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10月の為替相場展望
Forex Monthly ~10 月の為替相場展望~ 2016 年 10 月 3 日作成 マーケット金融ビジネスユニット 為替セールスチーム <お問い合わせ先> 本レポートについてのご照会は、弊社営業担当者までお申し付けください。 【9 月の振り返り】ドル/円は、月初の 8 月米雇用統計が予想を下回ったことで 102 円台後半まで下落も、米 3 連休を控えたポジション調整に米金利上昇でドル買いとな り一時 104.32 円まで上昇。しかし、市場が米利上げを見極めようとする中、予想下回る ISM 指数やブレイナード理事等のハト派な発言を受けて米 9 月利上げが後退す る中、ドル/円は 102 円台を割り込んで一時 101 円台前半に下落した。その後、日銀の追加緩和期待もありドル/円は一時 103 円台に戻すも米利上げ期待の後退から 上値重く、また予想下回る米小売売上高を受けて 102 円近辺まで下落、日米金融政策の結果待ちとなった。21 日、日銀はマイナス金利の深掘りを据え置くも、新しく長 短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入を決定。これを受けて日本株の大幅上昇とともに、ドル/円は一時 102 円台後半まで上昇も、FOMC を控えて再び 101 円台 に戻した。その後の FOMC では、市場の予想通り追加利上げ据え置きが決定されるとともに、今後の利上げペースの鈍化が示され、ドル/円は一時 100 円近辺まで下 落した。その後もドル/円は何度か 100 円割れを試すも、政府の介入警戒感や米大統領選挙討論会でクリントン氏が優勢となったことで円買いの流れは強まらず、月末 には、ドイツ銀発の欧州株安でドル/円は下押しする場面があるも、実需筋のドル買いフローや OPEC の減産合意報道などに支えられ 101 円台前半で引けた。 【ドル/円相場変動要因】 ① 9/1:米 8 月 ISM 製造業景気指数 49.4 (予想 52.0)→ド ル売り ② 9/2:米 8 月非農業部門雇用者数 15.1 万(予想 18.0 万)、8 月失業率 4.9%(予想 4.8%)、8 月平均時給(前月 比) 0.1%(予想 0.2%)→ドル売り後ドル買い リッチモンド連銀ラッカー総裁発言、「利上げを先送りす ればその分リスクも高まる」「8 月雇用統計、まずまず強 い内容だった」→ドル買い ③ 9/6:8 月米労働市場情勢指数▲0.7(予想 0.0)、8 月 ISM 非製造業景況指数 51.4(予想 54.9)→ドル売り ④ 9/9:米 タルーロ FRB 理事、「早期利上げにインフレの 証拠必要」「低金利リスクへの回答は必ずしも引き上げ ではない」、米 7 月卸売在庫確報(前月比)0.0%(予想 0.1%)→ドル売り ⑤ 9/12:ブレイナード FRB 理事、「緩和解除で慎重さ維持 を望む」「予防的な引締めシナリオは説得力に欠ける」 「低い中立金利は継続する可能性が高い」→ドル売り ⑥ 9/13:日 「財務省、40 年債の増発を正式決定」「日銀 の総括検証、緩和拡大はマイナス金利軸に」-日経→ 円売り ⑦ 9/15 : 米 8 月 小 売 売 上 高 (前 月 比 ) ▲ 0.3%( 予 想 ▲ 0.1%)/同除く自動車ガソリン▲0.1%(予想 0.3%)→ドル 売り ⑧ 9/21:日 日銀金融政策決定会合:「政策金利を-0.100% に据え置き-当座預金」「長短金利操作付き量的・質的 金融緩和の導入を決定」「オーバーシュート型コミットメ ント、イールドカーブコントロールを導入」→一時円売り 後ドル買い 米 FOMC 「FF 金利誘導目標を 0.25-0.5%で維持」、 「2016 年末の FF 金利は 0.6%、2017 年末の FF 金利は 1.1%、2018 年末の FF 金利は 1.9%」、イエレン議長記 者会見「11 月会合で利上げが正当化どうかを判断へ」 「利上げのタイミング、様々な選択肢がある」→ドル売り ⑨ 9/26: 独 メルケル首相、「ドイツ銀行への公的支援可 能性排除」(独誌)-首相報道官→欧州株安で円買い ⑩ 9/28:世 関係筋、「非公式会合で日量 3250 万バレル生 産制限合意」→原油高でリスクオン、円売り 【ユーロ変動要因】 (1) 9/8:欧 ECB 理事会、政策金利 0%、預金金利▲0.4%に 据え置き(予想通り)-QE プログラムも現状維持 ドラギ総裁発言、「ECB、資産買い入れプログラム延長 を議論せず」 「当面は追加刺激策必要ない」 「インフ レ率は段階的に上昇すると予想」→ユーロ買い (2) 9/16:米 米司法省、ドイツ銀行に住宅ローン担保証券 問題で 140 億ドルの支払いを要求→ユーロ売り 104.50 ① ④ 103.50 ⑦ ⑤ 102.50 9 月 USD/JPY 