T.
Shishido, T. Kawabata, K. Takaki, Oxidation of C2-C4 hydrocarbons
over MoO3 and V2O5 supported on a YSZ-aided membrane reactor,
Appl. Catal. A, in press.
・K. Takehira, N. Sakai, J. Shimomura, H. Kajioka, S. Hamakawa, T.
Shishido, T. Kawabata, and K. Takaki:Oxidation of C2-C4 alkanes
Over MoO3-V2O5 supported on a YSZ-aided membrane reactor, Appl.Catal. A,
in press.
・K. Takehira, J. Shimomura, S. Hamakawa, T. Shishido, T. Kawabata,
and K. Takaki, Partial oxidation of CH4 to synthesis gas using
Ni-catalyst/Au│YSZ│Ag electrochemical membrane reactor, Appl.
Catal. B, in press.
97
2-B
ノンハロゲン化学プロセス技術開発
2-B-(0)このテーマの纏め表(全体)
表.B-0-1 このテーマの纏め表
年度
H11 年度
H12 年度
特許出願
0
2
H13 年度
13
H14 年度
29
H15 年度
10
合計
54
登録
0
0
0
0
1
1
論文
2
6
18
19
10
55
口頭発表
9
31
36
39
0
115
新聞報道
1
1
1
4
2
9
合計
12
40
68
91
23
234
H15 年度
0
合計
5
2-B-(1)トリレンジイソシアネートの新合成法(三井化学㈱)
表.B-1-1 トリレンジイソシアネートの新合成法の成果
年度
H11 年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
特許出願
0
0
2
3
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
1
0
1
口頭発表
0
0
0
0
0
0
新聞報道
0
0
0
0
0
0
合計
0
0
2
4
0
6
2-B-(2)非ホスゲン法によるイソシアネートの新規合成(三井武田ケミカル㈱)
表.B-2-1 非ホスゲン法によるイソシアネートの新規合成の成果
年度
H11 年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
特許出願
0
1
3
9
0
合計
13
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
1
1
0
2
新聞報道
0
0
0
0
0
0
合計
0
1
4
10
0
15
2-B-(3)無機系酸化剤によるプロピレンオキサイド新合成法(住友化学㈱)
表.B-3-1 無機系酸化剤によるプロピレンオキサイド新合成法の成果
年度
H11 年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
特許出願
0
0
2
14
5
合計
21
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
1
0
0
1
新聞報道
0
0
0
0
0
0
合計
0
0
3
14
5
22
98
2-B-(4)有機系酸化剤による低反応性オレフィンのエポキサイドの新合成法(日本油脂㈱)
表.B-4-1 有機系酸化剤による低反応性オレフィンのエポキサイド新合成法の成果
年度
H11 年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
合計
特許出願
0
1
1
2
3
7
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
1
1
0
2
新聞報道
0
0
0
0
0
0
合計
0
1
2
3
3
9
H14 年度
1
H15 年度
2
合計
8
2-B-(5)フェノールの新合成法(東ソー㈱)
表.B-5-1 フェノールの新合成法の成果
年度
H11 年度
H12 年度
H13 年度
特許出願
0
0
5
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
2
0
2
口頭発表
0
0
1
3
0
4
新聞報道
0
0
0
0
2
2
合計
0
0
6
6
4
16
H13 年度
0
H14 年度
0
H15 年度
0
合計
0
2-B-(6) 大学の纏め(基礎技術)
表.B-6-1 大学の成果
年度
H11 年度
H12 年度
特許出願
0
0
登録
0
0
0
0
1
1
論文
2
6
18
16
10
52
口頭発表
9
31
32
34
0
106
新聞報道
1
1
1
4
0
7
合計
12
38
51
54
11
166
2-B
ノンハロゲン化学プロセス技術開発
2-B-(1)トリレンジイソシアネートの新合成法(三井化学㈱)
平成 13 年度
1)国内特許 2 件
・「芳香族ウレタン化合物の製造方法」 特願 2001-398718
(平成 13 年 12 月 28 日)三井化学株式会社
・「芳香族ウレタン化合物の製造方法」 特願 2001-398719
(平成 13 年 12 月 28 日)三井化学株式会社
平成 14 年度
1)国内特許
3件
99
・「芳香族ウレタン溶液の保存方法」 特願 2003-054757
(平成 15 年 2 月 28 日)三井化学株式会社
・「芳香族ウレタン化合物の製造方法」 特願 2003-054727
(平成 15 年 2 月 28 日)三井化学株式会社
・「芳香族イソシアネートの製造方法」 特願 2003-054767
(平成 15 年 2 月 28 日)三井化学株式会社
2)論文 1 件
・麻生眞次、馬場俊秀
「ホスゲンを使用しないトリレンジイソシアネート合成法の開発」
有機合成化学協会紙, 61, 523(2003)
2-B-(2)非ホスゲン法によるイソシアネートの新規合成(三井武田ケミカル㈱)
平成 12 年度
1)国内特許 1 件
・「カルバメートの製造方法及びイソシアネートの製造方法」
特願 2001-398911(平成 13 年 12 月 28 日)三井武田ケミカル株式会社
平成 13 年度
1)国内特許 3 件
・「アルキルカルバメートの製造方法」 特願 2002-15087
(平成 14 年 4 月 24 日) 三井武田ケミカル株式会社、馬場俊秀
・「アルキルカルバメートの製造方法」 特願 2002-15088
(平成 14 年 4 月 24 日) 三井武田ケミカル株式会社、馬場俊秀
・「カルバメートの製造方法及びイソシアネートの製造方法」
特願 2002-375763(平成 14 年 12 月 26 日)三井武田ケミカル株式会社
平成 14 年度
1)国内特許 2 件
・「アルキルカルバメートの製造方法」 特願 2003-034761
(平成 15 年 2 月 13 日) 三井武田ケミカル株式会社
・「イソシアネートの製造方法」 特願 2003-057119
(平成 15 年 3 月 4 日) 三井武田ケミカル株式会社
2)外国特許 7 件
・「カルバメートの製造方法及びイソシアネートの製造方法」
7ケ国に出願(EPC を含む)
US 10/327180.6 (2002.12.24)、EP 2028985.6 (2002.12.27)
CN 2159318.3 (2002.12.26)、KR 10-2002-85132 (2002.12.27)
SG 200207787 (2002.12.20)、TH 79145 (2002.12.26)
TW 91137418 (2002.12.26) 三井武田ケミカル株式会社
2-B-(3)無機系酸化剤によるプロピレンオキサイド新合成法(住友化学㈱)
平成 13 年度
1)国内特許
2件
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 特願 2002-056907
(平成 14 年 3 月 4 日) 住友化学工業株式会社
・「MWW 構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の活性化方法」
特願 2003-056908(平成 14 年 3 月 4 日) 住友化学工業株式会社
平成 14 年度
100
1)国内特許
6件
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 特願 2003-043870
(平成 15 年 2 月 21 日) 住友化学工業株式会社
・「MWW 構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の活性化方法」
特願 2003-043871(平成 15 年 2 月 21 日) 住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 特願 2003-059601
(平成 15 年 3 月 6 日) 住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 特願 2003-059602
(平成 15 年 3 月 6 日) 住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 特願 2003-059603
(平成 15 年 3 月 6 日) 住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 特願 2003-059604
(平成 15 年 3 月 6 日) 住友化学工業株式会社
2)外国特許
8件
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 WO03/074506 A1
(米国 移行申請済)(平成 15 年 2 月 28 日出願)住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 WO03/074506 A1
(中国 移行申請済)(平成 15 年 2 月 28 日出願)住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 WO03/074506 A1
(ドイツ国 移行申請済)(平成 15 年 2 月 28 日出願)
住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 WO03/074506 A1
(ベルギー国 移行申請済)(平成 15 年 2 月 28 日出願)
住友化学工業株式会社
・「MWW 構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の改良方法」
WO03/074179 A1 (米国 移行申請済)
(平成 15 年 2 月 28 日出願) 住友化学工業株式会社
・「MWW 構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の改良方法」
WO03/074179 A1 (中国 移行申請済)
(平成 15 年 2 月 28 日出願) 住友化学工業株式会社
・「MWW 構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の改良方法」
WO03/074179 A1 (ドイツ国 移行申請済)
(平成 15 年 2 月 28 日出願) 住友化学工業株式会社
・「MWW 構造を有する結晶性チタノシリケート触媒の改良方法」
WO03/074179 A1 (ベルギー国 移行申請済)
(平成 15 年 2 月 28 日出願) 住友化学工業株式会社
平成 15 年度以降(フォローアップ)
1)国内特許
3件
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 特願 2004-58719
(平成 16 年 3 月 3 日) 住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法特願」 特願 2004-58725
(平成 16 年 3 月 3 日) 住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイド製造用触媒及びプロピレンオキサイドの製造
方法」特願 2004-82144
(平成 16 年 3 月 22 日) 住友化学工業株式会社
2)外国特許
2件
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 PCT/JP2004/002759
(平成 16 年 3 月 4 日) 住友化学工業株式会社
・「プロピレンオキサイドの製造方法」 PCT/JP2004/002288
(平成 16 年 3 月 4 日) 住友化学工業株式会社
101
2-B-(4) 有機系酸化剤による低反応性オレフィンのエポキサイドの新合成法(日本油脂㈱)
平成 12 年度
1)国内特許 1 件
・「エポキシ化剤用有機ハイドロパーオキサイド組成物及びエポキシ化合物の製造
方法」 特願 2000-308553
(平成 12 年 10 月 10 日) 日本油脂株式会社
平成 13 年度
1)国内特許 1 件
・「エポキシ化合物の製造方法」 特願 2001-351251
(平成 13 年 11 月 16 日) 日本油脂株式会社
平成 14 年度
1)国内特許 2 件
・「アリル化合物のエポキシ化触媒及びこれを使用するエポキシ化合物の製造方
法」 特願 2002-062628(平成 14 年 3 月 7 日) 日本油脂株式会社
・「エポキシ化合物の製造方法」 特願 2002-062639
(平成 14 年 3 月 7 日) 日本油脂株式会社
平成 15 年度(フォローアップ)
1)国内特許 3 件
・「エポキシ化合物の製造方法」 特願 2003-046374
(平成 15 年 2 月 24 日) 日本油脂株式会社
・「エポキシ触媒及びこれを使用するエポキシ化合物の製造方法」
特願 2003-056608(平成 15 年 3 月 4 日) 日本油脂株式会社
・「不飽和化合物のエポキシ化合物の製造方法」 特願 2003-056609
(平成 15 年月 4 日) 日本油脂株式会社
2-B-(5) フェノールの新合成法(東ソー㈱)
平成 13 年度
1)国内特許 5 件
・「フェニルエステルの製造法」
特願 2002-002088
(平成 14 年 1 月 9 日) 東ソー株式会社
・「フェニルエステルの製造法」
特願 2002-002089
(平成 14 年 1 月 9 日) 東ソー株式会社
・「フェニルエステルの製造方法」 特願 2002-002090
(平成 14 年 1 月 9 日) 東ソー株式会社
・「パラジウム−テルル触媒及びその製造方法,並びにフェニルエステルの製造方
法」
特願 2002−057604
(平成 14 年 3 月 4 日) 東ソー株式会社
・「フェニルエステルの製造方法」 特願 2002-057605
(平成 14 年 3 月 4 日) 東ソー株式会社
平成 14 年度
1)国内特許 1 件
・「フェニルエステルの製造方法」 特願 2003-045415
(平成 15 年 2 月 24 日) 東ソー株式会社
2)論文 2 件
102
・T.Asakawa, Y.Mori, T.Doi, S.Tokumaru and T.Miyake
“ Phenylacetate Synthesis by Oxyacetoxylation of Benzene on PdCatalyst ” Studies in surface science and catalysis, 2003, Vol.145,
539-540 Elsevier/Kodansha (2003)
・淺川哲夫、森嘉彦、土井孝夫、徳丸正一、吉田 統、「ベンゼンの酸化アセトキ
シル化によるフェノールの合成」 東ソー研究・技術報告 2003, 47, 29-37
平成 15 年度
1)国内特許 2 件
・「フェニルエステルの製造方法」 特願 2003-174645
(平成 15 年 6 月 19 日) 東ソー株式会社
・「フェニルエステル合成触媒及びその製造方法」 特願 2003-430791
(平成 15 年 12 月 25 日) 東ソー株式会社
2)新聞報道等 2 件
・新触媒でフェノール合成法
(化学工業日報 平成 15 年 8 月 12 日)
・ A promising way to make phenol from benzene(Chemical Engineering,
October, p17, 2003)
2-B-(6) 大学側の纏め(基礎技術)
平成 11 年度
1)論文 2 件
・ A.Bhaumik, T. Tatsumi (Yokohama National Univ.),
“ Intramolecular Rearrangement of Epoxides Generated In-situ over
Titanium Silicate Molecular Sieves”, J. Catal., 182, 349-356 (1999).
