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次産業化・ 農商工連携の 手引き
6 6 次産業化・ 6 農商工連携の 手引き 手引きの内容 1.商品開発の手引き ①はじめに ② 商品化できる商品の洗い出しと絞り込み ③ 原材料の供給体制 ④ 試作品づくり ⑤ 原価計算 ⑥ 販売戦略 ⑦ 販路の拡大 2.農林水産業の6次産業化に係る支援制度について (1)国の支援制度 6次産業化ネットワーク活動交付金 (2)県の支援制度 地域資源活用商品創出支援事業 地域活力づくり総合補助金 「おおいたの幸」ブランド化支援事業補助金 (3)市の支援制度 大分市地産地消推進事業費補助金 大分市 1 商品開発の手引き 1 はじめに 初めて加工品を作る方の多くが、原材料は決まっているけれど、具体的に何をどうすればよいかわからない ことが多いのではないでしょうか。 特に、初めて加工品開発に取り組む方は、商品を創ることと商品を販売することを比べた場合、前者に比重 を置いている場合が多いようです。しかし実際は初心者にとって商品化することよりも、商品を流通に乗せ、販 売し、対価を得ることの方が難しく、重要なことになります。 この手引きは、それらを踏まえて商品化のアイデアや販売方法、価格の設定などの基本的なことについて、 事前におさえるべきポイントを知ってもらうことを目的としています。 皆さんが商品化を行う際には、商品開発の専門の職員がいるわけでもなく、通常の仕事+αとして取り組ま なければなりません。それは簡単で楽な作業ではありませんが、より多くの方に農林水産物の6次産業化にチャ レンジしていただきたいという思いでこの手引きを作成しました。身近な手引きとしてご活用していただければ 幸いです。 2 商品化できる商品の洗い出しと絞り込み 農林水産業の6次産業化及び農商工連携によって商品化を目指すことは、小規模・高コスト生産になる場合 が多く、高価格で販売する戦略をとらなければ利益を生むことは難しいため、以下の点に注意してください。 Ⅰ 商品化を検討している商品に、大量生産されている同様の商品がな いか調査する必要があります。その商品で競争を行う場合、大量生産 されている商品と比べて優れている(その商品にない特徴がある)必 要があります。 Ⅱ 商品化を検討している商品について地域、歴史、伝統、原材料、製造 方法などの特徴から、商品が持つ付加価値についてどこがアピール ポイントか整理する必要があります。高価格での販売を目指すには、 この「付加価値」が重要な要素になります。 3 原材料の供給体制 農林水産物は、基本的に生産される時期が決まっています。また、生産量の少ない品目もあることから以下の 点に注意してください。 Ⅰ 大分市で生産されている農林水産物及びその時期については、パンフレット(大分市の農林水 産物)をご参照ください。 Ⅱ 規格外の農林水産物や調整作業の過程で捨てられている農林水産物についても大分市からご 紹介できます。ただし、各生産者で調整を行っている品目が多いため、量が少ないものや収集 にコストがかかる可能性があります。 Ⅲ 農林水産物によっては市場用の商品を、加工品用としての出荷に対応可能なものもありますので ご相談ください。 4 試作品づくり 商品化できる商品の絞り込みができたら、試作品を作ってみましょう。 Ⅰ 最初に自分で試作品を作るのか、専門の加工事業者に委託するのかを検討しましょう。 Ⅱ 自分で試作品を作る場合、大分県産業科学技術センター※ のご利用をお勧めします。大分県産 業科学技術センターには、各種乾燥機をはじめとする食品加工機器をリーズナブルな料金で 利用できることに加え、食品加工や商品化の専門の職員が配置されていますので、わからない ことについて相談できる体制が整っています。 また、平成26年度より、おおいた食品産業企業会が開設した「食品オープンラボ」は、製造か らパッケージング、簡易評価など加工品開発に必要な機器の利用や加工技術の習得ができる 施設となっていますので積極的に利用してください。 Ⅲ 専門の加工事業者に委託したいが既知の事業者がいない場合は、関係機関を通じて加工事業 者を紹介することも可能です。 Ⅳ 試作品は、原材料、加工方法、レシピなどを数パターン作成し、それぞれターゲットとする客層 と重なる知人等に試食などをしてもらい意見を聞いてみましょう。 ※大分県産業科学技術センター 大分市高江西1丁目4361-10 TEL 097- 596- 7100 5 原価計算 ある程度、加工品の商品イメージが出来たら原価計算をしてみましょう。原価計算をすることで、販売先やター ゲットとなる客層が具体的に考えやすくなると思います。 ここでは原価計算をする際の注意点について記載します。 Ⅰ 自ら販売する場合を除いて、流通に乗せるためには予定小売価格の6割程度に原価を設定し なければなりません。この原価には、あなたの労働を含めた労賃と利益を計上しなければいけ ません。 