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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な あまみ 中 央 しらさぎ さくら 大阪+知的障害+地域+おもろい=創造 知の知の知の知 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1676 号 2013.12.10 発行 ============================================================================== ボイルさんアスペルガーを告白 英オーディション番組出身の歌姫 北海道新聞 2013 年 12 月 08 日 英ロンドンで熱唱するスーザン・ボイルさん=1月(ゲッティ=共同) 【ロンドン共同】2009年に英国のオーディション番組から世 界的スターになった英女性歌手スーザン・ボイルさん(52)が、 8日付英日曜紙オブザーバーとのインタビューで、発達障害の一種、 アスペルガー症候群と診断されたことを明らかにした。 同症候群の人は物事へのこだわりが強く、対人関係がうまく築け ないといった特徴がある。ボイルさんは「感情的に不安定」などと 報じられることもあったが、同紙に「自分のことが分かってほっと した」と話した。 生活保護法:「受給手続き厳格化」への改正など2法が成立 毎日新聞 2013 年 12 月 06 日 就労支援による「脱・生活保護」を鮮明にした生活保護法改正案と、生活困窮者自立支 援法案(ともに参院では可決済み)が6日、衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数 で可決、成立した。生活保護法の抜本改正は1950年の施行以来初めて。保護脱却に力 点を置く一方、受給手続きは厳格化するとあって「受給へのハードルが上がる」との懸念 も出ている。 8月の生活保護受給者は約216万人と過去最多水準が続く。政府は8月から、保護費 のうち食費など「生活扶助」の最大10%削減に着手済み。これに続く2法の成立で「ア メとムチ」の枠組みがそろうが、財務省は今後、家賃相当の「住宅扶助」などにも切り込 む構えだ。 2法のうち、改正生活保護法では「就労自立給付金」を新設する。受給者が働くと控除 分を除いた稼ぎが保護費から減額されるため、就労意欲がわきにくいとされる。このため 2014年7月からは賃金の一定額を積み立てたとみなし、保護を抜ければ負担が必要に なる税金や社会保険料に充てられるようにする。一方、生活困窮者自立支援法は生活保護 寸前の人を支えるため、各地の自治体に相談窓口を置くなどの内容だ。 両法とも就労支援による自立を強く促している。だが、埼玉県の元受給者、高野昭博さ ん(58)は3年近く就労指導を受けながら就職できなかった。今は知人の紹介先で働く ものの「受け皿がないと無理。雇う側に生活保護への差別意識があるのも問題」 。ある自治 体の担当者は「低賃金の職場に押し込んでも(保護費で暮らせるため)劣悪な就労環境の 維持を手助けするだけ」と指摘する。 改正生活保護法は受給申請時に資産や収入、親族の扶養状況を文書で提出することを義 務付けた。 「窓口で申請をはねる『水際作戦』の法制化だ」との指摘を受け、口頭申請も認 めるとしたが、一連の改革は困窮者を就労指導に招き寄せ、生活保護から遠ざける「沖合 作戦」とも批判される。一度保護を抜け、体調を崩して再び受給を始めた千葉県の適応障 害の女性(34)は「 『助けて』と訴えても救われないのでは。保護から抜けるのが怖くて 仕方ない」と話す。 【遠藤拓】 ◇改正生活保護法・生活困窮者自立支援法の骨子 <改正生活保護法> ・健康保持、収入・支出の把握を受給者の努力義務に(2014年1月〜) ・就労自立給付金の創設(14年7月〜) ・自治体の調査権限拡大(同) ・不正受給の罰金を100万円以下に引き上げ、返還金も上乗せ(同) ・申請手続きで書面提出を原則義務化(同) <生活困窮者自立支援法> ・一般的就労への前段階「中間的就労」を制度化(13年12月〜) ・自治体やNPOなどが相談を受け自立を支援(15年4月〜) ・住居確保給付金を支給(同) 障害者の権利に関する条約の締結について(声明)社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会 2013 年 12 月 4 日、国連の障害者の権利に関する条約が国会において承認され、わが国 としてこれを批准したことを本会として率直に評価し、これを歓迎します。 