・高橋武重(鹿児島大学 工学部応用化学工学科)
「新触媒プロセスの開発動向」
2)新聞記事
化学工学,63 巻 4 号、181-184,(1999)
1件
・「ノンハロゲン化学プロセス」
環境⑥)
高橋武重 (化学工業日報 平成 12 年 3 月 27 日、
平成 12 年度
1)論文
6件
・ A.Bhaumik, T. Tatsumi (Yokohama National Univ.), “ Synthesis of
Pure Silica NU-1 and Na- and Al-Free Ti-NU-1 Synthesized by Dry Gel
Conversion Method”, Microporous Mesporous Mater., 34, 1-7 (2000).
・ N. Igarashi, T. Tatsumi (Yokohama National Univ.), “ Synthesis and
Catalytic Application of Organically Modified Ti-MCM-41 Type
Materials”, Stud. Surf. Sci. Catal., 129, 163-168(2000).
・ P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T. Yashima (Yokohama National
Univ., and Tokyo Institute of Tech.), “ A Novel Titanosilicate with
MWW Topology”, Chem. Lett., 2000, 774-775.
・ N. Igarashi, S. Kidani, R. Ahemaito, and T. Tatsumi (The Univ. of
Tokyo, and Yokohama National Univ.), "Direct Synthesis and
Characterization of Organically Functionalized Ti-MCM-41 Materials,
Improved Epoxidation Catalysts", Zeolitic Mater., 1, 15-23, 2000.
・ Ichiro Yamanaka, Masanori Soma, Kiyoshi Otsuka(Tokyo Institute of
Technology), “ Partial Oxidation
of Light Alkanes by Reductively
103
Activated Oxigene in Eu-CatalyticSystem at 40 ℃ ” Res. Chem.
Intermed. ,26,129,2000.
・ Ichiro Yamanaka, Takashi Nabeta, Sakae Takenaka, and Kiyoshi
Otsuka(Tokyo Institute of Technology), “Eu-Ti-Pt-Catalytic System for
the Direct Hydroxylation of Benzene by O2 and H2 under Mild
Conditions”, Stud. Surf. Sci. &Catal,130, 815, 2000.
2)新聞記事 1 件
・「フェノール、ベンゼンから直接合成」 山中一郎
(平成 12 年 9 月 11 日 化学工業日報)
平成 13 年度
1)論文
・Yue Fu, Toshihide Baba, and Yoshio Ono
“ Carbonylation of o-Phenylenediamine and o-Aminophenol with Dimethyl
Carbonate Using Lead Compounds as Catalysts”, J. Catal., vol. 197, p
91-97 (2001)
・P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T. Yashima (Yokohama National
Univ., and Tokyo Institute of Tech.), “Hydrothermal Synthesis of a
Novel Titanosilicate with MWW Structure. I. Hydrothermal Synthesis,
Elimination of Extraframework Titanium, and Characterization”, J.
Phys. Chem. B, 2001, 105, 2897-2905.
・P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.), “Extremely High trans
Selectivity of Ti-MWW in Epoxidation of Alkenes with Hydrogen Peroxide”,
Chem. Commun., 2001, 897-898.
・P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T. Yashima (Yokohama National
Univ.,
and Tokyo Institute of Tech.), “ A Novel Titanosilicate with MWW
Structure: II. Catalytic
Properties in the Selective Oxidation of
Alkenes”, J. Catal., 2001, 202, 245-255.
・P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T. Yashima (Yokohama National
Univ.,
and Tokyo Institute of Tech.), “Preparation of Ti-MWW and its Singular
Catalytic Properties in the Liquid-phase Oxidation of Alkenes ” ,
Catalysts & Catalysis, 2001,
43 (2), 158-160.
・K. Yamamoto, Y. Nohara, T. Tatsumi, “Synthesis and Catalysis of Ti-MCM41 Materials with Organic-Inorganic Hybrid Network”, Chem. Lettt., 648649 (2001).
・ P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T. Yashima (Yokohama National
Univ., and Tokyo Institute of Tech.), “ Preparation of Ti-MWW and its
Singular Catalytic Properties in the Liquid-phase Oxidation of
Alkenes”, Catalysts & Catalysis, 43 (2), 158-160, 2001.
・ P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T. Yashima (Yokohama National
Univ., and Tokyo Institute of Tech.), “ Hydrothermal Synthesis of a
Novel Titanosilicate with MWW Structure.I. Hydrothermal Synthesis,
Elimination of Extraframewrok Titanium, and Characterization ” , J.
Phys. Chem. B, 105, 2897-2905, 2001.
・P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.)
“ Extremely High trans Selectivity of Ti-MWW in Epoxidation
Alkeneswith Hydrogen Peroxide”, Chem. Commun., 897-898, 2001.
・P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T. Yashima (Yokohama National
104
of
Univ., and Tokyo Institute of Tech.), “A Novel Titanosilicate with MWW
Structure: II. Catalytic Properties in the Selective Oxidation of
Alkenes”,
J. Catal., 202, 245-255, 2001.
・Y. Goa, P. Wu, and T. Tatsumi (The Univ. of Tokyo, and Yokohama
National Univ.), “A Dramatic Improvement of Epoxide Selectivity of [Ti,
Al]-Beta by
Ion-exchange with Quaternary Ammonium Salts ", Chem.
Commun., 1714-1715, 2001.
・T. Miyaji, P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.),
“Selective Oxidation of Propylene to Propylene Oxide over Ti-MCM-41
Supporting Metal Nitrate”, Catal. Today, 71, 169-176, 2001.
・ K. Yamamoto, Y. Nohara and T. Tatsumi(The Univ. of Tokyo, and
Yokohama National Univ.), “ Synthesis and Catalysis of Ti-MCM-41 with
Organic-Inorganic Hybrid Network”, Chem. Lett., 648-649, 2001.
・P. Wu, T. Komatsu, T. Yashima, and T. Tatsumi (Yokohama National
Univ., and Tokyo Institute of Tech.), “Singular Catalytic Properties of
Ti-MWW in the Selective Oxidation of Alkenes”, Stud. Surf. Sci. Catal.,
135, 4375-4383, 2001.
・高橋武重(鹿児島大学 工学部応用化学工学科), 「ノンハロゲン化学プロ
セス用触媒の開発」触媒 43 巻 1 号 17-21 (2001)
・高橋武重(鹿児島大学 工学部応用化学工学科), 「環境問題とプロセスの
関係」
岩本正和監修「環境触媒ハンドブック」 序論第 4 節、p.23-34,
エヌ・ティー・エス(2001.11)
・H. Kanai, Y. Okumura, K. Utani, K. Hamada, S. Imamura, “Epoxidation
of 1-octene with tert-butyl hydroperoxide catalyzed by ZrO2/AerosilSiO2, Catal/ Lett., 76, 207-211 (2001)
・山中一郎
「ベンゼンの直接水酸化反応へのチャレンジ」PETEROTECH, ,24 、636、2001
2)新聞記事 1 件
・「最先端 信州の研究室から」
馬場俊秀
(平成 14 年1月7日 信濃毎日新聞 科学欄)
平成 14 年度
1)論文
・ Toshihide Baba, Mamiko Fujiwara, Akihide Oosaku, obayashi and Yoshio
Ono,“Catalytic Synthesis of N-Alkyl Carbamates by
Methoxycarbonylation of Alkylamines with Dimethyl Carbonate Using
Pb(NO3)2” , Appl. Catal., A General, 227, 1-6 (2002).
・ Akane Kobayashi, Tatsuya Yamauchi, Junpei Ooishi, Robert GarciaDeleon,
Masaaki Sasaki and Fumiaki Hiarata and Toshihide Baba, “ Catalytic
Methoxycarbonylation of 1,6-Hexanediamine with
Dimethyl Carbonate to Dimethylhexane-1, 6-dicarbamate Using Bi(NO3)3 ”,
Appl. Catal., A General, 225, 43-49 (2002).
・Toshihide Baba, Akane Kobayashi, Tatsuya Yamauchi, HiroshiTanaka, Shinji
and
Yukio
Kawanami,
“ Catalytic
Aso,
Masamitsu
Inomata
Methoxycarbonylation of Aromatic Diamines with Dimethyl Carbonate to
105
their Dicarbamates Using Zinc Acetate”、Catal. Lett., 82, 193-6 (2002).