100.09-104.32 9/ 2:104.32 ③ ⑧ ② ⑨ 101.50 ⑥ 100.50 ⑩ 9/ 27:100.09 99.50 9/1 9/5 9/7 9/9 9/13 9/15 9/19 9/21 9/23 9/27 9/29 9 月 EUR/USD 1.1123-1.1328 1.1400 9/ 8:1.1328 1.1350 ③ 1.1300 (2) ② 1.1250 1.1200 (1) ④ 1.1150 1.1100 ⑦ ⑤ ⑧ ① 9/1 9/5 9/7 9/9 9/13 9/15 9/19 9/21 9/ 21:1.1123 9/23 9/27 9/29 9 月 EUR/JPY 112.08-116.37 117.00 9/ 2:116.37 ① ④ ③ 116.00 ⑦ ⑤ 115.00 (2) ⑧ ② ⑨ 114.00 ⑥ (1) 113.00 112.00 ⑩ 9/ 21:112.08 111.00 9/1 9/5 9/7 9/9 9/13 9/15 9/19 9/21 9/23 9/27 9/29 (出所:Bloomberg) 1 ■ 10 月の予想レンジ USD/JPY EUR/USD EUR/JPY 9 月の見通し回顧 100.00~104.00 1.1050~1.1350 112.50~115.50 9 月の当方予想レンジは、ドル/円 100.00~106.00 円、ユーロ/ドル 1.0800~1.1300 ドル、 ユーロ/円 112.50~117.00 円。ドルは、相対的に堅調な米景気と年内利上げ観測の高まりを 背景に堅調推移を見込むも、11 月に米大統領選を控えていることや、ドル高牽制発言も出や すいことから、ドルの上昇スピードは緩やかと予想。円については、日銀決定会合での「総括 的な検証」で金融緩和縮小を想起させるような議論が強まるとの警戒感から、売り優勢の展開 を見込んだ。一方ユーロについては、底堅さを維持していた域内景気に足下減速傾向が見ら れる他、引き続き低水準での推移が見込まれる欧州金利等から、上値は重いと予想した。 実際の 9 月の月間レンジは、ドル/円:100.09-104.32 円(9/30 終値:101.42 円)、ユーロ/ド ル:1.1123-1.1328 ドル(9/30 終値:1.1245 ドル)、ユーロ/円:112.08-116.37 円(9/30 終値: 114.00 円)。 ドル/円は、当方の予想に反して、月を通して下値を模索する展開となった。 月初に発表された米 8 月雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が 15.1 万人増(予想 18.0 万人増)と市場予想を下回り、平均時給も悪化したことからドル売り優勢の展開となり、103 円台 後半で推移していたドル円は 102.80 円まで下落。しかしながら、9 月利上げを完全に払拭する 内容ではなかったことや、米連休前のポジション調整から米 10 年債利回りが上昇する動きに、 ドル円は 104.32 円(高値)まで反発。その後、浜田内閣参与の「日銀は FOMC 前に追加緩和 は控えるべき」との発言や、米 8 月非製造業 ISM が予想を大幅に下回ったことで、103 円台前 半からのストップロスオーダーを巻き込んで、102.05 円まで急落。さらに「日銀の総括的検証が 難航している」との報道も材料視されたことで、ドル円は 101.20 円まで下値を切り下げた。その 後は、ローゼングレン・ボストン連銀総裁やカプラン・ダラス連銀総裁などのタカ派発言を手掛 かりに、米金利が上昇する中ドル円は 103.06 円まで上昇するも、ブレイナード理事の「予防的 な引き締めシナリオは説得力に欠ける」といったハト派発言を受けて、一転下落基調となり 101.42 円まで反落。しかしながら財務省が 40 年債を増発すると発表したことや、日銀の追加 緩和の思惑などから 103.35 円まで反発と、上下に振らされる展開となった。 中盤以降は日米金融政策イベントを前に、ドル円は様子見ムードが漂う中 102 円台までじり 安。注目の日銀金融政策決定会合では、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入が決 定されたが、一部で予想されていたマイナス金利の深堀がなかったこともあり、ドル円は 101.00 円まで下落するも、株価の反発を好感した円売りに一時 102.79 円まで上昇。しかし、戻り売り 等から上げ幅を全て失うと 100 円台半ば付近まで下落。FOMC 直前には、米金利が上昇する 中、101.02 円まで買われる場面はあるも、FOMC では利上げを見送り。イエレン FRB 議長の会 見では「今回はさらなる経済指標を検証するために待つことにした」と年内利上げの是非につ いて特段言及しなかったことから、米 10 年債利回りの低下を受けてドル円は 100.10 円まで下 落した。