同条約についてわが国は、2007 年 9 月 28 日の署名以後、署名国という立場で権利条約 の実施に努めて参りました。批准の前に、本会としても条約に沿って国内の障害者施策を 改革する方向で取り組み、障害者基本法や障害者自立支援法の改正、障害者虐待防止法や 障害者総合支援法、障害者差別解消法の成立、公職選挙法の改正による成年後見制度の被 後見人の選挙権回復など、一定の成果を見るに至りました。国内法制の改革が進んだ結果 として同条約を批准できたことを、本会としても喜ばしく思うところです。 本会は国際的なネットワークにおいて国際育成会連盟のアジア太平洋理事国の立場にあ りますが、同じくアジア太平洋のニュージーランドのロバート・マーティンさんという知 的障害者である理事が、国連の特別委員会では積極的に発言をしてくださいました。国際 育成会連盟の代表として知的障害のある方が発言され、条約交渉にも大きな貢献をされた ことを私たちも誇りに思います。また、こうした国際的なネットワークの一員として、国 際活動委員会の長瀬修委員長を中心として国内外において同条約の実施に努めていること も本会として自負するところです。 一方、このたびのわが国における同条約批准は、「ゴール」ではないと考えます。今後、 同条約の発効後2年以内に実施状況に関する報告書を提出し、国連の障害者の権利委員会 から審査を受けます。国際的な指摘に応えていくことは、一面においては困難を伴います が、わが国の障害福祉施策の前進にとって大きな意味をもつものと期待しています。 あわせて、わが国は同条約の批准国として同条約の国際的な実施の一翼を担うべきであ り、国際社会においても一定の責任を果たす必要があると考えます。 障害者の権利をまもり、社会の中でそれぞれが望む生活を実現していくことについて、 同条約の批准により、わが国は国内外においてこれまで以上の責任を負うことになると考 えます。その意味において同条約の批准は、わが国にとって一つの「スタート」となりま す。そのことを肝に銘じつつ、本会としては、政府や議会、あるいは関係団体などとも協 力しながら、そして市民の皆様のお力添えもいただきながら、障害者施策のより一層の進 展に取り組んで参る所存です。 最後になりましたが、同条約の批准に向けてご尽力いただいたすべての関係者の皆様に、 心より感謝申し上げます。 2013 年 12 月 9 日 社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会 理事長 久保 厚子 年明けにも「障害者権利条約」批准へ 公明新聞 2013 年 12 月 8 日 国内法の整備に向け当事者団体(手前)と意見交換する公明党 議員=2011 年 5 月 国内法整備、公明が道筋 差別禁じ社会参加を促進 参院は 4 日の本会議で、障がい者への差別を禁じ、 一層の社会参加を促す「障害者権利条約」の締結承認 案を全会一致で可決、承認しました。政府は条約の批 准書を年明けにも閣議決定し、国連に提出する方針で す。 同条約は締約国に対し、障がい者に健常者と同等の権利を保障し、社会参加の促進に必 要な措置を取ることを求めています。2006 年に国連総会で採択され、08 年 5 月に発効。現 在、137 カ国と欧州連合(EU)が批准しています。 日本も 07 年に条約に署名していましたが、国内法が未整備であったため、「拙速な批准 よりも、国内法の整備を優先すべきだ」との当事者団体の意見を踏まえ、関係法の整備を 進めてきました。 国内法の整備へ当事者団体と意見交換を重ね、条約批准への道筋を付けてきたのが公明 党です。11 年には障がい者支援の基本原則を定めた障害者基本法が成立。 「障害者」の定義 に初めて自閉症などの「発達障害」を追加しました。 12 年の障害者総合支援法では、難病患者も福祉サービスの対象とすることなどを明記。 家庭や施設などでの虐待行為を発見した人に対し、市町村への通報を義務付けた障害者虐 待防止法も、公明党がリードしたものです。 さらに、公的機関に障がい者施設から優先的に物品を購入させる障害者優先調達推進法 を実現したほか、今年 6 月には、障がいを理由に差別的扱いを禁じた障害者差別解消法も 成立。この数年で日本の障がい者関連の法律は大きく前進しました。 