・P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.), “Unique transSelectivity of Ti-MWW in Epoxidation of cis/trans Alkenes with Hydrogen
Peroxide”, J. Phys. Chem. B, 106, 748-753, 2002.
・M. Sasidharan, P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.)
“Epoxidation of α,β-Unsaturated Cabonyl Compounds over Various
Titanosilicates”, J. Catal., 205, 332-338, 2002.
・P. Wu, T. Tatsumi, T. Komatsu, and T.Yashima, (Yokohama National
Univ., and Tokyo Institute of Tech.),“Post-synthesis,
Characterization and Catalytic Properties in Alkene Epoxidation of
Hydrothermally Stable Mesoporous Ti-SBA-15” Chem. Mater. 2002,
14(4), 1657-1664.
・N. Duangamol, P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.),
“Highly Selective Formation of Cyclopentanol through Liquid-Phase
Hydration of Cyclopentene over MCM-22 Catalysts”, Chem. Lett.,
224,
2002.
・P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.), “Preparation of B-free
Ti-MWW Through Reversible Structural Conversion”, Chem. Commun., 10261027, 2002.
・M. Sasidharan, P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.)
“Direct Formation of Pinacols from Olefins over Titano-Silicates”
J. Catal., 209, 260-265, 2002.
・T.Takahashi, E.Nakao and T.Kai, Proc. of APCChE 2002, p.542-547
(2002)
・Kohki EBITANI, Masahito IDE, Takato MITSUDOME, Tomoo MIZUGAKI,
Kiyotomi KANEDA* (Department of
Chemical Science and Engineering,
Graduate School of Engineering Science,
Osaka University),
“Creation of a Chain-Like Iron Species in Montmorillonite as a Highly
Active Heterogeneous Catalyst for Alkane Oxygenationusing
Hydrogen
Peroxide”, Chemical Communications, p.690-691, 2002.
・金田 清臣(大阪大学大学院基礎工学研究科), 「無機結晶の特性を活かした環境調和
型金属触媒の開発」, 化学と工業 (Chemistry and Chemical Industry), 11 月号,
Vol.55, No.11, p.1233-1236, 日本化学会, 2002 年.
・金田 清臣(大阪大学大学院基礎工学研究科), 「環境調和型金属触媒の開発∼グ
リーン・サステイナブルケミストリーを指向したモノづくり∼」
現代化学 (Chemistry Today), 10 月号, No.379, p.14-20, 東京化学同人
2002 年.
・金田 清臣, 海老谷 幸喜, 水垣 共雄(大阪大学大学院基礎工学研究科)
「グリーン・サステイナブルケミストリーを指向した触媒開発」, ケミカル・エンジ
ニアリング, Vol.47, p.676-682, 化学工業社, 2002 年
・金田 清臣, 海老谷 幸喜, 水垣 共雄(大阪大学大学院基礎工学研究科) 「固定化金
属錯体触媒の開発と環境調和型有機合成反応への応用」, ファインケミカル, 10
月 15 日号, Vol.31, No.18, p.13-30,シーエムシー出版, 2002 年
・ Ichiro Yamanaka, “Reductive activation of O2 and monooxygenation of
hydrocarbon by Eu catalyst”, Catal. Serv. Jpn., 6,63-72、2002
2)新聞記事 4 件
・「新規チタノシリケート触媒、優れた活性、選択性」 辰己 敬(平成 14 年 5 月 13
日、化学工業日報)
・「緑の化学(グリーンケミストリー)新世紀 (17)“ホネのある?固体触
媒”」 金田清臣
(平成 14 年 5 月 1 日 読売新聞夕刊)
106
・「原子価 3 種混在のパラジウム触媒」 金田清臣(平成 14 年 7 月 1 日 日刊工業新
聞)
・「無機結晶の特性を活かした環境調和型金属触媒の開発」 金田清臣(平成 15 年 2 月
GSCN News Letter)
3)受賞 1 件
・第 1 回グリーン・サステイナブルケミストリー賞
金田 清臣
「無機結晶の特性を活かした環境調和型金属触媒の開発」
平成 14 年 4 月 18 日,(Green & Sustainable Chemistry Network, Japan)
フォローアップ(平成 15 年度)
1) 論文
・Toshihide Baba, Akane Kobayashi, Tatsuya Yamauchi, Shinji Aso,
Masamitsu Inomata, and Yukio Kawanami, “Catalytic Synthesis
Dimethyltoluene -2,4-dicarbamate by the Methoxy−carbonylation of 2,4Toluene Diamine with Dimethyl Carbonate Using Zn(OAc)2 ·2H2O”、Stud.
Surf.Sci. Catal., in press.
・ T. Yokoi, P. Wu, and T. Tatsumi(Yokohama National Univ.), “ParaSelectivity Enhancement by Coexistent Molecules in Phenol
Hydroxylation over TS-1/H2O2 System”,
Catal. Commun., 4(1), 11-15, 2003.
・N. Duangamol, P. Wu, and T. Tatsumi
(Yokohama National Univ.)
“High Selectivity of MCM-22 for Cyclopentanol Formation in Liquid
-Phase Cyclopentene Hydration”,
J. Catal., 213, 272-280, 2003.
・N. Duangamol, P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.)
“Highly Active Delaminated Ti-MWW for Epoxidation of Bulky Cyclo
-alkenes with Hydrogen Peroxide”, Chem. Lett., 32 (4), 2-3, 2003.
・P. Wu, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.), “A Novel Titanosilicate with MWW Structure: III. Highly Efficient and Selective
Production of Glycidol through Epoxidation of Allyl Alcohol with H2O2”,
J. Catal., in press, 2003.
・P. Wu, H. Sugiyama, and T. Tatsumi (Yokohama National Univ.), “Direct
Synthesis of Hydrothermally Stable Mesoporous Ti-MSU-G and
its
Catalytic Properties in Liquid-Phase Epoxidation”, Stud. Surf.
Sci. Catal,, in press, 2003.
・ T.Takahashi, E.Nakao and T.Kai, Appl.Catal.,A General, “Kinetic Study
on Hydrolysis of Propylene Oxide over Solid Catalyst” submitting
・高橋武重
「脱ハロゲン化学プロセスの開発」日本農芸化学会誌、77 巻、第 1 号、
2629 (2003)
・ Hiroyoshi Kanai, Yoshio Ikeda, Seiichiro Imamura (Kyoto Institute of
Technology),“Epoxidation of allyl acetate with tert-butyl hydroperoxide
catalyzed by MoO3/TiO2”, Applied Catalysis A, 1-7 (2003).
・Keisuke IWAI(1), Takayoshi YAMAUCHI(1), Keiji HASHIMOTO(2), Tomoo
MIZUGAKI(3), Kohki EBITANI(3), Kiyotomi KANEDA(3) ((1)K. K. Nisseikagaku
kogyosyo,(2)Osaka Municipal Technical Research Institute,(3)Department of
Chemical Science and Engineering, Graduate School of Engineering Science,
Osaka University)
“Clean Synthesis of 3,3’,5,5’-Tetra-tert-butyl-4,4’-diphenoquinone
from the Oxidative Coupling of 2,6-Di-tert-butylphenol Catalyzed by
Alkali-Promoted Cu-Mg-Al Hydrotalcites in the Presence of Molecular
Oxygen” Chemistry Letters, Vol. 32, p.58-59, 2003
107
2)受賞
1件
・平成 14 年度 触媒学会 学会賞(学術部門) 辰己 敬
「ゼオライト系新触媒の合成とその特性を活かした反応の開拓」
平成 15 年 3 月 26 日
108
2-C
多相系触媒反応プロセス技術の開発
2-C-(0)このテーマの纏め表(全体)
表. C-(0)-1 このテーマの纏め表
年度
H12 年度
H13 年度
特許出願
0
11
H14 年度
19
H15 年度
14
H16 年度
10
合計
54
登録
0
0
0
0
0
0
論文
6
12
25
28
3
74
口頭発表
2
12
37
36
3
90
新聞報道
1
0
1
4
0
6
合計
9
35
82
82
16
224
2-C-(1):不斉水素化反応による光学活性体合成(高砂香料工業㈱)
表. C-1-1 不斉水素化反応による光学活性体合成の成果
年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
特許出願
0
1
4
3
3
合計
11
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
0
0
0
0
新聞報道
0
0
0
0
0
6
合計
0
1
4
3
3
11
2-C-(2):選択水素化によるアミン合成(広栄化学工業㈱)
表.C-2-1 選択水素化によるアミン合成の成果
年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
特許出願
0
1
4
2
H16 年度
0
合計
7
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
3
1
0
4
新聞報道
0
0
0
0
0
0
合計
0
1
7
3
0
11
2-C-(3):ジエン・オレフィンへの付加反応によるアルデヒド・エーテル類の合成
(日本ゼオン㈱))
表. C-3-1 ジエン・オレフィンへの付加反応によるアルデヒド・エーテル類合成の成果
年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
合計
特許出願
0
0
3
1
3
7
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
1
0
0
1
口頭発表
0
0
0
0
0
0
新聞報道
0
0
1
0
0
1
合計
0
0
5
1
3
9
109
2-C-(4):相間移動触媒によるエポキシド合成(日産化学㈱)
表. C-4-1 相間移動触媒によるエポキシド合成の成果
年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
特許出願
0
4
3
4
H16 年度
1
合計
12
登録
0
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
0
1
0
1
新聞報道
0
0
0
0
0
0
合計
0
4
3
5
1
13
2-C-(5):フッ素系ルイス酸触媒によるエステル・ラクトン合成(旭化成・野口研究所)
表.C-5-1 フッ素系ルイス酸触媒によるエステル・ラクトン合成の成果
年度