月末にかけては、ドイツ銀行の米への和解金問題について、メルケル首相は救済見 送りの方針を示しているとの報道で、リスク回避姿勢が強まり 100.09 円まで下値を切り下げたも のの、四半期末に係るドル買いの需給に支えられたほか、OPEC 会合で増産凍結合意により 原油価格が急伸したことで、株式市場が堅調に推移する中、101 円台後半を回復した。 ユーロは、月を通して上下に振らされる展開となった。 月初、米 8 月雇用統計の弱い結果を受けて 1.1255 ドルまで上昇したが、その後ドル買いに 転じると 1.11 ドル台後半まで反落。米 8 月非製造業 ISM の弱い結果を受けて再び、1.12 ドル 台まで値を戻すと、ECB 理事会では主要金利が据え置きとなった一方で、予想に反してドラギ ECB 総裁が追加緩和に消極的な発言をしたことから、一時 1.1328 ドルまで上昇。その後のユ ーロドルは、月半ばから日米金融政策イベントを控えて、1.12 ドル台でレンジでの推移となっ たが、米 8 月 CPI が予想を上回ったことや、米 10 年債利回りの上昇を受けてドル買いの流れ に再び下落基調となり、1.1149 ドルまで下落。 後半に入ると、注目の FOMC 声明文、並びにドットチャートの下方修正を受けたドル売りに 1.1198 ドルまで反発するも、3 名が利上げに回ったことからドル買いが強まり、1.1123 ドルまで 下落。その後はユーロの買戻しの動きが強まったことで、1.12 ドル台後半まで反発したが、月 末にかけては、イエレン FRB 議長の議会証言での発言がタカ派となったことを受けて、再度ド ル買いが強まり、1.11 ドル台まで反落となった。 ユーロ円は、月を通して上下動する展開となった。月初 116 円台で推移していたユーロ円 は、米雇用統計の弱い結果などを背景に一時 113 円台後半まで下落した後、ドラギ ECB 総裁 のハト派コメントで再び 116 円台を回復。しかし後半は、日銀の追加緩和見送りやドイツ銀行の 和解金問題で、円買い優勢の展開となる中、112 円台前半まで反落した。 (文責: 山下) 2 10 月の相場見通し ドル見通し 10 月のドルは、年内利上げ観測を背景に底堅い推移を予想するが、米大統領選の大勢判 明までは積極的にポジションを傾けづらいことや、FRB が年内利上げに踏み切ってもその後の 利上げペースは緩慢との見方からドル買いが大きく進むことも見込みづらく、方向感に欠ける 展開を予想する。 <米金融政策> 9 月 20 日-21 日に開催された FOMC では、大方の市場予想通り、FF(フェデラルファンド) レートの誘導目標レンジを 0.25-0.50%で据え置くことが決定された。投票では、前月のジョー ジ・カンザスシティ連銀総裁に加え、メスター・クリーブランド連銀総裁、ローゼングレン・ボスト ン連銀総裁も 25bp の利上げを主張し反対票を投じ、利上げに対する支持が高まっていること を示す結果となった。 経済の現状認識は、「経済活動は緩やかなペースで拡大(expanding)している」から、「経済 活動の拡大は今年前半に見られた緩やかなペースから加速した」と上方修正。 個別項目では、労働市場について「均して見れば堅調であった」と前回の「雇用の伸びは低 調な 5 月から 6 月は堅調」から上方修正されたが、その他の個人消費や、企業の設備投資、イ ンフレ動向については、ほとんど変化は無かった。 第 2 段落では経済の先行き見通しに関して、前回声明文で「低下した」とされていた短期的 な経済見通しのリスクは、今回声明文では「おおむね均衡したとみられる( appear roughly balanced)」とされ、英国の EU 離脱決定に伴うリスク後退等、下振れリスクが一層軽減し、経済 の上振れ・下振れリスクが均衡したと見ていることが示された。 第 3 段落では FF レートの据え置きを決定に関して、「FF レートを引き上げる論拠は強まっ たと判断するが、当面の間、目標に向けた進展のさらなる証拠を待つことを決定した」との一文 が付け加えられている。イエレンFRB議長の記者会見では、利上げに踏み切らなかった理由 として、インフレ率が目標を下回っており、労働市場にも一層の改善余地があることを挙げ、ま た経済に過熱の兆候が見られないことから、金融政策が後手に回るリスクは小さいとしている。 声明文およびイエレンFRB議長の記者会見は総じてタカ派な内容と言え、今回 3 名のメン バーが利上げを主張したことも考えれば、米景気や海外情勢に大きな変化が無い限り、年内 利上げの可能性は高いと見るべきだろう。雇用統計やインフレ関連指標等の米経済指標を見 極めながら、市場は年内利上げを織り込んでいくと思われる。筆者は今回の利上げ見送りに ついて、米大統領選の影響も大きいと見ており、大統領選を翌週に控える次回FOMC(11 月 1 日~2 日)でも利上げは見送られ、12 月に利上げに踏み切ると予想する。