日本障害フォーラム(JDF)の嵐谷安雄代表も「公明党は批准の前提となる国内法の整 備へ、私たちと一緒に取り組んでくれた」と話しています。 「駄菓子屋さん」足守にオープン 障害者が接客学ぶ 山陽新聞 2013 年 12 月 8 日 社会福祉法人・ももぞの学園(岡山市北区粟井)運営の「就労センターもも」が、同足 守にある作業所の一角に菓子店「駄菓子処(どころ)みそら」をオープンさせた。岡山、 総社市の障害者が店番を務め、一般企業への就職に向けて接客などの経験を積んでいる。 センターももは、障害者がサポートを受けながら働く「就労継続支援A型事業所」。現在 は障害者10人が、高齢者福祉施設の清掃、広告ちらしのポスティングなどの仕事をして いる。従来の業務では、地域の人と交流する機会が少なかったため、作業所周辺にはなく、 子どもたちの来店が期待できる菓子店を開くことにした。 就労センターももがオープンさせた「駄菓子処みそら」 4人前後が店番を務め、職員が総社市の卸売店で仕入 れた約60種類の駄菓子(1個10~100円程度)を 販売。同学園の運営する授産施設で作られたパンパン菓 子(80グラム100円) 、豆菓子(同200円)なども 並ぶ。開店した今月1日は、近くに住む子どもたちが次々 と訪れ、買い物を楽しんでいた。 営業時間は平日午前11時~午後5時半、土日祝日は午前10時~午後5時。月曜定休。 月に1回程度、地域住民が作った野菜や雑貨などのバザーを開く予定。 性的少数者映画 6か国上映…愛媛 理解の輪が広がれば 読売新聞 2013 年 12 月 7 日 「素顔のイスラエル~『約束の地』のゲイたち」の一場面=レイ ンボープライド愛媛提供 同性愛や性別に違和感を感じる性的少数者(LGBT) をテーマにした映画を上映する「愛媛LGBT映画祭」 が7~13日(10日休み) 、松山市湊町の「シネマルナ ティック」で開かれる。 LGBTの支援団体「レインボープライド愛媛」 (松山市)が主催。代表の男性(43) は「映画をきっかけに、理解の輪が広がれば」と話す。 日本、ドイツ、韓国のドキュメンタリーやコメディーなど6か国、7作品を県内で初め て公開する。映画祭は同団体が2011年から毎年、開いてきた。 ドキュメンタリー「素顔のイスラエル~『約束の地』のゲイたち」は、男性同性愛者に 親和的な政策を打ち出し、観光資源としても活用しようとしている同国の事情に迫る。8 日の上映後は、在日イスラエル大使館のペレグ・レヴィ公使のトークイベントがある。 韓国のコメディー「2度の結婚式と1度の葬式」は同性愛者の偽装結婚を扱った。 中国のドキュメンタリー「わたしたちの物語~北京クィア映画祭と十年間の『ゲリラ戦』」 は、性への偏見や検閲に抗し、10年間、映画祭を開いてきた様をとらえた。 美輪明宏さんのドキュメンタリーもある。 当日券のみで、鑑賞料は作品数に応じて1500~6300円。スケジュールなどはホ ームページ(http://rainbowpride-ehime.org)。(蛭川眞貴) ”介護ショック”が日本に襲いかかる 東洋経済オンライン 2013 年 12 月 9 日 ”介護ショック”が日本に襲いかかる 「2025 年問題」 。いずれ来るこの事態が日本を揺るがそう としている。団塊の世代といわれる 1947~49 年生まれ、今 65 歳前後の世代が約 10 年後、大挙して 75 歳を迎えるという 一大事だ。 実際にどれくらい増えるのか。12 年における後期高齢者(75 歳以上)は 1511 万人。これ が 25 年には 2179 万人まで膨らむ。全人口に占める比率も 18%と、5 人に 1 人近くまで上 昇する見通しという。 75 歳で前期と後期に線引きされるのにも意味がある。介護が必要な、要介護(要支援 1~ 要介護 5)の認定者は、現在 574 万人。前期高齢者(65~74 歳)の認定率が 4%なのに比べて、 後期高齢者では 29%にハネ上がる。75 歳以上人口が増えることは、介護される側の人数が 爆発的に拡大するということなのだ。 特に今後“老い”が進むのは都市部だろう。都道府県別の 75 歳以上人口を見ると、東京 都では 10 年の 123 万人から 25 年には 198 万人に、大阪府は 84 万人から 153 万人に増加 する。高齢化率が行き着いた地方と違い、都市ではこれから本番を迎えることになる。 想像を超える高齢化のスピードを受け、「高齢者の介護を社会全体で支え合う」介護保険 制度は、今や制度疲労を起こしつつある。 高齢者の絶対数が増えれば、介護サービスの給付(費用)も増える。