H12 年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
合計
特許出願
0
5
4
4
3
16
登録
0
0
0
0
0
0
論文
1
0
3
6
3
13
口頭発表
1
3
7
8
3
22
新聞報道
0
0
0
1
0
1
合計
2
8
14
19
9
52
2-C-(6) 大学の纏め(基礎技術)
表. C-6-1 大学の成果
年度
H12 年度
H13 年度
特許出願
0
0
H14 年度
1
H15 年度
0
H16 年度
0
合計
1
登録
0
0
0
0
0
0
論文
5
12
21
22
0
60
口頭発表
1
9
27
26
0
63
新聞報道
1
0
0
3
0
4
合計
7
21
49
51
0
128
2-C
多相系触媒反応プロセス技術の開発
2-C-(1) 不斉水素化反応による光学活性体合成
平成 13 年度
1)国内特許 1 件
・光学活性 3-ハロゲノカルボン酸エステルの製造方法
砂香料工業(株)
2002-065728(平成 14 年 3 月 11 日) 高
平成 14 年度
1)国内特許 2 件
・光学活性 3-アジドカルボン酸エステルの製造方法 2002-103547(平成 14 年 4 月 5 日)
高砂香料工業(株)
・光学活性カルボン酸の製造方法 2003-089605 高砂香料工業(株)
110
2)外国特許 2 件
・Process for producing optically active 3-halogenocarboxylic acid ester and 3azidocarboxylic acid ester US 10/383866(平成 15 年 3 月 10 日)高砂香料工業(株)
・ 「 Process for producing optically active 3-halogenocarboxylic acid ester and 3azidocarboxylic acid ester EP 03290590(平成 15 年 3 月 11 日)高砂香料工業(株)
平成 15 年度
1)国内特許 3 件
・水溶性遷移金属-ジアミン錯体,及びその製造方法,並びにその用途 2004-027321
(平成 16 年 2 月 3 日)高砂香料工業(株式会社)
・ホスフィン化合物,それを配位子とする遷移金属錯体及び光学活性カルボン酸の製造法 200409708(平成 16 年 3 月 30 日)高砂香料工業(株)
・光学活性遷移金属-ジアミン錯体,及びこれを用いた光学活性 2 級アルコール類の製造方法
2004-096472(平成 16 年 3 月 29 日)高砂香料工業(株)
平成 16 年度
1)外国特許 以上 3 件の出願準備中
2-C-(2) 選択水素化によるアミン合成
平成 13 年度
1)国内特許 1 件
・不飽和アミン類の製造方法、広栄化学・小宮三四郎、特願 2001-317721(平成 13 年 10 月
16 日)広栄化学工業(株)
平成 14 年度
1)国内特許 4 件
・2 級アミンの製造方法、広栄化学、特願 2002-149875(平成 13 年 10 月 16 日)
広栄化学工業(株)
・アミドの製造方法、広栄化学、特願 2002-149876(平成 13 年 5 月 24 日)
広栄化学工業(株)
・水溶性貴金属錯体、広栄化学、特願 2002-196422(平成 13 年 7 月 4 日)
広栄化学工業(株)
・ニトリル類の製造方法、広栄化学、特願 2003-054898(平成 15 年 2 月 28 日)
広栄化学工業(株)
平成 15 年度
1)国内特許 2 件
・ピリジンカルボン酸アミド類の製造方法、広栄化学、特願 2003-065682
(平成 15 年 5 月 4 日)広栄化学工業(株)
・アリルアミン類の製造方法、広栄化学、特願 2003-209508
(平成 15 年 8 月 29 日) 広栄化学工業(株)
2-C-(3) ジエン・オレフィンへの付加反応によるアルデヒド・エーテル類の合成
平成 14 年度
1) 国内特許 3 件
・ジヒドロピラン化合物及びアルコール化合物の製造方法 特願 2002-123859
(平成 14 年 4 月 25 日) 日本ゼオン(株)
111
・シクロアルキルアルキルエーテルの製造方法 特願 2003-086731
(平成 15 年 3 月 27 日) 日本ゼオン(株)
・シクロアルキルアルキルエーテルの製造方法 特願 2003-095743
(平成 15 年 3 月 31 日) 日本ゼオン(株)
2)論文
1件
・『ケミカルズ覚え書き シクロペンチルメチルエーテル(CPME)』渡辺澄、後藤邦明、有機合成
化学協会誌,61(第 8 号)(2003.8)
平成 15 年度
1) 国内特許 1 件
・シクロアルケニルアルキルエーテルの製造方法』
(平成 15 年 4 月 22 日) 日本ゼオン(株)
特願 2003-116484
2-C-(4):相間移動触媒によるエポキシド合成
平成 13 年度
1)国内特許
4件
・含フッ素 3 級アミン化合物及び含フッ素 4 級アンモニウム塩の製造方法 特願 2002- 033395
(平成 14 年 2 月 12 日)日産化学(株)
・オキシラン化合物及びジオール化合物の製造方法 特願 2002-124860(平成 14 年 4 月 25 日)日産
化学(株)
・同上 優先権出願 特願 2002-166229(平成 14 年 6 月 6 日)日産化学(株)
・酸化触媒及び該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法」 特願 2002-314476(平成 14 年 10 月
29 日)日産化学(株)
平成 14 年度
1)国内特許
3件
・上記「酸化触媒及び該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法」優先権出願
特願 2003-335169(平成 15 年 9 月 26 日)日産化学(株)
・不均一型触媒及び該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法
特願 2003-123694(平成 15 年 4 月 28 日)日産化学(株)
・同上 優先権出願 特願 2003-279438(平成 15 年 7 月 24 日)日産化学(株)
平成 15 年度
1)国内特許
3件
・上記「不均一型触媒及び該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法」優先権出願
特願 2004-044040(平成 16 年 2 月 20 日)日産化学(株)
・同上 優先権出願 PCT -JP2004-005727(平成 16 年 4 月 21 日)日産化学(株)
・含窒素ヘテロ環型触媒及び該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法
特願 2003-390061(平成 15 年 11 月 20 日)日産化学(株)
2)外国特許
1件
・不均一型触媒及び該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法
PCT -JP2004-005723(平成 16 年 4 月 21 日)日産化学(株)
平成 16 年度
1)国内特許
1件
・「出願予定(1 ヶ月以内)」
112
2-C-(5) フッ素系ルイス酸触媒によるエステル・ラクトン合成
平成 12 年度
1)論 文
1件
・ “Lewis Acid Catalysis by Lanthanide Complexes with Tris(perfluorooctane
sufonyl) methide Ponytails in Fluorous Recyclable Phase”, K. Mikami, Y. Mikami, Y.
Matsumoto, J. Nishikido, F. Yamamoto, H. Nakajima, Tetrahedron Lett., 42, 289
(2001).
平成 13 年度
1) 国内特許
5件
・ルイス酸触媒組成物 特願 2001-126334 旭化成・野口研究所
・ルイス酸触媒組成物 特願 2001-359720 旭化成・野口研究所
・流通反応方法 特願 2001-386050 旭化成・野口研究所
・ケトン化合物の酸化触媒 特願 2001-391285 旭化成・野口研究所
・ルイス酸触媒 特願 2001-391275 旭化成・野口研究所
平成 14 年度
1)国内特許
4件
・ルイス酸触媒組成物 特願 2002-146262 旭化成・野口研究所
・ルイス酸触媒 特願 2002-290745 旭化成・野口研究所
・ルイス酸触媒含有組成物 PCT-JP02-13302 旭化成・野口研究所
・固定化ルイス酸触媒 特願 2003-37165 旭化成・野口研究所
2)論 文
3件
・ “Metallo-Enzyme in Pure Water: Cyclodextrin−Lanthanide Tris (perfluoroalkanesufonyl)methide and Bis(perfluoroalkanesulfonyl) amide Complexes”, J.
Nishikido, M. Nanbo, A. Yoshida, H. Nakajima, Y. Matsumoto, K. Mikami,
Synlett, 2002, 1613.
・ “Lanthanide
Catalysts
with
Tris(perfluorooctanesufonyl)methide
and
Bis(perfluorooctanesulfonyl)amide ponytails: Recyclable Lewis Acid Catalysts
in Fluorous Phases or as Solids”, K. Mikami, Y. Mikami, H. Matsuzawa, Y.
Matsumoto, J. Nishikido, F. Yamamoto, H. Nakajima, Tetrahedron, 58, 4015
(2002).
・ “Recyclable Lewis Acid Catalysts by Tuning Supercritical vs. Liquid Carbon
Dioxide Phases: Lanthanide Catalysts with Tris(perfluoro- octanesufonyl)
methide and Bis(perfluorooctanesulfonyl)amide”, J. Nishikido, M. Kamishima,
H. Matsuzawa, K. Mikami, Tetrahedron, 58, 8345 (2002).
平成 15 年度
1)国内特許
3件
・エステル製造用ルイス酸触媒 特願 2003-335056 旭化成・野口研究所.
・固定化酸触媒 特願 2003-344073 旭化成・野口研究所
・ルイス酸触媒含有組成物 特願 2003-552433 旭化成・野口研究所
2)外国特許
1件
・ルイス酸触媒含有組成物 米国 No. 10/491,532 旭化成・野口研究所
3)論 文
5件
・ “Tin(IV) Bis(perfluoroalkanesulfonyl)amide Complex as a Highly Selective
Lewis Acid Catalyst for Baeyer−Villiger Oxidation Using Hydrogen Peroxide in
a Fluorous Recyclable Phase”, X. Hao, O. Yamazaki, A. Yoshida, J. Nishikido,
Tetrahedron Lett., 44, 4977 (2003).
・ “Green Baeyer−Villiger Oxidation with Hydrogen Peroxide: Sn[N(SO2C8F17)2]4 as a
113
Highly Selective Lewis Acid Catalyst in a Fluorous Recyclable Phase”, X. Hao,
O. Yamazaki, A. Yoshida, J. Nishikido, Green Chem., 5, 524 (2003).
・ “Development of the Continuous-flow Reaction System Based on the Lewis AcidCatalyzed Reactions in Fluorous Biphasic System”, A. Yoshida, X. Hao, J.
Nishikido, Green Chem., 5, 554 (2003).
・ “Fluorous Reverse-phase Silica Gel-Supported Lewis Acids as Recyclable
Catalysts in Water”, O. Yamazaki, X. Hao, A. Yoshida, J. Nishikido,
Tetrahedron Lett., 44, 8791 (2003).
・ “Recyclable and Selective Lewis Acid Catalysts for Transesterification and
Direct Esterification in a Fluorous Biphase System: Tin(IV) and Hafnium(IV)
Bis(perfluoroalkanesulfonyl)amide Complexes”, X. Hao, A. Yoshida, J.
Nishikido, Tetrahedron Lett., 45, 781 (2004).
平成 16 年度
1)外国特許
3件
・ルイス酸触媒含有組成物 イギリス No. 0407744.2 旭化成・野口研究所
・ルイス酸触媒含有組成物 ドイツ No. 10297356.3 旭化成・野口研究所
・ルイス酸触媒含有組成物 中国 No. 02821232.0 旭化成・野口研究所
2)論 文
3件
・ “Hf[N(SO2C8F17)2]4 as a Highly Active and Recyclable Lewis Acid Catalyst for
Direct Esterification of Methacrylic Acid with Methanol in a Fluorous
Biphase System”, X. Hao, A. Yoshida, J. Nishikido, Green Chem., in press.
・ 「フルオラスルイス酸触媒による多相系反応プロセスの開発」,錦戸條二,吉田彰宏,有機
合成化学協会誌,印刷中.