現在の利上げ織 り込み幅(9/30 時点:11 月が 2 割弱、12 月が約 6 割)を勘案すれば、11 月利上げが見送りと なったとしても、ドル安進行は限定的で年内(12 月)利上げ観測がドルのサポートとなると予想 する。 一方で、FOMCメンバーの政策金利見通し(ドット・チャート)はハト派的で、2016 年の利上 げ見通しは、前回 6 月時点の 2 回から 1 回へと下方修正され、2017 年についても同 3 回から 2 回へと下方修正、2018 年は 3 回で変わらず、長期見通しは 3.0%から 2.875%へ下方修正と なった。筆者はこれまで、FRBの予想する中立金利や潜在成長率の低下が示唆されており、 利上げのペースは緩慢にとどまる可能性が高いとしてきたが、FRB の予想政策金利が下方修 正され、市場の見方に近づいてきたと言えるだろう。年内利上げ観測がドルのサポートとなっ ても、利上げペースが来年以降も緩慢との見方に変化が無い限り、大幅なドル高は見込みづ らそうだ。 <米経済> 8 月の非農業部門雇用者数は前月比 15.1 万人増と、市場予想(18 万人増)に届かず、3 ヶ 月ぶりに 20 万人を下回る結果となった。民間部門の雇用者数の減少が大きく、失業率は 2 ヶ 月連続で前月比変わらずの 4.9%と低下が一服、平均時給は前月比+0.1%(市場予想 +0.2%)に減速しており、8 月は労働市場の改善にやや足踏みが見られる内容となった。とは いえ、7 月分雇用者数が上方修正(25.5 万人増→27.5 万人増)されており、完全雇用に近づき つつある(雇用が増加しにくい)ことを勘案すれば、雇用者数の増加ペースは底堅いと言える。 また、7 月 JOLT 求人件数は 587.1 万件に増加、統計開始以来の最高水準に達しており、米 労働市場は引き続き底堅い推移が続くと予想する。8 月雇用統計は翌月に上方修正される傾 向が見られることから、10 月 7 日発表予定の 9 月雇用統計での修正有無にも注目しておきた い。 8 月の小売売上高は、前月比▲0.3%と市場予想(同▲0.1%)を下回り、5 ヶ月ぶりの減少と なった。振れの大きい業種(自動車・建材)を除いたコア小売売上高も同▲0.1%と 2 ヶ月連続 低下(7 月分は横ばい→▲0.1%に下方修正)となっており、4-6 月期に力強く推移した個人消 費の足踏みが続いている。とはいえ、8 月は雨が多かったという天候要因が同統計を押し下げ た可能性があることや、米個人消費への影響が大きい米国株は上昇基調一服ながらも高値圏 で推移している。9 月消費者信頼感指数は 2007 年 8 月以来の高水準となる 104.1 に上昇して おり、筆者は米個人消費の停滞は一時的であり、今後は回復基調となり米経済をサポートする との見方を維持する。 一方、企業部門については実態面、景況感ともに悪化。8 月の鉱工業生産は前月比▲ 0.4%と 3 ヵ月ぶりに低下、8 月の耐久財受注も前月比変わらずと前月(+1.1%)より低下。8 月I SM製造業景気指数は 49.4 と市場予想(52.0)を大幅に下回り、6 ヶ月ぶりに節目の 50 を下回 3 ったほか、同非製造業景気指数も 51.4 と市場予想(54.9)を大幅に下回り、2010 年 2 月以来の 低水準となった。6-7 月にかけて回復が感じられた企業部門は 8 月に失速したと言わざるを得 ないが、直近のニューヨーク、フィラデルフィア、カンザスシティ、ダラス、リッチモンド、シカゴの 各連銀景況感は前月比で改善しており、9 月の持ち直しが期待される。7 月後半にかけて進ん だドル高は 8 月以降一服しており、製造業の景況感回復につながっている面もあろう。9 月のI SM製造業、非製造業景気指数が市場予想通り改善となれば、企業部門に対する懸念は後 退すると思われ、注目したい。 8 月分の指標は個人消費の頭打ちや、企業部門の減速など米景気回復継続に懸念を残す 内容となったものの、今後も労働市場の底堅さを背景にした個人消費の堅調さが米国経済を サポートすると見る。インフレ指標に過度な上昇が見られないことや、大統領選を控えているこ とで FRB は 9 月の利上げを見送ったものの、米国経済のファンダメンタルからは年内利上げが 正当化されよう。 <米大統領選、リスク動向> 日米欧の金融政策決定会合というイベントを通過し、目先は米大統領選の行方に注目が集 まりそうだ。 9 月 26 日(日本時間 27 日午前)、共和党候補のドナルド・トランプ氏と民主党候補のヒラリ ー・クリントン氏の初めての直接対決となる第1回テレビ討論会が開催された。両氏の主張はこ れまでの発言の範囲内であり、目新しい材料は無かったが、クリントン氏の冷静な対応や健康 不安を感じさせなかったことが評価され、クリントン氏優勢との見方が大勢となっている(討論会 直後のCNN調査では、62%がクリントン氏勝利、27%がトランプ氏勝利と回答)。 