第8号 - ラン・ネットワーク

!
建設地のラン保全に関する報告
(
本文
2ページ) 三橋俊治
移植した保全対象種の現状
01 移植したサイハイラン。
02 移植したハクウンラン、最後の株。
順調に生育 している。
ハ タウンラン無菌培養苗の植え込み
マ
同
司
、
(2011年 4月 20日)
、
二 仏.
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4
0
4 地点① 左 (A) 現地の土のみ。 3芽
0
3 各地点、に 5芽ずつ植えこんだ。
植え込み。右 (B) 現地の土+吸水ポリ
マー。 2芽植え込み。
0
5 離水後ネ ッ トを掛ける。
0
6 地点②
1
A 3芽
、 B 2芽植え込み。
07 植え込み地点③
0
8 地点③に植えこんだ苗。
中央の支柱の場所。
09 植え込み作業
10 地点④
1
1 地点④ A
1
2 地点④
1
3 地点④
2
B
A 3芽植え込み。
B
2芽植え込み。
2011年 4月 20日植え込みのハタウンラン無菌培養苗の生育状況
(
2012年 3月 31日)
1
4 地点①
1
6 地点②
1
8 地点③ A
A
1
7 地点②
A
1
9 地点③
B
2
2 地点④
3
B
20 地点④
A
A
花芽を付けた首
第 2回ハクウンラン無菌培養苗の植え込み (
2012年 3月 31日)
23 植えこんだ無菌培養苗
2
4 Bの 然 現地の土と吸水
させたポ リマー
25 今回は塊のまま植えこんだ。
フラス コに移植時は 5芽。
2
6 植えこんだ状態。
2
7 右 2011年植え込み、
左 2012年植え込み。
2
8 タネ採り用栽培株
2
9 植え込み作業。
4
婿玉県
産ハクウンラン無菌増殖事業
平成 24年 7月 1日
日鉄環境エンジニアリング株式会社環境テクノ事業本部
1)無菌発芽苗増殖
無菌培養首の培養状況
5本植え 20ピンで 1
0
0本
平成 24年 7月
ビン内の苗の状態
5本植の苗が数十本に
増殖している
*馴化後の様子を観察すると、
1本ずつの植栽より、地下
茎で、
つながった株立状で植
栽した方が成績は良かった。
このことから、ビン内で株
立状に培養することにした。
平成 24年 7月
5
2011年ランネットワーク実生増殖の報告
2
0
11
.7.
16 倉田英司
一 一・
，
.
_一ー- ノ¥クウンラン B
ハクウンラン A
ノ¥クウンラン D
ノ¥クウンラン C
6
2012年ランネットワーク実生増殖の報告
2
0
1
2
.7
.7 倉 田英司
ノ、クウンラン D
*ハタウンランは 4瓶共に順調に生育中
サイ ハイラン緑花
サイハイラン並花
サイ ハイラン並花
*サイハイランは3瓶共に枯死してしまった。 早期に大型瓶の培地へ移植が必要だったか。
7
ラン・ネットワーク
JAPAN 第 8号
目次
カラ一ページ
建設地のラン保全に関する報告 ・・・・・ 1
埼玉県
.産ハクウンラン無菌増殖事業・・・・・・・ 5
20 11年ラン・ネットワーク実生増殖の報告・・・・・ 6
2012年ラン・ネットワーク実生増殖の報告・・・・・ 7
1色ページ
}建訟地のうン保全に関する報告・・・・・・・三橋俊治・ 2
j
ラン科植物保全活動経過報告 (
2
0
1
0
2
0
1
1年)・・大貫一夫・ 8
環境省 R
D
Bにおけるラン科植物絶鴻危倶種名修正の必要性について
-・・ ・夏井高人 ・ 1
3
ランを食害するハモグリパエの名前の誌・・・・・・・・・大貫一夫・ 5
4
平成 2 2年度
ラン・ネットワーク総会(第 13回)纏事録・・・・・ 5
8
関連資料・・・・・・・・・・・
平成 23年度
6
1
-
ラン・ネットワーク総会(第 14回)諸事録・・・・・ 6
8
関連資料・・・・・・・・・・・ 7
0
-
ラン・ネットワーク規約・....................・・・・・ ・7
7
ラン・ネットワーク入会ゆ込書・....................・ ・7
8
!建設地のラン保全に関する報告
三橋俊治
(カラー 1ページ参照)
1:無菌培養と栽培受託株の現状
1)無菌培養フラスコ本数
ノ¥クウンラン
4本(倉田英司)
ササパギンラン
6本(佐藤友信)
サイハイラン
3本(倉田英司)
。培養者の報告
佐藤友信:ササパギンランは発芽後全く動きがなく、不成功。
倉田英司:サイハイランは生長が止まり枯死した。
日鉄環境エンジニアリング附に委託したハクウンランの無菌培
養に関しては別記(カラー 5ページ)
2) 栽培受託苗(鉢植え)
2007年栽培を受託した、自生地よりのハクウンラン・ササ
パギンランはすべて枯死した。ハクウンランに関しては、種子が
採れて無菌培養にかけることができた。
l
l
:移植した保全対象種の現状
.ハクウンラン
自生地より A地区 B地区の 2か所に移植した株は、 B地区の茎小片
(長さ数ミリ) 1個を残すのみとなった。
2
-サイハイラン
移植地で健全に生育している。 2012年 3月現在 7芽に増殖し (2
009年は 3芽)、毎年開花している。
-ササノくギンラン
2009年 7月以降移植地を見ておらず、現状は不明。
m:ハクウンラン無菌培養首の植え込みの報告
.2011年 4月 20日
自生地より移植した株が年々衰退傾向にあることから、 2009
年、日鉄環境エンジニアリング側に自生個体より採取した種子によ
る無菌培養のフラスコを渡し、増殖することを委託した。 201 1
年このうちの一部を、 「 一 -
J敷地内に植えこむことにした。
2月 14日、植え込み地の下見を行い、適度な土壌水分があり、
雨水による流失の恐れがないと思われる 4か所を選定。当初 3月中
旬に植え込みの計画で、あったが、東北大地震のため中止。移植適期
を少し過ぎていたが 4月 20日に植え込みを行った。
植え込みの方法
.フラスコ 4本分の苗を植えこんだ。苗は事前にフラスコから出し、
プラスチックケースに入れて保存した。
・① ④の各地点に 5芽ずつ植えこんだ。各地点に径約 2
5c
mのステ
ンレスの僚を 2個並べて埋め込み(雨による苗の流失を防ぐために
各無に 2芽または 3芽の苗を植えこんだ。一方の飛には現地の土の
みを入れ (Aとする)、他方には現地の土に農園芸用土壌保水剤(三
菱化学アクアパーノレ)を土 1Q 当たり 5g、段ボール片 7gを混入
した (8とする)。旅の周囲にも同量の土壌保水材を混入した。
・植え付け後 、ニ価鉄イオン活力剤入りの水をかけ、湿度保持と害
3
虫防除のために、無を白い寒冷紗で覆った。
V植え込み予定日が急に変更になり、フラスコから出して植え付け
るまで、 1か月以上空いたため、悪影響が懸念された。
V土壌保水剤が吸水して嵩が増して土が盛り上がった。
コ の 風氏が見回りの際に植えなおしてくださった。
.2012年 3月 31日
2011年に植えこんだ地点① ④の苗の生育状態を観察し、そ
れぞれの近接地に新たに 2回目の植え込みをおこなった。植え込み
の方法は、各地点とも一つの僚に植えこんだ。
201 1年には、固まっていた苗を 1芽ずつにほぐして植えこん
だが、苗を損傷する恐れがあるため、今年は大きな塊のまま植えこ
んだ。土壌保水材はあらかじめ吸水させておいた。段ボールは混入
しなかった。
また、地点④には、園芸用界面活性剤(商品名 f
サチコ.ライドJ
頼粒、オーストラリア製) 2gを試験的に散布した。表面の腐植質