「その他」
・ 「次世代化学合成法:フルオラス合成法の開発と応用」,錦戸條二,ファインケミカ
ル,33(8), 5 (2004).
2-C-(6) 大学側の纏め(基礎技術)
平成 12 年度
1)論 文
5件
(1) Gong Jin, Tadaatsu Ido and Shigeo Goto(Nagoya University):Effect of
Third-Phase Properties on Benzyl-n-Butyl Ether
Synthesis in Phase
Transfer Catalytic System,Catalysis Today 64 179(2001)
(2) Koichi Mikami, Masahiro Terada, Toshinobu Korenaga, Yousuke Matsumoto,
Makoto Ueki and Remy Angelaud(Tokyo Institute of Technology): Asymmetric
Activation(Reviews), Angew.Chem.Int. Ed. 39 3532 (2000)
(3) 三上幸一(東京工業大学):ランタノイド錯体を不斉触媒とする有機合成、
希土類 37 47 (2000)
(4) Koichi Mikami, Yutaka Mikami, Yousuke Matsumoto(Tokyo Insti-tute of
Technology), Joji Nishikido, Fumihiko Yamamoto and Hitoshi Nakajima(The
Noguchi Institute): Lewis acid cata-lysis by lanthanide complexes with
tris(perfluorooctanesulfo-nyl)methide ponytails in fluorous recyclable
phase,Tetrahed-ron Letters 42 289 (2001)
(5) 後 藤 繁 雄 ( 名 古 屋 大 学 ): 多 相 系 触 媒 反 応 プ ロ セ ス の 技 術 開 発 、 ケ ミ カ ル
エンジニアリング 46(4) 26 (2001)
2)プレス発表等
1件
(1)三上幸一(東京工業大学): 光学純度高いフッ素化合物/新合成法の開発に着手、日本工
業新聞 2001 年 1 月 26 日、日刊工業新聞 2001 年 2 月 6 日・2 月 8 日、
114
平成 13 年度
1)論 文
12 件
(1) 相分離型流通式攪拌槽反応器における第 3 層としての相間移動触媒によるブチルフェニル
エーテル生成速度, 井土忠厚・吉川貴浩・晋 工・後藤繁雄(名古屋大学)化学工学論文
集,28,88-94(2002)
(2) Synthesis and Reactions of Water-soluble Diorganoplatinum(II)Complexes
小宮
三四郎・生稲美保・小峰伸之・平野雅文(東京農工大学), Chemistry Letters,p. 72-73(2002)
(3) Catalyst Product Separation Techniques in Heck Reaction (A Review)Bhalchandra M.
Bhanage and Masahiko Arai (Hokkaido University)Catal. Rev. Sci. Eng. 43, 315
(2001)
(4) 超臨界二酸化炭素を反応場とする多相系触媒反応-反応と分離白井誠之
(東北大学)・藤田進一郎・荒井正彦(北海道大学) 触媒,43, 565 (2001)
(5) Palladium-Based Supported Liquid Phase Catalysts: Influence of Preparation
Variables on the Activity and Enhancement of the Activity on Recycling in the
Heck Reaction, Shin-ichiro Fujita, Takeshi Yoshida, Bhalchandra M. Bhanage
(Hokkaido University), Masayuki Shirai (Tohoku University) and Masahiko Arai
(Hokkaido University) J. Mol. Catal. A Chem. in press.
(6) Lewis Acid Catalysis by Lanthanide Complexes with Tris(per-fluorooctanesulfonyl)methide Ponytails in Fluorous Recyclable Phase K. Mikami, Y.
Mikami, Y. Matsumoto, J. Nishikido, F. Yamamoto, and H. Nakajima, Tetrahedron
Lett., 42, 289-292 (2001)
(7) Head-to-Tail and Head-to-Head Crystallization through Single and Double Hydrogen
Bonds of Homo- and Hetero-Chiral Assembly A. Ishii, M. Kanai, K. Higashiyama, and
K. Mikami Chirality, in press.
(8) Heterogeneous Acid-Catalyzed (2,5) Oxonium-Ene Reaction for Eight-Membered Ring
Formation, H. Ohmura and K. Mikami Tetrahedron. Lett, 42, 6859-6863 (2001)
(9) Lewis Acid Catalysis by Lanthanide Complexes with Tris(perfluorooctanesulfonyl)methide Ponytails in Fluorous Recyclable Phase, K. Mikami, Y. Mikami, Y.
Matsumoto, J. Nishikido, F. Yamamoto, and H. Nakajima, Tetrahedron in press.
(10)Asymmetric Catalytic Ene Reactions, K. Mikami and T. Nakai, Catalytic Asymmetric
Synthesis (Ed. I. Ojima), John Wiley & Sons, Inc. Vol. 2 543-568 (2000)
(11)ランタノイド錯体を不斉触媒とする有機合成(Asymmetric Synthesis by Lanthanoide
Complexes as Asymmetric Catalysts), 三上幸一, 希土類(Rare Earths)11,pp.47-64
(2000)
(12)Asymmetric Catalysis by Lanthanide Complexes, K. Mikami, M. Terada, and S.
Matsuzawa, Angew. in press.
平成 14 年度
1)国内特許
1件
・相間移動触媒を用いた化合物の合成方法 特願 2002-274213
(財)名古屋産業科学研究所
2)論 文
21 件
(1) 第 3 層としての相間移動触媒を利用した相分離型流通撹拌反応器による安息香酸フェニル
の生成速度と選択性, 井土忠厚・清水智也、晋工、後藤繁雄(名古屋大学)
化学工学論文集,投稿中
(2) Formation of a Third Liquid Phase and Its Reuse for Dibenzyl Ether Synthesis in
a Tetraalkylammonium Salt Phase Transfer Catalytic System G. Jin, H. Morgner,
T.Ido and S. Goto(Nagoya University) Catalysis Letters,86 (4): 207-210, March
2003
(3) Rate Enhancement Effect of Third Liquid Phase on Dibenzyl Ether Production in
Solid-Liquid-Liqud Phase Transfer Catalytic System, G. Jin, T.Ido and S. Goto
(Nagoya University Catalyst Today, in Printing
115
(4) Synthesis and β -Hydrogen Elimination of Water-soluble Dialkyl-platinum (II)
Complexes in Water, S.Komiya, M.Ikuine, N.Komine, and M.Hirano (Tokyo University
of Agriculture and Technology), Bulletin of the Chemical Society of Japan, Vol.
76, 183-188, 2003.
(5) Palladium-based supported liquid phase catalysts: influence of preparation
variables on the activity and enhancement of the activity on recycling in the
Heck reaction, S. Fujita, T. Yoshida, B. M. Bhanage, M. Shirai, and M. Arai
(Hokkaido University) J. Mol. Catal. A Chem., 180, 277-284 (2002).
(6) Heck reaction with a silica-supported Pd-TPPTS liquid phase catalyst Effects of
reaction conditions and various amines on the reaction rate, S. Fujita, T.
Yoshida, B. M. Bhanage, and M. Arai (Hokkaido University),J. Mol. Catal. A Chem.,
188, 37-43 (2002).
(7) Kinetic analysis of hydrogenation of cinnamaldehyde with a rutheniumcomplex
catalyst in several solvents, S. Fujita, Y. Sano, B. M. Bhanage, and M. Arai
(Hokkaido University), J. Chem. Eng. Jpn., in press.
(8) Highly Effective Discrimination of Fluorous Tags by β-Cyclodextrin Columns:
New Isolation Method for Fluorous Mixture Synthesis, H.Matsuzawa and K.Mikami
(Tokyo Institute of Technology), Synlett,1607-1612 (2002)
(9) Practical Asymmetric Synthetic Route to 4,4,4-Tirifluoro-3-hydroxybutyrate :
Head-to-tail and Head-to-Head Crystallizations Through Double and Single Hydrogen
Bonds of Hetero- and Homochiral 4,4,4-Trifluoro-3-hydroxy- butyrophenones,
A.Ishi,M.Kanai,K.Higashiyama and K.Mikami (Tokyo Institute of Technology)
Chirality.,14,[9],709-712 (2002)
(10) Metallo-Enzyme Model in Pure Water: Cyclodextrin-Lanthanide Tris (perfluoroal
kanesulfonyl)-methide and Bis(perfluoroalkanesulfonyl)- amide Complexes,
J.Nishikido,M Nanbo,A.Yoshida ,H.Nakajima,Y.Matsumoto and K.Mikami (The Noguchi
Institute, Tokyo Institute of Technology), Synlett, 1613-1616 (2002)
(11) Theoretical Studies on the Diastereoselectivity in the Lewis Acid
Catalyzed Cabonyl-Ene Reaction: A Fundamental Rore of Elec rostatic Interaction,
M.Yamanaka and K.Mikami (Tokyo Institute of Technology),
Helv
Chem Acta.,85,[12]4264-4271 (2002)
(12) Regioselective,stereospecific,and chemoselective fluorination of epoxy
alcohols: development of fluorinating hybrid reagents,associated with Lewis acid
metal fluoride/ammonium hydrogen fluoride, K.Mikami,S.Ohba and H.Ohmura (Tokyo
Institute of Technology), J.Organometallic Chem., 662,77-82 (2002)
(13) Palladium-Catalyzed Isbenzofuran Generation under Neutral Conditions via
Oxidative Addition to Lactol Methyl Ether: Oxidative Addition to Methyl Ether
K.Mikami and H.Ohmura (Tokyo Institute of Technology),Org. Lett., 4, [20], 33553357(2002)
(14) 個性豊かな有機フッ素化合物:その(触媒的)不斉合成法(1), 三上幸一、伊藤善光、山中正
浩(東京工業大学), ファイン・ケミカル 32,[1], 35-50 (2003)
(15) 個性豊かな有機フッ素化合物:その(触媒的)不斉合成法(2), 三上幸一、伊藤善光、山中正
浩(東京工業大学), ファイン・ケミカル 32,[2], 11-20 (2003)
(16) フルオラス触媒を用いたグリーンな多相系反応プロセスの構築, 三上幸一、松澤啓史(東
京工業大学), 化学、57,[7],22-26 (2002)
(17) Tropos or Atropos? That is The Question!, K.Mikami,K.Aikawa,Y.Yusa,Jonathan
J.Jodry and M.Yamanaka Synlett,1561-1578 (2002)
(18) Asymmetric Catalysis by Lanthanide Complexes, K.Mikami, H.Matsuzawa and M.Terada
(Tokyo Institute of Technology), Angew.Chem.Int.Ed.,41,3354-3571 (2002)
(19) Theoretical Studies on the Mechanism of the Torop-Inversion of the BIPHEP RuC1?/DPEN Complex Using the ONIOM Method, M.Yamanaka, K.Mikami (Tokyo Institute
of Technology), Organometallics.,in press (2002)
(20) Lanthanide catalysts with tris(perfluorooctanesulfonyl)methide and bis
(perfluorooctanesulfonyl)amide ponytails: recyclable Lewis acid catalysts in
116
fluorous phases or as solids,
K. Mikami, Y. Mikami, H. Matsuzawa, Y. Matsumoto,
J. Nishikido, F.Yamamoto, H. Nakajima,(The Noguchi Institute and Tokyo Institute
of Technology), Tetrahedron, 58, 4015-4021 (2002).
