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-- - 0 - -- 風邪とは ウイルスによる炎症で、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「のどの痛み」「咳」「たん」 「発熱」といった症状が現れ、上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称を「風邪(風邪 症候群)」と呼ばれています。 風邪の場合、あくまでも総称であるため、くしゃみが出るから「風邪」、熱が出るか ら「風邪」、のどが痛いから「風邪」と、限定的な症状を表しません。 そのため、「のどが痛い」「頭が痛い」「咳が出る」などの症状で、病院で診察を受け るとほとんどの場合は「風邪」と診断されます。 「風邪」とは、あくまでも各症状を総称した名であると覚えておいてください。 風邪の原因とは 風邪の原因は、ウィルスが鼻・のど・気管支等の粘膜に付着し、ウィルスが増殖して しまうことにより、各症状が現れます。 ウィルスとは、一般的に知られる スがあります。 インフルエンザウイルスを始め、数多くのウィル 聞いたことがあるとは思いますが、通常のウィルスの場合、一度感染したら「抗体」 が作られるために、感染する確率は大幅に減ります。 ウィルスが体に入ってきたときに、ウィルスを退治するために免疫機能が働きます。 「抗体」のある場合で、免疫機能が正常な場合は、感染する確率は大幅に減り、免疫 機能が弱い場合は、風邪の症状を引き起こします。 通常のウィルス感染の「風邪」であれば一般的な説明でもわかります。 しかし、「のどが痛い」「のどがガラガラする」「咳だけが出る」などの、熱の出ない 風邪と同じような症状について、この書籍で説明していきます。 -- - 1 - -- 風邪の症状を抑えるには 一般的に風邪の症状は、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「のどの痛み」「咳」「たん」 「発熱」等になります。 これらの症状は、本人にとっては不快な症状なのですが、体にとってはウィルスを退 治するための大事な作用になります。 「くしゃみ」:体内に入ってきたウィルスを体外に排出する作用 「咳」:体内に入ってきたウィルスを体外に排出する作用 「鼻水」:体内に入ってきたウィルスを液体で包み込み体外に排出する作用 「鼻づまり」:体内に入ってきたウィルスを液体で固めて体外へ排出する作用 「たん」:体内に入ってきたウィルスを液体で包み込み体外に排出する作用 「発熱」:免疫機能だけでは退治できないウィルスを熱によって退治する作用 これらの症状は、ウィルスの退治には欠かせない作用になります。 「発熱」や「咳」「くしゃみ」など、風邪の症状があり、薬を服用するのが日本では 一般的になっていますが、その場の症状を抑えるためのものであり、そのほとんどが 治すことではありません。 熱が40℃を超える場合や、咳がひどくて眠れない、仕事にどうしても支障が出るた めに「緊急で薬を使い症状を抑える」以外であれば、あまり薬はお勧めはしません。 逆に、薬によってウィルスを退治できなくなるために、症状が長引きます。 軽い症状のうちは、睡眠を良くとり体を温めて発汗させることで、一晩でほとんどの ウィルスは退治できると思います。 「風邪のときは、卵酒を飲んで、布団をかぶって一晩汗をかけば治る」と昔から言わ れているとおり、本来であれば自分の免疫力を十分に発揮させてウィルス退治をする ことが最良と考えます。 -- - 2 - -- 熱の出ない風邪とは ウィルス性の風邪の場合、免疫機能が正常に働くことで発症しないのですが、免疫機 能が弱っている場合、「風邪」の症状をが出ます。 そして、免疫だけではウィルスを退治できない場合は、体温を38℃以上に上げ、体 温でウィルスを退治するようになっています。 熱の出ない風邪の原因は、2つ考えられます。 (1)免疫機能が弱っているものの、退治できている状態 症状として「咳」「のどの痛み」「鼻水」など (2)喉の筋肉の緊張によって引き起こされる状態 「咳」「喉の痛み」など この2つのどちらかが考えられます。 (1)免疫機能が弱っているものの、退治できている状態 先に記載の通り、軽い症状のうちは、睡眠を良くとり体を温めて発汗させることで、 一晩でほとんどのウィルスは退治できると思いますので、症状は治まります。 (2)喉の筋肉の緊張によって引き起こされる状態 この場合、睡眠や発汗では症状が治まりません。 喉の筋肉の緊張が原因で、気管支部分が細くなり咳が出ます。 また、喉の筋肉の緊張により、喉周辺に血行不良がおきて痛みが出ることがあります。 喉の筋肉が緊張している場合は、喉の筋肉を軟らかくすることで症状が治まります。 -- - 3 - -- 喉の筋肉の緊張 (図:「グレイ解剖学アトラス」より) 下図;喉周辺の筋肉 (浅層:側面) 下図;喉周辺の筋肉 (中層:側面) -- - 4 - -- 下図;喉周辺の筋肉(中層:前面) 気管支を細くしてしまう筋肉は、主に「胸骨舌骨筋(きょうこつぜっこつきん)」に なります。(アンダーラインにて表記) 「胸骨舌骨筋」の下部の 緊張を取り除くだけで、 咳が止まり、喉の痛みが すぐに軽減します。 右図の丸く囲ってある部 分の筋肉の緊張が原因に なっています。 -- - 5 - -- 喉の筋肉を緊張させない(予防) 喉の筋肉の緊張により、風邪と同じような症状が出ることがあります。 筋肉の緊張 = 筋肉が硬い = 筋肉の収縮 ですから、筋肉をしっかり動かすこ とだけでも、筋肉を緊張させない効果があります。 これを防ぐには、首を回す「動的ストレッチ」を行ってください。 一日1回だけでも行うと、喉周辺の筋肉の緊張が緩和されますので、予防になります。 動的ストレッチ 首の動かし方は、 頭部を大きく回します。 一周10秒以上かけて 2回 回す。 右回し、左回しを2回 行ってください。 ※この方法は、あくまでも予防になり、症状を取り除く方法ではありません。 -- - 6 - -- 筋肉の緊張とは 熱の出ない風邪の原因は、喉への血液循環の悪化によるものです。 そして、喉への血液循環を悪くしてい る原因は、主に「胸骨舌骨筋首」の緊 張です。 気管支への血行不良をおこ す筋肉の緊張箇所 筋肉が緊張(硬い)する原因は、2 つあります。 1、筋肉を動かすことによる緊張 2、筋肉を動かさないために起こる緊張 1、筋肉を動かすことによる緊張 体を動かすとき、筋肉を収縮させています。 筋肉が運動をする際、栄養源であるブドウ糖と酸素が必要になります。 筋力以上の運動をしたときには、酸素の供給が追いつかなくなり、筋肉内に蓄積して あるピルビン酸という物質が乳酸となり、供給されなくなった酸素の役割を乳酸が行 い筋肉を収縮させますが、乳酸の排出が静脈から追いつかなくなると、筋肉細胞内に 乳酸が滞ってしまいます。 そして、滞った乳酸により酸素を正常(必要量)に供給できなくなるから起こります。 乳酸は、自然に排出されますが、長くて1週間程度かかることがあります。 このときに、酸素の供給が間に合わず、痛みとして感じます。(いわゆる筋肉痛) -- - 7 - -- 簡単に説明すると、酸素の通る道が、乳酸により渋滞を起こしている状態と考えると わかりやすいと思います。 風邪の場合、ウィルスによる咳の症状が継続的に起きた場合、いつもより喉周辺の筋 肉を伸縮させることになるために、筋肉が緊張する場合があります。 ウィルスを退治した後でも、喉の筋肉の緊張が残っているい場合は、気管支が細くな っていることによって、風邪と同じように咳が出る場合があります。 この場合は、筋肉痛と同じ状態にあるために、自然に筋肉の緊張が無くなるまでは3 日~1週間程度かかります。 その間、咳を繰り返している場合、一向に咳が止まらない、喉の痛みが続く状態にな ります。 筋肉の緊張を取り除かない限り、いつまでも症状は治まりませんので、筋肉を軟らか くすることを行います。(「熱の出ない風邪の改善方法」参照) 2、筋肉を動かさないために起こる緊張 ※ これが筋肉の緊張状態が続く原因です。 筋肉の緊張の原因である老廃物を排出するには、筋肉を伸縮させるポンプ作用が必要 です。 筋肉の伸縮ができない場合、筋肉を緊張させている緊張成分が筋肉から排出されず滞 るため、いつまでも筋肉は緊張し続けます。 -- - 8 - -- そして、緊張した筋肉は伸縮しづらいため、その周辺の筋肉は今まで以上の運動を必 要とし、さらに緊張し続けます。 