が乾燥して、水分の浸透を妨げることが予想されるので、少量の雨
でも地下部にまで浸透させる効果に期待。
.2011年植 え込み苗の状況
地点①
A
(現地の土のみ)
5芽。すべて良好。(植え込み数
B
(土壌保水剤、段ボール入り)
3芽。すべて開花見込み。
良好。
(植え込み数
2)
地点②
A
3芽+極小 1。良好。(植え込み数
B
3芽。小。(植え込み数
4
2)
3)
3)
地点③
A
3芽。やや小さいが良好。葉色薄い。(植え込み数
B
3芽。良好。葉色濃縁。(植え込み数
3)
2)
地点④
A
4芽 (1花芽あり) +極小 1。良好。(植え込み数
B
7芽。小さいが生気あり。良好。(植え込み数
3)
2)
(ABに新たにサチュライドを散布)
-評価
植え込んでから 1年を経過したが、各地点とも植え込み数を維持、
または増殖が見られ、この時点では、予想を超える好成績で、あった。
恩1化期間なしに植えこんだこと、フラスコから出して、低温化に保
存してとは言え、植え込みまで 1カ月以上経過していたこと、 20
1 1年の夏が高温で‘あったことなどを考慮すれば、生存個体数、個
体の状態ともに先に希望が持てそうな状況と言えるであろう。
地点④ Bに関しては、植え込み時の写真もあり、記録に誤りはな
いはずなのだが、 3倍以上になっているという点、また株の散らば
りようなど、納得しにくいところがある。
このような結果が出たのは、日鉄環境エンジニアリング側の無菌
培養技術が優秀であったことに負うところが大で‘あったといえる。
言い換えれば、植え込み時の苗に十分な力があったための好結果で、
今後も同様の好結果が得られることを保証するものではないとも言
える。各地点の環境の適合性についても来年、 2011年
、 12年
の植え込み株の状態を見たうえで評価したい。
-今後の計画
植え込み株の状況を見ながら、本事業が終了する 2014年度ま
で、毎年無菌培養苗の植え込みを行う。
5
また、今年から植え込み株の人工授粉を行い、現地での実生発芽
の可能性を探る。同時に無菌培養苗を栽培し、可能な限り多くの種
子を採る。現地で播種実験を行い、共生菌の分布状況を把握して、
今後の植え込み地点の選定に生かしたい。
無菌培養苗の植え込みが第 1段階とすれば、実生発芽が第 2段階、
虫媒による結実、自然実生の発芽生育をもってして、この事業の完
結といえるが、環境適応能力の低いランであること、植え込み地の
選択の幅が極めて小さいこと、残された時間が限られていることを
思うと、希望的予測は持ち得ない。
カラ一ページ (1-3ページ)の写真説明
移植した保全対象種の現状
1 移植したサイハイラン。順調に生育している。
写真 0
写真 0
2 移植したハクウンラン、最後の株。
ハタウンラン無菌培養首の植え込み
(2011年 4月 20日)
写真 03 各地点に 5芽ずつ植えこんだ。
写真 04 地 点 ① 左
(
A
) 現地の土のみ。 3芽植え込み。
右 (8) 現地の土+吸水ポリマー。 2芽植え込み。
写真 0
5 漉水後ネットを掛ける。
写真 06 地点②
A 3芽
、 8 2芽植え込み。
7 植え込み地点③
写真 0
中央の支柱の場所。
写真 08 地点③に植えこんだ苗。
9 植え込み作業
写真 0
写真 1
0 地点④
A 3芽植え込み。
1 地点④
写真 1
A
写真 12 地点④
8
写真 1
3 地点④
B
2芽植え込み。
6
2011年 4月 20日植え込みの、ハタウンラン無菌培養苗の生育
状況
(2012年 3月 31日)
写真 1
4 地点①
A
写真 1
5 地点①
B
写真 1
6 地点②
A
写真 1
7 地点②
B
写真 1
8 地点③
A
写真 1
9 地点③
B
写真 2
0 地点④
A
写真 2
1 地点④
B
写真 2
2 地点④
A 花芽を付けた苗
第 2回ハクウンラン無菌培養首の植え込み (2012年 3月 31日)
写真 2
3 植えこんだ無菌培養苗
写真 2
4
Bの然
現地の土と吸水させたポリマー
写真 2
5 今回は塊のまま植えこんだ。フラスコに移植時は 5芽
。
写真 2
6 植えこんだ状態。
写真 2
7 右 20 11年植え込み、左 2012年植え込み。
写真 2
8 植え込み作業。
写真 2
9 タネ採り用粉膏株
7
ラン科植物保全活動経過報告
2010年 "-'2011年
2012年 6月 大 賞 一 夫
1)はじめに
ラン ・ネットワークが
I
で活動を開始したの
i
が 1998年であるから、今から 14年前の事である。その年の 1
月に、東京都
緑地事務所管理課維持係長であった
氏に面会し、当時は「係長の個人的な判断でj としづ事で、どうに
か我々の活動が認められた次第であった。現地での活動に当たって
は、事前に計画書を提出し了解を得るというのは、現在まで続いて
いる。
持係長の
係長には、度々現地作業に立ち合って頂いた。現在の維
氏は、それから 5代目であろうか。その後、歴代の担
当者のご理解・ご協力を戴き、今日まで公園での活動を続けてこら
れた訳である。
その聞に、都立公園の管理形態も変貌を遂げてきた。黒字団体で
ある東京都でも以前のようには人もお金もかけられなくなってきて
いるのである。上野・日比谷 ・
寸 の直轄 3公園を除いて、指定
管理者制度が導入され、管理の民間委託が進んだ。
でも公園
管理所が廃止され、公園案内所に看板が替わり、ここでも都の職員
が姿を消した。
一方で「協働j とし、う言葉の元で、行政側が民間のボランティア
団体の活動に頼る動きも顕著になってきている。この点からも、我々
ラン・ネットワークの活動は、より重みが増してきている。
現在では来園者に高い評価を戴いていると自負している圏内の
「武蔵野の野草圏 j であるが、当初、計画書を提出した時点では、
管理課課長より「一民間団体に公圏内を占有させるのは如何なもの
か…」と疑問を呈され、当時の 亡 係長が懸命に掩護射撃をしてく
れたのが、今となっては懐かしい昔話である。
さて、過去 2年間での大きな出来事は、年 3回の定期現地作業に
8
際して、
高等学校生物部の顧問。
先生と
部員の方々にお手伝いを戴けるようになった事である。毎年平均年
令が上がる一方のラン ・ネットワーク会員にとって、若い力は何よ
りも有り難い事であるが、さらにそればかりでなく、ひとりでも多
くの若い世代に我々の活動を理解して貰う事 ・参加して貰う事は、
より 重要な事である。
2) 活動記録
過去 2年間のL
におけるラン ・ネットワークの活動は、
基本的には従前の活動の継続である。つまり春は、キンラン等の発
生数調査と人工受粉 ・袋掛け、エビネ園の整備および株数 ・芽数・
開花花茎数の調査である。夏には、マヤラン ・サガミランの出現数
調査、防虫ネットの整備。そして冬は採種・播種等である。
慎を追って現地における活動内容の概略を述べる。
以下に、 )1
[2010年]
1月 2 4日 :冬期定期現地作業
2月 12日 :播種試験
国立科学博物館-一 一周物園から
支援研究員が来園し、
シュンラン ・マヤランの播種試験を行なった。大貫が立ち合う。シ
ュンランの種子は、予め前年 3月 29日に圏内自生株に人工受粉・
袋掛けを行なっておいたものを、マヤラン種子と 一緒に L ・~ -一 -植
物園へ送ったものである。以前の播種試験と同様に、ナイロンメッ
シュに挿んだ種子をスライドフィルム用マウントに装着し、地中に