(21) Recyclable Lewis acid catalysts by tuning supercritical vs liquid carbon dioxide
phases: lanthanide catalysts with tris(perfluorooctanesulfonyl)- methide and
bis(perfluorooctanesulfonyl)amide, J. Nishikido, M. Kamishima, H. Matsuzawa and
K. Mikami, (The Noguchi Institute, Tokyo Institute of Technology, Tetrahedron, 58,
8345-8349 (2002).
平成 15 年度
1)論 文
22 件
(1) Enhanced C-C Bond Formation of Heterodinuclear Methylplatinum-Molybdenum
Complexes Having a Hemilabile Ligand with Dialkyl Acetylenedicarboxylate
S. Tsutsuminai, N. Komine, M. Hirano, and S. Komiya(TokyoUniversity of Agriculture
and Technology), Organometallics 23, 44-53, 2004.
(2) Synthesis and Reactions of Heterodinuclear Organoplatinum Complexes Having an
Unsymmetrical PN Ligand, S. Tsutsuminai, N. Komine, M. Hirano, and S. Komiya(Tokyo
University of Agriculture and Technology), Organometallics 22, 4238-4247, 2003.
(3) Regioselective C-H or N-H Bond Cleavage Reactions of Heterocyclic Compounds by
[Ru(1,5-COD)(1,3,5-COT)]/monodentate Phosphine, M. Hirano, K. Onuki, Y. Kimura, S.
Komiya(Tokyo University of Agriculture and Technology), Inorg. Chimica Acta, 352,
160-17, 2003.
(4) Catalytic Synthesis of Thiobutyrolactones via CO Insertion into the C-S Bond of
Thietanes in the Presence of a Hetero-dinuclear Organoplatinum-cobalt Complex, M.
Furuya, S. Tsutsuminai, H. Nagasawa, N. Komine, M. Hirano, and S. Komiya(Tokyo
University of Agriculture and Technology)Chem. Commun., 2046-2047, 2003.
4
6
(5) Ligand Displacement Reaction of Ru(η -1,5-COD)(η -1,3,5-COT) with Lewis Bases M.
Hirano, R. Asakawa, C. Nagata, T. Miyasaka, N. Komine, and
S.
Komiya(Tokyo University of Agriculture and Technology), Organometallics 22, 23782386, 2003.
(6) Bond Activation by Low Valent Ruthenium Complexes, S. Komiya and M. Hirano (Tokyo
University of Agriculture and Technology) Dalton Trans., 1439-1453, 2003.
(7) Synthesis and β-Hydrogen Elimination of Water-soluble Dialkyl platinum(II)
Complexes in Water, S. Komiya, M. Ikuine, N. Komine, and M. Hirano(Tokyo
University of Agriculture and Technology), Bull. Chem. Soc. Jpn., 76, 183-188,
2003.
(8) 希土類の総説
K.
Mikami, M. Terada, H. Matsuzawa(Tokyo Institute of Technology), Angew. Chem., Int,
Ed., 41, 5000 (2002)
(9) フルオラスナノフロー
K.
Mikami, M. Yamanaka, M. N. Islam, K. Kudo, N. SeinM. Shinoda(Tokyo Institute of
Technology), Tetrahedron Lett., 44, 7545 (2003)
(10)フルオラスナノフロー
K.
Mikami, M. Yamanaka, M. N. Islam, K. Kudo, N. Seino,M. Shinoda (Tokyo Institute
of Technology), Tetrahedron, 59, 10593 (2003)
(11)フルオラスナノフロー
K. Mikami, M. N. Islam, M. Yamanaka, M. Shinoda, K. Kudo (Tokyo Institute of
Technology) Tetrahedron Lett.in press
(12)フルオラスタグ識別
H. Matsuzawa, K. Mikami(Tokyo Institute of Technology), Synlett, 1607 (2002)
(13)フルオラスタグ識別
Y. Nakamura, S. Takeuchi, K. Okumura, Y. Ohgo, H. Matsuzawa, K. Mikami(Tokyo
Institute of Technology), Tetrahedron Lett., 44, 6221 (2003)
117
(14)フルオラスタグ識別
H. Matsuzawa, K. Mikami(Tokyo Institute of Technology), Tetrahedron Lett.
44, 6227 (2003)
(15)Recyclable and selective Lewis acid catalysts for trans-esterification and direct
esterification in a fluorous biphase system: Tin(IV) and Hafnium(IV)
bis(perfluoro-octanesulfonyl)amide complexes,
Xiuhua Hao, Akihiro Yoshida
and Joji Nishikido (The Noguchi Institute), Tetrahedron Lett., 45, 781-785
(2004).
(16)Fluorous reverse-phase silica gel-supported Lewis acids as recyclable
catalysts in water, O. Yamazaki, X. Hao, A. Yoshida, and J. Nishikido (The
Noguchi Institute), Tetrahedron Lett., 44, 8791-8795 (2003).
(17)Tin(IV) bis(perfluoroalkanesulfonyl)amide complex as a highl selective Lewis acid
catalyst for Baeyer-Villiger oxidation using hydrogen peroxide in a fluorous
recyclable phase, Xiuhua Hao, Osamu Yamazaki, Akihiro Yoshida and Joji Nishikido
(The Noguchi Institute),
Tetrahedron Lett., 44, 4977-4980 (2003).
(18)Development of the Continuous-Flow Reaction System Based on the
Lewis Acid-Catalysed Reactions in Fluorous Biphasic System, A. Yoshida, X.
Hao, and J. Nishikido (The Noguchi Institute), Green Chem., 5, 554-557
(2003).
(19)Green Baeyer-Villiger oxidation with hydrogen peroxide: Sn[N(SO2C8 F17)2]4 as a
highly selective Lewis acid catalyst in a fluorous biphase system
Xiuhua Hao, Osamu Yamazaki, Akihiro Yoshida and Joji Nishikido (The Noguchi
Institute), Green Chem., 5, 524-528 (2003).
(20)Formation of a Third Liquid Phase and Its Reuse for Dibenzyl Ether Synthesis in a
Tetraalkyl ammonium Salt Phase Transfer Catalytic System, G. Jin, H. Morgner,
T.Ido and S. Goto (Nagoya University), Catalysis Letters,86 (4), 207-210 (2003)
(21)ポリエチレングリコールを触媒とした固液相間移動触媒反応系におけるハロゲン交換反応及
びエステル生成反応の速度, 井土忠厚、伊藤旬、晋工、後藤繁雄(名古屋大学), 化学工学論
文集 投稿中
(22)旭 化 成 /野 口 研 究 所 : New Catalyst May Open the Way for Commercializing This
Fluorous Biphasic System, Chemical Engineering, December 1, p16 (2003)
2)プレス発表等
3件
(1)小宮三四郎(東京農工大学):チオラクトンの高効率合成,化学工業日報 (2004.2.23)
日 本 ゼ オ ン :ケ ミ カ ル ズ 覚 書 -シ ク ロ ペ ン チ ル メ チ ル エ ー テ ル (CPME)
有 機 合 成 化 学 協 会 誌 (2003.8)
(2)日 本 ゼ オ ン :環 境 対 応 型 の 新 溶 剤 の 開 発 化 学 工 業 日 報 (2004.3.9)
(3)旭 化 成 /野 口 研究 所 :フ ッ 素 系 金 属 錯 体 触 媒 を 開 発
(2003.10.7)
118
化学 工 業 日 報
2-D
新固体酸触媒プロセス技術の開発
2-D-(0)このテーマの纏め表(全体)
表. D-(0)-1 このテーマの纏め表
年度
H13 年度
H14 年度
特許出願
1
9
H15 年度
17
H16 年度
2
合計
29
登録
0
0
0
0
0
論文
4
33
25
4
66
口頭発表
12
58
42
6
118
新聞報道
0
0
0
2
2
合計
17
100
84
14
215
2-D-(1) 複合酸化物触媒による双環性芳香族化合物類の合成(昭和電工㈱)
表. D-1-1 複合酸化物触媒による双環性芳香族化合物類の合成の成果
年度
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
合計
特許出願
0
1
3
0
4
登録
0
0
0
0
0
論文
0
1
0
1
2
口頭発表
0
1
2
2
5
新聞報道
0
0
0
1
1
合計
0
3
5
4
12
2-D-(2)
表. D-2-1
年度
特許出願
アルデヒドからのヒドロキシカルボン酸の合成(日本曹達㈱)
アルデヒドからのヒドロキシカルボン酸の合成の成果
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
合計
0
2
4
1
7
登録
0
0
0
0
0
論文
0
1
0
0
1
口頭発表
0
1
0
2
3
新聞報道
0
0
0
0
0
合計
0
4
4
3
11
2-D-(3)
表. D-3-1
年度
特許出願
ベンジルアルコールの合成(丸善石油化学㈱)
ベンジルアルコールの合成の成果
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
0
0
0
1
合計
1
登録
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
0
1
1
新聞報道
0
0
0
1
1
合計
0
0
0
3
3
119
2-D-(4)
表. D-4-1
年度
特許出願
オレフィンのオリゴメリゼーション(出光興産㈱)
オレフィンのオリゴメリゼーションの成果
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
0
0
2
0
合計
2
登録
0
0
0
0
0
論文
0
0
0
0
0
口頭発表
0
0
1
1
2
新聞報道
0
0
0
0
0
合計
0
0
3
1
4
2-D-(5)
表. D-5-1
年度
特許出願
均一系触媒からのアプローチによる双環性芳香族化合物類の合成(産総研)
均一系触媒からのアプローチによる双環性芳香族化合物類の合成の成果
H13 年度
H14 年度
H15 年度
H16 年度
合計
0
3
5
0
8
登録
0
0
0
0
0
論文
0
4
5
3
12
口頭発表
0
8
11
0
19
新聞報道
0
0
0
0
0
合計
0
15
21
3
39
H15 年度
3
H16 年度
0
合計
7
2-D-(6)大学の纏め(基礎技術)
表. D-6-1 大学の成果
年度
H13 年度
H14 年度
特許出願
1
3
登録
0
0
0
0
0
論文
4
28
19
0
51
口頭発表
12
48
29
0
89
新聞報道
0
0
0
0
0
合計
17
79
51
0
147
2-D 新固体酸触媒プロセス技術の開発
2-D-(1) 複合酸化物触媒による双環性芳香族化合物類の合成
平成 14 年度
1)国内特許 1 件
・フリーデルクラフツ反応生成物の製造方法 特開 2004-59572 (平成 15 年 3 月 18 日)
昭和電工(株)
平成 15 年度
1)国内特許 2 件
・固体酸触媒 特願 2003-167997 (平成 15 年 6 月 12 日)昭和電工(株)
120
・ 2,6-ジメチルナフタレン製造触媒及びこれを用いた 2,6-ジメチルナフタレンの製造方法
特願 2003-185163 (平成 15 年 6 月 27 日)昭和電工(株)
2)外国特許 PCT 出願で 1 件
・PROCESS FOR PRODUCING AROMATIC COMPOUNDS BY FRIEDEL- CRAFTS REACTION, WO 03/101925
A1 (PCT 出願) (2003 年 5 月 15 日)昭和電工(株)
平成 16 年度
1)論文
1件
「その他」1 件
件名:固体酸触媒を用いたラクトンからの双環性芳香族化合物の合成と反応経路
掲載者:藤田俊雄
刊行物名:日本化学会情報科学部会誌、vol.22,(2004)
掲載日:2004 年 7 月
2)新聞発表 1 件
「テトラロン類合成用新触媒を開発」で新聞発表
日時:2004 年 9 月 1 日
掲載:日経産業新聞(9/2 付)、日刊工業新聞(9/2 付)、化学工業日報(9/2 付)、日刊ケミカル
ニュース(9/2 付)、石油化学新聞日刊通信(9/2 付)、Jchem-News(Web 掲載:9/1 付)
2-D-(2) アルデヒドからのヒドロキシカルボン酸の合成(日本曹達㈱)
平成 14 年度
1)国内特許 2 件
・N-アシルアミノ酸類の製造法 特願 2002-145022 (平成 14 年 5 月 20 日)
日本曹達株式会社、小林 修
・N-アシルアミノ酸類の製造法 特願 2003-70658 (平成 15 年 3 月 14 日)
日本曹達株式会社、小林 修
2)論 文 1 件
“Platinum-catalyzed Amidocarbonylation”, Takahiro Sagae, Masaharu
Hiroyuki Hagio, and Shu Kobayashi, Chemistry Letters, 32(2), 160 (2003).