介護保険の総費用は、 制度の始まった 00 年度の 3.6 兆円から、13 年度に 9.4 兆円へと増加。25 年には約 20 兆円 まで達する見込みだ。 介護サービスの 9 割は介護保険で、残り 1 割は利用者負担で賄っている。保険の財源は 税金と保険料が半々。膨らむ一方の給付に対し、負担にも手をつけざるをえない。介護保 険料は、00~02 年度の 1 人当たり 2911 円から、12~14 年度には 4972 円まで値上げされ た。 ■ 介護保険の疲労は限界 求められる最期の住まい さらに政府は今回、3 度目の介護保険法改正で、抜本改革に着手。15 年 4 月から、一定 以上の所得がある高齢者を対象に、利用者負担を 1 割から 2 割に引き上げる方針だ。要支 援者への介護予防サービスは市区町村に移す。 「狙いは効率化と重点化。質が低下すること はない」(厚生労働省幹部)というが、高齢者が利用を控えるなど、今後の懸念材料を指摘す る声もある。 効率化と同時に政府が描くのは、住み慣れた地域で最期まで過ごす“地域包括ケア”だ。 自宅に代わる新たな介護の住まいとして、近年注目されているのが、サービス付き高齢者 向け住宅(サ高住)である。 サ高住が登場したのは 11 年 10 月。待機者が列を成す特別養護老人ホーム(特養)や、高額 な入居一時金のかかる介護付き有料老人ホームと違い、安さと自由が売り。一時金なし、 介護は外注で、月額費用が 10 万円を切る物件もある。1 戸当たり最大 100 万円の補助金な ど国の政策誘導も奏効。今年 10 月までに 13 万戸を突破した。 従来の有老ホームも、一時金方式を月払い方式に変更したりと低価格化が進行、サ高住 と区別しづらくなってきた。それでもターミナルケア(看取り)への注力などで、増える高齢 者を取り込もうとしている。 「米国では健康時から介護時まで同じ敷地でケアを受けられるシニアコミュニティが 2000 カ所ある。日本でも高齢者への“施し”でなく、住民主導のモデルが必要」(松田智生・ 三菱総合研究所主席研究員)。 介護する者、される者。来るべき超高齢化社会を前に、高齢者と家族はどう対応すべき か。本特集では、介護保険改正の狙いや仕組みの解説、サ高住や有老ホームなど、新たな 住まいのランキングを掲載した。参考にしていただきたい。 ロボットスーツで脊髄損傷や脳卒中患者の身体機能改善 13 年の注目技術 5 位 日本経済新聞 2013 年 12 月 9 日 2013 年、社会に大きなインパクトをもたらした技術は何か――。IT(情報技術)や医療、 建設、電気・機械の分野を対象にした雑誌を発行する日経 BP 社では、専門記者 200 人が 今年注目された 300 以上の技術を挙げ、その中から 4 人の審査員(ノンフィクション作家 の山根一眞氏、日経トレンディの渡辺敦美編集長、日経ビジネスの山川龍雄編集長、日経 WOMAN の佐藤珠希編集長)がベストテンを選出した。今回は、ベストテンで 5 位となっ たロボットスーツ「HAL (ハル) 」を紹介する。HAL は 2013 年、医療用として開発され たタイプが、欧州で医療機器認証を取得した。これまでの、失った身体機能を改善・補助・ 拡張するという役割に加え、脳・神経・筋系の疾患患者の機能改善治療という新たな役割 を担うことになった。 HAL は、体に装着することで、失った身体機能を改善・補助・拡張する世界初のサイボ ーグ型ロボットだ。下半身に障害をもつ人の歩行や立ち座り、階段昇降といった日常生活 の動作をサポートするとともに、機能を改善する。 筑波大学大学院教授の山海嘉之氏が開発したもので、国内では既に、福祉現場などでの 使用が広がっている。脚力が弱った高齢者や下肢に障害のある人への自立支援などを目的 に、同氏が CEO(最高経営責任者)を務めるベンチャー企業「CYBERDYNE(サイバー ダイン) 」が 2010 年からレンタルを開始。「HAL 福祉用」として、医療機関や福祉施設約 170 カ所で稼働している。 2013 年 社会にインパクトを与えた技術 1 位:イプシロンの人工知能 2 位:自動ブレーキ技術 3 位:ゲリラ雷雨予測技術 4 位:静かに消すビル解体技術 5 位:ロボットスーツ(HAL) 6 位:3D プリンター 7 位:直下地下切り替え工法 8 位:遠隔がれき撤去技術 9 位:IGZO(イグゾー) 10 位:Hadoop(ハドゥープ) ※日経 BP 社の専門記者 200 人が挙げた 300 以上の技術の中から、4 人の審査員が選出し た ロボットスーツ HAL の仕組み。