埋設する。 3年後に回収し、リゾーム内の共生菌の D N Aを解析す
る予定。
2月 19日 :播種試験前週の作業の残りを行なう。
9
3月 28日:クマガイソウ保護柵の設置
2005年 2月に、東京都，
一市の旧家に保存栽培されてい
たクマガイソウの分け株、 3株 6芽を{ー
のO地区に植え込んだ。
直後の 4月に、芽を出した 6本中 4本を抜き取られるという被害に
遭った。その後、殖えては盗られを繰り返し、 2009年秋には 2
株各 1芽だけとしづ状況になった。これ以上の盗掘被害を防止する
ために、
一緑地事務所の許可を得て、株全体を犬用ケージで
覆うこととした。
5月 5日:キンラン人工交配・袋掛け
この年は、春の現地作業が会員の都合に因り 5月 15日に予定さ
れた。それではキンランの開花期が過ぎてしまうので、この日に人
工受粉と袋掛けだけを行なった。
5月 15日:定期現地作業
5月 30日:オニノヤガラ 8本発生を確認
6月
8日:オニノヤガラ菌糸採取
研究所の 3
i
専士・
4
・先生が来園し、地中に在る
オニノヤガラの根状菌糸束を採取する。大貫が立ち合う。
7月 19日:定期現地作業
[2011年]
1月 2 3日:定期現地作業
キンランの種子を 、最近キンラン・マヤランが出現し出した J地
区に播種。
1
0
4月 29日 :定期現地作業
5月
4日 :キンラン人工受粉 ・袋掛け追加
この春は寒い日が続き、 4月 29日の時点ではキンランの開花が
遅れていた。
6月 26日 :オニノヤガラ確認できず
A地区ではここ数年オニノヤガラの発生数の減少傾向が続いてい
たが、この年は 1本も確認できなかった。なお、オニノヤガラは、
ラン ・ネットワークが一 -~~で活動を開始して以来、 A 地区のみで
出現している。
7月 16日 :ラン ・ネットワーク総会
総会が東京都武蔵野市吉祥寺で開催され、それに先立つて i
「 で現地見学会を行なう。
7月 17日 :定期現地作業
今回から￨
生物部が参加。
10月 29日 :クマガイソウ入手
東京山草会会員の
ー
l
氏の紹介に依り、東京都稲城市の梨栽
培農家である~..~._ .~. J
氏栽培のクマガイソウを分けて戴く。この株は、
かつて神奈川県津久井湖南岸で、自生株を採取したものと言う。
10月 30日 :クマガイソウ植込
ι
ニ]
10地区に植え込む。明細は次の通り。
前記の 3株を{プ
① A株
6芽付き(内花芽 3)
② B株
l芽付き(内花芽 1)
③ C株
2芽付き(内花芽 1)
1
1
12月 2 5日 :定期現地作業
A.H .F地区でキンラン種子を線状に播種。
3) キンラン
調査地区内においてキンランは、 09年一 107本
、 10年一 1
47本
、 11年一 198本、と順調に増えている。特に H地区では
2010年から実生小苗が多数発生しており、 11年だけでも 20
本以上の実生が新たに出現したと思われる。またここでは、ンュンラ
ンの実生も 10本以上発見された。 H地区は、 02年以前はマヤラ
ン ・サガミランの発生がほとんど見られなかった場所だ、ったが、 0
3年より大発生が始まった場所で、もある。さらに、調査区域外でも、
キンラン・シュンランの実生がかなりの密度で発生している場所が
ある。
これらの現象は、土壌中での局所的な共生菌の活性化の結果では
なし、かと想像される。こうしづ現象を目のあたりにすると、「播かぬ
種は生えぬJ とは言うものの、いくら播いたところで「共生菌の居
ない所に播いても無駄ではないかJ という気にさせられる。とは言
うものの、共生菌が活性化している場所が、人の目では感知できな
い以上、「数打てば当たる J式に播種を続ける以外に、現時点では方
策がなさそうである。
4) エビネ園
エビネ閣のエビネの花茎数は、 07年一 803本
、 08年一 754本
、 09
年 -670本
、 10年一 384本
、 11年一 316本である。ここ数年は、年々
減っており、特に 10年以降は酷い状況である。原因は、継続的な盗掘に加え、
10年夏の高温と皐魁が考えられる。一方毎年の事であるが、エビネ圏内の一
部に非常に生育が旺盛な場所があり、それからすると高温よりも水不足の影響
の方が決定的なようである。昨年には潅水用のホースを購入しており、今後は
渇水期にも十分な水遺りをする積もりである。
以上
1
2
環境省 R
D
Bにおけるラン科植物絶滅危倶種名
修正の必要性について
一絶滅種(
E
X
)
，絶滅危慎種 1A
類(
C
R
)，絶滅危慎種 18類 (
E
N
)
及び準絶滅危慎 (NT)ー
明治大学法学部教授・弁護士
夏井高人
環境省レッドデータブック (RDB) において絶滅危倶種として指
定されているラン科植物の中には，指定それ自体及び種名の選択等
において問題なしとすることができないものが多々含まれているこ
とは周知のとおりである。
それら問題のある指定等の中で，学説上の見解の相違に基づくも
のについては更に調査研究を重ねた上で最終的な判断がなされるべ
きものと考えられる。
2年 6月 l日現在，世界レベルで承認されており，学
しかし， 201
説上の見解の相違がない(または，異論があっても無視してよし、)
と判断可能な種名等については，至急修正すべきものと考えられる。
CI
T
E
Sにおける記載上の混乱を防止する必要性や法適用上の誤りを
防止する必要性があるからである。
とりわけ，罰則(刑事罰及び行政罰)の適用や行政規制のある種
については，環境大臣による指定の誤りが，不当に国民の権利自由
を違法に(科学的かつ明確な根拠に基づかないで)制限する結果と
なり，そして，国家賠償責任の原因となり得るものであることから，
憲法違反として無効になることを肝に銘ずべきである。また，環境
省の指定にならい制定されている地方自治体の保護条例等について
も同様に考えなければならない。
そこで，種名に関する関連資料等を精査した結果，絶滅 (EX)，絶
滅危倶
IA類 (
C
R
)，絶滅危倶 1B類 (
E
N
) 及び準絶滅危倶 (
N
T
)
1
3
として指定されているラン科植物中の下記のものについては，上記
のような意味で指定種名の変更を要する(または，要否について検
討すべき緊急の必要性がある)と判断した。ただし，植物分類学上
の見解の相違のあるものが含まれており，今後， 専門家による綿密
な調査研究が望まれる。
[注記]
他のラン科植物と同一種であると推定されるものの，日本国においては
固有種等として頑迷な意見が述べられている種(変種・亜種等)について
I
愛したものがある。すなわち，本稿は，網
は，不毛な争いを避けるため害J
羅的ではない。
URLや学名等を含め，基本情報は 2
0
1
2年 6月 1日現在のものである。
a
r
lv
o
nL
i
n
n
eだけは，便宜.ILj と表示しである。
学名の命名者中で.C
絶滅 (EX)
ツシマラン
環境省 RDBでは f
ツシマラン E
v
r
溜d
i
a
n
t
h
ep
o
i
l
a
n
e
iJとして指定されてい
るが.f
ツシマラン Odo
n
t
∞hiluspoilaneiJ とすべきである。
{学名]
∞
O
d
o
n
t
∞hiluspoilanei(Gagn叩山)Om問。d2 2
1
異名]
B
a
s
i
o
n
戸n
:
E
v
r
a
r
d
i
a戸i1a
n
e
iGagn
叩a
i
n1
9
3
2
.