Ⅱ 小売価格を1,000円とした場合の製造原価 650 650円 のつぶやき 担当 50 50 原材料費、人件費、流通コスト、利益 50円 帳合手数料① 50円 帳合手数料② 250円 小売店手数料 250 帳合手数料とは?? 大手小売店【百貨店・スーパーなど】 と取引きする場 合、代金決済用の口座が必要となります。ただ、この 口座は、 作りたいと言って作れるものではありません。 よって、既にその小売店の口座を持っている問屋さん 等を通じて取引きや代金の決済が必要です。 そのための手数料が、帳合手数料です。 ※この試算では、問屋さんを2社通すようにしています。 商品開発で迷った時は、YAHOO!ショッピングや楽天市場の検索に、 商品化を考えている品目のキーワードを入れてみてください。キーワー ドを入れるとリストが表示されるはずです。 このリストは、各社の膨大な㊙データを基にした貴重な情報なので参考 にしてみてください。 6 販売戦略 初めて商品化を目指す方にとってそれは難しいかもしれませんが、販売戦略を立てることはとても重要なこと なので、一度整理してみてください。 Ⅰ スーパーで販売する場合、小売価格は一般的にワンコイン(500円)までと言われています。 つまり製造原価は、300円までに抑える必要があります。 Ⅱ 一般的にスーパーで売っているものを百貨店は取り扱いません。販売先は、どこでもよいわけ ではありません。生産量や価格を考慮して販売先を選びましょう。 Ⅲ インターネットで販売する場合は、価格競争に巻き込まれない商品(ほかにない商品)かどう か事前に調査を行ってください。 独占インタビュー 吉野食品有限会社 代表取締役 帆足 キヨさん Q.吉野鶏めしを商品化したきっかけを教えてください。 吉野地区婦人会の活動資金が少しでもできるといいなと 思い、鶏めしを商品化しました。 ただ、最初は月に2回の市役所への納品と不定期に会議 やソフトボール大会などに納品があるだけで、月の給料は 3,000円くらいでした。 それから、徐々に口コミで販路が広がり、市内百貨店の外 商まで広がったことがターニングポイントになりました。 Q.吉野鶏めしのこだわりを教えてください。 なるべく地元産・県内産の材料にこだわって、愛情をこめ て手で鶏めしを握っています。 設立当初に佐藤元市長から言われた、おにぎりは手で握 りなさいという言葉を今でも大切にしています。 Q.今までで苦労したことは何ですか。 地元の鶏肉を使っていたので、異物が混入しないように 選別することとクレームの処理がとても大変でした。 7 あと、苦労ではない ですが、鶏めしの値段 をすぐに値上げするこ とになりました。最初 からもう少し考えて値 段をつけておけばよ かったと思います。 Q.新たに地域振興を考えている人へアドバイスをするなら、 どんなことがありますか。 とにかく一緒に始めた仲間とコミュニケーションをとっ て、仲よくすることが大切です。 もちろんわがままも出てきますが、話し合いをしてお互い を理解しあうことが大切なことだと思います。 それから地元のものを商品化しているので、地元の理解と 協力は絶対に必要なことだと思います。これからも地元との つながりを大切にして取り組んでいきたいと思っています。 販路の拡大 商品が完成したら販売戦略に沿って売り込みを行うとともに、マスコミへの情報提供や各種商談展示会へ参 加して販路の確保と拡大に取り組むことが必要です。 Ⅰ 商品が完成したらプレスリリース(報道発表)を行いましょう。新聞であれば、各紙とも情報を 提供する方法について紙面に記載されていますので確認してください。 Ⅱ 商談展示会へ参加する場合、自治体等が開催する規模の小さい展示会に参加して経験を積ん でから、全国規模の展示会に参加することをお勧めします。 展示会では、当日の対応も大事ですが、名刺交換したバイヤー等に連絡をするなどのアフター フォローも重要です。相手に見積りを提案するなど、必ず対応するようにしてください。 2 農林水産業の6次産業化に係る支援制度について 1 国の支援制度 6次産業化ネットワーク活動交付金 目的・内容 農山漁村の所得や雇用の増大、 地域活力の向上を図るため、 地域の創意工夫を生かしながら、 多様な事業者がネッ トワークを構築して取り組む新商品開発や販路開拓、農林水産物の加工・販売施設の整備等への支援を行う。 対象・補助内容等 主な要件 ● ● 事業主体を含む3者以上が連携し、ネットワークを構築して実施する取り組みであること。 事業主体は、事業実施計画を大分県(大分市を経由)に提出し、承認を受けること。 項目 対象者 推進事業 (ソフト) 支援内容 補助率 6 次産業化ネットワーク構築に向けた推進会議の開催、 大分市、農業団体、商工団体、 プロジェクトの調査・検討、 プロジェクトリーダーの育成、 民間事業者等 新商品開発・販路開拓等 民間団体 (6 次産業化・地産地 6 次産業化ネットワークを構築して取り組むプロジェクト 整備事業 (ハード) 消法及び農商工連携促進法の の中で必要となる大規模な加工施設・機械等の整備等 認定者に限る。) 1/3 以内 3/10 以内 募集期間・窓口 2 募集期間 窓口へ問い合わせてください。 