装着者の関 節角度を測定する角度センサーや重心の位 置を検出するセンサーも取り付けられ、よ り正確に動きを補助できる。下肢用で重量 は約 15 キログラム。装着者が乗り込む仕組 みのため、重さは感じない(写真: CYBERDYNE) ■EU の医療機器認証を取得 一方で 2013 年 8 月、医療用として 開発されたタイプが、欧州で医療機器 認証「CE マーキング」を取得。HAL は、EU 全域で医療機器として使用で きるようになり、 「治療ができるロボ ット」としても注目を集めている。 対象は、脊髄損傷や脳卒中などの 脳・神経・筋疾患の患者。HAL を装 着し、手順に従って治療を行うと、機能改善効果が期待できる。国内外で行われた臨床試 験では、多くの症例で、機能改善や再生がみられ、歩行距離が伸びた例もある。 HAL の動作原理はこうだ。人が体を動かそうとすると、脳から運動ニューロンを介して 筋肉に神経信号が伝わり、筋骨格系が動作する。その際、意思を反映した微弱な生体電位 信号が皮膚表面に漏れ出してくる。HAL は、装着者の皮膚表面に貼り付けたセンサーでこ の信号を読み取り、動かそうとしている関節部のパワーユニットを調整。装着者の筋肉の 動きと連動して筋肉を動かすことで、装着者の思い通りに動かすことができる。 脊髄損傷などで長期間歩行機能を失っている場合、自分で筋肉を動かすための信号が非 常に微弱で、筋肉も動かせない。その際には、ロボットが自律的に人間のような動作をす る。この自律的な機能と、前述の装着者の意思に合わせて動きを補助する機能の二つのシ ステムが混在して作動することで、装着者の機能障害の状態に 応じて、適切なサポートを実現するのだ。 ■ドイツでは全額保険でカバー この仕組みは、山海氏が提唱してきた「インタラクティブ・ バイオフィードバック」という仮説に基づいて開発が進められ てきた。これは、動作意思を反映した生体電位信号によって動 作補助を行う HAL を用いると、HAL の介在により、人の脳・ 神経系と筋骨格系の間で人体内外を経て「双方向の生体フィー ドバック」が促され、脳・神経・筋系の疾患患者の機能改善が 促進されるという仮説だ。 労災保険適用となったドイツでの機能改善治療の様子(提供: CYBERDYNE) 「脳梗塞や脊髄損傷などにより自力で下肢を動かせなくても、動かす意思を微量の電気 信号としてセンサーが感知できれば、HAL を装着して治療を行うことで、機能改善・機能 再生が期待できる」 (山海氏)という。 ドイツでは 2013 年 8 月、脊髄損傷や脳卒中などに対する HAL による機能改善治療は、 公的労災保険による保険適用となり、全額保険でカバーされることになった。1 回の機能改 善治療の診療報酬は 500 ユーロ(約 6 万 5000 円)で、週 5 回合計 60 回の治療パッケージ として提供している。 「治療後に自力でトイレ移動や復職ができるようになるなど、介護負 担が軽減されれば、治療の費用対効果は高い。 」と山海氏は話す。今後、オーストリアやス イスでも事業を拡大する予定だ。 一方日本では、まだ医療機器としては認可されておらず、2013 年から、治験を進めてい る。(日経ヘルスケア 末田聡美) 子ども虐待、社会的損失は年1.6兆円 家庭総研まとめ 朝日新聞 2013 年 12 月 9 日 【大久保真紀】子ども虐待によって生じる社会的な経費や損失が、2012年度で日本 国内では少なくとも年間1兆6千億円にのぼるという試算を、日本子ども家庭総合研究所 の研究員がまとめた。子ども虐待の社会的コストは欧米では公表されてきたが、日本では 初めて。 試算したのは、和田一郎・主任研究員。社会的コストは、(1)虐待に対応する児童相談 所や市町村の費用、保護された子どもが暮らす児童養護施設などの直接費用(2)虐待の 影響が長期的にもたらす生産性の低下などの間接費用の二つに分けられ、直接費用は1千 億円にとどまった。 間接費用としては、自殺による損失▽精神疾患にかかる医療費▽学力低下による賃金へ の影響▽生活保護受給費▽反社会的な行為による社会の負担――など様々な項目について、 他国の研究事例を参考にしながら推計した結果、社会的損失は計1兆5336億円になっ た。 児童相談所の一時保護所を開所へ 独自の見守り体制導入/相模原市 神奈川新聞 2013 年 12 月 9 日 相模原市は2014年4月から、被虐待児などを受け入れる児童相談所(児相)の一時 保護所の運営をスタートさせる。