S戸1
0
n
戸n
s
:
He
凶 伺a
p
o
i
l
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n
e
i(
G
a
g
n
叩a
i
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l
i
釦 g
釦 d
Wang1
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5
1
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E
v
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o
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[和名 l
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[中国名]
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[参考]
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和名]
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参考]
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[参考}
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[中国名]
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[中国名]
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[中国名]
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[参考]
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[中国名]
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[参考]
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参考]
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42
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[中国名]
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[和名]
羽蝶蘭
{参考]
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[和名]
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[中国名]
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[参考]
Kew
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注意]
従来，マキパラン (
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[参考]
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[学名]
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[参考]
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[注意]
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環 境 省 RDBでは I
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[和名]
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[参考]
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[和名]
幽霊醐
[中国名]
双唇醐 (
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オキナワムヨウラン
環境省 RDBでは I
オキナワムヨウラン L
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Jとして指定さ
れているが. r
オキナワムヨウラン L
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J とすべきである。
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学名]
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異名]
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[和名]
沖縄無禁断
[参考]
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勾蹴i
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以上
53
ランを食害するハモグリパエの名前の謹
大貫一夫
ランを食害する日本産のハエに関する最も古い文献情報は、私の
識る限りでは、
号に、
1986年 1月 1日発行の『自然と野生ラン』創刊
氏が執筆しているトクナガハモグリパエに関するもの
i
です。この記事の冒頭で「野生ランの害虫についての研究は皆無と
いってよい程研究が進んでおらず、筆者が作物害虫の研究の片手間
に細々と続けてきた結果がわが国での唯一のものではないか、と思
っているほど野生ランについての害虫の研究成果はすくない。 Jと述
べられております。
倉附号でー コ 氏が取り上げた「トクナガノ叶グ、リパエ」というの
は、この記事に拠れば、以下に引用したような被害をエビネに与え
ます。
「成虫はエビネのまだ展開しない新芽の葉鞘の地際部の葉組織内に
産卵し、幼虫は葉肉内に潜って食い進むので黒変したすじ状の食害
痕がみられるようになり、多いときにはー芽に数頭の幼虫が食い込
んでいることもある。
幼虫は芽の芯部にまで食い込むと、芽のなかの葉や花茎、つぼみ
までを侵し、被害芽は満足な開花をみない。
(中略)
発生はかなり早い時期から始まるらしく、 1975年の観察では
4月 9日現在でさなぎ率が 50パーセント、同 12日にはじめて成
虫が発生してきたから、かなり早い時期に産卵が行なわれるものと
推察される。 J
現在、 」
でエビネに発生しているハモグリバエ類の被害
は、専ら果実に対してのみであり、被害の発生(産卵の開始)は 5
月以降です。この記事の写真には、エヒoネの葉に潜っているハエの
踊が写っていますが、
のハモグリパエがランの葉に潜ってい
54
るのを、私は見た事が有りません。従って、この記事で述べられて
、
いる 「トクナガ、ハモグリパエ Jは
ー ーで被害を与えているハモ
jl'
グリパエとは、明らかに異なるものだと考えられます。
ラン ・ネットワークでは、 1998年の活動開始以来、自生地での
採種・播種に取り組んできましたから、当初からハモグリパエには
注目してきました。
のハモグリパエに関しては、初代代表の
JAPAN~ 第 3 号 (2001 )の 42
井上健先生が『ラン ・ネットワーク
ページに記事を載せています。この記事の前半部分を以下に引用し
ます。
r
1998年に「 一 一
で採集されたマヤランの食害昆虫につ
)「大学の 一
ー
いて、ハモグリパエの専門家の f
氏に昨年同定を依
頼しました。その結果、以下の返事を貰いました。
『おくられてきた標本は、マヤランのものも、キンランのものも、
ツチアケビハモグリパエ A
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9
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1
(ノ¥モグリパエ科、 Agromyzidae) だと思います。このハモグリパエ
は、四国のツチアケビの果実から羽化したもので記載され、私も京
都のツチアケビから羽化させています。ツチアケビから羽化するも
のと本当に同種かどうかはもっと詳細に比較する必要があるかもし
れません。』
新種の可能性もありますが、とりあえずツチアケビ‘ハモグリバエ
としておきましょう。 J
この記事以降、私自身としては、
q
のラン科植物を食害する
のは、ツチアケビハモグリバエで、ある J としてきました。
上記の
1
9
8
7
)
産のハモグリパエの同定に先立ち、長谷川等 (
のクマガイソウの果実への被害の報告、また Sugi
ura (
1
9
9
7
) のコケ
イランの果実への被害の報告がそれぞれあります。この時期、よう
やく自生地のランに対するハモグリバエ類の被害が、極一部でです
9
8
7
) の報告では、食害す
が注目されだしたようです。長谷川等(1
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るハエの名前を「シュンランキモグリパエ (
S
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) としています。
55
2000年代になると、 三二 大学農学部の
!先生等が、大学
構内(東京都町田市・神奈川県川崎市 ・横浜市に跨がる)で、シュ
ンラン・キンラン・エビネ・シラン・ネジバナ ・オオパノトンボソ
ウ・サイハイランを食害するハエの研究を行ないました。その折り、
キンランに寄生したハエを、 一 一戸
・
ι
定して頂き、「ランミモグリパエ
扶 学教授
教授に同
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aJとしづ名前をご教示されています。
今年 (2012) の 3月 17日、筑波実験植物園のシンポジウムの折
りに、
ι
先生に直接お話を伺い、 」 大学でのハモグリバエ類の
被害状況を聞いたところ、成虫の活動開始時期等から、
のものと同じものではないか、としづ感触を得ました。 f
ランミモグリパエとは、
大学の
のツチアケビ‘ハモグリパエと閉じも
のではないのかJ としづ疑問です。
さらに、私はこれまで「シュンランキモグリパエ J とか「トクナ
ガハモグーリパエ J という名前も聞かされてきました。いったいこれ
らの名前は、どうしづ関係にあるのでしょうか。
ところで、 3月 17日午後のシンポジウムに先立ち、午前中には
ランの自生地播種に関するワークショップが開催され、それに出席
した私は、たまたま
!