緊張する筋肉の範囲(体積)は、どんどん大きくなります。 まさに悪循環。 筋肉が軟らかいときは、血流は正常ですが、筋肉が緊張することにより血行不良が起 こります。 血液が運ばれないと、酸素不足により痛みが発生し、栄養不足からだるさを感じます。 また、静脈が圧迫され場合、老廃物の排出や、筋肉の緊張成分(主にカルシウム)の 排出ができないため、いつまでも痛みやだるさが残ります。 筋肉が運動している時は、筋肉の収縮運動により静脈のポンプ運動を行っているため、 老廃物や緊張させる成分が筋肉から正常に排出されますが、筋肉が緊張し、運動でき ない、うまく伸縮できない状態のときは、老廃物や筋肉の緊張成分が筋肉から正常に 排出されません。 -- - 9 - -- このため、筋肉はいつまでも緊張状態を維持してしまうのです。 筋肉の緊張を無くす = 筋肉を軟らかくする 喉周辺の筋肉の緊張が、熱の出ない風邪の原因ですので、喉周辺の筋肉を軟らかくす ればいいのですが、筋肉を軟らかくするために、行ってはいけないことがあります。 ■ 揉む 筋肉を揉むことを、一般的にマッサージといいますが、緊張した筋肉を揉むことによ り炎症を起こします。 この状態を”揉み返し”といいます。 ■ 指圧(強く押す) 筋肉が緊張し、痛みがある場所を強く押した場合、激しく反発し、さらに緊張します。 緊張している筋肉に対し、絶対に行っていけない一番危険な方法です。 ■ 叩く 筋肉を10回以上連続して叩くと、緊張した筋肉は反発を起こし、さらに硬くなりま す。 長く肩たたきをして痛みが増すのも、筋肉の反発から筋肉がさらに緊張してお こります。 ▲ 温める 温めても、表面の1cm程度の筋肉しか軟らかくなりません。 筋肉の構造上、深部まで熱が通りませんので、気休め程度にしかなりません。 ▲ 無理に伸ばす(ストレッチ) 伸ばして軟らかくなる筋肉の状態は、使って緊張した場合だけです。 最悪の場合、筋肉が断裂(切れる)しますので、絶対に行ってはいけません。 これらの方法を行ったこ場合、筋肉は今よりは柔らかくなることはありますが、筋肉 の緊張がすべてなくなるわけではありません。 確実に、喉周辺のの筋肉を軟らかくするには、緩消法を行い筋肉を軟らかくします。 方法は、(「熱の出ない風邪の改善方法」参照) -- - 10 - -- 緊張している筋肉の内部では? 治療の前に、筋肉が緊張しているとき、緊張している筋肉の内部が、どのようになっ ているのか、イメージして欲しいと思います。 筋肉が緊張しているとき、筋肉全体に緊張成分が滞留しています。 筋肉を硬くしてしまう緊張成分は、老廃物、カルシウム等です。 筋肉を軟らかくするには、老廃物、カルシウム等を、筋肉内から排出すればいいので す。 筋肉の緊張成分を排出するには、緩消法(かんしょうほう)を利用します。 緩消法とは、筋肉を緩めて痛みを消す方法です。 2007年に、坂戸孝志が考案した 全く新しい筋肉弛緩法になります。 (筋肉弛緩法(きんにくしかんほう)とは、筋肉を軟らかくする方法) この方法は、筋肉を無緊張状態にすることができます。(世界初) -- - 11 - -- 筋肉の硬さを数字で表した場合、 10 0 がもっとも硬くなっている状態。 が、全く緊張していない状態(無緊張状態) 痛みを感じる場合、5 以上硬い筋肉のときです。 3 は、腕のちからこぶ部分に、力が入っていない状態、 7 以上になると、毎日痛みが続く慢性痛の状態です。 7 程度の緊張状態の場合、揉む(マッサージ)、 温める、伸ばす(ストレッチ)を行えば、筋肉は 柔らかくなります。 7 の硬さの筋肉が、4 程度。 痛みは感じなくなりますが、また緊張して7に 戻ります。 10 の硬さの場合、揉む、叩く、伸ばす、を行えば、 さらに筋肉は硬くなりますので、痛みが強くなり動けなくなります。 緩消法で、筋肉を 0 の状態(無緊張状態)に1回すれば、通常の生活の場合を続 けていても、3程度しか筋肉が硬くなりません。 無理をして運動しても、6 程度、筋肉痛程度の硬さにしかなることができません。 筋肉痛の場合は、3日も無理をしなければ、自然と筋肉は柔らかくなってきます。 緩消法は、悪化をさせないまま筋肉を軟らかくすることができるので、悪化させて危 険な喉周辺の筋肉を軟らかくするには、最適な方法と言えます。 -- - 12 - --