10年4月の政令市移行時に事務権限は県から市に移譲 されていたが、職員や施設の確保などの面から県に運営を委託していた。市児相に併設さ れ、年代別など小規模で児童らを見守る独自の体制を導入する。 相模原市児童相談所と来春で廃止となる県県北地域児童相談所= 相模原市中央区 市によると、定員は25人と県児相と変わらないが、 職員を3人増員し、小規模の「グループケア体制」を取 り入れる。入所児を「幼児」 「男子児童・生徒」「女子児 童・生徒」の3グループに分け、それぞれ7人の専任職 員が担当。全員が交代制で見守るのに比べ、 「より家庭に 近いきめ細かい見守りができる」としている。 「夜は子どもたちが無断外出したり、不安に陥ったりするため、日中以上のケア体制が 必要」として、夜勤体制も拡充。夜勤者を2人から3人に増やす。 県への委託廃止議案が市議会12月定例会に提出されており、4日に開かれた市議会民 生委員会では、委員から広域連携の必要性を指摘する声が上がった。市は当面、児相所長 が行える権限で児童養護施設や養育里親などに委託し、緊急避難などを行うとしている。 一時保護所に使用する施設(鉄筋2階建て延べ床面積約2235平方メートル)は県か ら移管。市は13年度当初予算に厨房設備など備品購入費として約3千万円を盛り込んで いる。市児童相談所・一時保護所準備班の小林優志担当課長は「一時保護施設と一緒に運 営することで、心細い思いをしている子どもにもっと寄り添える環境が整う」としている。 これまで県県北地域児相の管轄だった大和市域は、県中央児相(藤沢市)が担当する。 ママ歌手、子育て応援CD 読売新聞 2013 年 12 月 9 日 育児中のママ歌手、埼玉県所沢市小手指のあきゆみこさん(本名・安藤裕美子)(33) が、子育て奮闘中の母親にエールを送るCD「ひよっこのママ」を作った。育児に悩んだ 経験などを歌った4曲を収録。 「母親の気持ちに寄り添いたい」と話す。 幼い頃から音楽好き。薬剤師になった後は路上ライブで自作の曲を歌った。結婚して活 動は休止したが、長男(4)と次男(2)の育児の合間を縫って作詞・作曲を続けた。 今年5月、 「育児の苦労を歌に込め、母親を励ましたい」と思い立ち、6年ぶりに活動を 再開。公民館などで、子育て応援歌を披露した。集まった母親の反応は上々。初めてのC D制作を決意した。 きっかけは、苦労した育児経験が大きいという。長男の出産直後、出身地の神奈川県を 離れ、所沢市に移り住んだ。近くに友人や知人はなく、育児の悩みを相談できず、戸惑い、 孤立感を深めた。 「夜泣き、看病、自分の時間がない。育児ノイローゼ、育児放棄は、人ごととは思えな かった。歌を聴いて、元気をなくしている母親に前向きになってもらいたい。そんな思い が募りました」と話す。 来年3月半ばに全国販売の予定で、1枚1000円。CDの発売で知名度アップを狙い、 助産院などでコンサートを開いて子育て応援歌を歌う。問い合わせは、あきさんの音楽仲 間のグループ「音つむぎ」 (080・3093・8652)へ。 中小のボーナス6年ぶり増 NHK ニュース 2013 年 12 月 09 日 この冬のボーナスは、景気の回復傾向を反 映して、大阪の中小企業の支給額が、6年ぶ りに増加する見通しであることが分かりまし た。大阪シティ信用金庫は、この冬のボーナ スについて大阪府内の取引先の中小企業にア ンケート調査を行い、1127社から回答が ありました。それによりますと、ボーナスを 支給すると答えた企業は56.2%と、このところの景気の回復傾向を反映して去年より 6ポイント増えました。 平均支給額は27万2442円で、去年より1479円増加し、6年ぶりに前の年を上 回る見通しです。業種別では、不動産などのサービス業が30万3161円、製造業が2 6万9308円、小売り業が23万3956円などとなっています。一方、大手企業の平 均の支給額は82万2121円と去年より4万5017円増えています。大阪シティ信用 金庫は「経済対策の効果が中小企業にも徐々に広がっている。ただ、リーマンショック前 のボーナスの水準には達しておらず、依然として厳しい状況だ」と話しています。 月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も 大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行