大学大学院博士課程で
二 研究室の
さんという方と、同じテープ、ルを囲む事となりました。あの「ハ
モグリパエ専門家Jの
へ帰宅後、
ー
先生の研究室の方です。筑波から東京
r-:
さんから頂いた連絡先へ電子メールで、ラン科植物
を食害する、 トクナガハモグリパエ・シュンランキモグリパエ ・ツ
チアケビ、ハモグリパエ ・ランミモグリバエといったハエ達は、閉じ
ものなのか、違うものなのか、問い合せてみました。そして概ね以
下のようなお返事を頂戴しました。
「ランミモグリパエ ]
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aJは、こ
れまで fトクナガハモグリパエ J・「シュンランキモグリパエ J と呼
ばれていたもので、最初は r
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J
として記載されたものです。その後の検討で M
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a属と異
5
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なる特徴を持つことが明らかになったため、 j
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a属に移
され、種小名のみそのままになったと考えられます。ツチアケヒずハ
モグリパエは、同じく 「 先生により記載されたものなので、別種
だと思いますが、私自身では明確な差は無いと感じているので、シ
ノニムの可能性も有ると思います。 j
どうやら上記四つの名前は、全て同じ種を指しているような気配
これで一件落着J とは言えないのが、冒頭で
です。しかしながら、 f
紹介した、
氏が述べている fトクナガハモグリパエ Jの件で
す。既に述べた様に、ここで示されているハエの食害の特徴は、
ー!で見られるものとは明らかに異なります。「ランミモグリパエ j
という新しい名前も、「葉には潜らず、実に潜る j とし、う意味でしょ
フ
。
「トクナガハモグリパエ j には、異なる 2種が混在しているのでし
ょう方、
57
平成22年度ラン・ネットワーク総会(第 13回)臓事録
日時 :平成 22年 8月 28目
於
17時
:筑波実験植物園会議室
出席者:阿部孝男、石井佑基、石川 ￨
律、遠藤和雄、大西清二、
大貫一夫、大橋秀昭、小田倉正圏、熊谷忠男、倉田英司、戸田祐一、
橋本季正、林義武、三橋俊治、山本伸一、遊川知久、渡辺交、
(オブ、ザーパー)
1 :代表後拶
2:平成 21年度活動報告 (2009年4月1目-2010年 3月31日)
および平成 22年度活動方針 (
2010
年 4月1目-2011年 3月31目)
①
一一ー
での活動 (
大貫)→ 62ページ参照
②・ ・
一戸ず 谷地での活動 (
阿部)
1)現 状
新たな埋め立てはなく、ここ数年変化はありませんが、すでに埋
め立てられた土砂が埋め立てられていない泥炭層の下にもぐり込ん
で
、 全体が 3
0c
mくらい浮き 上がっているようです。
は入口
に近い方が泥炭層の下が深いので、今まで盛り 上がっていたのが数
年たち沈んできました。
1
0年ぶりくらいにサギソウが咲きました。このように、
は水があればサギソウが自然発生する所のようです。サギソウは保
護 され、採取は減っています。
2) 地元の棟子
地権者は、今までと同じく市に貸 しておけばよいと考えています。
水パ‘ンョウの里」にパスで見学したいと申し込まれたが「案
今年 f
内人がいなしリので、断ったそうです。
5
8
3) 管理している農林課
)
J
・の立ち入りについては好意的にしてくれています。数年、
埋め立てに使用していないのに賃借料を支払っているので困り気味
のようです。
4)保護すべき文化課
今までの担当者が退職し、新しい担当者は文化庁の意見を取り入
れ「何もしないことが保護Jと考えているようです。* 公民館が
協力している。館長が熱心。サギソウ展。
③l
建設に伴うラ ンの保全について (
三橋)
→カラ ー し お よ び 1色 2ページ参照
④1
アツモリ ソウ生育域外保全事業経過報告 (
大貫)
.
.
:
J
のアツモリソウは、村内の一軒の庭の数株のほかは全て絶
~
えたと思われる。その株もウイルスに犯されていると思われる。 2
0
0
9
年 6月 7 日に人工受粉し、その後種子を採って播種したが、発芽し
なかった。
これをもって当会の「
「アツモリソウ生育域外保全事業 Jは
終了とする。
⑤実生増殖部門報告 (
倉田 )
3:r
ラン生息婿外保全ネットワーク J(仮称)股立について (三橋)
時期早尚により、今回は見送り。
4 :ラン関係団体情報連絡会 (三橋)
第1
4回総会の議事録(→ 69ページ)参照。
5
9
5:世界ラン腹との相互リンクの件 (
戸田 )
-世界ラン展事務局(読売新聞)よりホームページ相互リンクの依
頼があり、了解した。しかし、ホームページの更新が会報だけだと
なかなか更新できない。活動状況をアップしたい(活動状況の提供
依頼 ・報告と写真)。
・活動場所の表示方法をどうするか。実名、伏せ字、県名のみ入れ
る、等々。
「ま実名でもよいのでは?
6:希少種の種子の外郎曇託について (三橋)
希少種の種子を外部に委託し、保存を図る。
承認、
7 :平 成 21年度の会計報告 (戸田)
平 成 22年 3月末現在:
ー円。平成 22年 5月末
より振り込みがあり、約
万円の資金があ
る(→ 61ページ参照)。眠らせておくのはもったいないので、ラン ・
ネットワークにふさわしい使途を考えたい。
8:第 14回総会の場所と日時
総会の時点では来定(その後、 201
1年 7月 16日
、 1
5時より、吉
祥寺 f
永谷産業貸会議室Jにて行うことに決定)。
*総会後、オブ、ザーパーの
氏(筑波実験植物園)の講演が
ありました(要旨は 66ページ)。
60
ラン・ネットワーク平成 21年度会計報告書
(自:平成 21年 4月 1日 至:平成 22年 3月 3 1日)
6
1
の活動報告・活動計画
大 貫 一 夫 平 成 22年度
ラン・ネットワーク総会(第 13回)
2010/8/28
1)定期現地作業と自生ランの現況
例年通りに春・夏・冬の年 3回の現地作業を、 2009年 7月 1
・ 10年 1月 24日
、 2010年 5月 15日
、 2010年 7月
9日
19日にそれぞれ行なった。
主な内容は、キンランには入工受粉と防虫袋掛け及び出現茎葉数
調査(未開花茎を含む)、マヤラン、サガミランには防虫用ネットの
設置および地上出現花茎数調査、そしてキンラン、マヤラン、サガ
ミランの採種・播種及び自生地での播種等である。
マヤラン・サガミランに関しては、年毎の出現花茎数の増減はあ
るものの、やや減少傾向にあるようにも思える。ただ公園全体では、
調査区域に含まれていない地区で新たな群落の出現がかなり観察さ
れている。群落の遷移は明らかに認められる。注目される点は、当