窓 口 九州農政局 大分地域センター ☎ 097- 532- 6134 県の支援制度 地域資源活用商品創出支援事業 目的・内容 県内中小企業等の利益の拡大と県内経済を活性化することを目的とし、中小企業が行う地域資源を活用した 新商品の創出・販路拡大等への支援を行う。 対象・補助内容等 主な要件 ● ● 県が指定する地域資源を活用した研究開発、商品開発、販路拡大等を行うこと。 事業を実施することで将来的に県内外、海外などへの販路拡大が見込まれること。 募集枠 内容 補助率 限度額 産学官共同研究開発枠 中小企業者等が大学等の協力を得て地域資源活用商品の実用化共同開発 を目指す。 4/5 1,500 万円 企業単独商品開発枠 中小企業者等が地域資源を使って商品開発を目指す。 2/3 750 万円 企業連携商品開発枠 地域資源を使って中小企業者等が連携(3 者以上) して、地域のブランド化 を目指す。 4/5 1,000 万円 対象経費 原材料費、展示会経費、機械装置費、コンサルタント委託費用、パッケージデザイン料、市場調査・分析費ほか 募集期間・窓口 募集期間 年3回募集(窓口へ問い合わせてください。 ) 窓 口 公益財団法人 大分県産業創造機構 地域産業育成課 ☎ 097- 537- 2424 地域活力づくり総合補助金 目的・内容 地域資源等を活用した地域活性化に向けて、地域の様々な主体がチャレンジする調査研究や試行、さらには その取組への支援を行う。 対象・補助内容等 区分 内容 補助率 限度額 地域活力づくりチャレンジ事業 地域資源の活用や地域の課題解決、一次産業の振興につながる調 査研究や試行等 3/4 以内 200 万円 地域活力づくり活動支援事業 地域資源の活用や地域の課題解決、 一次産業、 商工業、 観光業等産 業の振興につながる取組等 1/2 以内 2,000 万円 対象経費 対象事業に要する経費(人件費などの事務的経費、用地取得費等をのぞく経費) 募集期間・窓口 3 募集期間 窓口へ問い合わせてください。 窓 口 大分県中部振興局 ☎ 097- 506- 5721 市の支援制度 「おおいたの幸」ブランド化支援事業補助金 目的・内容 中小企業者や農林漁業者が行う「6次産業化」を促進するため、商品の研究・開発や販路の拡大について、 必要な経費の一部を補助する。 対象・補助内容等 主な要件 中小企業者、農林漁業者、NPO法人で、県内に住所又は事業所を有するもので、市町村税の滞 納がないこと。 ● 大分市の農林水産物等の地域資源を活用した取組であること。 ● 事業区分 支援内容・補助対象 新たな商品化に繋げるための調査研究、 試作品開発等を支援 研究開発支援事業 商品化促進支援事業 販売力強化支援事業 ●補助対象となる経費 … 原材料費・分析委託費、 専門家への謝金、 マーケティング費等 新たな6次産業化加工品の開発、 商品化を支援 ●補助対象となる経費 … 原材料費、 外部委託費、 パッケージデザイン料等 商談会等、 商品の販路を新たに県内外へ拡大する取組を支援 ●補助対象となる経費 … 出展料、 旅費、 サンプル・パンフ作成費等 ※1 大分市6次産業化戦略品目の場合は、上限を20万円とする。 ※2 大分市6次産業化戦略品目の場合は、補助率を2/3とする。 補助率等 10/10 上限額 10 万円 20 万円※ 1 ( ) 1/2(2/3 ※ 2) (上限額 100 万円) 1/2(2/3 ※ 2) (上限額 100 万円) 2 農林水産業の6次産業化に係る支援制度について 大分市地産地消推進事業費補助金 目的・内容 地産地消の拡大を図るために、各種市産農林水産物やその加工品の販売促進、製造又は直売所や加工所の 6 効率的な運営のために必要な経費の一部について補助する。 対象・補助内容等 主な要件 市内に住所を有する農林漁業者で、一定の要件を満たすもの 市内に事務所を有する農事組合法人、NPO法人で、一定の要件を満たすもの ● 5万円以上の事業で、 店舗で取扱う品目又は加工の原材料に大分市産農林水産物を含む場合に限る。 ● ● ※ 「一定の要件」については、お問い合わせください。 事業区分 補助対象 補助率等 販売の促進や直売所、 加工所の効率的な運営に必要な経費 活動支援事業 (ソフト) ●補助対象となる経費 … のぼり、 看板、 テントなどの製作委託費 必要な加工機器、 機材購入費など 1/3(上限額 50 万円) 直売所、 加工所の新築、 増築、 改築に必要な経費 (修繕費を除く) 施設整備事業(ハード) お問い合わせ先 ●補助対象となる経費 … 設計、 造成、 建物本体工事、 設備工事など 同時に加工機器等を導入する場合はそれを含む 1/2(上限額 250 万円) 〒870-8504 大分市荷揚町 2 番 31 号 大分市商工農政部産業振興課 地域産業育成担当班 TEL097- 537-7025 FAX097- 533- 6117 E-mail : [email protected] 6 次産業化・ 6 農商工連携の 手引き 大分市商工農政部産業振興課 6