為替市場への影響としてはトランプ氏が大統領となった場合の影響が大きいと見られ、トラ ンプ氏の保護主義的な貿易政策の影響を受けやすいメキシコペソやカナダドル、アジアを中 心とする新興国通貨などが軟調に推移しよう。また、経済・外交等に対する不透明感の高まり からリスクオフの動きが想定され、円やスイスフランが買われる展開となりそうだ。一方、クリント ン大統領シナリオの場合は為替市場への影響は比較的限定され、トランプリスクの剥落からリ スクオンの展開が想定される。 筆者は市場の大勢同様にクリントン氏勝利を予想しており、ドル/円にはサポートとなると見 ているが、結果判明までは、大統領選日程(10 月 9 日:第 2 回討論会、10 月 19 日:第 3 回討 論会、11 月 8 日:大統領選挙)や世論調査結果に神経質な展開が想定される。 リスクセンチメントへの影響としては、OPEC が予想外の減産合意を発表。11 月の OPEC 総 会までの各国の生産水準検討のなかで合意が破綻するリスクや、米シェール企業の増産見込 みなどもあり、原油価格の大幅上昇は困難との見方も根強いが、8 年ぶりとなる減産合意は原 油価格の強い下支え要因となると考える。市場のリスク選好の動きにつながりやすく、ドル円の サポートとなろう。 米国の年内利上げ観測の高まりが、米国をはじめとする世界的な株価下落や、新興国から の資金流出懸念などにつながる可能性には引き続き注意が必要だが、米国以外の先進国は 金融緩和継続・強化に動いており、リスクオフの動きは依然限定的だろう。また、欧州金融機 関の財務問題がクローズアップされており、マイナス金利で収益が圧迫される状況が続くな か、今後もリスク要因として注目されるが、ドイツ銀行の不正取引を巡る米当局への制裁額に ついて減額で合意との報道が出ており、一旦は落ち着きを取り戻しそうだ。 円見通し 円については、日銀の「総括的な検証」と金融政策のフレームワーク変更を受けて、金融政 策の限界論が後退すると考えることや、ファンド勢の円買いポジションの巻き戻しの動きから、 やや円売り優勢の展開を予想する。 日銀は 9 月 20~21 日の金融政策決定会合で、前回会合時発表のとおり、これまでの経済・ 物価動向と政策効果について総括的な検証を実施。それを踏まえて、「2%の『物価の安定目 標』をできるだけ早期に実現する」ため、金融緩和強化の新たな枠組みとして、「長短金利操 作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。主な内容として、(1)長短金利の操作を行う 「イールドカーブ・コントロール」、(2)消費者物価上昇率の実績値が安定的に 2%の「物価安定 の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメ ント」を挙げた。 (1)の具体的な内容は、①次回会合までの金融市場調節方針を、付利金利を従来通り▲ 0.1%、10 年債利回りの誘導水準は現状程度(ゼロ%程度)とし、今後、必要な場合、さらに金 利を引き下げると表明、②長短金利操作を円滑に行うため、指値オペの導入と資金供給オペ 期間を 10 年に延長、③資産買い入れについては、国債の買入れ額については「現状程度を めどとする」と記述するのにとどめ、買い入れの平均残存期間の定めを廃止。国債以外の買入 れに関しては、これまでの買入れ金額に変更は無いものの、「年間買入額 5.7 兆円のうち、3 兆円については、従来通り、3 指数に連動する ETF を対象に、銘柄毎の時価総額に概ね比 例するように買入れる」「残りの 2.7 兆円については、TOPIX に連動する ETF を対象に、銘 柄毎の時価総額に概ね比例するように買入れる」という内容に変更した。 4 一部報道のあったマイナス金利の深堀りなどの「追加緩和」については見送られた格好であ り、金融政策の目標を従来のマネタリーベースから金利水準へとシフトさせる、フレームワーク の変更といえるだろう。 政策発表後は、一時円高に振れた後、マイナス金利の深掘り見送りを好感した銀行株主導 の株価上昇等を背景に円安が進む場面も見られたが、その後は再び円が買い戻される動きと なった。今回の日銀のフレームワーク変更が円を押し下げるには力不足だろう。 しかしながら、総括的検証で「適合的な期待形成」には時間がかかる可能性もあるとし、じっ くりと緩和強化に取り組む姿勢を示し、将来的な出口戦略への懸念を和らげたことや、政策会 合の度に追加緩和観測を催促され、市場が不安定化するという事態の沈静化に寄与する面 はポジティブと考える。 また、日銀は追加緩和手段として、①短期政策金利引き下げ、②長期金利操作目標の引き 下げ、③資産買入れの拡大、④マネタリーベース拡大ペースの加速、を挙げており、今回のフ レームワーク変更は、将来の追加緩和強化に向けた布石ともとれる。