初に比べてサガミランの比率が大きく増えているということである。
我々の調査が始まった当時は、サガミランの比率は全体の 1割以下
で、あったと考えられるが、本年 (2010年夏)の調査では、つい
にサガミランの数がマヤランを上回ってしまっている。
キンランは、今年春の調査では未開花茎を含め 147本が確認さ
れた。昨年は 107本であり、 07年の 120本をも上回り、これ
までで最も多い。やや増加傾向と思える。消えてしまった株もある
、型の株が、一定の
が、新たに出現した株もかなり見られる。若し ¥Ij
範囲にまとまって発生している例も数ヶ所観察できる。これらは、
ある時期に地中の共生菌が活性化されたことの反映かもしれない。
ササパギンランが昨年初めて 1本観察されたが、その株が本年は
出芽直後に折られてしまった。近くで立ち木の伐採作業が行われた
影響と思われた。この種の作業は、請け負った業者がクレーン車な
どを持ち込み大掛りに行われる。我々の立場からは、出来るだけ冬
62
期に実施される事が望まれる。
オニノヤガラは、今年は 8本出現した。別に 2本が笹刈り時に伐
られていた事が判明し、また盗掘穴らしいものも 3ヵ所程見られた。
シュンランの実生株が数株まとまって発見されている場所がある。
また調査区域外では、シュンランの大株や実生株がまとまって発見
されている。これは単に今まで我々が見逃していたに過ぎない事例
であるが、やはり嬉しいことには違いない。
2
)エピネ園
今年は、あらかじめ予期していた事ではあるが、エビネ園がかな
り悲惨な状況を呈している。花茎数を数えるまでもなく、誰の目に
も花数が少なくなっているのは明らかであり 、わずかに咲いた花も
小さな花茎で花数も少なく 、みすぼらしい。実際、エビネ園を目当
てに来園された人からも失望の声が聞かれた。例年は株数の調査も
しているが、今年は貧弱な株が多数で、開花株も少なく個体識別が
困難なので、株数の調査は不可能で、あった。全体としては、 06年
以降で、今年は「最もみすぼらしい、惨めな状況j と言える。
ここ数年来のエビネ園の衰退の主因は、盗掘だと推定される。こ
れまでにも明らかにエビネを掘り採ったと思われる痕跡がたびたび
発見されている。芽数で言うと毎年 100本単位で失われていると
考えなければ計算が合わない状況である。当初は 500株を植え付
け、開花花茎数が 1000本を超えるのは時間の問題だと恩われた
が、実際には 08年以降は毎年花茎数が減り続けている。
エビネ園の消滅J も妃憂とは言えない段階に差し掛ってい
現在 f
る。もとより多少の盗掘が発生することは折り込み済みで、 500
株を植え付けたわけであるが、現実は自然増殖するよりも早いペー
スで盗掘が進んでしまっている。 24時間監視をするわけにはし、か
ないので、今後もエビネ圏では盗掘が継続すると考えざるをえない。
第二の原因として、エビネ園の一部ではあるが 、 ここ 1
.
.
.
.
.
.
.
.
2年の
管理が行き届かず、他の林床の草本(トキワツユクサ等)に覆い尽
63
くされてしまった部分があった。この点は我々自身の手で改善の余
地が大いにある。
以下にこれまでの調査結果を記す。く 2011年の報告 (73ページ)参照>
なお、本年 8月は猛暑日が連続した上に、降雨が無かったので、
8月 22日
・ 27日にエビネ園に瀧水をおこなっている。
3) クマガイソウ聞
2005年早春に 3株 6芽植え付けたところ、出芽直後に 4芽を
引き抜かれた。それでも地下茎の潜芽からやや復活し、 2007年
春には 3株 5芽で‘あったところ、昨年はとうとう 2株 2芽のみであ
った。懸念された通り盗掘が継続しているようであった。
そこで最後の手段として、残された 2芽を守るために、 仁一日公
園緑地管理事務所の了承を得て、 3月から株の周囲を完全にケージ
で囲うことになった。今年の春は、 2芽の内で大きい方の株が開花
した。
での開花は 2006年以来で 2度目である。 2006
年に開花した株は、最初の引抜きの被害を免れた株であったが、現
在では消えてしまっている。これまでの生育状況を考慮すると、現
地は盗掘にさえ遭わなければクマガイソウにとって好適な環境のよ
うに思われる。来年以降は、可能ならば人工交配を行い、無菌培養
で実生苗を量産したいものである。
今後もクマガイソウに関しては、エビネ以上に盗掘が憂慮される。
仮に増殖事業が進展したとしても、将来に渡ってケージの中で一般
公開するほか無いであろう。
4) 山草園
ヤマブキソウが大群落となり、春はイチリンソウ、ニリンソウ等
とともにかなり見栄えがする状態となった。また今年の春には、ヤ
マユリの播種を行なった。今後数年の聞にヤマユリの大群落を育成
したい。
それにしても、呆れるのは盗掘の多さである。カタクリのような
64
人気種はもちろん、ウラシマソウ、ムサシノキスゲ、ノアザミ、ホ
タルブクロ、オニユリ、キツネノカミソリ、リンドウと、数え上げ
たらきりがないほどである。開花期に乱暴に掘り盗る者もいるが、
休眠期直前の移植適期に盗掘を行う例も多い。盗掘防止には、開花
期以外には名札を設置しておかない方が良いようである。
カイコパイモ、タマノカンアオイ、カザグ.ルマ等の武蔵野地方産
の絶滅危倶種の収集と保存栽培も「生育域外保全J として 、今後も
継続していきたい。
5)その他
遊川知久代表等の研究に対する協力として、マヤラン、サガミラ
ン、シュンランの播種試験等のお手伝いをさせて頂いている。本年
2月 12日
、 19日には
[植物園支援研究員のこ一一コ (
I~) 氏が播種試験に来園された。また、昨年 9 月 8 日には、シ
ュンラン、マヤラン、サガミランの光合成量測定のために、遊川代
表と
p
川氏が来園された。測定には、クロロフィノレ蛍光測定装置 (
AM) を使い、葉や果実の表面に蛍光を当てて行なった。
6月 8 日には、オニノヤガラの根状菌糸束を採取するために、独
立行政法人
」研究所の f
で博士、 仁 .
_
.'e生が来圏し、作
業に大貫が立ち合った。
毎年 2月に東京ドームで開催される『世界らん展・日本大賞』に
おいて、本年はランの保護活動を特集したオーキッド ・フォーラム
が開催され、関連するパネル展示も行われた。その中で、ラン・ネ
ットワークのL
I
での保全活動も取り上げられた。
2月 14日(日)のオーキッド ・フォーラムにおいては、最初に
「日本の野生ランの現状と保護 ・保全活動について j としづ題で遊
川代表の講演が行われ、その後に 「ー
におけるラン科植物
の保全J としづ題で会員の橋本季正の講演が行われた。また、パネ
ル展示では、大貫がケ二J
ご
で撮影した 4 0点の写真とその解説
が展示された。
以上
65
さんのお館要旨
第1
3回ラン・ネットワーク総会での
(三橋記)
当植物園では、アジアのものを中心に約 3
5
0
0種の植物を保全栽培
0
0
している。空調の効いた温室は 1
7C
"
'
2
3Cに調節されている。水は
R Oフィルターを通した、 pH6
.
