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9月マンスリーレポート

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9月マンスリーレポート
9 月市況
ドル円
1 日、103 円 40-50 銭水準で始まると、NY 市場で 4~6 月期米単位労働コスト・確報
値などの経済指標が好調だったことで 104 円 00 銭まで買われた。ところが、8 月米 ISM 製
造業景況感指数が 49.4(事前予想 52.0)と景気判断の分岐点となる 50 を下回ると 103 円
台前半へ下落した。2 日、8 月米雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったこ
とを嫌気して 102 円 80 銭まで下落した。しかし、9 月の利上げ観測を排除するほど悪い数
字ではないとの見方が広がると、米長期金利の上昇もありショートカバーが入って 104 円
32 銭まで上伸、今月の高値を付けた。5 日、黒田日銀総裁の講演で追加緩和に踏み込んだ
発言がなかったため、日経平均株価の伸び悩みが嫌気されたこともあり、103 円 27 銭まで
下落した。6 日、8 月米 ISM 非製造業景況感指数が市場予想を大きく下回り米国の 9 月利
上げ観測が後退、101 円 95 銭付近へ急落、7 日には海外勢による仕掛け的な売りで 101 円
20 銭まで軟化した。しかし 9 日、ハト派で知られるローゼングレン・ボストン連銀総裁が
利上げに前向きな姿勢を示したことで 103 円 06 銭まで上昇した。12 日、世界同時株安で
リスク回避となり 101 円台後半に下落したが 13 日、日銀が 20~21 日に開く金融政策決定
会合で追加緩和に踏み切るとの思惑や米長期金利の上昇に支えられ、102 円 74 銭まで上昇
した。14 日にはマイナス金利の深堀りを主軸とした追加緩和を実施するとの思惑から 103
円 35 銭まで上伸した。しかし 15 日、8 月米小売売上高の下振れを嫌気して 101 円 92 銭ま
で下落した。しかし 16 日、8 月米消費者物価指数の上振れで 102 円 46 銭まで上昇した。
21 日、日銀金融政策決定会合で長短金利操作付き量的・質的緩和導入を決定した。直後、
101 円 00 銭まで下落したがマイナス金利の深堀りが見送られたことを好感、102 円 79 銭
まで急伸した。しかし金融政策の効果に懐疑的な見方が広がり 100 円台後半へ急落した。
その後、NY 市場では、FOMC 政策金利が据え置かれ 101 円 00 銭付近へ値を上げた。26
日、欧州株安を嫌気し 100 円 30 銭近辺へ下落し、27 日には日経平均株価の下げ幅拡大が
嫌気され 100 円 09 銭まで下落、今月の安値を付けた。しかし、米大統領選の TV 討論会で
民主党ヒラリー・クリントン氏が有利との見方が広がり 101 円 00 銭近くまで急反発した。
ところが、ドイツ大手銀行の経営不安が広がったことを嫌気し 100 円台前半へ押し戻され
た。29 日、月末・半期末に絡む国内輸入企業の買いや日経平均株価の反発に支えられ 101
円台後半へ急伸した。30 日、欧州金融システムに対する根強い懸念でリスク回避となり 100
円 75 銭まで下落した。しかし、ドイツ系大手銀行の経営不安がやや和らいだことを好感し
てショートカバーが入り、101 円 45 銭まで上昇した。終盤は週末を控えて動意薄となり、
結局 101 円 35-45 銭水準で終了した。
財務省が発表した 8/30~9/28 の外国為替平衡操作額の実施状況によると 60 ヶ月連続
で介入額ゼロ円となった。
ユーロ円
今月のユーロ円は 115 円台前半で始まった。1 日に発表された 8 月米 ISM 製造業景況感指