3)国内講演 1 件
講演題目:新規な遷移金属触媒を用いるアミドカルボニル化反応
講演者名:寒河江隆浩
学会名:日本化学会第 83 春季年会
発表年月日:2003 年 3 月 18 日
特記:口頭発表
Sugiura,
平成 15 年度
1)国内特許 4 件
・ビスホスフィンの製造方法 特願 2003-127900 (平成 15 年 5 月 13 日) 日本曹達(株)
・プロピオン酸エステルの製造方法 特願 2003-187076 (平成 15 年 6 月 30 日)
日本曹達(株)
・N-アシルアミノ酸類の製造方法 特願 2004-049110 (平成 16 年 2 月 25 日)
日本曹達(株)
・プロピオン酸エステル誘導体の製造方法、並びにこれに用いられる架橋高分子スルホン酸化
合物 特願 2004-056489 (平成 16 年 3 月 1 日)日本曹達(株)
平成 16 年度
1)国内特許 1 件
121
・N-アシルアミノ酸類の製造方法
日本曹達(株)
特願 2004-130749
(平成 16 年 4 月 27 日)
2-D-(3) ベンジルアルコールの合成(丸善石油化学㈱)
平成 16 年度
1)国内特許 1 件
・ベンジルアルコールの製造方法及びこれに用いる部分酸化触媒
(平成 16 年 11 月 17 日)丸善石油化学(株)
2)新聞発表 1 件
・化学工業日報 2004 年 5 月 24 日
特願 2004-333314
2-D-(4) オレフィンのオリゴメリゼーション(出光興産㈱)
平成 15 年度
1)国内特許 2 件
・オレフィンオリゴマーの製造方法 特願 2003-182153 (平成 15 年 6 月 26 日)
出光石油化学(株)
・オレフィンオリゴマーの製造方法 特願 2003-182154 (平成 15 年 6 月 26 日)
出光石油化学(株)
2-D-(5) 均一系触媒からのアプローチによる双環性芳香族化合物類の合成(産総研)
平成 14 年度
1)国内特許 3 件
・環状ケトン類の製造方法 特願 2002-356135 (平成 14 年 12 月 9 日)
独立行政法人産業技術総合研究所
・クロマノン類またはチオクロマノン類の製造方法
特願 2002-362193
(平成 14 年 12 月 13 日)独立行政法人産業技術総合研究所
・オレフィンオリゴマーの製造方法 特願 2003-047172 (平成 15 年 2 月 25 日)
独立行政
法人産業技術総合研究所
2) 論文
3件
(1) "Spectroscopic characterization and catalytic application of copper(I),
silver(I) and gold(I) carbonyl cations in strong acids", N. Tsumori, Q. Xu, M.
Hirahara, S. Tanihata, Y. Souma, Y. Nishimura, N. Kuriyama, and S. Tsubota, Bull.
Chem. Soc. Jpn., 75(10), 2257 (2002).
(2) "Metal Carbonyl Cations: Generation, Spectroscopic Characterization and
Catalytic Application", Q. Xu, Coordin. Chem. Rev., 231(1-2), 83 (2002).
(3) "Carbonylation of hydrocarbons and alcohols by cationic metal carbonyl
catalysts", Y. Souma, N. Tsumori, H. Willner, Q. Xu, H. Mori, and Y. Morisaki, J.
Mol. Catal. A, 189, 67-77(2002).
平成 15 年度
1) 国内特許 5 件
・環状ケトン類の製造方法 特願 2003-302460 (平成 15 年 8 月 27 日)
独立行政法人産業技術総合研究所
・1−インダノン類の製造方法 特願 2003-334473 (平成 15 年 9 月 26 日)
政法人産業技術総合研究所
・1−テトラロン類の製造方法 特願 2003-344633 (平成 15 年 10 月 2 日)
122
独立行
独立行
政法人産業技術総合研究所
・イオン性液体を用いたグリコール酸及びそのエステルの製造方法 特願 200455810 (平成 16 年 3 月 1 日)独立行政法人産業技術総合研究所
・1−インダノン類の製造方法 特願 2004-060084 (平成 16 年 3 月 4 日)
独立行政法人産業技術総合研究所
2)論文
6件
(1) "Synthesis of 1-tetralones by intramolecular Friedel–Crafts reaction of 4arylbutyric acids using Lewis acid catalysts" D.-M. Cui, M. Kawamura, S. Shimada,
T. Hayashi, and M. Tanaka, Tetrahedron Lett. 44, 4007(2003).
(2) "Lewis acid-catalyzed Friedel–Crafts acylation reaction using carboxylic acids
as acylating agents", M. Kawamura, D.-M. Cui, T. Hayashi, and S. Shimada,
Tetrahedron Lett., 44, 7715 (2003).
(3) "Highly active and stable performance of catalytic vapor phase Koch-type
carbonylation of tert-butyl alcohol over H-zeolites", T. Li, N. Tsumori, Y.
Souma, and Q. Xu, Chem. Commun., 2070 (2003).
(4) "Preparation and catalytic application of cationic metal carbonyls", Q. Xu and Y.
Souma, Stud. Surf. Sci. Catal., 145, 215 (2003).
(5) "Synthesis of 1-indanones by intramolecular Friedel-Crafts reaction of 3arylpropionic acids catalyzed by Tb(OTf)3", D.-M. Cui, C. Zhang, M. Kawamura,
and S. Shimada, Tetrahedron Lett., 45, 1741 (2004).
(6) “改良コッホ反応”、相馬芳枝、「有機合成のための触媒反応」檜山為次郎・野崎京子編、
東京化学同人 (2004)
平成 16 年度
1)論文
3件
(1) “Carbonylation of formaldehyde catalyzed by organic sulfonic acids in ionic
liquids”, T. Li, Y. Souma, and Q. Xu, Chem. Commun., 投稿中.
(2) “A green process for synthesis of 2,2-dimethylpropanoic acid: vapor phaseKochtype carbonylation of tert-butyl alcohol over H-zeolites”, T. Li, N. Tsumori,
N. Kuriyama, Y. Souma, and Q. Xu, J. Mol. Catal. A, 投稿中.
(3) "Friedel-Crafts acylation reaction using carboxylic acids as acylating agents",
M. Kawamura, D.-M. Cui, and S. Shimada, 投稿準備中
2-D-(6) 大学側の纏め(基礎技術)
平成 13 年度
1)国内特許 1 件
・p-キシレンの合成方法及び触媒 特願 2002-100108 (平成 14 年 4 月 2 日)岐阜大学
2) 論文
4件
(1) Nanoporous Solid Acid Catalyst for the Diels-Alder Reaction of 1,3-Dienes with
Acrylates., M. Onaka, N. Hashimoto, R. Yamasaki, Y. Kitabata, Chem. Lett., 166167 (2002).
(2) MCM-41 as a Highly Active Catalyst for Diels-Alder Reaction of Anthracene with pBenzoquinone. T. Kugita, M. Ezawa, T. Owada, Y. Tomita, S. Namba, N. Hashimoto, M.
Onaka, Microporous Mesoporous Mater., 44-45. 531-536 (2001)
(3)グリーンケミストリーと固体酸触媒の探索, 尾中 篤, ペトロテック, 24, 837841(2001)
(4)ものづくりのためのグリーンケミストリー−新しい有機合成の考え方− 尾中 篤, 現代化
学,2月号,14-20(2002)
123
平成 14 年度
1)国内特許 2 件
・ 4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び触媒 特願 2002-114847 (平成 14
年 4 月 17 日)岐阜大学
・ カルボニル化合物の製造方法 特願 2002-60970 (優先権主張出願:出願日は 3/6/2002
に遡及) 産業技術総合研究所
2)外国特許 1 件
・ カルボニル化合物の製造方法 願番未定(3/3/2003PCT 国際出願)
産業技術総合研究所
3) 論文 28 件
1) M. Iwamoto, H. Kitagawa, Y. Watanabe, “Highly Effective Removal of Arsenate and
Arsenite Ion through Anion Exchanged on Zirconium Sulfate-Surfactant Micelle
Mesostructure”, Chem. Lett., 31, 814-815 (2002).