7の浄水を使っている。浄水は余分
な成分を含まないため、思ったように肥料効果を高めることが出来
る
。 1
0日に 1回の割り合で、キレート ・硝酸カルシウム・ lカ リ +
硫安・微量要素 ・硫酸マグネシウムを、 3
0
0
0
"
5，
0
0
0倍を与える。
地生ランには油粕が効くが、球根植物に与えると腐ることがある。
シュスラン類も空調の効いた温室に置いているので成績がよい。南
方の、ンュスラン類も良好である。
主なカイガラムシは成虫になるとロウで覆われ、薬剤が効きにく
くなる。スプラサイドは耐性ができて効かないので、他の薬と混合
して使う。カイガラムシは厄介で、永遠の課題である。アブラムシ
も有機リン剤に耐性ができた。有機リン剤以外の薬剤をローテーシ
ョンして使うと効果がある。
保湿のため、床には入工芝を張り、特に湿度を求めるランには、
鉢を置くトレイの下に水を溜めている。加湿器も常時稼動し湿度
80%に保っている。蒸留水を使ってから、軟腐病や炭そ病が出にく
くなった。デンドロピウム ・セクション ・フォルモセは季節の変わ
り目の低温時期に炭そ病が出やすい。クエン酸を加え、 pH4にした
水で潅水すると、炭そ病や白絹病が出にくくなる。より酸性に近い
水は肥料が溶けやすくなるので、よく効く。純水を使うと生水苔が
よく育つ。弱った苗は水苔(酸性)植えにすると、根がよく張り、
回復する。純水は手触りがサラッとしている。パークはものにより、
成績が良否分かれる。葉の枯れこみはマグネシウムの不足による。
たくさんのランを保全栽培するには、職人芸だけでは限界があり、
プロデ、ューサー的な立場で仕事を進めることが望ましいが、人手不
足で思うようにならない。
66
コルクは 1---2年でボロボロになり、水もちも悪いのでへゴに変
えている。へゴは水に浸して、アク抜きしてから使う。ヘゴなどに
ランを着生させると、ランが思うように好きなところに移動できる
からよし、。
管理上の制約から、 1種 3株に制限している。大株づくりはせず
に、株の先端の元気のょいところを小鉢で‘作る。パックは、危険分
散のため他の植物園に寄贈する。
植替えは地生ランはまめに行う。ノ、ベナリア等球根を持つランは
毎年植え替える。シュスラン類で痛んだものはプラスチックケース
に生水苔で植え、密閉しておくと回復する。株の状態がよくなった
ら出す。ヒメミヤマウズラは外では作りにくいが、密閉栽培は成績
がよい。
一つしかないものはタネをつけて増殖する。肥料にマグネシウム
など、バランスの良い肥料を与えると子房が大きくなり、タネがつ
きやすい。また、花粉塊も大きくなる。花も大きくなる。葉がハダ
ニの被害で、ひどいものは水洗いをして手で落とし、月に 3回薬剤
散布を行なう。
67
平成23年度ラン・ネットワーク総会(第 14回)
繊事録
開催日時:平成 23年 7月 16日
15時
開催場所吉祥寺 f
永谷産業貸会議室J
1 :平成 22年度活動報告 (2010年4月1目.
.
.
.
.
.
2
0
1
1年3月 31目)
および平成 2 3年度活動方針 (2011年4月 1日"""2012年 3月31目)
①
二二アコでの活動(大貫)
→ 71ページ参照
ー主物部の協力を得て、協同で作業を行うことに決定。
②
(
サギソ ウ自生地)での活動(阿部)
1)立ち入りについて
市農林課が残土処分場として賃
ま民有地ですが i
借して管理しています。ラン・ネットの立ち入りについては公式に
は許可できないので文書もなく口頭で許可されています。
2) 現状
埋め立てはほんの少し嵩上げした程度です。管理している農林課
の担当者の話では今後サギソウが自生している所へは新たに埋め立
てしないそうです。以前「
一1の入り口付近の水田が隆起して問
題になったので現状を維持して嵩上げしていくそうです。
3) 排水工事について
入口の水田が基盤整備工事を行います。 2X4mくらい
の大きな排水溝が作られ横にドレンと呼ばれる排水口があります。
そこから 「
の水が流れる恐れがあるので担当する土地改良区
に相談したところ排水口を塞ぐと全体が浮き上がるので無理だそう
です。
4) 今後の予定
近年種子が採れにくくなってきているので「虫 J対策として開花
前に花全体を囲うようにしたいと考えています。
68
③埼玉県内の
建設に伴うランの保全について (三橋)
d
→カラー 1ページ、および 1色 2ページ参照
④実生増殖部門報告 (倉田)
→カラー 6ページ参照
⑤ラン関係団体情報連絡会 (三橋)
洋ラン関係団体以外の参加はラン ・ネットワークだけになった。
野生ラン関係の話題は出ない。
2:保全活動に伴う、交通貨・食事補助について(戸田案)
での活動
昼食費
1
000円/人
日帰り
交通費実費+昼食費 1
000円/人
-収入を伴う事業活動
1
1
宿泊を伴う
交通費実費+宿泊費実費
(1泊 2食のみ)+昼食費 1
0
0
0円/人
*上記の内容で承認
3:コゴメキノヱラン生体値渡について (三橋)
環境省(新宿御苑)との間で、推進を前提に話し合っている。担
当者が熱心なので実現の可能性があると思う。
4:平成 22年度の会計報告 (戸田) (
資料添付、 70ページ参照)
5:第 1
5回総会の場所と日時
総会の時点では未定(その後 2012年 8月 25 日に八丈島(民宿自
由が丘)で開催することに決定)。
69
ラン ・ネットワーク平成 22年度会計報告書
(自平成 22年 4月 1日 歪平成 23年 3月 31日)
70
ρ活動報告・活動計画
大 賞 一 夫 平 成 23年度
ラン・ネットワーク総会(第 14回)
2011/7/16
1) 定期現地作業と自生ランの現況
011年 1月 23日
、 2
011年 4月
例年通りに冬・春の現地作業を、 2
29日にそれそ れ行なった。なお、夏の現地作業は、明日、 7月 1
e
7日に行う。
主な内容は、キンランには人工受粉と防虫袋掛け及び出現茎葉数
調査(未開花茎を含む)、マヤラン、サガミランには防虫用ネットの
設置および地上出現花茎数調査、そしてキンラン、マヤラン、サガ
ミランの採種・播種及び自生地での播種等である。
マヤラン・サガミランに関しては、本年の調査がこれからである。
冬期の播種に関しては、ここ 1
.
.
.
.
.
.
.