数が大幅に悪化、ドル売りが優勢となってユーロ円は 115 円台後半まで値を上げた。翌 2
日に発表された米 8 月雇用統計も、非農業部門雇用者数・失業率・平均時給のいずれも予
想を下回ったことでさらにドル売りが進み、ユーロ円は今月の高値となる 116 円 37 銭まで
値を伸ばした。
翌週 5 日に行われた黒田日銀総裁の講演では、追加緩和に踏み込んだ発言はみられなかっ
た。円が買い戻されてユーロ円は 115 円台前半まで下落した。さらに翌 6 日に発表された 8
月米 ISM 非製造業景況感指数が市場予想を大幅に下回るとドル円は急落、ユーロ円も連れ
て 114 円台後半まで値を下げた。米国の経済指標がこのところ相次いで予想を下回ったこ
とで米国の早期利上げ観測は後退、ドル円の下落にユーロ円も値を下げて 7 日には 113 円
台後半まで下落した。8 日の ECB 理事会では金融政策の現状維持が発表された。だが、理
事会後のドラギ ECB 総裁会見が、追加緩和に消極的な姿勢と受け止められるとユーロは買
い戻され、ユーロ円も連れて 115 円台半ばまで値を戻した。
翌週になると米大統領選挙の民主党候補ヒラリー・クリントン氏の健康問題浮上を嫌気し
て各国株価が下落、リスク回避の円買いが優勢となりユーロ円も 114 円割れの水準まで値
を下げた。13 日には、来週の日銀金融政策決定会合でマイナス金利の深堀が検討されてい
るとの報道に円売りが強まり 115 円台前半まで上昇、翌日には 116 円台を回復した。だが、
マイナス金利の深堀は効果よりも副作用の方が大きいとの見方も根強いことから次第に円
買いが強まり 115 円 00 銭付近まで下落した。さらに 16 日、英国が EU 離脱協議を 2017
年初めに開始する意向を示したことでポンド売りが加速するとユーロも連れ安となって
114 円割れの水準まで値を下げた。
週末にメルケル独首相率いる与党が独ベルリン州議会選挙で大敗を喫したことがユーロの
重石となって、週明けのユーロ円は 113 円台半ばまで水準を切り下げた。21 日は日銀金融
政策決定会合の結果を受けてドル円が一時的に上昇した流れにユーロ円も 114 円台前半ま
で値を戻した。しかし同日、米 FOMC の金利据え置き発表後にドル売りが強まるとドル円
が急落、ユーロ円も連れて今月の安値となる 112 円 08 銭まで下落した。その後は、欧米株
高の上昇でリスク選好のユーロ買い・円売りが入り 113 円台を回復した。
週末、独大手銀行の住宅ローン担保証券の不正販売問題を巡り、米司法省から 140 億ドル
の和解金を支払うよう求められている件で、地元紙が独メルケル首相は同銀支援の意向は
ないと報じたことから、週明けの欧州株式市場は軟調な展開となった。そのためユーロ売
り・円買いが優勢となってユーロ円は 112 円台へ下落した。しかし、28 日の OPEC 非公式
会合でおよそ 8 年ぶりとなる減産が合意されると NY 原油先物相場が急騰、リスク選好の
円売りに 113 円台を回復した。その後のユーロ円は、独大手銀行の経営不安で再度 112 円
台を窺う場面があったものの、米司法省と和解金の減額合意が近いとの報道で金融株が反
発するとユーロ円も 114 円 00 銭まで値を戻して今月の取引を終えた。
ユーロドル
今月のユーロドルは 1.11 ドル台半ばで始まった。米 8 月 ISM 製造業景況感指数が、半年
ぶりに市場予想や景気の分かれ目となる 50 を下回ったことでドル売りが進み、1.12 ドル台
へ上昇した。2 日も米 8 月雇用統計の下振れでドル売りが先行、1.12 ドル台半ばまで上昇
した。しかし、米国の年内利上げ観測が依然として根強いことからドルの買戻しが優勢と
なり、1.11 ドル台半ばへ下落する荒い値動きとなった。翌週 6 日、米 8 月 ISM 非製造業景
