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当連結会計年度の経営成績の分析
データセクション 当連結会計年度の経営成績の分析 NSKグループは当連結会計年度(2015年4月1日から2016年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、 前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っています。 1 当連結会計年度の概況 「 売上高 NSKグループは、2016 年の創立 100 周年に向け、 1 兆円を支える企業基盤の確立」をビジョンとする3 年間の中 期経営計画に2013 年 4 月より取り組んできました。事業戦略 としては「収益重視の成長」、経営基盤の強化に向けては「 1 兆 心に景気の緩やかな回復の傾向が続きました。 また、中国は経 円の物量を回す管理能力の構築」 を推進してきました。 億 19 百万円(前期比 +0.0%)、営業利益は 895 億 34 百万円 済成長の減速傾向が続き、その他アジアでは一部持ち直しの 兆しが見られるものの景気の足踏み状態が続きました。 このような経済環境下、当連結会計年度の売上高は9,753 当連結会計年度の世界経済を概観すると、日本経済は原油 ( 前 期 比 + 3 . 0 %)、税 引 前 利 益 は 8 7 2 億 8 百 万 円( 前 期 比 安や各種政策効果はあるものの、年初来の急激な円高もあり +3.1%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は657 億 19 百 となりました。 万円(前期比+10.7%) 全体として景気は不透明感が増してきました。米国経済は個 人消費を中心に堅調に推移しました。欧州では、ユーロ圏を中 2 セグメント情報 セグメントごとの市場環境と業績は次のとおりです。 産業機械事業 自動車事業 産業機械関連需要は、新興国を中心とした景気減速の影響 自動車需要は、グローバルに緩やかな拡大が続きました。日 を受け減少しました。地域別にみると、日本では、工作機械向け 本では、軽自動車の販売不振もありNSKグループの売上高が を中心に減収となりました。米州はアフターマーケット向けの 減少しました。米州は北米市場が堅調に推移し電動パワーステ 売上高が減少しました。欧州においては、家電向けの売上高は ・自動車軸受ともに増収となりました。欧州は アリング( EPS ) 増加しましたが、アフターマーケット向け等の低迷もあり減収 自動車市場の緩やかな回復が続き売上高が増加しました。中 となりました。中国では、風力発電向け等で増収となりました 国では、自動車市場の成長鈍化がみられたものの、小型車優 が、電機向けを中心に売上高が減少しました。その他アジアで 遇税制効果もあり増収となりました。その他アジアにおいて は、総じて需要が低迷し減収となりました。 は、各国の市場にばらつきがありましたが EPSを中心に売上 この結果、産業機械事業の売上高は2,597 億 84 百万円(前 期比△6.0%)、営業利益は230億90百万円(前期比△25.8%) となりました。 高が増加しました。 この結果、自動車事業の売上高は6,891 億 22 百万円(前期 とな 比 +4.9%)、営業利益は679 億 9 百万円(前期比 +12.3%) りました。 64 NSK レポート 2016 3 財政状態の分析 資産合計は1兆323億74百万円となり、前連結会計年度末に 流動資産は、前連結会計年度末に比べて423億57百万円減 比べて931億35百万円減少しました。主な減少は現金及び現金 また、流動負債は、前連結会計年 少し5,112億53百万円となり、 同等物88億58百万円、売上債権及びその他の債権179億18百 度末に比べて342億32百万円減少し2,932億47百万円となり 万円、棚卸資産116億6百万円、有形固定資産81億69百万円、 ました。その結果、流動比率は、前連結会計年度末の 1.69倍に その他の金融資産(非流動)207億68百万円、退職給付に係る 対して1.74倍となりました。有利子負債につきましては、有利子 資産274億63百万円です。負債合計は5,535億3百万円となり、 負債総額は前連結会計年度末から 508 億 7 百万円減少して 前連結会計年度末に比べて852億4百万円減少しました。主な 2,781億52百万円となり、純有利子負債(有利子負債残高から 減少は仕入債務及びその他の債務71億88百万円、その他の金 現金及び現金同等物残高を差し引いたもの)は前連結会計年 融負債(流動)201億20百万円、金融負債(非流動)305億21百 度末から419 億 48 百万円減少し1,026 億 36 百万円となりまし 万円、繰延税金負債157億53百万円です。資本合計は4,788億 た。 ネットD/Eレシオは、前連結会計年度の0.31から0.23となり 71百万円となり、前連結会計年度末に比べて79億30百万円減 ました。1 株当たり親会社所有者帰属持分は、前連結会計年度 少しました。主な増加は親会社の所有者に帰属する当期利益 また親会社所有者 の852.83円から839.56円へ減少しました。 657億19百万円であり、主な減少は為替円高等によるその他の 帰属持分比率は前連結会計年度の41.0%から44.0%となりま 資本の構成要素557億31百万円です。 した。 4 キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は1,755億15百万円となり、前連結会計年度末に比べて88億58百万円の減少 となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動により得られたキャッシュ・フローは、前連結会計年 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年 度に比べて430億92百万円増加し、1,086億22百万円の収入 度に比べて623億29百万円増加し、680億73百万円の支出と となりました。主な収入の内訳は、税引前損益872億8百万円、 なりました。主な収入の内訳は、長期借入れによる収入97億35 減価償却費及び償却費430億48百万円であり、一方で主な支 百万円であり、一方で主な支出の内訳は、長期借入金の返済に 出の内訳は、法人所得税の支払額178億31百万円です。 よる支出 477 億 93 百万円、配当金の支払額 178 億 61 百万円、 非支配株主への配当金の支払額29億74百万円です。 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年 度に比べて15 億 2 百万円減少し、452 億 12 百万円の支出とな りました。 NSK レポート 2016 65