2年は防虫ネットの中の完熟果実
を放置し、風散布に任せている。
キンランは、今年春の調査では未開花茎を含め 198本が確認さ
れた。昨年は 147本であり、一昨年は 107本であった。昨年に
引き続き増加傾向が明らかである。圏内の調査区域外でも昨年同様
に若い株が多数発見されており、例えばポンプ小屋の南側部分で、は、
昨年キンランが 30本、今年は 46本が数えられ、圏内全体では 3
00本以上が出現していると考えられる。キンランの播種を、マヤ
ラン、キンランの新しい出現が見られた j地区で 1月 23日の現地
作業時に行なった。
昨年来、シュンランの若い株がかなり発見されている。興味深い
事は、シュンランの実生が見られる場所では、キンランの実生の発
生も観察される事である。例えば、 H地区・ 掴
R
南側部分で
ある。
シュンランに関しては 、我々が活動を開始した時点では、調査区
域内では、ほとんど全く見られなかった。
ササパギンランが 2009年に初めて 1本観察されたが、その株が翌
7
1
年 (
2
01
0年)の出芽直後に折られてしまった。幸い今年も同じ場所
に健全な状態で 1本出現している。
オニノヤガラは、昨年は 10本出現したが、今年は見られない。
公園案内所の話に拠れば、 A地区で 1本見られたという話である。
し、ずれにしても、一時の勢いは無くなった。
サイハイランは E地区の株が現状不明であるが、新たに F地区で
2芽発見された。
2) エビネ図
昨年も悲惨な状況で、あったが、今年の春はより一層酷い状態であ
った。その原因は、数年来の盗掘に加えて、昨年夏の酷暑と皐魅で
あると考えられる。昨夏は、 8月 22日から 9月 8日に台風 8号に
因る降雨があるまで、数度潜水を行なったが、既に f
焼け石に水 J
の状態で、エビネ株のダメージは相当大きかったと考えられる。今
年も梅雨明けが異常に早く、また 6月下旬から酷暑が続いている。
しかし今年は潜水用に 30mのホースリ ールを購入しており、すで
に 1回現地で瀧水作業を行なっている。今後も天候に注意をし、必
要に応じて瀧水を行い、エビネの生育には万全を期したい。なお、
虫媒に因って結実した花茎には、例年同様に袋掛けを施している。
[
エビネ因調査結果1 0
3年 例 年 05年 凶 年 0
7年 08年 09年
保数
芽数
花茎数
開花率(%)
1株当たりの芽数
5
0
0
。
。
4
6
1
1
1
9
4
2
1
9
7
4
6
0 4
6
5
1
0年
4
2
5 3
4
7
1
0
8
3 1
1
0
2 1
3
0
0 1
1
0
2 1
1
5
0
7
6
7
5
4 6
7
9 3
8
0
3 7
8
6
1
6
.
5 7
0
.
8 7
2
.
9 58.0 6
0
.
8 3
3.
6
2
.
6
2
.
4
1
1年
2
.
5 3
.
1
5
7
9
?
316
ワ
3
.
2
なお、本年分のエビネ圏の芽数であるが、調査日以降に出芽したと
思われる株がかなりあり、夏の定期作業時に再調査を行し、たい。
72
3) クマガイソウ画
最後に残された 2芽を守るために、昨年 3月から株の周囲を完全
にケージで囲うことになった。今年の春は、 2芽の内で大きい方の
株が開花した。昨年と全く同じ状態である。昨年夏の猛暑と早魁で、
秋口には地上部が枯死してしまったのが、現状維持(足踏み)の原
因と恩われる。逆に言えば、通常の生育が可能であれば、作上がり
とその結果として栄養繁殖が十分に期待できる。エビ‘ネ菌のエビネ
同様に、管理に万全を期したい。
4) 野草園
春は非常に見栄えがする状態となり、来園者に好評を博している。
公闘案内所の依頼により野草園の花暦を作成したので、資料として
添付する。
6年前にヤマユリの実生小球を 150球植え付けたのが、僅かに
現存し、一部がようやく開花サイズに達し、今日現在、開花中であ
る。一方で、未だに 1枚葉の状態の株もある。現在、新たに数 10
0球のヤマユリ実生を育成中である。今回は、茎立ちできるサイズ
まで育成してから現地に植え込む予定である。
5) その他
遊川知久代表等の研究に対する協力として、マヤラン、サガミラ
ン、シュンランの播種試験等のお手伝いをさせて頂いている。現在
播種試験が現地で継続中である。
以上
73
「武蔵野の野草園J花 暦 (
梅林周辺の野草の花暦です)
3月 f4
月 15月 16月 I7月 I8月 I9月
アズマイチゲ
カントウタンポポ
ミチノクフクジュソウ
カタクリ
タチツボスミレ
イカリソウ
マノレパスミレ
•
・
・
・-・
・'
-•
h
l
••
•••
•
ウラシマソウ
••
ヒ トリシズカ
I ••
スミ レ
イチリンソウ
ニリンソ ウ
ジロボウエンゴサク
••
•
••
ヤマブキソウ
r
ヒメウズ
チゴユリ
エビネ
キンラン
ムサシノ キスゲ
カザグ‘
ノ
レ
マ
アヤメ
ノアザミ
•
••
••
••
••
••
.
1
•
•
••
.
1
.
，
.
..
ドクダミ
.
'
.
.
'
.
.
:
ホタノレプ‘クロ
オカトラノオ
チグケサシ
ヤマユ リ
74
1
1
0月 ￨
5月
ノカンゾウ
ヤブカンゾウ
オニユリ
アキノタムラソウ
キツネノカミソリ
ヤマホトトギス
ヤマジノホトトギス
ユウガギク
ウパユリ
カントウヨメナ
センニンソウ
ツノレボ
シラヤマギク
ツリガネニンジン
ノハラアザミ
ワレモコウ
ミゾソパア
キノキリンソウ
コパギボウシ
トネアザミ
シロヨメナ
イヌショウマ
ノコンギク
リンドウ
リュウノウギク
6月
7月
8月
9月
1
0
月 1
1月 1
2月
••• •
•• •
•
• ••• ••• ••
••
••• ••
• ••
••• ••• •••
•
••• ••• •••
• ••
•••
•• •••
• •••
••• ••• •••
•• ••
• ••
••
•• ••• ••• •
• •••
••
•• ••
••
•• •
•• ••
」
7
5
ラン・ネットワーク規約
1
.
名称:本会はラン ・ネットワークと称する。
2
.
目的:日本のラン科植物の自生地における保全をはかる
ことを目的とする。
3
.
会員:前項の目的に賛同するものをもって会員とする。
4
.
活 動 :(1)2項の目的を達成するために必要な活動を行う。
(2)総会を年 1回開く。
(3) 会報を発行する。
5
.
役員:顧問、代表、高J
I
代表、会計および幹事を置き、会の運
営にあたる。
6
.
会計年度:会計年度は 4月 1日から翌年 3月 31日までとする。
7
.
規約改正:規約の改正は総会において行う。
付員J
I:この規約は 1998年 7月 19日より発効する。
役員
岩槻邦男(顧問)、遊川知久(代表)、三橋俊治(副代表)、
戸田祐一(会計 ・事務局)、大貫一夫(幹事 ・自生地)、
大西清二(幹事・編集)、倉田英司(幹事 ・無菌培養)
7
7
N
o
.
ラン・ネットワーク入会申込書
規約に定める目的に賛同し、入会を申し込みます。
年一一月
西暦
日
氏名
住所干
電話番号(fax)
所属団体(愛好会、研究会、学会など)
該当するところに O印をつけてください(複数可)。 資料とします。
ラン ・ネットワークの目的に賛同するが、具体的な活動は難しし、。
近距離の自生地(日帰り)の調査、保全・修復作業に参加可能。
遠距雌の自生地(宿泊)の調査、保全・修復作業にも参加可能。
無菌培養による遺伝子保存、増殖に協力可能。
緊急諸機(開発などで自生地が破壊される場合希少種を採取して保存
栽培する)のランを受け入れ可能。
*緊急避難を受け入れる場合に栽培が得意なランの名前をあげてくだ
さい。
(00の仲間などおおまかな記載でも結構です)
会費:年会費 3
，
0
0
0円
入会金不要
申込書送付先:(事務局)干 3
1
2
0
0
4
1 ひたちなか市西大島ト2
6
2
3
戸田祐一
t
e
l0
2
9
2
7
4
1
3
0
0
[この入会申込書はコピーしてお使いくださし、]
78