況感指数の大幅な下振れでドル売りが加速、1.12 ドル台半ばまで上昇した。7 日は ECB 理
事会を翌日に控え、持ち高調整のユーロ売りが若干出た程度にとどまった。8 日、注目され
た ECB 理事会は、金融政策の現状維持を決めた。ドラギ総裁の会見で追加緩和に消極的な
見解が示されるとユーロ買いで反応した。LDN、NY 市場で今月高値となる 1.1328 ドルま
で上昇した。しかし、上値の重さが確認されると、利益確定などのユーロ売りに 1.12 ドル
台半ばへ押し戻された。
翌週 12 日は 1.12 ドル台前半で始まった。13 日から米金融当局者の発言禁止期間(ブラ
ックアウト期間)へ入ったこともあり手掛かり難となり方向性を見出しにくく、14 日まで
1.12 ドル台でのレンジ取引に終始した。15 日、米 8 月小売売上高の下振れでドル売りが先
行、1.12 ドル台半ばから 1.12 ドル台後半まで上昇した。しかし、米欧金融スタンスの違い
が意識されて伸び悩み、1.12 ドル台前半まで下落した。翌 16 日には米 8 月消費者物価指数
が市場予想を上回り、ドル全面高となり 1.11 ドル台半ばまで下落した。翌週 19 日、20 日
は、日銀金融政策決定会合と FOMC の結果発表を控えて様子見姿勢が強まり、方向感も定
まらず小動きとなった。
21 日、日銀は金融緩和の新たな枠組みである「長短金利操作付き量的・質的緩和」の導
入を決定した。ドル円が上昇するとドル買いに押され、東京市場で今月安値 1.1123 ドルを
つけた。その後、FOMC が政策金利を据え置いた。また、将来の政策金利見通しが引き下
げられたことなどからドル売り優勢となり、1.1200 ドル付近まで急反発した。翌 22 日、1.12
ドル台半ばまで上昇するも、上値の重さが確認されると、利益確定などのユーロ売りに
1.1200 ドル付近へ押し戻された。翌週 26 日、独 9 月 IFO 企業景況感指数の良好な結果を
背景に 1.12 ドル台後半まで上昇した。27 日、ドイツ銀行株価低迷が続いたのを受け、欧州
金融システムの先行き不安を意識したユーロ売りにより、1.11 ドル台後半まで下落した。
30 日、一時 1.11 ドル台半ばまで下落するも、一部メディアが「ドイツ銀行の住宅ローン担
保証券の不正販売を巡る米司法省との和解金が、当初求めていた 140 億ドルを大幅に下回
る 54 億ドルにとどまる可能性がある」と報じた。過度の懸念が和らいだことでユーロ買い
が入り 1.12 ドル台半ばへ切り返し、今月の取引を終えた。
SIN$・THB・,KRW・人民元
中国人民元相場は G20 のイベントや、10 月からの SDR 構成通貨入りを控えてなの
か、非常に小さな値動きに抑えられている。当局の安定を図る気配が濃厚に出ているの
かもしれない。一方でシンガポールドル相場は大きなレンジブレイクはないものの、や
や荒い値動きとなっている。米国の金融政策の見通しの発言で揺れる世界の株式市況を
反映しているものと思われる。
韓国ウォン相場もタイバーツ相場も同じような展開、米国金利の先行きの見通しの
強弱のみが流れを作っているようなありさまとなっている。
AUD・CAD・STG
英国ポンド相場は、強弱の経済指標に上げ下げがあるものの、基本的には先行き見通し
不安と、さらなる政策金利引き下げ予想が台頭してきて、上値が非常に重たい展開とな
っている。豪ドル相場は米国金融政策待ちで非常に狭いレンジで小動きを繰り返してい
る。カナダドル相場は、前月と同じく 1.28 から 1.32 の中で、原油相場の思惑と、米国
金融政策の思惑で荒い値動きを続けているが、方向感が出ないまま越月となった。
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