2) 岩本正和, Applied Catalysis B: Enivironmental, 触媒, 44, 532-536 (2002).
3) H. Ishitani, M. Iwamoto, “Selective Aldol Reactions of Acetals on Mesoporous
Silica Catalyst”, Tetrahedron Lett., 44, 299-301 (2003)
4) 八尋秀典、岩本正和, Cu-ZSM-5 と一酸化窒素の直接分解反応, 触媒, 45, 26-28 (2003).
5) Xin Chen and Toshio Okuhara, “Catalytic Synthesis of -Isoporopylacrylamide
from Acrylonitrile and Isopropyl Alcohol with H-ZSM-5 Zeolites”, J. Catal. 207,
194-201 (2002).
6) Yusuke Yoshinaga, Tetsuo Suzuki, Miki Yoshimune, and Toshio Okuhara, “Pore
structure and Shape Selectivity of Platinum-Promoted Cesium Salts of 12Tungstophosphoric Acid”, Topics in Catalysis, 19, 170-185 (2002).
7) Toshio Okuhara, “New catalytic functions of heteropoly Compounds as Solid
Acids”, Catal. Today, 73, 167-176 (2002).
8) Atsuyuki Miyaji, Yusuke Yoshinaga, Tsuneo Echizen, Lianshun Li, Tetsuo Suzuki,
Yusuke Yoshinaga, and Toshio Okuhara, “Selectivity and Mechanism for Skeletal
Isomerization of Alkanes over Typical Solid Acids and Their Pt-Promoted
Catalysts”, Catal. Today, 74, 291-297 (2002).
9) Miki Yoshimune, Yusuke Yoshinaga, and Toshio Okuhara, “Effect of alkaline
metal on microporosity of acidic alkaline salts of 12-tungstophosphoric acid”,
Micropor. Mesopor. Mater., 51, 165-174 (2002).
10) Miki Yoshimune, Yusuke Yoshinaga, and Toshio Okuhara, “A novel shapeselective catalyst, Pt-promoted Rb2.1H0.9PW12O40 for aromatic compounds”,
Chem.Lett., 330-331 (2002).
11) Lianshun Li, Yusuke Yoshinaga, and Toshio Okuhara, “Unprecedented accelaration
effects of water on acid-catalyzed reactions over molydena-zirconia catalysts”,
Catal. Lett. 83, 231 (2002).
12) Jianxin Mao, Tetsuo Nakajyo, and Toshio Okuhara, “Alkylation-acylation of
aromatics with g-butyrolactone catalyzed by heteropoly acids supported on
silica”, Chem. Lett., 1104-1105 (2002).
13) Lianshun Li, Yusuke Yoshinaga, and Toshio Okuhara, “Unusual acceleration of
acid- catalyzed reactions by water in the presence of Mo/Zr mixed oxides
calcined at high temperatures”, PCCP, 4, 6129 (2002).
14) T. Okachi, K. Fujimoto, M. Onaka, “Practical Carbonyl-Ene Reactions of aMethylstyrenes with Paraformaldehyde Promoted by a Combined System of Boron
Trifluoride and Molecular Sieves 4A”, Org. Lett., 4, 1667 - 1669 (2002).
15) M. Onaka, T. Oikawa, “Olefin Metathesis over Mesoporous Alumina-supported
Rhenium Oxide Catalyst”, Chem. Lett., 850 - 851 (2002).
16) M. Onaka, N. Hashimoto, Y. Kitabata, R. Yamasaki, “Aluminum-rich Mesoporous
124
Aluminosilicate (Al-HMS) as a Solid Acid Catalyst for the Diels-Alder Reaction
of Acrylates with 1, 3-Dienes”, Appl. Catal. A, General, 241, 307 - 317 (2003).
17) T. Okachi, N. Murai, M. Onaka, “Catalytic Enantioselective Epoxidation of
Homoallylic Alcohols by Chiral Zirconium Complexes”, Org. Lett., 5, 85 - 87
(2003).
18) T. Okachi, M. Onaka, “A Novel Promotion System for Carbonyl-Ene Reactions of
Styrenes with Paraformaldehyde ミ The Combined Use of Boron Trifluoride and
Molecular Sieves”, Stud. Surf. Sci. Catal.,. in press.145, (2003).
19) T. Itoh, Y. Nishimura, M. Kashiwagi, M. Onaka, “Efficient Lipase-catalyzed
Enantioselective Acylation in an Ionic Liquid Solvent System”, in "Ionic
Liquids as Green Solvents: Progress and Prospects," ACS Symposium Series, Eds, R.
D. Rogers and K. R. Seddon, Oxford University Press, in press.
20) 尾中 篤,触媒研究と学術雑誌/情報−Bulletin of the Chemical Society of Japan 触
媒,44,535-536 (2002).
21) 石 田 祐 、 秋 山 良 、 小 林 修 , “Microencapsulated Osmium Tetraoxide-catalyzed
Asymmetric Dihydroxylation of Olefines in Water without Using Any Organic
Cosolvents”, Advanced Synthesis & Catalysis, in press. 345 (2003).
22) Eiichiro Mizushima, Kazuhiko Sato, Teruyuki Hayashi, Masato Tanaka, “Highly
Efficient AuI-catalyzed Hydration of Alkynes”, Angew. Chem. Int. Ed., 41, 45634565 (2002).
23) N. Duangamol, P. Wu, and T. Tatsumi, “Highly Selective Formation of
Cyclopentanol through Liquid-Phase Hydration of Cyclopentene over MCM-22
Catalysts”, Chem. Lett., 224 (2002).
24) P. Wu, and T. Tatsumi, “Preparation of B-free Ti-MWW Through Reversible
Structural Conversion”, Chem. Commun., 1026-1027 (2002).
25) N. Duangamol, P. Wu, and T. Tatsumi, “High Selectivity of MCM-22 for
Cyclopentanol Formation in Liquid-Phase Cyclopentene Hydration”, J. Catal., 213,
272-280 (2003).
26) 杉 義弘,窪田好浩,多和田尚吾,野田智史,外山郁代,伊藤 浩,榊原康二,渡辺誠二,松崎
武彦,花岡隆昌,金鍾鎬, ビフェニルのイソプロピル化における希土類修飾モルデナイト触
媒の外表面酸点の不活性化、触媒,44(2), 113-115 (2002).
27) 杉 義弘,窪田好浩,椙山直樹,林 純浩,金鍾鎬, 希土類酸化物担持触媒による芳香族炭
化水素のアルキル化関連反応、触媒,44(6), 462-464 (2002).
28) 杉 義弘,窪田好浩,伊藤 亨,前川弘吉,Ranjeet Kaur Ahedi,渡辺誠二,朝岡千晴,李 和
鍚,金鍾鎬,徐 鯤、ビフェニルのイソプロピル化における大孔径ゼオライトの構造と形状
選択性の関係、触媒,45(2), 114-116 (2003).
平成 15 年度
2) 外国特許 3 件
・ メタセシス触媒及びそれを用いるオレフィンの製造方法
PCT/JP03/11265 (平成 15 年 9 月 3 日 PCT 国際出願)東京工業大学
・ オリゴマー化触媒及びそれを用いたオリゴマーの製造方法 PCT/JP03/11387
15 年 9 月 5 日 PCT 国際出願)東京工業大学
・ 酸窒化珪素の合成法 出願中 東京工業大学
(平成
3) 論文 19 件
1) M. Iwamoto, Y. Tanaka, N. Sawamura, and S. Namba, “Remarkable Effect of Pore
Size on the Catalytic Activity of Mesoporous Silica for the Acetalization of
Cyclohexanone with Methanol”, J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 13032-13033.
2) M. Iwamoto and H. Yahiro, “Zeolites in Science and Technology of Removal of
Nitrogen Monoxide”, Handbook of Zeolites and Microporous Materials, 2003, 951988.
125
3) H. Ishitani and M. Iwamoto, “Selective Aldol Reactions of Acetals on
Mesoporous Silica Catalyst”, Tetrahedron Lett., 2003, 44, 299-301.
4) E. Kikuchi, K. Segawa and M. Iwamoto, “Third International Conference on
Environmental Catalysis”, Appl. Catal. B: Environmental, 2003, 41, 1-150.
5) H. Takada, Y. Watanabe and M. Iwamoto, “Zirconium Sulfate-Surfactant Micelle
Mesostructure as an Effective Remover of Selenite Ion”, Chem. Lett., 2004, 62.
6) Y. Kuroda and M. Iwamoto, “Characterization of Cuprous Ion in High Silica
Zeolites and Reaction Mechanism of Catalytic NO Decomposition and Specific N2
Adsorption”, Topics in Catal., 2004, 28, 111-119.
7) 岩本正和, “規則性超微空間触媒を用いる夢の反応”, 先端化学シリーズⅠ, 2003, 1,
163-170.
8) 八尋秀典, 岩本正和, “Cu-ZSM-5 と一酸化窒素の直接分解反応”, 触媒, 2003, 45, 2627.
9) 岩本正和, “ナノ空間が化学工業に新風”, 日経先端技術, 2003, 45, 17-20.
10) 岩本正和, “世界をリードする環境触媒技術とナノテクノロジー”, 環境ビジネス,
2003, 15, 12-13.
11) 岩本正和, “環境触媒技術”, 化学便覧応用編, 2003, 273-277.
12) 岩本正和, “吸着”, 化学便覧応用編, 2003, 289-291.
13) 岩本正和, “ナノ空間物質の化学”, 日経ナノテク年鑑, 2004, 印刷中.
14) 岩本正和, “規則性ナノ空間の特性を活かした新しい触媒反応”, 有機合成化学協会誌,
印刷中.
15) 岩本正和, “エチレンをプロピレに変える”, ペトロテック, 印刷中.
16) Eiichiro Mizushima, Teruyuki Hayashi, Masato Tanaka, “Au(I)-Catalyzed Highly
Efficient Intermolecular Hydroamination of Alkynes”, Org. Lett., 5, 3349-3352
(2003).
17) Yoko Usui, Kazuhiko Sato, Masato Tanaka, “Catalytic Dihydroxylation of Olefins
with Hydrogen Peroxide: An Organic-Solvent- and Metal-Free System”, Angew.
Chem. Int. Ed., 42, 5623-5625 (2003).
18) Eiichiro Mizushima, Dong-Mei Cui, Teruyuki Hayashi, Masato Tanaka, “2,8Nonanedione”, Organic Synthesis, submitted.
19) Masato Tanaka, “More green oxidations using aqueous H2O2,” C & E News, 81 (48),
p. 33, 2003 年 12 月 1 日
126
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