7 月の会合後に円高が進 んだ要因として、日銀の緩和限界説や総括的検証で出口戦略の議論がクローズアップされた ことが挙げられるが、筆者は今後その懸念は徐々に後退していくと見ており、投機筋の円買い ポジション(IMM投機筋の円買いポジションは、9 月 27 日時点で 68,892 枚の円買い超と 4 月 下旬以来の高水準)縮小につながると予想している。 需給面では、8 月の貿易収支は 187 億円の赤字と 3 ヶ月ぶりの赤字となった。原油価格の 反発や円高による輸出停滞を受けて、4 月をピークに貿易黒字増加は一段落となっており、今 後は需給面での円高圧力緩和につながろう。但し、昨年までの円安局面でヘッジ比率を高め た輸入企業に対し、年明け以降円高基調が続くなか輸出企業のヘッジ率は依然低いと思わ れ、本邦輸出企業のヘッジ需要が円売りを抑制する展開は継続しそうだ。 筆者はドル円の底堅い展開を予想するが、本邦輸出企業の円買いが上値を抑える構図は 続き、ドル円の大幅上昇も見込みづらいと考える。 テクニカル面では、ドル円は引き続き、日足一目均衡表の雲に抑えられる推移が続いてお り、下落トレンドが継続。10 月は 102.00-103.50 レベルに日足一目均衡表の雲が位置してお り、レジスタンスとして意識されよう。一方、下値は英国国民投票時の安値 99.00 円と 8 月安値 99.55 円を結んだラインが現状 100 円近辺にあり、節目の 100 円がサポートとなりそうだ。 (文責: 西田) ユーロ見通し 10 月のユーロ/ドルは、レンジ内で一進一退の展開を予想する。 底堅さを維持していたユーロ圏景気に足下減速傾向がみられる他、引き続き低水準での推 移が見込まれる欧州金利(追加緩和観測)等からユーロの上値は重いだろう。ドラギ ECB 総裁 がこれまで指摘している鈍い構造改革ペースが引き続きユーロ圏の景気回復の足かせとなる 中、英 EU 離脱決定に伴う不透明感や世界経済の減速リスクも中長期的なユーロ安材料として なお意識されよう。なお、ここにきて注目度が高まっている欧州銀行の信用不安問題について はドイツ銀行への過度の懸念は一旦後退しているが、この他の欧州銀行問題が今後改めて注 目されることとなれば、市場全体のリスクメント悪化につながりやすくユーロ売り材料として意識 されやすい。 しかしながら、米利上げ時期に対する見方が定まっていない中で、ドル高一辺倒の動きも想 定しづらく、これまで同様にドル売りが強まる局面では相対的にユーロがサポートされやすい。 また、テクニカル面(後述)からも明確なシグナルは観測されていないことからユーロ/ドルはレ ンジ感の強い値動きが続こう(ユーロ/ドルのボラティリティは直近 1 年間の最低レベルで低位 安定推移)。なお、ユーロの IMM ポジションはショートに傾いていることから、イベント前後のタ イミングや各チャートポイント付近でのユーロの一時的な買戻しには留意が必要だろう。 一方ユーロ/円は、引き続き日欧の大規模な金融緩和環境継続が見込まれることから方向 感は出にくいが、世界的に底堅さを維持している株価動向等、極端なリスクオフも想定しにく い(VIX 指数(※)も足下 14 近辺と直近 1 年間の安値近辺で安定推移継続)。クロス円全般に 大幅な円買いが進行する場面では、本邦当局からの円高牽制等もユーロ/円の下値を支えよ う。ただ、円高リスクが残る中で上値も限定的で、ユーロ/ドル同様にレンジ感の強い相場展開 を予想する。 (※)シカゴ・オプション取引所が作り出した「ボラテリティ・インデックス」の略称。投資家心理を示す指数として利用 されており、「恐怖指数」という別名が付けられている。 9 月 ECB 理事会(9/8)では、大方の事前予想に反して全ての金利および債券買い取りペ ースが据え置きとなった。ドラギ総裁の会見では緩和スタンスが強調されたものの、現状、少な くとも 2017 年 3 月までとしている資産買い入れ時期について、「プログラム延長は議論されな かった」とした他、「当面は追加刺激策必要ない」と追加緩和に消極的なコメントがあった。これ を受け株式・債券市場ともに失望売りの展開となり、ユーロ/ドルは独国債金利が上昇する中、 一時 1.1328 ドル(月中高値)まで上昇。ただ、反応は一時的でその後は米金利上昇に伴うドル 5 買いに押されユーロ/ドルは上げ幅を縮小、結局 1.12 ドル台半ばまで反落した。ドラギ総裁の 会見はややタカ派的だったものの、今回の理事会において ECB スタッフによる GDP 成長率予 想(2017 年:1.7%→1.6%、2018 年:1.7%→1.6%)およびインフレ率(2017 年:1.3%→1.2%、 2018 年:1.6%→1.6%)は、引き下げとなった。 ECB による追加緩和のタイミングを占う上で、直近約 1 ヵ月間の ECB 高官発言をみると、月 前半は「経済的には、ユーロ圏の回復ペースは依然として不十分であり、失業率はまだ高過ぎ る。」