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子宮頸癌の画像診断
子宮頸癌の画像診断 2007年5月 選択実習 医学科6年 H.K. 症例1 50代の女性 主訴 精査加療目的 現病歴 検診にてスメアclassⅤを認めたため精査目的 で来院した 内診所見 頸部に腫瘤を触知 子宮傍組織浸潤、膣壁浸潤なし. 腫瘍マーカー CEA 1.0 ng/ml, CA125 7 U/ml, SCC 0.2 ng/ml MRI T2強調横断像 T2強調矢状断像 MRI 造影脂肪抑制像 拡散強調像(b=800) 診断 子宮頸部に限局する腫瘤 子宮頸癌Ⅰb期 症例2 50代の女性 主訴 不正性器出血、帯下、下腹部痛、腰痛 現病歴 2ヶ月前から帯下の量が多く、血液も混ざるよう になったため来院した。内診にて子宮頸部に腫 瘍を認め、スメアにてclassⅣであった 内診所見 子宮頸部に腫瘤を触知する 外陰部、膣に異常所見なし 腫瘍マーカー CEA 1.8 ng/ml, CA125 3 U/ml, SCC 2.8 ng/ml MRI T2強調矢状断像 T2強調横断像 MRI 造影脂肪抑制像 拡散強調像(b=800) 診断 子宮頸部右壁から膣上部1/3、 右子宮傍組織に浸潤する所見 子宮頸癌Ⅱb期 症例3 60代の女性 主訴 不正性器出血 現病歴 不正性器出血にて他院受診. スメアにてclassⅤ であったため来院した 内診所見 子宮頸部に腫瘤を触知. 両側付属器の可動性悪 い. 腫瘍マーカー CEA 5.1 ng/ml, CA125 23 U/ml, SCC 6.7 ng/ml MRI T2強調横断像 T2強調矢状断像 MRI 造影脂肪抑制像 拡散強調像(b=800) 診断 子宮頸部後壁を中心とした腫瘤を認める 直腸浸潤を疑う所見がある 子宮頸癌 Ⅳa 子宮頸癌における画像診断の役割 ①病期診断を行う 腫瘍の局所進展範囲 遠隔転移の有無 ②予後因子の評価を行う 腫瘍体積、頸部間質への浸潤程度、 リンパ節転移の有無など 画像で評価すべき項目 腫瘍径 子宮傍結合識への浸潤 膣壁への浸潤 骨盤壁への浸潤 周囲臓器への浸潤 膀胱や直腸など 遠隔転移の評価 リンパ節転移の評価 子宮頸癌の診断における MRIの有用性 局所進展範囲の評価と予後因子の評価が できる T2強調像が子宮頸癌の描出に優れる 腫瘍は中等度∼高信号 頸部間質は低信号 腫瘍は造影効果に乏しい 結語 病期の異なる子宮頸癌3症例を提示した 画像診断の結果が治療方法の選択と予後に 結びつくため、正確な画像診断による評価が 要求される 子宮頸癌の局所進展範囲の評価にMRIが有 用である