(メルシュ理事、9/3)や「IMF の予測でユーロ圏の成長が再び鈍化することが示されてお り、問題がないとは言えない情勢だ。」(ハンソン・エストニア中銀総裁)とハト派的な発言があっ たが、ECB 理事会後は「資産購入プログラムの重要な設計要素を現時点で変更する理由は見 当たらない。」(9/13、ラウテンシュレーガーECB 理事)や、「ECB は環境が整い次第、政策を 正常化させるべきだ。」(9/18、バイトマン独連銀総裁)、さらに「長期にわたる低金利環境はリ スクを招く。金融安定リスクに対する全般的なリスクだ。」(コンスタンシオ ECB 副総裁)、「マイ ナス金利に限界があるのは明らかだ。」(ビルロワドガロー仏中銀総裁)と追加緩和に伴う副作 用のリスクを警告する等、足下では利下げに関して慎重な姿勢も感じ取れる。ECB による追加 緩和期待は引き続き根強いものの、3 月に決定された追加緩和政策に対する評価や、英中銀 が 8 月に発表した包括的な金融緩和政策の影響の見極めにはなお時間を要すると思われ、 ECB 内部で様子見姿勢が強まっている可能性もあろう。必要であれば追加緩和をするという ECB のスタンスには変化はみられないものの、これまでで既に十分な緩和が行われたとの見 方もある中、少なくとも年内は現状維持の可能性もある。ただ、将来の成長率見通しおよびイ ンフレ予想が下方修正されたことから、年内(おそらく 12 月)に追加緩和が決定される可能性 が依然として強いとみている(追加緩和の際は、既存の買い取りルールの変更も必要)。 ユーロ圏の景気はこれまで個人消費を中心に底堅さを維持していたが、足下でやや減速し ている。16 年 4-6 月期 GDP 成長率(確報)は、前期比+0.3%となり 1-3 月期(同+0.6%) からは大幅に鈍化。需要項目別の寄与度をみると、純輸出が好調だった一方で (16Q1:0.08%→16Q2:0.36%)、個人消費が減速(16Q1:0.34%→16Q2:0.12%)13 年 4-6 月 期以降、13 四半期連続でプラス成長を維持しているものの、今年 6 月の英国の EU 離脱が決 定される前からユーロ圏内の景気回復が足踏み状態となっていたことを示す内容と言え、今後 の懸念材料と言えよう。 主な経済指標を項目別にみると、まず生産は、7 月の鉱工業生産が前月比▲1.1%(6 月: 同+0.6%)とマイナスに転換、前年比ベースでも▲0.5%(同+0.4%)と 4 ヵ月ぶりのマイナス 転落となった。消費関連は、9 月の消費者信頼感指数(一次速報)が▲8.2 と先月の▲8.5 から 小幅ながらマイナス幅が縮小。英 EU 離脱決定後、7 月、8 月は小幅ながらもマイナス幅が拡大 していたが、9 月は下げ止まり感も出たと言える(この間の英経済指標は概ね良好を維持)。な お、7 月小売売上高は、前月比+1.1%(6 月:同▲0.1%)と加速、前年比ベースでも+2.9% (6 月:同+1.7%)と急加速となった。雇用関連は、8 月の失業率が 10.0%と前月(10.1%)から 小幅ながら改善。物価については 8 月の消費者物価指数が前月比で+0.1%(6 月:同▲ 0.6%)とプラスに転換した一方、前年比では+0.2%(7 月:同+0.2%)と横ばいなった。8 月は 原油価格(北海ブレント)が月間でプラスを維持したものの、ユーロ圏の物価上昇圧力が引き 続き弱いことを示している。世界的な低金利環境継続が見込まれる中、原油価格も持ち直して いることから、今後の物価動向に与える影響に引き続き注目したい。 テクニカル面をみると、ユーロ/ドルはなお直近 1 年間の大きなレンジ内(1.06-1.16 ドル)で の推移が続いており、方向感を喪失している。英 EU 離脱決定(6/24)時のユーロ/ドル急落 で、昨年 12 月安値(1.0523 ドル)と 3/10 安値(1.0822 ドル)を結んだラインと、2/11 高値 (1.1377 ドル)と 5 月高値(1.1616 ドル)を結んだラインが形成するトレンドチャネルをクリアに下 方ブレイクしたものの、9 月は上下ともに値幅が限定的となり、方向感を失っている(9 月は月間 値幅も約 200pt と極端に小さい)。月足でみると、6 月以降チャートの足型は上下髭になるもの の、実体線は陰線、陽線を繰り返しつつも値幅は小さい状況が続いている。また。週足も、9 月 は結局方向性に乏しい足型が継続。日足は緩やかに右上がりとなっているなっている 200 日 移動平均線(9/30 現在:1.1161 ドル)を上回っている他、一目均衡表の雲や基準線、転換線も サポートとなる等底堅さが感じられる状況にある。 一方、ドルインデックス(9/30 現在:95 台半ば)は、7 月末に割り込んだ 200 日移動平均線 (9/30 現在:95.952)を 9 月に何度かタッチしたものの、引けベースでは定着できず、同線がレ ジスタンスとしてワークしている。ドルインデックスのボリンジャーバンドが縮小傾向にある中、ユ ーロ/ドルも目先的にはレンジ内での動きが見込まれよう。 なお、オシレーター系のチャートである RSI をみると、ユーロ/ドルは現状 51 近辺(9/30 現 在)と中立の状態。投機筋の IMM 先物ユーロネットショートポジションは、直近(9/27 現在)で 76,030 枚となり約 1 ヵ月前とほぼ変わらずの水準。直近のピークだった昨年 12 月の水準 (182,845 枚)の 1/2 以下であるが、ポジション調整に伴うユーロの買い戻し余力は留意してお きたい。 なおユーロ/円は直近 3 ヵ月程度 115 円を中心としたレンジ内で方向感を喪失していたが、 9 月中旬以降は 115 円を回復できておらず、上値の重さが感じられる。RSI は中立水準(9/30 現在:50 台半ば)であるが、収縮していたボリンジャーバンドがこのまま拡大していく展開となれ ば、上下どちらかのレンジブレイクを試す展開もあろう。下サイドは英 EU 離脱決定後、何度か 6 サポートされた 110.80-90 円レベルをクリアに下抜けするかどうかが目先のポイントとなろう。 上記のようなユーロ圏の固有材料のほか、今後も米国の追加利上げ時期に関する思惑がド ルの方向性を左右し、結果としてユーロの動向に影響を与えるだろう(米大統領選のユーロ相 場への影響は限定的とみている)。注目された 9 月の FOMC では大方の事前予想通り利上げ 見送りとなった(7 対 3 での決定)。ただ、労働市場が一段と改善する中、年内に 1 回の利上げ を行う可能性を示唆した。金利先物市場が織り込む年内に FOMC における利上げ確率は足 下 11 月が 17.1%(9/30 現在)とそれほど高まっていないものの、12 月は 59.3%(同)と徐々に 高まりつつある。前回の FOMC では GDP 成長率予想に加えて、FOMC メンバーの 2017 年金 利見通しも下方修正されたが、根強い年内利上げ観測がドルの下支え要因となり、相対的に ユーロ/ドルの圧迫要因となろう。 (文責: 石川) ■ 想定されるドル円のリスク要因 【 ドル安/円高 要因 】 円先安観後退による本邦輸出企業のヘッジ需要 欧州金融機関財務問題への懸念の高まり 米大統領選を控え、米当局者からのドル高牽制 米経済指標悪化となった場合の今後の利上げ織り込みの再低下 英国 EU 離脱に伴う先行き不透明感 中国・新興国経済への懸念やテロなど地政学的リスクの高まりによるリスク回避再燃 【 ドル高/円安 要因 】 米経済指標が堅調となった場合の年内利上げ織り込み確率の上昇→米短期金利上昇 米国と他国との金融政策の方向性およびファンダメンタルズ相違(ドル優位) 11 月会合での日銀追加緩和への期待感 企業の M&A 等の直接投資や、年金・生保等の外物投資に伴う円売り需要 消費増税先送りも加わり、日本の政府債務の膨張への警戒感が招く「日本売り」 7 【Weekly】ドル/円チャート(週足) 125.86 103.74 105.45 100.76 99.00 93.75 75.32 86 77.13 RSI (出所:Bloomberg) 【Monthly】ドル/円チャート(月足) 125.86 124.14 110.67 86 101.67 99.00 86 75.32 RSI (出所:Bloomberg) 8 【Weekly】ユーロ/円チャート(週足) 149.79 145.67 126.08 118.74 109.30 94.12 RSI (出所:Bloomberg) 【Monthly】ユーロ/円チャート(月足) 169.97 149.79 145.67 139.26 112.08 109.30 94.12 RSI (出所:Bloomberg) 9 【Weekly】ユーロ/ドルチャート(週足) 1.3995 1.3711 1.2740 1.1715 1.2042 1.1176 1.0457 RSI (出所:Bloomberg) 【Monthly】ユーロ/ドルチャート(月足) 1.6040 1.5145 1.4940 1.3995 1.3670 1.2329 1.1640 1.2042 1.1876 1.0457 RSI (出所:Bloomberg) 10 【Weekly】ドルインデックスチャート(週足) RSI (出所:Bloomberg) 【Monthly】ドルインデックスチャート(月足) RSI (出所:Bloomberg) 本資料は当マーケット金融ビジネスユニット 為替セールスチームの見解を記したものであり、当社としての見通しと は必ずしも一致しません。本資料のデータは各種の情報源から入手したものですが、正確性、完全性を全面的に保 証するものではありません。また、作成時点で入手可能なデータに基づき経済・金融情報を提供するものであり、投 資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願い申し上 げます。 11